矢矧「温泉旅行?」 (13)

「ああ、ぜひ君と一緒にと思ってね」

矢矧「・・・なぜ私なのですか?」

「なぜって、私が一番好きな艦が君だからだよ」

矢矧「そうですか・・・ありがとうございます」

「それで答えは?」

矢矧「せっかくのお話ですが、遠慮させていただきます」


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「・・・理由を聞こうか」

矢矧「今はまだ戦時中です。」

矢矧「私だけ他のみんなを置いて旅行というわけにはいきません」

矢矧「それに・・・私は提督とカリとはいえ結婚した身です」

矢矧「提督以外の男性と誤解を招くようなことはできません」

「・・・ふむ、そうか」

矢矧「では私はこれで失礼します」

「そういえば君ところの提督は中将だったね」

矢矧「そうですが、それが何か?」

「聞けば前回の作戦において大きな戦果をあげて昇進が期待されているとか」

矢矧「・・・」

「まあ大本営の機嫌を損ねさえしなければ昇進は確実だろうねえ」ニヤッ

矢矧「・・・何をおっしゃりたいのか理解しかねます」

「まさか聡い君ならわからんということはないだろう?」

矢矧「・・・脅すつもりですか?」

「はて、何のことかな?」

矢矧「・・・下衆め」

「そんなに私と温泉旅行に行くのが嫌かね?」

矢矧「誰があなたみたいな権力を振りかざす嫌な男なんかと!」

「仕方ない、それじゃあ君との温泉旅行は諦めよう」

矢矧「えっ」

「そのかわり、君の姉の・・・阿賀野といったか。彼女を誘ってみるとしようか」

矢矧「っ・・・」


「どうしたんだい? 苦虫をかみつぶしたような顔をして」

矢矧「・・・姉には手を出すな」

「それは君次第だよ」

矢矧「・・・わかった。」

矢矧「あなたと温泉旅行に行こう・・・」

「理解が早くて助かるよ」ニヤッ

矢矧(・・・すまない、提督)

矧「用件が済んだなら、はやく帰って」

「つれないなあ」

矢矧「あなたなんかといるところを誰かに見られたくないの」

「随分と嫌われてしまったようだ」

「まあいい、私も忙しい身なのでね、これで失礼するよ」

バーン

摩耶「見つけたぞ!この無能野郎!」

「なんだお前は…」

矢矧「あなたは隣の指令室の摩耶……、なんでここに?」

摩耶「別にあんたらの関係を問い質すつもりはねえ」

摩耶「そこの男に用があるだけだ」

矢矧「?」

「……何の用だ?」

摩耶「お前のせいでうちの提督が……」ギリッ

「ああ、飛行場姫撃滅に失敗した役立たずのことか」

摩耶「黙れ!!あんな無茶な作戦、成功するはずがなかったんだ!」

摩耶「お前があんな作戦をやらせなければ今も提督は……」

「ふん、君たちの練度が足りないだけではないか」

摩耶「なんだと!?」

「まあ、あえて同情するなら運がなかったな」

摩耶「貴様あああああああ!」

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