ことり「おねがぁい!が万能すぎて怖い」 (71)

例によって見切り発車なので急展開注意
やばいと思ったら見切るが吉にゃー
はじめまうす

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作詞担当決め @穂乃果の部屋



ことり「お願い、海未ちゃんしかいないのっ」

穂乃果「私たちも手伝うから! なにか、元になるようなものだけでも…」

海未「っ……」

海未(困りましたね……ですがやはり私には…)

ことり(やっぱり手強いなぁ。ようし、ここはいつもの、アレの出番だねっ)ジーッ

海未(…ん? ことり?)


ことり「海未ちゃん…」




ことり「おねがぁい!」


海未「!!?」ズキューン!





オネガァイ! オネガァイ オネガァイ…


海未「くっ……!」


海未「もう…ずるいですよ、ことり」

ことり「わぁ♪」

穂乃果「よかったぁ! そう言ってくれると思ったんだぁ〜」

海未「ただし」

ことり「うん?」

海未「ライブまでの練習メニューは私が作ります」

穂乃果・ことり「「練習メニュー?」」




ことり「っていう感じで、私、南ことりは、海未ちゃんに何でもお願いできちゃうのです♪」



ある朝



ジリリリリンガベー


ことり「んっ……」


ジリリリリンガベー


ことり「んんー…凛ちゃんーうるさぁいー…」ペシッ


ジリリリリンガッ



ことり「ふあ……そろそろ起き…」




ことり「きゃああああ〜!? ち、遅刻しちゃうよぉー!」



ことり「はぁっ…はぁっ….!」スタタタター

ことり「夜更かしして…うみぐるみ作ってるなんて……はぁっ…海未ちゃんには…言えないっ…!」


海未「あ、ことり! 遅いです!」

ことり「ご、ごめ…はぁっ……お、おはよぉ〜」

穂乃果「おはよー。大丈夫? ことりちゃんが3日連続遅刻なんて、初めてじゃない?」

ことり「うんっ… ご、ごめん…ねっ」

穂乃果「もしかして、私たちの衣装作りで…」

ことり「ううん、それはもう大丈夫なんだけど… また別の趣味というかぁ…」

海未「はぁ… ことり、最近たるんでいますよ。穂乃果が伝染ってきているのでは?」

穂乃果「海未ちゃん! その言い方はひどい!」

ことり「あはは… でも、やめられなくってぇ」

海未「なんですか? その趣味というのは」

ことり「えっ…… そ、そのー……なんでもない、かな?」



海未「そんなことないでしょう… まさかことり、人に言えないような悪事を?」

穂乃果「ええっ!? ことりちゃんが?」

ことり「ち、違うよぉ! 違うけど、聞かないで! 特に海未ちゃんは……あっ」

海未「ほう? 私に聞かれたくないことなんですね?」

ことり「あは、あはは……なんのことやら〜」シラー

海未「ふふ、シラを切っても無駄ですよ? さあことり、洗いざらい話してもらいましょうか!?」

ことり「お、お願い海未ちゃん、不問にしてぇ…」

海未「ですがお断りします」

ことり(うぅ…こ、こうなったら…!)


ことり「う、海未ちゃん、聞かないで…」



ことり「おねがぁい!」


海未「はうっ!!」ズキューン!!




海未「もう…ずるいですよ、ことり。それではもう問い詰めたら悪人になってしまいます…」

ことり(しゃーこら!)

あ てつやんで書き切ったはいいけど時間なくなったので行って来ます
待ってておねがぁい!



ショッピング



ことり「うーみちゃんとー、おっかいっものー♪」

海未「なんですか、急に穂乃果みたいなアホっぽい歌を歌って」

ことり(むっ… 海未ちゃんって、すぐ穂乃果ちゃん穂乃果ちゃんするんだから!)

ことり「アホだなんて、海未ちゃんひどいなぁー」

海未「あ… す、すみません、ことり。穂乃果みたいな と枕がついたので、流れでつい言ってしまいました…」

ことり(ほーら、また穂乃果ちゃん…)フイッ

海未「あう……ことり…」

ことり(うん…? あれはランジェリーショップ…)

ことり「…!」ピコリンコ!


ことり「じゃあ海未ちゃん、一緒にあそこのお店行ってくれたら許してあげるね」

海未「あそこ………ってええ!?」



海未「し、下着のお店ではないですか! あんなところ、誰かと入るものではありません!」

ことり「………」ジトー

海未「うっ、ことり…」タジ…

ことり「………」ジトジトー

海未「わかりました…それで機嫌を直してくれるなら」

ことり「やったぁ!」


海未「うぅ……どれも派手で、目のやり場に困ります」アッチコッチ

ことり「海未ちゃん! これなんかどうかなっ」

海未「はい? どれ……ブッ!?」

ことり「意外性というか、意外じゃなくても海未ちゃんに似合うと思うんだけど」

海未「に、似合うわけないでしょう! なんですかそれ、本当に下着なんですか!? 隠す気がミジンコほどしか感じられません!」

ことり「海未ちゃん、しーっ…///」

海未「えっ? あ…」


フフッ… クスクス…


海未「……も、申し訳ありません」




ことり「それで、買うよね?」

海未「買いません」

ことり「えーっ? 絶対似合うのになぁ」

海未「似合いません」

ことり「せめて試着…」

海未「しません。というか、こういうものは試着禁止でしょう」

ことり「うん。だから、合わせるだけ♪」

海未「合わせません」

ことり「うぅー… どうしても?」

海未「どうもしません」

ことり「………」ジーッ

海未「そ、そんなチワワみたいな愛くるしい視線なんかには、決して屈しませんよ」

ことり「海未ちゃん……」ジーッ


海未「……ですから、いくらウワメナミダメで見つめようとも私は」


ことり「おねがぁい!」




店員「・3,480です。当店のカードはお持ちですか?」

海未「いえ…」

店員「本日スタンプ2倍となっておりますが、お作りしますか?」

海未「結構です…」

ことり「〜♪」



練習にて



海未「今日は真姫のツテとコネとカネで無料でスポーツジムを借りることができました」

真姫「カンシャシナサイヨネ」

一同(……カネ?)


海未「そんなこんなで日頃なかなかできない、筋力トレーニングにはげもうとおいそこのスズヤロー話きけ」

凛「鉄棒楽しいにゃー」

花陽「り、凛ちゃん! ベンチプレスでプレスされる前に戻ってきて!」


ことり(海未ちゃんが疲れて言動おかしいのはさておいて、筋トレかぁ…)

絵里「ハラショーな危惧が抱負で腕が高鳴るわね」

希「もはやどこに突っ込みいれればええのかわからんわ」


ことり「はぁ…」

穂の字「ことりちゃん? どうしたの? ため息ついて」

ことり「あ、穂乃果ちゃん…… あのね、実は筋トレするの少し不安の前に誰だお前」




穂乃果「あー、確かにそうだね。ことりちゃんスタイルいいし、なおさらだよね」

ことり「いやいや〜。えっと、確かにライブをするのに筋力や体力は重要だと思うけど… なんか、こういうのは違うんじゃないかなぁって」

穂乃果「うーん、でもせっかく良い器具もいっぱいあるし、正しく使えばことりちゃんが心配するようにおかしな筋肉はつかないんじゃない?」

ことり「でも私たちみんなジムなんて素人だろうし……やっぱりやめたほうが…」

海未「穂乃果、ことり。まずはアップしますよ。ほら、立った立った」

穂乃果「あ、はーい!」

ことり「………」

海未「……ことり?」



海未「はっ!? やらない?」

ことり「…うん」

海未「なぜです? こんなに恵まれた環境でトレーニングできるなんて、滅多にないことなんですよ?」

ことり「それは…そうだけど」

海未「一体何が不満なんですか? わざわざ真姫を脅してポケットマネーから全員分の利用料金を…」

真姫「グスッ」

ことり「………」エーッ

海未「一体何が不満なんですか? わざわざ真姫の厚意で知り合いの職員から全員分の利用許可を得てもらったというのに!」

ことり「もう遅いよ、ウミチャン」

海未「閑話休題」





海未「で、正しいトレーニングができないのならば余計な筋肉が身につき、逆効果と思うわけですね?」

ことり「う、うんまあ… 大体そうかな…」

ことり(無駄に筋肉ついちゃって、もし海未ちゃんと寝るときに『うわ、ことりの体って鉛筆だと4Hくらいですね』とか言われたくないもん!)


海未「一理ありますが、それはおいおい考えれば済む話です。今後定期的か不定期かわかりませんが、このジムを利用していく算段ですので、」

真姫「ナキタイ」

海未「まずは器具の利用に慣れることが優先です。今日一日で見た目に影響する筋肉はつきません」


ことり「そんなぁ〜… け、怪我とかしたら大変だし」

海未「使用方法を間違えなければ問題ありません。また、無茶な負荷をかけないよう私が監督します。ほかに何かありますか?」

ことり「うぅー……」

海未「はっはっ論破論破」

ことり「みぃー……」

海未「さあ、ことりも早くトレーニングを…」

ことり「ちゃぁーん……」


海未「えっ?」


ことり「おねがぁい!」


海未「ファオッ」



海未「ミナサンカエリマスヨー」

にこ「開始10分で? 普通ならお金損してない? ま、タダなんだけどさ」

真姫「イチニチカシキリリョウッテ10ジカンブンノオカネカカルノヨ」グスッ




ことり「とまぁ、ネタがな…じゃなくて諸事情により、紹介できる例はこのくらいなんですけど」


ことり「このとき、ことりはまだ気づいていなかったのです」




ことり「必殺、おねがぁい!のもつ、知られざる暗黒面に………」



またとある日



ことり「ふっふーん、最近、海未ちゃんにいっぱいお願いしちゃってるなぁ♪」


ことり「悪い気もちょっぴりするけど、海未ちゃんが悪いんだよ? だって、海未ちゃんがことりのこと、こんな気持ちにさせちゃうのが…」

ことり「……っ!!!」



ことり「 ( ・ 8)……」


ことり「 m9( ・8・)」


ことり「もちろん、あなたは何も聞いてなかったよねっ?」




海未「うう……いたたた…」ズキズキ

穂乃果「あれ? 頭抑えてどうしたの? すごく辛そうだけど… 頭悪くなったの?」

海未「そんな外国人でもやらないミスをしな……うぐぅっ」

穂乃果「う、海未ちゃん!?」

海未「はぁ、はぁ…」


海未(以前から徐々に違和感が増してはいましたが……昨日ことりに おねがぁい!されて以来、かなり頭が痛みますね… なにか、もう一撃で、脳が局所的に飛んでしまいそうな不安感が……)




ことり「あっ、穂乃果ちゃんに……それに海未ちゃんっ」


穂乃果「やーやー、ことりちゃん!」

海未(思ったそばから……って、別にことりのせいでもないのに何を警戒してるんでしょう、私は)

昼休みおわた

そんなもんよ!



ことり「きゃっきゃ」

穂乃果「わいわい」


海未(まぁ、何にせよ今日は早めに帰って休んだほうがよさそうですね。風邪の前兆かもしれませんし)


ことり「あ、そうだ! 海未ちゃんと穂乃果ちゃん、駅前に新しいアクセサリーショップできたのしってる? 日本初上陸なんだけど〜」

穂乃果「へぇ、そうなの? ちょっと見てみたいかも!」

ことり「よかったら、今から一緒に行かない?」

海未(2人が行くなら行ってみたいですが……今日は無理ですね)

穂乃果「もちろん! 海未ちゃんは?」

海未「……私は、気になりますがパスで」

ことり「ええっ!? どうしてぇ…?」




海未(…余計な心配はかけたくないですしね)


海未「いえ、少し睡眠不足で。家に帰って少し休もうかなと」

穂乃果「へぇ、珍しいこともあるもんだね。ね、ことりちゃん」

ことり「えっ? あ、うん…」


ことり(そんな、OPEN記念のペアブレスレットが…今日まで限定で名前を刻んでくれるから、海未ちゃんと一緒に作りたかったのに)


ことり「どうしてもダメ? 海未ちゃん」

海未「えっ? 別に絶対というわけでは…」

ことり「本当!? ちょっとだけ、ちょっとだけだから」

海未「まあ、それなら…」

ズキッ

海未「っ!」ヨロッ

穂乃果「あ、あれ? 海未ちゃんまた…?」

ことり「えっ?」

海未「す、すみませんことり。やはり、今日は眠くてふらつくので、家に帰ります」

ことり「えぇ〜!? そんなぁ」

ことり(ちょっとだけ、ちょっとだけでいいのにっ… 本人がいないと作れないんだもん!)


ことり(あ、そうだ! …ごめんね、海未ちゃん)


海未「では、そういうことなので」

ことり「海未ちゃんっ」




ことり「おねがぁい!」





海未「っあ」ドロンッ




オネガァイ! オネガァイ オネガァイ…



海未「あ……あっ……」


ことり(いぇす! こうかはばつぐん…)


海未「……うっ……ぐ……っ」


ことり「……うん?」



海未「…っぁぁァァアアアアアァアアア!!」ゴボォッ!



ことり「ひぃっ!?」

穂乃果「う、海未ちゃんが吐血した!?」


海未「ぁあああぁぁあぁああ!!!」

穂乃果「海未ちゃん、海未ちゃああん!!」

ことり「えっ!? えええっ!!?」



西木野総合病院



まきパパ「ナニコノCT? イミワカンナイ」

穂乃果「えっ」

看護師「せ、先生! 関係者の方の前ですよ」ヒソヒソ

まきパパ「だってこんなん見たことないんだもん」

ことり「えっ」

看護師「ですがそんな、不安を煽るようなことを言っては…」ヒソヒソ


ことり「も、もしかして海未ちゃん、危険な状態なの……?」ウルウル

穂乃果「そんなっ…穂乃果たちの…海未ちゃんが…」ウルウル


看護師「ほ、ほらぁ」

まきパパ「えー?」


まきパパ「だって脳腫瘍どころか、逆にここだけごっそり無いとかアリエナイ。脳みそとろけでもしない限り」

看護師「西木野ォ!」


穂乃果「う…」

ことり「う…」


穂乃果・ことり「「うわああああああん!!」」ダッ!


看護師「ああっ! ちょっと!!」




チーン ポク ポク


うみママ「海未さん……」ホロリ

うみパパ「海未……」


海未「 」


穂乃果「ああ…海未ちゃん…」

ことり「海未ちゃん……」


うみママ「みなさん、来てくれてありがとう。きっと、この子も喜んでいます」

穂乃果「そんな…」

ことり「………」

うみパパ「綺麗な顔をしているだろう?」

穂乃果「はい…透き通るような…綺麗な肌……それに」

ことり「とても穏やかな……笑顔です」



うみパパ「この子は小さい頃は可愛くて、臆病で、恥ずかしがり屋で、弱虫で、いつも泣いてばかりいて……それから可愛くてな」

うみママ「もう……バカですね、あなた」



うみパパ「でも、君たち2人と出会ってから、この子はよく笑うようになった。学校に行くことすら辛そうだったのに、毎日毎日、穂乃果ちゃんに、ことりちゃんに会えると……明日が来るのを楽しみにするようになった」


うみパパ「最近では学校の偶像なるものを始め、日舞とはまた異なる、歌やダンスというものの練習をするようにもなった」



うみパパ「この子は幼い頃から、私たちの敷いた道を真面目に歩んできてくれた。しかし、それを蔑ろにすることなく、新たに自分のやりたい道をひらき、打ち込みはじめた」

うみパパ「それまで以上に忙しく、苦労の絶えない日常だろうに……この子は、さらによく笑うようになった」




うみパパ「この子にそんな素敵な変化をもたらしたのは、ほかでもない」

うみパパ「この子自身の意志と…」スッ


ポスッ ポスッ


うみパパ「そして……君たちだ」

穂乃果「……」

ことり「……」


うみパパ「……………」



ポタ ポタ…


穂乃果・ことり「「……っ!?」」



うみパパ「心より…………感謝する……!」


うみママ「あなた…!」


穂乃果「そんな…私なんてっ……海未ちゃんに…迷惑ばかり……!」ポロ ポロ

ことり「私もっ……お願いばっかりして……いつも海未ちゃんを…困らせて……でも海未ちゃんはそれを必ず……」ポロ ポロ







ことり「………!」ハッ




ことり(お願いで……海未ちゃんを………困らせて……)



ことり(それを…必ず……)


ことり(海未ちゃんは………必ず………!)




うみパパ「それでいい」

穂乃果「……えっ?」

うみパパ「それでよかったんだ」

穂乃果「えっと……どういう…」


うみママ「あなた達がそうしてくれたからこそ、この子はこうして最後まで安らかな笑顔で眠れている…… そうですね?」

うみパパ「その通り」


穂乃果「そんな……私たちは何も…」


ことり「………」



うみママ「お花を、添えてあげてください」


穂乃果「………」


うみママ「あなた達から、あなた達を大好きなこの子に、お花を添えてあげてください」



うみママ「そして、できれば最期の言葉も、あげてください」

うみママ「この子とあなた達が、これからも寄り添いながらあるように」


穂乃果「…っ……」


うみママ「この子と、あなた達の未来の花を、言葉にして……添えてあげてください」


穂乃果「…うっ…うう…」ポロ ポロ




穂乃果「………はい…」


うみママ「………ありがとう」

寝てた




穂乃果(最期の……言葉)



穂乃果(海未ちゃん、さようなら)

穂乃果(海未ちゃん、今までいっぱいありがとう)

穂乃果(海未ちゃん、迷惑ばっかりかけて…ごめんね)


穂乃果(海未…ちゃん……)ソッ


海未「 」

穂乃果「……っ…」


穂乃果(……伝えたいこと……いっぱいありすぎて……)ジワッ


穂乃果(だめだ……また泣いちゃう…)



うみママ「……ことりさんも、最期の言葉を」


ことり「………」



穂乃果(ことりちゃんは……何を伝えるのかな)


ことり「……言いません」


穂乃果「…!?」

うみママ「………えっ?」



ことり「最期の言葉なんて……言いません」


うみママ「………」

穂乃果「ことり……ちゃん…?」




うみママ「ことりさん…」


ことり「海未ちゃんは、すごい人です」

うみママ「…えっ?」


ことり「出会った頃の海未ちゃんは弱虫で、ことりよりも泣き虫で、いつも私と穂乃果ちゃんの後ろに隠れて歩いていました」


ことり「でも、一緒に遊んで、お勉強をして、ずっと一緒に過ごしていって」

ことり「いつしか、海未ちゃんは私たちの中で、いちばんしっかり者のお姉さんになっていました」


ことり「ずっと一緒にいたから、いつからかは分からないけれど…… 私も、穂乃果ちゃんも、海未ちゃんにいっぱい頼るようになりました」



ことり「海未ちゃんはとても真面目で、それだけにとても厳しい面もありました」


ことり「でも厳しくするのは全部、私たちのためだってことも知っていました」

ことり「厳しく言いつつも、時には理屈をこねて逃げようとしつつも… 最後は必ず私たちの味方で居てくれました」


ことり「そんな海未ちゃんだから、私は海未ちゃんにいっぱい頼って、いっぱい甘えて」


ことり「いっぱいいっぱい、お願い事をしました」




『海未ちゃんにお洋服作ってみたの。着てくれる?』
『イヤです。そんな破廉恥なもの』



『海未ちゃん、そろそろメイクしてみない?』
『メイクなど、私にはまだ早いです』



『海未ちゃんに歌詞をつくってほしいの』
『そんなこと、私にできるわけないでしょう』




ことり「海未ちゃんは優しいけど、嫌なものはきっぱり断りました。しかもすっごく頑固で、一度決めたらなかなか変えてくれないんです」

ことり「だけど……」


ことり「私のお願いは、最後は必ず、聞いてくれるんです」




『もう…ずるいですよ、ことり。せっかく作ってくれたのですしね。でも、一度だけですよ?』
『やったぁ!』



『もう…ずるいですよ、ことり。まあ確かに今後のために必要なことでなくもないかも知れませんね。少しだけ教えてください』
『えへ、おまかせあれ』



『もう…ずるいですよ、ことり。ただし、ライブまでの練習メニューは私が作ります』
『わぁ♪』




ことり「海未ちゃんは最後には折れてくれて、ことりのお願いを聞いてくれた」


ことり「ことりがお願いしたら……ことりが魔法の呪文を唱えたら… 海未ちゃんは…必ず……」


うみママ「ことりさん…」



ことり「だから…言いません」


スタ スタ


ことり「私が海未ちゃんに言うのは、最期の言葉なんかじゃ、ありません」

うみママ「…!」



スタ スタ


海未「 」

ことり「………」


穂乃果「ことりちゃん、どうするの…?」

32



ことり「穂乃果ちゃん」


穂乃果「えっ?」


ことり「ことりは……海未ちゃんに添えるよ」



ことり(いっぱいの、ありがとうを)

ことり(たくさんの、ごめんねを)


ことり(そして…伝える)


ことり(最期の……ううん………最後の…お願いの言葉を)




ことり「あのね、海未ちゃん」

海未「 」

ことり「今まで、いっぱいありがとう。助けてくれて、ありがとう」



ことり「海未ちゃん、聴こえる?」

海未「 」

ことり「今までたくさん、ごめんね。迷惑ばっかりかけちゃって…ごめんね」



ことり「……海未ちゃん」

海未「 」

ことり「ことりのお願い、いっぱい、何でも、聞いてくれたよね。すごく嬉しかった」


ことり「海未ちゃんに『ずるい』って言われることが、いつしかことりの幸せになってた」



ことり「海未ちゃんは今まで本当にいっぱい、ことりのお願いを聞いてくれた。ほとんど一生分くらい、叶えてくれた」

ことり「だからもう、ことりのお願いは、聞いてくれなくてもいいの」


穂乃果「ことりちゃん…」



ことり「海未ちゃん、聴いて」


海未「 」


ことり「ことりはもう、海未ちゃんにお願いしません」


海未「 」


ことり「だけど、その代わり…… 最後のお願いがあります」



ことり「ことりは、海未ちゃんが好き」


ことり「頼れる海未ちゃんが、かっこいい海未ちゃんが、優しい海未ちゃんが、ことりは好き」


ことり「ことりのお願いを聞いてくれる海未ちゃんが……ことりは大好き」



海未「 」



ことり「そんな大好きな海未ちゃんと、ことりはこれからも一緒にいたい」



海未「 」



ことり「海未ちゃん……」


ことり「ことりの、最後のお願い…… 聞いてね」




海未「 」



ことり「ことりは海未ちゃんが好きだから」


ことり「海未ちゃんと、これからも一緒にいたいから」



ことり「だから…お願い………」


海未「 」





ことり「……目を……覚まして……?」



37







海未「 」







ことり「…………っ………」









ことり「どう…して……?」




海未「 」





うみパパ「………」

うみママ「ことりさん……」



ことり「海未……ちゃん…」


海未「 」


ことり「ことりの……最後の……お願いなんだよ…?」


海未「 」




ことり「目…………覚ましてってばぁ……」ポロ ポロ



穂乃果「……ことり……ちゃん…!」ポロ ポロ




ことり「いやだよ……海未ちゃんが……大好きな人が……いないなんて……」


海未「 」



ことり「海未ちゃん……海未ちゃん…」


海未「 」



ことり「早く…目……覚ましてよ…」

海未「 」



ことり「………」

海未「 」





ことり「海未ちゃん……」ポロ ポロ


海未「 」




ことり「海未ちゃん…海未ちゃん……!」ポロ ポロポロ



海未「 」




ことり「……海…未…………ぢゃん……!!!」ポロポロポロ


穂乃果「ごどりぢゃん……もう…っ!」


ことり「………っ…!」





海未「 」










ことり「…………おねがぁい!!!!!!」











うみパパ「………」


うみママ「………」




穂乃果「……………」







ことり「…………………」














海未「 」














ことり「…………………」








ことり「………………………」


穂乃果「ことり…ちゃん」














海未「…もう……」



海未「ずるいですよ、ことり」










ことり「…………………えっ……?」






うみパパ「……!?」

うみママ「………海未…さん…?」


海未「……あ…れ? お父様にお母様…?」


うみパパ「……信じられない…!」

うみママ「ああ……! 海未さん、本当に…海未さんなのですね…!」

海未「ちょっ、ど、どうしたのですか!? というかなぜ私はこんな箱の中に…」




穂乃果「うっ……う………うううう」プルプル


海未「ハッ…… ほ、穂乃果まで? 何がどうなって…」

穂乃果「んううう海未ちゃああああああん!!!! よかった、よかったぁああぁぅぅうあああああ!!」

海未「うわぁ!? こら、穂乃果っ!? 急に抱きつくなといつも……って顔がいろんなモノでべちゃべちゃじゃないですかぁ!!」


穂乃果「ごめええんんうぅうええぇ…!!」

海未「も、もう! なんなんですか一体…」





ことり「………」


海未「おや? ことりもいたのですね」


ことり「………」


穂乃果「海未ぢゃ・ぇぇえええあいいあおおぉおんえぇいあああ」

海未「あの、こちらへきて、状況を説明してくれると助かるのですが…周りがこんなんなので…」


ことり「………」



スタ スタ スタ



ことり「………」

海未「あ、あの……ことり」

ギュッ


海未「…はいっ!?」


ことり「………」ギューー




ことり「………」モギューー

海未「あの、その、ことり……少し…いえ…無言だとかなり恥ずかしいんです…が…」


穂乃果「あえええおおおうううみちゃあぁああぁ」

海未(穂乃果と違って)



ことり「………」モギュギューー

海未「…あうっ……」



ことり「………」モッギューー

海未「………」エーット






ことり「………」モギュギュー

海未(なんですかこの状態は……周りはなにやら物々しいというか、まるでお葬式でもするかのような)


ことり「………」モギュモギュー

海未「………」ポリポリ




ことり「………」フンモッギュ

海未「あの、ことり… 少し離れ」

ことり「イヤ」

海未「えぇー…」





ことり「………」モモモモギュー

海未「困りましたね……」



ことり「………」モモンギュ

海未「………」



ことり「……海未ちゃん」

海未「は、はい! なんでしょう?」



ことり「………」モギュー

海未「………」




ことり「………」モギュアー

海未「……?」




ことり「………」モギュアーー

海未(……呼ばれただけ、でしょうか?)




ことり「………」モギュアーーー

海未(そう言えば、もうひとつ困ったことが)






ことり「………」モギュアーーーー

海未(メタな話、これどうオチつけるんでしょう)



ことり「………」モギュアーーーーー

海未(は? とか思わないでください。わりと真剣なんです!)



ことり「………」モギュアーーーーーー

海未(どうにか定番のオチつけかたを、と考えているのですが……それより…痛っ……なんかだんだんことりの締め付けが強くなっているような…!?)




ことり「………」モギュイスト

海未「い、いたたた!? ちょっと、ことり! いたたたたたた」

ことり「だいすき」



海未「た……」







海未「えっ!?///」ボンッ

(爆発オチ)











ことり「おねがぁい!が万能すぎて怖い」

fin.



以上です。

あんま考えないとこうなる
次は頑張るにゃー

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月04日 (水) 11:50:20   ID: XYviZfs5

泣いた

2 :  SS好きの774さん   2015年12月06日 (日) 21:31:53   ID: rddYH2pK

ずるいです

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