[モバマスSS]佐々木千枝「指切り」 (23)

アイドルマスターシンデレラガールズのSSです。

人生初SSです。短いです。

ボー○ロイド曲が出てきます。

勉強はしましたが、何分最近プロデューサーになった新参者なので
キャラの口調などに違和感があるかもしれません。

それでもよろしい方は、どうぞお楽しみいただけると幸いです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423480351

~事務所~


ガチャ


佐々木千枝「ただいま帰りました~」

佐久間まゆ「~♪あら?千枝ちゃん。お帰りなさい」

千枝「あ、まゆさん。お疲れ様です!まゆさん一人ですか?」

まゆ「ええ、プロデューサーさんは外回り。ちひろさんは事務所の備品が切れたので買い出しに行ってますよぉ」

千枝「そうですか…今日のお仕事頑張ったから誉めてもらいたかったのにー・・・」プクー

まゆ「あらあら。じゃあプロデューサーさんの代わりに、まゆがいーっぱいほめてあげますねえ」ナデナデ

千枝「ひゃうっ…えへへ、嬉しいです。ありがとう、まゆさん」

千枝「あ、そうだまゆさん。今何を聴いてたんですか?」

まゆ「ああ、これですか。なんだったら千枝ちゃんも聴いてみますか?」つ ヘッドホン

千枝「良いんですか?じゃあちょっと失礼しますね」

千枝「えーっと、タイトルは…」




千枝「『指切り』ですか」




『指切り』
https://www.youtube.com/watch?v=HZEafPXcFZQ

千枝「あっ、千枝これ知ってます!【ボーカ○イド】っていうのですよね?」

まゆ「ええ、有名な音声ソフトですねえ。」

千枝「まゆさんはこういうのも聴いたりするんですか?」

まゆ「いえ、まゆも今まで触れる機会がなかったんですけど、紗南ちゃんがやってたゲームで、この曲が流れて、綺麗な曲だなって気に入っちゃって」

まゆ「それで紗南ちゃんに曲名を教えてもらって今動画サイトで聴いてたんです」

千枝「へえ~。まゆさんが気に入るって事はすごくいい曲なんだろうなあ」

千枝「よーし、じゃあ再生スタート!」

~視聴後~


千枝「………」

まゆ「どうでした?千枝ちゃん」

千枝「何ていうか…うまく言えないんですけど…」

千枝「少し怖いけど…それでも凄く綺麗な曲だと思いました!」

まゆ「そうですかぁ。気に入ってくれてまゆも嬉しいです♪」

千枝「ただ…ちょっと分からなかった所があるんです…」

まゆ「?」

千枝「この最後の歌詞の所なんですけど…〈あたし貴方なら 髪切りも爪剥ぎも超えて 指切りするわ〉
って部分です。指切りって約束をする時のアレですよね?
何でそれが爪を剥ぐなんて痛い事より大事みたいな表現なのかなって…」

まゆ「ああ…そこはまゆも気になってた所なんですよねぇ…一体どういう事なんでしょうねぇ…?」


ガチャ


鷺沢文香「…ただ今戻りました…」

千枝「あ、文香さん。お疲れ様です」

まゆ「お疲れ様です、文香さん。今日はレッスンの日でしたっけ?」

文香「はい…今日はマストレさんが担当でしたので、本当に厳しいレッスンでした…」

文香「けど…おかげでまた一歩…アイドルとしての実力を付けられたと…思っています…」

まゆ「そうですかぁ…お互い頑張っていきましょうねぇ」

文香「はい…」

千枝「そうだ、まゆさん。文香さんなら物知りだし、ここの部分について聞いてみませんか?」

まゆ「ああ、確かに…文香さんなら何かわかるかもしれませんねぇ」

文香「……?あの…何の事でしょうか…?」

千枝「とりあえず、この曲を聴いてみてください」

文香「これは…凄いですね…とても音声ソフトで作ったものとは思えないです…」

千枝「この曲の最後の部分の歌詞の意味が、いまいち良く分からなくて…」

まゆ「どういう事か、分かりませんか?文香さん」

文香「そうですね…これは………………」

まゆ「……?文香さん?」

文香「…すみません。恐らくこの解釈だと考えたのですが…その、少々刺激の強い話になるので…」

文香「まゆさんはともかく…千枝さんに聞かせても…良いのかどうか…」

千枝「むっ、千枝はもうオトナです!どんなお話だってへっちゃらです!!」

文香「…分かりました。では…お話ししますね…」

文香「恐らくこれは…遊女が行っていた【指切り】の事と考えて間違いないでしょう…サイトの説明文にも遊女という単語がありますし…」

まゆ「ああ…確かにありますねぇ」

千枝「あの…ゆうじょ、っていうのはそもそも何なんですか?」

文香「えっと…千枝さん、その…キャバクラというのはご存知ですか?」

千枝「あ、それなら知ってます!男の人がお金を払って女の人に人生相談を乗ってもらう所ですよね!プロデューサーさんが言ってました!」

まゆ・文香(プロデューサーさん、上手に誤魔化しましたね…)

文香「ええ…そこで働いてる女性の事を、昔は遊女と呼んでいたんです」

千枝「へえー、そうだったんですか…」

文香「ここから【指切り】の話にいきますが…先程も言ったように、少々刺激の強い話になります…良いですね?」

千枝「はいっ!」

まゆ「ええ、大丈夫ですよぉ」

文香「ではまず…【指切り】が生まれるまでの歴史から…お話しします…」

文香「昔の日本では男女が永遠の愛を誓い、その証拠を残す事を【心中立(しんじゅうだて)】と呼んでいました…」

千枝「えっ、でも心中ってその…家族とかが一緒に死んじゃう事じゃあ…?」

文香「はい…今ではそういうものと認知されていますが…本来心中は(しんちゅう)と読み、[本当の心]という意味を指すんです…」

文香「それが転じていき、男女が最後まで愛情を持ち続けるという意味になっていったんです…」

まゆ「あの…その【心中立】っていうのが【指切り】と何の関係があるんですか?」

文香「…先程も話したように…心中立は男女が永遠の愛を誓い、その証拠を残す事…」

文香「その方法は様々です。紙にその旨を書き残すこと、髪を切る事…」

文香「そして中には…自分の指を切り落として、意中の男性に送った遊女もいたんです…」

千枝「ヒッ…」

文香「勿論これにはとてつもない痛みを伴います…なので実際にそれを行った遊女は少なかったそうです…」

文香「そしてこれがまた転じていき…約束をする際の言葉として変化していきました…」

まゆ「成程…まゆたちが普段行っている指切りには、そんな歴史があったんですねぇ…」

千枝「………………」

まゆ「千枝ちゃん?大丈夫ですか?」

文香「すみません…やはり千枝さんには、まだ早かったでしょうか…」

千枝「いえ…大丈夫です。いい勉強になりました。それに…」

まゆ「それに?」

千枝「プロデューサーさんとの約束を絶対に守らなきゃって思えるようになりましたから!」

文香「プロデューサーさんとの…」

まゆ「約束…?」

千枝「はい!千枝、プロデューサーさんと約束したんです!」

千枝「一緒にトップアイドルを目指そうって!」

千枝「だから…文香さん!教えてくれて、ありがとうございました!」

まゆ「うふふっ千枝ちゃんプロデューサーさんとそんな約束をしてたんですかぁ…」

まゆ「これは…同じ約束をしたものとして負けられませんねぇ…」

千枝「えっ、まゆさんも…?」

まゆ「ええ、まゆもプロデューサーさんとトップアイドルを目指そうって約束したんです」

まゆ「だから千枝ちゃん、まゆも負ける気は…」

文香「あの…すみません…」

まゆ「…?なんですか、文香さん」

文香「実は私も…同じような約束を…」

まゆ「え…」

千枝「文香さんも…?」

文香「はい…事務所に入った少し後に…プロデューサーさんと…」

三人「………」

まゆ「…ふふっ」

千枝「えへへっ」

文香「くす…」

三人「アハハハハハッ!」

まゆ「全くもう…プロデューサーさんの事ですから、アイドル全員に言ってそうですねぇ」

文香「そうですね…でも全員をトップアイドルにするなんて、とんでもなく難しいはずなのに…」

千枝「プロデューサーさんなら出来ちゃいそうなんですよね!」

まゆ「ええ、だからこそ皆プロデューサーさんについていってるんでしょうねぇ」


ガチャ


モバP「いやー、思ったより遅くなってしまったな」

まゆ「あらあら、噂をすれば…ですね」

千枝「プロデューサーさん、お帰りなさい!」

文香「お疲れ様です…」

モバP「おう、ただいま」

千枝「…プロデューサーさん」

モバP「ん?何だ、千枝?」

千枝「約束を、覚えていますか?」

モバP「約束?」

千枝「千枝と…トップアイドルを目指すっていう…」

モバP「ああ、覚えてるぞ。そのために今日もこうして仕事を集めてきたんだしな」

モバP「千枝だけじゃない。まゆや文香、それに…」

モバP「この事務所のアイドル全員がトップアイドルになれると俺は信じてる」

まゆ「プロデューサーさん…」

モバP「だから三人とも。これから頑張っていこうな」

三人「ハイ!!」

千枝「そうだ!折角ですし、改めて約束しませんか?」

モバP「ん?」

まゆ「そうですねぇ…初心忘るべからず、とも言いますし…やりましょうか」

文香「賛成です…」

モバP「そうだな、よし、じゃあやるか!」

千枝「プロデューサーさん、絶対にトップアイドルになりましょうね!」












千枝「指切り、ですよ!」












終わり

これにて終了でございます。いかがでしたでしょうか?

最近ゲームで初めてこの曲を聴いて「何て怖いい曲なんだ」と衝撃を受け、
実際に指切りについて調べてまた衝撃を受けました。

皆さんも今後指切りをするときは、こういう背景があったという事を思い出して行いましょう。

ありがとうございました。

ちなみに

千枝や、まゆを登場人物に選んだ理由は、この二人がプロデューサーへの愛から
一番実際に指切りもやりかねないと、個人的に思ったからでございます。(千枝はまだ年齢的にアレですが)
勿論自分の勝手な考えですので、いくらでも異論は受け付けます。

最後に改めて

このような短いSSを見て下さった皆様に感謝を。
ありがとうございました。

ではHTMS化の依頼を出して参ります。

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