【艦これ】提督「艦娘と同衾する」 (353)

提督と艦娘が一緒の布団で寝るだけのSSです。


注意

・原則地の文あり

・原則R-18はなし

>>1が好きなキャラやシチュが思いついたキャラについて書くか、キャラ安価を取りそのキャラで書きます。
基本的にはこれらを交互に繰り返していく予定です。

・基本的に1本1キャラ、長さは短~中編くらいの予定です。SSごとにキャラや設定のつながりはありません。

・安価が来なくなるか>>1のネタが尽きたらやめます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1424101757

次のレスから始まります

「ふあ~ぁ、そろそろ寝るか・・・」

時刻はもう23時、今日はもう執務もない。風呂にも入ったし特にすることもなくなったので、少し早いが今日はもう寝ることにした。
執務室とは別にあてがわれている私室に布団を敷く。畳張りのこの部屋はキッチンや風呂などの設備も揃っていて快適だが、一人で過ごすには少し広い。

布団に入り電気を消そうと紐に手を伸ばしたのと、ドアが鳴ったのはほぼ同時だった。
コンコンというかすかな音に気づいて、ドアの方を向く。続いて声がした。

「提督?起きてますか?」
「うん、三隈か?どうした?」

この声は三隈だ。

「あの……、部屋に入ってもよろしいでしょうか?」
「ああいいぞ、カギは開いてる」
「し、失礼します……」

パジャマ姿の三隈が入ってきた。手には枕を抱えている。

「何か入れようか。牛乳ならあるぞ」
「いえ、お構いなく」

布団から出て、ちゃぶ台の横の座布団に座る。
三隈も対面に正座した。

「どうしたんだ。何かあったのか?」

この私室には基本的に誰がいつ来てもよいことにしている。相談したいことがあるという艦娘や、また単に暇を持て余した艦娘が遊びに来ることも時々あった。駆逐艦などは一緒に寝て欲しいと夜中にやってくることも稀にある。
だが、三隈がこうしてここに訪れたのは初めてだった。

「……」

三隈は何も喋らない。自分も初めてやってきた相手に対して、どうしてよいか分からず何もすることができなかった。
そのまましばらく沈黙が続いて、ようやく三隈が口を開いた。

「あの……提督、今日……お布団にご一緒させていただくことはできないでしょうか」

枕を持ってきていたし、なんとなく予想はしていた。しかし駆逐艦ならともかく、三隈のような重巡洋艦以上の子にこう頼まれるのは初めてで、少し面食らってしまう。

「い、一応だけど、理由を聞かせてもらってもいいかな」

思わずどもってしまった。

「実は昨日……昔の夢を見たんです。前世の記憶をなぞるような夢を……」

覚えがある。確か大戦時の三隈はミッドウェー海戦で敵の爆撃に遭い、誰も見ていない間に独りで最期を迎えたのだ。

「それからなんだか怖くて……独りでいると、またこのまま死んじゃうんじゃないかって。そんなわけ無いって分かってても、どうしようもなくて……」

同室の最上たちは、と言いかけて踏みとどまった。直接的な沈没の原因は敵の爆撃だが、間接的にはその前の最上との衝突も原因なのだ。彼女たちと居ても、心が落ち着かないのだろう。

「モガミン達も頼れなくてそれがまた辛くって……どうしたらと思っているうちにまた夜になって……それで、提督の所へ来たんです」
「……」
「もし良かったら、今晩一緒にお休みして下さらないでしょうか……」

震え声になりながら懇願する三隈に戸惑いを隠せない。
艦娘とはいえ、相手は年頃の女の子である。一緒の布団で寝ることに、何の躊躇も抱かないはずがない。
だが、こんなに思いつめた三隈の様子を見て、無下に断るなど出来るわけがなかった。

「そういうことなら……自分でよければいいけど、一応男だぞ?」
「そ、それはその……三隈は大丈夫ですわ!」
「まあ、三隈がそう言うのなら……じゃあ、寝ようか」
「はい……」

大丈夫ってどういう意味だよ、と考えながら布団に入る。少し遅れて、三隈も入ってきた。
電気を消し、仰向けで横になる。右にいる三隈の様子は分からない。

そのまましばらく、沈黙が続いた。


「……」

不意に三隈が身体を寄せてきた。右半身に三隈の体温を感じる。

「提督……」

手をこちらの身体に伸ばしてくる。

「提督……」

そのままこちらに抱きつく形になる。

「提督ぅ……」

何度もこちらを呼ぶ。その度腕の力が強くなる。
まるで親を探す仔猫のような三隈がたまらなく愛おしくなり、こちらからも三隈の小さな身体を抱き寄せる。

「あっ……」

抱き締めた身体は、微かに震えている。


艦娘も、一人のか弱い女の子なのだ。どうしようもない不安に駆られることだってあるだろう。重巡洋艦だろうと、見た目が大人びていようと、それは変わらないのだ。そして、その辛い思いは、提督である自分が受け止めなければならない。そのことに、たった今気付かされた。
まだまだ提督として未熟だな、と思いながら、抱き締める力を強くする。

「提督……提督……ていとくぅ……!ヒック、グスッ……」

「……大丈夫だ、俺はここにいる」

「グスッ、うぅ……提督……グスン……」

すすり泣く三隈の背中をさすりながら、声をかける。
それからしばらくの間、三隈は泣きやまなかった。


やがてすすり泣く声は聞こえなくなり、代わりに規則正しい寝息が聞こえてくるようになった。
それを確認した自分は、三隈の体温を感じながら、ゆっくりと眠りに落ちていった。


翌朝は、物音で目が覚めた。
見ると、三隈がパジャマの上にエプロンを羽織り、キッチンに立っていた。朝食を作っているらしい。

「あら、提督。おはようございます。勝手ですが、朝ご飯お作りしています」
「ありがとう。助かるよ」
「もうすぐ出来上がりますわ。ハムエッグとトーストです」

起き上がって座布団に座る。しばらくすると三隈が朝食を運んできてくれた。
いただきますと一声かけ、すぐに頬張る。

「どう、提督?美味しい?」
「うん、美味しいよ。わざわざありがとうな」
「よかった……」


一緒に朝食を摂っていると、不意に三隈が顔を上げた。

「提督、昨日はありがとうございました。おかげでまた頑張れそうです」
「いやいや、礼には及ばないよ。これも提督の勤めだからね」
「……また何かあったら、ここに来てもいいですか?」
「うん、いいよ。いつでも来な」

それに三隈と一緒に寝てると暖かくて気持ちよかったし……とは、流石に言えなかった。三隈に申し訳ない気持ちも少しはあるが、これも役得だと思っておくことにした。

「ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした。提督、今日もがんばりましょうね!」
「……ああ、がんばろう!」

あの日以来、時々三隈が部屋にやってくるようになった。
戦いの日々に不安になってやってくる事もあったが、ある時はお菓子を作ったから食べてほしい、またある時は話し相手になってほしいと、目的は様々だった。しかし、どんなときもその日の終わりには必ず同じ布団で、抱き合いながら眠った。
三隈の心の支えに自分がなれていたら嬉しいな、と思う。それが自分の、提督の役目なのだから。






-------------------

三隈編はここまで。
もっと長くしようかとも思いましたが、あまりやり過ぎるとネタが尽きるので…


次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアがあればそちらも書いてください。

↓3

次は秋月で。ありがとうございます。
遅筆なので、しばらくかかるかと思います。感想とかアイデアとかあればお気軽に書き込んでください。

こんばんは。
今から秋月編投下いたします。

「司令、お呼びでしょうか」
「ああ、そんなにかしこまらなくていいぞ。作戦とかじゃないし」

日が暮れ夜戦の時間となったころ、俺は秋月をこっそりと呼び出していた。
これから頼むことを考えると、あまり他の人に知られたくはない。

「艦隊防衛ではないのですか?では何の御用でしょう?」
「えーとその、何というか……」
「……らしくありませんね。司令はいつもハッキリと物事をおっしゃるのに。
何かお困りごとですか?」
「あー、そういうわけじゃないんだけど……その……」

なかなか用件が言い出せず、口ごもる。秋月も不審がっているようだ。早く言わねば。

「……秋月に、俺の護衛を、してもらいたいというか……」
「司令の護衛ですか。これからお出かけですか?」
「いや、外出じゃないんだ。……そのな……」

ジョークを言っている場合ではない。
意を決して、秋月に呼び出した理由を告げる。


「今日の夜、一緒に寝てもらえないかと思って……」


言ってしまった。秋月と目を合わせられない。思わず俯く。
突然こんなことを言って、どう思っているだろう。秋月の反応が気になるが、顔を上げるに上げられず、そのまま固まってしまう。


「……一緒に寝るというのは、一緒の布団で、ということでしょうか」
「そうだな……出来れば、同じ布団で……」
「そうですか……」
「あの、嫌だったら全然構わないからな。わざわざ呼んですまなかったな、ハハ……」

秋月の声からは、戸惑いが伺える。やはり、いきなりこんな事を頼む方がおかしいよな。悪いことをしたな……


「わかりました」


「え?」
「この秋月、提督とご一緒いたします。大丈夫です!」

驚いて顔を上げると、秋月と目が合った。

「本当にいいのか?無理しなくても……」
「いいえ。司令の望みとあらば、秋月、いつでもご一緒いたします!」

その目は、決意と信頼に溢れていた。その向く先が自分であることに、嬉しさと頼もしさを感じる。だが今は、それよりも後ろめたさ、申し訳なさの方が優っていた。

「じゃあ、今日の2330ごろに寝る準備をして俺の部屋に来てくれ。待ってるから」
「了解しました!では後ほど!」

秋月は部屋に帰っていった。俺は一人で溜息をつく。
「秋月……すまない」

2330。約束の時間ちょうどに、秋月はやってきた。
「失礼します。秋月、推参いたしました」

髪を下ろしパジャマに着替えた秋月は、いつもより少し子供っぽく見えた。

「そんなにかしこまらなくていいって。……じゃあ、さっそくだけど寝ようか」
「はいっ。では、失礼します」

布団に入って明かりを消し、真っ暗になった。秋月とは少し体が触れるくらいの距離だ。


しばらくの沈黙ののち、秋月が声をかけてきた。

「司令。今日はなぜ、一緒に寝ようなどおっしゃったのでしょうか」


「……秋月はさ、俺のこと、どう思ってる?」
「司令ですか?いつもハキハキとしていて、言いたいことはハッキリとおっしゃいます。皆からも慕われて、頼りになる方だと思っています。それだけに、今日の司令は少ししおらしくて、何かヘンだなと思いました」
「そっか……」


「そういう風に思っているなら、これから言うことは、秋月への裏切りになるかもしれない」
「えっ?」
「……本当は不安なんだ。本当はいつも、皆が俺のことをどう思ってるのか、嫌われてないか。俺が司令でいいのか、皆の上に立つ資格があるのか。そんなことばかり考えているんだ」
「……」
「本当の俺はこんな奴なんだ。こんな形でしか、本当に思ってることを話せない。しかもそれを駆逐艦の子にぶつけるなんて。俺はこんな気弱で卑怯な奴なんだよ……」

若干震え声になりながら、言葉を紡ぐ。
こんなことを話して、失望させてしまっただろう。申し訳ない気持ちで一杯になる。

「そんなことありません」
「……秋月?」
「本当の気持ちが何であろうと、司令が私達に頼られるような素晴らしい方であることに変わりはありません。
それに、本当の気持ちを隠してでも、私たち艦娘のことを考えて接してくれているのだったら、それはとても素晴らしいし、有難いことだと思います」
「秋月……」

かすかに触れていた手を、強く握られる。

「こういった事を他でもない秋月に伝えて、秋月は嬉しいです。それだけ、秋月が司令に信頼されているということでもあるんですから」

思わず、繋いだ手を強く握り返す。
この手を通じて、秋月と心で繋がりあえる。そんな気がした。

「俺がどうして、秋月にこんなことを頼んだのかっていうのもな。秋月は長女でしっかり者だから、きっとこうして励ましてくれるんじゃないかなんて考えてて……すまないな、本当に」
「いえいえ。秋月が、艦隊も、司令もお守りします。大丈夫。きっと、大丈夫です」


次の日からの俺は、いつも通りの自分でいられた。でも前よりほんの少し、自分に自信が持てるようになった気がする。
それでも不安になってきた時は、秋月を呼び出して、いろいろ励ましてもらっている。秋月と一緒なら、うまくやっていける。そんな気がした。

でも今の俺には、秋月にも伝えていない本当の気持ちがある。もう少ししたら、この気持ちを伝えるつもりだ。
大本営から受け取った、この指輪とともに……



--------------

秋月編はここまで。安価ありがとうございました。

次回は、>>1の嫁その2の予定です。

こんばんは。

夜遅くですが、今から3本目を投下します。

「はい。司令官のお好きなニッカ、水割りにいたしました」
「ありがとう。それじゃ早霜も、乾杯」
「乾杯」

ここはかつて、鎮守府の空き部屋だった場所。いろんなものが置かれていただけだったのだが、早霜の要望でバーカウンターが取り付けられ、また酒も一部の酒好きにより備蓄されるようになり、早霜が酒を淹れ、自分や艦娘がゆるりと飲みながら過ごすというオシャレなスポットに変わっている。艦娘からは「BAR早霜」と呼ばれているとかいないとか。

「しかし、早霜もお酒飲めるんだな」
「まあ、艦娘ですから。詳しいことは知りませんが、飲んでも問題ない、とは言われました。自分から飲むことはあまりありませんけど」
「お酒のことは、勉強したのか?」
「はい。何となく気になったので、いろいろ勉強しまして。お酒好きな方は多いので、知識も役立ちますしね」

酒を飲みたい艦娘は、ここに訪れて飲むのがお決まりとなっている。だが今日は、早霜と自分だけしかここには居なかった。

「提督は、お酒はお詳しいのですか?」
「いや、そこまで詳しくはないな。好きだけど、まあ飲んでおいしければいいかなって。早霜がいるおかげで、いろんな酒が知れて楽しいよ」
「ありがとうございます……」


そのまましばらく、時々酒を注ぎながら話し込んでいた。
時刻は0200を回ろうとしている。

「そろそろお開きにするか……おい早霜、大丈夫か?」
「大丈夫です……少し飲み過ぎてしまったようですね、うっ」
「フラフラじゃないか。肩を貸そう」
「すいません……私のせいで」
「いいからいいから。ホラ、そこのベッドで横になろう」

部屋の隅に、一台の大きめのベッドがある。この部屋で酔い潰れた人のために置いてあるのだ。駆逐艦なら何人か寝れるくらいの大きさがある。

「ホラ靴脱いで。服少し緩めるぞ」
「……」
「これくらいでいいか。よし、じゃあゆっくり休めよ」
「……」
「ん?」

自分の部屋に帰ろうとしたが、引っ張る力を感じて踏み止まる。
見ると、早霜が服の裾を掴んでいた。


「どうした?」
「……あの……たまには、一緒に……」



やはりか、と心の中でつぶやく。

「……わかった。入るぞ」

上着を脱いで軽く服を緩め、早霜の横に寝そべる。
軽く頭を撫でてやると、ほんの少しだが心地よさそうな表情を浮かべた。


こうして早霜と寝るのは初めてのことではない。
二人きりで飲んだ日の終わりには、こうして誘いを入れてくることがある。二人きりの日は必ずというわけではないが、他に人が居るときに誘われることはまず無かった。

早霜は、他の艦娘を避けているきらいがある。バーテンのような事をしてはいるが、ある程度以上に踏み込んで付き合うことはない。普段は、姉妹艦と雑談することすらほとんど見ない。
一度本人に、なぜそんなに皆と距離を置こうとするのか聞いてみたことがある。それに対し、早霜はこう答えた。
「私はかつて、仲間たちのいろいろな姿を見てきましたから……。私と居ると、皆が不幸になる。もう、あんな思いをするのは御免です」
自分のせいで沈む仲間を、助けられない。その絶望は耐え難いものだっただろう。
「私はこうして、いつも見てるだけ……それでいいんです」


そんな早霜が、こうして時々甘えてくることがある。
素っ気ない風に振る舞ってはいても、きっと心の奥では誰かに頼りたい、誰かと関わりたいという思いがあるのだろう。
その思いが時々、こうして外へ出てくるのではないか。そう思い、早霜が誘ってきた時には、なるべく応えてやるようにしている。



しばらくして、スースーという寝息が聞こえてくるようになった。
体を丸めたその寝姿は、暗に他への拒絶を示しているようにも見える。


「見てるだけ……か」


見てるだけ……それは自分のほうだ。
早霜の思いに気づいているのに、こうして控えめな誘いに乗ることしかしてやれない。
一夜を共に過ごしてはいても、心はちっとも寄り添えていない。

自分はこうして、いつも見てるだけ……いつでも……いつまでも……



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早霜編はここまで。
BAR早霜流行れ

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアなどあればそちらもお書きください。

↓3

次は摩耶で。

安価から外れたキャラでも気が向いたら書くかもしれませんので、気長にお待ちいただければ……

以下、ご感想などあればご自由にどうぞ

こんばんわ。
今から摩耶編投下いたします。

提督「うーん、まだ寝るには早いけど特にする事がないな……」

ガヤガヤ
ホラハヤク……ウルセー……
ガヤガヤ

提督「ん?部屋の前が騒がしいな……誰か来てるのか?」

ガチャ

愛宕「あら、提督。こんばんは」

提督「おう、愛宕たちか。どうした?」

愛宕「実は、摩耶ちゃんが今日提督と一緒におやすみしたいんですって~」

摩耶「ちょっ、おい!」

鳥海「諦めましょう、姉さん」グイッ

高雄「たまには素直になりなさい」ググイッ

摩耶「おいやめろ!お前ら!」ジタバタ

愛宕「じゃあ、そういうことでよろしく〜」ガチャ、バタン

パタパタ……


摩耶「クソ姉貴どもめ……」

提督「……どゆこと?」

摩耶「実はさっき……」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~


摩耶「ヒマだな~……」

愛宕「する事がないわね~。そうだわ、トランプがあるから大富豪でもしましょう!」

摩耶「おっいいな、たまには四人でやろうぜ!」

鳥海「まあいいですけど……」

摩耶「なんか乗り気じゃなさそうだな……そうだ、負けた奴は罰ゲームってのはどうだ?」

高雄「いいわね、罰ゲーム。具体的には何をするの?」

摩耶「どうしようかな、大富豪が大貧民に指定する感じでいいんじゃないか?」

鳥海「なるほど……これは負けられませんね」

愛宕「それじゃ始めましょうか〜」


…………

愛宕「ぱんぱかぱーん!」←大富豪

鳥海「私の計算通りだったわ」←富豪

高雄「やったわね」←貧民

摩耶「……」←大貧民


摩耶「……クソが」

鳥海「これがいわゆる『言い出しっぺの法則』というものですね」

高雄「じゃあ愛宕、罰ゲームはどうする?」

愛宕「そうねえ……じゃあ、摩耶ちゃんには今晩、提督と一緒の布団で寝てもらいましょう」

摩耶「はぁ!?何だよそれ!?」

高雄「罰ゲームと言い出したのは摩耶でしょう?」

摩耶「ぐっ……だからってそんな……」

鳥海「じゃあ、行きましょうか姉さん」ガシッ

摩耶「えっ、おい!ちょっと待てコラ!ああああぁ……」ズルズル

鳥海「寝巻きは持って行ってあげますから。姉さん達、お願いします」

高雄「何気に鳥海もノリノリね。……それにしても、愛宕もたまには良いことするわね」

愛宕「たまにはって何よもう。……まあ、今の摩耶ちゃんには丁度いいんじゃないかしら?」


~~~~~~~~~~~~

摩耶「……というわけでだな……」

提督「何だそれ」

摩耶「自分で言い出した手前、無かったことにするわけにもいかねえし……」

提督「そうか。じゃあ、摩耶は布団で寝な。俺は横で雑魚寝するし」

摩耶「えっ」

提督「俺と一緒に寝るなんて嫌だろ?俺は大丈夫だからさ、布団使いな」

摩耶「ま……待て!」

提督「ん?」

摩耶「アタシは別に……嫌じゃないっていうか……その……」

提督「何だ?声が小さくて聞こえないぞ」

摩耶「その……そうだ!罰ゲーム!罰ゲームだから!やんなきゃいけないんだよ!ホラ!布団入れよ!」グイッ

提督「うわっ!痛い痛い!わかったから!」

摩耶「分かりゃいいんだよ……それじゃホラ、寝るぞ」パチン


提督「……まだちょっと時間早くないか?」

摩耶「いいじゃねえかよ、どうせする事ねえんだろ?」

提督「まあそうだけど……すまん、少し動くぞ」ゴロン

摩耶「うわっ!どこ触ってんだよこの変態!ぶっ殺すぞ!」

提督「そんなに言わなくても。たまたま手が当たっただけじゃねえか……」

摩耶「す、すまん」

提督「まあ、たまには早めに寝るとするか。おやすみ、摩耶」

摩耶「お、おう。おやすみ」

…………


摩耶「……」

摩耶「……もう寝たか?」

提督「……」

摩耶「(……ヤバい、寝れねえ)」

摩耶「(布団に入ったはいいものの、提督がすぐ横で寝てると思うと……)」



摩耶「(正直言って、今のアタシは提督のことが好きだ)」

摩耶「(どこがってわけじゃねえんだけど、一緒に戦ってて、気が付いてたら惚れてたんだ)」

摩耶「(でもコイツを前にしたら、ついいつもの感じでキツく当たっちまう。提督はこっちの事、何とも思ってないみてえだし)」

摩耶「(姉貴がこんな罰ゲームをやらせたのも、多分それを分かってて……)」


摩耶「(……提督は寝てる)」

摩耶「(今だったら……)」

摩耶「……少しだけなら、いいよな?」


…………


チュンチュン

提督「うーん、朝か……って、なんで摩耶が!?」

提督「……ああそうか、昨日は一緒に寝たんだったか」

提督「まだ摩耶は寝てるな……」

提督「……」



摩耶「ん……」

提督「起きたか。おはよう」

摩耶「おはよ……って何で提督が!?ってああ、そうか……」

提督「俺もさっき起きたところでな。じゃあ、朝飯でも行くか」

摩耶「お、おう」

提督「……摩耶の寝顔、かわいかったぞ」

摩耶「なっ!?な、何言ってやがんだバカ野郎!」バキッ

摩耶「あ」

提督「」チーン

摩耶「お、おい提督!大丈夫か!?おい!」ユサユサ

ガチャ

愛宕「おはよう、摩耶ちゃん。昨日はどうだった?」

摩耶「姉貴か、おはよう。どうもこうもねえよ。ただ寝て起きただけだ」

愛宕「そう、残念ね~。寝顔にキスくらいはするかと思ったけど」

摩耶「あっ、姉貴まで!んなわけねえだろ!ホラ、さっさと朝飯いくぞ!」

愛宕「あっ、待ってぇ~」パタパタ

提督「」



摩耶「……姉貴、ありがとな」

愛宕「どういたしまして。私は、摩耶ちゃんを応援してるからね?」

摩耶「……おう」



-------------------------

摩耶編はここまで。姉妹の呼び方がおかしいとかあるかもしれないがお見逃し下さい。
実はうちの重巡ではレベルトップ(97)なのです。バレンタインボイスは嬉しかったですね〜

次回は嫁その3を予定しております。

こんばんは。
今から5本目を投下します。

こんばんは、千歳です。
私は今日改装を受け、水上機母艦から航空母艦に艦種が変わりました。
改装するために走り込んで足腰を鍛えたり、食事制限をかけてダイエットしたりと、なかなか大変でしたけれど……
そんなわけで今日は改装祝いとして、提督と一緒に鳳翔さんのお店に飲みに来ています。

「提督、おかわりはいかがですか?」
「いただきます。ありがとうございます」

私達の提督は、若くして提督になったエリートです。かといって高慢な態度をとったりすることもなく、私達艦娘にも敬意を持って接してくれます。
敬意がちょっと強すぎるような気もしますけど……もうちょっとフランクに接してくれてもいいのになって思ったりもしますね。

「そういえば、千歳さんは以前は給油艦としても活躍したんですよね?」
「そうですね、水上機母艦兼給油艦でした。私がお酒好きなのも、その辺りと関係してるのかもなんて思っちゃいますけど」
「空母になっても、お酒が好きなのは相変わらずなんですね」
「うふふ、そうみたいですね。提督、そろそろおかわりはいかがですか?」
「あ、じゃあいただきましょうかね」
「鳳翔さーん、もう1本お願いします」



「う゛ー……」
「あらあら提督、もうおしまいですか?」
どれくらい経ったでしょうか。提督ったら、すっかりベロンベロンになっちゃって……あまり強くないのにずっと飲んでましたからね。
まあ、私が勧めすぎたせいもあるかもしれませんけど。うふふ♪
「うふふじゃありませんよ。 提督、大丈夫ですか?」
「あら、鳳翔さん」
「千歳さん、提督に飲ませるのが楽しいのは分からなくもありませんけど、ほどほどにしてあげてくださいね。明日も仕事あるんでしょう?」
「ごめんなさいね。提督が頑張って飲んでるのを見ると楽しくなっちゃって」
「提督も、千歳さんにお酌してもらってるからって調子に乗っちゃって……そろそろお店閉めますから、お部屋に戻ってくださいな」
「あ゛ーはい……申し訳ないです……」
「結構辛そうですね……千歳さん、私は店じまいがありますから、提督をお部屋まで連れて行ってもらえますか?」
「分かりました。ホラ提督、肩をお貸ししますから」
「……ちゃんと寝かせてくださいね?」
「わかってますよ♪それじゃ鳳翔さん、ご馳走様でした」
「はい、それでは」

提督に肩を貸しながら、お店を後にします。

「提督、大丈夫でしょうか……少し不安ですね。いろんな意味で」

鳳翔さんが何か呟いてたような気もしますが、きっと気のせいですね。




提督の私室まで戻ってきました。
「提督、部屋に帰ってきましたよ」
「はい。わざわざありがとうございます」
歩いている間に、少しは回復したみたいですね。
「とりあえず今日はもう寝ちゃいましょう。上着は脱ぎましょうか」
「そうですね……わざわざすいません」
「いいんですよ、飲ませたのは私なんですから。それじゃ、お休みなさい」
「はい、お休みなさい」




「……あの、千歳さん?」
「ふふっ。提督、何ですか?」


「何で千歳さんもベッドに入ってきてるんですか?」
「あら、何ででしょうね♡」

鳳翔さんの言う通り、ちゃんと提督は寝かせていますもの。何の問題もありません。

「いやいやちょっと……まずいですって色々と」
「色々?色々ってなんですか提督~?」
「そ、それはその~……今僕の背中に当たってるものとか……」
「だってベッドが狭いんですもの、仕方ないでしょう?」
「いやいやそっち十分広いでしょう!  ちょ、ちょっと!こっち寄ってこないでください!」
「ダイエットの時にここが痩せちゃわないか心配だったんですけど、あんまり変わってないみたいです。良かったですね」
「良くないですよ!ていうか何の話ですか!」

壁際にあるベッドに私が外側で寝ていますから、提督に逃げ場はありません。
提督業には慣れてても、女の人には慣れてないみたいですね。

「うふふ♪ 提督ったら慌てちゃって。かわいい~」
「勘弁してください……」

うぶな提督がかわいいんですもの、仕方ありませんよね♪



「少し暑いですね。もう一枚脱いじゃおうかしら」
「誰か助けてください……」


千歳編はここまで。
安価で隼鷹を推してくれた人には申し訳ないですが酔い潰されたい艦娘ナンバー1は千歳さん、ここは譲れない

ここまで書いた3人とは全員ケッコンしています。
嫁が書き終わったので、しばらくは安価のみで続けようと思います。

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアなどあればそちらもお書き下さい。

↓3

では次回は朝潮で。

これまでは1日おきでしたが、都合により時間かかるかもですので気長にお待ちください

こんばんわ。

何だかんだで今回も1日で書けましたので、朝潮編投下いたします。


トラック泊地を襲った、深海棲艦の大規模な強襲。
新型の強力な敵艦も現れ迎撃戦は困難を極めたが、辛うじて我らがトラック泊地は防衛に成功し、本日付で作戦は解除された。

提督は、作戦終盤は1日数時間しか寝れない日が続いた。体力的にもかなり厳しかったが、それも昨日までの話。
だがしばらくすれば、また通常の業務が始まる。今日だけはと思い早めに布団に入った提督は、そのまますぐに眠りに落ちていった……

ちょうど日付が変わったころ、そんな提督のもとへ近づく一つの影があった。

「……」

その影は提督に近づくと、提督の寝る布団の中へと潜り込む。

「……ん?」

提督がそれに気付き、目を覚ます。
提督に忍び寄る影の正体は……

「何だ朝潮か……って朝潮?どうした?」

正体は、提督がよく知る艦娘だった。
朝潮型一番艦、朝潮。この泊地の駆逐艦の中でも一二を争う練度の艦娘だ。今回の作戦においても、様々な場面で活躍していた。
責任感に溢れた、とても真面目な艦娘である。
朝潮は提督の横に並ぶと、提督にこう言った。

「司令官。今晩はご一緒いたします」
「……はい?」
「朝潮、今晩は司令官と一夜を共にさせていただきますのでよろしくお願いします」
「ちょ、ちょっと待って」
「何かご希望はございますか。何なりとおっしゃって下さい!司令官がお望みとあらば、この朝潮どんなことでも受け入れてみせます!」
「何言ってんの!?」


提督が慌てて跳ね起きる。突然のことに、事態が把握できていない。
それから提督が落ち着くまで、しばらくの時間を要した。


「司令官、大丈夫ですか?」
「ああ……とりあえず」

提督と朝潮は一旦布団から出て、飲み物を飲んでいる。

「それで、なんで急に一緒に寝ようとか言い出したんだ」
「あれ?寝るだけでよろしかったのですか?」
「よろしいもなにも、一緒の布団ですることなんて……あれ?もしかしてなんか俺勘違いしてる?」
「朝潮もよく分からなくなってきました……」

お互い話がいまいち噛み合っていない。それに気付き、提督が話を仕切り直す。

「そもそも、なんで俺の部屋に来たんだ」

「それはですね……本日、大規模作戦が終了しましたよね。司令官はその間ずっと働きづめで、とても大変そうでした。
それで、司令官に何かしてあげられることは無いかと思いまして……」
「うん、それで?」
「それで、荒潮に相談したんです。そうしたら荒潮が『夜這い』というものをすればいいと教えてくれまして」
「あー……」
提督が頭を抱えた。

「荒潮曰く、
『夜中に司令官のお部屋に行って布団に入って、一晩過ごすの。そしたら司令官、とっても喜んでくれるわよ〜』
とのことで、善は急げと思ってお邪魔したのですが」
「そういうことね……」
「もしかして、私なにか間違ったことをしてしまったでしょうか」
「間違ってないけど間違ってるな。ああいや朝潮は悪くないから心配しなくていいぞ。荒潮は明日説教だな……」

提督はコップの中身を飲み干して、朝潮に向き直る。

「いきさつは分かった。それじゃあ……」
「はい、一緒に寝ましょうか」
「なんでそうなる!?」
「朝潮は夜這いをしに来たのですから、最後までしなければ!さあ司令官!お布団へ!」
「さっきから言い方がいろいろ誤解を招きそうだからやめて!?」
「それに!……それに……」

「ん?どうした朝潮?」
「……」

先ほどまでとは打って変わって急にしおらしくなる朝潮。
それに気付き、提督は朝潮の様子をうかがう。
しばらくの沈黙ののち、朝潮が口を開いた。


「それに私……ほんとは寂しかったんです。
いつも司令官は作戦が帰投したら褒めてくれますし、普段も朝潮型の皆に優しく接してしてくれます。ですが今回の作戦が始まってからは、ずっと司令室に籠りっきりであまり接する機会がありませんでした。
私のわがままだというのは分かっているんですけど、司令官とほとんど喋ることすら出来なかったのが、思いの外辛くって……」

朝潮が提督の前で、自分のことを「私」と呼ぶとき。それは、上司と部下ではない、一人の女の子として提督に接するときだ。
練度が上がっても、殊勲を挙げても、その素顔はただの一人の女の子。提督もその事は分かっていたはずだが、作戦に気を取られ過ぎて、すっかり忘れてしまっていた。

「……そうか、分かった。今日は一緒に寝ようか」
「夜這いさせていただけるのですか?」
「……もうそういうことでいいか。それじゃ、布団に戻ろうか」
「はいっ!」

朝潮は、嬉しそうな表情を浮かべた。


「……ところで朝潮」
「はい、何でしょう」

二人は布団に戻り、一緒に寝転んでいる。

「朝潮は俺を労うために来たって言ってくれたけどさ、俺は指示するだけの立場で、実際に戦うのはお前たちなんだ。そんな俺が労ってもらってもいいのか?」
「指示する『だけ』なんて事はありません。私達が戦えるのも、すべては司令官がいてこそです。皆、司令官には感謝しています」
「……そっか。ありがとな」

提督は、嬉しいような恥ずかしいような表情を浮かべた。

「俺も皆に感謝してるんだ。朝潮は、何かして欲しいことはないか?俺に出来ることなら何でもするからさ」
「……それでは、頭を撫でてもらえますか?」
「そんなことでいいのか?……ほら」
「んっ……ありがとうございます。それから、折角なので、腕枕をしてもらってもいいですか?」



提督と朝潮。
互いの気持ちを確かめ合いながら、二人の夜は更けていく。

おまけ

「いただきます」

「いただきます。朝潮、何だか今日は上機嫌ね。何かあったの?」

「そう?実は、昨晩司令官に夜這いをしたの」

「ブッ!!」

「ちょっと満潮、汚いわよ」

「ゲホッゲホッ、ちょ、ちょっとどういうことよ!?夜這い!?」

「うん。初めてだったけど、司令官がとっても優しくしてくれて……嬉しかったなあ」

「!!?!?!??」

「満潮も夜這いしたら?きっと楽しいわよ」

「な、何言ってんのよ!するわけないでしょ!」

「あっ、それとも私が満潮に夜這いしてあげましょうか?」

「はぁ!?!!??」


朝潮編はここまで。3人称視点はやっぱり難しいですね……
安価ありがとうございました。

完全に私事ですが、今回のイベントはE5がキツすぎたので諦めて丙でクリアしました。甲の削り中に磯風ゲットしたので良しとします。

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアなどあればそちらもお書き下さい。

↓3

次回は朧ですね。安価ありがとうございます

以下感想などご自由にどうぞ

こんばんわ。
朧編、投下いたします。


「朧。急ですまないが、お前は明日から転属になった」

司令室に呼び出されたアタシに告げられたのは、突然の辞令だった。

「明日から朧は呉鎮守府に配属してもらう。第五航空戦隊に所属し、正規空母の翔鶴、瑞鶴の護衛に当たってほしいとのことだ」

提督は淡々と、内容をこちらに伝える。
でもその声は、少し震えていた。

「……七駆の皆とは、お別れということですか」
「そういうことになるな」
「……提督ともですか」
「……そうだな。なに、今生の別れってわけじゃないんだ。またどこかで一緒になれるさ」

提督が、励ましの言葉をかけてくれる。
でも今は、空虚な言葉にしか聞こえない。

「わかりました。大丈夫です、慣れっこなので」

こうなるのは2度目だから。もう慣れっこだから。
それに任務だから。受け入れなきゃ。

なのに何で……

「……朧」
「はい……」

何で、涙が止まらないんだろう。

「……今ここには俺しかいない。
気を張らなくていいんだぞ」

提督がアタシを抱き締める。
提督も、少し震えてる。バレバレなのに、アタシに気を遣って……

「……提督のそういうとこ、キライ……じゃ、ないです」


その日の夜。
「朧、いいのか?」
「はい、七駆の皆と話して決めたんです。今日が最後だから……皆で一緒に寝ようって」
「朧もご主人様も、みんな大切な仲間ですから!」
「クソ提督と一緒なんてまっぴらだけど……朧が言うんだから、仕方ないわよね」
「最後の夜だから……皆で過ごしたいなって、思ったんです」

布団を横に2つ並べて、皆で川の字になる。
端っこが提督でその横がアタシ、反対側に七駆のみんな。

「皆で過ごすのはもうこれが最後になっちゃうかもしれないけど……アタシ達、ずっと仲間だよね」
「そうだね」
「当然よ」
「当たり前田のクラッカーです!」

「提督も。アタシ提督のこと、ずっと忘れませんから」
「ありがとう。俺もだよ、朧」

アタシ、この鎮守府に居れて本当に良かった。心の底から、そう思った。
きっと次の鎮守府でも、うまくやっていける……。幸せな気持ちで、ゆっくりと目を閉じた。



朧編はここまで。
朧と提督が二人きりになるシチュが思いつかんかった……朧は七駆の皆とすごく仲良さそうなイメージがあるもんで。
期待していたものと違ったらすいません。短いし。

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアなどあればそちらもお書き下さい。

↓3

次回は春雨ですね。安価ありがとうございます
駆逐艦が続きますね……

以下感想などあればご自由にどうぞ

こんばんは。
春雨編、投下いたします

「では司令官。おやすみなさいです、はい」
「ああ。おやすみ」

ここは、辺境にある小さな鎮守府。
ここに居るのは、自分と春雨だけ。特別任務で他の艦娘などがやってくることもあるが、基本的には二人きりで過ごし、寝食を共にしている。

「今日も寒いですね、司令官」
「そうだな」

辺境の地であるここには、滅多に任務がやってこない。
深海棲艦もほとんど現れないこの地では、日に3度の哨戒以外、何もすることがない。
自分と春雨は、この何もない地で日々一緒に過ごし、一緒に食事をし、そして一緒に寝ている。

「あの、もう少しそちらにくっついてもいいですか?」
「……ああ、わかった」
「えへへ……」

夜は基本的に、二人で同じ布団で寝ている。
最初は別々に寝ていたのだが、春雨が「夜は怖いし寂しいから」と言い出して以来一緒に寝るようになった。
一緒に寝ると少し狭いが暖かいし、安心感もあるからと春雨は喜んでいる。自分もその点は同意する。

しかし一つだけ、問題があるのだ。


「んっ……」

春雨が寝返りをうち、こちら側を向いた。その時に発した春雨の小さな声が、こちらの心を惑わす。

「司令官……」

おまけに、腕に抱きついてきた。
柔らかい感触が、腕へと確かに伝わってくる。


そう。自分はあろうことか、春雨に欲情してしまっているのだ。


最初のうちは、そんなこと考えもしていなかった。二人でここに着任したときは、まるで娘が出来たかのような気持ちだった。
だが寝食を共にしていくにつれ、いつしか春雨を一人の女性として見るようになってしまった。娯楽の少ないこの地で過ごす日々が、自分の感覚を狂わせてしまったのかもしれない。

日中はまだいい。仕事は多くないとはいえ春雨と触れ合う時間は少なく、平静を保っていられる。
問題はこの時間だ。夜は、春雨がめいいっぱい甘えてくる。頼られているのは悪い気分ではないが、春雨を直に感じてしまうこの時間は、正直心臓に悪い。
今も春雨の柔らかい身体の感触が、本能をダイレクトに刺激してくる。体の大きさや性格の割に、発育は意外と良いんだな……などと、つい良からぬことを考えてしまう。

一緒に寝なければ良いのだろうが、春雨になんと説明すればよいのか。ムラムラしてくるから別々に寝ようだなんて、言えるわけがない。
言えるわけがない……欲情しているだなんて。相手は幼い女の子なんだぞ……

頭の中で葛藤が渦巻き、視界が狭くなってくる。
今日の自分は何かおかしい、疲れているんだろうか。だめだ、欲望に身を任せてはいけない……



「司令官?どうかしたんですか?」
「いや、何でもない……」

春雨の甘い声が、脳を揺さぶる。
こちらの様子がおかしいことに気付いたようだ。でも今は、そんなこと考えていられない。

「どうしたんですか?司令官、何だかヘンですよ?お腹でも痛いんですか?」

春雨が、お腹を撫でてくる。柔らかい手が、俺の身体を這う。

「司令官……?」

こちらを心配そうに見上げてくる。


その仕草に、俺の中で何かが弾けた。


もう、限界だ。

「きゃあっ」

春雨の体を抱き締める。
髪からは、シャンプーの甘い香りが漂ってくる。

「ど、どうしたんですか司令官……いやっ」

もう何も考えられない。
体を動かし、春雨の上に跨った。

「し、司令官……春雨、何か悪いこと、やっちゃいましたか……?」

そうだ。お前のせいだ。春雨が全部悪いんだ。俺は悪くない。


春雨の服に手をかけ、そのまま一気にーーーー


---------

春雨編はここまで。
ごめんよ春雨ちゃん……改の中破絵が刺激的すぎたんや……

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアなどあればそちらもお書き下さい。

↓3

次回は隼鷹ですね。安価ありがとうございます。

ご感想等あればお気軽にどうぞ

春雨編の続きは気が向いたら書くかもしれません

安価の方法変えたほうがいいんでしょうかね?
なるべくランダムに当たって欲しいと思うのですが コンマとかにしましょうかね

安価の取り方は検討しておきます。

シチュ指定は何気に初めてなので、期待に沿えるようがんばります

こんばんわ。

隼鷹編、投下いたします。


「おっす提督ぅ~!今夜一緒に呑まねえ?」
「お前はいつも突然だな……まあいいけど」

夕食を食堂で食べ終わり部屋に戻ろうとした俺に、隼鷹が話しかけてきた。
この時間に隼鷹が話しかけてきた時は、ほぼ酒の誘いだ。俺も酒は好きだし、今日は特に予定もない。今日は飲むことにしよう。

「それで、どこで呑む?鳳翔さんの所行くか?」

鳳翔さんは趣味で居酒屋のようなことをやっている。料理は美味しいし、部屋の雰囲気もしっかりしているしで、趣味と呼んでいいのか怪しいレベルだが……ともかくその居酒屋は非常に人気で、やっている日はいつも多くの艦娘が訪れる。隼鷹とも、そこで呑む事が多い。
だが返答は、それとは違うものだった。

「あーそれでなんだけどさ……今日はアタシの部屋で、二人で呑まないか?」

珍しい誘いだ。隼鷹に誘われる時は、いつも沢山の人を集めてパーっとやっているイメージがある。

「ああ、別にいいけど……何かあったか?」
「別に何がってわけじゃねえけどさ、たまにはそういうのもいいかなと思って」

隼鷹はいつもと変わらぬ様子で、軽く返事をする。
何かあるのかと思ったが、考え過ぎか。たまにはそういうこともあるだろう。

「そうか。じゃあ、風呂入ったら行くわ」
「了解っと。適当につまみも用意してるけどさ、何か欲しいもんあったら持ってきてくれよな~」

隼鷹は手をヒラヒラさせながら、自分の部屋に戻っていった。

さて、何を持っていこうか。


「お邪魔するぞ」
「おう提督!待ちくたびれたぜ~」
「すまんすまん。持ってくるもん考えてたらな」

準備を終え、隼鷹の部屋にやってきた。
何気に隼鷹の部屋に来るのは初めてだ。巻物や式神などの戦闘装備一式、それから大量の酒あたりは予想通りだが、本棚を埋めるハードカバー本など多少意外なものもある。
また全体的にきちんと整頓されていて、いつもの大らかな性格とは違う印象を受ける部屋だ。

「提督、あまりジロジロ見ないでくれよ」
「ああ、すまん。じゃ、さっそく飲むか」
「何を持ってきたんだい?」
「とりあえず酒はプレモルを持ってきたぞ。あとはチー鱈と、冷凍だが餃子を持ってきた」
「おっいいねえ~!ポン酒はいくらでもあるし、ビールはありがたいね」
「スーパードライと迷ったんだけどな。プレモルは>>1も好きだって言ってたぞ」
「それじゃ、乾杯といきますか!」
「「カンパーイ!」」

「くぅ~!この後味がたまんないねえ!」
「CRATZもあるのか、これビールにはぴったりだよなあ~」

早くも宴会モードに突入しつつある。
二人きりだし、言いたいことを思いっきり話せる。これはこれで楽しいものだ。
そのまま二人で、とりとめもない話をしながら、どんどん酒を空けていった。


飲み始めてだいぶ時間が経った。とうの昔に日付は変わっている。

「へへ、提督が2人に見えるよぉ~」
「おい隼鷹、ちょっと飲みすぎじゃねえか?」
「だ~いじょうぶだってぇ」

ヘラヘラと答えながら、こっちにもたれかかって来た。いつにも増して、酔い方がひどい気がする。

「今日はそろそろお開きにするか。おい隼鷹、立てるか?」
「んぁ~」
「ダメだ、聞こえちゃいねえ……仕方ないな、よっと」

隼鷹を抱え上げる。隼鷹が首に手を回してきた。
所謂お姫様抱っこ。だが今はそんなロマンチックなものでもない。ただの酔っ払いの介抱だ。
そのまま布団まで運んでやる。

「すまないね、提督」
「おい、あまり動くな」

布団に隼鷹を下ろす。

「じゃあ、片付けはやっとくからゆっくりしとけ」
「提督ぅ~」
「おい、手を離せって……うおっ」

腰に脚を回してきた。体重が思いっきりかかる。
そのままバランスを失い、布団に倒れこむ。

「へへっ」

これ幸いとばかりに、隼鷹が強く抱きついてきた。

「おい、俺は抱き枕じゃないぞ隼鷹」
「えへへ~」
「隼鷹、ちょ、やめろって」

振り解こうとするが隼鷹の力が思いのほか強く、どうすることもできない。

「やめろって隼鷹」
「……」
「おい、いい加減に……」

「やっぱ、アタシじゃ嫌かい?」

さっきまでとはまるで違う声色。
いつものヘラヘラした感じではなく、真剣味を感じさせる声だった。

「え?」
「やっぱ提督は、こんなガサツな女じゃ嫌かい?」
「何を言って……」
「アタシはさ」

腕の力が強くなる。
顔はこちらの肩に埋められていて、表情はわからない。
いったい何を考えているんだ。



「本当は、こんな酒の勢いじゃなくて、もっとちゃんとした時に言いたいんだけどさ。
アタシ、提督のこと、好きなんだ」

隼鷹からの、突然の告白。
いきなりすぎる展開に、頭がついていかない。

「こんなこと言うのガラじゃないけど、艦隊指揮の時はキリっとしててカッコいいし、かと思えばアタシが急に酒に誘っても乗ってきてくれるノリのよさもあるし。いつの間にかホレてたんだよね。不思議なもんだね」
「……」
「でもこんなガサツで不器用な女じゃ、嫌に決まってるよな……ごめんな、提督」

腕の力が弱くなる。そのまま、こちらに背中を向けた。

「片付けは明日やるからさ……帰っていいよ。悪いことしたな」

背中を丸めて、弱々しい姿を見せる隼鷹。


気がつけば、震えるその身体を優しく抱き締めていた。

「提督……?」

隼鷹が戸惑いの声を上げる。

「ありがとう、隼鷹」

まだ、気持ちの整理がついていない。
酒に酔ってうまく回らない頭で、必死に次の言葉を探す。

「そういう風に俺の事を思ってくれてたっていうのは、純粋に嬉しい。
だけど話がいきなり過ぎて、どうしていいか、まだはっきりとは分からない。」

今まで隼鷹をそういう風に意識したことはなかった。
でも、一人の異性として隼鷹のことを考えたら、不思議と悪い気はしないだろう。理由はわからないけど、そういう確信はあった。
だから……

「だから……これから、少しずつまた隼鷹と過ごしていって、その中で答えを見つけたい。それで、いいか?」

腕から伝わる震えが止まった。
しばしの沈黙が流れる。

「嫌じゃ……ないのか?アタシなんか……」
「嫌なわけあるか。嫌な女と酒なんか飲めるか」
「提督……」

隼鷹が、こちらに向き直る。こちらを見つめる目は、少し潤んでいた。
顔がくしゃっと歪んだかと思うと、胸元に顔を預けてきた。

「うっ、うぐっ……うわ~~ん!!提督~~!!」

隼鷹の身体を、もう一度優しく抱き締めてやる。


「絶対嫌われるって思ってたのに!よかったよお~~!うわ~~ん!」
「よしよし……」


背中を優しくさすってやる。
隼鷹が泣き止むまで、しばらくの時間を要した。


とても長い間泣き続けて、ようやく隼鷹は泣き止んだ。そのまま疲れて眠ってしまったようだ。
なんだか幸せな気分だ。俺も、このまま眠ることにする。

明日からは、隼鷹とのまた新たな日々が待っているだろう。
事の顛末がどうなるかは、まだ分からないけど……

少しの不安と大きな期待を胸に、ゆっくりと眠りについた。


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隼鷹編はここまで。安価おめでとうございました。

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアなどあればそちらもお書き下さい。

↓3

次回は五月雨ですね。安価ありがとうございます

感想等あればご自由にどうぞ

こんばんは。
だいぶ遅い時間ですが、五月雨編投下いたします。


目の前に立ちはだかる、大きな門。この先には、俺がこれから過ごす鎮守府がある。
今日から俺は、ここの提督となる。

ここに至るまでの何やかんやは省略する。ともかく、紆余曲折を経て今日付で俺はここの提督となるのだ。
人類の敵、深海棲艦。それに立ち向かう唯一の手段、艦娘たち。これから俺は、その艦娘を指揮する立場になる。俺の手に人類の存亡がかかっていると言っても過言ではない。大命を任された俺は、強い使命感に燃えていた。
奥に見える赤煉瓦の建物を見据える。門の中の建物たちは、静けさの中に佇んでいる。これからの激動の日々に備え、力を蓄えているかのようだ。


ところで、俺は今門の前で立っている。
何故、中に入らないのか?
それはごく簡単な話だ。




門が開かないのだ。

「いやいやいやちょっと待ってよ……何で呼び鈴鳴らしても誰も来ないの?」

かれこれ30分はここに立ち尽くしている。
明らかにおかしい。静かと言ったけど、あまりに静かすぎるし。

どうしようか途方に暮れていると、門の奥から声が聞こえてきた。


「あの……どうされました?」

恐るおそるといった感じで声を掛けてきたのは、袖なしのセーラー服に身を包んだ、青髪の少女だった。
見覚えがある。確かこの子は……

「五月雨くん……だったかな?」
「あっ、ハイ。何で私の名前を……?」

実物を見るのは始めてだ。
これが、艦娘。少女という、「軍隊」という言葉とはまるでかけ離れた見た目の存在。
しかし彼女こそが、他でもない人類の希望なのである。

「事前に写真を見せてもらっていたからね。俺は、今日からここの提督となる者だ」

「あっ、提督ですか!?これはすいません!
私、白露型6番艦、五月雨っていいます!よろしくお願いします!」
「だから知ってるって」
「あっ、すいません!」
「ハハ、元気があっていいな。それはともかくとして、ここを開けてくれないか?」
「はい、分かりました! あれ?でも……」
「どうかしたかい?」
「あの、提督……着任は、明日ではありませんでしたか?」
「へ?今日は4月1日じゃないの?」
「今日は3月31日ですけど……」



「ええええええええ!!!!!」

なるほど、道理で誰もいないわけだ……
着任日を間違えるなんて……初日(厳密には初日じゃないけど)からとんだヘマをやらかしてしまった。超恥ずかしい。

「提督、ドジっ子さんですね」
「面目ない……」
「あはは、大丈夫ですよ。私も大概ドジっ子ですから」
「そうなのかい?」
「はい。自分で言うのも変な話なんですけど、私、昔からドジばっかりしてきたんです。
仲間と衝突しちゃったり、味方を間違えて撃とうとしちゃったり……」

そういえばそうだったような気がする。艦娘は、かつて艦艇だった存在なのだ。「昔」というのも、艦の時代の話だろう。

「そうか、ありがとう。なんか元気が出てきたよ」
「ホントですか?ありがとうございます!って言うのも何か変ですけど……
でも、なんだか安心しました。怖そうな人かと思ったけど、提督とだったら、何だか頑張れそうです!」
「はは、そうだね。ところで、五月雨くんは何で今日ここにいるのかな?」
「着任は明日なんですけど、なんだか待ちきれなくなっちゃって」
「そうなのか。でもお陰でこうして会えたわけだ」
「そうですね!何だか私たち、気が合いそうですね!」

酷いドジを踏んだけど、おかげで何だか仲良くなれた気がする。結果オーライだと思おう。

「それじゃ、どうしようか……。着任が明日なんだったら、来てもどうしようもないな。
とはいえ前住んでた所は引き払っちゃって、荷物とかもこっちに送ってるし……」
「それだったら、一日早いけどこの鎮守府を見て回るのはどうでしょう?私、案内しますよ!明日の着任から少しずつ荷物の搬入とかがあるそうなので、まだ建物だけで何もないみたいですけど」
「そうだな……他にすることもないし、そうするか。それじゃ五月雨くん、お願いできるかな?」
「はい!それからあの、良かったら私のことは呼び捨てにしちゃってください!」
「いいのかい?」
「はい!私、堅苦しいのはちょっと苦手なので」
「そっか。実は俺もなんだ。さっきまでかっちりしてたけど、どうもやりづらくて。じゃあ五月雨、よろしく」
「はいっ!」

五月雨に門を開けてもらい、中に入った。俺の提督としての「0日目」が、これから始まる。


鎮守府内の様々な施設を見て回り、あとは執務室のみとなった。
なんやかんやしているうちに、すっかり日も暮れている。
「それじゃ最後ですね……ここが執務室です!」
「ここか。ってここは本当に何もないな……」
何もない執務室に足を踏み入れる。
まだ机すらない。段ボールだけが、部屋の真ん中にぽつんと置いてあった。

「机は家具コインっていうので買わないといけないらしいですよ」
「まじか。まあ好きなものが買えると思えばいいかな」
「この奥が提督の私室になります。提督の荷物などはこっちにきてるみたいですね。あとベッドもありますよ」
「お、もう荷物きてるのか。ベッドは備え付けかな?結構大きいね」

五月雨が、ベッドの真ん中に勢いよくボフンと座る。

「結構しっかりしてますよ。おっきいし、私だったら3人くらい寝れそうですね!」
「ていうか、なんでベッドがあって机が無いんだ……まあいいや。荷物があるんだったら、もう今日からここに泊まれるね。宿とろうかと思ってたんだけど」
「そうですね。私も宿舎のほうに泊まっちゃおうかな……ああっ!」

五月雨が急に大きな声を上げた。

「どうかした?」

「そういえばさっき宿舎を見てきたとき、部屋の2段ベッドに布団が置いてなかったような……」
「ええっ!?」
「私、ちょっと見てきます!」

五月雨が小走りで宿舎へと向かっていった。 ……あ、コケた。

しばらくして、五月雨が帰ってきた。

「やっぱり、ベッドはあったけどお布団がありませんでした……布団は明日以降搬入されるみたいです」
「そうか……それじゃあ五月雨の寝る所が無いじゃないか」
「どうしましょう……」

これは困った。こんなところで1日早くやってきたツケが回ってくるとは。

「そうだ、ベッドは五月雨が使いなよ。俺はどっかで寝るし」
「ええっ、そんな」
「大丈夫。別に1日くらいどうってことないよ」
「ダメですよ!大事な着任前日なのに、風邪引いちゃったら……」
「そっちこそ、明日に疲れが残ったりしたらまずいよ」
「それは提督もじゃないですか~」
「だからって……」

どちらも譲ろうとせず、しばらく口論が続いた。
お互い退くに退けなくなってきたころ、五月雨が突拍子もないことを言い出した。

「あっ、そうだ!ベッドで二人一緒に寝ればいいんですよ!」

「えっ!?」
「何で気付かなかったんだろう。これならふたりともバッチリ眠れますね!」
「いやいやちょっと待ってよ……」
「大丈夫ですよ。ベッドは大きいし、ちょっと窮屈かもしれないけど二人ならちゃんと入れますよ」
「そ、そういう問題じゃ……」
「そうと決まれば、早速準備しましょう!着替えはありますし、お風呂に入ってきますね」
「ちょっと待ってよ!」

五月雨が部屋を出ようとする。慌てて引き止めた。

「どうかしましたか?」
「どうかしてるのは五月雨の方だよ。今日初対面だっていうのに……」

初対面でなくても女の子と男が一緒に寝るだなんて、いろいろ問題がある。
上司と部下とはいえ、こんなこと簡単にしていいわけじゃ……


「分かってますよ。こんなこと、誰にでも言うわけじゃありません。
今日一日過ごしただけですけど、提督はとても良い人だって分かりましたから。
私だって、それくらいの分別はあります」

五月雨が、落ち着いた声で答える。

「初日から一緒のベッドで寝るなんてちょっとやりすぎかもしれませんけど、でも提督だったら、大丈夫かなって思ったんです」

こちらをしっかり見つめる五月雨。
その目はまるで海のような、どこまでも澄んだ蒼色をしていた。

「……そうか、わかった。それじゃ、今日は一緒に寝ようか」
「はいっ!」


「狭くないか?」
「はい、大丈夫です!」

就寝の準備を終え、ベッドに入っている。
狭いといえば狭いが、十分だ。隣から五月雨の体温をかすかに感じる。

「提督、今日はありがとうございました」
「こちらこそありがとう。一日早く会うことになっちゃったけど、これからがんばろうな」

一緒に寝ることになるとは夢にも思わなかったが、提督として信頼されているのだと思えば悪い気はしない。
この信頼を裏切ることが無いよう、提督としての務めをしっかり果たさなきゃな。

「それじゃ、お休みなさい」
「ああ、おやすみ」

今日はいろいろあったけど、ともかく明日から、提督としての日々が始まる。
気を引き締めて頑張ろう。そのためにも、今日はしっかり休むことだ。
新たな地での高揚感と、かすかな心地よさとともに、俺の体は少しずつ眠りに落ちていった。






「うーん、朝か……って今何時!?」
「んー。あれ、おはようございます……どうしたんですか?」
「どうしたじゃないよ!もう0850だよ!」
「ええっ!ね、寝坊じゃないですかー!」
「急いで準備しなきゃ……!」



「はあ、はあ……」
「なんとか間に合った……早く着き過ぎたかと思えば、今度は寝坊しかけるとは……」
「ギリギリセーフですね……なんだかバタバタしちゃいましたけど、それじゃあ提督!」
「うん!」



「提督が鎮守府に着任しました!これより艦隊の指揮に入ります!」


五月雨編はここまで。
着想まではわりかし早かったのですが形にするのがなかなか大変でした。
五月雨教の皆様にご満足頂ければ幸いです。ちなみに>>1の初期艦は電です

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアがあればそちらもお書き下さい。

↓1

では次回は武蔵で。安価ありがとうございます。

感想等あればご自由にどうぞ

こんばんは。
武蔵編投下します。

どうも皆さんこんにちは、提督です。

突然ですが、「武蔵のメガネ」って気になりませんか?
僕は気になってます。

武蔵のメガネには、電探としての機能があるらしいんです。
あの電探メガネは、人間である自分にも使えるのか?使えたとしたらどんな感じなのか?気になりますよね。


ということで、メガネを貸してくれないかと本人に訊いたんです。そしたら
「断る」
と一蹴されてしまいました。
大和から聞いたのですがどうやらあのメガネにはそれなりにこだわりがあるようで、あまり他の人に触らせてくれないらしいんです。

こっそりメガネを奪い取ってみれば……と思ったのですが、武蔵はなかなか隙を見せません。
あと、「着けているメガネを急に奪い取ろうとするのは金具などが眼に当たるおそれがあって非常に危険なのでやめてくれ」と武蔵に言われてしまったので、奪い取るのはやめときます。

というわけで非常に困っていたのですが、ここでナイスな作戦を思いつきました。
寝てる間ならメガネを外しているはず。この間にこっそりメガネを盗み取ればいいのでは?
我ながら素晴らしい発案です。

僕は提督なので、艦娘の部屋のマスターキーを持っています。
これを使って、夜中に武蔵の部屋に忍び込むのです!職権濫用な気もしますが気にしない!


というわけで、武蔵の部屋の前までやってきました。今は午前3時。

「おはようございま〜す(小声)」と言いたくなりますね。しかし今回は寝起きドッキリではありません。
なるべく静かに、武蔵の部屋の鍵を開けて忍び込みます。


部屋は真っ暗ですが、月明かりのおかげでそこそこ中の様子はわかります。
武蔵はベッドで眠っているようですね……

むっ、クローゼットが開いている……
気になります。武蔵はいつもサラシを着けていますが、私服はどうなんでしょう。ブラジャーとか持ってるんでしょうか。
ていうか武蔵の私服ってあまり想像がつかないですね。

すごーく気になりますが今回の目的はまた別にあるので、好奇心を抑えてメガネを探しましょう。
ていうか艦娘のクローゼット漁ったらさすがに提督失格でしょ……
(夜中に艦娘の部屋に忍び込んでる時点であまり変わらない気もしますが)

あっ、ありました!
ベッドの横の机にメガネが置いてます!

武蔵を起こさないように、少しずつ机に近づきます。
もう少し……あと少しで武蔵のメガネが……


「おい」
「ぐえっ!?」

急に後ろから襟を掴まれ、そのままベッドに引き込まれました。
武蔵を起こしてしまったか……!
なすがままに、ベッドにうつ伏せにされ、腕を極められそうに……慌てて声を掛けます。
「タンマタンマ!!僕です!提督!!」
「提督だと?」

電気が点きました。腕は解放されましたが、まだ押さえ付けられたままです。

「なんだ、提督か?こんな時間に何の用だ?」

こう聞かれてしまってはもう白状するしかないでしょう。
僕は正直に、ここに来たいきさつを告げました。


「成る程、眼鏡を見てみたかったから夜中に私の部屋に忍び込んだと……」
「はい……」
「提督は馬鹿だな」

正直に言われるとなかなかグサッと来ますね。
ていうか、武蔵はかなりご立腹のようです……まあ当たり前か。

「気持ちは分からんでもないが……
ともかく、貴様は夜中に艦娘の部屋に忍び込んだわけだ。それがバレたからには、それなりに罰が要るよなあ?」
「はい……」

怒気を孕んだ武蔵の声に、何も反論できません。
よくよく考えたら夜中に艦娘の部屋に忍び込んでるわけで、やってることは夜這いと殆ど変わりません。怒るのも当然のことでしょう。
何をされるんでしょうか?最悪憲兵を呼ばれる可能性すらあります。状況的に言い逃れはできそうに無いでしょう。
終わったか、僕の提督人生……



武蔵がおもむろに俺の上から降りて、布団に寝転び直します。

「よし、今晩は私に付き合え」

武蔵から、怒りのオーラが消えました。

「え?」
「丁度抱き枕が欲しいところだったんだ。今晩は一緒に寝てもらおう」
「え?え?」

わけがわかりません。
そのまま掛け布団をかけられ、電気を再び消されました。

「あの、武蔵、怒ってたんじゃ……」
「ただのフリだ。慌てる提督を見てるのは面白かったぞ」
「え……ていうか、今から一緒に寝るの?」
「そうだ、これは命令だ。罰だからな」
「これじゃ罰というよりご褒美……」
「何か言ったか?」
「な、何でもありません……」

つい敬語になる。


「それじゃ、お休み」

武蔵が体に腕を回し、抱き付いてきました。
横からは、武蔵のがっしりしつつも柔らかい身体の感触が感じられます。
腕のあたりには、特に柔らかい二つの感触が……
え?僕このまま寝るの?

武蔵の身体が密着し図らずも興奮してしまいますが、腕ごとがっちり抱きとめられているのでどうすることもできません。さすが超弩級戦艦、すごい力です。
まさか、これが狙いで……

隣からは、早くも寝息が聞こえてきました。
息が耳に当たってかなりこそばゆいです。

「こ、これじゃ生殺しだ……」

呟いた言葉は、夜の闇に吸い込まれていきました。


次の日の朝になってようやく解放されましたが、それまで興奮で一睡もできませんでした。
おまけにその後、夜中に忍び込んだのが他の艦娘たちにバレて、艦娘たちからしばらくの間白い目で見られることに……
結局メガネは触らせてもらえてないし、踏んだり蹴ったりです。もう武蔵にちょっかいを出すのはやめよう……


「ははっ、提督は面白い奴だな」
どこかから、武蔵の高笑いが聞こえてきたような気がしました。

-----------------------------------------
武蔵編はここまで。
うちにも早く来てくれ……

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアがあればそちらも書いてください。

↓3

次回は阿賀野で。
ただし指定シチュがR-18前提なのでシチュ指定は無視します。なるべく組み込めるようにはしますが……

以下感想等ご自由にどうぞ

あと連絡ですが、このスレで書くSSはあと3、4本程度になると思います。
もともとそんなに長くやるつもりは無かったので……

こんばんわ。
阿賀野編投下します。

女性提督、わずかにエロ有りなので注意


「午後2時です!阿賀野、意見具申!……お昼寝しましょ?」
「また阿賀野はそうやって休もうとして……まあいいわ。今日はわりかし暇だし、たまには一緒にお昼寝しちゃいましょうか」
「やったあ!提督さん、大好き!」
「ちょっと、急に抱きつかないでって」

少しずつ春めいてきた、のどかな晴れた日。
急ぎの任務はないし、たまには昼寝もいいかもしれない。
執務室のドアに「仮眠中」のボードを掛ける。

執務室の端に置いてあるベッドへ移動する。眠たい時のために、仮眠用に置いてあるのだ。
仮眠の間は秘書艦もすることがあまり無いため、一緒に昼寝することもある。そのためベッドも少し大きめのものが用意されている。
ちなみに阿賀野は秘書艦担当でない日でも、よくここにやってきて昼寝をしている。そして夕方まで起きずに私や能代に叩き起こされている。
「お昼寝ってなんでこんなに気持ちいいんだろうね〜」
とは阿賀野の談だ。

「今日はあったかいし、絶好のお昼寝日和ね!」
「阿賀野は毎日がお昼寝日和じゃないの?」
「もうっ、またそうやって阿賀野をからかうんだから」
「じゃあ寝ましょうか」
「あっ、無視しないでよぉ〜!」

ベッドに二人で横になり、布団を掛ける。
タイマーを1時間後にセットしておいた。

「それじゃ、お休みなさい」
「おやすみ〜」

春の陽気と布団の暖かさに包まれて、すぐに眠りの世界に入っていった。


……静かな部屋に、途切れ途切れの甲高い声が響く。

大きな膨らみを揉みしだきながら、真っ白な首筋に舌を這わせる。

「んっ、ああっ、提督さんっ」

硬くなってきた膨らみの先端に指を添えると、ひときわ大きい声を上げた。

「ああっ!そこ、だめっ」

一旦身体を離す。
触れていた部分に外気が当たり、肌寒い感触が身体を伝う。だがこの内側から沸き起こる熱は、全く収まりそうにない。

「提督さぁん……」

阿賀野の甘い声が脳を蕩かす。
その声に突き動かされるように、阿賀野の股を覆う布に手をかける。
名残惜しそうに糸を引くその布を、ゆっくりと足から引き抜いた。

再び身体を重ねると、右手を阿賀野の下半身にーーー




「きゃあっ!」
強い衝撃が身体を襲う。
「痛たた……な、何?」

数瞬遅れて、自分の状況を把握した。
どうやらベッドから落ちてしまったらしい。後ろを振り向くと、自分がさっきまで寝ていたベッドが見えた。阿賀野はまだ眠っているようだ。
そうだ、自分はさっきまで昼寝をーー。そこまで考えて、先程の光景がフラッシュバックする。

夢の中で淫らによがる阿賀野のーー
「っっ!!」
慌てて首を振り、思考を振り解こうとする。
しかし、頭に張り付いた夢の中の光景は、なかなか離れようとしない。

夢の中で最後に触れようとした場所。自分の「その場所」からは、かすかな湿り気が感じられた。

「……起きましょう。顔を、洗いましょうか」

痛みと気だるさを残す身体を引きずりながら、洗面所へと向かった。


執務室に戻ると、阿賀野も目を覚ましていた。ちょうどタイマーの鳴る時間だったらしい。

「あっ提督さん、おはよう」
「おはよう……」

阿賀野はさっき起きたばかりらしく、服が少し乱れていた。
服の間から覗く素肌が目に入る。先程までの記憶を思い出しそうになり、あわてて目を逸らす。
落ち着きましょう。阿賀野と昼寝した事なんて何度でもある。こんな姿、何度だって見てきたじゃない。
そう自分に言い聞かせるものの、先程の光景が振り払えず、阿賀野を直視することが出来ない。

「あれ?提督さん、どうかした?」

こちらの様子を不審がったのか、阿賀野が声をかける。

「……なんでもないわ。それより、3時から能代とお茶する予定だって言ってなかった?」
「あっそうだ、早く行かなきゃ!提督さん、ありがとうね!」

阿賀野がそそくさと執務室を後にする。
1人で残された部屋は、やけに広く感じられた。


なぜ、あんな夢を見たんだろう。

自分にそんな欲求があるとでもいうのかーー。頭に浮かんだ仮定を、慌てて否定する。
そんなわけない。自分はノーマルのはずだ。

でもーー。
先程の夢の中の光景。それを思い出すだけで、身体の中がじわりと熱を帯びるのを感じる。
自分の内から沸き上がる本能が、理性を否定しようとする。



この気持ちは、いったい何?

渦巻く感情にどうすることも出来ないまま、ただ一人、部屋の中で立ち尽くしていた。


阿賀野編はここまで。
なんかスレの趣旨変わってきてる気がする。まあええか

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデアがあればそちらも書いてください。

↓2

次回は熊野ですね。安価ありがとうございます。

以下ご感想などお気軽にどうぞ

こんばんわ。熊野編投下します。
三隈編(>>3>>7)のアフター?IFルート?な感じです。


「さて、今日はもう寝るかな」
時刻は23時。最近は特別任務などもなく、早めに眠れる日が続いている。
布団を敷き、寝る準備にとりかかる。

ふと、2日前に三隈とともに眠ったときのことを思い出す。

「三隈の体、暖かかったなあ……」

思わず顔がニヤけてしまう。
勿論、そういう目的で一緒に寝たわけではない。孤独の不安に苛まれた三隈を慰めるのが、もともとの目的だった。
だが、最近は春先とはいえまだまだ寒い日が続いている。三隈を抱き締めた時の暖かさ、その感触。それがどうしようもなく心地良かったのもまた事実だ。
実際、昨日眠った時はなんとなく空虚な感じがした。二人で眠ることの心地よさを知ってしまうと、一人で寝ることはとても寂しいものに思えてしまうのだ。

とはいえ、流石に三隈に「一緒に寝よう」とこちらから言うわけにもいかないだろう。
何か特別な事情があるならともかく、「湯たんぽになって欲しいから」というのではいろいろ問題がある。

仕方ないか、と思いつつ電気を消そうとしたその時。

「とぉぉおおぅ!!」
「どわあああぁぁ!?」

熊野が、ドアを蹴破らんかという勢いで部屋に入ってきた。


「提督!!」
「な、なに?」

ビシッとこちらを指差す。
服は部屋着のようだ。茶色のモコモコのパーカーを着ている。

「先日、三隈と一緒に寝たというのは本当ですの!?」
「ああ、なんだその事か……」
「その反応!まさか……!」
「ああ、確かに2日前、三隈と一緒に寝たよ」
「な!何てことですの……」

膝から崩れ落ちる熊野。
さっきから一々リアクションが大きい。何だかテンションが上がってるようだ。

「そんな、まさか本当に……」
「とりあえず、一旦落ち着け」
「そ、そうですわね……わたくしとしたことが、つい取り乱してしまいましたわ」

熊野が息を整える。その間に、二人ともちゃぶ台に移動した。


「で、だ。何があった?」
「それはこちらの台詞ですわ。三隈と何があったんですの?」
「多分熊野が思ってるような事は何も無いと思うけど……熊野はどこまで知ってるんだ?順を追って話してくれ」
「わかりましたわ……

2日前、三隈がとても落ち込んでいて、何かとても思い詰めている様子でしたの。聞いてみても『大丈夫、何ともありません』と言うばかりで、どうしようもありませんでしたわ。
ですが、昨日は打って変わってとてもご機嫌な様子でした。その日は前日あしらわれた事もあって、あえて何も聞かなかったんですの。
そして今日、鈴谷が日を跨ぐ遠征に出ているので、先程まで三隈と一緒にお喋りしていたんですの。その時に、思い切って何があったのか聞いてみましたわ。
それで、全て聞いたんです……。
昔の記憶を思い出して不安になっていた事。
私たちを頼れず、提督のところに行った事。
提督に頼んで、一緒に眠った事。
朝食を作って、喜んでもらえた事。

それはそれは、とても嬉しそうに話しておられましたわ」
「そ、そうか……」

三隈に喜んで貰えたのならそれは有難いことだ。
だがそれを語る熊野の声からは、苛立ちと、少しの怒りが感じ取れた。
先程まではかなり慌てている様子だったし、何だか熊野も様子が変だ。

「どうした熊野?もしかして怒ってる?」
「怒ってなどいませんわ。三隈の心が弱って、頼れる者が提督しか居ないのであれば、提督に頼るのは当然でしょう。別に怒る理由などありません」

そう言ってはいるものの、明らかに言葉の端々からは怒りの感情が見える。
なぜ怒っているのだろう?何か原因は無いかと考えて、一つ思い至った。

「もしかして、三隈と『そういこと』が無かったか気にしてるのか?三隈とは本当に一緒に寝ただけで、それ以上のことは何もしていないぞ」
「……あら、そうですの。それは安心ですわね。まあ別に私は、三隈と提督がどういう関係になろうが気にしていませんけど。ええ、気にしていませんとも」

2回言った。何だかこの辺りが怪しい気がする。
もう少し探りを入れてみよう。


「本当は、気になってたんじゃないの?」
「なっ、そ、それは……そう、三隈が嫌な思いをしていないかは心配でしたけどね。三隈が嫌な思いをするのは、私も嫌ですもの」

嘘だ。明らかに動揺している。
それに、最初に「三隈は嬉しそうに話していた」と言っていた。だとしたら、嫌な思いをしていないかが心配だったはずがない。
つまり、熊野は俺と三隈の関係が気になっていた、ということになる。

となると、熊野の苛立ちの原因は……と、ここで一つの可能性を思いつく。

「……ひょっとして、本当は三隈が羨ましかったんじゃないの?」
「なっ!?そ、そんなわけありませんわ!」
「何だ、それなら最初から言ってくれればいいのに」
「だから違いますわよ!」
「はっはっは、何なら今日一緒に寝てやってもいいぞ」
「なっ……!?」

思いつきが馬鹿らしくて、つい冗談を言ってしまった。俺と一緒に寝るのが羨ましかったとか、熊野に限ってそんなわけないよな。
熊野はこう見えてからかうと面白いので、つい冗談が出てしまう。

「はは、冗談だって」と笑い飛ばそうとするより一瞬早く、熊野が口を開いた。

「お願いしますわ」

「え?」

予想外の返答に、思わず聞き返す。

「一緒に寝て頂けるんでしょう?それでは、お休みいたしましょうか」
「え、ちょっと待って」
「何ですの、自分で言っておいて取り消すのですか?」
「い、いやそういうわけじゃ……」
「私はもうおねむですのよ。睡眠不足はお肌の大敵ですわ。さっさとお休みいたしましょう。さっ、早くいらして」
「えっ、おっ、おう」

言うが早いか布団に潜り込む熊野。
自分も流されるまま、電気を消して布団に入ってしまった。

「それでは、お休みなさい」
「おやす……いやいや待て待て」
「何ですの、用があるなら早くしてくださる?」
「ちょっと待てよ、何で成り行きで熊野と寝る事になってるんだ」

誰かと一緒に寝るのは望んでいた事ではあるけど。
話が急すぎてついていけない。熊野に理由を尋ねる。


「……ひょっとして、本当に分かってないんですの?」

熊野の返答には、呆れが込められていた。

「ど、どういう意味だよ」
「三隈が提督と一緒に寝たいと言った理由です。昔を思い出したと言ってはいましたけど、不安になったからというだけの理由で、殿方と一緒にお休みになると思っているのかしら?」

溜息交じりに熊野が話す。

「そ、それは……」

俺と一緒に寝る理由が、他にあるとすれば……
いやそんな、まさか。

「そのまさかですわ。……三隈は提督に、懸想していらっしゃいます。普段から三隈は、提督へ積極的にアプローチしていましたけれど……本当にお気付きでなかったのかしら?」

言われてみれば、前から三隈は一緒にご飯を食べたいと言ったり、腕に抱きついたりと、こちらに甘えてくることが多々あった。
それは三隈のもともとの性格によるものだと思っていたが……言われてみれば、そういう風にも取れる。というより、そう考える方が自然にさえ思えてくる。

「提督ったら、ひどい朴念仁ですのね」
「うっ……」

何も言い返せない。

と、ここでもう一つ気付く。
熊野が今、一緒に寝ようと言い出した理由。先程否定した思いつきが、間違いでなかったとすれば……

「まさか、熊野も……」
「……提督は、そんなことを本人の口から言わせるおつもり?」
「す、すまない」

そういうことだったのか。
そう考えれば、すべて辻褄が合う。熊野が苛立っていたこと、そして一緒に寝ようと言い出した理由も。
今更ながら気付いた事実に、動揺を隠せない。

「……さっきは三隈と提督のことを別に気にしてないと言いましたけれど、本当は私にも、そういう思いはありますわ。三隈には負けたくない、とも思っています」
「……」
「それに、提督に対してそういう思いを抱いている艦娘は、他にもいらっしゃいます。その様子ですと、全く気付いていなさそうですけれど……本当は、提督の心を射止めようとみんな必死になっているのです」

初めて知る、艦娘達の想い。

艦娘の皆に対して、そういう風に意識したことは無かった。提督と艦娘という難しい間柄だし、あえて意識しないようにしていたのかも知れない。
だが、こうして知ってしまったからには無視するわけにはいかない。熊野の言うことが本当ならば、いずれ自分が何かしらの方法でその想いに応えなければならない時が来るだろう。


不意に、熊野が腕に抱き付いてきた。

「提督が最終的に誰を選ぶかは分かりません。ですが、それまで私も諦めるつもりは一切ありませんわ。いつか必ず、提督をこちらに振り向かせてみせます」

甘えるのとは少し違う、熊野の確かな思いが、腕から伝わってくる。

「だから、今は……」
「……わかった」


熊野の言葉を遮って、背中に手を回す。
そのまま熊野の身体を、優しく抱き締めた。

それから二人とも、寝付くまで言葉を交わさなかった。いろいろな思いが綯い交ぜになって、何も話すことが出来なかった。
ただただお互いに、相手の体温を確かめ合い続けていた。


次の日は、焦げ臭い匂いと、慌ただしい雰囲気の中で目を覚ました。

「おはよう……おい熊野、大丈夫か」
「て、提督、ごきげんよう」
「いいからその煙を上げるフライパンを何とかしろ」
「ちょ、ちょっと待って下さいまし……」

バタバタと熊野がキッチンを走り回る。
しばらくしてちゃぶ台に出されたのは、真っ黒に焦げた卵とパンの塊だった。

「フレンチトーストを作ろうかと思いまして……見よう見まねでやってみたのですけれど、うまくいかなくて」
「ちなみに、熊野は料理をしたことは」
「……ほとんど有りませんわ」
「そりゃそうなるわな。意外と作るの難しいぞあれ」

熊野が項垂れる。

「三隈が朝食を作ったって言っていたから私もと思ったのですけれど、そう上手くはいきませんわね……」
「まあ、料理は慣れてないと厳しいよな」
「ですが!」

熊野が顔を上げる。

「まだ!まだ負けませんわ!いつか、三隈よりも美味しい食事を作ってみせますわ!」

しっかりとこちらを見据える熊野。

「負けませんわ」という言葉に込められた、もう一つの思い。
昨日までは分からなかったけど、今ならはっきりと感じられる。

「……ああ、楽しみにしてる」

俺も、いずれ答えを用意しなきゃならない。
提督としてではない、もう一つの責任を感じながら、力強く返事をした。


「とりあえず、今日は間宮に行くか」
「そ、そうですわね……」

熊野編はここまで。

次に書くキャラを安価で決めます。
シチュエーションのアイデア等あればそちらもお書きください。

↓3

では、次回は比叡と女提督です。

この次の回で最後の安価にしたいと思います。
あと投稿は来週以降になりますのでしばしお待ちくだされ

以下、感想等ご自由にどうぞ

乙 次回で最後とは残念だな

>>196
あ、少しわかりづらかったかもですね……
比叡編の後にもう1回だけ安価取ります。

あと、安価が終わってももう少しだけ続くかも?

お久しぶりです。
今から比叡編投下します。

「うん、これでOKね。比叡、そっちは……あら」
いつも通りの仕事の日のこと。仕事を分担していた比叡が、珍しくソファでうたた寝をしていた。
今日はなかなか暖かいし、ついうたた寝をしてしまうのも仕方ないことだろう。

「うぅん……」

比叡は私の鎮守府に初めてやってきた戦艦だ。戦闘で活躍するのはもちろん、普段の仕事も秘書として頑張ってくれている。
姉の金剛をとても慕っているらしく、
「金剛お姉様はまだこの鎮守府にいないので、少しでも早く出会えるように頑張ります!」
と以前話していた。まだいつ会えるかは分からないけど、私としても早く会わせてあげたいと思っている。

「たまにはゆっくりするのも悪くないわよね」

普段の疲れが出たのかもしれない。仕事は粗方片付いているし、ゆっくりさせてあげよう。
比叡の隣にそっと座る。

背もたれと肘掛けにもたれかかり、やや仰向けになって眠っている。
普段はハキハキとしているけど、こうして眠っている姿はとても穏やかだ。どちらの姿も、とても魅力的に思える。
頭を撫でてあげようと、比叡の頭に手をやった。


その時。


「ハッ!!なんですか!?」

比叡がバッと跳び起きた。

「あら、おはよう」
「し、司令!?」

声を掛けると、比叡の顔が急に青ざめた。

「もう少し寝ててもいいわよ?」
「ね、寝てません、寝てませんってば!」
「と、どうしたの……?」

えらく慌てている様子だ。昼寝していたのをこちらが咎めると思ったのだろうか。

「大丈夫よ、少し寝てたくらいで怒ったりしないわよ」
「寝てないんです!大丈夫ですから!」

よく分からないが、何かのパニックに陥っているようだ。
比叡がこちらの肩をがっしりと掴む。大きい瞳には、涙が浮かんでいた。

「嫌だ……お願いです!私頑張るから!頑張りますから!見捨てないで……!」
「だ、大丈夫よ、比叡」

「見捨てないでえぇーーーー!!!」



「……過労ですね」
明石が重々しく口を開く。

「艤装や服の修理はできますが、こういった艦娘自身のフィジカルは入渠では治りませんからね」
「……」
比叡はすぐ横で眠っている。叫んだ直後に気を失ったのだ。
比叡は眠りながら、かすかに苦しむような表情を浮かべている。

「化粧でうまくごまかしていますけど、目の隈もかなりひどかったです。恐らくですけど、殆ど寝ていなかったんじゃないでしょうか」
「……」

私は何も喋らない、いや喋れない。
今起こっている出来事に対して、何を言うべきか分からなかった。

比叡に無理をさせてしまっていたこと。
寝不足や過労に気付いてやれなかったこと。
そして、あの叫びの意味。
全ては私に責任がある。

だというのに、比叡が倒れた時もただ立ち竦むばかりで、何も出来なかった。
医務室に運んでくれたのも、叫び声を聞きつけてやってきた他の艦娘だ。

そして今も、言うべき言葉が見つからず、ただ座っているだけ。
自分の不甲斐なさに、つくづく腹が立つ。
気づけば、膝に置いた拳を強く握りしめていた。

「そんなに自分を責めないでください」

明石の声に、顔を上げる。

「確かに今回の件は多くが提督の落ち度です。ですが、それはもう起こってしまった事です」
「……」
「今するべき事は、比叡さんのケアと、これからこういう事が起こらないためにどうすればよいか、でしょう?悔しいと思うなら自分を責めるのではなく、皆のために何ができるか考えてあげて下さい」

明石の言葉にはっとする。
そうだ、大事なことは、二度と比叡にこんな思いをさせないこと。そのために出来る事は……

「……そうね、今から何ができるか、よね」
「そうですよ、提督。あ、一応比叡さんの処置は終わったので、後はゆっくり休ませるだけです。私は一旦工廠に戻りますね」
「ありがとうね、明石。今度、間宮券を束で買わせてもらうわ」
「あはは、お待ちしてます。では、失礼しますね」


明石が部屋を去り、私と比叡の二人きりになる。

「ん……」

程なくして、比叡が目を覚ました。

「あれ、私……」
「……おはよう、比叡」
「司令……そっか、私……」

今、比叡が何を思っているのかは分からない。
私への謝罪か、怒りか。
過去の懺悔か、憎悪か。

でも、私がすべき事は一つだけだ。


「比叡」
「……はい」

比叡の身体を、優しく抱き締める。

「司令……?」



「比叡、無理しないで。休みたい時は、ゆっくり休んでいいの」

今の比叡を、受け入れてあげること。
比叡にも、昔のことだけじゃなく、今の自分、これからの自分をしっかり見つめて欲しい。
そんな思いを込め、比叡の細い身体をしっかりと包み込む。

「……最近眠ろうとする度に、かつての光景が頭に浮かんできていたんです。とても辛くて……私には眠ることも許されないのかって。運命を呪いました」
「……」
「でも、なんだかこうして抱き締めてもらってると、なんだか少し解放されたような気分になりますね。
ありがとうございます、司令。少し気が楽になりました」
「いいのよ。ずっと無理させてたんだから、これ位してあげなきゃ。今日はゆっくり休んでちょうだい」
「あの、それじゃ休むついでに一つお願いしていいですか?」
「いいわよ、何?」

「今から、一緒に昼寝してくれませんか?今だったら、司令と一緒に休めば、きっと安心して眠れると思うんです」
「……わかったわ」

少し驚いたが、二つ返事で受け入れる。
そのままベッドに入り、比叡の横に並ぶ。

「でもいいの?またさっきみたいな事になったら……」
「さっきは居眠りしてたから気が動転しちゃいましたけど、ゆっくり休むんだったらきっと大丈夫だと思うんです。多分、ですけど」

比叡が言うのならまあ大丈夫だろう。
体をもう少し近くに寄せた。

「たまにはゆっくり休むのも悪くないわよね。焦らなくていいのよ」
「そうですね……」

比叡が手を握ってきた。

「司令の手、あったかいです。こうして手を握ってると、なんだか落ち着きます」
「……ちょっと恥ずかしいわね」
「あはは、すいません。でも、本当にほっとします」

同じ布団の中で、ゆったりと睦み合う。


明日からは、前を見つめて先へ進んでいこう。比叡には迷惑をかけたけど、今日の出来事のおかげで、前よりもうまくやれそうな気がする。
でも今は忘れよう。

昼下がりの時間は、緩やかに流れていった。


比叡編はここまで。

なんやかんやで間が空いてしまい、投下しづらくなってしまってました。
こういうのは勢いが大事ですね

とりあえず、このスレで最後の安価にします。
次に書く艦娘を指定してください。(以前に書いたものと被っていたら安価下)

↓3

ではラストは天津風で。

追加であと2本を近日中に投下します



>>204
ここフィジカルじゃなくてメンタル?

こんばんわ。
天津風編の前に、要望の多かった春雨編afterを書きましたので投下します。
R-18なのでご注意願います

>>215
いちおうフィジカルで合ってます。疲れが溜まっての過労ってことなんで。
この直後にメンタルがどうこうっていう話があったんですがそこを削除したので、結果わかりづらくなってましたね。すいません……

>>93の途中から始まります)

もう、限界だ。

「きゃあっ」

春雨の体を抱き締める。
ピンク色の髪からは、シャンプーの甘い香りが漂ってくる。

「ど、どうしたんですか司令官……いやっ」

もう何も考えられない。
体を動かし、春雨の上に跨った。

「し、司令官……春雨、何か悪いこと、やっちゃいましたか……?」

そうだ。お前のせいだ。春雨が全部悪いんだ。俺は悪くない。


春雨の服に手をかけ、そのまま一気に上まで捲り上げた。
下にキャミソールか何かを着ていたようだが、ブラはしていない。暗くてはっきりとは見えないが、確かな膨らみとその頂点にある乳首が目に映った。
ずっと想像していた光景が、今目の前にある。自分の興奮が、さらに高まるのを感じた。

「司令官、何するんですか……や、やめて……!」

春雨が身体を動かして抵抗しようとする。しかし艦娘とはいえ、艤装がなければ単なる一人の少女。暴れないよう押さえつけるのは容易だった。
両腕を上にし、その上から左腕で押さえつける。ついでに上の服を腕の辺りまで脱がせた。
空いた右手と口で、春雨の身体にむしゃぶりつく。


「い、いやっ!やだ……!やだっ、やだやだ!怖いよ!やめて……ひっ!」

柔らかい。
まず何よりも、それを感じていた。
普段は布越しに感じていた、春雨の身体。腕に抱きつかれた時に感じていた、あの柔らかさ。直接触れることにより、その感触が、よりダイレクトに伝わってくる。

キズひとつない、滑らかな肌。
仰向きになってもわかる、乳房の膨らみ。その頂点。
脇腹。鎖骨。首筋。

手で、舌で。
上半身の、ありとあらゆる部分を蹂躙した。


「いやっ……やだ、やめてください……あっ」

春雨も疲れたのか、段々抵抗が弱くなってきた。
また、時々喘ぎ声を上げるようになった。声を出した場所を、重点的に責める。

「あっ!いや、いやです!やめて……!あんっ!そこは、だめ……!」

乳首が特に感じるようだ。
舌で、コロコロと舐め回す。
右手は、反対側を弄った。

「やあっ!あ、だ、だめっ!ああっ!」

その声が、こちらをさらに興奮させる。
乳首への責めを、どんどん強くしていった。


どれほど経っただろう。たっぷりと胸を味わったあと、身体を離した。

「ううっ……ひぐっ……もう、やめてください……やだぁ……ぐすっ」

いつの間にか泣き出してしまったようだ。だがその泣き声も、泣き顔も。今は興奮材料でしかない。
自分の身体が、ゾワゾワと震え立つのを感じた。

これで終わりなわけがない。一旦押さえていた手を離し、パジャマのズボンに手をかける。

「!!やだっ!それはだめっ!いやっ!」

再び抵抗が強くなる。
たがそれより一瞬早くズボンをずり下げ、春雨の下半身が露わになった。

「いやあっ!やだやだっ、ぐすっ、やだぁっ!やめてよお!だれか!だれか助けてえ!」

こんな辺境の地に、他の人が居るわけがない。助けを求めても無駄だ。
ズボンが脱げたタイミングを見計らって逃げようとしたが、すぐに押さえつける。身体を持ち上げ、後ろから抱きすくめるような形になった。
脚を使って、股を開かせる。

「やだぁ……なんでこんなことするのぉ……やめてよぉ……」

再び捕まえられ、春雨は大分おとなしくなった。抵抗と愛撫のおかげで、かなり息絶え絶えになっている。
こちらにとっては好都合だ。右手を股の間にやる。


「ひっ!」

周りからなぞっていく。毛は生えていないようだ。
しばらく周囲を触ったあと、ついに春雨の秘所へと指を当てた。

「あんっ!」

濡れている。
先ほどの乱暴な愛撫でも、少しは感じていたようだ。
指を中に入れてみる。

「あっ!だめ、やだ……」

指は入るが、かなりきつい。やはり処女なのだろう。
指を軽く動かし、ほぐしてやる。

「あっあっ、いやっ!やだっ、あんっ!ああっ!」

嫌がる素振りを見せつつも、その声には明らかに快感が混じっている。普段はまず聴くことのないその声に、こちらの興奮は増すばかりだ。

もう十分だろう。
さっきから春雨の尻に押し付けている俺の男根も、早く欲望をぶちまけたいと疼いている。
春雨を引き倒し、上に乗っかった。

「きゃあっ!やだ、放して……もうやめて……」

そのまま着ている服を脱ぐ。パジャマなので、春雨を押さえたままでもすぐに脱ぐことができた。
怒張した男根が露わになる。

「ひっ……」

春雨は、怯えるような、絶望したような表情を浮かべた。

春雨を仰向けにしたまま、足の間に強引に身体を割り込ませる。

「いやっ!だめです、司令官!それだけは……それだけはダメえっ!」

春雨の秘所に股間を押し当てるが、暴れてなかなか入らない。
腰が動かないよう、身体を上からぐっと押さえつける。

片手を添えて照準を定め、そのまま一気に―― 押し込んだ。



「いやあああああああああああああっ!!!」

春雨の断末魔が、暗い部屋に響き渡った。

「痛いっ、痛いです!やだっ!抜いて!ひぐっ、抜いて下さい!」

気持ちいい。もう、それしか考えられない。
腰を前後に動かす。膣がきゅうきゅうと締まり、抗い難い快感を与えてくる。

「ひっ、い゛っ!いだい、痛いっ!やっ、やめ、や、やだっ」

何か言っているが、全く頭に入ってこない。
快感を得たい。それだけのために、ひたすら腰を動かす。

「やっ、だっ、駄目っ、だめっ、ぬ、抜いて!痛い、いたっ!あ゛っ!」

想像の中で何度も犯した、春雨の身体。その想像が今、現実となっている。
今はもう、春雨の身体を愉しむことしか頭にない。ただひたすらに、快感を貪る。

「ん゛っ、や、や゛あっ、あっ!」

春雨の膣内を犯す時間は、一瞬にも、永遠にも思えた。




「あっ!あんっ、うっ、あっ、んっ!」

しばらく本能に任せて抽送を続けていたが、限界が近づいてきた。
さらなる快感を得るために、腰の動きを速く、強くする。

「あっ、い、あ、あっ!あ、あ、あっ」

気持ちいい。気持ちいい、気持ちいい!

止まれない。小刻みに、何度も奥を叩く。

「あっ!あ、あ、やっ!だっ、あっ、あ、あっ!あっ、あ、あ、ああっ!」

これで最後、とばかりに膣の奥に突き入れる。

「ああっ!」

ついに、欲望が決壊する。

「あああああああーーーーーーーーーっっっっっ!!!」

そのまま精液を、一気に奥へと流し込んだ。






「はっ、はあっ、はあっ……」

長く続いた射精を終え、膣から男根を引き抜いた。それと同時に、急速に頭が冴えてくる。
下を見ると、春雨が顔を覆って泣き喘いでいた。

「ぐすっ、司令官、ひどいです……何で……ぐすっ、ううっ……」

自分のした事を、初めてしっかりと把握する。

俺は、なんてことを……春雨を、春雨のことを……犯してしまった……。
大切に思っていた春雨のことを、信頼してくれていた春雨を……傷つけてしまったんだ……

ふっと、目の前が真っ暗になった。
それからの事は、もう覚えていない。



目が覚めると、既に日は高く昇っていた。布団から、うつ伏せに眠っていた身体を起こす。
ふと目線を下げると、シーツの赤黒い染みが目に映った。




その瞬間、昨夜の出来事を、鮮明に思い出した。

「ーーーーーーーーーっ!」

頭がくらくらするのを、何とかこらえる。
忘れるはずがない。俺は、春雨を……



そうだ、春雨は。春雨はどこに行ったんだ。
辺りを見回す。だが、春雨の姿はない。姿どころか服も、その他私物も寝室には見当たらなかった。

「春雨っ!」

あわてて服を着て、寝室を飛び出した。





「……」

鎮守府のあちこちを探し回ったが、春雨は鎮守府のどこにも居なかった。

「春雨……」

それどころか、春雨の居た痕跡は、全て消えていた。春雨の私室も、もぬけの殻と化していた。

「春雨……」

改めて、自分の犯した罪を自覚する。
気が付くと、目から涙がポロポロと零れていた。

「春雨……戻ってきてくれ……頼む……」

その場にうずくまる。ただひたすらに、後悔だけが募った。

「はるさめぇーーーーーーーーーーーーーっっっっっっっっ!」


必死の慟哭は、誰の耳にも届くことはなかった。

春雨編は以上になります。
くぅ疲

近日中に天津風編と、最後の1本を投下します

以下ご感想等ご自由にどうぞ

どうもこんばんは。
天津風編を投下します。

「艦隊帰投ね。お疲れ様」
「おう、お疲れ」

リランカ島での任務を遂行し、鎮守府へ帰投した。
真っ先にあの人が出迎えてきてくれた。それだけで、戦いの疲れも何だか吹き飛んだ気がする。

「これで一連の任務もおしまいか。長かったな」
「そうね。でも……ケ、ケッコンカッコカリのためだと思えば、仕方ないわよね」

先日、私とこの人……提督は「ケッコンカッコカリ」を行った。その前後にいろんな手続きの任務が必要で、面倒な海域に何度も出撃したりと大変だったけど、さっきの出撃で全任務が完了した。
形式上は練度の上限を解放するための制度なのだけど、名前が名前だし……。張り切っちゃうのも、仕方ないわよね。左手の薬指にはめた指輪を見つめながら、そんな事を思う。

提督は「そういうつもり」で指輪を渡したわけではないと思う。私はずっと秘書官を務めてはいたけど、向こうがそういう素振りを見せたことは無かったし。これまでのお礼、くらいのつもりなんだと思う。
でもこうして指輪を貰えたのは事実。この「ケッコンカッコカリ」のための指輪は、一つしか貰えないらしい。その一人しか選べない相手に、あの人は私を選んでくれた。だから、全くのノーチャンスってこともないはずだ。

「あの、あなた。これからの予定は……」
「ん、そうだな。任務も一通り終わったし、今日はもうする事はないかな」

だから、言うなら今。
あの時言えなかった言葉を、今こそ伝えるんだ。

「そう……ちょっと話があるんだけど、いい?」
「ん、どうした?」

「あ……あのね!あたし、あなたのこ「失礼します、大淀です」きゃああああああ!!」
「あら?お取込み中でしたか?」
「え、あ!な、何でもないわ。いい風ね、ええ」
「……?窓は閉まってますけど……」

素晴らしいタイミングで大淀さんが入ってきた。
もう、こんな時くらい空気読んでよ!
さっきまでの緊張と今の驚きで、心臓がバクバク鳴っている。

「お疲れ様です、提督。今回の任務の報酬が届いています」
「お、また何かくれるの?」
「はい。こちらにお持ちしています」

大きな包みが、台車で運ばれてきた。

「これは……家具?」
「はい、任務報酬の……」

提督が包みを開ける。
中に入っていたのは、とんでもないモノだった。

「煎餅布団(枕2個付き)です」



「えええええっっ!!??ちょ、ちょっと大淀さん、どういうこと!?」
「確かにお渡ししましたので、私はこれで失礼します。では天津風さん、ごゆっくり」
「え!?あ、ちょっと待ってよ!大淀さん!?」

大淀さんはそそくさと帰っていった。提督と二人で執務室に取り残される。

「あの……あなた、これって……」
「あー、まあそういうことだろうな」

顔がカアッと熱くなるのを感じる。あの人の方を向くことができない。
だってこれは……間違いなく「そういう」意味よね。
告白しようとしたタイミングでこんな物が来るなんて。確かに方向性は間違ってないけど、こんないきなり……そんな、そこまでするつもりじゃなかったのに。

「『ケッコンカッコカリ』だなんてけったいな名前つけて、こんな布団まで送りつけて……上のやりたい事はよく分からんな」
「そ、そうね……あ、あの、それで」

いろいろな事が一度に起こりすぎて、パニックに陥ってしまう。
でも、あの人は至って冷静だった。


「まあこれは使うことはないな」
「えっ?」

提督の一言に、一気に頭が冷めた。

「別に無理しなくていいんだぞ?こんなの上が勝手に送りつけてきただけなんだ。嫌なんだったら無視したらいい」
「そんな……」

そうよね。あなたはいつもそう。
頭は回るのに、私のことは分かってくれない。

「指輪を受け取ればOKなんだ。別に好きでもないのにそういう関係になる必要はないし」

どうして。
どうして、分かってくれないの。

「天津風だって、別に「そんなことない!」……え?」

駄目だ。このままじゃ、ずっと先に進めない。
本当の気持ちを、伝えなきゃ。



「わ、私、本当は、あなたの事が好きなの!」

ずっと伝えられなかった、この思い。

「私、ずっとずっとあなたの事が……でも、面と向かって言えなくて」

もう止まれない。止まっちゃいけない。

「ずっと秘書官をしてたのも、本当はあなたとずっと一緒に居たくて。……だから仕事も頑張って覚えて」

堰を切ったように、思いが溢れ出す。

「私に指輪をくれたのも、とっても嬉しかった!あなたに選んでもらえたって!だから……グスッ……さっきも、気持ちを伝えようと思って!本当は、ほんとうは私……わたし……!」

声に嗚咽が混じる。
溢れ出した思いが、止まらない。全部がぐちゃぐちゃになって、もう何がなんだかわからない。


ふと、温かい感触に包まれる。
見ると、あの人が私を抱きしめてくれていた。

「ありがとう。……すまなかった」

その言葉だけで、もう十分だった。
心のもやが、一気に晴れた気がした。


その日の夜。
私は、あの人の私室にいた。

「それじゃ、そろそろ寝るか」
「う、うん……そうね」

結局、煎餅布団はその日のうちに使われることになった。
今から、この布団の中で一夜を共にするんだ。

「……あの!私、こういう経験なくて、その」
「大丈夫だって。今日は寝るだけだから」
「そ、そうなの……よかったわ」

「……そういうのは、またいずれな」
「!も、もう、バカっ!」

顔が真っ赤になっているのが、自分でもわかった。
誤魔化すように、布団に潜り込んだ。

2人で使うには少し小さい布団。必然的に身体を寄せ合うことになる。

「天津風の身体、暖かいな」
「恥ずかしい事言わないでよ。……でも、そうね。私も暖かいわ」

この人が近くに居るのを感じるだけで、とても心がポカポカしてくる。

「今までずっと辛い思いをさせてたんだな。ごめんな、天津風」
「ううん、謝らなくていいの。私が勝手にやっていたことだから。……どうせなら謝るんじゃなくて、お礼に、してほしいな」
「……ありがとう、天津風」
「うん、よろしい!」

ありがとう。その一言だけで、全てが報われたような気がする。
この一言のために、私は頑張ってた。そんな風にも思えてくる。

私と「あなた」との、ケッコン生活。
その初夜は、幸せな気持ちでいっぱいだった。


天津風編はここまで。
最後の安価はケッコンネタでいこうと思っていたので、変な子(?)がこなくてちょっとホッとしてました。

明日、最後の1本を投下したいと思います。

春雨ちゃんのはあれで終わりなんで続きはないです

まあ正直なところ最初はなんとかして救われる話に持っていこうとしてたんですけど、自分の文章力ではあそこからハッピーエンドに持っていくのは無理でした。春雨ちゃんには悪いことをしました。
機会があればまた挑戦してみたいと思います

もうすぐこのスレも終わりなんで全体の感想とか、「この話が良かった(良くなかった)」とか書いて頂けると嬉しいです

こんばんわ。
このスレで最後のSSを投下します。


「……はあ、これで最後か」
「お疲れ様です、提督」

時刻は既に2300になろうかというところ。随分時間がかかったが、ようやく今日の仕事を終える事ができた。

「大淀もお疲れ様。こんな時間まで付き合わせて、済まなかったな」

机の向かいにいる大淀に返事をする。
大淀は、この鎮守府の最古参の一人だ。普段は任務係として主に上層部との連絡をしてもらっているが、こうして書類仕事を手伝ってもらうことも多い。

「いえいえ、これが仕事ですから」
「仕事にしたって、こんな夜中まで居なくてもよかったんだよ?大淀も疲れてるだろうに」
「大丈夫ですよこのくらい。私も慣れてますからね」

こうは言っているが、本当は疲れているのは明らかだ。さっきからこっそりあくびを何度もかみ殺していたし、目元もかなり眠そうに見える。
日頃の仕事に加えてのこの残業はかなり堪えているはずだ。何かしら労ってやりたい。そう思って、ひとつ提案をした。

「そうだ、大淀。俺から今日のお礼をさせてほしいな。何か俺にして欲しいこととか、ない?」
「そんな、悪いですよ……。でも、それだったら一つ、お願いをしていいですか?」

少しためらいがちに、大淀が返事をした。

「ん、いいよ。何?」

待遇改善とかだろうか。あるいは休みが欲しいとかかもしれない。
もしかして、普段何か大淀が嫌なことを俺がしていて、それをやめて欲しいとかだろうか。もしかして俺、怒られるのか?

しかし、返答は予想外のものだった。

「今晩、これから……一緒の布団でお休みして頂けませんか?」

「えっ、それは……何というか、そんなのでいいの?」
「はい、提督がよければ」
「お、おう……じゃ、どこで寝よう。俺の布団でいいか?臭いとかしそうだけど」
「はい、それで構いません」

いいのか。
大淀の考える事はよく分からない。いつも他人行儀な感じで接してくるだけに、こういうお願いをしてくるのは完全に予想外だった。まあ、そもそも普段は仕事関連の話しかしていないというのもあるが。

「それじゃ、早速ですけど準備をしましょうか。私は一旦部屋に戻りますので、提督も部屋に戻って準備して頂けますか?」
「わ、わかった……」

大淀に言われるがままに、執務室を後にした。


部屋に戻り、寝る準備を済ませたころ。大淀が部屋にやってきた。

「失礼します、提督」

いつものカチューシャを外し、赤いチェックのパジャマを着て、手には枕を抱えている。普段のきっちりした仕事姿をよく見ているだけに、この姿はかなり新鮮だ。

「提督?どうかされましたか?」
「いや、なんでもない」

大淀に声をかけられ、まじまじと見つめていたことに気付いた。慌ててごまかす。

「うふふっ、おかしな人ですね」

笑みを浮かべる大淀。なんだか大淀にはいろいろ見透かされてるような気がする。

「それじゃもう夜も遅いですし、早速ですけどもう寝ちゃいましょうか」
「そ、そうだね」

枕元以外の電気を消し、一緒に布団に入る。
隣に自分のものではない体温を感じ、何だかむず痒い感じだ。
大淀は眼鏡を外し、こちらに向く形になった。

「……そういえば、大淀が眼鏡を外した所って初めて見る気がする」
「そうかもしれませんね。普段あまり外すことはないので」

それに、こんな近くで大淀の顔を見るのも多分初めてだ。
整った目鼻立ちが間近に映る。何だかバツが悪くなり、思わず目線を逸らす。

「……」
「……」

話が途切れる。
まずい、何か話さねば。


「そ、そういえばさ。何で大淀はその、一緒に寝ようだなんて言ったの?」

折角なので、気になっていたことを尋ねる。
普段の様子からは、こんな事をお願いするなんて全く思えない。何か理由があるのだろうか。
しかし、その答えもまた予想外だった。


「んーと……何ででしょうね?」

大淀は、困ったように答えた。

「正直に言うと、私もよく分からないんです。何かして欲しいことはないかって言われて、ふと思いついただけなので」

軽く笑いながら話す大淀。
こんなフランクな大淀も、なかなか見ない。

「そうなのか……。何だか珍しいね。いつもの大淀は、理詰めで動いてるイメージがあるけど」
「そう、ですかね?確かに、そういうイメージはあるかもしれないですね。普段の仕事はそういう風にやってますし。……でも本当は、理由なんて何でもいいんじゃないかな、って思うこともあります。理由じゃなくて、『そう思った』っていう、その気持ちが大事な時もあると思うんです」
「……大淀さんも、そういうこと言うんだね」
「あら、意外ですか?普段の私はこんなものですよ」
「そっか、そうなんだね」

仕事では見る事の出来ない、大淀の知らない一面を知れた気がする。最初に「一緒に寝たい」と言い出した時は何事かと思ったけど、こうして得るものもあったし、する意味はあったのかなと思う。
同じ布団に人がいるこの居心地も、悪くないなと思えるようになってきた。


「提督」

しばらくの間をおいて、大淀に呼ばれる。

「今こうしているのは私を労ってって事でしたけど、提督も本当に頑張っておられると思います。初めのころと比べると、見違えるように仕事ができるようになっています」
「そうかな?何だか嬉しいな。大淀がそう言ってくれるなら、きっと間違いないね」
「はい。私、ずっと見ていましたから」
「はは、そうだね」
「うふふ」

顔を見合わせる。
何だかおかしくなって、2人で笑い合った。

「これからもよろしくな、大淀」
「はい、こちらこそ。それじゃ提督、そろそろ寝ましょうか」
「そうだね。おやすみなさい」
「おやすみなさい」

枕元の明かりを消し、真っ暗になる。
隣からは、すぐに寝息が聞こえてきた。やはり疲れていたのだろう。自分も眠くなってきた。

今日は疲れたけど、いい1日だった。また明日からも、艦娘の皆と一緒に頑張ろう。
充足感に包まれながら、俺の体は安らかな眠りへと誘われていった。


というわけで最後はついこの間ケッコンした4人目の嫁、大淀さんでした。

以上でこのスレへの投下を終わりたいと思います。
長い間お付き合いありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。

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