ドン・サウザンド「戦いの殿堂に集いし決闘者達が!」素良「その2っ!」 (427)

このSSは、だいぶ前に立てた前作

遊矢「アクショーーーン……」 ドン・サウザンド「デュエル!!」
遊矢「アクショーーーン……」 ドン・サウザンド「デュエル!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1405420805/)

の続きとなっております。あらすじ等極力配慮は致しますが、時間のある時にでも前作も読んで頂けると幸いです。
……いや、ルール間違いがひどかったから読まれないほうがいいのか?お兄ちゃん分からないよ瑠璃ィ!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424164981

---あらすじ---

なんやかんやで復活を遂げたバリアンの神ドン・サウザンドは心機一転、人間界を満喫すべく、人間の姿と『千葉どん兵衛』の偽名を使い、今流行りのデュエル塾・LDSに入学。
そのチートデッキを大人気なく振るい、時には振るえず、色々な意味で新鮮な日々を送っていた。
そんな折、自分と同じ書き換えの力を持つ榊遊矢の存在を知ったどん兵衛はLDSを去り、遊勝塾に転入、そこで遊矢とアクションデュエルを行う。
遊矢の決して諦めない姿勢と奇想天外なデュエルかつての遊馬を重ねたどん兵衛は、この少年と共に遊勝塾で過ごし、その未来を見届けることを決めた。

因縁を付けてきた素良を抱き込み、猫を被らずに素のキャラで話せる友人を手に入れたどん兵衛は、
彼と結託して柚子にバリアンの力を与え、真澄にリベンジを挑ませる悪戯を思いつく。
真澄を倒してもなお暴走を続ける柚子に、LDSで講師をしていたドルベをそそのかし差し向けるどん兵衛。
二人がデュエルをしている裏で、彼は密かに舞網チャンピオンシップ出場のために手を回していたのだった。

一方、度重なるLDS襲撃事件の真相を突き止めるべく、一度教職をクビになったVも独自に調査を開始。
ティオ達LDS制服組の調査区域に侵入し、彼の見た物とは……?

※本編第13話辺りまで。

投下前にもう少し前書き。

まず、今回から文章の表記を若干変えました。主にスマホでしか反映されない特殊文字の都合。

それとアニメ本編での展開について。
召喚方の違う異世界があるんだろうという予想は前々からありましたが、まさかエクシーズ次元がハートランドそのものズバリだとは思いもしませんでした。
既に思いっきりゼアルキャラが登場していていきなり取り返しのつかない状況と化しましたが、ここでどん兵衛のヌメロンコードに頼っているようではこのSSの意味がありません。
何とか辻褄を合わせてみるので、現段階では世界設定の矛盾に対する突っ込みは無しの方向でお願い致します。

最後に、アニメ的展開の都合上唐突にオリカが飛び出すことがあります。ご注意下さい。

投下する前にごはんたべなきゃ

待ってたのか……(困惑)
ごはんも食べたので投下しましょか

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どん兵衛「むむ……むむむむ……ぬぐぐ……」


U-511 Lv55

[キャンセル]  [改装開始!]


どん兵衛「わ、我は……我はどうすれば……!」

どん兵衛(U-511は改装しても潜水空母にならない……イムヤ以来となるオリョクルに最適の人材だし、
持ってくる試製FaT仕様九五式酸素魚雷改も重宝する……本来ならば改装しないという選択肢は無い。し、しかし……)


改装前
『ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください。少し遠出してきました。よろしくお願い致します』

改装後
『ユーちゃん改め、ろーちゃんです。提督、よろしくお願いしまーす!』


どん兵衛(改装後の、この、この性格の変わりようは……紛れもなく日本海軍による洗脳!ううっ、りょ、良心が……!
柊柚子のは元に戻る確証があったからやったのであって、我はもうバリアンの連中にやったような人道に外れた行いは
金輪際やらないと決めたのだ!……ぐぐ、しかし改装後の性能も……ぐわあああああ!!)

どん兵衛(これは許されるのではないか!?ヌメロンコードを使って二隻に増やしても許されるのでは!?
よ、よし!やってやる!やってやるぞ!!ヌメロン・リライティング……)


ピリリリリリ…


どん兵衛「……はっ!!い、いかん、我は何を……。で、電話か」ピ


素良『何で昨日僕を気絶させたりした!!答えろ!答えてみろどん兵衛!!』


どん兵衛「……小僧か。何のことだ」

素良『恐ろしく速い手刀……僕でなきゃ見逃しちゃうね』

どん兵衛「なら避ければよかったではないか」

素良『そらみろ!それ知ってるってことはやっぱり君の仕業じゃないか!』

どん兵衛「はぁ……わかったよ。済まん、悪かった。あのドルべという男が我の正体をバラしそうだったから、貴様に聞かれまいと思ってな」

素良『反省してるならそれでよろしい。閑話休題、明日から僕の選手権出場に向けたミラクル六連勝コースが始まるわけだけど』

どん兵衛「ミラクル六連勝かどうかはさておき、初戦は明日だったな」

素良『どん兵衛、選手権出ないんだし暇でしょ?僕の勇姿を見に来ない?柚子も来るんだけど』

どん兵衛「貴様、あの騒ぎの後によく奴と一緒に出かける気になるな……腹筋は持つのか」

素良『今日まで散々笑ったから平気だよ、たぶん』

どん兵衛「そうか……。ちなみに選手権には出るぞ」

素良『何言ってるのさ、選手権出場に必要な六連勝っていうのは公式戦じゃないといけないんだよ?
君、今月……というか今まで一回も試合組んだことなかったじゃん。今からやっても遅いと思うよー』

どん兵衛「問題ない。昨日LDSの生徒と穏便に交渉して、代理出場を請け負ってきた」

素良『なるほど、一方的に締め上げて出場権を横取りしてきたと』

どん兵衛「人聞きの悪い」

素良『でももう出場が決まっちゃったんなら、どの道暇でしょ?見に来てよ僕の試合!』

どん兵衛「いや、我は遊矢の四連戦を観戦に行くつもりだ」

素良『ああ、そっか……君の目的は遊矢なんだっけ。なら仕方ないね』

どん兵衛「まあ貴様の方も直接見には行かぬが、向こうで頭の隅くらいには置いておいてやろう。
貴様、一度でも負けたら選手権には出られぬのだったな?」

素良『負けないから大丈夫だよ』

どん兵衛「そうとも限らぬぞ。どんな物事にも100%ということは有り得ない……何も無い所で躓くことがあるように、
遥か格下の相手に足元を掬われることもある」

素良『…………』

どん兵衛「他者より秀でた者がいつまでも強く有り続けるためには、自身の立ち振る舞い……その根底の所で、謙虚でなくてはならない。
伏せられたカードが何か知りたい時、高きから見下ろすのでは裏面しか見えん。本質は低きから見上げなければ見えてこない……
それを忘れなければ、貴様の六連勝は盤石であろうよ」

素良『…………』

素良『…………どん兵衛は』

どん兵衛「?」

素良『あの時、遊矢に負けたみたいな遊びじゃなくて……本気で戦って、負けたことってあるの?』

どん兵衛「…………」

素良『…………』

どん兵衛「……………ある」

素良『……そっか。わかった、覚えておくよ。じゃあね』ピ

翌朝、魔人は僧侶と顔を合わせることなく姿を消していた。
魔人の寝ていたベッドは誰も使っていなかったかのように、綺麗に整っていた。

僧侶(彼は何の痕跡も残さず行ってしまった…)

僧侶は部屋の置き物を見た。これは戦士が残した痕跡。
戦士と連絡が取れなくなっている間は、彼の残した物を見て彼との思い出に浸っていた。
だがこれでは、魔人との思い出に浸れない。

僧侶(それでも、忘れなければいいだけ)

一緒に過ごした時間はさほど長くなかったが、彼は思い出を沢山くれた。
日常の中で、一緒にいられる喜びを与えてくれていた。

それに、信じている。彼はいつかきっと、帰ってきてくれる。

僧侶(なら私は、彼が帰る場所を維持していくだけ)

>>13は飛ばして



どん兵衛「…………」

どん兵衛「我が遊馬とナッシュに敗北を喫したのも、半分以上は我の驕りのせいだったからな」

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「虚無の大神よ!闇をもて光に鉄槌を!!夢幻虚光示申ヌメロニアス・ヌメロニア!!!」

「このモンスターは自ら攻撃することはできぬが、相手モンスターは必ずこのモンスターを攻撃しなければならない。
もし攻撃しなかった場合……敗北となる」

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どん兵衛「じゃあ何で攻撃表示で出したんだよ!!」

どん兵衛「攻撃力と守備力同じで攻撃できないんだったら、攻撃表示にする意味0だろ!!慢心し過ぎだ我!!」

どん兵衛「あの時守備表示で出していれば、ヌメロニアス・ヌメロニアは破壊されはしていたものの、
我は10万オーバーのライフを持ったままデュエルを続行できた。勝ちの目も十分あったのになぁ……。
くれぐれも同じ轍を踏むなよ、小僧」



素良(……そっか……あのどん兵衛よりも強い奴がいるんだ……。ゾッとしない話だけど、いよいよ確信が持ててきたぞ)

素良(あのどん兵衛に本気を出させるとなったら、その戦いの過酷さはそれこそ僕らが戦ってきた戦場に匹敵するだろうことは想像がつく。
そしてそれに負けておきながら、カードに封印されず未だ健在ということは、少なくともその時どん兵衛が負けたのは、融合次元の決闘者ではないということだ。
そもそもあれほどの決闘者と一度でも交戦したなら、少なからずこっちに記録が残ってるはずだしね)

素良(千葉どん兵衛はエクシーズ次元の決闘者ではない……これはほぼ確実。
ま、じゃあ何者なのかって言われたら全く分からないんだけどねー)

素良(スタンダードにおいてエクシーズ召喚の技術を伝えられるのは、プロフェッサーの息子……あの赤馬零児のみ。
今はきっと僕らに対抗する手段を練ってるんだろうけど、その片手間みたいな教え方であそこまでの力を身につけられるわけがないし。
あいつは前にLDSにいたって言ってたけど、エクシーズ召喚を身につけたのはまたどこか別の場所だろう)

素良(何にしても……どん兵衛がエクシーズ次元の奴じゃなくてよかった。お互いに、何のわだかまりもなく接することができる)

素良(僕は実働部隊の名誉隊員でもあるけど、その前に一人の人間なんだ。任務を最優先に動くけど、面白いものがあったら興味を惹かれる。
見てみたいと思う……純粋に。どん兵衛、僕は君を見ていたいよ。君のそばにいたい。
底の知れない化け物みたいな君を、一番近くで見ていたいんだ。遊矢と同じか、それ以上に……だから)


素良「どうか僕らに敵対してくれるなよ……エクシーズ使い」

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ティオ「ハァ……ハァ……つ、強い!」

黒咲「…………」

ユート「隼……」

黒咲「止めだ!ダイレクトアタック!!」

ティオ「ぐわあぁぁぁぁ!!」LP0 ピーッ!

黒咲「…………」スタスタ


「待てっ!」


黒咲「!」


V「その男に何をするつもりだ」


ユート(!あの男は……!)
※以前戦って負けた

黒咲「……貴様もLDSだな。仲間の死臭に群がって来たか」

V「何だと?」

黒咲「LDSならば俺が相手だ。お前もこいつと同じように……」

ユート「…………」ドムッ

黒咲「うぐっ!?」

ユート「彼はLDSでは……あるけど、とにかく駄目だ」

黒咲「く……」ガクッ

ユート「…………」スッ

V「待て!」

ユート「…………」

V「お前達は一体……?」

ユート「…………」ダッ

V「あっ、お、おい!」


タタタ…

V(みすみす逃がしてたまるか……せめてこの発信器だけでも!)シュッ


ピタッ


V(う、少しはずれた……青コートの男の方に付いてしまったか。
だがあの男もLDSを襲っていたようだったし、問題ないだろう。これで次からの襲撃に対して先手を取れるぞ)

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ティオ「……う……はっ!?こ、ここは……」

ティオ「元いた路地裏……のようだな。助かったのか、私は……?」

ティオ「ん?これは……手紙?」ピラ


『先日は大変失礼致しました。
 影ながら捜査に協力させて頂きます。
 クリストファー・アークライト』


ティオ「……まずいことになったな、部外者に情報が……」

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零児「漏洩した可能性がある、と」

中島「はい……」

零児「クリストファー・アークライト……うちの元講師だったな」

中島「はい、ですからすぐに職員のデータベースを洗ったのですが……
何しろもうクビにした後ですし、うちにいた期間そのものも短かったので……」

零児「既に削除済み……か。失敗だったな……彼が襲撃犯を倒したと噂になっていた時に、最優先で会いに行くべきだった。
私の対応が遅かったから、彼から情報を引き出す前にLDSから去られてしまった」

中島「次元間の抗争について、人事部に伏せていたのも裏目に出ましたね」

零児「まあ少なくとも、こちらに協力する姿勢を見せてくれているのは幸いだ。
どこまで本意かは分からないが、あからさまに妨害してくるようなことはないだろう。
情報が無い以上警戒のしようもないし、今は捜査に集中する他ない」

中島「は……」



※V兄様とLDSとの関係については前々作
V「LDS……?」
V「LDS……?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1403355796/)
を参照。

簡単に説明するとV兄様がLDSに就職し、リアルソリッドビジョン下でダイソン召喚して地球がヤバイ
なんやかんやでどん兵衛が助けてくれて人類は助かったがV兄様はクビになった

ちなみにあの時どん兵衛は無駄に騒がれないようにあの辺一帯の人々の記憶も書き換えたので、
V以外は赤馬社長含め誰もダイソンの件を覚えておらず、Vも別の不祥事でクビになったことになっている、という後付け

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どん兵衛「遊矢の試合を見に行くと言ったものの、我は特に介入することはなかった。
精々あのクイズ男の態度が気に入らなかったから少しばかりクイズの問題を書き換えてやったくらいで、あとはただの観客として観戦に徹した」

どん兵衛「わざわざ特別出場を蹴って茨の道を選んだ奴の意志を尊重したかったし、
ここで我の助けが必要になるようならこの先我が見守る価値は無いと思ったからだ。
ヒヤリとさせられる場面もあったが、ペンデュラム融合なる新たな戦法も会得し、三戦目までをものにした。
流石は我の見込んだ男、どこまでも楽しませてくれる……」

どん兵衛「それと小僧の方だが、今日のデュエルで見事六連勝を飾り、選手権出場を決めたようだ。
余裕余裕と言っていた割には随分と浮かれている様子だが……まあ、口だけではなかったということは認めてやろう」

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素良「今日は僕のジュニアユース選手権出場決定を祝して大パーティー!」

遊矢「いや、まだ早いよ。俺はまだあと一戦残ってるんだ、祝うのは俺も決まってから」

素良「えー!?でも、もし遊矢が出られなかったら?お祝いもなし?」

遊矢「はぁ?お前なぁ!」

素良「あはは、だってケーキ食べたいしー!」

遊矢「決まったら嫌ってほど食べさせてやるから待ってろ!うりうり!」

素良「あっははは、くすぐらないでよー!」

どん兵衛「まあまあ、きっと食べられますよ素良さん。遊矢ならきっと、四連勝を成し遂げてくれると信じています」

タツヤ「僕も!」

アユ「あたしも!」

フトシ「俺もだぜ!」

遊矢「みんな、ありがとう!……って、柚子?おーい、柚子?」

柚子「…………」


『融合』


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「君に、このカードは似合わない」

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柚子「…………あっ!?」


真澄「…………」キョロキョロ


柚子(あれは……真澄!)ダッ

タツヤ「どこ行くの柚子姉ちゃん?」

柚子「ちょっと用事を思い出して!」

遊矢「用事……」

素良「って、お祝いのケーキ!?」

柚子「ごめん、先に帰ってて!」


タタタ…


どん兵衛「…………」

素良(……こないだのストロング柚子事件のこと、まだ気にしてるのかなぁ)ヒソヒソ

どん兵衛(かもしれんな。正気を取り戻した今となっては、あの決着に納得がいかないと思っていても不思議はない。
あの光津真澄という女に再戦の申し込みでもしに行ったか……)

素良(……見に行くつもり?)

どん兵衛(貴様もそろそろ我の趣向が分かってきたようだな。では今日はこれにて、さらばだ)

どん兵衛「おっと、もうこんな時間か。すいませんが僕もここで失礼させて貰いますよ、リアルタイムで見たいテレビがあるのでね。
遊矢、四戦目も頑張ってください」

遊矢「ああ!」

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黒咲「……一人か。あの時のガキと女はどうした?」

真澄「知らないわ」

黒咲「…………」

真澄「ずっと……黒マスクの男だと思ってた。マルコ先生を襲った犯人は……。マルコ先生をどうした!?」

黒咲「マルコ……?」

真澄「私に融合召喚を教えてくれた、LDSの講師の名前よ!」

黒咲「あいつか……。ふん、大した腕じゃなかったな。実戦経験の無さが露骨に表れた、哀れなほど薄っぺらな……」

真澄「黙れ!!マルコ先生は私の恩師、侮辱は許さない!」

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柚子(…………)

ユート「この先に……」スッ

柚子「!?」

ユート「行かせるわけにはいかない」


どん兵衛(!この男……前も柊柚子のことを監視していたな。追っかけか何かか?よかったじゃないかファンが付いて)
※気配消し中


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真澄「アンタの顔を知っている私が囮として町を歩き、アンタが現れるのを待っていた……つまりアンタは罠にかかったってことよ!」

北斗「その通り!」シュタッ

北斗「安心しろ真澄。マルコ先生の仇は僕らが必ず討たせてやる!」

刃「トップチームが来る前に、カタ付けちまおうぜ!」ズサー

刃「襲撃犯をとっ捕まえれば、チャンスも広がるってもんだ!」

真澄「刃、北斗……!」

刃「バトルロイヤルルールでいこう!全員1ターン目はドロー無し、バトル無しだ」

黒咲「いいだろう……仲間共々片付けてやる」

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ピ…ピ…ピ…


ピコーン!



「!追跡対象にデュエル反応……やれやれ、よりによって僕が見回りの時に当たるなんて」






III「ツイてないね……お互いに♪」






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一旦おしまい
また後ほど……


PSパープルソードOCG化しないかなぁ

また満足さんを呼ぼう

>>29
や め ろ

スリップ・ストリームで続き投下だ!

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ユート「俺の仲間の邪魔をされたくない」

柚子「仲間って……あの時の?じゃあ、今も真澄と!?」

どん兵衛(仲間?仲間がいたのかこの男。そもそも柊柚子の口ぶりからしてこの二人、初対面ではないようだし……我の見ていないところで一悶着あったと見える)

どん兵衛(しかし困ったな。この先がどうなっているのかも気になるが、この男も何やら重要なことを喋りそうな予感……どちらを見るべきか)

どん兵衛(そうだ、ヌメロンコードで我の人数を書き換えたりできないものかな?試してみるか)

どん兵衛(ヌメロン忍法・影分身!!)クワッ


どん兵衛(…………)



どん兵衛(……………………)




どん兵衛(………………………………さすがに無茶か)



柚子「お願い止(と)めて!あの時は止めてくれたじゃない!何で今は……」

ユート「君は知らなくていい。巻き込みたくない」

柚子「…………!」ダッ


ガシッ


柚子「!」

ユート「君を傷付けたくないんだ!」

どん兵衛(……ふむ、しばらくはこちらを聞いていくとするか。面白そうな情報が出てこないと判断したら向こうを見に行けばよい)

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黒咲「バトルだ!!RR-ライズ・ファルコンッッ!!!全ての敵を!!!引き裂けッ!!!」


黒咲「ブレイブクロー!!!レボリューションッッッ!!!!!」


『ピギャアアァァァァ!!!』


北斗「く……!」

刃「嘘だろ……!」

真澄「う……あ……」

真澄(マルコ先生……ごめんなさい……!私……)





「罠発動!コスタリカン・ストーン・ボール!!」







ギャリギャリギャリッ…


『ピギッ……』


黒咲「何!?」


III「この石の鎖に縛られたモンスターの攻撃は無効になり、更に次のバトルフェイズ終了まで攻撃することはできない」


刃「な……何が起きた……!?」

III「ふう、危ないところだったね……形式がバトルロイヤルじゃなかったらやられてたよ、君達」

真澄「あ、貴方は……?」

III「通りすがりの考古学マニアってところかな。それより君達、ここは僕に任せて帰りなよ。
どうやらこの男、多人数を一度に相手にするのが得意みたいだからさ……僕一人の方がやりやすそうだ」

真澄「で、でも……!」

III「心配御無用、僕は考古学マニアであると同時にデュエルマニアでもあるからね。腕に多少の覚えあり、さ。ほら、帰った帰った」

刃「真澄、ここは逃げるぞ!」

北斗「後から応援も来るんだ、それまで持ちこたえて貰えばいいだけさ!」

真澄「う、うん……あの、気をつけてください!あいつはフィールドも手札も空の状態からエクシーズを……」

III「ふーん。そいつは手強そうだね」

黒咲「貴様もLDSか」

III「違うってば。言ったでしょ、通りすがりの考古学マニア兼デュエルマニアだって」

黒咲「その考古学マニアが何故俺の邪魔をする」

III「それは当たり前じゃないかな?困ってる人がいたら助けるでしょ、考古学が好きだろうと嫌いだろうとさ」

黒咲「……まあいい、デュエルは仕切り直しだ。俺のライフは10、このまま続けては勝負にならん。異存は無いだろうな」

III「お好きに」

黒咲「いくぞ……」


「「デュエル!!」」

III「僕から行かせてもらおう。僕は先史遺産ゴルディアス・ユナイトを召喚!」

III「このモンスターの召喚に成功した時、手札から先史遺産モンスターを特殊召喚できる。来い、先史遺産ウイングス・スフィンクス!」

III「そしてゴルディアス・ユナイトは、この効果で特殊召喚したモンスターと同じレベルになる!よってレベルは5にアップだ!」

黒咲「…………」

III「僕はレベル5となったゴルディアス・ユナイトと、ウイングス・スフィンクスでオーバーレイ!
二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」


III「現れろ、No.33!先史遺産-超兵器マシュ=マック!!」


黒咲「エクシーズ……」

III「君のエース、さっきチラッと見ちゃったからね。君にも見せてあげなきゃフェアじゃないだろ?」

黒咲「…………」

III「まあ乱入した時点でフェアもへったくれもないけどさ……僕なりのこだわりってやつかな。カードを二枚伏せて、ターンエンド」

黒咲「俺のターン、ドロー!」

黒咲「俺はRR-バニシング・レイニアスを召喚し、効果を発動!1ターンに一度、手札から同名モンスター一体を特殊召喚できる。
来い、バニシング・レイニアス!」

黒咲「さらに二体目も効果を発動し、三体目のバニシング・レイニアスを特殊召喚!」

III「レベル4のモンスターが三体……」

黒咲「俺はレベル4のバニシング・レイニアス三体でオーバーレイ!」


黒咲「雌伏のハヤブサよ……逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ!!エクシーズ召喚!!」


黒咲「現れろォォォ!!!ランク4ッ!!RR-ライズ・ファルコンッッッ!!!」


『ピギャアアァァァァ!!!』


III「攻撃力100……?」

黒咲「ライズ・ファルコンの効果発動!オーバーレイユニットを一つ使うことで、
相手フィールドに存在する特殊召喚モンスターの攻撃力の合計をライズ・ファルコンに加える!」


ライズ・ファルコン
ATK100→2500


III「何!?攻撃力がマシュ=マックを上回った!」

黒咲「バトルフェイズ!ライズ・ファルコンでマシュ=マックを……」

III「おっとその前に!僕もマシュ=マックの効果を発動させて貰うよ!」

黒咲「何?」

III「相手モンスターの攻撃力が変化した時、マシュ=マックのオーバーレイユニットを一つ使うことで、変化した数値分のダメージを相手に与える!」
※アニメ効果


ズドドドドドドド……


黒咲「ぐ……あ……!!」LP4000→1600

黒咲「チッ!だが攻撃は続行だ!行け、ライズ・ファルコン!!」

III「それも通さない!罠発動、コスタリカン・ストーン・ボール!」

黒咲「ふん、芸の無い……同じ手が二度通用するとでも思ったか!速攻魔法、オーバーレイ・スクランブル!」
※オリカ

黒咲「このカードは自分のエクシーズモンスターのオーバーレイユニット一つと、手札の罠カード一枚を合わせて墓地に送ることで、
墓地に送った罠カードの効果を得る!俺が墓地に送るのは罠カード、ラプターズ・ガスト!」

黒咲「場にRRモカードが存在する時、相手の魔法・罠の発動を無効にする!」

III「何だって!?」

>>43
訂正
「場にRRカードが存在する時」ね

黒咲「砕け散れッ!!ブレイブクロー!!レボリューション!!!」


バギイィィン!!


III「くっ……!」LP4000→3900


黒咲「……何?どういうことだ……何故マシュ=マックが破壊されていない?」

III「マシュ=マックは(ナンバーズ以外との)戦闘では破壊されないのさ。本当はダメージも受けるつもりはなかったんだけどね……
さすがにそうそう思い通りにはさせてくれないか」

黒咲「……カードを1枚伏せ、ターンエンド。このターンの終わりに、ライズ・ファルコンの攻撃力は元に戻る」


ライズ・ファルコン
ATK2500→100


III(ライズ・ファルコンの効果が使えるのは自分のターンのみ。このままなら次の僕のターン、マシュ=マックで攻撃すれば終わりだ……
当然この男がそれに対して無策であるはずがないし、あの伏せカード、警戒必至だね)

III「いくよ!僕のターン!ドロー!」

黒咲「……お前」

III「ん?」

黒咲「LDSではないな」

III「……は?いや、さっきからそう言ってるんだけど」

黒咲「口では何とでも言える。だが今、このデュエルを通して確信した。お前は奴らとは違う」

III「どういうこと?」

黒咲「LDSの奴らは薄っぺらい。戦いぶりに、鉄の意志も鋼の強さも感じられない。どいつもこいつも遊びでデュエルをやっている奴らばかりだった」

III「……遊びでしょ、デュエルは」

黒咲「それはお前の本心か?」

III「…………」

黒咲「俺には戦場で培った勘というものがある。2ターンもあれば、相手がどんなデュエルをするのか、してきたのか、そのおおよそは察しが付く。
……かなりの修羅場を潜ってきたようだな」

III「……君も、ね」

黒咲「……デュエルは中止だ。俺達は戦う必要などない」

III「え?……え!?」

黒咲「生き残りの中に、お前のような奴がまだ残っていたとは知りもしなかった。お前、俺達レジスタンスに加わるつもりはないか」

III「え、え、い、いや、ちょっと」

黒咲「憎くはないのか、融合の奴らが!俺達と共に戦おう!奴らを殲滅し、仲間を助け出すんだ!」

III「ゆ、融合!?ちょっと待ってよ、さっきから話が……」


ピリリリリリ…


III「おっと、電話だ……兄様から?ちょ、ちょっとごめんね」ピ

III「どうかしたのですか兄様」

V『ミハエル、今はデュエル中か?大至急切り上げて、その場を離れるんだ』

III「え!?な、何が……」

V『付近の監視カメラの映像を拾った。もうすぐそこにLDSの援軍が到着する……向こうからすればお前もただの不審者だ、
問答無用で襲ってくるかもしれん。我々は彼らの敵ではないのだ、どんな形であれ交戦は避けたい』

III「……了解です。直ちに」ピ

III「悪いけど、もう帰らなきゃいけなくなった。もうすぐここにLDSの増援が来るってさ。君も逃げたほうがいい……
ああ、そういえば多人数相手のほうが得意なんだっけ?じゃあどっちでもいいかな」

黒咲「おい、俺達の仲間に……」

III「考えとくよ!じゃあね!」クルッ

黒咲「待て!!」

III「何さ!急いでるんだけど!」

黒咲「……黒咲、隼だ」

III「…………」

III「……ミハエル・アークライト。それじゃ」


タタタ…


黒咲「……ミハエル」

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柚子「何者なの、貴方は!貴方達は!?答えて!目的は何なの!?」

ユート「……俺たちは仲間を……敵に捕らわれた大切な仲間を、救おうとしている」

柚子「捕らわれた仲間……それが、瑠璃?」

どん兵衛(瑠璃……?)

柚子「あの人、私を見て……」

黒咲『瑠璃ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!』

柚子「って」

ユート「そこまで絶叫していた覚えはないが……」

柚子「捕らわれた大切な仲間って、瑠璃?その人に、私が似てるの……?」

ユート「…………」カポッ

どん兵衛(!?遊矢と同じ顔……!?)
※素顔を見るのは初

ユート「俺も最初、そう思った。何故瑠璃がここに、と……だが、君は瑠璃じゃない」

ユート「瑠璃が敵の召喚法を習うわけがない!」

柚子「敵……?そんな、私が融合召喚を習ったのは、塾を……仲間を守りたいと思ったから」

ユート「俺達も瑠璃を、仲間を守るために戦っている。この戦いを終わらせ、もう誰も傷付けられない世界を作るために」

ユート「その戦いに君を巻き込みたくない。だがもし、戦わざるを得なくなった時には……生き抜いてほしい。たとえ融合召喚を使ってでも」

柚子「…………!」

どん兵衛(…………)

ユート「仲間のために強くなろうとした君は、変わろうとした君は間違っていない。俺も戦い続ける。瑠璃と仲間達と、俺達の未来を救うために」

ユート「……君は、瑠璃によく似ている」クルッ

柚子「!ま、待って!教えて!瑠璃って誰!?」

ユート「瑠璃は俺の仲間の、隼の妹だ」

柚子「貴方は?貴方の名前は!?」

ユート「俺は……ユート」

柚子「ユート……うっ!」


ビュオオォォォォ……


柚子「……あっ!い、いない……」


どん兵衛(……っと、聞き入ってしまった。向こうはもう終わってしまったか?一応見に行ってみよう)

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黒咲「…………!」


タタタ…


中島(達)「…………」


黒咲「今頃お出ましか。だがもう雑魚どもの相手はたくさんだ!お前らのボスを連れてこい!」

零児「私ならここにいる」

黒咲「!」


どん兵衛(おお、奴は赤馬零児!もしや一番いい所に真に合ったのではないか?これは幸運だった)

黒咲「貴様は?」

零児「赤馬零児。レオ・コーポレーションの現社長だ」

黒咲「赤馬……零児」

零児「私がいるこの舞網市で、レオ・コーポレーション直属であるLDSの関係者を襲い続けてきたのも、私に会いたいがため。違うか?」

黒咲「貴様が赤馬零児……赤馬零王の息子か!」

どん兵衛(赤馬レオ……どんな字なのだろうか。さっきの話と照らし合わせると、そいつがこ奴らの敵、融合使い共のトップのようだな)

黒咲「この時を待っていた!さあ来い、俺とデュエルだ!」

零児「その前に聞いておこう……私と戦う理由を)

黒咲「答える必要はない」

零児「それは恐らく、仲間の救出」

黒咲「!」

零児「先ほど君が戦っていた少女が前回君と遭遇した時、君がこう言ったと証言している」

黒咲『瑠璃ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!』

零児「と」

黒咲「そこまで絶叫した覚えはないが……」

どん兵衛(実際は何と言っていたのか気になるな)

零児「そこから推測できることは、瑠璃とは君に……いや、君達にとって大事な仲間であり、どうやら敵対する者に捕えられているらしいということ」

零児「そして瑠璃は、今もまだ敵の手から逃れられてはいない。だからこうしてLDSへの襲撃を繰り返している」

黒咲「確かに瑠璃は、今も敵に捕えられたままに違いない……だが必ず救い出す。そのためには貴様の身柄が必要なのだ!」

零児「つまりは、私は人質交換の材料というわけだ」

黒咲「その通り。LDSを襲いつづけてきたのも、その魂を封印したカードを送りつけたのも、全ては貴様を誘い出すため。
実の息子との交換なら、赤馬零王も決してノーとは言わないはずだからな」

どん兵衛(魂をカードに封印……成る程、面白い発想だな。我も今度やってみよう)

零児「……どうだろうな」

黒咲「何!?」

零児「あの男がそこまで私を大事に思っているとはとても信じられない」

黒咲「どういうことだ……!?」

零児「まあいい、君が戦いたいと言うなら受けてやってもいい。ただし条件がある」

黒咲「条件?」

零児「その条件を君が飲み、実行してくれたなら、喜んで相手になってやろう。そして君が勝ったなら好きにするがいい」クルッ

黒咲「おい!」ダッ

どん兵衛(わざわざ根城に戻ってから話すつもりか?ここには身内と青コート以外の人間はいないというのに……まさか、我の存在に気付いたか?)

どん兵衛(……いや、考え過ぎだろう。条件とはただの口実、奴をホームに誘い込んで袋叩きにする計画とも考えられる。仮にそうだとすれば強(したた)かな男よ……
しかしいずれにせよ、この場ではもう話は聞けぬな。追いかけてもいいが)チラリ


[PM 6:15]


どん兵衛(リアルタイムで見たいテレビがあるのは本当だったりするのだな、これが……。実況スレのあの奇妙な一体感はクセになる。
今のところ奴らの間でも少々もめているようだし、話がまとまってからゆっくり聞かせてもらうとしよう)シュッ





零児「そういえば」

黒咲「何だ」

零児「LDSの生徒三人を倒したあと、君は何やら『一人でデッキを回していたな』?あれは何なのか聞かせてもらいたい」

黒咲「何……?」

黒咲(馬鹿な、俺は確かにミハエルとデュエルをしていた。どこで覗いていたのかは知らないが、こいつにはミハエルが見えていなかった……?)

黒咲「それはどういう……」

黒咲(……いや、待て)

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III「悪いけど、もう帰らなきゃいけなくなった。もうすぐここにLDSの増援が来るってさ」

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黒咲(あの時は気にもしなかったが、あの言葉……ミハエルはLDSに見つかることを避けていたのか?こいつに姿が見えなかったのも、そのための何らかの妨害工作……?)

零児「どういう?」

黒咲「…………どういうことかと聞かれても、答えてやる必要はない。俺はまだ貴様を信用したわけではないからな」

零児「……そうか」

ここで一区切り
不審者とIIIきゅんの間に奇妙な絆が芽生えたかもしれないのでした。
ちなみに社長にIIIきゅんが見えていなかったのは、紋章フィルターによってカメラに映らないようにしていたからであり、特に伏線とかではないです

まってたよ
無理やり挿入感溢れる艦これは嫌いだがそれを押して余りある面白さで大好きだ

>>63
あれは、どん兵衛が人間界を楽しもうと思いさしあたって流行りのものに手当たり次第着手した結果、唯一長続きしたものという設定でありまして
どん兵衛が徐々に人間界に馴染んできているということを表現するための手段なのでありまして
何が言いたいかというとこれも全部ドン・サウザンドって奴の仕業なんだ

そして投下するんだ

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どん兵衛「あの場はあれでひとまず治まったようで、遊矢の四戦目は翌日につつがなく実施された。相手はあの権現坂昇。友との真剣勝負のために自らの利さえ投げ打つ姿勢、決闘者として尊敬に値する」

どん兵衛「結果は遊矢の勝利に終わったが、奴の方にも俄然興味が湧いてきた。是非とも残り一週間駆けずり回り、共に出場を果たしてもらいたいものだ」

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---大会当日・遊勝塾---


遊矢「えっ、どん兵衛はうちからの出場じゃないのか?」

どん兵衛「一応LDSの方の代理出場という形なので、開会式はLDS側で出ないといけないんです。すいません」

素良「いいじゃん遊矢、開会式くらいどっち側でも。大会が始まれば、僕らだって全員ライバル同士なんだよ?」

柚子「ライバル……そうよね。優勝するためには、遊勝塾のみんなだって倒さなきゃならないんだもの」

どん兵衛「お互い頑張りましょう。もちろん戦うことになったら、僕だって容赦しませんよ!」

遊矢「望むところだ!」

どん兵衛「ではまた後ほど……会場でお会いしましょう」

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V「どういう……ことだ……」

III「どうしたんですかクリス兄様、弟子の持ちネタを勝手に使ったりして」

V「今日は確か、舞網チャンピオンシップの開催日だったな」

III「ええ」

V「……例の黒咲という男が、今LDSの校舎にいる」

III「!生徒が一斉に集まる日を狙って、一網打尽にするつもりか!」

V「それが……さっきから監視を続けているのだが、一向にデュエル反応が出ないんだ」

III「機会を伺っているのでは?」

V「お前の話では、黒咲は多人数を一度に相手取るのが得意なのだろう?状況はむしろ奴に有利なのだから、一気に攻めてしまえばいいはずだ」

III「となると……あの日僕が帰った後に、彼とLDSの間で何かあった、ということでしょうか」

V「何があったのかは皆目分からないがな……」

III「…………」

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黒咲「それはお前の本心か?」

黒咲「俺達は戦う必要などない」

黒咲「俺達と共に戦おう!奴らを殲滅し、仲間を助けだすんだ!」

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III「……僕、見に行ってきます!」

V「頼めるか、ミハエル。くれぐれも慎重にな」

III「はい!」



---LDS---


ドルべ「皆揃ったか?そろそろバスが来るぞ。えーと、ひーふーみー……む、一人足りないな」
※引率

北斗「ふん!大事な大会の日に遅刻してくるなんて、呆れた奴もいたもんだね!」

真澄「本当、さぞかしくすんだ目をしていることでしょうね」


どん兵衛「いやー、遅れて申し訳ない」


ドルべ「遅いぞ、早く並……どおぉぉぉぉ!!?」

真澄「ど……!!」

刃「ど、どど……!!」


「「「どん兵衛!!!??」」」


北斗「千葉君?君は遊勝塾に行ったはずでは……」

どん兵衛「こちらの生徒の方から代理出場を頼まれましてね。開会式はLDS側で出なければならないのですよ」

北斗「そうだったのか。しかし困るねぇ、遅刻なんかしてもらっちゃ!形だけとはいえ誇り高きLDSの生徒として出場する以上、
デュエルだけじゃなく生活面でもきっちりしてもらわないと!」

どん兵衛「面目ありません……仰る通りです」

刃「北斗!!お前どん兵衛になんちゅー口を!殺されるぞ!!」

どん兵衛「失敬な、人を殺人鬼みたいに」

北斗「なあ刃、こんなだらしない奴が本当にそんなに強いのか?君達と戦った時にたまたま運が良かっただけじゃないのか」

真澄「あれはもう運がいいとか悪いとかの次元じゃないわよ!彼が大会に出場するなんて……もう優勝は決まったようなものじゃない!
ああ、私のこの一年の努力は……」

どん兵衛「そうはならないと思いますよ」

真澄「……どういうこと?」

どん兵衛「いえ、もちろん優勝は狙わせてもらいますよ?でもね……僕は学んだんです。遊勝塾で、榊遊矢から。
勝ち負けだけじゃない、見ている人に笑顔を与えるデュエル……エンタメデュエルをね」

どん兵衛「あなた方と戦った時のような、己の勝利しか見えていない独りよがりのデュエルは卒業しました。具体的には、あのデッキを封印しました」

刃「!」

どん兵衛「僕のこの新しいデッキは、遊勝塾で学んだことを僕なりに考えて詰め込んで、一から組み上げたデッキです。自分も相手も観客も、
全ての人を楽しませることを目指したエンタメデッキ……まだ実戦で試したことは無いので、上手くできるかどうかは分かりませんが」

真澄「…………」

どん兵衛「……一つ、お願いを聞いてもらえませんか」

真澄「お願い?」

どん兵衛「この大会中、お互いに勝ち進めば、僕らが敵同士として当たることもあるでしょう。そうなった時にはどうか、あの日のことは水に流して」

どん兵衛「笑ってデュエルしてほしいのです」

刃「笑って……?」

どん兵衛「僕はエンタメデュエリストとしてまだ未熟。僕一人では、観客にデュエルを十分に楽しんでもらうことは難しいでしょう」

どん兵衛「自分も、『相手も』、観客も笑顔にする……それがエンタメデュエルの完成形。協力してくれませんか、刃さん、真澄さん、北斗さん」

刃「…………」

真澄「…………」

北斗「…………」

刃「……へっ、本当に変わったよなぁ、お前」

どん兵衛「!」

刃「いいぜ。もし俺とお前が当たったら、思いっきりド派手なデュエルにしてやろうじゃねぇか!でも、今度は負けねぇからな!」

真澄「私達だってあの時のままじゃない……貴方に勝てるかどうかは分からないけど、貴方とのデュエルを楽しめるくらいの実力は付いているわ!」

北斗「まあ、あの塾で学んだことっていうのが癪だけど?君の誠意に免じて、この僕も協力してあげようじゃないか」

どん兵衛「皆さん……」



ドルべ「千葉」チョイチョイ

どん兵衛「!」

ドルべ(どういうことか説明してもらおうか)

どん兵衛(さっき話しただろう、我はここの生徒の代理出場として……)

ドルべ(違う!この私のグローリアス・ヘイローをクズカード呼ばわりしたことについてだ!)

どん兵衛(え、そっち?どういうことかと言われても、そのままの意味だが)

ドルべ(わ、私のエースのどこがクズカードだ!?)

どん兵衛(全部)

ドルべ「ぐわああぁぁぁぁぁ!!!」
精神LP4000→0 ピーッ!

真澄「ドルべ先生ー!!」

北斗「何の脈絡もなくドルベ先生が吹っ飛んだ!!」


刃「……どん兵衛、信じていいんだよな?」

どん兵衛「はい?」


ドルべ「ぐふっ……と、とにかく、これで全員揃ったな。会場に向かうぞ、バスに乗るんだ」

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どん兵衛(バスか……乗ったことがないな)

ドルべ(……おい)

どん兵衛(……はぁ、今度は何……)


スッ
つメモ用紙


どん兵衛(!)


ブロロロ……


ドルべ「会場には20分ほどで到着予定だ。各自デッキの最終確認を……」

どん兵衛(…………)ピラ


『生徒の記憶が、LDS内部の者の手によって書き換えられている。
バリアンの力の名残を持つ私だけがそれを免れたが、怪しまれないように気づかないフリをしている。
黒咲隼という男に気をつけろ』

どん兵衛(……成る程。先程から気になって仕方がなかったが、そういうことか)


ブロロロ……


黒咲「…………」


どん兵衛(ユートは言っていた。敵に囚われている瑠璃とは、仲間である『隼』の妹だと。間違いない、奴が黒咲……
ということは、これが赤馬零児の言っていた条件?LDSの生徒に混じり大会に参加することが……しかし生徒の記憶を書き換えてまで、
そんなことをする目的は何だ?)

どん兵衛(……考えても分かるはずは無し、か。とにかく了解したぞドルべ、奴からは目を離すまい)

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ニコ『皆様、大変長らくお待たせ致しました!年に一度の決闘者達の祭典、舞網チャンピオンシップの開幕です!!
開会式の進行はこのニコ・スマイリーが相務めさせて頂きます』

ニコ『それでは!選手入場でございます!!』


ゾロゾロ……


『さあ入場行進が始まりました!先頭は、昨年全クラス優勝という偉業を成し遂げた、LDSレオ・デュエル・スクール!』

『毎年多くのプロ決闘者を輩出しているこの名門からは、今年も最も多くの選手が出場しています!』


黒咲「…………」スタスタ


「「あっ!?」」


遊矢「あいつは!?」

柚子「どうしてLDSに!?」


「「……え?」」

黒咲「…………」チラリ

零児「…………」

黒咲「…………」

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黒咲「デュエル大会への出場……それが貴様と戦う条件だというのか?」

零児「そうだ。そこで我々は最高の決闘者を選び出す。赤馬零王と戦うために」

黒咲「貴様の父親と……?」

零児「赤馬零王は私の敵、つまり我々は共通の敵と戦っているということだ」

零児「大会には本物の融合召喚を使う者もいる。さらには君がまだ知らない新たな召喚法を使う者も……。
君の目と腕で確かめてもらいたい。彼らが赤馬零王と戦うための、槍となり得るかを」

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黒咲「…………」


どん兵衛(フフ、見逃さんぞ黒咲隼……今確かに一瞬、赤馬零児に目配せをしたな。あの後、二人の間で何かしら密約が締結されたことはほぼ確定か)

零児「……ん?……何!?」

日美香「どうかしましたか零児さん」

零児「……あそこの少年に見覚えはありませんか」

日美香「あら、彼は確か遊勝塾の?どうしてうちの列に並んで入場を……?」

零児「…………」

零児(昨日チェックした参加者名簿にも、千葉どん兵衛の名前は無かった……どういうことだ?いや、この際何故奴がここにいるのかはどうでもいい)

零児(あんな化け物に出場されては大会が破綻してしまう!理由をこじつけて失格にするか、最悪拉致してでも阻止しなければ……!)


ガチャリ


中島「社長!」

零児「!中島、ちょうどいい所に。実は……」

中島「あの、お電話が」

零児「電話?」ピ

零児「私だが」

『我だが』

零児「その声……まさか!?」バッ


〈[](´どん`)ノシ


どん兵衛『フハハ、遊勝塾で会って以来だな』

零児「……色々言いたいことはあるが、一つだけ言わせてもらおう。君の力は強大過ぎる。君一人が存在するだけで、この大会が成り立たなくなってしまうほどにな」

零児「私を叩きのめした君からして見れば、こんな大会は遊びにしかならないことだろう。だが生憎、私はこの大会に全てを賭けている。遊びではないのだ。
悪いが君には、この大会でデュエルをさせるわけにはいかない。どんな手段を使っても君を……」

どん兵衛『あのデッキは封印したよ』

零児「!?」

どん兵衛『詳しい話は割愛するが、とにかくあのデッキは使わん。この大会に出場する決闘者といい勝負ができる程度のデッキを新たに組んだのだ。
まあもちろん優勝は狙わせてもらうがな』

零児「……目的は何だ?」

どん兵衛『その言葉そっくり返そうか。目的は何だ?自分の塾生の記憶を書き換えるなど、伊達や酔狂でやるようなことではないと思うのだがな』

零児「な……!?」

零児(何故それを……!)

どん兵衛『別に話さなくともよい。ただ互いに隠し事をしているのだから、我だけが一方的に明かす道理は無いということだ。
まあ精々楽しむがよい、我が新たなデッキ、新たなデュエルをな。フハハハハ!』ピ

零児「!おい!?おい!!」


零児「…………千葉、どん兵衛……!」

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III「状況が全く飲み込めません……黒咲が選手として大会に出場しています!」

V『襲撃犯を大会に出すなど、LDSは何を考えているんだ……?考えられるとすれば、お前が帰ってきたあの後、
彼とLDSとの間で何らかの取引があったということ、か?双方が利するような取引が……』

III「あの男が大会に出場することによって、LDSがどう得をするというんですか!?」

V『分からない……くそっ!内部関係者とは言わない、せめて大会出場者の中に我々と通じている者がいれば……ん?いや、待てよ』

III「?」

V『…………ミハエル……一つ頼まれてくれないか』

III「…………え?……え!?え、ちょっと!?まさか!?嘘でしょ!?嘘ですよね!!?」

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ニコ『では早速、一回戦の組み合わせを発表いたします!選手の皆さんは、登録カードを各自ディスクにセットしてくださーい!』

遊矢「登録カードってこれのことか?」

柚子「入場する前に貰ったやつね」

ニコ『登録カードは大会運営コンピューターからの特殊な電波を受信し、皆さんの対戦相手をご案内します。
もちろん勝ち進むにつれて、対戦相手は更新されていきます!』

遊矢「へー、便利だな!よーし!」


カシュン!
ピコン!


『榊 遊矢』 VS 『沢渡 シンゴ』


遊矢「沢渡!?」

柚子「私の相手は……」


『柊 柚子』 VS 『光津 真澄』


柚子「真澄!?」

遊矢「対戦日は……明日か」

柚子「私は今日の午後」

権現坂「俺は明日だ」

遊矢「!権現坂、お前は誰と対戦するんだ?」

権現坂「…………」


『権現坂 昇』 VS 『暗黒寺 ゲン』


遊矢「暗黒寺!?」

権現坂「これが定めか……」

フトシ「俺はこの後すぐに試合だ!」

アユ「私はその後!」

遊矢「よーし!それじゃ今日はフトシ、アユ、柚子の応援だ!」

タツヤ「素良は?」

素良「明日。対戦相手はLDS」

遊矢「LDS?誰だ?」

素良「うん……黒咲、隼」

「「えっ!?」」

素良「あいつだよ」


『紫雲院 素良』 VS 『黒咲 隼』


柚子「この人が、黒咲隼……!」

真澄「柊柚子!貴方が私の対戦相手のようね!」

柚子「!!ま、真澄……!!」

真澄「?何よ、そんな怯えたみたいに。私に負けるのが怖いのかしら?」

柚子「えっと、その……この前は、ごめんなさい」

素良「ぶふっ!」

柚子「っ!!」ギロ

素良「あ、ご、ごめんよ!うく、くくく……!」

遊矢「何かあったのか?」

素良「え!?い、いや……ごほん、うぉっほん!!さ、さあ、何があったのかなぁ。想像もつかないや」

遊矢「?」

真澄「……は?この前?」

柚子「え!?もしかして、覚えてないの!?」

真澄「覚えてるも何も、私は貴方と戦って勝ったのよ?謝られる筋合いなんてないわ」

柚子「そ、そう。ならいいのよ」

柚子(やった、やったわ!どういう奇跡か知らないけど、真澄はストロング柚子事件のことを忘れてる!これで思い残すことなくリベンジが……)

柚子「……あっ!そういえば真澄、教えて!黒咲隼が、何でLDSのメンバーに入ってるの!?」

真澄「何言ってんの?彼は元々私達の仲間よ」

柚子「えっ!?」

遊矢「元々!?」



黒咲「……紫雲院、素良……」

遊矢「どういうことだ、元々仲間だったって……?」


どん兵衛「あっ、いたいた!おーい、皆さん!」


柚子「どん兵衛!」

どん兵衛「いやー遊矢!先程の選手宣誓、素晴らしかったです!不覚にも感動してしまいましたよ僕は!まあちょっと宣誓とは違いましたけど!」

遊矢「あはは、ありがとう。そういえば、お前の対戦相手は誰なんだ?」

どん兵衛「そうそう、それなんですよ。恥ずかしながら、漢字が難しくて名前が読めないんです……この人、何という方なのでしょう?」

遊矢「どれどれ?」チラ



遊矢「!こいつって……!」





『千葉 どん兵衛』 VS…











               『勝鬨 勇雄』






ちょっと短いけどここまでで

勝鬨は犠牲になったのだ 古くから続く犠牲……その犠牲にな
そもそもは梁山泊塾が生まれた時からある大きな犠牲だ
勝鬨は犠牲になったのだ その犠牲に勝鬨はなった……犠牲の犠牲にな
「…犠牲……?」
犠牲だ
「犠牲…」
勝鬨は犠牲になったのだ
犠牲の犠牲にな

この作者がドルベをネタにすればWPで強化
子供達は素良より弱いとネタにしたら素良は一回戦負け
タツヤとフトシは一回戦突破でタツヤはまだ勝ち残ってる
これは勝鬨もアニメでは活躍できそうだな

>>102
(今気付いた)

あと非常に申し訳ないのだが勝鬨戦はしばらく先です
遊矢vsNN沢渡、素良vsクロワッサン、素良vsユート、ユートvsユーゴと超重要イベントが目白押しなので
……これスレタイ詐欺にならんかな

征竜全員爆発四散で友人と共に小躍りしてて遅くなりました(言い訳)
海皇一強になろうが俺らフリーでしかやらんから全く関係ないもんね!フハハハKONAMI様々だぜ!!

さて投下しますが、今回は遊勝塾の皆様それぞれの大会模様ということで、どん兵衛の出番は客席で野次を飛ばす程度です。
なので本来なら全カットにしたかったのですが、流石に本人が興味津々と公言している遊矢の対戦だけはカットできなかったので、
本編を八割型丸写しという大変味気ない物になってしまいました。
その部分だけはSSと名乗るのもおこがましいので、人の目に触れぬようにsage進行で行きたいと思います。ご理解下さい。

丸写しって聞いて『楽でいいじゃん』とか思ったろ!?逆だよ!一番つらいよ!

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柚子「私は手札から魔法カード、融合を発動!私は手札の幻奏の音女アリアとソナタを融合!」

柚子「響け歌声!流れよ旋律!タクトの導きにより力重ねよ!融合召喚!!」

柚子「今こそ舞台へ!幻奏の音姫マイスタリン・シューベルト!!」


黒咲(!!)


柚子「幻奏の歌姫ソプラノの効果で、ソプラノ自身とクリスタル・ローズを融合!」

柚子「天使のさえずりよ!至高の天才よ!タクトの導きにより力重ねよ!融合召喚!!」

柚子「今こそ舞台に、勝利の歌を!幻奏の華歌聖ブルーム・ディーヴァ!!」


黒咲「ふぐぅ!!」

黒咲(くそ、あの女ァ……瑠璃と同じ顔で融合召喚を連発しよってからに!
こっちはただでさえ出たくもない大会に参加させられてストレスが溜まっているのに……もっと俺の胃を労われ!)

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どん兵衛「一日目は特に波風も立たず、無事に終了した。遊勝塾生は三人のうち二人が勝ち進むという好成績。あの零羅という小僧は名字が赤馬だったが、赤馬零児の縁者か?
融合召喚を操り勝利を収めたが、ひょっとすると奴のようにシンクロもエクシーズも使うのかもしれんな。中々楽しみな奴よ」

どん兵衛「それと柊柚子、あ奴何やら同性の光津真澄とフラグを立てていたように見えたが……
いや、艦これの二次創作でカップリング絵とかを腐るほど見るからそういった人種の存在は既知なのだが、いざ現実に目の前で見てみると……」

どん兵衛「……想像以上に何も感じなかった。というか正直若干気持ち悪かった……いかんな、これでは人間界を充分に楽しむことなどできん。
もっと感性を鍛えなければ、人間的な。……感性を鍛えるってどうすればよいのだ?しこたま映画を見るとかか?」

どん兵衛「それはさておき、我にとっては二日目からが本番だ。遊矢、権現坂、小僧、この三人ともが二日目にデュエルを行う。
誰も彼も我の目をかける決闘者ばかり、実に楽しみだ……今日は早めに寝るとしよう」

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---二日目---


遊矢(昨日勝った柚子に続いて、今日はいよいよ俺の出番だ。権現坂も俺も素良も皆で勝って……)

遊矢「二回戦進出だ!!」


ハゲA「うわぁー!!」


遊矢「うおっ!?」


ドガシャーン!


遊矢「痛っつー……」

ハゲA「それは坊っちゃんの……権現坂昇さんの勝負ダスキ!」

遊矢「ん?これ、あいつの……」


タタタ…


ハゲB「ハッ!」バッ

遊矢「あっ!?待て!」ダッ

アユ「早く早くー!」

フトシ「もうすぐ権現坂の試合始まっちゃうよー!」

柚子「……あれ、遊矢は?先にここで待ってるって……」

タツヤ「あ、あそこ!」


遊矢「待てー!」


タタタ…


素良「何か全力で遠ざかってるけど」

どん兵衛「悠長に構えている場合ですか……何か事件があったのでしょう。ひとまず、皆さんは先に会場へ。僕が様子を見に行ってきます」

素良「ゴンちゃんの試合はいいの?」

どん兵衛「時間までには遊矢と二人で戻りますので、ご心配無く」

遊矢「ハァハァ……あいつ、何で権現坂のタスキを?」

ハゲA「おそらくあいつは、暗黒寺の仲間!奴らは勝つためなら、どんな卑怯なことも……」

遊矢「暗黒寺……!」

ハゲA「君は昇坊っちゃんのお友達の、榊君だね?確か君も、これから試合が……」

遊矢「権現坂の一大事にそんなこと言ってられない!タスキは俺が取り戻す!」

ハゲA「……フフ」

ハゲB「ヘヘ……」

ハゲA(馬鹿め、まんまと騙されやがったな!このままこいつを例の場所へ誘導!)

ハゲB(待ち伏せている仲間と一緒に袋叩きにしてやるぜ!てかハゲBって言うな!俺には髪あるだろ!厳密には!)

遊矢「ハァハァ……」


ピリリリリリ…


遊矢「ハァハァ……柚子か!?」ピ

どん兵衛『もしもし遊矢?僕ですが』

やっべ暗国寺の名前直すの完全に忘れてた
各自脳内で書き換えるのだ……



遊矢「どん兵衛か!悪いけど今忙しいんだ!柚子達に先に試合を見に行くように伝えて……」

どん兵衛『もう伝えましたよ。しかし本当に忙しそうですね、息があがっています』

遊矢「ああそうだよ、本当に忙しいんだ!切るぞ!」

どん兵衛『ああちょっと待って!大変恐縮なのですが、簡潔にで構いません、具体的にどう忙しいのか教えていただけませんか?』

遊矢「えーっ!?ハァハァ、えっと、つまり、権現坂のタスキが暗国寺の仲間に奪われて、それを取り返さなきゃならないんだ!」

どん兵衛『成る程、それは大変だ。状況的に今はその犯人を追いかけているようですか、遊矢の視界に収まる程度には追いつけていますかね?』

遊矢「ああ、あと10メートルくらいだよ!だけど意外と足速いんだこいつ!なかなか追いつけない!」

どん兵衛『ほうほう。ちなみにそのタスキの色は分かりますか?』

遊矢「白だよ!!何なんだよ!?そんなこと聞いて一体どうするんだ!?」

どん兵衛「ああすいません、気を悪くしないでください。いえね、僕は遊矢が何か勘違いをしているのではないかなと思いまして、それを確認していたんですよ』

遊矢「勘違い!?何を!!」

どん兵衛『タスキ、ここに落ちてますけど』

遊矢「……………………」


ピタ


遊矢「へ?」

ハゲA「ど、どうしたんですか榊君!?急に立ち止まって……」

遊矢「……い、いやいや!そんなわけないだろ!だって現に目の前のハゲがタスキを持って……」

ハゲB「だから俺は厳密にはハゲてねぇ……タスキが無ぇぇぇぇぇぇ!!??」

どん兵衛『そんなわけないだろと言われましても。だってこれ……ほら、裏に刺繍までしてありますよ。"権現坂道場"って』

遊矢「……わ、わかった。もう戻るよ」

どん兵衛『ええ、もう試合が始まりますのでお早めに。タスキは僕から渡しておきますね』

遊矢「うん……」ピ

ハゲA「……………………」

遊矢「……じゃあ俺、試合あるから……」

ハゲA「は、はい、頑張って……」


タタタ…

ハゲA「……………………」

ハゲB「……………………」


「「まるで意味が分からんぞ!!」」



どん兵衛(という貴方のためにタネ明かし。遊矢からタスキの大まかな位置座標を聞きだし、我の手元の座標に書き換えた。以上)

どん兵衛(今の試合がどうでもいい内容だったなら、我も手を出さずに遊矢の方を見に行ったのだがな。生憎とそんな時間は無い、権現坂の試合も見たいのだ)


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暗国寺「いいタスキだな。親父に貰ったのか?」

権現坂「大事な試合の前には、師匠から新たなタスキが送られる。それが権現坂道場の伝統だからだ」

暗国寺「フッ……その伝統とやらをちょいと利用させてもらったぜ」

権現坂「何!?」


どん兵衛「おーーーい!権現坂さ……あれ?タスキ付けてるじゃないですか!黒いけど!」


権現坂「む、どん兵衛!それは俺の勝負ダスキか?」

暗国寺「ファッ!?」

どん兵衛「そこに落ちてたんですが……いります?」

権現坂「いや、必要ない!わざわざ届けてくれてすまないが、今日は親父殿から貰った新たなタスキがあるのでな!」

どん兵衛「ですよねー。じゃあ、試合が終わるまで預かっておきますね。頑張ってください!」

権現坂「応!!この漢権現坂に任せておけ!!」


遊矢「ハァハァ、なんとか間に合った!頑張れー権現坂!」

柚子「遊矢!どこに行ってたのよ、こんな大事な試合の前に!」

遊矢「い、いや、ちょっとね」


暗国寺「ファッッッ!!??」


ニコ『それでは参りましょう!アクションフィールド・オン!フィールド魔法、絶海の孤島!!』


権現坂「暗国寺!お前がどんな策を練ってきたのかは知らんが、何をされようとも俺は負けん!お前が足蹴にした権現坂道場の真髄、不動のデュエルを貫き勝利する!!」

権現坂「いくぞ!!戦いの殿堂に集いし決闘者達が!!」

暗国寺「も、モンスターと共にくぁwせdrftgyふじこlp」

権現坂「……!?」

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テッテーン!


権現坂 WIN!


権現坂「」ポカーン


フトシ「あの暗国寺って奴、痺れるくらいおかしかったぜ」

アユ「うん、モンスターを表守備で出そうとしてたし」

タツヤ「何を思ったかバーバリアン・マッドシャーマンをリリースしてバーバリアン2号伏せたりしてたし」
※しかも効果使う前に

素良「最後はアクションカードも無い明後日の方向に走り出して海に落ちてたし」

遊矢「…………」

柚子「遊矢?どうかしたの?」

遊矢「い、いや、ちょっとね」

どん兵衛(余計なことするんじゃなかった……)

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ニコ『続きましては本日の第二試合!遊勝塾所属・榊遊矢対、レオ・デュエル・スクール所属・沢渡シンゴの一戦でございます!』


「「「頑張ってー!!」」」


柚子「遊矢ー!」

権現坂「しっかりなー!」

修造「燃えろォーー!!熱血だァーーー!!!」

洋子(さあ遊矢……父さんに近づくその最初の戦い、力いっぱいやりな!)

どん兵衛(さて……初戦は出鼻を挫かれたが、これが今日の大本命。見せてみろ……魅せてみろ、榊遊矢!)


ピ~ヒョロリ~♪


遊矢「!?」


ザッ…


沢渡「…………」ピ~ヒョロリ~♪

タツヤ「何のコスプレだろう?」

修造「『瞼の母』長谷川先生だな!」


沢渡「カードが俺を呼んでいる……ドローしてよと呼んでいる!天に瞬く星一つ!御覧!デュエルの一番星!!」


シーン…


遊矢「」キョトン

沢渡「フフフ!俺が誰だか分かるか?」

遊矢「沢渡だろ?」

沢渡「違う!」バサッ!


「ネオ!」バッ!

「ニュー!!」ババッ!

「沢渡だ!!!」キュピーン!


 ド ン ☆


「「「ネオ・ニュー・沢渡サイコーーー!!」」」


どん兵衛(勘弁してくれよ頼むから)

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どん兵衛(と思ったが、中々どうして腕の良い決闘者だな、あの男。
妖仙獣……サーチにバウンス、直接攻撃の効果を併せ持ち、さらに相手のターンにはフィールドにいないために除去も困難。厄介なモンスターだ)


沢渡「フフフ、ここからが本番だ。沢渡シンゴ伝説のリベンジデュエル!榊遊矢、お前はこれからペンデュラム召喚の恐ろしさを知る!」

遊矢「!」


柚子「ペンデュラム召喚の恐ろしさ……?」

真澄「ったく、いちいち勿体付けるわよねあいつ」


沢渡「見るがいい榊遊矢!俺のターン!」

沢渡「俺は妖仙獣鎌壱太刀を召喚!鎌壱太刀の召喚により、鎌弐太刀、鎌参太刀も続けて召喚!」

沢渡「そして修験の妖社の効果発動!三体の妖仙獣が召喚され、妖仙カウンターが三つ点灯!」


ニコ『沢渡選手のフィールドには、再びモンスターが三体召喚です!』


アユ「これ、前の沢渡のターンと同じ状況じゃない!」

フトシ「このままじゃオッドアイズが鎌壱太刀の効果で手札に戻されちゃう!」

沢渡「バトルだ!鎌弐太刀の効果で攻撃力を半分にして、ダイレクトアタック!」

遊矢「ダイレクトアタック!?」


柚子「えっ、鎌壱太刀の効果を使わない!?」

素良「ふーん……何かあるね」


遊矢「ぐっ……うわあぁーーっ!!」LP3100→2200

遊矢(くそ、あいつの起こす風のせいでアクションカードが取れない!)

沢渡「さらに鎌参太刀の効果発動!このカード以外の妖仙獣が相手にダメージを与えたことで、妖仙獣一枚を手札に加える」

沢渡「俺が加えるのはペンデュラムモンスター、妖仙獣左鎌神柱!!」


どん兵衛「!これは……!」



ニコ『何と!沢渡選手がペンデュラムカードを!!』


どん兵衛(奴はLDSの生徒……ということは、赤馬零児の差し金か!遊矢は……!?)


遊矢「やっぱり持っていたのか……!」


どん兵衛(ほっ、ひとまず大丈夫そうだな。思ったより動揺していない。前に赤馬零児と戦った時は精神的にかなりキツそうだったが……成長したな)


沢渡「修験の妖社の効果発動!妖仙カウンターを三つ使い、デッキから妖仙獣カードを一枚手札に加える!俺はペンデュラムモンスター、妖仙獣右鎌神柱を手札に加える!」

遊矢「ペンデュラムカードが二枚……!」

沢渡「榊遊矢!宣言通り、ペンデュラム召喚がお前を敗北に導く!」

遊矢「!」

沢渡「俺はスケール3の妖仙獣左鎌神柱と、スケール5の右鎌神柱で、ペンデュラムスケールをセッティング!!」

遊矢「来たか……けどスケール3と5で召喚できるのはレベル4のモンスターだけ!」

沢渡「レベル4?ハッ、生憎だったな!右鎌神柱の効果発動!もう片方のペンデュラムゾーンに妖仙獣カードがいる時、ペンデュラムスケールが11に上がる!」


「「「!!」」」


沢渡「これでレベル4から10のモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!!」


ビュオオォォォ!!


沢渡「烈風纏いし妖の長(おさ)よ!荒ぶるその衣を解き放ち、大河を巻き上げ大地を抉れ!!」

沢渡「出でよ!魔妖仙獣大刃禍是!!」


ニコ『驚きました!沢渡選手のペンデュラム召喚です!!』


「すげーぜネオ・ニュー・沢渡!」

「妖仙獣最強だぜ!」

沢渡「修験の妖社に妖仙カウンターが一つ点灯……」


修造「いつかはあると思っていたが、これほど早く他の者がペンデュラム召喚を……」

タツヤ「しかも、召喚したモンスターはレベル10!」


沢渡「そうだ!沸け、もっと沸け!!お楽しみは!!これからだ!!!」


アユ「それ遊矢お兄ちゃんの台詞!」


沢渡「俺こそは選ばれた男、ネオ・ニュー・沢渡だ……」

沢渡「……そして俺はペンデュラム召喚をできるようになっただけじゃねぇ、その上を行く!」

遊矢「その上!?」

沢渡「魔妖仙獣大刃禍是の効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドのカード二枚を選び持ち主の手札に戻す!
俺は時読みの魔術師と星読みの魔術師を手札に戻す!」

遊矢「くっ……!」

沢渡「まだだ!フィールドに大刃禍是がいることにより、永続罠、妖仙郷の眩暈風を発動!」

遊矢「!」

沢渡「フィールドから手札に戻る妖仙獣以外のカードは、全て持ち主のデッキに戻る!」

遊矢「なっ……!?」


ニコ『ペンデュラムカードがデッキに戻る!?榊選手、ペンデュラム召喚を封じられた!!』


どん兵衛(成る程……ペンデュラムカードは手札からセッティングを行えばその場で使用できるが故に、手札に戻すバウンスでは効果が薄い。
しかしデッキバウンスならば従来のカード同様、再利用は極めて困難!赤馬零児め、味な真似を……!)

沢渡「さらに俺はライフを800払って、永続魔法、妖仙大旋風を発動!」LP2800→2000

沢渡「俺はターンエンド……だがただのターンエンドではない。見せてやろう、沢渡レジェンドコンボ!妖仙ロスト・トルネード!!」

遊矢「妖仙ロスト・トルネード!?」

沢渡「妖仙大旋風の効果は、自分フィールドの妖仙獣が一体が手札に戻る時、相手フィールドのカード一枚を手札に戻す!」

沢渡「そして妖仙郷の眩暈風の効果は、妖仙獣以外のカードが手札に戻る時、手札ではなくデッキに戻す!」

遊矢「あっ!!」


どん兵衛「えっ」


沢渡「鎌壱太刀三兄弟はエンドフェイズ、手札に戻る……これにより妖仙大旋風の効果でお前のカード三枚を手札に戻し、眩暈風の効果でデッキに消し去る!!
戻れ、ピンチヘルパー!カレイドスコーピオン!ドラミング・コング!」


どん兵衛「……………………」ダラダラ

素良「めめめめ珍しいねどん兵衛、きき君がそんなに汗流すほどど同様すすするなんて」

どん兵衛「……貴様はどうなのだ」

素良「ちびりそう」

柚子「遊矢のフィールドからどんどんカードが消されていく……」

権現坂「残るはオッドアイズ!」


沢渡「もちろんそいつもご退場頂くぜ。大刃禍是の効果発動!このカードは特殊召喚したターンの終了時に手札に戻る!妖仙ロスト・トルネード!!」


ビュオオォォォ!!


沢渡「バイバイ、オッドアイズ♪」

遊矢「そうか……このターンの始めに鎌壱太刀の効果を使わなかったのは、これが……オッドアイズを手札ではなく、デッキに戻すのが狙いだったのか!」

沢渡「どうだ!この大旋風は文字通り相手のカードを巻き上げ、舞い上がったカードは眩暈風に誘われ、フラフラとデッキへ行っちまう」

沢渡「これぞ沢渡レジェンドコンボ!妖仙ロスト・トルネードだ!!」

北斗「榊遊矢のペンデュラムを封じ込めたか……」

刃「沢渡にしちゃ上出来じゃねぇか」

真澄「コンボのネーミングセンスは最悪だけどね」


沢渡「俺はネオ・ニュー・沢渡……伝説を生む男!」


ニコ『榊選手のフィールドはガラ空き!手札も一枚と、まさに絶体絶命の状況だ!』


沢渡「次の俺のターンでお前は終わりだ!さあ最後に足掻いてみせな!」

遊矢「……俺の、ターン」


アユ「どうなっちゃうの、遊矢お兄ちゃん……!?」

修造「遊矢、諦めるな!今こそ燃えろ!!」

権現坂「男を見せんか!!」


「「「遊矢兄ちゃん!!!」」」


どん兵衛(ここまでか榊遊矢……?それとも……)

柚子「待って!」


遊矢「……………………」ニッ


柚子「遊矢、笑ってる……」

権現坂「何!?」

どん兵衛「……!!」


遊矢(俺、完全に追い詰められてる……。なのに何でだろう)



遊矢(今、すっごくワクワクしてる!)



どん兵衛(ここで……この逆境の只中で、その表情を見せるか!貴様という男は……!)

沢渡「お前との因縁!決着を付けるぜ!」

遊矢「決着?馬鹿言うなよ、デュエルは始まったばかりだ」

沢渡「何だと……?」

遊矢「ドロー!」

遊矢「カードを二枚伏せて、ターンエンドだ」


柚子「えっ、それだけ!?」


沢渡「おいおい!せっかく盛り上がってきたっていうのに随分地味じゃねぇか!ま、ペンデュラム召喚を封じられ、手札も無いんじゃ仕方ねぇか……」

遊矢「カードが無いなら、探してゲットするまでだよ!」ダッ

沢渡「あ?」

柚子「遊矢……!」

権現坂「大丈夫だ。奴の目は、まだ力強く生きている」

どん兵衛(……以前の奴ならばこうは行かなかったろう。窮地に立たされれば顔を伏せ、ゴーグルを嵌め、塞ぎ込んでしまっていたはずだ。
しかし奴は変わった……あれから多くの者とのデュエルを経て、進化した)

どん兵衛(そしてその進化の結果が、今の奴だ。進化した奴は最早、逆境を前に膝を折ったりはしない……
それどころか、それを観客を沸かせるための演出とさえ捕らえる!だから笑う……今、笑っているのだ、あの男は!)

素良「……くすっ」

どん兵衛「?何がおかしい」

素良「やっぱり自分で気づいてなかったね。どん兵衛、君、今……」

素良「あそこの遊矢と同じ顔してる」


どん兵衛「!」ニッ


どん兵衛「……フッ、我としたことが。いかんいかん」



遊矢「お楽しみは、これからだ!!」


沢渡「フン!アクションカードに希望を繋ぐその執念は褒めてやるぜ。だが貴様にあるのは絶望だけだ!俺のターン!」

沢渡「俺は手札から妖仙獣鎌壱太刀を召喚!鎌壱太刀の召喚に成功したことで、妖仙獣鎌弐太刀を召喚!さらに鎌弐太刀の効果で、妖仙獣鎌参太刀を続けて召喚!」

沢渡「同時に永続魔法、修験の妖社の効果発動!妖仙獣が召喚・特殊召喚される毎に妖仙カウンターが一つ点灯する」

遊矢「はぁ、はぁ……」タタタ…

沢渡「お前がアクションカードを探している間に、俺の準備は整ったぜ。さあ、決着の時だ!!」

沢渡(お前の魂胆は分かっている。フィールドに伏せたあの二枚のカードから俺の目を逸らそうとしているんだろうが……そうはいかねぇ。
鎌壱太刀の効果では伏せカードを戻すことはできないが)

沢渡「右鎌神柱のペンデュラム効果を発動!片方のペンデュラムゾーンに妖仙獣がいる時、ターンの終わりまでペンデュラムスケールは5から11になる!
これでレベル4から10のモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!!」


ビュオオォォォ!!


沢渡「烈風纏いし妖の長よ!荒ぶるその衣を解き放ち、大河を巻き上げ大地を抉れ!!出でよ!魔妖仙獣大刃禍是!!妖仙カウンターは一つ点灯!」

遊矢「はぁ、はぁ……!」


柚子「遊矢……どうするつもり?」

どん兵衛(まずいぞ、大刃禍是の効果は……!)


沢渡「この大刃禍是の効果は伏せカードにも有効だぜ!」


修造「あっ!遊矢のカードを根こそぎ無くすつもりか!?」


沢渡「大刃禍是の効果発動!フィールドのカード二枚を手札に戻す!」

遊矢「!」

沢渡「同時に妖仙郷の眩暈風の効果を発動させ、その二枚をお前のデッキに戻し、ジ・エンドだ!」

沢渡「残念だったな!折角伏せたカードも無駄に終わったようだ!」


修造「…………!」

柚子「…………」

どん兵衛「…………!」




遊矢「いや!これでよかったのさ!」



沢渡「!?」


『ななし』


遊矢「伏せられたこのカードがフィールドから離れた時、このターン、相手フィールドのモンスター全ての名前をななしにする!」

沢渡「何!?」


ニコ『何とォ!!沢渡選手のモンスター全ての名前が失われたァー!!」


沢渡「貴様……元々これを狙って!」

遊矢「そうさ!妖仙郷の眩暈風の効果を妖仙獣は受けない。だが……」


柚子「そうか!」

タツヤ「妖仙獣でなくなった沢渡のモンスター達は、ターン終了と同時に……」

素良「妖仙郷の眩暈風の効果で、手札にじゃなくデッキに戻る、か」

どん兵衛「……脱帽、だな……」

どん兵衛(我でさえ正気を失うようなこの状況を、こんな奇想天外な方法で突破してみせるとは……。だが、ここからが正念場だぞ)

沢渡「ぬぐぐ……やるじゃねぇか!」

遊矢「お前のカードの効果を逆手に取らせてもらったよ」

沢渡「ハッ!だがターンの終わりまで、お前が無事で済むと思ったか?その前にこのデュエルを終わらせてやる!」

沢渡「バトルだ!!大刃禍是でダイレクトアタック!!者ども、続けぇーい!!」


ニコ『沢渡選手総攻撃!その姿はまさに、城を落とすべく攻め入る荒武者の如し!!』


遊矢「絶対!」カポッ


遊矢「終わらせるもんかああぁぁぁぁ!!」


沢渡「ジ・エンドだああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


ビュオオォォォ!!


「「遊矢ーーーッ!!」」



ズゴゴゴゴ……

ガシャアァァァン!!


柚子「いやーーーっ!!」

タツヤ「遊矢兄ちゃん!」

アユ「そんな……!」

どん兵衛「…………!」


沢渡「フフフ!お前の負けだ!榊遊矢!!」



パチン!



柚子「……え?」


ニコ『おーーっと!!あそこに見えるのはァ!?』


修造「おおっ、あれは!」

権現坂「ハハッ、やりおった!」


ニコ『榊選手だァーーーーー!!!』


柚子「遊矢!!」


「「「やったぁ!!!」」」


沢渡「馬鹿な!確かにダイレクトアタックは決まったはず……」

遊矢「この私が、何の考えもなしに走り回っていたと思いますか?」


刃「ギリギリでアクションカードをゲットしてやがったか……」

真澄「やるじゃない」

北斗「どうやらアクションカードの場所を把握した上で、大刃禍是の攻撃を誘っていたようだな」


遊矢「アクションマジック・大脱出!バトルを強制終了する!」

沢渡「ぐうぅぅ……!!」


「すごい!まるで脱出ショーだわ!」

「いいぞー!」


ワーーーーーーッ!!!


どん兵衛「……………………」


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どん兵衛「我が偉そうに口を挟む隙など、最早存在しなかった。今や会場は完全に、榊遊矢と沢渡シンゴのもの」

どん兵衛「この場に無粋な批評は必要ない。この場に野暮な講釈は必要ない。この場に……ドン・サウザンドは必要ない」

どん兵衛「必要なのは二人の決闘者……そして、観客のみだ!」

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どん兵衛(我は考えるのをやめた。そこからの時間はただ、一人の観客として……)


「「「ペンデュラム!!ペンデュラム!!」」」


沢渡「そうだ!沸け、沸きかえれ!!もっと激しく、もっと熱く!!」


どん兵衛(彼らと共に、今、このデュエルを作っていった)

遊矢「…………」

沢渡「何を笑ってんだ!状況分かってんのか!?」

遊矢「分かってるさ。だけど、観客が沸いてる」

沢渡「あん?」

遊矢「俺だけじゃない。お前と俺のやりとりが、先の読めないショーに観客が沸いてるんだ!」

遊矢「俺は新しい可能性を見つけた。だから楽しくて仕方ない!」

沢渡「はん!俺も楽しくて仕方ねぇよ!これだけの大観衆の前で、お前をぶっ潰せるんだからな!」

遊矢「沢渡……!」


遊矢「そう簡単には終わらせない!まだまだショーは盛り上がる!!」

沢渡「いいや!今がクライマックスだ!!」


「「「ペンデュラム!!ペンデュラム!!」」」


柚子「ペンデュラム!!ペンデュラム!!」

どん兵衛「ペンデュラム!!ペンデュラム!!」


沢渡「来いよ、エンタメデュエリスト!」

遊矢「え?」

沢渡「沸いてるんだよ……今、俺たちのデュエルに、会場が!期待してんだよ、観客が!」

遊矢「沢渡……」

沢渡「お前のターンだ!見事応えてみせろ!!」

遊矢「ああ!」



遊矢「レディーーース & ジェントルメーーーン!!!」


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ワーーーーーーッ!!!



遊矢「あはは、盛り上がったな!」

沢渡「……またいつでも、相手になってやる」

遊矢「……!ああ、楽しみにしてる!」


遊矢(そうだ……これが俺の目指していたデュエルなのかもしれない。父さん……俺、少しは父さんに近付けたかな?)

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「すごかったねペンデュラム対決!」

「私まだ震えが止まらないよ」

「俺も。やっぱ最高だぜデュエルは!」

「初戦からこんなに盛り上がって、どうなっちゃうんだよ?」

「今年の大会凄すぎないか?」

「だよなだよな!」


ニコ『次の試合の参加者は、入場ゲートにスタンバイして下さい!』

素良「あれ、どん兵衛。何でこんなところに?見送り?」

どん兵衛「フフ、遊矢のデュエルで途轍もなくハードルが上がってしまったな。貴様にとってはいい迷惑だろう」

素良「迷惑?まさか!僕は遊矢に感謝してるよ、最初からボルテージマックスな観客の前で戦えるんだから!」

どん兵衛「それでこそだ、安心したぞ。ところで」

素良「何?手短にね、僕もう行かなきゃならないからさ」

どん兵衛「貴様が戦う黒咲という男……実力の程は知らんが、何か裏があるようだ。用心しておけ」

素良「……ふーん。裏、ね」

どん兵衛「……小僧?」

素良「ま、一応忠告は受け取っておくよ。でも参考にはならないかな……カードに裏表があるように、その黒咲に限らず、人には誰しも裏表がある。君にも僕にも」

どん兵衛「…………」

素良「でもねどん兵衛。裏表があるという点において、人とカードを同一視するなら、カードと同じく人だって……」


素良「破っちゃえば裏も表も無いんだよ?」


どん兵衛「…………」

素良「勝つのは僕さ。じゃ、行ってくる」

どん兵衛「……ああ」

とりあえずハイパー丸写しゾーンはここまでです
素良編の丸写し率は5割といったところでしょうか……ではまた

さて、本編にジャックとクロウ登場が決定したわけですが……
シリーズファンとしてこれは紛れもない吉報であることは間違いないのですが、そうなると近い将来、ZEXAL勢登場の可能性が当然浮上するわけで
そうなるとこのSSの展開が、それはもう苦しいってレベルじゃありません。破綻一歩手前です
なんとか帳尻を合わそうと頭を捻ると知恵熱が出そうなので、今は考えないようにしていますが……
そんなわけで今後、もし本編にZEXAL勢が登場するようなことがあった場合、帳尻合わせが非常に無理のある、苦しい話の構成になってしまうであろうことを
予め予告し、謝罪しておきます。申し訳ありません。

投下はまだです

投下するから待っちょって

ニコ『続きまして本日の第三試合!遊勝塾所属・紫雲院素良対、レオ・デュエル・スクール所属・黒咲隼!!皆様大きな拍手で、二人の決闘者をお迎え下さい!!』


修造「うおぉぉーーー!!素良ァァァーーー!!!」

権現坂「俺と遊矢に続け!」

アユ「LDSなんて……」

「「やっつけろー!!」」


素良「オッケー任せて!僕も遊矢みたいに、お客さんを大満足させちゃうから!」


どん兵衛(満足……ソリティア……うっ、頭が……)


黒咲「…………」


遊矢「あっ……黒咲隼!」

柚子「……彼はずっと前からLDSの一員だって真澄は言ってたけど、黒咲はLDS連続襲撃事件の犯人。真澄はそれを知っていて、一度は黒咲と戦っているはず」

柚子「私が駆けつけた時には、もう誰もいなかった。そして開会式で会った時には……」

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柚子「真澄、教えて!黒咲隼が、何でLDSのメンバーに入ってるの!?」

真澄「何言ってんの?彼は元々私達の仲間よ」

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柚子「一体真澄に何が起きたっていうの……?まるで、記憶が書き換えられちゃったみたい」

遊矢「確かにあいつは、俺の目の前でLDSを……。それにあの強力なエクシーズモンスター、あれは本物の衝撃を俺たちに与えた」

遊矢「素良!気をつけろ、油断するな!」


素良「大丈夫大丈夫ー!今度は僕が遊矢を楽しませてあげるから!期待しててねー!」

黒咲「…………」

ニコ『本日の第三試合のスタートだァー!!まずはフィールド魔法のセレクトです!』


キュピーン!

『未来都市ハートランド』


ニコ『フィールドは、未来都市ハートランドだァー!!』


黒咲「!?」

素良「……!」


どん兵衛「ほう?」


ニコ『これはまさに、デュエルの未来を担う二人にピッタリの舞台!それではアクションフィールド・オン!未来都市ハートランド、発・動!!』


ギュイイィィィン……


黒咲「ハートランド……!!」


どん兵衛「へえ、面白いですね。実在する街をアクションフィールドにするなんて」

遊矢「は?実在?何言ってるんだどん兵衛」

どん兵衛「……え?」

アユ「わー、きれーい!」

タツヤ「まるでSF映画の世界に入り込んだみたいだ!」

フトシ「み、未来すぎて……痺れるぅ~~~!!」


どん兵衛「……?……??」

どん兵衛(何だ、餓鬼どもの反応が不自然だぞ?まるで、『こんな街は今まで見たことがないとでも言いたげな』……)


素良「僕はお菓子の街のほうがテンション上がるけどね……お客さんも喜んでるみたいだし、お菓子の街じゃなくても、まあいっか!ね!……ん?」

黒咲「……くっ……!」


---モニタールーム---

零児「どうやら気に入ってもらえたようだな」

中島「と言いますと、このフィールドは?」

零児「私からのささやかなファンサービスだ、彼の闘志に火をつけるためのな」

中島「ファンサービス……?」

零児「プレゼントという意味だ」

中島「はぁ」

素良「どうしたの、お腹でも痛いの?ねえねえ、僕とちゃんとデュエルできる?」

黒咲「人の心配より自分の心配をしろ!貴様が本物の融合使いなら、俺は容赦しない!」

素良「……ふーん、面白いじゃん」クルッ

素良「さーみんな!いよいよ僕のエンタメデュエルが始まるよ!遊矢の時みたいに、応援よろしくぅーーー!!」


修造「全力で応援するぞォーーー!!!」

洋子「勝ったらパンケーキ食べ放題よー!」

「「「いけいけ素良ー!!」」」

どん兵衛(まったくあの小僧は調子に乗りおって……。しかし、今注目すべきはそこではない。ニコがフィールド魔法の名前を読み上げた時の、あの二人の反応)

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ニコ『フィールドは、未来都市ハートランドだァー!!』


黒咲「!?」

素良「……!」

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どん兵衛(小僧の方は微妙だったからもしかしたら勘違いかもしれんが、黒咲の方は見るに明らか、文字通りクロだ。
ハートランドの存在を知っているのは我だけではない、我がおかしいわけではない……はずだ)

どん兵衛(しかし先ほどから周りの話に聞き耳を立てているが、誰もが餓鬼どもと同じような感想を口にしている。ドルベの話と統合して考えれば、
赤馬零児の手引きで記憶がいじられているという可能性が真っ先に考えられるが……果たして人間の技術力でそんなことが可能なのか?)

どん兵衛(ほぼ毎日接触の機会がある塾生だけならいざ知らず、昨日今日初めてこの場を訪れた人間の記憶を……しかも人数は万単位ときている。
それに、仮にそれが理由だとするなら、LDS側の黒咲は別として、何故小僧だけは記憶改竄を免れている?)

どん兵衛(ああいや、そうか、そういえば小僧の方は我の見間違いかもしれなかった……くそ、わからん)


素良「うんうん♪それじゃ、行かせてもらいまーす!」

素良「戦いの殿堂に集いし決闘者達が!」

黒咲「…………」

素良「……あれっ、ちょっとー!君ノリ悪いよ?ツーと言えばカー!山と言ったら川!コール&レスポンスでしょ、分かってる?」

黒咲「……………………」

素良「ああ、ダメだこりゃ。じゃあみんなとやろう!もう一回最初から!」

素良「戦いの殿堂に集いし決闘者達が!!」


「「「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!!」」」


ニコ『見よ!これぞデュエルの最強進化系!!』


「「「アクショーーーン……」」」


「「デュエル!!」」


ニコ『お客様とのコール&レスポンスもバッチリ!盛り上がって参りました今日の第三試合!!その展開やいかに!?』

素良「先攻はもらった!僕は手札からとってもキュートなクマさんモンスター、ファーニマル・ベアを召喚!」


「「「かわいいー!」」」


素良「でしょ?でも次に出てくるのはもっと可愛いよ!僕のフィールドにファーニマルモンスターがいる時、手札のこのカードを特殊召喚できる!
キュンキュンするほど可愛いヒツジさんモンスター、ファーニマル・シープをダブル特殊召喚!」


「「「かわいいーー!!」」」


黒咲「……………………」

素良「……僕はカードを一枚伏せてターンエンド。さあ次は君の番だよ!二人でお客さんに最高のショーを見せてあげよう!ふふ……」

黒咲「……最高のショー、か。かつて俺の故郷でも、デュエルは最高のショーだった。そうだ、最高の……」

素良「?」

黒咲「大人も子供も、誰もがそれを無邪気に楽しみ……決闘者達は皆の憧れの的だった」

黒咲「……あの日までは」

素良「……!」


どん兵衛(……『だった』ということは、つまり……)

黒咲「あの日、突如として襲いかかってきた敵によって、俺たちの街は戦場と化した」

素良「敵?戦場?さっきから何言ってんの?」


権現坂「わけがわからんぞあの男」

柚子「そうだ!あの時も……」

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黒咲「ここは俺の戦場だ!!」

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遊矢「戦場?」

柚子「あの時、私や真澄達の前に突然現れて……」

どん兵衛「……はぁーー~~…………」

遊矢「ど、どうしたどん兵衛?そんなでかい溜息」

どん兵衛「いえ、お気になさらず……」

どん兵衛(はいはい我のせい我のせい……いや、実際反省しているよ。最終的に全員生還したとはいえ、かつて我の企てによりハートランドの……
というか世界中の人間がほとんど全滅した)

どん兵衛(今となっては我欲のためにやりすぎたと思っている。それをこうして改めてつらつら語られては、
裁判で罪状を読み上げられる被告人の気分だよ、耳が痛い。まあ甘んじて受け入れるほか無いのだがな……ん!?)

どん兵衛(待てよ……我は当時ヌメロンコード取得のために、間違いなく人間界を丸ごと吸収した。決して局地的な話では、つまり奴の故郷に限った話ではない。
それこそ教科書に載るレベルの大厄災のはず……)

どん兵衛(なのに何故、今の奴の語りに同調、共感する物が『我以外に一人もいない』!?)


素良「まったくもう、本当に空気の読めない人だなぁ。せっかく僕が可愛いモンスター三つも出して盛り上げたってのに、水差したら駄目じゃん。
二人で最高のショーにしようって言ったでしょ?僕がドドーンとやったら、君もすぐにババーンって返してくれないt」

黒咲「俺のターン」

素良「」

黒咲「突然の事態に俺たちは慌てふためき、仮初めの防衛体制を整えるのが精一杯だった」

素良「……やる気あるの君?」


どん兵衛(よくよく考えてみれば奴の語りも少しおかしい。『突如として襲いかかってきた敵』は我とベクターが偽りのナンバーズをばら撒いたことの比喩だとしても、
『戦場と化した』の部分は何を表す?あの事件で民間人が戦いに巻き込まれるようなことはなかった。ただ一方的に消えていくだけ……)

どん兵衛(そうなると今の発言『仮初めの防衛体制を整えるのが精一杯だった』も事実と食い違う。なるほど、合点がいった。つまりこういうことだな)

どん兵衛(我が遊馬とナッシュに敗れてから復活するまで推定十余年、我のいない間に、我が引き起こしたものとは別の事件が起きた。
それは極めて局地的なもので黒咲の故郷に対してのみ行われ、さらにその襲撃者の情報操作によって外部に対しその事実は隠蔽された……と)

どん兵衛(話の流れ的に奴の故郷はハートランドでほぼ確定だから、後でナッシュに詳しい話を……あっ駄目だ違うわ合点いってないわ、
そんな事件が起きたならナッシュが放っておくはずがない)

どん兵衛(今や人間側にはナッシュ含むバリアン七皇フルメンバーと九十九遊馬、アストラルはまだいるかどうか怪しいが、それとトロンにその息子たちも……
この陣営が負けることなど想像がつかん。第一我が復活してから出会った七皇三人、ナッシュとメラグ、ドルべはいずれも依然元気そうだった)

どん兵衛「だったらどういうことなんだ……ブツブツ……」

アユ「ど、どん兵衛?本当に大丈……」

どん兵衛「黙れ!!今考え事をしているんだよ!!」

アユ「ひいっ!?ご、ごめんなさい!!」


黒咲「俺は手札からRR-バニシング・レイニアスを召喚!」


遊矢「あっ!?あの時のモンスター……!」

黒咲「バトルだ。俺はバニシング・レイニアスでファーニマル・ベアを攻撃」


『ピギイィィィ!!』


素良「…………」LP4000→3900


「クマさんが……うぇーん!」


素良「ふふふ、すぐ助けてあげるからね。罠カードオープン!ファーニマル・クレーン!このカードはバトルで破壊されたファーニマルモンスターを手札に戻し、
デッキから一枚ドローする!」

素良「こんな風にすぐに反応しないと、ねっ!」

黒咲「……RRがバトルしたことで、俺は手札から魔法カード、RR-シンボルを発動!デッキからRR一体を手札に加える。俺が加えるのは、RR-バニシング・レイニアス」

黒咲「先に召喚したバニシング・レイニアスのモンスター効果により、このターンもう一体のバニシング・レイニアスを特殊召喚することができる!守備表示で特殊召喚!」

素良「すぐに反応したのは褒めてあげるけど、そんなモンスターいくら並べたって何の役にもたたないよ?」

黒咲「……俺はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ」


ニコ『互いに一回ずつターンを終了し、二体の同名モンスターを並べた紫雲院選手と黒咲選手。まずは互角の滑り出しといったところ!
果たしてこの後はどのような展開になるのでしょうか!?』

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どん兵衛(この後の展開……まずは小僧が遊矢の口上を真似たあと、融合を決めた)


素良「それでは参りましょう、発動!僕が融合するのはエッジインプ・シザー、ファーニマル・ベア!」

素良「悪魔の爪よ、野獣の牙よ!今一つとなりて、新たな力と姿を見せよ!融合召喚!!」

素良「現れ出ちゃえ!全てを切り裂く戦慄のケダモノ!デストーイ・シザー・ベアー!!」


どん兵衛(続いて小僧の挑発に乗り、またしても黒咲の語り)


素良「それとも守るのに精一杯で、自分から仕掛けるなんて無理だったりして」

黒咲「……はじめはそうだった。圧倒的な敵に対して俺たちは、とにかく自分を守るので精一杯だった」

黒咲「だが抵抗組織もない俺達は成す術もなく、一人、また一人と仲間を失っていった」

黒咲「そんな絶望的な戦いの中で俺たちは学んだ……生き延びるためには、勝つしかないのだと。絶対に勝つという鉄の意志を持つ者だけが、この地獄を生き抜いていけるのだと!」

素良「……!」

どん兵衛(小僧にも思う節があるのだろうか?そして黒咲、奴もまたエースを召喚した)


黒咲「俺はレベル4のバニシング・レイニアス三体でオーバーレイ!」

黒咲「雌伏のハヤブサよ……逆境の中で研ぎ澄まされし爪を挙げ、反逆の翼翻せ!!エクシーズ召喚!!」

黒咲「現れろォォォ!!!ランク4ッ!!RR-ライズ・ファルコンッッッ!!!」


どん兵衛(その効果により小僧のモンスターは全滅。しかし返しのターン、負けじと新たな融合モンスターを召喚した)


素良「僕は手札から永続魔法、デストーイ・ファクトリーを発動!墓地にある融合と名の付くカードを除外し、デストーイモンスター一体を融合召喚する!
僕が融合するのはエッジインプ・ソウと、手札のファーニマル・ライオ!」

素良「悪魔宿りし鉄の歯よ!牙剥く野獣と一つとなりて、新たな力と姿を見せよ!融合召喚!!」

素良「現れ出ちゃえ!全てを切り裂く百獣の王!デストーイ・ホイールソウ・ライオ!!」


どん兵衛(鬱陶しかったので余所の餓鬼の右往左往はカットした。ホイールソウ・ライオはかのナンバーズ、ヴォルカザウルスと同じ効果を持ったカードだったが、黒咲はアクションマジックでこれを回避。
続く本体の攻撃も自らの伏せカードで回避し、なんとかライズ・ファルコンを守りきった)

どん兵衛(そして返しのターンでホイールソウ・ライオも破壊。小僧の持ち味である人を舐めたような余裕の態度は影を潜め、明らかな苛立ちを見せはじめる。
そして小僧は舐める飴を緑色のものに変え、それを皮切りに少しずつ、だが今までよりも決定的に、奴の化けの皮が剥がれていく……)

素良「……ったくもう……ホント腹立っちゃうよね。これで何体目?僕のモンスター破壊されたの……!」

黒咲「…………」

素良「もうちょこっとなんて言ってらんない!マジで本気出しちゃうから!僕のターン!!」

素良「僕は魔法カード、縫合蘇生を発動!墓地からファーニマル・シープを特殊召喚!」

素良「さらに永続魔法、デストーイ・ファクトリーの効果発動!墓地にある融合と名の付くカードを一枚を除外し、デストーイモンスター一体を融合召喚する!
融合するのはフィールドのファーニマル・シープと、手札のエッジインプ・チェーン!」

素良「融合召喚!!現れ出ちゃえ!全てを封じる鎖のケダモノ!デストーイ・チェーン・シープ!!」

素良「このモンスターが攻撃する時、相手は魔法・罠カードを発動できない!これで君の得意技、封じたから!」

素良「バトルだ!いけ、チェーン・シープ!ライズ・ファルコンを攻撃!」


ドゴオォォン……!


アユ「やった!」

タツヤ「やっぱり魔法も罠も封じられたら、あいつは手も足も出ない!」

フトシ「流石は素良!痺れるぅ~~~!!」


黒咲「……これでお前のモンスターの攻撃は終わった。その効果も消えたというわけだ」パンパン

素良「何だと!?」



黒咲「即効魔法!RUM-ラプターズ・フォース発動!!」


どん兵衛「RUMだと!!?」ガタッ


黒咲「この戦闘で破壊されたライズ・ファルコンを特殊召喚し、ランクが一つ高いRRにランクアップさせる!」

素良「何だって!?」


「「「えーっ!?」」」

柚子「……!!」

遊矢「……!!」


黒咲「獰猛なるハヤブサよ……激戦を切り抜けしその翼翻し、寄せ来る敵を打ち破れ!!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」


黒咲「現れろォォォ!!!ランク5ッ!!RR-ブレイズ・ファルコンッッッ!!!」


どん兵衛「……!?ど、どういうことだ……!?」

素良「…………フフッ」

素良「フフフフフ、フハハハハ、ハハハハハッ!いいねいいねぇ!!君もかなりのエンターテイナーだね!盛り上げてくれて礼を言うよ、お客さんも大喜びだ!」

素良「僕もゾクゾクしてきた……楽しくってしょうがないよ!さあ、もっともっと僕を楽しませてくれ!!」

黒咲「楽しむ?これから貴様が味わうのは、断末魔の苦しみだけだ!」

素良「!?」


どん兵衛(……唐突だったものでつい大袈裟に驚いてしまったが、よく考えればRUMの発動自体はあり得ないことでもない。
現に我が顕在だった当時、トロンの息子がバリアンの力を解析して自作していたしな。まあ、あまり出来はよくなかったが……)

どん兵衛(あれからもしも、その技術を公にしていたとするなら、人の手によるRUMの生産は可能ということになる。それ自体はだからいい。
問題なのはそのRUMによって召喚されたモンスターの方)

どん兵衛(ブレイズ・ファルコン……あのモンスター、『CXではない』!ランクアップによって生まれたモンスターでありながら、カオスの力を持たない……カオスの力を媒体としない、純然たる
ランクアップ。我にもそんなことはできん、否、『唯一それだけは』できん。当然だ。かつて『我を排除することで』完成したものなのだから、あの力は。そう、あの力……)



どん兵衛(……アストラル世界の力は!)



黒咲「俺のターン!ブレイズ・ファルコンのモンスター効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、相手の場に存在する特殊召喚されたモンスターを破壊し、
破壊したモンスター一体につき500ポイントのダメージを与える!!」

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黒咲「……薄ら笑いはどうした?」

素良「……!!くっ……!」

黒咲「少しは狩られる者の気持ちが分かったか?」

黒咲「貴様たちはいつも笑いながら、俺の仲間たちを襲い続けた。だが最早、俺たちは無抵抗で打ち倒される獲物ではない!」


どん兵衛「『貴様たち』……!?」

遊矢「素良達が襲った?どういうことだ……?」

素良「……はぁ?余裕が無いぃ??冗談言うなよ……こんなデュエル、キャンディー舐めながらだって僕にはできる!」


バキィッ……


素良「遊びさ。本気でやるわけないじゃん!僕の仲間だってそう、みんな遊びで君たちを狩ってるんだ!」ムシャムシャ

素良「だって君たちは、僕らにとってハンティングゲームの獲物なんだから!!」


遊矢「獲物?ゲーム?何言ってんだ……!?」

どん兵衛(……小僧……!)


素良「僕のターン!!僕は魔法カード、魔玩具融合を発動ォ!!」

素良「墓地にあるシザー・ベアー、ホイールソウ・ライオ、チェーン・シープを除外し、その三枚のカードを素材としたデストーイモンスターを融合召喚する!!」

素良「悪魔宿りし非情の玩具よ!歯向かう愚民を根こそぎ滅ぼせ!!融合ォ召喚!!!」

素良「現れ出でよ!全ての玩具の結合魔獣!!デストーイ・マッド・キマイラ!!!」


『ウケケケケケケ!!』


「「「キャーーーッ!!」」」


黒咲「…………」

素良「バトルだ、マッド・キマイラ!!ブレイズ・ファルコンを攻撃ィ!!」


ドゴオォォン……!


黒咲「ハァッ、ハァ……くっ!」LP2200→400

素良「マッド・キマイラの効果発動!破壊したモンスターを墓地から僕のフィールドに召喚する!!この効果でコントロールを得たモンスター一体につき、
マッド・キマイラの攻撃力を300ポイントアップする!!」


マッド・キマイラ
ATK2800→3100


素良「これで君のモンスターも僕のものになっちゃった。わかっただろう?君に僕は狩れない。狩られるのは常に君たちだ!これからもずっとね……!!」


遊矢「さっきから何言ってんだよ……!?」

柚子「素良……!」

どん兵衛「…………」

素良「せめて最後は、自分のモンスターの手にかかって終わらせてあげるよ。ブレイズ・ファルコンのダイレクトアタックで1000ポイントのダメージを与えれば、残りライフ400の君は……」

黒咲「笑止」

素良「何!?」

黒咲「俺達レジスタンスは、常に最悪の状況を想定しながら戦ってきた。共に戦ってきた仲間を、敵に連れ去られることも考えながら」

黒咲「だがたとえ奪われたとしても、俺たちは決して見捨てない!奪われた仲間は……」


黒咲「必ず奪い返す!!!」


素良「ッ!!」

黒咲「即効魔法!!RUM-レヴォリューション・フォース!!!」


どん兵衛「!!」


黒咲「相手の場のエクシーズモンスター一体のコントロールを奪い、ランクの一つ高いRRにランクアップさせる!!」

素良「何ィッ!?」

黒咲「誇り高きハヤブサよ……英雄の血潮に染まる翼翻し、革命の道を突き進め!!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」


黒咲「現れろォォォ!!!ランク6ッ!!RR-レヴォリューション・ファルコンッッッ!!!」


ニコ『な、なんと!!黒咲選手のエクシーズモンスターが、さらにランクアップゥ!!』


どん兵衛(これで確定だ!あの力はアストラル世界のもの、間違いない!アストラル世界の理念、『常にランクアップし続けること』……
一体のエクシーズモンスターを継続的に、複数回にわたりランクアップすることこそがアストラル世界の技術の真髄!一体どうして奴が……!?)


素良「……フン、何だよ!革命とかなんとかハッタリかまして出てきたわりに、攻撃力2000!?それじゃ2800のデストーイ・マッド・キマイラは倒せないよ!!」

黒咲「果たしてそうかな?」

素良「うっ!?……ふ、フンッ、どうせそれもハッタリでしょ!?だって君のフィールドにはもう伏せカードも仕掛けられてないじゃん!!」


どん兵衛(いかん!小僧の奴、平静を欠いて目の前の状況が全く見えていない!)

どん兵衛「危険です、遊矢!」

遊矢「わかってる!おい素良、やめろ!挑発するな!あいつは危ない!あいつは本気で……!」

黒咲「レヴォリューション・ファルコンのモンスター効果発動!!このモンスターがRRを素材としてランクアップした時、相手が特殊召喚したモンスター一体を破壊し、
その攻撃力の半分のダメージを与える!!」

素良「何……ッ!?」

黒咲「行けェッ!!!レヴォリューション・ファルコンッッッ!!!!!」


『ピギャアァァァァァ!!!』


黒咲「革命の火に焼かれて、散れッッッ!!!!!」


ヒュゥゥゥウウウ……


ドカン!

ドカン!!

ドガァン!!!


遊矢「やめろ!!こんなのデュエルじゃない!!俺の知ってるデュエルは、皆を幸せに……!!」

素良「はぁ、はぁ……っ!!」

素良(あった、アクションカード!)パシッ


ピシシッ……


グラァ……


素良「!?」

素良(しまった、建物…………!!)


ドゴオォォン……!!


柚子「!!」

遊矢「素良ーーーッ!!」


パシュウゥゥ……


素良「……………………」LP1300→0 ピーッ!

ニコ『……おっ?お、お……』ヒョコッ

ニコ『ぬおぉあっ!?か、勝ったのは黒咲選手ーーーッ!!』


「「「……………………」」」


黒咲「…………」スタスタ


どん兵衛「何をなさるおつもりで?」


黒咲「!?」


遊矢「ど、どん兵衛!?いつの間にあんなところに……」


黒咲「誰だ貴様は」

どん兵衛「僕が誰かなんてどうでもいいんですよ。デュエルは終わりました、貴方の勝利です、おめでとう。もうこれ以上何かをする必要はありませんよね……お引き取り下さい。
帰って次の対戦に備え、デッキの調整でもなさるとよろしい」

黒咲「…………」

零児『彼の言うとおりだ』

黒咲「!」

零児『公衆の面前でそれ以上の行為は禁止する。彼は我々の有力な研究材料となり得る……アカデミアの実態を知るためのな』

どん兵衛「研究材料?アカデミア?何のことだ、どういうことだ赤馬零児」

零児『…………』

どん兵衛「黙秘……か」

黒咲「……フン」

素良「……待て……勝負はまだ……終わって、ない!」

黒咲「…………」

素良「僕がッ……負けるはずない!!エクシーズの奴らなんかにぃ……この、僕がッ!!!」

どん兵衛「…………」

黒咲「…………」クルッ

素良「ッ!ま、待て!逃げるな!!もう一度……もう一度、僕と……ッ」

素良「デュエル…………を……」フラッ


ドサァ……ッ


どん兵衛「!小僧ッ!?」


遊矢「はぁはぁ、素良!素良ーーーッ!!」

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III「く、クリス兄様!さっきのアレってもしかして、遊馬の言っていた……」

V「ああ、アストラル世界の技術だ!なぜあの男が……我々の関係者以外でアストラル世界と接点を持つ者がいるというのか!?カオス化させずランクアップだけさせるなんて、
我々でも未だ開発段階の……ん?」

III「?」

V「ランクアップ……ランク…………アップ……………………あーーーっ!!!」

III「!?」

V「そうだ、そうだよ!LDSにはドルベがいるじゃないか!くそ、何で今まで忘れていたんだ!もっと早く思いだしていれば……とにかく連絡だ」ピピピ

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ドルベ「RUMだと……!?黒咲隼、本当に一体何者なんだ……」


ピリリリリリ…


ドルベ「はいドルベ」ピ

V『ドルベ!今の試合見たか!?』

ドルベ「君も見ていたか。その慌てぶりから察するに、君の意見も私と同じ……あのランクアップは、やはりアストラル世界の」

V『君はLDSの職員だろう?奴について何か知らないか!』

ドルベ「残念ながら、力になれるほどの情報は持ち合わせてはいない。ただ、一つ言えるのは……LDS側にとっても、あの男は劇薬であるということだ」

V『どういうことだ?』

ドルベ「君も不思議に思っただろう、あの男がLDS側で大会にエントリーしていることを。そのことを同じ参加者が誰ひとり疑問に感じていないことを……。
LDSは奴一人を大会に参加させるために、生徒から職員に至るまで、関係者全員の記憶を書き換えている」

V『何だと!?

ドルベ「改竄を免れたのはバリアンの力の名残を持つ私だけだ。そして私の方で調査を進めるためにも、このことをLDSに感付かれるわけにはいかない。
悪いが表立って協力することはできない、接触の機会も限られるだろう。ほとんど別行動のような形になってしまうな」

V『いや、構わない。君の方でも引き続き調査を頼む……こちらにも、策はある』

ドルベ「フッ、流石だ。抜かりないな」

V『光栄だと言いたいところだが、こればかりは降って沸いたような偶然の好機をものにしただけに過ぎないよ。ではまた』ピ

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III「どうでした?」

V「予想以上にとんでもない事態になっているようだ……やはり、『君』に協力を依頼しておいて正解だった」


?「あの人と戦うのか……正直、自信ないですね」


V「目的はあくまで調査だ、勝敗は関係ない。しかしその調査のため、奴にはせめて全力の七割くらいまでは実力を発揮してもらわなければならない……
ある程度のターン数を耐えることは必須条件となる」

III「兄様、あまりプレッシャーを与えるようなことは……」

?「いえ、大丈夫です。元より優勝するためには避けられない戦いですからね。数ターン耐えるなんて言わず、勝つ気でやります」

V「その意気だ。我々もできる限りのバックアップはさせてもらう。しかし分かっているな?一回戦で奴と当たれなかったということは、君が二回戦に進出できなければ、
我々の計画はそこで頓挫してしまうということ。ちなみに相手は?」

?「LDSの、刀堂刃という人でした」

V「刀堂……シンクロコース筆頭の実力者だな。強敵だが、大丈夫か」

?「絶対に大丈夫とは言い切れませんね……でも、もし僕が一回戦すら突破できないような実力しか持ち合わせていないのだとしたら、元々皆さんに協力する資格がなかったということ。
そんな情けない事態になったら、僕は自分で自分を許せませんから」

?「勝ちます。皆さんのために……僕自身のために」

以上、現在進行中の本編に匹敵するほどのアンジャッシュ回でした
ミッチーと大漁旗にはもっと長生きしてほしかったですね

……今回も相当丸写しだったな

(無言の宣伝)


遊矢「デュエルマッスル?」
遊矢「デュエルマッスル?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428231634/)

申し訳ない、次の書き溜めはあらかた片付いたのですが、Vジャンのフラゲのアニメネタバレ項目、ジャックの説明で
「別次元ではキングとして君臨」って書かれてまして
これはシンクロ次元と5D's次元が別々に存在しているという解釈も可能なわけで、もし本当にそうだった場合はシナリオに修正が必要なのです
というわけで投下は本編にジャックが登場するまで待って下さい、本当に申し訳ない
かわりに>>208みたいなくだらない短編書くかもしれないから見てね(有言の宣伝)

あー、こいつはパラレルですねきっと……まだ明言はされていませんがおそらく確定でしょうね
折角なのでキリの良い所まで置いておきます、短めですが

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中島「紫雲院素良は、現在センターコートの医務室に収容され治療を受けております。頭と手足に多少怪我を負っているようですが、命に別状は」

零児「そうか。では応急処置終了後、直ちにレオ・コーポレーション本社に移送しろ。彼には色々尋ねたいことがある」



「赤馬ァァァァ……」



バゴーーーン!!



どん兵衛「零児ィ!!」


零児「……来たか」

どん兵衛「ああ来てやったとも、この我が直々に来てやったとも!光栄に思えよ!」

中島「おいお前、口が過ぎるぞ!社長はお前がここに来ることを見越してわざわざ警備を退かして下さったのだ、お前の方こそ感謝したらどうなんだ!」

どん兵衛「フン!余計なお世話以外の何物でもないわ!」

中島「何だと……!」

零児「やめろ中島。彼の気を損ねるな」

中島「社長……なぜあの男にそこまで」

零児「私が今結成しようとしているランサーズ……そのフルメンバーの想定総戦力を10とした場合、彼は個人で60か70くらいの力を有している」

中島「な……!?」

どん兵衛「またわけのわからん単語が出てきたな!アカデミアがどうのランサーズがこうのと内輪でしか通じんような固有名詞ばかり使ってしゃべりよって……
ファルシのルシがコクーンでパージじゃないのだぞ!」

零児「それで?君は私に何を聞きたい」

どん兵衛「全てだ。アカデミアとは何だ?ランサーズとは何だ?黒咲隼とは何者だ?何故人々の記憶を書き換えた?戦場とは何だ?敵とは何だ?この大会の目的は何だ?そして……」

どん兵衛「紫雲院素良……あの小僧は一体、何者なんだ」

零児「…………」

どん兵衛「…………」

零児「……今の質問……その全てに、私は答えることができる」

どん兵衛「なら……」

零児「ただ」

どん兵衛「?」

零児「私が質問に答える代わりに、我々に協力してほしい。最低でも、今から話すことを外部に漏らさない程度には」

どん兵衛「協力……さっきの戦力云々の話から察するに、我に貴様らの側についてその『敵』とやらと戦えということか」

零児「その通りだ」

どん兵衛「ふむ……」

零児「…………」

零児(彼ほどの戦力を引き入れることができれば、この戦いの終局も一気に近付く……)

零児「もちろん質問には先に答える。その上で、我々に協力するかどうか君が判断してくれればいい」

どん兵衛「何だそれは?聞きたいことを聞くだけ聞いて、要求は飲まなくてもいいということか?我にとっては好都合だが、貴様はいいのか」

零児「構わない。何故なら私は、この話を断られるとは露ほども思っていないからだ」

どん兵衛「ほう?自らの行いを正しいと思っているということか。後ろめたいことは何もないと。民衆に隠しているのはそうなると、定番の『巻き込みたくない』というやつか。
知っているか、そういう文句を抜かす輩は大抵主張そのものは正しいが、それを成す過程で多くを踏みにじっていることに気づいていないのだ」

零児「…………まず、質問に答えよう。何から話そうか?」

どん兵衛「ふん……我が一番気になっているのは、ついさっきのデュエルについてだ。黒咲隼と紫雲院素良……奴らの間に一体何があった?」

零児「あの二人の関係か。一言で言うなら『敵同士』だ」

どん兵衛「そんなことは言われなくてもわかるし一言で言うな、端折るんじゃない。『君たちはハンティングゲームの獲物』……あの小僧はそう言った。
奴らの因縁は個人のものではない、奴らそれぞれが所属する何らかの組織間のものなのだろう?」

零児「……そうだ。紫雲院素良、黒咲隼。あの二人は両名とも、我々の……」


ピリリリリ…


中島「あっ!し、失礼……」ピ

零児「…………」

どん兵衛「…………」

中島「……何だと!?わかった、すぐに伝える!」ピ

零児「何かあったのか?」

中島「紫雲院素良が、病室から脱走しました!」

どん兵衛「!!」

零児「彼の持っている情報は我々にとって得難いもの……モニター室に市内の監視カメラ映像をありったけ映せ、絶対に逃がすな。私もすぐに行く」

どん兵衛「チッ……!」クルッ

零児「どこへ行く」

どん兵衛「小僧の意識が戻ったのなら、直接会って締めあげて吐かせる」

零児「そんなこと君がわざわざせずとも、私の口から」

どん兵衛「小僧の口から聞けば、貴様の言う条件とやらを飲まずにすむだろう」

零児「あんなものあってないようなものだとさっき自分で……」

どん兵衛「ああもうやかましい!!」


どん兵衛「心配なんだよ!!あの小僧が!!」


零児「……………………」

どん兵衛「……先の対戦の後、黒咲は小僧に何かをしようとして貴様に止められていた。あの時奴は、小僧をカードにしようとしていたのではないか?」

中島「な、何故そのことを……!?」

零児「……情報の出どころはおいおい聞くとして、その通りだ」

どん兵衛「やはりか……あの場では小僧と戦ったのが貴様の息のかかった黒咲だったから、小僧のカード化を止めることができた。だが奴には、もう一人仲間がいる」

零児「!本当か?」

どん兵衛「そっちは掴んでいなかったか?ああ本当だ。だとすればこれがどういうことか分かるな?小僧は自発的にここから脱走したわけではなく……」

零児「……その『仲間』によって既にカード化され、持ち去られた可能性がある……!」

どん兵衛「小僧が危ない。カメラ越しにちんたらやっている暇は無いのだ!貴様が何と言おうと我は行くぞ!」

零児「わかった。彼の場所が特定でき次第連絡する」

どん兵衛「ああそうしてくれ!」ダッ

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どん兵衛「くそ、小僧の位置が全くわからんからヌメロンコードで飛べない……自分の足で探すしかないのか質面倒臭いな!」

どん兵衛「せめて居場所がわかるまでは赤馬零児のそばにいるんだった……だがああも啖呵を切って出てきた以上、今更戻れん。
連絡が来るまでは大まかなアタリをつけて飛び、そこから足で捜索、を繰り返す!」

どん兵衛「フフフ、だがしかし、もしも本当に自分から脱走したのであれば覚悟しておけよ小僧……この我にこんな無駄足を踏ませおって!キャンディにカラシを塗りたくる程度では済まさんからな!
二度とこんなおイタができないようにきつくお灸を据えてやる……だから」


どん兵衛「……だから必ず……無事で帰ってこいよ、遊勝塾に!」


ピリリリリ…


どん兵衛「?」ピ

零児『私だ。目標を公園に確認した、すぐに向かってくれ』

どん兵衛「『確認した』……ひとまず小僧は無事か」

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


---公園---


どん兵衛「さて……とりあえず、まずは広場に行ってみよう」


「俺はレベル4の幻影騎士団ダスティローブと、サイレントブーツでオーバーレイ!」

「あはっ、ほんとにやるんだ!」


どん兵衛「!」


ユート「漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!エクシーズ召喚!!」

ユート「現れろランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

素良「……!」


どん兵衛(奴はユート……!しかし何故小僧と戦っている?そんなことをしなくとも、寝ているところをカード化してしまえばいいはず……
いや、もしかするとカード化の条件が『デュエルして勝利すること』なのか?)


遊矢「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン……!」


どん兵衛「!遊矢!」

遊矢「どん兵衛!?大変なんだ、素良が!」

どん兵衛「そのようですね。素良さんとデュエルしている彼は一体……?遊矢にそっくりですが」

遊矢「あいつはユート……黒咲隼の仲間だ。でも何で俺に似てるのか、何で素良とデュエルしてるのかは分からない」


ユート「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのモンスター効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、
このターンの終わりまでフィールドにいる相手モンスター一体の攻撃力を半分にし、その数値分攻撃力をアップする!トリーズン・ディスチャージ!!」

素良「!」

素良(まずい、残り一つのオーバーレイユニットも使われたら、シザー・ベアーの攻撃力は1050に下がって……)


遊矢「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力は5650に!」

どん兵衛「この一撃でゲームエンドだ……!」


ユート「……バトルだ!」

素良「何!?」

ユート「俺はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで、デストーイ・シザー・ベアーを攻撃!」

ユート「反逆の!ライトニング・ディスオベイ!!」


ドガアアァァン!!


素良「うわーーっ!!」LP4000→1500


遊矢「うっ……!素良!」

どん兵衛(ユート……一体何故……?)


ユート「俺はターンエンド。この瞬間、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力も元に戻る」


遊矢「大丈夫か素良!?」

素良「……っ!あっちいけ!遊矢には関係ない!!」

遊矢「何言ってんだ!病院で寝てなきゃいけない身体なのに、何で無理に抜け出してデュエルを……!?」



ユート「…………」


素良「あいつ、僕に手加減なんか!くそっ、馬鹿にして!!絶対に……絶対に許さない!!」

どん兵衛「……自分で手加減されたと感じたのなら、もう負けを認めたらいかがですか。遊矢の言うように、元々は寝ていなければならない身体なのですから」

素良「どん兵衛まで来たのか!?うるさいんだよ!僕は負けてなんかない!負けるはずがない!エクシーズの奴なんかに!!」

どん兵衛「黒咲と戦った後にもそんなことを口走っていましたが……その時も今も、明らかに貴方は敗北しています。
それを受け入れずに『僕は負けてない』の一点張りでは、子供の駄々と何も変わりませんよ」

どん兵衛「……僕に最初に話しかけてきた頃の貴方は、どこに行ってしまったのですか?」

遊矢「……?」

素良「黙れ!!部外者のくせに知ったような口を聞くなぁっ!!」

どん兵衛「その部外者の視点から言わせてもらえば、今の貴方の行動はいささか理解に苦しみます。
相手に……それも貴方が見下しているであろう『エクシーズの奴』に情けをかけられた今の状態で勝利したとして、貴方は何が嬉しいのですか?
それで貴方自身は勝ったと思えるのですか?……何故、『今』なのです」

どん兵衛「本当に自分の方が強いと思うなら、この場はたまたま運が悪かったと負けを認めて、次の機会に倍返しにでも100倍返しにでもしてやればいいじゃないですか。
僕には貴方が『今』このデュエルにこだわる理由が分かりかねます……いや、一つだけ想像はつきます。今のところそうとしか思えません、素良さん」

どん兵衛「『自分の体調が万全でない今しか、本当に負けたときに言い訳ができないから』……としか」

遊矢「どん兵衛!ちょっと言い過ぎ……」


素良「黙れええええぇぇぇぇぇ!!!」


「「!!」」


素良「どん兵衛!!君は何もわかってない!!何一つ!!『次』なんて無いんだよ!!本当の戦いに、『次』は無いんだ!!」

ユート「その通りだ」

遊矢「!」

ユート「だが敵とはいえ、これ以上傷つけるのは忍びない。大人しくサレンダーすれば、苦しむことなく終わりにしてやる」

遊矢「何する気だ!お前、素良に何を!」

ユート「…………」

遊矢「答えろ!あの黒咲って奴も素良に何かしようとしていた!」

ユート「瑠璃を助けたければ、融合を滅ぼせと言ったな」

遊矢「……瑠璃……」

ユート「巨大な建物も蟻の一穴から崩れるという。君は融合という壁に我々が最初に穿つ、小さな亀裂となってもらう」

遊矢「やめろっ!これ以上俺の仲間を傷つけるのは許さない!」

遊矢「やるなら……俺が相手だ!!」


『Battle Royal Mode Joining』


遊矢「俺のターン!」LP4000


どん兵衛「……形式こそバトルロイヤルだが、遊矢は貴様のデュエルを引き継いでくれたのだ。
貴様のターンが回ってこないうちにそっと引き上げておけ……これ以上己の品位を下げないようにな」

素良「さっきの攻撃でオーバーレイユニットを二つ使っていれば、あいつは僕を倒せたはずなのに……どこまで……どこまで僕を馬鹿にすれば気が済むんだ……ッ!」

どん兵衛「……おい小僧、人の話をちゃんと聞け。まあ何だ、貴様の気持ちも分からないでもない。連敗は屈辱だろうが、
これが今の貴様の実力だと受け入れる以外にはどうしようもないだろう?だが心配するな、人間とは成長することができる生き物だ。
貴様もすぐに奴らを追い抜いて……」

素良「奴らを追い抜くだって!?冗談!!今すでに僕のほうが強いんだ!今更追い抜けるかよ!!」

どん兵衛「いや、だからな……」

素良「僕はまだ全力じゃない!本気を出せば僕の方が強いんだってことを思い知らせてやる!!」

どん兵衛「…………」

素良「だいたい何なんだよあいつ!!大観衆の前で人が折角盛り上げようとしてやってたのに聞いてもいない自分語りで試合のテンポ阻害しくさって!!そりゃあ空回りもするよ実力も出し切れないよ!!僕があの場であのテンションを維持するのにどれほど無理してたかわかってんのか!!人間の大多数はスピーチ恐怖症っていって大人数の前でスピーチしたり何か発表したりするときには緊張で本来のパフォーマンスを発揮できないんだよ!!そういう生き物なんだよ先天的に!!僕はその例外だってのかふざけんな!!いくらデュエルに熟練しててもそれとこれとは話が別なんだよ!!それに今日は試合に備えて朝ごはん多めに食べて来たし会場に着いてからもデッキの確認やら何やらで甘いものをほとんど食べてない!試合中にキャンディをたった3本舐めただけだよ!?しかも吹っ飛ばされて一本は途中で落としたし挑発されて一本は噛み砕いちゃったし!!知ってるか!?考えるのには糖分が必要なんだよ!!あの時の僕は糖分欠如だったんだよ!!思考力欠けてんのにデュエルで勝てるか!!そういえば昨日の夜はなかなか寝付けなかった!!遠足の前とか重大なイベントが控えてたら誰だってそうなるだろ!?あらゆる人間の活動において睡眠がいかに重要かって学校で習わなかったのかよ!!あいつはいいよねそんなこと絶対気にしてないだろうから!!昨日はさぞかしぐっすり眠れたことだろうよ!!そのせいか知らないけど今朝からあんまり体調が良くない!!測ってないけど微熱とかあるんじゃないのか!?病人に全力で勝負しろってのかよ無茶苦茶だ!!今朝といえばニュースでやってた占い!!僕の星座今日下から3番目だった!!星座は全部で12個なんだぞ下から3番目っていったらワースト4分の一じゃないか!!一位は乙女座だったけどあいつ絶対乙女座だろ!!運がデュエルにどれほどの影響を及ぼすかなんて今更言うまでもないことだ!!あああもう考えれば考える程うざったい!!!あらゆる要素がマイナスに作用してる!!全ての事柄が悪すぎる!!環境が悪い間が悪い調子が悪い付き合いが悪い体調が悪い都合が悪い日程が悪い状況が悪い運が悪い相手が悪い具合が悪い星の巡りが悪い世界が悪い僕は悪くない!!僕は悪くない!!!絶対に悪くない断じて負けてない!!!僕は!!!負けてなんか……」



パシンッ……



素良「……………………!……?」

どん兵衛「……二度言わすな」



どん兵衛「失せろ、紫雲院素良」



素良「…………――――――――」




――はじめて、

   なまえで

   よんでもらえた――





……初めて、気付いた。

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「小僧……少しは、頭が回るようになったではないか」

「小僧、ちゃんとカメラ回しているか」

「……小僧か。何のことだ」



――だからそれ!素良って呼んでって言ってるじゃん!





「何を生意気な、貴様などまだまだただの小僧だよ」


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今まで、名前で呼んでくれなかったことに、



どれほどの親しみが込もっていたのかを。




素良「……………………ぁ…………」



『ギャオオオォォォォ!!』

『グオオオォォォォ!!』

バギッ! ドガッ!

ユート「永続罠発動!幻影霧剣(ファントム・フォッグ・ブレード)!この効果により今の攻撃は無効となる」



素良「……う…………あ…………!」



ユート「罠発動!ブービートラップE!このカードはフィールドに伏せられた永続罠カード一枚と同じ効果を得る」

遊矢「何!?ってことは、時読みのペンデュラム効果で無効にしていた罠は……」

ユート「そう。幻影霧剣と同じ効果により、君の攻撃は無効とされる……そしてこのカードがフィールド上にある限り、君のドラゴンは攻撃することができない」

遊矢「くっ!俺はこれで、ターンエン……」




素良「うわああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



ユート「!?」

遊矢「素良ッ!?」

素良「ぐううぅ……ああああぁぁぁ畜生!!畜生!!!畜生ぉぉぉぉ!!!!!僕のッ……ターン!!」ビシュッ

遊矢「おっ、おい!?お前はもう休んで……」

素良「うるさいうるさいうるさいうるさい!!!遊矢こそ何もできないんだったら引っこんでろよ!!」

遊矢「お前こそそんな体で無茶するな!それにお前はライフだって既に減って……」

素良「……頼むよ…………遊矢」

遊矢「!」

素良「今の僕が……この上もしも、あいつにまで負けるようなことがあったら……馬鹿にされたまま、尻尾巻いて逃げるようなことがあったら……
僕は、もう……どうしたらいいのか…………わかんない……っ」


素良「頼む……もうこれ以上、僕から…………『僕』を奪わないでくれ……!」グスッ

遊矢「!?泣っ……素良、お前……!?」

素良「…………」グシグシ

遊矢「……お前の気持ちはわかった。あいつとのデュエルは続けてくれて構わない……だけど代わりに、俺の質問に答えてくれ」

素良「……何さ」

遊矢「お前達が……瑠璃を攫ったのか?」

ユート「……!」

素良「…………」

遊矢「……なら、お前の方は何か知らないか、ユート……お前がユートなんだろ?」

ユート「そうだ」

遊矢「教えてくれ。一体何があったんだ?お前達は何でこんなに憎しみ合わなきゃならないんだ!」

ユート「…………」

遊矢「何で黙ってるんだよ!答えろよ!!」

素良「……そいつにその質問は酷だよ遊矢」

遊矢「!」

素良「それに答えるということはイコール、自分たちがいかに弱かったかを語るということなんだから」

遊矢「……?」

素良「……そいつは負け犬の残党。僕の仲間達が制圧した」


素良「エクシーズ次元から逃げてきた奴らなんだよ」


遊矢「エクシーズ……」

どん兵衛「次元……!?」

ユート「黙れ!我々は制圧などされていない!俺も隼も逃げてきたわけじゃない!この世界に来たのも、融合次元に対抗するため……!」

遊矢「融合次元!?エクシーズ次元とか融合次元とか、一体何なんだよ!?」

素良「そいつもあの黒咲って奴も、この世界の人間じゃない。エクシーズ次元から……別の世界からやってきたんだ」

遊矢「別の世界!?」


どん兵衛(……?…………?何を……言っているんだ……!?)

どん兵衛(異世界が存在すること自体は何らおかしくない……アストラル世界にバリアン世界、二つも存在するのだから、他にいくつあっても不思議はない)

どん兵衛(だが、黒咲の話……故郷……侵略……敵…………ハートランド?いや、いや、いやいやいやいや、どう考えても)




                 ・・・・
どん兵衛(エクシーズ次元って…………ここだろ?)




続きは今全速力で書いてますのでもう少しお待ちを……
畜生いいよなぁGWがある奴らは!

この長口舌

鶴喰くんかな…?

>>249
よくわかったな
そうともあたしゃめだか大好きよ、ヌシニクルやカステリスクに匹敵する超弩級クソ漫画だと思うけど大好きよ

誤解させてしまってすいません、クソというのは褒め言葉です(言彦編を除く)
定期的に立つ西尾叩きスレを見る度に、彼の本は低年齢層をターゲットにしているということを思い知るのですが、どうしても脱却できません。面白い。

次から投下になります

素良「……はい、話したよ。もういいよね」

遊矢「いいわけあるか!事情が全く……」

素良「いくぞ、罠発動!デストーイ・カスタム!」

遊矢「おい!!」


どん兵衛(ありえん……我はつい先日ハートランドに行き、実際にそこでナッシュとも会った。間違いなくハートランドはそこに存在していた……この場所と地続きで!)


素良「この効果で墓地のエッジインプ・トマホークを、デストーイモンスター扱いで特殊召喚!」

素良「更に墓地のエッジインプ・DTモドキは、自身をデストーイモンスターとして扱うことができる!」


どん兵衛(ハッタリか?いや、それにしてはユートの反応が……本当にどういうことなんだ?考えろ、考えるんだ……知略を巡らせてなんぼのドン・サウザンドだろう!)


素良「これで条件は整った……僕に下らない情けなんてかけなければよかったね。自分の愚を悔やみながらやられちゃいなよ」

遊矢「素良!相手に情けをかけられてまで勝って、お前はそれで嬉しいのかよ!」


素良「嬉しいわけないだろうがああぁぁぁぁぁ!!!」


遊矢「!?」

素良「悔しいさ!!胸糞悪い!!こんな奴に舐められたまま、勝ちを譲られたまま勝負を終えるなんて最悪だ!!
でもね……どんなに、どんなに最悪でも!悔しくても!みっともなくても!這いつくばってでも!!言い訳してでも!!…………友達を!!失ってでも!!!」


どん兵衛「っ!?」


素良「こいつらにだけは!!負けちゃいけないんだ!!!」

遊矢「どうして、そこまで……」

素良「……さっき言ったよね。こいつらのエクシーズ次元は僕の仲間達が制圧したって」

素良「その戦いぶりは誉れあるもの……彼らは勇敢に戦い、見事に勝利を収めた。その栄光に泥を塗るわけにはいかないんだよ」

素良「こう見えても僕はアカデミアの特進クラスの中で最も優秀と言われ、特別任務に抜擢された名誉隊員だ。
このデュエルは決して僕だけのものじゃない……仲間達の、アカデミアの誇りを背負って戦っているんだ!!」

どん兵衛「…………!!」

どん兵衛(黒咲に負けてからの、此奴の見苦しい言い振り……あれは全部、自分の為ではなく、仲間達の誇りを守るためだったというのか……!?
その栄光に泥を塗らないよう、自分が泥を被ってでも……この、小僧は……!)

どん兵衛(……糞っ、我は何という事を言ってしまったのだ!目先の小僧の態度にばかり目を囚われ、奴の心中になぞまるで考えが至らなかった!)

どん兵衛(駄目だ、我はまだ心のどこかで人間を侮っている。人間とは本来『こういう生き物だと』、我は学んだはずではなかったのか……!)

どん兵衛「お、おい……」


素良「魔法カード!!魔玩具融合を発動!!フィールドのエッジインプ・トマホークと、墓地のエッジインプ・DTモドキ、デストーイ・シザー・ベアーを融合させる!!」

ユート(……まずいな。前のターン、隣の彼――遊矢といったか――の攻撃を防ぐために伏せカードを使いきってしまった……これは想定外だ。
常に最悪の状況を想定して動くのがレジスタンスの信条だが、まさか増援がやってくるとは思わなかった)

ユート(遊矢の方は落ち着いて事情を話せば矛を収めてくれそうだが、そうにしてもこのターンは耐えなければならない。こればかりは運を天に任せるしか……)


キィン…


ユート「うっ……!?」

ユート(何だ、急に耳鳴りが……?)




キィン…



『―――――ハ……―――ナイ……―――――ニ……』



ユート(……声……?だ、誰だ……!?)


素良「さあ、見せてあげるよ!これがアカデミアで培った、本当の!本物の融合召喚!!僕の誇る最強モンスターで、君を叩き潰して……っ!?」


ザ…………ザザザ……


『DUEL CLOSED』


素良「……あ……あ…………やっ、やめろ!やめてくれぇ!!もう勝てるんだ!!あいつを倒せるんだ!!」

遊矢「な、何だ……!?」

どん兵衛「デュエルディスクが……」

素良「お願いだ……ここで帰ったら、僕は一体、何のために……!!」


コオオオォォ……


素良「嫌だ……嫌だ……!帰りたく、ないぃ…………遊矢……どん、兵衛…………誰か……助けて…………」

どん兵衛「くっ!」ダッ

遊矢「素良っ!!今助け……」


シュウウゥン……


……………………


遊矢「……き……」

どん兵衛「消えた……!」

ユート「……奴は融合次元に戻った」

遊矢「戻った?」

ユート「ああ、奴は元々向こうの世界の人間だ」

遊矢「向こうの世界……って、さっきから何馬鹿なこと言ってんだ!」

どん兵衛「…………」

どん兵衛(不覚……我はまだ、あの小僧に一言も……一言も謝っていないというのに)

どん兵衛(こうなってしまった以上、今の我には何ができる? ユートから融合次元とやらへの行き方を聞き出すか……
いや、奴がそれを知っている保証はないし、そもそもその話が本当なのかどうかが既に怪しい)

どん兵衛(第一今は遊矢がいる。今自分たちがいる世界とは別の世界が存在するなどと聞かされれば……)

遊矢「俺たちの今いる世界とは、別の世界があるっていうのか!?」

ユート「そうだ」

どん兵衛(……と、普通はああいう反応をするだろう。奴の前で『千葉どん兵衛』が別世界の存在を前提とした会話をすることはできん)

ユート「……紫雲院素良がいなくなったことで、今は俺のターンだが……最早このデュエル自体が意味を成さなくなってしまった」

ユート「俺は速攻魔法、非常食を発動。自分フィールドの魔法・罠カードを墓地に送り、一枚につき1000ポイントライフを回復する。ターンエンドだ」

遊矢「いいのか?罠の効果がなくなれば、俺はオッドアイズでお前を攻撃できる」

ユート「やりたければやれ」

遊矢「……く……!できるわけないだろ!」カシュン

ユート「…………」カシュン

どん兵衛(中断か……。しかしこの状況では依然、我は受けに徹するほかない。融合次元への手がかりを……何でもいいからしゃべれユート!聞き出せ遊矢!)

遊矢「……お前は素良を、融合世界を滅ぼすための蟻の一穴にすると言っていた。だけど素良が消えた今、お前はどこかほっとしてるんじゃないのか?」

ユート「……ああ、そうだな。君が乱入してきたおかげで俺は伏せカードを使い切り、奴の攻撃を防ぐ術は残されていなかったからな」

遊矢「そうじゃない!素良とのデュエル、オーバーレイユニットを二つ使えば勝てたはずなのに、お前は一つしか使わずに素良のモンスターを破壊するだけで終わらせようとした」

遊矢「お前、本当は戦いたくないんじゃないのか?」

ユート「…………奴らは……アカデミアの連中は侵略者だ。エクシーズ次元を蹂躙し、仲間の……親友の妹を連れ去った」

遊矢「お前たちの故郷……エクシーズ次元が?」

ユート「アカデミアの連中はそう呼ぶ。奴らが融合召喚を使うように、俺たちの世界の決闘者はみんなエクシーズ召喚を使っていたから」

ユート「だが……それは決して戦いのための道具ではなかった。俺たちのデュエルは、みんなが笑顔で楽しむためのもの。
そう、あの日……アカデミアが襲いかかってきたあの日までは、ハートランドには笑顔が溢れていたんだ……」

どん兵衛(今、確かにハートランドと言ったな……とすればやはり奴の故郷、イコールエクシーズ次元はここだということになる。
しかし奴の話では、エクシーズ次元は既に滅んだという……まるで意味がわからんぞ)

ユート「奴らは次々と、人間をカードに変えていった」

遊矢「カードに……そんなことやっぱり信じられない!デュエルを使って世界を侵略だなんて!」

ユート「遠い世界の自分には関係のないことだと思うか?だが、君の目に見えることだけが全てじゃない。見えないところでは様々なことが起こっているんだ。
現実に俺の目の前で、何人もの人たちがカードにされていった」

遊矢「俺たちが知らない世界……。本当にあるのか?融合次元やエクシーズ次元が……それじゃ、もしかしたら」

ユート「ああ、確実に存在する。シンクロ次元も」

ユート「何故世界がデュエルの召喚法によって分かれているのかは謎だ。だが事実であることは間違いない」

遊矢「それじゃ、ここは?俺たちのいるこの世界は何て呼ばれているんだ!」

ユート「『スタンダード』……アカデミアの奴らはそう呼んでいた。全ての世界の基礎となる、中心の世界ということだろう」

どん兵衛(スタンダード……中心の世界……。……?何か……何か引っかかる)

どん兵衛(何だ、何が引っかかっている……?そんな言葉は今初めて聞いたはずなのに……)

遊矢「……次元がどうのなんて俺にはさっぱりわからない。でもこれだけはわかる」

遊矢「デュエルは争いの道具なんかじゃない!ましてデュエルで侵略なんて……」

遊矢「俺の信じるデュエルは、人を笑顔にするための……人を幸せにするためのエンタメだ!そんなデュエルを,
人を傷つけるために使うなんて許せない!」

ユート「……お前……」




カッ!!



バゴッ!



ユート「!?」

どん兵衛「な!?」

遊矢「何だ!?」


キュイイィ…


「痛っちっち……ったく、何だってこんなモンが突っ立ってんだ!?」


カポッ


ユーゴ「ったくよ」


「「!!」」


どん兵衛「また……同じ顔……!」


ユート「お前は……」

ユーゴ「ん?……あっ、オメーは!ここで会ったが百年目!探したぜ!」

遊矢「お、俺にそっくりな奴が二人……!?」

ユーゴ「この前は余計な邪魔が入って有耶無耶になっちまったが、一対一なら負けるわけがねえ!さあ俺とデュエルだ!今度こそ絶対ぇテメーをぶっ倒してやるぜ!!」

ユート「いいだろう、相手になってやる!融合の手先め!」

遊矢「融合の手先!?」

ユーゴ「何がユーゴーだ!!俺の名前はユーゴだ!!間違えてんじゃねぇ!!」

遊矢「ユーゴ!?」



『デュエルモード・オン!オートパイロット・スタンバーイ!』


ユーゴ「いくぜ!!」カポッ


ギュイイイィィ!!


「「デュエル!!」」


どん兵衛(デュエルはいいが何故バイクに乗ったままやるのだ!?)

遊矢「あ、あのバイクがデュエルディスクなのか!?」

ユーゴ「先手必勝!俺のターン!!」

ユーゴ「自分フィールドにモンスターが存在しない時、手札からSRベイゴマックスを特殊召喚できる!更に俺は手札からレベル3のチューナーモンスター、SR三つ目のダイスを召喚!!」

遊矢「チューナーモンスターってことは……!」

ユーゴ「俺はレベル3のベイゴマックスに、同じくレベル3の三つ目のダイスをチューニング!!」

ユーゴ「十文字の姿持つ魔剣よ、その力で全ての敵を切り裂け!」


ギュウゥゥン!!


ユーゴ「シンクロ召喚!!現れろ、レベル6!HSR魔剣ダーマ!!」

遊矢「シンクロモンスター……あいつもしかして」

どん兵衛(シンクロ次元の……?)

ユーゴ「魔剣ダーマの効果発動!1ターンに一度、墓地のSR一体を除外し、相手に500ポイントのダメージを与える!」

ユート「うっ!」LP4000→3500

ユーゴ「俺はカードを一枚伏せて、ターンエンドだ」

遊矢「シンクロ使いのユーゴ……でも、ユートの敵は融合次元じゃ?」

ユート「俺のターン!」

どん兵衛(……何やらよくわからんが、ひとまずこのデュエルがひと段落つくまでユートに逃げられることはなくなった。
しばらくは腰を据えて頭を捻ることができる……さて、我は何に引っかかっていたのか?)

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ユーゴ「わかってる……お前もあいつと戦いたがってるってことは。今すぐ呼び出してやるからな!いくぜ!!」

ユーゴ「俺はレベル4のダブルヨーヨーに、レベル3の三つ目のダイスをチューニング!」

ユーゴ「その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!!」


ユーゴ「シンクロ召喚!!現れろレベル7!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!!」


遊矢「クリアウィング・シンクロ・ドラゴン……ユーゴもドラゴンを!」

ユート「……!」

どん兵衛(あーでもない、こーでもない、むむむ……)

ユーゴ「バトルだ!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン、ブレイクソードを攻撃!」

ユーゴ「旋風の!ヘルダイブスラッシャアアァァァ!!」


ドゴオオオォン!!


ユート「ぐああぁぁ!!」LP1800→1300

遊矢「ゆ、ユート!」

ユート「来るな……!ブレイクソードの効果発動!このモンスターがフィールドを離れた時、その素材となったモンスターのレベルを4にして特殊召喚する!」

ユーゴ「ふん。そいつらが戻ってきたなら、邪魔な奴には消えてもらうぜ!魔法カード、ヒドゥン・ショット!俺の墓地からSRダブルヨーヨーを除外し、ダスティローブを破壊する!」

ユーゴ「これで俺はターンエンドだ……俺がその二体を残してやった意味がわかるだろ。さあ来いよ、待ってんだよ……俺のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンが!」

ユート「!」

ユーゴ「俺がここに来たのも、ドラゴンに導かれたからに違いねえ。お前らがハートランドと呼ぶ世界でもそうだった」

遊矢「……!」

ユーゴ「さあ呼ぶがいい!お前のダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを!」

ユート「……決着……!俺のターン!俺はレベル4のラギッドグローブと、サイレントブーツでオーバーレイ!」

ユート「漆黒の闇より、愚鈍なる力に抗う反逆の牙!今、降臨せよ!」


ユート「エクシーズ召喚!!現れろランク4!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」



『グルルルゥ……』

『ギシャアアァァ……』

遊矢「!?うっ!!」ドクンッ!

どん兵衛「ぶつぶつ……ん?ど、どうしたんですか遊矢!」

遊矢「何だ、この感じは……!さっきより胸が、熱い……!」

ユート「……う……く……」


ユート「ッ!!」ギランッ!


遊矢「!?ユート!!」


ユーゴ「ぐううぅ……!!」ギランッ!


ユート「よかろう……決着を付けてやる。俺のダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンで貴様を……全てを!破壊する!!」


遊矢「ユート……!?」

ユート「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンのモンスター効果発動!オーバーレイユニットを一つ使い、
レベル5以上の相手モンスターの攻撃力を半分にし、その数値分攻撃力をアップする!トリーズン・ディスチャージ!!」

ユーゴ「クリアウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動!レベル5以上のモンスターが効果の対象になった時、その効果を無効にして、発動したモンスターを破壊する!」

遊矢「無効にして破壊!?」

ユーゴ「俺はクリアウィング・シンクロ・ドラゴンに対して発動したダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの効果を無効にし、破壊する!ダイクロイックミラー!!」

ユート「罠発動!幻影翼(ファントム・ウィング)!その破壊を無効にし、ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力を500アップする!!」

遊矢「かわした!その上攻撃力のアップまで!」

ユート「滅ぼす……貴様を……全てを!!」

遊矢「……ユート……?」

ユーゴ「全てを破壊し……全てを焼き尽くし……!!」

遊矢「ユーゴ……!?」



「「全てを消滅させる!!!」」



どん兵衛「……これは……!!」

どん兵衛(根拠は無い……だが直感でわかる、確信できる!二人の目が光りだしたあの瞬間から、このデュエルは『変わった』……!
同じだ、我らのデュエルと!我と遊馬、ナッシュが戦った時と……!)


どん兵衛(このデュエルの敗者は……死ぬ!!)

遊矢「何言ってんだよ……?やめろよ……!これ以上、デュエルで……デュエルで憎しみをぶつけ合うのは!!」

ユート「いけ、バトルだ!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!クリアウィング・シンクロ・ドラゴンを……」

遊矢「やめろ!!」バッ

遊矢「こんなのデュエルじゃない!俺は認めない!デュエルは人を笑顔にするもの!人を幸せにするもの!人を傷つけるものなんかじゃない!!」

ユート「…………」

遊矢「お前だって言ってたじゃないか!!お前の故郷では、デュエルで笑顔が溢れてたって!!ハートランドでは……!!」

ユート「……!」

ユート「…………俺はもう、誰も傷つけたくない……!!うっ……!」ガクッ

遊矢「ユート!」

ユート「俺はこれで、ターンエン……」


ギィン!!


ユート「うっ!!?が……あ……ッ!!」

遊矢「ユート!?どうしたんだユート!!」

ユート(また耳鳴り!?あ、頭が……割れそうだ……!!)



『―――――ハ……―――ナイ……―――――ニ……』



『―ケル――ハ……――サナイ……――ノ――ニ……』



ユート「……ハァ……ハァ…………はっ!?ち、違う、待て!ターンエンドの前に、カードを二枚伏せる!」

遊矢「ユート、大丈夫か!?」

ユート「はぁ、はぁ……」

ユート(あの声は一体、誰なんだ……何と言っていたんだ……)

どん兵衛「駄目ですッ、遊矢!!」


ユーゴ「俺のターン!」


遊矢「!!」

どん兵衛「あっちはまだ正気に戻っていない!!」

ユーゴ「俺は手札から、SRシェイブー・メランを召喚!」

遊矢「やめろ!!お前ももうやめるんだ!!」

ユーゴ「シェイブー・メランのモンスター効果発動!1ターンに一度これを守備表示にして、場のモンスター一体の攻撃力を300ポイント下げる!」

遊矢「?今のダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンの攻撃力は3000、300下げても……」

ユーゴ「俺はクリアウィング・シンクロ・ドラゴンの攻撃力を下げる!!」

遊矢「何!?」

ユーゴ「この瞬間、クリアウィング・シンクロ・ドラゴンの効果発動!レベル5以上のモンスターが対象になったことにより、その効果を無効にし、
発動したシェイブー・メランを破壊する!ダイクロイックミラー!!」

遊矢「そうか!お前も……」

ユーゴ「そして!破壊したモンスターの攻撃力分攻撃力をアップする!!」

遊矢「何だって!?」


クリアウィング・シンクロ・ドラゴン

ATK2500→4500

ユーゴ「バトルだ!!クリアウィング・シンクロ・ドラゴン!!ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンを攻撃!!」

どん兵衛(まずい!このままではユートが死ぬ!あの伏せカードは……!?)

ユーゴ「旋風の!!ヘルダイブスラッシャアアァァァ!!!」


『ギシャアアアァァァ!!!』

『ギャオオオォォォ!!!』


ユート「……!!即効魔法、神秘の中華なべを発動!!自分のモンスター一体をリリースし、その攻撃力か守備力の分だけライフを回復する!
俺はダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴンをリリースし、攻撃力分のライフを回復する!」LP1300→3800

どん兵衛(くっ、駄目だ!それでもクリアウィングの攻撃は耐えられない!二枚目のカードを発動するそぶりも無しか……仕方ない!)

遊矢「……!!」

ユート「!遊矢ッ!!」バッ!



ゴゴゴゴゴ……!!


ユート「く……!」



どん兵衛(ヌメロン・リライティング・ポイント!!)



ユート「……………………、…………ん……?」

遊矢「……あ、あれ?ユーゴは……?」


どん兵衛(ユーゴの位置座標を、適当な別の場所に書き換えた。デュエルは中断、さしあたりユートの無事は保証された……全く世話の焼ける)

遊矢「な、何かよくわからないけど助かったんだな!ユー……」



ドサッ……



遊矢「…………ト……?」


ユート「――――――――」


どん兵衛「……………………は?」



カッ!!



遊矢「!?何だ……!?ダーク・リベリオンと、オッドアイズが……光ってる……!」


どん兵衛(……馬鹿な……!!何故!?どうして!?どうしてユートが……消えようとしている!?)

どん兵衛(有り得ん!!我は確かに相手のユーゴを飛ばした!!あの時点でデュエルは流れたはず…………ま、まさか……!?)

どん兵衛(対戦相手が途中で……否、今まさに『決着が付くという瞬間に』いなくなったから、その時点で既に明らかだった勝敗が『適用』されたとでもいうのか!?
ふざけるな……そんな馬鹿な話があってたまるか!!もし本当にそうだとしたなら、それはつまり)

どん兵衛(二人の目が光った瞬間に!デュエルの意味合いが変わった瞬間に!我が勿体を付けずにさっさとユーゴを飛ばしていれば!!
目の前のこの男は……死なずに済んだということではないか!!)


ユート「…………う……」

遊矢「!ユート、しっかり!大丈夫か!」


どん兵衛(冗談じゃない!!この……このドン・サウザンドが!!日に二度もこんな大失態を犯してたまるものか!!…………まずは落ちつけ、落ちついて考えるんだ)

どん兵衛(死にかけてこそいるが、ユートはまだ生きている。我の持つヌメロンコードの欠片は現在の事象を書き換えることしかできぬ故、
死後では最早打つ手がなかったが、今ならまだどうとでもなるはずだ)

どん兵衛(考えろドン・サウザンド……何を書き換えればこ奴を助けられる?)



ユート「……………………」ニコッ


つ[ダーク・リベリオン]


ユート「……デュエルで…………笑顔を」

遊矢「え……?」


どん兵衛(……大丈夫だ、焦るな……欠片とはいえヌメロンコードは万能の力、そしてそれを振るうのはこのドン・サウザンド。たかが人間一人の命程度、救えぬ道理など何一つない。
落ちついて考えろ、我ならば思いつくはず……)


ユート「君の力で、世界に…………皆の未来に……笑顔を」


どん兵衛(……………………、…………思いつく……はずだろ……?救えるはずだろ?我はヌメロンコードの所有者で、バリアンの神で、一度は世界だって手に入れた程の存在だぞ?)



どん兵衛(何か……何かあるだろ!?何故思いつかないのだ!!どうして頭の中がこんなに真っ白なのだ!?)


どん兵衛(有り得ん……有り得ん有り得ん有り得ん有り得ん絶ッッッ対に有り得ん!!このドン・サウザンドが!!たった一人の!!人間ごときの命をッ!!)



遊矢「俺の……力で……?」

ユート「…………」コク



どん兵衛(救うことすらできないなどという…………!!)




ユート「……………………!――――」




パシュウゥゥン……



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柚子「はぁ、はぁ……あっ、遊矢!?それにどん兵衛も!」


遊矢「……………………」フラッ…


ドサッ……


柚子「え!?ッ……遊矢!!遊矢!?」

柚子「どうしたの!?何が……一体何があったの!?しっかりして遊矢!」ユサユサ

柚子「ど、どん兵衛!貴方見てたんでしょう!?教えて!ここで一体何があっ……」


どん兵衛「……………………」


柚子「……!?」

柚子(な、何て虚ろな目を……!?こんな顔のどん兵衛、今まで見たこと……)


どん兵衛「……………………」

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素良「このデュエルは決して僕だけのものじゃない……仲間達の、アカデミアの誇りを背負って戦っているんだ!!」

素良「嫌だ……嫌だ……帰りたく、ないぃ…………遊矢……どん、兵衛…………誰か……助けて…………」

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ユート「…………俺はもう、誰も傷つけたくない……!!」

ユート「君の力で、世界に…………皆の未来に……笑顔を」

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どん兵衛「何が――――だ……」



柚子「え……?」




どん兵衛「何が……ドン・サウザンドだ……」



どん兵衛「何がバリアンの神だ……何がヌメロンコードだ……何が世界を手に入れた存在だ……」



どん兵衛「友の心を察することもできず……目の前で消えゆくたった一人の人間の命すら……救うこともできない…………」




柚子「…………?」





どん兵衛「…………我は――――――――」









      「…………弱い…………」








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ピリリリリ…


零児「私だ」ピ

中島『現場で、エクシーズ次元のものと思われるデュエルディスクを発見しました』

零児「……回収し、私の元へ」

中島『了解しました……しかし社長、ひとつ気になることが』

零児「気になること?」

中島『はい。このデュエルディスクにセットされていたデッキを確認したところ、奇妙な…………うッ!?』


ザザッ…


零児「?……どうした、何かあったのか中島」

中島『…………』

零児「「……中島……?」

中島『……いえ、何でもありません。私の勘違いだったようです。デュエルディスクには別段、不審な点は見当たりません』

零児「…………、……そうか」

中島『とにかく、至急そちらに持っていきますので』

零児「ああ、頼んだ」ピ


零時「……………………」

ミス



中島『…………』

零児「「……中島……?」

中島『……いえ、何でもありません。私の勘違いだったようです。デュエルディスクには別段、不審な点は見当たりません』

零児「…………、……そうか」

中島『とにかく、至急そちらに持っていきますので』

零児「ああ、頼んだ」ピ


零児「……………………」

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


『――――――――』

『――――危ない所だった。この男がデュエルディスクを拾い上げなければ、本当に死んでいた。しかし、ユートの奴……』


『負ケルコトハ ユルサナイ ワレノタメニ』


『何度もわざわざ忠告してやったのに、結局最後はお陀仏とはな。まああんなアクシデントはこの我にとっても想定外、特別に不問としよう』

『まったく、あれさえなければあのドラゴンの攻撃を『受けた後』にこの罠が発動し、少なくともあのターン奴が負けることは無かったというのに……』スッ



ディスペアー・ストラグル

通常罠
このカードは自分のライフポイントが0の時に発動することもできる。
(1)自分フィールドにこのカード以外のカードが存在せず、自分がダメージを受けた時に発動できる。自分のライフポイントを100にする。
  その後、受けたダメージ1000ポイントにつき1枚、デッキからカードをドローする。



『しかしまあ、この世は上手く釣り合いが取れているな。不運の後には幸運がやってくる……おかげで我は死ぬことなく、こうして新たな宿主を捕まえることができた』

『だが、デュエルそのものは消化不良。肝心の『食糧』は食い損ねてしまった……やれやれ』





e・ラー『腹が、減ったな』




ここまでです

何であの話が嫌いかって?安心院さんが死んだからさ!!

シュッ


---榊家---


遊矢「――――――――」


洋子「…………」

柚子「……もう、2日も目を覚まさない……」

柚子「結局素良も見つからないし、唯一事情を知っていそうなどん兵衛はあれからずっと音信不通。一体、何で……どうしてこんなことに……!
このまま遊矢が、ずっと目を覚まさなかったら……!!」

洋子「……大丈夫」ガシッ

柚子「!」

洋子「遊矢はそんなヤワじゃない。父親が姿を消してから3年……ずっと自分の殻に閉じこもってたこの子が、あのストロング石島との戦いで目覚めたように」

洋子「今度も、きっと目を覚ます。今までよりずっと強くなって!」

柚子「…………!」

洋子「そしてそれはきっと、どん兵衛も同じ……」

柚子「どん兵衛も?」

洋子「あの子は遊矢に憧れて遊勝塾に入ったんだろ?だからってわけじゃないけど、あの子は今、遊矢の後を追っている……遊矢の通った道をなぞっているんだと思う」

柚子「遊矢の通った道……?それって……」

洋子「そう。遊矢が目覚めるのがこれで『二度目』だとするなら、どん兵衛……あの子は『一度目』、生まれて初めて目覚めようとしている。
自分の殻を破ろうとしているのさ」

柚子「で、でも、それなら……どうして私たちに何の連絡もしてくれないんですか?遊矢がストロング石島と戦った時だって、
ニコさんの斡旋や、塾のみんなの応援が……」

洋子「……そこが、心配なところだね」

柚子「!やっぱり……!」

洋子「自分一人で自分の殻を破るっていうのは、えらく難しいことでね。まあ当然さね、その殻を張ってるのが他でもない自分なんだから……
でも今みたいに他人を遠ざけたくなることも、また当然なんだ。殻を破ろうとしているってことは、逆に言えば今は殻に閉じこもってるってことなんだから」

柚子「それじゃあ、どん兵衛は……!?」

洋子「今のままでは、はっきり言って厳しいかもしれない。できるなら誰かが側にいてあげたほうがいいんだけどね……居場所がわからないことには、どうにもできない」

柚子「……今年の大会、どん兵衛のデュエルは明日……」

洋子「あと一日。果たしてそれまでに、あの子が『目覚める』ことができるかどうか……こればっかりは、祈るしかないね」

柚子「……遊矢……どん兵衛……!お願い……!!」

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「……………………」



(あの後どうなったかは記憶にない。気付いたら家にいたから、どうにかして帰ることはできたのだろう)

(我に返ると、すぐさま布団に潜り込んだ。忘れたかった。逃げたかった。己が犯した失敗から)

(しかし瞼を閉じるとその裏に、あの光景が鮮明に映し出された。忘れてはならぬ。逃げてはならぬ。そう言って我を追いかけてくるようだった)

(たまらずに目を開ける。時刻は既に深夜、放っておけばその内意識は沈んでいく……そう思っていた。だがそれは、夢の中までも我を追ってきた)

(見た夢は、先程の光景ではなかった。もっと昔……我の犯した初めての失敗。……九十九遊馬とアストラル、ナッシュを相手に大敗を喫した、あの光景だった)

(我のエースの攻撃力をホープが上回ったあの瞬間。口が開き、心臓はきゅっと縮こまり、頭の中が白くなる。その瞬間が切り取られ、何度も何度も繰り返した)

(そして目を覚ました時……我はもう、自分には何もできないような気がしていた)

(ヌメロンコードを使えば何でもできる。昨日のことはただのイレギュラーだ。いくら自分に言い聞かせても無駄なことだった。我の脳裏には既に『失敗』が刻み込まれていた)

(我が今からする事成す事、その一挙一動、その先に生じる結果に一瞬でも思考が向けば、映し出されるのはまたしても、無様に失敗する己の姿)

(全身を鎖で縛られたような気分だった。縛っているのは自分だった。鎖を振りほどこうとすれば、それに失敗した姿が思い浮かび、また縛られた)

(その日は一日ほとんど動く事ができず、なのに夜にはどうしようもなく疲れていて、いつの間にやら眠っていた。また、同じ夢を見た)

(翌日は逆に、一瞬たりともじっとしている事ができなかった。立ち止まっていれば、『失敗』の鎖に縛られてしまう。追ってくる鎖から逃げたい一心で家を飛び出した)

(別段行くあてがあったわけでもない。しかし我の足は自然と、我をハートランドへ連れて行った)

(黒咲やユートの話を確かめようとする探究心がまだ残っていたのか、それとも単に馴染みの地だからか。歩き疲れた我は今、逃げるのを一旦止め、血の通わぬ石像のようにベンチに腰掛けている――)



「よ」




「……………………」


「……おい、シカトかよ」


「……………………」


「おいこら!返事しやがれこの野郎!」



どん兵衛「…………え?」



凌牙「……うお、どうしたお前。丸くなったと思ったら、今度は随分やつれちまって」


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凌牙「……はー、そんなことが」

どん兵衛「……………………」

凌牙「しかしわからねぇな。その話とドン……兵衛、お前がそんなにブルーになってる事と、どういう関係があるんだよ」

どん兵衛「…………小僧は、もうここにはいない」

凌牙「…………」

どん兵衛「ユートは……死んだ」

凌牙「…………」

どん兵衛「我は、何も……何もできなかった」

どん兵衛「ヌメロンコードという力を持っていながら、我は一人の人間の心すら理解できず、一人の人間の命すら救えなかった」

どん兵衛「我は…………弱い」

凌牙「…………」

どん兵衛「…………」

凌牙「…………お前さぁ」


凌牙「今さら気付いたのかよ、そんな事」


どん兵衛「…………!?」

凌牙「そんなもん昔からじゃねぇか。昔からお前は弱いっつーか、隙だらけだったよ」

どん兵衛「ど、どういう……」

凌牙「ヌメロニアス・ヌメロニア、攻撃表示で出す意味あったか?」

どん兵衛「なぁ……!?き、気付いていたのか……!!」

凌牙「当たり前だろ。そもそもヌメロニアスにあったカオスナンバーズ封印効果が消えてた時点で、(攻撃無効効果はあったけど)俺のアビス・スープラでも
遊馬のホープレイ・ヴィクトリーでも余裕で倒せたんだよなぁあれ。攻撃力10万のインパクトだけで、こけ脅しもいいとこだぜ」

どん兵衛「ぬぐぅ!」

凌牙「あと遊馬とアストラル、あの時エリファスからカード貰ってたろ。あれはアストラル世界のRUMでな、あれをホープに使うと、
攻撃時に相手モンスター全員の攻撃力を0にするホープが出てくるんだ。しかもカオスナンバーズじゃねぇからヌメロニアス意味なし。
あのデュエル中に引かれたら死んでたなお前」

どん兵衛「ぐはぁ!!」

凌牙「あと何だっけ、ヌメロン・ウォール?あれ何でダメージ食らった後にしか使えないんだよ。一撃でやられてたらどうすんだ?
よくあんな既存カードの完全下位互換みたいなのをヌメロンの名前で使えたな、俺だったら恥ずかしくてできねぇぜ」

どん兵衛「もうやめてナッシュ!!とっくにどん兵衛のライフは0よ!!」

凌牙「……とまぁ、お前の独白を全面的に肯定したところで、だ。同時に俺は全面的に否定もする」

どん兵衛「……それはつまり、我は弱くない、ということか?」

凌牙「ああ。お前は強ぇ。今俺が言ったのは『大袈裟な肩書きの割には』ってだけで、5万の効果ダメージだの攻撃力10万だのできるなら、そりゃあ当然それだけで十分脅威だ」

どん兵衛「…………」

凌牙「頭も切れるな。何百年だか何千年だかも前から計画を仕込んで、結果的にはそれが成就して一度はヌメロンコードも手に入れた」

どん兵衛「…………」

凌牙「強いところがあり、弱いところもある。しかもそれについて自分で苦悩してるって?はは、随分と人間らしい……らしくなったじゃねぇか」

どん兵衛「何が言いたいのだ」

凌牙「いいかどん兵衛……お前は自分が弱いことに関して責任を負う必要はないし、自分が強いことに関して責任を負う必要もないんだぜ」

どん兵衛「…………?」

凌牙「そうだな、例えば……『人間にはできなくても、自分にならできること』――この場合は主に善行だが――
お前がこっちに来てどれくらい経ったのか知らないが、数え切れねぇほどあったろう。お前、それ全部『自分がやらなきゃならない』とか思ってるだろ」

どん兵衛「………………かも、知れん」

凌牙「言わせて貰うがなどん兵衛……ドン・サウザンド。あんまり人間を舐めるなよ。
俺達ゃそれしきのことでいちいち神サマに助けて貰わなきゃならねえほど、ヤワにゃできてねぇぜ」

どん兵衛「…………」

凌牙「俺たちの人間社会にお前みたいなのが紛れ込んでることがそもそも有り得ないことだって、忘れてんじゃねぇのかお前」

凌牙「今までずっとそうだった。人間は人間だけでこの世界に存在していて、人間だけで今までの歴史を紡いできた。
お前みたいなのが勝手に介入してきたことこそあれ、こっちから必要としたことなんざ一度もねぇ」

凌牙「つまりだ……お前が悩んでる原因の一つ、そのユートって奴を見殺しにしちまったってことについては」

凌牙「余計なお世話だってんだよ」

どん兵衛「……何だと……?ナッシュ、貴様は目の前で消えようとしている他人の命を救うことが、余計なお世話だと言うのか?」

凌牙「だがお前は、結果として救えなかった」

どん兵衛「……く……!」

凌牙「責めてるわけじゃねぇよ。ただ……不慮の事故だろうが力故の慢心だろうが、『お前ですらユートを救うことはできなかった』。それはつまり、そういうことなんだろ」

どん兵衛「そういう……こと?」

凌牙「避けられない運命って奴なのか、どっかの偉い誰かがそう決めでもしてたのか……何にせよ人の生き死にってのは、
たとえお前みたいな神であっても、そんな軽々しく変えたりはできないもんなんだってことだ」

凌牙「……遊馬は、その辺をよく分かってた。俺もアストラルも分かってなかったことをな……結局最後はそこのところで差が出ちまって、俺は遊馬に負けちまった」

どん兵衛「……………………」

凌牙「今の話で納得しろ、とは言わねぇ。お前がユートの死をこの先も引き摺っていくってんなら、それも仕方ないことだと思う。だけどな」

凌牙「物を引き摺るなんてことは、わざわざ後ろ見ながらやらなくたってできるんだぜ。前を向けよどん兵衛……辛くても、苦しくても。
俺達人間は誰だって、そうやって生きてる」

どん兵衛「……………………」

どん兵衛「……貴様の言う通りだな、ナッシュ。たとえ皮を被っているだけだとしても、人間として生きると決めたのなら……
一度や二度の失敗や挫折で一々沈み込んでいては、きりがない」

凌牙「おう、その調子だぜ。……で、もう一件の方。その、なんとか院って奴の話だが」

どん兵衛「ああ……」


凌牙「お前が悪い!!」ドン☆


どん兵衛「ぬぐっ!こ、今度は随分ストレートに言ってくれたな……!」

凌牙「当たりめーだ!お前は馬鹿か?何自分が見込んだ男をちょっと負けが込んだぐらいで見限ってんだよ!」

どん兵衛「こ、小僧の言い訳があまりにも……」

凌牙「その切羽詰まった様子から察しろよ!お前が見込んだ男は理由もなしにそんな醜態を晒すような奴だったのか!?」

凌牙「つーかそれ以前に、そいつはお前のこと友達って言ってくれたんだろ?何で信じてやれないかねぇ……やっぱまだ悪人根性が抜けきってねーな」

どん兵衛「……言葉も無い……」

凌牙「本来なら今すぐ謝りに飛んでって土下座でも何でもしてこいって言うところだが……そいつはもうどっか行っちまって、今は会えないんだったな」

どん兵衛「……ああ」

凌牙「だったら仕方ねぇ……お前に今できることをするしかねぇな。お前、そいつが『何をしたかったのか』はちゃんと理解してるか?」

どん兵衛「小僧のしたかったこと……か。奴は、仲間の名誉を守らねばならないと言っていた」

凌牙「違げぇよ、もっと根本的なことだ」

どん兵衛「根本的……?…………」

どん兵衛「…………デュエルに……勝ちたかった?」

凌牙「そうだ。それがわかったなら、そいつの代わりにお前がそれをやるんだ」

どん兵衛「……我が……」

凌牙「出てるんだろ?舞網チャンピオンシップ。途中で負けちまったそいつの分まで、お前が勝て。何なら優勝しちまえ」

どん兵衛「…………!」

凌牙「……おい、まさか落ち込んでる間に対戦日過ぎちまったとか言わねぇよな。もしそうだったらもう一度消滅させんぞコラ」

どん兵衛「いや、我の対戦日は明日だ」

凌牙「ギリギリだったな……まあ、間に合ったならいい。ま、同じバリアン人のよしみだ。会場はさすがにもう席取れねぇだろうけど、テレビの前で応援しててやるよ」

どん兵衛「ふん、貴様なんぞの応援が必要になるほど落ちぶれてはおらん」

凌牙「よく言うぜ……調子、戻ってきたじゃねぇか」

どん兵衛「貴様に散々に言われたおかげでな」

凌牙「へっ、どういたしまして」

どん兵衛「……そうと決まれば、こんなところでうかうかしてはおれんな」

凌牙「おう、帰れ帰れ。……お前にも今は、帰る場所があるんだろ」

どん兵衛「ああ……最近になってようやく気付いたよ、その尊さに」

凌牙「ほんと、変わったよなぁお前」

どん兵衛「そうだな、我は変わった……そうだ、我を変えた者たちに恥じぬように、我はもう一度前を向かなければならない」

凌牙「その通りだぜ。じゃあなどん兵衛。大会、頑張れよ」

どん兵衛「任せておけ」


どん兵衛(ナッシュ…………恩に着る)


どん兵衛「…………!そうだ、ナッシュ」

凌牙「あん?」

どん兵衛「その……何だ……物凄く、妙な質問をするのだが……」

凌牙「何だよ」

どん兵衛「…………我が復活する前に……このハートランドで、戦争が起きたりしていないよな?」

凌牙「はぁ?何を言いだすかと思えば……お前、今目の前の景色が見えねぇのかよ」

どん兵衛「だから妙な質問をすると言ったろう。もうよい、今の話は忘れろ……ではな」

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---レオ・コーポレーション本社---


中島「お持ちしました社長。こちらです」

零児「ご苦労。解析室に回してくれ」

中島「は」

零児(…………)

零児「ああ、そうだ……すまないが中島、そこの棚に入っている書類を取ってくれないか」

中島「はい、ただいま」

中島「…………!!」

零児「どうした?中島。『早くパスワードを打ち込んで』、棚から書類を取り出してくれ」

中島「…………社長、大変申し訳ないのですが、パスワードを忘れてしまいまして……」

零児「そうか。ならば、お前は中島ではないな」

中島「で、ですから社長……!」

零児「私は『自分の誕生日』を忘れるような馬鹿を側近にした覚えはない」

中島「!」

零児「答えろ、本物の中島をどこへやった」

中島「……社長、お気を確かに。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。私が本物の中島です。わ私がほんモノの中中じマです。わワ私シがほン本モのノななカじまででででで」

零児「…………お前は、何者だ……?」

中島「……………………」

中島「……貴様の側近の、中島とやらで間違いないよ。それは本当だ。この男は本物の中島だ」

零児「……中島の中に……誰かいるのか?」

中島「その通りだ」

零児「それなら今すぐ中島を解放しろ。要求があるのなら聞く」

中島「要求か。くく、我の望みはただ一つ」

中島「食わせろ……!貴様の『希望』を、全て!!」ジャキン!

零児「……何者かは知らないが、あまり賢くはないようだな。せっかく人質がいるというのに、真正面から戦いを挑んでくるとは」ジャキン!

中島「回り道をしている暇はない……!我は今空腹なのだ!」

零児「そうか、残念だよ。君が君がもう少し友好的に接してくれていれば、社員食堂で何か食べさせてやってもよかったのにな!」


「「デュエル!!」」


中島「我の先行。我はギアギアーセナルを召喚!」

中島「さらに手札からギアギクセルを特殊召喚!このカードは自分フィールドにギアギアモンスターが存在する時、手札から守備表示で特殊召喚できる」

零児(何?こいつ、中島のデッキをそのまま使うつもりか……?)

中島「我はレベル4のギアギアーセナルと、ギアギクセルでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」


中島「出でよ、No.70!デッドリー・シン!!」


零児「!!」

零児(中島のカードではない……!しかもその名前……ナンバーズ、だと?ナンバーズといえば……まさか)

零児「……君は、千葉どん兵衛と何か関わりがあるのか?」

中島「んん……?誰の誰兵衛だと?そんな古臭い名前の奴は知らん。もしかしたら以前会ったことがあるのかも知れないが、とっくに食ってしまっただろうな……ククク」

零児「…………」

零児(使うカードの名前といい、高圧的な口調といい、とても無関係とは思えないが……)

中島「ふん、下らない問答で時間を稼いで、我が餓え死にするまで待つつもりか?愚かな……まだ我のターンは続いている。
我は手札より永続魔法、ランクアップ・スパイダーウェブを発動!」

中島「1ターンに一度、自分のエクシーズモンスターのオーバーレイユニットを一つ取り除くことで、
そのモンスターをランクの一つ高いエクシーズモンスターにランクアップさせる!」

零児「何!?」

中島「我はランク4のデッドリー・シンのオーバーレイユニットを取り除き、オーバーレイ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」



中島「出でよ、No.14!強欲のサラメーヤ!!」


零児(ランクアップ……!これほど高水準のエクシーズ召喚を操るということは、今中島に取り付いている奴は……エクシーズ次元の決闘者か!)

中島「我はこれでターンエンド。さあ、早く貴様のターンを進めるのだ。我を待たせるな、本当に腹が減っているのだからな」

零児(エクシーズ次元の手練れ……しかも千葉どん兵衛の関係者である可能性もある。かなり本腰を入れてかからなければ、中島を取り戻すことはできない……!)

零児「私のターン!」

零児「手札から永続魔法、魔神王の契約書を発動!1ターンに一度、悪魔族の融合モンスターを融合召喚できる。
ただしその代償として、私は自分のスタンバイフェイズ毎に1000ポイントのダメージを受ける……私は手札のDDケルベロスとDDリリスを融合!」

零児「牙剥く地獄の番犬よ!闇夜に誘う妖婦よ!今一つとなりて、真の王と生まれ変わらん!融合召喚!!」


零児「出でよ!神々の威光伝えし王!DDD神託王ダルク!!」

中島「攻撃力2800……!サラメーヤの攻撃力を上回ったか!」

零児「バトルだ!神託王ダルクで、強欲のサラメーヤを攻撃力!オラクル・チャージ!!」

中島「ぬぅ……!だが強欲のサラメーヤは、(ナンバーズ以外との)戦闘では破壊されない!」LP4000→3700

零児「またその効果か……その戦闘破壊耐性は、ナンバーズとやらの共通効果なのか?カードを一枚伏せ、ターンエンドだ」

中島「我のターン!ランクアップ・スパイダーウェブの効果発動!強欲のサラメーヤのオーバレイユニットを取り除き、オーバレイ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」


中島「出でよ、No.21!氷結のレディ・ジャスティス!!」


零児(またしてもランクアップを……!)

中島「ククク、まだ終わらぬぞ。さらに我は魔法カード、エヴォルブ・ディザイアーを発動!」
※オリカ

中島「自分フィールドのランク6以下のエクシーズモンスター一体がオーバレイユニットを持つ時、それを全て取り除くことで、
その二倍のランクを持つエクシーズモンスターへとランクアップさせる!」

零児「何!?レディ・ジャスティスはランク6、その二倍ということは……ランク12のエクシーズモンスターだと!?」

中島「その通りだ!我はレディ・ジャスティスのオーバレイユニットを取り除き、オーバーレイ!ランクアップ・エクシーズ・チェンジ!!」


中島「化天を司る糸よ!儚き無幻となりて、我が滅び行く魂を導け!エクシーズ召喚!!」



中島「現れよ!!No.77!!ザ・セブン・シンズ!!!」



ド ン ☆


零児「攻撃力4000……!!」

中島「ククク……アハハハ!!そうだ、もっと絶望するがいい!!貴様ら人間の希望が潰える時、それが我の糧となる!!」

中島「我はセブン・シンズの効果発動!オーバレイユニットを一つ使い、相手フィールドの全てのモンスターを破壊する!!」

零児「何だと!?」


ドガアァァン……


中島「ハーッハッハッハ!!それだけではない!この効果で破壊されたモンスターは全て、セブン・シンズのオーバレイユニットとなるのだ!!我が糧となるがいい、神託王ダルク!!」

零児「く……!」

中島「そして終わりだ!!ザ・セブン・シンズ、ダイレクトアタック!!」

零児「罠発動!DDDの傷害保証!!自分のDDモンスターが破壊されたターン、自分が受ける戦闘ダメージを一度だけ0にする!」
※オリカ

中島「何?チッ、仕留め損なったか……」

零児「そして、この効果で無効にしたダメージ2000ポイントにつき一枚、デッキからカードをドローする……!」

中島「ふん、そのしぶとさだけは認めてやるが、同じことだ。セブン・シンズのオーバーレイユニットは再び補充された。
次のターンにはまた同じことが起こる……貴様の今の起死回生に見える一手も、ただのその場凌ぎに過ぎない。ターンエンド」

零児「……私の、ターン!」

中島「まずは契約の対価を支払うがいい」

零児「ぐ……!」LP4000→3000

零児「ッ……私はチューナーモンスター、DDナイト・ハウリングを召喚!
ナイト・ハウリングが召喚に成功した時、墓地からDDモンスターを攻撃力0で特殊召喚できる!現れろ、DDケルベロス!」

零児「私はレベル3のDDナイト・ハウリングに、レベル4のDDケルベロスをチューニング!」

零児「闇を切り裂く咆哮よ!疾風の速さを得て、新たな王の産声となれ!シンクロ召喚!!」


零児「生誕せよ!DDD疾風王アレクサンダー!!」

中島「ほう……融合のみならずシンクロ召喚も操るか。だがいくら新たな召喚を見せたところで、セブン・シンズの攻撃力には到底及ばぬ」

零児「まだだ!私は手札から永続魔法、地獄門の契約書を発動!1ターンに一度、デッキからDDモンスター一体を手札に加える代わりに、スタンバイフェイズ毎に1000ポイントのダメージを受ける!」

中島「自ら契約を増やすだと……?」

零児「地獄門の契約書の効果で、デッキからDD魔導賢者ケプラーを手札に加える!そして……」

零児「私はスケール1のDD魔導賢者ガリレイと、スケール10のDD魔導賢者ケプラーで、ペンデュラムスケールをセッティング!!
これでレベル2から9のモンスターが同時に召喚可能!ペンデュラム召喚!!」


零児「現れ出でよ!神々の黄昏に審判を下す最高神!DDD壊薙王アビス・ラグナロク!!」


中島「こ、これは……ペンデュラム召喚、だと!?我さえも知り得ない召喚法が存在するというのか、面妖な!」

零児「さらに、疾風王アレクサンダーの効果発動!アレクサンダーが存在する場合にDDモンスターが特殊召喚された時、墓地のDDモンスターを特殊召喚する!蘇れ、DDリリス!」

中島「無駄だ!何体モンスターを並べようと、セブン・シンズの攻撃力を超えられぬ限り……」

零児「アビス・ラグナロクの効果発動!!」

中島「!!」

零児「1ターンに一度、フィールドのDDモンスター一体をリリースすることで、相手モンスター一体を除外する!!」

中島「何だと!?」

零児「私はDDリリスをリリース!消え去れ、セブン・シンズ!!」


ギュルルルルル……


中島「馬鹿な……我のナンバーズが……!!」



シュウウゥゥ……


零児「……………………!!?」

零児「何故……!?どうしてセブン・シンズがフィールドに残っている!?」

中島「…………ふ……ふふ…………ククク……!」

中島「ハハハハハハ!!馬鹿め!思い上がるなよ人間風情が!!その程度の浅知恵で我を倒せるとでも思ったか!!
セブン・シンズはフィールドから除外される時、オーバーレイユニット一つと引き換えにそれを無効にできるのだ!!」

零児「な…………!!」

中島「ククク……アハハハ!!そうだ、その顔だ!その絶望の表情こそ我が求めていたものだ!さあ食わせろ……我に食わせろ!貴様の希望を食わせろォォォォォ!!!」

零児「……カードを一枚伏せて、ターンエンド……」

中島「我のターン!!」

中島「除外を免れはしたものの、アビス・ラグナロク……我が僕(しもべ)に手を出した罪は重い」

中島「速攻魔法、ドレイン・ストレイン!!このターンエクシーズモンスターが戦闘によって破壊したモンスターは、そのオーバーレイユニットとなる!」
※オリカ

零児「!」

中島「ただ破壊するだけでは済まさん!その死後の魂さえも取り込んでくれる!!」

中島「バトルだ!!ザ・セブン・シンズ!!アビス・ラグナロクを攻撃!!!」

零児「ぐう……ッ!!」LP3000→1200

中島「ドレイン・ストレインの効果により、アビス・ラグナロクはセブン・シンズに吸収される!」

中島「ハハハハハハ!!今の貴様のライフでは、貴様自身が契約した契約書の対価を払うことすらできぬ!
自らのカードによって自滅し、最高の絶望を生み出すがいい!!ターンエンドだ!」

零児「……………………」

中島「……?なんだその顔は……?何故絶望の表情を浮かべない?貴様はこれから自らの契約によって破産するという、この上なく無様な最期を迎えることになるのだぞ?」

零児「……こう見えても、私はこの会社の社長をやっていてね。他者との契約など日常茶飯事だ」

零児「そんな私が、『たかが2枚の契約書の管理程度』、できていないとでも思うのか?」

中島「何!?…………はっ!」

中島(しまった!奴のフィールドにはまだ一枚、リバースカードが……!)

零児「私のターン!!」

零児「私は契約書の効果が発動する前に罠カード、DDDの人事権を発動!フィールド及び墓地のDDカード三枚をデッキに戻し、デッキからDDモンスター2体を手札に加える!」

零児「私はフィールドのDD魔導賢者ケプラーと、墓地のDDナイト・ハウリング、DDリリスをデッキに戻し、
デッキからDDD反骨王レオニダス、DDD死偉王ヘル・アーマゲドンを手札に!」

零児「そしてこれより、契約の処理を開始する!まずは地獄門の契約書のダメージを受ける!」LP1200→200

零児「この瞬間、手札の反骨王レオニダスの効果発動!自分が効果ダメージを受けた時、このカードを手札から特殊召喚し、
受けたダメージ分のライフを回復する!」LP200→1200

零児「そして!レオニダスがフィールドに存在する限り、私は効果ダメージを受けない!!よって二枚目、魔神王の契約書のダメージは無効となる!」

中島「ぬうぅ……!凌いだか!だがセブン・シンズを倒せない限り貴様に勝ち目はない!!仮に2体目のアビス・ラグナロクを召喚したところで、また同じ結果になるだけ……」

零児「ならば違う方法で倒せばいいだけのことだ」

中島「!?」

零児「私は地獄門の契約書の効果により、デッキからDD魔導賢者ケプラーを手札に加える!そしてセッティング済みのDD魔導賢者ガリレイと共に、
再びペンデュラムスケールをセッティング!!」


零児「ペンデュラム召喚!!全ての王をも統べる三体の超越神!DDD死偉王ヘル・アーマゲドン!!」

中島「攻撃力3000のモンスターを、同時に三体も……!!」

零児「バトルだ!!死偉王ヘル・アーマゲドンで、ザ・セブン・シンズを攻撃!!」

中島「何!?攻撃力の低いモンスターで攻撃するだと!?」


バキィン……!


零児「くっ……!だがこの瞬間、残された二体のヘル・アーマゲドンの効果が発動する!」LP1200→200

零児「自分のモンスターが破壊された時、ヘル・アーマゲドンはその攻撃力を吸収する!!」


ヘル・アーマゲドン

ATK3000→6000


中島「攻撃力6000だとォ!!?」

零児「おおかたそのセブン・シンズも戦闘では破壊できないのだろう。
だがモンスターを破壊できなくても、お前のライフを0にしてしまえば何の問題もない!!二体目のヘル・アーマゲドンで攻撃!!」

中島「ぐおおおっ!!」LP3700→1700

零児「……同じ化け物でも、どうやらピンからキリまでいるようだな。
以前君と似た雰囲気の化け物と戦ったことがあるが、その時は私は手も足も出なかったよ……君が、化け物の中でも弱い方で助かった」

中島「馬鹿な……そんな馬鹿な!!この我が、一度ならず二度までもォ……!!」

零児「中島は返してもらう!止めだ!!最後のヘル・アーマゲドンで攻撃!!」



中島「人間ごときにいいィィィィィィ!!!」LP1700→0 ピーッ!




ズズズズ……!


e・ラー「うっ…………ぐ……オオオオ……!!」

中島「…………」フラッ

零児「中島!」ガシッ

零児(気絶しているだけか……よかった)

e・ラー「あ、あり得ない……!!貴様のような特別な力を持ったわけでもない、ただの人間がァ……!!」

零児「出たな化け物。なるほど、そんな華奢な少女の見た目をしていては威厳もへったくれもない……他人に寄生するのは、
その得体の知れなさで相手を威圧するための手段だったというわけだ」

e・ラー「!?華奢な少女……だと……?…………ハッ!?」

e・ラー(な、何だ!?我のこの姿は一体…………そうか!『あの時魂を分解したせいで』、体が縮んでいるのか……!)

零児「君の負けだ。大人しく私の会社から出て行ってもらおう」スッ

e・ラー(?中島のデッキ……?)

零児「これと、これと……これか」

零児「状況的に考えて、君はユートのデュエルディスクから中島に取り憑いたと考えるのが妥当だ。
電話口でも中島はそこからおかしなものを発見したと言っていたし、ユート本人はその場から消えていたからな」

零児「今の私とのデュエルで、君が取り憑いた中島のデッキには新たなカードが組み込まれていた。そしてユートのデュエルディスク本体は今、私の手元にある……つまり」

零児「君の『本体』は、本来中島のデッキに入っていないはずの『カード』、その内のどれかだということになる。あるいは全部、か?」

e・ラー「!!ま、まさか……!!」

零児「本当はこれも解析室に回して調べたいところだが、放っておくと今度は私に取り付くかもしれない。それに部下を勝手に操られて、腹も立っているしな」

e・ラー「よ、よせ、やめろ!!ふざけるなッ、貴様……!!」

零児「消え去れ、化け物!!」

e・ラー「やめろおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!」


ビリッ……


e・ラー「ギャアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァアアアア!!!!!」


シュウウゥゥ……


零児「…………」

零児「…………」

中島「…………う……?あ、あれ、私は一体……?」

零児「気が付いたか」

中島「!社長!そうだ、例のデュエルディスクにおかしなカードが……」

零児「おかしなカード?特にそんなものは見当たらなかったが」

中島「え?そ、そうでしたか……あれ、私社長にいつデュエルディスクを渡しました?」

零児「疲れているんじゃないのか中島。今日はもう休め」

中島「は、はぁ……?」

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


ズズズズ……


e・ラー「うっ…………ぐ、はぁ、はぁ、はぁ…………」

e・ラー(くそっ……アストラルに封印される直前、我が魂の欠片をナンバーズのレプリカに乗せて別空間に飛ばし、何とか逃げおおせたはいいが……)

e・ラー(そのナンバーズも今、失われてしまった……!は、早くエネルギーを取り入れなければ…………今度こそ本当に、死ぬ……!!)

e・ラー「はぁ、はぁ…………がっ、は…………」

e・ラー(ぐぅ……!!もう、主食の希望じゃなくてもいい……と、とにかく、何か……腹に、入れ……なければ…………)

e・ラー「はっ……はっ…………ヒュー……ヒュー……」

e・ラー(い、息が…………駄目だ…………もう……動けん…………め、目が……霞む…………)

e・ラー「……………………」



ドサッ……



…………



……………………



「…………し」



……………………




「…………もしもし」




「もしもし?聞こえてますか、生きてますか?」



e・ラー「……………………ぅ……?」





どん兵衛「大丈夫ですか?」




遅くなって申し訳ないです……

遊矢きゅん、シンクロ次元行ってから何が何でも綺麗事押し通すマンになってない?ジャックさんとの戦いで元に戻るといいですね。




…………



……………………



e・ラー「……………………っ……!」


どん兵衛「お、気が付かれましたか」


e・ラー(…………生きて…………る…………?だ、だが、まだ……)

どん兵衛「覚えていますか?貴方道端で倒れていたんですよ。一体何が……」

e・ラー「…………た……」

どん兵衛「はい?」

e・ラー「……食べ…………も……の…………」

どん兵衛「……………………」

どん兵衛「…………少々お待ちを」

---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

どん兵衛「どうぞ、お粥です」

e・ラー「…………」モグ

どん兵衛「どうですか?」

e・ラー「……………………」モグモグ

e・ラー「……まずい……」

どん兵衛「し、仕方ないでしょう、作ったことなかったんですから」

e・ラー「……………………」モグモグ

どん兵衛(……そう言う割には勢いよく食うな)

e・ラー「……………………」モグモグ

どん兵衛「……………………」

e・ラー「……………………」モグモグ

e・ラー「…………ふぅ」

どん兵衛(完食……)

e・ラー「おかわり……」

どん兵衛「えっ」

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

e・ラー「…………けふっ」

どん兵衛(結局三杯も平らげおった)

どん兵衛(しかし、ナッシュの話を聞いたばかりの勢いで連れてきたはいいが、この小娘……)

e・ラー(何とか生命維持に最低限必要なエネルギーは確保できた……あとは主食、『希望』を食べられれば完璧だ。目の前のこの男を使うか?)

e・ラー(いや、今の我に他人に取り憑く力は残っていない。カードもなくなったからデュエルで絶望させることもできない……)


((どうしたものか……))


どん兵衛「……ま、まあ、あれですね。落ち着いたようですね」

e・ラー「ああ……じゃなくて、うん」

どん兵衛「……?ところで貴方は、本当にただお腹が減っていただけで行き倒れていたんですか?」

e・ラー「…………そうだ……よ」

どん兵衛(どこの貧民街の出だこいつは……この街にそんな下層住民がいたなんて初耳だぞ)

どん兵衛「それは大変でしたね。今夜はここでゆっくりしていって下さい」

e・ラー「…………うん」

どん兵衛「……………………」

e・ラー「……………………」

どん兵衛「…………えーと」

どん兵衛「あ、そうだ。どうです?お近づきの印にひとつ、デュエルでも」

e・ラー「デュエル…………今は、デッキがない」

どん兵衛「そ、そうでしたか。これは失礼……」

e・ラー「デッキ、持ってるのか?」

どん兵衛「え?ああ、はい、持ってますよ」

e・ラー「見たい」

どん兵衛「は?」

e・ラー「デッキ、見たい」

どん兵衛「…………」

どん兵衛(我のデッキを盗んで逃げるつもりか?しかし、せっかく確保した寝床を捨ててまで盗むようなものか……?それなら明日の朝でも可能なはず)

どん兵衛(まあよい……もし盗まれても、ヌメロンコードがあれば取り返すことは容易い)

どん兵衛「ええ、構いませんよ。取ってきますね」

e・ラー(もしもこの男が腕の立つ決闘者なら、側に付いていくだけでもある程度の希望を確保できるかもしれん……)

どん兵衛「はい、どうぞ」

e・ラー「ん」パラパラ



e・ラー「……………………!!?」ガバッ!



どん兵衛「えっ!?ど、どうし」

e・ラー「貴様ッ、何者だ!!」

どん兵衛「はい!?な、何者と言われましても……?」

e・ラー「とぼけるな!何故ナンバーズを持っている!?オリジナルは全てアストラルに回収されたはずだろう!!」

どん兵衛「…………何だと?」

どん兵衛「先日ドルべに使わせてやったから、貴様の口からナンバーズという名前が出るのはまあいいとして……
何故我の知らぬ顔が、アストラルのことを知っている」

e・ラー「こっちの台詞だ!!何故我の知らぬ顔がアストラルのことまで知っているのだ!?」

どん兵衛「ふむ、埒が開かぬな……良かろう、まずは我から話す。我の知り得るナンバーズとアストラルの情報をな。一旦その口を閉じて聞くがいい」

e・ラー「む…………わかった」

どん兵衛「我の話を聞いてから、貴様の情報を我に話すかどうかは貴様が決めればよい。ただし口外することは許さぬ」

e・ラー「要らぬ世話だ、さっさと話せ」

どん兵衛「ああ。……確かにオリジナルのナンバーズは全てアストラルに回収された。我の持つこのカードはただのレプリカだ、本物のような力はない。
そもそもはアストラルと我が――」

e・ラー「…………」

どん兵衛「――――――――」

e・ラー「……何?何を言っている、ナンバーズとは――」

どん兵衛「何だと?いや、そんなはずは――」

e・ラー「しかし――」

どん兵衛「それはつまり――」

e・ラー「――――――――」

どん兵衛「――――――――」


どん兵衛「…………成る程、大体わかった。どうやらこれは」


「「パラレルワールド」」


e・ラー「だな」

どん兵衛「うむ。百枚あろうが千枚あろうがナンバーズそのものの持つ性質は共通、ましてやアストラルに至っては正真正銘一人しかいない」

e・ラー「にも関わらず、ここまで互いの認識が食い違っているとなると……これはもう『お互いに違う世界の話をしている』と考えるしかない」

どん兵衛「パラレルワールド……考えもしなかった。なるほど、ハートランドが複数存在したのはそういうわけか……
いや、しかしならば何故人々の記憶から消えていた?やはり我の推測が……?」

e・ラー「?」

どん兵衛「ああ、すまない。このことについてはおいおい話すとして……『本当の我ら』の自己紹介を済ませようか」ズズ…


ドン・サウザンド「我の名はドン・サウザンド。宜しく願う」

e・ラー「元の姿にはまだ戻れぬが、我はe・ラー。こちらこそ」


どん兵衛「それで、どうだろう。違う世界の話とは言え、我らはあの二人に煮え湯を飲まされた者同士、仲良くできると思うのだが」シュンッ

e・ラー「!貴様の方からそれを言うか……人間ができている、否、神ができているな」

e・ラー「先には随分と失礼を働いた、すまなかった。瀕死のところを救われておきながら、我は礼を言うこともせず、それどころか貴様のデッキを見て、
あわよくば体力の回復に利用してやろうとも考えていた」

どん兵衛「フハハハ、随分と小さなことを気にするではないか絶望神。空腹で相当参っていると見えるな。
心配するな、そんなことを咎めるほど我の器は小さくないし、それくらい強(したた)かでなくてはかえって信用できんというものだ」

e・ラー「フッ……」

どん兵衛「さて、とりあえずは貴様の体力回復だな、その姿のままということはまだ十全ではないのだろう。
カップ麺は我のお気に入りのやつしか残っておらぬから……とりあえず適当に菓子を持ってくる。しばし待て」

e・ラー「い、いきなりすまないな。そんなにあれこれ気を回してくれなくても……」

どん兵衛「言っておくが我も食うからな?それに我も長く生きたが、同居人ができるなど初めてのことだ。浮き足立たずにはおれんよ」

どん兵衛「そういえば、外での貴様の呼び名を決めねばならぬな。本名ではいろいろと差し障りがある」ムシャムシャ

e・ラー「確かにな。貴様はどんな名前で通している?」ボリボリ

どん兵衛「千葉どん兵衛だ」

e・ラー「どん兵衛?その名は確か、どこかの会社の社長が口にしていたな。貴様の知り合いか?眼鏡をかけて赤いマフラーを巻き、何故か靴下を履いていない男だった」

どん兵衛「ああ、赤馬零児か。……まさか、貴様がここに来てから戦って敗れたというのはそいつか?」

e・ラー「ああ……まさか九十九遊馬達以外に、あそこまで腕の立つ決闘者が存在するなどとは思いも寄らなんだ」

どん兵衛(やはり赤馬零児、奴は別格……)

e・ラー「しかし成る程、本名を捩った名前にするわけか。とすれば、我は…………エイラとでもしておこうか」

どん兵衛「まあ、我もコンビニの雑誌見ながら適当に決めた名前だからな。何でも良かろう」

エイラ「うむ。では外では、我のことはそう呼んでくれ」

どん兵衛「……そうだ、いいことを思いついたぞ」

エイラ「?」

どん兵衛「我は今、舞網チャンピオンシップというデュエル大会に参加しているのだがな。そこに行けばある程度の実力者達が集まってデュエルをしている。
必然的に貴様の主食、絶望も集まるのではないか?デュエルが行われれば必ず敗者が生まれるわけだからな」

エイラ「成る程、それはいい。だが一つ正しておくと、我は絶望を食うのではなく希望を食うのだぞ。我が食ってしまうからその人間の希望がなくなり、絶望に変わるだけだ」

どん兵衛「絶望の神の主食が希望とはこれ如何に」

エイラ「まあ改めて考えると奇妙な話だが、仕方なかろう。我はそういう生き物なのだ……
しかしドン、デュエルの大会にまで出場するとは、よほど人間社会に溶け込んでいると見える」

どん兵衛「元々我はある男に興味を惹かれ、デュエル塾に通っていたのだ。
そこの人間達と触れ合う内に、我も日に日に人間へと近づいていったのだろう。貴様もじきに慣れる」

エイラ「デュエルの塾が存在するのか、このスタンダードには」

どん兵衛「む?何だ貴様、次元が分かれていることを知って……ああそうか、最初はユートに憑いていたのだったな」

エイラ「ああ。しかし残念ながら、融合次元……アカデミアとやらのことはよく知らぬ。先にも話したが、我は封印される直前に己の魂の『欠片を』脱出させた」

エイラ「その時点では『欠片』に過ぎない我に意識はない。我としての意識が戻るまでには、ある程度の希望の吸収が必要だったのだ。
ユートの元で我が目覚めた時、既にエクシーズ次元はほとんど壊滅していた……」

どん兵衛「そうか……。まあ、それよりも今は目先のことを考えよう。明日に備えて、今日はもう寝るぞ……って、布団が我の分しかないな」

エイラ「……なあ、さっきも思ったのだが、何か足りないものがあるなら、貴様のそのヌメロンコードとやらで用意できるのではないか?」

どん兵衛「そんなことにまでヌメロンコードを使っていては、わざわざこんな格好をして人間に紛れて生活している意味がなかろうが」

どん兵衛「貴様には悪いがなe・ラー……我は貴様のように否応無しにこうしているのではなく、ある種の道楽、アトラクションとしてやっているのだ。
アトラクションを楽しむ為にはある程度そのルールに従わねばならぬ」

エイラ「…………ちなみに、収入源は?」

どん兵衛「毎月、平均的な会社員の給料と同じくらいの金額を作っている」

エイラ「…………その、『作っている』というのは、自らの労働の対価として貰っているという意味……」

どん兵衛「いや、普通にヌメロンコードで」

エイラ(そこまでして人間社会のルールに従うとは見上げたものだなぁ)
   「うっわ超面倒くせぇこいつ」

どん兵衛「台詞と心の声が逆だぞ」

エイラ「まあ貴様にどんな主義があろうと、養ってもらう手前文句は言わんよ。布団は貴様が使え、我はソファで寝させてもらう」

どん兵衛「それも逆だろう、貴様が布団を使え」

エイラ「我を哀れに思うなら、早めに新しく布団を買ってくれ」

どん兵衛「……わかったよ」


---翌日---


柚子(……目が覚めた遊矢から聞いた、エクシーズ次元や融合次元の話……
遊矢が嘘を言っているとは思えないし、確かにショックだったけど、まだちょっと実感がわかないわ。それよりも今は……)

遊矢「どん兵衛……来るかな」

柚子「今日がどん兵衛の試合当日……今日来なかったら、どん兵衛は不戦敗になっちゃう……!」

遊矢(あの夜のことが、相当堪えたんだろうな……。無理もない、仲の良かった素良が急に融合次元に帰ってしまって、目の前でユートまでも……)

遊矢「……でも、俺は信じる。どん兵衛は必ず来るって。あいつはデュエルから逃げたりするような奴じゃない」

柚子「そうね。私も信じるわ、どん兵衛を……遊勝塾の仲間を」


---会場---


権現坂「うおおおぉぉーーー!!遊矢ぁーーー!!!」ダキッ

権現坂「この漢権現坂、これほど嬉しいことはない!!この二日間どんなに心配したことかぁぁぁ!!!」スリスリスリスリ

遊矢「あはは……」

修造「いやいや、みんな本当に心配してたんだぞ。このまま遊矢が目を覚まさなかったらどうしようって」

遊矢「そうだ塾長、どん兵衛は!?」

修造「いや、まだ来ていない。彼の試合時間までには間に合ってくれるといいが……」

柚子「……どん兵衛……!」


どん兵衛「今来ました」


柚子「うわっ!?」

遊矢「どん兵衛!!大丈夫だったか!?」

どん兵衛「ええ、何とか。ご心配をお掛けしました」

修造「よかったよ、二人とも当日に間に合ってくれて。遊勝塾の2トップが二人とも欠場では、世間に示しがつかないからな!」

柚子「ひどいお父さん!私は戦力外ってこと?」

修造「あっ!ち、違うぞ柚子!遊勝塾の生徒は言うまでもなく一人残らず超優秀だ!柚子だって凄かったじゃないか、融合召喚なんて決めて!」

柚子「ふーんだ!二人とも、大会で当たったら絶対に私が勝つからね!」

どん兵衛「はは、お手柔らかに……」

権現坂「ところでどん兵衛、そちらの女性は?」

エイラ「……!」

どん兵衛「ああ、彼女は僕の古い友人で」

エイラ「エイラです。よろしく」

どん兵衛「最近舞網市に越してきたそうで、この大会を見てみたいと言うので連れてきたんです」

エイラ「皆さんと一緒に、観戦させて頂いてもよろしいでしょうか?」

遊矢「もちろん!俺は榊遊矢、よろしく!」

柚子「私は柊柚子!よろしくね」

権現坂「分からないことがあれば、この漢権現坂に何でも聞くといい」

エイラ「はい。皆さん、よろしくお願いします」

どん兵衛(さすが、今までいくつもの世界を渡り歩いてきたと言うだけの事はある。世渡りは心得ているようだな……奴の心配はしなくても大丈夫そうだ)


ミエル「ダーリン!!」


遊矢「!ミエル!」

真澄「…………」

北斗「…………」

刃「…………」

ミエル「目覚めたのねダーリン!ミエルの体を張った、命を賭けたお祈りが通じたんだわーーー!!」ピョイーン

遊矢「…………」スッ…

ミエル「華麗にスルゥーーー!!」

北斗「何だ、見に来てたのか。どうだい僕の本当の力を目の当たりにした感想は?遊勝塾で戦ったときはまぐれで……」

遊矢「黒咲に会いたい」

北斗「おい聞けよ!」

遊矢「あいつに用があるんだ」

どん兵衛「!」

真澄「話って?」

柚子「それは彼に直接言うわ」

遊矢「黒咲に会わせてほしい。いろいろ聞きたい事があるんだ」

刃「無理だな」

遊矢「え?」

刃「黒咲さんはお前らなんか相手にしねぇよ。俺たちだって滅多に話せねぇんだから」

どん兵衛(これも赤馬零児によって偽装された記憶……我々が黒咲から情報を得ようとすることを見越してか!つくづく味な真似をする男よ……)

刃「ま、せっかく来たんだ、次の試合見てけよ。一回戦の大トリはどん兵衛に譲っちまったが、俺の試合だって見といて損はさせねぇぜ」

遊矢「…………」

どん兵衛(e・ラー……)チラッ

エイラ(……うむ)コク

どん兵衛「……そうですね。その後はちょうど僕の試合ですし、せっかくですから観戦させて頂きましょうか」

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ニコ「ジュニアユース選手権一回戦、残すところもあと僅か!クライマックスを目前に、私のテンションも最高潮であります!!さあ参りましょう、選手入場ッ!!」

ニコ「まずはLDSより、シンクロコース所属の刀堂刃選手!!」



「さて……クリスさん達の前ではちょっと強気になっちゃったけど、いざその時を迎えてみると、やっぱり緊張するなぁ」

「……え?はは、ありがとう。でもさすがに僕に付いてくるのはルール違反だよ。それにこれは、僕自身の力を試すための戦いでもある。
そんなこと言ってる場合じゃないこともわかるけど、それでもこれは、僕だけの力でやりたいんだ」



ニコ「それに対するは、銀河光(ぎんがひかり)塾より文字通り彗星の如く現れた、期待のニューフェイス!」



「へー、何だか僕期待されてるみたい。……こりゃあ、情けない姿は見せられないね」




「じゃあ……」








ニコ「天城ハルト選手ッ!!!」








ハルト「行ってくるよ、オービタル。応援よろしく」

オービタル「カシコマリッ!」

短いですがここで一区切り
さーて、カードパワーの差をどうやって埋めようか……

原作でカオス化してないナンバーズのカオス体をオリカとして出すのは……ありでしょうか……
Xセイバー強ぇよ……鉄の意志も鋼の強さも感じるよ……何だよあのヒュンレイとかいう(架空デュエルにおける)チートの塊……

やはりいかんか……自分としてもその辺は超えてはいかんラインだと思ってはいます
しょーがない、諦めて普通のデュエルを考えます。
畜生ヒュンレイの野郎……!

そもそもサイキック族のエクシーズモンスターが7体しかいないからな

>>404
悪魔族「おう」
水族「せやな」
炎族「少ないな」

悪魔族ってブラミブラストバスターデビルマリオネCマリオネレクイエムラプソディハートアースに魔人がいるから割と多くね

>>406
そん中で使えるカードをあげてみ

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