【食の軍師】喫茶店の軍師 (15)

泉昌之の「食の軍師」という作品のSSです。実在する人物・店とは(ry
SS初作品ですのでミスがあるかもしれませんが、その時はどうか優しく指摘してやって下さい。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1422981487

ーー大宮
本郷「仕事まで時間があるな・・・」
本郷「こんな時は石川に行った時のことを思い出すな。T氏に大根のことで笑われて恥をかいたっけなあ」
本郷「あの時は暇を潰せる気の利いたプールバーなんてものは無かったが・・・」
本郷「ーーここには気の利いた喫茶店ならある!(はず)」

本郷「しかしこの辺りには喫茶店がやたら多いみたいだが・・・よく見るとイマイチな店ばかりだな」
本郷「UTT系列の喫茶店はコーヒーの味が予想出来てつまらん」
本郷「最近は猫喫茶なんてもんが流行っているらしいがおっさんが一人で行っても画にならん」
本郷「おっあの店はざっかけないシンプルな店構えで良さげだな。あそこにしよう。・・・って何!?」
本郷「禁煙だと!?ふざけるんじゃない!!」
本郷「タバコが吸えない喫茶店なんて葱が乗ってない冷奴だ!太陽の塔が無い大阪万博だ!」
本郷「何が健康志向だ!そんな甘ったれた考えで男が磨けるか!ったく」

本郷「ん?なになに・・・「自家製ケーキとスコーンあり・」だと?ちょいと良さげな感じ」
本郷「懐かしい真鍮のノブが付いた白い木製のドア。きちんと掃除がされていて綺麗だが所々にささくれが見えてとれる。年季が入っているな。この城はなかなか手強そうだ。よし、攻め入って見るか」
カランカラン
店員「いらっしゃいませー」
本郷(フム。客は俺だけか。内装も合格点。狭いが落ち着いていていい感じだ)
本郷(とりあえずカウンターに座って・・・)
店員「あっ申し訳ありません。その席は常連さんの席でして。そろそろその方がいらっしゃる頃ですので他の席にしていただいてもよろしいですか。」
本郷「あっ はいすみません」
本郷(しまったぁ〜〜〜!喫茶店に限らずこういう小さい店の場合カウンターの中央は常連の席だから一見客は端の席に座る、なんてのは常識じゃないか〜〜)
本郷(池波正太郎も言っていた基本中の基本を忘れるとは俺のバカバカバカ!)

本郷(落ち着け。いきなり恥をかいたが焦るんじゃない。)
本郷「すみません。コーヒーブラックで下さい。」
店員「はい。かしこまりました。」
本郷(とりあえずコーヒーを注文する。喫茶店のコーヒーに香りや味を台無しにする砂糖やミルクを入れるのはNG。入れるにしても味を見てからだ。いきなりミルクを入れたりすると旨いコーヒーを客に提供しようとするマスターの努力を台無しにすることになる)
本郷(そして次にメニューを見る。自家製ケーキは日替わりで今日はモンブランとイチゴのタルトがあるのか。)
本郷(いやまて。コーヒーの味によって合うケーキは変わる。酸味が強めのコーヒーならイチゴのタルトが合うし、酸味が弱くて苦味が強いコーヒーならモンブランがベスト)
店員「お待たせしました。」
本郷(おっ来た。どれ・・・)ズズズ
本郷(うむ。酸味が弱くて苦味が強い、香ばしいコーヒーだ。自家焙煎では無いものの、十分香りが立っていてうまい。これならモンブランで決まりだ)
本郷「すみません。モンブラン下さい。」
店員「かしこまりました。」

店員「お待たせしました。モンブランです。」
本郷(頂点に鎮座する大きな栗。実に美しい。存分に見た目を楽しんだら一度玉座から下ろすのがポイント。)
本郷(そして端をフォークで切って食べると・・・うん。美味い。モンブランはこの甘みの中に忍ぶ栗のほのかな渋みがいいんだなあ。クリームにどっしりとコクがあってコーヒーによく合う。美味い。)
本郷(本体を全て食べ終えたところで没落した王を一口で頂く。男はいつだってこの瞬間、楽しみにとっておいたショートケーキのイチゴを食べる子供に戻れるんだ。)
本郷(残ったコーヒーを一気にあおる。そうしたらもう一度コーヒーを注文する。だが今度はミルクも砂糖も有りだ。もちろん最初はブラックで飲むが、途中でミルクを入れ、飲み進めたら砂糖を入れる。こうすることで3回に分け、長くじっくり楽しめるのだ。)
本郷「すいません。コーヒー下さい。今度はミルクも砂糖も下さい。」
店員「はい。かしこまりました。」

あとやっぱ詰まってるから台詞のあいだに改行欲しいかなって

>>8
目からウロコが落ちました
指摘ありがとうございます。




店員「お待たせしました。」

本郷「うむ。」

本郷(最初は焦ってミスをしてしまったがこれでこの城も俺の天下・・・)

カランカラン

店員「あ、お待ちしていました。今日はいつもよりちょっと遅かったですね。」

???「ちょっと用事があってね。でもそんなに遅れないですんでよかったよ。」

本郷(なぬ?常連客か。敵はどんな強者だ?ってゲ!あいつは!)

本郷(力石!)

本郷(マスターとの会話に夢中でこちらには気づいていないようだ。俺が統一した城をどう攻略する気だ?)

力石「じゃ、アールグレイとチョコレートスコーンを。」

店員「はい。」

本郷(あっ!)

本郷(そういえばこの店は自家製ケーキとスコーンが売りの店・・・ケーキだけならともかくスコーンがあるいうことは間違いなく紅茶に力を入れている・・・)

本郷(拙者は本丸に気付かずに城を攻略した気になっていたとは・・・)

店員「お待たせ。」

力石「へへへ。このサワークリームをスコーンに付けて食べると美味いんだよなあ。」

力石「ここはコーヒーもいいけど紅茶が美味いんだよなあ。紅茶がいい喫茶店って貴重だからなあ。」

店員「そう言ってもらえると嬉しいなあ。」

本郷(軍師、死す!)

本郷(こうなりゃ早期撤退が吉!余は南京死守を命じた・介石と同じ轍は踏まぬぞ!)

本郷(一気にコーヒーを飲み干し急いで会計を済ます!)グイッ

本郷「あちゃちゃ!」

力石「ん?あれ?本郷さんじゃないっすか!」

本郷「や、やあ。久しぶりだね。」(くそ!撤退失敗!気づかれた!)

力石「本郷さんもここ知ってたんですか。今度来たらサンドイッチも試してみてくださいよ。特にフルーツサンドがなかなかの出来ですよ。紅茶ともよく合うんですよ。」

本郷「あー、そうなんだ。ありがとう。」(おせっかいなんだよ!もういいだろ!これ以上傷をえぐるな!)



店員「ありがとうございましたー」

カランカラン

本郷「くそ!埼玉はやつのホームグラウンドだったか!こんな街もう二度と来るもんか!」

とりあえずこれで終わりです。
・介石は蒋介石です。
旧字体が使えないということを初めて知りました。
行間の指摘はありがとうございます。
次のネタも一応あるのでそのうちまた泉昌之作品で書くかも知れません。

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