【艦これ】長門「ビッグ7の力、侮るなよ?」 (93)

艦これのSSです。※一部過激な表現を含みます。


‐トラック諸島海域‐


千歳「わあああっ!ひ、飛行甲板が!?」


大淀『千歳、被弾により中破!』


千代田「千歳お姉!」


千歳「くぅ…」


ヲ級「ヲ…ヲヲ…」


提督『第二艦隊は!水雷戦隊は何をしている!』


阿賀野「もぉ…ボロボロじゃない…」


大淀『第二艦隊旗艦、阿賀野、大破!』


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タ級「…」ゴゴゴゴ


文月「うえぇん…いたいよ~!」


舞風「危ない!」



ピカッ



タ級「!?」チュドーン


文月「わ、わあ…」


舞風「ナイス攻撃!さっすがぁ!」








長門「間に合ったか…これ以上好きにはさせん!」

大淀『文月、小破したものの、未だ健在!』


長門「うおおおおっ!」バキッ


ネ級「」チュドーン


ヲ級「」チュドーン


千代田「す、凄い…」


千歳「主砲じゃなくて、素手で倒しちゃうなんて…」


文月「ありがとうございますっ!」


長門「礼には及ばんよ。旗艦として当然の事をしたまでだ」


提督『良くやった。索敵を怠るな』


扶桑「この辺りの敵は殲滅出来たようですね」


山城「私達が到着した時には全部終わっていましたけど…不幸だわ…」ハア


千歳「お二人の火力はこの先きっと必要になりますから!…多分」


山城「はい?欠陥戦艦ですって?」


千代田「だ、誰もそんな事言ってませんよ!」



提督『喧嘩は後だ。被害状況を報告せよ』


長門「第一艦隊は千歳が中破、旗艦長門以下、扶桑・山城・千代田・n…」


那珂「はいは~いっ!連合艦隊のアイドル!那珂ちゃんも健在で~すっ!」


長門「…であります」


提督『ふむ。第二艦隊はどうだ?』


舞風「えっと、旗艦の阿賀野さんが大破撤退、文月が小破、舞風以下、春雨・時雨が健在です」


春雨「阿賀野さん…」


時雨「僕ならまだ大丈夫だよ?」


文月「司令官さんっ!あたしも大丈夫ですっ!」


提督『千歳の中破は厳しいな…』


大淀『一航戦の支援艦隊は健在です。完全に制空権を奪われる事は無いでしょうが…』


提督『うむ…』


扶桑「提督…このまま進んで大丈夫でしょうか?」


提督『…』


長門「ここは慎重に考えるべきだろうな」


山城「また泊地空襲なんてされたら、扶桑お姉様との時間が…不幸だわ…」ハア


千代田「で、でも!千歳お姉が!」




提督『(航空戦力不足か…だが、戦艦は3隻健在、水雷戦隊もほぼ無傷…)』


大淀『友軍艦隊から入電!「作戦通リ、至急先鋒トシテ突入サレタシ」です!』


長門「くっ!我々の制圧した海域を通って来ておきながら…」ギリッ


大淀『手はずでは、我々の突入と同時に主力艦隊も総攻撃を行うとの事ですが…』


提督『…作戦を乱す訳にはいかん。全艦隊突入、敵攻略部隊主力を撃滅せよ!』


那珂「お仕事ですね!那珂ちゃん頑張っちゃいます!」


舞風「踊っちゃうわよ!」





長門「よし!この長門に続k…」






ピカッ ピカッ












扶桑「え…」

山城「わ、私を顧みず…前s…」


長門「扶桑!山城ーっ!」


提督『どうした!何が有った!?』



扶桑「」


山城「」


大淀『て、敵影確認…あれは…』




戦艦水鬼「ナキサケンデ…シズンデイケ!」ゴゴゴゴ

戦艦棲姫「ナンドデモ…シズメテアゲル……」

戦艦棲姫「フフフ…フフフフ…」

ヲ級「ヲヲ…ヲヲヲ……」

ネ級「…」

ネ級「…」


千代田「あ、あああ…」


舞風「嘘…扶桑さん達が…」ガクガク


提督『ば、馬鹿な!戦艦が瞬殺だと!?こんな事が…』


大淀『扶桑・山城、大破!』


長門「ぐっ…」


戦艦水鬼「シズメ!シズメェ!!」ドドドド


文月「こんなとこじゃ…終われないんだから…」


舞風「嫌…沈むのだけは…イヤァアアアア!」



大淀『ふ、文月・舞風、大破!』


戦艦棲姫「シズミナサイ!」ドドド


那珂「あれ…?アイドルは沈まないんじゃ…」


大淀『那珂、大破…』


提督『敵主力の集中砲火…友軍艦隊はどうなっている!』


大淀『友軍艦隊…動きません!』


提督『何!?』


大淀『…「我ガ主力艦隊ハ、敵先鋒壊滅後ニ突入スル。貴艦隊ノ健闘ヲ祈ル」との事です…』


提督『ふざけた事をッ!敵の先鋒なら、この海域にくるまでに潰しただろうが!』ガン


大淀『ええ…残っているのは敵の主力、本隊のハズです…』


提督『先程の待ち伏せ攻撃に臆したか…何と嘆かわしいッ!』


千代田「飛行甲板で火災!もう飛ばせません!」


千歳「千代田!」


時雨「わっ!わっ!わーっ!」


提督『同時に突入出来ていれば、勝利は確実であったというのに…』


大淀『こうなってしまっては、各個撃破されるだけです…』



提督『支援艦隊はどうなっている!?』


大淀『艦隊自体は健在ですが…艦載機の被害甚大!これ以上は戦えません!』


提督『もはやこれまでか…長門!全艦隊を率いて撤退せよ!』


長門「…」


提督『聞いているのか!長門!』


長門「…春雨・時雨、大破及び中破した艦娘達を連れて退避しろ」


春雨「ええっ!」


時雨「…了解です」


提督『長門!お前も撤退するんだ!全員撤退だ!』


大淀『長門さん!』


長門「…このまま全員撤退してしまえば、軍規違反となるだろう」


提督『何を言っている!それを言うなら友軍が突入を…』


長門「それに、連合艦隊の旗艦が…提督の名代たる秘書艦が、真っ先に逃げる訳にはいかん!」


提督『…しかし!』


大淀『敵、更に増加!このままでは包囲されます!』



長門「待ちに待った艦隊決戦なのだ。胸が熱いな!」


千歳「な、長門さん…」


千代田「千歳お姉…行こう…」


時雨「退避を行います!全艦、ついてきて下さい!」


山城「不幸だわ…肝心な時に役に立てないだなんて…本当に…」ポロポロ


文月「うぅ…ううぅ…」


提督『ま、待ってくれ!長門!お前が居なくなったら、俺はどうしたら良い!』




長門「…大丈夫、提督は強い人だ。きっと大丈夫だよ…」





提督『長門!戻ってこい!長門ォ!』


戦艦水鬼「シズメ…オマエモ…シズメ…」ドドドド


長門「っ…ビッグ7の力、侮るなよ?」フフッ


戦艦棲姫「イッショニ…ナリマショウ…?」


ヲ級「ヲヲ…」


長門「長門型の装甲は!伊達ではない!」


提督『友軍艦隊に打電しろ!突入しないのならば、俺がこの手で殺してやると!』


大淀『む、無茶言わないで下さい!そのような発言、後で問題に…』


提督『構わん!長門を救えるなら、どんな処分だろうと受ける!』


提督『そ、そうだ!士官輸送用の艦が有ったな!アレを出せ!俺が直接救出に…』


大淀『いい加減にしなさいっ!』パシン


提督『…!』


大淀『貴方はこの鎮守府の提督なんです!自覚を持ちなさい!』


提督『…』


大淀『もし貴方に万一の事が有れば…この連合艦隊は…鎮守府は終わりなんですよ!?』


提督『それは…しかし…』


大淀『今は…耐えて…耐えて下さい…』


提督『…』


長門「提督…大丈夫。私は…いつでも貴方と共にある…」


提督『な、なg…』


戦艦水鬼「オォォォ!」


長門「うおおおおっ!」








カッ













長門「戦いの中で沈むならば…この長門…悔いはない…」




提督『!』


大淀『!』










長門「…ああ…光が…そうか…私は…」











大淀『長門さんの反応…』


提督『う、うわあああああああああああ!』





……

………


‐鎮守府 提督寝室‐


提督「うっ…くっ…」ギシギシ


「あっ…あうっ…」


提督「全く…長門…心配したんだからな…ッ」ギシギシ


「ご、ごめんなさ…あんっ!」


提督「もう絶対放さない!からっ!なっ!」ギシギシ


「は、はいっ…」


提督「長門ッ!長門ォ!!…うっ!」ビクッ


「ああっ!」ビクンビクン




提督「ハァハァ…長門…」ギュッ


「提督…大好きです…」ギューッ


提督「俺もだよ…長門…これからも…ずっと傍に…」

































陸奥「はい…提督…」ギュッ



‐鎮守府 執務室‐


大淀「失礼します」ガチャ


提督「おう、仕事か?」


大淀「…先日のトラック諸島海域での反攻作戦の被害報告に」


提督「うむ。それでは頼む」


大淀「大破した艦娘ですが、戦艦級の扶桑・山城、巡洋艦級の那珂・阿賀野、駆逐艦級では舞風・文月、」


大淀「次に、中破は軽空母級の千歳・千代田、小破は撤退中に被弾した駆逐艦級の時雨…となっております」


提督「むぅ…参加した艦隊は壊滅だな…」


大淀「ええ。現在まともに敵とやり合えるのは、金剛型率いる高速艦隊のみ…」


提督「支援艦隊の被害はどうだ?」


大淀「艦娘達は被害有りません。ですが、艦載機が甚大な被害を被り…」


提督「参った…駆逐艦隊にはこれまで以上に遠征を頑張って貰うしかないな」


大淀「重巡級の艦娘達は多く健在ですので、彼女達を中心に艦隊の再編成を…」


提督「そうだな。とはいえ、本格的な攻撃作戦は当分先になりそうだ」


大淀「それと…」


提督「ん?」


大淀「その…」


提督「どうした?言いたい事が有るならハッキリ言って構わんぞ?」


大淀「…長門さんの…事ですが…」


提督「長門がどうかしたか?」


大淀「えっ?だ、だって…長門さんはあの戦いで…」


提督「何を言ってるんだ?長門なら俺の隣にいるじゃないか。なァ長門?」



スッ





陸奥「ええ。秘書艦の長門ならここにいますよ?」


大淀「なっ!?」


提督「長門っ!今日のお昼は何食べようか!?」


陸奥「そうね…提督が食べたいものなら何でも良いわよ?」


提督「じゃあ、長門の作った弁当が食べたい!」


陸奥「あらあら…今から作れっていうの?」


提督「…ダメか?」ウルウル


陸奥「分かりました!この長門!提督の為に一生懸命料理しますねっ!」


提督「長門ッ!大好きッ!」チュー


陸奥「もう…大淀さんが見てますよ?」チュッ



大淀「…失礼します」バタン


大淀「…」スタスタ





ナーガートッ!

ハアイッ?



大淀「…」





大淀「ううっ…うううっ…」ボロボロ


‐鎮守府 廊下‐


提督「フンフンフフーン!」


瑞鶴「あ、提督さん」


提督「猫~逆さ吊りの猫~…ん?どうした?」


瑞鶴「やけに上機嫌だけど、何か有った?」


提督「いやな、今日のお昼は何と!長門が弁当を作ってくれるんだ!」フフーン


瑞鶴「えっ…」


提督「良いだろ?間宮さんの食堂も良いんだけど、たまにはな!」


瑞鶴「いい加減目を覚ましてよ!長門さんは…」


翔鶴「瑞鶴さん、止めておきなさい」スッ


瑞鶴「だって!翔鶴姉!」


翔鶴「今は…そっとしておいてあげて…」


提督「フンフンフフーン!」スタスタ


瑞鶴「提督さん…」


翔鶴「いつか…いつの日か…きっと元に…」


瑞鶴「うん…」




提督「~♪」

‐鎮守府 港‐


雷「さぁ!お昼にしましょう!もうお腹ペッコペコよ!」


暁「ちょっと雷!何で貴方が仕切ってるのよ!」


電「ケンカは良くないのです!」


響「Этот рассказ」


暁「良い?一人前のレディーは、お昼だからってはしゃがないのよ!」モグモグ



提督「ひゃっほう!お昼だ!昼食だーっ!」


陸奥「あらあら…そんなにはしゃがないのっ」ウフフ




暁「!?」ブフォッ


雷「し、司令官!?」


電「いきなりびっくり、なのです」サスサス


暁「ゲホゲホ…もう!いい大人がはしゃいでるんじゃないわよ!」


響「С подлинником, который Зеленые листья сделала」


提督「悪い悪い…何せ長門の弁当が食べられるんだ!嬉しくてな!」


雷「え?」


陸奥「ほら提督、あ~ん」アーン


提督「モグモグ…うん、美味い!流石長門だな」ナデナデ


陸奥「うふふ。喜んでもらえて嬉しいわ」


電「司令官さん。あの…」


提督「電か。いつも遠征ばっかり頼んですまないな。」


電「いえ、そんな事はないのです」


提督「今は艦隊の再編で重要な時期、より多くの資材が必要とされている」


暁「そうね…」


提督「地味な仕事かもしれんが、君達駆逐艦が頑張ってくれているからこそ、この鎮守府は成り立っているんだ…」


響「Я посылаю его」


提督「これからも、宜しく頼むぞ?」ナデナデ


電「はわわっ…はいなのです!」


暁「ちょっと!レディーの頭をなでるんじゃ…まぁ今回は特別に…」ゴニョゴニョ


響「Вышеупомянутое」


陸奥「提督?そろそろ仕事に戻らないと」


提督「ああ、もうそんな時間か。じゃあ各員頑張ってくれよ!」スタスタ


電「えへへ。司令官さんに褒めてもらった、なのです!」


暁「当然でしょ?私達は一人前のレディーなんだから!」


響「Это был Финикс」ウンウン







雷「…」


‐鎮守府 提督寝室‐


提督「…」


金剛「Hey!提督ぅー!失礼するネー!」ガチャ


提督「おわっ!なんだいきなり!」


金剛「今日は、提督を元気付ける為に来たヨー!」


提督「元気に?ハハハ、俺はいつも通り元気だよ」


金剛「Shit…提督は嘘を吐いてるネ…」





ギュッ




提督「金剛?」


金剛「長門の事は…残念…辛い気持ち、私達も感じてるネ…」ギュウウ


提督「何を言って…」


金剛「今はまだ、ちゃんと見てもらえないかもしれないデスが…」


金剛「それでも…私…いつまでも待ってるヨ」


提督「…」


金剛「いつか私を…金剛を見てくれる日を…」


提督「…」












金剛「だって私…提督が大好きデスから♪」ニコッ


提督「…」


金剛「今日は…時間も場所も…大丈夫デース…」



ガバッ



提督「…」ギュウウ


金剛「Follow me…提督?」ボソッ


提督「…!」








……

………


‐寝室前‐


比叡「お姉様…」


榛名「…」ガチャ


霧島「…ダメですよ?」


榛名「ど、どうして?私達も提督を…」


霧島「それはそうですが…でも、今は…金剛姉様と二人きりにしてあげて…」


比叡「うん…そうよね…提督…今日だけは私の負けにしてあげます…」


榛名「…」

‐執務室‐


利根「提督!失礼するぞ!」ガチャ


提督「おはよう利根。今日も可愛いな」


利根「なっ…!い、いきなり何を言うのじゃ!」カーッ


提督「ハッハッハッハ…」




筑摩「…」ゴゴゴゴゴ




提督「ヒッ」


利根「ヒッ」


提督「で、なんの話だったかな?」


利根「おお!実は新しく配属になった艦娘を連れてきたのじゃ!」


提督「ほう」


利根「ほら、自己紹介するといい!」





スッ





吹雪「ほ、本日付けでこの鎮守府に配属された、駆逐艦の吹雪ですっ!」


提督「うむ。私がこの鎮守府の提督だ。これから宜しく頼むぞ?」


吹雪「はいっ!」


提督「それから、こっちは秘書艦の長門だ」


陸奥「初めまして。秘書艦の長門よ?」


吹雪「えっ…?」


利根「…」


提督「私が忙しい時は、長門が指示を出す事も有る。しっかり従ってくれ」


吹雪「は、はい…」


吹雪「…」


利根「じゃ、じゃあ吹雪!もう行くとするか?」


吹雪「はい…」


ガチャ



吹雪「あの…利根さん」


利根「なんじゃ?」


吹雪「えっと…提督の事なんですが…」


利根「うむ…」


吹雪「隣にいらっしゃったのって…その…」


利根「ああ。彼女は陸奥、長門型戦艦の陸奥じゃ」


吹雪「ですよね…じゃあどうして長門と名乗って…?」


利根「先日、この海域で大海戦が行われたのは知っておるな?」


吹雪「ええ。凄まじい戦いであったと聞いています」


利根「吾輩達の艦隊だけでなく、他の提督達率いる艦隊も参加した、最大規模の戦いであった」


吹雪「そんなに…」


利根「吾輩も付近で陽動作戦に出撃、索敵を担当したのじゃ!」


吹雪「そ、それで?」


利根「うむ。長門率いる連合艦隊は、最終海域まで到達、友軍と共に攻め込むハズじゃったのだが…」


吹雪「…」ゴクリ


利根「敵の待ち伏せに怯えた友軍は進軍せず、我らの艦隊のみが突出…」


吹雪「そんな!」


利根「そのまま援軍を得る事も出来ず、大損害を被ったのじゃ」


吹雪「ひどい…」


利根「提督はすぐに撤退を命じたようなのじゃが、責任を感じた長門は単艦、敵中に特攻を…」


吹雪「ま、まさか長門さんは、それで…」


利根「ああ。獅子奮迅の活躍であったと聞いている」


吹雪「で、でも!艦隊の旗艦は轟沈しないって!聞いた事が有ります!」


利根「…」


吹雪「嘘…」


利根「…すまぬ。少し風にあたってくる」スタスタ











吹雪「…提督」


陸奥「…」スタスタ


大淀「長門…いえ、陸奥さん」


陸奥「…」


大淀「陸奥さん!」


陸奥「…何の用かしら?大淀さん?」


大淀「いつまでこんな事を続けるつもりですか!?」


陸奥「全ては提督の為よ…」


大淀「こんな事続けたって、提督の為にはなりません!」


陸奥「黙りなさい!貴方に…貴方に彼の気持ちが分かるの!?」


大淀「くっ…」


陸奥「愛する人と仲を引き裂かれた彼の気持ち…ずっと一緒に居ようって誓った人との別れ!」


大淀「それは…」


陸奥「提督はね…長門姉の事、ずっと想い続けていたの。初めて会ったその日から…」


大淀「…」


陸奥「お互い不器用で…私が2人の背中押し続けて…何年もかけて、ようやく結ばれた…そんな矢先よ!?」


陸奥「神様がいるなら、怨むわよ…心からね!」


大淀「だけど!貴方は長門さんじゃない!貴方は!陸奥なの!」


陸奥「っ!」


大淀「現実を見るの!こんな状況、いつまでも続けられないわ!」


陸奥「もう少しだけ…彼に夢を見させてあげて頂戴?お願いだから!」


大淀「貴方だって、本当は提督の事…」


陸奥「違う!違うわ!わ、私は…長門姉と提督が幸せなら…それでいいの!」


大淀「貴方、嘘を吐いてる…」


陸奥「そんな事無い!私は2人をからかうのが好きで…火遊びの相手なだけで…」


大淀「だったらどうして…」












大淀「貴方、泣いてるの?」


陸奥「え?」ポロポロ


大淀「好き…なんでしょう?」


陸奥「ち、違っ…」


大淀「不器用なのは、長門さんだけじゃないようね…」


陸奥「わ、私…私は…」ポロポロ


大淀「…総司令部に大和型艦娘の着任を申請しました」


陸奥「!?」



陸奥「な、どうして!」


大淀「主力艦隊が壊滅した今、我が鎮守府は戦力の再編成が急務です」


陸奥「それはそうだけど!」


大淀「大和型を旗艦として、新しい水上打撃艦隊を…」


陸奥「待って!まだ私がいるじゃない!それに、扶桑姉妹だって直に戻る…」


大淀「それでは遅すぎるんです!」


陸奥「!」


大淀「言いづらい事ですが…」


陸奥「…」


大淀「それに、大和型をお呼びするのは提督の為でもあるんです…」


陸奥「どういう意味よ?」


大淀「あの方々…特に大和さんは、強いだけでなく、心優しい方と聞いております」


陸奥「そうね…」


大淀「彼女と一緒なら…提督の心も、きっと…」


陸奥「…」


大淀「幸い、この鎮守府の実績は司令部からも高く評価されています。申請が通る可能性は高いでしょう」


陸奥「長門姉達が頑張ってきたもの…当たり前じゃない」


大淀「そうね…でも、頑張ってきたのは貴方も同じ…でしょ?」


陸奥「…」


大淀「…大和型の艦娘が着任されるとしても、それにはもう少し時間がかかります」


陸奥「え?」


大淀「それまでは…『長門』さんが傍にいても、私は…もう何も言いません」


陸奥「有難う…大淀さん…」


大淀「でも、いずれ…時が来たら…分かっているわね?」


陸奥「ええ。分かってるわ。その時は…」


大淀「頑張ってね。応援してるわ」ニコッ


陸奥「…もう火遊びじゃすませないんだからっ」ニコッ




大淀「…」









大淀「私じゃ…陸奥さんのように…長門さんの代わりには…なれないのね…」










大淀「うっ…ひぐっ…ぐすっ…」ポロポロ





‐空母寮‐



赤城「…」ゴクゴク


鳳翔「赤城さん?少し飲みすぎでは?」


赤城「飲ませて下さい!飲ませて!」ウップ


千歳「赤城さん…貴方がそこまで思い悩む事では…」


千代田「そうです!貴方は支援艦隊だったんですから!」


赤城「私が!私がしっかりしていれば…長門さんは…長門さんは…」


鳳翔「ほら、これでも飲んで?」コトッ


赤城「ありがとうございます…ってこれ、お水じゃないですか…」


鳳翔「これ以上はお出し出来ないわ。もう十分でしょう?」


赤城「だって…だってぇ…」ボロボロ


千代田「支援艦隊が自分の責任だって言うなら…私達の責任はどうなるのよ…」


千歳「私のせいよ…私があの時…敵にやられさえしなければ…」グスッ


千代田「千歳姉…」


赤城「何が一航戦の誇りよ!何が…何が…うっうっ…」


千歳「提督…ごめんなさい…ごめんなさい…うう…」


千代田「や、止めてよ…私まで…泣いちゃうじゃない…」


鳳翔「皆…こっちにいらっしゃい…」ギュッ


赤城「鳳翔さん…」


鳳翔「今は…好きなだけ泣きなさい。泣いて…泣いて…全て出し尽くしてしまいなさい?」ギュウウ


千歳「ぐすっ…」




鳳翔「貴方達の苦しみ…悲しみ…全て私が、受け止めてあげます…だから、また明日からは…笑顔で…」



千代田「うわーーん!」


千歳「グスッ…鳳翔さん…鳳翔さん…」


赤城「あ、あ゙りがとうございます…ううっ…」










加賀「…」スッ


‐提督寝室‐




提督「珍しいな。こんな夜更けに」


加賀「…」


提督「何か悩み事か?」


加賀「…」




グイッ ドサッ




提督「!」


加賀「…」


提督「一体何のつm…んっ!?」


加賀「ん…んんっ」


提督「んんんっ…プハッ!ハァハァ…」


加賀「…抱いて下さい」


提督「は?」


加賀「…」ギュッ


提督「お前…酔っているな?」


加賀「いいから…早く…んっ…」ギュッ



提督「…」ギシッ


加賀「あっ…」


提督「…」グイッ


加賀「(今の私に出来る事は…こんな事だけ…)」


提督「…」ゴソゴソ













加賀「(提督…)」




……

………


~1ヵ月後~


‐執務室‐



陸奥「提督、お茶淹れましたよ」コトッ


提督「ああ。ありがとう」ズズー



陸奥「…」


提督「…」



陸奥「今日の遠征の事だけど、久しぶりにこの長門が…」


提督「もう良いんだ…」


陸奥「えっ?」


提督「もう…良いんだよ…陸奥…」


陸奥「わ、私は長門!長門型戦艦のネームシップ…」


提督「本当は分かってたんだ…だけど、ずっと現実から目を逸らし続けていた…」


陸奥「提督…」


提督「もうこれ以上…皆に迷惑かける訳にはいけないよな…」


陸奥「…」


提督「俺はもう…過去にとらわれない。前を向いて生きて行くさ」


陸奥「本当に…良いの?」


提督「ああ。陸奥にも随分と迷惑をかけたな」


陸奥「いえ、そんな…」


提督「これからは…これからも…傍にいてくれるかい?陸奥…」


陸奥「私以外との火遊びは厳禁よ?それでも良い?」


提督「勿論だよ…愛してる…陸奥…」ギュッ


陸奥「私もです…提督…」ギュッ










陸奥「大丈夫…私は…いつまでも…貴方とともにありますからっ…」































長門「… そ ろ そ ろ 話 を し て も 良 い か な ? 」


提督「な、な、な、長門さんっ!?」


陸奥「長門姉ぇ!?」


長門「何をそんなに驚いている。まるで化け物を見たような声を出して」


提督「いつ頃御戻りに…?」


長門「ついさっきだ。先頃の決戦のダメージがひどかったからな。司令部で本格的な入渠を行うと言ったはずだが?」


提督「そ、ソウデシタネー」


長門「ついでに近代化改修も受けてきたぞ。必要無いと言ったのだが…強く奨められたものでな」


提督「ワー。ドーリデ、カガヤイテルワケダー」


陸奥「ネー」


長門「で。 こ れ は ど う い う 事 な の だ ? 」ゴゴゴゴ


提督「違うんだ!これはだな!そう!青葉が!青葉が考えたんだ!」


長門「ほう?」


提督「今年の忘年会で流す映画を撮影しよう!って事になってな!」


陸奥「そうなの!長門姉が大破なんて珍しいから、是非とも題材にしたいって!だから!」


長門「随分と先の話だな…なら、先程の小芝居も、その1シーンなのだな?」


提督「そうですとも!」


陸奥「勿論よ!長門姉ぇ!」


長門「では、語ったセリフも、全てウソだな?」


提督「あ、当たり前じゃないか!俺は長門さん一筋で!」


陸奥「ふ~ん…」ムッ


提督「いや、あっ…その…」


長門「全く…提督は…」ハア


提督「あ、あははは…」


長門「だが…少々気になる部分が有ってな」


提督「へ?」


長門「脚本によれば、夜戦のカットインは陸奥だけのようだが…」


提督「ギクッ」


長門「金剛や加賀とも『カットイン付きの』夜戦を行った…と聞いているが…?」ン?


提督「何で脚本を持って…そ、その脚本は古い奴だ!最新のものではカットインを追加して…」


長門「ふむ。おかしいな。青葉に聞いたが、そんな追加は行っていないと言っていたぞ?なァ青葉?」ポイッ




青葉「キョウシュク…キョウシュク…デ…」ドサッ





提督「あ、青葉ァーーーー!」


提督「どうして…どうして…金剛達の事を!」


長門「ああ。全て大淀から聞いたよ。艦娘に手を出す度に報告を受けていたからな」ニヤリ


提督「大淀!何故だ!大淀!お前は準主役だったじゃないか!大淀ーーーー!!」


長門「金剛達以外とも、随分遊んでいたらしいな?このファイルを読みあげてやろうか?」パサッ


提督「あわわわわ…」


長門「ふむふむ…まずは扶桑・山城か。ほうほう…私に知られるとは、やはり不幸なのかもしれんな?」


提督「あばばばば」


長門「比叡・榛名・霧島…ほほう。金剛四姉妹も全員とな?」


提督「ひぃ」


長門「ふむ。妙高四姉妹もか。特に羽黒とは何度も夜戦を…そうか。ああいう艦娘が好みなのだな?ふ~ん…」


提督「ち、ちが…あれは羽黒さんの方から…」


長門「高雄と愛宕とは2人同時に…それは随分素晴しい光景であったろうな」


提督「ぱんぱかぱーん…ぱんぱかぱーん…」


長門「何と!鳳翔もか!これは驚いたな。提督、やるではないか!」ハッハッハッ


提督「」バタッ


陸奥「もう止めて!提督の耐久は1よ!」ガシッ


長門「まぁ…妻たるもの、夫の夜遊び程度、笑って許してやるもの…」


提督「ホントか!さっすが長門!よっ!ビッグ7!」パアア


長門「だが…」


提督「へ?」






















長門「 も の に は 限 度 と い う も の が 有 る の だ よ 」ゴゴゴゴ


提督「アッ、ハイ」


長門「最期に言い残す事は有るか?」ジャキン


提督「だ、だって…」


長門「だって?」


提督「な、長門さんと出会ってから、お付き合いするまで1年…ケッコンカッコカリ受けてくれるまで更に1年…2年かかってさ!」


長門「うむ。こういう事は時間をかけてお互いを知ってから行うものだからな!」ウンウン


提督「それでこの間、やっと夜戦を…初めて夜戦のオッケー貰って…その…さ!」


長門「あの時はお互い初めてだったからな…随分苦戦したものだ…」ウム


提督「さぁ!ここから始まる甘い性活…じゃなかった、新婚生活が始まると思ってたのに!そんな時に!」


長門「うむ。先程の戦いで私が大破、暫く離れ離れであったな」


提督「それで…だな…その…」


長門「正直に言ってみろ」


提督「性欲には勝てませんでした」キリッ


長門「…」フフフフ


ガチャ


天城「あ、あの…私は…」


長門「おっと忘れていたよ。司令部から連れてきた、新入りの天城だ」


天城「初めまして提督!雲龍型航空…」


長門「自己紹介はその辺で構わん。だって…な?」ニヤリ


提督「ヒッ」


バタン!


金剛「Hey!ナガモーン!ちょっと待つデース!」ドタドタドタ


長門「これはこれは…金剛四姉妹じゃないか。今少し取り込んでいてな?」


金剛「私達はまだ諦めた訳じゃありまセーン!提督のハートを掴むのは私デース!」


比叡「こればっかりは!金剛姉様にも!長門さんにも!負けられません!」


長門「あん?」ギロッ


比叡「ひ、ひえぇ~~!」


榛名「抜け駆けは!榛名が許しません!」フンス


霧島「艦隊の(性の)頭脳!霧島も忘れてもらっちゃ困りますよ!」バーン


バタン!


加賀「…」


提督「か、加賀ァ!何とか場を収めてくれ!」


加賀「…提督の事は譲れません」ゴゴゴゴ


長門「現在は戦艦級限定の会議中でな。戦艦くずれ()の出席は遠慮して貰おうか?」ゴゴゴゴゴ


加賀「…頭にきました」ゴゴゴゴ


金剛「Oh!凄い迫力ネー!私も頑張りマース!」ゴゴゴゴ


提督「」


陸奥「あ、あの…長門姉…」


長門「大丈夫だ陸奥よ。ちょっと41㎝連装砲を撃つだけだから」


提督「長門…愛してる…」ハハ…ハハハ


長門「私も、提督の事を想うと…胸が熱くなるぞ!」ニコッ























長門「全主砲、斉射!てーーーーーーーーーーっ!!!!」ドカーン


‐廊下‐



ギャーーーーーーッ!!!!




大淀「(フン…私の夜戦カットインを入れないからです…)」










大淀「提督のバカ…」ボソッ



‐港‐



吹雪「それにしても、長門さんって凄いんですねぇ…」


利根「ああ。まさか単艦で敵主力を殲滅して戻ってくるとは…」ゴクリ


吹雪「しかも友軍艦隊の提督達を半殺しにして、司令部に連行したって聞きました!」


利根「吾輩達も見習いたいものだな!」キラキラ


吹雪「え、ええ…」









利根「(長門さん達にバレなくて良かったのじゃ…それにしても昨日の提督…とっても激しかった//)」ニヤニヤ


吹雪「…?」


-執務室-



提督「」プスプス


長門「フンッ」


陸奥「な、長門姉…」


長門「今日はこのあたりで勘弁してやる。陸奥に感謝するのだな!」ビシッ



提督「ア…アアアア…」プルプル


長門「それと…その…だな…」


提督「」


長門「提督の事を…慕っている艦娘が多い事は…重々承知している…」


提督「」


長門「私も鬼ではない…その…少しくらいなら…気持ちに応えてやっても…良いぞ?」


陸奥「あらあら…」


長門「だが…最後は…私の元に帰ってくるのだぞ?」


提督「長門…」


長門「わっ、私が一番じゃないと…許さないんだからなっ!」カアアア


提督「お、おう…」


陸奥「長門姉のお許しも得た事だし、私も頑張っちゃおうかしらね?うふふっ」チュー


提督「む、陸奥っ!いきなり…んんっ!?」チュー


長門「こらっ!わ、私の前で堂々とするのではないっ!いくら陸奥といえども許さんぞっ!!」ジャキン



提督「待て!落ちつけ!俺はもう応急修理要員を装備してな…ギャーッ!」



-終わり-


~おまけ①~


-空母寮-


赤城「…おかわりっ!ご飯おかわりっ!」モグモグモグ


千代田「ちょっと食べすぎでは…?てか荒れてますね…?」


千歳「まぁまぁ。今回はお酒じゃなくて、ご飯ですから…」ハイコレ


赤城「どうして夜戦カットインは戦艦だけなんですかっ!私だって提督と…おかわり下さい!」


翔鶴「私達姉妹なんて、出番廊下ですれ違っただけでした…」


鳳翔「あんまりがっついて食べちゃダメですよ?」ウフフ


加賀「…」モッキュモッキュ


赤城「脚本・撮影の青葉さんに文句つけたいですっ!」オカワリッ


瑞鶴「私も翔鶴姉と熱い夜戦演じてみたかったです!一緒に行きましょうか!」オカワリドゾー



ダイタイ イッツモワタシ オオグイキャラバッカリ ジャナイデスカッ!!! 

センカン ダッテ イッパイ タベルノニ…オカワリッ!



加賀「…」チラッ


鳳翔「…」シーッ









加賀「…」オカワリクダサイ


鳳翔「…」ウフフ



~おまけ②~


‐執務室‐


提督「それで、大和型艦娘…大和さんは本当に来てくれるのか?」


大淀「来る訳無いでしょう。引く手数多の人気艦娘が、こんな僻地のダメ提督の下になんて」ギロッ


提督「ですよねー…」ハア


長門「…」


提督「う、ウチには最強の守護神長門様がいるからな!必要ないな!ハハ…ハハハ…」


長門「ビッグ7の力、侮るなよ?」フフッ

~おまけ③~


-駆逐艦教室-



暁「手当たり次第、艦娘達に手を出して…司令官は何を考えているの!?」


雷「まさに盛りのついたサルよ!サル!」


響「Однако, адмирал не нападал на нас」


暁「そうなのよ!一人前のレディーたるこの私に手を出さないなんて!」


電「…」モジモジ


雷「ん?電は提督に何かされたの?」


電「何もされてないのです。脱がされて、かけられただけ、なのです」




憲兵「詳しく聞かせて貰おうか」


-おまけ 終わり‐

以上で終わりになります。
陸奥の内面は全然出せませんでしたが…

読んで下さった方、ありがとうございました。

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