清麿「オレとガッシュ以外の魔物と本の持ち主が、安価で入れ替わった世界?」 (913)



・ガッシュ・清麿ペア以外のペアを安価でシャッフルさせて、ガッシュ!!本編の再構成を試みるSS
・よって原作崩壊とキャラ崩壊と捏造注意
・ブログの質問コーナーを網羅していないため、細かい設定などの把握が不十分
・強さの優劣等の把握も大ざっぱ


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425476815

※基本ルール
・主人公以外のペアを描写する際に、安価を出します。原作とは異なる組み合わせでペアを形成してください

・人物指名安価の際、時折条件を出します。それらを満たさないキャラクターを指名することはできません

・魔物の指名条件に年齢を入れる場合、年齢が明かされてない魔物は条件から酷く逸脱していなければ指名可能です
 (例:リーヤ ・条件が10歳以上の場合→指名可 ・条件が14歳以上の場合→指名不可)

・条件外のキャラクターが安価で指名された場合、下に流します


※安価対象外、または制限付きの人物
・以下の人物は安価対象外です
 アニメ、ゲームオリジナルキャラ(後に原作に描かれていたハイド、アカツキなどもこれに含みます)
 原作で王を決める戦いに参戦していない魔物
 原作で本の持ち主になっていない人間
 アルベール、玄宗、ヴァイル を除く 石版魔物の本の使い手

・以下の人物は安価対象外です。初登場時期は()内に固定されます
 ゼオン(イギリス編)
 ゾフィス、ナゾナゾ博士、石版に封じられた魔物(石版魔物編)
 リオウ(ファウード編)
 アシュロン、クリア(最終局面)

・デュフォー を指名する場合、パートナーとなる魔物は以下の条件を満たす者に限定します
 初級術(第一の術)までの能力で北極での研究所爆破からデュフォーを守り、北極から脱出可能


 ガッシュ・ベルとの出会いで少しづつ精神的成長を遂げ、学校や級友と歩み寄れるようになった高嶺清麿
 銀行強盗を退治したことで思わずクラスメートとの関係も改善され始めた清麿だったが、以前屋上で揉めた金山からガッシュが清麿が作った爆弾ではないかと追及を受ける
 周りから「そんな訳あるか」と笑い飛ばされ、その場は治まったが…

 ◆モチノキ第二中学校・教室

清麿(確かにガッシュの電撃(ザケル)は使い続けていたら、いずれは周囲の人間や、ガッシュ本人にもバレる…)本パラパラ

清麿(今回の銀行強盗の件のように、ごまかしきれないかもしれないな…)

清麿「次のページがやっと読めるようになったが、この本も…。もう、使わない方がいいだろな……」パタン

清麿(そう、その方がガッシュにとっても…)


 ◆モチノキ第二中学校・校門

金山「ケッ」

金山(どいつもこいつも高嶺をちやほやしやがって…! あいつが銀行強盗を退治した危ねえ武器を使って、自分たちに復讐をするとか思わねえのかよ)イライラ

細川「君…、ここの生徒かね?」


 安価 下1
 細川 のパートナー(魔物)
  (条件:1.初級術に、乗用車や店舗を破壊できる攻撃呪文がある 2.人間換算年齢推定8歳以下 または、なんらかの理由で人語を話せない)


金山「何か用かよ」

細川「用というほどじゃないんだが…、この新聞に載っている少年はここの生徒かね?」

金山(また高嶺の銀行強盗退治の話題かよ…!)イラァ

金山「ああ、いるよ。入りたければ入れ! そのガキも一緒だ!くだらねえ用で呼び止めるなジジ」

ウマゴン「メルメルメ~?」

 ひょこっ(細川の足元から顔をのぞかせるウマゴン)

金山「……」

細川「ッテメ、車の中で待ってろって言っただろ!」

ウマゴン「メルメルメー!」

金山(…馬? 犬…?いや、鳴き声からして羊……?)

細川「…ああ、ありがとう。時間を取らせたね」

金山「お、おう…」スタスタ

金山(……)

金山(……電撃を出すガキといい高嶺の奴、どっかの大学と協力してUMAの研究とかしてやがるのか……?)

 キーンコーンカーンコーン

スズメ「じゃ、私こっちだから。明日も必ず学校で会おうね、高嶺くん」

清麿「おう」

スズメ「ガッシュちゃんも、またね」

ガッシュ「ウヌ!」


 ◆川岸の道

ガッシュ「スズメはいい娘だの!」

清麿「ん…。……、あのな、ガッシュ」

ガッシュ「なんだ?」

清麿「……その、あ……あ…、ありが…」

「メルメルメ~~!」タタタタッ

ガッシュ「ヌ?」クルッ

清麿(な、なんだ?見慣れない動物がガッシュに向かって走ってくる…?)

「シュドルク!」

清麿「え?」

ウマゴン「メル!?」ビキビキッ!

 ズガァ!

ガッシュ「ヌアっ!?」

 ドッ、ズサアアアア(ガッシュが坂から滑りおちる)


清麿「ガッシュ!?」

清麿(いきなりウマに装甲ができた!? いや、それよりもさっきの言葉は…!)

ウマゴン「メ、メルメルメー!」ダッ、ズサアア

清麿「っ待てお前!」ズサアアア

 (ガッシュの元へ坂を降りる清麿とウマゴン)

清麿「ガッシュ!大丈夫かっ?」

ガッシュ「どうした、清麿? おお、さっきの動物殿まで!それにしてもおまえ、力が強いのう!」

清麿「……」

ウマゴン「メル!メルメルメ~♪」ベロベロベロ

ガッシュ「ウヌ!?は、アハハハハッ。く、くすぐったいのだ!」

清麿(…そーかい、大した怪我じゃないのかい……)


 ザッ

細川「ちっ、ウマてめえ!黒髪の方を狙えって言っただろうが!」


ウマゴン「メル!?」

清麿「てめえがこのウマの飼い主か! なにしやが……る……!?」

清麿(……あの薄めのオレンジの本…デザインが“赤い本”と同じ…?)

清麿(それに、さっき聞こえた“シュドルク”という言葉…)

清麿「おまえ達……何者だ?」

細川「クク…分かってんじゃねーのか? おまえと同じだよ!」

細川「馬ァ、今度こそ黒髪のガキを狙え! シュドルク!」

ウマゴン「メルメルメ~!」ズァッ

ガッシュ「また変身したのだ!?」

清麿(っ、イカン! あいつオレを狙って…!?)

 ダダダダッ……ズギャアッ!

 (ウマゴンに体当たりを食らう細川)

細川「ギャアアアア!?」

ガッシュ・清麿「………」

ウマゴン「メルメルメ~!メルメルメ~!」←よくも僕にガッシュを攻撃させたな! とか言っている

 バシィ!ドシィ!(ウマゴンに往復でぶん殴られる細川)

細川「おう! おう!!」

清麿「………」

ガッシュ「ウヌ、やはりあの動物殿強いのう!」キラキラ

凄まじい原作愛を感じるw

確か細川と中田先生声同じだっけ?
先生に読んで貰えば(そういう問題ではない)


清麿「い、今だガッシュっ。あのオッサンを捕まえるぞ!」

ガッシュ「な、なぜだなのだ?」

清麿「さっき、あいつがあのウマを使ってオレを襲おうとしてたの聞いただろ!暴れ馬を人に向けてるんだ、あいつは悪者だ!」

清麿「そいつを捕まえるのが今日の“正義の味方作戦”だ、やっちまえー!」ダッ

ガッシュ「う、ウヌ! 釈然としないがそうするのだ!」ダッ

ガッシュ・清麿「ウワアアアアアアア!!」グワッ

細川「ギャアアアアアア!?」

 ずどーん…!




 ウマゴンがガッシュを攻撃できる筈がなかった
 この先は時間がかかりそうなんで一旦ここまで。ありがとうございました

期待しかないw
乙ー

エルザドル、ウォンレイ、エシュロス、ブラゴ、マルス、バーゴかなあ…
ティオはセウシルで防げればなんとかなるかもしれんが難しいか?
デュフォーの心の力なら可能だと思うんだが



細川「」チーン

清麿「よし、気絶させて縛り上げたな」

清麿(こいつが持ってた“薄いオレンジ色の本”も取り上げたし…)

ウマゴン「メルメルメー!」バシッ

清麿「痛てっ」

 スタッ、ポクポクポクポク……!

清麿「くっ、あいつ自分の本を持って逃げやがった…! スマン ガッシュ、あいつを捕まえてくれないか」

ガッシュ「清麿はどうするのだ?」

清麿「飼い主の家に逃げるのかもしれん…オレはこの男に家の場所を吐かせる」

清麿「もしウマを捕まられたら しばらくその場で待っててくれ、一時間経ってもオレが来なかったらここへ戻ってきていい」

ガッシュ「分かったのだ! 待つのだ、動物殿ー!」ダダダダ…

清麿(理由は知らないが、飼い主よりガッシュに懐いているみたいだし…ガッシュに危害は加えないだろう)

清麿(それに、あのウマがガッシュと“同じ”なら、さっきの装甲は身につけられないからな…)

清麿「おい、起きろ」ユッサユッサ

細川「ぐ…。…クソが、あのウマ暴走しやがって……!」

清麿「聞きたいことがある。おまえ、オレ達に何をしようとしたんだ? それに、オレ達とおまえらが同じって言ったな?どういう意味だ」

細川「ハッ、誰が言うか」

清麿「そうか、そんなに後ろ手に縛られた状態で川に落とされたいのか」スッ…

細川「やめろ。話すからやめろ、死ぬ」ブンブン


 ◆◆◆



細川「まず、おまえに用はない。オレは金髪のガキを貰いに来たんだ。“同じ”云々は言わなくても分かるだろ。
 どうせおまえも、本とガキを使って美味い汁を吸ってきたクチだろうが」

清麿(美味い汁…?)

細川「あのウマはな、拾ったんだ。 街であいつが押し付けてきた本の文字を読んでやったら、つきまとってきやがった」


 ◆細川の回想・細川が居住するアパートの一室

細川『ざけんじゃねー!一回タメ口きいただけでクビだと!?』ドガシャア!

細川『バカにしやがって……! …ん?』

 コオオオオ(光るウマゴンの本)

ウマゴン『メルッ?』

細川『またこの本か』パラパラ

細川『…ケッ、何も変わってねえじゃねーか。妙な自己主張しやがって、こいつまでオレをバカにしてんのか…!?』

 コオオオオオ

細川『なんだよ、読めばいいのかよ!?』イラァ

ウマゴン『メ、メルメル!』ダッ ←止めようと飛び出す

 ずるっ

ウマゴン『メっ?』←畳に落ちていたビニール袋を踏んだ

細川『シュドルク!』

ウマゴン『メルメルメー!』

 ズガシャア!

細川(…不思議とスッキリした)

細川『って、それどころじゃねえか。おいウマ、もうてめえを家に置いておく余裕なんざねえんだ、とっとと出て、け…?』クルッ

ウマゴン『』

 (勢い余ったウマゴンが突っ込んだために、窓ごと粉砕した壁)

細川『』

 ◆


細川「それからだよ、オレの復讐が始まったのは。オレをクビにした上司も病院送りにした!」

清麿「……」ピク

細川「次は貧乏への復讐だ。金庫荒しに宝石強盗、なんでもやったぜ!」

清麿「……」

細川「あいつは本当にバカなヤツでよ。ちょっとおだてたり、襲う先が悪い輩だと嘘を吹き込んでやれば、オレの言う通り暴れてくれるんだ」

清麿「……」

細川「間抜けなウマをおだてるのにも疲れてきたし、あいつだけじゃオレの欲望を満たすのに物足りなくなってきた頃だったな」

細川「あいつがやけに新聞の写真を見て喜んでいるんで、何かと思って見てみたら…さっきのガキと、オレと同じ本を持ったおまえが写っていたんだよ」

清麿「…てめえがクソ野郎ってのはよ~く分かった。だからクソ野郎ついでに、もう一つ聞かせろ…」

清麿「……あのウマの名前は、なんだ?」

細川「は?」

清麿「てめえがクソみたいな犯罪をやらせて、散々世話になってた、あいつの名前はなんだって聞いてるんだよ」

細川「何を言い出すのかと思ったら……、そんなモンねえよ!」

細川「あいつはオレの夢を叶えてくれる道具なんだぜ?道具、しかも化け物に名前が必要なのか!?」

清麿「……化け物…!?」

細川「今更何を不思議そうな顔してんだッ?普通の動物に鎧が生えるワケねえだろ! あいつは化け物なんだよ!」

細川「おまえの口ぶりじゃあ、金髪のガキも同じなんだろ? 呪文を唱えれば、人間のガキじゃ有り得ねえことを仕出かすだろ!?」

清麿「……~ッ!」ギリィ

細川「ガッシュっつったか? あれはその赤い本で、どんな化け物に変わるんだよ?
 ウマと同じで鎧が生えるのか?それともツノが飛び出すか? じゃなきゃ火でも吐いたりするのか!?」

清麿「――黙りやがれ!」ガッ

 (細川の襟首を掴みあげる清麿)

清麿「あいつらは道具じゃねえし、化け物だと蔑んでいい奴らでもねえ!
 てめえには見えなかっただろうがなあッ、あのウマはガッシュに駆け寄って来た時に涙ぐんでたんだぞ!?」

清麿「泣きそうになりながら てめえが言ったオレを狙えって命令を無視して、ガッシュの下に駆け寄ってきたんだ!
 それ程、ガッシュに遭えたのが嬉しかったんだ!」

細川「うるせえ! あの駄馬のことだ、頭が回ってなかっただけだろ!?」

清麿「その様子じゃあ、何であいつにぶん殴られたのか分かってねえんだろうなぁっ! よく聞きやがれ!
 あのウマがてめえを裏切ったのは、あいつが会うだけで泣くほど大切に思ってたガッシュを、あいつ自身に傷つけようとさせたからだ!!」

清麿「そんな風に考えるヤツが、道具なワケねえだろうがッ!」

清麿「あいつは、ガッシュとオレが引き取る!てめえの傍になんざいさせちゃおかねえッ!!」

 ◆◆◆

まあこれで細川が死んだりしたら新しいパートナーがあらわれるんだろうが…
細川好きだから生きてて欲しくはある(小悪党大好き)



 ガサガサガサ…

ガッシュ「…清麿ぉ……。戻ってきたのだ…、動物殿も一緒だぞ」

ウマゴン「……メルメルメー」

清麿「おう。サンキューな、ガッシュ」

ガッシュ「ウヌ。私たちが捕まえた悪党がおらぬが、どうしたのだ?」

清麿「……色々とあって、逃がした。この子馬が味方しなければ、これ以上の悪さはできないからな」

ウマゴン「メル!?」


 ◆

清麿『いいか? 腸が煮えくり返るが、一旦てめえを解放してやる。だが覚えておけ』ギロ

清麿『そこの橋に停めてある車、おまえのだろ? ポケットにキーが入ってたんで調べさせてもらった。あと、財布に入っていた免許証とかな』

清麿『オレはてめえの個人情報を知っている。子馬はおまえよりガッシュの味方をする。そして……オレの手元には二冊の本がある。
 ……この意味が分かるな?』

細川『……』

清麿『それに、さっきの会話も録音しておいた。下手なことをしてみろ、盗みや障害事件を起こしたってところだけでも警察に届ける』

細川『武装したウマもどきを指示して、オレが事件を起こしたってか? ハッ、そんな荒唐無稽な話を警察が信じるかよ』

清麿『信じるさ。おまえも知っての通り、オレは警察とはつながりがあるんでね』ニヤリ

細川『グ…!』

 ◆


清麿(……最後のは嘘だけど。そんなことができたら、とっくにあの野郎を突き出しているっつーの…)

清麿(事情聴取の時にガッシュの電撃をはぐらかしたから、警察からは逆に不信を買ってるんだよなぁ…)遠い目



ウマゴン「メル?メルメルメル…?」おろおろキョロキョロ

清麿(しかしこのウマ、ガッシュのことを知ってるんだよな…?言葉は通じないが、ガッシュの出自や本についてこいつから色々と聞き出せそうだ)

清麿(その前に、あの細川って野郎に騙されてたことを教えなくちゃいけねーのが辛いが…)ギュッ

ガッシュ「ヌ? 清麿、なにを握ってるのだ?」

清麿「ああ、あの男が持ってた縄だよ。あいつを縛るのに使わせてもらった」

ウマゴン「メル?」クルッ

清麿「ガッシュを連れ帰る為に持ってきたのかと思ったんだが、何かを持ち運べるような形に編まれていたからなぁ…なんだったんだろう」

ウマゴン「……」

 アアア…

清麿「他に目ぼしいものがなかったから、カッターで切って一本にして使ったんだよ。これ、もういらないな。帰ったらゴミに出しておこう」

 アアアアア…

ウマゴン「……」じぃー

カアアアアアア!(清麿の手に握られた、ウマゴンの母お手製のロープ…の 残 骸 )

ウマゴン「!!!?」



「メルメルメーー!!!」

 ズドバキィ!
 カカカカカカカカッ!!

「グアアアアアア!」

「清麿ー!? お、お主止まるのだ、清麿の腕を噛むのをやめるのだーっ!!」


【既存のペア】
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川


 ◆モチノキ町を走る車の中

シェリー「……」


 安価
 前提 >>2・また>>40に載っていない人物
 
 下2 シェリー のパートナー(魔物)
 下5 ココ のパートナー(魔物)

コルる

ココが操られてないどころか人外にされてまうw

安価把握したところでここまで。ありがとうございました

デュフォーの条件はイメージを含めるような感じで緩めに判断してるので、パートナー候補の魔物は最上位クラスばかりではありません、とだけ
想定が温過ぎるだけかもしれませんが
とりあえず彼が序盤に出てくることはないので、のんびり構えて頂ければ嬉しいです



没シーン
>>35
細川「あいつは本当にバカなヤツでよ。ちょっとおだてたり、襲う先が悪い輩だと嘘を吹き込んでやれば、オレの言う通り暴れてくれるんだ」

 ◆細川の回想・深夜のある銀行

ウマゴン『メルメルメー♪』

 ブー(防犯ブザーを押すウマゴン)

細川『(余計なことを…)』

 ◆
 
細川(……ロクでもねえことも散々やらかしてくれたが)

シェリーも実際だいぶ残念な子なのよねw頭が悪い言われるし
乙!

1レス並びに判定のみ失礼します


下1 コンマ判定
 44→ シェリーが頑張った
 その他→ 二人で頑張った

>>53
つまりどういうことなんだ?
ここに来るまでの関係性ってこと?頭悪くてすまん

ってか思ったんだが、仮に後半に序盤の魔物出たとして術とかどうすんのかな、カードとかゲームとかの術?
ダニーなんてジオルクしかないしちょっと気になったり

ああ、確かに法則性あるもんな
てことはコルルとかも日の目を見れるかも…?

昔なんかの私小説でみたのは
変化後も元の人格のままで戦えるようになるってのがあったな…
もっともそれはエロパロだったが



 ◆シェリーの回想・フランス、ベルモンド家の屋敷の一室


 (壁に大穴。殴り抜いてそれを作ったブラゴと、その前でおしっこを漏らして震えるキャンチョメ)
 (大穴の向こうから走って来たココと、黄色の本を手に身構えるシェリー)

キャンチョメ『ヒィイイイイィイイ!』ガタガタガタ

ココ『やめてブラゴ!』

ブラゴ『…止める必要があるのか?オレは数を減らそうとしているだけだ』

ココ『その子が、あなたへ挑んできたというの?』

キャンチョメ『ち、違うよブラゴに喧嘩売るわけないだろーっ!? こ、この人が……!!』ガタガタガタ

 (シェリーを指すキャンチョメ)

キャンチョメ『シェリーが、僕のののパートナーだから、一緒にいただけなんだよおおおお』ガタガタガタ

シェリー『…そうよ。これで私も、あなた達の戦いに共に参加することができるようになる……!』

キャンチョメ『(え!!? ブラゴと共闘するの!!?)』ガーン!

ブラゴ『いらん!そんな落ちこぼれ、足手まといなだけだ!』

ココ『だからって! そんなに泣いている子を蹴落とす程、あなたは弱いっていうの!?』

ブラゴ『黙れ! オレの鼻先でうろちょろするゴミを放っておけというのか!?』


ココ『それに、その子と協力することの何が悪いというの?長い戦いを勝ち抜くには必要なことでしょう!?』

ブラゴ『協力だと…? そのガキにそんな実力があるように見えるのかッ!?』

ブラゴ『いいか!腹の立つことにこの戦いは、おまえらクソ弱え人間と組まねば力が出せねえ! たとえ魔物が強くても、組んだ人間が弱ければ負けるんだ!』

ブラゴ『てめえはそんな状況で、更にオレに荷物を背負えと言うのか!?“関係ない人間も殺せない”本の使い手が既にいるというのに!』

ココ『――!』

シェリー『こ…のっ…!』ギリ

ブラゴ『甘い考えは捨てろと再三言ってきた筈だ!いつになったら理解するんだ!?』

シェリー『そっちこそ、ココにそんな真似させるワケにはいかないって、何度言えば分かるの!?』

ブラゴ『てめえには関係ねえだろうがクソ女ッ!』クワッ

シェリー『たった今できたんでしょうっ!?キャンチョメと、この本で!』コオオオオオオ

キャンチョメ『(ウワアアアア!ふいんきが最悪だよおおおお!助けてお母さーん!!!)』ガクガクガクガク

ココ『ブラゴ。……あなたの言い分は、聞けないわ』

ブラゴ『……!』ギロ

ココ『あなたとシェリーが言い合うのを度々見てきて、その中であなたの言い分を聞いて…。
 もしあなたが王になったとして…出来上がるのはどんな国なのかと、考えてみたの』

ココ『考えて……そんな国、いらないと思ったわ』チャッ

シェリー『こ、ココ! あなた何をっ!?』

キャンチョメ『う、うわああああ!?』

ココ『それに…作らせも、したくない、ともね…』

キャンチョメ『(な、ななななんであの人、自分の喉にナイフをあてがってるんだよーーー!?)』ガタガタガタガタ

ブラゴ『――てめえ…っ』

ココ『あなたの本の使い手は私の他にいない……そうよね?』カタカタ…

キャンチョメ『(刃物を持った手が震えている…。あの人も、怖いんだ…!)』ガタガタガタガタ

シェリー『ココ…』

シェリー『(……)』じり…


ココ『だから、あなたがこれ以上無茶を言う気ならば、私はここで…、』カタカタ

ブラゴ『…フン、笑わせるな』

ココ『え?』カタ

ブラゴ『その女が、ムザムザおまえを自害させると思っているのか? そんなに傍にいて、おまえが喉を裂く様を何もせず眺めるとでも思ってるのか?』

シェリー『……』

ココ『……シェ、リー…』カタカタカ、タ……

シェリー『ええ、その通りよ………、ブラゴ』

ブラゴ『なに?』

シェリー『そう、あなたよりも私はずっとココに近い位置にいる。ココの背後にいると言ってもいいわね』

 シュボッ

ブラゴ『!?』

シェリー『ただし、私の手元にはライターがある。ココの両手はナイフと、あなたの“黒い本”で塞がっている……』

シェリー『そしてキャンチョメの呪文で、私達はあなたの視界を一瞬だけ遮ることができるわ』

キャンチョメ『!!!?』ガタガタガタガタッ

シェリー『……この状況の意味も分からない程 あなた、馬鹿じゃないわよね?』

ブラゴ『――ッ!!』

シェリー『そして、僅かとはいえ私の移動に気づかなったことをみると、ココの今の行動はあなたにとって予想外で……脅威なのでしょう?』

ブラゴ『……!!』ギリッ

ココ『……ねえ、ブラゴ』

ココ『私に服従して、なんて言わないわ。ただ、私の言葉を聞いてほしい、私にあなたの意見を聞かせてほしい。そして、これからのことを一緒に決めて欲しいの』

ココ『……王に、なりたいんでしょ?』にこ

ブラゴ『……』



ココ『あなたはここで我を通すこともできる。でもそれは、王の道自体捨てることと同じよ…』

ココ『私の言葉を無視して、周りに乱暴な真似をしないで。私を、力で都合のいい人形に仕立て上げないで…』

ココ『…心を持つ人間を、力だけで動かせると思わないで……!!』


 ◆

天使がおる…(感涙)
原作台詞ままなのにココだとこうなるのか…!



 ブロロロ…

シェリー(あれ以降、ブラゴはココの意見も聞く様になったけど、放っておいて大丈夫だったかしら…?)

シェリー(ココが大学を休学するために最低限必要な単位を修めてから、本格的に魔物の討伐へ出発する予定を立てたけれど…。
 それまで結構長いのよね、大人しくしてればいいけれど)

シェリー(学業の都合で日本に数日滞在するだけで、こんなに心配になるなんて)

シェリー(それに……)チラッ

キャンチョメ「」ガタガタガタ ←シェリーの膝の上に座って震えまくっている

シェリー「キャンチョメ、大丈夫よ。怯える必要なんてないの。 今から家に帰るだけなんだから」ソッ

キャンチョメ「なな、ななななにを言っているのさ、シェリー!僕はブラゴなんて、ち、ちっとも、こ、怖くなんかなぃぞ……!」ガクガクガク

シェリー(まだブラゴの名前を出していないのに…。…この子のことも心配ね)

キャンチョメ(まさかブ、ブブブブブラゴと、協力できるなんて……。僕はラッキーだ……!)ガタガタ

キャンチョメ(ラッキー…な、筈なんだよ…!なのに、何で泣けてくるんだよ…!?)ぐすん

そりゃモチノキ町って言ってるんだしシェリーやろ


キャンチョメ「シェリー…シェリー!僕はどうして、こんなに弱いのかな…!?」

シェリー「……。どうしてそう思うの?今まで戦って、生き残ってきたじゃない」

キャンチョメ「そりゃあ、何人かはフランスで送還させたさ…。で、でもやったのは ほとんどブラゴとココで、僕らは何もできてないじゃないか…!」グスッ

シェリー「そんなことないわ。あなたの変化の術で魔物や本の持ち主の注意を引くことは、とても効果的な戦略なのよ?」

キャンチョメ「あいつにそんな小細工必要ないよ! いっつも、力技でもどうにかなってるじゃないか!」

キャンチョメ「こ、こんなんで勝ち抜いたって…僕はただの、猫に小判じゃないかぁああ……」グスグス

シェリー「……。(きっと、“小判鮫”と言いたいのね…)」

キャンチョメ(これじゃあ、僕はずっと弱いままだ…!
  どうして、シェリーとココはあんなに怖いブラゴに立ち向かえたんだろう…。僕にも、二人みたいな強さがあればいいのに……!)グスグス

シェリー「…泣かないで、キャンチョメ」なでなで

シェリー(この子に、自分を肯定させる戦いの場を作ってあげなくちゃ…。このままだと…)

キャンチョメ「う…」プルプル

シェリー(せめて攻撃呪文があれば、この国で魔物探しをしても良かったのだけれど…。
 使えるのが変身の呪文一つだけでは、無謀ね…。私も鍛えているとはいえ、前知識のない相手に一組で挑むのは危険すぎる…)

キャンチョメ(が、ガッシュはどこにいるんだろう…? 同じ落ちこぼれのあいつとなら、僕とシェリーだけでも勝てるのに…!)グスン…

 ブロロロロロ…

【既存のペア】
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ

ディマ・ブルク(8分身)
フォウ・スプポルク(強制術停止)
ミリアラル・ポルク(超催眠)
シン・ポルク(万全の対策されなければ無敵に近い)
が覚えたら強いからなぁ

 ◆???


 コンマ末尾で判定 下1
 1~7 ティオはマルスの襲撃を経験済
 890 ティオとマルスと遭遇していない

 指名安価
 前提 >>2・また>>88に載っていない人物
 下2 ティオ のパートナー(人間)

age忘れ多いですね、すみません


 下1 コンマ末尾で判定
 12 コルル
 345 フェイン
 67 春彦
 89 ゴフレ
 0 シェリー「気が変ったわ」キャンチョメ「」

 ラスト
 指名安価
 前提 >>2・グスタフ以外・また>>88に載っていない人物
 下2 コルル のパートナー(人間)


以上、 “(シェリーとココが)二人で頑張っ(てブラゴを説得し)た”編 でした
なおコンマが44だったら、“シェリーが頑張っ(て、このジジイの五体をズタズタに引き裂くぞさんの本を燃やし)た”編 となった模様
またココ・ブラゴペア結成&シェリーのパートナーがチンピラ・外道系だったら 両者共即送還のコンマ判定をすることを、スレ開始時に予定してた模様(00・44・66で送還程度の難易度ですが)

>>55
ワザと言葉足らずにしていた判定なので、気になさらないで下さい。失礼しました


各魔物の呪文数格差についてですが、
物語後半に登場する魔物が序盤で登場する分は削るだけでいいので、今のところ深く考えていません

玄宗は秋田県で真面目に修行を積んでいるからワンチャン…(震え声)

>>122
それを知るまではただの俺TUEEEなゲスかと思ってました
まだ着手もしてないですが、コルルの顛末はどうしようかと悩んでいます


1レスだけ。さくさくーと捏造が入ります


 ◆オランダ・アムステルダム国際空港

グスタフ「…魔物の戦いか」

ティオ「そうよ。助けてくれて、そしてここまで送ってくれたことには感謝してるわ。奥さんにも もう一度ありがとうって伝えておいて」
 
ティオ「これ以上あなたに迷惑がかからない内に、私は別の国に行くわ。…だから、本を返してちょうだい」

グスタフ「観光目的での滞在中に、怪我人の看病のため時間を取られた時点で迷惑など今更だが」

ティオ「そういうことじゃなくて…。あなたが怪我をするようなことに成りかねないって言ってるの」

グスタフ「しかし今の話では、この本を使えるのはワシしかおらんのだろう。ワシがいなくても戦えるのか?」

ティオ「う…」

グスタフ「…ティオといったな。 おまえ、自分の家に帰りたいのか?負けを認めて家族の庇護下に戻りたいのか」

ティオ「………そんな訳ないでしょッ」

ティオ「せめて、マルスのバカを一発ぶん殴らないと気が済まないわよ!」グス

グスタフ(フム。 心は疲れているが芯まで折れてはいない、といったところか)

ティオ「…でも私の攻撃呪文は本当に弱いのよ…。あいつに敵うワケないわ…」

グスタフ「二つ目の呪文…セウシルといったか?それは自分でも効果が分からないのだろう?
 自らの力を確認しないまま負けを認めるなど、愚か者のやることだぞ」

ティオ「…」ぐぬぬ

グスタフ「自らの持つ力を確かめてから、これからのことを決めていけ。悟った風に自己犠牲を語るのは若すぎるぞ、小娘」

ティオ「こむ…ッ!?な、なんですってー!?」ムキー


※マルスがティオを執拗に狙うようになりました。今後ティオが登場した際、マルスが襲撃してきます


 ◆モチノキ第二中学校・放課後の廊下

スズメ「あ、高嶺君。 帰るの?またねー」

清麿「…」スッ…

スズメ「あ…」

スズメ(また、手だけであいさつして行っちゃった…。昨日から、高嶺君元気ないな…うわの空だし、どうしちゃったんだろう?)

マリ子「スズメッ。手!手を放さないでえ!私一人だけじゃこの箱持てないから!」ガクガクガク

スズメ「ご、ごめんマリ子ちゃん!」わたわた

清麿「……」

清麿(チクショウ…!)ギリ

清麿(一昨日の細川との会話が聞かれていた…! ガッシュと、ウマゴンに…!)



 ◆清麿の回想・一昨日 橋の側の土手

ガッシュ『落ち着くのだ。清麿を噛むのをやめるのだッ』ガバッ

 (ウマゴンを後ろから羽交い絞めにするガッシュ)

ウマゴン『メルメルメル』パタタタタ

清麿『た、助かった…。何がこいつの癪に障ったんだ……?』ゼーゼー

ガッシュ『…ところで、清麿に聞きたいことがあるのだ』

ウマゴン『メルッ!?』ビクッ

清麿『なんだ?』

ガッシュ『さっきの清麿と悪党が話していたことは、本当なのか…?』

清麿『な!?ガ、ガッシュ、おまえ…』

ガッシュ『動物殿とすぐに合流できたから、清麿に私たちを探させるまでもないと思って戻って来たのだ。
 そうしたら、清麿と悪党が怒鳴りあっているのが聞こえて…』

清麿『(ぐ…、時間稼ぎのためにその場にいるように言ったのに きかなかったのか…?!)』

ウマゴン『メルメルメー』ショボン

清麿『何を、聞いたんだ…?』

ガッシュ『清麿の 悪党から動物殿を引きはがす宣言や、悪党が言った私と動物殿が化け物、だとかいう言葉だ』

清麿『――ッ!』

清麿(「怒鳴りあってた」ってことは、オレがキレた辺りか…? なら、あの野郎が言った道具云々ってのも聞かれたのかよ…!?)

ウマゴン『メルメル…』

 (隅っこで体育座りをするウマゴンを撫でるガッシュ)

ガッシュ『化け物、と聞いて先程この者の姿が変わったことも、思い出した…しかし、』

ガッシュ『最初に思い出したのは…屋上を破壊した時や、銀行強盗を退治した時に見た…』

ガッシュ『…雷だったのだ』

清麿『ぐ……』

ガッシュ『私はその両方ともを…清麿が不思議な技か機械とかで、雷みたいなものを出していると思っていた…』

ガッシュ『……だが、違うのだな』

ガッシュ『清麿…正直に答えてくれ……。私は、電撃を出せるのだな……!?』

清麿『……ああ、そのとおりだ…』


 ◆◆



 ◆こども公園

清麿(…クソ! 元気だけが取り柄のバカが、あれ以来ろくに喋らなくなりやがって…)

清麿(お袋が連れ帰ったあいつをウマゴンと名付けた時くらいか?賑やかになってたのは…?)

 ◆

 華『この子の名前だけど、ウマの怪獣って感じで“ウマゴン”っていうのはどうかしら?』

 ウマゴン『!!?』

 華『あなたを見た時に、名前を付けるならこれしかないって思ったのよね』にこにこ

 ウマゴン『メ、メルメル…』←華から貰ったごはんが美味しかった手前、強く反発できない

 ウマゴン『メルメルメー』オロオロ ←困ったので、ガッシュに違うと言ってほしい

 ガッシュ『ウヌ!とても良いと思うぞ、さすが母上殿だ。 改めてよろしくの、ウマゴン!』

 ウマゴン『』

 ◆
 
清麿(あいつも、細川の野郎が自分を道具扱いしていることを知ったせいで塞ぎ込んでる…)

清麿(それに……お袋相手には愛想がいいのに オレ相手には威嚇してくるし…)

清麿「……」

清麿(それは元々かもな…)遠い目

清麿(ただ、凹んでいるのが分かるから ガッシュや本についてあいつにまだ質問できていないんだよな…)ハァ


清麿(ともかく、オレはどう声をかければいい? どう…あいつらを励ませば…?)

清麿「!」ハッ

清麿「あ、れは…ガッシュ!?」

 (公園の時計台のてっぺんに立つガッシュ)

清麿(あいつあんな所で何を……まさか、自殺!?)ゾッ

ガッシュ「うぉぉおおおおおお!」ゴゴゴ

清麿「や、やめろ!ガッシューーーー!!」ダッ


ガッシュ「いでよ!電撃ーーーーー!!!」ぐばぁっ!

清麿「」ズベシャッ



 シーン……

ガッシュ「……ウヌゥ」スルスルスル

 (時計台から降りるガッシュ)

ウマゴン「メルメルメー」オロオロ

子供達「電気なんて出ないじゃん」「うそつきー、うそつきー」

清麿「な…?…は?!」ガバッ

清麿(時計台の下にいるのはウマゴンと…近所の子供達か? ガッシュに期待しすぎたのか、ショックで引っくり返っている子もいるな…)

ガッシュ「嘘じゃないのだ! 見てるのだ、今度こそあのスベリ台を…痛たっ」バシッ

清麿「コラア!何をやっている!?」チョップだこのやろう

ガッシュ「おお清麿、よいところに来た! 私はどうやって電撃を出したのだ!?」

ガッシュ「さっきから どうやっても出せぬのだ。知ってるかと思ってウマゴンに聞いたが、首を横に振るばかりで良く分からぬ」

清麿「やかましいッ。こっちが真剣に心配してたのに、何やってるんだ おまえは!?」

ガッシュ「よ、よいではないか!? 電撃を出せるなんて、人より優れておるのだぞ!自慢して何が悪い!」

清麿「何が優れているだ!? あんなもの、一歩間違えれば―――っ」

清麿「……ぐ」チラッ

ウマゴン「メルル…?」

清麿(くそっ、“人殺しの道具になる”なんて言葉、ウマゴンの前で言えるかよ…!)

ガッシュ「何を黙っておる、清麿!」

清麿「」ハッ

ガッシュ「お主が言ったのであろう!? 私とウマゴンは化け物などではないと!」

ガッシュ「なら、私たちには他の者にはない、“力”があるだけではないか!」

 ◆

 清麿『オレがなんで あんな低レベルな奴らと遊ばなきゃいけねぇんだよ!』

 ◆

清麿「…っ!」イラッ

ガッシュ「自慢するもしないも、私の勝手だ!! …どっか行け清麿!おまえの顔など見たくもないわ!!」

清麿「……っあー、そうかい!こっちだってごめんだね! そこでガキ共とずっと遊んでろっ!」

清麿「……」ジッ

ウマゴン「」ギリギリギリギリ

清麿「……ケッ」クルッ…スタスタ…



 ◆高嶺家・清麿の部屋

清麿(あのバカ! 人がどれだけ心配したと思ってやがる!?)バタン!

 ……コンコン、コンコンコンコン!

清麿(こんな時に…セールスか?)イラッ

清麿(インターホンに気づいてないのか? 悪質なセールスや勧誘なら怒鳴ってやる!)ドタドタドタ…

 ガチャッ


コルル「あの…!あなた、さっきガッシュとお話ししていた お兄ちゃんだよね…?」

清麿「!?」

清麿(子供? いや、それよりも……)

コルル「この本のこと、知ってるよね…?」

清麿(あの子が抱えているのは、ピンク色の……“本”!?)



 ◆コルルの回想・こども公園

 ガヤガヤ

 子供達『なにがあるの?』『新入りが体から電気を出すんだって』『なにそれ?』『あ、あの犬さん可愛いー』

 コルル『(人が集まってる…。何をやってるんだろう…?)』おずおず

 ガッシュ『よいか、みなの者!その目をかっぽじって、よーく拝むのだぞ!』

 ウマゴン『メル…メル、メルメルメー』 ←ガッシュを止めようとしている

 ガッシュ『心配いらぬのだ、ウマゴン。自分を信じていればきっと、電撃は出るのだ!』

 コルル『!?』 

 コルル『(あれはガッシュと、その友達の馬族の子だ…、…あれ?)』

 ウマゴン『メルメルメー』

 コルル『(……あの子の名前、ウマゴンで合ってたっけ…?)』きょとん

 コルル『(それにしても今、電気を出すって言ってたけど…。あの位置からじゃ魔法が他の子に当たっちゃうんじゃ…!?)』

 コルル『(ガッシュの本の持ち主は見当たらない。どこかに隠れているのかな…!?)』キョロキョロ

 ガッシュ『うぉぉおおおおおお!』ゴゴゴ

 コルル『や、やめてガッシ』

 ガッシュ『いでよ!電撃ーーーーー!!!』

 コルル『』ズルッベシャッ


 ◆


子供達『ちぇー、なんだよ。白けちまったぜ…』『帰ろ帰ろ』ゾロゾロ…

 ……ポツン。

ガッシュ『……ウマゴンは、私の味方なのだな』

ウマゴン『メルメルメ~♪』

ガッシュ『そうだの…。何しろ私たちは同じだからの…』

ガッシュ『同じように…人より優れているだけ、だからの……!』ポロポロ…

ウマゴン『メル!?メルメルメーッ』

ガッシュ『ウヌ…私は聞き間違いなどしておらぬぞ、ウマゴン。……さっきはああ言ったが、私は覚えているのだ…』ゴシゴシ

 ◆

 清麿『あいつらは道具じゃねえし、化け物だと蔑んでいい奴らでもねえ!』

 ◆

ガッシュ『一昨日、清麿は私たちを“化け物と蔑んでいい奴ではない”とは言ったが、“化け物ではない”とは言っておらぬ…』

ガッシュ『それは分かっておるのだ…。しかし、それは……』

ガッシュ『…清麿も…私たちのことを、異常なものと思ってるということではないか…!』グスッ

ガッシュ『清麿の…バカモノめ……!』

ガッシュ『人より優れているで よいではないか…。化け物だけでは…辛すぎるではないか…!』ギュウ

ウマゴン『メルメル…』




コルル『…』コソッ

コルル『(どうしてガッシュは、“化け物”ってことにこだわってるの…? こっちの世界の人から見た私たちは、そう呼ばれても間違いじゃないのに)』

コルル『(人間界での魔法の使い方も知らないみたいだし、どうなってるんだろ…?
 いくらガッシュが落ちこぼれだからって、あんなに大切なルールを忘れるはずはないよね…)』

コルル『(ガッシュが電撃を出せることを知ってるってことは…さっきガッシュとケンカしてたお兄ちゃんが、ガッシュの本の持ち主なんだよね…?)』

コルル『……』タッ

コルル『(あの人と、お話しないと…! 時計台に立ったガッシュと目があった時もあの子、何も言わなかった。きっと何かが起きてるんだ…!)』

 タッタッタッ

コルル『(お話して……その後、私の本が燃やされても…しかたないよね)』

コルル『(この先、もしパートナーが見つかっても…、私は戦うことなんて…できないもん)』ぐすん

ここまで
次の安価まで長くなりそうです…


セウシルの習得順は、原作中に習得順を明言されてた覚えがないのと、セウシルを持ってるティオ相手にマルスがストーキングを考えるのか、等を想像しつつ書いていました
エイジャスなんてセウシル攻略呪文覚えるほどに苦戦してたようなので、存在を知らなかったのかな、と
マルスがストーキングを始めた理由が 小学生の恋愛感情的なものだったら意味がないですけれども
そもそも作中の描写を見逃してるだけかもしれないです…
軽く流して下されば幸いです、失礼しました


 ◆清麿の部屋

コルル「……ガッシュが記憶喪失!?」

清麿「ああ。君は…ガッシュが何者か、知ってるんだな?」

コルル「うん…そっか。だからガッシュの様子がおかしかったんだ。
 一緒にいた子はまだ言葉が不自由だから、本当のことを伝えられてないんだね」

コルル「ガッシュ…ううん、私たちはね……分かりやすく言うなら魔物、っていえばいいのかな」

コルル「私たちはこの世界に来た、100人の魔物の子の一人なの」

清麿「魔物…だって? それに、この世界に来たってどういう意味だ?」

コルル「この人間たちが住む世界とは別に、私たちが住む世界があるの。それが魔界。私やガッシュ達はそこから来たの」

清麿「…いきなり、魔物だとか別の世界だと言われてもな…。いくらなんでも それは…」

コルル「ガッシュの電撃の術を…“ザケル”を知ってるよね? お兄ちゃんはあんな魔法を使える私たちを、他の言葉で説明できる…?」

清麿(ぐ…)

コルル「魔界には、魔界全体を治める王様がいるんだ」

コルル「その王を決める戦いが千年に一度、人間界で行われるの」

清麿「王を決める戦いだと…? そんなのどうやって…」

コルル「あなたもガッシュの本を持ってるよね? これを燃やしあうの」

コルル「この本は、私たちが魔法を使うために必要なもの。本を読める人がこれを持って呪文を唱えないと、私たちは魔法を使えない…」

清麿(ウマゴンの本は、俺には読めなかった。それに、試しにシュドルクと唱えてみたが何も起こらなかった…)

清麿「…一人の魔物に一冊の本、そして人間界に一人だけそれを使える人間がいる、ということでいいのか」

コルル「そうだね。ただ、本の役目はそれだけじゃないの。これは王を決める戦いの…参加権、でいいのかな」

コルル「本が燃えてなくなれば、その子は王になる資格がなくなって魔界に強制的に送還されちゃうから…」

清麿「と、いうことは……」

コルル「うん。私たち100人はこの人間界で、最後の一人になるまで本を燃やし合う…」

コルル「そして最後に勝ち残った子が、次の王様になるの」

清麿「……!」

コルル「お兄ちゃん…信じてくれる?」

清麿(何もかもがでたらめ過ぎて、話を信じるも信じないも…。
 しかし、この子はザケルの呪文を知っている。全てを嘘だと 切り捨てるワケもいかない…!)

清麿「それに答える前に…いくつか、質問させてくれないか」


 ◆



コルル「……」

清麿(この子の言う魔界やガッシュについて、色々と聞いてみたが…)

清麿(ガッシュの性格は、オレが知るあいつと同じ。魔界については さすがに年相応の範囲までしか答えられなかったが…、
 その内容は こんな小さな子供が想像で語れるほど 幼稚で稚拙なものでもない…!)

コルル「お兄ちゃん…私の言ったこと、信じてくれる?」

清麿「…ある程度信じた上で、もう一つ質問したい。 君の本の持ち主はどうしたんだ…?」

コルル「…まだ見つかってないの」

清麿「……。その状況でなぜ、オレに今の話を伝えた?自分の本が燃やされる可能性を考えなかったワケじゃないんだろ?」

コルル「…ガッシュが、泣いてたから」

清麿「え…?」

コルル「私、あなた達がケンカしているのを公園で見たの。お兄ちゃんが帰った後もガッシュの様子を見てたの…」

コルル「ガッシュは自分が“魔物”であることに苦しんでたよ。お兄ちゃんが、ガッシュを普通じゃないと思っていることに傷ついてた…」

清麿(…あいつ…!)

コルル「“人より優れていていいじゃないか、化け物だけでは辛すぎる”…そう、言ってたの」

清麿(そんなに…苦しんでたのか……)

コルル「私たちが人間と違うのは…当たり前のことなのに」グス

コルル「何か、知らないことがあるんじゃないかって思ったの。もしそうなら、ガッシュもお兄ちゃんも酷い目に合う…」

清麿「…本を燃やすために、他の魔物が襲ってくるからか」

コルル「うん。それに、王を決める戦いは甘くないって 魔界でたくさんの大人が言ってたの…。本を燃やすだけじゃ、済まないこともあるんだって」

コルル「…平気で相手や本の持ち主の人間を[ピーーー]子もいるんだって」

コルル「千年前の戦いで人間界から戻ってこなかった子が、大勢いたんだって…」ブルッ

清麿「」ゾッ

コルル「だから、魔物のことや王を決める戦いをお兄ちゃんが知ってるのか気になって…」

清麿「…君、やさしいんだな」

コルル「えっ」

清麿「ありがとう…ちょっと待っててくれないか。ガッシュを迎えに行ってくる」ガチャッ

 …バタン

コルル「……」



コルル「……」

清麿(この子の言う魔界やガッシュについて、色々と聞いてみたが…)

清麿(ガッシュの性格は、オレが知るあいつと同じ。魔界については さすがに年相応の範囲までしか答えられなかったが…、
 その内容は こんな小さな子供が想像で語れるほど 幼稚で稚拙なものでもない…!)

コルル「お兄ちゃん…私の言ったこと、信じてくれる?」

清麿「…ある程度信じた上で、もう一つ質問したい。 君の本の持ち主はどうしたんだ…?」

コルル「…まだ見つかってないの」

清麿「……。その状況でなぜ、オレに今の話を伝えた?自分の本が燃やされる可能性を考えなかったワケじゃないんだろ?」

コルル「…ガッシュが、泣いてたから」

清麿「え…?」

コルル「私、あなた達がケンカしているのを公園で見たの。お兄ちゃんが帰った後もガッシュの様子を見てたの…」

コルル「ガッシュは自分が“魔物”であることに苦しんでたよ。お兄ちゃんが、ガッシュを普通じゃないと思っていることに傷ついてた…」

清麿(…あいつ…!)

コルル「“人より優れていていいじゃないか、化け物だけでは辛すぎる”…そう、言ってたの」

清麿(そんなに…苦しんでたのか……)

コルル「私たちが人間と違うのは…当たり前のことなのに」グス

コルル「何か、知らないことがあるんじゃないかって思ったの。もしそうなら、ガッシュもお兄ちゃんも酷い目に合う…」

清麿「本を燃やすために、他の魔物が襲ってくるからか」

コルル「うん。それに、王を決める戦いは甘くないって 魔界でたくさんの大人が言ってたの…。本を燃やすだけじゃ、済まないこともあるんだって」

コルル「…平気で相手や本の持ち主の人間を殺す子もいるんだって」

コルル「千年前の戦いで人間界から戻ってこなかった子が、大勢いたんだって…」ブルッ

清麿「」ゾッ

コルル「だから、魔物のことや王を決める戦いをお兄ちゃんが知ってるのか気になって…」

清麿「…君、やさしいんだな」

コルル「えっ」

清麿「ありがとう…ちょっと待っててくれないか。ガッシュを迎えに行ってくる」ガチャッ

 …バタン

コルル「……」



 ◆高嶺家・玄関

清麿(ガッシュの靴がない。まだ帰ってきてないのか……それもそうか)

清麿(まずは公園まで探しに行っ)ガチャッ

ウマゴン「メルメルメー!」

 ドシィ!!

清麿「ブッ!!?」ドカッ

 …シュタッ。パカパカパカパカ!

清麿「…ぐぅ…!今のはウ、ウマゴンか…!? あいつ、赤い本を奪って…!」ヨロ…

華「なんの音かしら…って、あら?清麿、またウマゴンちゃんとケンカしたの?
 自分の部屋から玄関まで暴れて降りて来た…割には静かだったけど」

清麿「え?」

華「違うの? ガッシュちゃんとウマゴンちゃん、ちょっと前に二階に上がっていったけど…あなたの部屋に入ったんじゃなかったかしら?」

清麿「なんだって!?」

華「まだ明るいけど出かけちゃダメよ、みんな。さっきニュースで…って待ちなさい!清麿!!」



 ◆モチノキ町・旧住宅街

ウマゴン「メルメルメー」スッ

ガッシュ「ウマゴン。他の魔物というのは、この本を狙ってくるのかの?」

ウマゴン「メル!」コクコク

ガッシュ「そうか。ならば、これを持った私がいなければ……清麿は安全なのだな」ギュッ


ウマゴン「メルメルメー」

ウマゴン「メルメルメル♪」フゥ ←これでガッシュは人間界で戦うことがないと安心する…

ウマゴン「メルメ……」ハッ! ←安心しようとした

 ◆

 ◆魔界

 ガッシュ『お主も此度の戦いに選ばれたのか!?』

 ウマゴン『メルメルメ~♪』

 ガッシュ『ウヌ、よかったのだ! お互いに王を目指して頑張ろうの!』

 ウマゴン『…メルッ』ギクッ……ガクガクブルブル

 ガッシュ『……ウヌゥ。選ばれたのは嬉しいが、やはり争うのは怖いのだな…』

 ◆

ウマゴン「……」

ガッシュ「お主の本の持ち主とやらは、先日の悪党なのだな?」

ウマゴン「…メル」コク

ガッシュ「それでも、私の味方をしてくれたのだな」

ウマゴン「メル」コクコク

ガッシュ「なら…私と一緒に来てくれるか?」

ウマゴン「メルメル、」

ウマゴン「……」

 ◆


 ◆一昨日・土手

 ウマゴン『メルメルメ~♪』ぎゅー

 ガッシュ『あっさりと捕まったのう…。清麿がいた場所は確かこの辺だったかの…』ガサガサ

  細川『あいつはオレの夢を叶えてくれる道具なんだぜ?道具、しかも化け物に名前が必要なのか!?』

 ウマゴン『メ!?メル…!?』

 ガッシュ『い、今のは…!?』

 ◆

  清麿『その様子じゃあ、何であいつにぶん殴られたのか分かってねえんだろうなぁっ! よく聞きやがれ!
    あのウマがてめえを裏切ったのは、あいつが会うだけで泣くほど大切に思ってたガッシュを、あいつ自身に傷つけようとさせたからだ!!』

  清麿『そんな風に考えるヤツが、道具なワケねえだろうがッ!』

 ガッシュ『清麿…』

 ウマゴン『メ……』

 ◆

ウマゴン「……」

ウマゴン「――メル」コクン

ガッシュ「ありがとうなのだ!じゃあ、まずは駅に」

ウマゴン「メルメルメー、メルメルメー!!」身振り手振り

ガッシュ「ウ、ウヌ!? お主の大切なものを清麿の家に忘れたのだな?それはいかん、すぐに取って来ねば!」

ウマゴン「メル!メルメルメー!」ダンダン! ←地面を叩き、ガッシュを指す

ガッシュ「ム…私はここで待っててくれと?」

ウマゴン「メルメルメー」コクン

ガッシュ「分かったのだ。早めに戻ってくるのだぞ」


 ◆◆



ガッシュ「ウヌゥ…。大丈夫かのう…母上殿や清麿に見つかってなければよいが…」

「……ガッシュ!!」

ガッシュ「!?」

清麿「おまえ…その本を持ってどうする気だ…!?」

ガッシュ「き、清麿…!?」

ウマゴン「メルメルメー」ひょこっ

 (清麿の後ろから出てくるウマゴン)

ガッシュ「ウ、ウマゴン!その様子じゃ、お主が清麿を連れてきたのか!?私を裏切ったのかっ?」

ウマゴン「メ!?メルメルメル!」ブンブンブン

清麿「ウマゴンを責めるな。こいつが、オレを頼ったのはびっくりしたけど…たぶん、おまえを思っての行動だ」

ガッシュ「え?」

清麿「…オレを呼び止める際に殴ったのはちょっと意味が分からないが」真顔

ウマゴン「……」プイッ

清麿「…おまえら、オレとコルルって子の話を聞いたんだな?」

ガッシュ「ヌ…」

ウマゴン「メル」コクン

ガッシュ「ウ、ウマゴンッ」

清麿「よし、おまえは正直者だな、ウマゴン。それで、その話は本当なんだな?」

ウマゴン「メル」コクン

清麿「魔界にいた頃、おまえとガッシュは友達だったんだな?」

ウマゴン「メル」コクン

ガッシュ「…友達…」

清麿「おまえ、オレのお袋は好きか」

ウマゴン「メル」コクン

ガッシュ「……?」

清麿「昨日、干し草をたくさん食ってたな…好物なんだな?」

ウマゴン「メルッ」コクン

ガッシュ「き、清麿…?さっきから質問の意図がよく分からぬが…」


清麿「ウマゴン……オレのことは好きか?」

ウマゴン「メルメル」ブンブンブン

清麿「よし、それだけ正直なら 最初の質問にも嘘はついてないな」ピキピキ

ウマゴン「メルメルメー!」コクコク

ガッシュ「……」


 ◆


清麿「…さて」コホン

清麿「じゃあ、コルルが話していた王を決める戦いが本当のことだとして…もう一度聞くぞ、ガッシュ。 おまえ、本を持って何をする気だ?」

ガッシュ「ヌ、ヌウ……」

ガッシュ「…王を決める戦いには、私一人で参加する…!」

清麿「…おまえ…!」

ガッシュ「いいか。 先日は来たのがウマゴンだったから良かったが、あのように突然魔物に襲われることもあるのだぞ!」
 
ガッシュ「それは清麿、お主には害にしかならぬ…。そんなことに“清太郎殿のご子息”を巻き込むなど、私はできぬ!」

清麿「ッ!?」

ガッシュ「清麿を鍛えなおすという 清太郎殿の依頼は…十分達成したのだ。学校の者達の清麿を見る目はもう変わっておる!」

ガッシュ「お主はもう自分の力で友達を作れるのだ。私がいなくてもスズメや、いずれできる友達など周りの者が清麿が成長する助けとなろう!」

ガッシュ「だから…清麿に危害を与えるだろう化け物の私は、もう要らぬ!」

清麿「ガッシュ…」

ガッシュ「だから…もうお別れでいいのだ!」

清麿「―――ガッシュ!!!」

ガッシュ「」ビクッ

清麿「……」ギリッ

清麿(……クソッ、クソッ…!こいつ、ここまで思い詰めてたのか…! いや、思い詰めさせたんだ…オレが…!)

清麿(オレは…自分が苦しんでいるときは、いつも助けてもらっておいて……それなのに…!)

ウマゴン「メルメルメ…」

ガッシュ「清麿…?」

清麿「ガッシュ…オレはな、救われたんだ」

ガッシュ「ウヌ…?」

清麿「おまえが親父に救われたようにオレも、おまえに救われたんだよ…」

清麿「なあ、ガッシュ。おまえは、大したことはしていないと思ってるかもしれん」

清麿「だがよ…。オレにとっては、でかいことだったんだよ…!」
 
清麿「おまえのおかげで、オレは変われることができたんだ…! おまえに助けられたんだよ…!」

ガッシュ「清、麿……」

清麿「だから、今度はオレの番だ…。でかすぎて、ちょっとやそっとじゃ返しきれねえけどよ…」

清麿「オレにも恩返しさせてくれよ…! 一緒に、戦わせてくれよ…!」



ガッシュ「ぐ……な、ならぬ!それはならぬ!わ、私がやったことは気にするな清麿! あれは、清太郎殿に救われたために行ったが…、
 義理だ!義理でお主を鍛えなおしたのだ! そこまで恩を感じることはないのだぞ!?」

ガッシュ「戦いでは死者も出ると、コルルという者は言っておったぞ! 命懸けの戦いなど、義理で参加するようなものではないだろう!?」

清麿「……義理なんかじゃねえ」

清麿「おまえ…初めて学校に行った日、屋上で不良にボコボコにされてまで、オレを待ってただろ…。それだけ、オレを鍛え直そうを思ってたんだろ?」

 ◆

 ガッシュ『学校に来なくていいのはお前の方だ!でくの坊!!』

 ガッシュ『これ以上私の“友達”を侮辱してみろ!! おまえのその口、切りさいてくれるぞ!!』

 ◆

清麿「あんなにボロボロになってまでやったあれは、義理でやったことか!?…違うだろうがッ!」

ガッシュ「…うぅ!」

清麿「それにおまえ、前にオレに“自分にウソをつくな”って言ったよな?」

 ◆

 ガッシュ『もうウソをつくな!清麿!! おまえ、本当にそれでいいのか!?』

 ガッシュ『…もう考えるな!走ってしまえ!!』

 ◆

清麿「今は、おまえが自分にウソをついているんじゃないのか?」

ガッシュ「――ッ!」

清麿「おまえ…ここに居たくないのか…?お袋やスズメのこと、嫌いになったのか?」

ガッシュ「そ、そんなことはない…!だ、だが!それでも……魔物の私の都合で、恩人の子を傷つけるワケには…!」

清麿「……ッ違う!!」ガシッ

ガッシュ「!」

清麿「オレは…おまえの友達だ!おまえが化け物だろうが魔物だろうが関係ねえ!友達なんだよ!!」

ガッシュ「き、よ…」

清麿「だから、一人で戦うなんて言うなよ…。おまえがここにいたいのなら…、そのためにオレにも戦わせてくれよ…!」ギュッ

ガッシュ「……」

清麿「さっきは、オレが悪かった…。おまえの気持ちを考えずに、独り善がりな心配をして…それを裏切られたと、勝手に思っちまった…!」

ガッシュ「」ペタッ

ウマゴン「……」

ガッシュ「……清麿、ウマゴン…。お主ら、一緒に…戦ってくれるのか…?」

ウマゴン「メ?」

清麿「だから、そう言ってるだろ…!」

ウマゴン「メ…メ…――」

ウマゴン「――メル!」コクン

ガッシュ「……そうか…」グスッ


 ◆◆



 ◆モチノキ町・川原のそばの路上

コルル(ガッシュは、大丈夫だよね…)てくてく…

コルル(あのお兄ちゃん、いい人だもん。
 王を決める戦いのことを聞いても、すぐにガッシュの心配をしてくれたもん…だから、大丈夫)

コルル「……ごめんね、ガッシュのパートナーのお兄ちゃん」

コルル(待ってて、って言われたのに黙って出てきちゃった…。でも、あそこにいたら私…、
  お兄ちゃんもガッシュも、ウマゴンも優しいから…きっと、頼ってしまう。きっと、一緒にいたいと思ってしまう)

コルル(それはダメ…。魔界で私が100人の一人に選ばれた時、喜んでくれた人がたくさんいたもん…。だから、もう少しだけ頑張ってみたいの)

コルル「えーと…」

コルル(この道を通って山を超えたら次の町だよね。…よし、そこで また本の持ち主を探)

 ガサッ

 (藪の中から、コルルの前に熊が出てくる)

熊「」グルルル…

コルル「」

コルル「…え?」


 ◆

 ◆高嶺家

華(清麿…。あの子、動物園からクマが逃げ出したってニュースをやってるのに…!)

華(ガッシュちゃんもウマゴンちゃんもいないし…)

華(清麿が飛び出していった時に「分かってるから、心配するな」とは言ってたけど…。あああ、やっぱり追った方がよかったかしら…)オロオロ

 ◆

ここまで

ゴーレンについてですが、>>2 の
原作で王を決める戦いに参戦していない魔物 を、
原作で(現代の)王を決める戦いに参戦していない魔物 ということにさせて下さい。
説明不足失礼しました

ミス
>>183
× 清麿「おまえ…ここに居たくないのか…?お袋やスズメのこと、嫌いになったのか?」
○ 清麿「おまえ…ここに居たくないのか…?お袋や水野のこと、嫌いになったのか?」



 ◆

熊「」グルルル…!

コルル「あ、ああ…!」ブルブル

 ザッ…

「なんだ…?…クマか?」

コルル(あああ、人が来ちゃった…この人も襲われちゃう…!?)

 コオオオオオ

コルル(本が光った…!じゃあ、この男の人が、私の本の持ち主なの…!?)

コルル(い、いま私が戦わないと、私だけじゃなくてこの人にも危険が…!)

コルル「う、うう…!」

コルル(ちゃんと術が使えるかは不安だけど…そんなこと、考えてる場合じゃない!)

コルル「あの!この本を…この本を読んで! 読めるページがあるから、書いてある言葉を読んで!」バッ

玄宗「は?てめえ何言って…」

熊「」グオオオオ!

コルル「早くっ!」


 ◆◆



 ◆モチノキ植物園周辺

 ダダダダダ…

清麿「コルルがいるのはこっちで間違いないんだな!」

ガッシュ「ウヌ! 清麿の部屋に残ってたいた においがするのだ!」クンクン

ウマゴン「メルメルメーッ」

清麿(よりによって山の方かよ…! 熊が動物園から逃げたことを知らないまま行ったのか。
 クソッ。コルルは何で一人で出て行ってしまったんだよ?)

「キェエエエエエ!!」

ウマゴン「メル!?」

ガッシュ「なんだ!?」

 ドシィ!ドガァ!
 …ザ、ザザザザ!
 (ガッシュ達がいる通りの向こうから飛び出てくる ゼルク状態のコルルと玄宗)

ウマゴン「メ、メルメルメーっ」 ←コルルを指す

清麿「あれは…でかいツメを生やした小さいのは…魔物か?」

ガッシュ「あの男血を流しておるぞっ? しかも、本をもっておる!」

清麿「…魔物同士の戦いが起こってるのか? 魔物が、敵の本の持ち主を追いかけてるのか?」

ガッシュ「ヌ!?」クンクン

ガッシュ「き、清麿! あの魔物から、コルルのにおいがするのだ!」

清麿「なに!?」バッ

 (コルルを見る清麿)


清麿「いや、いくらなんでも別人だろ?容姿が全く違」ハッ

ウマゴン「メルメルメ~」ブルブル

清麿「そうか、ウマゴンと同じように 自分の体を変える術がかかってるんだ…」

ガッシュ「ではあの者は本当にコルルなのか…? しかし、あのやさしい者が魔物ではなく人間を狙うとは思えぬ」

清麿「ぐ。オレだって信じたくないが、現にコルルが人間を襲って…」


コルル「貴様!いいかげんにしろ! 私は暴れたいと言ってるだろう!」ザッ

玄宗「オオゥ、聞いたぜ? だからオレが相手してやるっつってんだろ」ガシッ!


清麿(コルルが人間を――敵のパートナーを襲って…)


コルル「自分の本の持ち主を、自ら傷つける真似ができると思ってるの!?」ブンッ!

玄宗「なんの話だ?暴れたいんだろうが?! オレもおまえと同じ気分だなあ。最近マトモに遊べる奴がいなくてよお!」バシィ!ズァッ

 (爪を振り回し逃げようとするコルルと、行く手を阻む玄宗。爪はいなされ玄宗の拳が飛んでくるが、コルルはこれを回避する)

コルル「そう、小突いた程度じゃ懲りないのね…!
 チィ!ろくでもない人間をパートナーにあてやがって! 人間、殺しはしないが痛い目にはあってもらうぞ!」ゴオ!

玄宗「ようやくやる気になったかよ! いいぜ、来なぁ!」グア!

 コオオオオオオ(強くなるコルルの本の光)


清麿(コルルが敵のパートナーを、襲って…)ジッ ←玄宗が持つ本の色を確認する

清麿「………」真顔


ガッシュ「ど、どうなっておるのだ…?」

清麿「…ウマゴン。コルルが使ってる術はおまえと同じ、自分の体に働く術だよな?」

ウマゴン「メル」コク

清麿「あれって本が光ってる限り効果は続くのか?」

ウマゴン「メル」コク

清麿「………」

 ドシィ!ドガァ!バキキキ!
 おおおおおおお!
 キェエエエエエエ!

ガッシュ「き、清麿…。あの二人を止めねば…しかしどうすればよいのだ…?」オロオロ

清麿「に、人間から本を奪うぞ。とにかくコルルに掛かっている呪文の効力を消す!」ダッ

ガッシュ「ウヌ!」ダッ

ウマゴン「…メルル」ブルブル



清麿「まずは二人を引き離す!あいつらが距離を取ったら、中間に電撃を打ち込むぞ!」

ガッシュ「分かったのだ!」

 バシィ! …ザザッ!(コルルが少し玄宗から離れる)

清麿「ザケル!」カッ!

 ドカア!

コルル「地面が爆発?…いや…魔物の呪文か!?」クルッ

清麿「おまえ、コルルだろう!? オレが分かるか?ガッシュのパートナーの清麿だ!」

コルル「ええそうよ、私はコルル! あなたは誰?いいえ知ってるわ、敵の魔物とその本の持ち主ね?」

清麿(ぐ…! オレ達のことを覚えていないのか!?)

玄宗「…は?なんだ今のは?雷か?」

コルル「人間! こいつらは敵だ!戦いたいなら奴らと戦え!」

ガッシュ「本を渡すのだーー!!」ダダダダダ!

 ぐばあ!(玄宗に飛びかかるガッシュ)

玄宗「邪魔だ、ガキ!」

 グワン…バシッ。ポイッ (いなされ受け止められ、投げ捨てられるガッシュ)

ガッシュ「ヌオオオオ!?」ヒューン

清麿「ガッシュ! (イカン、宙に…!)」

コルル「よし追撃を…!」バッ

清麿「ぐ…ガッシュ!顔をコルルへ向けろ!」

清麿(コルルには悪いがザケルを撃つしか…!せめて気持ちを加減して威力を減らさないと…!)コオオ

 ドシィィ!


ガッシュ「ヌ!?」ドサッ

清麿(人間の方がコルルを止めた!?)

コルル「…なにをしている!? 敵はあいつらの方だぞ!」

玄宗「あのガキ共と戦え…? ハッ、ヤなこった!」

玄宗「てめえとやりあった方が面白え!」ズドオ!

コルル「ガ…!?」

 ドシャアァ! ザ、ザザ…
 (腹に打撃を食らい、吹き飛ぶコルル。宙で体勢を立て直し、玄宗がいる位置より離れた場所に着地する)

清麿「コルル! (あの野郎、全力でぶん殴りやがった!)」

コルル「っこの…!」

 コオオオオ(コルルの本が強く光る)

玄宗「大したダメージは受けてねえようだな!? オラ、よそ見してるともう一発いくぞ!」ダッ

ウマゴン「メルメルメルメー!」ガブッ!

玄宗「痛っで!?」

 …パサッ。(ウマゴンに手首を噛みつかれた玄宗が、本を落とす)

清麿「ウマゴン! (さっきまで怯えてたようだが 来てくれたのか!)」

コルル「チィィ!」ダッ

コルル「人間、すぐに本を拾え! 力が抜けていってる…!早く呪文を唱えろ!」

 (本と玄宗とウマゴンの下へ走るコルル)

コルル「呪文を唱えて…私に力を寄こせ!」

ガッシュ「コルル!!」

 ガシィ!(コルルを止めるガッシュ)

コルル「が…邪魔だ、放せ!」

ガッシュ「退かぬ!」ギリギリ…!

ガッシュ「私はお主と清麿との会話を聞いたぞ! お主、私が泣いていたからと、危険を承知で清麿に話をしに行ったのであろう?」

ガッシュ「お主はそのようなやさしい心を持つ者だろう!? 見境なく暴れるような者ではないのだろ!?」

コルル「…グ…!」

ガッシュ「お主、一体どうしたというのだ!? やさしいお主はどこに行ったのだ?今のお主は本当の姿ではないのだろう!?」

コルル「黙れ!私を否定するな! 力を持っている癖に私は弱いから、私が力を使ってやっているの!私、が…!」スウウウ…

清麿(よし、呪文の効力が切れて、元のコルルの姿に戻っていく…!)

コルル「く…そ…!」シュウウウ…ドサッ

玄宗「…チッ、戻りやがったか」 ←ようやくウマゴンを引き放せた

ウマゴン「メルメルメル」パタタタタ ←玄宗に首の後ろを掴まれ持ち上げられている


 ◆◆

ここまで
コンマ次第ですがコルルの術に独自設定追加など、今後捏造色が濃くなってきますのでご注意ください


そして俺氏、今更ガッシュ→清太郎の呼称(父上殿)を間違えてる事案に気づく
清麿から離れる説得のため、わざと他人行儀な呼び方をしていたということにさせてください。失礼しました

ミス >>206
×◆モチノキ植物園周辺

○◆モチノキ町立植物園周辺



玄宗「――なるほど」

玄宗「つまりオレがその本を持って呪文を唱えれば、またあいつと戦えるんだな…?」ユラア

ガッシュ「やめるのだっ。コルルを変えてはならぬ!」

ウマゴン「メルメルメー!」 怒

清麿「さっきのこの子は異常だったと言ってるだろ!」 ←コルルの本を抱えている

玄宗「戦闘に入るとテンションがガラリと変わる奴なんざいくらでもいるぞ?」

清麿「じゃかあしい!そもそも、あちこち斬られてる癖に何言ってやがる!」 

玄宗「こんなもん掠り傷だ」

清麿「黙れ!もうおまえ黙ってろ、喋るな!」クワッ

コルル「あれ…ここは…?」パチッ

ガッシュ「おお、コルルが起きたのだ!」

コルル「ガッシュ…? それにあなたはさっきの…」

コルル「!?」ハッ

 (雷撃の痕や爪痕などの戦闘痕を見るコルル)

コルル「そっか、私…ちゃんと魔法を使えなかったのね…。やっぱり私は戦えなかったのね…」




ガッシュ「お主、正気に戻ったのだな?」

コルル「うん、術の力でおかしくなっちゃったんだと思う…。 あなた、私が持ってた本を読んだよね?」

玄宗「…おう」

清麿「なあコルル、どういうことだ?術が原因だとしても変じゃないか」チラッ

ウマゴン「メルメル」

清麿「ウマゴンも似た術を使うが性格までは変わらなかったぞ」

コルル「…。私のはきっと、他の子の肉体強化の術とは違うと思うの」

ガッシュ「違う?」

コルル「聞いたことがあるの。この戦いで私みたいな戦う意志が弱い子には…狂暴な別の人格が与えられることがあるって…」

ウマゴン「」ビクッ

コルル「戦うことから逃げられないようにって…」

ガッシュ「戦うための別の人格…!?」

コルル「私、魔界でそれを聞いてずっと不安だったの…ずっと、戦えないって思ってたの」

コルル「もう一人の私が出てきたら、きっと見境なく暴れちゃう…。
 まともに魔法を使えないのなら、戦いに関係ない人を傷つけることになるくらいなら私…戦うことなんてできないって思ってたの」

清麿(待てよ…、争いたくない子も無理矢理戦わせるために別の人格を用意しただと…!?なんだ、この戦いは…!?)

玄宗「……」

コルル「でも、その不安が的中しちゃったみたい…!」グスッ

コルル「あの、怪我させてしまってごめんなさい! 私があなたを襲ったんでしょ?」ぐすん

玄宗「いや、オレからおまえにケンカを売った」

コルル「えっ」

清麿「……。確かに、こいつ自分から突っ込んでいってたな…」

ガッシュ「逆に先ほどのコルルは相手したがってなかったの」

ウマゴン「メルメルメー」ブンブン

コルル「」



コルル「で、でも…! このままじゃいつか私、人間を襲っちゃう…!ガッシュ、お願い!私の本を燃やしてっ」

ガッシュ・ウマゴン「!?」

清麿「コルル、何を言って…?」

コルル「あんな魔法を持つ私は人間界にいられないわ」

玄宗(……)

ガッシュ「ま、待つのだ!本を燃やせば魔界に帰ってしまうのだろう? お主それでいいのか?
  魔物が襲ってきた時だけ術を使えばよいのではないか? 敵が相手なら、先ほどの者が暴れても問題ないのではないか?」

コルル「それはできないの…。私たち、さっき人間界の大きな動物に襲われて呪文を読むことになっちゃった…」

玄宗「は?」

清麿(う…、やはり逃げ出した熊に遭遇しちまったのか…)

コルル「敵がいない時でもいつか、追い詰められて術を使わないといけなくなる。それで関係ない人を襲うことになったら、私…!」

玄宗「おい待て、あん時は読んでねえぞ」

コルル「嘘。襲われる寸前だったじゃない!あの状況でどうやって逃げたの?!」

玄宗「逃げてねえ。オレが叩き潰した」

コルル「」


玄宗「なんだ、やっぱり覚えてねえのか」チッ

玄宗「滅多に見かけねえモンについ我を忘れて伸しちまったが、あんな街に近いところに野生の熊がいるワケねえ。
 飼われてたヤツだと気づいて焦ったところで、捕縛目的の連中の声が聞こえてよ」

玄宗「見つからねえ内にトンズラしようとしたら、おまえが本を抱えて大泣きしそうになってやがる」

清麿「……」

玄宗「泣き声で場所が割れるかもしれん、と口元押さえつけて引っ攫って一緒に逃げたら逃走中に酸欠かショックで気絶しやがった」

ウマゴン「……」

玄宗「さてこいつ(は捨て置くとして、逃げる算段)をどうするかと考えてたら本が光ってな。興味本位で文章を読み上げた」

玄宗「変身したおまえは暴れたい、と言う癖に オレが勝負を挑んだらなぜか逃げ腰になりやがる。
 オレが殴りかかってもな。多少は反撃してきたけどよ」

ガッシュ「……」

玄宗「で、追いかけてる内にこいつらが乱入して来て、おまえを止めたってワケだ」

玄宗「なんならさっきの場所に戻って確認するか?もう処理されたかもしれねえが」

コルル「……」

清麿「…よし、こいつを魔界に帰そう」スッ… ←ガッシュの顔を玄宗に向ける

ガッシュ「き、清麿、この者は人間だぞ…?」

ウマゴン「」ギリギリギリ 威嚇


コルル「でも私…」

玄宗「てめえ、そもそも王を決める戦いとやらに挑む気はあるのか?」ジロ

コルル「えっ…?」

玄宗「自分は戦う意志が弱いと言ったな、じゃあなぜ…清麿?だったか。こいつに本を燃やさせなかった?
 それ以前に戦いたくないと考えてるなら、見知らぬ人間に本を焼くよう頼んでもよかった筈だぜ?」

ウマゴン「…メル」シュン

清麿「…どうして黙って部屋からいなくなったのかは、オレも知りたい」

コルル「ごめんなさい。ガッシュもお兄ちゃんもウマゴンも、優しかったから…。
 戦いを忘れてずっと一緒にいたくなっちゃうから…その前に、さよならしなくちゃいけないと思ったの」

ガッシュ「い、一緒にいてもよいではないか?私は歓迎するぞ!」

コルル「ガッシュ、私ね…人間界に来てずっと一人で寂しかった。もう少しひとりぼっちだったら、どうなってたか分からない…」

コルル「けど魔界で私が王候補になったと分かった時に喜んで、期待してくれた人がたくさんいたの…。
 その人たちのことを思うと 戦いから逃げることも、自分から本を燃やすような真似はできなくて…」

ウマゴン「……」

コルル「みんなが喜んでくれたから…私、せめて本の持ち主が見つかるまでは頑張ってみようって…!」

ガッシュ「ヌ、ヌグ…!」

玄宗「見つかったからどうした?勝たなきゃ意味ねえ戦いだろうが」

清麿「おい、アンタ コルルの気持ちも考えてたら…!」

玄宗「うるせえ。…おい、コルルとかいったな、結局てめえはどうしたいんだ?」

コルル「……う…」

玄宗「今てめえが心配したことは悉く杞憂だった。で、てめえは戦いから逃げるような真似はしたくねえ」

清麿「……」

玄宗「当面の目標だった本の持ち主探しも終わった。 これからどうしたいんだ、おまえは?」

コルル「……。わ、私の本を読んだせいであなたは傷ついて…」

玄宗「オウ、オレからケンカ売ったからな」

コルル「…いつか呪文を唱えないとダメな状況になるかも…。そして人を襲っちゃう…」

玄宗「ンな状況にはさせねえし、仮に唱えちまったとしても通り魔みたいな真似はやらせねえよ」

玄宗「本を放してからしばらくの間おまえを止めればいいんだろ? さっきのおまえと戦えるならオレにとっても得な話だからなぁ」

コルル「わ、私の術がおかしなせいで本の持ち主のあなたが大変なことに…」

玄宗「てめえが気に病む必要なんざねえ。オレは強え奴と戦いたいだけなんだからよ」

コルル「……」


 コンマ判定 下1
 奇数 「…いいの?」
 偶数 「……」



コルル「……」ジッ

玄宗「あー、そうかよ」イラァ

玄宗「じゃあ、こいつはオレが貰って行ってもいいな?」バシッ ←清麿からコルルの本を奪う

清麿「うぉっ!?」グラァ

ウマゴン「メルメルメー!?」

ガッシュ「お、お主何を考えておる!?」

玄宗「魔物はこの本を狙って来るんだろ? で、そのガキは戦いたくねえし本が燃えてもいいと思ってる」

玄宗「安心しろ。呪文は唱えねえし、術を使う魔物全てに勝てるとは思ってねえ。いつかは燃やされるだろうよ」

玄宗「この本を餌に、オレは強え奴と戦える。
 そいつは戦わなくても敵に本を燃やされて帰ったという大義名分を得ることができる。 問題ねえ筈だぜ?」

清麿「な…!?」

玄宗「おまえは本が燃える日まで、そいつらに守ってもらいな。随分な甘ちゃんな様だから喜んでやってくれんだろ」

コルル「あ…ああ…」フルフル

清麿「てめえ!」

ガッシュ「清麿、ウマゴン!止めるぞ! そのような私欲に使わせるくらいなら私が…!」


コルル「――ダメ! それは私のなの!!」バッ

ガッシュ「コルル!?」

 (玄宗に飛びつくコルル)

コルル「私が貰ったものなの! 私が貰って…みんなが喜んでくれたものなの!」

玄宗「知るか!こいつは戦うためのもので、てめえは戦わねえんだろうが!?」

コルル「そうじゃないの!」

ウマゴン「メルル…?」

コルル「不安なの…!あなたがもう一人の私と一緒に、周りの人に危害を与える戦い方をしたらって…!」

清麿(…!確かに…。 こいつ方向性は違うが、細川と同じニオイがする。一般人を巻き込む戦いをしかねない…!)

玄宗「……なんだ、そんなことかよ。てめえが嫌ならしねえ、望み通りにしてやるよ」

コルル「……本当に?」

玄宗「でなきゃ本を燃やしちまうんだろうが」

コルル「…」コクン


ガッシュ「コルル、お主…」

コルル「ガッシュ、ごめんなさい。本は燃やさなくても大丈夫」

コルル「さっき言われたように、この人が私の本の持ち主なら もう一人の私が人を傷つけることはない…」

コルル「それにね。私の中から“運命から逃げることはできない”って思いが浮かんできたの…」

コルル「ありがとう、ガッシュ。私…もう少しだけ、頑張ってみる」にこ

清麿「コルル…」

玄宗「…結局、戦うということでいいのか」

コルル「うん…!」キッ

ガッシュ「コルルの本の持ち主…玄宗と言ったな?」

玄宗「あ?」

ガッシュ「コルルがお主と戦うことを選んだのなら、私は何も言わぬ!」

ガッシュ「だが、もしコルルを裏切ったら、泣かせるような戦い方をしたら…私はおまえを許さぬぞ!!」

清麿「…オレも同意見だ。コルルの爪痕は覚えた。事故や傷害事件の被害者にそれがあるのを見つけたら容赦しねえ」

清麿「黒焦げにしてやる」ギロッ

ウマゴン「」ギリギリギリ

玄宗「……」ハア

玄宗「だからオレは魔物と戦えりゃ それでいいっつってんだろうが。てめえら、いらねえ心配しすぎなんだよ」

玄宗(…“戦闘中も一般人を巻き込んではならない”。さらにルールが追加されたか…。まあいい、その程度なら守れる)チッ


 ◆◆

 ◆モチノキ町・旧住宅街

 てくてくてく…

ガッシュ「ウヌゥ…コルル達は行ってしまったが大丈夫かの…」

清麿「あの野郎無駄に正直だったし、あの場だけ嘘を言ったということもないだろ。
 それに、コルルにオレへの連絡先を教えたから、何かあればすぐに分かる」

清麿(…一応、ニュースには気を配っておくか)

 てくてくてく…

ウマゴン「……」シュン

ガッシュ「ウマゴン、どうしたのだ?お主、お手柄だったぞ!落ち込むことなんてなにも…」

ウマゴン「メルメルメー」ブンブン

清麿「コルルの話に、なにか思うところがあったのかもな」

ウマゴン「」 ←清麿に気持ちが悟られて驚愕


 てくてくてく…

ガッシュ「のう、清麿」

清麿「ん?」

ガッシュ「大量の死者を出して、そして戦いたくない者に別人格を与えるなどしてまで…王を決める戦いとやらは必要なものなのかの…?」

清麿「……」

ガッシュ「王を決めるとしても、別の手段があるのではないか…?」

清麿「…オレは魔界の法や体制については知らん。だが…人間界のそういったものを変えるには権力が必要な場合が多いな」

ガッシュ「……」

ガッシュ「私は王になりたいとも、王になれるとも思ってはいない」

ガッシュ「しかし…もっとこの戦いについて知りたいとは思っておる」

清麿「…じゃあ、他に戦いについて話せる魔物を探さないとな。襲い掛かってくる奴が来ても、返り討ちにして」

ガッシュ「…ウヌ!」

ウマゴン「……」


 ◆

ガッシュ「ところで清麿。あのままではコルルが風邪をひきそうで、私は心配なのだが…」

清麿「大丈夫だ。警察がちゃんと服を着せてくれるだろうさ」遠い目

 ◆

玄宗(チッ、こいつの服が破けてなくなってるの忘れてた)ズダダダダ…

コルル「はっ、早い!すごく早いよ玄宗さん!あははははっ」キャー ←玄宗に抱えられている

警官「見つかったか!?」「いえ…くっ、あの不審者、職質振り切って逃げやがって」「誘拐事件かもしれん、早急に連絡を回せッ」

チュートリアル担当シェリーのパートナー安価に“初級術に普通・またそれ以上の威力の攻撃術持ち”の条件を入れ忘れる
 ↓
次の対戦相手にチュートリアルをして貰おうと考えたのに、なぜかコルルを>>97の選択肢に入れてしまう
 ↓
>>124の後 この段階でコルルの呪文を阻止可能・コルルが自分から送還を考えない または考えを改める状況を作れるパートナーを考える
結果、該当者が玄宗を含む三名
 ↓
あっ

となったが故の長丁場でした、失礼しました
次からはきちんと計画を立ててサクサクいきたいです

なお安価が奇数だったら、今後ゼルクコルルが周りに被害を出す凶悪魔物と化して対決することになった模様

・エルザドルやドンポッチョも指名可能です。ただ性格の大半が捏造になるかと思います
呪文は…どないしよ。ドンポッチョはアニオリ呪文+捏造で用意するとして、エルザドルは…
神童だし原作の二つの呪文を序盤から使えたと設定してもいいのでしょうか(ただしガッシュ達が相手にすると詰む)

・スレの主旨がガッシュ!!既読者向と考え、
本編前や3話までの経緯を省きましたが結果、解釈し辛い点が多く出てしまったようです。失礼しました

イイヨー、呪文の法則性もデータベースはされてるし捏造どんとこい
これを機にガッシュ読み始めたしできるなら投下に決まった時間帯あるなら教えて>>1



 ◆高嶺家

 (電話をする清麿)

清麿「――最後に言っておくが、これ脅しの為のホラじゃない」

清麿「てめえみたいな理由で本を持ち続けたら、いずれ酷い目に合うんだ」

清麿「…妙なことを考えるなよ」ピッ



 ◆細川の住居

細川(チッ。あのガキ偉そうに…!魔界の王を決める戦いだと?何だそのファンタジーは…)ピッ

細川(……。鎧が生えて二足で走って 鳴き声が羊で見た目が馬な生物も、十分おとぎ話の範疇か)

細川(…戦いに巻き込まれるなんてゴメンだな。癪だがあいつのことは諦めて、次の食い扶持を探すか…)

 ドンドン!ドンドンドン!

細川「クソ、セールスか? …うるせえな!なにも買わねえよッ!」

 ドンドン!ドンドンドン!
 メルメルメー、メルメルメー!!

細川「…な?」

 ◆

 ◆高嶺家

ガッシュ「き、清麿! ウマゴンがおらぬ、それにウマゴンの本も見当たらぬのだ!」

清麿「なに!?」

 ◆


 ◆細川の住居

 (華に新調してもらった本留めのロープで本を背負ったウマゴンが、細川の正面に立つ)

細川「おまえオレの側に付く気に…、」

ウマゴン「」ギリギリギリ 怒

細川「なったワケじゃなさそうだな。何の用だ?」

ウマゴン「メルル」ジロッ

ウマゴン「…メルメルメ~」ドサッ ←背負った本を下す

細川「……」

ウマゴン「メルメル…、メルメルメー」ビシッ…ブンブンブン ←細川を指し、首を横に振る

ウマゴン「メルメルメー」ガルルル

 ◆ウマゴンの回想
 ◆モチノキ町立植物園周辺

 コルル『けど魔界で私が王候補になったと分かった時に喜んで、期待してくれた人がたくさんいたの…。
  その人たちのことを思うと 戦いから逃げることも、自分から本を燃やすような真似はできなくて…』

 ウマゴン『……』

 ◆

ウマゴン「メルメル、メルメルメルメ~」ブンブン…ポン ←首を横に振り、本に前足を置く

 ◆
 ◆魔界

 ウマゴン『メルメルメー♪』テーン!

 ウマゴン母『…!』ポクポクポクポク! 

 (ウマゴンが本を背負った姿に、感涙し拍手するウマゴンの母)

 ◆


ウマゴン「メルメルメー!メルメルメー!」バンバンバン! ←床に置いた本を叩き、自分と細川を指す

 ◆

 コルル『聞いたことがあるの。この戦いで私みたいな戦う意志が弱い子には…狂暴な別の人格が与えられることがあるって…』

 ウマゴン『』ビクッ  ←戦う意志が弱い子

 コルル『戦うことから逃げられないようにって…』 ←自分(ウマゴン)と同じなのに、無理矢理別人格を植え付けられたらしい子

 ◆


ウマゴン「メルメルメー!」ぐすん 

ウマゴン「メル、メルメルメル…!」 ←ガッシュのような形をジェスチャーする

 ◆
 ◆魔界
 ※ウマゴンが魔物を背中に乗せるのは嫌、そんなことをするくらいなら友達などいらない、と他の子どもを追い払っていた時期

 ガッシュ『ウヌゥ…私には、お主の言っていることが分かるぞ』

 ガッシュ『お主、私と友達になりたいのだな?』

 ウマゴン『メル!!?』 ←ガッシュを追い払おうとしていた

 ◆
 ◆魔界

 ガッシュ『此度の戦い、お互いに王を目指して頑張ろうの!』

 ウマゴン『…メルッ』ギクッ……ガクガクブルブル

 ガッシュ『……ウヌゥ。選ばれたのは嬉しいが、やはり争うのは怖いのだな…』

 ◆
 ◆モチノキ町・旧住宅街

 ガッシュ『……清麿、ウマゴン…。お主ら、一緒に…戦ってくれるのか…?』

 ◆




ウマゴン「メル、メルメルメル…!」グスッ

 ◆

 ウマゴン『…メルル』ブルブル

 (戦いへの恐怖に ガッシュと清麿と一緒にコルルらを止めに行けず、見送ってしまうウマゴン)

 ウマゴン『……!』ガクガクブルブル

 ◆


ウマゴン「メルメルメルメル!」シャシャシャシャッ ←シャドーボクシングのような動作をする

ウマゴン「メルル、メルメル…メルメルメ~!」

 ◆
 ◆細川の前住所のアパート・共同の廊下

 ドンドン、ドンドンドン!
 メルメルメー、メルメルメー!

 細川『やかましい!いつまで部屋の前に居座る気だ!?』ガチャッ

 ウマゴン『メルメルメ~…』

 細川『……。よく見たら薄汚れてるだけじゃなく怪我までしてるのか、おまえ』

 ◆



ウマゴン「メルメルメ~! ――メルメルメー!」キッ!

 (本を細川の目の前に置くが、同時に強く細川を睨みつけ威嚇するウマゴン)

細川「……」


 下1 コンマ末尾で判定
 123 ハハハハハッ、何言ってるかわかんねーや!
 456 本を読んで欲しいのか?
 789 うるせえな
 0 こいつ、こんな目をしてたか…?

 下2 コンマ判定 
 十の位奇数・一の位奇数 フェイン
 十の位奇数・一の位偶数 エシュロス
 十の位偶数・一の位奇数 ロブノス
 十の位偶数・一の位偶数 ゴフレ


http://www.youtube.com/watch?v=6BZIHvX3mYo
http://www.youtube.com/watch?v=_OHIxY7_w1U
http://www.youtube.com/watch?v=LbzzjJN_D60
http://www.youtube.com/watch?v=KOPOdsychGs

このスレ読めば分かるかも
清麿「ガッシュ+ツボ+催眠術=最強」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403169807/)

清麿「強くてニューゲームか…」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52037687.html

清麿「ツボ押すからちょっとこいガッシュ」
http://elephant.2chblog.jp/archives/52038795.html


細川「うるせえな。いくら鳴いても無駄だぞ、ウマ」チッ

細川「オレはお前の言葉が良く分からん」

ウマゴン「」

細川「分からねえから、清麿のクソガキからの連絡を頼りに聞くぞ」

ウマゴン「メルメル!?」

細川「本をオレに読ませて、王を決める戦いに参加したいのか?」

ウマゴン「! メルメルメル!」コクコクコク!

細川「…おまえが戦えるワケねえだろ、バーカ!」

ウマゴン「!?」

細川「人が苦労しておだてて あやしてやらねえと、生き物どころか建物すら襲えない弱虫が戦いなんてできるのかよ?できねえブゴゥ!?」バキィ!

ウマゴン「メルメルメー!」バキィ!

 (細川を殴るウマゴン)

細川「~~ッてえ…! このクソウマ…!」プルプル

ウマゴン「メルメルメー!」ギロ

細川(…。大人しいアホ面がここまで厳しくなるもんか…?)

細川「…本気か」

ウマゴン「メル」コクン

細川「オレが了承するとでも?」

ウマゴン「メルメル」ブンブン…シュッシュッ ←首を横に振り、素振りする

細川「オレの都合はどうでもいいからやれってか?」

ウマゴン「メル!」コク!

細川「ハッ!言うようになったじゃねえか! だが誰がそんな、」

「グランセン!」


 ドガガガガァン!(壁が破壊され、吹き飛ぶウマゴンと細川)

細川「ぐおっ!?」

ウマゴン「メルメー!?」

 ザッ…

エシュロス「覚えのある泣き声が聞こえたと思ったが、やはりあの時の馬族か!」

ウマゴン「メル!?」ビクッ

細川「!? (マジか、話を聞いた日に魔物が襲って来やがっただと!?)」

エシュロス「とっくに消えたと思ってたが…まあいい!
 おまえはオレの汚点だ。人間界に送られて早々に会って攻撃したというのに、取り逃がしちまったからな!」

ウマゴン「メ、メルメル…!」ブルブル

細川(あー…そういうことか。最初に会った時からウマが怪我をしてたのは、この魔物に襲われたからか)

エシュロス「今度こそ消してやる!」

ウマゴン「メルメル…」ブルブル

ウマゴン「メルメルメー!!」キッ!

 (体の震えを止め、エシュロスへ立ち向かうウマゴン)

ウマゴン「メル!メルメル!」バシッ ←細川に本を蹴り渡す

細川「ハッ、本をオレに渡したところで唱えてやるとでも思っ」バシッ ←一応本を受け取る

エシュロス「生意気に本の持ち主を見つけたか!?いいだろう、二人ともボロボロにしてやるよ!」

細川「……」

ウマゴン「」ブフー!ww

細川「…チィィィイ!上等じゃねえか、やってやらあ!」バッ

細川「ウマ、てめえらのせいでムシャクシャしてんたんだ!ちょうどいい!」

細川「ストレス発散に付き合いやがれ!」コオオオオ

ウマゴン「メルメルメー!」


 下1 コンマ末尾で判定 (前回のコンマ結果ボーナス 補正+1)
 890 勝った!
 1~7 負けた…

ゴウシュドルクが目覚めたか?

下1 コンマ判定

 奇数 燃えた
 偶数 燃えなかった

 指名安価
 前提 >>2・グスタフ、玄宗以外・また>>88に載っていない人物

 下2 エシュロス のパートナー(人間)
  (条件:1.突出した戦闘能力を持たない 2.呪文を発音できる)

そうでなきゃ面白くない

清兵衛

 ◆

「お、覚えてろ貴様らーー!!」


清麿(まさかと思ったオレとガッシュが細川の住居に向かうと、そこにいたのは…)

細川「ハハハ…!ざまあみやがれ、散々エリート面しやがって! オレはてめえみたいなのが一番ムカつくんだよッ!」ゼーゼー ←満身創痍

ウマゴン「メルメルメ~!」 ←傷だらけ

清麿(どこかへ走り去っていく人影。そして、崩れたいくつかの住居の側で ズタボロになって高笑いするウマゴンと細川の二人だった…)

細川「おう、よくやったクソウマ!一発かましてやったなブグァ?!」ボゴォ! ←ハイタッチしようとした

ウマゴン「メルメルメー!」ボゴオ! ←ハイタッチに失敗して細川をぶん殴った

清麿・ガッシュ「……」

ガッシュ「ウ、ウマゴーン!」ダッ

ウマゴン「メル!メルメルメ~♪」ガバッ ←ガッシュに抱き着く

ガッシュ「一人で、しかもこやつのところに行くなど どうしたのだっ?」

ウマゴン「メルメルメー!」 ←ガッシュと一緒に戦うんだ、とか言ってる

ウマゴン「メルメル、メルメルメ~」 ←こいつが僕を道具扱いしたから、お返しに戦わせるんだ、とも言ってる

ガッシュ「ウヌウ…、しかもこの有様は…」

ウマゴン「メ!」シュン…

細川「いやあ、久しぶりだったが呪文ってのはやっぱ良いもんだな。唱えるとスカっとす」クルッ

 (清麿の方へ振り返る細川)

清麿「」 ←鬼と化している

細川「」


 ◆

(ぶっちゃけこのペアだと煽り力が強そうなので細川が手を組みそうもないなーと思ったり)

完全なとばっちりなのであった まる


 ◆

鬼麿「…じゃあ、てめえが率先してブチ壊させたワケじゃないんだな?」

細川「た、大半は相手がやりやがったんだ!地面を掘り起こすような術ばかりだったからな!」ダラダラダラ

鬼麿「だとしても、戦いながら閑散とした場所に退避しようとか考えなかったのか…?」ユラァ

細川「バ、バババッカ、あのガキは呪文を5、6こ持ってやがったんだぞ!?ここ、こいつに新呪文が出なかったら や、やられたのはオレ達の方だ!」ダラダラダラ

ウマゴン「メ。メメメメメル…」ガタガタガタ

鬼麿「……」

ガッシュ「」ガタガタガタ

清麿「」フシュッ

ガッシュ(戻ったのだ)

清麿「…まともに魔物と戦ったことのないオレ達が言えることじゃないよな」フゥ

ガッシュ「建物が壊れてるとはいえ、怪我人がいなかったのが幸いだの」

清麿「避難が早かったんだろうな。
 ウマゴン。今まで細川に指示されてたから麻痺してただろうが、今度からは周りへの影響を考えて術を使うようにな。分かったか?」

ウマゴン「メルル…」シュン



清麿「にしても、てめえとウマゴンがまともに戦えるとはな…」

細川「今までこのウマを言いくるめるのにオレがどれだけ苦労した思う? こいつが好戦的になっただけで随分と暴れやすくなったもんだ」ケッ

清麿「…まあおまえが多少戦いにやる気を出したとしても、ウマゴンはオレ達が預かるから」ヒョイッ ←ウマゴンを掴みあげる

清麿「どの道、もうおまえの金稼ぎには協力しないだろうけど」

ウマゴン「メル!」コク

ガッシュ「ウヌ! 周りに被害を出す戦い方もさせぬから覚悟しておけ!」

 スタスタスタ…(さっさと帰っていくガッシュ、清麿、ウマゴン)

細川「…おい、ちょっと待て。オレは呪文を唱えるのはいいがてめえらのために戦うとは一言も…」

清麿「あと、消防や警察への説明よろしくな」にっこり

細川「」


 ※ウマゴンがゴウ・シュドルクを習得しました

インガオホー まあ頑張れば道は開けるンじゃないかな(羨望)

【既存のペア】
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ
 ティオ ・ グスタフ
 コルル ・ 玄宗
 エシュロス ・ ヒゲ

 下1 コンマ末尾で判定
 1 マルス
 2-9 春彦
 0 ティオペア

あヒゲになったか、まあしゃーなしだがエリート()になんだかんだで言いくるめられてそうだ

こ、今度は取ったらティオだった(不安)

ヒゲって誰だ?

>>396
ルーパピーと組んでたヒゲ、原作ペアは遅いが強力な術を出すゾボロン

次回ティオペア把握

 指名安価
 前提 >>2・また>>389に載っていない人物

 下2 マルス のパートナー(人間)
  (条件:呪文を発音できる)

ベルン

これ確実に利用されてますわ(確信)

ここまで。ありがとうございました
“鬼麿”って単語として成立してるのかと気になりつつ、おい、本燃やし合えよとコンマ結果に頭を抱える
調整が難しいですね…

乙、二回敗北したら自動的に送還ってのも有りかと
 
ティオ&グスタフペアは強くなって
『王を殴れて首を締められる女』という女傑への道も
あって欲しい

ティオネキ「マルスを完全に倒したくて、強くなろうと、戦いを繰り返した。そうやって強くなればなるほど、
    マルスにこだわっていた
自分が、小さいことに気づいたのよ…」

ティオネキ「何かが変わるきっかけをくれるのは、
      ここ(腕)に力がある奴じゃない… ここ(心)に力があるやつよ。」

しおりねーちゃん「ティオが登場したらマルスが襲撃してくると言ったな、あれは嘘だ」
※呪文の習得順や数等 捏造注意


 ◆高嶺家

ウマゴン「メル…メル…」ZZZ… 

 (小屋の中で熟睡するウマゴン。覗きこむガッシュ)

ガッシュ「やはりよく寝ておるの。先日の戦いの疲れが出ておるのか…しっかりと休むのだぞ、ウマゴン」

ガッシュ「ウヌウ、私はどうするかの。清麿は学校だし、公園に行っても…」

 ◆

 ガッシュ『ほ、他の子ども達がおらぬ!みなどこに行ったのだ?』ポツン…

 ナオミちゃん『私たち遊び場を変えたの』 ←通りすがり

 ガッシュ『それはどこなのだ?』

 ナオミちゃん『あなたには教えないわよ』プギャーw

 ガッシュ『』

 ◆

ガッシュ「」ウグッ、エグッ…! ←思い出し泣き

ガッシュ「意地悪なあんちくしょうのことは忘れよう…! 私には清麿より授かった新たな友達がおる!」

 テーン!(バルカン300を掲げるガッシュ)

ガッシュ「ゆくぞ、バルカン!」



 ◆こども公園周辺の歩道 

マルス「次はいつ 海外へ行けるんだい?」

しおり「来週くらいかしら。お父さんに許可を貰う必要があるから…。きっと、文面上でのやりとりになるから時間がかかるわ」

しおり「…また、ティオって子のところに行くの?」

マルス「当たり前だろ」

しおり「……ねえ マルス。あなたがあまりにも敵だ敵だというものだから、あの子と最初に会った時は呪文を唱えちゃったけど…」

しおり「彼女、もの凄く傷ついた顔をしてたわよ」

マルス「う…。おまえがそう協力を拒むから、本の持ち主が見つかっていないあいつを一度しか攻撃しなかったし、逃げるのを見送ったんじゃないか」

しおり「そもそも、友達を裏切るなんてとんでもないことよ」ジロ

マルス「フン。この戦いは、自分以外の99人みんなを蹴落とさないといけないんだぜ?」

マルス「他の奴らも魔界での仲なんて忘れて潰し合ってるだろうさ。僕が弱いティオをさっさと倒して経験値にしてもいいじゃないか」

しおり「……。ティオちゃんって弱くはないんじゃないのかな…?」

しおり「お母さんの仕事に便乗してフィンランドに行った時…あの一回しか戦ってないけれど…。防御の術、凄かったわ」

マルス「確かにあれのせいでコケにされた。だが、新しく出た三つ目の呪文であの術は攻略できる」

マルス「僕がティオすら消せない筈ないんだよ…!今度こそ追い詰めてやる…!」ギリ…

しおり「そういうことを言いたいんじゃないのだけど……」

しおり「……」

しおり(フィンランドに行った時もお母さんは仕事がどうこうとしか、言わなかったな…。一応、毎日顔は合わせていたのに…)

しおり(……私には、この子しか…)


マルス「…しおり?」

しおり「い、いえなんでもないわ。ところで、今日の夕飯何がいい?」にこ

マルス「…ムリして作らなくていいよ。君 上手じゃないんだから」プイッ

しおり「さ、最近始めたんだからしょうがないでしょ? って、あれ…?」

マルス「…ティオ!?」

 (反対側の歩道を歩くティオ)

ティオ「」ビクッ

ティオ「…くっ!」ダッ

 (踵を返し駆け出すティオ)

マルス「なんで日本に…? まあいい!しおり、術を使え!」バッ

しおり「ダメよ、街中じゃ人を巻き込んでしまうわ」

マルス(こいつまた甘いことを…!)

マルス(だが人間界で協力できるのは、本の持ち主であるこいつしかいない…!)

マルス「~~ッ!分かったよ、人気のない場所まで追い込めばいいんだろ!?」ダッ


 ◆採石場

マルス「…自分から人のいない方に行ってると思ったが、やっぱり誘い込んでたのか?ティオ」

ティオ「そうよ、まんまと乗せられたわね…!」

マルス「ハッ!逆だ、乗ってやったんだよ!」

 (マルス、しおりと対峙するティオ、グスタフ)

グスタフ(…前回襲われた際に観察したが、奴の本の持ち主は粗暴ではない。そして、)

しおり「……!」ギュッ ←本を握りしめる

グスタフ(ティオを攻撃することに乗り気ではない。
 前回戦った際も、こちらへの攻撃は無機物を目標に唱えた時より心の力が抑えられていた。僅かだが術の威力も、軽減されていた)

グスタフ(…それは、満足な攻撃呪文を持たぬティオでも こやつらを倒せる隙となる)

ティオ「覚悟なさいマルス! あんたがバカにした私が、あんたの本を燃やしてあげるわ!」ギロッ


 ◆モチノキ第二中学校・教室

 (中休みの時間帯)

 ガヤガヤガヤ…

清麿(ようやく試せたが、“ラシルド”は盾の呪文だったのか…。ザケルを当てて術を相殺するよりは、確実な防御手段になるな) ←本を見ている

 ガヤガヤ… オーイタカミネ、事務室ニ来イッテー!



 ◆採石場

グスタフ「ティオ」チラッ

ティオ「分かってる。“必要以上に距離を詰めるな”、よね?」

しおり「ガロン!」

グスタフ「左だ」バッ

ティオ「ええ!」バッ

 グアア…ドガアア!(横っ飛びにガロンを避けるティオとグスタフ)

マルス「(あのパートナー…クソッ!) 奴らの体勢は崩れている、もう一度放て!」

しおり「ガロン!」

グスタフ「セウシル!」

 バキィ!(セウシルが展開。ガロンを弾く)

ティオ「……」キッ ←マルスを睨む

 ◆ティオの回想・フィンランド、グスタフの住居

 ティオ『襲われた時はびっくりしたけど…意外と防衛できたわね、あいつの術』

 グスタフ『…ああ』

 ティオ『ねえ、美術館でマルスに見つかった時、私があの場にいると思ってないようだったわ。それに…パートナーはこの国じゃ珍しい人種の人だった』

 グスタフ『名前の響きからして、恐らく日本人だ』

 ティオ『マルスのパートナーの居場所って分かるかしら…?』

 グスタフ『期間限定の展示場に日本人のスタッフがいた。その関係者かもしれんな。…素性を調べることは可能だが、どうする気だ』

 ティオ『追うわ。またあいつが来ない内に一発殴って…ううん』

 ティオ『倒してやるの…!』ギリ

 グスタフ『…。よかろう、だが対峙しそれを成すのが難しいと分かればすぐに退くぞ』

 ◆



しおり「っ、ガンズ・ガロン!」

グスタフ「……」コオオオオ

 ドンドンドンドン! ビキビキ…
 (ガンズ・ガロンを受け、ヒビが入っていくセウシル)

ティオ「く…!(大丈夫、まだ防げる!)」

グスタフ(…やはり、術の威力はそれ程でもない…)

グスタフ(それにたとえ本来の威力が出せても セウシルが割れるまで時間がかかる術だ。完全には躱せないだろうが…退避は可能だな)

マルス「チィィ、受け切りやがった! しおり!」

しおり「エイジャス・ガロン!」

 ド、ゴロロロロ…!(マルスの手から地中に鎖が伸びる)

ティオ「新呪文? グスタフ、もう一度セウシルを!」

グスタフ「……下に撃つぞ」

ティオ「え?」

 カッ(ティオの本が光る)

マルス(防御呪文を使うな、今だ!)グイッ ←エイジャス・ガロンの鎖を引く

グスタフ「サイス!」

マルス「なに!?」

 ドッ!(地中から襲うエイジャス・ガロン。同じく地面にサイスを撃ち跳ね上がるティオと、ティオを抱えたグスタフ)

しおり(術の威力を利用して跳んだ!?)

ティオ「きゃっ!?」ビシュッ

グスタフ「ムッ!」ザリッ

 …ズザア! (ティオとグスタフの両者ともにエイジャス・ガロンが掠るが、直撃はしないまま着地する)


マルス「な…?」

ティオ「今の、なんで…?」

グスタフ「鎖が伸びた方向と地面の振動で、どんな術か予想くらいつく」

グスタフ「こちらの防御呪文を待つ姿勢からも、な」

マルス「グ…!」

マルス(クソ、クソォ!あの人間がティオを強くしてやがる!)

グスタフ「サイス!」

マルス「な?…しおりっ!」バッ

 ドガァアア!(しおりに向けて撃たれたサイスを受けるマルス)

マルス「…ティオ、おまえぇ…!」

ティオ「あんたにダメージが通らない私の攻撃呪文でも、本を狙うことくらいできるわ。ボサボサしてるともう一度いくわよ…?」

ティオ「術を撃ってきても全部捌いてやるけどね! さあ、思う存分唱えなさい!」

ティオ「そして心の力をカラにしたところで、本を燃やしてあげるから!」

ティオ(格闘戦でマルスに勝てるとは思わない…!でも、パートナーを狙って本を燃やすくらいならできる…いいえ、やってやるわ!)キッ

マルス「こっの…!」ギリ


しおり「……」フルフル

しおり(このままじゃ決定打を与えられない…。このままだと、マルスが消える…?)

しおり(嫌…嫌よ そんなの!もうひとりは嫌…誰もいない家は嫌なの!)

しおり「やめて!」

マルス「!? しおり…?」

しおり「ごめんなさい!ごめんなさい!私たちが悪いのは分かってるの! でも…私からこの子を奪わないでッ!」

 ゴオオオオオ…!

ティオ「なに、あれ…? 本がすごく輝いてる…?」

しおり「ガンズ・ガロン!!」

 ガガガガ!(先ほどより数が多く、大きな鉄球が放たれる)

マルス「な!? (待てよ、何だこの威力!?)」

グスタフ「ぐ…セウシル!」

 ビキビキビキ…バキャアア!(セウシルが展開するが砕かれる)

ティオ「きゃあああ!」

グスタフ「オオオ!?」

マルス「は、ハハハ…!いける、これなら倒せるぞ!」

グスタフ(く、威力がワシら以外を攻撃していた時と同程度となる可能性は考慮していたが、まさかこうも段違いに上がるとは…!)ザザ…! ←ティオを抱えて後退する

グスタフ「…退くぞ。逃走用の車輌は用意してある」ボソ

ティオ「~ッ!」ギリィ



ティオ「…マルス!」バッ ←グスタフの手を振り切ってマルスへ向かう

ティオ「この戦いに仲間なんていない…!ええ、あんたの言う通りでしょうね、私の周りに来る者は全て敵よ!」

マルス「いつまで温いことを言ってるんだ?元の仲なんて関係ねえんだよ! おまえだって自分から戦いにきたじゃないか!」

ティオ「――あんたが裏切ったからじゃない!」

ティオ「魔界で仲良しだったのに簡単に裏切って…攻撃してきて、私を倒すなんて言って…! 私、心細かったのに…あの時会えて嬉しかったのに!」

マルス「その考えが温いんだよ!この戦いはどれだけ仲間を蹴落とせるかで優劣が決まるんだ!」

マルス「オレを信じた時点でおまえの負けなんだよ、ティオ!」

ティオ「そうね、私がバカだっただけ…。でも、私はあんたを許さないわ! ここは退くけど、絶対に後悔させてやるんだから!」グスッ

マルス「退かせるもんか、ここで終わらせてやるよ! しおり、もう一度呪文を!」

しおり「う、うん…!」ゴオオ…!

グスタフ「ティオッ」

ティオ「分かってる!」

グスタフ「サイス!」

マルス「ハッ!どこを狙って撃って…、!?」

 ビシ…ガラガラガラドシャアァ!
 (採石場の突端に設置された止め具をサイスが壊し、留められていた岩塊らがマルスとティオの間に雪崩れ込む)

マルス「チッ、奴らこんな仕掛けを作ってたのか…! この隙に逃げる気だな…逃がすかよ!追うぞ しおり!」ダッ

しおり「…え、ええ」

「待て!!」


 ダダッ!(マルスの前に立ち塞がるガッシュ)

マルス「な、おまえ…ガッシュか?ティオを庇いに来たのか? 邪魔をすんじゃねえ!」

ガッシュ「邪魔ではない!だが、どうしても聞きたいのだ」

ガッシュ「先ほどの戦い、お主が大きな術を使うところからしか見ていないが…。
 お主ら、仲たがいが原因で争っていたのか?これは王を決めるための争いではないのか…?」

マルス「なにを寝惚けたことを…。王を決めるために決まってるだろ!」

ガッシュ「しかし、相手の者が戦ってたのは恨みが理由にしか見えぬ!泣いてお主に裏切られた怒りを訴えていたではないか!」

マルス「やかましい!どの道 最後には全員敵になるんだよ!早いか遅いかの違いしかねえ、みんな裏切るんだ!
 オレは速めただけだ、それをティオが逆恨みしてるだけだろうが!」

ガッシュ「裏切らぬ!ウマゴンは…私の友達は裏切らなかったぞ! 王を決める戦いのなかでも 私の味方をしてくれたぞ!?」

ガッシュ「ティオという者も同じだったのではないのか?最初は友好的だったのだろう?
 その気持ちを踏みにじって攻撃するなど…お主、ひどいではないか!」

しおり「――ッ!」ズキッ

マルス「だ、黙れ黙れ黙れ! てめえは落ちこぼれだからそんな暢気な考えでいられるんだ!おまえの友達って奴も、どうせおまえと同じ腑抜けだろ!?
 争う気がねえから、王になる気がねえから、そんな甘っちょろいことを言えるんだ!」

マルス「しおり、何をしている?早く呪文を…」 

しおり「……」ブンブン ←首を横に振る

マルス(チッ、こいつの本の持ち主が見当たらないから唱えないのか…)

マルス「チィイ!」グア! 

 ガシィ!(殴りかかるマルス、その腕を受け止めるガッシュ)

ガッシュ「私は…お主のような手で得る王座など認めぬ。それにコルルのような…ティオのような者を出すこの戦いも、認めぬ」

マルス「おまえが認めるか認めないかなんて関係ねえだろ! 誰が何を言ったって、この戦いは変わらないんだよ!
 王を決める戦いが何回続いてきたか、習ったことも忘れたのか落ちこぼれ!」

ガッシュ「ならば、変えさせる!」

ガッシュ「――私が王となり、このバカな戦いを止めさせる!!」

マルス「っの…!相変わらず生意気なことばかり言いやがって…!」


しおり「っ! マルス、掌をその子に向けて!」

「ザケル!」

しおり「ガロン!」

 スギャア!ザ、ザザザ…(相殺する二つの術、その反動でマルスとガッシュとの距離が開く)

清麿「っくそ、学校からここまで全力疾走させやがって…! そもそも、なんでおまえが魔物と戦おうとしているんだよ…!?」ハァハァ

 ◆清麿の回想・モチノキ第二中学校、事務室

  (ガッシュから掛かってきたという電話をとる清麿)

 清麿『魔物同士の戦闘が始まる?』

 ガッシュ『ウヌ。公園で本を持った者と魔物が、子供を追いかけるのを見たのだ』

 ガッシュ『この間ラシルドを試した採石場に向かっておる!清麿、様子を見に来てくれぬか?』

 ◆

 (ガッシュの下へ駆けつける清麿)

清麿「なにがあったんだ。それにもう一体はどこに…?」

ガッシュ「逃げたのだ。…ここにいた者の言葉を聞いてどうしても放っておけず、あの魔物を問いただした。
 あの者は友を裏切ってでも勝ち抜こうとしておる。そのような王を目指す方法は間違っておる…、成させてはならぬ」

ガッシュ「そして、よく分かった。やはりこの戦いは間違っておる…止めねばならん」

ガッシュ「私は決めたぞ、清麿。此度の戦いに最後まで勝ち抜き、王となる。そして王を決める戦いを…やめさせる」

清麿「…そうか。なら、まずはあいつを止めないとな」

ガッシュ「ウヌ!」


 ◆◆



………。



ガッシュ「ヌ…!」ゼェゼエ

マルス「くそ…、なぜオレがガッシュ相手に手間取ってる…!?」ゼェゼェ

清麿(…ぐ)

 ◆清麿の回想・数日前・採石場

 清麿『ラシルドの確認が終わったところで、一つ陣形を決めておきたい』

 ガッシュ『陣形?それは美味いのか?』

 清麿『食い物じゃない。いいか、これからの戦い、きっと速さが求められることになる。
  …コルルやウマゴンみたいな肉体を強化する術を持つ奴には、特にな』

 清麿『そんななか、言葉で攻撃する方向を指示していては間に合わん。…だから戦闘時はオレの右手に注目しろ。
  術を放つ前に“SET”と掛け声と共に目標を指すから、すかさずその方向へ顔を向けろ』

 清麿『そうすれば、素早い相手や突然の攻撃にも対処しやすくなる』

 ◆

清麿(作戦のおかげか速さとコンビネーションは勝ってる。ザケルも二、三発当てた。…だが、酷く劣勢になると相手の本の光が…)

しおり「~~っ!」ゴオオオオ…!

清麿(光が強くなり術の威力が段違いに上がりやがる…!迂闊に近づくこともできない。ちくしょう、あれさえなければ…!)

しおり(ごめんなさい…!あなたの言い分は分かる、頭では分かってる…。でも心が認めないの…もう、ひとりになるのは嫌なの!)

しおり「ガンズ・ガロン!」

清麿「ッ、ラシルド!」バッ ←ガッシュに手を伸ばす

  ドガア!(ガンズ・ガロンを受けて壊れるラシルド。ガッシュを引っ掴んで退避し直撃を避ける清麿だが、破片が体を傷つける)

清麿「おおおお!」

マルス「(よし、この状態なら押し通せる!) しおり、もう一度同じ術だ!いけるな!?」

しおり「え、ええ!」ゴオオオ

ガッシュ「き、清麿!? お主まで巻き込まれて…」クルッ

清麿「“SET”! 振り返るな ガッシュ!」

ガッシュ「」ビクッ

清麿「オレも一緒に戦うって言っただろ!?これくらい屁でもねえ!」

ガッシュ「…ウヌ!」

しおり「ガンズ・ガロン!!」

 ガガガガガッ(ガッシュと清麿に向けてガンズ・ガロンが放たれる)

清麿「ガッシュ、勝つぞ! オレも動く、呪文もいくらでも唱えてやる!」コオオオオ






「バカね。そんなんじゃ心の力が尽きちゃうわよ」

「セウシル!」

 (ガッシュと清麿を中心に展開するセウシル)

ガッシュ・清麿「な!?」

マルス「ティオ!?」

ティオ「全部は防げないから、残りは自分でなんとかしなさい!」

 ビキビキビキ!(ガンズ・ガロンを受けたセウシルにヒビが入り崩壊寸前になる)

清麿「ラシルド!」

 ガガガガガガッ!(セウシルが砕けると同時にラシルドが展開。ガンズ・ガロンを受け止める)

清麿「よし 防げ、…?」

 キュンキュンキュン…

清麿(いや待て、まだ何か…)

 ドドドドッ!(電撃を纏ったガンズ・ガロンが反発し、マルスとしおりを襲う)

マルス「がぁあああっ!?」

しおり「きゃあああぁ!」

清麿「は、跳ね返した…?しかも電撃のおまけつきで…」

清麿「」ハッ

清麿「し、しまった呆けてないで早く追撃を…!」

グスタフ「いや、もう終わったみたいだぞ」

清麿「え?……あ」

 (ラシルドの電撃を受け引火したマルスの本を、遠目に確認する清麿)

マルス「そ、そんな…オレがガッシュとティオに、負けた…!?」スウウウ

しおり「…マルス!」ギュッ

しおり「ごめん、ごめんね…!私のせい…。ティオちゃんへの攻撃を止めるべきだったのに、あなたがいなくなることが怖くてできなかった…!」

しおり「私がひっぱたいでも、悪いことだと言い聞かせるべきだったのに…。あなたが離れると思って、ひとりになるのが怖くてできなかった…!」

しおり「だから、ガッシュって子が怒ってこんなことに…!」

マルス「ハ、ハハ…バカだなしおりは…オレがおまえから離れるワケないだろ。この戦いで信じられるのは…本の持ち主のおまえだけだったんだから…」

 スウウウウウ…(本が燃え尽き、マルスが完全に消える)

しおり「……」

 (ティオを見つけ、そちらを向くしおり)

しおり「私と…せめて、私からあの子の代わりに言わせて…。ごめんね、ティオちゃん…」

ティオ「…もういいわよ、全部終わったことなんだから」プイッ


 ◆◆



………。


 ◆採石場

 (しおりが立ち去った後、清麿とへたり込むガッシュ。二人と向き合う形に立つティオとグスタフ)

ティオ(この戦いに味方なんていない、周りに来る者は全て敵。仲が良かったとしても、この戦いではみんな敵に変わってしまう…)

ティオ(そう、思ってた…。でも…)

 ◆

 ティオ『待ってグスタフ、いま誰かマルスを止めてる。あれは…ガッシュ?』

 グスタフ『知り合いか』

 ティオ『う、うん…。バカね、私とやりあって消耗したところを狙ったつもりなんでしょうけど、あいつがマルスに勝てるワケないわ』フン

 グスタフ『…いや、本の持ち主を連れていないようだぞ』

 ティオ『えっ?』

 ◆

 ガッシュ『ウマゴンは…私の友達は裏切らなかったぞ! 王を決める戦いのなかでも 私の味方をしてくれたぞ!?』

 ガッシュ『ティオという者も同じだったのではないのか?最初は友好的だったのだろう?
  その気持ちを踏みにじって攻撃するなど…お主、ひどいではないか!』

 ◆

 ガッシュ『私は…お主のような手で得る王座など認めぬ。それにコルルのような…ティオのような者を出すこの戦いも、認めぬ』

 ガッシュ『――私が王となり、このバカな戦いを止めさせる!!』

 ◆


ティオ「……」じっ

ガッシュ「おお、ティオといったな!さっき盾を出して助力してくれたのはお主か、礼を言うぞ!」

清麿「ガッシュ、はやく立て」ボソッ

ガッシュ「ヌ?」

清麿(新手か…?いま手助けしたのは、マルスって魔物を倒すための可能性もある…)グッ ←本を握りしめる

 スッ(ガッシュに手を差し出すティオ)

ティオ「バカね、あなた」

ガッシュ「む?」

清麿「へ?」

ティオ「弱いクセにいばってて、許せないことには体全体で反発して…。魔界にいた時と、ちっとも変わらない」

ガッシュ「ウ、ウヌ…?」 ←ティオに手を引いてもらい、立ち上がる

ティオ「それに王様になってこの戦いを止めさせるなんて…、無茶苦茶なことを言うのね」

ティオ「…ま、同感だけど」

ガッシュ「おお、同意してくれるのか!?」ぱああ

清麿「あんたら、戦いに来たんじゃないのか?」

グスタフ「…いや」

ティオ「戦わないわよ。あなた達、心の力が尽きかけてるでしょ?」

清麿「…? (心の力?)」



ティオ「お礼を言いにきたの。ありがとう、ガッシュ。
 王を決める戦いになっても変わらない奴がいるって分かって私、嬉しかった」

ティオ「さっき手助けしたのも、そのお礼。…マルスを倒したかった、ってのが大きいけどね」プイッ

ガッシュ「どちらにしろ助かったのだ。本当にありがとうなのだ、ティオ!」

 (ガッシュとティオが話す横で、ティオに気づかれぬよう清麿へ話しかけるグスタフ)

グスタフ「清麿、といったか。…ワシからも礼を言う。これで あの子が吹っ切ることができた」

清麿「いやこちらこそ…おかげで助かった」フゥ

ティオ「……。でもね、あんたが言ってた“裏切らなかった友達”がいるっていうのはちょっと信じられないわ。悪いけど」

ティオ(あんたが仲のいい奴でウマゴンって名前、聞いたことないし…)

ガッシュ「ほ、本当のことだがの…」

清麿(確かにこの戦いの重要性を知ってると、とんでもないことだよなあ…。
 それにパートナーがアレで信用しきれてなかったというのも理由にありえるからな、ウマゴンの場合…)

ティオ「それだけよ。今日は戦わないわ。 同じ目標を持ったあんたが生き残ってくれるのは、私も歓迎だしね」

ティオ「じゃあね、ガッシュ。お互いに生き残って、また人間界で会いましょ」にこ


 ◆◆


 ◆モチノキ町・郊外

ティオ「ねえグスタフ。やっぱり私、バカだったみたい」

 ◆

 ティオ『あいつに襲われて良かったことなんて、一つだけよ。
  この戦いに味方なんていない…たくさん倒した子が強くなって生き残るってことが分かった、それだけ』

 グスタフ『最後まで、か?』

 ティオ『え?』

 グスタフ『敵を倒すだけで、王まで生き残れるのか』

 ティオ『そうよ、当たり前じゃない!違うって言うの?』

 グスタフ『…それだけで最後の一人になれるとは思わんな』

 ティオ『な、なんでよ?』

 グスタフ『今のおまえに言っても分からん』

 ◆

グスタフ「なんの話だ?」

ティオ「敵を倒すだけで王まで勝ち残れる、って言ったあれ、訂正させて」

グスタフ「…気づいたのか」

ティオ「ええ、ガッシュの啖呵を聞いてね。でも、なんであの時に教えてくれなかったの?」

グスタフ「復讐心と心の傷に雁字搦めになっているおまえでは、言っても聞かなかっただろうからな」

ティオ「」むう

ティオ「でも…そうかもね」

ティオ「それにしてもあいつ、私を見てよく怯えなかったわね。盾の呪文は羨ましいくらいの性能だったし…成長してるのね…」

グスタフ「あれは恐怖を堪えていたというより、完全におまえのことを忘れていたように見えたが」

ティオ「ハ!?あれだけいじめてあげたのに!? い、いい度胸じゃないのガッシュ!今度会ったらまた首を締め上げてやるんだから!」キーッ

【既存のペア】
[生存]
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ
 ティオ ・ グスタフ
 コルル ・ 玄宗
 エシュロス ・ ヒゲ

[脱落]
 マルス ・ しおり


 指名安価
 前提 >>2・また>>496に載っていない人物

 下3 春彦 のパートナー(魔物)
  (条件:術のトレーニングに協力的である)

ここまで。ありがとうございました

ティオ・グスタフ VS マルス・しおり の戦いでガッシュペアが助けに入る余地があるか?いやない
ということでベッタリとした仲間関係は築けませんでした

ミス >>493
×清麿「…? (心の力?)」
○清麿「…? (心の力が“尽きかけてる”?)」

悩んだので試験的にコンマ判定を入れます

バランシャの習得呪文数
 先着二票
 A.コンマで決定
 B.>>1が設定

 Aが二票獲得した場合
 下3までの内、10の位のコンマが最も高いレスのコンマ末尾で判定
 90 2つ
 12 4つ
 他 3つ

把握しました。判定のみ失礼しました

>>301
これからは指名安価が入る際は夜の時間帯に投下するようにしたいなあ…とは思ってます



 ◆モチノキ町立植物園・入口

ガッシュ「おおお!ここが“しょくぶつえん”か!」キラキラ

清麿「あんまりはしゃぐんじゃないぞ」

ガッシュ「ワアーー!」ダッ

清麿「言った側から駆け出してんじゃねえ!…ったく」

清麿(まあ、これが気晴らしになるならいいか…。戦いのことばかり考えていても息が詰まるもんな) ←本を入れたカバンを見る

清麿(ティオって子と別れた後に新しく出てた術を試したりして、そっちに気が行くようにしちまったし)

清麿(しかし、ティオが言った“心の力が尽きる”という言葉が気になる…)

清麿(呪文の使用回数に限界がある、ということだろうが…。細川のヤローに尋ねてみても知らないんだよなあ)

 ◆清麿の回想・電話での会話

 細川『は?呪文は無限に使えるんじゃねーのか? 結構な回数使ってきたが術が途中で消えたことはねえぞ』

 清麿『そうか。ところで盗品は全て返したんだろうな?』

 細川『てめえリストまで作らせて確認しただろうが!何度目だその質問!?』

 ◆

清麿(コルルにはこっちから連絡する術はないから聞けていないし…)

清麿(まあ、定期的に連絡をくれるのはありがたいけど)

 ◆清麿の回想・電話での会話

 コルル『いまね、色々と教わってるの。歩法をいっぱいと、せんつーはい と…』キャッキャッ

 清麿『そ、そうか…』 

 ◆


清麿「……」

清麿(いかん、オレこそ戦いのことばかり考えてしまってる。久しぶりに来たことだしオレも気を楽にしよう)

清麿「まずはガッシュがはしゃぎ過ぎてないかみないと…、!?」ハッ

「ほら、飼い主はどこにいるか教えてみな?それともあんた野良なの?」

「メルメルメ~、メルメルメ~」シクシク

(つくしに羽交い絞めされているウマゴン)

清麿「ウマゴン!?」

つくし「清麿?…もしかしてこの子、あんたが連れてきたの?」

清麿「え、い、いや今日はお袋が家にいるからいいかな、と置いて来たんだが…何かやらかしたのか?」

ウマゴン「メルメルメ~!」ブンブン

つくし「やらかしてはないけど園内に入り込んでいたんだよ。
 “イヌ、ネコ等のペットの持込みはご遠慮ください”。そこに書いてあるでしょ?」 ←注意書きを記した看板を指す

ウマゴン「」

つくし「それにしても、しばらく顔見せなかった割にはあんた元気そうだね?」

清麿「へ…当たり前だ。オレは中学生だぜ。学校行ってりゃ土日にしかここに来れねーよ」

つくし「…! じゃあ、あんたイジメは…」

清麿「う、うるせーよ。ハナっからいじめになんてあってねーって言ってるだろ!?」

つくし「へー…良かったね」ぱああ

清麿「グ…」

つくし「じゃ、あたしは園内にいる悪ガキをシめてくるから この子のことよろしく」 ←ウマゴンを清麿に渡す

ウマゴン「メル!?メ、メルメルメ~!」オロオロ

清麿(悪ガキ…?)

清麿「…あ」 ←ガッシュのことを忘れていた


 ◆モチノキ町立植物園・園内

ガッシュ「でっかい木ー!でっかい葉ー! ワアーーーーー!」 ←蔓でターザンの真似事をする

つくし「コラ」ベシッ

ガッシュ「あいたっ」

つくし「あたしの目の前で植物をいじめるたぁ、いい度胸じゃない…」

ガッシュ「だ、誰だおまえは!?」

つくし「木山つくし。ここの管理人よ」

ガッシュ「私はガッシュ・ベル! 私は…ヌ?しまった、清麿を見失ってしまったのだ!」キョロキョロ

つくし「ん?あなた清麿の知り合い?」

ガッシュ「ウヌ、清麿の友達兼教育係なのだ」

つくし「(教育係…)ぷっ…ククク、そうなんだ。さっき入口で会ったけどあいつ、随分と明るくなってたね」クスクス

ガッシュ「ウヌ!明るくなり活発にもなったのだ。
 私がナオミちゃんに“どこにも連れて行って貰ってない”と馬鹿にされたことを訴えたら、ここに一緒に来てくれたのだぞ」

ガッシュ「……」

 ◆

 ナオミちゃん『ガッシュちゃんっていつも公園にいるのね』

 ナオミちゃん『その様子だと、お休みにどこにも連れて行ってもらってないんでしょうね…』

 ナオミちゃん『…かわいそう』プギャーww

 ◆

ガッシュ「」ウグッ、エグッ…! ←思い出し泣き

つくし「つ、連れて来て貰って良かったね…」


ガッシュ「ウヌ、ウヌ…!つくしも清麿を知っておるのだな?」ぐすん

つくし「ああ。あいつ、いじめられてた頃学校サボってよくここに来てたもん。
 家や公園じゃ親や補導しようとする警察の目があるから、ここで時間を潰してたんだろうね」

ガッシュ「何?」

つくし「あたしも本当は入れちゃダメんだろけど、つらい時に逃げるところは必要かなーって…」

ガッシュ「…つくしは清麿を守ってたのだな?」

つくし「え?…ハハ、そんなんじゃないよ。あたし、実際はなにもしていないし…」

つくし「あたしが本当に守ってるのはここの植物達なの。
 みんな強いし、元気づけてあげればその分素直に丈夫になってくれる…大切な友達よ」

ガッシュ「つくしはいいヤツだな!」キラキラ

つくし「へ?」

ガッシュ「私もつくしの友達にしてくれぬか? お願いだ、ここ楽しいのだ!遊びに来させてほしいのだ!」 ←涙ながらに懇願する

つくし「…もちろんよ。いつでも遊びにおいで」クスッ

つくし「あ、そうだ」ゴソゴソ

つくし「清麿の知り合いってことは、ウマゴンとかいう子馬のペットのことも知ってるよね」 ←ウマゴンの本を取り出す

ガッシュ「そ、それはウマゴンの大切な本なのだ!」

つくし「ごめん、閲覧コーナーにおいてある図鑑をくすねられたと思って取り上げちゃったんだ。
 返さないといけないね…悪いことしちゃったな」



 ◆植物園園内・高台

春彦「人も増えて来たな…そろそろ始めるか」

バランシャ「待ってちょうだい、春彦。魔物がいるわ」

春彦「…へえ。どんなヤツ?」

バランシャ「ちっちゃな子。見る限りではマヌケね」

バランシャ「パートナーもそばにいるわ。本を出しているけど…私たちに気づいているワケではなさそうよ」



 ◆植物園園内

清麿(ウマゴンのヤツ…! 最初から本を背負う為の縄と赤い本を、交互に指してくれれば事情もすぐ分かったのに…!)キョロキョロ

清麿「(…いた!) つくし!ガッシュ!」タタッ

ガッシュ「おお、清麿が来たのだ」

つくし「おつかれ。ウマゴンって子はちゃんと外で待たせてる?」

清麿「ああ、入れたらあんたが怖いからな…そう、その本だ。返してくれないか、あいつの大切なものなんだ」

つくし「ガッシュからも聞いたよ。ごめ」

 ドゴォォ(つくしの体をウォケルの衝撃波が貫く)

つくし「が…あ…!?」ドサッ

ガッシュ「つ、つくし!? どうしたのだ!?」

つくし「ゲホッガホッ…え?今、あたし…何かにぶつかっ、ゴホッ!?」

清麿(つくしがいた場所から直線上の地面に穴があいている…。それに、いま微かに声が聞こえて…)

清麿「ガッシュ、つくしはオレが抱えるからどこか物陰に…!」

 ドガアア!(ドルク形態のバランシャが木や鉢植えをなぎ倒しながら、ガッシュを弾き飛ばす)

ガッシュ「ぐおああ!?」

清麿「ガッシュ!」

つくし「…え? なに、よ…この生き、物…?」ゼエゼエ

清麿「ぐ…やはり魔物か!」バッ ←カバンから赤い本を取り出す

バランシャ「あら、あなたがその子の本の持ち主なの?」 ←ドルク形態

バランシャ「彼女がそうだと私たち勘違いをしてたわ。運が悪かったのね、ご愁傷様」


 下1 コンマ末尾判定
 05 「…。もしかして私たちも運が悪かったかしら」
 他 「それとも他の人の運がよかっただけかしら」


「な、なんだ!?すごい音がしたぞ」「爆弾か!?」ワーワー、キャー

バランシャ「…それとも、他の人の運が良かっただけかしら」

ガッシュ「なに?」

バランシャ「私たち、あなた達が目的でここに来たワケじゃないのよ」

バランシャ「私のお行儀の悪いパートナーがね、どうしても術で“動く標的”を狙うトレーニングをしたいって言うものだから」

清麿「……」

バランシャ「さっきあなたを撃ったように、ね」

ガッシュ「動く標的…?まさか、園内にいる人間のことか!?」

バランシャ「ええ、あなた達のおかげで予定変更になったけれど」

清麿「つくし、悪い…。おまえの友達、少し傷つけることになる」

つくし「え?」

清麿「ザケル!」

 バシュッ(ザケルを避けるバランシャ。通路の奥に消えるザケル)

バランシャ「ずいぶん遅い攻撃ね」

清麿「てめえは随分と面白い挑発をしてくれるじゃねえか」

ガッシュ「この馬鹿な戦いに関係のない者達を術の練習台にするだと…!?」

バランシャ「あら、今ので怒ったの?やさしいのね」

清麿「つくし、その本をオレに。持ってると狙われかねない」

つくし「あ、ああ」 ←ウマゴンの本を清麿に渡す

バランシャ「…悪趣味ね。本を取り上げておいて燃やさないなんて。誰のものかしら、かわいそうに」

清麿「こいつは事情があって預かってるだけだ」

バランシャ「そうなの? まあ信用できないけど、それが本当だとしたら嬉しいわ」

バランシャ「今日は本を二冊も燃やせるんだもの」バッ

ガッシュ「ま、待て!」


つくし「今の、なに…?」

清麿「詳しい話は後だ。あいつらの狙いはオレ達だが他の人間も安全とはいえん。
 怪我は大丈夫か?逃げ切れるか?」

つくし「大したことないよ。もう騒ぎになってお客さんは逃げ始めてるけど…あたし、避難誘導するから」ヨロ…

清麿「間違っても戻ってくるなよ。巻き添えが出るのはゴメンだ」

つくし「おや、行動を読まれてたか。…りょーかい」

清麿「それと、スマン…ここが戦いの場になる。植物たちを傷つけちまう…!」

つくし「外であいつを暴れさせるよりはマシだね。この子達も守るために傷つくのはいいってさ」

ガッシュ「つくし…」

つくし「ただし、条件があるとも言ってる」

 (割れた鉢植えや、へし折れた木を見るつくし)

つくし「あいつが言ったパートナーとやらをぶっとばすこと。いいね、清麿、ガッシュ」

清麿「当たりめーだ」

ガッシュ「おう!」

 ◆

 ワーワー、キャー…!

春彦「…長期戦は無理みてーだな」

バランシャ「人ごみの中や見晴しのいい場所でやるよりはマシね、行きましょ」


 ◆植物園・休憩所周辺

 ダダダダ… 

ガッシュ「清麿、あの者はここで魔界に返さねばならぬ!今後も馬鹿なことをさせぬためにもだ!」

清麿「ああ!とはいえ…心の力が尽きる可能性もある。ザケルの乱用はできん」

ガッシュ「構わぬ。みなを守ると思えば、いくらでも力が出てくるのだ」

清麿「気をつけろ、ザケルを簡単に避けた相手だ。一度弾かれてたが大丈夫か」

ガッシュ「ウヌ、つくしの友達が守ってくれたのだ」

清麿「もう一つ、つくしを撃った術は射程は長いようだが威力は低い。メインウェポンに使っていては勝負がつかない。つまり奴らは、」

春彦「直接攻撃に出るしかねえよなぁ…? ボルク!」

 バッ(バランシャが清麿とガッシュに飛びかかって来る)

清麿(さっきの術と違う!?ぐ、どのみち魔物が出てきたのに変わりはねえ! しかも木の上から飛びかかってくるとは好都合だ)

清麿「(着地の瞬間を狙う!) ザケル!」

 ドシュウウ…(ザケルがバランシャ(ボルクの残像)をすり抜ける)

春彦「ドルク!」

 ズガア!(清麿とガッシュの背後からバランシャ本体が急襲する)

ガッシュ・清麿「ぐぉおおお!?」

清麿(後ろ、から…!?)

 ズサアアアア

清麿「あ…ぐ…!」

ガッシュ「き、清ま、…!」 ←清麿の右手がSETの形になっているのに気づき黙る


清麿(本の持ち主が近くまで出て来ているようだが…!)

 ガサダガサガサガサ…

清麿(チイ、姿が見えないうえに草の向こうで動き回ってやがる。同じ場所にはいちゃくれねえか…!)

清麿(だがオレが何度ここに来て、何時間居座っていたと思ってる? その植え込み周辺で通路のタイルが貼ってある位置くらい、把握してるんだよ!)

 ガサダガサガサガサ……カツン!

清麿「」バッ ←SETの指示を出す

バランシャ(いけない!)ダッ

清麿「ザケル!」

 ドガア!(照射されるザケル。余波でそばにあったシャベルや手押し車が破壊される)
 
 …ズダッ(バランシャがザケルを喰らう位置にいた春彦を引っ張り回避させ、ガッシュ・清麿から離れた位置に着地する)

清麿(な…!?人間を連れてでも避けるのかよ…!)

春彦「~っ!あっぶね…」

バランシャ「ドンピシャだったわね。勘がいいのかしら。対応の早さも完璧といっていいレベルだったわ」

春彦「チッ。戦い慣れしてるかと思えば素人のような話をしたり、妙なヤツらだ」

ガッシュ「おまえか、人々を練習台扱いするバカ者は!?」

春彦「バカはおまえらだ。不安要素を抱えたまま戦うことになるなんてな。そうだろ、人間の方」

清麿(ぐ、心の力の限界のことか…)

春彦「いいか? 戦うには相応の準備がいるんだよ。生物相手に戦うなら、練習に使うのも生物じゃないと意味ねーだろ」

ガッシュ「貴様…!」ギリ



バランシャ「本当困った子ね…意欲的なところは好きだけど」フゥ

バランシャ「春彦、さっきみたいなことがあると困るわ。もう少し離れてなさい」

春彦「そうしねーとやべえ相手だな。グ・リアルク!」

バランシャ「…」スウウウウ ←透明化していく

ガッシュ「魔物の姿が消えたのだ!?」

清麿「(まずい!)ガッシュ!人間を追うな、身を守れ!」ダッ ←休憩コーナーの端へ駆け出す

ガッシュ「ヌア!?」

 バキィ(爪で殴られるガッシュ、休憩コーナーの壁にたどりつきあたりを見回す清麿)

清麿「…! (次にヤツが来るのは…!)」バッ ←本を内側に体を丸める

バランシャ(あら、お利口ね)

 ギチィ!ブシッ(バランシャが清麿の足に強く喰いつく)

清麿「な、あ…があああああああ!?」

ガッシュ「(清麿の足から血が!?) いかん!」ダッ

バランシャ(そろそろ離れないと…、 ッ!?)

清麿「ぎぃ…っこの、ヤロ…!」バッ ←休憩コーナーの壁に設置されていた消火器を構える

 ブシャアアア(消火器から粉末が放射される)

バランシャ「~~~ッ!?」

 ……。(粉で覆われていた視界が晴れる)

バランシャ「…ふうん、ここから離れたようだけど血の匂いは覚えたわよ」ペッ

 ◆◆




 ダダダダ…(清麿を背負って走るガッシュ)

清麿「おまえ、重くないのか…?」

ガッシュ「守ろうと思うといくらでも力が出ると言ったであろう!?」

清麿「…そっか。なら行先を言うから、そこに着くまでちょっと休ませてくれ…」

清麿(体力的にこれ以上追い詰められるとマズイ…。だがもう一仕事せねばならん)

清麿(心の力は…。術を使った回数はまだ前回戦った時より少ない…いけるな)

清麿「いいか、ガッシュ。ヤツを捕まえるぞ」


 ◆植物園内・高台の崖下の角

春彦(なるほど、L字型になってる場所のスミに陣取ってるのか) ←ガッシュ達から見えない位置に隠れている

春彦(背後の岩場は厚くドルクでは突破できない。
 おまけに魔物が怪我をした人間の前に立ってウォケルから庇う姿勢…奇襲を避けようってワケか)

春彦(…ま、姿が見えないあいつからの奇襲を防ぐなんて無理だろうがな)コオオオオ

バランシャ「…」

 スススス…(グ・リアルクで透明化中のバランシャが足音を消して清麿とガッシュの下へ走っている)

 ◆

 清麿『ガッシュ、さっきの消火器の粉のにおいは分かるか?』

 ガッシュ『分かるぞ。私にも同じにおいが残っておるからの。…しかし、姿が見えない時ははっきりとした場所は分からぬ』

 清麿『いや、それで十分だ』

 ◆

ガッシュ「」クンクン

 ◆

 清麿『いいか、この位置では背後からの奇襲はない』

 清麿『そしてここに前方からたどり着くには、限られた空間を通らねばいかん』

 ◆

ガッシュ「今だ!」

清麿「ラシルド!」

 ズガァッ!(ラシルドが展開)

 ◆

 清麿『その空間に、ラシルドという壁をつくる』

 ◆

春彦(位置がバレた!?)

バランシャ「(無駄よ!そんな盾に誰が突っ込むものですか!) 春彦!」バッ ←ラシルドを飛び越える

春彦「(こいつで潰してやる!) ドルク!」

 グアッ(ドルクで鎧をまとったバランシャが、清麿とガッシュの頭上から迫る)

 ◆

 清麿『前が通れなくなったら、あとは頭上から攻めるしかない。例え崖の上から奇襲をかけようとガッシュは気づく』

 清麿『つまり、オレ達は宙に浮いた魔物に対処できる』

 ◆

清麿「ザケル!」


 ギャアッ(バランシャに迫るザケル)

春彦「な!? ぐ、ウォケル!」

 ドン(バランシャの口からウォケルが発射。崖の壁に当たり反動でバランシャがザケルを回避する)

春彦(ハッ、てめえらの後ろに壁があるのに何もしねえワケねえだろ!)

バランシャ(もう同じ手は通じないわ。逃げ道もない…あっけなかったわね)

 スウウ…(術の反動で跳ね上がったバランシャ。その前でラシルドが消えていく)

バランシャ「え!?」

 (ラシルドが消えた向こうに、本を口にくわえガッシュを両腕で放り投げようとする姿勢の清麿)

清麿「~~ッ!」ブン! ←ガッシュをバランシャへ投げる

 ◆

 清麿『当たればいいが…これは恐らく射出術で回避される』

 清麿『だがこいつを使った後、魔物は完全に自力で移動する手段を失う』

 清麿『例え姿を消していても、術が撃ちこまれた角度から大よその位置も分かる』

 清麿『そこにガッシュ、おまえを投げ込んで…』

 ◆

ガッシュ「ワアアアア!」

 グアア(空中のバランシャに迫るガッシュ。倒れ込みながら口から本を放す清麿)


清麿(相手に磁力をまとわせる第三の術を放つ!)

清麿「ジケルド!」バタッ

バランシャ「キャ、…? (攻撃術じゃない…?)」

 ガキン!

春彦(バランシャにガキがくっ付いた!?)

バランシャ(マントを何か貫いている…。これは春彦を撃った電撃で壊れた用具の部品?逃げる時に回収していたの?)

ガッシュ「フ、フフフ…!」バッ ←バランシャの腹部に顔を向ける

 ◆

ガッシュ『くっ付いて姿を消されても関係なくするのは良いが、鎧を纏われた時は大丈夫かの?ザケルが効くのかの…?』

清麿『その時は顔か腹、手足。とにかく鎧がない場所を狙え』

清麿『無防備ではないだろうが、他より防御が薄い場所だ』

 ◆

清麿「ザケル!」

 ズガア!

バランシャ「ギャッ」

春彦(チィ!だが甘え、強化形態にその程度の電撃じゃ大したダメージにはならん…!)コオオオオ

春彦(ッ!? いや、まずい!)ダッ

清麿「ザケル!」

 ドガア!

 ◆

 清麿『そこに複数回ザケルをブチ込む。おまえが固定されている以上、至近距離からの連弾だ』

 ◆

清麿「ザケル!」

 ドガア!

バランシャ「ギ、ギギ…!」ビキビキ… ←ドルクにヒビが入り始める

清麿「ザケル!!」

 ドズオオ!

バランシャ「ギアアアアア!」

 ◆

 清麿『ダメージは蓄積し…ヤツに一泡食わす程度の痛手は負わせられる』

 ◆


 ズサアア(ガッシュとバランシャが錐揉みに、清麿から離れた場所に落ちる)

 ブワアアア(バランシャに向かうシャベルやベンチ等の植物園内の鉄製品)

春彦(クソが、バランシャの動きを封じるつもりか!)ダダダダッ

春彦(だがてめえら もう終わりだ!)
 
 (ガッシュの視界に入らない道を辿り、倒れた清麿の下へ迫る春彦)

清麿「…!」

春彦(魔物はバランシャにくっ付いて向こうにいる!オレがボロボロのおまえから本を奪えば こっちの勝ちだ!
 たとえ魔物が足音に気づいてバランシャごと来たとしても、本に火をつける方が早え!) ←点火済みのライターを持っている

清麿「よお。よく出てきてくれたな」

ガッシュ「ダアーーーッ!」

 ドシャアア!(春彦に体当たりするガッシュ)

春彦「ごぶっ!?」

 ◆

清麿『今から、肉体強化か透明化を掛けた魔物が単独で襲ってくるだろう』

清麿『最初のザケルが当たるならそれでいい。できた隙にジケルドを撃ちこむ』

清麿『…で、だ。事態の変化に相手が術を使って対応してくれば、本の持ち主が近くで見ていることになる。
 さっき前に出てきていたからな。あいつは遠くからこちらを確認する方法を持っていない』

清麿『ダメージを負った魔物とガッシュが揃ってオレから離れれば、あいつはきっと怪我をしたオレと本を狙う』

清麿『だからガッシュ、意識が戻ったらすぐにマントを脱いでオレの方へ来い』

清麿『ヤツを捕まえて…ぶっとばしてやれ』

 ◆

ガッシュ「ヌアアアアッ!」

 ドカア!(春彦を地面に叩きつけるガッシュ)

春彦「…ガ…!?」ドサッ

ガッシュ「」バッ ←バランシャの本を奪い、ザケルの余波で引火した地面に投げ込む

清麿(…よし、これで……!)

ガッシュ「つくし! お主の友との約束…守ったぞ!」



 ◆植物園・入口

「こら、入っちゃいかん!」

「中に豹がいるんだ、ポニーのおまえなんか喰われちまうぞ」

ウマゴン「メルメルメ~」シクシク ←異変に気づき突入したい。が、避難した客複数に手足を押さえつけられてしまった

つくし(う~ん…この子もガッシュみたいに電撃を吐くのかな…。
 でも清麿が巻き添えが出るようなことはやめろ、って言ってたしなぁ…)

【既存のペア】
[生存]
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ
 ティオ ・ グスタフ
 コルル ・ 玄宗
 エシュロス ・ ヒゲ

[脱落]
 マルス ・ しおり
 バランシャ ・ 春彦

 下1 コンマで判定
 ぞろ目・末尾0 エシュロスペア
 他 フェイン 


 指名安価
 前提 >>2・また>>573に載っていない人物
 下3 フェイン のパートナー(人間)

ここまで。ありがとうございました
既に露呈済みですが>>1の戦闘のネタと描写に期待してはいけない(戒め)
あと清麿がザケルを連呼するとギャグにしか見えない。だいたいロデュウのせい

 判定のみ失礼します
 どないしょ

 先着3票 フェインペアの対戦相手の決め方
 1.経験を積んだ方がいいのでガッシュペア固定
 2.難ありの他ペア(ウマゴン、コルル)も含んだコンマ判定で決定(ただしガッシュペアになる確率8割)

把握しました、ありがとうございました


 ガヤガヤガヤ…(大通りを歩くフェインと連次)

連次「この町に魔物がいるんだな。 …どうなんだ?奴らの力は」

フェイン「そうね、わずかな力しか感じないわ…。我々でも十分倒せるレベルよ」フフン

フェイン「……」

フェイン「ところで、連次。なんで移動手段が電車と徒歩なの。タクシーを使えば早いし楽じゃない」

連次「金がねえ」

フェイン「必要ないわよ。請求される前に私が術で黙らせてあげるわ」

連次「今から戦うんだろ?心の力がもったいねえよ」

フェイン「……」

フェイン(キイイイ、このバトル馬鹿! 殴ってやろうかしら…?!)ダンダン

連次「なに地団太踏んでんだよ。そいつらの詳しい位置は探ってるのか?」

フェイン「探ってるわよッ。奴らが力を使えばすぐに分かるけれど…使わないなら気長に待てばいいわ」フン

連次「待って分かるものなのかよ?」

フェイン「ええ。誰もが私のように魔物の力を感じ取る能力があるワケじゃないの。
 でも、能力がない魔物同士でも本さえあればいつかめぐり合うようになってるのよ」

フェイン「そう、本を持ってる限り戦いからは逃れられないの…。
 たとえ、地球の反対側にいても長い年月をかけていつか必ず出会うようになってるわ」

連次「ふうん…まあ、力を探る能力を持ってるに越したことはねえってことだな。で、どうだ?見つかったか?」

フェイン「急かさないでちょうだい。 ……」


 下1 コンマ判定

 00以外の末尾0 「普段あまり呪文を使わない奴らなのかしら」
 ゾロ目 「…見つけた」
 その他 「あら、探る必要はなかったみたいね」

 1 ←原作と遭遇順にほぼ差がないし、さっくり進めようと呪文2つで書き出してた奴

 先着2票
 1.原作通りの術数2でいいよ
 2.コンマで術数を決めよう


 ◆モチノキ町・大通り

 ガヤガヤガヤ…(大通りを歩くフェインの視界に、清麿とガッシュが入る)

フェイン「あら、探る必要はなかったみたいね」

フェイン「見なさい、力を使わなくとも本が出会いの場を与えてくれたわ」


 ◆

ガッシュ「足はもう大丈夫なのか?」

清麿「違和感はあるが動く分には問題ないな。骨に異常はないって医者にも言われた」

ガッシュ「おお、良かったの!
 植物園での戦いが終わった後きゅーきゅーしゃで運ばれて、その後も病院でお泊りせねばならぬと聞いた時はどうなるかと…!」

清麿(あの後気を失ったからな…。
 それがなければ、足以外は自分で処置できる傷だったんだが…心配かけちまったな)

清麿「(だが…)だからって病院でウマゴンと一緒に騒ぎまくっていいという理由にはならんぞ」

ガッシュ「ウヌウ…すまぬ、反省しておる。それにしても看護師さん達はウマゴンを目の敵にしてたのう…もの凄く怖かったのだ…」

清麿(そりゃ衛生的に病院に動物はアウトだし…)

ガッシュ「だ、だが私がいたからこそ、勇太がごはんを食べられるようになったのはではないか?」 ※原作LEVEL.11と12参照

清麿「そりゃそうだけどよ…」 ←本を眺めている

清麿(昨日になってようやく、心の力の限界について試せたが…)

 ◆清麿の回想・採石場

 清麿『ザケル!ラシルド!…ザケル!』

  シーン…。

 清麿『術が出ない…』

 ガッシュ『本も光っておらぬ…』

 ウマゴン『メルメルメ~』
 
 細川『呪文を使う力って本当に尽きるものだったのかよ…』 ←ウマゴンの本を持っている

 清麿『ぐっ…あの岩をおまえに見立てて怒りを湧かせているのに、全く出らん…!』

 細川『おい』

 ガッシュ『き、清麿…もういいかの?』ソワソワ

 清麿『ああ、遊んでもいいぞ』

 ガッシュ『ウヌ! ウマゴン、向こうのトラックがある場所まで競争するのだ!』ダッ

 ウマゴン『メルメルメ~♪』ゴゥッ ←ゴウ・シュドルク形態

 ガッシュ『ヌアア!?速すぎるのだウマゴーン!』ダダダッ



 清麿『…ウマゴンの新術を確認したいから来てくれ、なんて誘いによく乗ったな』

 細川『あのウマに無理やり連れて来られたんだよ。拒むと仕事中に職場に入り込もうとしやがる。しかも、動物なんざご法度の場所ばかりにだ』

 清麿『……。 (ウマゴンが強かになっている…)』

 細川『あれじゃあ、他の魔物に襲われた時もオレを巻き込もうとするだろうよ。なら術に慣れて火の粉を振り払えるようにしてえんだ』

 清麿『保身のためってことか』

 細川『あー、あとは…あいつは本当に憶病な奴だ。てめえに啖呵切った時は“ちょっと”なんて言ったがとんでもねえ。
  散々あやしてやらねえと、何も襲えない弱虫だ』

 細川『そんな奴が戦うとごねても無理に決まってる。この間は上手くいったが、いつかは強情張れなくなるだろうよ』

 ガッシュ『おおお!』ババッ

 ウマゴン『メルメルメル』ババッ

 細川『その時の情けねえツラを拝めるなら、多少は付き合ってやってもいいと思ってよ』

 清麿『…おまえ、とことんまで根性がねじ曲がってるな』

 清麿『ウマゴンが物凄く憶病で戦いが嫌いってのは分かる。戦いを目の当たりにして怯えているのを見たからな』
 
 清麿『だけどそんな奴が一度戦うと決めたんだ、その決心は強固なもんだろうよ。…おまえの言ったようなことにはならん』

 細川『ケッ、言ってろ。…ところで術だけでも止めた方がいいのか、あれ』

 清麿『ん?』クルッ

 ガッシュ『ほおおおお!』バババッ

 ウマゴン『メルメルメ~!』シュドバババッ

 清麿『ええい! 強化形態の時にじゃれ付き遊びをするんじゃない!』

 ガッシュ『し、しかしこれはウマゴンが術を使うと聞いて考えた、絶対にやりたいことなのだぞ?!』
 
 ◆

清麿(うーん…細川のヤローは警察に突き出してやりたいが、ウマゴンが物凄く拒んでいるんだよな…)

「ウイガル!」


清麿「!?」

ガッシュ「な!?」

 ドガアアア(通行人ごとガッシュと清麿を吹き飛ばすウイガル)

清麿「い、今のは…!?」ヨロ…

連次「ようやく見つけたぜ!」ザッ

フェイン「ようやくという程 時間経ってないわよ。経ってたとしても連次、あんたがノロい交通手段をとったせいね」ザザッ

ガッシュ「奴ら、こんな街中で術を…!?」

フェイン「さあ、大人しく本を焼かせて。王になるのは私なの!」

ガッシュ(王…?この者が…!?)

 (巻き込まれた通行人を見るガッシュ)

「ぐうう…」「痛い…!」「何が起こって…!?」

 ◆

 コルル『不安なの…!あなたがもう一人の私と一緒に、周りの人に危害を与える戦い方をしたらって…!』

 ◆

ガッシュ「――清麿!人のいないところへ移動するぞ!」ダッ

清麿「ああ!」ダッ

フェイン「ホラ、どくのよ!いつまで寝てる気!?」ドカッ ←倒れた通行人を蹴飛ばす

通行人「ぎゃあ!」

フェイン「道をあけないとあいつらが逃げちゃうでしょ!?」

ガッシュ「…!」ギリ


 ◆モチノキ町・廃ビル

 ダダダッ…(駆け込むガッシュと清麿)

清麿「よし、ここで迎えうつぞ」バッ

ガッシュ「……」ギッ

清麿「…ガッシュ?」

フェイン「こんなところにいたのね」ザッ

連次「まだ戦いもしてねえのに逃げんじゃねえよ!」ザザッ

ガッシュ「おい、魔物の方! おまえ…王になると言ったな」

フェイン「ええ、それが何?」

ガッシュ「だというのに…この馬鹿な戦いに一般人を巻き込むなど何を考えておるのだ!?」

ガッシュ「おまえはやってはならぬことをやったのだぞ?その様な在り方では王として認められる筈がないだろう!?」

フェイン「…」

フェイン「…ク、ククク…!ファーハッハッハッホ!」げらげらげら

ガッシュ「!?」

フェイン「何を言い出すのかと思えば…。周囲の評価なんて関係ないところがこの戦いの良い面じゃないの!
 力をつけた強い者が最後まで勝ち抜き王になる…。なってしまえば、今の王政だろうがどんな貴族だろうが異議なんて唱えられねーんだ!」

フェイン「王様っていったら誰も逆らえねーんだぜ?
 どんな奴だってムカついたら叩き潰せるんだ!強い奴も弱い奴も私の気分しだいでだ!」げらげらげら

フェイン「それでいて誰も文句が言えない!それがこの戦いと、その後の…最高なところじゃない!」

ガッシュ「…そうか、よく分かった…! ならば、なおさらこの勝負 負けるわけにはゆかぬ…」

ガッシュ「おまえを王様にさせるわけにはいかぬ!」

ガッシュ「清麿、手を貸してくれ!あいつだけは王にはさせてはならん!」


清麿「当たりめーだ! ザケル!」

連次「…ウルク!」バッ

 ドカアア!(ザケルを回避する連次、電撃の中に消えるフェイン。電撃による煙と埃が舞い上がる)

清麿(よし、この間みたいに魔物が避けた様子はない…! 何か呪文を使ったようだが防御か攻撃呪文か…?)

清麿「ガッシュ、奴の姿が見えたらもう一撃、」

連次「ウイガル!」

 ドン!(ガッシュと清麿の背後からウイガルを放つフェイン) 

ガッシュ・清麿「ぐぉああああ!?」ズササササ… ←吹き飛ばされてフェインから遠ざかる

清麿(避けられていた?透明化でもしてたのか? いや、さっき使われたのはバランシャとは全く違う呪文だぞ…!?)

フェイン「あなた達、私を王にさせないんじゃなかったの?」クスクス

ガッシュ「ヌ!?」ガバッ

 (吹き飛んだガッシュと清麿のすぐそばに立つフェイン)

清麿「ぐ、ガッシュ。一旦離れ…」ダッ ←ガッシュを抱え上げフェインの位置と反対側に駆け出す

清麿「え?」ザザッ ←駆け出そうとした

 (清麿の目の前に立つフェイン)

清麿(こいつ、瞬間移動を…?いや、こいつの足元に車が急ブレーキをかけたような焦げた跡がある…)

フェイン「」クスクス

清麿(まさか、超高速移動…!?クソ、肉体強化か!)

連次「ハッ、どうした?あんな電撃一つで終わりか?」

清麿「…ザケル!」

 ドゴォオ!(ザケルを避けるフェイン。床に直撃し破片や埃が舞い上がる)

連次「やけくそか!?そんなもの当たるワケねえ、…!?」 ←視界が晴れた

フェイン「…逃げたわね」



 ◆廃ビル・屋上

ガッシュ「き、清麿?大丈夫か?」

清麿「ゲホッ…ああ、気にするな。屋上のスミに行ってくれ」ヨロ…

清麿(さっきの不意打ちが急所に入ったか…? クソッ)ゼエゼエ

ガッシュ「うぐ…!」

清麿「泣きそうな顔すんな、あいつには勝てる。…植物園でやった作戦、覚えているか?」

ガッシュ「ラシルドを使った作戦のことだな、覚えておる」コクコク

清麿「見ろ」 ←そばのビルにある鉄製の看板を指す

清麿「ジケルドをさえ当たれば、相手はあそこに拘束される。いくら高速移動の術をかけても無駄だ」

ガッシュ「それなら下の階でも撃ってもよかったのではないか…?」

清麿「いや、階段の手すりくらいしか反応しそうなものがなかった。あれくらいの規模だと、壊して寄ってきそうだからな…」

清麿「それに、ジケルドは初見だからこそ効く術だ。
 高速移動でジケルドの効果範囲から離れられたらマズイ。だからこそ、前回と同じく誘い込んで確実に当てるんだ」

ガッシュ「し、しかしまた怪我をしておる清麿に負担をかけることになるぞ…?」

清麿「大丈夫だ。絶対にあんな奴を、おまえの世界の王様なんかにはさせない。…そうだろ?ガッシュ」ゼエゼエ

ガッシュ「ウ…ウヌ。その通りだ、清麿」

フェイン「…見つけた!」

連次「チッ、なんでそんな場所に逃げ込んでやがる? 勝負を投げたのか?つまらん!」

連次「もうちょっと遊べると思ったのになぁ…ウルク!」

フェイン「」ヒュバッ ←ガッシュと清麿の下へ向かう

清麿「ラシルド!」

 ズゴア!(ガッシュと清麿の前を遮るようにラシルドが展開)


フェイン(フン、馬鹿ね…盾にぶつける気!?飛び越えれば意味ないわよ!) ←跳び上がろうとする

連次「フェイン!」バッ ←手で指示を出す

フェイン「……!」クルッ…ニパァ

清麿(今のパートナーの声は一体…?まさか、)

ガッシュ「」ドンッ ←後ろに振り返りつつ、清麿をラシルド側へ突き飛ばす

清麿「うおっ?!」

連次(宙に浮かせて方向転換させねえつもりだったんだろうが、無駄だったな!)

フェイン「撃ちなさい!」

 (ガッシュが向いた方向に 側面の手すりとガッシュらの背後のビルを蹴り跳び、ビルの突端にたどり着いたフェインの姿)

連次「ウイガル!」

ガッシュ「」バッ

 ドガガガガ(清麿を庇うようにウイガルを体で受けるガッシュ)

清麿「ガッシュ!?」

連次(魔物が盾になった!?)

フェイン(ハッ!この距離の一撃を生身で耐える気? 勘は良かったけど馬鹿だったようね!)

ガッシュ「おおおおっ!」ガガガガ


 ◆ガッシュの回想

 ガッシュ『確か、ウマゴンの術も肉体強化だったな?』

 ウマゴン『メル』コク

 ガッシュ『そうか…魔物は肉体強化を使う者が多いの。それに…みんな素早い』

 ウマゴン『メル?』

 ガッシュ『特にバランシャという者はザケルを避ける程だった。私は追うことすらできず…そのせいで、清麿がひどい怪我を負った』

 ガッシュ『コルルも、術の効力が消えかけたからこそ捕えられたにすぎぬ。しかも、あの時は人間に動きを読まれ投げられてしまったのだ…』

 ガッシュ『私は…弱いの。ちっぽけだの』

 ウマゴン『メ、メルル…』オロオロ

 ガッシュ『のう、ウマゴン』

 ガッシュ『清麿が退院したら、心の力の限界を試したいと言っておる。
  細川に協力を求めることになってしまうが…、その時に、お主の強化形態の速さに慣れさせてはくれぬか?』

 ガッシュ『私は、強くなりたい…!協力してくれぬか?』

 ◆ 

ガッシュ(一瞬だったが、こ奴が私たちの後ろへ跳ぶ姿が見えた…!)

清麿(ぐ、今からでもせめてザケルで相殺を、)

ガッシュ「当、て…ろ…!」ガガガ

清麿「!?」

ガッシュ(この攻撃さえ凌げば、あとはジケルドを撃って終わる…!
 ならば、ここでザケルを撃ってはならぬ。術を放つこ奴を離れさせるわけにはいかぬ…!)

 ガガガガ、ガ…!

フェイン(…嘘、倒れない…!?)

清麿「――ジケルド!!」


 ◆◆


 ◆廃ビル・屋上

 パチパチ…(燃えるフェインの本)

清麿「…おまえ、なんで盾なんかになった?」ゼエゼエ

ガッシュ「何を、言う…?体の丈夫な私が、清麿を守るのは当たり前ではないか…?」ゼエゼエ ←連次から本を奪った後、倒れ込んだ

ガッシュ「それに…あんな奴を、王様にさせぬと言ってくれたではないか…?
 あいつを倒すためならこれくらい…、なんともないのだ…!」

清麿「だとしても肝を冷やしたぞ。無茶だけはやめてくれよ…」

ガッシュ「ウヌ…」

 パチパチ…

清麿「でもまあ、あの魔物を王にすることだけは防げたな。…よく頑張った、ガッシュ」

ガッシュ「何を言っておる…。清麿ほどではない」


【既存のペア】
[生存]
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ
 ティオ ・ グスタフ
 コルル ・ 玄宗
 エシュロス ・ ヒゲ

[脱落]
 マルス ・ しおり
 バランシャ ・ 春彦
 フェイン ・ 連次


 下1 コンマ末尾で判定
 123 ウマゴン
 他 ガッシュ

ここまで。ありがとうございました

・雑談等について
まずは度々判定のみでレスを消費していることが、スレ全体の雑談が多く見える理由かと反省しています、失礼しました
レスは本当にありがたいです。励みになってます、ありがとうございます
雑談が続くのはしょうがないかな、と思います。スレの主旨がもし○○のパートナーが××だったら、という妄想ネタですので
ただ原作だけの話が続く、まとめ速報のフィルターを超す程に同一の方がレスを下さるなどの状況は
(後者は書き手としてはありがたいのですが、読み手として考えると)、ん?となります
また他スレや動画サイトなどのURL貼りはご遠慮願いたいです…


 ◆フランス・某所郊外


ココ「――ギガノ・レイス!」

 ズアァオオオ……!
 
 ………。


◆◆



ココ「…」ぐすん ←半泣きでブラゴに包帯を巻いている

ブラゴ「…なぜ泣く?」

ココ「ごめんなさい。私が不甲斐ないせいで、私を庇ったあなたの腕が千切れて…」グスッ

ブラゴ「これくらい一日もすれば元に戻る。おまえが不甲斐ないというのは同意するがな」

ココ「う」

ブラゴ「普段私欲の為に本を利用する人間と それを良しとする魔物しか相手にしていないせいだ」

ブラゴ「だから今回のような真っ当に王を目指す、力がある魔物を相手にすると委縮する。窮地に陥ると目をそらす」

ココ「うぅ…。そうね、私が強くならないとダメね…。体力増強メニューを増やさないと…」しゅん

ブラゴ「…なぜそこまで協力する?この戦いは貴様のような人間には得にならない話だろう」

ココ「私は最初から戦いが嫌、なんて言っていないわ。人に危害を与えるやりかたはやめて、とは言ってるけれど」

ブラゴ「…チッ」

ココ(私が欲しかった環境…貧困や格差を感じさせない国、差別意識のない国。…昔の私のような辛い思いをする子供がいない国)

ココ(あなたを、そんな国を作れる王様に育て上げたい…。
 本心はそこにあるのだけど、私の勝手な願いを押し付けるわけにはいけないわよね…)

ブラゴ「ところであの二人はどうした」

ココ「調べものをしているわ。なんでも、キャンチョメの為にどうしても探さなくちゃいけない魔物がいるとか」

ブラゴ「…これを機に完全に別行動をとったらどうだ。戦闘も足手まといにしかなっていないだろう」

ココ「ダメよ。今シェリーに武道を習っているんだもの。それに、シェリーもそれは許さないと思うわ」

ブラゴ「…フン、だろうな。あの女は本を得る前からオレ達に干渉していた」

ブラゴ(それは今も変わらねえが。
 魔術を回避するための体捌きならオレがココに教えた方が早い。だがそれを言い出すと…)

 ◆

 シェリー『あなたが、武術の基礎もないココを指導する…?』

 シェリー『…は?』 威圧

 ◆

ブラゴ(ああなるからな、あの女…)


ココ「それに、今の状態で放っておくことなんてできないわ。キャンチョメを狙う魔物がよく襲ってきているのに」

ココ「雑誌に載った戦いの痕を写した写真に、シェリーとキャンチョメが写りこんでしまったのよね…。
 シェリーは社交界じゃ有名人で素性が割れやすいから…」

ブラゴ「いい迷惑だ」

ココ「キャンチョメを狙う輩が近くに来くるから数が減る、などと言ってたのは誰かしら?」

ブラゴ「落ちこぼれを真っ先に狩ろうと考える奴は総じて雑魚だ、とも言った筈だ。そんな奴らは放っておいても消える」

ブラゴ「しかも…奴はなぜ魔界に帰ろうとしない? どうしてあのザマで勝ち抜こうなどと考えられる?」

ココ「偏見はいけないわ。キャンチョメも王候補なんだから戦おうとするのは当たり前でしょ。
 今はあなたという現実を見て苦しい思いをしているけど、それを耐えて前に進めばきっと…あの子は強くなるわ」

ココ「だから、ね。今はそっ としておいてあげて」

ブラゴ「…おまえは甘すぎる」

ココ「あなたは非情すぎるわ」

ココ「…あ、でも最近は落ち着いてるわね。その点は本当にうれしい」にこ

ブラゴ「…」

ココ「お礼が遅れちゃったね。さっきは助けてくれてありがとう、ブラゴ」

ブラゴ「…勘違いするな。ココがやられれば本が燃やされる…それだけのことだ」

ココ「理由はどうあれ私は嬉しかったわ」にこにこ

ブラゴ「……」

 ◆◆◆

ミス>>674
×ココ「理由はどうあれ私は嬉しかったわ」にこにこ

○ココ「理由はどうであれ私は嬉しかったわ」にこにこ


またガッシュペアがバランシャの名前を知る機会がないのに、フェイン戦でバランシャの名前を出していました
バランシャ戦のどこかで春彦が呼んでいるのを聞いていたと脳内保管してくだされば幸いです



清麿(ちくしょう、油断していた…!)

清麿(ここのところ、ガッシュとウマゴンは毎日晩メシまで帰ってこなかった…。聞けば新しい遊びを見つけたらしい)

清麿(だからオレはあいつらが一昨日の夜遅くまで起きていたことも、その遊びの延長だとばかり思っていた)

清麿(それがまさか…)


 ◆キャンプ場 バンガロー内

ガッシュ「」う~んう~んう~ん… ←うなされている

ウマゴン「メルメル…」ギュー ←水で冷やしたタオルを絞っている

清麿(林間学校についてくるための準備だったとは…!)

清麿(クソ、バスに台車を括り付けてまで来るとは予想できなかった…!バルカンを囮に撒けたと思ったのに)

 ◆清麿の回想・前日、キャンプ場

 ウマゴン『メルメルメ~♪』ガバッ ←中田先生に抱き着く

 中田先生『ホッホッホ、おいおいウマだ。ウマじゃないか』なでなで

 中田先生『ワーー!? ウマだーーー!』バッ ←ウマゴンから飛び退く

 『キャー!』『イヤー!』『野生か?野生のウマか!?』
 『山じゃなくてバスの方から来たぞ!』『じゃあ誰か連れて来たのかよ!?』

 中田先生『誰だー! ウマを林間学校に連れて来たのは!?』

 清麿『金山です!』

 金山『高嶺、貴様オレに罪をかぶせる気か? こいつはおまえが研究しているUMAだろ!?』

 清麿『何の話だ!?』 

 ガッシュ『ヌアア!ウマゴン、もう少し隠れていないとダメなのだー!』ダダッ

 スズメ『ガ、ガッシュくん…?』

 清麿『ワーーーー!』滂沱

 ◆



 コンコン、ガチャッ

マリ子「あれ?その子 昨日カレーを食べて気分が悪くなったの、まだ治らないんだ?」ひょこっ ←扉から顔をのぞかせる

清麿「うぐっ」

山中「高嶺のせいだな」ひょこっ

岩島「高嶺くんの責任だね」ひょこっ

金山「高嶺がやらかしたからな」ひょこっ

鈴木「虐待はいけないわ 高嶺くん」ぬらぁ

清麿「ええい、ゾロゾロとうっとおしい!分かってるからそれ以上傷口を抉ってくれるな!」

スズメ「あああ、あのその、あれは私やバルカンってロボットも味付けしたから全部高嶺くんのせいじゃ…」オロオロ

清麿(フォローしてくれるのはありがたいが、バルカンのせいにするのは苦しいぞ水野…)

野口「そ、そうだよっ。それにガッシュくんは酔い止めにカメ一杯の梅干を食べてたんだろ?それが原因かもしれないじゃないか」オロオロ

清麿(誰だおまえ)



マリ子「それはそうと、あと少しで朝礼だよ。あんたいつまで部屋にいんのさ、同室の連中はもう出たんでしょ?」

清麿「ああ、そろそろ行くか。ウマゴン、ちょっと出てくるな」

ウマゴン「メルメルメ~」ドン ←まかせろ、と自分の胸を叩く

 バタン…スタスタスタ…

マリ子「う~ん…! 林間学校の先が新しいキャンプ場でよかったね、快適だわ。バンガローも新しいからよく眠れたし」

スズメ「そうだね…去年まで使っていたところは老朽化が激しくて閉鎖されたんだっけ」

山中「同じ山にあるけどムチャクチャボロだったらしいぜ。オレ達が新しいところに行けると知った先輩が羨ましがってたな」

金山「確かに良かったな…場所は」

清麿(ぐっ)

山中「そういえばあのウマは昨日から変わらず元気だな」

岩島「忘れたのかい? 昨日の調理中にニンジンをあげたら、悶絶してなにも口に入れなくなったじゃないか」

鈴木「なら、高嶺くんのカレーを回避できたのね…」

生徒達(((……羨ましい)))じぃっ

スズメ・野口「」オロオロ

清麿(…視線が痛い)



 ◆バンガロー内

ガッシュ「」う~んう~ん…

ウマゴン「メルル…」

ウマゴン「!」ピコーン!

 ◆

 ウマゴン母『シュナイダー、吐き気がするの?大丈夫よ、この薬草を煎じて飲めばすぐに良くなるわ』

 ◆

ウマゴン「メルメル…メルメルメ~!」ぱああ ←同じ薬草が人間界にあるか、という疑問まで至っていない

ウマゴン「メル…」スッ ←自分の本をガッシュの枕の下に入れ込む

 スクッ…バタン(バンガローを出ていくウマゴン)

ウマゴン「メルメルメ~♪」パカパカパカパカ


 ◆◆◆


 ◆閉鎖されたキャンプ場

 ズドオオォン…!

エシュロス「フ、フフ…ハハハハ!さすがオレだな、これで8つ目の呪文だ!これで…」

エシュロス「これで、今度こそあのウマを魔界送りにしてやれる…!」ギリィ

ヒゲ「おう、真面目に術の鍛錬をした甲斐があったな。
 よほど、あんな小さいのにしてやられたのが堪えたとみえるぜ…エリート(笑)」

エシュロス「うるせえ!大体 貴様がウマの本の持ち主をやたら逆上させなければ勝っていたんだ!」

ヒゲ「あいつはワシではなくおまえの煽りの方にブチ切れたように見えたがな、エシュロス」

ヒゲ「それまでウマ任せにして心の力だけ出していたのが、おまえが調子に乗った口上を捲し上げた途端 ウマに乗って指示まで出すようになりやがって。
 ウマも戦況が悪いのを悟ったのか、拒むのを止めて乗せたからな」

エシュロス「そして奴らの本にゴウ級呪文が出て翻弄された…!忌まわしい…!」ギリギリ

エシュロス「なにより苛立たしいのは、あの後いくら探せども奴らが見つからなかったことだ。本の持ち主すらな」

エシュロス「本同士が引き合うというのはデマだったのか?」イライラ

ヒゲ「住んでる場所をぶっ壊されて、別の町に引っ越したのかもしれんぞ」

エシュロス「それともパートナーが本を持ち歩かず、本を持った魔物が遠くで別行動をしているのか…?」

ヒゲ「それはねえだろ」

エシュロス「さすがにないな」

エシュロス「…まあいい、まずはあの町周辺を徹底的に調」

「メルメルメ~!」

 ガサガサガサッ…ドシャアア(藪の中から飛び出して来るウマゴン)

エシュロス「」

ヒゲ「」

ウマゴン「メルメ…」ゼーゼー ←薬草を探す途中にヘビに追われて道に迷った挙句、ここにたどり着いてしまった

ウマゴン「メルメルメ~」ホッ… ←ヘビを撒けたことに一安心

ウマゴン「メルメル…」クルッ

 (ウマゴンが振り向いた先に、呆然として立つエシュロスとヒゲ)

ウマゴン「」


 ◆◆


 ………。

 メルメルメ~! メルメルメ~!
 ドシャア!
 メルメルメ~! メルメルメ~!
 ズドオ!
 メルメルメ~! メルメルメ~!

エシュロス「逃げるなッ。オレはてめえと追いかけっこをしたいわけじゃねえんだよ!」バゴオ! ←走るウマゴンを殴り飛ばす

ウマゴン「メルメルメ~!」ズサアア

エシュロス「おいヒゲ、なぜ呪文を使わない?」

ヒゲ「いま使ってみろ、エリート(爆笑)。また心の力が不足するぞ」

エシュロス「…チッ、それもそうか」

 (倒れたウマゴンを掴みあげるエシュロス)

エシュロス「久しぶりだな。…まずは、本の持ち主の居場所まで案内してもらおうか」

ウマゴン「」

ウマゴン「…」 ←中学校までの帰路が分からない

ウマゴン「メ…」 ←バンガローへの帰り道すら見いだせない

ウマゴン「メルメル」ブンブン ←むしろ自分が知りたい

エシュロス「断るとはいい度胸だな!?」

 ズダア!(地面に叩きつけられるウマゴン)

ウマゴン「メルメルメー!」 泣


エシュロス「さっさと動け!本の持ち主がいる状態で戦ってやるだけ ありがたいと思わねえのか!?」

ヒゲ「落ち着けよ みっともねえ。そもそもこのウマ、こんな山奥でなにをやってたんだ?」

エシュロス「…!そういうことか。
 確かもう少し登った先のキャンプ場に大勢の人間がいたな。あの中に本の持ち主がいたか」

ウマゴン「メル!?」ビクゥ!

ヒゲ「ほう、今の反応…。全くのハズレってわけじゃなさそうだな」

エシュロス「なら簡単だ。あの場所を滅茶苦茶にしてやれば本の持ち主もすぐ出てくるだろ。やるぞ、ヒゲ」

ウマゴン「メルメル!?」

ヒゲ「おう。ただし本の持ち主を炙り出すまでだぜ」

ウマゴン「メルメルメルッ!」ガブゥ! ←体をひねってエシュロスに噛みつく

エシュロス「ぐッ!?」

 ズダダ…(エシュロスから離れ、行く手を阻むように四つ足で立つウマゴン)

ウマゴン「メルメルメー!」

ヒゲ「なんだ、気が変わったのか?」

エシュロス「…まさか、呪文の力なしでも戦う気じゃないだろうな?」

ウマゴン「メル…」ガタガタ

 ◆

 スズメ『病院で会った時以来だね。久しぶり、ウマゴン』

 マリ子『この子の名前ウマゴンっていうんだ?よろしくね』にこ

 山中『おう、ウマゴン。一緒に薪割りしようぜ』

 岩島『ウマなら食べるかな? ほら、ニンジンだよ』

 ◆

ウマゴン「メルメル…」ガタガタ

 ◆

 ガッシュ『』う~んう~ん…

 ◆

ウマゴン「…メルメルメ~!」ギッ


エシュロス「――!」

エシュロス(…この目だ。初めて遭遇した時は泣きながら逃げ出した癖に、二度目はこの目になった途端 変わりやがった。
 こいつ、本の持ち主の有無で戦意が変わるわけじゃないのか…?)

エシュロス(術なしでオレとやり合う気なのか? オレに勝てると思っているのか?)

ウマゴン「」ギリギリギリ 威嚇

エシュロス(……フン、そんなわけねえ。 あってたまるかよ)

エシュロス「ヒゲ、呪文を唱えろ」

ヒゲ「ん?本の持ち主はいいのか」

エシュロス「こいつが戦う気になっているんだ、近くにいるはずだ。大方どこかに潜んでいるんだろ。
 隠れて呪文だけ唱えようって魂胆だ。こっちが術を使えば対応して肉体強化をかけてくるだろうさ」

ヒゲ「もう上のキャンプ場から降りて来てたのか…まあ、先ずは小手調べだな」コオオ

ウマゴン「メルメル…!」

ヒゲ「グランガルゴ!」

 ズガガガッ(地面から複数の土の槍が突き出し、一本がウマゴンの前足を貫く。吹き飛ぶウマゴン)

ウマゴン「メ…!?」

エシュロス「さっさと呪文を唱えろウマの本の持ち主! 早くしないと…こいつが死ぬぜ!?」

ヒゲ「グランガルゴ!」


「オオオオオ!」

 ズガガガガッ…ズシャア!(グランガルゴの発動前にウマゴンを掻っ攫って回避する人影)

エシュロス「なに!?」

ガッシュ「…ウマゴン、無事か!?」

ウマゴン「メルル!?」

 ザザザッ(藪の中から走り出てくる清麿)

清麿「ったく、黙っていなくなりやがって…!
 しかもガッシュの鼻を頼りに見つけたと思ったら、魔物と戦おうとしているなんてな…」 ←本を持っている

エシュロス「赤い“本”…? チィィ、新手か!?」バッ

ウマゴン「…メル」ヨロヨロ…

清麿「さっきの術をモロに喰らったのか」

ガッシュ「休んでおるのだ、ウマゴン。私が奴を引き受ける」

ガッシュ「小さくだが聞こえたぞ…! おまえら、もう一つのキャンプ場を破壊しようとしておったな?」キッ

ヒゲ「おうよ。術で騒ぎが起これば、そのウマのパートナーが何かしらの反応をすると思ってよ」

エシュロス「その必要はなかったがな。そいつがやる気になったということは近くに潜んでいるんだろ?」

清麿「いない」

エシュロス「え?」

清麿「…そいつの本の持ち主は、この山には来てねえよ」

エシュロス「ハッ、嘘を吐くな!そんなわけ」

ヒゲ「…いや、パートナーがいるならワシが二回も呪文を唱える前に ウマに肉体強化をかけねえか…?」

エシュロス「――ッ! じゃあ、なんだ…?あいつは本気で呪文の力なしでオレと戦う気だったのか…?」

ウマゴン「メルメル」ギッ

エシュロス「どこまで…どこまでオレを愚弄する気だ、このクソガキッ!!」



清麿「ウマゴン。もしかしてあいつは以前おまえと細川を襲った魔物か?」

ウマゴン「…メル」コクン

清麿「そうか…まさかこんなところで遭遇するなんてな。 ガッシュ、体調は大丈夫だな?」

ガッシュ「問題ないぞ!再び清麿のカレーを食べて 胃の中のものを全て吐き出してきたのだ!」

清麿「……。お、おう!」


エシュロス「ヒゲ! さっきのように威力を抑えて唱えるなんてするんじゃねえぞ!?」

エシュロス「あいつらまとめて生き埋めにしてやる!」ギリィ

ヒゲ「おーおー、お冠だな坊ちゃん」コオオオオ


清麿「オレがウマゴンを担ぐ!二手に分かれて走るぞ!」ダッ

清麿「ある程度の攻撃は自分で避けろ。イザという時は呪文で助ける!」

ガッシュ「ウヌ、私が奴らに突っ込むのだ!」ダダッ



エシュロス「離れたか!? なら人間から潰し」

ガッシュ「おおおおお!」

 シュダダダダッ(清麿より数段上のスピードでエシュロスとヒゲへ向かうガッシュ)

エシュロス「な!?」

清麿「(速い!?) …ザケル!」

ヒゲ「クレイシル!」

 バシイィ(土の壁に吸収されるザケル)

エシュロス「下がれッ」

 ザザザ(ガッシュが意識を戻す前に距離をとるエシュロスとヒゲ)

ガッシュ「のおおおおお!」シュドダダダッ! ←すぐさま距離を詰めようとする

ヒゲ「ぐっ。このガキ、また…!?」

清麿(やはり速い…!あいつ、いつの間にあんなスピードを…!?)

ウマゴン「メルメル…」

 ◆ウマゴンの回想・ある日の夕方、細川の住居

 細川『“ゴウ・シュドルクを唱えて欲しい”、だ?』

 ガッシュ『ウヌ。強化形態のウマゴンと競走して、鍛えて…素早さを身に着けたいのだ』

 ガッシュ『あ、清麿には秘密だから安心してよいぞ』あせあせ

 細川『逆に怖えよ』チラッ ←ウマゴンを見る

 ウマゴン『』じろっ ←ガッシュの頼みを聞かなければ またおまえの職場に乱入するぞ、という目 

 細川『このクソウマ…!唱えりゃいいんだろ? いいか、バレてもオレのせいにすんじゃねえぞ!?』

 ◆



清麿(速いのはいいが…魔物がパートナーを庇う位置に立っている状態の相手に突っ込み過ぎている…まずい!)

清麿「ガッシュ!一旦戻、」

エシュロス「てめえ しつこいんだよ!」

ヒゲ「グランバオ!」

 ドガアァァ!(エシュロスを中心に地面が爆発。ガッシュを吹き飛ばす)

ガッシュ「がああああ!?」

清麿「ガッシュ!」バッ

 ガシィ!(吹き飛んだガッシュを受け止める清麿)

ガッシュ「清麿? 二手に分かれるのでは…!?」

ヒゲ「…」コオオ…

清麿「(いかん!) ああ、走るぞ!」ダッ

ガッシュ「ウヌ!」シュダッ

 (二手に分かれてエシュロスとヒゲに向かうガッシュと清麿)

ヒゲ(チッ、対応が早い…!別れなければまとめて潰せたのによ)

清麿「さっきは深追いし過ぎだ!無茶はするなと この間言っただろ!?その素早さは無茶をするためのものか!?」

ガッシュ「違う!」

清麿「だったら冷静になってオレの声を聞け!いいな!?」

ガッシュ「ウ、…ウヌ!」

エシュロス「舐めんなよ…!こっちはハナから素早い奴を相手取るつもりだったんだ!」

エシュロス「ヒゲ!心の力は貯めていたな!?」バッ

ヒゲ「おうよ! グランクラッグ!」

 ゴバア(広い範囲で地面が隆起し割れ、ガッシュと清麿が前方へ進めず滑り落ちる)

ガッシュ「おおおお!?」ズザザザ…

清麿「ぐぉおお!」ザザザ…

ウマゴン「メルメルメー!?」

 (反対方向に離れるよう走っていたが、足場が崩れ同じ場所に滑落するガッシュと清麿)


清麿(ぐ、左右の地面を割り、オレ達を一か所に集めた…?)

清麿(――ッ! ならば次は…!)

エシュロス「やれ!」

清麿「」バッ ←エシュロスらのいない右側にSETの指示を出す

エシュロス(なに!?)

ヒゲ「グランダム!」

清麿「ザケル!」

 バゴオオ!(グランダムが閉じきる前に片側の壁がザケルで破壊され、噴煙が上がる)

ヒゲ「な、なぜ見破られた…!?」

エシュロス「」ハッ

エシュロス「ウマの本の持ち主から、オレの術の情報を聞いていたか!?」

「そうだ!」

 バフッ!(噴煙の中から飛び出すガッシュと清麿)

ガッシュ「私は一人で戦ってはいない! ウマゴンが戦った経験を基に…ウマゴンと共に戦っておる!」

ウマゴン「…!」

エシュロス「~~ッそうかよ…!」ギリィ

エシュロス「だったら、なおさら負けるわけにはいかねえなあ!」

エシュロス(奴らの左右の地面は割れて、逃げ場は後ろしかない。グランダムが防がれるなら…!)

エシュロス「ヒゲ!」

ヒゲ「分かってらあ!」コオオオオ

ヒゲ「グランバイソン!」

 ドブォオオ(ガッシュに襲い掛かる土でできた巨大なヘビ)

ガッシュ「お、大きいのだ…!?」ズサッ ←立ち止まる

清麿「ガッシュ!」バッ ←ガッシュに追いつき、SETの指示を出す

清麿「ウマゴンと一緒に戦っているんだろ!? だったら、敵わないなんて思うな!」

清麿「ウマゴンも消させねえし、水野達にも手を出させねえ! 絶対に食い止めるぞ!」コオオオオ

ガッシュ「…おおぉおおお!」

清麿「ザケル!」


 ガッ!ガガガガ…!(ぶつかる二つの術)

エシュロス(ぐ、なんだこのエネルギーは…!?)ギリギリ…

エシュロス(初級術の癖にオレの術と張り合いやがって…!)

エシュロス(ふざけんなよ、あいつ魔術を使うときに気を失ってるじゃねえか。そんな出来損ないなんぞに、このオレが…!)

エシュロス「負けていいわけねえだろうがぁッ!」

 グギチィ!ガガガ…!

清麿(ヘビの喰い込みが深く激しくなった!?)

 ゴシャアアア!(二つの術がザケルが押し負けた形で相殺する。吹き飛ぶガッシュと清麿)

清麿「ぉおおお!」ザザザ

エシュロス(よし、この隙に奴の本を…!)ダダッ

エシュロス「ブグッ!?」ドガア! 

ウマゴン「メルメルメ~!」ドガア!

 …ズサア(走るエシュロスをウマゴンが殴りつける。倒れるエシュロス)

エシュロス「てめえ、あのガキと二人で戦うってか!?あの出来損ないがオレを相手にするなら、二人でも足りねえな!」ガバッ

ウマゴン「メ!?」

 グア!(エシュロスとウマゴンの頭上を飛び越えるガッシュ)

エシュロス「な!?」

清麿「…三人でも不足か?」 ←ガッシュを投げ飛ばした

ガッシュ「」バッ ←空中で顔をエシュロスの方へ向ける



エシュロス(電撃か!? この位置じゃ ウマまで巻き込むことになるぞ!?)バッ ←防御姿勢をとる

清麿「ラシルド!」ダッ ←後方に退避する

 ズゴア!(ガッシュとエシュロスの間にラシルドが展開)

 ドサッ(気を失ったまま、地面に落ちるガッシュ)

 (ラシルドを挟んで清麿、ウマゴン、エシュロスがグランクラッグで左右が塞がれた道に隔離される)

エシュロス(――! 盾が邪魔で向こう側に戻れねえ!)

ヒゲ「!? ちくしょうが!」ダッ

ガッシュ「おおおお!」

 シュダダダッ(素早くヒゲの全面に回り込み、本に顔を向けるガッシュ)

ヒゲ「ぐ…!?」

ガッシュ「撃て!清麿ー!」

 スウウウ…(消えていくラシルド)

エシュロス「させるかぁ!」バッ ←清麿に襲い掛かる

 ドンッ(清麿にタックルし、ともにエシュロスの突撃から逃れるウマゴン)

エシュロス「な!? (このウマ、あの怪我でこんな素早く…!?)」

ウマゴン「メルメル…!」ブシィ! ←傷口から血が噴き出す

清麿「ザケル!」

 ドカアア(ヒゲに直撃するザケル)

ヒゲ「ごがあああ!?」

 ボシュッ(エシュロスの本が引火する)

ヒゲ「」バタッ ←気絶

エシュロス「な…あ…!?」スウウウ… ←体が透けていく

エシュロス「~ッの野郎がぁ!」バッ

ウマゴン「メルメルメー!」バッ

 ゴチィ(清麿に殴りかかるエシュロス、その前に立ち拳を受け阻むウマゴン)


エシュロス「てめえ、最後までオレをコケに…!」ギリ

ウマゴン「メルメルメー…!」ギッ

 スッ…(拳を下すエシュロス)

エシュロス(ヒゲは…チッ、あの間抜け。伸びてやがる)

エシュロス「クソが、まともに魔術も使えねえできそこないに負けるなんてな…!」

清麿「いや、オレ達が負けていた」

エシュロス「は?」

清麿「ガッシュが言っただろ、ウマゴンの本の持ち主からおまえの術の情報を知ったと」

清麿「まともにやりあってたら、オレ達がやられていた。挟撃の術の時にな」

エシュロス「ハハ…。どの道、オレはそのウマに負けたままってことじゃねえか」ジロッ

ウマゴン「……!」ギロッ

エシュロス(変わってねえな、目。…本気で術抜きでオレに挑んできたのか)

エシュロス「チッ、本の持ち主の有無は闘志に関係なかったのかよ…!」

ガッシュ「ヌ?」

エシュロス「気にするんじゃねえ、オレがバカだったってだけのことだ」ギリ…!

 スウウゥゥ…(本が燃え尽き、消えるエシュロス)


 ◆◆



 ◆林間学校より帰校中のバス車内

 ブロロロ…

スズメ「ウマゴンくん、山で迷った時に崖から落ちたって聞いたけど大丈夫なの…?」

清麿「ああ、頭は打ってないから。…前足の傷が酷いけどさ」

スズメ「ガッシュくんも頭にたんこぶができてたけど…」

清麿「…ウマゴンを助ける時に派手に転んだからな」

清麿(戦闘の度にガッシュを投げて移動させようとするのは、考えた方がいいな…うん)遠い目

マリ子「…でも 怪我の割にはずいぶんと穏やかな顔で寝ているわね、二人とも」

ガッシュ「……」ZZZ...

ウマゴン「メルメ…」ZZZ... ←ズタボロだけど、ようやくガッシュと一緒に戦えたので満足


【既存のペア】
[生存]
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ
 ティオ ・ グスタフ
 コルル ・ 玄宗

[脱落]
 マルス ・ しおり
 バランシャ ・ 春彦
 フェイン ・ 連次
 エシュロス ・ ヒゲ


 下1 コンマで判定
 奇数 コルル
 偶数 ウマゴン


《ガッシュ、おまえは本当にいい子だな! オレは嬉しいぞ!》

《ウヌ、なんだか今日の清麿はやさしいの!よし、一緒にかぶりつこうぞ!》


清麿(おいガッシュ…。 おまえ、なに仲良く魚食ってんだ?)

清麿(そいつはオレに化けた魔物なんだぞ…?)

清麿(しかも…)


 ◆高嶺家より数軒先の民家の側に駐車中の車内

シェリー「…」 ←盗聴中

 (シェリーが着けているイヤホンからの音漏れを聞く清麿)

清麿(背格好は同じでも、明らかにオレとは顔が違うんだぞ!?気づいてくれよ!) ←縛られ口も塞がれている


 ◆清麿の回想・高嶺家 玄関

  ピンポーン、ピンポーン…ガチャッ

 シェリー『ごきげんよう』ペコッ

 清麿『(…外国人?) は、はあ。こんに』

 シェリー『せえええええええ!』ズダア! ←清麿を内股から投げた

 清麿『ゲブファアアア!?』ギシィ! ←おまけに関節をきめらた

 清麿『(強盗か!? だとしたらマズイ、今ガッシュは出払って…)』

 キャンチョメ『はい、シェリー。ロープだよ』ひょこっ

 清麿『……』

 シェリー『ありがとう。…本当に一人でやるの?』 ←清麿を縛り上げる

 キャンチョメ『うん。本が見つからなかったら ガッシュを騙して在りかを聞き出すよ』

 清麿『あんたらやはり魔物とモガッ』ベチャッ ←口にガムテープを張られた

 シェリー『そういうことよ。不用心だったわね』

  (キャンチョメの本を取り出すシェリー)

 清麿『(本は探しても 簡単には見つからない場所に保管している。
  それにいくらガッシュでも、初めて会う子供相手に本の場所を言うわけがない。なにを言っているんだ…?)』

 清麿『(いや、そんなことよりこいつら…オレに術を撃つ気か!?)』ゾッ

 シェリー『ポルク!』

  ボンッ

 キャン(チョメが化けた清)麿『こんな感じかな?』 ←鼻がめっちゃ長い。まつ毛フサフサ

 清麿『』

 シェリー『鼻が少し高いわね』

 清麿『(少し!?)』

 キャン麿『う、うん…できるだけ下げたよ。これでいいかい?』にゅるん

 清麿『(まだオレの倍は長いぞ!?)』

 シェリー『ええ、その程度なら大丈夫でしょう』

 清麿『』

 ◆


清麿(ウマゴンはお袋と牧場まで干し草を買いに出かけている…!)

清麿(ガッシュ、頼れるのはおまえしかいなんだ。 早く気づけ!気づかないと赤い本が…!)もがもが

 ガッシュ《満腹だな!》ゲフッ

 キャン麿《ああ、美味かった。 ガッシュ、それより おまえいくつ呪文が使えるようになった?》

 ガッシュ《ん?何をいっておるか。三つではないか》

 キャン麿《三つ…!? ……。ガッシュのクセに…》ボソッ

 ガッシュ《何か言ったか?》

 キャン麿《イ、イヤ…して、その本はどこにある? どこにしまったか忘れてしまってな》

 ガッシュ《ウヌ、確か…》

シェリー「…」そわそわ

清麿(バカ、言うなーー!)

 スズメ《高嶺くん、お見舞いに来たよ! 熱が出ちゃったんだって?大丈夫?》

 ガッシュ《おおっ、スズメ!》

清麿(水野!? …いや、いいところで来てくれた!そいつがニセ者だと暴いてくれ!)

 スズメ《た、高嶺くん…? なんかいつもと違…》

 キャン麿《やあ、スズメ。今日は一段と麗しいね》

 スズメ《…! や、やだ高嶺くんったら…!》

清麿「」

シェリー「…」ホッ

 スズメ《ゴメンね、勝手に上がっちゃって…》

 キャン麿《何謝ってるのさ、お見舞いに来てくれたんだろ? 嬉しさでいっぱいさ!》

 スズメ《ほんとに? 高嶺くん、今日はなんだかやさしいのね!》

 ガッシュ《ウヌ、やさしいのだ!》

  アハハハハ… ウフフフ…

清麿「」ウグッ、エグッ…! ←号泣

シェリー(いいわよ、キャンチョメ。あとは魔物が言いかけた本の場所を聞き出して、立ち去るのみ)

シェリー(あなたが立案したこの作戦はそれで成功する。あなたは勝利を得ることができるの)

 ガガッ(シェリーのイヤホンマイクに連絡が入る)

爺『お嬢様、また訪問者です』


 ◆清麿の部屋

 ガチャッ

玄宗「なんだ、いるじゃねえか」

ガッシュ「ヌ?お主らどうしてここに…!?」

コルル「ご、ごめんねガッシュ。止めたんだけど玄宗さんが勝手に上がっちゃって…」

キャン麿(コ、コルル!?)ビクゥ

スズメ「? (ガッシュくんのお友達と…保護者の人かな?)」

玄宗「玄関開け放しだっただろ」

コルル「だからって勝手に入っちゃうのは良くないの。お家に行くことも電話で伝えられなかったのに」ぷんすこ

スズメ「あああ、ご、ごめんなさい。開けたままにしたの私だ…!」

コルル「ううん、入るのを決めたのはこっちだもん。ごめんなさい、清麿の…お、兄…ちゃん…?」

キャン麿「」ダラダラダラ


 ◆車内

清麿(おお!計算外の希望が来たぞっ。 そうだコルル、疑問を抱け!)

 コルル《な、なんだか前見た時より…》

 キャン麿《やあコルル。よく来てくれたね! 喉乾いてないか?牛乳でもご馳走するよ》

 コルル《…!うん、ちょうだい お兄ちゃん!》ぱああ

清麿「」涙ドプァ

 玄宗《なんだかおまえ、随分と伸びたな》

 キャン麿《な、なにがだい?》

清麿(も、もうこの際おまえでもいい! 鼻が長すぎると指摘しろ!暴け、そいつが魔物だと暴けー!)

 玄宗《…背が》

清麿「」涙ブシャア


 ◆清麿の部屋

キャン麿「ハハハッ、成長期だからね。でも玄宗さん程高くなってないなあ」

玄宗(…ん?)

キャン麿(あ、危ないところだった。コルルが人間界で好きそうなものを考えついて良かったよ)ダラダラダラ

ガッシュ「コルル、牛乳が飲みたいのか? 清麿は病み上がりだからの。私が注いでくるのだ」

スズメ「あ、じゃあついでにお茶を淹れちゃおうか」

ガッシュ「ウヌ、それはいいの!」

コルル「私もお手伝いするー」

キャン麿「ガ、ガッシュ?本のことは…」

スズメ「高嶺くん、熱のせいで喉乾いているでしょ? ちょっと待っててね」にこ

キャン麿「お、おう」

 …バタン(部屋を出ていくガッシュ、スズメ、コルル)

キャン麿(ガッシュはコルルと人間界で会ってたんだ…。で、でもコルルは喧嘩とか嫌いだから僕がガッシュの本を燃やしても、あまり怒りはしないよね…?)

キャン麿(そ、そうだよ怯えてどうすんのさ。 ここで頑張らないと…!僕一人でガッシュ勝つんだ!)

キャン麿(でなきゃ…)しゅん

玄宗「……おい」

キャン麿「な、なんだ? (しまった、もう一人いたんだっけ!?)」ビクゥ

玄宗「成長期なら運動機能も上がってるんじゃねえか?試させろ。 …表に出な」



 ◆高嶺家・ダイニング

スズメ「えーと、紅茶でいいかな」カチャカチャ

 (食器棚の前に立つスズメの後ろで、冷蔵庫を開けつつ会話するガッシュとコルル)

ガッシュ「そういえばコルルも鍛えてるらしいの」

コルル「う、うん。呪文を使う機会を減らしたくて玄宗さんにお願いして習い始めたんだけど、やってるうちに楽しくなってきて…」

ガッシュ「ウヌ、嬉しそうに語ってたと清麿が言っておったぞ」

コルル「でも私、やっぱり戦いや争いは苦手みたい…。他の子と戦った時もあったけど、自分から争おうとするのって難しいね…」

ガッシュ「コルル…」

 …バタン

ガッシュ「ヌ? また玄関から音がしたの」

スズメ「高嶺くんのお母さんが帰ってきたのかな?見に行ってみようか」


 ◆高嶺家・庭

キャン麿「試すって何をするんだい? 競走か?」

玄宗「組手。喧嘩って言った方が正しいか?」

キャン麿「や、やだなあ。オレは殴り合いなんてできないよ」

玄宗「…魔物ならできるだろ?」ニィ

キャン麿「えっ」

玄宗「おおおお!」グアッ

キャンチョメ「うわあ!?」

 ボンッ(キャン麿の胸部に打たれる拳をポルクを解くことで避けるキャンチョメ)

玄宗「」ギュアッ  ←蹴り技に移行する

キャンチョメ(ヒッ)

「ダメー!」

「はああああっ!」

 ドンッ。ザサア…(玄宗の軸足に飛びつくコルル。キャンチョメを掻っ攫って蹴りを回避させるシェリー)

玄宗「なに邪魔しやがるッ?」

コルル「ここで暴れちゃダメなの!」

スズメ「た、高嶺くんが子供に…? う~ん…」クラッ…

ガッシュ「ス、スズメ!?」バシッ ←卒倒するスズメを支える

ガッシュ「…お主、もしや魔物か!?清麿に化けておったのか!?」

シェリー(爺に彼の見張りを変わって貰って様子を見に来たけど、正解だったようね)

シェリー(…まさかもう一組と遭遇することになるなんて。さて、ココ達がおらずのこの状況。どう切り抜けましょうか…!?)キッ

キャンチョメ「」ガタガタガタ


 ◆高嶺家・庭

ガッシュ「すまぬ、スズメ。こちらで寝ておるのだ」←スズメを離れた場所まで運ぶ

 (キャンチョメを庇うように立つシェリーと、対峙する玄宗。その足に組みつくコルル)

コルル(キャンチョメがお兄ちゃんに化けていたなんて…!ま、まずはこの場を治めないと…)

コルル「きゃっ?」 ←玄宗に引きはがされた

玄宗「ハッ。家を監視する奴がいるんで何かあるとは思ってたが魔物がいるとはな!」 ←襟首を掴んで引きはがしたコルルを着地させる

シェリー「くっ…」じり…

キャンチョメ「」ガタガタガタ…

玄宗「なんだ、反撃してこねえのか?なぜ人間の陰に隠れてる?」

キャンチョメ「ううぅ…!」ガタガタ

玄宗「…そういえばさっきの二手目には全く対応できてなかったな、おまえ。チッ…弱え、そのザマじゃただのガキと変わらねーじゃねえか」

キャンチョメ「――!」グサッ

玄宗「だが女の方は少しはやれそうだし、さすがに攻撃術の一つくらい持ってるんだろ?」

キャンチョメ「~~ッ!」グサッグサッ

シェリー(この…!)キッ

シェリー(…いえ、激昂してはダメ。まずはこの場からの離脱を優先しなくちゃ。背後の塀は一跳びで登れる高さ…問題ないわね。
 それに幸い人間は本を持っていない。ならば煙幕と催涙ガスで隙を作るのが一番かしら…?)

玄宗「黙り込んだままかよ!? そっちが来ねえならオレから」

ガッシュ「待つのだ!ここをどこだと思っ」

コルル「玄宗さん!“コルルとのお約束第一条”!」バッ

 (玄宗の前に立つコルル)

ガッシュ「コルル!?」

玄宗「…。“王を決める戦いに関係ない人間を巻き込んで戦ってはいけない”」

コルル「じゃあ、あのお姉ちゃんは?魔物の変身を見て気を失う程ビックリしたあのお姉ちゃんは、なぁに?」 ←倒れているスズメを指す

玄宗「……」 ←スズメを見た後、もう一度コルルに視線を戻す

コルル「」むすぅ

玄宗「…チッ」プイッ

コルル「もう大丈夫よ、ガッシュ。抑えたの!」ぱああ

ガッシュ「……」

シェリー「……」

キャンチョメ「」ガタガタ


シェリー(あちらの魔物は温厚ね。ガッシュも、彼らが写っていた新聞の記事を見る限り似たようなもの)

シェリー(この場での戦闘は少女のパートナー以外は望まない。ならば…)

キャンチョメ「シェ、シェリー。ど、どうしよう…!?」グスッ

シェリー「彼らの様子を見る限り、このまま帰ることもできそうよ」

キャンチョメ「い、嫌だ…!逃げるのは嫌だよ!」

シェリー「そう…では、仕切り直しましょうか」ピッ ←携帯電話をとりだす

シェリー「爺、見せてあげて」

 ブロロロ…ガガガ…(高嶺家の前、窓から縛られた清麿の姿が見える位置に停車する車)

ガッシュ「き、清麿?」

シェリー「あなたのパートナー、高嶺清麿は預かったわ。
  返して欲しくば30分後に本を持って この地図にある場所まで来なさい」 ←地図をガッシュに手渡す

ガッシュ「なに!?」

キャンチョメ「そ、そこで僕と戦うんだ、ガッシュ!
 来なかったらあいつの顔にマジックでラクガキしたり、センタクバサミでチンコを挟んだりしてやるからな!」

ガッシュ「なんと!?」

キャンチョメ「あ、コルル達はガッシュと一緒に戦っちゃダメだし、余計なことを話してもダメだよ!いいね?」

シェリー「では、また後ほど」スッ ←ガッシュの横を通る

 スタスタ…バタン。 ブロロロロロ…(車に乗って去るキャンチョメとシェリー)

コルル「お、お兄ちゃんがさらわれちゃった…!?」

玄宗(拷問内容が脅迫に値してねえ)

ガッシュ「」ガタガタガタ ←股間を庇っている


 ◆モチノキ町・川沿いの道

ガッシュ「き、清麿ー!清麿ー!」ダダダツ

コルル「待って、そっちは逆の方向!」

ガッシュ「す、すまぬ。清麿は無事かのう…心配なのだ」タッタッタ…

コルル「大丈夫よ、相手はキャンチョメだもの。あの子はひどいことはしないわ」

ガッシュ「コルルはあの者を知っておるのか?」

コルル「うん。でも詳しく言うとお兄ちゃんが…」

ガッシュ「そうだの、清麿のチンコが大変なことになるのだ」ガタガタ

コルル「……」赤面

玄宗「無事だろ。おまえの送還や無力化が目的なら わざわざ決闘なんざ申し込まねえよ」

ガッシュ「ウ、ウヌ」

玄宗「まあ手足の一、二本折られてたとしても不思議じゃねえ状況だが」

コルル「そんなことないの!
 でもキャンチョメがお兄ちゃんに化けてたのは本を探すためだよね。一体何をしたいの…?」

ガッシュ「…あの者達の目的がなんであろうと、負けるわけにはいかぬ。私は勝ち抜いて成さねばならぬことがあるのだ」

コルル「“成さねばならぬこと”?」きょとん

ガッシュ「そうだ。私はコルルと別れた後 王を決める戦いのせいで仲間だった者が裏切り、泣きながら戦う者と会ったのだ。
 それに、この戦いには無理やり争わされるべく別人格を植え付けられた、コルルのような者もおる」

ガッシュ「そのような者達を出すこの戦いは間違っておる。だから私は王様になって…こんなバカな戦いを、もうやらせないようにしたいのだ」

コルル「ガッシュ…」

コルル(これがいつもいじめられていた子…? 本当にみんなから弱虫の落ちこぼれって言われた、あのガッシュなの…?)

コルル(…。ガッシュがこんな考えを持って戦っているのに、私は…!)

ガッシュ「お、清麿がいたぞ!」ダッ


 ◆モチノキ町・橋の下

ガッシュ「清麿、無事か?」 ←清麿の縄を解く

清麿「おまえら…!」わなわな

コルル「お、お兄ちゃん…?どうしたの?」

清麿「おまえら、なぜあいつの下手な変身をすぐに見破れなかった…!?」

「えっ?」

清麿「鼻が明らかに違っただろうが!鼻!ハナぁ!」

「……あ!」

清麿「“あ!”、じゃね~~!」

ガッシュ「わ、私は最初から分かっていたぞ! ききき清麿の顔を間違えるなど…!」ガタガタ

清麿「聞いてたんだよ、おまえらの会話全部!」

コルル「わ、私、牛乳が好きで…大好きで!」ぶわっ

清麿「コルルが食い物に釣られるような子だったなんて知りたくなかった!」

玄宗「よく見りゃあ、魔物が化けた姿より鼻も背も低いな おまえ」

清麿「言ーたいことはそれだけか玄宗!?てめえ見破るのはいいが、あの場で戦おうとするんじゃねえ!」

ガッシュ「しかし、元気そうで良かったのだ。怪我などはしてないのだな?」ホッ

清麿「…おう。 (本の持ち主が車から出た後 脱走に失敗して気を失わされたけど、不調はないな)」

コルル「じゃあ、キャンチョメは本当にガッシュと戦う気なのね…」


シェリー「納得していただけたかしら?」

ガッシュ「ウヌ。お主ら普通に勝負を挑んで来たのだな」

キャンチョメ「な、なんでコルル達がいるんだよっ?」

コルル「安心して、私たちは戦わないわ。ガッシュが地図を読めなかったから案内してきたの」

キャンチョメ「しまった!僕ですら読めない地図をガッシュが分かるわけなかったか!」ガン!

シェリー「………」赤面

シェリー「」コホン

シェリー「本当に手は出さないのよね?」ジロ ←玄宗を睨む

玄宗「ヘッ、本はこいつに預けてる。邪魔のしようがねえな」 ←コルルを指す

コルル「それは違うの。この人は本も持たず魔物とケンカしようとするバカな人なの。でも私が抑え込むから気にしないでほしいの」

シェリー「そ、そう…」

シェリー(念のため、爺に警戒をしてもらいましょうか)


 ◆


 (橋の下で対峙するガッシュペアとキャンチョメペア。側の堤防に陣取り様子を見るコルルペアと爺)

清麿「なあ、本当に戦うのか?あんな間抜けな方法をとるあんたらが、本当に本を燃やしに来たとは思えないんだが」

キャンチョメ「あ、あったりまえだー! 僕の作戦に問題はなかったはずだろ?実際追い詰められてたじゃないか!?」

清麿「変化の出来が大有りだ!騙される方が悉くアホだから上手くいきかけただけだっつーの!」

コルル「あ、アホ…?」ガーン…

キャンチョメ「ええーい、うるさい! やるよシェリー!」

ガッシュ「清麿をここに連れてきてまで戦おうとしておるのだ、逃れる方法はないのではないか?」

清麿「ぐ、そうだよな…」

清麿(あいつの能力は化ける力…! 変装するだけが能ではないだろう。汎用性に富んだ能力だ、気をつけないとな)

清麿「ザケル!」

 バシュウ(キャンチョメを抱えてザケルを回避するシェリー)

清麿(くっ…。やはり距離がある状態で当たってはくれねーか)


シェリー「ポルク!」

 ボンッ

清麿「短機関銃!?」

ガッシュ「あの者 武器にもなれるのか!?」

シェリー「」バッ ←本を脇に抱え、銃口をガッシュと清麿に向ける

清麿「ッ、ラシルド!」

 ズゴア(ラシルドが展開)

 シン…

清麿(撃ってこない? ラシルドの特性に気づいたか?)

 ダダダ…(シェリーが駆ける音を聞く清麿)

清麿(いや、銃はブラフでオレ達との距離を詰めるのが目的か!?)

シェリー「ポルク!」

 ボンッ(消えるラシルド。ガッシュ達たちから見える前方の景色を写した平面に化けるキャンチョメ)

ガッシュ「消えた!?」

清麿(ぐ、ラシルドでこちらの視界が塞がれた隙を突かれたか。どこに行きやがった?)


コルル「うわ。横から見たらすぐに分かるけど ガッシュ達の位置じゃキャンチョメもパートナーも消えたように見えちゃうね、あれ」

玄宗「奴らなぜ銃を撃たねえ。ブラフだとしても撃てば気づかれにくくなる筈だろ」

コルル「え? ああ、キャンチョメの術について言ってなかったよね」

爺(…ふむ。到着するまでキャンチョメ殿の力について話していないのは確認しましたが…。
 どうやら彼女は筆談等の手段も使っておらず、本当に何も教えていなかったようですな)

玄宗「…そういえば言えない約束だったな」ポイッ ←爺に向かって何かを放り投げる

爺「む」パシッ

玄宗「返すぜ。そいつはもう用済みだろ」

爺(お嬢様がガッシュに取り付けた盗聴器…。気づかれていましたか)


ガッシュ「清麿、上を見ろ!キャンチョメの顔があるのだ!」

キャンチョメ「」ギクッ

清麿「化けてやがったか!」バッ ←キャンチョメの顔に狙いを定める

清麿「ザケル!」

キャンチョメ「わわっ!」

 バシュウゥ(キャンチョメがポルクを解きザケルを回避する)

 ババッ(視界が晴れ、清麿に接近していたシェリーの姿が露わになる)

清麿「(ゲッ!?) ガッシュ、オレをブン投げろ!」バッ ←シェリーの突きを回避するため倒れ込む

キャンチョメ(はは、何言ってるんだ。ガッシュにそんな力があるわけな)

ガッシュ「ヌオオオ!」ガシッ、ブン!

清麿「そしてすぐにそこから離れろおおお!」ヒューン

キャンチョメ「ええええ!?」

シェリー「キャンチョメ、気を抜かないで! ポルク!」ダッ ←清麿を追う

 ボンッ(既に鎖が伸びたフレイルに変化するキャンチョメ。先端の打撃部分にキャンチョメの顔がある)

清麿(武器に変化してから攻撃するまでのタイムラグに、二人とも退避しねえとマズイ…!
 特にパートナー同士で組み合うことになったら、確実に負ける!)…ドサッ

シェリー「」ブンッ ←清麿の方向へフレイルを振る

清麿(やはりオレが狙いかっ)バッ ←シェリーへSETの指示を出す

シェリー「戻りなさい!」

清麿「ザケル!」

 ボシュッ(清麿の側まで迫る先端部分を起点に、変化を解くキャンチョメ。柄部分を掴んだシェリーごと、伸びた先端部分まで移動する)

清麿「な!? (クソ、妙な使い方を…!)」

ガッシュ「き、清麿!」

清麿「!」 ←ガッシュの顔の向いた方向に、自分とシェリーとキャンチョメが直線状に並んでいることに気づく

清麿「ガッシュ、顔を逸らすなよ!」バッ ←飛び退く

シェリー「(攻撃に自分まで巻き込むつもり!?) くっ!」バッ ←キャンチョメを先に逃がし、回避に移る

清麿「ザケル!」

 ドンッ(発射されるザケル。地面の草を焦がし煙と砂埃が上がる)

清麿「ぐぉあっ!」バリィ

シェリー「キャア!?」バリリィ

 (電撃が足に掠る清麿。背面にダメージを負うシェリー)

キャンチョメ「シェリー!」ガバッ

ガッシュ「清麿!」シュダダッ

清麿(ぐ、威力を抑えたとはいえ避けきれなかったか。だが相手にダメージを与えられたのは確か)

清麿「(それに…) ガッシュ、よく聞け」



キャンチョメ「シェリー、大丈夫かい!?」

シェリー「ええ。ほら、立ちなさい。いつ電撃がくるか分からないわよ」ザッ

キャンチョメ「う、うん…!」

 サア…(ザケルで起きた砂埃と煙が晴れる)

シェリー「…っ!」

清麿「最初に武器に変化したのを見て、大規模な兵装に化けられるとマズイと二手に分かれる指示を出しちまったが…。
  本当は、オレとガッシュは離れて戦ってはいけなかったんだ」

 (清麿を肩車した状態で立つガッシュ)

清麿「おまえのその術は、本当に“化けるだけ”しかできないんだろ? それは変化したものの能力を持てない、外見だけ変える術なんだ」

キャンチョメ「」ビクッ

清麿「そして、唱える時間はあったのに さっきの電撃を防ぐ術を出せなかったのは、防御呪文も攻撃呪文もない証拠。
 あんたらは直接本を奪うしか戦略がない。だから最初からオレ目がけて突っ込んできたんだ」

清麿「だが、こうなってしまえばオレとガッシュを分断できない。
 そして、この状態でも機動力は人間のあんたよりガッシュの方が上だ。たとえキャンチョメがオレに変化しても、密着しているかしていないかで区別はすぐにつく」

シェリー「く…!」

清麿「なあ…降参しないか? もうあんたらが勝つ手立てはない筈だ」

キャンチョメ「う、うううぅ」プルプル

キャンチョメ(くそぅ…なぜだ? ガッシュ、なぜおまえは電撃もちゃんと撃てて、人間一人抱えてもへっちゃらな顔をしていられるんだ…?)

キャンチョメ(ガッシュ、どうしておまえはそんなに強くなったんだ?
 おまえ、僕と同じ落ちこぼれだったじゃないか。みんなからバカにされてたじゃないか…)

キャンチョメ(…でもしょうがないか、だって僕は弱いんだから)しゅん

シェリー「あら、私よりガッシュが早いとはまだ証明できてはなくてよ」

キャンチョメ「シェ、シェリー!?」

シェリー「それにまだこちらの心の力は尽きていないわ」

シェリー(そうよ、ここで諦めるなんてできない。…この子に諦めさせてはいけないの!)キッ


 ◆シェリーの回想・高嶺家から橋まで移動する車内

 清麿『』 ←逃げようとして爺に気を失わされた

 キャンチョメ『……』しょぼん

 シェリー『キャンチョメ?さっき言われたことなんて、気にしないでいいのよ?』

 キャンチョメ『それもあるけど…シェリー、いいのかい? いま戦うことになっても。
   ガッシュを探している時から思ってたんだ。 ガッシュと戦うのはココとは関係のないことだよ、それでもいいのかい?』

 シェリー『え?』
 
 キャンチョメ『だって、シェリーはココのために戦っているんだろ?僕と会ってからずっと…ココとブラゴから離れようとしないじゃないか』グスッ

 シェリー『キャンチョメ、あなた…?』

 キャンチョメ『ううん、違うや。大人しくなったとはいえブラゴは怖いもん。ココが心配で離れられなくなるよね。
   それに襲ってくる魔物を僕らだけで倒せる筈がない。それも分かってるさ。やさしいココが僕らを放っておけないこともね』

 キャンチョメ『でもココとブラゴが僕を狙う敵を倒すのを見る度に、僕は情けなさでいっぱいになるんだ。僕は何もできないんだ、って。
   …シェリーがココを心配するのを見る度に僕は悲しくなるんだ。シェリーはココが一番大事なんだって』

 キャンチョメ『一人きりでもせめてガッシュの本だけは燃やしてやろうと乗り込んだけど、このザマだよ』

 キャンチョメ『あの怖い人間の言うとおりだ。僕は本当に弱いんだ、何もできないんだ…!』グスッ

 シェリー『…ごめんなさい』ギュッ

  (キャンチョメを抱きしめるシェリー)

 キャンチョメ『シェリー?』

 シェリー『確かにあなたの本が読めて最初に思ったのは、ココを助けられる ということだったわ』

 キャンチョメ『う…!』

 シェリー『でもあなたが苦しんでいるのを見て、その思いだけで戦うことは間違いだと知った。
   そうよね。一人で自分に能力がないなんて思い詰めるのは、とても辛いことよね…』

 シェリー『私はそのことを、身をもって知っていた筈なのに…!』ギリ

 キャンチョメ『…?』

 シェリー『だから、あなたや他の魔物が言う“落ちこぼれのガッシュ”を倒して自信をつけてもらおうと彼を探し始めたの。
   一歩でもあなたが前に進めるように。 けどあなたに拒絶されるのが怖くて…このことを今まで言えなかった。バカね、とっくにあなたは気づいていたのに』

 シェリー『ねえ、キャンチョメ。自分はダメなんだ、なんて悲しいことを言わないで。悲観の中で足を止めてしまわないで』

 シェリー『お願い…今からでも、私にあなたのパートナーを務めさせて?』

 キャンチョメ『…シェリーは、僕と一緒に戦ってくれるのかい?』

 シェリー『もちろんよ。…遅くなって ごめんなさい』

 キャンチョメ『』ぱああ

 キャンチョメ『ありがとう! きっと、弱い僕は王様になれないよ。けど せめてガッシュには勝ちたいんだ!』 

 シェリー『(…そう、この子の目標は“ガッシュを倒すこと”で完結してしまっている)』

 シェリー『(暗い苦悩の中から前に進めていないわ、立っているだけ。でも、これがこの子の精一杯…。
   ならば私がやるべきことはキャンチョメが一歩を踏み出せるよう、支えてあげること)』

 キャンチョメ『あいつなんて楽に負かしてやるさ。頑張ろうね、シェリー!』

 シェリー『…ええ』

 ◆



ガッシュ「お、お主らまだやる気か?」

キャンチョメ「待ってシェリー!僕の力じゃ今のガッシュは」グスッ

シェリー「キャンチョメ、諦める前に私に教えて。あなたはどうして、ガッシュを倒したかったのかしら」

キャンチョメ「……え?」

清麿(そういえば、なぜこいつはガッシュに固執しているんだ?)

キャンチョメ「そ、それはガッシュしか勝てる相手がいないからだよ。
 だからシェリーや爺に探してもらって、日本まで来たんだ。ガッシュを倒してから勝てる相手に勝って……」

キャンチョメ「…あれ?」グスッ

ガッシュ「お、お主大丈夫か?」

清麿(言動がおかしくなってるぞ…?)

キャンチョメ「どうして僕はガッシュを倒したかったんだっけ?
 どうして勝てる相手を…ガッシュを探してとシェリーにお願いしたんだっけ…?」 ←顔を上げる

キャンチョメ「」ハッ ←コルル達が視界に入った

 ◆

 玄宗『チッ…弱え、そのザマじゃただのガキと変わらねーじゃねえか』

 キャンチョメ『』グサッ

 ◆

キャンチョメ「そ、そうだよ。弱いままなのが嫌だったから…。誰にも勝てないのが嫌だったからだ!」

キャンチョメ「強くなりたいから、ガッシュを倒そうとしたんじゃないか!」

シェリー「…!」

キャンチョメ「同じ落ちこぼれのガッシュにまで負けたら、僕はもう誰にも勝てない…! そんなのは嫌だ!僕は絶対に強くなるんだ!」

キャンチョメ「シェリーとココのように…どんな怖い相手にも立ち向かえる強い奴になりたいんだ!」

シェリー(よし、この子はこれで……一歩目を踏み出せた!)

 コオオオオ…(強くなるキャンチョメの本の光)



コルル「キャンチョメ…」

コルル(そうか、キャンチョメも強くなろうと頑張ってるのね…)

玄宗「おい、あいつの本 やたらと光ってないか?」

コルル「本当だ…、パートナーが心の力を込めている感じではないのに」


清麿(さっきまでの異常さが消えたのはいいが…)

清麿「ま、まだやるのか…!?」

キャンチョメ「やるさ、シェリーにだけ無理させるもんか! 僕が電撃の盾になってでも続けるからな!」

ガッシュ「ウヌゥ…」

清麿(仕方ない。手加減したザケルで気絶してくれるのを願おう)

清麿「ガッシュ、まずは距離をとるぞ。至近距離でザケルを当てたらどうなるか分からん」

ガッシュ「…のう清麿、あの者らは何をしておるのだ?」

清麿「ん?」

 (屈んでなにかを相談するキャンチョメとシェリー)

清麿(打ち合わせか? なんだか、キャンチョメが心なしか輝いて見えるな)

清麿(あの光、既視感が…あ)ハッ

清麿(あれは銀行強盗を退治した後ラシルドが本に出た時のガッシュと、同じ光!? まさか新しい術が出たのか!?)

清麿「ガッシュ! 気を抜くな、あいつらから目を放すなよ!」

ガッシュ「ウヌ!」



シェリー「コポルク!」

 ボオォ(キャンチョメの体から煙が噴き出る)

ガッシュ「新呪文!?」

清麿「ああ、油断す」

ガッシュ「ヌオオオ!」グン

シェリー「せえええ!」ブオ!

清麿「るなぁああ!?」ブオン!

 (煙で視界が塞がる機に乗じて迫ったシェリーの蹴りを回避させるガッシュ)

シェリー「ぐっ…」ザザ…

ガッシュ「油断せぬぞ! 清麿も気を付けるのだ!」

清麿「お、おう! 見ろ、煙が晴れる。きっと強化呪文、だ…?」

 ……(煙が晴れる。その中にキャンチョメの姿はない)

シェリー「消えた…!?」

ガッシュ「と、透明化したのか?」キョロキョロ

清麿「い、いや、今のは透明化の呪文でも高速移動の呪文でもなかったぞ…」

シェリー(一か八かで唱えたけど…じゃあ、どんな効果の術なの…!?)

シェリー(他に姿が見えなくなる理由なんて、……!)ハッ ←気づいた

「おーい、シェリー!」

ガッシュ「ヌ?」

シェリー「しー!(喋っちゃダメ、居場所を分からせてはダメー!)」キョロキョロあわあわ

キャンチョメ「僕はここだよ~!!」 ←小さくなって手を振っている

清麿「」

ガッシュ「」

シェリー(あ、終わっちゃった…)



キャンチョメ「シェリー、見えるかい? 僕、頑張るよ!」ピョーンピョーン、タッタッタ…

シェリー「あああ、待ちなさいキャンチョメ!その状態で向かっても…」

キャンチョメ「それ~!」ヒュポッ

清麿「げ、裾からズボンの中に…痛っ!?」

ガッシュ「清麿?」

清麿「こ、こいつシャツの中で噛みついてやが、」←シャツをめくり上げる

清麿「なぁ!?」

 (腹に落書きされていた清麿)

ガッシュ「き、清麿の腹にチンコが…!」ガタガタ

清麿「しかも油性マジックだと…!?」わなわな ←ガッシュの肩から降りる

ガッシュ「お主、戦うならラクガキはせぬ約束ではなかったのか!?」

キャンチョメ「僕がしないと約束したのは、顔へのラクガキさ!」ピョーン ←清麿から離れる

ガッシュ「ヌアア!?そうだった!」

シェリー「キャ、キャンty」

キャンチョメ「フハハハー!ガッシュの間ー抜け―!」

ガッシュ「ウヌゥ!」ビターン ←キャンチョメを捕まえようと飛びついて失敗。地面に激突する

シェリー「……」

キャンチョメ「わーい、こっちだよー、捕まえてみなー!」ピョンッ

<やーい!ここまでおいで―!

<ヌアアア!

<このやろおお!

シェリー(もう私の声、あの子に聞こえていないわね…)


コルル「……」

玄宗「……」

玄宗「弱くなる術ってあるんだな」

コルル「あるみたいだね…。ねえ、この後でキャンチョメとケンカしよう なんて言わないわよね」

玄宗「言わねえよ。素が弱いうえに、術があれじゃ戦う意味がねえ」


シェリー(違うわキャンチョメ…。その術の使い方は小さくなった状態でパートナーに忍び寄り、本を直に燃やすこと)

シェリー(おちょくるための力じゃないのよ…)涙ダラー

清麿「ジケルドォ!」

 バシィィン!

キャンチョメ「うわあああん!」


 ◆◆◆



 ◆モチノキ町・新住宅街

 てくてくてく…

清麿「終わり方に脱力しちまって、つい見逃してしまったがよかったんだろうか…」

ガッシュ「よかったと思うぞ!
 あの者、変わっておったが 強くなろうと一生懸命になれる良い者ではないか!さらった清麿に怪我させるでもないし、」

ガッシュ「関係なき者に危害を加えるようでもないしの」クルッ

玄宗「こっち見んな」

コルル「見られても仕方ないと思うの」むすぅ

清麿「そういえば、コルル達はどうして家に来たんだ?」

コルル「キャンチョメがいたから言えてなかったね。ええっと、近いうちに海外に行くかもしれないから その前に会いたいな、って思って」

ガッシュ「海外!?」

玄宗「日本をフラフラと歩きまわったが魔物と遭える数が少なくてよ。英語圏なら人間側が動きやすいから、魔物も集まってるんじゃねーかと」

清麿「おまっ…それコルルは了承してるんだろーな!?」

コルル「実は迷ってたの…。でも、ガッシュが王様を目指している理由を聞い」

清麿「了承してないのに決めたのか!?」クワッ

玄宗「いや、最終的な判断はコルルに任せてる。オレは提案しただけだ。それにこいつはまだ返答していねえ」

清麿「…そもそもよくそんなに金が続くな、おまえ?」

玄宗「…。貯金があるからな」

清麿「…。それは綺麗な金なんだろうな?」

玄宗「貯金と言っただろ。純粋にオレの力だけで稼いだもんだ、コルルは関係ねえから妙な疑りはやめろ。…出所の良し悪しは置いとけ」

清麿「背中に銃創があるのを見つけた時から怪しいと思ってたが、てめえやっぱりカタギじゃねーんだな!?」

玄宗「安心しろ、半々だ。それにコルルを連れてからはそっち方面には関わってねえ」

清麿「そういう問題じゃねーッ!」




ガッシュ「ウヌゥ、なにやら難しい話をしておるの…」 

ガッシュ「して、コルル。今何か言いかけておったが私がどうかしたのかの?」

コルル「う、うん。ガッシュが王を決める戦いをなくすために王様になりたい、って話すのを聞いて思ったの」

コルル「目標がないまま戦ってるから、私は気後れしてたんだって」

ガッシュ「コルルは元々争うのが苦手なのだろう?ためらうのも仕方ないではないか」

コルル「でもね…周りから泣き虫って言われていたキャンチョメが、あんなに頑張って新呪文を手にいれてた。
 ガッシュもとても強くなったわ。 それって、二人とも目指すものがあるからだと思うの」

コルル「だからね。お願いがあるの、ガッシュ」

ガッシュ「なんだ?」

コルル「あなたが目標にしている 王を決める戦いをなくす王様…。私も目指してもいい?」
 
コルル「別の人格を植えられてまで戦わされるのは、私たちで最後にしたいの…!」

ガッシュ「…! ウヌ、ウヌ!もちろんだ!」コクコク

コルル「ありがとう、本当に素敵な目標ね。魔界にガッシュが言うような やさしい王様がいてくれたら、こんな戦いはしなくてもよくなるわね」にこ

ガッシュ「やさしい、王様…」

コルル「あ、ごめんなさい。戦いをやめさせるような王様は、きっとやさしい魔物なんだろうと思って…」

ガッシュ「謝ることはないぞ! やさしい王様…そうだの、私が目指す王にぴったりの言葉なのだ」

ガッシュ「礼を言うぞコルル。きっと、同じ志を持つティオも気に入ると思うぞ!」

コルル「ティオ? (もしかして“首絞めティオ”かな…)」

ガッシュ「そうだ、その者も王を決める戦いをなくすことに賛同してくれたのだ」

コルル「じゃあガッシュとティオと私が、最後まで生き残ったら…誰が勝ってもやさしい王様になるね」にこ

ガッシュ「ウヌ、そのとおりだ!」


 ◆車内

キャンチョメ「……」ぐすん

シェリー「泣かないで、キャンチョメ。新しい呪文はすごい効果なのよ。ポルクと合わせて使えば…敵を今以上に攪乱できるわ」

シェリー「それに、ガッシュも同じ落ちこぼれだったんでしょ?
 そんな子が強くなってたのなら…キャンチョメも強くなれるってことじゃない」

キャンチョメ「う…」

シェリー「フランスに帰ったら今以上に周りに気を配らなくてはね。これからはココ達に頼れなくなるから…」

キャンチョメ「シェリー、無理にココやブラゴと離れなくても大丈夫だよ」

シェリー「…私に遠慮しなくてもいいのよ。それとも、やっぱり怖い?」

キャンチョメ「怖いのもあるけどさ…。ココはあの恐ろしいブラゴを説得してまで、僕らを守ってくれたんだよ。恩返しをしたいじゃないか」

シェリー「…なら、恩返しできるくらいに強くならなくちゃね」

キャンチョメ「なれるかな?」

シェリー「なれる?じゃなくてなるの。私も一緒に戦って…一緒に強くなるから、ね」

キャンチョメ「…うん!」



 ◆モチノキ駅前

玄宗「“やさしい王様”?」

コルル「うん。そんな王様を目指せるなら、私の力でも人を傷つけないことに繋げられるわ」

玄宗「迷うばかりよりはいいんじゃねーのか? それで日本を出る決心もついたことだし、オレは文句言わねえよ」

コルル「ガッシュに負けないように強くならなくちゃ…!明日にでもまた套路をやろうね」

玄宗「おう」

玄宗(普段戦いは好まないくせに、護身とはいえ武術への興味はあるんだよな…。もう一つの人格の影響か?)

コルル「それにしても、あの後清麿のお兄ちゃんの家に戻れなかったから、ウマゴンに会えなかったのが心残りなの…」

玄宗「ガッシュと行動してるんだろ、あのウマ。二組固まってるんだ、早々送還されやしねーだろ」

コルル「牛乳も飲めなかったの…」

玄宗「…。買ってやるよ。そこのコンビニでいいな?」

コルル「ホットケーキも食べたい…」

玄宗「……。じゃあ電車降りた後にでも店探さねえとな」

コルル「」ぱああ

コルル「ありがとう、玄宗さん…たまに大好きなの!」ぎゅう ←玄宗の足に抱き着く

玄宗「やめろ、交番の側でその言動はやめろ。また職質くらうだろうがッ」


 ◆高嶺家・玄関前

清麿「なあガッシュ、水野はどうしたんだ?オレの部屋に来てたんだろ?」

ガッシュ「キャンチョメが変身を解くのを見たショックで倒れてしまったのだ。清麿のベッドに寝かせてから出かけたから、風邪をひく心配はないぞ」

清麿「そうか…見舞いに来てくれたのに悪いことしたな」


 ◆高嶺家・清麿の部屋

スズメ「」すやすや…

華「………」 ←帰宅後、清麿の様子を見に来た

ウマゴン「メルル…」オロオロ

【既存のペア】
[生存]
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ
 ティオ ・ グスタフ
 コルル ・ 玄宗

[脱落]
 マルス ・ しおり
 バランシャ ・ 春彦
 フェイン ・ 連次
 エシュロス ・ ヒゲ


 指名安価
 前提 >>2・また>>782に載っていない人物

 下3 ロブノス のパートナー(人間)
  (条件:王を決める戦いに協力的である)

ちゃんと見てなかった、ズラして大丈夫です

>>783の「協力的」を「積極的」という意味合いで入れていましたので、コンマ判定させてください
大ざっぱな言葉で条件を定めました、失礼しました


 下1 コンマ判定
 1~4 ゴルドー
 他 清兵衛

>>793 こちらの書き方に問題がありました、申し訳ありませんでした

清兵衛で安価把握しました
安価取りが夜というより深夜の時間帯になってしまいました、すみません
ここまで。ありがとうございました

※ゲームオリジナル呪文(原作登場術の推定下級呪文)あり。また術に独自解釈を含みます


 ◆モチノキ町・子ども公園

 ダダダダダダダ…!

ガッシュ「ヌアアアア! く、来るな!」

 ダダダダダダダ…!
 キコキコキコキコ!

ガッシュ「やめるのだ、ナオミちゃんーー!!」

ナオミちゃん「」ゴーーー!

 (ジュッデーム・ベーゼ号(子ども用の足こぎ自動車)に乗ったナオミちゃんに追い回されるガッシュ)

ウマゴン「メ、メルメルメー!?」

ガッシュ「おおウマゴン! 助けてくれ!」

ウマゴン「メルメルメー!」ダダッ

 ズボア!(落とし穴に落ちるウマゴン)

ウマゴン「メルメルメ~!?」 泣

ガッシュ「ウ、ウマゴーン!? 何で落とし穴がこんなところに…まさか?!」クルッ

ナオミちゃん「…」

ナオミちゃん「」ニタァ…

ガッシュ「」

 ダダダダダダダ…!
 キコキコキコキコ!
 ゴーーー!

ガッシュ「ウワーーーー!」


 ◆◆



ガッシュ「」グスッ…エグッ!

ウマゴン「メルメルメー…」

ガッシュ「ウマゴン、大丈夫か? うぅ、あんちくしょーめ…!」

 じ~~~

ガッシュ「む?」クルッ

ウマゴン「メルメル?」

ガッシュ「今見られていたような…気のせいか?」


 ◆数日後 高嶺家

ガッシュ「よくぞ帰ってきた清麿! 見ろ、スズメそっくりの石像が家の前に置いてあったのだ!」

スズメの石像「」

清麿「…確かに水野だ。しかも縛られたポーズで…一体誰がこんなものを…?」

ガッシュ「そうだ、こんなプレートが首にぶら下がっていたのだ!」ゴソゴソ

ガッシュ「漢字が多くて私にはわからぬ、読んでくれ」

清麿「ん、どれどれ…」

 「石像の女は預かった。ガッシュと本の持ち主は二人だけで、午後3時までにモチノキ港第6番倉庫まで来い。
  時間に遅れる、また他の魔物に協力を求めれば女の命はない」

清麿「」

 (時間を確認する清麿)

時計「2時50分です」

清麿「」

ガッシュ「なんと書いてあるのだ?」

清麿「水野がさらわれたんだよ!早く準備しろ!あと10分しかねーじゃねーか!」

ガッシュ「な、何!?」

清麿「オレ達だけで来いと書いてある! ウマゴンはどうした!?」バタバタ

ガッシュ「細川のところに行ってるのだ!」

清麿「時間もないし好都合だ、放っておくぞ!」


 ◆細川の職場・裏手

オバハン(事務員)「なんだ、おまえまた来てるのかい」

ウマゴン「メルメルメ~♪」

オバハン(事務員)「おまえ人懐っこいから、加工場に入ろうとしなければ邪見にされないのにねえ」 ←動物好き

オバハン(清掃員)「おや、いつものワンちゃんじゃないか」

<お菓子食べるかい?

<メルメルメル♪

細川(……。 いつの間にか馴染んでやがる)



 ◆モチノキ港・第6倉庫(一般品倉庫)

清麿「わざわざ石像で挑戦状をよこすとはな…」

清麿「行くぞガッシュ。 必ず勝って水野を救い出すんだ!」

ガッシュ「ウヌ!」

 ガラララ…
 スタスタ…

ガッシュ「大きな棚がたくさんあるのう」キョロキョロ

清麿「ああ、でも空のところが多いな。あまり使われてないのか」

ガッシュ「清麿、向こうにある不思議な乗り物は…ム!?」

 (ガッシュが指す方向から出てくる完全体のロブノスと清兵衛)

ロブノス(完全体)「時間通りに来たな」

清麿「てめえか、呼び出した奴は…」

ロブノス「我はロブノス、彫刻が趣味の強靭な魔物。我はロブノス、歌も好きだ」

ロブノス「でも弱いものイジメも好きなんだ!」

 
ロブノス「石像のプレゼントが上手くいって、今とてもいい気分。一曲歌でも歌わせて?」

清麿「ザケル!」

清兵衛「うおっ!?」

 ドシュッ(ザケルを回避するロブノスと清兵衛)

ロブノス「いきなり危ないじゃないか卑怯者ー!」プンスカ

清麿「人質をとっておいて何言ってやがる!?」

ガッシュ「スズメやウマゴンのことを知ってるのだな? さては先日の視線はお主らのものか!?」

清兵衛「鈍いな、今更気づいたのか」

ロブノス「安心しろ。攻撃してきたら人質の命がなんてセコイことは言わないから。
  我はガッシュをコケにするために来たんだ。人質なんてそのエサに過ぎないよ」

清麿「ガッシュを…?」

ロブノス「落ちこぼれのガッシュ。弱いガッシュ。弱いクセに威張っているガッシュ」

ロブノス「今だって、他の魔物と組んでるからガッシュは生意気な態度をとれるのさ」

ガッシュ「なに?」

ロブノス「我はロブノス、頼れるものがない弱虫を倒す! 楽しみだよ、ガッシュが歯をガタガタさせながら悔しがる姿が!」

ロブノス「行くよ清兵衛!」コオオオ

清麿「(奴の頭部が光って…。それ程でかい術が来るのか!?) ガッシュ、離れるぞ!」ダッ

清兵衛「ビライツ!」

 バオッ…ドゴオオ!(ビライツが発射。ガッシュと清麿は飛び退いて回避するが、射程内にあった棚などが破壊される)

ガッシュ・清麿「おおお!?」ザザザ…

清麿(やはりでかい! ザケルで相殺するのは難しいか?
 ラシルドを使うにも、こうも直線的な軌道だと跳ね返しても避けられる。いや、そもそも跳ね返せる威力なのか…?)

清麿「(ならば…!) ガッシュ、棚を見ろ!」



清麿「ジケルド!」

 フヨッ…(棚の支柱に向かって放たれるジケルド)

ロブノス「なんだその遅い光球は?」

清兵衛「しかも見当違いの方向に放つなんてな。 ぼんやりしてる暇はねえぜ!?」

 ポポポポ(支柱にジケルドの光が吸収される)

清麿(棚は全て床と接合されている。おまけにステンレス製だ。この手の製品に使われるステンレスは磁石に反応しない。だが、)

 ドガアッ

ロブノス「うわあ!?」

清麿(魔物の後ろにあるフォークリフトは引き寄せられる)

 ガシャン!(ロブノスらの後方から磁石化された棚へ吸引されるフォークリフト。ロブノスを撥ね、棚と激突し沈黙する)

 グア(前方に押し出されるロブノス)

清麿「(そして倉庫内の壁と柱は鉄製だ!) ガッシュ!」バッ ←飛んでくるロブノスを指す

ガッシュ「ウヌ!」

清麿「ジケルド!」

  バシイイ(ジケルドの効果で倉庫内の柱に拘束されるロブノス)

ロブノス「ぐあああ!」

清麿「よし、これで魔物は無力化した!」

清兵衛「レリ・ブルク!」ダダッ ←貼り付けられたロブノスの方向へ逃げる

 ベリベリベリ…ボトッ

ガッシュ「ヌ? 小さくなったが二人に増えたぞ!?」

清麿「しかもジケルドの効力が分散されて消えちまった…?」


ロブノス「うわーびっくりした」

ロブノス「動きを封じるタイプの術を食らうと、これを使って効果を弱めなくちゃいけなくなるから困るね」

ロブノス「早く戻してよ清兵衛」

清兵衛「おう。レリ・ブルク!」

 バリリ、メキメキメキ…(合体していくロブノス)

ガッシュ「今度は戻っていくのだ…!」

清麿(分身と合体を繰り返す術か? いや、見てる場合じゃねえ!今のうちに一撃でも…!)コオオオ

清麿「ザケル!」

ロブノス(完全体)「フン!」バシィイン ←ザケルを片手で受け止める

清麿「な?」

ロブノス「その程度の攻撃が効くとでも思ってるのか?」

清麿(こいつ、ザケルが通じない程に防御力が高かったのか…!?)

清兵衛「で、最初の一撃を見て即搦め手に切り替えて来たってことは、おまえらあれに対抗する術を持ってねえんだろ?」

清麿「ぐ…!」

ロブノス「つまり、おまえ達にフルパワーの我を倒せる攻撃術はない!」

清麿(くそ、力の差がこうもあるとは…!)

清兵衛「せいぜい足掻きな! ビライ!」

清麿「ザケル!」

 ズシャアア(相殺するエネルギー弾とザケル)

清麿(この程度の威力ならまだ対応できるが…)

ロブノス「」コオオ ←目が光る

清麿(もう一発来るか? 溜めてる内に逃げ)ダッ ←まだ気絶中のガッシュを引き回避に移る

清兵衛「ビライツ!」

清麿「がぁあ!?」ジュパア! ←ビライツが背中を焼いた

清麿「づぅ…! (溜めなしでも放てるのかよ…!)」ザザッ…

ガッシュ「き、清麿!? 大丈夫か?」

清麿(どうする? ザケルを片手で返す相手に突破口がつくれるのか…!?)ブルブル

ガッシュ「…清麿?」

清麿「…」ブルブル


ガッシュ「聞け清麿、まだ終わってはいない! あの者の攻撃は速いがまっすぐだ。私なら近づいても避けられる!」ガッ

ガッシュ「弱気になるな清麿!…スズメを助けるのだろ!?」

清麿(! 水…野…!) 

ロブノス「アハハ、またガッシュがバカなことを言ってる。 おまえが避けられるわけないだろ!」

清麿「…ザケル!」

 ドシャア(周囲の棚を壊すザケル)

ロブノス「ハッ、どこを狙っている!? こちらの姿も見えなくなったか!?」

清麿「ザケル!」

 ゴシャアァ

清兵衛「デタラメに攻撃しても意味ねえぜ!? 狙えロブノス!」

ロブノス「ああ!」

清麿「ザケル!」

 ドガアアア!(ザケルが直撃し、爆発するフォークリフト。煙が上がる)

ロブノス「うわっ?」

清兵衛「ゲホッ…奴ら逃げる気か?」


清麿「ガッシュ、耳を貸せ。作戦だ」

ガッシュ「ウヌ」

清麿「スマン、半ば賭けになる。…それでもいいか」

ガッシュ「もちろんだ!」


ロブノス「尻尾をまいて逃げるガッシュを見るのはいい気分。けど させるものか! 追うぞ清兵衛!」ダッ

ガッシュ「オオオ!」

 バフッ(煙の中から飛び出すガッシュ)

ロブノス「バカめ、突っ込んできたか!」


清兵衛「ビライ!」

 バシュウウ(ビライを避けるガッシュ)

ロブノス「え、こいつ本当に避けて…?」

清兵衛「もう一度狙えロブノス! ビライツ!」

ガッシュ「おおおお!」シュパアア ←肩に掠りながらも回避する

清兵衛「あ、当たらねえ!?」

ガッシュ(あの者は攻撃前に目が光り、そこから術が出ると清麿は言った)

ガッシュ(ならそこに気を付ければなんとか避けられるのだ!)

清麿(移動や回避に邪魔な棚は壊し、ガッシュの回避率は上げた。それでも複数光線が発射される術や、複雑な動きをする術が来るかは賭けになる)

清麿(だがこの大して広くはない倉庫内で待ち構えていたのは、恐らく直線的な術でも仕留めやすくするため)

ロブノス「近づいてから電撃を撃つつもりか!? 無駄だ、それでも我は倒せん!」

清兵衛「術を放つ前にフルパワーで焼き尽くしてやるよ!」

 コオオオ(ロブノスの頭部が光る)

清麿(当たらないとなると奴らは術の規模で勝負を仕掛けてくる。
 だがそれは限られた範囲でだ。倉庫の崩落の危険がある強力な術は放ってこないか、元から持っていない!)

ガッシュ「ぉおお!」ザン! ←ロブノスに接近する

ロブノス「そこまでだ、この距離なら避けられまい!」

清麿(…それはこちらも同じだ!)ダッ

清兵衛「ビライツ!」

清麿「ラシルド!」

 ズガギギギギ…!(ビライツを受けるラシルド)

清兵衛「ハッ、そんな盾で防げると思ってんのか!?」

清麿(ガッシュが呪文のサポートなしで接近してくれたおかげで、心の力はためられた。それに…!)

清麿(この勝負には水野の命もかかってんだ。あいつを救わなきゃと思えば…いくらでも力は出てくる!)コオオオオ

 ズガアアア(電撃を纏って反射したビライツがロブノスに直撃する)

ロブノス「わぁあああ!」


清兵衛「チィ! だがその程度でロブノスは倒れ…」

ガッシュ「ヌオオオ!」

 ガギン!(ロブノスの頭部に突き刺さるフォークリフトのツメのパーツ)

清麿「よし、よくやったガッシュ!」

清兵衛(人間が魔物のすぐ傍に? 待て、魔物はさっきまであんな鉄の棒は持ってなかったぞ。盾を出す前後に人間が棒を持って近づいたのか?)

清兵衛「チィイ、関係ねえ! さっきの盾もあそこまでの強度は続かねえだろ、まとめて消し飛ばしてやる!」

ロブノス「ゲホゲホッ…くそ! ガッシュのくせに!」ガバァ

清兵衛「傷は大したことねえな!? もう一度フルパワーで撃つぞ!」

ロブノス「ああ!」コオオオ

清麿「ザケル!」

ロブノス「無駄だ!」バッ ←手をザケルに向かって出す

 ヒュン(ロブノスより大きくそれるザケル)

ロブノス「!?」

 ドシャアア(引き寄せられ、ロブノスの頭に刺さったツメに当たるザケル)

清麿「そいつは大きな光線を放つ前に頭にエネルギーを溜める。そこに避雷針を刺して電撃を送ってやったら、どうなると思う?」

清兵衛「な、てめえ最初からそれが狙いで…?」

ロブノス「ガ…ギギ…!?」メシメシ ←頭にヒビが入る

清麿「ああ、たとえ宙から奇襲しても溜めのない光線で撃ち落とされちまう。だからラシルドで隙を作らせてもらった」

ロブノス「ぐぁ…!?」ピキバキメキ

 ドガアアア!(頭部が爆発するロブノス)

ロブノス「ぐぁああああ!!」

清麿「ザケルの力が足りないなら足してやればいい。それがたとえ…敵のエネルギーでもな!」


 ◆◆



 パチパチ…(燃えるロブノスの本)

清麿「さあ、水野を返せ!」 ←清兵衛の襟首を掴みあげている

清兵衛「ぐぅ…人質なんざ取ってねえよ! おまえらをおびき寄せるエサだって言っただろ」

 ◆清兵衛の回想 モチノキ町・ビジネスホテル

  カン、コン、カン!(スズメの石像を彫刻するロブノス)

 清兵衛『そんなもん作らなくても、本物をさらって撮った写真を送りつければいいんじゃねーか? 人質をとれば一方的になぶり倒せるだろ』

 ロブノス『ガッシュにそんな卑怯な勝ち方をみろ、笑い者になるのは我だ。それにこの町に来た目的は力試しなんだよ』

 清兵衛『ああ、この間 人間相手にいい様にしてやられたから、まずは弱い魔物を狙おうとなったな』

 ロブノス『うん、あいつが群れてるのは予想外だったけど。
  ガッシュだけをおびき寄せるために人質をとるんだ。それならフリで十分だよ』

 清兵衛『それで本当にガッシュって奴は一組で来るのか?』

 ロブノス『ああ。あいつは弱いクセに曲がったこと嫌いで、おまけにバカだ。ちゃんと一組で来るさ』

 清兵衛『そんなもんか。つうか、いいかげん術をぶっ放してえよ』

 ロブノス『騒ぎになるとガッシュに気づかれるからダメー』カンコンカン!

 ◆

清麿「なに!?」

ガッシュ「じゃあ今の戦いは…」わなわな

ロブノス「バカだね。彫刻なんて盗み撮りした写真で十分作れるよ」スウウウ ←体が透けていく

清麿「て、てめえ!」

ロブノス「ヒヒ、間抜けめ…そうだ、帰る前に面白いこと教えてやるよ…!」

ロブノス「数日前、ガッシュに似た奴をヨーロッパで見かけたんだ…」

清麿「な…ちょ、おい待て! それは一体どういう…?」

ロブノス「さあね…それは自分で確かめな。驚く顔が目に浮かぶぜ…」

 シュウウウウ…(消えるロブノス)

ガッシュ「な…」

清麿「ガッシュに似た奴、だと…?」



【既存のペア】
[生存]
 ガッシュ ・ 清麿
 ウマゴン ・ 細川
 キャンチョメ ・ シェリー
 ブラゴ ・ ココ
 ティオ ・ グスタフ
 コルル ・ 玄宗

[脱落]
 マルス ・ しおり
 バランシャ ・ 春彦
 フェイン ・ 連次
 エシュロス ・ ヒゲ
 ロブノス ・ 清兵衛


 下1 コンマで判定
 奇数 バルトロ
 偶数 ステング


 指名安価
 前提 >>2・また>>836 に載っていない人物

 下2  ステングのパートナー(魔物)
  (条件:攻撃術を持つ)

キースの呪文について 先着3票

 1.原作バリー初登場時(ゾニス、ガルゾニス、ドルゾニス、ギガノ・ゾニス、ゾルシルド)に準拠して捏造
 2.上記からさらに削る
 3.上記からいくつか削って別の術を追加する(ガンズ・ギニスなど)

追加で失礼します

 下1 コンマ末尾判定
 123 ウマゴン 
 456 コルル
 789 ティオ
 0 ガッシュ

安価把握しました

今回彫刻のインパクトでロブノスに固定しましたが、リュックかロブノスかで判定入れても面白そうだった、と後悔
ここまで。ありがとうございました

疑問が多いようなのでこれだけ

恵の固定登場条件は
マルスとティオが遭遇しない、ティオ襲撃済みのマルス単独のコンマを当てる、原作初登場時点までにティオのコンマを当てない、のいずれかでした
>>390から1マルス、0ティオであとは他キャラを混ぜて進めていこうと考えていたら、一度目で当てられてしまったというオチ

キースは初期バリーと同格らしいので術数の判定入れましたが無謀だったかな…(白目)
では改めて失礼します



 ◆ロブノス戦の翌日 高嶺家・清麿の部屋

清麿「…じゃあ、ガッシュに似た魔物は魔界でも見たことないんだな?」チョキチョキ

ウマゴン「メルメルメ~」コクン

清麿「うーん、そうか…ウマゴンなら知ってるかと思ったんだが…」ペタペタ

ウマゴン「メルメル」ブンブン

清麿(ガッシュに似た奴、か)

清麿(ロブノスって奴の見間違いか作り話だとは思うが…本当だとすればどういうことなんだろう)

清麿(ガッシュがオレの知らない間にヨーロッパへ…イヤ、渡航手段と時間がない。
 本人も話を聞いて驚いてたし、もし行ってたら隠さず話しているだろうしな)

清麿(ということはやはり……ガッシュに似た奴が、もう一人いる)

清麿(そいつがガッシュがイギリスで死にかけてたり、魔界での記憶を失っていたりしていたことに関係ある気がしてしょーがない…。
 ただ、最初にガッシュを拾った親父に尋ねようにも、発掘調査に行ってて連絡がつかないんだよなぁ)

清麿(コルルにガッシュのことを聞いた時もガッシュに似た魔物の話なんて出てこなかったし、家族に関しても一人っ子らしい、としか言わなかった)

清麿(ティオやキャンチョメにもガッシュのことを聞けばよかったな…今更か)

 ガチャッ

ガッシュ「清麿! ウマゴンのバルカンはできたかの?」

清麿「ちょうど完成したところだ。ほらよ、ウマゴン」 ←ウマゴンにバルカンを渡す

ガッシュ「おお!これでバルカンで対戦ができるのだ!」

ウマゴン「メルメルメ~♪」

 ぽろっ(蹄では持ち上げられず落ちるバルカン)

ウマゴン「メル!?」

ガッシュ「だ、大丈夫だぞ? こう、横からぎゅっと挟み込めばウマゴンでも…!」

ウマゴン「メ、メル…!」プルプル

 ぐしゃあっ(潰れるバルカン)

ウマゴン「」

ガッシュ「ヌオオオオ!バ、バルカーン!?」

清麿(…まあ、そうなるよな)



◆◆◆



 ◆7月上旬・モチノキ町

 てくてくてく…
 ポクポクポク…

ガッシュ「今日の秘密の特訓も無事終わったのだ」

ウマゴン「メルメルメ~」

ガッシュ「清麿にバレた時はどうなるかと思ったが、続けられてよかったの」

 ◆

 ガッシュ『』ガタガタガタ ←清麿に絞り上げられた

 清麿『ガッシュが“ゴウ・シュドルクを使い続けてくれ”、なんて妙な依頼をしたな、スマン。
  こいつらには付いて行かないで自宅で心の力を放出するだけだったらしいが』

 清麿『とにかく、今度術を使わせるのはしっかり時間がある時に依頼をするから…』

 細川『いや、今のままでもいい。むしろ唱えさせろ』

 清麿『は?』

 細川『唱えさせてストレス発散させろ。事務にクッソ嫌味なババアがいるんだよ…!』オロロ…

 清麿『……』

 ◆



ガッシュ「しかし清麿に同行して貰わねばならなくなったから、回数は減ってしまったのだ」

ウマゴン「メルメル…」シュン

清麿「当たり前だ。強化呪文とはいえ、おまえらだけで術を使わせるなんて危ない真似させられるか」

ガッシュ「ウヌゥ、そうだの。それにこの頃清麿はテストとやらが大変そうだったからの」

清麿「あー…うん。主に人間できてない先生のせいでな…」 ※LEVEL.34参照

清麿(そういえば本に変化はないな。四つ目の呪文欲しいんだけどな…)

清麿(キャンチョメやウマゴンの術数を考えると呪文は時間経過で平等に増えていくもんじゃなさそうだが…呪文が本に出てくる条件って何なんだろうな)

 コオオオオ(本が光る)

清麿「うぉ!?」ビクゥ

ガッシュ「どうした、敵か?」

清麿「い、いや心の力は込めてないぞ? 新しい呪文か?」本パラパラ

ウマゴン「メルメルメ~?」コオオオオ

ガッシュ「ウマゴンの本も光ってるのだ!?」

清麿「どこだ、どこのページに…? いや、これは…」



『おめでとう、人間界に生き残った諸君よ!』

『この時点を持って残りの魔物の数は70名となりました』

『これからも魔界の王になるべく、頑張って戦いあって下さい』


ガッシュ「き、清麿、これは…?」

清麿「魔物が残りが一定数になった通知、らしいな…」

ウマゴン「メルメルメ~!」 ←自分の本を見ている

ガッシュ「ウマゴンの本にも残り70人になったと書いてあるのか?」

ウマゴン「メル」コク

清麿「結構倒してきたと思ってたがまだ70人もいるのか…先は長いな」

ガッシュ「しかし減っているのは確かなのだ。これからもがんばろうぞ!」

清麿「…おう!」

ウマゴン「メルメルメ~!」


ウマゴン「…」

ウマゴン「…メルメルメ~」


 ◆◆◆



 ◆高嶺家

(コルルと電話をする清麿)

清麿「ガッシュに似た子どもを見た!?」

コルル『うん…三日前にイギリスで見たわ。お兄ちゃん達はこっちに来てないよね?』

清麿「ああ、だからそいつはガッシュとは別人だ」

コルル『そうだよね…本物のガッシュじゃないよね。全く感じが違ったもん』

清麿「え?」

コルル『確かに見た目はガッシュによく似てたわ。でも…とても、嫌な感じがしたの』

コルル『目や感じる中身が怖くて…近寄りたくなかったわ』 

 ◆

清麿「ガッシュに似た魔物…。ロブノスの捨て台詞はウソじゃなかったのか」

清麿(これでイギリスは親父がガッシュを助け、ガッシュに似た奴が現れた場所ということになる。やはりガッシュの記憶喪失に関連があるのか…?)

 ガチャッ(玄関が開く)

ガッシュ「清麿、父上殿からお手紙が来ておるぞ!」

ウマゴン「メルメルメ~」

清麿「親父から? …っておまえら、なんでそんなに汚れてるんだ?」

ガッシュ「アンアンと共にバスを追いかけてたら転んでしまったのだ! しかしヒロミ殿は無事だったぞ!」 ※LEVEL.32、33参照

ウマゴン「メルメルメ~♪」


 ◆◆

ミス>>893
×ガッシュ「アンアンと共にバスを追いかけてたら転んでしまったのだ! しかしヒロミ殿は無事だったぞ!」 ※LEVEL.32、33参照
○ガッシュ「アンアンと共にバスを追いかけてたら転んでしまったのだ!」 ※LEVEL.32、33参照



 ◆清麿の部屋

清麿「イギリスまで遊びに来い、か…」←手紙を見る

ガッシュ「おお、父上殿に会いに行くのか?」ぱああ

清麿(コルルの話が気になるし…親父とは一年くらい顔合わせてないしな)

清麿「そうだな。ガッシュ、ウマゴン、夏休みになったらイギリスまで行くか」

ガッシュ「ウヌ!もちろんだ、楽しみだの!」

ウマゴン「メ…」

ウマゴン「メルメルメ~」 ←首を横に振る

清麿「え?」

ガッシュ「ウ、ウマゴン…共に行かぬのか?」

ウマゴン「メル」コクン

ガッシュ「一緒にいないと一人のお主が魔物に襲われるかもしれなのだぞ? 清麿の林間学校の時みたいに」

ウマゴン「メルメルメ~」ドン ←自分の胸を叩く

ウマゴン「メルメルメル」ブンブン ←右前足で本を抱え、左前足でどこかを指して振るう

ガッシュ「ほ、本を持って逃げるのか? 無理があるのではないのか…?」

ウマゴン「メルメル」首を横にブンブン



清麿「…ウマゴン。もしかして、最近よく細川のヤローのところに行ってるのが関係しているのか?」

ウマゴン「メル」コクン

ウマゴン「メルメルメ~」 ←魔物に襲われたら術を使えない僕は足手まといになる、とか言ってる

ウマゴン「メルメルメル」 ←それになんだかんだ細川は協力してるけど今の状態じゃこの先が不安、なんて言ってる

ウマゴン「メルメルメ~、メル~」 ←僕はちゃんと術を使える状態でガッシュと一緒に戦いたいんだ、とも言ってる

ウマゴン「メルメルメ~!」 ←だからガッシュ達がイギリスに行っている間にあいつと上手くやる方法を探すよ、と決心を語る

清麿「……」

ガッシュ「……」

ウマゴン「メル?」そわそわ


清麿「スマン、なんて言ってるのかさっぱりだ…」

ウマゴン「」

ウマゴン「メ、メル…」フルフル ←ガッシュを見る

ガッシュ「ウ、ウヌウ…後ろ向きな理由ではない、というのはわかったのだが…」目をそらす

ウマゴン「」


清麿「えーと、さっきの話からするとオレ達がいない間は細川の近くにいるようにする、ということでいいのか?」

ウマゴン「メルッ」コクン

清麿「そうか…魔物の残りが70人を切った頃から、ガッシュ狙いの魔物が来る気配はないから大丈夫だとは思うが、
 マズイことになったらすぐに本を持って細川のところに行けよ、あいつにはオレから連絡しておくから」

ガッシュ「ウヌ、必ず無事でおるのだぞ」

ウマゴン「メルメルメ~」

 ◆

 (電話をする清麿)

清麿「というわけで、ちょくちょくウマゴンが邪魔すると思うがよろしくな」

細川『』


 ◆◆◆


 ◆夏休み3日目・空港・飛行機内

ガッシュ「清麿、体の調子はどうだ?」

清麿「一晩寝たら大分スッキリしたよ。遊びつかれてぶっ倒れるなんて何年ぶりだったんだろ」

ガッシュ「ウヌ。そうなるほどに清麿が友達と遊べるようになったと知ったら、イギリスで待ってる父上殿も喜ぶのだ」

清麿「…ぐ。余計なこと喋るんじゃねーぞ」赤面

清麿(くそ、誘われるのが嬉しくて つい学校の奴らと遊ぶ約束し過ぎちまったなんて言えねー…)

清麿(さて、ウマゴンのことが心配だがとにかく無事イギリスまで行けそうだ)

清麿(この旅でウマゴンやコルルのようにいい魔物に会えるだろうか)

清麿(そしてガッシュの記憶についても判明することが出てくればいいが…)

 ゴォオオオオ…

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月31日 (火) 23:36:58   ID: yQpBB6Q5

毎回ガッシュ関連のSSのタグがめちゃくちゃなのは何なんだ

2 :  SS好きの774さん   2015年07月13日 (月) 17:27:14   ID: OYfRoooX

気にしたら、負けナンデスヨォ

3 :  SS好きの774さん   2016年07月30日 (土) 22:03:55   ID: DZRish48

続き見たい

4 :  SS好きの774さん   2016年11月18日 (金) 18:54:29   ID: Y_sM0Qfy

何故どのSSも中途半端なの?続きが気になるじゃない

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