ピンポーン

このみ「あかないー」

Ｐ「いや、開けないで下さい。今何時だと思ってるで……」

ガチャ

このみ「あ、プロデューサーだー」

Ｐ「……酔ってますね？」

このみ「うぃっす！」

Ｐ「タクシー呼びますからちょっとま」
このみ「おじゃましまーす」

Ｐ「こら入るな！」

このみ「ぶーっぶーぅ」

Ｐ「じたばたしない。朋花の取り巻きですかあんたは」

このみ「わたしは豚じゃなーい！」

Ｐ「タクシーか、近場のホテル取りますからそこで休ん」
このみ「とうっ」

Ｐ「こら！」

このみ「げんかんでうるさくするとご近所さんにめいわくでしょーこら」

Ｐ「元凶がよく言うよ」

このみ「入れてー」

Ｐ「ダメです。俺が連れ込んだと思われるでしょうが」

このみ「だーじょうぶだーじょうぶ」

Ｐ「まず、俺が幼女を自宅に連れ込んだプロデューサーだと思われれば即両手に手錠がつきます。つぎに、売れ出してきてるアイドルが担当とはいえ男の家に入り込んだなんてことになれば明日の東スポの一面になります。他にももろもろ理由はありますが主にその理由でこのみさんを俺の自宅に上げることはできな」

このみ「わたしが勝手に入ったことにすればいいのよ」

Ｐ「なるほど、一理ない」

このみ「プロデューサーのへやー」

Ｐ「押し切られてしまった」
鍵は閉めてませんからね！ 監禁ではなく軟禁ですからね！」

このみ「いやーん」

Ｐ「うるさいぞ歩くセクシー！」

このみ「ねむーい」

Ｐ「ベッドは貸しますから死んだように寝てください。早急に」

このみ「プロデューサーも一緒にねよー」

Ｐ「俺はまだこの世に未練があるので」

このみ「プロデューサーみずー」

Ｐ「プロデューサーは水じゃありません」

このみ「プロデューサーせんせーみたーい」

Ｐ「教育免許持ってないのに小学生の相手をするとは思ってませんでしたよ。
はい、どうぞ」

このみ「ありがとー」

Ｐ「こらこぼすなこぼすな！」

このみ「水はひくきにながるる」

Ｐ「あーもーベッドびちゃびちゃじゃないですか」

このみ「なんでプロデューサーはしらふなんー？」

Ｐ「なんでこのみさんはめんどくさい酔っ払いなん？ 蛍すぐ死んでしまうん？」

このみ「お酒おさけ」

Ｐ「メガネメガネ的に酒を探すな」

このみ「ぶーぶー」

Ｐ「四つんばいでうろちょろしない。俺がうれしいでしょうが」

このみ「プロデューサーはなんかしないのー」

Ｐ「なんかって何ですか」

このみ「楽にしなよ楽にー」

Ｐ「誰のせいでできないと思ってるんですか誰のせいで」

このみ「私は楽にしまうー」

Ｐ「このみさん横になるとベッドでっかく見えるな」

このみ「んんー」

このみ「あっ！ えっちな本！」

Ｐ「嘘だそこには置いてない！」

このみ「うっそでしたー」

Ｐ「そうか嘘か」

このみ「おまえはもうほーいされているー」

Ｐ「そうですね。社会的に包囲されてますね」

このみ「お母さんもかなしんでるぞー！」

Ｐ「電話しますか？ ご両親に」

このみ「きゃーきゃー」

Ｐ「えっと、何で喜んでるのか分からないんですが、このみさんが喜ぶなら辞めておきます」

このみ「えっちな本いっしょに見るのとお酒出すのどっちがいいー？」

Ｐ「ウイスキーしかありませんが、どうぞ」

このみ「どーも」

Ｐ「ラッパで飲むなよ」

このみ「ほらプロデューサーもー」

Ｐ「はぁ、氷持ってきます」

このみ「おーおー」

Ｐ「危ないから寄りかからないで下さい。手元が狂ったら危ないですよ」

このみ「重さがあるのがよくない」

Ｐ「ニュートンに喧嘩売ってますね」

このみ「んー」

Ｐ「ぐりぐりするのも無し」

このみ「なんでー！」

Ｐ「俺がうれしいから」

このみ「まるい！」

Ｐ「ふっ、氷を削らせたら俺の右に出るプロデューサーはいない」

このみ「プロデューサーすごーい」

Ｐ「あ、素直にほめられると照れる」

このみ「すごいすごいー」

Ｐ「撫でるな寄りかかるな息をかけるな」

このみ「なんでー」

Ｐ「俺がうれしいから！」

このみ「かんぱーい」

Ｐ「はい乾杯」

このみ「かーうまいー！」

Ｐ「ロックを一気飲みするなこら」

このみ「えー」

Ｐ「あーもーこぼしてるじゃないですか。ほら、吹くから」

このみ「んー」

Ｐ「……なんで目を閉じるんですか？」

このみ「ちゅーちゅー」

Ｐ「酔ってる人にはできません」

このみ「よってなかったらいいの?!」

Ｐ「あ、失言だった」

このみ「ほらもういっぱい」

Ｐ「……酔ってきた」

このみ「おーおーおー！」

Ｐ「こら寄るな」

このみ「なかまになりたとーにみている！」

Ｐ「仲間にはしないぞ」

このみ「ぶーぶー」

このみ「んー」

Ｐ「だーめ！」

このみ「なーんでー」

Ｐ「俺は割とチューがしたいからダメだ！」

このみ「じゅよーときょーきゅーがマッチしてる！」

Ｐ「市場原理はアンバランスなんだよ」

このみ「あーん」

Ｐ「ほい」

このみ「んーっ！」

Ｐ「高いんだから味わえよ」

このみ「あー」

Ｐ「早っ」

このみ「お肉？」

Ｐ「自家製燻製」

このみ「ふーん」

Ｐ「燻させたら俺の右に出るプロデューサーはいない」

このみ「プロデューサーすごーい」

このみ「こたついいねー」

Ｐ「日本のこころだな」

このみ「……」

Ｐ「……」

このみ「……」

Ｐ「……こら足をからめるな」

このみ「なんでー」

Ｐ「結構うれしいから」

このみ「おいぷろでゅーさー」

Ｐ「なんだ小学生」

このみ「おつまむがないぞおつまうが」

Ｐ「あー、取ってくる」

このみ「おっとっと」

Ｐ「あーこのみさんは座っててくださいな」

このみ「あるきかたわすれたー」

Ｐ「あぁついに人類から脱落したか」

このみ「このみんるい」

Ｐ「ピクミン的な？」

このみ「あー」

Ｐ「あー今親鳥の気持ちがすごく分かった」

このみ「あー」

Ｐ「ほい」

このみ「んーっ」

Ｐ「置いておくから自分で食べてくっとっと」

このみ「きゃーおしたおされるー」

Ｐ「……ガオー！」

このみ「きゃーきゃー」

Ｐ「……ほんとうに押し倒しちゃいますよー？」

このみ「……きゃー」

このみ「あっ」

Ｐ「おっ？」

このみ「まっくら？」

Ｐ「真っ暗ですね。ブレーカー落ちたかな？ ちょっと見てきます」

このみ「」

Ｐ「あの」

このみ「」

Ｐ「袖を取られると立てないのですが」

このみ「ぶれーかーよし！」

Ｐ「落ちてないですね。ってことは停電か」

このみ「ていでーん」

Ｐ「雪で送電線切れたんですかね」

このみ「ふむふむ」

Ｐ「対策してあると思うんだけどな」

このみ「ふもっふ」

Ｐ「それは違う」

このみ「コタツあったかくなーい」

Ｐ「そうっすね」

このみ「ぶーぶー」

Ｐ「……」

このみ「ほ？」

Ｐ「まぁ、こうすればあったかいでしょ」

このみ「おーぬくぬく。ぷろちゃんあったかーい」

Ｐ「……」

このみ「……」

Ｐ「このみさん眠いですか？」

このみ「うん」

Ｐ「子供みたいですね。眠くなるとあったかくなる」

このみ「わたしはこどもじゃななーい」

Ｐ「はいはい知ってますよ」

このみ「わたしはいまねむらないようにどりょくしてます」

Ｐ「しなくていいですよそんな努力」

Ｐ「……寝てますかー？」

このみ「……すー」

Ｐ「寝てますねー」

このみ「んっー」

Ｐ「このみさーん」

このみ「…………」

Ｐ「……今度は酔ってないときにきてくださいね」

このみ「……寒っ、ん？」

Ｐ「んが」

このみ「……？ んーっと」

このみ「……えーと」

このみ「んー……」

このみ「頭痛い。色々な意味で」



このみ「……もう一回寝よ、そうしよう」

　もぞもぞ