妹「うちにくる?」ねこ「にゃ~」(49)

妹「ただいまぁ……」キョロキョロ

……ソロ~~リ……キョロキョロ……

妹「……ふぅ……よかったぁ、お兄ちゃんいないみたい」

ねこ「にゃ~」

妹「うん。お兄ちゃんいると面倒だもんね」

男「……ほぅ、まさかこんなにも早く妹に疎まれる日がくるとはな……」

妹「ふにゃっ!?」ビクッ

男「何をそんなに驚いてるんだ?」

妹「きゅっ、きゅうに声かけられたら、普通ビックリするよっ」

男「そうか……俺はてっきり捨て猫でも隠し持っているのかt」

妹「そそそそ、そんなことあるわけないよぉ。やだなぁ、お兄ちゃんてばっ」

男「……おまえ、今すごく変だぞ?」

妹「ううんッ。わたしいつもこんな感じだもんッ」

男「……」

妹「じゃっ、じゃあね。わたしお部屋にカバンおいてくるから……」

男「まて」ハシッ

妹「にゃうっ」

男「……臭うな」

妹「え?」

男「ねこ野郎の臭いがするっ」クンクン

妹「っ!?」

男「」クンクン

妹「き、気のせいだよっ」

男「そうか?」

妹「そ、そぉだよぉ、気のせい♪ 気のせい♪」

男「ふむ……そうかもな」

妹「うん……ふぅ……」

男「ところで、妹」

妹「なに?」

男「お前の腹はなぜそんなに膨らんでいる?」

妹「にゃにゃっ!?」

男「説明を求む」

妹「え、えっとぉ……」

男「……どうした、実力行使にでてもいいが?」

妹「まっ、まって……言うから……えっとね……」

男「……」ジー

妹「っ……に、妊娠したのっ!」

男「……」

妹「……」

男「……それはめでたいな」

妹「え?」

男「どれ、俺がお産の手伝いをしてやろうっ」ガシッ

妹「え、や、やめてよぉ。言う、言うからぁ」ジタバタ

男「却下だ。初めから正直に言えばいいものをっ」

妹「ふにゃ~ッ、ごめんなさ~いっ」ジタバタ

ねこ「うにゃ~ん」プラ~ン

男「はぁい、元気な毛むくじゃらの女の子ですよぉ」

妹「乱暴にしないでッ。ねこちゃんかえしてよぉ」ピョンピョン

男「ふっ、ねこちゃん返して欲しくば、俺の質問に答えることだな」

妹「……う~、わかった……」

男「なんで隠してた?」

妹「だって……お兄ちゃん、ねこキライだし……」

男「そうなのか、それは初耳だ」

妹「え、ちがうの?」

男「ねこは好きだぞ。ねこ鍋にしちゃうくらい。にゃ~?」

ねこ「にゃ~♪」

妹「たっ、たべちゃだめっ!」ウルッ

男「食べないよ。冗談のわからん妹だ」

妹「お兄ちゃんの冗談つまんない……」グスグス

男「軽くグサっときたな……それで、なぜ俺がねこ嫌いだと思った?」

妹「……だって、前に飼いたいって言ったらダメって……」

男「あぁ……それはあれだ。あの頃は母さんたちいただろ」

妹「どういう、こと?」

男「母さんと父さんが、ねこ嫌いだからな」

妹「そうだったんだ……じゃ、じゃあ今はっ?」

男「ん~……」

男(母さんは父さんの赴任先についていったから問題ないと言えば問題ないが……)

男(しかし、帰って来たときがなぁ……)

妹「おにいちゃぁん」

男「ん~……」

男(まあ、なんとかするのが俺の役目か)

男「妹軍曹」

妹「は、はいッ」ビシッ

男「……新兵の世話をしてやれ」

妹「あっ、はいッ!」ビシッ

男「ねこの世話を怠ったら、お前を追い出すからな」

妹「うんッ、ちゃんとお世話するッ」

男「ああ、約束だからな」

妹「うんッ。よかったねッ、今日からうちの子だよッ」ナデナデ

ねこ「にゃあ♪」ゴロン

妹「えへへッ。あ、そうだ名前つけてあげなきゃ」

妹「お兄ちゃん、この子の名前どうしよう?」

男「名前か……」ジー

ねこ「にゃ?」

男「ぬこ」

妹「やだッ。そんな名前ッ」

男「なぜだ。ぬこは世界中で愛されてる名前だぞ?」

妹「うそだもんッ。お兄ちゃんのうそつきッ」

男「兄の言葉を信じないとは……なぜ、こうなった……」

妹「もういいもん。わたしがつける……」ジー

ねこ「にゃぅ?」

妹「タマッ」

男「はっ……」

妹「あ~ッ、鼻で笑ったッ」

男「当然だ。なんだその捻りのなさは、お前は磯のさんちの子か」

妹「磯のさんちに失礼だよッ。それに、タマは全国で愛されてるなまえだもんッ」

男「まあ、確かにな……では、こうしよう」

妹「?」

男「あみだくじを作ってやる。それで公平に決めよう」

妹「うん、いいよ」

~妹には横線は見えていません~

男「では選ぶがいい、妹よ」
 
 
  │││
  ├┤│
  ├┤│
  │├┤
ア ├┤│
イ ┤├┤
ス ├┤│
  ├┤│
  タぬハ
  マこズ 
    レ

妹「わたしからでいいの?」

男「ああ。というより、作った俺が選ぶわけにはいかんだろ」

妹「それもそっか、わかった……ところで、お兄ちゃん。この横のアイスってなに?」

男「アイスを貰ってもう一度だな。ちなみにハズレに当たっても、やり直しだ」

妹「ふんふん」

男「どうだ? お前にお得なことばかりだろ?」

妹「うんっ……あ、でもいいのかな? わたしばっかり……」

男「かまわん。妹とは優遇されてしかるべき存在だ」

妹「お兄ちゃん……ありがと~っ」

男「ああ……ぷっ」

妹「どうしたの?」

男「いや、気にするな。さ、好きなところを選べ」

妹「じゃあ……真ん中ッ」

男「ふむ……(小細工など無用だったか)」

男「では、いくぞ」

妹「いつでもこ~いっ」

あみだくじ~♪ じゃじゃんじゃ~♪ あみだくじ~♪

男「ぬこ」

妹「……やだ……」

男「……」

妹「……でも……決まりだもんね?」

男「あ、ああ……」

男(少々心が痛むな……ちょっとやりすぎたか……)

妹「おいで」

ねこ「にゃうっ」ピョコン

妹「おまえは今日からぬこだよ?」ナデナデ

ぬこ「」ゴロゴロ

妹「……」ナデナデ

ぬこ「」ゴロゴロ

男「……」

妹「お兄ちゃん……」

男「ん?」

妹「ぬこなまえ気にいったみたいっ」

男「……それは、なによりだ」

男(撫でられるのが気持ちいいだけだと思うが、まあいいか)

妹「ぬこ~♪」

ぬこ「みゃっ♪」

男「さて、無駄な時間を過ごした。晩飯作るか」

妹「お兄ちゃんっ」

男「ん、なんだ?」

妹「ぬこにミルクあげてもいい?」

男「ああ、いいぞ」

妹「やった。おいで、ぬこっ」トテトテ

ぬこ「みゃ~」トテトテ

妹「おにいちゃ~んっ」

男「今度はなんですかぁ」

妹「ミルクないよ?」

男「む……どれ……」

ガラ~~ン

妹「ね?」

男「ミルクないって言うより、冷蔵庫空っぽだな。晩飯も作れん」

妹「どうするの?」

男「仕方ない。ここはぬこを犠牲に……いや、買い物いくか」

妹「うん。ぬこも連れていってもいい?」

男「いいけど、店には入れないぞ?」

妹「うん、お外でまってる」

男「それじゃ行くか」

妹「は~い」

~スーパー前~

男「さて、それじゃ妹軍曹ぬこ伍長はここで待機命令だ」

妹「は~い」

ぬこ「みゃ~う」

男「いい子にしてろよ」ナデナデ

妹「うん♪ お兄ちゃん、ぬこにもっ」グイ

男「ん、お前もな」ナデナデ

ぬこ「」ゴロゴロ

~店内~

男「今日は何が安いかな……」

男「人参か……妹やつ人参嫌いだからなぁ……食わせてやる」

男「あとは、ジャガイモと……今日はカレーだな」

女「あ、男くんっ」

男「よっ、買い物か?」

女「そりゃそうでしょって言っても私はただのお使いだけどねっ」

女「ふむふむ。今日の男くんちの献立は……カレー、かな?」

男「ああ。妹が人参嫌いだからな。嫌がらせに食わせてやろうかと思ってな」

女「へぇ、そういう事もちゃんと考えてあげてるんだね」ニコッ

男「……いや、俺、嫌がらせにって言っただろ。なぜ良いほうに取る?」

女「なんで、男くんはそんな捻くれて言うのかなぁ?」

男「……ほっとけ……」スタスタ

女「あ、待てよ。男くん」

~香辛料売り場~

女「そういえば、今日は妹ちゃん一緒じゃないの?」

男「あいつは、ぬこと外で待ってるよ」

女「え、ぬ、ぬこってなに?」

男「あぁ、ねこだ。名前がぬこ。今日妹が拾ってきてな」

女「へぇ……変わった、名前だね……」

男「うちの妹変りもんだからな」

女「妹ちゃんが付けたの?」

男「ああ……」

女「そうなんだ……あ、あったあった。はい甘口」

男「ん……そろそろ辛口に挑戦させるの有りかもな」

女「ダメだよぉ。そんなことしちゃ」

男「もしかしたら辛党かもしれないだろ?」

女「そういうのはもっと大きくなってからでもいいと思うなぁ?」

男「はぁ……もうしばらく、我慢か……」

女「うん、がんばってね。お兄ちゃん♪」

男「人事だと思って……」

女「ふふっ。でも、男くんは凄いよ」

男「何が?」

女「毎日ごはん作って、妹ちゃんのお世話してるから」

男「それは俺を買いかぶりすぎだな」

女「どうして?」

男「アレは俺が世話しないと生きていけない生き物だから、仕方なくだ」

女「またそんなこと言って……」

男「事実だ。母さんが居れば全部任せてる」

女「それはそうだろうけど……じゃあ何でおばさんは妹ちゃん連れて行かなかったの?」

男「それは……まあ、初めはみんなで父さんの転勤先に行くはずだったんだが……」

女「……うん。それで?」

男「ん……俺が行きたくないって言ったんだ」

女「あぁ、男くん協調性ないもんね」

男「違う。俺にだって行きたくない理由ぐらいある」

女「そうなんだ。ちなみに理由って?」

男「それは今関係ないからカットだ。で、俺が一歩も引かないから残る事になったら……」

女「妹ちゃんが男くんと離れたくないって?」

男「そんな感じだな」

女「そっか……でも、それだけじゃないよね?」ニコッ

男「どういう意味だ?」

女「だから、妹ちゃんがいくら嫌がったからって置いてくかなぁって」

男「……」

女「例えばぁ、妹に甘いお兄ちゃんが説得したとか?」

男「……さぁな……」スタスタ

女「ふふっ♪」

~精肉売り場~

男「今日は合挽き肉の特売だったか……もっと早く来るんだったな」

女「あ、それなら私の分けてあげよっか?」

男「いいのか?」

女「うん。少し買いすぎかなって思ってたし……あ、でもカレーに挽き肉いれる?」

男「家によるだろ。それに他に使ってもいいしな」

女「それもそうだね。じゃあ、はい」

男「悪いな」

女「ううん」

男「あとは牛乳とか買って終りだな」

女「じゃあ、行こっ」

男「ああ」

~レジ付近~

男「あ、ちょっと待て」

女「どうしたの?」

男「アイス買う」

女「珍しいね。男くんがアイスなんて」

男「妹の食べる分だけな……コレでいいか」

女「それもそっか、男くん甘いの苦手だもんね」

男「こんなもん砂糖食ってるのと変らん、が……女もどうだ?」

女「え、奢ってくれるの?」

男「ああ、挽き肉わけて貰ったしな」

女「じゃあ、お言葉に甘えて……チョコにしようかな」

男「ん。それじゃ、会計済ませるか」

女「うん」

~スーパー前~

妹「ぬこ、お兄ちゃんおそいね……」

ぬこ「みゃぅ」スリスリ

妹「えへへっ。くすぐったいよぉ」モゾモゾ

ぬこ「みゃっ」ピクッ

妹「ぬこ?」

男「悪い。待たせた」

妹「あッ、お兄ちゃんッ」

女「こんにちは。妹ちゃん」

妹「あれぇ、お姉ちゃんも一緒だったの?」

女「そうだよ。あ、君がぬこちゃん?」

ぬこ「みゃう」

女「かわいいね♪」ナデナデ

妹「うん……ねぇ、お姉ちゃん」

女「なぁに?」

妹「ぬこって変ななまえじゃない?」

女「えっ……えっと……個性的でいいんじゃないかな」ニコッ

妹「ほんと?」

女「うん」

妹「じゃあ、世界で愛されるなまえ?」

女「えぇっ!? せ、世界は、どうかなぁ……」チラッ

男「……」コクッ

妹「お姉ちゃん?」

女「あ、う、うんっ。きっと世界でも愛される名前だよ……タブン……」

男「な、俺の言ったとおりだろ?」ナデナデ

妹「うん♪」

女「どういうこと?」

男「気にするな。大したことじゃない」

女「うん……?」

妹「あのね、お兄ちゃんが――」

男「妹。コレ好きだろ」

妹「あっ、バニラアイスだっ。たべていい?」

男「後でな」

妹「は~い……」

女「あ、じゃあ近くの公園で一緒に食べよっか? お姉ちゃんも買ってもらったんだ♪」ニコッ

妹「でも……」チラッ

女「いいよね?」

男「そうだな。じゃあ行くか」

妹&女「うん♪」

勉強不足で申し訳ない

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