海未「ことりは穂乃果に甘すぎですっ!」 ことり「そうかな~」 (47)

"共依存"をテーマにしたことほのです

明るい話ではないです



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―――――――――――生徒会室


海未「そうですっ!今穂乃果が職員室に呼ばれているのも、ことりが宿題を写させたからです!」

ことり「う~ん…私は、ちゃんと内容変えてねって言ったんだけど…」

海未「写すことに夢中になって、そんなこと考えている余裕なんてありませんよ」

ことり「だけど~…」

海未「1回ならまだしも、何回も同じ回答が続けば疑われても仕方ないです」

ことり「でも~…」

海未「デモもストもありませんっ!」

ことり「…えっ、どういう意味?」

海未「なっ…///とにかく、何でもお願いを聞いていては穂乃果の為にはなりません!」

ことり「でもでも、お願いする穂乃果ちゃん…子犬みたいで可愛くってぇ~」

海未「…ま、まぁ分からなくもないですが…」

ことり「でしょでしょ!やっぱり海未ちゃんも思ってるんだ~」

海未「わ、私だって…心では泣きながら、穂乃果に厳しく接しているんです!」

ことり「そうなんだ…でも、別にそこまで厳しくしなくても」

海未「ですが、誰かを頼らずともある程度はできるようにならないと…」

ことり「別にいいんじゃないかな?私たちがずっと一緒にいればっ!」

海未「それは難しいかと…」

ことり「えっ、何で?」

海未「私たちはいずれ、それぞれの道に進むからです」

ことり「でも、私たちずっと一緒にいたよ…これからも」

海未「それは確かに、高校までは可能かもしれませんが…これから先は、それそれの道へと…」

ことり「それぞれの…道?」

海未「はい…私と穂乃果はいずれ家を継ぐことになるでしょう、ことりはやはりデザイナーに…」

ことり「だけど、近くにいれば会うことだってできるしお手伝いも…」

海未「ですが…それぞれの立場もありますし、新たな人間関係を築けば今の様には…」

ことり「…海未ちゃんは、ことり達と一緒にいたくないの?」

海未「そうは言っていません…ただ」

ことり「でも、そんな感じだったよ!海未ちゃんの言っていることが分かんないよ!」

海未「…私だって、ずっと一緒にいたいですよっ!ですが、それは何の責任も問われない学生までですっ!」

ことり「え…」

海未「今は親のお金で学校に通い学び、友と自由に遊ぶことができています…」

海未「ですが、いずれ社会に出ればそうはいきません…責任を負い、自分を守らなければならないのです」

ことり「社会…責任…」

海未「そうすれば、今の様に穂乃果の心配などしている余裕も無くなってしまいます」

海未「確かに穂乃果のバイタリティーや、他人を惹きつける力は素晴らしいです」

海未「でも、それが社会でも通用するとは限りません…だから、少しでも自分で出来るようにして貰いたいのです」

ことり「海未ちゃん、そこまで…」


ことり「そっか…そうだね、海未ちゃんの言うとおりだね」

海未「ですが…ことりにもそのようにしろと強制はしません」

ことり「えっ?」

海未「私には私の、ことりにはことりの役割があるはずです…」

ことり「私の…役割」

海未「はい…穂乃果を笑顔に出来るのは、ことり…あなたが一番だと私は思っています」

ことり「私が…穂乃果ちゃんを、笑顔に…?」

海未「えぇ…今まで一緒に過ごしてきて、私はそう感じました」

ことり「そうなの…かな」

海未「はい…ですからこれからも、やりすぎない程度にお願いしますね」

ことり「う、うん…」

ガララツ
穂乃果「うぅ…今日は一段と長かったよ~」

ことり「あっ、穂乃果ちゃんっ!」

海未「全く…これに懲りて自分で宿題をやることです」

穂乃果「でもでも、μ'sと生徒会で手一杯だよ~」

海未「それは私たちも一緒ですっ!」

穂乃果「うわ~ん、ことりちゃーんっ!海未ちゃんがー」

ことり「わわっ?!え、えっと…海未ちゃんの言うことも、分かるかなー…」

穂乃果「えぇっ?!ことりちゃんも?」

ことり「え、えっと…ちょっとずつでいいから、穂乃果ちゃんもガンバろ?私も一緒に考えるから」

穂乃果「う、うん…分かった!そうだよね、みんなそれぞれ頑張ってるんだもん!私もやるよっ!」

ことり「一緒に頑張ろうね、穂乃果ちゃんっ!」

―――――――――――ことりの部屋


ことり「ふぅ…今のままは、無理なんだね」

気付いた時から穂乃果ちゃんとは一緒にいたから、ずっとこのままだと思ってた…
だけど今日の海未ちゃんの話を聞いて、私は間違ってたんだって気付かされる
そういえば、お母さんが学生時代の友だちと今も遊んでるなんて聞いたことないな
いつか私もそうなるのかな…

ことり「でも、そんなの考えられないよ…」

穂乃果ちゃんや海未ちゃん以外の人と…でも、想像ができない
もちろん、私にだって夢はある…その為には選べる道は限られていて
これから進む私の道には、二人がいない…

ことり「これから、どうすればいいんだろう…」

海未ちゃんが言ってた、穂乃果ちゃんが自分で出来るようにするために…
それはつまり…今までと同じではダメってことで…
なら、私にできることは…

続きいきます

ことりの心理描写が増えていきます

―――――――――――朝、2年教室


穂乃果「ことりちゃーんっ!」ギュッ

ことり「きゃっ///ほ、穂乃果ちゃん…どうしたの?」

穂乃果「宿題見せてー」ギューッ

ことり「はわわっ///えっ!…穂乃果ちゃん、また忘れたの?」

穂乃果「うん…でも、やる気はあったんだよ!でも…」

ことり「でも…?」

穂乃果「宿題やる前に、他のスクールアイドルの動画見てたら夢中になっちゃって…」

ことり「で、忘れちゃったと…」

穂乃果「はい…今日で最後にするから~、ことりちゃんお願いっ!」ウルウル

ことり「はうっ!(キュンッ)…うん、いい…」

(海未『私たちはいずれ、それぞれの道に進むからです』)
(海未『社会でも通用するとは限りません』)
(海未『だから、少しでも自分で出来るようにして貰いたいのです』)

ことり「…ダメ、だよ」

穂乃果「…えっ?」

ことり「この前怒られたばっかりだし…やっぱり、ダメだよ」

穂乃果「今度はちゃんと答え変えるから!だから…」

ことり「それでも…ダメだよ」

穂乃果「…」

ことり「で、でも…授業は午後だから、それまでにやろっ!私も一緒に考えるから」

穂乃果「…うん、分かったよ!穂乃果、頑張る!」

ことり「うん、その意気だよっ!」


これで、いいんだよね…これで

それから穂乃果ちゃんは、宿題を忘れることが少なくなっていきました
ただ間違いや、出来ないところはまだ多くて…
そういう時は私や海未ちゃん、あるいは絵里ちゃんや希ちゃんに教えてもらいながら進めていくようになりました

穂乃果ちゃんにとっては、これでいいんだけど…
今までほとんど私が宿題を見せて、穂乃果ちゃんからの『ありがとう』を独り占め示していたのに…
それが他の子にも向けられるのが、寂しくて…
穂乃果ちゃんの成長を心から喜べない私は、悪い子…ですよね

そして勉強以外にも、穂乃果ちゃんの為に私が我慢したことがあって…

―――――――――――アイドル研究部部室


穂乃果「今日は生徒会の仕事もないし、時間があるぞーっ!」

凛「じゃあじゃあ、久しぶりにゲームセンター行こうよっ!」

穂乃果「おっ、いいねー」

凛「あのダンスゲーム、凛も上達したから勝負してほしいにゃー!」

穂乃果「よーっし、それじゃあ負けた方がジュースおごりねっ!」

凛「望むところだにゃーっ!」

穂乃果「ねぇねぇ、ことりちゃんも行くでしょ!」

ことり「えっ?」

穂乃果「次の衣装も出来たって言ってたし、ねぇ行こうよっ!」ニコッ

ことり「えっと…その…やめといたほうがいいんじゃないかな」

穂乃果「えっ…」スッ

ことり「っ!…」ズキッ


まただ…穂乃果ちゃん、またその表情(かお)…


穂乃果「でも、たまには息抜きも大事だよ?」

ことり「あの…穂乃果ちゃん、生徒会長だし…私も、生徒会だし…その」ズキズキ

穂乃果「えっ、それって関係ある?」


やめて…その顔で見ないで…その声で話さないで…


ことり「他の生徒に見られたら、よくないかなーって…」ズキズキドキドキ


頭と心が、イタイ…

穂乃果「えーっ、絵里ちゃん達も行ってたよねっ!」

絵里「えっ、私?…私は、行ってないわね」

希「絵里ちは真面目さんやったからなー」

絵里「一応、他の生徒の模範とならなきゃって思ってたし…この前みんなで行ったのが初めてだったの」

海未「流石絵里ですね」

穂乃果「そうだったんだ…」

希「ウチは行っとったけどな…なっ、にこっち!」

にこ「はぁ?なんで私に振るのよ!」

希「一人で寂しそうにしとったから、よく行ったやんな」

にこ「よく言うわよっ!あんたの方から誘ってばっかだったじゃない!」バンッ

希「でも、いっつも誘いに乗ってたやん」

にこ「それはあんたの相手をしてあげてたのよっ!」

希「もー、素直やないなーにこっちは」

花陽「あはは、仲良いね」

真姫「ホントにね」

にこ「どこがよっ!」

絵里「希、にこ…そうだったの…」

希「あはは、絵里ちには悪いなーって思ったけどな…」

絵里「い、いいのよ…私は、うん…」

にこ「あーもーっ、絵里も来ればいいでしょ!」

絵里「えっ…いいの?」

にこ「いいも悪いも、今までそういうの我慢してたんでしょ!なら今楽しまないでどうするのよ!」

希「せやな!絵里ちとの思い出、いっぱい作ろな!」

絵里「にこ…希…ありがとう」グスッ

海未「美しい友情ですね」ウルウル

真姫「えぇ、そうね」カミクルクル

花陽「にこちゃん…よかったね」グスッ

凛「凛たちも思い出作るにゃー、かよちんっ!真姫ちゃんっ!」ギュッ

真姫「ヴェッ?!ちょっと、凛!」

花陽「きゃっ!えへへ、凛ちゃん///」

海未「みんな仲良しですね」クスクス

穂乃果「そうだねっ!」


はぁ…なんとか違う話題になったのかな…
穂乃果ちゃんを見ると…顔は笑ってるけど、目が冷めたままだ
また、私のせいで…

―――――――ズキズキズキズキズキズキズキズキ

うぅ…痛さで何かが、こみ上げて…
あっ、もうダメだ…限界…


ことり「…」スッ

――――――――――――――トイレ


ことり「…おえっ…う゛ぅ…げほっ…ごほっ…お゛ぇ」


もう出すものが無くなるまで吐き出した

私が穂乃果ちゃんの誘いやお願いを断るようになって、気付いたことがあります
それは…私が断った時に、穂乃果ちゃんの表情と声が変わることです
変化はほんの一瞬で、他の人には気付かないだろうし穂乃果ちゃんも無意識だろうけど…
ずっと一緒にいた私には、分かるんです

それは…断られたことに対する悲しみか、それとも私への失望か…
とにかく冷めた表情で…今まで見たことのない顔でした
そして、声のトーンが少し下がるんです
これも今まで聞いたことなくて…

これらを見て聞いたとき、私は激しい頭痛と胸の痛みに襲うようになって…
穂乃果ちゃんは納得してくれると、いつもの様になるのですが
そんな感じで何回か積み重ねると、私の限界が来て…
痛みが吐き気に代わって、こうやって嘔吐してしまうんです
もちろん、穂乃果ちゃんやみんなに悟られないようにこっそりと

多分この痛みや吐き気がなくなったら、私から穂乃果ちゃんがは完璧に離れた時なんだと思います
だから、この痛みを感じている間はまだ大丈夫なんて思う私もいて…


ことり「ふぅ…もう大丈夫かな」


涙や出たものを洗い流してタオルで吹いて、鏡の前でいつも通りに戻ったことを確認してトイレを出ると…


「あっ、ことりちゃんっ!」


穂乃果ちゃんが立っていました

ことり「えっ…穂乃果ちゃん、何で…」

穂乃果「だって、ことりちゃん何も言わずにいなくなるんだもんっ!」

ことり「あっ、えっと…それは」

穂乃果「もー、心配したんだからね!」

ことり「ごめんね…」


そっか…心配かけないようにしたのが、逆に心配かけちゃったんだね
でも、こうして穂乃果ちゃんが来てくれて嬉しい…
まだ私のことを気にかけてくれるんだね

穂乃果「それでね、さっきの話なんだけど…」

ことり「えっ…」ドキッ


また、胸が弾む


穂乃果「海未ちゃんに言われちゃった…『生徒会長としての振る舞いに気をつけろ』って」

ことり「えっ…」

穂乃果「ごめんねことりちゃん…私のことを思っていてくれたんだね」

ことり「穂乃果ちゃん…」


あぁ…なんでこの人は、いつもこうなんだろう…
自分より人のことを思っていて…それを言葉に、行動に移すことができる…
離れられるわけがない…ずっと、一緒にいたい
でも、それは叶わない夢で…

穂乃果「でも、何で何も言わずにトイレ行ったの?」

ことり「あーえっと…あの日が、近くて…ちょっと調子が」

穂乃果「…あ、あー…そういうこと///ごめんね、変なこと聞いて///」

ことり「う、うん…ごめんね、私も黙ってて///」


思わず嘘をついちゃいました
だって、本当のことは言えないよ…


穂乃果「だったら、今日の練習は休んだ方が良いのかな?」

ことり「えっ…」

穂乃果「ことりちゃん、衣装作りとか色々頑張ってるし…無理そうなら休んでね!」

ことり「うん…でも、練習は出るよ…ダメそうならいうね」

穂乃果「うん!ことりちゃんは"大切な幼なじみ"で、"一番の友だち"だから何でも言ってね!」

ことり「…ありがとう、穂乃果ちゃん」


本当にありがとう…こんな私を"大切な幼なじみ"で、"一番の友だち"だって言ってくれて

それからの穂乃果ちゃんは、生徒会長として、μ'sのリーダーとして、とても精力的に活動しました
近隣の中学校に自ら赴いて学校説明に、それと一緒にμ'sのライブを行ってラブライブ!に向けてのアピールも
その為のスケジュール調整や、みんなへの連絡係もやってて…
私や海未ちゃんが手伝うって言っても、「みんなそれぞれやることがあるから、大丈夫!」と言って一人で頑張っています
だけど、また"あの時"みたいに頑張り過ぎて…なんてイヤな感じがします
でも私には、みんなの為に頑張っている穂乃ちゃんを止めることは出来なくて…
出来ることと言えば…今まで通りμ'sの衣装作成と生徒会のお仕事を少しでも多くやって、穂乃果ちゃんの負担を減らすこと位で…
そうしている内に穂乃果ちゃんは、また多くの人と関わりを持つようになって…一緒にいられる時間は確実に減ってきています

それから、宿題や予習もちゃんとやってて…夜に穂乃果ちゃんからの電話やメールが来なくなりました
今までは、それで寝る時間まで一緒にお話しできたんだけど…
だけどその空いた時間で、衣装作りが捗って徹夜することも無くなったから…イイの、かな

最初は寂しかったけど、しばらく経つとそれに"慣れ"ちゃって…
その内に、それが"当たり前"に…なるのかな
そして、私の中での穂乃果ちゃんが"小さく"なるのかな…そうなったら私は、どうなっちゃんだろう
ずっと一緒で、穂乃果ちゃんでいっぱいだった私は…大きくなっていく"スキマ"を、埋められるのかな…
でも…それでいいんだよね…私が我慢すればいいだけで、穂乃果ちゃんには関係ないコト


だって、それが"穂乃果ちゃん"の為で…


――――――――――――――――"私の"為…なんだから

すいません、保守ありがとうございました

何とか終わらせたいと思いますので、気長にお待ちください

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