美希「――そうだ! ねぇ今度、みんなで鍋パーティしようよ!」 (25)

美希「はぁ~ やっぱり冬にはこたつは欠かせないの」の続編っぽく書きました。
前作:美希「はぁ~ やっぱり冬にはこたつは欠かせないの」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1423746200/)

今回も日常系SS短めです。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423901298

―765プロ事務所―

美希「はぁ~ 冬といえば、こたつもそうだけど、お鍋も欠かせないってミキは思うの」

伊織「そうね~ 以前にやよいの家でお鍋をご馳走してもらったんだけど、とても美味しかったわ~。あれ以来、専属シェフに週一で鍋料理を作らせているもの」

真「ほんと意外に庶民的だよね、伊織は」

伊織「褒め言葉として受け取っていいのかしら? ――って、ちょっと美希。あんたね、私の足の上にあんたの足乗っけないでよ!」

美希「えっ? ミキはデコちゃんの足に乗せてるつもりないよ? ミキが伸ばした足の下にたまたまデコちゃんの足があっただけなの」

伊織「屁理屈いうお口は こ れ か し ら!」

美希「いたひいたひ! ……もう、デコちゃん! 律子みたいなことしないでよ!」

伊織「えぇ、律子の気持ちが少しわかった気がするわ」

真「あははっ……ボクたちがこたつに入ると絶対こうなるよね」

美希「――そうだ! ねぇ今度、みんなで鍋パーティしようよ!」

伊織「……ごめんね美希。さっきの衝撃で、なんか変なスイッチ押しちゃったみたい」

美希「もう! ミキは真面目に話してるの!」

真「まぁー別にボクは構わないけど、場所はどうするんだよ? この辺でおいしい鍋料理屋さんとかあったかなー」

伊織「うーん、そうね~。ここからちょっと距離はあるけど、それでも構わないなら私がいいお店紹介するわよ」

美希「ううん。お店で食べるお鍋も美味しいけど、折角なら誰のお家で、みんなでワイワイやりたいの!」

真「あっ、いいねそれ! じゃー今から3人で計画しない!?」

伊織「誰の家に上がり込むつもりよ。実家くらしの人の家に上がり込むのは親御さんのご迷惑になるからあまり気乗りしないわ」

真「ボクも美希も実家暮らしだ……一人暮らししてるのって、千早と響か? あずささんはどうだったかな。でも、あずささんの家に押しかけるのも申し訳ない気がするなー」

伊織「貴音に関しては……謎ね」

美希「あっでも、響のお家もいっぱい『家族』がいるから押しかけると、きっとみんなビックリしちゃうの」

真「……ってことは、第一候補は千早の家かな?」

伊織「別に私の家でも良ければ、部屋なんていくらでも提供するわよ?」

真「あー確かに! それが一番良い案じゃない?」

美希「うーん、ミキもそれで良いと思うけど……それだと千早さん、参加してくれるかなー」

伊織「……なるほど、言いたいことはわかったわ。でも、千早が逃げられないように、自宅に押しかけちゃえプラン自体が拒否させる可能性もあるわよ?」

美希「ううん、きっと大丈夫なの! 春香にも話して、ミキと春香の二人で千早さんにお願いしてみるの!」

伊織「そう。にひひっ、それじゃその件はあんたに任せるわ」

美希「まかせてなの!」

真「へへぃ。それじゃ、とりあえず場所は千早の家ってことで。日程はみんなの都合を考えて追々かな」

伊織「そうね」

真「はぁ~ 楽しみだな~。やっぱり冬にはお鍋は欠かせないよな~」

美希「うんうん! ミキね、お鍋に入ってる白菜がだぁ~い好きなの! あはっ☆」

伊織「ちょっと二人とも……全く、まだ完全にやるって決まったわけじゃないのに……もう」

真「そうだ! ところでさー、お鍋の話をしたついでに、少し二人に聞きたいんだけど。二人とも普段、料理とかしてる?」

伊織「……真はどうなのよ?」

真「えっ、ボクは……可もなく不可もなくって感じかな?」

伊織「何よそれ、誤魔化しきれてないわよ?」

真「あ、伊織……今ボクのこと全く料理できないやつだって思っただろ? これでも、小さい頃から母さんの手伝いをしてたから、ある程度はこなせるんだぞ!」

伊織「へぇ、それは初耳ね」

美希「ねぇねぇ! それじゃ今度真くんの手料理、ミキに食べさせてよ!」

真「べ、別にそれは構わないけど……やよいみたいに美味く作れる自信は……ないよ?」

美希「そんなの関係ないの! 真くんのまごころがたくさん詰まっていればミキ、それだけでお腹いっぱいになるよ!」

美希「ねぇ? デコちゃんも真くんの手料理食べたいよね!?」

伊織「えっ、いやその///」

伊織「まぁ、あんたがどうしてもって言うならたまには平凡な庶民が作る料理を食べてみてやってもいいわよ! この伊織ちゃんがわざわざ食してあげるんだから、感謝しなさいよね!///」

真「はいはい、伊織お嬢様のお口に合いますよう精一杯務めさせて頂きますよー」

伊織「ふん!///」

美希(ふふっ。相変わらず素直じゃないの、デコちゃんは)

美希「……それじゃ、絶対絶っっっ対! 約束だからね、真くん!」

真「オーケー、任せといてよ」

真「それじゃー話を戻すけど、美希は普段料理するの?」

美希「ぜんぜ~ん。ミキは食べる専門だよ~」

伊織「1+1=2よりわかりきった答えね」

真「あははっ、確かに。実はボクもわかってて聞いた」

美希「あー! 真くんひどーい! もう!」

真「うわわ~!/// だから、その辺り蹴るの止めろって言ってるだろ美希!///」

美希「お返しだよ~、あはっ☆」

真「こんのぉ~。懲りないやつには制裁を食らわしてや――」

伊織「はぁ~ その下りはもういいわよ」

真「あいた!」

真「いてて……で、伊織はどうなの?」

伊織「あんたさ……普段、一緒にいるから感覚麻痺していると思うけど、私はあの水瀬財閥の娘なのよ? 専属シェフもたくさんいるわけ。そんな中で私がキッチンで料理なんて始めてみなさいよ。周りが騒ぎだして一大事になるわ」

真「えっ、そうなの!? 伊織が料理し始めただけで大騒ぎになっちゃうんだ。なんかお嬢様も大変なんだなー」

伊織「まぁ、生まれつきこういう生活してるわけだから別に今さら気にもならないけどね」

真「ふーん……でもさ、なんていうか伊織って、少女漫画に出てくるような『お嬢様』って感じしないよね?」

伊織「何よ、私のこの気品溢れる伊織ちゃんオーラが感じとれないわけ!?」

真「違う違う、別にバカにしてるわけじゃないんだ。なんていうのかなー、さっきみたいに冗談っぽくお嬢様オーラを周りに振りまくことはあるけど……まぁ、イラってくるときもあるけどさー」

伊織「やっぱり、確実に喧嘩売ってるわよね?」

真「人が本気で傷つくようなことはしないよね」

伊織「……」

伊織「つまり『権力を行使しないのか?』ってことが言いたいわけ?」

真「そうそう、それが言いたかったんだ!」

伊織「……真や765プロのみんなが知らないだけで、私だって裏でそういうこともしているかもしれないわよ?」

真「それは絶対ない」

伊織「!?」

真「伊織は絶対にそういうことはしないよ」

真「もしかしたら、そういうことをしているかもしれない。でも、そんなときはきっと、誰かのためであって自分のためじゃないはずだ」

真「ボクが知っている水瀬伊織はそういうやつだよ」






真「ボクはそういうところ、好きだよ。へへぃ」ニコッ

伊織「っ///」

伊織「なななな、何よそれ! そんなのあんたが勝手に抱いているイメージに過ぎないわ!」

真「確かに。もしかしたら裏でいっぱい悪いことしてるかもしれないな~」

伊織「……そうよ」

真「でもね……これがボクにとっての真実なんだよ。ボクが知っている水瀬伊織はそういうやつなんだ」

伊織「!?」

伊織「……帰る」ボソッ

真「えっ、なんだって?」

伊織「急用を思い出したから帰るって言ったの!!///」

真「うわわ~、びっくりした!……って、行っちゃった。伊織のやつ、急にどうしたんだよ」

美希「……そろそろミキも喋っていいかな真くん」

真「えっ、なんだよ美希。静かだなって思ってたけど、真剣な顔してどうしたの?」

美希「あのさ、真くん。デコちゃんがいきなり飛び出していった理由、ホントにわからないの?」

真「えっ、うーん……2月になっても未だ寒さが続いている……からかな?」

美希「おトイレに行きたかったわけじゃないの!……やっぱり、真くんは王子様なの。お姫様にはなれないの」

真「なんだよ急に!? それじゃ美希は理由わかるのかよ!?」

美希「そんなの女の子なら誰だってわかるよ! ふーんだ!」

真「くっ! よし、そこまで言うなら小鳥さんにも聞いてみようじゃないか!」

美希「小鳥は『女の子』じゃないよ。でも、聞いてみるといいの。ついでに、あいでん……てぃてぃ?っていう言葉の意味も教えてもらうといいの」

真「あいでん? 何それ? そんな難しい言葉よく知ってるな美希」

美希「前にちょっと……ハニーと喧嘩したとき……その時にハニーが教えてくれたの」

真「そうなの? まぁ、とりあえず聞いてくるからちょっと待ってて! 小鳥さーん……さっきのボクと伊織のやり取り聞こえてました? そのことについて少し聞きたいことがあるんで……」

美希「?」

真「なんか小鳥さん、目開いたまま寝てるんだけど」

美希「……まさにそれが答えなの」






小鳥(拝啓。お父様お母様、お元気ですか?)

小鳥(私は今日も、元気いっぱいです)

― ― ―
― ―


― その日の就寝前 伊織の部屋 ―

伊織「っ……グスッ!……」

伊織「あいつのバカ!……真面目な顔してあんなこと言うなんて……あーあ、ホント、バカなんだからっ!」

伊織「……ねぇ、うさちゃんもそう思うわよね」

伊織「……」

伊織「おやすみなさい……真」ボソッ

お し ま い

ROMってくれた方、そしてこれからROMってくれる方ありがとう。

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