赤沢「一人でトイレに行けなくなる現象?」(11)

勅使河原「ああ。正確には誰かに触れてないと用を足せなくなるんだけどよ」

赤沢「はあ?幼児でもあるまいし一体何を言ってるの」

勅使河原「それがマジなんだって」

風見「勅使河原、いいかな」ボソボソ

赤沢「?」

勅使河原「ん、おお。行くか」

風見「ホントにごめん。僕が現象なんかにかかったばかりに」ドンヨリ

勅使河原「俺とお前の仲じゃん。そんなこと気にすんなよ」ニコッ

柿沼「わが世の春が来たァァァァァァッ!!!!」

川掘「男色ばんざあああああああああああい!!!!!」

クラスメイト「」

望月「今クラスでこの現象に影響された人は3人。
   男子は風見君、女子は金木さんと見崎さんが被害者だよ」

赤沢「・・・」

望月「風見君の話だと、便意があってトイレに行っても一人じゃ全く出ないんだって。
   かといって用を足さなかったら間違いなく病気になるし」

赤沢「昨日風見が死にそうな顔してたのはそういうことね」

望月「家では家族に手を握ってもらっているらしいけど、学校ではそうもいかないからね。
   調子悪そうなのを見かねた勅使河原君が事情を聴いて連れてったんだよ」

赤沢「ふうん。勅使河原もいいとこあるじゃない。少し見直したわ」

赤沢「それにしても、何か原因みたいなのはあるのかしら?」

望月「うーん。症状が出始めた日はみんなバラバラだし、思い当たることもないみたい」

赤沢「四六時中誰かと一緒に居るわけにはいかないでしょうし、早急に解決しなければならないわね。
   はあ、全く頭が痛いわ」

金木「亜紀ごめん。またしたくなっちゃった」

松井「気にしないでよ、杏ちゃん」ニコニコ

赤沢(金木さんは松井さんとデキてるから一緒にトイレなんて平気でしょうけど、
   見崎さんは一緒にトイレに行く相手なんて居るのかしら?)チラッ

鳴「恒一くん」ツンツン

恒一「ん、行こうか」

赤沢「はあああああああああああ?!」

クラスメイト「」ビクッ

望月「あ、赤沢さん?」ビクビク

赤沢「ちょっと恒一くん、どこに行くの!」

恒一「どこって、見崎をトイレに連れて行くんだけど」

赤沢「まさか一緒の個室に入る気なの?」

恒一「そうだけど」

赤沢「そんなアッサリ答えられても。見崎さんは嫌じゃないの?」

見崎「私は平気。むしろ全てを曝け出したことで、
   怖いものなしのスーパーアグレッシヴ鳴ちゃんに生まれ変わったの。
   行こう、恒一くん」グイグイ

赤沢「な!?ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!」

1人でトイレ行けなくなるのは辛いなぁ・・・(泣)

勅使河原「なんだなんだこの騒ぎは?」

望月「て、勅使河原君」

見崎「うええええええん。赤沢さんがトイレに行かせてくれないよぉ~。
   お腹痛いよぉ~」ビエエエエン

赤沢「な、泣いて済む問題じゃないわよ!」ワナワナ

勅使河原「赤沢が見崎を泣かしたのか?」

望月「う、うん。見崎さんが榊原君とトイレに行こうとしたら、赤沢さんが激昂して」

勅使河原「ったく、大人しく行かせてやりゃいいのに。
     我慢させて病気になっちまったらどうすんだよ」イラッ

望月(ああ、風見君のこともあってトイレに関して過敏になってるんだね)

鳴「こういちくぅん、たすけてぇ」グスグス

恒一「赤沢さんっ!いい加減にしてよ!
   トイレに行かせないなんて人の尊厳を奪う行為だ。
   そんな卑劣なこと黙って見過ごすわけにはいかないよ!」

赤沢「ええっ!?そ、そんなつもりじゃないのよ恒一くん。
   ただ、男女が同じ個室に入るなんて、だ、ダメだと思って・・・」オロオロ

恒一「じゃあ女子で誰か見崎が用を足してる間手を握っててくれる人はいるの?
   いるなら出て来てよ!」

シーン

恒一「・・・行こう、見崎」

鳴「ひぐっ、うん」アッカンベー

赤沢「ぐぬぬ」

放課後
   
鳴「恒一くんこの後ウチ来ない?今日は霧果の人形の師匠が遊びに来るんだよ。
  業界で名の知れた人だから、面白い話聞けるかもよ」

恒一「へ~。ちょっと興味あるし、お邪魔させてもらおうかな」

赤沢(にしてもこの二人は休み時間のたびに見せつけるように一緒にトイレに行きやがって)イライラ

鳴「うんうん、お邪魔しちゃってよ。なんなら泊まっていってもいいよ?」  

恒一「あはは。それはさすがに見崎の家族に悪いよ」

赤沢(っていうかいつの間にか下の名前で呼んでるじゃないの。
   排便を見せて吹っ切れたっていうのは本当みたいね)

赤沢「このままだと恒一くんを取られる。何か対策、対策を・・・」ブツブツ

綾野「あれ、泉美教室にいたのか。何で部活来なかったん?」

赤沢「え?!ってもう下校時刻じゃない!」

綾野「も~、副部長がサボっちゃダメじゃ~ん」

赤沢「ご、ごめん」

赤沢(いつの間にか3時間も対策を考え込んでた)

綾野「ま、いいや。遅いから一緒に帰ろーよ」

赤沢「え、ええ。あ、ちょっとトイレ行ってくるわ」

綾野「あたしも行っとこ」

ドジャーッ

綾野「で、2年の○○と××がさー、昨日部活終わった後ケーキバイキング行ったんだって」チョロチョロ

赤沢「はあ。寄り道は感心しないわね」チョロチョロー

赤沢(あ、久しぶりにお通じがきそうかも)ピクピク

綾野「えー、固いこと言わないでよ。いいじゃんちょっとくらい」

赤沢「ダメよ。今度の部活の時○○、××には言ってやらないと」

赤沢(・・・彩も居るし家に帰ってからしよう)

ジャバーッ

夜・自室

赤沢(トイレに行けなくなる、か。
   本当に厄介な現象ね。3組って呪われ過ぎでしょ)

赤沢「対策考えて部活行けなかったし」

赤沢(何より見崎鳴が恒一くんにあんなにくっ付いてるのが不愉快だわ)

tvの音声「便秘にはコーラック♪大正製薬」

赤沢(そういえば便意なくなっちゃったな~。もう3日出てないのに)サスサス

赤沢「・・・・・・」

赤沢「あ~もういいや、寝ちゃお寝ちゃお寝ちゃお~♪」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2013年09月08日 (日) 18:10:32   ID: 0tRT16Nq

かな

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