俺「ねんがんの、アンブレラ製薬会社に就職したぞ!!」 (218)




・オリジナルです。が、シリアスさんはウイルス感染したので出てきません。
・「お前の時系列ガバガバじゃねーか」と思しき部分が多々ありますが、目を瞑って下さい何にもしませんから!
・BOWの開発時期も滅茶苦茶になってるかもしれません…なんだこの研究過程は、たまげたなぁ。


それではどうぞ。






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俺「故郷の父さん母さんそして妹よ、息災ですか?俺は元気です」

俺「猛勉強の末に大手製薬会社アンブレラの研究職に就く事が出来た自分は、日夜新しい医療薬品(意味深)を作るべく日々精進している次第であります」

俺「ここの施設や設備、業務に不満はありません。寧ろ流石最大手だと唸る程です」


俺「…惜しむらくは」






―――アンブレラ研究所:「最果て支部」ドヨーン




俺「…こんな聞いた事もない地名でなければ…」


俺「あの人事部、『大自然に囲まれた良い所ですよ』とかテキトーのたまいやがって…」

俺「何でこんな所に来るハメに…最初は幹部候補生としてアークレイ支部に出向する筈だったのに…」

俺「それもこれも、あの時うかつなミスさえしなけりゃ…」



―――………。
――――――…………。




研修生俺『ええと、試作ウイルスを投与したラットはこっち。処分するラットはそっちに…』


―――ベチャ。


研修生俺『…べちゃ?うわ!なんだこりゃ!!……ヒル!?』


ヒル?『ウゾウゾウゾウゾウゾウゾ……ガツガツガツムシャムシャムシャ』

ラット『ヂューっ!!??』


研修生俺『あああああああーっ!?実験用のラットがああああああっ!?』

研修生俺『コイツめ!!離れろっての!!』グシャ


ヒル?『ピギーッ!!??』


研修生俺『痛え!このヒル噛みやがったぞ!?野郎舐めるんじゃねえ!!』


―――バギッ!ドカッ!グシャ!!
―――BANG!!BANG!!BANG!!!


……。
………。
…………。





俺「…結局実験用のラットは全滅。更に後から聞いた所によるとあのヒルは研究所のお偉いさんのお気に入りだったらしく―――」



マーカス所長『クビだあああああああああああああああああああああああああっ!!!!!!!』

マーカス所長『水責めだ!火炙りだ!!ギロチンだ!!!モルモットだ!!!!』

マーカス所長『くぁwせdrftgyふじこlp !!!!!!!』



俺「同僚が言うにはそれはもう烈火の如き剣幕だったらしい」

俺「諜報部に居た先輩からの口添えで何とかクビだけは避けられたもののエリート街道からは脱線して、今やこの有様…」

俺「…というかアレは俺のミスじゃねえし…ミスというならあの所長だってさ…ブツブツ」


―――ドタドタドタ…!


俺「(そうそう所長と言えば…っておいでなすったか)」


―――バタン!




博士「おお助手よ、こんな所に居たのか!!」

俺「…どうも、ここの所長兼研究チームの責任者でもある博士。そんなに急いでどうしたんです?」

博士「まあ要件はさておくとして。君、喉渇いてないかね?」

俺「…また偉く唐突な…まぁ、ずっと研究室詰めなので乾いているといえばそうですが」

博士「そうかそうか。それならばコレをやろう」

俺「…何ですかコレ?」

博士「説明は後でする。ささ、ぐいっと煽ってみてくれ」

俺「幾ら喉が渇いているからと言ってビーカーに入った正体不明の液体を煽るほど愚かでもないツモリなんですが…」

博士「大丈夫!入ってるのはただの水だから!!危ないモノじゃないから!さぁ、イッキイッキ!!」


俺「(…飲料水をビーカーに入れるか普通…絶対怪しい)」

俺「(でも逆らったら今度こそクビになるだろうし、家族を路頭に迷わせたくないし)」

俺「…解りましたよ。―――グイッ」


―――ゴクン。



俺「…飲みました。…あ、でも本当に普通の水ですね。雑味とか一切無く喉越しもさっぱりしてる」

博士「ふむふむ…どうやら実験は成功のようだな」

俺「(実験っつったぞ今)…それで、これは一体何なんです?」

博士「先程君に伝えたとおり唯の水だよ…ただし」スッ


―――バン!





博士「原産はコレさ☆」

プラント「イヤ~ン」




俺「ブッフウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!??」





博士「嗚呼、何をする勿体無い!!!」

俺「アンタなんば考えてやがる!BOWの体液を部下に投与さすな!!」

博士「体液ではない!唯の水だと言ってるだろう!!いいか、コイツはな―――」


―――あのいけすかないアークレイ研究所で創り出されたという「プラント42」のデータを基にして私が造り上げた新種だ。


特徴として根っこではなく茎、葉っぱ、花弁…植生部位全てで「空気中の水分」を吸水し「実」に貯めるという性質を持つ。
この「実」は見た目よりも頑丈で携帯性にも優れており、喉の渇きを覚えたらその場で実を叩き割ればお手軽水分補給。
且つプラント自信が生成した栄養素も同時に取れ飢える事も早々無くなる、まさに完全栄養食でもあるのだ!


更に更にぃ、コイツは砂漠等の乾燥地帯でも根を張れる頑強さ。
過渡期になると種から芽吹いた子葉達がそれぞれ一人歩きして生殖範囲を広げる特性も持ち合わせているので数を増やせればアラ不思議!
プラントの水分を求める動植物達の繁殖によりあっちゅう間に緑溢れる土地の復活だ!!




博士「無論T-ウィルスによる汚染の心配は無いぞ!"安心安全なBOW"が私のモットーだからな!!」エッヘン!!

俺「…凄いじゃないですか。なら次のBOWのコンペはイタダキですね」

博士「…………、」

俺「……………?」

博士「もう審査は終わってるんだ」

俺「…それで本社は何と?」


博士「………………………、」





―――ガッシャーン!!



博士「あの野郎ども!!私に向かって『兵器利用出来ないBOWの時点でちょっと…』とか鼻で笑いやがった!!」

博士「これだから営業畑の脳筋連中は!!科学の素晴らしさを何も理解せず目先の利益ばっか追求しやがって!!」

博士「大体兵器であることがそんなに偉いのか!!そんなに武器が好きなら軍事会社にでも転向しちまえ!!」

俺「……まぁ。表向きとは言え製薬会社ですもんね、ウチ……」

博士「何より腹が立つのはアークレイのエリート(笑)共に笑われた事だ!!」



ウィリアム『―――いやはや惜しかったですね博士…プ~クスクス…』

アルバート『―――笑っちゃ悪いだろうウィリアム…ククク…ウイルス使ってやる事が植林って…プススス…』



博士「むきいいいいい!!今思い出しても業腹だああああ!!!」


俺「(そんなら博士も兵器実験すりゃいいのに…)」

俺「("科学とは傲慢であってもその根底は人間の幸福の為に振るわれるべきだ"って妙な信念がある所為で極力そっち方面はやらないけど)」

俺「(まーおかげで俺も大した罪悪感無く研究に没頭出来るんですがね)」





博士「おのれ、このやるせなさは研究にぶつけてやる!!次は"海中における汚染物質の除去"をテーマにしよう!!」

博士「確かアークレイからのデータに"ネプチューン"とかいう役立たずのサメがあった筈!アレをこの私の手で用立ててやろうではないか!!」

博士「邪魔をしたな助手!ソレ(プラント)は君にプレゼントしてやるから存分にテラピーされててくれ!!」

俺「…えっ」


博士「ではサラバ!!」


―――バタン!!


俺「……………………、」

プラント「イヤ~ン」


俺「……………………、」チラッ

プラント「ウフ~ン」


俺「…………どうせいと?」

プラント「サワッテモイイノヨ~?」





―――アンブレラ「最果て支部」の進捗状況…。

―――飲料水の質が向上しました。ピロン♪



「プラント42-TypeW」

:アンブレラ最果て支部で開発されたBOW。
根本のデータにアークレイ支部で創られた「プラント42」の物が使用されているが、凶暴性は無く至って温厚。
主目的として身体全体を使っての吸水により作られる「実」による簡易性飲料水の確保及び自立性を利用した植林等が挙げられる。

前者は飲料水に適した水場が確保出来ない、或いは乾燥地域において「どんなに少なくとも」空気中の水分を己の身体に取り入れ循環させ、やがてそれを凝縮させた「実」を実らせる。
この実は水分の塊であり、割り開くと飲料水に相当する果汁が溢れ出る。
(ウイルスによる汚染は確認されていない)
また凝縮された植物性栄養素も共に摂取する事が出来る為、痩せた土地に居住する人員、または補給もままならない最前線等における携帯飲料として利用出来るのではと考えられた。

後者は繁殖期になると種から芽吹いた子葉が根っこを脚部として自立。
成長に適した場所(乾燥地帯だろうと荒地だろうと)に勝手に移動してそこで育つという習性により人的監視による手間を極力無くす事が出来るという利点がある。
(飽くまでも吸収するのは空気中の水分のみの為、過度の吸水による生態系の破壊は見られてはいない)

以上の点を理由にアンブレラ上層部に量産を掛け合ったが…。
兵器としてのBOWの開発の方が急務だとし、この案は跳ね除けられている。

現在は最果て支部の中でひっそりと生息しているとか。

???「人の創り出したモノなら、人を救って見せろ!!」

以上です。
こんなノリで毎回やっていきます。
バイオオーガニックウェポンとは一体…うごごごごごご…。

続きは…どうしよっかな。当てもなく作っちゃったモノなので、まあ、適当に。

それではこれにて。

うわあ、レスが付いてる。スゴイ=ウレシイ=デス。
寝る前にもう一本閃いたので投下。

俺「故郷の父さん母さんそして妹よ、息災ですか?俺は元気です」

プラント「ウフ~ン」

俺「戯れに置いてみたプラントの"ガン子"ちゃんも元気です。…ってかコレ本当に世話する手間要らないのな」

俺「勝手に出て行かないように鉢植えにカバーは必須だけど呼吸穴さえあれば何でもいいし」

プラント「アフ~ン」

俺「喉が渇いたら成った"実"をもいで食べればいいし」モグモグムシャ

プラント「オイシイ?オイシイ??」

俺「本当に博士は天才は天才なんだよなぁ…惜しむらくは性質が兵器に向いてないってだけで」


―――ドタドタドタ…!


俺「ほら、噂をすれば来なすった」


―――バタン!!



博士「おお助手、こんな所に居たのか!」

俺「そりゃあ研究職なんで研究室には居ますよ。…それで今日はどうしたんです?」

博士「アークレイ支部から輸送されてくるBOWの引き取りに人員が足りんのだ。悪いが手伝ってくれないか?」

俺「…えっ?」

博士「嫌かね?」

俺「いや、嫌では無いですけど…珍しいですね。博士がアークレイ支部と連絡を取り合うだなんて」

俺「"寄りすぐられたエリートだかなんだか知らんが鼻持ちならん!知識に上も下もあるか!!"って普段から愚痴っていますのに」

博士「…まぁ、気に入らんのは確かにそうだが。今回はそうも言ってられんのだ、兎に角来てくれ」

俺「???…はぁ、解りました」

プラント「イッテラッシャ~イ」ノシ




―――最果て支部、搬入口。


俺「所で博士ってアークレイ支部の連中を目の敵にしてますけど俺とは普通に話してくれてますよね?」

博士「私は自意識過剰なエリートが嫌いなだけでアークレイ出身というだけで差別している訳じゃないぞ。第一…」

博士「君はどちらかってーとドロップアウト組だしな」

俺「ひでえ」

博士「だが事実だ。…しかしまぁ運が良くもあるぞ、私が受け入れを受諾せんかったら残るのは…」


―――自称ナルシストが幅を利かせるパリ支部か。
―――優秀だか冷酷な独裁者が統治するシーナ島支部か。
―――猫かぶりのサイコ女郎の下僕確定な南極支部か。
―――運が悪ければサイコ女の双子の兄貴が監視するロックフォート(刑務所)行きか。
―――はたまたドMでドSなアカの嵐渦巻くロシア支部か。



博士「このどれかになるな」キッパリ

俺「拾って戴いて感謝の言葉もありませんボス」ドゲザー

博士「はっはっは!そういう言葉はもっと言ってくれ給え。…おっと来たようだぞ」


―――バババババババ…!
―――ヒュンヒュンヒュンヒュン…!!


―――バタム!




マスク男「………博士はどちらに?」

博士「私だ」

マスク男「こちらの引取り書にサインを…」

博士「少し待ってくれたまえ。…しかし、君達USSも難儀するねえ。こんな世界の果てなんぞまで」

マスク男「……任務ですので」


俺「(USSっつーとアンブレラの保安警察だよな…しかしあの黒いガスマスク。警察っつーより、まるで死神…)」

マスク男「―――ジロリ」

俺「(おっと失敬)」メソラシ


博士「これでよ~し。ご苦労さん、隊長に宜しく言っておいてくれ」

マスク男「―――ペコリ」

俺「…薄気味悪いヤツですねえ」

博士「だが優秀だぞ?任務生還率はこれまでで100%だそうだ」

俺「……へぇ」



マスク男「…………、」

USS隊長「おい、何ボーッとしている"死神"。帰還するぞ、早くヘリに乗り込め」

マスク男「―――了解」





俺「それで、アークレイから何を引き取ったんです?…コンテナ??」

博士「中身が気になるかね?そこの空気穴から覗いてみるといい」

俺「………、」ソ~ッ


―――ドガン!!


俺「!!!!!!」


ハンターα「ギャアギャアギャア!!」
ハンターβ「シギャアアアアアア!!」
ハンターγ「グエッグエッグエッ!!」
ティックス「グゲゲゲゲゲゲゲ!!!」


俺「………、」



俺「う わ あ」



博士「どうだ凄いだろう?」

俺「凄いっつーかなんつーか……うわあ……みたいな」

博士「"ハンター"という種目らしい」

俺「いや流石にそれはデータで知ってますけど…こんなに集めてどうするんです?コレクションでもするんですか?」

博士「馬鹿者、科学者がそんな事してどうするんだ。無論研究だ研究」

俺「いや、ハンターって確か"傑作"とまで言われたBOWじゃあないですか、今更こんな場末の研究所で何をするってんです?」

博士「これが傑作だと?馬鹿を言うんじゃあない。見てみろ、あの品性の欠片も無い奴等の表情を」

俺「兵器に品性もへったくれも…ってか次は兵器開発に着手するんですか?あんなに嫌っていたのに」

博士「…………まあそれはそれ。取り敢えず横に置いといて、だ」

博士「今回はこいつらを何処に出しても恥ずかしくないようなBOWにする事が我々の題目だ」

俺「まぁ部下なのでやれと言われればやりますが、またぞろふわふわした題目ですね」

俺「兵器"開発"ではなく"改良"が主目的ですか」

博士「そうだ、それによって我々とこいつらの有用性を一気に向上させられれば万事OK」

博士「あの利益ばっかの本部のど腐れ共や失敗作だからと言って何でもかんでも廃棄してしまうようなアークレイの頭でっかち共に思い知らせてくれる…」ブツブツ

俺「異様にやる気になっていると思ったら根っこはそれですか」

博士「だぁってあいつら"失敗作にかまけてるなんぞ時間の無駄だ"なんて言いやがるんだぞ!?」

博士「科学者ならなぁ、自分で作り出した成果に対して最後まで責任持ってやれよと!!」グアッ!!

俺「俺に凄まんで下さいよ」



博士「それに…それになぁ…」

博士「こちらの都合で勝手に作り出して駄目と解ったら即分解室行きなんだぞ…可哀想じゃあないか…」

俺「つくづく思うんですが何で博士アンブレラ(こんなとこ)に入社したんです?」

俺「(それに…可哀想…だと?)」


俺「…………、」チラリ


ハンターα「ギャアギャアギャア!!」ガタガタガタ
ハンターβ「シギャアアアアアア!!」ドタドタドタ
ハンターγ「グエッグエッグエッ!!」ビョンビョンビョン
ティックス「グゲゲゲゲゲゲゲ!!!」ケタケタケタケタケタ


俺「……………、」

俺「(天才ってえのは解らん)」


―――数週間後。



俺「ええと…試薬の反応がこうだから次に加える溶液は…」

俺「…あ、溶液が無い。薬品庫に取りに行かないと…でも他にも実験抱えてるし時間が…」

俺「………、」

俺「おーい、"レオナルド"」


―――シュタッ!


ハンターα「……………、」ナニー?


俺「薬品庫に行ってコレとコレとコレ。取って来て貰っていいか?」

ハンターα「………、」イイヨー

俺「あー、後ついでに"ラファエロ"と"ドナテロ"の所にプラントの実を差し入れてやってくれ。そろそろ身体が乾燥している頃だし」

プラント「アゲルワー」

ハンターα「………、」ワーイ

俺「更にすまんが"ミケランジェロ"から実験に使うノミやダニを分けて貰っておいてくれ。これは後ででも構わんから」

ハンターα「………、」オッケー


俺「……………………………、」


俺「(………やべえ)」


俺「(この空間に慣れてきてる自分が怖えー)」ガボーン


―――要はハンター達は巨大な肉体に対して脳が異様に小さいのだ。

そこに徐々に刺激を与えつつ教育を施して行けば、従来の簡単な命令だけでなく、複雑な指令や我々人間の感情等が理解できるようになる。
それに伴い指先を使った精密な動作(ジェスチャー)を行える事も見受けられ、上手くすれば銃器・刃物等を携行するハンターシリーズが誕生する日もそう遠くは無かろう。

フハハー凄いぞーこれぞBOWの革命やー!!




俺「最初は夢物語だとばかり思ってたのに、まさか本気で成功させてしまうとは…」

俺「まぁ正直最初はあんな奴らを研究所に野放しにするなんて恐怖以外の何者でも無かったんだけども…」



―――水生生物管理室。


ハンターγ「スイ~、スイ~」ミズバハマカセロー



―――植生温室。


ティックス「フェロモーン」ガイチュウハクジョダー


―――警備室。


ハンターβ「ゲラゲラゲラゲラゲラ」モリタサンオモロー



俺「全員(?)異様に馴染んでるし…一部サボってるだけのようにも見えるが」

俺「しかしまぁこれでここの評価も上がれば言った通りの万々歳になる…のか?」

俺「(……ボーナス、増えるといいなぁ……もうじき妹の誕生日だし)」シミジミ





尚、この結果を送りつけられた本社からの回答は。


―――やりたい事は解ったが、誰がここまでやれと言った。


と、半ば投げやりに通達されたのであった。





―――最果て支部の進捗状況…。

―――警備レベルがアップしました。ピロン♪



ハンターシリーズ」
・90年代において開発されたBOWの傑作試作品とも言える兵器群。
簡単な命令を理解し、目標を嬲り殺しにする様は正しく「狩人(ハンター)」の名の如く。

…なのだが、飽くまでも命令は簡単…ともすれば乳幼児レベルの文章しか理解出来ない為、多目的を用途とした作戦には不向きな点が悩みの種であった。

それらの問題点を改善すべく、脳髄に一定の電気刺激を与えつつ教育を施す事により体内のウイルスを活性化させ、知能の促進を図ると共にある種の感情をも理解させるように取り計らった。
その結果見る者全てを殺戮する凶暴性は鳴りを潜め、口頭による命令をも解し、日常においては種々の"道具"を使って指令を遂行するという行動も見せ始めた。


これらの点を纏め、アンブレラ上層部に至急ハンターを改良するようレポートを提出したのだが…。

"教育"に掛かる費用及び日数が、とても"兵器"として許容出来るコストパフォーマンスを超えていた事と。
アークレイの研究チームが実験体:「リサ・トレヴァー」から抽出した寄生生物、通称「ネメシス」の解析に着手し始めた事、そしてそちらの方がコスト的に優れている事。

以上の大まかな2点から、計画は白紙に戻される事となった。

また、実験に使用されたハンターシリーズは現状維持のまま最果て支部預かりとする。

「ハンターα」―――コードネーム:レオナルド
・最果て支部に輸送されたハンターシリーズのリーダー格。
研究員の命令を率先して聞き、他のハンター達を取り纏めている。
指先が最も器用であり、サイズが合う重火器ならば使用する事が出来る。
…が、現状両腕の爪を使ったほうが戦闘能力が高い模様。


「ハンターβ」―――コードネーム:ラファエロ
・同じく輸送されたハンターシリーズの一匹。
戦闘能力は最果て支部随一であり、警備室に所属している。
テレビを見る事が最近のトレンドらしい。


「ハンターγ」―――コードネーム:ドナテロ
・同じく輸送された内の一匹であるが、誕生施設はアークレイでなく欧州の支部。
他のBOWとの比較としてアークレイ支部が譲り受けたが諸々の脆弱性が発覚し、他の数匹と共に処分の予定であったが、見兼ねた最果て支部所長が引き取る事に。
乾燥に弱い為、水生生物を保有している研究室で他の生物と共に水槽で泳いでいる。


「ティックス(ハンター亜種)」―――コードネーム:ミケランジェロ
・他のハンター類が爬虫類をベースにしている事に対し、こちらは"ノミ"や"ダニ"等の小型生物がベースとなっている。
その為知性はやや低いが、それでもこちらの指示はちゃんと聞いてくれている模様。
"実験"の結果皮膚から特殊なフェロモンを分泌する事が確認され、これは他の植物を害する害虫を自身に誘き寄せる、または遠ざけるといった特性を持つ。
以上の能力は研究に使用する植物、昆虫等を捕らえる際に利用される他、外敵に対してそれらを嗾ける等といった"武器"にもなる。

何故彼のみがこのような特性を得る事となったのか、目下研究中である。


尚、彼等の名付け親は全て最果て支部研究所所長である。




俺「……… お こ ら れ ま す Y O !?」

博士「だって、4匹だし…凄い好きやってん…テレ東版…」

俺「そこは嘘でもマイ○ル・ベイ監督って言ってあげましょうや博士ェ!!」



以上です。うん…すごく、好きなんだ……タート○ズ……。
※このスレはバイオハザードSSです。

次はどのBOWにすべか…それではこれにて。

感想有難うございます。アイデアの続く限り続ける方にシフトしました。
そして続き。

俺「故郷の父さん母さんそして妹よ、息災ですか?俺は元気で―――」


―――HEY YO!!ボーイ&ガールズ共!!準備はいいかーい!?


ハンターズ「「「「―――YEAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!」」」」ワアアアアッ!!

プラント「オッケ~ヨ~ン」


俺「……………、」


―――まずは腕の運動だ!リズムに合わせて上下左右!人間共を絡め取る勢いで振りまくれえ!YEAH!!


ハンターα「―――ブンブンブンブンブンブン~♪」
ハンターβ「―――ブンブンブンブンブンブン~♪」
ハンターγ「―――ブンブンブンブンブンブン~♪」
ティックス「―――ブンブンブンブンブンブン~♪」


―――OKだぜファッ○ンガイズ!!続いて足の屈伸行くぜぇぁ!!

―――コイツが終わった暁にはスラリと伸びた二脚がお前らを迎え入れてくれる事間違い無しだZE!!

―――そら3、2、1―――!!


俺「……………………、」

俺「若干訂正します故郷の皆さん」

俺「"実験中は静かに"がモットーの筈の研究室が…」


イビー(赤)「―――セット終了!イビーズブートキャンプはこれにて終幕!!センキュー!!!」


ハンターズ「「「「―――YEAHHHHHHHHHHHHHHHHHHHHH!!」」」」パチパチパチパチパチ!!

プラント「……アシノバセナイワァ……」


俺「いつの間にやらシェイプアッパー共の巣窟と化しておりました…」

俺「というか何だアレは…出勤したら部屋のど真ん中に設置されてたし…」

俺「し か も」


イビー(緑)「―――ハアアアアアアアアアアアア~!!」ブホアー
イビー(青)「―――ホワアアアアアアアアアアア~!!」ベハアー


俺「一匹だけじゃねーし!!!」

俺「植物と思しき人間大の物体が3つ…しかも内2匹は口?から妙な煙を噴いている…」

俺「一体、誰がこんな事を…(棒)」




―――ピンポンパンポーン♪


博士『ザザザ……ブツン!―――それは私の方から説明しよう!』

俺「いやんなこったろうとは思ってましたから態々説明の為に館内放送を使わんで下さいよ!直接ここに来ればいいじゃないですか!!」


博士『そこら辺の事情も含めて説明するから聞いてくれ』

博士『こいつらは「イビー」と言ってな…アンブレラの支部の一つ「ラクーン研究所」で創られた、プラント42の次世代型BOWだ』

博士『正式名称は「プラント43」…まー捻りもへったくれもないネーミングセンスだがそれは置いといて』

博士『要は兵器としては大型過ぎたプラント42を人型サイズまで小さくした後に運用しようとしたらしいのだが…』

博士『汎用性と耐久性低さから今一歩の所で正式採用されてはいないようだ』

博士『―――はっ、ざまあwww』


俺「(同僚に向けて"ざまあ"っつったぞこの人)」


博士『まあ、そんなこんなで更なる改良案が無いかと各支部に向けて通達されてな』

博士『当然この支部にも命令が来たので、これ幸いにと数匹をサンプルとして貰い受けた訳だ』

俺「………で、アレですか?」





イビー(赤)「オゥケェイ!レッツパーリイィィィィィ!!!」クネクネクネクネ


イビー(緑)「―――ハアアアアアアアアアアアア~!!」ブホアー
イビー(青)「―――ホワアアアアアアアアアアア~!!」ベハアー



博士『その通り。私の丹精込めた改良の結果だ』

俺「ぶっちゃけて言うと実験の邪魔なんですけど」

博士『君もズバッと言いよるね』

博士『まあ、私も正直言うと若干調子に乗りすぎた部分があると否定はしないが』

俺「(若干……?)」

博士『だが、それなりに意味はあるんだぞ?まずあのイビー(赤)だが…』

博士『ああして一見喋っているように見えるが、実は彼自身の声ではない』


―――「イビー」は二足歩行型のBOWだが人間のように脳髄がある訳ではなく、身体の大部分が茎や蔦に水を送り込む為の植物組織である故空洞に近い。
そこでハンター達のウイルスを活性化させた時の技術を使い、イビーの空洞組織に対して「ある一定の周波数」を当てる事で変質を促すようにした。

そうする事により引き金となる音をイビーに聴かせると、体組織が「"その時"イビーに当てられた音域」を擬似的に反芻、または登録されるように出来るのだ。

言ってしまえば歩くカセットウォークマンだな。※バイオ1の頃の出来事ですので時代背景は90年代です。




俺「うぅ~ん、解るような解らんような…」

博士『じゃああれだ、大きな音を鳴らすと動く花の玩具』

俺「(解り易いけど身も蓋も無い事を言い出したぞこの人)」

俺「……あれ?でもそれって兵器として何の役に立つんです?」

博士『………………、』

博士『ええと、次にそこの緑と青のイビーだが』

俺「(うわぁ、露骨に無視だよ)」



―――緑のイビーはあのようにして煙を噴いているが、あれは毒ではなく内部で生成された"花粉"を吐き出しているのだ。
この花粉は極々微小な欠片…部屋に舞うホコリや、更に小さいダニやノミ…果ては人体に有害な菌やウイルスまでをも結合・無害化してしまう特性を持つ。
飽くまでも花粉が届く範囲のみだが普通の部屋であればこれ一匹で風邪などの体調不良とはオサラバだろうな。


―――最後に青のイビー、あれもまた花粉を吐いているが特性は温度調節となっている。
外部からの刺激によって自動的に我々人類の活動に最も最適な温度・湿度を算出し、口から吐き出す花粉によってその調節を行う。
花粉は外気温が暑ければ熱を奪い、寒ければ熱を発する等それぞれ独自の働きを行う。
これ一匹で夏場の不快指数やら冬場の身を切るような寒さからは縁を切れるぞ。




博士『以上だ、何か他に質問はあるかね?』

俺「(話を聞いてるとつくづく凄いのは解るんだけどどこまでも兵器とは無関係なんだよなぁ…)」

俺「…あれ?そういえば…」

俺「博士、結局研究室に来ないで館内放送を使ってる説明をまだされてませんよ?」

博士『………、』

俺「………??」

博士『…イビーの根本特性上、(赤)以外の能力行使には花粉を飛ばすのが必要不可欠となってしまってな…』

俺「それが何か問題でも?」

博士『………、』








―――私は。


―――花粉症なのだ。








俺「…………………………………………、」


それなら、しょうがないっすね。

と、切なげに呟かれたその言葉は。



イビー(赤)「歩道橋の~♪上からぁ~♪見かけた革ジャンにぃ~♪」クネクネクネクネ

ハンターズ「「「「―――ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!!」」」」

プラント「…テナガイナカムリダワァ…」


イビー(緑)「―――ハアアアアアアアアアアアア~!!」ブホアー
イビー(青)「―――ホワアアアアアアアアアアア~!!」ベハアー



ライブハウスと化した研究室の喧騒に。

溶けて消えた。

「イビー」
・アンブレラ支部の一つ「ラクーン研究所」で創られた植物型BOW。
アークレイ研究所で誕生した「プラント42」のデータを基にして作成、人型にまでダウンサイジングさせる事に成功している。
人の形をしているが脳髄や筋肉がある訳では無く、飽くまでも構成組織は植物のソレ。
それ故戦場に於いての汎用性と重火器に晒された際の耐久性の問題から各支部に改善案が通達され、それと共に送られた数匹のサンプルを最果て支部の所長が改良?した物。

赤、緑、青の三種類が作られ、それぞれ能力は以下の通りとなっている。

「イビー(赤)」
・ハンターの知能を上げる際の電流技術の応用で凶暴性を下げ、細胞全体に新たなパターンを形成させた。
それはある一定の音域に組織が晒されると、全身を使って(当時の)音を表現するという物で、全身を震わせて空洞から音を排出し再現する様は管楽器さながら。
…なので、決してイビー自身が喋っている訳では無い。イビー自体には脳髄も声帯も無いのだから。
…そう、決して。

「イビー(緑)」
・(赤)同じように素体に電流を流された際に、(赤)とはまた違った特性を持つようになったイビー。
(赤)とは違い殆ど動かず口と思しき花弁部位から絶え間なく煙状のモヤを吐いているが、これは極々微小な"花粉"であり同じく中空に浮いた各種の物質と接着する特性を持つ。
結合した物質は花粉に包まれ大概のモノは無毒化、或いは無害化され地面に落ちる。
但しある種のDNAが同質であるT-ウイルスは無害化出来ず、更には花粉特有のアレルゲンまでは無効になってはいない模様。
また外部から摂取してしまった菌やウイルス等も同様に無毒には出来ないという欠点もある。

「イビー(青)」
・(赤)(緑)と同じく変質したイビー。
特性も(緑)と同じで口より花粉を吐く、が(緑)とはまた大分違った物となっている。
(青)は花粉を吐く直前に体組織からの刺激…温度を感知し、それにより吐き出す花粉を都度変化させている。
室内が暑ければ熱を奪う花粉を、寒ければ熱を発する花粉を。
その為、(青)が存在する室内には暑さも寒さもなく、あるのは"快適"の二文字だけとなる。
…しかし、温度調節に使用しているのが矢張り花粉の為どうしてもアレルゲンとは無関係に出来なかった模様。


以上のデータを纏め、アンブレラ本部へと送信したのだが。
数日後。


「我々は製薬会社であって家電製品屋ではない」


という、至極尤もな返答が返って来た。

以上です。貴方の家にも一家に一匹、イビーどうっすか?
但し花粉症の覚悟は必須。薬が頻出してしまうな…。

…あ、アンブレラも製薬会社だったなそういえば。あすこの薬は絶対に飲みたくないけど。

これからの季節ということで、お粗末。

それではこれにて。

今回シリアスさんが若干息を吹き返す模様。

それでは本日分。

―――とある研究員のメモ書きがある…。

・先日、本社より送られてきたDMに「アークレイ研究所の閉鎖」という項目があった。
正直寝耳に水で、即本社に内容の是非を問うてみたのだが…。結果はナシの礫。

秘匿レベルSランクに位置する情報という事で、一研究員である自分には詳細を聞くことは愚か書類に目を通す事すら不可能であった。
自分がアークレイより追放されて数日後に幹部養成所が責任者行方不明の為に閉鎖され、今度は研究所そのものが。

一体、何があったというのだろうか…。

"表向き"は施設の老朽化に伴った移転という題目が掲げられていたが、正直疑わしい。
あそこは確かに設立されてから長い年月こそ経ってはいるが、その当時最高峰の技術と設備が整えられていた筈だ。

多少の老朽程度で揺らぐ訳が…。

まさか。
ウイルスの件で何か事故でも起こったというのだろうか?

いや、そこれこそまさかだろう。
分解、処理施設とて一級の機器が備え付けられていた研究所なのだ。

多少の漏洩程度ならばどうとでも。

……。

せめて、あそこに居た当時の仲間の居所だけでもと電話を鳴らすが人事部の連中は「知らぬ存ぜぬ」の一点張り。

皆無事なのだろうか。

後ろ足で砂をかけてしまった身分とはいえこうなってしまうと寝覚めが悪い。

いっその事"博士"にでも相談してみようかと思ったが、間の悪い事に出張中とのお達しだ。

恐らく数日は戻らないだろうとの事で、これ以上の追求は現時点では不可能であった。

全く。

一体、何処に行ってしまったのやら…。


―――日記帳?がある。
―――子供が書きなぐったかのような文体だ。



【1】
・やっとお母さんに会えたと思ったのに、そこから先のきおくが無い。
とても冷たくて暗い所にいたような…。

あたまがいたい、ふらふらする…。


【2】
・思い出してきた。お母さんだけじゃない、お父さんも探してあげないと。
どうして今まで忘れていたんだろう。

お母さん、苦しいかもだけどもう少しだけ我慢してね。


【3】
・お母さんを抱えて暗い所を歩いていたらヘンなヒトに会った。
お父さん?…違う、お父さんじゃない!偽物だ。

お父さんを返せ!!


【4】
・お父さんじゃないヒトがわたしに言った。「私は、君の敵じゃないよ」って。
そんなのウソだ。お母さんも騙された、お父さんも騙された。

信じるもんか。


【5】
・お父さんじゃないヒトに無理矢理何処かに連れてこられた。
目を開けると暗くてじめじめ…。

…お父さん?

お父さんのニオイだ!

あたまだけだけになっているけれど絶対にお父さんだ!

お父さんお母さん、二人にやっと会えた!!

もう絶対に離さない!



【6】
・お父さんじゃないヒトはわたしをお父さんに会わせてくれた。

…もしかして本当にいいひとなのかな?

手に付いたじゃらじゃらも取ってくれた。

信じていいの?


【7】
・いいひとはお父さんとお母さんがあんしんして眠れるようにベッドを作ってくれた。
ベッドの周りにはお花が沢山咲いてて、すごくきれいだった。

お父さんとお母さん、これでもうべつべつにならないね。

ずっと一緒。


【8】
・きょうはお母さんとお父さんのベッドをぴかぴかにしてあげた。
お花さんにもお水をあげた。きらきら光ってとても綺麗。

いいひとはわたしに「ずっとここに居ていいよ」って言ってくれた。

きょうもあしたもあさっても。

わたしたち三人ずっといっしょ。


ずっと、ずっと…。



―――日記はここで途切れている…。


俺「………………。」

俺「えー。故郷の父さん母さんそして妹ry、息災ry―――」

俺「博士が出張から帰ってきたんで、早速質問を投げかけようとしたのですが…」






リサ「アウウ……アアー……」トコトコ






俺「…おもっくそ不審者が研究室に紛れ込んでやがるーっ!?」ガボーン


博士「ああ、俺君こんな所に居たのか」

俺「博士、これはいったい…!?」

博士「紹介しよう―――」




博士「今日からここの事 務 員になったリサ・トレヴァー君だ」ドヤァ…

リサ「アアー……ウウー……」ノタノタ





俺「…………………………、」

俺「……………えっ?」

博士「いやね、最近事務仕事が増えてきたのにも関わらず新人が来ないもんだからいっそこちらからスカウトしてみようかなと思って―――と」

俺「……そりゃあ、職場が世界の果てですからねぇ…っていうか…」

俺「この人相?風体で事務員を務めさせようと…!?」


リサ「マ……マァ……」ボ~


博士「…何かね君は?人種差別主義者とでも言うのかね?」

俺「いや別に個人のイデオロギーとかはどうでもいいんですけど…ええ…(困惑)」


リサ「ウア…アアア……」


博士「ちょいとシャイな所があるのが偶に傷だがこちらの言葉はそれなりに理解している。大丈夫だ問題無い」

俺「…こんなエキセントリックなアクセサリ(人皮製)つけてる時点でシャイもへったくれも無いような気もしますが?」ヒクヒク

博士「チャーミングだろう?」

俺「同意を求めんで下さい」


リサ「ウウー、オオオー…」ウゾウゾ


俺「…何か、触手とか生えてるんですけど」

博士「きっと年頃の男性と一緒なので照れてるんだろう。いやぁー、憎いねこの、この」ツンツン

俺「…………、」イラッ

博士「……で、私に質問があるらしいけど、何かね?」

俺「……………、」



―――いや、もういいです。




その時の彼の瞳には。

これ以上無い程。

投げやりなオーラが見え隠れしていた。




と、同室内に居たプラントのガン子は後に(ボディランゲージで)、そう述懐した。


「リサ・トレヴァー」
・アークレイ支部にて特別観察下にあった実験体の一つ。
同個体は試作ウイルスをその身に定着させる事に成功し、この成果により「T-ウイルス」が無事日の目を見る事となった。
その後も寄生体「ネメシス」の発見や当時研究主任であった"ウィリアム・バーキン"に何らかの閃きを与える等、アンブレラに与えた影響は絶大と言えた。

…が、ウイルスの副作用からか精神に異常をきたし、女性・男性問わず研究員の「顔の皮を剥ぐ」等の奇行が度々見受けられた事。
度重なる薬の投与により、既に肉体の変貌が限界に達しておりこれ以上の目新しいデータは得られないという事。

以上の2点から廃棄処分が決定された。

それにより生命活動を停止していた筈なのだが……。



――――――――――――以下、検閲――――――――――――――


…"出張"の名目で単身アークレイへと赴いた際に機能不全に陥っていた同個体と接触、抑制剤を投与する。
結果、完全とは言えないものの若干理性を取り戻したような行動を取る。

その際多少の戦闘行為に移る、が彼女の望む結果を提示した上での説得により敵対行動は停止した模様。

心情を鑑みて、出来うる事ならば両親の元に居させてやりたいと本社に無断で彼女を回収(その際、同じく廃棄処分を受けていた数体のBOWも共に回収)。

現在に至る。

彼女の処遇は数名の監視の下による保護観察として、最果て支部預かりとする。

尚この情報は第一級秘匿扱いとして、以後漏洩には十全の注意を払われたし。
万が一他者の口より情報が漏れでた際には該当する者の生命の危険があるという事を重々鑑みたし。


―――この書類は責任者以下数名が目を通した後、焼却処分とする。


アンブレラ最果て支部・所長印。





―――アンブレラ・最果て支部の進捗状況…。

―――事務員が増えました。ピロン♪



>>1「お前が若干息を吹き返したと言ったな?」

シリアスさん「そ、そうだ>>1。助け―――」


>>1「あれは嘘だ」

シリアスさん「ああああああああああああ―――!」


彼女の魂が永遠の安らぎに包まれる事を信じつつ。

それではこれにて。

了解……本日分……投稿シマス……。


俺「ええ、家族の皆様以下省略…俺です」

俺「多少の懸念事項は残っているものの、博士も戻ってきたので研究を再開…」


俺「…したかったんですけどぉ…」



巨漢A「―――ヌゥーン…」
巨漢B「―――ズーン…」



俺「正門の所にどうみてもカタギじゃない警備員(?)が2名居て立ち往生中ですぅ…」


俺「身長は2m越え、肌は鉛色。筋肉モリモリマッチョマンの変態だぁ…」

俺「っていうかアレどっかで見た事あるような…?何処だったっけかなあ…」

俺「…確か未だアークレイに居た時に見た資料の中に…」


―――そこから先は。
―――私が説明しよう!




俺「…人が思い起こそうとしている時に横槍を入れるのは辞めにしてくれませんか博士?」

博士「だって君が思い出しちゃうと私の出番が無くなっちゃうんだもの」

俺「別につらつら説明してくれんでも博士製だってのは一目で解りますし、おすし」

博士「さて今回のバイオオーガニックウェポンわぁーっ!!」

俺「(強引に進めるつもりだぜこの人…)」

博士「この間私が"出張"した時に拾ってきた廃棄品のBOWに、研究所で培って来たノウハウを統合して造り上げた合成BOW…」

俺「(…拾……何??なんつった今???)」


博士「その名も"タイラント・P"と"タイラント・L"!!」



博士「"T・ブラザーズ"だぁーっ!!!」パチパチパチパチ!!!



巨漢A(タイラント・P)「……ドーモ」
巨漢B(タイラント・L)「……タイラント=デス」



俺「…タイラント?」

俺「タイラントって…"あの"タイラントですか?」

博士「応ともよ!!」


―――アークレイのエリート連中が躍起になって造っていたはいいが、ものの見事に失敗しやがってやんの。
原因はウイルスの急激な変化に身体と脳が耐え切れずに所々崩壊してしまって制御不能になってしまったとか。
そしてそれが元で廃棄処分。
…になっていた筈なんだが、どうにも息を吹き返したのかなんなのか…良くはわからんが創られた施設から大分離れた場所で機能不全になっていたのでね。
私がパク…もとい、有効利用してやろうとして回収してきたのさ。


俺「(今"パク…"とか言いかけやがったぞこの人)」

俺「聞いててあれですが、よくもまあそんな三行半突きつけられたポンコツを使おうと思いましたね?」



―――そこだ。
要は身体を蝕むウイルスの動きさえ阻害してしまえば秘めたポテンシャルは正式版と全く同じであるという観点を鑑みて…。
彼の全身にプラントやイビー等で培ったノウハウである、「植物製遺伝子」を組み込んでみた。
するとどうだろうか。
タイラントの体液に反応した植物の組織と思しき物体が"芽"を出して彼の身体を覆ったのだよ。
それが俗に言う"リミッター"の様な働きになり、更には体内に入ったウイルス同士が化学反応を起こしてそれ以上の脳細胞の破壊を塞き止めたのだ。

後は諸々の調整であの通りよ。


―――んで「L型」は………まあ、その、あれだ。
色々あってリサ君と同時に回収出来たのはいいんだが…四肢がバラバラになっててなあ…。

幸い頭部がほぼ無事だったのと、生体反応自体がウイルスのおかげでまだ残ってたのでね。
パーツを集められるだけ集めてくっつけるだけくっつけて…ハンター達に使っていた電流措置で何とか蘇生…したまでは良かったんだけどなあ。



俺「………?」


博士「ぶっちゃけ、カッコつけて正門に配備したはいいものの…」

博士「…ちょっと、俺君L型に近寄ってみてくれない?」


俺「(めっちゃ嫌な悪寒はするけど)…まあ、いいですよ」

俺「いきなり爪で腹部を貫いたりしませんよね?」

博士「まるで見てきたかのように具体的な被害だな…そこら辺は信用してくれ、凶暴性は全く無いから」

博士「というか常日頃から思っている事なのだが…兵器を造る場合って1も2もなくまず"安全性"から模索していくもんじゃないかね?」

博士「幾ら醜悪な生体実験が必須だからとはいえ先ずは脳改造その他から済ませた上でやれば犠牲や被害も少なかろうに…ブツブツ…だから逃亡されるんだ…ブツブツ」

俺「何ブツブツ具体的な被害を述べてるんですか…行きますよ?」


タイラントL「………、」バッチコーイ


俺「(何かジッとこっち見てるし…)………、」

俺「…………お?」


俺「お、お、お……おおおお?」

俺「な、何だ……勝手に腕が……身体が!?」



俺「……吸い寄せられる!?」






―――何か蘇った際の副作用か解らないんだけど、体内組織が妙な帯電性を持っちゃったらしくてなあ。
時折こうして生体電磁場を発生させちゃうんで、精密機器がある研究所には入れられんのよ。

だからP型共々こうして研究所の門番させときゃあ一応安全かなあ、と。





俺「……ほほう、それはそれは……」

俺「…で、俺はこれから―――」



俺「…このマッチョマンの肉体からどう離れれば良いと?」ボタントネクタイピンガ…
タイラントL「……………、」ピッタリ



博士「……ほう、成る程成る程。磁場の発生範囲はあの距離が限界か…」カキカキ


俺「何メモ取ってやがるんですか博士ぇ!?ちょっと、早くコイツから離れさしてくださいよ!?」ピッタリ
タイラントL「……………………、」ピッチリ


博士「……ああ、暫くすれば体内電流も放出されて弱まるから。多分、恐らく、きっと…」

俺「多分!?科学者が多分ですってよ奥さん!!チキショウ、ハメやがったな博士ぇ!!安全性云々の話はどうしたぁ!!」
タイラントL「…………………、」

博士「人間は知性を振るいつつも、時には無謀とも言える挑戦に挑んでこそが閃きへの近道となる…」カキカキ

俺「含蓄含んだ言葉を述べつつメモを取る手は止めねえ!?忘れてたよこの人もアンブレラの人間だって事をよぉ!!」
タイラントL「………………、」

タイラントL「………………、」


タイラントL「………………ポッ///」


俺「オイィ!!何だ今の"ポッ"って擬音は!?顔を赤らめさせるんじゃねえよ究極(笑)!!」





―――はーなーせー!!

―――はーなーせーよー!!!


―――………!!!!!!


その後、見事タイラントから離れる事に成功したのは。
実に「離せぇ!!」を78回叫んだ後であった。




タイラントP「………………、」ア、チョウチョ…




―――最果て支部の進捗状況…。

―――"新しい警備員"が二名配備されました。ピロン♪


「プロトタイラント」
・嘗て幹部養成所内部の研究施設にて「究極のBOW」の創造という名目の下、主の命令を聞く完全自律型の人型兵器を目指し創り出された…その第0号とも呼べるモノ。
試作に試作を重ねた上で生まれた当兵器は、当時のBOWの中でも史上類を見ない程の戦闘能力を持っていたとされる。
しかしT-ウイルスが齎す急激な変化に素体がついていけず、遂には心臓と脊椎の露出という大きな弱点を曝け出した挙句脳細胞の破壊と共に制御不能に陥ってしまった。
結局プロトタイプは破棄を余儀なくされ、生体活動を停止、幹部養成所の崩壊と共に永遠の眠りにつく…筈だったのだが。
"何らか"の外的要因が元で息を吹き返し養成所内部を徘徊していた……とされる。

が、当該個体は別の更なる要因(何者かとの戦闘行為の果てと推測される)にて再び機能不全となっていた。


「タイラント・Type-P」
・上記のプロトタイラントを回収、素体ベースとして更に「プラントシリーズ」の組織を一部肉体に移植。
結果、植物性の「樹皮」と思しき「鎧」を形成(タイラントの体液と混ざりあった結果と推測される、が詳しい状況は不明)。
露出していた心臓及び脊椎が完全にカバーされると同時に、変貌し続けていたタイラントの肉体を抑制する"リミッター"のような特性も持ち始めた。
変化はそれだけに留まらず、体内に入ったウイルス同士が結合し合った結果脳細胞の破壊が停止、それによる人格形成の余地も生まれる事となった。

偶然が重なり合っただけなのか、それともこうなることを予期した上でのことかは不明だが。
一時はスクラップとして廃棄処分を受けていた"暴君"は理性と言う名の鎧を纏い、今再びの生を最果て支部の"警備員"として受け続けている。

「タイラント」
・プロトタイラントの失敗を糧に創り出された試作型…の、筈だったのだが。
起動の瞬間に何らかのバグがあったのか、それとも根本プログラムから間違っていたのかは不明だが目覚めた彼は管理者の思惑を外れ暴走を引き起こした。
(この暴走が引き金となり、社員の一人が命を落としたとされる)
挙句の果てに素体諸共爆破され、貴重な実践データは全て灰燼に帰す事となった…。


「タイラント・Type-L」
・上記の試作型を研究所の瓦礫から引き上げ、つたないながらも継ぎ接ぎをしつつ電流実験の果てに蘇らせたのが当個体である。
一度完全なる機能不全=死=を経て再起動した故か、それともハンターシリーズと同様に脳に流れた電流が何らかの作用をしたのか不明ではあるが、暴走は見られてはいない。
不幸中の幸いか全身に電流を流した事により細胞の一つ一つが微弱な電流を持ち、時にそれらを繋ぎ合わせることで電磁場のような力場を発生させるという特性を持って再生され。
これにより、当個体もType-Pと同じように身体にリミッターがかけられた状態と同じ様相となった模様。

この磁場は精密機器を多少ながらも狂わせたり、または磁力を帯びるモノを引き寄せてしまう性質を持っている為詳しい検査・研究が出来ず。
しかしながらこれは蘇らせた時に偶然芽生えた、言わば副産物のような物であり、これが果たして他にどのような特性へと派生して行くのか目下の所何も分かっていないという点が正直な推論である。

現在は「互いの監視」という名目もありつつ、最果て支部所属の"警備員"として侵入者の行く手を阻んでいる。

――――――以下、検閲――――――



・回収したBOWは飽くまでも当支部内で観察下に置くモノとする。
・この件、或いは類似する事柄について本社からの追求を受けた場合、該当するダミーデータを送られたし。
・もしもと思しき場合は直ちに私の直通電話に繋がれたし。

・エトセトラ、エトセトラ…。


尚、解っているとは思うが該当書類は全て焼却処分とする。
…時期が来るまで、くれぐれも情報を他支部に漏らさぬ事。

アンブレラ最果て支部・所長印


―――所長宛のFAXがある…。



・"例の件"だが、本社の上の方は針につつかれたかのような大騒ぎだ。
お前さんの不安が的中したようだな。

ラクーンの汚染は正直言ってもうどうしようもないように思えるが…。

それでも向かいたいってんなら止めはせんよ。

命の保証は出来んがね。



送信者・不明。

この(作中時間で)数年後、マジで電気を纏うタイラント型BOWが出現するなんてお釈迦様でも気づくめえ。

尚、二体のタイラントを飽くまでも作中兵器で攻略するならば…。

P型:硬皮の特性上グレネード、火炎、硫酸、及び並の銃弾はほぼボディには通らず。
  やるならば高威力の火器を頭部へ、または冷凍弾の使用が望ましい。

L型:帯電中は銃弾は通らず、電気が消えた頃を見計らっての集中砲火が鍵。
  または液体を掛けて漏電させるか。…荷電粒子ライフル?うっ頭が…。


ま、今の所兵器として使う予定は無いんですがねぇ…。
現時点では「とっても高価なフランケンシュタイン」でしかない。

それではこれにて。

―――何者かの日記が落ちている…。



【1】
・さる大企業直属の警備部門へと配属になって早数日となるが。
いやはやエリートという生き物はどうにもこうにも…。
こちらの些細なミスを見つけてはグチグチと嫌味を述べて来やがる。
この間は別の研究室に移送した機材に傷があったとかで呼び出しを食らっちまった。
全く。俺たちの仕事はここの警備であって、運び屋じゃないんだ。

まあ、実入りは多いから我慢はするがね。


【2】
・全く冗談じゃない。
あのモヤシ野郎、通路でちょっと肩がぶつかった程度で唾を飛ばすほど喚き散らしやがって。
おかげでこっちは部長から大目玉。ツイてないぜ。
何でもぶつかった野郎はあの「アークレイ」の研究主任だとか…。

あんなのと四六時中顔を合わせなきゃならん連中には、お気の毒としか言いようがないよ。


【3】
・ああ、思い出すだけで怒りがこみ上げて来る!
社内を巡回中に、廊下で小さな女の子を見かけたんで「勝手に入るんじゃない」と注意をしたら…まるでゴミを見るかのような冷たい目線を向けてきやがった。
思わず掴みかかりそうになったのを同僚に止められた。話を聞くと、あの小娘は先日のモヤシ野郎と同じで支部の一つを任されている研究主任だとか。
…まだ10かそこらにも関わらず、だとよ。
へっ、笑っちまう。天才だか何だか知らんが、あの冷たい目つき…人間として大事なもんがどっか抜け落ちてるんじゃあねえのか?



【4】
・数ヶ月経った。
月始めの定例会議やら何やらで人の出入りが多くなっているが…どいつもこいつもロクなもんじゃねえ。
年がら年中刃物をいじくっている軍服の男に襟までキッチリボタン留めした神経質そうな男、何が楽しいんだか化粧までしてる男まで居やがる。
いつからここはハロウィン会場になったのかと首を捻りたくなる。
そんな中にありながら、一際異質だったのが「あの男」…。

ああいや、異質というのは少し違うな。
会議に出席している「連中」と比べると随分マトモそうな…そういった意味での異質だったからか、妙に印象に残っていた。
研究員の立ち話を耳にした所、何でも連中の間じゃ「博士」と呼ばれているそうだ。


【5】
・件の「博士」と話をした。
正確に言えば、「博士」の方から俺に話しかけてきたんだがね。
印象の通り「博士」はとても気さくで、研究員特有の神経質そうな感じも他の連中のような他人を見下す感じも見受けられない。
有り体に言って「良いヤツ」な雰囲気そのままの人物像だった。
(まあ最も、趣味の悪いサングラスの所為でファッションセンスは最悪に近いが)

そのまま小一時間詰所でやくたもない話に華を咲かせつつそのまま別れちまったが、科学者にもああいう人が居るんだなと目から鱗が落ちる思いだった。

全く、他の鼻持ちならないエリート連中も少しは見習えってんだ。


―――ある科学者の手記。


・ある者は己の知識欲を満たす為に、またある者はそれが齎す富や名声、或いは絶大なる権力を手にする為に。
そういった、種々なる"力"を求める者が集う伏魔殿。

それが「アンブレラ(傘)」に隠された本質と言えた。

だが"彼"はそういった"力"への渇望とは…そう、凡そ縁遠い性格の持ち主であった。
もし"彼"が本気でアンブレラの基本理念に沿うような形でその手腕を振るっていれば、今頃我社の名声はもっと確固たるモノと化していたであろう。
本社に所属するだけのいち研究者に過ぎない私であってもそう確信させられる程の逸材であったのだ。

しかし、"彼"はそれを行うのを全く良しとしなかった。
己の主義主張を、会社の理念とは真っ向から対峙する物と十全に理解して、最後まで貫き通そうとした。

無論そんな甘っちょろい理想論は"傘"を支える"骨"達からすれば到底理解出来るモノではなく…。
遂にはその身を、一地方の研究所長に就任させるといった形で"更迭"させられてしまった。

だがそのような境遇となったにも関わらず、彼は己の研究理念を改める事を一切しなかった。
少ない資材と少ない人材でやりくりしなければならない過酷な環境の渦中でありながら、彼は心から満足しつつ研究に打ち込んでいた。

一体、何が彼をそこまで駆り立てるのであろうか。
信念に裏打ちされた頑固なまでのその姿勢に、いつしか"彼"を知る者達は彼をこぞってこう呼び始めた。


「博士」、と。



ある者は尊敬の念を込め、またある者は侮蔑の意思を隠そうともせずに。
紡がれるその単語には様々な意味合いが込められていた。

私は前者であるが…彼と表向きの立場を同じとする各支部長達はほぼ全てが後者であった。

まあ、無理もない。
良くも悪くもエリート意識に凝り固まった連中からしてみれば、博士の行動理念は向上心と合理性を忌避しただけの"負け犬の遠吠え"とも言えたからだ。
それが我が物顔で定例会議の末席に名を連ねているのだから…特に南極支部とアークレイ支部の面々からしてみれば忌々しいの一言に尽きるだろう。
最も博士自身、そんな彼等を「鼻持ちならないエリート共」と嫌悪していたのでどっちもどっちではあるが。

ただ…そんなエリートの言葉を借り受ける訳では決して無いのだが。
私自身も、一つだけ解せない事があるのは否定できない。

確かに博士は紛れもない天才であり、企業理念に沿ってはいないと言われつつもある一定の成果を常に挙げ続けていた。
だが、それだけで果たして(更迭という処遇ではあるが)支部長の立場に就任出来るものなのだろうか?

我が社は上層部の意向にそぐわぬ者、また傘の内部を暴こうとする者、威光を利用するだけの愚者には欠片程の容赦もしない。

そういった者達はほぼ例外なく"クビ"となるか社会的地位を全て抹消された挙句に陸の孤島とされる、"ある場所"へと送られる。
だが本社からは博士に対してそういった辞令を出す動きは、これまで全くと言っていい程見られていない。

若い研究員達の間では「きっと博士は上層部の連中の弱みを握っているんだ」と愚にもつかない噂が蔓延しているが…。

いずれにせよ、謎が尽きない人物だということだ。
あの「博士」は。


―――ある科学者の手記・その2。


・「私の腕は傘と一体化してしまっている」

そんな風に"博士"が呟いたのは本社による"更迭"が決定して、実に数日後の事だった。
ひょんな事から博士と共に、恐らく最後となるであろう食事を取る機会に恵まれた自分は酒を入れた勢いも手伝ってか、つい。

「何故、こんな仕打ちを受けてまでアンブレラにしがみつこうとするのか?」

などと、失礼にも当たりかねない質問を投げかけてしまった。
が、博士は気を悪くしたような素振りを全く見せずに冒頭の一文を言ってのけたのだ。

正直意外であった。
本社の人間からは博士が齎す数々の"成果"を散々こき下ろした挙句に再三に渡って改善を警告する声が後を絶たない。
研究者としての立場から言ってしまえば、そんな連中は忌むべき存在であり、またそれは彼らにとっての博士も同義と言える。

にも関わらず博士はアンブレラに対して一定の忠節を持っているかのような発言を述べた…。
いや、あの言葉からはそれ以外の"何か"がにじみ出て来ていたような…一言では説明出来ない、複雑な感情が含まれていると思わせる"何か"。
だが自分の方からそれ以上の追求など出来る筈もなく…。

結局その日はお開きとなり、自分は内に生まれた疑問を言えないままに博士は聞いた事も無いような土地に放逐されてしまった。
あの言葉の真意を聞く機会は永久に失われる事となったのだ。

もし、あの時勇気を以て口を開いていれば。
博士は自分に真意を語ってくれたのだろうか。

それとも…。

以上です。今回のBOWコーナーはお休みなんどす。すまぬ…すまぬ。

「博士」の存在感が膨れ上がってきたので、これからはこうしてちょくちょく本家バイオよろしく日記&手記形式で情報などを出して行きますです。
"誰"とは申しませんが一部科学者からはその功名心の薄さから蛇蝎の如く嫌われてるか侮られている模様。

それではこれにて。

ええ皆さんお待ちかね(?)の今日のBOWのコーナーはーじまーるよー。
…前回日記形式だけじゃダメじゃね?という天の声を受けたのでそれはもう急ピッチ。

今回は初期バイオシリーズでグロキモさ1、2位を争う「アレら」です。


俺「家族の皆様お元気でしょうか?私は"一応"元気です…俺です」

俺「本社への研究成果の中間提出期限が目前まで迫っているので最近徹夜続きです、へとへとです」

俺「…いや、この道(研究職)を選んだ時点でそういった健康的な生活とはほぼ無縁になるのは覚悟の上だったんでそれはいい。いいんだ」

俺「問題は……」チラリ





―――所長からの通達文がある。



・俺君へ。
個人的にどーしてもやらなくてはならない仕事が出来てしまったのでそちらへ向かいます。
レオ(レオナルドの略式読み=ハンター)達とP君L君(前回のタイラントブラザーズ)も護衛に同行させますので心配は毛程もいりません。
多分数日は研究所を空けることになるので、その間の実験の主導権は君に任せます。
大丈夫、君ならやれる。やればわかるさb



PS.
私が作成したBOWの選定と観察もヨロシコ♪





俺「……………文章が古いですよ博士ェ」

俺「この猫の手…いや、BOWの手すら借り受けたい時にあん人はよぉ…」アタマイテェ

俺「道理で出勤した時の研究室が静かだと…」


―――いやあああ!
―――止めて!来ないで!!

―――へっへっへ…。
―――そんな事言ってよ、ここはもうパンパンだぜぇ…?


俺「……………、」

俺「静かだと…」


―――これ以上やると人を呼ぶわよ!

―――呼びたきゃ呼びなよぉ…見られながらっつーのもオツなモンだからよぉ…。




俺「………、」


俺「静……」



―――痛くしない。痛くしないからさぁ…。


―――だから。





蝶?「―――ナァ…ジュフン(受粉)シヨウヤァ…」ガサガサガサガサ



―――そんなこと言って。
―――私にいやらしいことするつもりでしょう!?




プラント「―――エロドウジンミタイニッ!!」ジタバタ!!




俺「……………………………、」

俺「止めんかアホタレ」ズビシッ


蝶?「アベシッ!!?」

プラント「アアン、ヒドゥイ!!」


俺「ガサガサ喧しいと思ったらガン子のヤツに人間大の蝶みてえな野郎?がまとわりついてやがりました」

俺「しかも」


蝶?「イテェヨダンナァ、ホンノジョウダンノツモリデシタノニヨォ」ガサガサガサガサガサ


俺「………ぶっちゃけて言うと」





俺「キ モ イ で す」

蝶?「ガ━━(;゚Д゚)━━ン!!」




俺「いやだって何か身体がアンバランスっつーの?面は蝶っぽいんだけど半身のソレ何だ?蝶の羽っつーよりなんか…」

俺「……"蠅"、みたいな……」


―――では本日も!
―――この私が説明しよう!!


俺「そ、その声は博士……!?(棒)出張していたんじゃあ……!(棒)」


―――ふっふっふっふっふっふっふ…。
―――それはだね…。


イビー(赤)『こんな事もあろうかと!!イビー(赤)に私の肉声をコピーさせておいてああよかった!!』クネクネクネクネ


俺「煩いんなこったろうと思ったわいいからとっとと説明しろよこちとら実験で忙しいんじゃこれ以上わずらわせるとP-εガス※ぶちまけんぞ」

※P-εガス:BOWを弱体化させる気体化学兵器。但し一定の時間である種の抵抗力を身につけてしまわれかねない危険性も孕んでいる。


イビー(赤)「(ボソッ)やれるもんならやってみなあ…見事毒化してやんぞ…!」ウゾウゾウゾウゾウゾ

俺「……は?今なんつった??」


イビー(赤)『まあそんなどうでもいい話はさておいて!!』クネクネクネ

俺「(こいつ、実は喋れるんじゃあるまいな?)」


―――彼"等"の名前は「キメラ」。
名前が示す通りの合成BOWの初期型であり、何とヒトの卵子とハエの遺伝子をかけ合わせた上で人間に「産ませて」完成したらしい。
…正直何考えてこんなモノ作ったかと思ったが制御用BOWの開発が急務だった事もあってか、そういった試みを誰も止められなかったのだろうな…。
ヒトの業とは何と深き事か…。

まあそんな重い話はさて置き。
いざ作ったはいいが、昆虫の要素が大多数を占めてしまったからか知能やら習性までもが蠅のそれと近しくなってしまった。
このままだと唯でっかくなっただけの人型昆虫でしかなくなってしまう。そこで、だ。
私は彼(キメラ)の名の通りに更なるベースとして…此度は「蝶」を選定してその遺伝子を上乗せしたのだ。
するとどうだろう。
見た目は兎も角として、ウイルス同士の結合により彼もまた凶暴性を抑えつつ両方の特性を共生させ得る事に見事成功。
やったぜ。

特性として"蝶"の部分は我々人間では不可能なくらい微かな植物の"匂い"の物質を感じ取ってそれらを収集…自らの体内で蓄えた上で自分の縄張りにバラ撒くという行動を見せる。
つまりはどういう事かと簡潔に言えば。
人の住まわない荒地やら機材の搬入が難しいと思われる高山帯へと容易く飛翔し、科学&生物学的に貴重な現地植物のデータを収集し必要とあらば手の届く環境で育てる事が出来るのだ。
態々危険を冒してまで山なんぞに赴かなくてもデータ取り放題&売り放題!
殿様商売であぐら掻いてやがるプラントハンター※共の歯ぎしりする姿が目に浮かぶようだ!

※本当にこういう職業があります。



俺「(…ようもまあこう色々と考えられるもんだよなあ…)」

俺「…あれ?ちょっと待てよ」

俺「博士(?)、それじゃ"蠅"の部分は一体どうなってんです?」


イビー(赤)『うむ、実にい質問だ!そこで掌をそっと彼の方に差し出してみたまえ!』


俺「…掌を?こうかな?」ソッ…

キメラ(蝶)「ニンムリョーカーイ」

キメラ(蝶)「ヘイ、イッチョウオマチ」ドサッ


俺「…"ドサッ"?何か手に握られたけどなんだこれ?…ものっそい生暖かいぞ………?」



ウジ「―――モゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾモゾ…!!」


俺「―――、」



―――みぎゃあああああああああああああああああああ!!!???



イビー(赤)『こらこら何という勿体無い事をするか。そのウジちゃん達はな―――』


―――ウイルスの影響で貪欲な食欲を持ってこそいるが「腐食性」なので腐った肉しか食べない。
しかもある程度の品種改良の結果ウジの状態から変態もしないのだ。
なので不衛生な環境で腐ってしまった傷口に置けばあれよあれよという間に清潔な傷に早変わり。
更には食うだけ食ったウジは、終いにはその身体を破裂させる事で傷の周りにある特殊な「液」を散布する。
これは酸素に触れると薄い「皮膜状」の物質へと変化するので以降の雑菌やら黴菌の繁殖をシャットアウトする優れもの。

洗浄水すら貴重になる最前線に舞い降りる白衣の天使に、皆感動する事請け合いよ!!



俺「(ウジの体色と掛けて白ってか?…いやでもウジだぞ…幾らマゴットセラピー※ってのがあるからっつって…)」

※実際に傷にウジを置く治療法です。ちょっとグロいのでググる際は自己責任でオナシャス。

俺「…あれ?ちょっと待てよ?(2回目)」

俺「博士(?)さっき"彼等"って複数形を使ってましたが、このキモイ蝶以外にも合成させた生物があるんですか?」

キメラ(蝶)「(´;ω;`)ウッ…」


イビー(赤)『おお、危うく忘れる所だったよ。実は彼等は…』



―――ブ~ン…。

―――ブ~~ン…。

―――ブ~~~ン……!



俺「(…何だ?"羽音"??)」

俺「研究室の外から聞こえてるような…」チラッ











蜂?「ドロボウコ、ドロボウネコ、ドロボウコ、ドロボウネコ、ドロボウコ、ドロボウネコ、ドロボウコ、ドロボウネコ、ドロボウコ、ドロボウネコ………」ギリギリギリギリギリ








俺「」





キメラ(蝶)「ハッ(;´゚д゚`)オ、オマエ……」

俺「ええええええええええ!?アレお前の奥さんん!?」


イビー(赤)『…折角なんで雄と雌の番いにしてみたんだが…どうにも雌の方は…』





―――アークレイ山中で生まれた雀蜂のBOW「ワスプ」を更に加えたせいなのかどうかは解らんが。
異常に嫉妬深い性格になっちゃってねえ。
普段は何ともないんだけど雄の蝶キメラが習性で他の植物にまとわりついていると体内の小型蜂が攻撃態勢に入るから十分に注意して運用してくれたまえ。


俺「もう遅いんですけど!?っていうか嫉妬深いのに番いにさすなよ!?」


―――いやあ。あれで中々優れているんだぞ?
何せ"蜂"の習性上"巣の一定距離からは絶対に離れず"他の植物の花粉を集めたり受粉させたりしてくれるし。
はたまた果物にたかったりする害虫を食べたりしてくれたりと、右に左に大活躍。
腰を悪くした高齢農家の方々もこれで安心って寸法さ。



俺「兵器じゃねえ…今更のツッコミだけども…バイオでオーガニックだけどもウェポンじゃ決してねえ…」


キメラ(蜂)「ココガアノオンナノ……ハウスネエエエエエエエエエ!!!」

プラント「エッ、ワタシ!?」


俺「やべえ、頭に血が昇ってらっしゃる!?おい、雄キメラ!お前からも何とか…」






―――つたない文字で綴られたメモ書きがある…。


















・……探さないで下さい(´;ω;`)ウッ…







俺「あの野郎おおおおおおおおお!!逃げやがったなああああああああ!!!」


キメラ(蜂)「アナタモコロシテワタシモシンデヤルワアアアアアアアッ!!」グワッ!

プラント「キャー!!イヤーン!!!」


俺「チキショウ、逃げるぞガン子ぉ!!!」バッ!!!



―――ブーン!ブーン!!ブーン……!!!

―――ドガシャ、ガチャン、バリン!!



俺「スプレエエエエエエエエィ!アークレイ印の殺虫スプレーは何処いったああああああああああ!!」

俺「ってか実験が進まねええええええ!!本社からの査定があ!ボーナスがあ!!」


イビー(赤)『いやあ、こんな時こそミケランジェロ※の出番だろうにねえ』クネクネクネ

※ティックス(ハンター亜種)の愛称。小型の昆虫を操る能力を持つ。

俺「アンタが連れてったんだろうがああああ!!帰ってきたら覚えてやがってくださいよおおおおお!!」







キメラ(蝶)「((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル」orz


イビー(緑)「―――ハアアアアアアアアアアアア~!!」ナンダコイツ?
イビー(青)「―――ホワアアアアアアアアアアア~!!」シンイリジャネ?






時は、1998年9月初旬。

"運命の日"より、実に数日前の出来事であった。




―――最果て支部の進捗状況…。

―――人手が二体増えました。ピロン♪


「キメラ」
・ギリシャ神話に登場する合成獣を名の由来とするBOW。
T-ウイルスによる成果を焦った為か、それとも単なる邪悪な好奇心故かは窺い知れぬ者の、その作成過程は紛れもなく狂気に彩られていた。
ベースとなるのは人間の"受精卵"であり、そこに蠅の遺伝子を混合させ、そのまま数ヶ月の後に「出産」させるという形式を持って創り出された。
合成の結果だけを見ればT-ウイルスの影響により見事に人間と蠅、両者のシルエットを併せ持った姿が見て取れる。
だが生まれ持った行動性は"蠅"そのものであり、とても通常の人間のように細かな命令を聞けるような知性を持ち得るまでには至らなかった。

戦闘能力は腕のカギ爪を用い相手を切り裂いたり、狭い所に潜り込む等の奇襲性で一定の水準は満たしてはいた。
が結局、戦闘を行うモノへの心理的嫌悪感を引き起こすだけの結果で終わったが為に以降の研究ではキメラのようなBOWは作られる事は無かった。


「キメラ・Type-M」
・当個体はアークレイで創られたキメラを回収した上で、更に別種の昆虫…この場合は"蝶"に類する生物の遺伝子を掛け合わせ、ウイルスの相乗活性を目指したモノである。
結果、"見た目は兎も角として"(製作者、談)凶暴性の低下と共に蝶種特有の植物性の匂い物質に敏感に反応するという習性を得た。
これは、例えば量産・または貯蔵目的で収集したい貴重な草花の匂い等をインプットすればどのような場所(荒地、高山帯)であってもそこへ趣きそれを収集する事が出来るという事に他ならず。
その際における生態系への影響は懸念すべき項目ではあるが、収集せしめた植物が新規の医療用等に転用出来る可能性を鑑みれば、当該個体の有用性は無限大の広がりを持つに至る事は想像に難くない。

またベースとなった"蠅"の部分にも新たな一面が形作られていた。
キメラは身体の内部に自分の幼体…俗に言う「ウジ(マゴット)」を多数有し、これらはウイルスの影響からか貪欲なまでの食欲を持っている事が判明している。
が、当個体のソレは実験の影響からか普通の肉食ではなく"ある特別な酵素を発する部分"しか食さない。
そして体内のウジは繁殖目的で生成されたモノでは無い為か幼体以上の形態へと移行する事もなくウジの姿ままその一生を終える。

また生命活動を終える際に膨れ上がった身体を破裂させ、内部の体液を周辺に撒き散らすという特異な習性も持ち得ており。
この「体液」は空気中の物質に触れていると徐々に粘着性のある物体へと変化し、それが薄い皮膜となって外気に潜む雑菌等から傷口を守る防護壁の役割を果たす。
言わば「天然の絆創膏」と言えよう。
どんなに不衛生な医療環境下であったとしても、このキメラのウジさえあれば感染症等に陥る危険性は限りなく低くなる。

と、このように話を聞いている限りでは至れり尽せりな感じではあるが、惜しむらくはその"見た目"。
半分蠅で半分蝶のアンバランスさ故か、あの博士をして。


「絶対、こいつは採用されないだろうなぁ…」


等と半ば諦めのように呟いた。

尚、当該個体はその特性上雄と雌…二対一組の番いであり、(蝶)型は雄となっている。

「キメラ・Type-B」
・Type-Mと同じくキメラをベースとしたBOW。
Type-Mが蝶を由来として掛け合わされたのに対して、"彼女"は"雀蜂"の遺伝子を掛け合わされて生み出された。
(蝶)型と同じく性別を持っており、(蜂)型は雌となっている。

誕生の際参考となったのがアークレイで観測された蜂型BOW…通称「ワスプ」の存在である。
蜂という昆虫の習性故か彼等の行動範囲は己の巣の周辺上までしか伸びず、そういった"欠点"の為ウイルス散布には向かないとアンブレラの上層部からはそっぽを向かれていた。

だが逆にその習性を逆手に取るような形で行動パターンをある程度制御し、果樹園の"受粉"等といった手間がかかる作業を一手に担う事が出来る為、農作業等には持ってこいと言えるだろう。
それらの作業の際には体内で飼っている"小型蜂"を駆使し、指先より出すフェロモンにより集団をコントロールする。
この小型蜂は肉食性ながらもボスであるキメラと遺伝配列が似た人間や蜂、蝶、蠅などは決して襲わず、寧ろ植物を荒らす別種の害虫、害獣等を主な食料としている。


雄の蝶キメラが命令された植物等を調達し、雌の蜂キメラがそれらを受粉、管理する事で"彼等"の縄張り一帯は常に一定の緑を保つ事が出来る。
正に似合いの"夫婦"と言えよう。

但し諸注意として(蜂)型は(蝶)型に対しある種の"依存"とも言うべき感情を覚えており、(蝶)型が植物に対して"ある行動"を行うと…。
体内の小型蜂を一斉に攻撃態勢へと移行させる習性も持っている為少々の危険も伴っている。

そうなった場合は何らかの手段を用いて"彼女"の怒りを諌めるしか、今の所方法は無い。

今回は以上です。
PS1版のバイオ1での終盤戦…未だに夢に見ます。(トラウマ的な意味で)
部屋が暗かったりすると保護色故にショットガンを1発無駄にしちゃったり…。

そんな彼も博士の手にかかれば便利で綺麗なBOWに早変わり。


キメラ(蝶)「傷口が膿んだのかい?ならボクのウジをおたかりよ…」ウゾウゾウゾウゾウゾ

負傷兵「やめろぉ…来るなぁ…」


…。

ただの拷問じゃねえかなコレ。
いやでも本当に役には立つんですよ。見た目がアレですけど、見た目がアレですけど(大事な事なので二回ry

それではこれにて。

あ、投下した後で記入忘れに気づいたのですが。

キメラ(蝶)は身体のバランスが崩れてますけども、キメラ(蜂)は見事なプロポーションを保っております。


キメラ(蜂)「貴方とは違うのよ」

キメラ(蝶)「(´;ω;`)ウッ…」


キメラ(蜂)「でも好きよ///」

キメラ(蝶)「(´∀`*)ポッ」

さーて本日分投下します。
が、今回も日記形式だけなんですよ申し訳なす。

―――日記がある…。
―――ページがバラバラで所々破けてしまっている。



・"それ"の存在を見せられたのは20代に差し掛かった時だった。
あの人は試作品というお題目を掲げ、他者に大々的に見せびらかしていた。
"それ"を見ていた取り巻き共はこぞって熱狂していたが、自分は何処か冷ややかな視線を投げていたのを覚えている。

崩れかけた皮膚、白濁した瞳、言葉すら発する事ができなくなった頭脳…。
それでも尚生き続ける事を止めようとしない肉体…。

こんな醜悪な"モノ"が理想的な進化への足がかりだと言うのか?

「くだらない…」

思わず口をついて出た言葉に、周囲の人間は冷水を浴びせられたかのように硬直した。
そんな剣呑な空気の最中、あの人だけがこちらを見ていた。

瞳の奥に言い知れぬ感情を称えるままに、ただじっとこちらを…。


・今日も口論になってしまった。
何を言ってもまるで聞き入れようとせず、「聞いた風な口を開くな」と横っ面を引っぱたかれた。
あの―――…に―――は―――等…。



―――これ以上は掠れてしまって読む事が出来ない…。



・直々の呼び出しがあり何事かと思いきや栄養剤のサンプルを手渡された。
あの人なりの労いとでも言うのだろうか。

…いや、違うだろうな。

が、毒だろうが何だろうが有り難く頂いておこう。


・研究づくめの日々は最早自分の年齢すら容易に思い出せなくなってしまう有様だ。
その為からか、周囲からは本名ではなくあだ名の方で呼ばれるのが定着してしまった。
が、これが中々洒落ており。結構気に入った。
これからは親しい人間には自分の事をそのように呼んでくれるように言おう。


・醜悪な怪物を創る事にしか頭脳を割けないエリート共には辟易している。
"崇高な実験"と必死に己を騙しながら無駄にサンプルを消費し続ける奴等も同様だ。

自分が善人であると称するつもりは毛頭ない。
あの人に関わった以上、私の身体も最早全身が罪という名の雨粒に侵食されているからだ。

自分に傘など意味を成さない。
そして、自分は研究においての信念も曲げたりはしない。

今までも、そしてこれからもだ。

―――ある兵士の日記がある…。


・寝入った所をスクランブル警報に叩き起された。
戦争でも起こったのかと思いきや、ある街を街道ごと閉鎖しろとの命令だ。
お偉方が言うには何でも悪性の伝染病が蔓延したとの事で、街からは人っ子一人出すなだそうだ。

強引に這い出るような連中は射殺しても構わんとも言われた。
何だってんな危なっかしい事になっちまってんだ?

上官に尋ねてもやっこさんも知らぬ存ぜぬだとよ。
となると更に上からの命令ってワケで…おいおい、こりゃマジでヤバいんじゃねえのか?
銃の安全装置は解除してるが、民間人にコイツを使う機会なんて正直想像したか無いぜ。


・夜になって一層物々しくなってきやがった。
頭の上じゃヘリコが何機も飛んで行きやがるしオチオチ休んでもいられんぜ。
にしても米軍以外のも飛んでいやがるな…特にあの赤白の二色マーク、どっかで見たような…。
上官から何も言ってこねえって事は軍との間で交渉は済んでるんだろうが、隔離体制じゃなかったのか?
全く…アメリカの威光も何とやら、だぜこりゃ。



・封鎖している筈の街道を真っ直ぐ爆走してきやがるトラックを確認した。
何処の馬鹿だと停車させたら運転席のグラサン男が何やらをチラつかせてきやがった。
それを見た上官は青ざめた表情でトラックを通しちまいやがった。

いいのかと聞いても「知らぬ存ぜぬで通せ!」と怒鳴りつけられた。とんだとばっちりだぜ。
しかしありゃ何だ?ちらとしか見えなかったがただの社員証のような…。

…思い出した!上空のヘリコにも同じマークが描いてあったと思ったが、ありゃアンブレラのマークじゃねえのか?
しかし俺っちが知っている所のそいつは製薬会社の筈じゃねえのか?

街に蔓延しているのが伝染病ならさもありなんとも考えなくもないが、奴さん達の仕事は清潔なカウンターで処方箋を出すのが主の筈だろう?
首を捻り続けていると、上官が突然俺の胸ぐらを掴んで「この事は他言するな」と鬼のような形相で何度も釘を刺してきやがった。

こりゃあ、いよいよもってきな臭すぎるぜ…。

一体全体、何が起こってんだ?


―――作戦指令書。


・内偵の結果、街の汚染は深刻なレベルにまで達してしまっている。
それだけならばまだしも、本社の連中はこれを機にあそこを大規模な実験場へと変えるつもりのようだ。

火の粉を被るのは当事者達だけで十分だ。
此度の行為は私の主義主張に反するが最早見て見ぬふりは出来ない。
諸君らにも不本意な命令を送らなければならない私をどうか許して欲しい…。


1、各班は該当地域に到達次第分散。生存者を見つけ順次裏ルートに先導されたし。
2、本作戦は隠密行動が基本ではあるが、他のBOWとの戦闘が避けられぬならばこれを全力を以て退けられたし。
3、未報告の本作戦は当然極秘である。よって、社の人間との抵触は極力避けられたし。(但し、人命救助に当たるのであれば止むなしとする)
4、1~3の作戦を行いつつ当初の目的である大学構内に潜入し、「あるもの」のデータを収集する事を先んじられたし。
5、既に市内には社の保安部、または傭兵部隊が派遣されている事が予想される。諸君らは彼等の標的である事を念頭に入れ、接触には十分な注意を払われたし。
6、5に当たるに対し「デルタチーム」及び「監視者」は問答無用でこちらを排除する可能性がある。極力回避が望ましい。(逃走が不可能であれば排除も止むなしとする)
7、市内の汚染度合いによっては二次感染型の新型BOWとの戦闘の存在も留意されたし。
8、本作戦は時間との勝負である。


以上。
尚定期連絡の際は必ず各々に持たせた通信機で執り行う事、万が一紛失の場合は市内の「時計塔」を目指されたし。


追伸:
私の事は心配しなくてもいい、こう見えても腕には自信あるのでね。
こんなこともあろうかと"新兵器"も用意してあるしね。

頼んだよ、みんな。


短いのですが本日はここまでです。
次回からちょっと毛色が違う風になるのをお許し下さい…。

物語の舞台は9月末。
そうあの地獄の市内戦。KATHI☆KOMIじゃあ!!

と言っても懇切丁寧に書いていくと失踪待ったナシなのでおふざけ交えつつ日記形式だったりしつつゆっくり展開していきます。
(殆どイフ展開ですがこれまでのシリーズやら外伝やらをやって、"あ、そういえばこんな事あったなぁ~"などと思って下されば幸いです)
勿論最果て支部の面々の様子も書いていきますので。

それではこれにて。

博士はアンブレラ創設メンバーの一人ってことか?
そしてタートルズとPLコンビ、ラクーンに投入か
S.T.A,R.S.との共闘とかはさすがにないか?
ともかく乙

バイオハザードをそこまで深くやってないんだけど
オペレーションラクーンシティやればわかるかな…?

シット!

―――おいおいどうしたんだボブ?

バイオハザードをよく知らねえからここのSSの内容がちっとも解らねえんだよ!

―――なんだって!そいつぁ本当かい!?

なぁジョン、何か良い方法はねえもんかい?

―――勿論あるともさ!こいつだ!!


つ:「バイオハザード アンブレラ クロニクルズ」
  「バイオハザード ダークサイド クロニクルズ」ババーン!!


ジョン、こりゃ一体何だ?ゲームなのかい?

―――そうさ、ボブ!しかもこの二作品は実に凄いんだぜぇ!
―――何とこの二作品だけでバイオの過去作品(0、1、2、3、コードベロニカ)が殆ど網羅出来ちまうんだ!

ヒュー!そいつぁ確かにすげえや!

―――しかもダークサイド~じゃあ「4」の前日談の話も収録されてっから予習もバッチシだ!

しびれるねぇ!早速購入してみるぜ!!

―――おっと、ちょいと気が早いぜボブ。
―――この二作品は可動媒体が「Wii」なもんだからそれを持っていないと骨折り損だぜぇ。

おうゴーッド!俺、PS3しか持ってねえんだよなあ!

―――でもオフコース!!PS3プラットホームでHDセレクション版が発売されてるからソニー信者でも楽しめるぜ!

やったぜ!これでゲハの連中に馬鹿にされずに済むって寸法かい?

―――その通りさボブ!さあ早い所バイオの世界を追体験しちまいな!!

所でジョン!>>148が言う所のオペレーションラクーンシティなんだが…

―――やりたけりゃやってもいいが俺は止めねえぞ(素)

ジョン!!素がでちまってるぜえ!

―――おっとと、俺としかことが(ペチン)

それじゃあ早速近場のヨ○バシにレッツラゴーだ!!

―――YEAH!!

※尚、購入後の評価につきましては各々の自己責任という形を強く推奨致します。

…あ、本日の投稿ですが日付またいだ時にでも投稿しますので暫くお待ちを…。

>>145
ちなみに「博士」は創設メンバー"という訳では無い"ので悪しからず…。

遅れてすいません。投下開始します。

「レオナルドの場合」



―――ひたひた…。
―――ひた…ひた…。


男「はあっ、はあっ、はあっ……!!」タッタッタッ

男「く、来るなぁ……!!」


ゾンビ1「あ~……」ペタペタ
ゾンビ2「うう”~…」ヒタヒタ


男「はあはあはあ!―――ぎゃっ!!」ズタン!

男「しまった足が…!だ、誰か…!?」


ゾンビ1「あ”あ”あ”あ”…」
ゾンビ2「うううう”……」
ゾンビ3「……、……、」


男「うわああああああああああああああああああああ!!!」

―――そん時俺は「そいつら」から必死に逃げていたんだ。
え?「そいつら」とは何だ、だって?…知らないのかよ!"ゾンビ"、だよ"ゾンビ"!!
あ…何だよその目は。違えよ!ヤクなんざやってねえ!!
奴等何処からか突然現れて通行人にかぶりつきやがったんだ。
あの肉を貪り食う鈍い音…今でも耳にこびり付いてやがるぜ。

もう辺り一面大パニックよ。皆散り散りに逃げていていつの間にか俺一人。
後を追ってくるゾンビの数も増え続けるしよ…それでも食われるのはごめんだと必死に走ってた。
だが足がもつれて倒れちまって、とうとう俺も年貢の収め時かと覚悟したよ。

だけどよ…。



―――シュカッ!!!


男「ああああ……ああ??」


ゾンビ1「………、」
ゾンビ2「………、」
ゾンビ3「………、」


ゾ/ン/ビ「「「ああうう……!」」」ゴロン


男「……!!??」

―――「空気を切る音」っつーのかな?
兎に角クラッカーを食う時みてえな軽い音がしたと思いきや…。
俺を狙っていたゾンビ共の頭がよ、こう…コロンってよ。

人形みてえに転がり落ちちまったんだよ!

流石の屍野郎達も頭落とされちまったらどうしようもねえんだろうな。
皆その場に崩れ落ちちまった。

…え?誰がそれをやったかって??

……。

ああ、知ってるよ。
っつーか"見た"。

コトを終わらせた「ソイツ」は上から俺の目の前に降って来たんだ…。
"人間じゃあねえ"。
何ではっきりそう言えるのかって?

だって"見た"からよ、あのカッコを見りゃ酔っぱらいだってこう言うぜ。









夜でもくっきりと浮かび上がった「緑色の肌」に。
微かな電灯を反射して光る長い長い爪…あれでゾンビをやったんだろうな。
んでもって顔面に当たる部分にはキュートなおめめが二つ…、いやすまんちょっと嘘だなどっちかっつーと"爬虫類"みたいに不気味だった。








…。

…逃げなかったのかって?

勿論逃げようとしたさ、でもあまりの事にそん時は腰抜かしてたのよ。
歯も勝手にガチガチ鳴っちまうし漏らす一歩手前さ。

ごほん…今のはオフレコにしてくれよ?

話を戻して、兎に角逃げれなかった俺はまた死ぬのを覚悟したよ。
どう考えたって次にあの爪の餌食になるのは俺だろうからな。

…そう思ってたんだけど、な。



レオナルド「……………、」ゴソゴソゴソ


―――ポイッ。


男「……………へ?」キャッチ


―――あの緑色のカエル野郎、腰につけたカバンみてえなのから「これ」を放り投げてきやがったんだ。
思わず受け取っちまったけどよ、これが開いてビックリ仰天。
中身はアークレイ印の救急スプレーと地図が一枚に、メモ紙が一枚と…それに包まれた「注射器」が一つ。
メモにはこう書かれてたんだ…。


「ゾンビ化の抑制剤が入っている。生ける屍になりたくなければ以下の手順で投与されたし」


ってな…。
いや、全く疑わなかったワケじゃあないんだぜ。
けどあんな地獄みてえな場所に放り込まれたら、誰だってほんの少しでも希望に縋りたくなるモンだろう?
地図には"脱出経路"ってデカデカと書かれてたし、すわ渡りに船だと死ぬ気でもっぺん足を動かしたんだよ。

そんで、俺は今ここに居る。何処も齧られずに五体満足でな。

ええ?"カエル野郎が俺を助けた理由"だって?


…。

幾らなんでもそこまで分かる訳ねえだろうが、こっちが聞きたいぐらいだぜそんなの。

そういや、礼も言えてなかったんだよなぁ…。

気づいたらカエル野郎はその場から煙のように消えちまってたし。
ありゃあきっと"神様からの使い"に違いねえや。

…何だよその顔は。解ってるよ、らしくねえってんだろ。

けどな、どちらにしたってそれを調べるのはあんたらの仕事だろうが。
俺は神に誓って嘘偽りは言ってねえってば!

…あのカエル野郎の事で何か解ったら教えてくれよ。
ああ、それが駄目なら伝言だけ。

「助けてくれて、有難うよ」ってな。



―――記録127版より抜粋。


「ラファエロの場合」


―――ラクーンシティ。
―――大通り。



―――ババババババババババババババババ…!!!!



ゾンビ1「ああう…!」ズチャッ

ゾンビ2「ううううう…」ドチャッ

ゾンビ3「はうう…」ドサッ




ラファエロ(ガトリングガン装備)「フゥーハハハァー!!イイゾベイベー!!」ドバババババ…!!

ラファエロ「ニゲルヤツハ ゾンビ ダ ニゲナイヤツハ ヨククンレンサレタゾンビ ダ!!!」


ラファエロ「ホント ラクーン ハ ジゴクダゼェ!!」



通りすがりの警官1「……………」

通りすがりのその2「……………」


警官1「なあ、あれってよ…」

警官2「馬鹿、目を合わせんな!!」


ドナテロの場合」



ドナテロ「………、」ピョコピョコ…


ドナテロ「………?」


―――何か書いてある…。


"ようこそラクーン市庁舎へ!"
"只今の時間は閉館となっております!"


何やら二つ窪みがあるようだ…。


ドナテロ「………、」


―――ピョイン!


ドナテロ「コウシチャエバ イイジャン」シュタッ!


…が、彼には意味を成さなかった…。


「ミケランジェロの場合」


―――ある地下鉄職員の手記。


【1】
・全くなんでこんなことになったんだよ!
昨日まで一緒に働いてた同僚たちは皆死肉を貪る怪物になっちまった!

俺っちはお得意の死んだふりを駆使してなんとかここまで来たけどよぉ。
地下鉄構内は地獄だ…いや、どこもそうだろうがここは一際酷え。

血を吸う巨大な虫のバケモンがあっちこっちにいやがって身動きが取れなくなっちまった。
マーク達ともはぐれちまうしよぉ。

こういう時はコイントスをして心を落ち着けて…。!!!!
なんてこった、俺っちのコインが何処にも無いじゃんか!こんなのって無いぜ神様よぅ!!

【2】
・下へ下へ進むにつれ虫の化物はどんどん増えて行きやがる。
ここら辺にこいつらの巣でもあるのか?どうする、今からでも引き返した方が…。

【3】
・どうにか線路までたどり着いた…がホッとしたのもつかの間。
俺っちの目の前に現れたのは…。
他のヤツより数倍膨れ上がった"虫の親玉"らしき怪物!!
暗闇でも鈍く光る眼をこちらに向けてきやがった、俺っち見つかっちまったんだ!

【4】
・あの野郎子分を嗾けてきやがった。
狭いところからも這い出てくるし逃げ場がねえ!
武器も無くなっちまって周囲を取り囲まれちまった…万事休すかよ…。


【5】
・奇跡が起きた。
俺っちに飛びかかってきた虫の一匹がいきなり空中で真っ二つに裂けたんだ。
何事かと眼を白黒させてる間に"ソイツ"は二本のカギ爪で虫どもを血祭りにあげちまった。
ああそうだ、新種のバケモンだ。
ゴツゴツしたオレンジの皮膚に虫だかカエルなんだか解らないツラしてやがった。
ソイツは怯える俺っちに向かって得意気に嗤ったかと思いきや何か"荷物"を投げてよこした。
そん時にチャリン!と聞き覚えのある金属音が鳴り響いて…俺は目を疑ったね。
俺っちの見ている前でオレンジの化物は掌のコインを慣れた手つきで弾いてやがるんだから。

「それ、俺のコインじゃねえか!」

思わず口をついて出た言葉に、化物は俺っちとコインを交互に見合わせたと思ったら…俺っちの腰の方を指差してきた。

「え?何だ…"コイツ"と交換しろってか?」

腰の金属を化物に向かってチャリチャリ鳴らすと化物は頷きやがった。
もうおったまげたね。
言葉を理解してやがるのもそうだけど、"鉄道職員のカギ"なんて奴さん何に使おうってんだ?
まあ、命を助けて貰った事には変わらねえ。
カギとコインを交換したら、ソイツは意気揚々と地下へと降りて行きやがったのさ。
俺っち、夢でも見てたのかね?


【6】
・漸くマーク達と合流出来た。
久し振りに見る人間様の顔の何と感動すること!
だが涙ぐんでる暇はねえ、とっととこっから脱出しねえと。
…え?何?上は瓦礫で埋まって出られないだって??
するってえとまた地下に潜るのか!あの虫の親玉が徘徊してやがるのに!?
なんてこった、神よ…!

【7】
・恐る恐る地下鉄構内に戻って来た俺っち達だったが数歩歩いて仰天しかけた。
何とあの虫の親玉がくたばってるじゃねえか!
しかもその死骸ってえのがどうにも摩訶不思議。
奴さん、"自分の子分に全身たかられて死んで"やがったんだ。
何だ、共食いか?疑問に思う俺っちだったがそん時一瞬あのオレンジの化物の顔が浮かんできた。
まさかな…いや、きっとそうに違いねえ。
でもなんで化物が化物をぶっ倒したんだ?どうにも解らねえ。
もしかしたらアイツは「異界」から現れた一筋の希望ってヤツだったり?

同じように首を捻っているマーク達には悪いが、この事は俺っちの胸先三寸に閉まっておいた方が良さそうだ。
化物に助けられたなんて言ったら、頭がゾンビになったのかと疑われ兼ねねえしな。

「タイラント・Pの場合」



タイラントP「―――フン!!」ブンッ!!


ゾンビ1「あああ…」バキョ

ゾンビ2「ううう…」メギョ


タイラントP「………、」キリナイナア…



―――スタアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッズ!!




タイラントP「………!?」





ネメシス「―――スタアアアアアアアッズ……!」ドスドス…



タイラントP「…………、」


タイラントP「………!」ティントキタ!



ネメシス「スタ―――!」


―――ちょん、ちょん…。


ネメシス「―――!?」バッ



タライラントP「……………………………、」ズゴゴゴゴゴゴゴゴ…!


ネメシス「す、すたーず…!?」



―――……。



ネメシス「オオゥ…スターズ…」ドサッ



タイラントP「…………ゲットダゼ!!(`・ω・´)シャキーン」


>タイラントPは「ロケットランチャー」を入手した。


「タイラント・Lの場合」



―――ふふふふふふふふ…!
―――はははははははは…!
―――はぁ~っはははは…!



ベクター「―――貴様、"ニコライ"!一体どういうつもりだ!!何故仲間を見殺しにした!!!」


ニコライ「彼等は実に役に立ってくれたよ…そしてお前達もだ!!」


―――BANG!!


ベクター「…ッ。ニコライ、そこを動くな!!」チャキッ


ニコライ「残念だがそれは出来ない。…私のクライアントがどうやら君達を目障りに感じているようでね。だから―――」


―――カチッ。


ニコライ「ここで消えてくれたまえよ!ははははははは!!」


―――ドサッ!!




ニコライ「はははははははは…!」

ニコライ「はは………!?」



リ/ッ/カー「―――デローン」コロコロコロコロコロ…



ニコライ「………!?」


―――トン、トン…。


ニコライ「……!!」バッ!












タイラントL「―――――――――――――――、」ヒュゴッ












ニコライ「き、貴様……―――!?」


タイラントL「―――!」フンヌラバッ!!


ニコライ「ぐああああああああああああああっ!?」


―――ズ ゴ ン!!!!!


(かつて)ニコライ(だったモノ)「………………………」プラーン


タイラントL「………ムフーン、」パンパンパン…




…………………………………。



ベクター「………………、」

ベクター「まるでガーレンにやられた柴千春のようだな」


フォーアイズ「…何それ?ジャパニーズコミック?」


ベルトウェイ「俺ぁ許容出来て中国擂台編までだなあ…」


ルポ「お前達何をアホな事言ってる!追撃しろ!!」



※結局逃げられました。


「博士の場合」


―――メモ書きがある…。
―――字体からして女性の物のようだ。


【1】
・あの恐ろしい署長の元から逃げ出して何時間経ったのだろう。
一先ず物陰に身を隠しているが、ここだって何時まで持つか解らない。
署内は訳の解らない仕掛けで一杯…チェス版と赤い宝石…それにメダル…。

ここは巨大な狩場…。

哀れな獲物は勿論私で、ハンターはあの男…。

助けなんて来ない。
署長が言うには市長…お父様はとっくに避難したとの事だ。
捨てられたのだ、私は…。

【2】
・写真暗室に逃げ込んだ。
だけど逃げれば逃げるほどあの男の掌で踊っているような錯覚に包まれる…。

「お前の身体を剥製にしてみたい…」

耳奥にこびり付いた署長の言葉が頭の中を駆け巡っている。正気ではない。
いえ、正気じゃないのはこの街も同じ。
ここへ来る途中に何人も見た…いや、あれはもう人間じゃない。
虚ろな瞳で生者をあちら側へと引き込んでくれんと手ぐすねを引く、あれは怪物。
どうすれば良いのだろう。いっそ私もあちら側へ行ってしまった方が良いのだろうか?
あの男に殺され、死んでからも辱められるぐらいならば…。

嫌だ、そんなのは。


【3】
・泣き出しそうになっていた私の背後から、ぬうっと腕が伸びて口元を押さえ込んだ。
私は泣きじゃくりながら必死に抵抗した。

怖かった、死にたくなかった。

すると暗闇から"その人"の顔が出てきた。
サングラスを掛けた金髪の…ゾンビじゃない?

【4】
・何とか落ち着きを取り戻した私はその人から話を聞いた。
何でも生存者を探している内にここへ迷い込んで来たとか。

…外から?あのゾンビの群れを掻き分けて?

半信半疑だったが署長以外の人間に出会って私は心底安堵していた。
ああ、でもホッと出来たのはつかの間。
まだ署長が健在ならばここを出る事は不可能に近いからだ。どうしよう。

【5】
・再び涙ぐんだ私の話を、その人はただ黙って聞いてくれていた。
…署長が狂人だなんて話、信じてくれるかどうか解らなかったがその人は信じてくれたようだった。

「君の不安を取り去ってあげよう」

そんな風に言ったかと思いきや、唐突に立ち上がり連れられて向かった先は死体安置所。
一体、何をするつもりなの?

【7】
・ひんやりとした不気味な室内にあったのは私と背格好が似た女性の死体。
サングラスの人は鞄からメスやら注射器やらを取り出し、死体を突如いじくり始めた。
異様な行動に思わず後ずさりする私に向かってその人は更に。

「取り敢えず、服を脱いでくれたまえ」

などと、とんでもない事を言い始めたのだ。


【8】
・サイズの合う婦警の制服があったから良かったものの…。
リアリティを出す為だとか言って髪の毛まで切っちゃうのは幾らなんでも酷すぎるわ。
でもその甲斐?あってか、ベッドに寝かしつけられた死体は私ソックリ。
正直目眩がしちゃうくらい。

でも、コレを一体どうするというの?

【9】
・それは一世一代の賭けだった。
偽装した死体を壁に掛けて署長を誘き寄せたのだ。
響く銃声。広がる赤い血…。
"私"はこうして死んだのだ。署長に剥製にされる為に…。

満足そうな笑みを浮かべて"私"を運び出す署長…。
まさかその"私"が細工された死体などとは夢にも思わないだろう。

【10】
・署長の興味を逸らした私はその隙に警察署を脱出した。
外にはゾンビの群れがうようよいるがあそこよりマシに見えた。
あの人が渡してくれた地図とお守りを持って私は脱出劇を再開した。

夜明けまでまだ大分遠いが、心の中は言い様のない開放感に包まれていた。

"市長の娘"として、人形のように暮らしてきた私はもう居ない。

ここから無事出れた時、私は漸く自分の人生を生き直す事が出来るのだ。


本日は以上です。

隠密行動が基本(フルステルスしろとは言ってない)。

こんな風に暫くラクーシティ編を綴っていきます。
多少読みづらい文体があるかもしれませんが申し訳ありません。精進致します。

また本編中に準えてはおりますが「こんなん本編にねーよ!」と思われる部分も多々あります、がもしかしたら…と笑って見て下さい。

尚、包みに入っているゾンビ化抑制剤は飽くまでも抑制なのでそのままでは生存者は揃ってアウトになってしまいます。
ですので一刻も早くラクーン大学にある「あるモノ」を引っさげて戻らなくては何にもなりません。

それではこれにて。


レオナルド「何処で(ガトリングガン)の使い方を習った?」

ラファエロ「…いや、アイテムボックスに入ってたから」メメタァ!!

マジレスするとパソコンをテレビ替わりにするという手も十分実用範囲。

さて (´・ω・`)
本日の、投下ですが。
いつも以上に、悪ふざけ度が強いです。
そして今回から「」の中に キャラ「(台詞)」 こんな感じで副音声的なシステムを採用しております。
いつまでもカタカナ表記じゃ読みにくかろうと思いまして…。
実際の表現とは多少(?)異なっておりますが、こんな感じの事を喋っているという目安になれば幸いです。

それでは…。

・「偉大なる…?」



―――ラクーンシティ。
―――倉庫街。




レオナルド(以下レオ)「………、」


死体「…………………………、」


レオ「グギャ…(間に合わなかった…)」

レオ「グギャ?(…ん?)」


―――死体の腹部が不自然に盛り上がっている…。
―――どうやら何かを庇っていたようだ…。


レオ「………、」


―――血塗れの分厚い"ノート"を見つけた。
―――最初のページにはこう書かれている。



・"これ"を手に取った者は、出来れば心ある人間であって欲しい…。
ここに閉じこもって一頻り日記に人生の恨み辛みを書き殴った。
死んだ母の事も妻の事も子供の事も…。
私と言う人間の裏の感情も表の感情も、一切合切の全てを。
だが、果たして本当にそれだけで良いのだろうか?

日記を書き終えた後言い知れぬ虚しさと共に去来したのは、この本の事だった…。

私はずっと小説家になりたかった、だがその夢は自力では叶いそうにも無い。
ならばいっその事、私はある種の賭けに出ようと思う。
私という個人の命が果てるその時まで、この本を書き記そう。
そして私を発見した誰かにこれを託そうと…。

これが出版され世に出回る。そんな夢のような一時に浸りながら人生で最初で最後の執筆活動に終始出来る、何と甘美な事か。

出来得るならで構わない、この地獄から抜け出そうとする者よ。
どうかその脱出に"私"も連れて行ってくれ。
それが叶わぬのであれば、あの世でこの本の感想を聞かせて欲しい。

今や、それだけが私のたった一つの望みである。




偉大なる小説化―――になりたかった男「ダリオ・ロッソ」





レオ「……………、」

レオ「…グギャ(良く解らんけど、持っとくか)」



>「分厚い小説本」を手に入れた。ピロン♪


・「劇薬注意」



―――ラクーンシティ郊外。
―――アークレイ山中。


―――にある廃病院。



ラファエロ(以下ラファ)「グギャ(参っちまったなあ…完全に迷子だよこりゃ)」

ラファ「グギャア(あの"オッサン"も"道案内してあげよう"なんてテキトーぶっこいてはぐれちゃうし…)」


―――……。


老人『おやおや…これは珍しい風体の迷い人だねえ』

老人『ここから先はベテランの登山家でも迷ってしまう程に入り組んだ道だから送って行ってあげよう』

老人『なぁに、遠慮は要らないよ…さぁ、着いておいで…』


―――……。



ラファ「グギャ(建物見つけて入ってはみたものの…人っ子一人居ないでやんの。居るのは…)」


―――シュカッ!


巨大蔦「―――!!!」ブチン


―――シュカカッ!!


グリーンゾンビ「あう"う"う"……!?」ゴロン


―――シュカカカッ!!!


アクスマン「………ッッ!!!!!」ダッ!!


ラファ「グギャ…(化物としつこい斧野郎だけだし…)」ヒッサツ、クビカリ

ラファ「グギャ(に、してもこの蔦邪魔だなあ…どうにか出来ないもんか…)」


ラファ「グギャ!(あ、そーだ)」ピコーン!



―――地下。


ラファ「グギャ(根っこはここだな…)」



ヒュージプラント「―――ウゾウゾウゾウゾウゾウゾウゾウゾ…!!」



ラファ「グギャ(さて、お立会。取り出しましたるは…)」

ラファ「グギャグギャ♪(パッパラパッパッパーパーパー♪ 強力除草剤J-VOLT~♪※)」ノブヨ~


※アークレイで開発されたTウィルス侵食型植物を死滅させる化学薬品。プラント42攻略戦で使用された。


ラファ「グギャ(植物系BOWとの戦闘があるかもしんないからって博士が持たせてくれたのよね~)」

ラファ「グギャ(さぁ、た~んとお飲み…)」トポポポポポポ…



ヒュージプラント「―――ウゾウゾウゾウゾウゾウゾウゾ……」

………。

ヒュージプラント「―――!!!!!!??????」ビックンビックン



―――ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!











アクスマン「ノオオオオオオオオオオオオオオオ!!ドロシイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!???」







―――ゴゴゴゴゴゴ…!
―――ガラガラガラ…!!



ラファ「グギャ(あ、こりゃやべえ)」

ラファ「グギャ(巻き込まれちゃ叶わんよってスタコラサッサだぜ)」ダット



―――……。



(かつて)廃病院(だったモノの残骸)ゴーン



ラファ「………………、」ポツーン



ラファ「グギャ(劇薬を使用する際は用法用量を守って正しくお使い下さい)」




アリッサ「…い、一体、何が…?」ヨロヨロ…(※捕らえられていた新聞記者)


・「カエルは意外と雑食性」



―――ラクーンシティ。
―――下水道。



ドナテロ(以下ドナ)「……、……、」ピョコタン、ピョコタン

ドナ「………?」



ラージローチ軍団「「「―――ヴヴヴヴヴヴっヴヴヴヴヴヴヴっヴヴっヴヴヴヴ……!」」」ワラワラ



ドナ「……………、」


ドナ「―――ジュルリ」


―――……。


―――バリバリ…。
―――ムシャムシャ…。


―――ゴクン。



ドナ「…げふっ」ピョコタン、ピョコタン

・「アイアム……?」



―――ラクーンシティ。
―――住宅街。



―――BANG!BANG!!BANG!!!


住人「……この野郎、くそ化物が!来やがれ蜂の巣にしてやるぜ!!」

住人「さあどうした!俺を食ってみやがれってんだ!!」


―――BANG!BANG!!BANG!!!









ミケランジェロ(以下、ミケ)「…………(´・ω・`)」



ドナ「……ゲコ(…どないしたん、ミケ)」ピョコタン、ピョコタン

ミケ「グギャ…(あそこの人が家から出て来てくれないんだ…)」

ドナ「ゲコ(…?)」




住人「来やがれこのファッ○野郎!!俺のリボルバーが火を吹くぜ!!」


―――BANG!BANG!!BANG!!!




ドナ「ゲコ(ああ、ありゃ完全に血が昇ってらっしゃるな)」

ミケ「グギャ(ボク、別に何もしちょらんのに…)」

ドナ「ゲコ(まぁ、オラ達のツラがツラだし)」

ミケ「グギャ(止めてよ悲しくなっちゃう(´;ω;`))」

ドナ「ゲコ(よし、ここはオラに任せておけ。こんな事もあろうかとこういう場合の対処法を博士から教えて貰ってんだ)」

ミケ「グギャ!(えっ、本当?)」

ドナ「ゲコ(まぁ、見ておきなさいや…)」






住人「……あん!?」


ドナ「……、……、」ノタノタ




―――化物が何かを掲げているようだ…。
―――歪んだ字でこう書かれている…。








ボード:どんとしゅーと あいむひゅーまん(撃たないで、私は人間よ!)バァァン!!











住人「……………………、」








―――ドキュドキュドキュドキュドキュドキュドキュ…!!!!!





ドナ「ゲコ…(デスヨネー(´・ω・`))」

ミケ「グギャ(銃撃が激しくなっちゃった…どうすんのよ)」

ドナ「ゲコ(泣けるぜ)」

ミケ「グギャ(それキミの台詞ちゃうやん)」



※その後、無事に救助できた模様。


・「この手に限る」



―――ラクーンシティ。
―――アップルインホテル。



―――の、ボイラー室。



タイラントL「…………………、」ヌ~ン





チャーリー『へい、そこのガタイのいいヤツ!!すまねえが手を貸してくれねえか!?』

レン『俺達が生存者を救出する間、ほんの数分だけでいい。ボイラーのパネルを操作して時間を稼いでいてくれ!!』

チャーリー『但しちょっとでも異常を感じたら直ぐに逃げてくれよ!爆発しちまうからな!!』





タイラントL「……。(と、言われてもなぁ)」


パネル「――――――、」シーン


タイラントL「…………。」ポチットナ


―――ぶぶー。
―――操作エラーです。もう一度最初からやり直して下さい。


タイラントL「…………。」ポチポチポチ


―――ぶぶー。
―――操作エラーです。もう一度最初から……。


―――ぶぶー。
―――操作エラーです。もう一度……。





タイラントL「………………………………。」パリッ、バリバリバリ……!!


―――ド ゴ ム!!


タイラントL「……!!!!(動けこのポンコツGA!動けってんだYO!!)」ガンガンガン!!!


―――ビビィー!!!
―――システムに深刻なエラーが発生しました。
―――内部圧力が臨界に達します。



タイラントL「……。(……あっ)」



―――付近にいる人は速やかにタ イ ヒ シ テ……。





―――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!



チャーリー「やべーぞレン!すげえ揺れだ、もう限界だ!!」

レン「よっしゃ!もう生存者はホテルには居ないみてえだからとっとと出ようぜ!!」



―――ズゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!



―――チュドオオオオオオオオオオオオオオオン!!!



――――――…………。



チャーリー「(瓦礫の山を見ながら)……ひゅー、間一髪だったなあ、おい」

レン「ああ……だけどよ、あのガタイのイイ兄ちゃん無事かねえ」

チャーリー「なあに、ヤバくなったら逃げろっつってるから大丈夫だろうよ」

レン「それもそうだな……よし、次の出火場所に行くとするか!」

チャーリー「おうよ、暴徒も怖えが火事はもっと怖えからな!」


―――ウウウー!カンカンカンカンカンカンカン……!!!


―――…………。
――――――…………。
―――――――――…………。


―――ボ ゴ ン!!!



タイラントL「……ブハア(コートが無かったら即死だった……)」フッカツ





サスペンデッド「………ビクンビクンビクンビクンビクン……」←ついでに下敷きになってた。


・「タイマン(1対1とは言ってない)」




ネメシス「―――うおおおおおおおお!!スタアアアアアアアアアアアッズ!!!!(#`皿´)」ドスドスドス…!!



タイラントP「……。(うわぁ、何かアイツめっちゃ怒ってるよやべぇよやべぇよ…)」

タイラントL「……。(P君一体なんばしよったん?)」

タイラントP「……。(いやぁ、特には……あいつの武器便利そうだったからパクっただけで)」

タイラントL「……。(うん、それ絶対P君の所為だよねぇ)」





ネメシス「スタアアアアアアアアアアアッズ……」ドドドド…!!


タイラントP「……。(というか勢いづいてるとこ悪いんだけどさぁ、お前さん随分態度が太いな?)」クイッ


ネメシス「スターズ……?」ピタッ


タイラントP「……。(こちとら 2 対 1 だぜ?)」ニタリ


ネメシス「……!!??(°д° )」


タイラントL「……。」

タイラントL「……。(ナ ル ホ ド ね)」ニヤリ





PLコンビ「「…………。(卑怯とは言うまいね?)」」ゴキボキバキ


ネメシス「~~~~~~~~~~~~~~~ッッッッ!!!」








―――スタアアアアアアアアアアアアアアッズ―――!!!






ネメシス「……オオゥ……スターズ……」ドサッ


タイラントP「……。(今の内だ剥いじまえ剥いじまえ)」ゴソゴソ

タイラントL「……。(何コレ、救急BOX※だけ?俺らには意味無いなぁ)」

※救急スプレーを数個ストック出来るアイテム。

タイラントP「……。(使えねー。腹が立ったんでコートに切れ込み入れたろ)」ビリビリ

タイラントL「……。(うわぁ、P君大人気ねー。そんなんだから廃棄されちゃうんだよー)」




ネメシス「…………スターズ……(´;ω;`)」




―――後に、この切れ込みがフラグになるとは。
―――この時誰も気づいて無かった…。




某スターズ隊員「オマエラノ、シワザダタノカ」

PLコンビ「「ドーモ=サーセーン」」


本日はここまでです。
BOWだって人助け…人助…助け…?

次回は今回出番の無かった博士視点からとなっています。
警察署地下から地下研究所に繋がる通路にて…?


それではこれにて。

偉大なる小説家になりたかった男が小説化にと…
これ誤字?いや、まあ、ある意味合ってるけどさ…小説化してるぽいし…

>>211

小説化→×
小説家→○

ドーモ=サーセーン…笑って許してつかあさい。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年03月01日 (日) 23:08:50   ID: FsLIkiDX

頑張って続けて下さい!読んでます

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