少年「ドラゴンナイト」 (124)

ものすごく厨二臭いドラゴン系の物を書きたくなったので……。

ファンタジーに詳しくないので、独自の設定が出る事があります。不快な人はお戻りください。

某有名な歌とは全く関係ありません。

長いです。暇つぶし程度に読んでいただければ幸いです。

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ergかと思った

あってるかな?
もしかして【男「いらっしゃいませー」】の人?

――ごめんなさい。

私達が禁忌を犯したせいで、貴方の運命は辛い物となるでしょう。

でもね

どんなに辛い事があっても、貴方ならきっと乗り越えらえる。

私の力と父さんの魔法。二つを備えた貴方なら、きっと……

私が遺せる物は、これくらいしかないけれど。

きっと貴方を守ってくれる。

無責任な親でごめんね。

強く生きて、幸せになってください。

貴方を愛しています。

少年。

>>3はい、恥ずかしながら……
割りと恥ずかしい内容ですが、読んでいただけたら幸いです。

ドラゲナイ

今宵

軟弱な命を拒絶する、吹雪が吹き荒れる雪山。

その中の洞穴で、一頭の竜が卵を産んだ。

卵の安否を見届けた竜は、安心したように力尽きた。




鋼の卵の亀裂が入る。

ゆっくりと時間をかけ、「それ」は姿を現した。

しばらくして、洞窟に悲痛な咆哮が響き渡る。

耳を劈くようなその声さえ、外では真っ白な雪に、静かに塗りつぶされていった。

彼の誕生を祝福する者は、誰も居ない。

>>5
やっぱりそうかぁ。あれも面白かったよ
期待

昔エルフから発売された、HなRPGかと思った。

ギュルルルルルル

「……」


――ここはとある森の中。

少年「ふぅ、今日はこれくらいでいいか」ゴトトッ

少年(木材良し、野菜も今の所は大丈夫)

少年(燻製もかなり溜まってきた。今年の冬も大丈夫そうだな)

ドサッ

少年「!」

「水……くれ、頼む……」

少年(……この森に来るやつがいるなんて……ここで死なれたら処理が面倒だな)

少年「待ってて」ガシッ ダッ

(……何だこいつ、小柄なくせに軽々と……肉体強化系の魔法か?)

少年「はい、ここの水は大丈夫だから」

「ありがてえ!」ゴクゴク

「……プッハー!! 生き返ったぜ!!」

少年「……」

友「あ、名前だな。俺は友ってんだ! 旅をしてる」

少年「あっそ。それじゃ……」

友「おいおい、冷たい事言うなよ! 何か恩返しさせてくれ!」

少年「迷惑。そういうのいらないから」

友「何でだよ、別に損はしねえだろ?」

少年「うるさい、……失せろ」ギロ

友(ッ! なんつー眼力……何もんだよこいつ)

友「お前、ここに住んでるのか?」

少年「お前には関係無い」

友「つれない事言うなよ、あのさ、俺と――」

「離せ! 私に触るな!」

「大人しくしろ、このっ」ドゴ

「……やっと大人しくなったか。運ぶぞ」

「はい」

友「……あれはエルフ族? 確か絶滅寸前の、希少な種族だったよな」

少年「……!!」

友「助けねえと……相手は三人か……」ブツブツ

少年「……僕も行く」

友「!」

少年「さっさと追うぞ、見失う」シュバッ

友「は、速っ!」

友「お前、脚速すぎ……」ゼェゼェ

少年「あの廃小屋に入ってる」ボッ!

友「! 火属性の魔法か」

少年「……小屋ごと燃やして、あの子を助け出す」

友「おいおい、正気かよ? あの子が死んだらどうするつもりだ?」

少年「……」

友「俺が行くよ、気配を消すのは得意だ」

少年「魔法は?」

友「俺の魔法は異質系……「視界の交換」だな。対象の視界と自分の視界を入れ替える」

友「一度様子を見てくる。突入するのは後でもいいだろ」

少年「……分かった」

友「それじゃ」スッ


友(……中が見えるな、よし)チラ

山賊「ガッハッハ、こいつは希少なエルフ族だぜ! 高く売れるぞ!」

下っ端「俺、肉たらふく食いたいっす!」

下っ端2「俺も俺も!」

友(壁際に下っ端二人、真ん中にボスが一人……あの子は……いた!)


少年「どうだった?」

友「難しいな、下っ端が壁に居て、ボスが真ん中に陣取ってる。突破するのは無理だ」

友「肝心のあの子は、奥の左隅の方で寝てる」

少年「分かった」ボッ

友「え?」

少年「僕の魔法は火属性……ありふれた普通の魔法だ」ゴゥッ

友(ほ、本当に飛ばしやがった!)

少年「……行くぞ」バッ


山賊「ん? 何か焦げ臭いような」

下っ端「あ、あれ!? 小屋が燃えてます!」

山賊「何だと!?」

少年「奥の左隅だったっけな」ピキキ

少年「フッ!!」バキィ バリバリ

友(木の壁を拳で割って引き剥がした!? 薄いとはいえ……やっぱ肉体強化系だろ!?)

山賊「な、何だお前は!」

友「よっと」ガシ

下っ端2「な、待て!」

少年「邪魔」ボォオォ

下っ端2「ぎゃあああぁああ!」

山賊「ちィ……とにかく、外に出るぞ!」

友「よし、縄が切れたぜ」プツ

エルフ娘「……?」

山賊「クソガキが……そいつの価値を分かってんのか!」

少年「僕はこいつをやる」

友「おうよ」

下っ端「よくも下っ端2を!」バチチ

友「雷属性の魔法か」ギロ

下っ端「!?」

下っ端(突然真っ暗に……何をされた!?)

山賊「ぬぅん!」ブン

少年(棍棒使いか)スカッ

山賊「おい、何してる! そのガキは目を瞑ってるぞ! さっさと始末しろ!」

下っ端「あ、兄貴、目が見えなくて……どうなって」

友「はっ!」ズバッ

下っ端「いっ……ああぁああぁ!」ガク

友「しばらくは動けねえぞ」

山賊「くそが……おらァ!」ブン

少年「!」スカ

山賊(棍棒を投げるとは思わなかったようだな、体勢が崩れたぜ!)

山賊「死ね!」

友「あ……」(間に合わない!!)


ガキンッ!!


山賊「な……俺のナイフが、折れ……!?」

少年「フッ!」バキッ!

山賊「ッハ……」ドサ

少年「よし」グサ

山賊「ぎゃあああぁあぁ!!」

友(足に指を突き刺しやがった……どうなってる、あの銀色は)

少年「これで動けないだろ……あの子は」

友「大丈夫だよ。……なあ、お前さ。火属性の魔法だけじゃねーだろ?」

少年「……」

友「話したくないなら良いけどさ。羽織ってるその衣も……何か……」

少年「そうだな、話す必要は無い」

友「そうですか、っと……大丈夫か?」

エルフ娘「……うん」

エルフ「でも……どうして私を助けたの?」

エルフ→エルフ娘のミスです。失礼しました。


友「え、どうしてって……そりゃあ、助けるだろ?」

エルフ娘「……」ジッ

少年「――うっ!?」ズキン

友「おい、どうした?」


少年「……ごめんなさい」


エルフ娘「え……?」

友「? 知り合いか?」

少年「あれ……何で今……いや、何でも無い」

友「……? まあ良いか。俺は旅をしててさ」

友「もともと孤児で――まぁ、食べ物を盗んでその日を生き延びる、ネズミみたいな生活をしてたんだ」

友「でも、最近水が手に入らなくてさ……もう喉が渇いて、意識が朦朧としてて……よく覚えてないけど、ここにたどり着いたんだろうな」

友「そしてぶっ倒れて、こいつに助けてもらったんだ……ほんのちょっと前の出来事だけどな」

エルフ娘「それは聞いてない、どうして私を助けたの?」

友「そりゃ、目の前で人が襲われてたら助けるだろ?」

エルフ娘「自分は盗みをしていたのに?」

友「うぐ、その通りだが……まぁ言っちまえばただの自己満足になるのかな」

エルフ娘「……そう」

少年「! 後ろだ!」ガキン

山賊「クソが……俺の魔法も通じないのかよ」

友(まだ動けたのか、激痛の中魔法を発動させるとは……あれは実体化した影の矢か?)

少年「……」

エルフ娘「どうするつもり?」

少年「殺す」

友「お、おい。何もそこまでしなくても」

少年「自分が傷付く覚悟も出来てない奴が、人を傷つけて良い訳がない」ギロ

エルフ娘「……うん。でも、その必要は無いみたいだよ」

「ガルルルル……」

「なるほど、言ってた通りだな……確かに間違いなさそうだ」

友(あ、あの紋章は……まさか王族!?)

「それに、嬉しいおまけが……あいつに報告しないとな、付けてるから今は大丈夫なんだっけ」スッ

「ガルァ」グサ

友(か、顔色一つ変えずに殺させやがった……)

「でも確かに、まだ早すぎるな……ま、腕試しって事で。本来の実力の十分の一くらいだから、安心していいよ」

黒竜「グルルルル……!」

友「おい、何だよあの竜」

少年「黒竜……火、雷、水、土、知の基本五属性を吸収する。ブレスにはそれらを無力化する能力がある」

友「はぁ!? ……でも、黙って殺される訳にはいかねえよな」ブルブル

少年「震えてるくせに……下がってて、僕が行く。サポートは頼んだ」ザッ

スターリースカイ

このスレタイは完全におっさんホイホイ

どちらかといえばスイーツ(笑)とニコ粕とたまに特撮好きほいほいだな

少なくとも全員裏切られた気持ちになるのはドラゲナイ事だけど

ドラゲナイ初めてか?まあ力抜けよ

ベントされたよ

友「行くぜ!」ギロ

黒竜「!」

少年「良い魔法だね……っ!!」ドゴ

黒竜「グゥ!」

少年(さすがに大したダメージは期待できないな、仮にも四竜の一角だし)

黒竜「グオオォオォオ――!!」ビリビリッ

少年「!」

黒竜「ガァ!!」ゴッ

少年「ぐっ!」ガキン

少年(咆哮の音圧で牽制、聴覚で大体の位置を特定したか)

少年(一発がこの威力……まずいな、このままじゃ押し負ける)ゲホッ

少年(黒竜が操られるなんて……多分、あの首輪に仕掛けがありそうだ)

友「悪い、もう持たねえ!」ズキン

黒竜「!」ピクッ

少年「ああ、時間制限あったんだ」

黒竜「ガァ!」ボッ

少年(! ブレスは何としても避けないと!)バッ

少年(目が復活した、さっきとは比べ物にならない正確さで攻撃してくるだろう)ピキキ

少年(このままじゃ負ける、なら……一か八か)ダッ

黒竜「ガアァアァァ!」

少年(操られてる分、動きはかなり大振り……)スカッ

友(あいつ、ほとんど紙一重で避けて……!?)

少年(――そこだ!)パリン

黒竜「……!!」ピタッ

「縛ってたリングを割ったか……あーあ、かなりの時間をかけて作ったのになぁ」

黒竜「貴様……よくも儂の傀儡にしてくれたな……」

「おぉ怖い怖い、それじゃ、失礼しようかな。別に君の力は無くても代用出来るし」

黒竜「逃がすか!」ボッ

「ハハッ」バチィ!

黒竜(ぬぅ、この男の結界……儂のブレスを弾くか)

「さて、君も早く育ってくれよ? 忌子君」

少年「……!」ギロ

「いずれまた……『帰還』」シュンッ

黒竜「王族が……今のブレスレットには、知属性の魔力が込められていたな」

友「あ、あのー」

黒竜「すまぬな、礼が遅れた。儂をあの男から解放してくれた事、まことに感謝する」

友「もう襲ったりしませんよね?」

黒竜「無論」

少年「……ゲホッ」

黒竜「小僧、先程の戦い。見事であった……すまぬな、傷は痛むか?」

少年「別に……大丈夫」キラッ

黒竜「やはりその首飾り……鉱竜の子供か」

少年「!」ギロ

黒竜「そう睨むな、儂は何とも思っておらん。結ばれたければ勝手にせいと思うておる」

友「すいません、話についていけないんですが」

黒竜「……話しても良いのか?」

少年「……勝手にしろ」バッ

友「あ、おい!」

エルフ娘「教えて下さい」

黒竜「うむ。竜には様々な種族が居るが、その中でも特に希少な、「四竜」と呼ばれる竜が居る」

黒竜「豊穣の神様と呼ばれ、山を守る地竜。嵐の化身と呼ばれ、常に空を漂って旅をする雲竜。闇の覇者と呼ばれる、我ら黒竜」

黒竜「そして――全てを弾き返す、強固な鋼のような甲殻を持つ鉱竜」

友「!」

黒竜「その中の一匹の鉱竜が、人間と交わるという禁忌を犯した」

エルフ娘「あの子は……」

黒竜「おそらくはそうだろうな、あの銀色の衣……脱皮した鉱竜の皮で作ったものだろう」

友「俺、追いかけてきます!」

黒竜「待て、空から探した方が早いだろう……儂の背中に乗れ」

エルフ娘「……お願いします」

黒竜「よし、行くぞ」バサッ

友「……」

少年「……」

黒竜「居た」ストン

少年「何しにきた」

エルフ娘「……私は、昔両親が目の前で殺された。もう家族は居ない」

エルフ娘「あの男たちに捕まった時、悔しくてたまらなかった」

エルフ娘「……これからは、貴方達のために生きたい」

少年「駄目だ、あの男は僕の正体に気付いていた」

友「そんなの関係ねえよ! お前は俺の……俺達の命の恩人だろうが! 一緒に旅をしようぜ!」

黒竜「……遠回しに、「自分と居ると、危険な目に会うぞ」と言っておるのだよ」

少年「黙れ」

エルフ娘「じゃあ、どうして私を助けたの?」

エルフ娘「貴方も自己満足? ずっと一目を避けて生活していたのに?」

少年「……自分でも分からない」

黒竜「……小僧ら、名は何という?」

友「俺は友」

エルフ娘「エルフ娘」

少年「……少年」

黒竜「少年か。お前は何のために生きている?」

少年「……復讐。両親の分まで生きる事が、僕の復讐だ」

黒竜「そうか。実は……あの男が気になる事を言っていてな」

黒竜「鉱竜の成体が目撃されたと言っていた」

少年「!」

黒竜「旅をしていれば、出会うかもしれぬ」

友「一緒に行こうぜ? な?」

少年「……分かった。明日出発する」

エルフ娘「貴方はどうするの?」

黒竜「側に居る事は出来んな……マーキング系の魔法は使えるか?」

エルフ娘「うん」ポゥ

黒竜「よし。何かあったら、信号を送ってくれ。いかなる時でも、全速力で駆け付けよう」

エルフ娘「……ありがとう」

友「よし、さっそく準備に取り掛かろうぜ!」

少年「……」

黒竜「では……さらばだ」バサッ

少年「とりあえず、野菜は全部収穫した。燻製はそれなりにあるけど、過信は出来ない」

友「おう。俺、でかいバッグの他に、小さいポーチがちょうど二つある。渡しとくな」スッ

エルフ娘「ありがとう」

少年「……」カサ

少年(? 今虫みたいなのが動いた気が……居ない?)

友「食材は俺が持ってた方が良いな。一番でかいし」

少年「お前が持ち逃げする可能性は十分にあるのに?」

友「そんな事しねえよ、命の恩人に……でも、証明は出来ねえな……ううん」

エルフ娘「……」ポゥ

友「?」

エルフ娘「マーキングをつけた」

友「あ、丁度良いや。お互いの魔法を教えとこうぜ」

友「俺の魔法は異質系……「視界の交換」だな。俺が目を閉じると、相手は目が見えなくなる。俺は相手の視界を使って攻撃に移れる」

友「そうして狼狽えてる敵を、双剣で一発。初見じゃ大抵の奴は対処出来ねえ」

エルフ娘「私は知属性の基礎魔法」

友「何が出来るんだ?」

エルフ娘「結界、探知、治癒、矢、マーキングとか」

友「おお、良いね」

少年「……僕の魔法は火属性の基礎魔法。放射状と火球を撃てる。火球は威力が高いけど、命中率が悪い」

エルフ娘「……それと?」

少年「……ハァ、鉱竜の固有能力、「硬化」が出来る。指先は完全に硬化出来るけど、それ以外は表面だけ」

少年「双剣や片手剣みたいなのは防げるけど、大剣やハンマー、強化系の拳とかは無理」

少年「それと、竜の筋肉を少し受け継いでる」

友「おお、やっぱすげえな」

エルフ娘「……その衣は、どうやって手に入れたの?」

少年「……」

少年「気が付いた時は、雪山の洞穴の中だった。目の前には、氷みたいに冷たくなった母さんが倒れていた」

少年「母さんは、脱皮した皮で衣を作ってくれていた」

少年「それからは、母さんの知り合いの氷竜に世話をしてもらった」

少年「……僕に残されたのは、この衣と……逆鱗の首飾りだけだ」

友「うわ、すげえ魔力を感じる……やっぱ硬いの?」

少年「あ、触ったら」

友「いっ!?」ピツッ

エルフ娘「触った指が切れた?」シュウゥウゥ……<サンキュ

少年「うん、僕以外を受け入れないみたいだ」

友「すげえな……もう暗いし、寝ようか」

エルフ娘「うん」

友「これからよろしくな!」

エルフ娘・少年「……うん」

友(無口二人はやり辛いな……)

ドラゲナイwwwドラゲナイwwwドラゲナイwwwうぉぅうぉぉーwwwwwwwww

友「おはよーっす。出発するか」

エルフ娘「うん」

少年(寝ずに見張ってたけど、本当に逃げなかったな)

友「つってもよ、どこに行く? 俺はあてもなくぶらぶらしてるだけだったからなぁ」

エルフ娘「どこでも良い、もっと世界を知りたい……何故エルフ族は少ないのかも」

友「そうか……じゃ、この村に行ってみるか?」パサッ

エルフ娘「うん。少年もそれでいい?」

少年「……うん」

少年(この森ともお別れか……)

少年(行こう)ザッ

ー草原ー

友「草がふさふさだな。今日も良い天気だ」ザッザッザ

少年「……前方から何か来てる、探知出来る?」

エルフ娘「……あ、ゴブリンがこっちに向かって来てる!」

友「エルフ娘は下がってな、俺達がやる」

少年(ここで火はまずいか)

ゴブリン「ギャハハハハ! 人間! 女ガイルゾ!」

ゴブリン2「殺ソウゼ!」

少年「……まだ欲望のまま生きるだけ、生き物らしいのかもな」ピキキ

少年「お前の魔法、多数相手には効かないよね?」

友「まあな、でも今まで旅して来たし、それなりには戦えるぜ」

少年「そうか」バッ ドゴッ!

ゴブリン「ガハッ!!」

ゴブリン3「死ネ!! ギャハハハ!」

ゴブリン4「脳ミソヨコセ!」ダッ

友(両方小盾と片手剣持ってんのか。奴らは知能が低い……ぎりぎりまで引きつけて)

友(――鋭く避ける!)クンッ

ゴブリン3「ギャアアァ!」

友(まずは、同士討ちで傷ついたこいつだ!)ズバッ

友「よし、一対一だ」ギロ

ゴブリン4「!?」

友「はっ!」ズバ

ゴブリン4「カハッ……」

友「よし」

少年「おい、まだ生きてるぞ!」ドゴ

ゴブリン3「……」ヌゥッ

友「くっ!」

シュドッ!

エルフ娘「……大丈夫?」

友「知属性の矢か……助かった、サンキュ」

少年「ちゃんと死亡確認をしないからそうなる。戦闘中でも、確実に止めを刺さないと」

友「悪い」

少年「……エルフ娘には小盾がいるんじゃないか?」

エルフ娘「結界とシールドを貼れるから大丈夫」

友「? どう違うんだ?」

エルフ娘「結界は範囲が広くて、魔法を弾くけど物理攻撃に弱い」

エルフ娘「シールドは両方に強いけど、その分範囲が狭くなる」

友「へー」

エルフ娘「まだそこまでレベルが高くないけど……」

友「いや、凄いと思うぜ? 基礎魔法こそ一番応用が効くしな」

エルフ娘「……そう」

――

少年「……着いた」

エルフ娘「……はぁ、はぁ」

少年「体力が切れてる……休んだ方がいい」

友「そうだな、待っててくれ。俺は村長さんに話をしてくる」タッ

エルフ娘「……」

少年「……」

エルフ娘「……まだ怖いの?」

少年「! 別に……信用してないだけだ、今まであんな奴はいくらでもいた。僕の正体を知ったら、すぐに裏切った」

エルフ娘「……その人はどうしたの?」

少年「殺した」

エルフ娘「そう……」

エルフ娘「……私は、貴方を信用している」

少年「何故会って間もない人間を信じる?」

エルフ娘「貴方は嘘をつかないから」

少年「適当な事を……僕は信用してないから」

エルフ娘「……それでも良い、いつか心を開いてくれたら」

少年「……」

友「おーい、お待たせ! 一日くらいなら全然オッケーだとよ!」

少年「分かった。念のため耳は隠しておけ」

エルフ娘「うん」

村長「旅の方とは珍しいですね、何もない村ですが……どうぞ観光していって下さい」

エルフ娘(女の人が村長なんだ)

友「迷惑かけてすいません」ペコ

村長「いえいえ、あの化け物の方がよっぽど……」

少年「化け物?」ギロ

友「そいつ、どんな奴なんですか?」

村長「蛇の尾を持つ大きな鶏です。少し前から、村の洞窟に住み着いているのです」

友「洞窟には何が?」

村長「洞窟の最深部には、傷を癒す泉が湧き出ているのですが……その大鶏のせいで入れなくて」

友「ああ、それは困りますね」

友「……」

少年「何を考えてる?」

友「やっぱさ、泊めてもらうんだし、何か役に立ちたいじゃん?」

少年「……で?」

友「俺とお前の力を合わせれば、多分倒せると思うんだ」

村長「ちょ、ちょっと待って下さい、簡単に倒せるモンスターではありませんよ」

村長「息は猛毒、それに見た者を麻痺状態にする能力を持っているんです!」

エルフ娘「!」ピクッ

友「げっ、魔眼持ちかぁ」

村長「気持ちはありがたいですが、大丈夫ですよ。さ、空き部屋に案内します」サッ


友「魔眼持ちか……厄介だな」

少年「……」

友「……やっぱ行ってくる」

少年「どうして?」

友「どうしてって……困ってたら助けたくなるじゃん」

少年「それはお前の独善」

友「かもな」ヘッ

友「……確か西の方にあるんだっけ……」ガラッ

エルフ娘「……ねえ」

少年「行かないぞ」

エルフ娘「そうじゃなくて……何であの人は知ってたんだろう」

エルフ娘「見た者を麻痺状態にするなら、逃げられる訳ないのに」

少年「!」

エルフ娘「……行ってくる、このままじゃ友が危ない」

少年「……勝手にしろ」

エルフ娘「……貴方を信じてるから」ガラッ

村長「失礼します、あら? お二人はどちらへ?」

少年「トイレ」

村長「そうですか……夕食は後一時間後となっております、では」ガラ

少年(……あの目……なるほど)

村長「困りましたね、私が余計な事を言わなければ」

住民「いやいやー、あの泉に比べりゃ、奥の宝なんて安いもんでしょー」

村長「ですが、あれは干ばつ用の」

長老「……良い、そもそも、あの童達が倒せるようなものではない」

村長「そうですが……」

住民「ですが、本当に迷惑な話ですよね。何であの泉を住処にしたんだか」

住民2「全くだ」


少年(なるほど、やけにこちらを見張ってると思ったが……そういう事か)

少年(……ただ存在するだけで、命を狙われる)

少年(ただ生きているだけで、疎ましがられる)

少年(そんなもん人間の都合)

少年(大っ嫌いだ)ギリ

少年(でも……どうしてだろう、エルフ娘を助けにいかないとって思う)

少年(どうしてこんなに悲しい気分になるんだろう、会った事なんて無いのに)

少年(分かんないな、でも……)

少年「――行こう」スッ

友「どういう事だよ、毒の息も、魔眼も使ってこないぞ」

「クオオオォオォ!」

友(ただ……速い!)

友(いきなり気付かれるとはな……まずいな、出口側に陣取られちまった)

友(視界交換で目を奪っても、このままじゃ逃げ切れねえ!)

友「くそ……!」

「コルルル……」

友「せめて……一発だけでも!」バッ

バキンッ!!

友「ぁ……」

友(吹っ飛ばされたのか)

友(スローモーションで、景色が、見える)

友(あれは、エルフ娘……?)

ザパンッ!

エルフ娘「友!」

エルフ娘(追いついた瞬間、友に尾が振るわれた)

エルフ娘(急いでシールドを貼ったけど、一撃で叩き割られた……)

エルフ娘(友は運良く泉に吹っ飛ばされた……無事みたい)チラ

友「ゲホッ!」

エルフ娘「……」キッ

「コルルルル……」

友「逃げろ、お前だけでも……! 早く!」

エルフ娘「怖くない……何も怖くない!」

「コォ!」バッ

エルフ娘「私は! 命の恩人を! 守るんだ!!」キイィイン



少年「――あぁっ!」ドゴ!!

「!?」ズサァ

エルフ娘「……え」

少年「お疲れ様」

少年「……うん。君の事を、心から信用しよう、ついでに友も」

エルフ娘「少年……?」

少年「……友の様子を見てあげて。こいつは僕が引き受けた」ニコ

少年(話を聞いた限り、バジリスクだと思ってたけど)

少年(こいつはコカトリスじゃないか)

少年(コカトリス……魔眼・毒息を持つバジリスクとは雌雄関係にある)

少年(でも、コカトリスはその能力を持たない分、身体能力が高い)

少年(サイズは二メートルか、なかなかだな。尾の射程も厄介だ)

コカトリス「……」ギロ

少年「ごめんね、君がそこに居ると、迷惑がかかってしまうんだ」

少年「別の場所で暮らせないかな?」

コカトリス「クオオォオォオ!!」ドッ

少年(話し合いは無理か)

少年(脚力も洒落にならない、魔法メインでいこう)バッ

少年(まずは、放射状で飛び掛かりを抑制する!)ボオォオオォ!

コカトリス「!」ピタッ

少年(次に、距離を詰めながら火球で攻める)ボッボッボッ

コカトリス「クァッ!!」

少年(! 怯んだ!)ダンッ

少年(鳥は頭が弱点だ、強い衝撃を加えれば、簡単に落ちる)

少年「貰った!!」ブンッ


少年「なっ……」

パァン!

少年「がっ!!」ドゴォ

エルフ娘「少年!!」

少年(高速で首を振って避けやがった……やっぱり尾は強力だな)

コカトリス「クオォ!」ガシ

少年「このっ……!!」ボオオォォ!

コカトリス「クァ!」パッ

少年(足で掴んできてくれたおかげで、ゼロ距離で炎を浴びせれた)

少年(ダメージは今ので五分五分って所か……いや、こっちの方がきついな)フラッ

少年(でも、どうしてこんなに興奮状態に?)

コカトリス「!」ピクッ

コカトリス「コアアアア!!」ドッドッドッ

少年「なっ、待て!! そっちは」

友「おいおい!! 来るぞ!」

エルフ娘「……あれ?」

友「……通り過ぎて行った?」

少年「泉の奥の最深部に……何かあるのか?」ゲホッ

友「おい、大丈夫か! 肩貸すよ、ほら」

少年「ありがと……」ザパッ

少年(おお、確かにすごい水だな。傷が癒えていく)コポポ

友「よし、行こう!」

「コアアアァアア!」

「クオオオォオォ!」

友「! もう一体?」

少年「いや、これは……」

エルフ娘「……子供が生まれたの?」

子コカトリス「コアッ!」

少年「だからあんなに気性が荒かったのか……」

コカトリス「……クルル」ペコ

少年「謝ることはないよ、君は子供を守ろうとしたんだから。こっちこそ手荒な真似してごめんね」

エルフ娘「……ふふ」

友「お、これは宝箱? 何だこりゃ、呪文が彫られた石?」

エルフ娘「……魔法石【雨】って書いてる」

少年「ああ……」

子コカトリス「コルル」ノッシノッシ

友「ん、どこに行くんだ?」

友(泉の水……回復薬になるな、小瓶に入れておこう)トポポ

コカトリス「コルル……」ナデナデ

子コカトリス「コルル……♪」クルッ

子コカトリス「コアアアァア!!」バッ

友「おい、行っちまったぞ?」

少年「大丈夫。生まれた時から大人扱い。すぐに親離れを始める」

少年(あの子にも、強く生きてほしいな)

友「なるほどね……よし、戻ろうか」


村長「まあ、あのモンスターを追い払ったのですか?」

友「ええ、もう大丈夫なはずですよ」

長老「……すまなんだ。我らの問題を、お前さんらに託してしまって」

友「いえ、俺達が勝手にやった事ですから……これ、お返しします」スッ

村長「! ……申し訳ございません」シュン

長老「お礼といっては何だが……この魔法石を受け取ってくれ」

エルフ娘「魔法石【閃光】……?」

長老「魔力を注入する事によって使える。強力な光を放つ魔法石だ」

友「ありがとうございます!」

長老「今日はもう遅い、夕食を食べてきなさい。温泉は貸切にしよう」

友「やった!」

カポーン……

友「おお、良い湯だなぁ。疲れも吹き飛ぶぜ」

少年「だね」

友「やっと心を開いてくれたな、何でだ?」

少年「……あの時、二人はお互いの命を心配しあってたから。なかなか出来る事じゃないよ」

友「そっか」

少年「魔法石はエルフ娘が持ってた方がいいよね」

友「おう」

少年「明日はどこに行く?」

友「うーん、ちょっと北の方にある、「虹ヶ滝」へ行かないか?」

少年「良いよ」

友「よっしゃ、そろそろ上がるか!」ザパッ

少年「そうだ……ね……!?」

少年(ば、馬鹿な……でかい……でかすぎる……!)


友「……って考えてたんだけど」

エルフ娘「良いと思う」

少年「……ねえ、どうしてあの時二人は行ったの? バジリスクならすぐに殺されてたよ?」

友「面目ない……」

少年「友は魔法を過信しすぎ。確かに強いけど、勝てない相手には勝てないよ」

友「はい……確かに、ドラゴンとかには手も足も出ないな」

エルフ娘「……私は分かってたから」

友「?」

エルフ娘「私は、人より魔力が強いみたい……人の嘘みたいな色が見える」

友「!」

エルフ娘「あの時、村長さんは嘘を言ってた……だから、魔眼も毒息も無いって分かってた」

少年「それなんだけど、あのお宝を奪われたらまずいと思って、咄嗟に嘘をついたらしいよ」

少年(どうして助けたのかを聞いたのは……嘘を見抜くためだったのか)

少年「……今の僕たちは、有効な飛び道具がエルフ娘の矢しかない」

エルフ娘「でも、私の矢もそんなに」

少年「それでもゴブリンを一撃で仕留める力はある。鍛えれば、強力な武器になるよ」

エルフ娘「……ありがとう」

友「……」ニヤニヤ

少年「?」

友「いや、何か嬉しくてさ」

少年「……もう、寝るよ?」

エルフ娘「おやすみなさい」ニコ

ー翌朝ー

友「で」

コカトリス「コルル……」

友「……何でいんの?」

少年「……一緒に来る?」

コカトリス「コアァ!!」

友「えぇー……」

少年「乗せてもらったら、移動が楽になるよ。荷物も持ってもらえる」

友「でも、食べ物だって」

少年「コカトリスはその辺の草で十分」

友「……はぁ、負けたよ。これからよろしくな」

コカトリス「コアアァア!!」パタパタ

少年「よし」

村長「お待ちになって!」

友「あ、村長さん」

村長「少ないですが、長持ちしそうな食材です」ドササッ

友「うおぉっ!」ズシ

村長「お気を付けて……」フカブカ

友「よし、二人とも。さっそく乗ろうぜ」

エルフ娘「ふかふか」フワッ

友「よーし、コカトリス、北だぁ!」シュビッ

コカトリス「クオオォオォオ!!」ドッドッドッドッド

友「え、ちょっ、速っ!?」

少年「コカトリスは強靭な脚力を持ってるからね」

友「速すぎだろおおぉぉお!」

エルフ娘「……」ポー

少年「早く慣れてねー」ニコ

友「あああぁあああぁああ!!」

ザアァアアァァアァアァ……

ー虹ヶ滝ー

エルフ娘「ご苦労様」ナデナデ

コカトリス「コァー」

友「すげえな……」

少年「湿度が高いね。日光に反射して虹が……」

友「ここの鉱石は高く売れるらしい、採っていこうぜ」

エルフ娘「でも、道具が……あっ」

少年「なるほどね……どこにあるんだろ」ピキキ

友「水辺にあるらしいぜ、滝の近くに行くか」

少年「――いっ!!」ズキン

友「おい、どうした?」

少年「あ……うぅ……!!」

友「まさか、昨日のダメージか!?」

エルフ娘「……駄目、治癒が効かない!」シュウゥウゥ

友「くそ、どうすりゃ……」

少年「……あぁっ!!」ズズ……ピキキキ

エルフ娘「!?」

少年「……あ」チョンチョン

友(少年に銀色の角が生えた!? 片角みたいだが、まさかもう一本……?)

少年「……はぁ、はぁ……片方だけか」

友「おい、大丈夫なのか?」

少年「うん、身体が少し鉱竜に近くなっただけ……」

友「おいおい、それって最終的には」

少年「どうだろう……人の姿は保てそうだけど」

エルフ娘「……はい、布。これで隠して」

少年「ありがと」シュルル

少年(……この感じは、もしかして)グッ

友「どうした? まだ痛むか?」

少年「いいや、何でも無いよ……行こうか」

コカトリス「クオォ」ノッシノッシ

ガンッ!!

少年「……よし、こんなもんだね」

友「おお、これだけあったらかなり稼げるな!」

エルフ娘「綺麗なオレンジ色……」

友「確か「夕日の雫」って名前だな。何かの性質があるらしいが……忘れた」

少年「……」ピキキ

少年(やっぱり、硬化のレベルが上がってる)

少年(一部分だけなら、指先と同じように、「完全硬化」が出来るようになった)

少年(これならある程度の重い一撃も、少しはダメージが減らせそうだ)

少年(そして……)ズズ……ピキピキ

友「おい、また鉱竜化か!?」

少年「いや、少しだけ鉱竜の甲殻を生成出来るようになった」

少年(右手を覆う程度が精一杯か……)

友「余計バレやすくなったぞ、手袋買わないといけないな」

少年「大丈夫。トカゲの自切みたいな感じで……」ピシッ 

友「おお、外れた……」

少年「回収しとこう。お金に困ったらこれ売る?」ニヤ

友「ばーか」

エルフ娘「次はどこに行くの?」

友「もう少し北に行った所に、街があるんだが……そこそこ遠い。今日はここで休もう」

少年「ん、分かった」

ドオォオォン……

友「何だ? 崖の上が騒がしいな……」

エルフ娘「あれ、飛んでるのって……まさか」

少年「……火竜!?」

友「うわ、なんか怒ってねえか?」

火竜「ガアアァアアァ!!」

少年「地上に向けてブレスを撃ってる! 逃げた方が良さそうだよ!」

エルフ娘(あれ、誰かいる……?)

ドガァン!

友「うおぉ、落石だ! 早く荷物纏めねえと!)

エルフ娘「あのピンク色の矢……知属性だ。もしかして」

友「よっし準備完了!! 急いでコカトリスに乗れ!」

少年「うん……!?」

ズウゥウン!

エルフ娘(火竜が墜ちてきた!?)

エルフ娘「だ、大丈夫……?」

友「お、おい!」

火竜「……その耳……貴様、あの男の仲間か!!」ギロ

エルフ娘「え……?」

火竜「竜族をなめおって……!」スゥッ

少年「――!! エルフ娘、結界だ!」

火竜「ガアァッ!!」シュボッ!

エルフ娘「きゃっ!」バチィ!

友「お、おいおい! 人違いだよ、俺らは関係ない!」

火竜「嘘をつくな、先ほどエルフ族の男が襲い掛かってきたわ!」

エルフ娘「エルフ族の……!?」

火竜「火竜の誇りを傷つけたこの罪、許されると思うな!」

「何が誇りだよ、薄汚い下等生物が」タンッ

火竜「!」

少年(背が高いな。金髪、あの耳……エルフ族だ)

青年エルフ「……ん、そこのお前。もしかしてエルフ族か?」

エルフ娘「……うん」

青年エルフ「そうか! やっと仲間に出会えたぜ!!」

青年エルフ「待ってな、このゴミを倒したら、ゆっくり話をしよう」ビリッ

友(あの札は!)

青年エルフ「――「筋力強化」!」

少年「……」ザッ

青年エルフ「何だ、お前は……何故邪魔をする?」

少年「……逆に聞く。何故この火竜を殺す?」

青年エルフ「ハッ、当たり前だろ……存在してるだけでも不愉快な下等生物だ」

青年エルフ「一匹残らず、俺がぶっ殺す」チャキッ

少年「……!!」ギロ

青年エルフ「邪魔をするなら、お前ごと斬り捨てる!」ボッ

少年(知属性の矢! エルフ娘と同じだが……速い!)ガキキッ

少年「チッ!」ボボボッ!

青年エルフ「効かないね!」バチィ

少年(こいつも知属性の基礎魔法か、魔法が効かない!)ブンッ!!

青年エルフ「くっ……!」ギィン!

少年(!? この両手剣、僕の完全硬化した蹴りを受けて……ヒビ一つ入らない!?)

青年エルフ「ハッ!」ブンッ

少年「!」ハラッ

友「くそ、俺も」

エルフ娘「……嫌」

友「え?」

青年エルフ「その角……そうか、お前もあの忌々しい種族だったのか!」

少年「……!!」

青年エルフ「俺はお前らが大っ嫌いだよ!!」バッ

少年「……僕は差別をする奴が大っ嫌いだ!」バッ


エルフ娘「――二人とも、戦わないで!!」

少年「え……」

青年エルフ「死ね!」

少年「!」ピキキ

バキィ!!

少年「あっ……!?」

青年エルフ「お前のその角、鉱竜の角だよな。大方、硬化能力で防げると思ったんだろうが」

青年エルフ「残念だが――俺の「龍殺しの剣」には通用しねえよ。そもそも、その鉱竜の甲殻で出来てるからな」

少年「……!」

友「おい! 大丈夫か!!」

少年「……」

友(くそ、気絶してる!)トポポ

青年エルフ「死ね」スッ

エルフ娘「止めて!!」

青年エルフ「何故こいつを庇う……俺達の宿敵だぞ?」

エルフ娘「……私の命の恩人だから」

エルフ娘「傷つける者は……許さない……!」キッ

青年エルフ「ハッ、そーかよ」

青年エルフ「……そのエルフ族に免じて、今回は見逃してやるが」

青年エルフ「次会った時は必ず殺してやるぞ」

青年エルフ「裏切り者の一族が……!!」タッ

友「おい、泉の水を浴びせたけど、大丈夫そうか!?」

エルフ娘「……出血がひどい、このままじゃ……」

友「お、俺の血は」

エルフ娘「型が合ってるか分からないから駄目」

友「どうすりゃ……」

火竜「……私の血を使え」

友「!」

火竜「勘違いであったか……すまなかった。私のせいで戦いになったようなものだ」

火竜「私の血を使ってくれ。この少年には、我ら共通の「竜の血」が流れている……おそらくは結合するはずだ」

エルフ娘「!」

火竜「ッ……よし」ボタタッ

エルフ娘(竜の血に、知属性の魔力を込めて)ポゥ

エルフ娘(傷口に移動させて……)フワッ

エルフ娘(それを媒介にして、一気に治癒させる!!)シュウウゥゥゥ

友「おお、傷が塞がっていくぞ!」

エルフ娘「ハァ、ハァ……貴方も」

火竜「いや、私は平気だ。しかし、鉱竜と人間が交わったという噂は聞いたが……なるほど」

火竜「休ませた方が良い、あの崖の洞穴に運ぼう。私の背中に乗れ」

火竜「よし」バサッ

友「すいません」

コカトリス「コァッ……」グデー

エルフ娘「まさかコカトリスも飛べるとは思ってなかった」ナデナデ

火竜「非常に体力を消耗するようだがな」

友「どうして襲われてたんですか?」

火竜「あの近くで休んでいると……突然矢を撃ってきたのだよ。私は何もしていない」

火竜「あの目……竜族に相当な恨みがあるようだが」

エルフ娘「……」

火竜「あの男とは……知り合いではなさそうだな」

エルフ娘「うん」

火竜「目を覚ますまではここに居なさい、肉を捕ってこよう」バサッ

友(……え? まさか生で喰わせる気じゃないよな……?)

様々な用語が多いな………まぁ大体イメージは出来るが

少年「……みんな? ここは……」パチッ

友「おぉ、起きたか……ん?」タッ

エルフ娘(少年の銀色の髪の中央が、真っ赤に染まってる……?)

火竜「ほう……私の力が、良い方向に結び付いたようだな」

少年「……?」

友「あれから二日経った。お前が起きるまで、ここで過ごしてたんだ」

エルフ娘「大丈夫?」

少年「うん、それどころか……何だろう、力が湧き出てくる」

火竜「フフ、空に向けて火属性の魔法を撃ってみるといい」

少年「……?」スッ

シュボッ!!

友「!?」

少年「えっ?」

友「な、何だ今の炎……火竜のブレス並だぞ?」

火竜「おそらく、私の血がその魔法の力を上げたんだろう」

少年「本当だ、ある程度は制御できるようになった」ポッ

友「おお、手のひらから小さな炎を留めて……」

少年(意外な所で遠距離戦を克服できた……これなら)

少年(いや……あのエルフには効かない、僕にも武器が必要だな)

少年(でも、鉱竜の剣に匹敵するものがあるのか……?)

火竜「もう行くのか?」

友「はい、次は街へ行って、鉱石を売って金を稼ぐつもりです」

火竜「そうか。下まで送ろう……乗りなさい」バサッ

ドッドッドッドッドッ

エルフ娘「火竜さん、良い竜だったね」

友「そうだな。しかし、慣れってのは怖いな。もうコカトリスの速度に慣れちまった」

少年「慣れたら風が気持ちいいでしょ?」

エルフ娘「うん、……あ。はい、布」スッ

少年「あぁ、戦いの時に解けたんだっけ……ありがと」シュルル

友「とりあえず、街に行って色々買わないとな」

エルフ娘「……食料、服、ロープ、刃物とか?」

友「一度きりだが、魔力無しで魔法を発動出来る「魔法書」ってのもあるらしいぜ」

少年「あいつが使ってた奴か……ねえ、エルフ娘」

エルフ娘「?」

少年「今……楽しい?」

エルフ娘「……うん。楽しいよ」

エルフ娘「あの人と私は違う……心配しなくても大丈夫」

少年「そっか、……愚問だったね。ごめん」

エルフ娘「ううん、心配してくれてありがとう」ニコ

友「――おぉ、見えてきたぜ!」

「らっしゃいらっしゃーい! いいもん揃ってるよー!」

「あ、それ二つください」

「まいどありー!」

友「おお、すげえ活気だな。色んな店が並んでる」

少年「あ、あの店で買い取ってくれるみたいだ」

エルフ娘「はぐれたら大変だね」

友「コカトリスがいるから大丈夫さ」

エルフ娘「あ、本当だ」

コカトリス「コルル」

ー質屋ー

友「すいませーん」

店主「はいよ、何かな?」

友「これを買い取ってもらいたくて」ゴロゴロ

店主「おぉ、これは「夕日の雫」か。珍しい鉱石だな……大体これくらいだけど、どうする?」チャリンチャリン

少年(エルフ娘)ボソボソ

エルフ娘(嘘はついてないみたい……)ボソボソ

友「じゃあそれで」

店主「あいよ。ちょっと待っててな」

少年(まだ残ってるよね?)

友(一度に売っちまうのもあれだろ? 念のために残しておこう)

店主「……はいよ、サービスでコップもつけてあげよう!」

友「あ、あざっす!」

店主「おうよ、また来てなー」

――

友「……よし、宿も予約してきた」

少年「魔法書って高いんだね。二つだけにしたよ」

友「どんなやつだ?」

少年「炎は僕が使えるし、治癒はエルフ娘が出来るから、「土壁召喚」の魔法と、「冷気」の魔法。エルフ娘に持たせておいた」

エルフ娘「無くさないように気を付けないとね」

友「おお、良いね」

少年「明日はどこに行く?」

友「どれどれ……ん、東に小さな村がある。ここにしよう」

エルフ娘「コカトリスはどうするの?」

友「馬小屋の中で良いなら入れてくれるってよ」

少年「そっか」

友「はよーっす」

少年「んー……」ボー

エルフ娘「……はい、パン。あ、それと布が緩くなってるよ?」キュッ

少年「ありがと……」

友「食べたら出発するか。魔法石と魔法書、大丈夫か?」

エルフ娘「うん、大丈夫」

少年「……ごちそうさま」フキフキ

友「よし、行くか。コカトリス、東の方角だ!」

コカトリス「クオオォオォ――!」ドッ

――

友「おお、もう着いたぜ」

エルフ娘「綺麗な山……落ち着く」

少年「……」メラメラ

友「何で火を出し続けてんだ?」

少年「魔法は使えば使うほど強くなるからね。しっかり鍛えておかないと」

エルフ娘(私もやろう)ポゥ

農家「おおーい、あんたらは旅の人かね?」

友「あ、はい!」

農家「よし、飯でも……と言いたい所だが、先に山の主様にあいさつしていきなさい」

友「主様?」

農家「ああ、山に入って右の道へ沿っていけば会えるはずだ」

友「分かりました!」

少年「山の主……地竜かな?」ザッザッ

友「かもな、後は優しいトロールとかもそういう対象になるみたいだぞ」

エルフ娘「あれ、もう道無いよ?」

友「キノコがいっぱい生えてるな」

友「……」ピトッ

少年「あ、近づかない方がいいよ?」

友「! え、悪い。何だって?」

ゴゴゴゴゴ……

友(な、地面が盛り上がって……!?)

「……ぬぅ……」

少年(なんて威圧感だ……翼を持たない、トカゲのような身体……)

少年(でかいな……苔がこびりついた、茶色い甲殻)

少年(間違いない……地竜だ……!!)

地竜「……そこの童……この気は……鉱竜の子供か……」

少年「……だったら?」

地竜「その存在……偶然か……故意か……しかし……良いのかもしれぬな……」

少年「? 何の話を……」

地竜「鋼竜の少年……お前は……どこまで……知っておるのだ……?」

少年「だから、何の話を」

地竜「……ドラゴンナイトは知っているのか……?」

少年「ドラゴンナイト……?」

地竜「ぬぅ……知らぬか」

エルフ娘「ドラゴンナイトって?」

地竜「仕方無い……一から話すか……」

農家「――地竜様!!」ゼェゼェ

地竜「どうした……?」

農家「ヒュ、ヒュドラが村に接近中です!」

エルフ娘「ヒュドラ!?」

友「おいおい、ヒュドラっつーと、何匹もの巨蛇が融合した、あのモンスターか?」

地竜「分かった……儂が出る……」ズンッ

地竜「オオオオ……」メキメキ

友「植物が……成長してる?」

農家「地竜様のエネルギーに反応してるんだ」

友「落ち着いてますね、今までにもこんな事が?」

農家「さすがにヒュドラ級の奴は初めてだが、地竜様には敵わないさ、非常に豊富な戦闘経験をお持ちだ」

農家「ただ、地竜様はスロースターターなんだ。間に合うかどうか……」

友「ヒュドラかぁ……俺じゃ太刀打ち出来ねえなぁ」

農家「なぁに、俺達だって守ってばっかじゃいられねえさ! もう村の奴らが防壁を貼ってるはずだ」

農家「……っと、話しすぎたな。急ごう!」ダッ

少年「ドラゴンナイトって何だろう?」ダッ

友「聞いた事ねえな……ま、それは後回しだ。今はどうすべきかを考えよう」

少年「地竜がいるんだし、急がなくても」

友「まあまあ、ここは飛ばしとくべきだぜ?」

少年「分かった」バキュン

友「うわあ、やっぱ速すぎだろ……」

エルフ娘(ヒュドラ……確か、普段は地中で眠っていて、十年に一度だけ外に出てきて、日光浴をするんだっけ)

エルフ娘(どうしてこの村を襲うんだろう……?)

コカトリス「コルル……」

ヒュドラ「シャアァァアァ……」

農家2「おらあぁぁあ!!」ズズズ

農家3「おーい、もっと人が必要だ!!」ズズズ

農家4「若い衆も手伝え!」ズズズ

若者「ふっ……!」ズズ

若者2「早くしねえと!」ズズズ

友「これは……?」

農家「一時的だが、土属性の魔法で土の防壁を作ってるんだ」ズズズ

農家「この村の人間は、土属性が得意な奴が多いからな」

エルフ娘「ヒュドラがもうあんな所まで……残り100メートルくらいしかないよ」

少年「サイズは15メートルくらいか……」

エルフ娘「ヒュドラを倒す方法は、心臓を貫くか、全ての頭を切り落とす事……」

少年「……?」

エルフ娘「すべての魔力を一気に集中して、心臓に矢を撃ったら……倒せるかも」

少年「駄目だ」

エルフ娘「分かってる、あくまで地竜が間に合わなかった時の最終手段」

少年「……別に、そこまでしてやる義理は無いと思うけど」

エルフ娘「……なんだか、あのヒュドラは、異質なものを感じる」

エルフ娘「まるで、死体が動いてるみたいな……嫌な感じが」ゾク

少年「……それでも、あいつは毒炎のブレスを撃つ」

エルフ娘「出来るだけ結界を広く貼って、遠い所から防ぐから」

少年「……全く」

農家5「――まずい、ブレスが来るぞ!!」

ヒュドラ「シャアァァ!」ボッボッボッボッ

農家2「お前ら、気合入れなおせよぉ!!」

ドオォオォオォン!!

農家「ぐぅ……!!」ビリビリッ

若者3「くそ、それぞれの頭がブレスを撃ってくるなんて……」

農家4「おい! そっちに一発ずらして撃ってきてるぞ!」

若者(くそ、これ以上は壁が持たねえよ!)ポロポロ

エルフ娘「っ!」スッ

エルフ娘「間に合って……!」バリッ!

エルフ娘(土属性の力が流れ込んできた! これが魔法書の力……)

エルフ娘「――「土壁召喚」!」ズォォォ

ドオオォオン!!

友「おぉ!」

若者「あ、あんた……すまねえ!」

エルフ娘「気にしないで」

スターリースカイwwwムーンラぁイwwwファイヤベャーwwwうぉぅうぉぉーwwwwwwwww

お前らドラゲナイ言い過ぎwww

地竜「すまぬ……そろそろ……「龍脈」が戻るはずだ……」ズシン ズシン

友「あ、来た……龍脈?」

農家「地竜様は、普段は地中に留まり、ご自身の強力な魔力を分散し、この山や畑に与えて下さっているんだ」

農家「魔力の流れが龍に見える事から、龍脈と呼ばれている」

少年「地竜の固有能力だっけ」

農家「そうだ、おかげでこの辺りは、素晴らしい土壌に恵まれてる」

農家「そして、戦闘時にはその魔力を、全て自分に戻すんだ」

地竜「さて」ググッ

地竜「――ガアァアアァァ!!」ドドドドド

友「うお、見かけによらず速い!!」

地竜「ぬんっ!!」ゴッ!!

少年(あの体格差でヒュドラを吹っ飛ばした……なんてパワーだ)

ヒュドラ「……!」シュルル

エルフ娘(やっぱり動きが鈍い……あれは本当に生きているの?)

友「おい、ヒュドラが地竜に巻きついちまったぞ!?」

農家「心配ないさ、見てな」

地竜「はあぁあぁ……」ズズズズズ

友(土がヒュドラを覆っていく……!)

農家「決まったな。もう奴は終わりだよ。じきに動けなくなる」

ヒュドラ「シャアアァアァ!!」ボッボッボッ!

地竜「ガァ!!」ドシュ

少年(ヒュドラのブレスを平然と受けてる……なんて耐久力だ、毒に対する抗体も持っているのか?)

地竜(手ごたえが無さすぎる、妙だな)

地竜(……ん? 中心部に……黒い球体が)ズボッ

ヒュドラ「」ドサッ

地竜「!?」

ヒュドラ「」サアァアァ……

友「おいおい、風化していくぞ!?」

地竜(何だ、これは……?)ドクン ドクン

地竜(常に鼓動を……まるで、心臓のような……この気、まさか闇属性の魔法で作ったものか?)

「――大変だあ! 今度は山の方からゴブリンの大群が!」

農家「何だって!?」

地竜「……」ドドド

農家3「地竜様、どうしましょう!」

地竜「皆はいつでも逃げられるよう、準備をしておけ」

地竜「儂一匹では、取りこぼすかもしれん」ズズズズ!

友(村を覆う防壁を作った!? この一瞬でか!?)

少年(ヒュドラの襲来と同時に、ゴブリンの群れか)

少年(……嫌な予感がする)

地竜(やり辛いな……)ゴッ

ゴブリン達「ギャハハハハ!」ワラワラ

地竜(下手に大技を使うと、村に被害が……)

地竜(龍脈を使って地震を起こせば、村が壊滅する……思い切り暴れようものならば、山に被害が)

地竜(いっそ防壁まで戻って、集まってきた所を叩くか?)パァン

地竜(いや、やはりここで一匹ずつ潰しておくべきだ……)ガアァアァ!

ゴブリン達「ギャアアアアア!」ドオォオォン

地竜(しかし、何故ゴブリンの大群が?)

――

少年「壁の上まで行って、状況を確認してくる」ピキキ

友「おう」

少年「よっ……と」ガッガッガッ

少年「!?」

ギュルルルル……

少年(何だ? 向こう側に黒いゲートが……まさか闇属性か!?)

少年「……!」

オーク達「アアァアアァ……」ワラワラ

少年(オーク……ゴブリンと同じように、低知能で欲望に忠実な生物。でも、オークの方が知能が低く、パワーが強い)

少年(! 誰か出てきた……何だ? 黒いローブを纏っていて顔が……)

ローブ「初めまして」チラ

少年「!」

ローブ「フフ、そう睨まないで下さいよ……ワタクシは、しがない闇魔法使いで御座います」ペコリ

ローブ「アナタの鉱竜の力に興味がありまして」

少年(……オークを操ってるのか? ヒュドラを差し向けたのもこいつか)

少年「何が目的だ?」

ローブ「フフ、すぐに分かりますよ、このオーク達は、たんなる腕試しです」

ローブ「一体、アナタにふさわしいオークを作っておきましたから……存分に力を発揮して下さいよ?」パチン

オーク達「オオォオォオ!!」ズンズン

ローブ「フフフ……」ギュルルル

少年(全てのオークが統率して、一つの場所を攻撃し始めた!? まずい!)

少年「チッ!!」シュバッ!

友「お、どうだった?」

少年「闇属性の魔法使いが現れた! オークの群れが来てる!」

農家「何だって!? 皆、オークの群れがやってきてるらしいぞ!!」

友「なっ!? ど、どうする?」

少年「……別に、助けてやる義理は無い」

友「おい、こんな時でもお前――」

少年「でも、地竜に話を聞かなければならない。だから戦う」

友「釈然としねえが……まあいいか」

少年「先に壁の上で焼き殺して来る」バッ!

農家3「魔力が残り少ないが、やるしかねえな」

エルフ娘「私はどうすればいい?」

友「お前は貴重な回復役だ、あの高台に上がって、負傷者の回復と援護射撃を頼む」

若者「あ、俺が守るよ! さっきの恩返しをしたいんだ!」ポッ

若者「お、俺も俺も!!」

エルフ娘「ありがとう、でもコカトリスがいるから」

コカトリス「コルルル」

若者「」


少年「数が多いな……突破される」ボオォオォ!

ボロボロ……

友「壁が崩れていく……皆、来るぞ!!」

農家達「おおおぉ!」

農家4「クワの力、見せてやるわぁ!!」

農家2「女子供はもう逃げ終わった!」ゼェゼェ

農家「ご苦労!」

少年(オークの中に、大層な鎧を着たオークがいる……あれが親玉か)

少年「吹っ飛べ!」シュボッ!!

鎧オーク「!」バチィ

少年(火竜の爆炎を弾いた! あの盾……知属性の加護を受けているのか!)

少年(持ってるのは刀身が広い両手剣、片手で軽々と持ってる)

少年「盾さえ剥いだらこっちのもんだ」ボッボッボッ

鎧オーク「……」ブンッ

少年「!?」ジュァッ

友「おい、大丈夫か!」

少年「ああ、君は村の奴らに加勢して。こいつは僕がやる」

友「分かった……無茶すんなよ!」ダッ

少年(剣から火球をかき消す黒い熱風……剣にも仕掛けがあるのか)

少年(武器を持ってる相手の対処を考えないとな、硬化にかまけて受けてるだけじゃ駄目だ)

少年「さて、どう攻めようか……」


エルフ娘「やぁ!」シュドッ

コカトリス「クオオォォオォ!!」ヒュババババ!

エルフ娘「さすが……頼りになる」シュウウゥゥウ

農家5「すまねえ嬢ちゃん……もう大丈夫だ!」

友(大分戦えてはいるが、俺達の体力もそろそろ厳しいな)ハァハァ

農家「俺達の本気、こんなもんじゃねえだろおおぉおぉ!!」

オオーッ

友(空元気で力を振り絞っちゃいるが、負傷した人も何人か出てきてる)

友(何か、一網打尽にする手は無いのか……?)

エルフ娘「……あ」

少年「フッ!」シュボボッ!

鎧オーク「!」バチィ バチッ

少年(――そこだ!)バッ

鎧オーク「……」ドゴッ!

少年「! くっ」ズサァ

鎧オーク「……」ギラッ

少年(まずい、上から剣を落とされる!!)ゾッ

少年「!!」ガッ!

鎧オーク「!」ガクン

少年「危ない……!」サッ

少年(火竜の爆炎は熱風じゃ押しきれないようだな、重心を上手く移動させたのは良かったけど)

少年(盾を持ってる左腕だけに気を取られて、体当たりで虚を突かれた)

少年(足払いでバランスを崩させたから良かったものの……反省しよう)

鎧オーク「……」ブオッ

少年「見え見えだよ」シュバッ

少年(このまま距離を取って、火竜の爆炎を撃ってれば、いつかは盾の加護が切れるけど)

少年(そうして勝っても、あのエルフには勝てない!!)ギリ

少年(さっさと決めよう、二人が心配だ)バキュン!

少年(最高速度で突っ込んで、まずは)

鎧オーク「……」ゴッ!

少年(盾を構えて突っ込んできたか!! なら、鋭く左に回って)キュンッ

鎧オーク「!」ブン

少年(身体を捻って追い打ちをかけてくるよね!! それを回避して――)

少年「フッ!!」ドゴッ!!

鎧オーク「!?」バリン

少年「よーし、ようやく顔面に良いの当たった!」ボッ

鎧オーク「ブ……ブゴオオオォォオォ!!」ブシュウゥウゥ

少年(!? 身体から闇属性の魔力が溢れて……様子がおかしい!)

鎧オーク「オオオオォオ……」グルルルル

少年(回転し始めた! 何かしてくる!)シュボッ!

鎧オーク「――オオオオオオオオ!」ブワッ!

少年(熱風で出来た竜巻!? 避けて……いや!)

少年「面白い」スッ

少年(火力勝負だ! フルパワーで火竜の爆炎を撃ってやる!!)

少年「……吹っ飛べ!!」シュボッ!!

農家「お、おい、こんな事して大丈夫なのか?」

エルフ娘「てっとり早く倒すのは、これが最善……と思う」

友「高台に集まったのは良いけど、その分奴らも集中するぜ!?」

農家2「うう、もうこっちに来るぞ!!」

エルフ娘「大丈夫」スッ

友「あれは……なるほどな」

エルフ娘「皆、目を瞑って……行くよ、コカトリス」

エルフ娘「――【閃光】!」

カッ!!

オーク達「ギッ……アアアァアアァ!!」フラッ

エルフ娘「今!」

コカトリス「クオオォオォ!!」ヒュバババ!! ドゴッ!

友「うおおぉおぉお!」ズバズバズバズバッ!

農家「……おお!」

農家2「よし、俺らもこの隙を逃すな!」バッ

友「……よし、もう全部倒したかな」

エルフ娘「うん」

友「その魔法石、なかなか強いな。やっぱお前が持ってて正解だな」

エルフ娘「……少年は」

友「そうだ、急いで加勢しねえと!」

少年「……疲れた」ハァ

友「! 大丈夫なのか!?」

少年「なかなか強かった」ドサッ

鎧オーク「」ボロッ

農家「おお、あの強そうな奴を一人で……」

若者「もうオークはいねえ! 俺達の勝ちだ!」

ワアアァアァア!!

地竜「……不覚、オークの侵入を許してしまっていたとは」

友「あ、そっちも終わりましたか?」

地竜「うむ」

若者3「おい、何だあれ……?」

ギュルルルル

ローブ「お見事です……フフ、なかなかの出来だったのですがね……」

友「誰だ!?」

ローブ「……フフフ……順調ですね……」

地竜「闇属性……恐ろしく希少な魔法だが、貴様は何者だ?」

ローブ「何者……ですか。そうですね……復讐者とでも言っておきましょうか……何にせよ、ワタクシのすべき事は」

地竜「?」

ローブ「――アナタのその御力、いただきます」ニタァ

ヴヴン……!

地竜(この魔法陣……強力な魔法を何重にも重ねて……!!)ググッ

ローブ「フフ、抵抗しても無駄ですよ? この時のために、改良に改良を重ねて作った特別製です」

ローブ「ご安心を、死にはしませんから」

地竜(力が抜けていく……儂の力を奪っているのか!)

少年「チッ!!」ボボボッ

農家「はっ!」ゴッ

ローブ「フフ」ズオォオォ

少年(あの黒い靄、火球と土の塊を呑み込んで……!)

地竜「小僧……来い」

少年「!」

地竜(儂はもう駄目のようだ……ここから遥か東北にある、「東雲の谷」へ行け……)ボソ

地竜(そこで……ドラゴンナイトを……知……)グラッ

地竜「」ドサッ

ローブ「任務完了」ポッ

エルフ娘(持ってる水晶の内部に茶色い魔力が……力を奪ったの?)

ローブ「それでは、また」ギュルルルル

少年「……!」

農家「地竜様!」バッ

農家2「駄目だ、気を失ってる」

農家3「地竜様を、こんなにあっさりと倒すなんて……」

農家4「ど、どうすりゃいいんだ!」

若者「こ……こんな時こそ、俺らがしっかりしねえと!」

農家2「ああん?」

若者「い、今まで地竜様に守ってもらったんだ!! 今度は俺達が頑張らねえと!」

若者2「そうだな、俺らも甘えてばっかじゃ半人前のままだ」

農家2「……けっ、若造が生意気な口を聞きやがって」ヘッ

農家「だな」

農家「おーっし!! まずは壊れた部分と修復からだ! やるぞ!」

オオーッ

友「すげえな……」

エルフ娘「うん、本当に心が強い」

少年「……地竜は、遥か東北にある「東雲の谷」へ行けって。地図に載ってる?」

友「しののめ……あ、これかな」ペラッ

農家「すまんな、せっかく戦ってくれたが、お前さん達をもてなせそうにない」ザッ

友「いえ、俺達もそろそろ出発しようと思って」

農家「そうか、せめて野菜くらいは持って行け」ドサッ

コカトリス「コア」

友「あ、ありがとうございます」

農家「……達者でな!」

友「うっす!」

パチパチ……

コカトリス「クルル……」

友「今夜は野宿だな」

エルフ娘「……うん」

友(パンにベーコンとチーズ、それに貰った野菜をサンドして)ササッ

友「串に刺して炙ってと……おお、うまそう」

少年「良い匂いだね」

友「……よし、二人ともどうぞ」スッ

エルフ娘「……あ、おいしい!」

友「そりゃ良かったぜ」

少年「チーズって初めて食べたけど、美味しいね」

友「ん? 食べた事無かったのか。とろける風味とベーコンがばっちりだろ?」

少年「うん」モグモグ

友「食料も次の街で買わないとな」

少年「そうだね、またお金になるもの探さないと」

友「おう」

エルフ娘「……」コクリ コクリ

友「そろそろ寝るか、キャンプに戻ろう。運んでやってくれ」

少年「ん、了解」スッ

エルフ娘「……スー……スー……」

少年(軽いな)

友「コカトリス、何かあったらすぐ叫んでくれよ?」

コカトリス「コア!」(小声)

友「はは、気を使ってやがる。こいつめ」ツンツン

コカトリス「コルルル……♪」パタパタ

友「犬みたいに尻尾振りやがって、それじゃ……おやすみ」

止められなかった

我らの失態

どうか どうか

守ってやってくれ

姫を

鋼の誇りにかけて



少年「……!!」ガバッ

少年「……?」スッ

少年「あっ!!」

少年(もう片方の角が生えた!!)

少年(今まで以上に、しっかり布で隠さないと……)

少年「……」ズズ……ピキキ!

少年(今はこれだけにしておくけど、多分……鉱竜の甲殻を全部……)ピシッ ゴトトッ

少年(それも、今までの鎧のような「甲殻生成」と違って、身体を完全に「鉱竜化」してる)

少年(ただし、それなりの魔力も消費するな)フゥ

少年(力もより強くなった気がする)グッ

少年(……本当に、僕は大丈夫なんだろうか)

少年(母さん、父さん……)

少年(僕は、「人」なのか、「竜」なのか……どっちなんでしょうか)

ー東雲の谷ー

友「地図だとここだな……村があるのかね?」

エルフ娘「……大丈夫?」

少年「うん」

コカトリス「コル? コア」チョンチョン

友「ん、どうした……お、畑だ!」

友「家も二軒あるな、すいませーん」

片腕「……」ガラッ

友「!! えっと、旅の者で」

片腕「去りなさい、この地に部外者が立ち入っても、何も無い」

友「そんな、少し聞きたい事があるんですよ」

片腕「私から出せる情報は無い、悪いがこちらも用事があるんだ」

少年「ドラゴンナイト」

片腕「!」

少年「……」

片腕「お前、それを誰から聞いた?」ギロ

少年「地竜」

片腕「地竜様が……あの方が教えたのか!?」

少年「地竜は力を奪われた」

片腕「何!?」

少年「……」シュルシュル

片腕「その角は……なるほど、そういう事か」

片腕「良いだろう――雲竜様に会わせてやる」


友(このおっさん、何者なんだ?)ジー

片腕「私か? 私の家柄は、代々雲竜様の加護を受けていてな。私は雲竜様と契約をしている」

エルフ娘(そんなすごい家柄……なのに、たった二軒しか残ってないのは、聞かない方がいいかな)

友「でも、雲竜って確か、ずっと空を漂ってるみたいな」

片腕「……この「雲竜の護石」に、一定の間隔で私の魔力を注ぐと」

友「?」

少年「……!!」ピクッ

友「どうした?」

エルフ娘「風が変わった……来る」

友「?」

ヒュオォオオォオォ……

ゴォッ!!

友「!?」

友(突風が来たと思ったら……いつの間にか目の前に!?)

友(これが雲竜……翼が無いのか。青色の甲殻に二本の白い角……)

雲竜「……どうしたのですか?」

片腕「どうやら、鋼の力を持つ者が現れたようです」

雲竜「鉱竜の子供ですか……」

片腕「それに、地竜様はローブを纏った者に力を奪われた、と……おそらくは奴の復活を狙う者でしょうな」

雲竜「まぁ、それは大変ですねぇ」

少年(こいつが雲竜……緊張感が無いというか……)

片腕「とにかく、この者達にも説明するべきでしょうか」

雲竜「そうですね、……良いでしょう。私も用心しておきます。また何かあれば信号を送って下さい」

片腕「はっ」

友「こ、これが雲竜……美しい姿だな」

雲竜「あら、ありがとうございます」

友「触っても良いですか?」

雲竜「ええ」

友「おお……」ナデナデ

友「……」ナデナデ

雲竜「ふふ、少し恥ずかしいですね……それでは」

雲竜「鋼の少年、どんな時でも、希望を忘れてはいけませんよ?」

少年「……うん」

片腕「よし、私の家に来なさい」

片腕「飲むといい、身体が温まる」グツグツ

友「鶏のスープですか、コカトリス外に出してて良かった……」

片腕「漢方の薬草なども入っている、活力が沸いてくるぞ」

エルフ娘(美味しい……)

少年「で、教えてくれないの?」

片腕「そう急くな、確か、話を聞く前にローブが襲ってきた……だったか」

片腕「まずは……遥か昔、莫大な魔力を持つ、一頭のドラゴンが現れた事から始まる」

片腕「そのドラゴンは、全ての竜を統べる「龍王」と呼ばれていた」

友「龍王……」ゴクリ

片腕「その夜、龍王は空高く舞い上がり、世界中に轟く大咆哮を上げた」

片腕「その咆哮を浴びた竜達には、三日後に「知性」が芽生えた」

片腕「ただのモンスターだった竜が、この夜の影響で神格化されるほどの存在になったのだ」

片腕「龍王が咆哮を上げたこの夜は、ドラゴンナイトと呼ばれる」

友「え、つまり竜にはもともと知性が無かったと?」

片腕「そうなるな、知性を持っていたのは、三種の竜だけだった」

片腕「地竜、雲竜、鉱竜……これらの竜は、全てを支配しようとした龍王に立ち向かったそうだ」

エルフ娘「黒竜は?」

片腕「黒竜は希少な竜だが、もともとは知性を持っていなかったらしい」

片腕「しかし、大ダメージを負わせたものの、倒しきれずに敗北してしまったそうだ」

片腕「だが、その後に一人の勇者が続き、龍王を討ち取ったと聞く」

友「マジか!」

片腕「だが、まだ奴の魂は生きている……どこかで力を蓄えている」

片腕「四竜ほどの強力な魔力を与えれば……奴は復活出来るだろうな」

友「そ、それじゃ!」

片腕「ああ……時間が無いな」

少年「……もうヤバいかもしれない、多分王族もローブとグルだ」

少年「黒竜に対して、「お前の力は別に必要無い」と言っていた」

片腕「ふむ……すでに別の個体から奪っているのか……?」

少年「……」

片腕「……お前達は、何故旅を?」

友「俺達は世界を見たいって奴で、こっちは」

少年「鉱竜に会いたい」

片腕「そうか……そのローブ達も、今頃探しているだろうな」

少年「なら、あいつらも殺す。僕達は道具じゃない」ギリ

エルフ娘「私も戦う」

友「勿論俺もだぜ?」

片腕「ふむ……お前は武器を持っているのか」

友「え?」

片腕「明日、私が剣の腕を見てやろう」ニヤ

ー翌日ー

友「本当に良いんですか?」

片腕「ああ。お互い、これくらいの大きさの木の棒だな」

友(片腕さんの武器は、リーチ長めの片手剣か……)

友(木の棒だと少し違ってくるが、まあいいか)

友「行きますよ」ダッ

友(突っ込まねえと当たらねえ……素早い動きで攪乱させる!)キュッ

片腕「……」ブンッ!

友(!? 速……!?)

片腕「ふむ」ピタッ

友「畜生……」

片腕「まあ、これは仕方ないか。魔法はどんな種類だ?」

友「俺は異質系で……視界の交換が出来て、数秒間相手の視力を封じれます」

片腕「ほう、珍しい種類だな……それになかなか強い」

片腕「だが、そのスタイルだと、中級以上のモンスターには通用しないな」

友「そうなんす。ドラゴンには勝てねえし……コカトリスにも吹っ飛ばされるし」

片腕「そのままでは心配だな……ここから少し東に行くと、ドワーフの集落がある」

片腕「そこで武器を作ってもらうといい」

少年「!!」ピクッ

片腕「私も同行しよう、ちょうど、頼んでいた剣が出来ている頃だ」

片腕「よし」ドサッ

コカトリス「コアァ……」

友「荷物多いっすね」

片腕「そろそろ動こうとしていた所だからな」

エルフ娘「ドワーフって、どんな種族?」

片腕「ほとんどが職人質で、鉱石さえ扱えれば幸せな種族だな」

片腕「ただし、彼らはエルフ族が嫌いなようだ、耳をしっかり隠していなさい」

エルフ娘「……うん」

少年「……」

片腕「ま、隠していれば大丈夫だ。出発しよう」

コカトリス「クオオォオォ!!」

ードワーフの集落ー

片腕「この洞窟だ」

少年「……?」

片腕「ああ、それは鉄を加工して作った花だな」

友「本当だ、葉の一枚一枚が硬い!」

少年「! 罠がある」

片腕「ほう、よく気付いたな」

片腕「あー、私だ! 頼んでいた物は出来ただろうか!」

ドワーフ「おう、お前さんか」カタッ ガコン!

片腕「彼らに武器を作ってほしいのだが、大丈夫か?」

ドワーフ「それは構わんが……今は無理だな、炭鉱に魔蟹が割り込んできてな、それどころじゃない」

片腕「私が倒してくる、頼んでいた剣は?」

ドワーフ「おうよ」スッ

片腕「……うむ、良い仕上がりだ」

友(すげえ……銀色にぴかぴかと輝いてるぜ!)

片腕「敵の情報は?」

ドワーフ「そこそこでかい。サソリの尾を持ってる、泡を吐いてくる……それに、腹の甲殻が柔らかかった」

ドワーフ「ワイらも戦ったが、倒しきれんかったわ」

片腕「分かった。集落の皆には、少し待つよう言ってくれ」

少年「僕も行く、力を試したい」

エルフ娘「なら私も」

友「……俺が行っても役に立てねえだろうが、行くよ」

片腕「うむ、では準備をしようか。コカトリスはここで待っていて欲しい」

コカトリス「コア!」

案の定ドラゲナイ言われててわろた

深瀬「くっ、殺せ......」

少年「準備出来た」

片腕「そうか。お前は獲物を持っていないな……私の古い剣でよければやろう」

少年「……」スッ

友「あー、すいません、なんつーか」

片腕「いや、構わんよ。色々あったのだろう」

少年(……軽いな)ブンブン

友「あぶねっ! 振り回すなよ!」

片腕「よし、行こうか」


少年「……」ボォオオォォ

エルフ娘「ごめんね」シュドッ

子蟹達「」ドサッ

片腕「子蟹が多いな……卵を産んだのか」ドスッ

友(子蟹で犬くらいのサイズって……本体はコカトリス並のサイズか?)

エルフ娘「綺麗な鉱石……」

片腕「ドワーフ達が選んだ場所だからな。様々な鉱石が採れる」

友「ここで戦うんですか? 崩れたら大変ですよ」

片腕「もう少し先に広い空間がある。おそらく奴もそこにいるだろう」

エルフ娘「……居る。でも魔力の感じが変……寝てる?」パチ

少年「行こう」ズズ……ピキピキ!

友「それが言ってた鉱竜化か! 頭は変化しないんだな」

片腕「静かに」メキメキ

少年「! それ」

片腕「ああ、私の魔法は肉体強化の「硬化」……身体を鉄並に硬くする」ボソボソ

少年「……一緒だ」

片腕「気を引き締めて行こう……」ザッ

子蟹達「カサカサカサカサカサカサ」

魔蟹「……zzz」

友(あれが魔蟹……やっぱでけえ。でも、かなり傷ついてるな)

子蟹「キンッ! キンキンッ!!」

魔蟹「!」ピクッ

片腕(しまった、子蟹が警戒音を!)

魔蟹「シャリッ!」ブクブクブク

片腕「来るぞ」

魔蟹「シャアァ!」ガボボボボ!

エルフ娘「させない!」バチィ!

少年「フッ!」シュボッ

魔蟹「……」ドォン

少年(くそ、火の耐性が高いな……爆発を受けても平然としてる、腹の甲殻を狙わないと)

少年「先に子蟹を全滅させてくる!」ダッ

片腕「分かった!」

友「行きますよ!」ギロ

片腕「ハッ!」ズバッ

片腕(腹は鋏に守られている、まずは脚から削ぎ落としていく!)ズバッ

魔蟹「シャアアアア!!」グオオォオ

片腕「おっと」スカッ

友「くそ……」ズキン

友(そうか、でかい奴が暴れるだけで、こっちは近づけなくなる……)ギリ

エルフ娘「!」シュドドッ!

魔蟹「ギピィ!?」

片腕「いいぞ、腹の近くに刺さった……その調子で頼む!」

魔蟹「シャアアア!」ドドドド

エルフ娘(こっちに来た!)

魔蟹「シャア!」ギラッ

エルフ娘(尾……! シールドで防ぐ!)バチィ

片腕「ハッ!」ズバッ!

片腕(よし、今の隙に尾は削ぎ落とした)

少年「あぁっ!!」ドゴォ!

魔蟹「!?」グラッ

少年「子蟹、もう居ないと思う」

片腕「おお、仕事が早いな」

友(少年は炎魔法と硬化、それに鉱竜化……エルフ娘には結界や矢、回復……)

友(それに比べて、俺は一人じゃ大して戦えない……今までの奴が弱かっただけだ)

友(情けねぇ……!)ギリ

魔蟹「シャアァア!」ブン

友「ッ!!」スカッ

魔蟹「ブクブクブク」

エルフ娘(泡……ゼロ距離で止める!)カッ

魔蟹「!?」バヂヂヂヂ

エルフ娘(泡を吐けなくて怯んだ!)

片腕「ぬんっ!!」

魔蟹「ピギャアァァァ!」ボトッ

友(魔蟹の右鋏を吹っ飛ばした!)

少年「隙あり」ダッ!

少年(剣の切っ先に、火竜の爆炎を集中して……)ヂヂヂヂ

少年(――爆炎突き!)ボッ

ズドッ!!

魔蟹「」ドサッ

片腕「爆発する突きか……大した威力だ。魔蟹をひっくり返すとはな」

少年「あ、剣がボロボロ……」

片腕「あの剣では威力に耐えられなかったか……まあいいさ、戻ろう」

ドワーフ「おう、さすがだな」

片腕「子蟹も全て倒した、もう大丈夫だ。毒抜きをして食べると良い」

ドワーフ「ありがとよ、魔蟹の甲殻は軽くて丈夫だからな。良い防具にもなる」

ドワーフ「よし、どんな武器が良いんだ? 何でも作ってやるぞ」

片腕「何が良いだろうな……少年の力だと、大剣もいいかもしれんな」

少年(あいつに勝つには……)

少年「……一つはグラディウス系の剣。刃が厚い、威力重視の両手剣」

少年「もう一つは振り回しやすい片手剣。パリンクダガーみたいに、刃を受け流しやすくしてほしい」

少年「それと、爆発を受けても大丈夫な頑丈さで」

ドワーフ「二つか……身に着けるとかなり重くなるぞ? それに爆発か」

片腕「問題ない、この少年は鉱竜の力を持っている」シュル

少年「!? なっ……」

ドワーフ「……」

ドワーフ「――おおおぉおぉおい! お前ら!! 鉱竜の力を持つ客がきたぞぉお!!」

ドワーフ2「何だって!?」

ドワーフ3「本当だ、角が!! 美しいな!」

ドワーフ4「おお、本当に良い硬度だな!」チョン

少年「……?」ポカーン

片腕「全ての人間が、竜と人とのハーフを嫌うわけではない」

片腕「むしろ彼らは、そういうのが大好きだな」クス

ドワーフ「おうよ! 漢のロマンって奴だ!」

大長老「ウォッホン、少し失礼するよ」ヌゥッ

ドワーフ「大長老様!」ザッ

大長老「失礼……君のその衣、鉱竜の皮で出来ているね?」

少年「……うん」

大長老「その衣がやけに強い思いを持っているのだよ……覗いてもよろしいかな?」

少年「?」

ドワーフ「大長老様は、「鉱物の記憶」を聞く御力があるんだ」

少年「鉱竜の皮でも聞けるの……? どうぞ」

大長老「ふむ」スッ

大長老「……」

大長老「……なるほど、のう」

ドワーフ「どうですか?」

大長老「まず、謝っているな。自分たちのせいで辛い人生になる、と」

大長老「そして、二つの力を併せ持つお前なら、きっと大丈夫だ……」

大長老「自分が遺せる物はほんの少しだが、きっとお前を守ってくれる」

大長老「幸せになってくれ。愛している……と。ここまでしか読み取れないが」

少年「……そっか……」ポロッ

少年「そっか……母さん……!!」グスッ

エルフ娘「少年……」ナデナデ

子蟹食えるのかよwww

少年「……こんなもんかな」ゴトトッ

ドワーフ「おお……おおおお!!」キラキラ

ドワーフ2「これが鉱竜の甲殻……」

ドワーフ3「お、おい。落ち着け」ウズウズ

ドワーフ4「お前もだよ」ウズウズ

ドワーフ「鉱竜の甲殻を素材にすれば、並の鎧は打ち砕くほどのグラディウスが作れるな」ウズウズ

友「あ、これも持ってます」スッ

ドワーフ「おう、夕日の雫か……別名「沸騰石」、こいつは熱を溜めこむ性質がある」ウズウズ

大長老「鉱竜の甲殻をベースに、夕日の雫とコネクタ鉱石で馴染ませて……うむ、爆発にも耐えれそうだな」

ドワーフ「うっし、今すぐにでも取り掛かるぞぉ! そっちのもんは何か必要か?」ウズウズ

友「お、俺もですか? うーん」

片腕「魔蟹の尾の毒を武器に混ぜてはどうだ?」

ドワーフ「おう、それくらいなら簡単だぜ」ウズウズ

友(接近戦は少年と片腕さん、コカトリス。援護射撃・回復はエルフ娘……)

友(……俺が下手に突っ込んでも足手まといになっちまう。なら)

友「……敵を無力化する武器、みたいなのはないですか? 刃をボロボロにしたり」

ドワーフ「おめえ、自分が何言ってんだか分かってんのか? そんなもんあったら」ウズウズ

大長老「いや……東の国に、「十手」と呼ばれる武器がある」

ドワーフ「十手?」ウズウズ

大長老「ふむ……儂が拵えよう。そちらの御嬢さんは?」

エルフ娘「私……? 私は別に」

大長老「武器でなくとも、魔力の消費を抑える「純銀のリング」などもある」

エルフ娘「あ、それが良い……です」

大長老「よし、ではさっそく取り掛かろう」

ドワーフ「……大長老様も、実はウズウズしてます?」

大長老「当たり前じゃろうが!! 鉱竜の甲殻など、滅多に扱えんぞ!!」ウズウズ

ドワーフ「おおおお……」ウズウズ

ドワーフ「お前らぁ!! 名剣を作るぞおぉおぉ!」

ドワーフ達「おうっ!!」

――

国王「……」

側近「失礼します」

国王「側近か」

側近「申し訳ありません。未だに「眼帯」様の行方が不明でして」

国王「うむ……困ったものだ。王子は良くできた子になってくれたのだがな」

側近「ええ、本当に」

王子「買い被りすぎですよ、お二人とも……眼帯ですが、目撃情報はあっても、すぐに姿を眩ましてしまいます」

側近「数か月前、ローブを纏った者と行動を共にしていたと聞きましたが」

国王「……奴は昔から何を考えているのか分からなかった……それに」

王子「ええ、あいつはドラゴンナイトの文献を読みましたからね……何か企んでいそうです」

側近「……」

国王「心配するな、いざという時は、私が出る」

側近「ですが、龍殺しの剣も無しに、もし龍王が復活すれば」

国王「王子が召喚すれば大丈夫だ。問題は、私の魔法が通用するかどうか……だな」

王子「父上はともかく、私の魔法はおそらく通用しないでしょうね……」

側近(国王様の「全てを貫く一撃必殺の光の槍」、王子様の「最強の炎魔法」。確かにこの二人なら……)

側近(しかし、もし眼帯様が敵になってしまえば、「最強の結界と剣」を相手にする事になる)

王子「最強の魔法の一族が戦う事になるとは……ご先祖様に申し訳ないですね」

国王「まあ、仕方あるまい……何も起きないと良いのだが」

側近「それと、あの方から「もう少しで全ての石版を解読できる」との連絡が」

国王「! そうか!」

側近「片腕と合流した後、その場所へ行くそうです」

国王「ようやくか……さすがは天才と呼ばれるだけある。連絡が来次第、その場所へワープできるようにしてくれ」

側近「了解しました」

王子「……」スッ

国王「どこへ行く?」

王子「どうも、眼帯が所有する騎士団が、不穏な動きを立てているようなので」

王子「少し、出かけて参ります」

国王「分かった」

王子(……)

ー三日後ー

ドワーフ「ほれ」

剣「」キラキラ

友「……」

片腕「……美しいな」

ドワーフ「見とれるのも無理は無い、ワイらも涎垂らして見てたからな」

少年(それは引く)

ドワーフ「要望通りかな?」

少年「うん……大事にする」

ドワーフ「両手剣はたっぷり夕日の雫が混ざってるが、片手剣はあまり爆発を乱用しないようにな」

ドワーフ「そうだな……連続で三回ほど爆発を受けると、危ないな」

少年「よっと」ガシッ

片腕(両手剣と片手剣の二刀流……少年ならではのスタイルだな)

少年「基本は右手に両手剣、左手で炎を撃てるようにする。それだけじゃ対処できない相手にはこっちを使う」

片腕「なるほど」

ドワーフ「そして、こいつだ」

友「これが十手……面白い形ですね」

ドワーフ「おう、ここに相手の刀身をひっかけてだな」

片腕「よし」スッ

ドワーフ「こうグッと捻ると」グイ

片腕「!」ポロッ

ドワーフ「こんな風に、刀を払えるらしい」

友「おお……先は紫色の四角錐になってんすね、尖ってるけど、刺すと言うよりは殴るに近い感じっす」

ドワーフ「おう、魔蟹の毒は出血毒だからな。扱いには気を付けろよ」

友「なるほど……突いたり、棒身で殴ったり……基本は手首を殴る感じで行くか」

友「この防具も渋い感じっすね」

ドワーフ「魔蟹の甲殻は軽くて硬い。そして、火耐性に優れている」

友「なるほど」

ドワーフ「嬢ちゃんにはこいつだ」キラッ

エルフ娘「綺麗……」

片腕「世話になった、そろそろ行く」

ドワーフ「おう、お前さんらならいつでも大歓迎だ!」

友「お世話になりました」

エルフ娘「ありがとう」ペコ

少年「……ありがとう」

友「!」

少年「……」プイッ

片腕「さて、行こうか。東の方向に行こう」

コカトリス「クオオオオォオォ――!」

ー繁華街ー

友「でかい街ですね」

少年「……人が多い」

友「気にすんなって、ドワーフの人達も大丈夫だったろ?」

片腕「うむ……しかし、本当に良かったのか? お前達が戦う理由は」

少年「別に、どこに行くかはその場で決めてたし……何より、僕達を利用しようとしてる奴は許さない」

片腕「そうか……今日はこの街で休み、明日はとある人物に会いに行くつもりだ」

友「人物?」

片腕「ああ、遺跡研究家の「仙人」と言うお方だ……龍王の魂の居場所を探している」

少年「!」

友「あ、俺、宿空いてるか見てきますね」タッ

エルフ娘「……」

片腕「……そうだ、少年。お前のあの姿は、どういったものだ?」

少年「どういったものって……甲殻を生成してる」

片腕「つまり、鉱竜化していると?」

少年「一時的にだけど。普通に生成するだけも出来る」

片腕「ふむ……その力、使わない方が良いかもしれんな……」

少年「分かってる、それなりに魔力を消費するし、基本は硬化で戦う」

片腕「……うむ……」

友「おーい、宿空いてるってよ」

「おい、大変だ! 王族の騎士団がやってきてるぞ!」

「何だって!?」

「何か事件でもあったのか?」

片腕「あれは……隠れろ!」サッ

騎士長「えー、我々は、眼帯様の命令によって、とある人物を探している」

片腕「!」

騎士長「銀色の衣を羽織っている子供だ。「銀色の角」を持つ、鉱竜と人との忌子らしい」

「な、竜と交わったのか!?」

「気味悪いな……そもそも、理性はあるのか?」

「いや、言葉すら喋れねえかもよ」

「うわぁ……」

少年「……!!」ギリッ

エルフ娘「少年……」ギュッ

少年「フー……!!」

騎士長「報告によると、この街に潜伏しているらしい、それらしい者を見た者はいないか?」

「まさかお前」

「んな訳ねえじゃん」パサッ

「な、なあ。あいつ……銀色の衣だぞ」

「本当だ、頭も隠してるぜ!!」

片腕「ッ! 全員、コカトリスに乗れ!!」

友「!」サッ

少年「ぶっ殺してやる……全員……この手で……」ブツブツ

エルフ娘「落ち着いて、今は逃げる事だけを考えて」サッ

少年「ギルルルル……!!」サッ

エルフ娘「皆、目を閉じて」ボソ

エルフ娘「――【閃光】!」カッ!!

騎士達「!? ぐっ……」

コカトリス「コアア!!」バッ

騎士「逃がすか!」

騎士2「俺の水の槍をくらえ!」ボッ

エルフ娘「!」バチィ ファサッ

「あ、あの耳……エルフ族?」

「何であんな希少な種族が、あの化け物と一緒に?」

少年「……!!」

コカトリス「コルァアアァア!!」ドドドド

「ひっ!」

エルフ娘「あ、轢いちゃう!!」

コカトリス「クオォオォオ!!」バササッ

友「おぉ!?」

騎士長「飛んで屋根を伝っていく気か……!」ブンッ

エルフ娘(! 石……電気を纏ってる?)バチィ

騎士長「逃がすか! 肉体強化系は前列へ!」

騎士達「はっ!」

「お、おい、あれ……まさか」

「あの大きな火の鳥は……王子様の魔法!?」

王子「……何をしているのですか?」ボシュゥ

騎士長「!? 王子様!」ザッ

少年(火属性の魔法か……完全にコントロールしてる。僕とは熟練度が違う……)

片腕「!? 何故あの方がここに……」

王子「」チラ

片腕「!」コクン

片腕「突っ切れ!!」

コカトリス「クオオォオォォオ――」ドッドッドッドッ!!

騎士長(逃げられたか!)

王子「何をしているのか、と聞いたのですが」

騎士長「いや、それは」

王子「狼狽えるという事は、後ろめたい事をしているという事……眼帯の命令でしょうが」

騎士長「……」

王子「……王家と戦争でもするおつもりですか?」

騎士長「……失礼します」ザッ

ミス
>>67 >>68の順序が逆でした……orz

片腕「どうにか巻いたようだな……王子様が来て下さって助かった」

エルフ娘「あの人、一体何者なの?」

片腕「王族であり、次の王は王子様、と呼ばれている。人望があり、素晴らしい思想を持つお方だ」

エルフ娘「そんな人が何故……?」

片腕「どうも、王族にはドラゴンナイトを知る権利があるらしい……お前達の言っていた王族とは、奴の事だったのか」

エルフ娘「知ってるの?」

片腕「元々、私は雲竜様との契約者として、王に使えていた」

片腕「騎士長が言っていた眼帯と意見が衝突してな……奴にこの左腕を斬り落とされてしまった」

友「え、でも片腕さんの魔法って」

片腕「ああ……奴の魔法は「最強の剣と結界」……私の硬化も通用しない、絶対切断の剣を召喚する」

友「!? そういや黒竜のブレスを弾いてたな……何でそんな魔法が?」

片腕「王族は、代々「最強の魔法」を授かるらしい。血統だろうな」

友「そんな奴、勝てる訳ないでしょ!」

片腕「確かに強力な魔法だが、同時に剣と結界を作る事は出来ん。切り替えには少し隙が出来る」

片腕「それに、どんなに強力な結界でも、攻撃を受け続ければいつかは割れる」

少年「……」

片腕「少年、辛いだろうが……」

少年「分かってるよ……今までずっとそうだったんだ……!!」

エルフ娘「……」

片腕「この崖を登れば、仙人様がいる」

エルフ娘「コカトリスを少し休ませてあげないと」

コカトリス「コルル……」

片腕「そうだな。追手も来ていないし、少し休んで行こう」

少年「先に行って頭冷やしてくる」ダンッ!!

友「あっ、おい!」

少年「……」ガッガッガッガッ

友「大丈夫かよ、あいつ」

片腕「うむ……」

少年「ギルルル……!!」タッ

仙人「おやおや……随分と荒々しいお方がいらっしゃいましたな。何用ですかな?」

少年「片腕に、言われて、来た、まだ、下」

仙人「ほっほっほ、落ち着きなさい。ストレスは身体に毒ですよ」

仙人(しかし、いつものルートから来ていませんな……何かあったのでしょうか)

コカトリス「コアアアァアァ……!!」バッサバッサッ

片腕「ご無沙汰しております」

仙人「おお、来ましたか」

エルフ娘「お疲れ様」ナデナデ

コカトリス「」グデー

仙人「コカトリスですか……まあ、ゆっくり話を聞かせてもらいましょう」

四日ほど更新が止まります……

ドラゲナイでもすんの?

王子‥‥‥‥火の鳥‥‥‥‥

フ ァ イ ヤ ー バ ー ド

復帰しました!

友人が自宅のwi-fiを利用して書きこんだようです。失礼しました。

仙人「ささ、お酒です」トットットッ

片腕「かたじけない」

仙人「しかし、鉱竜の子供ですか。大きな戦力となりますが、本当によろしいのですかな?」

少年「僕は良いけど……」

友「……何度も言うなって、俺達はお前に着いていくよ」

エルフ娘「うん」

少年「……そっか」

仙人「ほほう……」

片腕「それで、石版はどうなりましたか?」

仙人「全て……とは言えませんが、ある程度は解読しました」

片腕「!」

仙人「少し前、エルフ族の青年が現れましてな。一緒に解読してくれたのです」

エルフ娘「!」

少年「あいつか……!」

仙人「知り合いですかな? 彼も龍王について記された石版を持っていましてな。非常に助かりました」

片腕「それで、奴はどこへ?」

仙人「……」

仙人「――虹ヶ滝の、滝の奥に隠された洞窟……その最深部に、龍王の魂が結晶化した石が眠っています」

片腕「!! つまり……奴は何度でも蘇る……という事ですか?」

仙人「いえ、魂を結晶化する魔法は、膨大な魔力を消費するようです。二度も発動出来るものではありません」

仙人「それに、万が一復活したとしても、元の半分の魔力しか無いでしょうな」

片腕「ふむ……」

エルフ娘「それに、最強の魔法使いと、異質系の闇属性……」

仙人「ふむ……闇属性は「何かを代償に不可能を捻じ曲げる」力。非常に希少な魔法ですが……」

友「……」

仙人「おやおや、しんみりしていては戦えませんよ?」ニコ

片腕「その通りだ。気持ちで負けては、戦で勝てんぞ?」

少年「一ミリも負けてないけど?」ギロ

片腕「はっはっは、これは心強い!」

仙人「ですな!」

仙人「それで、そちらも完了しましたかな?」

片腕「ええ、かなりの時間を費やしました……それなりに使えそうです」

仙人「ほほう」

エルフ娘「……」

エルフ娘(あのローブは、今頃どうしているんだろう……)

――

雲竜「……」

ギュルルルル

雲竜「!!」

ローブ「初めまして……ワタクシは」

雲竜(黒いローブ……この方ですね)

雲竜「キュルルル……」

雲竜「キュア!!」ゴォ!!

眼帯「!」バチィ!

雲竜「だから言ったじゃないか、もし俺が居なかったらどうなってたかね?」

ローブ「まさか出会った瞬間、攻撃してくるとは思いませんでした」

眼帯「ま、空中戦は想定内さ。そのために造ったんだろう?」

ローブ「ええ」

雲竜(私の暴風を弾いた……ただの結界では無いようですね)

雲竜(それに、あの八咫烏を従えている所を見ると……かなりの実力者のようです)

雲竜「……」ヒュオォオォォオ

眼帯(あれが雲竜の固有能力……風を従える力。暴風のバリアを纏ったか)

眼帯「ハハッ、なかなか面白そうじゃないか」

ローブ「まずは動きを止めますよ」

雲竜「やれるものなら……やってみなさい!」ギュオッ

ローブ(さすがに速い……目で追うのが精一杯ですね)

ローブ(まあ、ワタクシなら、ですが)

八咫烏「……」クンッ

雲竜(さすがは鳥の中でも、特に位の高い種族。私の動きについてきますか)

雲竜(突進で撃墜……いえ、あの結界があります。なら)

雲竜「キュンッ!」

眼帯「ッ! 風圧のブレスか!」バチィ! バチッバチッ!

ローブ「ふむ」ズオォォオォ

雲竜(あれは……まさか!)ギュン

雲竜「手早く終わらせましょう」

ザアアァアァアァ……ゴロゴロゴロゴロ……

眼帯(! 雷鳴と豪雨……嵐を呼んだのか!?)

雲竜「キュルルルル……」

ゴオッ!!

眼帯「なっ!」

眼帯(巨大な竜巻を発生させた!?)

雲竜「キュン!」ゴオオォォオォ

眼帯(さらに暴風……まずい、八咫烏でもこれは)

八咫烏「……」グラッ

眼帯(呑まれる!!)

ローブ「くっ!!」ギュルルル

雲竜(ゲート……繋がっている場所は)

雲竜(私の真後ろ!!)サッ

眼帯「うお、読んでたか!」

雲竜「キュア!!」ゴォ

眼帯「ッ……!」バヂィ!!

眼帯(ありったけの魔力を注ぎ込んでたが……もう限界だ、次で割れる!)ピシッ

ローブ「……」ニヤ

八咫烏「カアア!」ブンブンッ

眼帯「おおっ!?」

雲竜(!? 背中の二人を振り落した!?)

八咫烏「カアアァア!!」ゴッ!!

雲竜(速っ……!?)グサッ

雲竜「うっ……」

八咫烏「」プラーン

雲竜(もう死んでる……暴風のバリアに無理やり突っ込んだから?)

雲竜「!? これは……」ズズズズ

雲竜(私の身体に黒い模様が広がっていく……嘴に呪詛魔法を仕込んでいたの?)

雲竜(身体の自由が……)ドサッ

眼帯「おお、墜ちてきた。それにしてもさすがだな」シュイン

雲竜(! 黄金の剣……)

ローブ(限界を超えて「突進する」事のみに改造した、呪いを仕込んだ八咫烏)

ローブ「右肩に深々と刺さってくれましたね……お疲れ様でした」

ローブ「さて」

雲竜「……キュアアァア!!」カッ!!

眼帯「!?」


雲竜「なっ……」

ローブ「素晴らしい威力ですね」ズオォォオォ

雲竜(吸収した……やはり、あの力は……)

ローブ「さて、抵抗されては困りますし」ズズズ

雲竜(力が入らない……でも!)

雲竜「ッ……!」フォッ

ローブ「フフフ、もはやそよ風ですよ?」パサッ

雲竜「!?」

雲竜(あれは……!?)

雲竜「」ガクッ

眼帯「よし、後は鉱竜の成体を捕えるだけだな」

ローブ「ええ、目玉が付いていませんからね……探すのは骨が折れます」

眼帯「一応、騎士達に探させているんだがな」

ローブ「まあ、大丈夫でしょう……」

仙人「ええ、その調子です……意識を集中して……」

エルフ娘「……」フワッ

仙人「はい、お疲れさまです」

エルフ娘「すごい……魔力が溢れてくる」

仙人「素晴らしい魔力をお持ちですな。私の瞑想は、眠っている魔力を引き出す技です」

片腕「駄目だ駄目だ! まだ目で剣を追っているぞ! 反応では無く反射で動けるようになれ!」ブンブン

友「くっ……」ガキンガキン

片腕「そんな動きでは騎士一人すら倒せんぞ! 無意識の内に十手の取っ手で受けようとしている!」

友「!」ガキン!

片腕「取っ手で外さなくても、棒身で弾く事も出来る! 自分の身体の一部のように使えるようになれ!」ブンッ

友「くっ……」ギィン!

仙人「あちらは大変ですなー」

エルフ娘「友、頑張って」

少年「……」ブンブンッ! バッ シュボッ!

少年(両手剣+左手は、魔法主戦型に強いな。両手剣+片手剣は、攻守のバランスが良い)

少年(防御が薄そうな相手は、片手剣+左手で翻弄する)ヒュバババ

仙人「速いですな」

エルフ娘「うん」

片腕「よし、休憩にしよう」

友「ハァ、ハァ……」ガクッ

片腕「仙人殿、どれくらいかかりそうですか?」

仙人「後一日……ですな。もうすぐ完成します」

友「何を作ってるんですか?」

仙人「龍王を倒すための、とっておきの魔法を作っているのですよ」

エルフ娘「魔法を作る……? 私にも出来る?」

仙人「非常に難易度が高いですが……それほどの膨大な魔力なら可能ですな。しかし」

エルフ娘「副作用があるの?」

仙人「……「強い覚悟」と「全ての魔力を一つにするコントロール」が必要です」

仙人「どちらかが不十分なまま失敗すれば……」

エルフ娘「そう……分かった」

片腕「!」ボロボロ

片腕(雲竜の護石が崩れた……!?)

仙人「雲竜様がやられましたか……」

友「なっ!」

片腕「くっ……」ギリ

仙人「まずいですな……」

エルフ娘「……」ポゥッ 

少年「?」

エルフ娘「黒竜を呼んだ。無事だと良いけど……」チカッ チカッ

黒竜「!」ピクッ

黒竜(エルフ娘が呼んでいる。……あちらの方角からだな)

黒竜「急ごう」バサッ

――

仙人「どういった関係で?」

友「眼帯に操られてて、少年が助けたんです」

仙人「なるほど……おや」

黒竜「――待たせたな。どうしたのだ?」バサッ

少年「あ、無事だったんだ」

黒竜「! 角が生えたのか」

少年「うん……誰かに襲われたりしなかった?」

黒竜「いや?」

黒竜(? 刺々しい態度が和らいでいる……何かあったな)

仙人「黒竜様ですな。失礼ですが、ドラゴンナイトの夜はお知りで?」

黒竜「ああ、確か龍王が現れた夜だな」

仙人「奴の復活を手引きする者がいるのです。すでに地竜様と雲竜様がやられました」

黒竜「なっ! 犯人は誰だ?」

仙人「分かっている限りでは、黒いローブを纏った者と、王族の眼帯を付けた男です」

黒竜「あの男か……」ギリ

黒竜「そうだ、少年。良い知らせがある」ニヤ

少年「良い知らせ?」

黒竜「会ったぞ」

少年「? 誰に」

黒竜「――鉱竜の若い成体だ」

少年「!!」

黒竜「空を飛んでいるとすれ違ってな。お前の事を話すと、会いたがっていたぞ」

少年「ど、どこに居るの!?」

黒竜「ああ……いや、儂に乗ると良い。そこまで飛んでやろう」

エルフ娘「良かったね、少年」

少年「うん!」

仙人「しかし、どうやって飛びますかな? 五人乗るのは大丈夫そうですが、コカトリスは」

コカトリス「コルル……」ショボーン

黒竜「問題ない。儂が抱えて飛ぼう」

コカトリス「!?」

黒竜「よし、行くぞ」ガシッ

黒竜「落ちないよう、しっかり捕まっておれ」バサッ!

少年(やっと……鉱竜に会える!)ワクワク

コカトリス「」ガクガクブルブル

友「悪いな、もうちょっと我慢してくれ」

黒竜「我らは他の三種と比べ、小型だからな……」バサッ

友(体格は一緒ぐらいなのに、抱えて飛ぶなんてな……すげえパワーだ)

片腕「どこへ向かっているのですか?」

黒竜「虹ヶ滝の恵みを受ける、清冽な川辺……そこでしばらく身体を休ませる、と」

少年「そっか」

黒竜「……そろそろだ。速度を上げるぞ」ゴォッ

――

黒竜「鉱竜殿! 儂だ!」

少年「……」

鉱竜「黒竜殿……その人間達は?」ギシッ

少年「!」

友(あれが鉱竜……あの銀色に輝く甲殻。少年のと一緒だ)

鉱竜「この童は……まさか、以前言っていた」

黒竜「うむ」

少年「……初めまして」シュル

鉱竜「その角……確かに、我らの角だ」

鉱竜「そうか、お前が……」

鉱竜「我らの甲殻は、非常に強い武器となる……そのせいで、今まで数多くの同胞が狩られてきた」

鉱竜「それに加え、竜と人とのハーフ。生きるのは、さぞ辛かっただろう」

少年「……うん」

鉱竜「今まで、よく生きてきた……母君も喜んでいるだろう」

少年「母さんを知ってるの!?」

鉱竜「ああ、およそ五十年ほど前だが……」

少年「どんな竜だったの? 氷竜のおじさんに聞いても、あまり詳しく教えてくれなかった」

鉱竜「ああ、確か氷竜とも仲が良いと聞いたな。母君は、非常に優しい心の持ち主だった」

鉱竜「襲われても、決して人を傷つけなかった。ひたすら硬化で攻撃を耐え続けた」

少年「……!!」

鉱竜「父君は勇敢な人だったな。たった一人でハンターを退け続けた。炎を纏う鬼かと思うような強さだったよ」

少年「そっか……で」


少年「その時、あんたは助けなかったのか?」


鉱竜「……すまない」

少年「どうして……!!」

鉱竜「当時の私は、まだ未熟だった……硬化を使いこなせなかった」

少年「……」

ダッ

友「あ、おい!」

片腕「そっとしておいてやれ……」

仙人「ですな。鉱竜様が悪いわけではなさそうです」

鉱竜「しかし……」

「……ヴオオオォオオォオォオォ――!!」

片腕「!!」ピクッ

仙人「!!」バッ

少年「……」ザッ

友(帰ってきた……あれ? なんか変わった? あ……眼か!)

少年「あたま、ひやしてきた。あんたはわるくない」

鉱竜「……」

少年「眼帯の龍王復活は……絶対に阻止してやる……!」

少年「その後に……鉱竜ハンターを……全員……ぶっ潰してやる……!!」ギリッ

友「そう言えば、龍王の結晶化した魂って、壊せないんですか?」

仙人「古文書によると、非常に強固で、洞窟の壁と融合しているそうです」

仙人「それに、近づくだけで魔力を吸われ、武器を通して触れるだけでも、魔力を全て呑み込まれて死ぬそうですな」

仙人「今こうしている間も、ゆっくりと魔力を外部から吸収し、力を蓄えています」

友「おお……」

片腕「滝の近くで今日は休みましょう。勝負は明日です」

エルフ娘「気をつけて……ローブ達がいつ現れてもおかしくない」

鉱竜「ああ、肝に銘じておこう」

友「じゃ、行くか」

コカトリス「コル!」

――

パチパチ……

コカトリス「クルルル……」モサモサ

片腕「生憎、酒はありませんが」グツグツ

仙人「大丈夫ですな、ほら」スッ

友「瓢箪……」

エルフ娘「あの川、魚が多かったね」

少年「一か所に追い詰めてからシールドで掬い上げるなんて、よく考えたね」

エルフ娘「うん」ニコ

エルフ娘「……?」パチ

少年「?」

エルフ娘「……たくさんの人がこっちに向かってる!!」

片腕「くっ、気付かれたか……」

仙人「困りましたな」

片腕「仙人殿は戦っては駄目ですよ」

仙人「ええ、分かっております」

友「俺達は指名手配されてる身だからな……街にも行けねえ」

少年「正確には僕だけだけど」

片腕「……空だ。相手も浮遊系の魔法を持つ者が居るだろうが、それでもマシだろう」

黒竜「うむ」バサ

鉱竜「……私が残って時間を稼ぐ。先に行ってくれ」

仙人「それは駄目です。貴方が捕まってしまえば、それこそ奴らの思うとおりですな」

片腕「同意見です。早く空へ」

鉱竜「……分かった」バサ

ギュルルルル……

ローブ「そうはさせませんよ?」トッ

少年「ローブ……!!」

片腕(ゲート……何故こうも的確にワープ出来る!?)

眼帯「くっくっく……さて、行きますか」

ローブ「ええ……!」

ローブ「……」ギュルルル

狼達「ガルルル……!」ゾロゾロ

友(ゲートから狼を呼びやがった……ん?)

フェンリル「……ヴルル」ズンッ

友(でかいな、あれは確か……狼の中でも最も位の高い種族って言われてる……何だったっけ)

眼帯「騎士団もそろそろ来るだろうね」

片腕「……」チャキッ

眼帯「やあ、久しぶり。右腕だけで戦い辛くないかい?」クス

片腕「ふん……以前よりも速く動けるようになったよ」

ローブ「お喋りはそこまでにして……」スッ

ローブ「やれ」

狼達「ウォウ!!」

片腕「全て倒すしかない、行くぞ!!」

エルフ娘「……うん!」キッ

鉱竜(母君……あの時の私は、力不足でお役に立てませんでした)

鉱竜(貴女の代わりに……この子を、命に代えても守って見せます)

鉱竜「絶対に……!!」ピキキ

少年「全員……ぶっ殺す!!」チャキッ

片腕「私は眼帯をやる!」ダッ

コカトリス「クルルル……」ギロ

フェンリル「ヴルルル……」ギロ

黒竜「儂はローブをやる。鉱竜殿はあの犬っころどもを掃除してくれ」

鉱竜「ああ」ダッ

少年「死ね!!」ズバァ!

狼「」ボトッ

エルフ娘「少年、落ち着いて」

少年「……分かってる」

友「負けてらんねえ! 行くぜ!」バッ

狼2「ガルル!!」ガッ

友「ッ……!」

友「おおおおぉおぉ!!」ドスッ! ガッガッガッ!

狼2・3・4「」ブシュッ

友(さすがは魔蟹の防具、衝撃をかなり防いでくれる)

友(十手も一発が重い! それに、魔蟹の毒が強力だ!)

鉱竜「ギオオォオォオォ――」ドゴゴゴゴゴゴッ!!

エルフ娘「すごい突進……」

友「鋼よりも硬くて重いもんが、あの速度でぶつかってきたら、そりゃ強いわな」

エルフ娘「!」カッ

狼5「!」バン

友「うおっ、サンキュ」ドゴ

エルフ娘「もう、ちゃんと周りを見て!」


フェンリル(まさか同じ王の種族と戦える日が来るとはな……嬉しいぞ、鶏王よ)バッ!

コカトリス(私は……ただ、彼らの力になりたいだけだ、狼王!!)スカッ パァン!

フェンリル(ぐぅ……何故奴らの元についている?)ズバッ!!

コカトリス(ッ……!! その言葉、そっくりそのまま返そう!)ボタッ

フェンリル(ククク……これは一本取られたな!)ドゴォ!

コカトリス(うっ!!)ドサァ

フェンリル(瞬発力は貴様の方が上だろうが……膂力は自分の方が遥かに上だぞ?)

コカトリス(……)フラッ

フェンリル(まだ立つか……自分はあの竜族に挑みたいのだが)

コカトリス(負けない……絶対に負けない!!)キッ

フェンリル(ほぉ、良い目をする……よかろう! 自分がきっちり止めを刺してやる!)ダッ!!

コカトリス(はっ!)ビュン!

フェンリル「ッ……ガルアァァ!!」ブヂィ!!

コカトリス「キャアアアァアァ!!」ドシュ

フェンリル「!?」

フェンリル(貴様、目を……!)

コカトリス「クオオォオォ!!」ズドッ!

フェンリル「……!!」

フェンリル(ククク……尾を食いちぎってやったと言うのに、怯まず攻撃してくるとはな)

コカトリス(うっ……)ドサッ

フェンリル(恐れ入ったよ……相討ちとはいえ、覚悟で負けたようだな)フラ

フェンリル(自分の負けだ)ドサッ

黒竜「貴様……何者だ……?」

ローブ「……」

黒竜「感じるぞ、我らの力を……」

ローブ「……」

黒竜「ガァ!!」モワッ!

ローブ「……」ズオォオォ

黒竜(相殺した……やはり、我らの力を持っている。少年のような存在か?)

黒竜「何か喋ったらどうだ?」

ローブ「……」

黒竜「だんまりか……」

黒竜(闇属性……何をしてくるか分からない、が……)

黒竜(このままでは時間を浪費するだけだ)グォッ

黒竜「ふん!」ザシュッ

ローブ「……」

黒竜(致命傷にならない程度に回避して受けた……?)

ローブ「……」ニタァ


片腕「はっ!」ガキン

眼帯「忘れたのかい? 俺の魔法は最強の結界」

片腕「どんなに強固な結界でも……時間が経てば経つほど弱くなる!」ガガガガ

眼帯「分かってるじゃないか、だが」

少年「……ああああ!!」ズドッ!!

片腕「爆炎突きか……良いぞ、その調子だ!」

眼帯(さすがに全方位ガード型は、長時間もたないな……こうなったら割られる前に)

眼帯「ハハッ!」ブンッ

少年「!」ギィン!

少年「この音、まさか」

眼帯「ああ、鉱竜の甲殻を使った、東の国に伝わる「刀」と言う剣さ」

眼帯「鉱竜の素材を、徹底的に研ぎ澄ました匠の一品……」

少年「このっ……!!」

片腕「待て、これは釣りだ!」ドゴッ

少年「!!」ズババッ

狼6・7「」ドサ

眼帯「気付いちゃったか」

眼帯「さすがに二対一は不利だなあ……」

眼帯「まあ、もう大丈夫か」チラ

「忌子はすぐそこだ!」

片腕「くっ……追いつかれたか」

眼帯「さあ、どうする?」シュイン

片腕(狼の邪魔のせいで……剣に切り替えたか!)

少年「チッ!」ボッボッボッ

眼帯「効かないよ」ブツツッ

少年(あれが最強の剣……火球もぶった切るのか)

眼帯「さてと」ヴン

少年(刀に最強の剣を纏わせた?)

片腕「――!! リーチが伸びる! 下がれ!」ダッ

少年「!」サッ

眼帯「ハハッ!!」

ズバッ!!

少年「!?」

少年(この間合いで……この木を切断した!? 今のは……)

片腕「すまない、言い忘れていた。奴は刀に最強の剣を纏わせ、瞬間的にリーチを二倍に出来る」ギリ

眼帯「へえ……分かってるじゃないか。斬られた技は忘れないって感じかな」

少年(初見殺しだな。あの技で片腕の左腕を?)

騎士長「目標確認!」ザッ

鉱竜「……!」

眼帯「さて、後はあいつらに任せよう。ゲートと「あれ」をする魔力は大丈夫かい?」

ローブ「……」

騎士長「私は片腕、鉱竜討伐隊は陣を組み直して行け! それ以外は余っている者を取り押さえろ!」

「はっ!」

眼帯「俺らは高見の見物と行こうか……しかし、金で雇った連中共が鉱竜を狩れるかね?」

ローブ「……」


片腕「くっ」ビリリッ

騎士長「久しぶりだな、最後に剣を交わしたのはいつだったか?」バチバチ

片腕「戦いの最中に……無駄口を叩く余裕があるとは、な!!」ガンッ!

騎士長「ッ……刃を持って柄で殴るとは、随分と丁寧じゃないか」

騎士長(奴の手袋は……耐電性に優れる物で出来ているな、対策済みと言う訳か)

少年「吹っ飛べ!!」シュボッ!!

騎士長「ぐっ!?」バヂィ

少年「今のは……」

片腕「あれは騎士長だけが使いこなせる、知属性の加護を受けた鎧だ」

片腕「お前はエルフ娘の所へ行け、どうやらコカトリスがやられたようだ!」

少年「!!」バッ


包帯「ブツブツブツブツ」シュルルルル

鉱竜(チッ、異質系……包帯を媒介にして動きを封じる魔法か!)ギチチッ

大剣使い「ぬうぅうん!!」ドゴォ!

鉱竜「ガッ……!?」フラッ

青髪「行くぜ!」ドボッ

水髪「ああ」ヒュオオォオォ

鉱竜(これは……水と冷気!)ピキン

大剣使い「今じゃあ!」グオッ

鉱竜(こんな所で……負ける訳にはいかん!)パリン ブチ

鉱竜「ギオオオォオォ――」ブンッ!!

青髪「まずい、大剣……」

大剣使い「!?」バキィッ!!

水髪(あれが鉱竜の最強の武器、尾……! そのしなりから生まれる破壊力は、「鉄神の鎚」と呼ばれるが)

大剣使い「」ドサッ

水髪「大剣を破壊するなんて……!」

鉱竜「おおっ!!」ゴッ!!

水髪「がっ……」ドサ

青髪「おっ!!」ドサ

包帯「ブツブツ……ッ!!」ドサ

「キヒヒ……そんなんじゃあいつは止めれないよぉ……」

鉱竜「!」

マフラー「縛るだけじゃ駄目だよぉ……僕なら狩れる……キヒヒ」

鉱竜「……」ギロ

マフラー「キヒヒヒ……動きを止めろぉ」サアアァアァアアァ

付き人「御意」トン

鉱竜「!?」

鉱竜(こいつは地属性だな……足場が泥濘に!)ドロォ

鉱竜「ぐっ……」バサッ

付き人「飛ばすか!」トン

鉱竜(! これは、泥で出来た手……!?)ググッ

マフラー「よし……下がっていいぞぉ」

付き人「はっ」サッ

鉱竜(鬱陶しい……しかし、奴が発生させたあの霧の球、一体何なんだ? 拡散して広がっているが)ググッ

マフラー「キヒヒヒ……!」

鉱竜「――!!」ジュッ

鉱竜(これは、酸の霧……!!)

鉱竜「あっ……!! ぐううぅう……!!」ジタバタ

マフラー「死なない程度に溶かしてやる……」ニヤニヤ

マフラー「僕の水属性の魔法「酸の霧」は、まず……目から使えなくしていくぞぉ?」

マフラー「お前は四竜の中で唯一ブレスを持たず、自分の身体のみで戦うらしいなぁ……?」ニタァ

鉱竜「……!」ヌポッ

鉱竜(ようやく外れた!)

鉱竜(今は目を開けては駄目だ……)バサバサ!

マフラー「ちっ……翼で風を起こしたかぁ」

マフラー(霧がこっちに来る……)タッ

鉱竜「逃がさん!!」バサッ ゴォッ!

付き人(突進では無く滑空……! 泥の手だけでは、動きを止めきれない!)ドチャッ

付き人「ああっ!」ドゴッ

マフラー「キヒヒヒ……」スッ

マフラー「そこだぁ!!」バシャッ

鉱竜「!?」クンッ

鉱竜「ぐっ……あああぁあぁ!!」ジュウゥウゥゥ

マフラー「チッ……右肩かぁ……でも、機動力を削ぐには十分だなぁ……?」ニタァ

鉱竜「ハッ……ハッ……」

マフラー「知ってるぞぉ……? お前らは重くて硬いが故に、高速移動にはかなりの体力を使うってぇ……」

マフラー「それに、お得意の硬化は僕には通用しない……」

鉱竜(こいつ……魔法を隠していたな……酸の霧だけでは無く、普通の酸も飛ばせるのか!)

マフラー「終わりだぁ……」スッ

鉱竜「――ガァ!!」ボッ

マフラー「ゴハッ!?」

鉱竜「お前は一つ勘違いをしている……我らは「属性付きのブレス」を撃てないだけで」ゼェゼェ

鉱竜「ドラゴンブレス……つまり、基本の「風圧のブレス」は撃てるぞ?」

マフラー「そん……な……聞いてないぞぉ……」ドサッ

友「くっそ……コカトリスがやられちまった」

少年「ああああぁああぁあ!!」ボボボボボボッ

騎士達「くっ……」ジリッ

仙人(困りましたな……相手の位置取りが上手く、抜けきれません)

仙人(少年君の火球で牽制していますが……いつ破られてもおかしくありませんな)

仙人「こうなったら……何とか隙を作り、滝の奥へ行った方が良いかもしれませんな」

エルフ娘「でも、まだ魔法が完成してないんでしょ?」

仙人「一つだけ方法があります」ニコ

エルフ娘「……?」

騎士「はっ!」ダッ

少年(突っ込んできた、炎を灯した剣か……力はこっちが上だ、片手剣で受け流して)ヂヂヂヂ 

少年(そのまま爆炎突き!!)ギィン ズドッ!

騎士「ぐはっ!」

騎士2「ちっ!」ギュン

少年(こいつは肉体強化か!)シュボッ!

騎士3「隙あり!」ブン

少年「チッ……」ピキキ ガキン!

少年「!?」シュルルル

少年(こいつの魔法は……剣に触れた者を鎖で縛る魔法!?)

騎士3「そこだ!」

仙人「させませんな……「爆破」!」ビリッ カッ

騎士3「!?」ドサッ

少年「助かった!」ブチブチ

友「ぐっ……」ガキン グイッ

騎士4「!?」ポロッ

友「よし!」ドゴ

騎士4「がはっ……はぁ!」バチチチ

友(しまった、剣を奪っても魔法が――)

エルフ娘「危ない!!」バチィ シュドッ!

友「悪い!」ドゴォ

騎士4「ごふっ……」ドサ

友(くそ、少年は一人で戦ってるっていうのに……俺は一人じゃ誰も倒せないのか!)

騎士5「忌子には肉体強化系以外は剣を使うな! 魔法で攻めろ!」

騎士6「ああ!」

少年「こっちに来るな!! 死ね!!」ボボボボボボッ!

騎士7「フッ……」カキン!

少年(!? 炎を弾き返され……)ピキキ

少年「ぐっ!!」

少年(危なかった……鉱竜の衣を羽織ってなかったら、やばかったな……ん?)シュウウゥゥ

エルフ娘「……少年、またあれを使うよ」ボソボソ

少年「了解」ズズ……ピキピキピキ!

騎士7「本性を現したぞ、気を付けろ!」

少年(両手剣の切っ先に、爆炎を集中させて……)ヂヂヂヂヂヂ

友「あれか」ボソ

仙人「了解です」ビリッ

仙人「……「雷撃」!」カッ!

騎士達「!」サッ

エルフ娘(騎士達が集まった!)

エルフ娘「行くよ――【閃光】!」カッ!!

騎士達「うっ!」ジリッ

少年「……」ダッ!

少年「……ああっ!!」ズドッ

ドォオォオォン!!

騎士達「うあっ!?」

少年「……それほど反動は来ないな」タッ

友(地面に向けて爆炎突き……まるで噴火したみたいだ! 騎士達が吹っ飛んだぞ!?)

盲目騎士「……」ブン

少年(こいつ、目が見えないのか?)ギィン

盲目騎士「はっ!」ヒュバババ

少年「くっ!」ガキキン

少年(魔法は知属性の探知か? 動きは速いけど……カウンターで決める!)ググッ

鉱竜「大丈夫か!」ザッ

少年「鉱竜……怪我してる!」

鉱竜「大丈夫だ……ハァ、ハァ」

鉱竜(まだまだ残っているな……まずいぞ……)ゼェゼェ


騎士長「ハッ!!」キィン

片腕「チッ!」キィン

騎士長「そこだ!」ガシッ

片腕「しまっ……」ビリッ

騎士長「ぬん!」ブン

片腕「くっ……」キィン!

片腕「ハッ、ハッ……」

騎士長「どうした、やはり右腕だけでは動きが悪いな……」

片腕「……お前、もだろう……ハッ、お前の魔法「帯電」は、自分にも負荷がかかる……」

騎士長「ほう……気付いていたか。だが……」

騎士長「それがどうした……」バチチチチチチチチ

片腕(ありったけの魔力を……捨て身の一撃をするつもりか!)

眼帯「……おっ? ローブ、そろそろ」

ローブ「……」

鉱竜「ギオオオォォ……!」ゴッ

騎士達「ごはぁ!!」ドサササッ

鉱竜「ハァ……ハァ……」

少年「もうバテバテじゃないか、下がってて!」

鉱竜「……ハァ、ハァ……!」

騎士8「捕まえ……た!」シュルルル

鉱竜(植物のツタ……! まずいぞ、今の体力では抜けきれん……)ググ

ローブ「……」ヴヴン

眼帯「よーし! 良くやった!」

鉱竜(力が抜けていく……)

少年「させる……かあぁあぁ!!」シュボボボボッ!!

眼帯「さっさと済ませてくれよ?」バチチチィ

少年(硬い……!)ギリ

鉱竜「少年……すまない……」

少年「謝るな!! あんたは何も悪い事はしてない!」ガガガガガッ

眼帯(こいつ、魔力の残量を考えてないのか? すごい攻撃を繰り返してるけど……)

鉱竜「……ありがとう」

少年「まだ!! あんたの事を!! 何も!! 知らないんだ!!」ズドッ!!

眼帯「くっ……ローブ、まだか?」

鉱竜「少年……どうか……無事で……」

鉱竜「」ドサッ

ローブ「!」ニタァ

眼帯「よし、行くぞ!」

仙人(何という事だ……このままでは!)

少年「許サない……」

少年「……ああアああアアああァア――!!」ダッ!!

友「お、おい、少年!」

眼帯「遅いよ、それじゃ」ギュルルル

少年「……!」スカッ

エルフ娘「少年!! 落ち着いて!」

少年「僕が……弱イせいで……」フシュー

仙人(本当にまずいですな……もう魔法札も切れそうです)

仙人「……ん? 空に浮かんでいる、あれは……」

騎士8「あ、あの炎のドラゴン……まさか!」

「そこまで、ですよ」タッ

騎士9「あ、あ……」

騎士9「王子様!!」

王子「仙人殿の連絡が無ければ、見つかりませんでした……」

騎士10(空に大量の鳥が……あれに乗っているのは)

紅蓮の騎士長「王子様、ここは我々にお任せ下さい」タッ

騎士9(王子様の所有する騎士団……「紅蓮の騎士団」!!)

騎士長「な……貴様……何だ……今の魔法は……」

片腕「出来るだけ温存しておきたいのでな……ハァ」

騎士長「……私の鎧が効かないとは……」ドサ

片腕「……あれは王子様の……!」タッ

紅蓮の騎士長「片腕、大丈夫だったか?」

片腕「紅蓮の騎士長……助かった」

紅蓮の騎士長「こいつらは私たちが制圧する。お前は進め! 少しだが魔法薬だ」ブンッ

片腕「感謝する!」パシッ

エルフ娘「……止血はした、けど……尾を食いちぎられてる……駄目かもしれない」グスッ

コカトリス「……」ピクピク

友「あの泉の水を飲んでたんだし、きっと大丈夫さ……」シュン

少年(……? 鉱竜化を解いたのに、甲殻が外れない……?)グッ

仙人「とにかく、急ぎましょう!」スッ

仙人「ブツブツ……」

ザアアァアアァ……ァ……

エルフ娘(石版を取り出して謎の呪文を唱えたら……水が引いて石の通路が出てきた!)

友「滝が真っ二つに割れた!? どうなってんだ!?」

王子「こんな仕組みになっていたのですか……!」

少年「ハァ……ハァ……」

片腕「紅蓮の騎士長から貰った魔法薬だ、飲みなさい。少しだが魔力を回復してくれるぞ」

少年「……ぷはっ」

仙人(どうします、かなり兆候が)ボソ

片腕(今話しても、余計に焦りを生みます)ボソ

片腕「……よし、行こう。奥から魔物の気配がする。気を引き締めてな」

「――よう、随分と化け物らしくなったじゃねーか」

少年「!!」バッ

青年エルフ「魔法書を買いに行っている間に、こんな事になってたとはな」タッ

仙人「!」

青年エルフ「あんたらは先に行っててくれ」

仙人「しかし……」

青年エルフ「あんたの言ってた魔法なら、龍王を倒せるんだろ? 時間が無い!」

少年「……先に行ッて、僕ノ事は良いから」

片腕「……すまない!」タッ

王子「私も同行します、魔物は任せて下さい」

仙人「助かりますな!」

青年エルフ「さて、邪魔者は居なくなった」

友「そんなにのんびりしてて良いのかよ? 龍王が復活するんだぞ!?」

青年エルフ「この龍殺しの剣は、生きた竜にしか効かない。今は彼らに任せる」

青年エルフ「俺は片っ端から古い文献を集め、ドラゴンナイトの事……そして、俺達の事を知った」

エルフ娘「!」

青年エルフ「今のお前を狩るなんざ容易いが……その子には知る権利があるな」

青年エルフ「ドラゴンナイトの真実を知り……それを知った上で、決断した事なら、俺はそれに従おう」

少年「ドラゴンナイトの真実……?」ゼェゼェ

少年(息が苦しい……意識が……ぼーっとする……)

青年エルフ「話してやるよ、俺達がどんな目にあってきたか」

――

――遥か昔、非常に栄えていた、エルフの王国があった。

とても平和で、人々は皆笑顔で日々を過ごしていたそうだ。

王家には、三つの種族からなる友人がいた。

鉱竜、雲竜、地竜。

王家と彼らは深い絆で結ばれており、竜と人が手を取り合って生きていたらしい。

王家には、千年に一人の逸材と呼ばれる、膨大な魔力を持ったエルフの姫がいた。

そんなある日、彼女は一頭の竜に喰われた。

黒い甲殻に覆われた、禍々しいドラゴン……そう、黒竜だ。

その黒竜は特に強い個体だったらしく、一頭で城を突破したらしい。

……奴らの能力は「火・水・地・知・雷の基本五属性の吸収」。

エルフ族の魔力は「知属性」。

エルフの姫の魔力は黒竜に吸収され、その強すぎる力は、黒竜に「知性」を与えた。

こうして、最強の魔力を持った知性ドラゴン、「龍王」が誕生した。

龍王は、全ての生物の頂点に立とうと考えた。

しかし、王家の友人達も黙ってはいない。

三種の竜の群れが、龍王に挑戦した。

結果は敗北。かなりの手傷を負わせたものの、倒しきれずに倒れてしまった。

その後、一人の勇者がそれに続き、見事龍王を討ち取ったと聞く……。

そうして世界は救われた、かのように思われた。

――

青年エルフ「しかし、エルフの王国が崩壊後、「エルフ族を喰えば知性を得れる」と勘違いされ……」

青年エルフ「数多くの同胞が、モンスターの餌にされてきた」ギリッ

エルフ娘「……」

友「待てよ、それならお前が恨むのは、黒竜だけなんじゃないか?」

青年エルフ「いくら強い黒竜でも、たった一人で城を突破出来る訳がない」

青年エルフ「エルフの兵士達、それに数が少ないとはいえ、三種の竜が守っているからな」

青年エルフ「と、言う事は……何者かがその手引きをしていたんだよ」

少年「……まさカ」

青年エルフ「――そう、一頭の鉱竜だ」

エルフ娘「……!!」

青年エルフ「だから俺は、ドラゴンを一匹残らず殺す」

青年エルフ「それが、今まで餌にされてきた同胞たちへの……弔いだ」キッ

少年「……」フラッ

エルフ娘「! 大丈夫?」ピトッ

少年「――!!」ズキッ

少年(なんだ……? 頭に流れ込んでくる……これは……記憶……?)


『おい、何故だ……老鉱竜殿!』

『まさか、貴方が裏切るなんて……』

『……何故じゃ? お主ほどの竜が、何故反乱を……派手に暴れおって』

『儂はもう飽きたのだよ……この生ぬるい世界が』

『王国に手を出すと言うのなら、容赦はせんぞ?』

『フン……最初から貴様ら相手に勝てるなどと思うてはおらぬ』

『だが――今頃、城はどうなっているかな?』

『――グオオォオオォオォオォオォオオォオオオォ!!』

『何だこの咆哮は!? 見ろ、城に火が!』


『……姫!?』

止められなかった

『……グルルル……』

我らの失態

『ハハ……そウか……これが心ト言う物か!』

どうか どうか

『クク……我は……全ての王トなる……!』

守ってやってくれ

『――貴様、許さんぞ!!』

姫を

『貴様らが我を倒せルと思っているのか……?』

『私達が駄目でも、我らの意志を継ぐ者が、必ずお前を倒してみせるさ』

『無駄だ……諦めろ。貴様らとハ魔力量が違う』

『いいや、絶対に諦めないさ』

『――鋼の誇りにかけて』

少年(……これは! 何故このタイミングで……まさか、エルフ娘は)

青年エルフ「さあ、もう一度聞くぞ」

青年エルフ「――お前は、どうする?」

友「……」

エルフ娘「私は……」

エルフ娘「……」チラ

少年「!」

エルフ娘「私は――それでも、この人を守りたい」

エルフ娘「確かに、鉱竜が裏切ったのかもしれない。そのせいで私達の仲間が殺されてきたのかもしれない」

エルフ娘「それでも……この人達は、私の恩人だから」

青年エルフ「そうか……お前はそう選択したんだな」

青年エルフ「分かった。時間を取らせたな……さっさと追いつこう」

友「良いのか?」

青年エルフ「俺とお前らの利害は一致してる。今ここで争っても、余計な体力を使うだけだ」

エルフ娘「だって。……行こ?」ニコ

少年「……分かッた」ボロ……ボロボロ……

少年(! ようやく外れた。でも、一気に外れない……身体と完全に融合しようとしてる……)

少年(やっぱり、鉱竜化は身体に負担がかかるんだ。息が苦しい……)

エルフ娘「?」

少年「何でもナイ……急ゴうか」タッ

――

片腕「くっ、なかなか強力だな……」

ゴーレム「ttsr……」

王子「爆炎が効きませんね……だったら」ボッ

炎ドラゴン「ギャアァアス!!」ドゴッ

ゴーレム「ytg hkkt syut stir……」フラッ

片腕(炎を実体化させて創ったドラゴン……相変わらず桁違いの魔法だな)

炎大蛇「シャアァア」シュルルルル

ゴーレム「ttsr……」ググッ

王子「行きましょう」

仙人「助かりますな……」

片腕「仙人殿? 大丈夫ですか?」

仙人「ええ」

仙人(覚悟は決まりました)

片腕「見えてきましたよ……あれは」

眼帯「来たか」カッ

王子「出口を結界で防がれましたね……」メラメラ

眼帯(王子の魔法を長時間耐えるなんて不可能だ……)

眼帯「ローブ、さっさとしてくれよ?」

ローブ「さあ……今コソ……」スッ

ローブ「復活セヨ……!!」ポウッ

王子「下がっていて下さい」スッ

王子「はああぁああぁあ……!!」ゴオオォォオ!!

眼帯(ぐっ……なんて炎だ……!)バチバチッ

仙人(まずい……あの結晶からエネルギーが溢れ、龍王の魂に吸収されていく……!)

王子「……!!」ゴオオオォォオオ!!

眼帯(くっ……割れる……!)

――バキン!

片腕(眼帯の結界が壊れるのと、それが眩い光を放って飛び散るのは、同時だった)

片腕(黒いオーラを放ちながら、姿を現していくその身体……)

龍王「……」スー スー

片腕「これが……龍王……!」

仙人(集中……集中……)

眼帯「くっ……」タタッ

王子「もう何もさせません!」ボッ!!

眼帯「ぐっ……こんな炎の錠くらい……う!」ジュッ

眼帯(くそ、力に反応して温度を上げる仕組みか……)

ローブ「ハァ……ハァ……!!」パサッ

片腕「……!? あの顔は!?」

片腕(右半分が黒竜の顔に……いや、まるで無理やり乗っ取られているかのような)

王子「あれは一体……」

眼帯「ハハッ、俺達だって、龍王を従えれるなんて思っていないさ」

『――おい、聞いたかよ。あいつ、闇属性の魔法を持ってるらしいぜ』

『うえ、気味悪いな……』

『この村に居られても迷惑なんだよな……早く死ねばいいのに』

ローブ「コンナ世界なド……」ギリッ

龍王「……」パチ

ゾワッ!!

王子(目を覚ましただけで、背筋がぞっとする魔力……!! これで従来の半分ほどですか)

龍王「ようやく……復活……したか……あの童め……」ググッ

ローブ「イイエ、オシマイデスヨ?」ヴヴン

龍王「!?」

ローブ「アナタニ用はアリマせんが……ソノ身体、イタダキマス」ズズズズ

龍王(何だこの魔法陣は……!? この人間、我の力を……!?)

龍王(馬鹿な……身体が動かん! 魔力が吸い取られ……)

龍王(いや、違う!! 奴の身体が、我に融合して……)

龍王「貴様……我を乗っ取る気か……!!」

ローブ「ヨコセ……!!」

ズオオォオォオォ――


???「……」

眼帯「さて、どうなるかね」

???「フフフ……フハハハハハハ!!」

龍王(ローブ)「成功です!! この時をどれほど待ち望んだ事か!」

眼帯「!」ニヤ

龍王(ローブ)「まずは……天井が邪魔ですね」ボッ!

ドゴオオォオオォオォォ!!

青年エルフ「もうそろそろだろう」

ドゴオオォオオォオォォ!!

友「!」

青年エルフ「……走るぞ!」

ー虹ヶ滝洞窟 最深部ー

少年「広い……こンナ空間があったのか」

友「あれが龍王……!」

友(黒竜と同じ形だが……角が二本じゃなくて三本だ。それに、胸にピンク色の結晶が埋め込まれてるな)

片腕「来たか!」

龍王(ローブ)「……フフ」ギュルルル

ケルベロス「グルルル……」ズゥン

クラーケン「オオ……」ズオォオォオォ

眼帯「ゲートを使う魔力も復活だな。もう捕えた魔物はいないんじゃないか?」

龍王(ローブ)「ええ、そのようですね」

仙人(地獄の番犬ケルベロスに、海の怪物クラーケン……準備は整った。覚悟も出来ている。ならば――)

仙人「奴に近づきたい。少しサポートをお願いしますな」

王子「はい」

片腕「分かりました」

片腕「はああああ……!!」スゥッ

少年「!?」

片腕「……よし」

少年(身体に白と赤の模様が走って……これ、見た事ある……雲竜だ!)

片腕「これが「契約」の恩恵だ。雲竜様に血を捧げ、長い間、少しずつ彼女の魔力を浴びる事によって」

片腕「ほんの僅かだが、雲竜様の力を使える」ヒュオォオォオォ

龍王(ローブ)「その暴風のバリア……確かに、雲竜のものですね」

龍王(ローブ)「ですが……代償も大きそうです。ワタクシは一切無いですがね」クスクス

片腕「私はクラーケンをやります」タッ

王子「分かりました」ボッ

クラーケン「オオオオオオ……」ブンッ!

片腕「遅い……はぁ!!」ヒュンッ

クラーケン「!?」ズババババ

眼帯(かまいたち……俺達の時には使っていなかったが、剣があるせいか?)

片腕「ぬんっ!!」ヒュンッ ボトッ

クラーケン「オオオオオ!!」ニチュニチュ

片腕(! 再生……何らかの改造を受けているな、ならば)

片腕「……」ヒュオオォオォ

片腕「――ぬんっ!!」ゴッ!!

クラーケン「」ボトボトッ

片腕(竜巻でバラバラにしてしまえば、再生も間に合わんだろう)

片腕「仙人殿、今です!」

仙人殿、早く!今です!

ケルベロス「グルルル……」

王子「なるほど……右の頭は」シュボッ!

ケルベロス「ガル!!」バクン

王子(魔法を喰らう、そして左の頭が)

ケルベロス「ガアア!!」シュボッ!

王子(食べた魔法を吐き出す、しかし、物理攻撃は)スッ

炎ユニコーン「コルルル……」ギュンッ

ケルベロス「グオオォォオォオ!!」ガァッ

炎ユニコーン「」バリンッ

王子(真ん中の頭が、強烈な衝撃波を放つ……大体分かってきました)

青年エルフ「動きがかなり俊敏だな、だったら」

少年「いや……相手ノ行動ヲ逆手に取ル……隙を作ルから」

少年(甲殻を少し生成、それを外して……)ポロッ

少年(――火竜の爆炎に乗せて、右の頭に向けて飛ばす!!)シュボッ!

ケルベロス「グル……オッ!?」グサッ

王子(なるほど)ボオオォオォオォ!!

青年エルフ「ハッ!」シュドドッ!

ケルベロス「」ドサッ

王子「右の頭は、絶対に魔法を喰らう習性がある……それを利用して、甲殻を飛ばして攻撃したのですか」

少年「う……」フラッ

青年エルフ「もう限界じゃねえか、情けない……下がってな、俺達がやる」

少年「マダ……いけル……」

友「おい、無理すんな」ガシッ

少年「クソ……」

エルフ娘「大丈夫?」

少年「うン……」


「仙人殿、今です!」


王子「片腕、あれは……雲竜の力?」

青年エルフ(あの爺さん……やる気だ!)

――

青年エルフ『龍王を倒す魔法……? そんな魔法があるのか?』

仙人『自らの手で生み出すのですよ。龍王を倒すとなると、かなり長い年月を必要としますがね』

青年エルフ『一体どんな……』

仙人『龍王の魔力全てを消し去り、結晶化させている魔法ごと昇華させます』

仙人『奴を倒すためだけの魔法、その名は――』

――

仙人「――「龍王消滅」」スッ

――カッ!! 

龍王(ローブ)「が……ぎゃああああぁああぁああ――!!」バチバチバチバチッ!!

眼帯「なっ……お、おい! ローブ!?」

眼帯(何だこの魔法は……!? くっ、爆風で目が開けれない……)

シュウウウゥウゥウゥウゥ……!

仙人「ハッ……ハッ……」


「貴様……よくも……!!」


仙人「!」

龍王(ローブ)「まさかそんな魔法を隠し持っていたとは……」ボロッ

仙人(身体の所々で、肉や骨がむき出しになっているが……倒しきれてはいない!)

仙人(完成していない分、「命」を注ぎ込んで補ったというのに……)フラッ

仙人「……無念……後は……頼みます……」ドサッ

片腕「仙人殿!!」

龍王(ローブ)(危なかった……本当に危なかった……)

龍王(ローブ)(ワタクシが融合していなければ、本当に消されていた……)

龍王(ローブ)(ほとんどの魔力を持っていかれた……)

龍王(ローブ)(まずいぞ……黒竜の固有能力を消された、王子の魔法が通ってしまう!)

眼帯「おいおい、まず俺の錠を外せ! 時間稼ぎをする!」

龍王(ローブ)「ゲホッ!」ブツ

眼帯「よし」

龍王(ローブ)(仕込んでおいて良かった……)

龍王(ローブ)(抵抗されては厄介です、それに奴らを動揺させて、傷の再生までの時間稼ぎをせねば)パチン

龍王(ローブ)「……」ニタァ


龍王(ローブ)「 や れ 」


青年エルフ「……?」

少年「あいつ、何を……」

――ガツン!

王子「うぁ……」ドサ

エルフ娘「……!?」ドサ

少年「……え?」

青年エルフ「てめえ……何しやがる!!」ドゴォ

少年「何……やッテるんダよ……?」

少年「――友……?」

友「……」ドサ

少年「おい!! 聞イテんのか!?」

青年エルフ(後頭部を……重症では無さそうだが、二人とも気絶してる!)シュウゥウウゥ

龍王(ローブ)「お疲れ様でした……今までよくやってくれましたね。解除してあげます」パチン

友「……?」

友「お、俺は……俺は何て事を……!?」ブルブル

少年「……?」

龍王(ローブ)「フフフ……彼を責めるのはお門違いですよ?」

眼帯「……くくくっ」

龍王(ローブ)「考えてみて下さい……何故彼はアナタの元へやってきたのでしょうか?」

少年「……マサか、お前の仲間……」

龍王(ローブ)「いいえ、そうではありません」

龍王(ローブ「龍王の存在を知り、ワタクシ達は動き出しました」

龍王(ローブ)「龍王の制御が第一の難題ですが、これはとある遺跡で、龍王の鱗の欠片を入手しましてね……」

龍王(ローブ)「これを身体に埋め込む事によって、拒絶反応を出さずに融合出来るようにしました」

龍王(ローブ)「さすがは龍王、凄まじい力でワタクシの身体を乗っ取ろうとしてきましたよ」クスクス

龍王(ローブ)「そして四竜。地竜は山沿いを探せば、黒竜はワタクシから溢れようとする力を使えば良いのですが」

龍王(ローブ)「困ったのは雲竜と鉱竜です。どちらも数が少ない上、探すのは困難です」

龍王(ローブ)「そうして探しているうちに噂を聞いたのですよ、とある鉱竜が雪山で卵を産んだ……と」

龍王(ローブ)「ですが、明確な情報は無く、ようやく見つけたと思いきや、もぬけの空」

少年(氷竜のおじさんの言ってた通りだ……住処を大きく移して正解だったのか)

龍王(ローブ)「ようやく捕えた氷竜は、記憶を読み切る前に自害されましたし」

少年「……嘘だ!! 絶対嘘ダ!!」

龍王(ローブ)「辛うじて南の方角へ行ったと分かりましたが、それでも探すのに苦労しました」

龍王(ローブ)「そして、ようやくアナタを見つけたのですよ……ですが、まだ鉱竜の力が育ちきっていませんでした」

龍王(ローブ)「所詮アナタも鉱竜の代用ですが、ワタクシは保険を付けたのです」

龍王(ローブ)「それが彼ですよ」

友「あ、あああ……」

龍王(ローブ)「時間をかけて、ゆっくりと催眠術を刷り込み、無意識の内に命令をこなすようにしたのです」

龍王(ローブ)「アナタを旅に誘ったのも、ワタクシの命令です。実行した少し前に、成体の目撃情報を得ましたが」

龍王(ローブ)「知っていますか? 龍王を倒した者は、雲竜と人間との忌子だと言うことを」

少年「!」

龍王(ローブ)「ですが、所詮は忌子。飛竜などで試してみましたが、寿命は非常に短い」

龍王(ローブ)「そして、力を使えば使うほど、竜の血に染まっていき、最終的には……死ぬ」

片腕(……!! 伏せておいた事を!)

少年「……ソンナ事、ずっと前から分かっッテル」

龍王(ローブ)「ほほう……なら、何故ワタクシがずっとワープしてきたと思いますか?」

少年「……」

龍王(ローブ)「彼に下した命令は、「旅をさせて、四竜を探す」そして、「目玉を付ける」」

龍王(ローブ)「思い出してみてください……彼は必ず四竜の近くにいましたよね」

龍王(ローブ)「強力なステルス魔法を施した、特製の「魔眼蜘蛛」……見えるようにしましょう」

友「……うわっ!」カサカサ

魔眼蜘蛛「」ギョロ

龍王(ローブ)「これによって、居場所はワタクシに筒抜けだったのですよ」

少年「……! まさか、ポーチにも」

魔眼蜘蛛「」ギョロン

龍王(ローブ)「随分と助かりましたよ……まさか雲竜まで見つけてくれるとは」

青年エルフ「……よし、ひとまずは大丈夫だ。じき目を覚ます」シュウゥウゥ

片腕「そうか」

少年「何故エルフ娘まで傷つケタ……!!」

龍王(ローブ)「援護射撃が強力ですからね、それに、気付いているんでしょ」

龍王(ローブ)「その娘は、エルフの姫の生まれ変わりです」

青年エルフ「……!」

龍王(ローブ)「こうなれば、その娘を喰らい、ワタクシは……龍王をも超えた……龍神になる……!」

青年エルフ「ハッ、ほざいてろ!!」ダッ

片腕「行くか!」ヒュンッ

龍王(ローブ)(時間稼ぎはこれまでか……しかし、傷を治す魔力くらいなら溜まりました)シュウゥウゥウゥ!

眼帯「くくっ、第二ラウンド開始だな」チャキッ

龍王(ローブ)「……!?」ガクン

眼帯「おい、まだ動けないだろう。無理はするな」

片腕「奴は炎も問答無用で切り裂く魔力の剣、それと全てを弾く結界を使える」

片腕「結界は出した瞬間は最強だが、時間が経てば経つほど脆くなってくる」

片腕「そして、あの武器に魔力の剣を纏わせ、リーチを二倍に伸ばしてくる」

青年エルフ「了解……ま、あんまり関係ねえな」シュドドッ

眼帯「知属性の矢か、速いね」ガガッ

片腕「悪いが……すぐに終わらせる!」ヒュンッ

眼帯「ッ……!」ギィン!

片腕(後ろを取った、奴も巻き込まない……このまま暴風のバリアを展開する!)トッ

眼帯「しまっ……」

片腕「……!!」フォッ ガクッ

眼帯「!?」

青年エルフ「らぁ!!」

眼帯「ハハッ! どうやら限界のようだね!」スカッ ボッ!

青年エルフ(! 危ねえ、突きのリーチも二倍に……!)ズピッ

眼帯「終わりだ!」ブンッ

青年エルフ「誰が……終わりだって?」ギィン! ドゴッ!

眼帯「がっ……何故壊れない!?」ゲホッ

青年エルフ「ハッ、これは勇者が使ったとされる「龍殺しの剣」だ」

青年エルフ「ある日、ふらっと現れたドワーフが作ったとされるこれは、「絶対に折れない」魔法を込められている」

青年エルフ「てめえごときが折れる剣じゃねえんだよ!」ダッ

眼帯「ハッ……だったら、本気で行くよ」シュイン ビリ

眼帯「「爆破」「氷結」「雷撃」!」カッ

青年エルフ「随分と高い魔法書持ってるじゃねえか」バチィ!!

眼帯「ハハッ!!」ヒュババババ

青年エルフ「チッ!」ガガガガ

眼帯「! そこだ!」グサッ!

青年エルフ「ぐっ……!!」ボタタッ

眼帯「フッ!!」ドゴッ

青年エルフ「があっ……」ドサッ

眼帯「ハハッ……こっちは剣が二つあるんだよ? 君の太刀筋じゃ対処出来ない」

青年エルフ「……は、どうだか」シュウゥウゥ

青年エルフ「てめえは魔法にかまけた豚だ」ビリッ

眼帯「俺を……豚……だと……!?」

青年エルフ「……「筋力強化」」ニヤ

眼帯「お前……誰に物を言っている!?」ダッ

青年エルフ「――おおっ!!」ギィィィン!!

眼帯「ぐっ……」フラッ

青年エルフ「ハッ!」シュドッ!

眼帯「ぐうっ……!!」

青年エルフ「致命傷にはならねえよ。お前はプライドが高そうだからな……それを刺激すれば、絶対に避けないと思った」

青年エルフ「さて……止めだ、龍王」ギロ

眼帯「くそ……ローブ!」

龍王(ローブ)「……」

眼帯「おい、聞いているのか!」

龍王「――グオオォオォオ!!」

眼帯「!?」

龍王「人間ごときが……我の身体を奪いおって」

眼帯(まさか、ローブが呑まれた!?)

龍王「くそ、あの老いぼれめ……何というダメージだ……魔力を補給せねば」ガパッ

眼帯「え……?」

グチャッ!

龍王「……不味い」モグモグ

青年エルフ「おいおい……」

片腕(龍王が復活したか!)ゼェゼェ

片腕「がはっ!」ボタッ

少年「吐血しテル! 横ニなっテて!」ガシ

片腕「すまん……」ドサ

龍王「その娘の魔力は……あの姫の生まれ変わりか……美味そうだ」ニタァ

青年エルフ「てめえ!!」シュドッ

龍王「!」

青年エルフ(やはり、あの爺さんのおかげで……魔法が通る!)

エルフ娘「……!」パチ

少年「! 目が覚メタか!」

龍王「そのエルフさえ喰えば……」

青年エルフ「させっかよ!」シュドドドドド

龍王(知属性の矢の雨か……大したダメージにはならぬが、鬱陶しい)バササ

青年エルフ「ああっ!」ズドド!

龍王(! 大きな柱のような矢を……翼を貫かれた!!)ズゥン

龍王「オオオオ!!」ブチブチ ゴッ

少年(! 無理やり突っ込んで――)

青年エルフ「ハッ」カッ ダンッ!

エルフ娘(シールドを足場にして飛んだ……! あんな使い方が)

青年エルフ「背中、頂いたぜ」ズドォ!!

龍王「ぎっ……ぎゃああぁあぁあ!!」ゴロン

青年エルフ(後ろからじゃ心臓までは貫けなかったか……まあいい、重傷を与えた、後は)

青年エルフ「その首、はね落としてやる!!」ズバッ!

龍王「カハッ……」

青年エルフ「止めだ!!」

龍王「――ガァ!!」ボッ

青年エルフ「ッ!?」バリン ドサッ!

青年エルフ(くそ、喉を斬ったのにブレスを撃ちやがった……身体が動かねえ)ゲホッ! ゲホゲホッ!

龍王「ハァ、ハァ……死ね」シュウウゥウゥ

エルフ娘「……駄目!!」タッ

龍王「……」ニタァ

少年「エルフ娘……」フラッ

少年(くそ、駄目だ……めまいが!)

青年エルフ「逃げろ……」

エルフ娘「駄目!! 死ぬのは……」グイッ

龍王「クク……遅い、その魔力、頂くぞ!」ゴッ

エルフ娘(ッ……結界に、駄目、それも間に合わない!)

龍王「!?」ピタ

エルフ娘「……え?」

バッ

友「――ああああああぁああぁあ!!」ゴリッ!!

龍王「!!」グチャッ

龍王「きっ……貴様ァ!!」ボッ!!

友「……!」ダァン!!

友「がっは……」

エルフ娘「友……!?」

龍王(こいつ、右目を……!!)シュウゥウゥ

少年「ドウして……」

エルフ娘(まずは血を止めないと!)

友「やめとけ……魔力の無駄だ。もろにブレスを浴びちまった……痛みすら感じねえ」

友「ごめんな……俺のせいで……俺は……責任を……いや」

友「都合の良い言葉かもしれないが、単純に仲間を助けたかったんだ……」

少年「……!」

友「お前達と旅が出来て……本当に楽しかった……」ポロ

友「二人とも……どうか……無事でいてくれ……」ニコ

エルフ娘「……終わらせない!!」シュウウゥ

友「やめとけ、どうせもう俺は死ぬ……」

エルフ娘「……死なせないから!」スッ

龍王「羽虫が……邪魔をしおって……!」ボッ

エルフ娘「!!」バチィ ドサッ

エルフ娘「……あ」

片腕「……駄目だ、おそらく……もう……」

友「」

エルフ娘「……嘘……間に合わなかった……」ポロッ

少年「友……」ギリッ

青年エルフ(まずい……最後の矢で魔力も尽きた、動けねえ……)

少年(くそ、何か……何か無いのか! 父さん、母さん!)

――

大長老『自分が遺せる物はほんの少しだが、きっとお前を守ってくれる』

――

少年(! そう言えば、どうして母さんは、これを残したんだろう)

少年(衣は確かに守ってくれる、けど、この首飾りは……)

少年(僕以外を拒絶する、逆鱗の首飾り……)

少年(……)

少年「……本当に、勇者は忌子ダッタの?」

片腕「! ああそうだ、黙っていてすまない……」

片腕「我々は、彼に敬意を込め、「竜騎士」と呼んでいる」

少年「竜騎士、か……」

少年(なんだろう、この感情は)

少年(心の底から湧きあがってくる、この強い感情は)

少年(守らなきゃ)

少年(死んだあいつのためにも)

少年(守らなきゃ……!!)スタッ

エルフ娘「……少年?」グスッ

少年(父さん、母さん)スッ

少年(力を)

少年(――貸してくれ!!)グサッ!!

片腕(逆鱗の首飾りを、胸に突き刺した!?)

ドクン

少年(やっぱり、僕の身体に反応して、母さんの魔力が流れ込んでくる)

ドクン

少年(友……僕は戦うよ)

少年(人にも竜にもなりきれないのなら)

少年(母さんの力)ズズ……ピキピキピキ

少年(父さんの炎)ボッ

少年(二つを……一つに!)

少年「おおおぉおおぉおぉ……!!」ヂヂヂヂヂヂヂ……!

エルフ娘「!」

青年エルフ(甲殻のさらに上に、炎を纏って……いや、これは!)

青年エルフ(甲殻が炎を吸収している!?)

少年「……」バチバチ……ヂヂッ……

龍王「その力……あの童が使っていた、人と竜の力を合わせる術か」

片腕(灼熱の甲殻……!?)

青年エルフ(常にポタポタと溶けた甲殻が流れ落ちているが……あれは)

少年「僕が皆を守る」ギュッ

少年「友のためにも……!」ヂュウウゥウゥ!!

片腕(鉱竜の剣が、少年の熱を吸収して真っ赤に……まさにこれは……)

片腕(夕日の剣……!)

少年「絶対に倒す……僕の命に代えても!」ギュンッ!

龍王「ほざけ!」ブン!

少年「フッ!!」ジュッ!

龍王(こいつの剣……何という温度だ、我の尾を溶断したか!)スウゥウゥ

龍王(接近戦はまずい……ならば!)ボボボボッ!

少年「!」シュバッ ギュンッ

青年エルフ(あいつ、なんて速度……それに、猫のようにしなやかな動きだ!)

少年(さっきの応用だ、溶けた甲殻を左手に集めて……爆炎に乗せて飛ばす!)シュボッ!

龍王「チッ……ぐああ!」ジュッ

龍王(くそ、この爆炎にもあの甲殻が……マグマのようなものか!)

少年「お前はもともと瀕死だった……なのに、傷を何度も治してる」

少年「命を削って魔力を作ってるんだろ? 長くは持たないよね」

龍王「フッ……フハハハハ! 貴様とて同じであろう!」

龍王「その真っ赤な身体、溶けた甲殻が流れ落ちている! 常に甲殻を生成し、形を保っているだけだろう」

龍王「おそらく……じきに身体が溶けて崩れ落ちる」ニヤ

エルフ娘「そんな!」

少年(バレてたか、確かに限界は近い、それでも)

少年「僕はお前を倒す!」バッ

龍王「迎え撃ってくれるわ!」

少年「――鋼の誇りにかけて!」シュボボボッ!

龍王「二度も同じ手が通用すると思うな!」ブォッ!

少年「くっ……」

龍王(見えた!)ギラ

龍王「ガァ!」ボッ!

少年「くれてやるよ……! ガハッ!」グサ!

龍王「があああ!!」ジュウウゥ

龍王(捨て身で我の身体に剣を刺したか!)

シュボオォ!!

少年「右腕一本!! お前に!!」ゴッ

青年エルフ(あれは、爆炎を撃たずに手元で爆発させて……爆風で無理やり突っ込む気か!?)

少年「くれてやる!!」ヂヂヂ

カッ!!

ドゴオオォオォオォ!

片腕(くっ……何て爆風だ、爆炎突きを拳で発動したのか!)

片腕(しかし、あれは夕日の雫の補助があって出来る技……自分の身体でやれば)

少年「うっ……!」

右手「」ドロォ

少年(まずい、右手の形が崩れてきた……もう溶け落ちるのも時間の問題だ)

龍王「ガハッ……貴様……」ズボッ カラン

少年「まだ生きてるのか……しぶといな」

龍王「ウッ……オエ!」

ローブ「……」ボトッ

少年(融合してたローブを吐き出した!?)

龍王(くそ、あの人間の邪魔さえ無ければ!!)ゲホ

龍王(このままでは負ける……何も出来ずに倒されるくらいならば)

龍王「この知性……捨ててやろう!」バキン

少年(ピンク色の結晶が割れた……何かしてくる!)

龍王「せメて……この世界ヲ……道連レニ……!」バサッ!

少年(まずい、空に逃げる!)シュボッ!

龍王「グオオオオオオォオオォオ――!!」

バチバチ……バチッ……バチチ……

王子「!」パチ

片腕「目が覚めましたか!」

王子「これは……何という魔力……あれを地上に撃つつもりですか」

エルフ娘「ッ!!」キイィイイィイン

少年「エルフ娘、友と仙人の遺体を運んで、結界を貼っててくれ」

エルフ娘「え?」

少年(もう身体も限界が近い……これが最後の攻撃だ)

青年エルフ「何をするつもりだ……?」

少年「……ありったけの爆炎を剣に込めて、爆発であのエネルギーごと吹っ飛ばす」

王子「私が同行します、私の力も足しましょう」

少年「……うん」

少年「……片腕、さん。今までお世話になりました」

少年「少しだけだったけど、旅が出来て楽しかったです」

片腕「少年……」

少年「エルフ娘……これからは、自分のために生きてほしい」

少年「いつも気を使ってくれて、ありがとう……」

エルフ娘「……うん」グスッ

少年「青年エルフ……この娘を頼んだよ」

青年エルフ「……おう」

青年エルフ「その……あー……あれだ」

青年エルフ「……お前は俺が倒す、から……帰ってこいよ」

少年「! ぷっ……そっか」ニコ

王子「行きますか、剣に炎を灯して下さい……それと、失礼」スッ

青年エルフ「? ああ」

少年「?」ボッ

王子「はあああ……」

ヂヂヂ……

片腕(少年の剣と、龍殺しの剣が……融合していく……?)

王子「元の素材が同じなら、私の魔法で融合させる事が出来ます。より頑丈になったはずですよ、では」スッ

炎ペガサス「クルル……」

片腕(これは……剣を角に見立てたペガサス!)

王子「では、行きますよ!」

少年「……うん!」

炎ペガサス「!」バサッ

ヒュウゥウウウゥ――

少年(炎ペガサスの中は、別に熱くないんだな。不思議だ)

少年「……」

王子「……少年君、貴方は……今、何を考えていますか?」

少年「……今は……ただ……」

少年「両親と……仲間に感謝してる」

王子「そうですか……それが聞けて嬉しいです」

王子「では、行きますよ」スッ

少年「うん」グッ

少年「あああぁああぁあ……」ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ

王子「はあぁあああぁああぁあ……!!」ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ

少年(何て魔力量……僕の何倍の爆炎を込めてるんだ!?)

龍王「……」バチバチッ

少年(父さん、母さん……ありがとう)

少年(二人の力のおかげで……僕は……)

少年(……大切な人を守る事が出来る!!)ヂヂヂヂヂ!

少年「おおおぉおおおぉ――」

龍王「ガアァア……アッ!」ブシュ!

少年(右目から出血した……友の抉った場所だ! 出血毒が効いてきたのか!)

少年「――ああっ!!」

カッ!!

――

「お、おい、何かあっちの空が真っ黒になってないか!?」

「本当だ……何か紫色のでかいエネルギーが浮いてるぞ!?」

「い、一体どうなって……」

国王「これは――」

側近「どうやら復活したようですね……」

国王「……もう私が出てもよかろう、すぐワープするぞ」

側近「ええ、では術式の所まで行きます。お急ぎになって下さい」

国王「ああ」ダッ

少年エルフ『どうして俺達が迫害されないといけないんだ』

少年エルフ『龍王のせいだ……俺に力があれば……』

国王『来なさい……これはかの勇者が使っていた、龍殺しの剣だ』

少年エルフ『!』

国王『これを君に託そう……と言っても、必要な時は召喚させてもらうが』

国王『もし龍王が復活すれば……君も戦ってほしい』

少年エルフ『わかったよ……重っ』

国王(今、彼も戦っているのだろうか)

「お、おい! どうなってんだ!?」

「あっちの空が真っ赤に……夕暮れ時じゃねえぞ!?」

「世界の終わりか!?」

国王「……!?」

側近「到着です、では、行きますよ!」

エルフ娘「ッ……」ビリビリ

青年エルフ(なんつー風圧……太陽が降りてきたみたいだ!)

片腕「一体……どうなった……!?」

ヒュウゥウゥウ――

ズウウゥウゥゥウゥン!!

龍王「」サラサラ……

青年エルフ「やった……のか!」

炎鳥「……」

片腕「! 鳥に乗って帰ってきたぞ!」

エルフ娘「……! 少年!」タッ

王子「……彼はよく戦いました」

少年「……」ドロォ

少年(身体が内部からゆっくり燃え尽きていく……右腕は完全に溶けてなくなったか)

少年(でも)

少年(満足だ……)

エルフ娘「……まだ魔法書が!」ビリッ

エルフ娘「――「冷気」!」ヒュオッ

少年「外側を冷やしても、もう無理だよ……満足だ」

少年「最期くらい、笑って送ってほしいな」

エルフ娘「……最期じゃないよ」

エルフ娘(少年はまだ間に合う、邪魔もない……命の恩人を、二人も死なせたりしない!)

エルフ娘「全ての魔力を……一つに……」キイィィン

エルフ娘「――「再生」!」

――

母さん、父さん。

今、そっちに行くよ……

……? 何だ? 後ろから暖かい光が……

何だろう……すごく……安心する……暖かさ……

――

「少年!」

少年「!」パチ

青年エルフ「右腕が再生した……何をしたんだ!?」

エルフ娘「私の寿命を半分与えて、「再生」させる魔法を作ったの」

少年「え……」

タンッ!

国王(来てみれば……私達はもしかして)

側近(ええ、場違いのようですね……)

エルフ娘「良かった……良かったよ……!」

少年(え、と、こういう時は何て言えば……ああ、そうだ)

少年「ありがとう……」ニコ

エルフ娘「~!!」ギュウウゥウゥ

少年「ごめん、ちょっと痛い」

エルフ娘「!」パッ

片腕「国王様」

国王「久しぶりだな……しかし、これは……」

片腕「彼らが必死に戦ってくれました」

国王「そうか……何という少年だ」

青年エルフ「よう」

国王「! やはり居たか」

青年エルフ「あんたが力をくれたおかげで、俺は戦えた」

青年エルフ「しかし、俺は憎しみに憑りつかれていた……」

青年エルフ「もう俺に剣は必要無い。これからは、何かを守って生きていこうと思う」

国王「――成長したな」

青年エルフ「……あそこで転がってる奴のおかげかもな」

エルフ娘「……あれ? 角が無くなってる」

少年「本当だ……多分、竜と人の力を融合させたからだと思う。もう息苦しくないし」

国王「失礼」

少年「?」

国王「この国を代表して礼を言う……本当にありがとう」ペコ

少年「……誰?」

片腕・側近「なっ……!!」

国王「……ハッハッハ! 私は何もしていない、ただのおっさんだよ!」

国王(冠付けてくれば良かったか……)

国王「しかし、すまなかった。我が息子の非礼をお詫びする」ペコリ

少年「ああ……あいつは喰われて死んだよ」

国王「そうか……」

少年「それと、あの二人……も……」

ローブ「……」ズリズリ

少年(あいつ、まだ息が……!)

側近「動くな」スッ

ローブ「……別に、もう、危害を与えるつもりはありませんよ」

側近「戯言を……」

エルフ娘「待って、嘘を言ってない……」

側近「え?」

ローブ「このまま何も残さずに消えてたまるか……!」

少年「!」

ローブ(まだ死んで時間が経っていない)

ローブ「せめて……ワタクシが生きた証として……」ズズズ

仙人「……うっ」

友「……」ピクッ

片腕(闇属性の力で蘇生させた!? 何故!?)

ローブ「ああ……眼帯……」

ローブ「ワタクシも……今……」

ローブ「」ドサ

仙人「はて……私は確か……」

友「……ん」パチ

片腕「あのローブが、闇属性の魔法で蘇らせたのですが……何故」

少年「多分……あいつは「認められたかった」んだ」

少年「皆に否定されて、拒絶されて……」

少年「ちょっとだけ……分かるよ」

エルフ娘「友!」

友「こいつは一体……もう龍王は」

少年「……うん」

友「そっか、よく分かんねえけど……」

友「やったな、相棒!」ニカッ

少年「……ああ!」ニコ

国王「とにかく、戻ろうか。治療をしなければ」

エルフ娘「待って、まだ……」

鉱竜「終わったのか……」

黒竜「うむ……そのようだな」

コカトリス「……」

エルフ娘「コカトリスは!」

黒竜「大丈夫だ、喰われたのは蛇の部分……生命力が最も高い場所だった。辛うじて息はある」

国王「よし、では戻ろう」

――その後。

国王によって、龍王の存在、それを討ち取った勇者の事が発表された。

国王は自分の息子が起こした事件の責任を取り、王の座を降りた。

国民達には動揺が生まれたが、次の王によって、しだいに落ち着きを取り戻していった。

そして、少しだけ良い方向に進んだ未来――

コカトリス「コアー!!」

少年「……んー……」パチ

友「よう寝ボスケ、畑の手入れすんぞー」

少年「はいはいっと」ムク

エルフ娘「今日は玉ねぎを収穫出来そう」ニコニコ

青年エルフ「鴨絞めてきたぜ」プラーン

コカトリス「」ガクガクブルブル

エルフ娘「もう、コカトリスが怯えるでしょ?」

青年エルフ「はは、すまんすまん」ポン

新国王(王子)「やあ、今日も良い天気ですね」

少年「王子さん」

新国王「しかし、申し訳ありません……私だけが龍王を倒した勇者とされて」

少年「何度目ですか……良いんですよ、僕なんかよりも、王子さんの方が似合ってます」

新国王「……ありがとう。本当に」

片腕「やあ、来たぞ」タッ

友「仙人さんは……ああ、まだ遺跡っすか」

鉱竜「ふう」バサッ

黒竜「新国王殿ではないか」バサ

少年(……鉱竜はあの記憶を知らないみたいだ)

少年(多分、あれはイレギュラーな存在である僕だけが、竜の血が濃くなって思い出したんだろう)

エルフ娘「そうだ、皆で一緒にご飯食べませんか?」

友「片腕さんの作る飯は絶品っすよ!」

片腕「おいおい、ハードルを上げないでくれよ」

新国王「ははは、では頂きましょうかね」

青年エルフ「これでなんか作ってくれ」ブンッ

片腕「っと……鴨を投げるな!」パシ

ハハハ……

コカトリス「」ガクガクブルブル

少年(父さん、母さん)

少年(あの戦いの後、少しだけ良い方向に未来が進んだようです)

少年(僕も、少しだけ人を信じる事が出来るようになりました)

少年(僕は今――)

エルフ娘「……? どうしたの?」

少年「いや、何でもないよ」

エルフ娘「変な少年」クス

少年「……これからも、ずっと一緒に暮らしていきたいな」

エルフ娘「……きっと、大丈夫だよ」ニコ

友「おー? どうしたんだ? 二人で秘密の会話かなー?」ニヤ

エルフ娘「……行こ?」ギュッ

少年「……うん」ギュッ

友「えっ」


少年(――とても幸せです)ニッ

以上で終わりになります。

次はまた雨の町の話をちょっとしたいなと思っています。

結局最後までドラゲナイしなかったか、残念

おつ

乙ですって

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