P「中華は・・・もう飽きた」佐竹美奈子「な、何だってー!?」【ミリマスSS】 (52)


ミリマスSSです。
プロデューサーはP表記。



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「中華は・・・もう飽きた」

天津飯を半分食べ、蓮華を置いたプロデューサーはそう言った。

その言葉を聞いたポニーテールの少女、佐竹美奈子は手にしていた菜箸を思わず床に落とした。

「嘘・・・ですよね?」

恐る恐る聞く。

「本当だよ。もう・・・食べられないんだ」

プロデューサーの返事は残酷であった。

「そんな・・・そんな、どうしてですか!」

事務所内の一角、広い食堂いっぱいに美奈子の声が響き渡る。

プロデューサーは答えない。

静寂が広がる。

「・・・だってさ」

プロデューサーが重い口を開いた。

「平気で4人前近くある天津飯なんて食えるかあぁぁ!!」

「・・・てへっ♪」


P「俺、相当頑張ったぞ?確実に2人前は食ったぞ?」

P「しかもここ1年半、お昼は美奈子が作ってくれる中華だろ?いくら美味しくても毎日、しかもこの量だと流石にこたえるよ・・・」

美奈子「そんな・・・」

P「それにこんなに食わされたおかげで俺の体重はどんどん右肩上がりだよ!」

美奈子「そ、それはとってもいいことです!でもそんなにプヨッとしてないじゃないですか!」

P「食った分必死に動いてるんだよ!そのせいで筋肉ムキムキだよ!」

美奈子「そ、そんなカロリーを逃がしちゃうような勿体ないことを!」

P「お陰様でこの前某大手事務所のアイドルと会った時」

『わあっ!もしかしてラグビーやってましたか!?タックルしてみてもいいですか!?』

P「って目ぇキラキラされてすっごく困ったんだぞ!」

美奈子「あ、あはは・・・」


P「この際はっきり言おう!しばらく中華はこりごりだ!」

美奈子「な、何だってー!?」

P「お昼は毎日、朝や晩にも中華、3食中華って日もザラだ!」

P「そんなに俺に食べてほしかったら、中華じゃなくて・・・和食とかイタリア料理とかフランス料理とか、そういうのを準備するんだな!!」

P「・・・」ハァ…ハァ…

P(ちょっと、言い過ぎたかな?)

P「その、美奈k「良いでしょう」

P「え?」

美奈子「プロデューサーさんが納得のいく料理をお出しすればいいんですね?」

美奈子「明日のこの時間、再びここへ来てください。究極の料理、お出しします」ファサ

P「あ、ああ・・・」

P(エプロンをマントのように翻しながら、美奈子はそう言葉を残して食堂を後にしたのであった)

_________
______
___


翌日 食堂


P(言われた通り、昨日と同じ時間に食堂へ・・・)

P(一体何を出されるのか・・・あれ?)

P「」

可奈エミリー「「いらっしゃいませ!」」

P「・・・な、何やってるんだ?」

可奈「美奈子さんが、こうやってプロデューサーさんをお迎えしてね、って言ってたので」

エミリー「こうして仕掛け人様をお待ちしていたのですよ♪」

P「な、なるほど・・・それで2人は和装なのか」

P「それに、食堂の入り口がいつの間にか和風の趣のある感じになってるし・・・」

ロコ「それはロコがミナコに頼まれてリニューアルしたからです!」

P「・・・確かに所々ロコっぽさが出てるな・・・1日でここまで仕上げるなんて流石ロコだ」ナデナデ

ロコ「えへへ・・・」テレテレ


可奈「プロデューサーさん、早く入ってください!」

エミリー「美奈子さんが中でお待ちしていますから!」

P「あ、ああ、分かった」

・・・

美奈子「いらっしゃいませ、プロデューサーさん!お待ちしてました♪」

美奈子「ささ、こちらへ座ってください!」

P「なあ美奈子、和装をしてるってことは・・・」

美奈子「はいっ!今日はプロデューサーさんに和食を振舞いたいと思います!」

美奈子「昨日は挑戦状を叩き込まれましたからね!しっかりとお応えしますよ!」

P「お、おう」

紗代子「それじゃあ早速お持ちしますね!可奈ちゃん、エミリーちゃん、手伝ってー!」

可奈エミリー「「はーい!!」」


可奈「おしぼりです!はいっ、どうぞ!」

エミリー「あと、お茶になります」コトッ

P「ありがとう」

美奈子「お待たせしました!どうぞ、先付けです!」ドンッ

P「!」

P「これ、全部美奈子が?」

美奈子「はいっ!下準備から味付けまで全部私が手がけましたよ!」

P「凄いな、全部旨そうだ!」

P(プレート形式なのかな?一枚の皿に何種類もの料理・・・この分量なら余裕を持って食べられそうだ)

美奈子「ささ、早速食べちゃってください!」


P「それじゃあ、いただきます」

P「色んな料理の盛り合わせって感じだな?」

美奈子「はいっ、そのお皿には全部で8品ですね!」

P「まずはこれにするか」

美奈子「おっ!胡麻豆腐ですね、結構自信作ですよ!」

P「アムッ・・・うん、美味い!!」

美奈子「!・・・えへへ、良かった」テレテレ

P「香りも良くて、舌触りも滑らかで・・・驚いたよ」

美奈子「伊達に厨房に立ってないんですよ?」フフン


P「これは押し寿司?」

美奈子「はい!ヒラメを使って押し寿司にしました!」

P「押し寿司はバッテラしか食べたことないな・・・アムッ」

P「美味い!」

美奈子「よしっ!」グッ

P「こうしてヒラメを押し寿司にして食べても美味いんだなあ・・・でも何だろう、ちょっとヒラメに何か一手間かけてる?」

美奈子「おおっ、よく気が付きましたねプロデューサーさん!」

美奈子「実は昨夜からヒラメを昆布〆にしてたんです!」

P「なるほど、しかし美味いな」


グウゥゥ・・・

P「ん?」

エミリー「・・・」///

可奈「プロデューサーさんが美味しい美味しい言うから、お腹が空いてきちゃいました・・・」///

P「あはは。それなら・・・はいっ、あーん」

可奈「わわっ!・・・あ、あ~ん」アムッ

可奈「わあっ、すっごく美味しいです!」パアァ

P「だよな?エミリーもほら、あーん」

エミリー「うう、少しはしたないですけど・・・」アムッ

エミリー「Wow!De・・・お、美味しいです!」

P「エミリーも素が出ちゃうくらい美味しいみたいだな」アハハ

エミリー「あぅ・・・」///


美奈子「ところでプロデューサーさん、どうですか?」フリフリ

P「ん?・・・ああ、和装のことか。よく似合ってると思うぞ」

美奈子「ふふっ、ありがとうございます♪」

P「可奈とエミリーも、良く似合ってるぞ」

可奈エミリー「えへへ・・・」テレテレ

紗代子「おっ、食べ終えましたね?そのお皿引きあげますね?」

P「ああ、ありがとう。いやあ、本当に美味しかったよ」

P「お腹も十分一杯になったし、それじゃあそろそろ・・・」

美奈子「何言ってるんですか?今のは『先付け』ですよ?」

P「へ?」

P「先付け、椀物、焼き物、煮物、揚げ物・・・の先付け?」

美奈子「はいっ!」

美奈子「今から、椀物をお持ちします♪」

P「」


P(美奈子の出していた料理は、いわゆる料亭で出されるような会席料理であり・・・)

P(次に椀物として筍とワカメの吸い物が出された)

P(美味かったが、うどんに使うんじゃないのかというくらいの椀の大きさだった)

P(それからお造りや焼き物が出たが、あまり記憶にない。気力で食べた気がする)

P(可奈やエミリーも状況を察して食べるのを手伝ってくれたが、屍と化したのであった・・・)

P(当然ながら、夕食は抜いた)

_________
______
___


次の日 食堂


P(昨日は大変だった・・・)

P(そして、今日も呼びつけられた)

P(頼むから1品1品の量を減らしてくれと頼みこんだけど・・・)

P「また外装が変わってる・・・」

ロコ「今回もロコがリフォームしたんですよ!」

P「そうかそうか。いやあ、ロコはすごいなあ」ナデナデ

ロコ「えへへ・・・」テレテレ

P「今日は誰もいないのかな?それならこのまま中に入って・・・」

??「あっ!やっと来たんだね☆」

P「ん?」クルッ


志保「お待ちしてましたよ、ごしゅPさま☆」

志保「えへへ、『りすとらんて・さたけ』へようこそっ☆」

P「」

志保「ほらほら、早く中に入って!みんな待ってるよ☆」

P「」

志保「・・・はあ、やっぱりこの演技をするのは色々と疲れますね」

志保「何ボーっと突っ立ってるんですか、プロデューサーさん?早く中に入ってください」

P「あ、ああ・・・」

P「そしてもう一人は・・・」チラッ

千早「よ、ようこそ、リストランテ・サタケへ・・・」モジモジ


P「リストランテということはイタリア料理か」

千早「ほ、本当にこんな恰好が必要なんですかね・・・?」モジモジ

P「少なくとも、似合ってて可愛らしいと思うぞ、千早?」

千早「!」カアァ

千早「と、とりあえず中に案内します!!」///

P「志保もまさか『それ』をするとは・・・」

志保「まあ、美奈子さんにメイドを頼まれましたからね」

志保「それに、相手がヘンタイのプロデューサーさんですから」

P「て、手厳しい・・・」

P「でも、今回は俺が頼んだんじゃなくて志保が自発的にやってくれたのは意外だったな」

志保「!!・・・そ、それは!!」

P「しかも、ランドセルまで背負ってるし」

志保「そ、それは、演技に妥協をしたくなかったからで・・・」

P「まあ、普通のメイドをしている志保でも可愛らしいけどな」

志保「うぅ・・・」///


美奈子「やっと来ましたね、プロデューサーさん!お待ちしてました♪」

P「頼むから昨日みたいな異常な量は勘弁してくれよ?」

美奈子「ご安心ください!ちゃんと、一品一品の量は少なくしてますから!」

美奈子「それと今日の献立です!こうやって前もって出された方が安心しますよね?」

P「おお、確かに」ペラッ

P(今日もコースだけど・・・見た感じ、一般的なイタリア料理店のコースメニューと同じくらいかな?)

P(おお、パスタと肉料理は選べるのか。色んな種類が書かれてる)

千早「ねえ、志保」ボソボソ

志保「千早さん、どうしました?」ボソボソ

千早「昨日はどれくらいの料理が出されたの?」

志保「実際の量は分かりませんが、昨日お手伝いをした可奈が・・・」

可奈『もう食べられないです・・・お刺身に焼き物に煮物に揚げ物にご飯・・・』

志保「ってソファで横たわりながらうわ言を・・・」

千早「ど、どれだけ食べさせたのよ・・・」


美奈子「まずはアンティパッソです!」コトッ

P「おっ、美味そうだな」

P(それに、量もほどほどだ!これならいいかも)

美奈子「右からプロシュート、カプレーゼ、そして菜の花をちょっとアレンジしたものです!」

P「いただきます・・・アムッ」

P「うんっ、美味い!」

P「カプレーゼも美味いな。トマトとか今は旬じゃないのに、嫌なクセもないし」

美奈子「えへへ、そこに気が付いてくれると嬉しいですね!知り合いのツテでこの時期にしては良いのが仕入れることが出来たんです♪」

P「最後はこの菜の花・・・んっ、これもいけるな!」

美奈子「コンソメでさっと茹でた後、オリーブオイルで一晩漬けたんですよ?」


千早「お皿、お下げします」スッ

P「ありがとう」

P「今日の感じなら、量も丁度いいな」

志保「昨日のようにはならないかもしれませんね」

P「ああ」

P(さて、次のパスタは何に・・・)

美奈子「はーい、お待たせしました!プッタネスカです!」コトッ

P「あ、ありがとう・・・あれ?パスタって・・・」

美奈子「ああっ、すみません!さっきトマトが美味しいって言ってたので、思わずトマトを使ったパスタを出しちゃいました!」

P「ああ、そういうことか・・・」ホッ


美奈子「次にお出しするパスタからは、ご要望の順番でお出ししますので!」

千早(次?)

志保(順番?)

P「・・・な、なあ美奈子、メニューには5種類パスタがあったけど、俺は何種類選ぶんだ?」

美奈子「選ぶ?・・・何言ってるんですかプロデューサーさん?あれは全部コースのうちですよ?」

P「」

美奈子「もちろんその後のメインも、鶏に豚、牛、魚4つ全部お出ししますので、楽しみにしててくださいね!」キラキラ

P「」

千早志保「」

P(その後出されたパスタは、ペペロンチーノにカルボナーラ、ペスカトーレ、後は・・・何だっただろうか)

P(途中、千早と志保も参戦したが・・・元から食が細い2人はすぐにダウンした)

P(そうだ思い出した、最後のパスタは特盛の「カリオストロ風」ミートボールスパゲッティ・・・)

P(当然夕食は一口も食べなかった)


翌日 食堂


P「またここへ来てしまった・・・」

P(つーかここに来る俺も俺だよな)

P(美奈子の料理本当に美味いんだよな・・・量さえ気にしなかったら)

P「そういえば今日は何も装飾が無いな」

ロコ「ミナコが今日はノーニードというので・・・」シュン

P「たまには休みも必要だからな、えらいぞ」ナデナデ

ロコ「えへへ・・・」テレテレ

P「とりあえず中に入るか」


P「ん、結構アイドル達も座ってるな」

P「静香、奈緒ここ座っていい?」

奈緒「わっ、プロデューサーさん!」

静香「ええ、構いませんよ」

美奈子「あっ、プロデューサーさんも来ましたね!奈緒ちゃん、静香ちゃんもうすぐ出来るから待ってて!」

静香「はい」奈緒「はーい!」

P「え、お前たちも食うの?」

静香「はい、食べますよ」

美奈子「お待ちどう様!静香ちゃんは焼うどん!奈緒ちゃんはお好み焼きに肉じゃがね!」ドンッ!

静香「ありがとうございます!」

美奈子「ちゃんと肉じゃがは牛肉だから!」

奈緒「わあ!美奈子、ありがとな!」


美奈子「プロデューサーさんはどうされます?」

P「そうだな・・・じゃあ、俺も焼うどんにしようかな」

美奈子「了解です!」

P「ところで、2人ともその量食べられるのか・・・?」

静香「それはもちろん、うどんですから」キリッ

奈緒「私の粉もん好き、ナメたらいけませんよ~プロデューサーさん?」

静香奈緒「「いただきます!!」」

P「流石と言うべきか・・・」

P(お好み焼きとか、宅配ピザのLサイズかっていうくらいあるんだけど)


P(しかし・・・)チラッ

静香「・・・」ズルルッ

奈緒「・・・」モギュモギュ

P(さっきからほとんど喋ることなく黙々と食べてる・・・)

P(時々恍惚の表情浮かべたりしてる・・・かわいい)

美奈子「はいっ!プロデューサーさん焼うどんお待ちっ!」ゴトン!

P「おう、ありが、と・・・」

P「な、なあ美奈子、静香が食べてる焼うどんと量が違う気がするんだけど・・・」

美奈子「それは、静香ちゃんと奈緒ちゃんが食べてるのはレディースサイズですから!」

美奈子「あ!もしかして大盛りの方が良かったですか?」

P「いや大丈夫です」


P「量は別として相変わらず美味そうだな・・・お、目玉焼きが上に乗ってる」

P「いただきます、っと」ズルルッ

P「・・・んっ、こりゃウマいな!」

P「焼うどんっていうからソースたっぷりな感じかと思ったら、かなりあっさりしてるな」

P「それに、このふりかけみたいなのがいい感じに旨みを出してる・・・何だろうこれ?」

美奈子「それはですね、魚粉です!」

美奈子「小倉の焼うどんをイメージして作ってみました!鯖節を使ったり、目玉焼きを乗せるのが特徴なんです!」

P「小倉って福岡県のだよな?へえ、こんな感じなんだな」

美奈子「小倉の焼うどんすべてが魚粉を使うわけではないんですけどね。以前小倉で食べたうどんチェーン店では使ってたんで入れてみました!」


奈緒「へえ、なんやウマそうですね?」ジー

P「一口食べる?」

奈緒「良いんですか!?ありがとうございます!」

P「ほら、あ~ん」

奈緒「あーん・・・うん!めっちゃおいしい!」

奈緒「焼うどんもめっちゃおいしいやん!プロデューサーさんも肉じゃが食べます?」

P「じゃあお言葉に甘えて」

奈緒「はい、あ~ん」

P「アムッ・・・うん、美味い」

奈緒「えへへ、でしょでしょ?いやあ、美奈子は天才やなぁ!」

P「本当に上手だよな」ウンウン

美奈子「ホント?えへへ、嬉しいなあ」テレテレ


静香「ち、ちょっと奈緒さん、何やってるんですか!」

奈緒「何って美味しそうだったから・・・」

静香「それだったら私の焼うどんを食べたらいいじゃないですか!」

奈緒「だって、プロデューサーさんの方が量多いし、出来立てで暖かいやん?」

静香「確かにそうですけど・・・」グヌヌ

静香「プロデューサーもプロデューサーです!奈緒さんも私たちと同じアイドルなんですよ!」

静香「アイドルとプロデューサーという関係ですから、もう少し考えてください!」

静香「『あーん』だなんて・・・」

P「わ、悪かったよ・・・」

静香「少し羨ましいですし・・・」ボソッ

P「ん?」

奈緒「ふうん?」ニヤニヤ

静香「~~っ!!」カアァ

P(ここ2日でかなり胃が鍛えられたのであろう、焼うどんを平らげた)

美奈子『おっ!食べましたね?次何にしますか?それともおかわりいっちゃいますか?』

P(と美奈子が言ってきたが、全力で断った)

_________
______
___


翌日 765プロ事務所


美奈子「・・・むう」グテー

星梨花「あれ?美奈子さんどうしたんですか?」

百合子「プロデューサーさんが外にロケに行ってて・・・」

杏奈「それで、プロデューサーさんに、お昼ご飯作れなくて・・・落ち込んでる・・・」

星梨花「そうでしたか・・・でも、さっきから雨降り始めましたけど大丈夫ですかね?」

百合子「あ、本当だね。確か今日はひなたちゃんと・・・」

杏奈「それに、屋外ロケ・・・今日は寒いし、心配だね・・・」

星梨花「そうですね・・・」

百合子「・・・うん」


・・・

タタタ ガチャ

P「ふう、すごい雨だったな!」

ひなた「そうだねえ、寒いしいわゆる氷雨ってやつかなあ」

P「時々みぞれになったもんな、夜は雪になるかも」

ひなた「でもプロデューサー、ありがとねえ。コート、雨合羽の代わりに使わせてもらって」

小鳥「お帰りなさい・・・って、プロデューサーさんびちょびちょだけど大丈夫ですか?」

P「大丈夫ですよ。もとは俺が傘忘れていったのが悪かったですし、ひなたに風邪ひかれる方がよっぽど困りますから」ナデナデ

ひなた「・・・///」カアァ

小鳥「それでもよくありませんよ!タオルありますから、すぐ拭いてください!」


また翌日


ガチャ

美奈子「おはようございます!」

小鳥「はい・・・はい、分かりました」

小鳥「いえ!・・・プロデューサーさんはゆっくり休んでくださいね?はい、では」ガチャ

美奈子「プロデューサーさん、どうしたんですか?」

小鳥「風邪引いちゃって、今日はお休みだそうです」

美奈子「ええっ!?」

小鳥「昨日、寒い中雨でびちょびちょだったから、それで風邪を引いたのかもね」

小鳥「結構きつそうだったわね・・・早く治るといいんだけど・・・」

美奈子「・・・」

美奈子「!」ティン!

美奈子「あの、小鳥さん!・・・」


P宅


P「ゴホッ・・・なかなか熱が下がらないな・・・」

P「ヨーグルトとかだとあんまり食欲も起きないし・・・」

P「・・・みんな大丈夫かなあ」

カチャカチャ ガチャ

P「ん?」

美奈子「こ、こんにちは~」

P「み、美奈子!?」ガバッ

美奈子「わわっ!プロデューサーさん、起きないで大丈夫です!布団で寝ててください!」

P「だ、だけど・・・なんで俺の家に?」

美奈子「プロデューサーさんが風邪引いたって聞いて、多分あんまり食べてないんじゃないかなって思って・・・」

P「どうやってこの部屋に?」

美奈子「小鳥さんに話したら鍵を渡してくれました」

P「鍵・・・ああ、緊急用の事務所に預けてるやつか」


美奈子「それで、ちゃんと食べてますか?」

P「正直あんまり食べてない・・・」

美奈子「だと思って、お粥を作ってきたんです」

P「だからさっきからいい匂いがするのか」

美奈子「食べますか?」

P「うん。お粥なら食べられそうだし、もらうよ」

P「それに、折角作ってくれたもんな」

美奈子「はいっ♪」ニコッ


美奈子「・・・お待たせしました!」コトッ

P「おお、美味しそうだな」

美奈子「それじゃあ、このままだと熱いですから・・・ふーっ」

美奈子「はいっ、あ~ん」スッ

P「・・・」

美奈子「ど、どうしましたか?」

P「いや、恥ずかしいなって思って・・・」

美奈子「お、おととい奈緒ちゃんからあーんしてもらってたじゃないですかぁ!」

P「あの時はつい勢いで・・・」

美奈子「もう・・・私だって恥ずかしいのに・・・///」ブツブツ


美奈子「はいっ、どうぞ!」ズイッ

P「・・・あ、あ~ん」アムッ

P「うん、美味しい」

美奈子「!・・・良かったです、えへへ」パアァ

P「何だろう、ちょっと普通のお粥と違うな?」

美奈子「はい、中華粥です!生米を中華スープで炊くんですよ?」

美奈子「だから栄養満点!風邪にはもってこいなんです!」

美奈子「もう一口どうですか?はい、あーん」

P「あーん・・・これなら結構食べられそうだ」

美奈子「どんどん食べて、栄養とって風邪を治しましょう!」


P「・・・あのさ」

美奈子「どうしました?」

P「ごめんな?折角いつも作ってくれるのに、『中華はもうこりごり』とか言ってしまって」

美奈子「え?・・・ああ、あのことですか?大丈夫ですよ!」

美奈子「私、プロデューサーさんが食べる姿見てると嬉しくなるんです」

美奈子「プロデューサーさん、いつも最後は完食してくれますよね?それが嬉しくてついついいっぱい作っちゃって・・・」

美奈子「私だって、いつもいっぱい作ってプロデューサーさんのこと困らせちゃってますから」アハハ

P「そんなことはないぞ?確かに量は多いけど、美味しいし、何より美奈子が頑張って作ってくれるのが分かるからな」

美奈子「ふふっ♪そうですよ、皆に食べてもらいと思って作ってますから!」

P「それを聞くと、この前の自分の発言がたとえ冗談でも恥ずかしくてさ・・・」

美奈子「もうっ!私が大丈夫だって言ってるんですよ?」

美奈子「そんなこと言ってたら、もうプロデューサーさんには料理作ってあげません!」プイッ


P「わ、悪かったよ・・・」

美奈子「ふふっ、冗談です♪」

美奈子「もし私の中華が食べたくなったら、教えてくださいね?すぐに作りますから!」

P「ああ、約束するよ」

P「どうしよう、もう1杯お粥食べようかな・・・」

美奈子「1杯と言わず、一杯食べましょう!土鍋にお粥作りましたから、まだまだ一杯ありますよ!」ゴトッ

P「いや、流石に全部は無理、病人だし」

美奈子「ですよねー」アハハ

P「余った分のお粥は置いてていいよ、明日の朝ごはんにでもするから」

P「何より、全部食べ切りたいからな」

美奈子「はいっ!」パァ

_________
______
___


数日後 765プロ事務所


P「・・・」カタカタ

P「・・・中華食べたいな」ポツリ

P「・・・」カタカタ

トントン

P「・・・ん?」クルッ

美奈子「プロデューサーさん、今何と言いましたか?」キラキラ

P「・・・へ?」

美奈子「プロデューサーさん、お借りしまーす!」ガシッ

P「ええっ、ちょっと!?」ズルズル


P「いきなり食堂に連れられても困るんだけど・・・まだ昼休みじゃないし・・・」

美奈子「でもさっき言いましたよね?『中華食べたい』って!」

美奈子「その言葉ずっと待ってたんですから、すぐにお作りします!!」

P「あ、ああ・・・」

美奈子「というか、もう作っちゃってるんですけどね!!」

美奈子「はいっ!エビチリと青椒肉絲と回鍋肉、炒飯に牛肉麺ですよ!!」ゴトンッ!

P「す、すごい量・・・」

P「・・・俺も男だ、全部食ってやる!」ガツガツ

美奈子「おおっ!いい食べっぷりですよー!」


P「やっぱり美味いな」モグモグ

美奈子「おかわりでも何でも言ってくださいね?」エヘヘ

P「・・・やっぱり、美奈子が作る料理で一番なのは中華だな」

美奈子「!・・・ほ、本当ですか!?」

P「ああ」

美奈子「それじゃあ、その・・・私の作る料理の中で、一番美味しかったって思うのは何ですか?」

P「美味しかった?う~ん、どれも美味いからな・・・」

P「強いて言うなら・・・中華粥かな」

美奈子「へ?」

P「ほら、風邪引いたときに食べさせてもらった」

P「今度から体が弱ってしまった時は、あのお粥食べたいくらいだよ」

美奈子「!!」


美奈子「・・・」

P「美奈子、どうした?」

美奈子「・・・」カアァ

美奈子「わっほ~い!!」ガタッ

P「!?」

ダダダ ガチャ

P「・・・」

P「な、何だったんだ・・・?」


美奈子「・・・はぁ・・・はぁ」

美奈子「~~っ!!」ボンッ

美奈子(まさか中華粥って言われるなんて・・・)

美奈子(中華粥はお米を生米からじっくり炊くから、作るのにとっても時間のかかる料理・・・)

美奈子(だから、作る相手に愛情を込めないと作れない料理なんですよ?)

美奈子(そんな料理を、一番美味しいって言ってくれるなんて・・・)

美奈子「えへへ・・・」

美奈子「プロデューサーさん、そんなこと言ったからには覚悟しててくださいね?」

美奈子「これからも、いーっぱいご飯作っちゃいますから!」


おわり

映画版だたんまり目立たなかったけど、いざゲームの中ではかなりパワフル、でもかわいい。
ボイスドラマのあの名言は一気に話題になったよね。

こんな子のいる料理屋さんとかあったら、確実に週3は行くと思う。

みんなカワイイ
乙でした

>>2
佐竹美奈子(18) Da
http://i.imgur.com/Qf8B4LF.jpg
http://i.imgur.com/c3Ga68P.jpg

>>5
矢吹可奈(14) Vo
http://i.imgur.com/r3J1Srr.jpg
http://i.imgur.com/CPwGbLL.jpg

>>5
エミリー(13) Da
http://i.imgur.com/ELunOSE.jpg
http://i.imgur.com/5SawBdr.jpg

>>5
ロコ(15) Vi
http://i.imgur.com/qQzHXH5.jpg
http://i.imgur.com/U7X9cpG.jpg

>>6
高山紗代子(17) Vo
http://i.imgur.com/imYUL9E.jpg
http://i.imgur.com/MnYehkZ.jpg

>>14
北沢志保(14) Vi
http://i.imgur.com/873Yl7K.jpg
http://i.imgur.com/PD51uPh.jpg

>>14
如月千早(16) Vo
http://i.imgur.com/T3CLBeD.jpg
http://i.imgur.com/bX2dskW.jpg

>>22
横山奈緒(17) Da
http://i.imgur.com/BUTFrPL.jpg
http://i.imgur.com/c09yVGC.jpg

>>22
最上静香(14) Vo
http://i.imgur.com/XcP2c9j.jpg
http://i.imgur.com/nFCOVJL.jpg

>>29
七尾百合子(15) Vi
http://i.imgur.com/iA4J7Uj.jpg
http://i.imgur.com/8ASgz9A.jpg

>>29
望月杏奈(14) Vo
http://i.imgur.com/j20DhnG.jpg
http://i.imgur.com/0XRdjiY.jpg

>>29
箱崎星梨花(13) Vo
http://i.imgur.com/68wu0Km.jpg
http://i.imgur.com/xLjCK4Z.jpg

>>30
木下ひなた(14) Vo
http://i.imgur.com/ilLWCOf.jpg
http://i.imgur.com/Mpu7xXj.jpg

>>30
音無小鳥(2X) Ex
http://i.imgur.com/g8aE7xk.jpg
http://i.imgur.com/iH8gSG2.jpg

>>6の和装美奈子はこのあたりかな?
http://i.imgur.com/guyV2BD.jpg
http://i.imgur.com/oqIQSSb.jpg
http://i.imgur.com/IlcxJ1U.jpg

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