コナン「よろしくね、斉木さん!」 楠雄「(どうしてこうなった)」 (97)

楠雄(あれは今から1時間ほど前のことだ)


・・
・・・

TV「以上、チョコレート工場見学のコーナーでした!では社長、最後に一言どうぞ!」
TV「うちでは一般の方々もご自由に見学出来ますので是非。まだ本日の分も間に合います!」

楠雄(工場見学。僕は全く嫌いではない。だが流石に今日は大混雑だろう)
楠雄(行きたければいつだって誰とだってチャーリーとだって行けるのに、
 わざわざ今日行く必要はない)
楠雄(さて、コーヒーゼリーでもたべ・・・うっ!)
ズ キ ン
男性「し、死んでる・・・!」
秘書っぽい人「どうして社長が・・・目を開けてください社長!社長おぉぉ!!」
ズ キ ン

楠雄(あれは・・・さっきの工場の社長!?)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423890614

楠雄(くっ、どうする。まだ死んだと決まった訳じゃないが)

楠雄(だがほうっておくのも忍びない、この会社の商品には世話になっているのでな)

楠雄(仕方ない、行くだけ行ってみるか)


~チョコレート工場~
楠雄(・・・さて、一通り関係者や見物人をテレパシーしてみたが悪意を持った人物はいなかった)

楠雄(となると、事故か、はたまた無差別の犯行か)

楠雄(とにかく、機材の不備を調べてみるか。いくらなんでも情報が少なすぎるからな)

楠雄(・・・・・・何もない、か。どうしたものか)

楠雄(そもそも事件なんて起こらないんじゃないだろうか?男性の見間違えやドッキリという可能性も。ん?)


ボロくて黄色いビートルが停まる
太ったヒゲの老人「ほれ、ついたぞ君達」

太った少年「オレ、チョコがうな重の次に好きだぜ!!」

そばかすの少年「もう元太君ったら~調子いいですね~」

小さい少女「あゆみ、チョコだ~いすき!」

眼鏡の少年「おいお前ら、あんまハシャぐなよ」


楠雄(前言撤回だ、必ず事件は起こる)

クールな少女「博士、早めに受付しちゃった方がいいんじゃない?」

博士「うむ、そうじゃな。お~い元太君、光彦君、歩ちゃん!こっちじゃ」

元&光&歩「「「はーい!」」」

歩「ねえ早くいこ、コナン君、哀ちゃん!」

哀「フフ、工場見学ではしゃいじゃって、みんな子供ね」

コナン「バーロ、オメーも子供だろ」


楠雄(「バーロ」はこっちのセリフだバーロー)

楠雄(やれやれ、またやっかいなことに巻き込まれたな)

楠雄(とにかく、僕も受付をしようか)

受付「6名様ですね。こちらどうぞ(お孫さんとお友達かしら?可愛い子達ね^^)」

受付「1名様ですね。こちらどうぞ(2/14にwww男がwwww一人でwwwww工場見学wwwwww)」

楠雄(お前後で覚えてろよ)

元太「なんだにーちゃん、彼女いねーのか?」

楠雄(コイツもか)

博士「コ、コラ元太君!いやすいません、バレンタインデーに一人で工場見学は普通ですよ、大丈夫ですよ!」

楠雄(そのフォローは大丈夫じゃないが)

元太「なあにーちゃん、一緒に見学しよーぜ!」

楠雄(お前は何を言っているんだ)

歩「おにいさんバレンタインデーなのに一人ぼっちなの!?じゃあ歩達といこうよ!きっと楽しいよ!」

楠雄(地味に口悪いな)

光彦「そうですよ!周りがカップルだらけの中一人でまわる苦行なんてする必要ないですよ!」

楠雄(コイツもか)

博士「本当に申し訳ない、バレンタインに一人で工場見学をして自分にチョコをあげる、
 なんて悲しい人生をあゆむなんて全く問題ないのに変なことを聞いてしまって」

楠雄(完全に断れない空気じゃねーかバーロー)

楠雄(やれやれ仕方ない、だが都合がいい。彼らについていけば事件がいつ起こるか予測しやすいからな)

歩「ほんと!?やったー!わたし吉田歩、よろしくね!」

光彦「円谷光彦です、どうぞよろしくお願いします。」

元太「オレ小嶋元太、よろしくなにーちゃん!」

博士「保護者の阿笠です、いやぁほんとにすまんのお」

楠雄(すまんのぉじゃないぞ全く・・・・ッッ!!!しまった!!)

楠雄(テレパシーを彼らに集中し過ぎた!ここじゃテレポートも透明化も人目が!なんとか方法を考えろ)


超絶美少女「すいませーん、大人一人なんですがまだ大丈夫ですか?」

楠雄(まだあわてるような時間じゃない)

楠雄(幸いこちらには気づいてない。端から見れば僕らはおじいちゃんと孫とその友達)

楠雄(ある程度距離をとってればやり過ごせるだろう)

コナン「お兄さん、斉木楠雄さんっていうんだー」

楠雄(はい詰んだ)

超絶美少女「えっ、今斉木って」

コナン「僕江戸川コナン。よろしくね、斉木さん!」

楠雄(どうしてこうなった)

・・・
・・


楠雄(さて、どうしたものか。まだ犯人の手掛かりどころか事件か事故かもわかっていない)

元太「俺が誘ったおかげだよなwコナンw」

コナン「な、何がだよ」

光彦「照れなくてもいいんじゃないですか~wあの美人さんと一緒に行動できるんですよ?w」

コナン「バ、バーロ、俺は別に(俺には蘭がいるんだ、必ず大人の体に戻るからな。待ってろよ)」

楠雄(聞いちゃいけない心の声だだもれなんですけど)

元太「ま、まあオレは別に何とも思ってねーけど」

哀「あら、あなた達さっきは揃って

元&光&コ&博「「「「おっふ」」」」

 って言ってたじゃない」

角みたいな髪の女性「あ、いた。おーいコナンくーん」

コナン「あ、蘭ねーちゃん。先にきてたんだ」

蘭「遅いから心配しちゃった。受付間に合った?」

コナン「うん。実は受付のとこで知り合った人と友達になったんだ。
 紹介するね。彼が斉木楠雄さんで彼女が照橋心美さん」

照橋「照橋です。どうぞよろしくお願いします。」

お嬢様みたいな女性「わっ、スッゴい美人さん!」

蘭「私、コナン君の親戚の毛利蘭です。こっちが親友の鈴木園子です。うちの子がご迷惑をおかけしたみたいで」

照橋「いえいえ、迷惑なんてとんでもないですよー
 (むしろこの子のおかげでおっふチャンスがきたのよ、あとで残りカスで作ったチョコをあげるわ)」

楠雄(そこは普通のやつをあげろ)

楠雄(・・・しかし、そうこうしているうちに間もなく受け付け終了時間だ)

楠雄(怪しい人物はいないし、やはり事故かも・・・ん?)


男性A「すいません、6人ですがまだいけますか?」

受付「6名様ですね、あ、丁度あと6人が定員ですね!こちらどうぞ」

男性A「それは良かった。みんな、これに名前を記入するみたいだ
 (みんな今日を楽しみにしてたからな。本当に間に合ってよかった)」

女性A「間に合ったのはゆうちゃんが飛ばしてくれたからよ。いつもありがとね
 (義理はもう配った、今日作った本命のほうはゆうちゃんに・・・やだ、私ったら何考えて///)」

男性B「全く、なぜこんなあわただしい事になったんだ!
 (俺はただちょっとだけ寝てただけだから違うよな)」

女性B「1時間も寝坊したあんたのせいだよ!
 (今のはツッコミ待ちだよな?本気じゃないよな?)」

女性C「まぁまぁ、間に合ったんだから結果オーライだよ、ね?
 (フフフ、この二人、本当に仲良いな。ちょっと羨ましい)」

男性C「そうそう、今日は楽しもうぜ。な!
 (この計画なら確実に凶器は残らず事故に見えるしアリバイ工作も完璧、俺と社長の接点を知る者もいない)」


楠雄(前言撤回だ、必ず事件は起こる)

街のチョコレート工場で起こる事件。
甘いチョコレートに紛れる苦く卑劣な犯人の罠。
一見何の変哲もない街の工場に、まさかあんな過去があったなんて!
犯人は、絶対この俺が暴いてみせる!じっちゃんの名にかけて!

次回、「チョコレート工場の殺人 ファイル2」

君にこの謎が解けるか!



楠雄(それ違うアニメな)

前回のあらすじ・・・バーロ


楠雄(さて、まずはこの6人の素性を調べるとするか)

楠雄(最初に来たのが、「菊地 雄星」20歳。男性A?僕にはなんのことやら)

楠雄(次に来たのが、「兼子 千尋」20歳。女性A?なんの(略))

楠雄(寝坊したのが、「良川 光男」20歳。男性B?なん(ry)

楠雄(荒々しいのが、「荒垣 渚」20歳。女性B?な)

楠雄(おとなしいのが、「長井 怜」19歳。女性C)

楠雄(そして犯人が、「成瀬 悪久」19歳。男性Cである)

楠雄(しかし、これじゃ名前ぐらいしかわからんな・・・)

楠雄(犯人の荷物をチェックしておくか)

楠雄(・・・こ、これは・・・!!)

楠雄(これがあるということは、僕にも少しは原因があるということか・・・)

楠雄(犯人はこれをいつ使う気なのか。彼の思考には極力耳を傾ける必要があるようだな)


園子「えー!?照橋さんって彼氏いないのぉ!?」

照橋「い、いないよそんなの~///」

園子「蘭なんて、旦那様がいるのにねぇ」

蘭「だ、旦那なんて、もう園子やめてよ、あんな推理オタク知らないんだから!」

照橋「(ふふ、斉木ったら、ガールズトークにお耳ダンボね)」

楠雄(お耳ダンボはガールズトークにではない。マーダーシンキングに、だ)

楠雄(む、社長が来たな)

社長「で、あるからして、皆さんこんにちは。社長の「路伝 我愛那(ろつて があな)」です」

楠雄(名前)

社長「で、あるからして、本日は工場見学にご参加くださいまして誠にありがとうございます。
 我が社は鈴木財閥とは深い縁がありまして」

園子「どうも~^^」

社長「この工場は下請けの下請けの下請けの下請けの取引先の下請けであるからして」

楠雄(下請けが過ぎるだろ)

社長「えー、後の事は秘書君にお任せします」

秘書「只今ご紹介に預かりました、「菱代 飛翔(ひしよ ひしょう)」です」

楠雄(名前)

秘書「皆様お手元のパンフレットをご覧ください」

パンフレット
11:00 挨拶
11:30 工場巡り(西館)
12:30 お昼ご飯(食堂)
13:30 工場巡り(東館)
14:30 チョコレート作り体験会
15:30 解散


楠雄(体験会が気になるが今は犯人の動向が気になる)

楠雄(犯人は一体いつ何をするつもりなのか・・・)

成瀬「(西館を巡っている最中にトイレへ行くふりをして東館にある社長室へ行き眠らせすぐ戻る。
 昼飯を早くすませ社長室へ行き撲殺。西館と東館の移動は通常は2,30分はかかる
 だが今は使われていない関係者も知らない通路を使えば5分で行ける。アリバイも完璧だ)」

楠雄(いつ何をするつもりなのかわかった)

楠雄(西館へ行く前になんとかしたいところだが・・・)


博士「チョコレート作り体験会なんてのもあるのか、楽しみじゃのう」

哀「博士は食べちゃダメよ。これ以上メタボになっちゃ困るから」

博士「少しくらいなら・・・」

哀「ダメ。わざわざ飲み物も結果にコミットする高いお茶ライザッ茶を持ってきたんだから」

楠雄(あっ)

博士「仕方ないのぅ・・・ん?どうされましたかな斉木さん」

哀「あら、ライザッ茶ほしいの?あなた太っているようにはみえないけど」

博士「先ほどの非礼もありますし1本どうぞ。こっちはもう1本あるんで大丈夫じゃよ」

楠雄(よし、これなら・・・!)

12:00 ~西館~
秘書「この工程はコアラがマーチしているところですねー」

成瀬「僕ちょっとトイレー」

秘書「はい、あの角を右に行ってまっすぐです」

成瀬「・・・よし、急いで東館へ行く」

成瀬「今の内にカバンからハンカチとアレを出し・・・あれ?」

成瀬「無い無い無い無い!アレが無い!なんだよライザッ茶って!」


楠雄(アレなら僕が取り替えておいたぞ。ライザッ茶と同じ値段だったのでな)

楠雄(勘のいい読者は気づいてると思うが、アレとはクロロホルムだ)

楠雄(僕は昔兄の影響で薬で遊ぶ事にハマっていた時期がある)、

楠雄(ある日薬を持って行って外で遊んでいた時、超能力で友達を気絶させてしまった事がある)

楠雄(その時運悪く大人が通りがかった。当然疑いの目は僕に向けられる)

楠雄(その日たまたま持っていた薬がクロロホルムだ)

楠雄(そこで僕は「クロロホルムを吸うと気絶する」「一般人が持っていてもおかしくない」
 と、マインドコントロールしてその場しのぎをした)

楠雄(しかしそれがまずかった)

楠雄(そのせいで計画的な犯罪にクロロホルムが多用される結果になってしまった)

楠雄(なので今日の事件は僕が原因の一端と言えるだろう)

楠雄(さ、事件は解決だ)

楠雄(クロロホルムがなくなったことで計画は崩れた)

楠雄(あとはゆっくりチョコでもたべ・・・うっ!)

ズ キ ン
千尋「キャー!!人が死んで・・・!!」
秘書「どうして社長が・・・目を開けてください社長!社長おぉぉ!!」
ズ キ ン


楠雄(・・・マジか)

楠雄(これでまだ諦めないとか執念深すぎるだろ)

楠雄(それほど怨みが強いのか。あの社長あいつに何やったんだ?)


楠雄(凶器がまだわからないし、それがわかればいいんだが)

成瀬「(くっ、だがこの凍らせたチョコで殴り殺して溶かして食べて証拠隠滅する方法は誰もわかるまい)」

楠雄(凶器がわかった)

楠雄(バッグの中に人一人を撲殺できるようなチョコはなかった)

楠雄(どこかから調達するはずだ、この工場ならいくらでも隠し場所がある)

元太「どうしたんだにーちゃん難しい顔して。腹へったのか?」

楠雄(こっちはそれどころじゃない、人が減るかもしれないんだぞ)

歩美「もうすぐお昼ご飯だもんね!何があるのかなー?」

光彦「きっとおっきなチョコとかありますよ!そういえば歩美ちゃん先週と名前変わってません?」

楠雄(それについてはそっとしといてくれ)

秘書「では皆様、こちらが食堂となっております。ご自由にお使い下さい」

楠雄(ここが勝負所か。犯人は昼休みに動く可能性が高い、集中せねば)

照橋「斉木君、よかったら一緒に

元太「にーちゃん一緒にくおーぜ!」

照橋「(クソブタが)」

歩美「歩美、斉木さんの事もっと知りたい!」

光彦「僕も気になります!その、照橋さんのこととかも」

コナン「斉木さん、どうしてさっきから向こうにいるお兄さんばかり見てるの?」

園子「それでそれで?照橋さんとはどういうご関係?」

蘭「園子やめなよ~。でも私もちょっと気になるなあなんて」

博士「ほっほ、人気者じゃのう斉木さん」

哀「お茶、美味しかった?」


楠雄(どうしてこいつらはほっといてくれないんだ)

怨恨渦巻く奇妙な工場
狡猾で執念深き強い意志
犯人と社長に、まさかあんな過去があったなんて!
必ず俺が、社長を救ってみせる!じっちゃんの名にかけて!

次回、「チョコレート工場の殺人 ファイル3」

君にこの謎が解けるか!


楠雄(これまだやるんだ)

前回のあらすじ・・・名前変わってません?


楠雄(彼らは食事が終わったようだな)

楠雄(こっちも終わってるんだが・・・動かないな)

楠雄(やれやれ、あっちもこっちも友達と楽しく談笑中か)


元太「オレ達、事件いっぱい解決してんだぜ!」

照橋「へ~、すごいね~」

楠雄(すごいのは事件を解決してることがか?
 それとも小学生ながら事件にいっぱい巻き込まれてることがか?)

光彦「警察の友達もいて捜査の協力とかもしてるんですよ!」

照橋「へ~、すごいね~」

楠雄(すごいのは捜査の協力をしてることがか?
 それとも小学生を現場に入れ捜査状況を教えてしまう警察がか?)

園子「私なんて実際に何度も事件を解決してるわ!まぁその時の記憶は無くなるんだけどね」

照橋「へ~、すごいね~」

楠雄(すごいのは事件を解決してることがか?
 それとも何度も記憶が無くなる不自然な状態に何の疑問も抱いてないことがか?)

蘭「私はみんなについていってるだけだから何もないなぁ。ただ
 爆弾を解体したり溺死しかけた後人質にされたり撃たれたショックで記憶喪失になったり
 火事のビルからバンジーしたりサメを撃退したりスパイと格闘して船から海に落ちたりしただけ」

照橋「へ~、すごいね~」

楠雄(それはほんとにすごい)

成瀬「僕ちょっとトイレー」

楠雄(くるか・・・!)ガタッ

元太「どうしたにーちゃん、トイレか?」

楠雄(僕ちょっとトイレー)

歩美「あ、じゃあ急いだほうがいいよ」

光彦「さっき聞いたんですけど、デザートにグランドチョコパフェがでるそうですよ」

楠雄(急いで戻ろう)

博士「わしも・・・」

哀「ダメよ」

成瀬「(食堂のおばちゃんが席をはずした隙に食堂の冷凍庫へむかう)」

楠雄(食堂のおばちゃんの動きをうかがってたという訳か)

成瀬「(前日から凍らせておいたバットチョコを鞄に入れ通路へ)」

楠雄(ほう)

成瀬「(通路を通り抜けたら工場の2階にある階段の老朽化した柵をぶっ壊す!)」ガンッ ガンッ

成瀬「(手足いってぇ・・・まー、これでじゅうぶんだ)」

成瀬「(そして最後に社長室へ行き撲殺したら、バットチョコは工場内で溶かして証拠隠滅)」

成瀬「(眠らせていないから格闘になるかもしれんが仕方ねぇ)」

成瀬「(準備OK、社長室に乗り込む!)」


秘書「ん?」

成瀬「あれ・・・?」

秘書「あ、確かツアー参加者の。で、あるからしてどうされましたかな?」

成瀬「あっと・・・間違えた、かな」

秘書「そうでしたか。今から戻っても昼休みが終わってしまいますね・・・」

成瀬「す、すぐ戻るんで!」

成瀬「(秘書は次の東館巡りの準備中のはずなのに何故?)」

成瀬「(てか社長どこだよ、早くしないとバットチョコが溶け・・・ん?)」

成瀬「ぬっちゃぬちゃ!チョコぬっちゃぬちゃ!凍らせてたはずなのにぬっちゃぬちゃ!」

成瀬「なんで溶けて・・・あれっ!?柵が壊れてない!なんで!?」

楠雄(直したからだ)

楠雄(バットチョコをパイロキネシスで溶かしたらすぐ戻ろうと思っていたが)

楠雄(柵を壊すと言い出した時は焦った。死体を突き落として事故死にみせたかったのか)

楠雄(もちろんあの秘書は催眠で社長を秘書に見せただけだ。
 凶器は溶かしたが実際に顔をあわせると何しでかすかわからんので念の為、な)

楠雄(戻る前に社長には虫の知らせで柵の老朽化が進んでいることを知らせておこう)

{階段の柵が老朽化してるよ・・・あと床ぬっちゃぬちゃ}
社長「そういえばそろそろ改修工事を・・・え?ぬっちゃぬちゃ?」

楠雄(さ、事件は解決だ)

楠雄(凶器がなくなったことで計画は崩れた)

楠雄(早く戻ってグランドチョコパフェをたべ・・・うっ!)

ズ キ ン
怜「キャー!!血が・・・!!」
秘書「どうして社長が・・・目を開けてください社長!社長おぉぉ!!」
ズ キ ン


楠雄(・・・マジか)

楠雄(これでまだ諦めないとか執念深すぎるだろ)

楠雄(それほど怨みが強いのか。あの社長あいつに何やったんだ?)


楠雄(もう知らん。ここまで怨みを買われる奴は人を無差別に襲う忍にでも刺されればいい)

楠雄(僕はもう戻ってグランドチョコパフェを食べるからな)

園子「あれ、今頃きたの?」

歩美「もうグランドチョコパフェなくなっちゃったよ?」

楠雄()

元太「なげーうんこだな」

哀「あのお茶、よく出るって話だから。ごめんなさいね」

楠雄(あの野郎覚えてろよ)

13:40 ~東館~
秘書「この工程はレディがボーデンしてるところですねー」

成瀬「(この人さっきまで社長室にいたよな・・・?)」

楠雄(気のせいだ)

秘書「この工程は雪見を大福にしてるところですねー」

成瀬「(今日はまるで見えない何かが俺を妨害してるみたいだぜ・・・)」

楠雄(ハハッまさか)

成瀬「(やっぱりこんな事すべきじゃないんだな。もうこんな事はやめよう)」

楠雄(なっ!? そんな馬鹿な・・・さっきは完全に殺害されてる未来が見えたぞ!
 まさか刃物を持った忍の仕業か!?)

秘書「この工程はパイを実に

楠雄(それはもういい)

14:30 ~厨房~

社長「えー、で、あるからして、皆様本日の工場見学は楽しんでいただけましたかな?」

社長「このプログラムで最後になります。最後は実際に作ってみましょう」

楠雄(本人にやる気が無い以上大丈夫だろう。こっちに集中だ
 決して楽しみで仕方なかったわけではないぞ)

照橋「(スッゴいうれしそうね)」

蘭「(スッゴいうれしそうね)」

園子「(スッゴいうれしそうね)」

元太「にーちゃんなにニヤニヤしてんだ?

楠雄(していない)

社長「で、あるからして、今日は[テンパリング]と[ガナッシュ]をしてもらいます。
 包丁の扱いには十分注意してください」

楠雄(全く、テンパリングなんてただめんどくさいだけじゃないか)

楠雄(刻んだチョコを50℃ほどのお湯で湯煎してゆっくりと溶かし
 溶けきったらチョコの温度をほんの少しずつ下げながら全体を掻くようにしっかり混ぜ
 この繰り返しをして少し固まる温度になったらもう一度少しだけ温度を上げ混ぜる
 これをして固めたチョコはくちどけやわらかでつやのあるチョコになるわけだが
 こんなこと何が楽しいんだ)

照橋「(楽しそうね)」

蘭「(楽しそうね)」

園子「(楽しそうね)」

光彦「斉木さん、楽しんでますね!

楠雄(楽しんでない)

楠雄(ガナッシュ。チョコレートに生クリームを混ぜたものだ)

楠雄(刻んだチョコをぬるめの湯煎で少しだけ溶かし
 熱い生クリームを入れ泡立て器でゆっくり混ぜ完全に溶けたら
 バターを入れて混ぜすぎに気をつけて混ぜたら型に入れて冷やす
 これでしっとりなめらかな生チョコができるわけだ)

照橋「(スッゴい楽しそうね)」

蘭「(スッゴい楽しそうね)」

園子「(スッゴい楽しそうね)」

歩美「おにいさんスッゴい楽しそうだね!」


楠雄(どうしてこいつらはほっといてくれないんだ)

社長「(うんうん、みんな楽しそうでなによりです)」


成瀬「もっと底のほうからゆっくり混ぜんだよ!」

良川「どうせ溶けるなら一緒だ」

成瀬「ちげーよこれじゃボソボソになっちまうんだよ!」

社長「(おや、彼はあの時の)」

社長「楽しんでますかな?」

成瀬「!?・・・あ、ど、どうも・・・」

社長「そういえば、あったことありますよね?」

成瀬「え・・・?"あったことある?"だと・・・?」

社長「えぇ、といってもほんの少しですが」

成瀬「あの時間が"ほんの少し"だと・・・?」

社長「? ほんの少しですよね?話もほぼしてないですし・・・」

成瀬「俺をちょっとは覚えてるくせにその態度かよ!!」

菊地「お、おい、どうした?」

成瀬「やっぱり、こいつは殺さないとダメだ!!」

楠雄(しまった!チョコ作りに集中し過ぎた!
 あのビジョンは"計画的"ではなく"突発的"だったのか・・・!)

交錯する過去の誤解と今の誤解
教えてくれ。いったいお前達に何があったんだ!
そこまでして犯行に手を染める理由があるのか!
全て俺が解決してみせる!じっちゃんの名にかけて!

次回、「チョコレート工場の殺人 ファイル4」

君にこの謎が解けるか!


楠雄(このコーナーは今回で終わりだ)

前回のあらすじ・・・ぬっちゃぬちゃ


楠雄(どうする・・・無理やり眠らせるか?
 もしくはボウルを蹴って頭にぶつけて気絶させるか?
 ダメだ!どっちも非現実的すぎる!)

??「そう...」

楠雄(今のは・・・くっ、イチかバチか、天使のささやき!)

{やめて。お母さん、悲しんでるよ・・・?}
成瀬「!?」

博士「一体どうしたんじゃ。とにかく、包丁を置くんじゃ」

社長「落ち着いてください!」

成瀬「お前が言うなー!」

菊地「何があったんだ、話してくれ」

楠雄(完全に冷静さを欠いている。この状態で話を聞き出すのは無理だ)

成瀬「あれは15年前のことだ・・・」

楠雄(話すんかい)

成瀬「俺はある時より前の記憶がほとんどねぇ。だが」


・・
・・・

母「もう融資は出来ないって・・・」

父「そうか、あかんか」

社長「すまない、お金の問題ばっかりは・・・」

父「いや、大丈夫だ」

~2日後~
警察「自殺にしては不自然な点が多いですね」

警察「保険金の受け取り人はどうだ?」

・・・
・・

成瀬「気づいた時には俺は成瀬家に拾われていた」

成瀬「だがこの日のことだけは頭にこびりついて離れねぇ
 今でも首を吊った父と母に夢でうなされる日々だ」

成瀬「あの数日は、悠久の時のように感じたよ」

成瀬「そしてある時気づいた。あれは自殺じゃねぇ、保険金目当てに殺されたってな!」

社長「まさか・・・君は・・・」

成瀬「そうだよ、あんたが殺した「路伝 久乱希」「路伝 紗々」の息子「路伝 爽」だよ!」

楠雄(名前)

成瀬「お前を殺した後、成瀬悪久から路伝爽に戻り、この会社を乗っ取るつもりだった」

社長「そんな・・・まさか・・・」


楠雄(・・・お、重い)

楠雄(なにこれ想像よりずっと重いんですけど)

楠雄(そういう事件は眼鏡を掛けた小学生より
 じっちゃんの名にかける高校生の案件だろ・・・)

成瀬「事件後すぐに母の親戚に引き取られた。その家の子は幼くして亡くなったらしい
 名前は悪久だった。俺は素性を隠すため悪久を名乗る事にした」

社長「そうか、それで」

成瀬「お前が親父が作ったこの会社を継ぎ、突然工場が大きくなった時に気づいたよ
 両親を殺して得た保険金で大きくしたんだとな!」

社長「違うんだ!」

社長「私はあの時、一般の会社員でした
 海外出張の多い私は、よく息子の世話を弟に任せていた」

社長「息子が4歳の時、弟から自分の会社がやばいと聞いた
 しかし私にはどうすることもできなかった。むしろ借金があるくらいだったんです」

社長「その2日後だった。妻と弟が死んだのは。
 だが私はあの後すぐ海外に行ったため知らせを聞くのが遅れた」

社長「2人は自殺にみせかけた他殺にみせかけた自殺で保険金を貰うつもりだったようだ
 それも所詮は素人の浅知恵、警察にはすぐばれて保険金はおりなかった」

社長「それを知った時にはもう息子は親戚に引き取られた後だった
 必死で探したが見つからない。そこで私はある決心をしました
 妻と息子が愛した弟の工場を盛り立てれば、いつか息子はきてくれるのではないかと」

社長「私は会社を辞め工場を継いだ。毎日毎日必死で働き偉い人に頭を下げる日々
 ほどなくして鈴木財閥に目をかけてもらい、融資をしていただけることとなった」

社長「少々リスクもあったが工場を大きくした。結果はこの通りです
 しかしそれが、逆に息子を追い詰めることになってしまった・・・」

社長「会社の存続だけを考え実の息子をないがしろにした、私の軽率さが招いたミスですね・・・」

博士「ということは・・・まさか悪久君、いや爽君の本当の父親というのは」

成瀬「信じられるかよそんな話!証拠はあんのか!」

社長「証拠は・・・無い」

楠雄(いや、ある)

{鍵}
博士「鍵・・・?」

成瀬「!? なぜそれを!」

博士「あ、いや、ワシは」

楠雄(見たからな。それと)

{金庫}
博士「金庫・・・?」

社長「!? なぜそれを!」

博士「あ、いや、ワシは」

楠雄(見たからな)

~社長室~
社長「実はこの金庫、妻が亡くなる前からあるのですが、鍵がみつからなくて」

成瀬「本当に合うのか?この鍵。これ工場のマスターキーだぜ?」

コナン「どうしてそんなのもってるの?」

成瀬「形見だよ。あの日託されたんだ」

元太「早くあけよーぜ!お宝かもよ?」

楠雄(お宝より大事なものだ)


成瀬「これは・・・遺書?」

博士「ああ、第三者であるワシが読もう。なになに」


「持病の悪化が酷く、もう手遅れみたいです
 治療費で借金は膨らむばかり。家計も手遅れかな
 1人分の保険金では立て直せないでしょう
 どうせ私は長くありません。我愛那さん、工場をお願いします
 爽が20歳になったら工場を爽に譲ってください
 爽ちゃん、永遠に見守っています。 路伝 紗々」

成瀬「母は最初から、俺を社長にするつもりだったのか・・・」

哀「でも他殺にみせた自殺なら、公証役場に提出してないんじゃない?
 その場合、法的効力は無いわよ?これ」

社長「それなら問題ありません。これを」

楠雄(小学生がそんなこと知ってるのは問題だと思わないのだろうか)

博士「これは・・・委任状!工場の経営権を路伝爽に譲ると」

社長「息子が成人したら譲ろうと思っていたので。
 20歳の誕生日を前にTVで大々的に宣伝すれば爽もきてくれるのではないかと
 紗々も最初から同じ考えだったようですね」

成瀬「じゃあ俺が今までやってきたことっていったい・・・」

成瀬「俺は、俺は・・・一体何のために戦っているんだああああぁぁぁ!!」

一同「・・・」


菊地「大切なのは過去じゃない。現在だ
 お前は"成瀬 悪久"だ。そして、俺達の"仲間"だ」

良川「仲間の過去など気にしてなどいない」

千尋「そうよ、負けない愛だってきっとあるわ!」

渚「どんな涙もワンモアチャンス!まだ傷ついてもいいのよ」

怜「少しでもいい、新しい何か、みつけよ?」

楠雄(仲間の過去はあまり詮索するもんじゃないな)


博士「うむ、これで丸く収まったようじゃな」

社長「阿笠さん、助かりました。是非お礼を」

博士「あ、いや、ワシは・・・」

コナン「あ、博士!だったらちょっといい?」

・・・
・・


元太「くぅ~疲れたぜwこれにて解決だな!」

光彦「実は、あの後すぐ社長代行の話を持ちかけられたそうですよ
 本当に良かったです←」

歩美「ご厚意を無駄にするわけにはいかないもんね」

博士「社長達からメッセジがあるそうじゃ」

社長「で、あるからして、みんな、きてくれてありがとう!
 ちょっとポンコツなところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

成瀬「見えない力に阻まれたきがするけど
 きっと母さんが見てくれたのかな。嬉しいけどちょっと恥ずかしいね・・・」

秘書「後日、皆様がお作りいただいたチョコレートはラッピングして郵送します」
「皆さん改めまして、ありがとうございました!」


蘭「あれ?コナン君?」
照橋「あれ?斉木君?」

楠雄(気になって通路をサイコメトリーで調べてみたが
 どうやら増築前に使われた通路のようだな。)

楠雄(鍵はあいつの持ってたやつしかないようだし、関係者も知らないわけだ)

楠雄(つまりこの場所はこの世では2人しか知らないわけだが・・・)


コナン(ここにいたんだ、斉木さん)

楠雄(・・・3人目、か)

コナン「こんにちは、斉木さん。どうしてこんなところにいるの?」

楠雄(こっちのセリフだ)

コナン「そういえば斉木さん、成瀬さんが最初にトイレに行った時、同時に行ったよね?」

楠雄(...)

コナン「ここのトイレって消毒に気をつけててトイレにはアルコール消毒液があるんだけど
 戻ってきたときアルコールの匂いしなかったね?」

楠雄(...)

コナン「お昼休みの時はずっと成瀬さんのほうをみてたよね?
 この時も成瀬さんと同時にトイレに行ったよね?」

楠雄(...)

コナン「戻ってくるの随分遅かったしこの時もアルコールの匂いはしなかったし
 斉木さん、チョコ好きなのにグランドチョコパフェも食べずに何してたの?」

楠雄(...)

コナン「成瀬さん、トイレに行くだけなのにおっきいカバン持ってて変だなって思ったの
 そしたら食堂をでた時カバンがパンパンになっててビックリ!
 でも戻ってきたときには元の大きさになってたの。なんでかなぁ?」

楠雄(...)

コナン「カバンといえば成瀬さん、太ってないのにカバンからライザッ茶だしてたなぁ
 普通の人は買わないし博士は2本のうち1本は飲んじゃったのになぁ」

楠雄(...)

コナン「それで僕気づいちゃったんだ。これは
 怪盗キッドの仕業だ!ってね」

楠雄(...)

コナン「成瀬さんが「見えない力に阻まれた」って言ってたけど
 キッドが盗んでいったんだよ。殺意をね」

楠雄(...)

コナン「キッドの手品ってすごいよね。どう考えても不可能なことをしちゃうんだもん
 最近のはもう手品の域を超えてるよね。まるで
 "超能力"だよね・・・?」

楠雄(...)

コナン「って、超能力なんて本当にあるわけないよね。キッドならそんなの無くても
 15年間開けられてなかった金庫に証拠があるってわかるのかな?」

楠雄(お前、いったい・・・)

コナン「江戸川コナン。探偵さ」

楠雄(お前今回何にもしてないだろ)

~後日~
楠雄(昨日は散々だった)

楠雄(結局ひとつもチョコを食べれなかったし)

楠雄(ぬっちゃぬちゃのチョコでもなめとけば・・・いやそれは流石に・・・)

久留美「くーちゃん、お届け物よ~」


楠雄(これは・・・やっぱりあいつ、何もしてないじゃないか
 見ず知らずの"工藤さん"に感謝するんだな)


品名
グランドチョコパフェ


楠雄(やれやれ、やっぱり)

楠雄(工場見学なんてするもんじゃないな)


犯Ψを防げ!チョコレートパニック(完)

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