エトナ「殿下が暇をこじらせて死んだ!?」(15)

プリニー「これっスね」

ラハール「 」チーン

エトナ「うげっ、なんつー綺麗な死に顔・・・」

エトナ「んでもこれ、寝てるように見えなくもないんだけど」

エトナ「ホントに死んでんの?」

プリニー「これが医者のだした魔物死亡診断書っス」ピラッ

エトナ「へぇ、いっつもテキトーなクセに、珍しくピシッとしてんじゃん」

エトナ「どれどれぇ・・・」




エトナ「はああああ!?!?」

プリニー「いっ、いきなりどうしたんスか!?」

エトナ「『死因:暇をこじらせたことによる病死』ってなんなのよこれ!!」

プリニー「書いてある通りなんじゃないんスかね」

エトナ「ぜんっぜん納得できないわ!」

エトナ「だいったい、これ、暇なのが病気みたいになってんじゃん!」

プリニー「エトナ様、それは自分もおかしいと思うっスけど、医者が・・・」

エトナ「そのヤブ医者呼んできな」

プリニー「はい?」

エトナ「呼んできなっつってんだろー!!」

プリニー「はいいい!ただいま!!」パタタタ

期待④

医者プリニー「エトナ様・・・お呼びっスか?」

エトナ「おっっそい!!」
医者プリニー「申し訳ありませんっス、あの方を連れて来てましたゆえ・・・」

エトナ「あの方って誰よ」

医者プリニー「フロンさんっスよ、フロンさん」

プリニー「さあさあ、こっちっスよ」

ザッ・・・ザッ・・・

フロン「よよよよ・・・よよよよよ・・・・・・」シクシク

エトナ「いつの時代の泣き方なのよそれ」

フロン「おーいおいおぃ・・・・・・」グスグス

エトナ「別に泣き方変えろって訳じゃないのよ、フロンちゃん」

エトナ「・・・んで、フロンちゃん呼んでどうすんのよ」

医者プリニー「先ほどそこのプリニーから聞いたっスよ」

医者プリニー「エトナ様は死因に納得できてらっしゃらない・・・と」

エトナ「んだってさ、暇で死ぬわけないじゃん」

エトナ「暇で死にそうだーっていう時はあるけど、例え話じゃない?その場合」

医者プリニー「フッ・・・これだから素人は・・・っス」

エトナ「あっそ、んじゃあ納得いかない説明だったら減給ね」

医者プリニー「のぞむところっスよ、フロンさん」

フロン「はい・・・なんでしょう・・・?」

医者プリニー「死ぬまでの状況を説明してくださいっス」

フロン「はい・・・わかりました・・・」

ワロタwww

フロン「あれは・・・明るい夜・・・そう、満月の夜だったんです・・・」


―――


テレビ "怪人・三段バラクーダ!これでお前もおしまいだ!"

テレビ "うっ、うるへー!"

フロン『ふおおおおお!追い込みましたっ!そこで!』

フロン『必殺の!』 テレビ "必殺の!"

フロン『アクション・キイィィィック!!』ダッ テレビ"アクション・キイィィィック!!"

ガッシャアアァァァン!!

フロン『フワーッハッハッハ!アクション仮面がいる限り!』

フロン『この世に悪・・・は・・・栄え・・・』サーッ・・・

フロン『・・・やっ、やっちゃいました・・・テレビは・・・』

テレビ『 』

フロン『ぐちゃぼろ・・・ですね・・・』

グオオォォォ・・・

フロン『ひいいいぅ!?』ビクビクッ

フロン『い、いい今今うめき声がしました!』

グアアァァァ・・・

フロン『ひゃあ!ま・・・また・・・!』

フロン『dvdは生きてますけど・・・テレビは死んでますから、テレビは違う・・・』

フロン『でも、この声、どことなく怪人の声に似ています・・・』

フロン『ということは』

フロン『そうですか、怪人さんですね・・・!』

フロン『お城の中に勝手に入るなんて、宇宙刑法:家宅侵入罪に触れてます!』

フロン『デリートしてやりましょう!』

フロン『不肖堕天使フロン、お城の平和と秩序を守るため、今、義憤に駆られています!』

ウアアァァァ・・・

フロン『うめき声・・・悪党、この部屋に潜んでいましたか・・・!』

フロン『覚悟ぉー!』ガチャッ

ラハール『ううぅぅぅ・・・』

フロン『あれれ、うめき声の正体はラハールさんだったんですかぁ』

フロン『でっ、でも苦しそうですけど、大丈夫ですかー?』

ラハール『・・・ひ・・・ひま・・・・・・だ・・・・・・』カクカク

フロン『へ・・・?』

ラハール『・・・暇に・・・やら、れ・・・・・・た・・・・・・』カクカク

ガクッ

フロン『ラ、ラハールさん・・・?』

『ラハールさああぁぁぁん!!』

ピーポーピーポー・・・

エトナ「ありがちなサスペンスみたいになってんだけど」

エトナ「っていうかー、フロンちゃーん?」

フロン「はい、なんでしょう?」

エトナ「テレビ、壊しちゃったんだー」

フロン「あ」

エトナ「テレビぶっ壊しちゃったらさー、宇宙刑法:テレビぶっ壊し罪に、引っ掛かっちゃうんじゃないー?」

エトナ「だったらさ、 し・ょ・け・い する必要があるんじゃないかなー?」ジリジリ

フロン「しょ、処刑・・・ですか?」ジリジリ

エトナ「そうそう!わかってるじゃなーい!」

エトナ「じゃあ、いち、にい、さん、で済みますからねー・・・」

フロン「いっ・・・いっ・・・」

フロン「いーーーーやーーーー!!!!」

フロン「痛いです・・・」ヒリヒリ

医者プリニー「殿下がこうなる前にも、エトナ様が出かけてから」

医者プリニー「『暇で死にそうだ』等の言動が目立っていたみたいっスね」

エトナ「んで、これなわけ」

ラハール「 」チーン

医者プリニー「どこからどうみても死んでるっぽいっスよね」

フロン「死んでるっぽいです」

エトナ「そうよね、死んでるっぽいよねー・・・」

「「「・・・・・・」」」

エトナ「ぽいってなんじゃ!ぽいってえええ!!!」ガッシャ-ン!

医者プリニー「ぎ、ぎゃーーーーっス!!!!」

しえん

殿下ってどうしても強キャラになり得ない所が好きだわ

医者プリニー「痛いっス・・・」

エトナ「結局死んでんのか死んでないのかわかってないんじゃん!」

医者プリニー「そうっスね」

エトナ「そうっスね、じゃないっつーの」

医者プリニー「専門的な知識も無いのに、医者のまね事なんて無理っスよ」

医者プリニー「そんなに言うなら、ちゃんとヒーラーを雇ってほしいっス!」

エトナ「雇ったら雇ったで、むちむちぷりんだから殿下が嫌がるのよねー」

エトナ「アタシも嫌だけど」

エトナ「んじゃ、殿下はほーっといてもいっか」

フロン「へっ?エトナさん何かするんですか?」

エトナ「用事残してきちゃってさぁ~、さっさととんぼ返りしたいのよねー」

エトナ「なに?何かアタシここでやることあった?」

フロン「エトナさんがいないと、お食事が粗末になっちゃうんです!」

エトナ「え~っ!インスタントラーメン、いろんな種類置いてったじゃん!」

フロン「でも、インスタントラーメンはインスタントラーメンなんです!」

フロン「それに・・・」

エトナ「それに?」

フロン「先日テレビを見ていたら、インスタントラーメンの食べ過ぎは痛風の元だと言ってたんです」

フロン「物凄く痛いらしいですよー?痛風、私は発症したくないです!」

エトナ「その顔で痛風なってヒーコラ言ってる図が想像できないわー・・・」

エトナ「あー、んじゃさ、どう、ついて来る?」

フロン「いいんですか?ラハールさんほったらかしですよー?」

エトナ「いいのよ!殿下のこたぁ気にしない!魔王なんだから自分の身くらいなんとかするっしょ」

フロン「なるほど!それではお言葉に甘えて・・・」

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