ハヤテ「うんとこしょ!」 マリア「「どっこいしょ!」 (18)


ナギ「痛い痛い痛い! やめろオオオ!!!」ギリギリ

ハヤテ「うんとこしょ!」

マリア「どっこしよ!」

ナギ「ホント痛いからやめろ! そんな原始的なやり方で身長は伸びないから! 両手両足引っ張ったって身長は伸びないから!」ギリギリ

ハヤテ「うんとこしょ!」

マリア「どっこいしょ!」

ナギ「やめてエエエエエ!!!!!!」ウワアアアアアン


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***

一時間後

ハヤテ「ふぅ……なかなか伸びませんね……」

マリア「やり方が間違ってるんでしょうか?」

ナギ「間違ってんだよ! 開始1分でそう言っただろ!」シクシク

ハヤテ「痛くなかったですか、お嬢様?」

ナギ「痛いに決まっとるわ!! 見ろこれ! 痣になったではないか!」

マリア「なら持ち方を変えてみますわ」

ナギ「そう言う問題じゃねえんだよ!」


ハヤテ「でも身長を伸ばして大人っぽくなりたいって言ったの、お嬢様ですよ?」

ナギ「だからって腕も伸ばしてどうすんだ! テナガザルみたいになるだろうが! いや、伸びるかどうか分かんないけど!」

マリア「でも私とハヤテ君の力じゃ限度がありますね。大きな万力でも借りてきましょうか?」

ナギ「魔女狩りんときの拷問だろ、それもう!」

ハヤテ「大丈夫ですよお嬢様。痛くないようにタオルか何か挟みますから」

ナギ「ならお前がいっぺんやってみろ!」

ハヤテ「嫌ですよ、痛いのに」

ナギ「ほら見ろ!」


マリア「でももう他に身長を伸ばす方法なんて……」

ナギ「まだいっぱいあるわ!! 手術然り、食べ物然り……」

ハヤテ「そう言えば足に鉄骨みたいなものを埋め込んで伸ばすって言う方法があるって聞いたことがありますね」

ナギ「でも手術はちょっと怖いから嫌なのだ」

マリア「なら食べ物で伸ばすしかありませんね」


***

一時間後

ナギ「……なんなのだ、コレは……」ウプッ

ハヤテ「身長を伸ばすにはカルシウムとマグネシウムとビタミンD、それからタンパク質が必要ということなので、牛乳と生牡蠣とレバーとサンマをミキサーにかけてみました。お召し上がりください」クッサ

マリア「きっと飲んだら大きくなりますよ」ウプッ

ナギ「飲めるかアア!! これなら私の料理の方がまだ何倍もマシではないか!」

ハヤテ「好き嫌いを言っていては大きくなれませんよ?」ズイッ

ナギ「くさいッ! 顔に近づけるな!!」

マリア「勇気を出しなさい、ナギ」ガシッ

ナギ「ワアアアア!! 馬鹿! やめろオオオオ!!!」バタバタ

ハヤテ「それ、ごっくん」ゴキュッゴキュッ

ナギ「おげええええええええええ!!!!!!!!!」


マリア「頑張って!」

ハヤテ「あと一口ですよ!」ゴキュゴキュ

ナギ「うぎいいいいいい!!!!!」ビクンビクン ドサッ

マリア「ナギ、しっかり!」

ナギ「」ギュルギュルギュルピー

ハヤテ「大丈夫ですか?」

ナギ「」ギュルギュルギュルピー

マリア「反応がありませんね……」

ナギ「」ブピイイイ ブバッ

ハヤテ「……なんか嫌な音したんですけど」

マリア「……一応トイレに連れていきますわ」ズルズル

ナギ「」


***

ナギ「うぅ……まだお腹がグルグルしてる気がする……」ヨロヨロ

ハヤテ「すいません……。さっき確認してみたら牛乳も生牡蠣もレバーもサンマも、全部古かったみたいで……」

ナギ「全部ってどういうことだよ! これもう私をイジメたいだけだろ!! 日頃のストレスを晴らしたいんだろ!? だからってこんなのあんまりではないか!!」ウワアアアアアン

マリア「そんなことないですよ。私もハヤテ君もあなたのためを想って……」

ナギ「嘘こけ!」

ハヤテ「お嬢様、ウンコみたいな臭いがしますね」ハハハ

ナギ「誰のせいだよ!?」


マリア「まぁまぁ、ナギも機嫌を直して……」

ナギ「フン! もういい!! お前達なんかには頼まん! あとは自分で身長を伸ばすッ!」ツカツカ

ハヤテ「む、無理ですよ! 最低でももう一人いないと引っ張ることなんて……」

ナギ「その方法はやらないって言ってんだろ!」

ハヤテ「ですがお嬢様……」

ナギ「うっさい! 当分私の部屋に入ってくるな!」バタンッ

ハヤテ「お嬢様……」シュン


***

ナギ「まったく! 今日はいったいどうしたと言うんだあいつら! いつもはすごく有能なのに、今日に限ってはあり得ないくらい役立たずなのだ!」

ナギ「私を大切にしようって気持ちも微塵も感じられないし……」

ナギ「……」

ナギ「……も、もしかして愛想尽かされたのかな……」


***

ハヤテ「お嬢様に愛想尽かされちゃいました……」シュン

マリア「なかなか上手くいかないもんですね……」シュン

ハヤテ「お嬢様の力になってあげたいのに……」

マリア「……とりあえずさっきの方法でホントに伸びないのか、とことんやってみませんか?」

ハヤテ「そうですね……。僕たちの方法が正しかったってことを証明してみせましょう」

マリア「そうと決まれば膳は急げです! バーベルに足を挟むので、ハヤテ君、引っ張ってください!」ズシン

ハヤテ「分かりました!」グイーッ


***

ナギ「……マリアとハヤテが私を嫌いになるわけ……。……なるわけ……」

ナギ「……」シュン

ナギ「……いつも我がまま言ってるからな……」

ナギ「流石に怒ったのかな……」

ナギ「……」

ナギ「……謝ったらいつもみたいになってくれるかな……」

ナギ「……」

ナギ「……い、いや! どう考えても今日のはやりすぎだ! 私が謝る必要なんかないではないか!」

ナギ「……」シュン


***

その晩

ナギ「……」ガチャッ

ナギ「……」スタスタ

ナギ(やっぱりいつもの態度を謝ろう……。そうして仲直りをしよう……。だってこのままじゃ……)スタスタ

ナギ(マリアとハヤテはどこにいるかな……?)


ア! ヤッパリノビテマスヨ!

スゴイコウカデスネ! コレナラナギモマンゾクシマスワ!


ナギ(あ、マリアとハヤテの声……。この部屋か……)トントン

ナギ「入るぞ……」ギイイイ



ナギ「」





ハヤテ(416㎝)「あ、お嬢様!」ギュルギュルギュルピー

マリア(536㎝)「まだ起きてらしたんですか?」ギュルギュルギュルピー






目の前にいたのは、不気味なほどに腕の伸びた……。




***



ナギ「……という初夢を見たのだ」ガタガタ

ハヤテ「」ズーン

マリア「」ズーン

ナギ「これは一富士二鷹三茄子で言うと何番目くらいに縁起のよい夢なのだ?」ガタガタ

ハヤテ「いや、それよりもお嬢様……」

マリア「私たちのこと、一体なんだと思ってるんです……?」

ナギ「フロイトの夢分析によれば、腕の長さはその人の陰茎の長さを反映しているとか……」

ハヤテ「フロイトはそんなこと言いませんよ!」

マリア「だいたい私には陰茎なんてついてません! ///」


ナギ「まぁいい。変な夢を見て嫌な汗をかいた。喉が渇いたからあそこのテーブルに置いてある水をとってくれ」

ハヤテ「はい、お嬢様」ヒョイ 






ナギ「」





ナギ「……ハヤテ、お前……。その腕……」




ハヤテ「……」ニィ











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