ジャイアン「匂いが欲しい」(37)


男子便所________


スネ夫「……ん、ぅぅ、はぁ」ブリュッ

スネ夫「………えっ?匂い?」フキフキ

ジャイアン「だからよぉ、足りねぇんだ」ジョロロロ

スネ夫「足りないって?」ジャー

スネ夫「すっきりした」カタン

ジャイアン「分かんだろ、オカズだよ。オカズ」ピッ

スネ夫「うわ、それ触った後の手で指さないでよ」パシャパシャ

ジャイアン「うっせぇな」

ジャイアン「真面目に聞いてんのか」

スネ夫「真面目に聞いて欲しけりゃ、聞いて欲しいなりの話題を持って来る事だね」フキフキ

ジャイアン「……お前も言うようになったなぁ」


体育________


オーイ、ソッチニ ボール イッタゾー

チャントトレヨー

スネ夫「…で、何なの?匂いが欲しい、って?」

ジャイアン「お、聞いてくれるのか?」

スネ夫「…休憩の間だけだよ」

スネ夫「て言うか、ジャイアンさぁ…手洗った…?」

ジャイアン「嗅ぐか?潔癖症さんよ」スッ

スネ夫「ぅわっ!!気持ち悪い!やめろよ!」

ジャイアン「失礼な奴だな。洗ってあるっつうの」

スネ夫「………」

ジャイアン「睨むなよ、河童」

スネ夫「誰が河童だって!?」

ジャイアン「でさ」

スネ夫「…何だよ、いきなり小声になって」

ジャイアン「抜く時のオカズが足りねぇんだ」

スネ夫「はあぁぁぁ………」

ジャイアン「そんな顔しないでくれよ」

スネ夫「……ジャイアンって、ほんっっっと!性欲強いよね、呆れる」

ジャイアン「まぁな!」

スネ夫「開き直るな」

「よっ、武!スネ夫!」

「何だ何だ~、何の話~?」

ジャイアン「おっ!お前らも休憩回って来たのか?」

「ま、そういうとこ」

「で?で?何の話?」

スネ夫「中学三年生にもなって、自身の性欲の強さに悩むジャイアンの話」

ジャイアン「おい」

「悩むこたぁ、ねぇだろ」

「エロ本で充分じゃね?スネ夫に沢山借りてんだろ、お前」

ジャイアン「エロ本は駄目だ。完璧な女体過ぎて抜けねぇ」

スネ夫「……それ、どうにかしなよ」

「わっかんねぇなぁ」

「だったらお前、女捕まえてヤればいいじゃねぇか」

「お前のその容姿なら、一人や二人軽く………つか武、お前彼女いなかったよな?」

ジャイアン「あー…まぁ、な」

「勿体ねぇ!何で作らねぇんだよ!」

スネ夫「ジャイアンって、案外モテるのにね」

「ほんとだよ!お前、告白される度に振ってるんだってな!どういう事だよ!!」

「まぁまぁ、そんな熱くなりなさんな」

ジャイアン「あの時はすまなかったな……」

「俺のまゆみちゃんを取りやがってぇ~!」

スネ夫「まぁこの話はさておき、ヤるヤらない以前にジャイアンは既に非童貞だよ」

「そうだったのか!?」

「俺は知ってた」

「だったら、相手いっぱいいるじゃねぇーか。悩む必要ないだろ。童貞舐めてんのかこの野郎」

ジャイアン「……何か、ちげぇんだよなぁ」

「ああ!?」

「落ち着け」

ジャイアン「……思ってたのと、違うんだよ、何か」

「何か、って何だよ!」

ジャイアン「…分かんねぇ」

「分かんねぇ、って何だよ!分かんねぇって!」

ジャイアン「分かんねぇ…」

スネ夫「はぁ……」

「因みに今まで何人とヤったんだ?」

ジャイアン「んーと、四人か?…覚えてねぇ」

スネ夫「こないだ、僕と女の子一人と君とでヤッただろ?五回だよ」

「!?!?」

「さっ、さんぴー!?」

ジャイアン「…あぁ、そうだったな。忘れてたわ」

「お、お前ら……」

「金持ちとイケメンめ……呪われろ…っ……」

「………武、一言言って置くが」

ジャイアン「何だ」

「お前は充分エロに恵まれてるぞ。全く羨ましい!!」

ジャイアン「…まぁ、そうなのかもな」

「ああ!!」

ジャイアン「………」

スネ夫「………」

「そう言えば」

「お前、可愛い妹いたよな?ジャイ子ちゃん、だったっけ?」

ジャイアン「おう」

「オカズ、あるじゃん」

ジャイアン「あ?妹に欲情する程落ちぶれてねぇよ」

「あ、怒った?」

ジャイアン「うるせぇ」

スネ夫「ジャイアンはこの手の冗談嫌いだからやめといた方がいいよ」

「あー、はいはい、変なとこで真面目だなぁ、武はよ」

「それにしても、兄妹揃って美男美女とは羨ましい限りだな全く」

「そうだな」

スネ夫「実はああ見えて、小学校時代はジャイアンぶっさいくだったんだよ」

「「え!?」」

スネ夫「ね?ジャイアン」

ジャイアン「……勘弁してくれ。つか、変わらず不細工なお前に言われたくねーよ」

スネ夫「ノリ悪いなぁ」

「え?何その事実!初耳なんだけど!!」

スネ夫「結構有名な噂なんだけど…知らない?」

「知らない!!」

「あ、でも、俺聞いた事あるかも………昔はデブってた、って」

ジャイアン「あーっ、もうー!!お前らうるせー!!」

「何だ!図星かよ!!」ゲラゲラ

「こりゃ良いネタだわ!!」ゲラゲラ

スネ夫「ぷぷ、中学入ってからダイエットもしてないのに何故か急激に痩せたんだよね」

ジャイアン「スネ夫……お前……」

スネ夫「軽い冗談、軽い冗談」

スネ夫「……ぷぷっ」

ジャイアン「………」ジトーッ

「あれかー、成長期?良かったな、痩せて」

「脂肪が身長をプラスさせたんだな………ずるいわ、ほんと」

ジャイアン「………はぁ」

「…待てよ、って事は……ジャイ子ちゃんも?」

「えっ、それは流石に……」

スネ夫「…あー、まぁ、ね……」

「えーっ!?そうなの!?デブだったの!?」

ジャイアン「妹を侮辱するんじゃねぇ」

「安定のシスコン」

「全くだな」

ジャイアン「………はぁ」

ジャイアン「…あいつは、ダイエットしたんだよ」

「へぇ!」

「いいじゃん!」

スネ夫「あっ、そうだ!今度、ジャイアンの家へ行こうよ!卒業アルバムあるからさ、うしし」

「いいな、それ。ジャイアンの小学生時代を拝んでやるよ」

「賛成だわ」

ジャイアン「………おい」ボリボリ

スネ夫「まぁまぁ」

「妹ちゃんにも会えるし」

「噂じゃ巨乳らしいぜ、へへ」

ジャイアン「どこから出回んだよ、その情報……」



グラウンド 女子側______


「静香ーっ、いくよー?」

しずか「ええ!」

「てぃっ!」ポイーン

しずか「はい!」バシッ

「ほいっ」バシッ

「はいよ!」バシッ

「しずか!アタック!」

しずか「あっ」ツルッ

ポーンッ

しずか「ご、ごめんなさい!」

「どんまーい!次行くよー!」

しずか「………」

「はいっ」ポーンッ

「よっ」パシッ

「ほっ」パシッ

しずか(今度こそ……っ!)ピョンッ

しずか「はいっ」バッシーンッ

しずか「しまっ……!!」

「危ない!!」

「……え?」

ドシャーンッ

しずか「…!!」

「どうした!?」

「ボールがっ…!!」

しずか「………ぁ」サアァァァ

「何やってる源!!」

ザワザワ……ザワザワ……


グラウンド 男子側______


「源静香」

「?」

スネ夫「何だよ、いきなり」

「いるじゃん、身近に」

ジャイアン「オカズの事か?」

スネ夫「ああ…それね」

「源さん、清楚系でそそるぜ」

「可愛いよな。貧乳だけど」

「絶対処女。どうなの?武」

ジャイアン「んー?あー、そうだな。確かにあいつは絶対処女だな。ガード固いし」

「だよなー」

休憩

「最近ではいないタイプだよ、源さん」

「地味でも派手でもない。かといって、普通って感じでもない」

「分かる」

「何か不思議な感じ」

ジャイアン「…そうか?」

「おう」

「つか、そう言えばよ……」

「お前ら、幼馴染みなんだってな?」

スネ夫「ん?あぁ、まぁね」

ジャイアン「…」

「武とスネ夫、んで源さん」

「……それと、あっ」

「4組の野比のび太!」

ジャイアン「………」

スネ夫「………」

「野比ってすげーんだろ!」

スネ夫「…うん」

「俺、同じクラスになった事あるけど、あいつマジで天才だぜ?」

「文武両道!噂じゃ小学生の頃は落ちぶれてたらしいけどよ」

「はぁ~、才能開花って奴か!捨てたもんじゃねぇな!」

ジャイアン「……あいつは」

「ジャイアン?」

ジャイアン「……ほんと、すげーよ」

「………熱でもあんのか」

ジャイアン「ねぇよ!!」

「ギャハハハハハッ」

「武が認める程、って……野比のび太、恐るべし……っ」

ジャイアン「何でそうなんだよ!!」

「「ワハハハッ」」

スネ夫「………」

「それとな、ちょっと面白い話があるんだぜ?」

「えっ、何々?」

「出木杉っているだろ?野比と同じクラスの」

「ああ!あの不良!」

「野比って源さんの事が好き、って噂じゃん?」

「あー、うん」

ジャイアン「……」

スネ夫「……」

「野比と源さん、それと出木杉で三角関係らしいぜ?にしし」

「えっ、……マジか」

スネ夫「……」チラッ

ジャイアン「…ガセ吹き込んでんじゃねぇよ」

「へ?ガセなの?」

ジャイアン「あたりめーだろ」

「…何だよ、いきなり不機嫌になって」

ジャイアン「うるせぇ」

スネ夫「………ちょっと、ジャイアン」

ジャイアン「………」

「………」

「…え、何この空気」

スネ夫「………はぁ」

「ちょ、俺、こういう空気苦手だからさぁ……」

ジャイアン「………」

「………」

「ジャ、ジャイアンはあれなの?えっとさぁ………そうだ!源さんで抜いたり、しないの?」

ジャイアン「」スクッ

ジャイアン「しねぇよ、童貞じゃねぇんだし」

「え、あっ、そ、そうだよなぁ…っ…ははっ、俺らみたいに童貞じゃねぇもんな!」

オーイ、ゴウダー ホネカワー イツマデシャベッテルー

キュウケイハ トックニ スギタゾー

ジャイアン「うーっす、今行きまーす」

ジャイアン「じゃ、先生呼んでるし行って来るわ。じゃあな」

スネ夫「それじゃ」

「…………」

「おっ、おう!また!」

タタタタッ

「…………んだよ、あいつ」

「…………」



「お前ら、休憩長過ぎだ!やる気あんのかぁ?罰として校庭十周!」

__________


タッタッタッ タッタッタ

スネ夫「は……っ、はぁ、っ……はっ…」

ジャイアン「……おい大丈夫か、スネ夫」

スネ夫「ジャイアン、こそ…っ、はぁっ……」

ジャイアン「何言ってやがる。俺はまだまだ……」

スネ夫「そっち、じゃっ……なくて……っ…うぐ」

スネ夫「もう駄目だぁっ……ちょっときゅーけい……っ」ドスンッ

ジャイアン「……情けねぇな。お前、ほんとに男か?」

スネ夫「気にしてる事を言わないでくれよ……」

ジャイアン「気にしてたのか、すまん」

スネ夫「小学生の頃は、こんなぐらいへっちゃらだったのに……」

ジャイアン「めっきり運動しなくなったからだろ」

スネ夫「ごもっともで………はぁー…っ」

スネ夫「…………で、大丈夫なの」

ジャイアン「……何が」

スネ夫「……何が、って分かってんだろ?」

スネ夫「さっきの、だよ」

ジャイアン「…………」ドスン

ジャイアン「………何も知らねぇ癖に、あいつら」

スネ夫「………」

ジャイアン「勝手に俺達の事情にズカズカ入って来やがって……」

スネ夫「“俺達”、ねぇ……」

ジャイアン「!」ハッ

スネ夫「……ジャイアン、分かりやすっ」

ジャイアン「………くそが」クシャクシャ

スネ夫「ジャイアンってほんとーに」

スネ夫「しずかちゃんの事となると、すぐ頭に血が上るんだから」

ジャイアン「………」

スネ夫「……あからさまなキレ方しちゃったね」

ジャイアン「はぁ………めんどくせぇよな」

スネ夫「………」

ジャイアン「俺って」

スネ夫「………まぁね」

ジャイアン「すまねぇな」

スネ夫「別に。ジャイアンは案外溜め込むから」

ジャイアン「お前は、一番の心友だよ」

スネ夫「はいはい」

コラー、オマエラ ナニヤッテルー ハシランカー!

ジャイアン「やべっ」

スネ夫「あぁ………」


タッタッタッタ タッタッタッタ

スネ夫「ん?向こう側のグラウンドって確か」

ジャイアン「あ?」

スネ夫「しずかちゃんのクラスじゃない?使ってるの」

ジャイアン「ん?どれ……………ぁー、そう、だな」

スネ夫「バレーしてるね」

スネ夫「お、しずかちゃん発見」

ジャイアン「あっ、外した」

スネ夫「……なんて言うか、こうして見てると、しずかちゃんってほんとに胸な」

ジャイアン「言ってやるな」

スネ夫「………」

ジャイアン「つーか、あいつ、堅くなり過ぎだろ。何でもっと体の力を抜かねぇ」

ジャイアン「ジャンプのフォームも崩れてる。あれじゃ、打てても」

スネ夫「あっ、打った!」

ジャイアン「!!」

ジャイアン「危ねぇ!!」

ドシャーンッ

スネ夫「!」

ジャイアン「………言わんこっちゃねぇ」

スネ夫「もろ、見学者に当たったね……」

ジャイアン「顔真っ青じゃねぇか、しずか。………はぁ」ヤレヤレ

ジャイアン「昔はあいつも、人並みには運動出来たのにな」

スネ夫「やっぱり、運動しなくなったからじゃない?しずかちゃん、文芸部だしさ」

スネ夫「……っま、それだけじゃないか」

スネ夫「勉強も追い付いてないみたいだし」

ジャイアン「………」


昼食 屋上______


出木杉「で、三角関係をネタにされてキレたのか?」モグモグ

スネ夫「そうそう!途端に眉間に皺寄せてさ!ヤクザの顔だったね、あれは」

ジャイアン「うりゅひゃい」モグモグ

出木杉「俺にはわっかんねぇな。事実なんだから、別に気にするこたぁねぇだろ。好きなだけ言わせとけよ」

スネ夫「これが、心の広い英才と心の狭いジャイアンの違いだね。うーん、ロイヤルミルクティーデリシャス」ズズッ

ジャイアン「うりゅひゃい!」ガツガツ

スネ夫「……いや、心に余裕があるか否か、の問題か」

ジャイアン「」ゴックン

ジャイアン「あぁ!?何だと河童!!」

スネ夫「河童!?!?しりこだま抜いてやろうか!?」

出木杉「あー、うるせ」

ギャーギャー ワーワー

出木杉「俺、食べ終わったし教室戻るわ。んじゃな」スクッ

ジャイアン「あっ、おい!待てよ!ひで!」

出木杉「何だぁ?」

ジャイアン「……お前よ」

出木杉「…ん?何?」

ジャイアン「しずかの事、何とも思ってないなら…っ……」

出木杉「あぁ、それな」

出木杉「ふったぜ、きちんと」

ジャイアン「…………そうか」

スネ夫「………」

出木杉「俺、やっぱジャイ子ちゃんが好きだからさ」

出木杉「もういいか?」

ジャイアン「………ああ」

出木杉「あ、そうだ」

ジャイアン「…………どうした」

出木杉「今、慰めてやれば一発ヤれるかもよ?」

スネ夫「…!」

スネ夫「ちょっと英才……!?」

ジャイアン「…………っ…てめぇ……!」

出木杉「冗談、冗談。すぐ顔赤くする~、じゃなー」

キィ バタン

ジャイアン「……………」

スネ夫「…………」

スネ夫「………ジャイアン、あのさ」

ジャイアン「…………はぁ」

スネ夫「………」

ジャイアン「…………そうか、ひで……ふったのか」

ジャイアン「…………」

スネ夫「………」

ジャイアン「…………なぁ、スネ夫」

スネ夫「…ん?」

ジャイアン「……あいつ…ひで、ピアスどうしたんだ…?」

スネ夫「………落としたんだって」

ジャイアン「……そう、か」

スネ夫「………」

ジャイアン「………」

スネ夫(……ピアスはさっき、英才も落としたって言ってたじゃんか)

スネ夫(……重症、かな)

スネ夫(ジャイアンは、いつも)

スネ夫(蚊帳の外だ)

スネ夫「……教室、戻ろう?」

ジャイアン「………おぅ」スクッ


男子便所________


スネ夫「ねぇ、ジャイアン」ジョロロロロ

ジャイアン「あ?」ジョロロロロ

スネ夫「今朝の話」

ジャイアン「けさぁ?」

スネ夫「……覚えてないの?匂いが欲しい、って」

ジャイアン「ああ、それか」

スネ夫「ずっと忘れてたからさ、結局何だったのかなって思って」

ジャイアン「なんだなんだぁ、休憩の間だけじゃなかったのかよ」ニヤニヤ

スネ夫「……うるさいな、気が変わったんだよ。それに一応今も休憩の間だしね」

ジャイアン「……ふーん」

ジャイアン「……俺さ」

スネ夫「うん」

ジャイアン「……セックスしても、エロ本見ても、オナニーしても」

ジャイアン「全然気持ちよくならねぇんだよ」

スネ夫「………」

ジャイアン「………」

スネ夫「え、何、インポなの」

ジャイアン「違うわ」

ジャイアン「お前なぁ……俺と3Pした事あるなら、分かるだろ?勃たない訳じゃねぇんだよ」

スネ夫「え、じゃ、ホモ……?」ブルッ

ジャイアン「もっとありえねぇ」ブルッ

スネ夫「ま、そこら辺は分かってるけど。続けて」

ジャイアン「どれも駄目なんだ。何か違う、満たされん」

スネ夫「………」

ジャイアン「…………」

ジャイアン「…………原因は」

スネ夫「………」

ジャイアン「……何となく、分かってる」

スネ夫「………」

ジャイアン「そこで俺は考えた」

スネ夫「いや、原因を解決しろよ」

ジャイアン「まぁ、そう言うな」

スネ夫「………」

ジャイアン「今までの俺を振り返ってみればセックス中、見るという行為に意識し過ぎて嗅ぐ、という行為を置き忘れていた」

ジャイアン「思えば、見る事しか考えていなかった」

スネ夫「童貞思考かよ」

ジャイアン「だから!」

ジャイアン「嗅ぐ!」

スネ夫「それより、一旦エロから身を引くべきだと僕は思うんだけど」

ジャイアン「それは論外だ」

スネ夫「………」

ジャイアン「多分…いや!きっと!」

ジャイアン「嗅げば、俺の中の何かは満たされる!」

スネ夫「てか、今まで匂いに執着しなかった事実が凄いよ……」

スネ夫「………所で」

スネ夫「…匂い、って言ってもどうするのさ」

スネ夫「見るだけなら、ネットで幾らでも拾って来れるけど」

スネ夫「匂いは流石に……って、まさか」

スネ夫「……僕にまたセックス相手を捕まえて来い、なんて言うつもりじゃ」

ジャイアン「ノンノンノンノンノンノン」チッチッチッ

スネ夫「………取り合えず、安心したよ」ホッ

ジャイアン「もっと簡単に手っ取り早く匂いを嗅ぐ方法が他にあるだろ?」

スネ夫「………ジャイアン、もしかして君……」

スネ夫「ジャイ子の」

ジャイアン「違う!!」

スネ夫「だよね」

スネ夫「と、なると……」

ジャイアン「そうだ」ヒソ

ジャイアン「クラスの女子の体操服を盗むんだよ」ヒソヒソ

スネ夫「なるほど…………」ヒソ

スネ夫「犯罪だ!!!」

ジャイアン「うるせぇ!!ちょっと借りるぐらい良いだろ!!」

スネ夫「…………」

ジャイアン「…………」

スネ夫「……ほんと、正真正銘の変態だね」

ジャイアン「悪かったな」

ジャイアン「俺は」

ジャイアン「匂いが欲しい」

スネ夫「………勝手にしなよ」

スネ夫「その代わり、バレたら自業自得だからね。泣き付いてこないでよ」

ジャイアン「分かってる」

スネ夫(………ったく)

スネ夫「………」

スネ夫(しずかちゃんが欲しい、の間違いなんじゃないの)

スネ夫(ジャイアンは、逃げてる)

スネ夫「…………」

ジャイアン「……応援してくれよ」

スネ夫「誰がするか!!バレて社会的に消滅しろ!」

ジャイアン「ひでぇ……」

休憩

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