「ねぇねぇドロシー レオナちゃんってほんと可愛いよね!」 (34)

プリパラのドロシー×レオナのSSです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1425036442

「ねぇねぇドロシー?」

ドロシー「ん、何?」

「レオナちゃんってほんと可愛いよね!」

始まりはこの何気無いクラスメイトの一言だったのかも

ドロシー「そりゃそうだよ なんたってボクの自慢の家族だもん!」

「だよね~ で、レオナちゃんって好きな子とかいるの?」

例えば木の葉を巻き上げるくらいの小さな風が地球の裏で大きな台風に成長するように

ドロシー「レオナが好きな子?そんなのボクに決まってるじゃん!」

「んーっと……そうじゃなくてね
そう レオナちゃんって彼女いるの?」

この話でボクはレオナに対する気持ちに気付かされ

ドロシー「彼女? そんなのいないって」

「そうなんだ~ レオナちゃんって女の子みたいに可愛いし、とっても優しいし、時々かっこいいから凄くモテると思うんだけどなぁ」

その気持ちはボクとレオナの関係を大きく変えてしまったんだ

ドロシー「まぁボクの

「もうそれ聞き飽きたよ~」

ドロシー「はははっ そうかもね~」

ドロシー(レオナってモテるのか? ボクみたいに可愛い女の子が男子にモテるのは当たり前だけど、レオナみたいな可愛い男の子は女子にモテるのか?
あっ レオナが誰かと話してる)

そいつらはいつもレオナに声をかけてる女子たちだった いつもならすぐに声をかけて止めさせるとこだけど、

女子1「ねぇねぇレオナちゃん今日一緒にご飯食べない?」

レオナ「え、えっと」

ドロシー「あっ!またレオナに声かけてる止めさせないと!
いや今日はちょっと様子見てみよっかな」

『レオナは女子にモテる』朝に聞いた話が頭をよぎったボクはレオナの周りの女子がレオナをどう見ているのか、『友達』としてなのか、『男』としてなのか、確認してみることにした

女子2「何? またドロシーと食べる約束してるの?」

レオナ「うん、」

女子3「えー、いいじゃん! レオナちゃんっていつもドロシーと一緒なんだからたまには私たちと食べたって」

レオナ「そ、そうだね……でも……」

ドロシー「(そろそろかな)はーいストップストップ 強引に誘うの止めてくれるかな
レオナが困ってるでしょ?」

レオナ「ど、ドロシー」

女子3「ちょ、ちょっといきなり入って来ないでよ!」

ドロシー「キミこそボク達双子の間に勝手に入って来るのやめてくれない?」

女子1「ねぇドロシー、それなら私たちみんなでご飯食べるってのはどう? これならいいでしょ?」

ドロシー「それもダ~メそんなこと言ってキミ達レオナに近付きたいだけでしょ?」

女子2「これでもダメなワケ?」

女子3「そんなにレオナちゃんに私たちを近づけたくないの?」

ドロシー「そう、キミ達をレオナに近づけたら悪い影響がありそうだからね」

レオナ「ド、ドロシー そこまで言わなくても」

女子1「わかったわ、今日の所は諦めるけどいつかみんなでランチ出来るといいわね」

ドロシー「まぁそんな日は来ないと思うけどね バーイ」

レオナ「し、失礼しました」

間違いない、こいつらは『男』としてレオナを見ていた そんな奴らをレオナに近付けさせるわけにはいかない

レオナ「ドロシーさっきのはちょっと言い過ぎじゃない?」

ドロシー「そんなこと無いって そうだ! レオナからも一度はっきりと断っておいた方がいいよ」

レオナ「そ、そうかな」

ドロシー「レオナ、友達はちゃんと選ばなくちゃダメだからね
さっきも言ったけどあいつらはレオナに悪い影響を与えるんだ」

レオナ「うん……ドロシーがそう言うなら……」


みれぃ「あら? ドロシーとレオナじゃない 今からお昼?」

廊下で会ったのはそらみスマイルのみれぃとそふぃさんだった

ドロシー「そうだよ、何か用?」

レオナ「みれぃさん、そふぃさん、こんにちは」

そふぃ「こんにちは」

みれぃ「私たちもらぁらと一緒にランチのつもりよ」

そふぃ「良かったら一緒にどう?」

レオナ「えっ、と……」

ドロシー「(さっきあんなこと言ったからな、まぁこいつらならいいか)
いいよ ボク達と一緒にランチ出来るなんてラッキーだね」

少し迷ったけど、まぁなんだかんだ言ってもこいつらはあの女子たちよりは信用出来る
同じプリパラのアイドルだからねっ

レオナ「ド、ドロシー! ご、ごめんなさい」

みれぃ「いいわよ別にそれじゃ校舎裏へ行きましょう?」

そふぃ「お弁当、手作りなの?」

レオナ「うん朝早く起きてドロシーの分も作ってあげるの」

らぁら「えーすっごーい! 一口もらっていいですか!?」

レオナ「いいよらぁらちゃん」

らぁら「やったぁー っん
おいしーい! レオナさん料理上手なんですね!」

レオナ「そんなことないよ らぁらちゃんだって毎日作っているとこのくらい上手に作れるよ」

らぁら「だったら今度料理教えてください!」

レオナ「いいよ」

らぁら「やったぁー!」

そふぃ「わたしも一口食べたい」

レオナ「はい、どうぞ」

そふぃ「ありがとー」

ドロシー「」

みれぃ「どうしたの ドロシー?」

ドロシー「別に」

『別に』、そう別になんでもない

みれぃ「レオナと話せなくて寂しい?」

ドロシー「そんなんじゃないってば!」

うわわかりやすーボク、そうですみれぃの言う通り、レオナのことが気になって食事も全然進みません

みれぃ「はいはい、もう日本には慣れた?」

みれぃも気を効かせて話を振ってくれた、なんか話さなきゃ

ドロシー「まぁまぁね」

失敗

みれぃ「Fortune Partyの新作確認した?」

ドロシー「うん」

みれぃ「私の話聞いてる?」

ドロシー「聞いてるよー」

ダメだな、レオナのことが気になって世間話も出来ないなんて

みれぃ「レオナの方を見ながら言われてもねぇ、ほんとアナタってレオナにべったりなのね」

『レオナ』このワードでボクの耳は初めてみれぃの話を聞く体勢になった

ドロシー「そうだよ、そりゃ双子だもん」

みれぃ「やっとこっち向いてくれたわね、双子だからいつも一緒に居るのかしら?」

ドロシー「そうさボク達は生まれてからずっと一緒でこれからもずっと一緒なんだよ」

みれぃ「アナタはレオナと二人だけの狭い世界で満足なワケ?」

やめろ

ドロシー「当たり前だろ! ボクはレオナさえ居れば他には何もいらないんだから!」

みれぃ「もしアナタがそう考えていたとして、レオナも同じ考えとは限らないわ」

やめろ

ドロシー「っ、何が言いたいワケ?」

みれぃ「例え双子でもアナタとレオナは別の人間よレオナにはレオナの人生があるわ、だからそれを

ドロシー「もういい! ボク帰る!」

みれぃ「あっドロシー!」

らぁら「あれ?ドロシーさん帰るのかな?」

レオナ「ドロシー!」

みれぃの話はあれ以上聞きたく無かった

いつだって考えないようにしていた、ボクの気持ちとレオナの気持ちが違うなんてこと

でも、さっきレオナはらぁらたちと楽しそうに話してた さっきのクラスの女子たちと話している時とはまるで違った

もしかして、もしかして本当はレオナは

レオナ「ドロシー」

ボクが『最も考えたくないこと』を考え始める直前、レオナの声が聞こえてきた

ドロシー「レオナ! 来てくれたの!」

レオナ「だってドロシー急に居なくなっちゃうんだもん」

ドロシー「だよね! やっぱりレオナはボクが一番大事なんだよね!」

レオナ「へ? うん、そうだよ」

ドロシー「グラスの奴らよりもそらみスマイルの奴らよりもボクの方が好きだよね!」

レオナ「うん、わたしはドロシーが一番だよ」

ドロシー「うんうん! そうだよねそうだよね!
あ~心配しちゃって損しちゃった そうだみれぃにさっきのこと謝んなきゃな~」

レオナの『ドロシーが一番だよ』という言葉がボクの平静を取り戻させた

やっぱりレオナにはボクが必要なんだ!
うんそうだよそうだよボクにレオナが必要なのと一緒、ボク達は一心同体でお互いが居ないと完成しない1人の人間なんだ!

みれぃ「ごめんなさい!ドロシー!」

ドロシー「へ?」

みれぃ「アナタを怒らせるつもりは無かったの、ただ」

ドロシー「いやいや、さっきのはボクも悪かったよ ボクからもゴメンナサイ」

みれぃ「? 急に素直になったじゃない、さっきは機嫌が悪かったのかしら」

ドロシー「まぁねっ それにみれぃはボク達と仲良くしたいだけなんでしょっ?」

みれぃ「ええ、まぁ」

ドロシー「まっこんな可愛いボクとレオナと仲良くなりたいなんてそりゃみんな思うに決まってるよね!」

みれぃ「ふふっ言ってくれるじゃない」

ドロシー(そうだ、何も心配することは無い レオナの一番はボクなんだ
レオナの一番はボク
レオナの一番はボク
レオナの一番はボク)

ドロシー「ふふふっ」

みれぃ「ぇ、何笑ってるのよ」

ドロシー「べっつにぃ~」

レオナ「ドロシー、起きて」

ドロシー「あとちょっと~」

レオナ「もう10時だよ、アニメ始まっちゃうよ」

ドロシー「うそっ!?」

レオナ「ほら、始まったよ」

レオナ「ありがとうレオナ、見逃すとこだったよ~」

いつも通りの土曜日の朝、レオナの声で起こされるボク

レオナ「ふふっドロシーは本当このアニメ好きだよね」

ドロシー「まぁね~このアニメの女の子たちすっごく可愛いんだよ~
まぁボクほどじゃないけどね」

レオナ「はいはい」

ドロシー「あれ? レオナは見ないの?」

レオナも毎週楽しみにしてたはずなのに

レオナ「うんごめんね、今日はお客さんが来るから後で録画したのを一緒に見よ?」

ドロシー「お客さんが来るの?」

そんなこと聞いてないんだけど? 誰だろ?

レオナ「うん、らぁらちゃんとそふぃさん」

ドロシー「えっ?」

レオナ「あっ 来たみたい」

チャイムが鳴った直後、レオナは玄関に向かって行った
なんで、なんであいつらが家に…レオナそんなこと言ってくれなかったよね?

ドロシー(下からレオナとあいつらの声が聞こえる……
アニメ、全然面白くない)

ドロシー(今、何やってるんだろ ボクとアニメ見るより楽しいことなのかな)

ドロシー「レオナのとこ行こ」



レオナたちが居る部屋のドアに手をかけた時、中から楽しそうな声が聞こえてきた

ドロシー「……また様子を見てみようか、」

ぼくは息を潜めて中の様子を探りだした

……何をやっているんだう、ボクは

レオナ「らぁらちゃんそうだよそうやれば」

らぁら「えっと、こう?」

レオナ「そう!やったね!らぁらちゃん」

そふぃ「らぁらちゃん 上手~」

らぁら「えへへありがと、レオナさんのおかげで上手く出来たよ!」

仲良く料理を作っているらぁら達の声が聞こえる、レオナも凄い楽しそうだ

レオナ「みんなで食べよ? ドロシー呼んで来るね
ドロシー 朝ごはん出来たよー」

ドロシー(大丈夫だレオナの一番はボクなんだからレオナの一番はボク)

レオナ「あっドロシーもう来てたんだ こっち来て一緒に食べよ?」

ドロシー「うん! レオナの朝ごはん楽しみだな~」

レオナ「ふふっ今日はらぁらちゃんとそふぃさんと一緒に作ったんだよ」

ドロシー(そっか、この2人はレオナに料理を教わりに来たんだ)



朝食はまるで喉を通らなかった

いつもレオナの作るご飯は美味しくて、今日のだって変わらない美味しさだと思う

けどらぁらとそふぃさんのことを考えるとまるで食べる気がしない……

ドロシー(このご飯を作る時、楽しそうだったな
ボクもあの中に混ざればこんな気持ちにならずにすんだのかな)

らぁら「ほんとすっごい美味しい!」

レオナ「ありがとう でもそれはらぁらちゃんとそふぃさんが手伝ってくれたからだよ?」

そふぃ「また来てもいい?」

レオナ「うん!」

ドロシー(無理 今だってこの会話に入るどころかこの空間にいるだけで辛いのに……)

なんでレオナはボクじゃない子と喋ってるの?
なんでレオナはボクじゃない子と笑ってるの?
なんでレオナはボクじゃない子のことを考えているの?

もしかして

もしかしてレオナはボクのことをいらないって思ってるの?

ドロシー「ゴメン、ちょっと体調悪いから残すね」

レオナ「ドロシー?」

ボクは部屋に戻って、ベッドに伏した

ベッドの中で色々なことを考えた

ボクはレオナにとって何だったんだろ?

お姉ちゃんとして何かしてあげられたのかな?

ボクがしてあげたこと、レオナに近付く邪魔者を追い払った?

違う、ボクはレオナから友達を奪っているだけ

ボクはレオナの一番で居たいから、だからレオナから何もかもを奪ったんだ

そしてボクはもう一つのことに気付かされた

ボクはレオナと一心同体だと思ってたけどそうじゃない、ボクはレオナを1人の人間として愛しているんだ

ボクがレオナに抱いている感情の正体、それは歪んだ愛護と独占欲……

ドロシー「レオナ……ごめん」

涙が止まらなかった、レオナへの気持ちが溢れて止まらない

ドロシー「レオナ……レオナぁ……」

レオナに悪い影響を与えているのはボクなのに、ボクはレオナに近付いちゃいけない人間なのに、

ドロシー「好きだよ……好きだよレオナ……」

気付くとボクは眠っていた あやふやな意識の中でもボクの目の前にはレオナがいて、

ドロシー「レオナ…… 手、握って」

レオナ「うん ドロシーがそう言うなら」

夢の中なのにレオナの手は暖かかった ってこれ夢じゃない!?

ドロシー「れ、レオナぁ!」

レオナ「わっ、いきなりおっきな声出しちゃだめだよ」

ドロシー「でもなんでここに……」

レオナボクのベッドの横に座り込んでボクの手を握っている

レオナ「ドロシー、朝から様子変だったでしょ? だからここでずっと見てたの
ドロシー寝てる時すっごい苦しそうだったんだよ?」

ドロシー「…………らぁらとそふぃさんは?」

レオナ「ドロシーが心配だから帰ってもらったよ」

まただ、ボクはまたレオナの邪魔をしたんだ……

ドロシー「ごめん……ごめんレオナ……」

レオナ「ど、ドロシーなんで泣いてるの……?」

ドロシー「ボクはレオナに近付いちゃいけない人間だったんだよ……」

レオナ「……」

ドロシー「ボクはレオナをひとり占めしたかったから、だからレオナに近付く人を全て追い払ったんだ……」

ドロシー「そんなことしたらレオナがひとりぼっちになっちゃう、そんなことにも気付かない、それがボクなんだよ……」

ボクはレオナに思いの全てをぶつけた

これでレオナはボクのこと嫌いになってくれるハズ、そうしたらもうレオナに迷惑をかけなくてすむ……

レオナ「ドロシー、」

ドロシー「何」

レオナ「わたしはひとりぼっちにはならないよ? だってドロシーがいるんだもん」

レオナ「わたしが自分から何か出来るようになったのは、いつだってドロシーが見守ってくれるからだよ?」

レオナ「それに……わたしはドロシーと一緒に居たい……ドロシーのことが、好きだから……」

ドロシー「でもでもボクの気持ちとレオナの気持ちは違うんだ」

レオナ「そんなことないよ」

レオナ「ドロシーのそれも、わたしの気持ちも相手を思いやる純粋な気持ちなんだよ?」

レオナ「だからさ、」

そう言ったレオナは一呼吸置いてゆっくりと話し始めた

レオナ「ドロシーは、わたしのこと、すき?」

レオナの声は震えていた、いや声だけじゃない よく見たら右手の震えを左手で隠している

恐いのはボクだけじゃなかったんだ……レオナもボクと同じように悩んで不安だったんだ……

だったらボクの答えはもう決まっている

ドロシー「ボクも好きだよ!レオナぁ!」

ボクはベッドから跳びはね、レオナに覆い被さりながら抱き締めた

レオナ「わわっ、痛いよドロシー ちょっと離してよ」

ドロシー「ヤダ、離さない もう絶対レオナの側から離れない」

レオナ「……ありがとう、ドロシー」

レオナはボクの頭を優しくなでてくれる

レオナと抱き合っているのは凄く心地よくて、ボクたちはそのまま時間を過ごしていた

ボクらが抱き合ってどのくらい経ったか、急にレオナが口を開いた

レオナ「ねぇドロシー、今日からは一緒のベッドで寝よ?」

レオナの声がまっすぐに届く

レオナ「ドロシーとわたしは別の人間だよ でもね、わたしはドロシーに少しでも近付きたいから、ドロシーが苦しんでいるならわたしもその気持ちを共有して少しでも和らげたい、ダメかな?」

ボクは遠回りしてただけなんだ、ちゃんとレオナと話せばこんなに簡単なことだったのに

ドロシー「レオナぁ!ずっと!ずっとだよ!ずっとずっとボクの側から離れちゃダメなんだからね!」

これでいい、今完成するんだ、2人だけの世界が

レオナ「ふふっ ドロシーがそう言うなら」


おしまい

この2人は近親、依存、男の娘などの要素があるので明るい話にはならなそうだと思いました。

読んでくれた方ありがとうございます。
HTML化依頼してきます。

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