遊矢&柚子(大好き……)(18)


このSSは以下の話の続きとなっております。

『遊矢&柚子(気まずい……)』

『遊矢&柚子(緊張する……)』

『遊矢&柚子(恥ずかしい……)』

『真澄「見せつけてくれるじゃない」』

『アユ「あれ、遊矢お兄ちゃん?」』

『遊矢&柚子(動悸がやばい……)』

『遊矢&柚子(やってしまった……)』


榊家・玄関……

柚子「はい、これ」

遊矢「……何これ?」

柚子「何これってチョコレートよ。今日はバレンタインデーだから」

遊矢「そういやそうだったな。わざわざ持って来てくれたんだ」

柚子「仕方ないでしょ。今日は学校も塾も休みなんだから」

遊矢「まあそうだな……その、とにかくありがとう、ございます」

柚子「……うん」

遊矢&柚子「…………」


柚子「……じゃあまた明日塾でね」

遊矢「あ、待ってよ。もう帰るのか?」

柚子「だってもうチョコ渡したし」

遊矢「せっかく来たんだし上がっていけよ。これから何か用事でもあるんなら別だけどさ」

柚子「用事は無いけど……まあ遊矢がどうしてもっていうなら寄ってあげてもいいけど?」

遊矢「いや、えっと、無理にとは言わないけどさ……」

柚子「……ここまで来て引かないでよ。上がるわよ、上がらせて貰います」


遊矢の部屋……

遊矢「はい、コーヒー。俺が淹れたからそんなに美味しくないかもしれないけど」

柚子「ありがとう。ところでおばさんは? 姿が見えないんだけど?」

遊矢「ああ、今出掛けてる。夜まで帰らないって」

柚子「ふぅん、そうなんだ……」

遊矢&柚子「…………」

遊矢「べ、別に誰もいないからって柚子に何かしようとか考えてないからな! そりゃ柚子と2人きりは嬉しいけど、その……」

柚子「わ、分かってるから! わざわざそういう事を口に出して言わなくてもいいから!!」


…………

遊矢&柚子「…………」

遊矢&柚子「…………」

遊矢&柚子「…………」

柚子「……何か喋りなさいよ」

遊矢「え?」

柚子「この沈黙、何か気まずいし……遊矢が誘ったんだから遊矢が話題出してよ」

遊矢「そ、そうだな。じゃあ、その……チョコありがとうな」

柚子「どういたしまして。お礼は玄関でも聞いたけどね」


遊矢「いや、まあそれだけ感謝してるって事で……今年も柚子の手作りなのか?」

柚子「まあね。お菓子作りは嫌いじゃないし」

遊矢「食べてもいいかな?」

柚子「えっ、今?」

遊矢「何か不味かったか?」

柚子「いや、別に不味くは無いけど……まあ食べたいなら食べてもいいわよ」

遊矢「それじゃあ遠慮無く包みを外して……あっ」

『ハート型のチョコ』

柚子「……何かベタでごめんね」

遊矢「そ、そんな事無いさ……ただちょっとびっくりはした、うん」


柚子「本当は去年と同じ星形にしようと思ったんだけどね……けどやっぱり今年のチョコは、その、『本命』だし」

柚子「私の想いを遊矢に届けるにはその形がベストだと、思ったから」

遊矢「柚子……」

柚子「ごめん、私何1人で恥ずかしい事言ってんだろう……ああ、もう遊矢食べて。さっさとそのチョコ食べちゃって」

遊矢「わ、分かった。それじゃあいただきます……はむ」

柚子「ど、どうかな? 一応ちゃんと味見もしてるんだけど……」

遊矢「……うん、美味しい。やっぱり柚子の作るチョコは最高だな」

柚子「そう……良かった」

遊矢&柚子「…………」


遊矢「……なあ、柚子」

柚子「……何?」

遊矢「その……キス、してもいいかな?」

柚子「へ?」

遊矢「上手く言えないんだけど……何か柚子のチョコを食べたら柚子の愛情が伝わって来て……無性にキスがしたくなったというか……」

柚子「そ、そんな恥ずかしい事よく言えるわね……ていうか何もしないんじゃなかったの?」

遊矢「確かに言ったけど……柚子は俺とのキス、嫌か?」

柚子「……その質問はずるいよ」


遊矢「柚子、もう一度聞くけど……キスしてもいいか?」

柚子「……うん」

遊矢「柚子……」

柚子「遊矢……んっ」

…………

………



遊矢&柚子「…………」

遊矢&柚子「…………///」

柚子「何で口……開けたし///」

遊矢「ごめん……何か、つい///」


柚子「何か凄い甘いキスだった……」

遊矢「まあ直前に俺、チョコ食べてたし……」

柚子「それもあるだろうけど……絶対にそれだけじゃ無いと思う」

遊矢「ごめん……久しぶりのキスだったし、ちょっとがっつき過ぎた」

柚子「謝らなくてもいいよ……そんなに嫌じゃ無かったし、むしろ……」

遊矢「むしろ?」

柚子「……聞かないでよ、馬鹿」

遊矢「ごめん……でも俺も嫌じゃ無かったよ」

遊矢&柚子「…………」


遊矢「なあ、柚子」

柚子「今度は何?」

遊矢「俺、やっぱり柚子の事……好きだ」

柚子「…………」

遊矢「今日貰ったチョコと今のキスで改めてそう思った」

遊矢「お前とこういう……恋人同士になれて本当に良かった」

遊矢「だからこれからもずっと一緒にいような、柚子」

柚子「……遊矢って急にそういう事してくれるよね」

柚子「その言葉と想いで、私を幸せな気持ちにさせてくれる」

柚子「本当、最高の私のエンターテイナーだわ」


遊矢「柚子」

柚子「遊矢」


――大好き!


<おわり>


今回でこのシリーズは完結です。今回読んでくれた人も今まで読んでくれた人もありがとうございました。
ちなみにアークファイブのSSはこのシリーズ以外にも、

『権現坂「不動のオ〇ニー」』

『権現坂「不動のオ〇ニー」』

『権現坂「不動のオ〇ニー」』

なども書いているのでそちらもよろしくお願いします。では。

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