ユミル「貰うぜ?エレンのファーストキス」 (120)

前回の反省を踏まえつつ…よろしくお願いします。
※若干生い立ちなどのネタバレ含む

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──宿舎

ユミル「なぁクリスタ、明後日は休みだろ?街に繰り出して美味いもんでも食いに行こうぜ」

クリスタ「あ、ごめん…その日はちょっと行けない、かな」

ユミル「はぁ?何か用事でもあんのかよ?」

クリスタ「うん、ちょっと…ごめんね。もう遅いし今日は寝よ?」

ユミル「あぁ…」

クリスタ「本当にごめんね…おやすみ、ユミル」

ユミル「(何だ?用事って…チッ、久し振りの休日だってのに)」

ユミル「(まぁいいか、明日聞けば…)」


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〜一週間前〜

クリスタ「えっ?エレンに贈り物?」

ミカサ「そう…もうすぐエレンの誕生日。だけどここ数年は忙しくて、ろくに祝う機会も無かった」

クリスタ「休日なんて、中々無いもんね…」

ミカサ「でも運良く今年は誕生日の前に、休みがあった」

クリスタ「そっか、それでエレンに…でも、何でそれを私に?」

ミカサ「エレンに何をあげればいいのか分からなくて…私はそういうのに疎いから、喜んでもらえるか自信がない。クリスタなら分かるかと思って」

クリスタ「ミカサがあげれば何でも喜ぶと思うけど…でもごめん、私もあんまりそういうの詳しくないかも…」

ミカサ「…そう」

クリスタ「うーん…あっ、じゃあこういうのはどうかな?」

ミカサ「?」

クリスタ「今度の休み、一緒に街に行こうよ。それでエレンが喜びそうな物が無いか探そ?」

ミカサ「でも…それはクリスタに悪い。ただでさえ休日は貴重なのに…」

クリスタ「ううん、そんなことないよ。私もミカサともっと仲良くなりたいし…ほら、ミカサっていつもエレンとかアルミンと一緒だから、あんまり

話す機会無かったでしょ?」

ミカサ「ごめん…」

クリスタ「わわ、謝らなくていいって。で、どうかな?」

ミカサ「クリスタが良いなら、そうしよう」

クリスタ「じゃあ、決まりだね」

ミカサ「うん…ありがとう、クリスタ」

クリスタ「うん。えへへ、何か楽しみだな…ミカサと二人っきりで出かけるなんて」

ミカサ「…私も楽しみ」

クリスタ「あ、そうだ。ミカサとエレンって──」

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〜翌朝〜

ユミル「クリスタは…っと。お、いたいた」

クリスタ「───」

ミカサ「───」

ユミル「(ん?あれは…ミカサか?何でクリスタがミカサと一緒に…)」

クリスタ「…分かった。じゃあそこで待ち合わせにしよっか」

クリスタ「…うん、またね、ミカサ」

クリスタ「……」

クリスタ「…えへ」

ユミル「おい」

クリスタ ギクッ


ユミル「何一人で笑ってんだよお前。アイツと何話してたんだ?」

クリスタ「な、何でもないよ!ユ、ユミルこそどうしたの?」

ユミル「ん?あぁそうだ、お前明日の用事って…」

クリスタ「…!えと…ご、ごめん、私馬のお世話しなくちゃいけないの忘れてた!また後でね!」ダッ

ユミル「あ、おい!…何だよ、クリスタの奴」

ユミル「(ていうかミカサとクリスタは何話してたんだ…?あいつらそんなに仲良かったかよ)」

ユミル「こりゃちょっと調べる必要が…ん?」

エレン テクテク

エレン「(あー、寝みぃ…。アルミンの奴、一旦話しだすと止まんねーんだよな…)」

エレン「あそこで歴史について質問したのがマズかったな…今度からは気を付けねぇと…」

ユミル「おい」

エレン「ん…?」

エレン「ユミルじゃねーか。珍しいな、お前がオレに話しかけるなんて」

ユミル「あぁ、ちょっと聞きたいことがあるんだが…」


ユミル「お前、ミカサが明日どこ行くのか知ってるか?」

エレン「ミカサ?」

エレン「…あぁそういやちょっと出かけるって言ってたな…場所は聞いてねぇけど。でもそれがどうしたんだよ?」

ユミル「別にお前には関係ない…」

ユミル「…いや、待てよ」

ユミル「おい」グイッ

エレン「うわっ!な、何だよ」


ユミル「お前、明日ちょっと付き合え」


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〜翌日〜

クリスタ「ごめん、ミカサ!待った?」

ミカサ「別に待ってない。私も今来たところ」

クリスタ「そっか…じゃあ、行こっか」

ミカサ「うん」コクッ

クリスタ「最初は…」




ユミル「チッ、やっぱりか。…クリスタの奴、私を差し置いてミカサと何してんだ?」

エレン「…なぁ」

ユミル「あぁ?何だよ」

エレン「何でオレまで連れて来る必要があんだよ…ストーキングなら一人で勝手にやってろ」

ユミル「はッ、男の癖にグチグチうるせぇよ。私一人だと怪しまれんだろうが」

エレン「知るか!」

ユミル「お前だって気になるだろ?ミカサとクリスタが休日に二人っきりで何してんのか」

エレン「…なんねーよ」

ユミル「そうかよ。まぁ成り行きとは言え、この私とデート出来るんだからありがたく思え。どうせお前まだその…ピーしたこともねぇんだろ?」

エレン「なっ…う、うるせぇな!」

ユミル「シッ!…大声出したら聞こえるぜ?」

エレン「…っ」

エレン「(…って何黙ってんだオレは!別に後ろめたいことはしてねーんだ…隠れる必要は…)」

ユミル「お、歩き出したな…ほら行くぞ」

エレン「オレは行かねえぞ」

ユミル「あぁ?」

エレン「行く理由がねぇよ。大体こんなことするぐらいなら寮でゆっくりしてた方がまだマシだ」

ユミル「…ふーん」

ユミル「…コレ、何だと思う?」プラーン

エレン「!?そ、それ…オレの鍵じゃねーか!返せ!」サッ

ユミル「おっと。返してやってもいいぜ…私に付き合うならな」

エレン「お、お前なあ…」

エレン「……はぁ」

エレン「クソッ、分かったよ。こうなりゃとことん付き合ってやる」

ユミル「…そうこなくっちゃな、エレン」

あ、寂しいので見てる人いたらジャンジャンコメくれたら嬉しいですジャン

ちなみにジャンは出て来ません。


〜数時間後〜


クリスタ「これなんかいいんじゃないかな…どう?」

ミカサ「悪くない…でもエレンは既に同じような物を持っていた」

クリスタ「そっか、じゃあ駄目だね…これは?」

ミカサ「もう少し大きい方が…」

クリスタ「うーん、このサイズしかないみたい…他には…」


     ・
     ・
     ・


エレン「…おい」

ユミル「何だよ」

エレン「もう数時間経ったけど、ただ買い物してるだけじゃねぇか…」

エレン「女同士で遊ぶのなんて、そう珍しくもないだろ?」

ユミル「ただ遊ぶだけだったら何でクリスタが私に黙ってるんだよ?何かあるはずだ、きっと…」

エレン「…はぁ。お前、いつもそんななのか?」

ユミル「あん?」

エレン「クリスタクリスタって…他に何かねぇのかよ?」

エレン「(…まるでミカサだな)」

エレユミなのかクリユミなのか…それが問題だ

ありゃ?黙って見るつもりだったか…ふむ、ジャン出ないとは>>1よくわかってる

>>14
タイトル通りエレユミですごめんなさい

ユミル「何だよ、何かって?」

エレン「だから、その…生きがいみたいなもんだよ。あるだろ、こう…恋愛とか」

ユミル「…プッ」

ユミル「ダッハハハハハ!オイオイ、お前今…恋愛って言ったか!?まさかお前の口からそんな言葉が出るとはな!」

エレン「う、うるせーよ!例として出しただけだ!笑うな!」

ユミル「だ、だってお前…巨人のことしか興味ねぇんと思ってたぜ…」ヒー

ユミル「あ、もしかして…巨人に恋してんのか?ほら、あの女型の巨人とか言う奴…あれだろ?」

エレン「あーもう黙れ!」

エレン「(はぁ、なんでこんなことに…)」


     ・
     ・
     ・


クリスタ「ねぇねぇミカサ!これはどう?」

ミカサ「…かなり良い。でも、少し値段が高い…」

クリスタ「わ、ほんとだ。ちょっと手が出せないね…似たものがないか探──」グー

クリスタ「……//」

クリスタ「えーっと…私はまだ大丈夫だから、気にしないで?//」

ミカサ「…いや、そろそろご飯にしよう。ちゃんと食べないと体に響く…それに、私も丁度お腹が空いてきたところ」

クリスタ「そっか、ありがと…ずっと思ってたんだけど、ミカサって優しいね」

ミカサ「そう?あまり言われたことがないけど…」

クリスタ「それは皆ミカサのことよく知らないからだよ。ミカサってほら、成績凄くて、いかにもエリートって感じだから…」

ミカサ「…私は別に、エリートなんかじゃない」

クリスタ「うん、分かってる。恋する女の子…だもんね?」

ミカサ「別にエレンはそういうのじゃ…」

>>17
これは�!そして、安定のミカサか…いや

クリエレユミ

ミカサ

まぁ期待する


クリスタ「…ミカサ、私エレンなんて一言も言ってないよ?」クスクス

ミカサ「…はっ」

クリスタ「ふーんそっか…ミカサはエレンのことが…」

ミカサ「…クリスタは意外と意地悪」

クリスタ「あっ、ご、ごめん…」

ミカサ「……」

ミカサ「…今のは冗談」フフッ

クリスタ「え、あ…もう、ミカサってばぁ!」

     ・
     ・
     ・

エレン「…何だ、あいつらって結構仲良いのな。知らなかったぜ」

ユミル「クソッ、私のクリスタが…」

エレン「…何だよその"私の"って」

ユミル「は?私のは私のだろ。他に誰がいんだよ」

エレン「そういうことじゃなくてさ…お前もしかして、そういう趣味なのか?」

ユミル「…さあどうだかな。だとしたら何なんだよ、文句でもあんのか?」

エレン「いや、別に…まぁ、いいんじゃねぇか?そういうのは人それぞれだしよ…好きなんだったら、しょうがねぇだろ?」

ユミル「……」

ユミル「…はッ…いや、私とクリスタはそんなんじゃねぇよ…腐れ縁みたいなもんだ」

エレン「そ、そっか…」

ユミル「……」

ユミル「なぁ、お前ってさ…」

エレン「ん?」

ユミル「何でそんなに、巨人に執着するんだよ?」

ユミル「…良いじゃねぇか、あそこにいる幼馴染と結婚でもして、内地で平和に暮らせば」

エレン「…ミカサはそんなんじゃねぇよ、家族だ」

エレン「…オレの親は、5年前の巨人の襲撃で殺された」

ユミル「そう、か。そりゃあ…」

エレン「オレは、この手で巨人を一匹残らず駆逐する。そうしなきゃダメなんだ…」

エレン「……」

エレン「でも、それだけじゃない」

ユミル「あ…?」

エレン「オレには、夢がある。もし巨人を全て倒して、この世界が平和になったら…」

エレン「その時は…」

エレン「壁の外に出て、思う存分…外の世界を探検するんだ」


ユミル「(……!)」

エレン「なぁ、知ってるか?外の世界には、海ってもんがあって…大地は全部、塩水に囲まれてるんだとよ」

エレン「それだけじゃない…そこには、オレらには想像もつかないようなものが沢山広がってるんだ」

エレン「オレはそれを見てみたい!…いつになるかは、分からねぇが」

ユミル「……」

ユミル「…なるほどな」

ユミル「はッ、お前もコニーとかと同じ部類で、バカな奴だとは思ってたけどよ…どうやらそんなレベルじゃないらしい」

ユミル「今時そんな夢物語信じてるのなんて、お前ぐらいしかいねぇよ」

エレン「…そうかもな」

ユミル「……そうだよ」

ユミル「……(でも、なんでかね…今、私はそれを…)」

ユミル「(少し、羨ましいと思っちまってる)」

ユミル「…なぁ、ありえねーけど…もし本当にそんなことになったらさ…」

ユミル「その時は…」

ユミル「……」

ユミル「っ!?」サッ

ユミル「(な、何だ!?私は今何を言おうとした!?)」

エレン「?どうした?」

ユミル「い、いや…」

ユミル「(その時は…何だ!?嘘だろ!?こいつのなんの根拠も無ぇ夢物語なんかに…)」

エレン「なぁ、ていうかさ…」

ユミル「っ…な、何だよ」

エレン「あいつら、もういねーぞ?」

ユミル「は?」


ポツーン


ユミル「……」


ユミル「し、しまった…」

エレン「…はは」

ユミル「オイ…お前何笑ってんだ…」

エレン「いや…お前も結構可愛いとこあんだな…って」

ユミル「なっ…」

ユミル「は、はぁ!?訳分かんねーこと言ってねぇで早く探すぞバカ!」

エレン「バ、バカはねーだろバカは!…探すっつったってどこ探すんだよ…もう結構経ってるからどこ行ったか分かんねーぞ」

ユミル「チッ…大体な、お前が下らない長話なんか始めるから…」


「あの…」クイッ

ユミル「あ?」ギロッ

少年「…ひっ!」サッ

少年「えと、****へはどう行けば…」

ユミル「…知るかガキ。あそこにいる駐屯兵にでも聞きな」

少年「は、はい…ごめんなさい」タッタッタ

ユミル「……チッ」

エレン「お前ひでーな…相手は子供だぞ?もっと優しくしてやれよ」

ユミル「あの手のガキはな、優しくするとつけ上がるんだよ。実際、子供を使った泥棒の手口だって…」

ユミル「…ん?」

エレン「どうかしたか?」

ユミル「…財布が無ぇ」

エレン「は?さっきまで持ってただろ…どっかに落としたのかよ」

ユミル「…いや違う」

ユミル「あのガキ…」



     ・
     ・
     ・


ザワザワ


「おいガキ、お前そこで何して…おい待て!クソ…誰かあのガキを捕まえろ!泥棒だ!」


シーン…


「オイ、お前ら…あれがどれだけ大事な物か分かってねぇな…お前らのチンケな人生じゃ一生かかっても稼げねぇ価値があるんだぞ!」


ヒソヒソ


「チッ…協力すれば礼はする!!とっとと捕まえろ!」


…!ダダタダ゙ッ


クリスタ「何か外が騒がしいね」

ミカサ「今日は久し振りの休日だから、街に繰り出す兵士も多い…もしかしたら、高名な士官がいて、民衆がそれに気付きでもしたのかも…」

クリスタ「そっか、そうだね…そういえば、ミカサってあのリヴァイ兵士長に会ったんだよね?どんな人だった?」

ミカサ「リヴァイ、兵長……」

ミカサ「……」ゾワッ

クリスタ「ひっ!」ビクッ

ミカサ「あのチビには、いつか報いを…」ギリッ

クリスタ「(い、一体何があったの…?)」


少年「はぁ…はぁ…」

少年「(あ、あの路地に…)」サッ

少年「あ…(行き止まり!?)」

少年「っ…!」クルッ

ユミル「おい」

少年「あ…」

少年「さ、さっきの…な、何ですか?」

ユミル「何ですか?じゃねえよガキ。財布返しがれ」

少年「う…」

少年「(ど…どうしよう…財布ぐらい返しても…いやでもそんなことしてたらあの人たちが…)」



チラッ


少年「(…っ!銃!?やばい、この人兵士だ…!きっと返しても捕まる…でも逃げ道が…)」

ユミル「オイ、いい加減に─「いたぞ!あの子供だ!」

ユミル「…あ?」

「捕まえろ!捕まえたものにはたっぷり金品をやる!絶対逃すな!」

「「「おおおおおお!」」」

少年「あ、あ…」

ユミル「……」

ユミル「…チッ」ガシッ

少年「え?」

ユミル「…逃げるぞ」

少年「え、逃げるって、どこに…」


ユミル「……」

ユミル「這い上がるのさ、こんな場所から」


ビシュッ


ユミル「…しっかり掴まってな!」

少年「!?え…」


グワンッ


少年「わ、わあああ!」


フワッ


少年「あ…(この建物…時計塔!?)」

少年「(す、凄い…)」

少年「(世界って、こんなに…)」



少年「(綺麗だったんだ…)」

ユミル「(…よし、あとは適当なところに着地して…)」


プシュ


ユミル「な…」

ユミル「(オイオイ…ガス切れだと!?クソ、こんな時に…)」

ユミル「(この高さから落下したらただじゃ済まねえぞ…)」

少年「っ…」

ユミル「…くっ!」ギュッ

ユミル「(せめてコイツだけでも…)」

ユミル「……」ヒュウウウ

ユミル「(チッ、こんなとこで終わりかよ、私の人生…)」

ユミル「(せっかく生まれ変わって、自分のためだけに生きようと思ったのによ…)」

ユミル「(ごめんな、クリスタ…)」

ユミル「(……)」

ユミル「(…エレン…)」

ユミル「(今なら分かる、あの時私が何を言おうとしたのか…)」

ユミル「(もし、この世界が平和になったなら…)」

ユミル「(その時は…)」

ユミル「(私も、一緒、に…)」




「───ユミル!!」



ユミル「え…?」


ヒュン


エレン「掴まれ!!」

ユミル「あ…」

ユミル「っ…!」ガシッ

エレン「くっ…」ギシ…

ユミル「エ、レン…」

エレン「(流石に三人抱えてこの高さから降りるのはキツイな…でも何とか制御しないと壁にぶつかって三人ともオダブツだ)」


エレン「死んで…」


エレン「たまるか!」ビシュッ


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エレン「ハァ…ハァ…」

エレン「(な、何とか、着地できた…)」

エレン「そいつも無事か…?」

ユミル「あぁ、今は気ぃ失ってるだけだ…」

エレン「そっか……」

エレン「…ていうかお前っ…何してんだよ街のど真ん中で…」

ユミル「……」

エレン「……っ」グッ

エレン「死んでたかもしれないんだぞ!?もしオレが来なかったら──「分かってる」

ユミル「分かってるよ…」

ユミル「…悪かった」

エレン「…その子供、さっき道聞いてきた奴だろ?」

エレン「助けようとしたのか?」

ユミル「……」

ユミル「…コイツ、似てたんだよ、昔の私に」

エレン「は?昔の…?」

ユミル「…誰からも歓迎されないで、存在するだけで憎まれるような存在…」

ユミル「ただただ生きることに必死で、人生に何の意味も見出だせない…そんな人間だ」

エレン「……」

ユミル「だからかな…コイツが目の前で意地汚ねぇ大人どもに捕まりそうになるのを、黙って見てらんなかった…」

ユミル「はッ…まぁその結果が、助けるどころか命まで奪っちまう所だったんだから、お笑いだけどよ」

ユミル「私はただ…どんなに、どんなにちっちゃくてもいいから、見せたかったんだ…」

ユミル「…光ってやつを」

エレン「そっ、か…」


ユミル「…チッ、ガラでも無ぇことはするもんじゃねーな…まぁともかく助かったぜエレン、ありがとよ」ポン

エレン「おう…」

ユミル「はぁ、にしても結局クリスタ達はどっか行っちまうし、こりゃ最悪の一日だ…お前も付き合わせて悪かったな」

エレン「いや、いーよ…何だかんだ結構楽しかったしな」

ユミル「っ…そうかよ。…それにしてもお前、その立体機動装置どうした?」

エレン「近くにいた駐屯兵に借りた。戻ってくる途中でお前が時計塔によじ登ってんのが見えたから…一応な…」

エレン「…ていうかお前こそ何で休日にまで装置つけてんだよ…街中じゃ使用禁止なことぐらい分かってるだろ?」

ユミル「途中でクリスタ達を見失ったら困るだろ?バレなきゃいーんだよ、バレなきゃ」

エレン「お前なぁ…しかも結局見失ってんじゃねーか」

ユミル「うるせーなぁ…ってかお前、何で戻ってきた?先に帰ってろつったろ?」

エレン「いや、それは…」



エレン「…鍵、まだ返してもらってねーだろ…」


ユミル「……」

ユミル「…はは」

ユミル「ハハハ、ダハハハハハ!」

エレン「!?」

ユミル「な、何だ、そういうことかよ…そういえば返してなかったな、ハハハハ…お、お前そんだけのために、ここまで…」ヒクヒク

エレン「う、うっせーなぁ、悪りぃかよ…ていうかお前、そのお陰で助かったんだろうが…」

ユミル「…クク、あぁ分かってるよ……ほら鍵だ。本当にありがとな、エレン」ニコッ

エレン「!?あ、あぁ…//何かこそばゆいな、お前に素直に感謝されると…」

ユミル「あぁ?何だよ私が感謝しちゃ──「ユミル!?」タッタッタッ

ユミル「…は?」

クリスタ「こんなところで何してるの…?」

ユミル「い、いや…私は…」


ミカサ「エレン!」

ミカサ「この辺りで騒ぎがあったと聞いた…怪我はない!?」

エレン「お、おぉ…(ヤッベェ、そんな大事になってたのか…いや、街中で思いっきり立体機動使ったんだ、当たり前か…)」

ミカサ「そう…良かった」

ミカサ「…で」

エレン「ん?」

ミカサ「どうしてこの女と一緒にいるの…?」ゴゴゴゴ

エレン「い、いや…」

クリスタ「もしかして…デ、デート?」

ミカサ「!?」

ユミル「なっ…」

エレン「ち、違げぇよ!何言ってんだクリスタ!」

クリスタ「ご、ごめん…でも、じゃあ何で…ここで何があったの?」

エレン「それは…」

ミカサ「答えて」ズイッ

エレン「っ…わ、分かったよ…」

今、使った立体機動[ジャン]

後で、教官からジャン呼び出して怒られるですね!わかります

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クリスタ「…も、もうユミルったら!私がミカサとそ、そんな…//」

ミカサ「はぁ…エレン、いくら私が気になるからといって、この女の口車に乗せられてはいけない」

エレン「あ、あぁ…(別にそこまで気になってねぇけどよ…言ったら怒りそうだからやめとくか)」

ユミル「…オイ、誰がこの女だ。私にはユミルって名前があんだよ」

ミカサ「黙って。私は今とても怒っている…貴方のせいでエレンは命を危険に晒すことになった」

ユミル「っ…それは…」

エレン「おいミカサ、それはもういい。オレはもう気にしてねぇよ」

ミカサ「エレン…」

クリスタ「でもユミル、その子を助けたかったんだよね…?大人の人に捕まってたら、何されるか分からなかったから…」

ユミル「…私を美化しすぎなんだよ、お前は。サシャの時みたいに恩を売っとこうと思っただけだ」


クリスタ「え…?でも子供に恩なんて売ってもしょうがないでしょ…?」

ユミル「あーうるせぇな!どうでもいいだろそんなことは…それよりもお前、ミカサと二人で何してたんだよ…」

クリスタ「あ、えっとそれは…」チラッ

ミカサ「……」

ミカサ「…っ」グッ

ミカサ「エレン、ちょっと…」

エレン「ん?何だよミカサ」

クリスタ「(渡すんだね…頑張って!)」

ユミル「…?」

ミカサ「…これ」

エレン「?何だ?これ」

ミカサ「まだ少し早いけど…誕生日の…プレゼント」

エレン「おお…あ、ありがとよ」


エレン「開けて…いいか?」

ミカサ「……」コクン

エレン ガサガサ

エレン「おお、これ…マフラーか?」

ミカサ「うん…クリスタに協力してもらって、選んだ。お店とか、私はよく知らないから…」

エレン「……」

ミカサ「駄目、だった…?」

エレン「…んなことねぇよ…嬉しいぜ。ありがとな」ナデ

ミカサ「ん…良かった…」

クリスタ「…はいエレン!私からもこれ…」

エレン「お?クリスタも何かくれんのか?…ってこれ靴か?いいのかよこんなもん」

クリスタ「うん。エレン今履いてる靴、ボロボロだったでしょ?だからそろそろ新しいの欲しいかなって」

エレン「おぉ…お前…よくそんなこと気付くな…」

クリスタ「えへへ…」

ミカサ「……」ムッ

ミカサ「エレン。私もエレンが寒がっていることに気付いていた…だからマフラーにした、どう?」

エレン「え?ま、まぁこの時期冷えるからな、そりゃそうだろ…」

ミカサ「……」

クリスタ「(もうエレンってば…分かってないなぁ)」

少年「あの…」

エレン「…お、もう起きたのか」

少年「ありがとう、助けてくれて」

エレン「いや、無事で良かったよ…だけどもう盗みなんてすんなよ?」

少年「はい…あっ」


少年 テクテクテク

ユミル「…あ?」

少年「あの…ありが」

ユミル「オイ」

ユミル「私は礼を言われるようなことはしてねーぞ。あんな危険な目に…」

少年「ううん…」

少年「さっき上から引っ張ってもらったとき…一瞬だったけど、凄い綺麗な景色が見えたんだ…」

少年「僕、世界があんなに綺麗だなんて、知らなかった…」

ユミル「…!」

少年「ちょっと怖かったけど…」

少年「初めて、生まれてきて良かったって思った…」

クリスタ「……」グスッ

ミカサ「……」

エレン「(…ちゃんと伝わってんじゃねーか、ユミル)」

少年「だから…ありがとう…」

エレン「(お前の…)」

エレン「(気持『お兄ちゃん』

ユミル「……」

ユミル「は?」

少年「僕…お兄ちゃんみたいなカッコイイ兵士になりたい!今は無理かもしれないけど、いつかきっと…」

ユミル「……」ピクピク

ユミル「…誰が、お兄ちゃんだって?」


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エレン「ク、クク…"お兄ちゃん"って…」

ユミル「おいエレン…ぶっ飛ばすぞお前」

エレン「わ、悪りぃ悪りぃ。つい…」

ユミル「…チッ。私のクリスタの背中でぐっすり寝やがって…何様だ、このガキ」

ミカサ「…子供は正直」

ユミル「オイ、それどういう意味だ、ミカサ…」

クリスタ「あ、あはは…」

エレン「まぁでもよ…」


エレン「お前だってちゃんとあると思うぜ?女らしいところ」

クリスタ「え…」

ミカサ「……エレン?」

ユミル「は?」

エレン「な、何だよ」

ミカサ「今のはどういう意味、エレン?」

エレン「どういう意味も何も、そのまんまだよ」

クリスタ「…例えば、どういうところ?」

ユミル「おい、クリスタ…お前何気にひでぇな」

クリスタ「ご、ごめん…そういう意味じゃなくて」

エレン「そうだなぁ、例えば…笑った顔とか。あ、それとさっきのその子供を見るときの視線とか…なんつーか、母性っていうのか?そういう雰囲気

が…さ」

ユミル「っ…//」

ミカサ「…エレン。母性なら私は人一倍ある(特にエレンに対して)」

エレン「ええ、そうかぁ?」

クリスタ「(…え?何これ?もしかしてエレンってユミルのことが…?)」


ユミル「…なぁエレン」

エレン「何だよ?」

ユミル「そういやさっき、私だけまだお前にプレゼントあげてなかったよな…」

エレン「あ、あぁ、でもお前…買う暇なんて無かっただろ?」

ユミル「…あぁ、そうだな」

エレン「はぁ?じゃあ何だよ」

ユミル「ちょっとこっち向け」

エレン「え?あ、あぁ…一体何d…んぐっ」

ユミル「ん…」

エレン「……」

エレン「(な、何だ?今…何が起こってる…?)」

エレン「(何だこの感触…柔らけぇ…ユミルの顔がめっちゃ近くて、それで…息が、苦しい…)」

エレン「(これって…)」

ユミル「(…もしかして、キスされてんのか…?)」

ミカサ「」

クリスタ「え…//(カァッ」

ユミル「ん…ぷはっ」

ユミル「これが私からの誕生日プレゼントだ、エレン」

エレン「……」

エレン「な……なn「何を…」

ミカサ「な、何をしたの…今…?エレンに、今…何を…」ブツブツ

ユミル「…はッ、悪いなミカサ」

ユミル「あ、エレン、礼は要らないぜ?私も変わりに貰ったからさ…」




ユミル「お前の、ファーストキス」クスッ



エレン「っ…!//」ドキッ

ミカサ「この女、やっぱり…」ギリッ

クリスタ「ちょ、ちょっとミカサ、落ち着いて!」

ユミル「まーそう怒るなって、ただの誕生日プレゼントなんだからよ…ま、こっちも奪っちまったからプレゼントになってねぇか…ハハ」

ミカサ「じゃあ今すぐ返して…」

ユミル「そりゃお前…無理だろ?もう貰っちまったんだから」

クリスタ「あ、ああ…」オロオロ

クリスタ「エ、エレン…」チラッ

エレン「…(や、柔らかかった…)」ボ゚ー

クリスタ「エ、エレェン…」グスッ

クリスタ「(も、もう…)」

ミカサ「…貴方とは決着を付ける必要がある…今、ここで」

クリスタ「(私…)」

ユミル「はッ、何だそりゃ。決着って…どっちのだよ?」

クリスタ「(どうすればいいのぉ!?)」



イイノォ?イイノォ?イイノォ?イイノォ…

ヒューやるねぇ!

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〜数日後〜

エレン「(はぁ、にしても…とんでもねぇ休日だったな…)」

エレン「(何だってユミルの奴、あんなこと…//)」

クリスタ「あ、エレン!」テクテク

エレン「ん…よ、よお、クリスタか」

クリスタ「うん…この前はユミルが、ごめんね」

エレン「良いって別に。誰も怪我しなくて良かったよ」

クリスタ「そうだね…ユミルが死んじゃったら私…」グスッ

エレン「お、おい泣くなって!あ、あー…そういやあの子供はどうなったんだ?」


クリスタ「グスッ…え?あ、あぁ…あの子なら…「…オイ!付いてくんなクソガキ!」

エレン「…ん?」

少年「ねぇねぇ!あれ教えてよお姉ちゃん!」

ユミル「…お前にゃまだはえー」

少年「えー!何でー!」

エレン「…どういうことだ?あれ」

クリスタ「あはは…あの後、私たちであの子、軍に連れ帰ったでしょ?」

エレン「あ、あぁ…」

クリスタ「そしたら家族も親戚もう死んじゃってて…」

エレン「…戦争孤児、か」

クリスタ「うん…それで、軍が里親を探してくれることになったんだけど…」

クリスタ「人手も足りないし、そうすぐには見つからないから…それまでの間、軍で預かることにしたんだって」

エレン「へぇ…」

クリスタ「ほら、あの子、兵士になりたいって言ってたでしょ?それにユミルのことすごく尊敬してたみたいだから…今、凄く楽しいんじゃないかな



エレン「はー、そりゃまた変わった子供だな…」

クリスタ「あはは…エレンも普通の人から見たら十分変わってるけどね…」

エレン「え、そうなのか?」

クリスタ「うん…」


エレン「まじかよ…(それにしても…)」

ユミル「…あ、おいクリスタ!このガキどうにかしてくれ…」グイッ

少年「えへへ、待ってよお姉ちゃん!!」ガシッ

クリスタ「こんにちは!…もうユミル、そんな言い方やめなよ」

エレン「(あいつら見てると、何か…)」

ユミル「は?ガキはガキだろ」

エレン「(モヤモヤすんな…)」

クリスタ「…エレン?」

エレン「…え…」

ユミル「オイ、お前大丈夫かよ…熱でもあんのか?」ズイッ

エレン「!?い、いや…何でもねぇよ!」サッ

エレン「(ヤ、ヤベェ…コイツの顔、まともに見れねぇ…)」

エレン「(ていうか、今、オレは…嫉妬、したのか?あんな子供に…?)」

エレン「(…まさか…)」

エレン「(まさか、オレ…)」

エレン「(こいつのこと…)」

エレン「(好きになっちまったのか!?)」


つづく?

エレン争奪戦参加
�ミカサ
�ユミル
�クリスタ(流れで
�アニ(いつの間にいた
�サシャ(勝ったら飯貰えると思ってる
>>1(なんとなく

勝つ……のは誰だろうな

書き溜め尽きたので一旦ここで中断します。見てくださった方ありがとうございました!
続きはまたその内…ご指摘、ご要望など何かありましたらどうぞ

時系列で言うと調査兵団入団後で壁外調査の前ジャン?

リコ班長登場させてくれたらうれしいジャン


〜一週間後〜

クリスタ「良かったね、里親見つかって…優しそうな人だったよ」

ユミル「はッ、どうでもいいね。新しい親に、せいぜいケツでも引っ叩かれてりゃいいんだ」

クリスタ「またそんな憎まれ口…ユミルだって可愛いがってた癖に」

ユミル「はあ?誰がだよ。…私が可愛いがるのクリスタだけだ」ペロ

クリスタ「ちょ、ちょっと…もう…あ、あれエレンじゃない?」

エレン テクテク

ユミル「ん?…あぁ」

クリスタ「エレン…お疲れ様。もう今日の分は終わり?」

エレン「クリスタ。ああ丁度今…」チラッ

ユミル「…何だよ?」

エレン「っ…」

エレン「わ、悪りぃ。オレまだやることあったの忘れてたわ…また後でな!」ダッ


クリスタ「あ…」

クリスタ「どうしたんだろ、エレン」

クリスタ「ここ最近、ずっとあんな調子だね」

ユミル「チッ、毎回毎回、私の顔見るなり逃げ出しやがって…」

ユミル「(…そんなに、嫌だったかよ)」

クリスタ「でも、何でなんだろ?この前街に行った時は、むしろ仲良さそうに見えたけど…」

ユミル「はッ、そんなの私が知るかよ」

ユミル「大方、私に幻滅でもしたんだろ…この前の…アレで」

クリスタ「そんなこと無いと思うよ?確かにちょっと驚いてたけど…全然嫌がってる風じゃなかったし…」

ユミル「…どーだか」

クリスタ「ねぇ、ユミル…何で急にあんなことしたの?やっぱりエレンのことが…」

ユミル「だからそりゃ違うって何度も言ってるだろ。気の迷いだ、気の迷い」

クリスタ「でも…」

ユミル「…いいからもうこの話は終わりだ。食堂行くぞ、クリスタ」

クリスタ「う、うん…」


───食堂

アルミン「あ、エレン…そのマフラーどうしたの?」

エレン「ん?ああ…これか。」

エレン「いよいよ寒くなってきたからそろそろ使おうと思ってな…ミカサがくれたんだ」

ジャン「!?」ガタン

アルミン「へぇ、そうなんだ…ミカサ、もしかして前の休日に?」

ミカサ「うん、そう。街に行って買ってきた…クリスタと二人で」

アルミン「そっか…あ、そういえば靴も代わってるけど…もしかして」

エレン「あぁ、こっちはクリスタに貰った」

ライナー「!?」ガタン

アルミン「はは…エレンは幸せ者だね、女の子二人からプレゼントだなんて」

エレン「まあ正確には三人…だけどな」

ミカサ「!?」ガタン

エレン「いや、何でお前が驚いてんだよ…知ってるだろ」

ミカサ「…そうだった。つい記憶から抹消していた…不快すぎて」


周り ゾクッ…


ジャン「オ、オイエレン…てめぇどういうことだ!」

エレン「は?何だよジャン…何キレてんだ」

ジャン「うるせぇ!今日という今日は許さねぇぞ…」

ジャン「マフラーよこせオラアァァァァ!」

エレン「うわっ、やめろ!マフラーが伸びちゃうだろうが!」

ジャン「あ、悪りぃ…」パッ

ジャン「って違う!ぶっ飛ばしてやるこのクソ女たらしが!」

エレン「は!?意味分かんねーよ!おいライナーコイツどうにか…」

ライナー「…イヤ、悪いが…今回はオレもジャンと同じ意見だ」

ライナー「一発でいい、殴らせてくれ!」ボロボロ


エレン「(男泣き!?)オ、オイ何だよお前まで…クソッ、やるならかかって来やがれ!」

ジャン&ライナー「てめぇ(お前)に言われねぇ(ない)でも…」

ジャン&ライナー「そのつもりだ!」ダッ

エレン「…!」

ライナー「許せ、エレン。ただ…オレがすべきことはお前のした行いや選択した結果に対し…」

ライナー「(愛の)戦士として」

ライナー「最後まで責任を果たすことだ…!!」


ヒュッ

ライナー「ん?何…!」

バギィ

ライナー「」ドンガラガッシャーン

ジャン「ラ、ライナアァァァ!」

ミカサ「…ジャン」

ミカサ「まだ、続ける?」ギロッ

ジャン「っ…」

ジャン「く、くそエレン!覚えてやがれ!この借りは必ず…!」

エレン「だから借りって何だよ!」

ジャン「うるせぇ!借りは借りだ…明日、必ず返す…!」

エレン「オイ!…何なんだ、ジャンの奴。飯が冷えちゃっただろうが…」

アルミン「あ、あはは…(そこ!?)」

ミカサ「エレン、それなら私のをあげる。ほら、あーん」

エレン「え?いいよそんなの」

ミカサ「……」




サシャ「─皆今の聞きましたか?エレン、プレゼント貰ったらしいですよ!それも三人から!」

アニ「…別にどーでもよくない?」

サシャ「どうでもよくないですよ!」

アニ ビクッ

サシャ「三人ですよ、三人!一体どれだけのものを貰ったんでしょう…お芋ですかね?それともパン?いやもしかして、牛肉…」

サシャ「ああ、羨ましいいぃぃぃぃぃ!!」

アニ「……」

コニー「いや、何で食べ物になんだよ。貰ったのはマフラーと靴だろ?」

クリスタ「あ、あはは…」


コニー「…あれ?えーと、マフラーはミカサで、靴がクリスタだろ…?あと一人分は?」

ユミル ギクッ

サシャ「そういえば…もしかしてアニですか?」

アニ「…いや、私じゃないよ」

コニー「だよなぁ、だとすると…」ジー

サシャ「残るは…」ジー

ユミル「何だお前ら…揃いも揃ってこっち見んな。バカがうつる…」

コニー「なっ!うっせークソ女!…チッ、コイツだけはねぇな」

サシャ「そうですね。ユミルが人に何か与えるとは思えませんし…」

ユミル「あ?」ギロッ

サシャ「ひぃっ!」

ユミル「私はあの時お前に与えてやっただろ…?大事な"命"をよぉ…」

サシャ「は…はいぃ…その通りでございます恩人さま…!」

クリスタ「ちょっとユミル…」

アニ「私はそうは思わないけど」

ユミル「あぁ?」

アニ「アンタさ、前の休み見かけなかったけど…外出でもしてたの?」

ユミル「…まぁな、それが何だよ」

アニ「誰と?」

ユミル「は?そんなのクリスタとに決まってんだろ。なぁ、クリスタ?」チラッ

クリスタ「う、うん」

アニ「…ミカサはさっきクリスタと二人で出掛けたって言ってたけど」

ユミル「…!チッ…」

アニ「そんな嘘ついてまで、何か隠したいことでもある訳?」

ユミル「…別に」

コニー「んん?つまりどういうことだ?」

サシャ「えーとですね…」


アニ「だから」

アニ「三人目はコイツなんじゃないの、ってこと」

コニー「!?マジかよ!?」

サシャ「えぇ…本当ですか、ユミル!?」

ユミル「……」

ユミル「んな訳ねーだろ、勝手に妄想すんのも大概にしとけ。行くぞ、クリスタ」ガタッ

クリスタ「ちょ、ちょっと待ってよ…」

クリスタ「ねぇユミル、もういっそ話しても…」ヒソヒソ

ユミル「はぁ?お前…誕生日のプレゼントにエレンにキスしました、とでも言えってか?」

クリスタ「で、でも」

ユミル「そんなのはゴメンだね、アイツらに何言われるか分かったもんじゃない。考えただけでも面倒臭い」

クリスタ「そっか…」

ユミル「……」

ユミル「心配すんな、このままの状態にはしねーよ…決着はつけるさ」チラッ

ミカサ「──」

エレン「──」

ユミル「…その内、な」


──男子寮

アルミン「良かったね、エレン。プレゼントだなんて…」

エレン「あぁ…それにしてもミカサの奴、よくオレの誕生日なんて覚えてたよな」

アルミン「むしろ毎年、エレンの方が忘れてるじゃないか。それでいつも、ミカサに言われてから思い出してたよ」

エレン「あれ?そうだったか?」

アルミン「うん…ははっ、懐かしいや」

アルミン「あ、そうだ。ごめんね、エレン…僕も何かあげられたら良かったんだけど…」

エレン「オイ、そんなの気にすんなよアルミン」

エレン「お前、休日返上で訓練してたんだろ?オレになんか構わなくていいって」

アルミン「うん…ただでさえ僕は体力が無いから」

アルミン「このままじゃ調査兵団に入ったって、皆の足を引っ張ることになる」

アルミン「それだけは避けたいんだ…」

エレン「アルミン…」


アルミン「そういえばエレン、プレゼント、三人から貰ったって言ってたけど…あと一人って誰なの?」

エレン「ん?あぁあれか」

エレン「ユミルだよ」

アルミン「…え?」

エレン「どうした?」

アルミン「あ、あぁごめん。…でもエレン、ユミルとそんなに仲良かったっけ?

エレン「いや、正直そこまで話したことも無かったけどよ…前の休みにちょっと、な」

アルミン「え…あの日、ユミルと一緒にいたの?」

エレン「まぁ、色々あってな」

アルミン「そっか…」

エレン「……」

エレン「なぁアルミン、ちょっと相談があるんだけど、いいか?」

アルミン「え?うん、もちろん」

エレン「そのユミルのことなんだけどよ…」

一旦休憩です。



     ・
     ・
     ・


アルミン「つまり、今までのエレンの話を総括すると…」

アルミン「なぜかユミルの顔をまともに見れなくて、話すのもぎこちなくなる…でも、ついユミルのことを考えてしまう」

アルミン「他の女子に対しては大丈夫…こんなところかな」

エレン「お、おう」

アルミン「そっか…分かった。エレン、多分それは…」

エレン「……」

アルミン「恋、してるんだと思う」

エレン「…やっぱりか?」


アルミン「やっぱりって…自分でも気付いてたの?」

エレン「まぁ、そりゃな。オレだってもうガキじゃねーんだ」

エレン「薄々分かってたよ。でもやっぱお前から見ても…そうなんだな」

アルミン「うん…でもちょっと意外かも。何でユミルを?」

エレン「…オレ、ユミルにプレゼント貰ったって言ったよな」

アルミン「うん」

エレン「実はな、その時…」

エレン「ユミルにキス、された」

アルミン「え!?」

アルミン「ほ、本当に?それはまた…大胆だね」

エレン「ったく、ユミルの奴…何考えてんだか」

アルミン「でもそれなら、ユミルもエレンに気があるってことだよね」

エレン「!?ほ、本当か!?」

アルミン「うん…でなきゃキスなんてしないと思うよ」


エレン「っでもなぁ…オレここんところ、ずっとアイツのこと避けちまってたし…」

アルミン「…分かった。まずはユミルの気持ちを確かめよう」

アルミン「その結果が出た後で、また考える…っていうのはどうかな?」

エレン「そう、だな…それなら…ありがとよアルミン、おm「おい」

ライナー「話は聞いたぜエレン…」ニュッ

エレン「うわっ!ラ、ライナー!?」

ライナー「ハハ、まさかあのエレンがユミルを、なぁ…」

エレン「お前、全部聞いてたのか!?」

ライナー「悪い、盗み聞きするつもりはなかったんだが…」

ライナー「そういうことなら協力するぜ」

エレン「は?協力って…何でだよ?」


ライナー「……(コイツがユミルとくっ付けばオレはクリスタと…)」

ライナ「さっきは悪かったな、エレン…そのお詫びだとでも思ってくれ。なぁ、ベルトルト」

ベルトルト「うん…(僕は関係無いんだけどなぁ…)」

エレン「ライナー、ベルベルト…」

エレン「…ありがとよ、心強いぜ」

ライナー「あぁ」ガシッ

ベルベルト?「いや、僕はベルトル…「それより、アルミン…何か案はあるのか?」

アルミン「え?うーん、そうだな…」

アルミン「…ユミルって、いつもクリスタといるよね?まずはその二人を引き離して、一人にしないと…それから…」


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〜翌日〜

アルミン「じゃあ、昨日言った通りに…」

ライナー「おう、任せろ」

アルミン「頼んだよ…ライナー」


     ・
     ・
     ・


ライナー「よ、ようクリスタ」

クリスタ「あ、ライナー。おはよう!」ニコッ

ライナー「おう(結婚したい…)」

ユミル「オイ、私は無視か」

ライナー「あぁ、お前もいたのか。悪い」

ユミル「…ていうかお前、この時間はいつもトレーニングしてるんじゃなかったか?今日はいいのかよ」

ライナー「今日は、何だか体調があまり良くなくてな。気分転換に散歩でもと思ったんだが…」

クリスタ「えぇ、大丈夫?無理しちゃダメだよ…?」アセアセ

ライナー「あ、あぁ(結婚しよ)」

ライナー「オレならだいじょう…!?」

ライナー「くっ…!」ガクッ

クリスタ「!?どうしたの!?」


ライナー「は、腹が…ぐぅ…痛てぇ」

クリスタ「大変!すぐ医務室に…ユミル、ごめん。肩貸してあげて?私じゃちょっと…」

ユミル「あ、あぁ」スッ

ライナー「!?い、いや大丈夫だ…一人で行ける」

クリスタ「で、でも…」

ライナー「っ…じゃあ悪いがクリスタ…、…っ付いてきてくれるか…?とてもじゃないが病状を話せそうにない…」

クリスタ「う、うん分かった!ユミル、先行ってて!」

ユミル「あぁ…」

ライナー「(よしアルミン、引き離したぞ…)」チラッ

アルミン「(流石ライナー!完璧だ!)」グッ

ユミル「大丈夫かよ、アイツ…悪いモンでも食ったのか…?」


ベルトルト「(よし行くぞ…!)やぁユミル、珍しいね、一人なんて」

ユミル「ん?あぁベルトルさんか…」

ユミル「ライナーの奴がいきなり腹が痛いとか言い出してよ…クリスタはその付き添いで医務室に行った」

ベルトルト「えっライナーが?大丈夫かな…」

ユミル「そんなに心配ならお前も行けばいいだろ?」

ベルトルト「いや、いいよ。今行っても、お邪魔虫だしね…ハハ」

ユミル「は?何言ってんだ。私のクリスタはライナーなんかに渡さねぇよ」

ベルトルト「そ、そっか…」

ベルトルト「ね、ねぇユミル。ユミルって…好きな人とかいるの?」

ユミル「は?」

ベルトルト「イヤ、ちょっと気になっただけなんだけど…」

ユミル「何だベルトルさん、いくら相手がいないからって…」


ベルトルト「そ、そんなんじゃないよ!!ただ、ユミルっていつもクリスタとばっかりいるから…そういうの考えないのかなって」

ユミル「(ベルトルさんなら、いいか…)」

ユミル「…まぁ別に、いないことも無い…かも、な」

ベルトルト「…!そ、そっか…(来た!)」

ベルトルト「それって…だr「おい」

ジャン「なぁ、エレンの奴知らないか?」

ベルトルト「……(ジャ、ジャン!?何でこのタイミングで…)」

ジャン「…?何だよベルトルト?」

ベルトルト「い、いや。悪いけど、知らないな、ごめん」

ジャン「そうか…ありがとよ。じゃあまた後でな…」


ユミル「おい待てよ、ジャン」

ジャン「…?何だよ?」

ユミル「お前、エレンとなんかあったのか?」

ジャン「別に…前々からアイツは気に食わなかったんだ。今日こそは必ずケリをつける…!」

ユミル「…へぇ」

ジャン「何だ、何か文句でもあんのか?」

ユミル「別に…ただ、お前じゃ一生かかっても倒せねぇな、って思っただけだ」

ジャン「オイ…何だと?」

ユミル「そんな小せぇ肝っ玉じゃ、アイツに一発入れるぐらいが関の山だ」

ジャン「お前…オレは六位で訓練兵を卒業したんだぞ?お前より上だ…あんまり舐めたこと言ってると…」

ユミル「はッ、知るかよ」

ジャン「面白れぇ…エレンの前に懲らしめねぇといけない奴がいるようだな…」

ベルトルト「ちょ、ちょっと二人共…」


ベルトルト「(ど、どうしよう…って、あ、あれは…)」

タッタッタッ

クリスタ「ユミル!まだここにいたの…?あれ」

ベルトルト「(ま、まさに救いの神…!)」

クリスタ「ベルトルトと…ジャンも?何してるの?」

ユミル「…ちょっとお話してただけだ。行くぞクリスタ」

クリスタ「う、うん…」ジー

ベルトルト「…?」

ジャン「クソッ…何だあの女、突っかかって来やがって…」

ベルトルト「(アルミン、ごめん…作戦失敗だ)」


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ベルトルト「と言う訳で…聞き出せなかった、ごめん」

エレン「気にすんなって。元々オレの方こそ付き合ってもらってる身なんだしよ…」

アルミン「そうだよ、思わぬ乱入もあったんだし…うん。それに、そのお陰で分かったこともある」

アルミン「ねえベルトルト…ユミルはジャンと特別仲が悪かった訳じゃないんだよね?」

ベルトルト「え?あぁ…元々そんなに話してるところも見たことないよ」

アルミン「そっか…ってことは、ユミルがジャン自体に対して怒る理由は無い…」

アルミン「なら、ジャンの発言とか、行動に何かあったんだよ…ユミルをイラつかせるようなことが」

ベルトルト「…あっ、まさか…」

アルミン「うん、そのまさかだ」


エレン「お、おい。ちょっと話に付いて行けないんだが…つまり、どういうことだよ?」

アルミン「……」

アルミン「安心していいよ、エレン。どうやらユミルはまだエレンのことが…」

ガチャッ

ライナー「よぉ」

アルミン「あ、ライナー…おかえり。何してたの?」

ライナー「それがな…」

ライナー「新しい協力者を連れてきたぞ」ニッ

ベルトルト「え、協力者ってライナー…」

ライナー「ほ、ほら入っていいぞ…足元に気を付けろ」


クリスタ「う、うんありがと…よいしょ」

エレン「ク、クリスタぁ?何で…」

ライナー「わ、悪いエレン」

ライナー「クリスタがあんまり心配してくれるもんだからよ…何か騙してるみたいで、その…罪悪感が」

ライナー「それで、全部…」

エレン「お、お前なぁ…」

アルミン「はは…ライナーらしいね」

クリスタ「だ、大丈夫!私誰にも言ったりしないから!」

クリスタ「それに…ユミルにもちゃんと、自分の気持ちに向き合って欲しいし」

アルミン「気持ちって…クリスタは知ってるの?」

クリスタ「ずっと一緒にいるから分かるの…でもごめん、私の口からは…」


ベルトルト「そ、そりゃそうさ!…何にしても、心強いじゃないか」

ベルトルト「クリスタが協力してくれれば、簡単にユミルとエレンを二人きりにできる」

アルミン「あぁ、そうだね…後は、エレン」

アルミン「君の気持ち次第だよ…!」

エレン「…っ」

ライナー「おいエレン、まさかここに来て何もしません…なんて言わないよな?」

ライナー「オレの知ってるエレンって男は、少なくともそんな根性無しじゃない筈だ」

エレン「ライナー…」

クリスタ「そうだよエレン!エレンならきっと大丈夫…成功するよ!」

エレン「クリスタ…」

アルミン「エレン、心配しないで。僕の見立てではエレンの告白は絶対成功する筈だ…」

アルミン「前に言ってくれただろ?僕にはどの答えが正解か当てる力があるって…僕を信じて、エレン」

エレン「アルミン…」

ベルトルト「大丈夫、自信持っていいよ、エレン。君なら大丈夫だ」

エレン「ベロベルト…」

ベルトルト「エ、エレン!?だから僕は「よし、決めたぜ皆!オレは…」

エレン「ユミルに、告白する」

ライナー「フッ…そうこなくっちゃな」

クリスタ「頑張って、エレン!」

アルミン「最後まで付き合うよ、エレン」

ベロベルト?「(あぁ、もうどうでもいいや…)」


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ユミル「あ〜疲れた疲れた。ったく何km走らせる気だよ…」

クリスタ「ほんとにね…最後の方なんてもう倒れるかと思っちゃった」

ユミル「…何だったら次からは私がおぶってやろうか?お姫様?」

クリスタ「も、もう!からかわないでよ…」

クリスタ「…そ、そうだユミル、私まだちょっとやることあるから…先に戻ってて?」

ユミル「何だよ、やることって」

クリスタ「う、うーんと…い、いいから!ほら早く!」ドンッ

ユミル「うおっ…クリスタ!オイ…」

ユミル「(アイツ……何企んでやがる?)」

ユミル「チッ、考えても無駄だな…まぁいい、さっさと帰って水でも浴びるか…」

アルミン「!来た…頑張って、エレン!」ヒソヒソ

エレン「お、おう」スクッ

ユミル「(あー下着まで汗で濡れてら…気持ち悪…)」スタスタ


エレン「よ、よう!」

ユミル「……?」

エレン「も、もう上がりか?」

ユミル「…何だよエレン、珍しいな。"お前が私に話しかけるなんて"」

エレン「っ…」



ライナー「手厳しいな、ユミルの奴…」ヒソヒソ

ベルトルト「まぁ一週間も避けられてたらね…」

アルミン「大丈夫かな…」



エレン「なぁ、ちょっと話があるんだけどよ…」

ユミル「はッ、話ねぇ…てっきり私と話すことなんてもう無くなったのかと思ってたんだが…」

エレン「だからそれは…その、今までのことは悪かったよ」

エレン「でもなぁ、お前も悪りぃんだぞ?いきなりあんなことしやがって…」

ユミル「あんなことって何だよ?」

エレン「オイ…忘れたとは言わせねぇぞ!いきなりキスなんかしやがって…」




ライナー「キ、キスだと!?エレンの奴、もうそんなこと…」

ベルトルト「す、進んでるなぁ…」

アルミン「はは…驚くよね…」

ライナー「(オレもその内クリスタと…)」


ユミル「…あぁ、あれか」

エレン「あれかって、お前なぁ…」

ユミル「はいはい。悪かったよ、あんなことして…もう忘れてくれ」

エレン「は?何だよそれ…」

ユミル「…別にあれに深い意味はねぇよ。大方、お前それで怒ってたんだろ?」

ユミル「ほら、これで手打ちにしてくれ」スッ



ライナー「オ、オイ…」

ベルトルト「マズイよ、まさかこんな展開になるなんて…」

アルミン「……」

アルミン「(エレン…)」


エレン「……」

ギュッ

ユミル「…?(何で握る…)」

ユミル「…よし、じゃあこれで恨みっこなしだ。私はもう戻る…」グイッ

ユミル「…何だよ、離せって」

エレン「嫌だ」

ユミル「はぁ?お前まだ怒ってんのか…」

ユミル「どうしたら許してくれんだよ?土下座でもしろってか?」

エレン「…オレは」

エレン「オレは、何でお前があんなことしたのか、まだ聞いてねぇぞ」

ユミル「あ?お前耳腐ってんのか?言っただろ、特に深い意味は…「嘘だ」

エレン「何もなしにあんなことするかよ…いくらオレでもそれぐらい分かる」

ユミル「…はッ、何を言い出すかと思えば…」

ユミル「お前のことが好きだったからとでも言って欲しいのかよ!?」

エレン「っ…」


ユミル「チッ、下らねぇ…もういいだろ、ほっといて「オレは好きだ」

ユミル「…は?」

エレン「オレは…好きだぞ。お前のことが…」

ユミル「……」

エレン「っ、お前はどうなんだよ…」



ライナー「アイツ、言いやがった…」

ベルトルト「す、凄いなエレン…僕だったらあそこで諦めて帰っちゃってたかも…」

アルミン「(…やっぱり…エレンはエレンだ)」


ユミル「私…か?そうだな、私は…」

ユミル「……」

ユミル「なぁ、何で私なんだ?お前…ミカサはどうした?クリスタは?」

ユミル「…もし私が男だったら、少なくとも私は選ばねぇぞ」

エレン「はぁ、お前なぁ…じゃあなんでキスなんかしたんだよ…」

ユミル「っそれは…」

エレン「それとお前、自分のこと卑下しすぎだ。オレにはお前が見えてんだよ…魅力的に」

エレン「…だからそんなこと言うな」

ユミル「…っでも」

エレン「あークソッ、同じこと二回も言わせんなよな…」

エレン「…好きだ、ユミル。付き合ってくれ」

ユミル「……」

ユミル「はッ、頑固だな、お前も」

エレン「…よく言われるよ」

ユミル「でもお前のそういうところ…」

グイッ

エレン「んっ…!?」

ユミル「…っはぁ…」ツー

ユミル「嫌いじゃないぜ、エレン」


エレン「〜〜//」

ユミル「っ…こっちも二回目だ、これでチャラだろ?//」

エレン「……」

エレン「あぁ、そうだな…でも」グイッ

エレン「まだ足りねぇ」

ユミル「は?オイ何…」

ユミル「…んっ!?…ちゅ…ふぁ…」

エレン「……」ガシッ

ユミル「ぉい…やめ…んん…」

ユミル「ん………っはぁ」

ユミル「…ハァ、ハァ…調子乗んな、バカ」

エレン「あ…わ、悪りぃつい…」

エレン「何か…止まんなかった。その…」

ユミル「……」

エレン「…お前が可愛くて」

ユミル「っ…//」

ユミル「…ま、だったらせいぜい尽くしてくれよ」

ユミル「死ぬまでずっと…な」

エレン「…!」

エレン「…ああ!」


〜一方その頃〜

ライナー「ア、アイツら何考えてんだ…こんなところで…」

ベルトルト「う、うわあ//す、凄い、とにかく凄い…」

アルミン「…//(エレンってば、完全に僕等のこと忘れてるよ…//)」

アルミン「(…でもおめでとう、エレン。やっぱり君は…「アルミン?それに、二人共…」

三人 ビクン!

ミカサ「そんなところで、何をしているの?」

ミカサ「あれは、っ…エレンと、あの女…」

アルミン「……」

アルミン「(…いいさ、エレン)」

アルミン「(僕は君のためなら、犠牲にだってなるよ…)」

アルミン「(だから心配しないで、君の恋は必ず…「アルミン」

ミカサ「隠さないで全て教えたほうが、身のため…」

ミカサ「分かるでしょ?」

アルミン「……」

アルミン「はい…(ごめん、エレン)」

アルミン「(やっぱり僕には、無理みたいだ…)」ペラペラペ〜ラ


ユミル「お〜やってるやってる」

エレン「な、なあ」

ユミル「あ?何だよ」

エレン「最初から知ってたのかよ?」

ユミル「…さぁ、どうだかな」

エレン「とぼけんなよな…」

ユミル「…ライナーもクリスタもベルトルトも、演技なんて出来るタチじゃねぇからな」

ユミル「私に言わせれば、バレバレだ」

エレン「ったく、あいつら隠れてるの知っててキスなんてしてきやがったのかよ」

ユミル「とか言って、その後激しく唇を求めてきたのはどこのどいつだったか…」

エレン「っ!う、うっせぇな…放っとけ…」


ユミル「なぁ、エレン…」

ユミル「そういや、まだ、言ってなかったな」

エレン「え?何だよ?」

ユミル「……」


(どこまでも真っ直ぐで、頑固で──)


──「オレには、夢がある。もし巨人を全て倒して、この世界が平和になったら…」

──「壁の外に出て、思う存分…外の世界を探検するんだ」


(こっちのの事情なんて構いもしない──)


──「お前だってちゃんとあると思うぜ?女らしいところ」


(そんなお前が──)

──「あークソッ、同じこと二回も言わせんなよな…」

──「…好きだ、ユミル。付き合ってくれ」



ユミル「エレン、私も──」




(──大好きだ)




終わり

これで終わりです。いるか分かりませんが、見てくださった方はありがとうございました!
あと、>>62さん、今回は登場させらず申し訳ありません…また別のSSで必ず出しますので、どうかお許しを!

ミカサ乱入なしか
まあそれやったら収集がつかなそうだもんな

とにかく乙

>>114
前のやつでははそこも踏まえて書いんたんですけど、今回は正直そこまで書く気力がありませんでした…ww

>>116
あれ、何か草生えてる…w一個なしで

それにしてもエレユミは絡ませ方が難しいですね…精進します

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