友奈「消えたぼたもち事件」 (37)




・正解率100%(多分)





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~☆

友奈「うー……。眠い……」テクテク

友奈「……あれ?」

友奈「蓋が、ちょっと開いてる?」パカッ

友奈「あら」

友奈「一個無い、ね」

友奈「うーん。てことは誰か、食べちゃったんだ」

風「おはよ、友奈」

友奈「あっ、おはようございます、風先輩」

風「朝から重箱開けて、何してるの?」

風「それ、食べるのはお昼って昨日決めたでしょ?」

友奈「一個、中のぼたもちが足らなくて」

風「足らない?」

友奈「誰か一個食べちゃったみたいです」

友奈「もしかして風先輩、食べました?」


風「ううん、食べてないわよ」

友奈「そうですか」

風「そろそろ樹と夏凜起こす?」

風「朝ごはんは――」

友奈「東郷さんが作ってます」

風「そっか」

風「完成は……いい匂いしてきたし、もうすぐのようね」

友奈「ですね」

風「二人、呼んでくるわ」テクテク

友奈「はーい」


友奈「…………」

友奈(それにしても、風先輩が食べてないなら、いったい誰が食べたんだろう?)

友奈(私じゃない。東郷さん……とも思えない)

友奈(でも、樹ちゃんと夏凜ちゃんは寝てる)

友奈(…………?)

風「連れて来たわよー」

夏凜「おはよー」

樹「…………はよ」

友奈「二人とも、おはよー」

友奈「あれ?」

友奈「ねえ夏凜ちゃん」

夏凜「なに、友奈」

友奈「その口元についてるの、何かな?」


夏凜「何って……」

夏凜「何これ」

夏凜「……」ペロッ

夏凜「こしあん、だわ」

風「ふーん、なるほどねー」

夏凜「何よ」

風「夏凜が、ぼたもちを食べた犯人だったわけね」

風「まっ、一個くらい構わないけど」

夏凜「何を言ってるの、風?」

風「だからー、口にこしあんつけてたってことは、食べたってことでしょ?」

風「ちょうど一個、重箱の中からぼたもち消えてる、状況証拠はあがってるんだからさ」

夏凜「……そんなこと言っても、食べてないわよ、私」

風「え?」

~☆

<勇者部消えたぼたもち裁判>

東郷「そ、それではこれより、消えたぼたもち事件に関する裁判を行います」

東郷「検察官、犬吠埼風……先輩」

風「はい」

東郷「弁護人、結城友奈……ちゃん」

友奈「はい」

東郷「被告人、三好夏凜ちゃん」

夏凜「はい」

東郷「あの、風先輩」

風「ん?」

東郷「裁判って、こんな感じで良かったんでしたっけ……?」

風「気にしない気にしない。違ってていいのよ。あくまで話し合いの雰囲気のためのものなんだから」


東郷「そ、そうですよね」

東郷「……えー、ゴホン」

東郷「それでは、開廷します」

東郷「検察官、冒頭陳述を――」

風「ごめん、東郷」

風「自分から言い出しておいてこんなこと言うの本当に申し訳ないけど、
  ごちゃごちゃしたの面倒だから、もっと軽くやろう」

風「東郷は、事実の客観的判断と議論の進行を軽ーくやってくれればいいよ」

風「現状、一番無罪っぽいと言えるのは東郷だからね」

友奈(自分でいつでも作れる食べものを、一つ食べて、
   なのに食べてませんって言う理由ないもんね)

友奈(でも、食べてませんって言う理由ないのは、夏凜ちゃんもほとんど一緒なのが……)


風「えーと、夏凜」

夏凜「なに」

風「あなたは、東郷のぼたもちを一つ食べましたか?」

夏凜「食べてません」

風「食べてないなら、あなたの口についていたこしあんをどうやって説明するつもりですか?」

夏凜「知らないわよ」

夏凜「私に言えるのは、私が食べてないってことだけ」

夏凜「だから、誰かが私の口に付けたんだろうとしか言えないわ」

風「誰かは、なんでそんなことを?」

夏凜「そんなの、私の口にぼたもちつけた誰かに直接聞いてよ」

風「そう」

風「じゃあ、この可能性の吟味はひとまず後回しにしよっか」


風「裁判長、証人の召喚を要求します」

東郷「わかりました」

東郷「犬吠埼樹ちゃーん」

樹「……は、はい」テクテク

東郷「証言をお願いします」

風「ねえ樹、なんか浮かない顔だけど、どうしたの?」

樹「……その、あっちの部屋にいる牛鬼の元気がなくて、どうしたのかなって心配で」

友奈「元気がない?」

樹「うん、床に座って、じっとしてるの」

樹「いつもだったら、友奈さんのスマホから勝手に外に出てる時は、フヨフヨ飛び回ってるのに」

樹「牛鬼に何か、あったんでしょうか?」


友奈「……うーん。ここ数日、小食気味に食事制限させてるからなのかな?」

友奈「教えてくれてありがと、樹ちゃん。あとでビーフジャーキーあげてみる」

樹「はい、そうしてみてください」

東郷「では、証言の方を、改めて樹ちゃん、お願い」

風「そうね」

風「樹、あなたは今回の事件について、何か知ってることはありますか?」

樹「知ってること……」

風「なんでもいいのよ、どんな些細なことでもいいから」

樹「……お姉ちゃん、私、今日いつもより早く目が覚めたの」

風「え? 樹が? 自分で?」

樹「うん」

風(明日は雪でも降るのかしら……?)


風「それで? 朝起きたのはいつ頃のことなの?」

樹「東郷先輩がまだ起きてないとき」

風「つまり……」

樹「友奈さんとお姉ちゃんが起きるかなり前」

風「ど、どうしてそんな早い時間に起きたの?」

風「普段の樹からしたら、とても考えられないわ……」

樹「その、トイレに行きたくなって」

樹「それで布団に戻ったんだけど、昨日私だけずいぶん早く寝たから、
  目がパッチリで全然二度寝できなかった」

樹「だから、布団にくるまって、目を閉じてた」

樹「でも、布団や扉の音、足音、気配で、
  お姉ちゃんが私と夏凜さんを呼びに来るまで、何人起きて部屋を出たかはわかるよ」

風「……何人なの?」


樹「三人。東郷先輩、友奈さん、お姉ちゃん」

樹「部屋を出たのは三人だから、夏凜さんはお姉ちゃんが呼びに来るまで起きてなかった」

樹「だから、夏凜さんはぼたもちを食べてない、と思う」

風「うーん……なるほど」

風「夏凜に有利な証言、か」

東郷「樹ちゃん」

樹「なんですか?」

東郷「時々でもいいから寝ぼけていた可能性はないの?」

東郷「私が布団を出てから、朝ご飯ができるまで結構な時間があったと思うけど」

樹「それはない……と思います」

東郷「なるほど。ずっと起きていた可能性が高いのね」

樹「はい」


東郷「でも、樹ちゃんの証言は、私が起きて部屋を出てから、夏凜ちゃんがぼたもちを食べていない証言にはなっても、
    それより前に夏凜ちゃんがぼたもちを食べていないことは一切証言しない」

東郷「樹ちゃんの言っていたことが正しくても、
    昨日の夜から、今日私が起きる時間まで、が夏凜ちゃんの犯行可能時間として残るわ」

樹「そっか……」

東郷「流石に晩御飯の後すぐとかに、ぼたもちのあんこをほっぺたに付けてたら、誰か気付いたはず」

夏凜「……」

夏凜(なんかお前が犯人だ、って遠回しに言われてるみたいで、こういう時間気分のいいものではないわね)

東郷「樹ちゃんの証言は、これで終わり?」

樹「は、はい」

東郷「風先輩は、樹ちゃんに対して、これ以上今までの話で掘り下げたいところはありますか?」

風「ううん、特にないよ」

東郷「それじゃあ、友奈ちゃん、樹ちゃんに何か質問は?」

友奈「ないです」


東郷「なら私が一つ、質問してもいい?」

樹「東郷先輩が? ……いいよね、お姉ちゃん」

風「もちろん」

東郷「朝、私が部屋を出てから、水の音、しなかった?」

樹「水の音、ですか」

東郷「……ついさっき、朝のことを改めて思い返していて、気付いたことがあるの」

東郷「キッチンで料理をしていたとき、二回じゃーって水音が聞こえたと思う」

東郷「私が料理をしているから、気を使って、あっちの洗面所を使ったのね」

友奈「あっ」

友奈「私、朝起きてすぐトイレに行って、東郷さんが料理してたから、洗面所の方で手を洗ったよ」

東郷「つまり一回は、友奈ちゃん」


東郷「風先輩は朝、事件発覚までの間に、あそこの洗面所を使いましたか?」

風「ううん、使ってないわよ。起きてすぐ、リビングに行って、寝室に夏凜たち起こしに戻ったから」

樹「友奈さんが起きてから、そんなに経たないうちに、お姉ちゃんが起きました」

東郷「そうよね、さっき事件の説明を、この裁判ごっこ始まる前に聞いたとき、そんな感じだったもの」

東郷「……だけど、私が聞いた水音は、それなりの時間を空けてから、聞こえてきたわ」

東郷「樹ちゃんは、私が起きる前にトイレに行って、その後一度も行ってない?」

樹「行ってません」

風「その水音って、東郷の聞き間違えだったりしないの?」

東郷「断言はできませんが、違うと思ってます」

東郷「水音で、誰か起きたんだ、朝の挨拶しなくちゃ、って二回思った記憶があるので」

 
樹「っ!」

樹「そう言えば、二回しました! 水の音!」

樹「また、水の音……? って、私ぼんやりとだけど思いました!」

風「……つまり?」

東郷「私と樹ちゃんが聞き違えをしてるか、これまでの話にどこかおかしいところがあるか」

東郷「夏凜ちゃん以外の誰かが、嘘をついてるかも、ってことです」

風「…………それって、私のこと?」

東郷「嘘、かどうかはともかく、友奈ちゃんかもしれません。なんなら樹ちゃんかも」

東郷「友奈ちゃん、朝に洗面所を使ったのは一回だけ?」

友奈「そ、そうだよ」

東郷「これで、友奈ちゃんが二回洗面所に行っていた場合、説明不足とかではなく、嘘だったってことに」


風「そこまで言うなら、東郷、あんたも嘘をついてる可能性あるでしょ」

東郷「可能性……。可能性で言うなら確かにそうですね」

東郷「しかし、今とても大きな問題は、誰が、も一応そうですが、
    それよりも、何故、こんな嘘をつく必要があったのか、では?」

東郷「仮に私が、夏凜ちゃんの口元にこしあんをくっつけたのだとしましょう」

東郷「だとしたら、せっかくいま夏凜ちゃんばかりが疑われているのに、
    それをむざむざ否定するようなことを言い始める利点は?」

風「それは……」

東郷「私が一番、食べた可能性が低い、とさっき風先輩はおっしゃいました。だから裁判官役なのだ、と」

東郷「でも、かもしれない、で続くこんな水掛け論の問題は、やっぱり些細です」


東郷「犯行に及びそうな度合いにおいて、勇者部五人の内で差異はない」

東郷「となると真に問題となるべきなのは、どうして犯人がこれを隠す必要があったのかを理解――」

夏凜「差異なら、一番わかりやすいのがあるじゃない」

友奈「夏凜ちゃん?」

夏凜「この中で、一番食いしん坊で、ついつい食べ物に手を伸ばしちゃいそうなのは誰?」

夏凜「風でしょ」

風「――っ!」

友奈「夏凜ちゃんっ!」

風「あんた、私が嘘ついて、あんたをはめようとしてるって言いたいわけ?」

風「それも、こんなつまらないことで」


夏凜「だったら風は、私がこんなつまらない嘘をつき続ける人間だって言いたいの?」

風「言いたいわけないでしょっ! でも私は――」

夏凜「私だって、そうよ!」

夏凜「風がこんなことで嘘をついてるなんて、思いたくない!」

夏凜「他のみんなに対してだってそう!」

夏凜「けれども、私自身に関しては、そんなこと絶対してないってことが、はっきり私にはわかってるのよっ!」

夏凜「だから――」

友奈「もう、やめようよッ!!!」

東郷「友奈ちゃん……」

友奈「誰がぼたもちを一つ食べたかなんて、とってもとぉっても、どうでもいい問題でしょっ!」

友奈「なのにこんな――」


夏凜「ええ、そうよ。本当にどうでもいいわ」

夏凜「風も、樹も、東郷もどうでもいいって思ってるでしょうね」

夏凜「だから私が、私がやりました、ってここで言ってしまえば、それですべて丸く収まるのかもしれない」

夏凜「けれど、私はそんなことしてない、って言葉を曲げるつもりないから」

夏凜「あなたたちに対して、そんなつまらない『嘘』つく人間で、いたくないもの」

夏凜「私は、勇者三好夏凜なんだから」

樹「か、夏凜さん……」

東郷「…………」

風「……」


友奈(ダメだよ、こんな……)

友奈(みんなで、誰が嘘をついてるのか、口論して、どんどん本当のことがわからなくなってく)

友奈(本当のことなんて、本当は、勇者部にとってどうでもいいことなのに)

友奈(誰、誰が、こんな……。いったい誰がぼたもちを……?)

友奈(お願いだよ……。責めたりしないから、こんなギクシャクした時間、私、嫌なんだ……)

友奈(だから――)





牛鬼「――ッッッ!!!!!」バッ!





友奈「ぎゅ、牛鬼っ!?」

樹「どうしたんでしょう、急に」

風「お腹でも、空いたのかな」

夏凜「まったく、今はそれどころじゃ――」

東郷「……この子が、今回の事件の犯人ってことじゃないですか?」

友奈 樹 風 夏凜「え?」

東郷「そう考えるのが、このタイミングで勢いよく飛び出してきたことの、一番自然な解釈だと思います」



牛鬼「…………」ショボーン… フヨフヨ…

~☆

友奈(あれから、非常に協力的な牛鬼との現場再現の繰り返しと、私による牛鬼に関する事情の説明によって、
    事態の推移はほぼ疑問の余地なく明らかになりました)

友奈(あと、東郷さんの推理と、風先輩の牛鬼の心理描写も、そこかしこで光っていました)

友奈(……ぼたもちを食べたのは、牛鬼でした)

友奈(ぼたもちを勝手に牛鬼が食べる。ある意味私たちにとって、ごく日常的な光景)

友奈(けれども、牛鬼が自らの犯行の偽装を今回行ったことが、私たちの目を眩ましたのです)

友奈(精霊が私たちになんらかの害を与えることはない。精霊は私たちの言うことを聞く)

友奈(牛鬼以外の精霊には、おしなべて常に働くその常識が、
    私たちの嫌疑を無意識に精霊たちから逸らしていたのが一つ)

友奈(あと、食べるときは毎回正々堂々食べて、なおかつ何も残さず食べるのが、牛鬼の『つまみ食い』だ、
    という固定観念が勇者部全員にあったのも災いしました)


友奈(牛鬼は基本的にはいい子で、裏表がない)

友奈(しかも、精霊は、神樹様の使いなのだから、他人に罪をなすりつけるなど考え付かない、
    まったく善の存在であるはずだ)

友奈(おかげで、牛鬼の単純な、夏凜ちゃんの口にあんこをつける、
    なんて偽装工作に私たちはあっけなくひっかかってしまいました)

友奈(牛鬼がそうしたことに、理由はあります)

友奈(今回の事件は、私が数日前から、牛鬼に大きな罰と小さな罰を与えていたことから始まりました)

友奈(ここ最近、牛鬼の周りを顧みない暴飲暴食は、口頭の注意ではどうにもならない域に達していました)

友奈(その一例が、東郷さんが用意してくれたぼたもちを、何日も連続で食べつくしたことです)

友奈(今回、重箱でぼたもちが用意されていたのも、牛鬼に食べられまくったから、
    そんな事態がまた起こらないためのそれ自体効果は薄いながら一応の防止策でした)

友奈(そういう防止策とは別に、私も、牛鬼に悪いことを繰り返した罰を与えていたのです)


友奈(手始めに、一日三食の食事を強制的に抜き)

友奈(それから、毎日の食事量を管理して、摂りすぎないようにする)

友奈(一日の絶食ののち、牛鬼は従順に私の食事制限に従いました)

友奈(そして、私はそれを、牛鬼もついに反省してくれたんだと思うようになった)

友奈(確かにそういう一面もあったことでしょう)

友奈(しかし、牛鬼の従順さを何より深く支えていたのは、またつまみ食いをすると、
    一日絶食させられるかもしれない、という恐怖でした)

友奈(もしかすると、同じ失敗をこれ以上繰り返せば、より重い一日よりも長い絶食が、
    自らに課されるかもしれないと考えたかもしれません)

友奈(とにかく牛鬼は、黙って大人しく、小食に甘んじていました)

友奈(しかし、今日の朝、私たち全員が寝静まっている中、
    激しい空腹に苛まれた牛鬼に、うっかり魔が差してしまったのです)


友奈(ふらふらと重箱に近づいてしまった牛鬼は、
   それを開けて、中のぼたもちを一つ食べてしまいました)

友奈(その直後、牛鬼は己の恐ろしい失態を自覚したようです)

友奈(そして牛鬼は、どれだけ内心の葛藤を経たかは定かではありませんが、己の失態を偽装しようとしました)

友奈(ぼたもちを食らった犯行時刻は東郷さんが起きた後)

友奈(どうやらみんなの寝室への扉は、東郷さんが締め忘れて、牛鬼が入れる程度に開いていたようです)

友奈(私は、朝起きて部屋を出るとき寝ぼけていて、それには気づきませんでした)

友奈(牛鬼は寝室に向かう前、自らの身体に重箱内のこしあんをぬりたくると、
    荒した痕跡をなるべく自然にしてから、寝室で眠っている人間、この場合夏凜ちゃんという唯一の存在の元へ向かいました)

友奈(無事に作業を終えて、牛鬼は洗面所に体を洗いに行きました)

友奈(これが、東郷さんや樹ちゃんの聞いた、一回目の水音だったというわけです)

友奈(それから何食わぬ顔で戻ってきたあと、時間の経過を待ち、
    最後まで事態を静観しようとしたが、良心の呵責に耐えられなくなり自白)

友奈(これが今回の事件の顛末でした)


友奈(私は、風先輩にこう言われました)

友奈(悪いことをしたら、その報い、罰を受けさせることは重要なことよね)

友奈(でも、それは、これから同じ事件が起こらないよう予防してくれるものになるとは限らない)

友奈(それどころか、悪いことを、今後更に悪い方向へ向かわせる可能性を、少なからず持つものなんじゃないかな、と)

友奈(私は、今回の事件の後、牛鬼にあげる普段のご飯やおやつの量をここ数日と比べて増やしました) 

友奈(あれから、牛鬼は従順です。だから、今度こそ、反省しているのだと思います)

友奈(だって、牛鬼が今回の事件の後食べている量は、以前暴食がどうにもならなかったころと比べれば、
   かなり少ないと言える量まで抑えられているのですから)

友奈(夏凜ちゃんと、風先輩が、誤解が溶けたあと、互いに謝りあった)

友奈(もっと言ってしまえば、勇者部が全員互いに対して謝りあったことを、つけ足しておきたいと思います)

友奈(嘘を言ってないって信じるべきだったのに、こんなことで誰も嘘をつかないと、わかっていたはずなのに)

友奈(疑ってしまってごめんなさい、と)


友奈(私は、今回の事件があって、結果的には良かったと思っています)

友奈(なぜなら、互いの言葉を疑いあうという経験は、確かに気持ちの良くないものであったにせよ)

友奈(互いをより深く信じるべきだ、勇者部のみんなはそれに値するメンバーたちなんだ、
    ということを改めて私たちに教えてくれたからです)

友奈(私たちは、今回の一件で大きく変わり、成長することができたんじゃないか)

友奈(あくまで希望的な考えだけど、私はそんな気すらしています)

友奈(私たち勇者部は常に進歩し、同じ失敗を繰り返し続けるようなことは――)

~☆

夏凜「ギャアアアアアアア! 義輝うううううううううう!」


牛鬼「……」モグモグ

義輝「……」ビクビク

友奈「あ、あわわわわわわ……」


夏凜「このっ!」パシッ

夏凜「だ、大丈夫……? 義輝……?」


義輝「…………」



義輝「……ゲドーメ」ガクリ



義輝「」



夏凜「う、うすらトンカチの教育、しっかりきっちりやっときなさいよっ、友奈のバカぁーっ!」

友奈「夏凜ちゃん、牛鬼がまた、ほんとにごめんなさーいッ!!!」




牛鬼「……」フヨフヨ



終わり

ミステリーの薄皮を被った、勇者部が互いに疑心暗鬼になる自然な日常シチュエーションってどんなの? って話
時系列としては四話付近を想定

年末から構想はあったけど書かずにちんたらしてたら
『結城友奈は勇者部所属』で重箱のぼたもち食べきる牛鬼がいた ネタの方向性は全然違うのでセーフだと思う

特典PCゲーとか、東郷さんものすごいポンコツなところあるけど、やる気が空回りしなければ多分有能だと思う 多分

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