ペルソナ4 the MAGATHU (33)

あの名作の、あの人物を主人公にしてみました。

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足立透「………」

足立「ハァ…」
足立「なんだよ、ちょっとした仕事のミスで……」
足立「せっかく都会の警察庁でエリートになるはずが……」
足立「まさか左遷とか、ありえねーって……」
足立「……稲葉市かぁ、どんなとこだろ」

~足立透・八十稲葉警察勤務、初日~

足立「だあ~、もう」

足立「初日からガス欠とか、マジかよ……」

足立「まずはガソスタ寄らなくちゃ……」

足立「すいませ~ん、ハイオク満タンでお願いできますかぁ?」

ガソスタ店員「はーい、ハイオク満タンッスね」

足立「お願いします」

ガソスタ店員「はい。…お兄さん、ここ初めての人?」

足立「あ、はい。警察署に…」

ガソスタ店員「へぇ~!警察の、…道とかわかります?」

足立「あっ…」

ガソスタ店員「それなら、~を…に行って…」

足立「あっ、どうも、ありがとうございます」

ガソスタ店員「いえいえ♪…都会から来たんですか?」

足立「え?あ、そうです…」

ガソスタ店員「な~んもないっショ、ココ」

足立「え?あぁ、ははは…」

ガソスタ店員「狭い町なんで、またお会いできると思います。どうぞ、ウチをごひいきに!」スッ

足立(…握手?)

足立「ど、どうも…」スッ

ガシッ

~稲葉市警察署内~

堂島遼太郎「よくきたな」

足立「あ、はい、今来ました…」

堂島「堂島だ。今日からおまえの面倒をみるように言われてる」

足立「はい、よろしくお願いします」

堂島「しかし…」

足立「はい」

堂島「初日から五分遅刻とはいい度胸だな」

足立「あ、はぁ…」

堂島「お前のいた都会と比べりゃちゃちな田舎町だが、ナメてもらっちゃこまる」

足立「はあ、スミマセン…」

堂島「いいか、五分ありゃ……で~~が…」

足立(出世とは無縁のノンキャリで、現場主義のたたきあげ…)

足立(〈捜査は足で稼ぐ〉がモットーの昔ながらの刑事…)

足立(合わないタイプだ…)

~午後・署内にて~

足立「ハア…」

堂島「おっ、ここにいたか」

足立「あっ、堂島さん」

堂島「足立…」

足立「え、ええと…」

堂島「今晩、ウチにメシでもくるか?」

足立「え?」

堂島「まだ、コッチに慣れてないだろ?」

~夜・堂島宅~

堂島「もう寝てるが、一人娘がいるんだ」

堂島「奈々子っていってな。俺に似合わず、よくできた子だ」

足立「へぇ~…」

堂島「…お前も都会じゃ色々あったらしいが、ここは狭い田舎町だ」

堂島「助け合って生きてる分、人の絆は深くて固い」

堂島「お前も、ここを自分の家だと思ってくれて構わん」

堂島「これから、よろしくな」

足立「や、あぁ~、ははは。よろしくお願いします」

堂島「おう。んじゃ、一杯…んぐ、んぐ……っぷぁー!うめぇ!」

足立「……」

~そして、勤務の日々~

足立[足で稼ぐ聞き込み]

足立[張り込み調査や、夫婦喧嘩の仲裁まで…]

足立[時々、捜査中に堂島さんと飲んだコーヒー]

足立[奈々子ちゃんともよく遊んだげるかなぁ]

足立[仕事帰りに、時々堂島さんとお酒を飲んだりして]

足立[他の大人が見たらなんていうんだろう]

足立[僕はこんな日々に―]

足立[少し、暖かいものを感じていた]

~とある勤務終了・足立帰宅途中にて~

足立「ハア…」

足立「早く地域の店名とか、覚えなきゃかなぁ…」

足立「捜査にさしつかえ―」

ドシッ

足立「おわわ!?」

???「……ッ」

足立「あぁ、ご、ごめんね」

足立(女の子とぶつかっちゃったよ…)

少女「…ん、平気」

足立「よ、よかったぁ」

足立(ってうわあ、カワイイ娘だなあ)

足立(…青い帽子に、あんま田舎で見ないタイプだ)

少女「…ねぇ」

足立「ん?」

少女「―自分が何者か、考えたこと…ある?」

足立「―へ?」

少女「…もう行くね」

足立「あっ…」

足立(…?)

~その日の夜・足立宅~

足立[この町に来てから一か月]

足立[『深夜0時のテレビに、自分の運命の相手が映る』]

足立[『マヨナカテレビ』という噂が、八十稲葉で流れていた]

足立「あ~…」

足立「やることないなぁ…テレビ見るくらいしか」

ピッ

TVアナウンサー『…で、この子犬のコボルトちゃんは、ニ足歩行で綱渡りができるんです!』

コボルト飼い主『はい!すごいでしょう?』

アナ『才能に恵まれてるんですねぇ~』

飼い主『はい。こんなことできるのは、うちの子くらいですよ!』

足立「………」

ブツッ…

足立「…はぁ」

足立「…おぉ、もう深夜の12時じゃん。明日も早いしそろそろ…」

ザザッ…

足立「…ん?」

足立「テレビに砂嵐…?電源切ったよな…?」

ザー…

足立「…え!?コレ……」

足立「山野真由美アナウンサーだよな?」

足立「……マヨナカテレビ?」

足立「ど、どうなってるんだ……!?」

ズプッ…

足立「あっ…!?」

足立「テレビの中に、手が入ッ―」

ヌププ……

足立「…ハハッ」

足立「…アハハハハ…!」

足立「なんだよこれ♪すごい…すごいよ―」

ピrrrr…

足立「ッ!?」

足立「…あ、堂島さんから電話か」

足立「…いいトコだったのに、空気読まないな、堂島さんは」

~数日後・ある捜査にて、八十稲葉商店街~

足立「…で、アッチが『だいだら.』で、『愛屋』に『四六商店』」

足立「どうでもいいよ~こんなの」

足立「…あ、そうだ。一応、堂島さんに確認いれとくか」

ピrrrr…

堂島【もしもし?】

足立「あ、堂島さん?いやぁ、例の件なんですけど」

足立「頭脳派の僕なりに考えたんですけど、やっぱ―」

堂島【あー…すまんな、足立。今日じゃなくてもいいか?】

足立「あ、スミマセン。休日ですもんね」

堂島【あぁ…それに今、親戚の子も来てるしな】

足立「はぁ」

堂島【アネキ夫婦の息子なんだが…日用品やらなにやら、買うもんがあって】

堂島【また後日よろしく頼むわ】

足立「あー、はい。それじゃ」

ピッ…

足立「……」

足立「…親戚の子、ね」

~数日後・八十稲葉警察署内にて~

足立「警護…ですか?」

足立の上司「そうだ。山野真由美のな。不倫騒動の」

足立「…不倫?」

足立の上司「知らなかったか…ホレ、この記事」

~議員秘書N氏・愛の密会~

~お相手はあの人気アナウンサー!?~

上司「今彼女は天城屋に宿泊してるんだが…」

上司「マスコミが押し寄せて、ちょっとした騒動になってる」

上司「そこで、警察で身辺警護を引き受けることになったんだが…」

上司「お前、明日から入れるか?」

足立「あ、えーと…堂島さんは?」

上司「聞いてないのか?家の用事で有給とってる」

足立(あー…そういえば、そんなんあったな)

足立「分かりました。明日から入ります」

上司「頼んだぞ」

~身辺警護当日・天城屋旅館~

足立「……」

足立(噂になぞらえるなら)

足立(マヨナカテレビ…映った山野アナ…)

足立(僕の…運命の相手…?)

足立(不倫なんて…そんなこと…)

足立「聞くだけ聞いてみる…か」

足立「うん…聞くだけなら…」

~天城屋・ロビー~

山野真由美「…誰よ、アナタ」

足立「ニュースとかでやってるの、本当ですか?」

足立「貴女が不倫してるとか…ウソですよね、あんなの」

山野「アナタに関係ないでしょ…!?」

足立(うーわ…否定しないんだ)

足立(目ェかけてやってたのに…こんなくだらない女だったなんて)

山野「ひ、人を呼ぶわよ!?」

足立[あーうるさい。うるさいうるさい、黙れ]

足立[…アンタさぁ、一回怖い思いとかして、頭冷やしたほうがいいよ]

山野[な…何をするき…?イ、イヤ…!]

山野[イヤァァァ…!]

足立(…って、できたらなぁ。どんだけいいか)

足立(いや、もういっそ―)

ピrrrr…

足立(おわっ、僕の携帯…!?)

山野「!?」

足立「ちょ、ちょっとスミマセン…」

ピッ

足立「はい、足立です」

堂島【おう、足立】

足立「あ、ど、堂島さん?どうかしました?」

堂島【ん?あぁ、お前が身辺警護って聞いてな…」

堂島【大丈夫か?変なミスだしてないだろうな?】

足立「や、やだなぁ、堂島さん」

足立「僕は大丈夫ですよ」

堂島【そうか。……警護、初めてだろ?】

堂島【仕事に詰まったら、相談してくれていいからな】

足立「あ、やー、はは…。ありがとうございます」

堂島【おう。じゃあな】

ブツッ…

山野「…ねぇ、さっきから、なんなの?」

足立「へ!?やー、あの…」

足立「山野さんの警護は、我々警察がしっかりと―」

山野「そんなの当たり前でしょ!?」

足立「す、スミマセン…」

山野「イライラしてるの!早くどっか行ってくれる!?」

足立「し、失礼しましたぁ~!」

~数日後・深夜12時・足立宅にて~

足立(今日は警護お休み、っと…)

足立(そーいや、明日で山野アナ帰っちゃうんだっけ)

足立(最後にサインのひとつでも…いやいや)

足立「…そういや、マヨナカテレビやってんじゃね?」

ザアー…

足立「おー、やってるやってる」

足立「…でも、なんかよく見えないな」

足立「…なんだろう」

足立「誰か苦しんでる…?みたいな」

ブツッ…

足立「あちゃー…終わっちゃたよ」

足立「…もう寝る、かな」

~とある青い部屋~

足立「…?」

足立「あれ?どこだ、ここ…?」

???「ようこそ、ベルベットルームへ…」

足立「へ?…うわあ!?」

足立「は、鼻の長い…!?」

イゴール「ワタクシはイゴール。…どうぞ、お見知りおきを」

マーガレット「そして私はマーガレットです。それから―」

少女「……」

マーガレット「…マリー?」

マリーと呼ばれた少女「…どうも」

足立(何これ!?え、だって僕、自分の部屋で…!?)

足立(美人のお姉さんと、…は、鼻?と)

足立(あれ?女の子はどこかで…)

イゴール「ここは、お客様の『旅』をお助けする場所…」

イゴール「どれ…では早速」サッ

足立(タロットカード…?)

イゴール「占いは、お好きですかな?」

イゴール「…ほう、これはこれは」

足立「あ、あのー…」

イゴール「お客様には、ある暗示が出ております…」

イゴール「これからお客様の身には、様々な困難が訪れるでしょう…」

マーガレット「―必要な時に、我々はあなた様を手助けいたします」

マーガレット「それから―マリー?」

マリー「ん。…えっと」

マリー「また、会うかも。今日は、バイバイ」

足立「あ、ちょっと―」

~朝・足立宅にて~

足立「…んあ?」

足立「…僕の部屋だ」

足立「…」

足立(ハッキリと覚えてる…)

足立(青い部屋と…それから―)

足立「…っと、イカンイカン。遅刻しちゃうよ」

足立(…何だったんだろうなぁ、あの夢)

~足立出勤~

足立(今日は晩飯どうしよう…)

足立(そういえば、家に大量のキャベツが―)

堂島「―足立ィ!」

足立「おわッ!?…って、堂島さん。おはようございます」

堂島「おう、おはよう。…今、来たとこか?」

足立「え、はい…」

堂島「悪いが、すぐに出かける準備をしてくれ」

足立「え…き、緊急の事件ですか?」

堂島「…山野真由美、覚えてるだろ」

足立「はい」

堂島「彼女が―」

堂島「―彼女の遺体が、今朝発見された」

足立「え―」

~第1話 愚者と始まり~

~第2話へ続く~

こんにちは。そして、お疲れ様、作者のよいこです。

誤字の指摘、ありがとうございました。次回から直します。

「第1話は」ココで終わります。

第2話も、勝手に書くと思います。よろしければおつきあいください。

書き忘れ。次回は違うスレにたてます。

今回のはこれで終了です。

コメント嬉しいです。本当にありがとうございます。

ペルソナ4 the MAGATHU
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424353186
完結いたのでよろしくお願いします

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