ほむら「また、この病院なのね」 (38)

QB『たった四人で立ち向かうつもりかい?』

QB『いくら魔法少女が奇跡の象徴だとしても、無理な事だってある』

ほむら『…味方さえ居れば可能性はあるわ』

QB『味方、かい』

QB『僕にはどうも味方とは思えないね』

ほむら『目的が同じならそれは味方よ』

QB『…ふぅん』

ーーーーーーーー

ほむら「…ん…」

ほむら「…見慣れた天井」

ほむら「…そう、また私は失敗したのね」

ほむら「…まどかを助けると誓ってから何度繰り返しても、彼女を助けることは出来ない」

ほむら「…参るわね、少し」

ガラッ

看護婦「あら、暁美さん、もう動けるの?」

ほむら「…はい」

看護婦「良かったわ、無事で」

ほむら「…」

ほむら「…無事?」

看護婦「ほら、この前すごい大嵐があったでしょ?」

看護婦「それに巻き込まれて暁美さん数日寝込んでたんだから」

ほむら「…」

ほむら「寝込ん、でた?」

看護婦「ええ、そうよ」

看護婦「でも、大丈夫そ…」

ダッ

看護婦「あ、暁美さん!?」

ほむら「…そんな…!」

ほむら「…私は…助けられないばかりか、繰り返す権利さえ失ってしまったの…!?」

ほむら「まどか…!」ダダダッ!

ほむら「…はぁ…はぁ…!」

ほむら「ま、まどか…」

ほむら(…どうしよう…まどかの家まで来てしまったけれど…)

ほむら(…)

さやか「よ、ほーむら」

ほむら「…さやか」

さやか「どうしたの?すっごい汗だよ」

ほむら「まどかはどこ!?」

さやか「ひぇっ!?」

ほむら「まどかは、どこなのよ!」

さやか「ま、まどか…?」

ほむら「…どこなのよ…!」

さやか「…」

ティヒヒー、モウタツヤッタラー

ほむら「!」

ほむら「…あぁ…まどか」

さやか「え?」

ほむら「…どうして勿体ぶったりしたの?」

さやか「え、いや…」

ほむら「…まぁいいわ」

ほむら「まどかさえ無事なら些細な事よ」

さやか「…」

ほむら「…はぁ」

さやか「あ、ほ、ほむら!」

ほむら「何?」

さやか「ご、ご飯食べに行こうよ!ご飯!」

ほむら「はぁ?なんで私が…」

さやか「いーじゃん、いーじゃん、どうせ暇なんでしょ?」

ほむら「暇じゃないわよ、私には…」

ほむら(…あれ?まどかを助けられたなら…)

ほむら(…もしかして私って…すごい暇?)

さやか「ほ、ほら、行こーよ」

ほむら「…」

ほむら「仕方ないわね」

ほむら「…ここは…?」

さやか「ファミレス、ってあんたもしかして来た事ないの?」

ほむら「あ、あるわよ」

ほむら(…三つあみ時代によく奢らされたわ)

さやか「いーよね、ここ」

さやか「長い時間喋れるし値段も安いもんね」

ほむら「…ふん、多く注文したら値段は高くなるわよ」

さやか「…何当たり前のこと言ってんの…あんた…」

さやか「にしてもさ、凄かったよね」

ほむら「何が?」

さやか「…あの魔女だよ」

ほむら「…」

さやか「…何とか撃退はできたけれど…とても倒せるような奴じゃなかった」

ほむら「…そうね」

ほむら「でも、私一人なら例え何十回繰り返したところで撃退すらできなかったわ」

さやか「何それ、何か具体的」

ほむら「…それについては、感謝してるわ」

さやか「…ふふ、そっか」

「…おい、あれって」

「…あら?珍しい組み合わせね」




ほむら「…だから魔力を集中させないと」

さやか「あーもー、うるさいなー、魔女探知なんて出来なくてもいいもん」

ほむら「あら、それじゃ何時までたってもぺーぺーのままよ」

さやか「…ぐぬぬ」

杏子「…こんなとこで何やってんだお前ら…」

マミ「…練習は結構だけどこんな所では感心しないわ」

さやか「あ、マミさん、ついでにあんこ」

杏子「ぶっ飛ばすぞ」

ほむら「珍しいわね」

杏子「あたしらから見ればあんたらの組み合わせの方が珍しいよ」

マミ「隣いい?」

さやか「ええ、どうぞ」

ほむら「…見滝原の魔法少女集結ね」

杏子「そういやそうだな」

ほむら「ここにまどかがいなくて良かったわ」

杏子「は?」

ほむら「だってあの子魔法少女の事を羨むんだもの」

ほむら「あなた達が居たんじゃ悪影響だわ」

杏子「…んー?」

マミ「そうね、羨むかもね」

マミ「あの子は人一倍優しい子だから」

杏子「…あー、そうだな」

杏子「…優しい奴だもんな」

ほむら「…明日からは普通の生活が始まるのね」

マミ「あら、暁美さんにとっては今までは普通じゃなかったのかしら?」

ほむら「そりゃそうでしょう」

ほむら「私がワルプルギスのためにどれ程苦労したと思ってるの」

ほむら「…普通ね…」

ほむら「…実感が沸かないわ」

さやか「良かったね、ほむら」

ほむら「…え?」

杏子「よーやく肩の荷が降りたんだ」

杏子「目的を達成した今、あんたは今を精一杯楽しめばいいのさ」

ほむら「…そうね」ニコッ

ほむほーむ

ほむら「…本当に実感が沸かないわ」

ほむら「…もうこれで…繰り返さないで済む」

ほむら「…私が…始まる」


QB「…やぁ」

ほむら「…インキュベーター…」

QB「そう睨まないで欲しいな」

ほむら「…あなたのやってきたことを考えれば当然よ」

QB「そうだね」

QB「…でも僕の目的は達成されなかった」

ほむら「そうね、その通り」

ほむら「あなたはまどかと契約するに至らなかったもの」

QB「意外だね」

ほむら「…はぁ?」

QB「君はもっとまどかに対して愛に近い感情を持っていたと思うけれど」

ほむら「感情のないあなたが言うの?」

ほむら「お生憎様、まどかが魔法少女にならなかった今私に出来ることなんて何もないわ」

ほむら「…彼女は、彼女の人生を歩むのよ」

QB「…そうかい、それなら何も言わないよ」

さやか「よ、ほーむら」

ほむら「…おはよう」

さやか「え?何?初々しいね」

ほむら「…あなたから声をかけてくるとは思わなかったから」

さやか「あはは、そうだね」

さやか「ま、これからもよろしく」

ほむら「…えぇ」

マミ「…あら、暁美さん」

杏子「お、ほむら」

ほむら「…おはよう」

杏子「おはよーさん」

マミ「ふふ、おはよう」

杏子「へー、あんたが魔法少女姿以外の格好ねぇ」

ほむら「な、何よ」

杏子「悪くねぇじゃん」

ほむら「…!」

マミ「そうね、魔法少女姿もだけれど制服姿も素敵だわ」

ほむら「き、気持ち悪いわね…!」

杏子「…あー」

さやか「…どうしたの?杏子」

杏子「んー、いや」

杏子「少し、物足りなくてな」

ほむら「…物足りない?」

杏子「…まどかが居ねぇじゃん」

マミ「…」

さやか「…そう、だね」

ほむら「それもそうね」

ほむら「まどかはまだなのかしら」

杏子「…」

さやか「…」

マミ「…」




さやか「…やっぱり、なんだ」
 
ほむら「…え?」

さやか「…私はさ、あんだけまどかの事を気にかけてたあんたがそんな風になったから」

さやか「少し安心したんだ」

ほむら「…え?」

さやか「乗り越えられたんだ、って」

ほむら「…な、何が言いたいの?」

マミ「…鹿目さんは、もういないのよ」

マミ「…あなたが病院に居たのは2週間…」

マミ「…その原因は…怪我だけじゃない」

ほむら「…勿体ぶらないで」

ほむら「…何が言いたいのよ…!」

ほむら「…ねぇ!ふざけるのはよして!」

ほむら「貴方達は一体…!」

杏子「…じゃあ教えてやるよ…!」

杏子「…まどかは、死んだ」

ほむら「…」

ほむら「な、何を言ってるの?」

ほむら「まどかが死ぬ筈ないじゃない…!」

杏子「…死んだんだよ」

杏子「…お前の目の前で」

杏子「お前をかばって、死んだんだ」

ほむら「馬鹿言わないで!」

ほむら「まどかは生きてる!」

ほむら「だって…!あの時だって…!」

モウタツヤッタラー

ほむら「…声が…!」

ほむら「…声…が…」

QB「残酷だね」

QB「…まどかの死を受け入れられない余りに…」

QB「君は君にとって残酷過ぎる幻影を生んだんだ」

ほむら「……さい」

ほむら「…うるさい…!」

QB「…認めるんだ、ほむら」

QB「まどかは魔法少女になる事は出来ない」

QB「死人に魂は、無いんだから」

ほむら「…!!!」

とりあえずここまで

保守ありがとん

ほむら「…だったら…」

ほむら「…また、繰り返す」

ほむら「…私には…!世界を繰り返せる力が…!」

ほむら「力…が…」

QB「君はね、君の思いがどうなのかは知らないけれど」

QB「結果的に君はこの世界を受け入れてしまった」

QB「君は、鹿目まどかを諦めてしまったんだよ」  

ほむら「…戻…れ」

さやか「…ほむら」

ほむら「…戻れ、戻れ、戻れ、戻れ!」

カチカチカチカチカチ…

QB「君は、この世界で生きていくしかないんだ」

ほむら「戻ってよぉ…!」

ほむら「…まどかぁ…!!」

カチリ!

ギュイィーーーーン

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ほむら「…ん」

ほむら「ここ…は…」

まどか『オハヨウホムラチャン』

ほむら「まどか…まどか!」ダキッ

まどか『ウェヒヒ…クルシイヨーホムラチャン』

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