未央「プロデューサーの敬語口調が直らない」 (62)

未央「あれから1ヶ月!我らのプロデューサーの敬語口調は一向に直らない!」

未央「呼び方も『名字+さん』のまま!未だに何を考えているのか分からないという不満の声も多い!」

未央「このままだとシンデレラプロジェクトの存続すら危うい!」

未央「――というわけで、しまむー!しぶりん!2人の力を貸して欲しい!」


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凛「別に口調が全てってわけじゃないし、そんなに強制しなくても良いんじゃないかな」

卯月「そうですよ。まだ1ヶ月ですし、もう少し気長に待ちましょうよ」

未央「ちっちっち。甘いのだよ。1ヶ月というのは男が物事を有耶無耶のなぁなぁにするには十分な期間なのだよ!」

凛「なにその口調」

卯月「何か、根拠でもあるんですか?」

未央「昔、バレンタインで兄貴と弟に義理チョコあげてたんだけど、一度もホワイトデーにお返しを貰ったこが無いんだよね」

未央「それで毎年3月15日にお母さんが『そういえばアンタ達、未央にお返ししたの?』って聞いて、『あっ!やべぇ!忘れてた!』って二人で近くのコンビニにダッシュして、小遣いでテキトーにチョコ系のお菓子を買って来るっていうのが、4~5年ぐらい続いた。そんで2人にはもう義理でもチョコをあげないことに決めた」

卯月「凄く……説得力がありますね」

未央「で、話の本題に戻るんだけど、1ヶ月で改善が見られないじゃん?」

卯月「多分。忘れているわけじゃないと思うんですけど……」

凛「もしかしたら、仕事の忙しさを理由に口調のことを後回しにしているかもね。それか、プロデューサーにとって敬語口調以外で人と話すことはけっこうハードルが高いのかも」

未央「そうそう。だから私達で後押ししようって話なんだけど…」

卯月「う~ん…………じゃあ、お昼に一緒にカフェに行って親睦を深めるとか?」

未央「おっ!しまむー!良いアイディアだね!この売れ残った“ちゃんみお人形”をあげよう!」

卯月「わぁ!ありがとうございます!」

凛「売れ残りなんだ…」


ちゃんみお人形
カテゴリー:装備品
スキル:コミュ力(絶大↑)、秀才、不憫、豆腐メンタル

未央のデフォルメ人形(約15センチ)。
売れ残ったグッズで、ずっと倉庫に眠っていた。
実は、人類創世の真実が記された“聖なるアーク”の在処を示す鍵であり、半年後に世界征服を企む悪の組織と346プロが“ちゃんみお人形”を巡って島村家を舞台に激戦を繰り広げるのはまた別の話である。

未央「しぶりんは何か無いの?」

凛「ん~。特に何にも。そこまで強要する必要ないんじゃない?」

未央「え~。早く敬語口調じゃないプロデューサーを見てみたいじゃん」

凛「未央は何でそんなにこだわるの?」

未央「このままだと言いだしっぺの未央ちゃんの沽券に係わるのだ!」

凛「そっちの問題なんだ」

未央「それにさ。あの声でこんなこと言われたくない?」

※以下は、未央の声真似です。
 脳内で武内Pボイスに変換してお楽しみください

武内P『おはよう。今日は送れずに来たな』

武内P『まだ眠そうじゃないか。コーヒーを淹れよう』

武内P『仕事に何か不満は無いか?出来る限り、相談に乗りたい』

武内P『今日はよく頑張ったな』ナデナデ

武内P『ばっ、待て!抱き付くな!人目があるだろ!』

武内P『この後、予定あるか?夜景の綺麗なレストランを予約してあるんだが…』

武内P『今夜は寝かせないぜ。マイハニー』



凛「///」プシュ~

卯月「///」プシュ~

凛「未央!私何すればいいかな!?」キラキラ

卯月「未央ちゃん!私頑張ります!」キラキラ

未央(えええ!!2人ともケッコンカッコガチ!?)

未央(せめて、最後のセリフに対するツッコミは欲しかったよ……)ションボリ

未央「じゃあ、とりあえず、しまむーの言った通り、お昼に誘って親睦を深めてみようかな」

卯月「丁度、お昼ですしね」

未央「――――というわけで、プロデューサー!ご一緒にランチでもどう?」

凛「未央のそういう勢いのあるところ。嫌いじゃないよ」

ちひろ「プロデューサーさんなら、先ほど食事に行きましたよ」

未央「え!?」

卯月「どこに行ったか、分かりませんか?」

ちひろ「私も詳しくは聞いていませんが、業界の知り合いと一緒に食べにいくと言っていました」

ちひろ「物凄く嬉しそうな顔で」ギリッ・・・

うづりんみお(((めっちゃ悔しがってる!これ絶対にクロ(女)だ!)))

凛「」クンクン

凛「まだ臭いが残っている。出て行ってから、まだ5分も経っていないね」

卯月「凛ちゃん!凄いです!」

未央「いやいやそこはツッコもうよ!しまむー!」ビシッ

未央「でも、でかした!しぶりん!今からダッシュで行けば、尾行出来るかもしれない!」

卯月「あ、ありがとうございました!」

未央「上手く尾行出来たら、報告しますねー!」

凛「早く!薄れちゃうから!」

ちひろ「楽しみにしています」フリフリ

346プロ 正面入り口

卯月「いました」

凛「あの後ろ姿は見間違えようがないね」

未央「1230(ヒトフタサンマル)より、ニュージェネレーション隊は偵察に向かうであります」

凛「それ誰の真似?」

未央「大和さん。一緒にゲームやってたら移った」

凛「いつの間に仲良くなったの?」

卯月「あ、外に出ちゃいますよ」



ブロロロロロロロロ……



未央「あ~!タクシーか~。こりゃ駄目だ。さすがの未央ちゃんもお手上げだ~」

卯月「また明日にしましょうか」

凛「止まってくださーい!」

タクシー運転手「はいよー!どちらまでー!?」

凛「前のタクシー追ってください!」

タクシー運転手「合点承知!」



ブロロロロロロロロ……

卯月「……」

未央「……」

凛「//////」



卯月「凛ちゃん」

未央「しぶりん」

凛「言わないで!私も何でこんなことしたのか分からないんだから!」

未央「いやいや、それは無いでしょう!」

卯月「凛ちゃんの咄嗟の判断!流石です!」

凛「からかわないで///恥ずかしいよ///もう……///」

未央「まぁ、ちゃんとプロデューサーを捕捉出来たし、結果オーライってことで」

数分後

卯月「けっこう、遠くまで行くんですね」

未央「近場だったら『経費削減です』って言って、歩いて行くでしょ」

卯月「それもそうですね」

凛「……」

未央「あれ?どうしたの?しぶりん」

凛「今、とんでもないことに気づいたんだけどさ」

卯月・未央「?」












凛「2人ともお金持ってる?」ダラダラ

卯月・未央「「あ」」

未央「ヤバい!?財布、カバンの中に置いて来た!しまむーは!?」

卯月「持ってました!ちゃんと持ってました!」

未央「でかした!しまむー!私達の窮地を救った尻神様!」

卯月「尻神様って何ですか!?」

凛「良かった。このまま留置所にフライドチキンするところだった」

未央「しぶりん。焦り過ぎて言ってること滅茶苦茶だよ」

運転手「お客さん。前のタクシー止まりましたよ」

卯月「ここで下してください!」

運転手「3460円です」

卯月「はい。今、出します」




卯月「」

未央「ど、どうしたの?しまむー」

凛「まさか……」


卯月「500円足りない」ダラダラダラダラ

凛・未央「」




【ニュージェネレーションズ無賃乗車!500円足りず!】

【謝罪会見へフラーイドチキーン!!】

【猫ドルが語るNGの闇!「未央チャンはデビューしたばかりの頃、天狗になってたにゃ」】

【街頭インタビューに答えたファン「失望しました。NGのファンやめて、みくにゃんのファンやめます」】

【シンデレラプロジェクトの活動に影響!被害総額推定346億円!】






うづりんみお「」ガタガタガタガタガタガタガタガタガタ

運転手「あ、あの~御三方…ニュージェネレーションズの方達ですよね?」

卯月「は、はい!」ビクッ

運転手「ショッピングモールのライブ見ましたよ!娘がすっかりファンになっちゃいましてね。CD買ってあげたら、舌足らずな声で頑張って歌うんですよ。それがもう可愛くて可愛くて」ニコニコ

運転手「まぁ、足りない分は、サインで良いですよ。新曲、楽しみにしてます」つ 色紙

うづりんみお「「「ありがとうございます!」」」

卯月・凛・未央 カキカキ

運転手「まいどー!」ブロロロロロロロロ……

うづりんみお「「「ありがとうございました!」」」

卯月「良かった~」ペタン

凛「ありがとう。本当に助かったよ。卯月」

未央「」グスッ

凛「未央?」

未央「しぶりん……しまむー……。私、アイドル辞めなくて良かった」グスッ

卯月「未央ちゃん!」ダキッ

未央「しまむー!」ダキッ

凛「卯月……未央……」















凛「そんなことより、プロデューサー追うよ」

卯月「はい!」

未央「え!?切り替わり早くない!?私の感動は“そんなこと”レベル!?」

凛「あそこの角を曲がったね」

未央「早く追いかけないと!」

卯月「あっ!待って!未央ちゃん!」




武内P「……」デデーン




うづりんみお(((終わった!)))

未央「え?いつ気づいてた?」

武内P「346プロの前でタクシーに乗るところをバックミラーで確認しましたので」

武内P「島村さん、渋谷さん、本田さん。どうして、私を尾行するのでしょうか?」

未央「あ、いや~それは~」

凛「しっかりしなよ。リーダー」

卯月「未央ちゃん頑張ってください」

未央「こういう時だけリーダー扱い!?さり気無く私を盾にしてるし!」

武内P「返答を、お願いします」

未央「ちひろさんから、プロデューサーが凄く嬉しそうな顔で誰かと食事に行くって聞いたから、そんなに嬉しい相手って誰なんだろうって感じで……テヘペロ」

卯月「やっぱり……お邪魔でしたよね?」

武内P「……」

武内P「……ハァ」

武内P「来てしまったのなら仕方ありません。先方に連絡して、確認を取って見ます」

武内P「あ、もしもし。はい。武内Pです。申し訳ありません。実は今日の昼食ですが3人増えてしまいまして―――――――――え?はい。分かりました」

武内P「一緒に来ても大丈夫だそうです」

うづりんみお「「「やったー!」」」

武内P「しかし、相手はアイドル業界において、“非常に強い”影響力を持つ御方です。くれぐれも粗相のないようお願いします」

卯月「ど、どんな人なんでしょうね」

凛「さぁ……社長さんとか?」

未央「私達はとんでもないことをしでかしたかもしれない」ガクガクブルブル

卯月・凛(この豆腐メンタル)

武内P「ここで待ち合わせることになっています」

凛「ラーメン屋?」

武内P「はい。ここは凄く評判らしいです」

凛「そんな偉い人との会食なのにラーメン屋でいいの?」

武内P「はい。場所は向こうの指定ですので――――――あ、来たようです」

うづりんみお(((来た!偉い人!)))












赤羽根P「あ、どうも!武内Pさん」

武内P「赤羽根Pさん。本日はお誘いいただき、ありがとうございます」

赤羽根P「いえいえ。そんなに固くならなくても大丈夫ですよ」

卯月・未央「あ、ああ、あああ、貴方は…!」フルフル

赤羽根P「あ、初めまして。765プロの赤羽根Pです」

卯月・未央「本物だ――――――――――――!!」

凛「え?そんなに凄い人なの?」

卯月「え!?凛ちゃん知らないんですか!?」

未央「入社後の初プロデュースで765エンジェルをトップアイドルに導いた生ける神話だよ!」

凛「そ、そうなんだ……」

赤羽根P「生ける神話だなんて、そんな大袈裟な…」ハハハ

武内P「すみません。突然3人も増やしてしまって」

赤羽根P「良いですよ。実はこっちも2人増えてしまったので」

亜美「にーちゃんが嬉しそうな顔で昼食に向かったと思えば」

真美「まさか、こんな男前や可愛いJKたちと逢引とは」

あみまみ「「事務所のみんなが聞いたら、どんな反応を示すんでしょうなぁ~?」」

赤羽根P「喋らないって条件で連れてきてもらえたのを忘れたのか?」

未央「亜美真美!」

卯月「はわわわわわわわわわ」

凛「テレビで見たことある」

亜美「双海姉妹の真美じゃない方の双海亜美です!」

真美「双海姉妹の亜美じゃない方の双海真美です!」

武内P「初めまして。346プロダクションの武内Pと申します」 つ 名刺

凛(そうやって、誰にでもホイホイ名刺出して……)ムスッ

未央(おやおや?焼餅ですかな?しぶりん)

凛(未央っ!直接脳内に!?)

未央(遂に私もニュージェネレーションズのリーダーとして覚醒したのだよ!)

未央(だよね?しまむー?)

卯月「え?どうかしたんですか?」

凛・未央((そこはちゃんと伝わろうよ!卯月(しまむー)!))

亜美「ほほーう。中々の男前ですなぁ」

真美「ピヨちゃんが『ピヨウヘヘヘヘ』と不気味な笑みを浮かべるだけはありますなぁ」

亜美「で、そこのピチピチのJKたちは?」

赤羽根P「こら、失礼だろ。オッサンかお前らは」

真美「いや、真美は何も言ってないよ?」

武内P「彼女たちは私が担当するシンデレラプロジェクト。その第一弾デビューユニットのニュージェネレーションズです」

未央「本田未央です!」

卯月「島村卯月です!」

凛「渋谷凜です」

赤羽根P「ああ。君たちが。噂は聞いているよ。346プロの期待の新星みたいだな」

凛「期待の……新星」

卯月「あ、ありがとうございまひゅ!」

未央「いやいや。それほどでも…ハハハ……ココロガイタイ」←初ライブでアイドル辞めようとした人

武内P「……」ポリポリ ←説明不足でユニットを解散の危機に陥らせた人

赤羽根P「まぁ、立ち話もあれですし、続きは中でやりましょうか」


食後


真美「おいしかった~」

卯月「お腹パンパンです」

凛「ちょっと食べ過ぎたんじゃない?」

亜美「ねえ。にーちゃん。せっかくだから写真を取って、ブログに乗せようよ」

未央「おっ!それは名案ですな。亜美先輩」

亜美「人と人の繋がりは大切なのだよ。みおちー」

凛(もう仲良くなってる)

赤羽根P「実は、765プロの公式ブログがあるんですけど、そちらに載せても宜しいでしょうか?」

武内P「大丈夫です。こちらの“シンデレラプロジェクト活動報告書”に掲載しても構いませんか?あ、ブログのタイトルです」

赤羽根P 「全然大丈夫ですよ」

うづりんみお(((え?ブログなんて今はじめて知ったんだけど。しかも名前が固いし)))

赤羽根P「じゃあ、撮るぞー」

武内P「……」







亜美「参上!」

真美「ギニュー特戦隊!」

パシャ!

ギニュー特戦隊のファイティングポーズをとるニュージェネレーションズ+亜美真美

ギニュー:真美 グルド:亜美
ジース:未央 リクーム:卯月 バータ:凛


卯月(ついノリでやっちゃいましたけど)

未央(これはこれで…)

亜美(けっこう……)

凛(恥ずかしい///)

真美(これブログに乗せちゃうんだよね///)


アイドルたち(やっぱり、画像は消して貰おう)




凛「ねぇ。プロデュ――」

赤羽根P「よし。ブログ更新っと」

武内P「ブログ、更新しました」

アイドルたち「仕事早っ!」

翌日

未央「ちがーう!」

卯月「え!?ここの答え間違ってますか?」←宿題中

凛「15歳に教わらないでよ。17歳」

未央「いやいや!そうじゃなくて!私達の目的!」

卯月「目的?」

未央「ほら!プロデューサーの敬語口調をどうにかするって話!」

卯月・凛「あ」

未央「すっかり忘れてたじゃん」

卯月「もう良いんじゃないですか?」

凛「うん。その内、どうにかなるよ」

未央「む~」プク~



武内P『このまま……送り狼になっちまうぜ』

武内P『何だ?誘っているのか。とんだビッチだな』

武内P『お前みたいな悪いアイドルには、オシオキが必要だ』

武内P『お前の身体を俺色に染めてやる。俺の身体無しじゃ生きていけないようにな』

武内P『プロデュースするのはいいが、別に、アイドルを食ってしまっても構わんのだろう?』

※未央の声真似です


卯月「ちょっとお手洗い行ってきます」

凛「私も」

未央(あちゃ~。2人とも欲望の獣になっちゃったか~)

1時間後

卯月「お待たせしました」テカテカ

凛「ごめん。ついフィーバーしちゃって」テカテカ

未央「うん。分かってるよ。ここまで声聞こえてたから」

卯月「で、何の話でしたっけ?」

凛「プロデューサーを襲う段取りだったよね?未央も積極的だね」

未央「いやいや。違うから。誰もそんな話してないから。口調をどうにかしようって話だよ」

卯月「まずは順調に距離を縮めて、油断したところで襲うんですね!」

凛「やっぱり、スタンガンが良いよね。1つで足りるかな?」

未央「もうそういうことでいいや」

未央「どうやったら、脱敬語させられると思う?」

卯月「う~ん」

凛「ハナコを躾ける時のこと思い出したんだけどさ。こういうのって、飴と鞭が良いんじゃない?」

未央「ほほーう。さすがしぶりん。敬語をやめたらご褒美。敬語だったら罰か」

卯月「でもご褒美って、何をあげたら良いんでしょう?」

凛「う~ん。プロデューサーの好きそうなもの……」

未央「あ」

凛「どうしたの?」

未央「罰なら、ちょっと思いついたんだけど……」

後日

武内P「本田さん。この前のインタビューの件ですが」

未央「プロデューサー。敬語」

武内P「申し訳ありま――申し訳ない」

未央「もう……いいよ……酷いよ…なんで!?私が…私がリーダーだったから!?もういいよ!!私…アイドル辞める!!」

武内P「……」



未央「本当に辞めるよ!」



未央「本当の本当だからね!」



未央「今度は冗談じゃないよ!」



未央「部屋を出て行っちゃうよ!このままレッスンサボっちゃうよ!」



未央「エレベーターのボタン押すよ!」



未央「乗っちゃうよ!1階のボタン押したよ!」



未央「このまま1階に行っちゃうよ!家に帰っちゃうよ!」



未央「不審者扱いされても助けないよ!」



武内P「……………………」
















未央「追いかけてよ!」

武内P「本田さんはアイドルを辞めない。そう、信じていますから」

未央「///」キュン

卯月・凛「」イラッ

後日

未央「や、やっぱり、天気が良いのが悪いんだと思うね///」

卯月「清々しいまでの晴天ですもんね」

未央「――――というわけで、ちょっと悪天候にしよう」





ザア―――――――ッ!


凛「いきなりバケツをひっくり返したような雨に!」

未央「へへーん!これが未央ちゃんの真の力だよ!」



わたくしの雨乞いの効果でしてー



凛「今、何か聞こえなかった?」

卯月「ゆ、幽霊?」カタカタカタ

未央「ごめんなさい。芳乃ちゃんに雨乞いを依頼しました」

凛「そんなの頼めるんだ」

未央「売れ残ったちゃんみお人形で取引しました」

凛「346プロの共通通貨なの?ちゃんみお人形」

未央「まぁ、これで演出はバッチシだし、次はしぶりんとしまむー、一気に行ってみよう!」

武内P「渋谷さん。島村さん。少し宜しいでしょうか?」

凛「プロデューサー。また敬語になってるよ」

武内P「申し訳ありま――申し訳ない」

凛「……」

凛「見損なったよ。今度こそは信じようと思ったのに……せっかく、夢中になれる何かを見つけられたと思ったのに…」

凛「卯月も何か言ってやりなよ」

武内P「……」

卯月「え、え~っと……し、しまむーぱんち!」

武内P「」

凛「」

未央「」

卯月「///」

凛・未央「卯月(しまむー)は可愛いね(な~)」ナデナデ

卯月「私が一番お姉さんなのにー!」

武内P「あの……これは一体……」



説明中


武内P「私の敬語が直らない……ですか。申し訳ありません」

未央「ああ。またなってるよ」

武内P「本当に申し訳あ――申し訳ない」

卯月「中々直りませんね」

凛「親や兄弟に話す感じで話しかければいいんじゃない?」

武内P「いえ…。我が家は父が厳格な人でして。親や兄弟に対しても常に敬語口調で話していました。とりわけ私は末っ子でしたので」

未央「親兄弟にも敬語って……」

武内P『父上!何故!プロデューサーになることを認めてくれないのですか!?』

父『武内Pよ。我らの掟を忘れたか』ドンッ!

武内P『ぐはっ!!』

兄『我が一族は、影に生まれ、影に生き、影の中で死す。光り輝くステージとは程遠い存在よ』

武内P『兄上まで!』

父『武内Pよ。表の世界に出るなど、決して許されることではない』

武内P『そのような古い慣習から抜け出すべきです!』

父『まだ分からぬか!このうつけがぁ!』

兄『お笑い草だな。武内P。貴様は、その血に塗れた手で宝石を磨こうというのか』

武内P『それでも……!!あの光り輝くステージを……!私は見たいのです!もう一度!』

父『ふん……。兄よ……“殺れ”』

兄『はい。父上』

兄『兄としてせめての情けだ。苦しまぬよう、一撃で仕留めてやろう』

武内P『父上!兄上ぇ!!』



未央「――という壮絶な過去が!」

武内P「ありません」

あやめ「ニンッ!」

凛「」クルッ

バッ!

凛(今、天井から誰かが覗いていたような…)




武内P「みなさんとの約束を忘れたわけではありません。ただ、生まれて初めてのことですので、もう少しお時間を下さい」

その日の夜

武内P(みなさん…もう帰られましたね)

武内P「……」キョロキョロ

武内P「お……」

武内P「おはよう。良い朝だな」

武内P「まだ眠そうじゃない…か。コーヒーを淹れよう」

武内P「仕事に何か不満は無いか?出来る限り相談に乗りたい」

武内P「そろそろ仕事の時間じゃないか?遅れるなよ」

武内P「今日はよく頑張ってくれた。明日に備えて、休んでくれ」



武内P「ありがとう。君達のプロデューサーを担当出来て、本当に良かった」


武内P「……」


武内P「……」


武内P「///」




ちひろ(かわいいいいいいいいいいいいいいなあああもおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお///)ジタバタ



おわり

このSSを書いていて分かったこと。
未央って物凄く動かしやすいキャラだったんだな。


過去の作品
きらり「貴方には失望しました」モバP「!?」
モバP「菜々さん!?菜々さんじゃないですか!」
P「ちくしょう!やられた!」
モバP「何ぃ!?盗撮だと!?」
ちひろ「プロデューサーさん。太りましたよね?」
武内P「新しい…宣伝企画、ですか」
大和亜季「出身地トークであります!」
みく「みく達もデビューさせるにゃ!」社員「お。もうそんな季節か」

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