P「バレンタイン小編」 (58)

だいぶ無理があるバレンタインSSです。
先日立てた“P「バレンタイン掌編」”の第二弾みたいな。話の繋がりはないので前作は読んでなくても大丈夫です。
各話はそれぞれで独立しており、連続性はありません。
今回は「美希編」「真編」「千早編」を用意しました。(前作に「響編」「伊織編」「雪歩編」があります)

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P「ただいま戻りましたー」

P「はぁ。外は寒いし、バレンタインで浮かれまくってるし。……嫌になるな」

P「一人暮らしだから、母ちゃんにすらチョコ貰えないもんなぁ」

P「余計縁遠い感じだなぁ」

美希編


あずさ「あら、プロデューサーさん。お帰りなさ~い」

P「ただいま帰りましたー」

あずさ「いつもお疲れ様です~。これ、チョコ作ったんですけど、受け取っていただけますか?」

P「あずささんの手作りですか? うわぁ、嬉しいなぁ」

あずさ「うふふっ、喜んでくれてよかったです。あ、でも、お酒が使ってあるので、おうちに帰ってから食べてくださいね?」

P「はい。ありがとうございます、あずささん。お返しはちゃんとさせてもらいますから」

あずさ「まあ。期待してますね~」

美希「すぅ、むにゃ……」Zzz

P「美希もいたのか。……いつでも変わらんな、この子は」クス

美希「ん、ん……ふぁ、あ。あふぅ」パチッ

P「お、起きた。ただいま、美希」

美希「あ、プロデューサー、お帰りなさいなの。……それ、おみやげ?」

P「違うよ。あずささんに貰ったんだ。手作りのチョコだって」

美希「あ、そっか。今日バレンタインだもんね」

P「あそっか、って。随分適当だな」

美希「そうかな? そうそう、ミキもチョコ、あげるね」ヒョイ

P「お、ありがとう。……いや、これは絶対適当だって」

美希「だって、ミキに関係ないんだもん。好きな人いないし」

P「本命はいなくたって、義理チョコとかあるだろ?」

美希「そんなのメンドくさいから用意したことないの。それにバレンタインって何か、いつも以上に男子がじろじろ見てくるから苦手だし」

P「はぁー、そういうもんかね。まあ、美希がクラスにいたらそうなるのも仕方ないとは思うが」

美希「それよりプロデューサー、あんまり嬉しそうじゃないね?」ジトー

P「ん? いや、そんなことはないぞ。嬉しいって」

美希「ほんと? でも、さっきあずさから貰った時は、凄くにやにやしてて気持ち悪かったよ?」

P「気持ち悪いとか言うんじゃない。美希から貰えたのも、同じくらい嬉しく思ってるよ」

美希「ふぅん。ならいいの」ゴロン

P「また寝るのか」

美希「うん。家に着いたら起こしてね」

P「どうして俺が送ることになってるんだ」

美希「チョコあげたんだから、そのくらいしてくれてもいいって思うな」モゾモゾ

P「そう言われると断り辛いけど。そういえば、これは美希が選んでくれたのか?」

美希「そうだよ。デパ地下でよさそうなの選んできたの」

P「わざわざありがとうな」

美希「気にしなくていーよ。ミキもけっこう楽しかったし」

P「そうか。……しかし、美希からチョコ貰えるとは思ってなかったな」

美希「ミキも、プロデューサーにチョコあげるとは思ってなかったの」

P「ははっ。じゃあ、何で用意してくれたんだ?」

美希「何でだろうね。よく考えたら、ヘンなの」

P「俺に聞かれてもな。美希しか知らないんじゃないか?」

美希「んー……」モゾ

美希「……」

P(寝たか?)

美希「……!」ガバッ

P「うおっ。珍しいな、美希が飛び起きるなんて」

美希「プロデューサー。チョコ、半分こしよ?」

P「どうした、いきなり。腹でも減ったのか?」

美希「そういう訳じゃないけど、何となく全部はあげたくなくなったの」

P「何だそりゃ。じゃあ全部返した方がよくないか?」

美希「ううん。半分は食べてほしいな」

P「……? よく分からんが、美希が言うんなら、そうしようか」ガサガサ パカッ

P「ハート型のチョコとは……。手で割っていいか?」

美希「いいと思うの?」

P「だよなぁ。包丁取ってくるよ」スッ

美希「お願いしますなのー」

P「で、半分こでいいんだな? それとも多めに食べるか?」

美希「半分こでいいの」

P「分かった。……よっ、と」ゴトッ

P「右と左、どっちがいい?」

美希「それは別にどっちでもいいかな。プロデューサーが選んだら?」

P「じゃあ右で。いただきます」

美希「いただきますなの」

P「……」モグモグ

美希「……」モグモグ

P「結構いけるな」

美希「そうだね。おいしいの」

P「……」モグモグ

美希「……」ジー

美希(プロデューサーが本命? ちょっとないって思うな)

美希(でも、どうでもよかったらわざわざチョコ買わないし、よく分かんないから)

美希(だから、全部はあげないの。もしほんとにプロデューサーが本命だったら、ミキのハート、丸ごとあげるね?)

P「何だ? 足りなかったのか?」

美希「ううん。プロデューサーは、どう? もうちょっと欲しい?」



おわり

・真編


真「……あ、プロデューサー。お帰りなさい」グンニョリ

P「ただいま。どうした、いつもの勢いがないな」

真「えっ。いや、そんなことないですよ。……はぁ」チラッ

P「そんなことないことはないと思うが」

真「……」ドッサリ

P「あー……。こりゃ、随分貰えたな」

真「嬉しいんですけどね。好きって言われて嫌な気にはなりませんし」

P「まあ、そうだな。いいことだと思うよ」

真「でもっ、ボクだって女の子なんですよぉー!」ガターンッ!

P「落ち着け。知ってるから」

真「……あっ。すみません、去年より増えてるから、つい……」ストン

P「まあ、事務所でなら愚痴ってくれていいよ。いくらでも聞くから」

真「うぅっ、ありがとうございます、プロデューサー……」ウルウル

小鳥「あ、プロデューサー、さん、お疲れ、様、です……」ヨロヨロ

P「あ、はい。音無さん、ただいま帰りまし、た……?」

小鳥「真ちゃん。事務所宛に届いたチョコ、ここに置いておくわね。どっこいしょ」ドンッ!

真「うわぁーん!!」

P(ファンからのを除いてあの量だったのか……)

小鳥「すみません、プロデューサーさん。もう3箱あるので、手伝っていただけませんか?」

P「えっ。いや、はい。分かりました」

P「よっ……と。これで全部か」ドンッ!

小鳥「すみません、プロデューサーさん。他の子の分まで運んでもらっちゃって」

P「いえ。力仕事なら男の領分ですからね。気にしないでください」

小鳥「ふふっ。ありがとうございます」

小鳥「これ、私からのバレンタインチョコです。よかったら、受け取ってください」

P「わざわざすみません。また後でいただきます」

小鳥「いいんです。好きでやってることなんですから」

P(にしても、真のは物凄い量だな。他の皆の分全部合わせたのと同じくらいあるぞ)

P(特に女性ファンからのチョコは圧倒的だ。流石と言うか……)

真「あはは。こんなに貰えて、ボクって幸せなアイドルですね」

P(目が笑ってない……。何とか励ませないものかな)

P(あ、そうだ。確か鞄に)ゴソゴソ

P「真」

真「はい。何ですか、プロデューサー?」

P「俺からもこれ、受け取ってくれないか?」スッ

真「え? これ、チョコ、レー、ト……?」

真「うわぁぁぁん! ひどいですよ、プロデューサー! プロデューサーは、プロデューサーだけはボクのこと分かってくれてるって信じてたのにぃ!」

P「待て真。落ち着いて聞け。女性が男性にチョコを贈るというのは日本だけの習慣だ。元々は家族や恋人など、親しい間柄の人に贈り物をする日なんだ」

真「え? そ、そうなんですか……?」ピタッ

P「ああ、そうだ。だから真、これを受け取ってくれ」

真「は、はい。ありがとうございます、プロデューサー。……へへっ、何だか照れちゃうなぁ」ポリポリ

真「あ、あの、プロデューサー? 皆にもチョコは配ってるんですか?」

P「いや。それ1つだけだけど」

P(元々自分用に買った奴だし)

真「へ、へぇ~。そうなんだー。へへっ、えっへへへ……」クネクネ

P「あー、そうだな。他の子に見付かると面倒だから、内緒にしておいてくれるか?」

真「はいっ、もちろんです!」

真「……でも、そっか。性別に関係なく、恋人や家族に贈り物をする日。そうだったんだ」

P「ちょっとは気が楽になったか?」

真「ちょっとどころじゃありませんよ! ボク、バレンタインが大好きになっちゃいました!」

P「じゃあよかったよ。折角のイベントなのに暗い顔じゃ勿体ないからな」

真「へへっ」

真「あっ、そうだ! 忘れちゃうところでした。プロデューサー、あの、これ……」

P「ん? チョコか、もしかして」

真「はい。作ってみたので、よかったら受け取ってほしいんですけど」

P「もちろん、いただくよ。作ってみたってことは、手作りなのか」

真「って言っても、溶かして固めただけですよ。大したことじゃないです」

P「いやいや、それだけの手間でも充分嬉しいよ。ありがとう、真」

真「ま、まあ、ボクとプロデューサーの仲ですからね!」

真「プロデューサー、今日はありがとうございます」

P「ん?」

真「バレンタインが、女の子から男の人にチョコを贈るだけの日じゃないって、教えてくれて。 ボク、何も知らずに嫌な気持ちになって……」

P「仕方ないよ。日本ではそういう日だって、もう根付いちゃってるんだから」

真「でも、プロデューサーが教えてくれたから、皆がくれたプレゼントをボクは心から喜ぶことができました。だから、ありがとうございます!」

P「さっきも言ったけど、俺は真に笑ってほしかっただけだよ。皆が贈ってくれたチョコで真の顔が曇るなんて、誰も望んでいないからな」

真「はいっ。これからはボク、バッチリの笑顔でチョコ貰えちゃいますよ! 何たってボクは、ファンの皆の恋人ですからねっ!」ニカッ

真「後は、その……プロデューサーも……」モジモジ

P「まあ、そうだな」

真「へっ? えぇえ!?」ガタッ

P「どうしたんだ? 俺は、真も含めうちのアイドル皆のファンのつもりだけど」

真「あぁ、そういうこと……。ふーん、いいですよーっだ」プイッ

P「何拗ねてるんだ、急に」

真「別に何でもないですぅーっ。今はそれでいいですよっ、い、ま、はっ!」



おわり

・千早編


美希「あ、ハニー。お帰りなさいなの!」

千早「お帰りなさい、プロデューサー」

P「ただいま、美希。千早も」

美希「ねぇねぇハニー。ミキ、チョコ持ってきたの。はいっ」

P「おぉっ。ありがとう、美希。凄く嬉しいよ」ポンポン

美希「あはっ☆ それ本命だから、大切に食べてね」

P「はは、分かった。家に帰ってしっかり味わって食べるよ」

千早「……」

千早「……あ、あの。プロデューサー……」

美希「ハニーならもう机の方行っちゃったよ?」

千早「えっ」

美希「用事なら、ミキが呼んであげよっか?」

千早「い、いえ。いいわ」

美希「ふぅん。……千早さん、あんまり考えすぎてもいいことないよ?」

千早「えっと、美希……?」

美希「まあ、何でも、いいですけれど。なの。」

美希「……」ジー

千早「どうしたの、美希?」

美希「ちょっと前の千早さんのものまね。似てなかった?」

千早「いえ。私、そんな風だったかしら」

美希「今はぜんぜん違うけどね。ま、本当に何でもいいの」

美希「千早さん、どっか行ったり、する?」

千早「いえ。そういう予定はないけれど。今度の曲の楽譜を読むくらいかしら」

美希「ふぅん。じゃあ、お膝借りるね」コテン

千早「きゃっ。ちょっと、美希……」

美希「千早さんの膝枕、ひさしぶりなの。うーん……」スリスリ

千早「くっ、ふふっ、ちょっと、美希、くすぐったいわ」プルプル

美希「……千早さん、柔らかくなったね。前はもっとカチカチだったの」

千早「そ、そうかしら? 体重とかは変わっていないと思うわよ」

美希「あ、そっちじゃなくて。……こっちは別に、っていうか全然変わってないかな」

千早「ちょっと」

美希「ミキ的には前の千早さんもカッコよかったけど、今の千早さんの方が好きかな」

千早「えっと、意味がよく掴めないのだけれど……」

美希「んー……。ミキにもよく分かんないから、寝るね。あふぅ」

美希「……」Zzz

千早「もう寝てる。相変わらず名人芸ね」

千早「それにしても、前とか今とか、一体何の話かしら?」

千早「……」

千早「……まあ、何でも、いいですけれど」クスッ

千早「~~♪ ~♪」

美希「あふ」パチッ

千早「~♪ あ、美希。ごめんなさい。起こしてしまったかしら」

美希「んーん。気にしないで。千早さんの鼻歌、何だか落ち着くの」

千早「ふふっ。だったら、もう少し安眠できるような歌の方がよかったかしら」

美希「そんなことしてもらっちゃったら、ミキたぶん一日中寝てるって思うな」

千早「一日中は、流石に困るわね」

美希「ん~……。そろそろ帰ろっかな」ムクッ

美希「千早さんはどうする?」ノビー

千早「そうね、私は……、もう少しいようかしら」

美希「そっか。じゃあまた明日だね。ばいばい」ヒラヒラ

千早「ええ。また明日」

美希「ハニーも、また明日なのー」

P「ああ、気を付けて帰るんだぞー」カタカタ

美希「あっ、そうだ。忘れちゃうところだったの」

美希「千早さん、はいっ、これ。チョコどーぞ」

千早「チョコ? どうして私に?」

美希「千早さん、知らないの? 友チョコって言って、仲いい人にもチョコあげるんだよ?」

千早「えっ? そうだったの。ごめんなさい、私、美希の分は用意していなくて……」シュン

美希「あっ、千早さんは気にしないで! ミキが千早さんにあげたいから、こうしてるんだから」

千早「でも悪いわ。美希は折角私の分も用意してくれたのに」

美希「もー。千早さんは難しく考えすぎなの。じゃあ、来年はちゃんとちょうだい? それでいいでしょ?」

千早「……そうね。美希がそう言うなら、そうしましょうか」

美希「あはっ☆ 来年も千早さんといっしょなの!」

千早「ふふっ、そうね」

美希「じゃあ、今度こそまた明日なの、千早さん」フリフリ

千早「ええ。また明日、美希」フリフリ

P「……」カタカタ

千早「……」ペラッ

P「……んー……」

千早「~~♪ ~~~♪」

千早「~♪ ……」チラッ

P「……あ゛ぁ゛ー……」ググーッ ゴキゴキッ

千早「……」ソワソワ

P「ちょっと休むかー?」

千早「!」ピクッ

千早「こほん。あ、あー」ボソッ

P「でもなぁ。うーん……」

千早「コーヒーでも淹れましょうか?」スクッ

P「……え? 千早が淹れてくれるのか?」

千早「はい。少しお疲れのようなので、リフレッシュしてはいかがかと」

P「じゃあ、頼むよ」

千早「分かりました。待っていてください」

P「ありがとう。じゃあ、その間に少し進めておくか」

千早「……」

千早「……」グッ

P「……んー、よし」タンッ

千早「お待たせしました、プロデューサー」コトッ

P「お、ナイスタイミング。ありがとう、千早」

千早「いえ。プロデューサーこそ、お疲れ様です」

P「いやいや、なんの。……ところで千早、ちょっと頼みたいんだが、いいか?」

千早「何でしょうか?」

P「フレッシュ1つと、砂糖2つ持ってきてくれないか?」

千早「え? は、はい。分かりました」

P「すまないな。恥ずかしい話、未だにブラックは飲めないんだ」

千早「そうなんですか。ちょっと待っていてください……」シュン

P「? ああ。急がなくていいからな」

千早「お待たせしました、プロデューサー」

P「ありがとう、助かるよ」ピリッ サー

千早「……砂糖2つ、ですか」

P「自分でも少し格好悪いとは思ってるんだけどな。まあでも、こうやって飲んだ方が美味しい」

千早「あっ、いえ、その。別に、文句を言うつもりではなかったのですが」アセアセ

P「ははっ、分かってるって。それより、座ったらどうだ?」

千早「ここ、座ってしまっても大丈夫でしょうか?」

P「律子ももう帰っちゃったし、いいんじゃないか?」

千早「では、失礼します」ギシッ

P「じゃあ、早速いただきます」ズズッ

千早「……」ジー

P「え? な、なに?」

千早「あっ、その、何でもありません」ズズッ

P「そうか。千早はブラック飲めるんだもんな」

千早「そうですね。でも、それが……?」

P「いや、何ってないが。サマになってるな、と思ってさ」

千早「そ、そうでしょうか?」

P「うん。大人っぽくていいと思うよ。格好いいと言うか」

千早「ブラックが飲めたら大人って、何だか子供みたいな言い分ですね」クスッ

P「言うなよ。一応は気にしてるんだから」

千早「……うん」ギッ

P「どうしたんだ?」

千早「いえ、私もブラックで飲むのをやめようかと」

P「急だな、また」

千早「少し、子供に戻りたくなりました」タタッ

P「……子供がよく言うよ」

P「……」ズズッ

千早「……」ズズッ

P「やっぱりさ、俺は、甘い方がいいと思うんだよ」

千早「唐突ですね」クスッ

P「甘い、って旨い、から転じた言葉だって話もあるし。……逆だっけ」

千早「だから甘い方がいい、と?」

P「そうそう。苦いのが悪いとは言わないけどさ、やっぱり選ぶとなれば甘い方だよ」

千早「プロデューサーは甘いのがお好きなんですね」

P「意外かな」

千早「そうですね、少し。お陰で計画が狂ってしまいました」

P「計画……? 何だか穏やかじゃないな」

千早「これ、お茶請けにでも食べていただこうかと思っていたのですが」スッ

P「箱? しかもえらく立派な包装が」

千早「バレンタインのチョコです」

P「ははぁ。だから俺がコーヒーに砂糖入れるって言った時に、落ち込んでたのか」

千早「落ち込んでいた、と言うのは語弊があります」

P「……いや、まあ。どっちでもいいけど」

P「ありがとう。嬉しいよ。千早からも貰えるとは思わなかったからな。余計嬉しい」

千早「ふふっ。美希の言う通りでした」

P「美希が何か言ってたのか?」

千早「はい。あまり考え過ぎてもいいことはない、と。実際、渡すタイミングを計っていたのが無駄になりましたし」

P「お茶請けに出してくれてもよかったけどな。カフェオレとチョコぐらいなら一緒にいけるし」

千早「本当に甘党なんですね……」

P「まあねぇ。早速だけど、開けてみてもいいかな?」

千早「はい。どうぞ」

P「じゃあ、失礼して」ガサガサ パカッ

P「これは……楽譜か?」

千早「はい。春香にデコレーションの仕方を教えてもらって、作ってみました」

P「へぇ。音符がチョコレートで、五線譜をチョコペンで引いたのか。凝ってるなぁ」

千早「1フレーズ分だけですが。……何の曲か、分かりますか?」

P「やっぱり何かの曲か。クラシック?」

千早「いえ。私が歌ったことのある歌です」

P「えぇー。そりゃ正解しないとまずいな。ちょっと待ってろよ」

千早「その、……では宿題にしておきます。失礼します」ガタッ

P「え、ちょっ。コーヒーは……もう飲み干してる。早っ」

千早「お疲れ様でした」スタスタスタスタ

P「あ、ああ。お疲れ様。気を付けて帰ってね」

P「……何なんだ、一体」

P「しかし、凄いな。これを千早が作ったのか」

P「食うのが勿体ないというか。いや、そもそも正解が分からないと食べられないんだけど。うぅん」

P「いや、と言うかこれお茶請けにしようって、無理があるんじゃないか。コーヒー冷めちゃう」ズズッ

P「やっぱりバレンタインっぽい曲かな。千早が歌ったことのある、バレンタインらしい曲……」

P「……あー、これ、分かったかも」

千早(逃げるように事務所を出てきてしまったわ……)

千早(悪いことをしたかしら。でも、面と向かって答えを言われた時、平静でいられる自信がない)

千早(……最初の計画では、楽譜を読まれる前に1つ食べてもらう予定だったのに)

千早(想いを素直に伝えられないのは、子供なのか大人なのか、どちらなのでしょうか、プロデューサー……?)

千早(♪choco fondue choco fondue choco fondue)



P「~~~♪ ~~♪ ……かな?」



千早(♪言いたい 言えない だからpresent for you)



おわり

以上で全部です。読んでいただきありがとうございました。
もうネタを捻り出す余地がないので、取り敢えず年内には第3弾はないです。
約半数を消化できましたので、残りのアイドルちゃん達はまた来年にでも。

最後に。バレンタインを題材にしたのにお祝いするのもちょっと複雑ですが、千早ちゃん誕生日おめでとう!

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