雷「私がアイドル…?」 (44)

数ヶ月に書こうと思って結局書けなかったものです



店長「……で、春雨さんだっけ?」?

春雨「は、はい!」?

店長「きみ…………艦娘なんだって?」?

春雨「そ、そうです……」?

店長「うーん……悪いけど艦娘を雇うわけにはねぇ…」ポリポリ?

春雨「そ、そこをなんとかお願いします!…雑用でも何でもしますので!」?

店長「……そういうわけにもいかないんだよねぇ……大変なのは分かってるんだけど」?

春雨「…………わかりました…失礼します……」ペコ?

店長「ごめんねぇ…」?


―――
――



春雨「………」トボトボ?

バイトA「見て、あの子艦娘らしいよ」ヒソヒソ

春雨「っ!」ピクッ

バイトB「えーホント?こわーい…」ヒソヒソ

バイトC「なんで兵器がバイトなんか探してるの?」ヒソヒソ

バイトD「戦争が終わって居場所がなくなったんでしょ」ヒソヒソ?


春雨「………」トボトボ

春雨「…うぅ……ぐすっ…」?

春雨「司令官……」

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春雨「………」トボトボ

春雨(また雇って貰えなかった……)

春雨(戦争が終わったのは良かったけど……こんな扱い受けるならいっそみんなと一緒に………)

春雨(う、ううん!何を考えてるの私!)ブンブン

春雨(私がしっかりしなくちゃだめよ!お姉ちゃん達を支えていくためにもっ!)

??「すみません………ちょっといいですか?」

春雨「え…?わたし?ひっ…!」ビクッ

武内P「はい」

春雨(お、大きい人……提督くらいある……)ブルブル

武内P「わたくし、こういうものなのですが……アイドルに興味ありませんか?」スッ

春雨「あ、アイドル……ですか?」

春雨「わ、私……そういうのは……」

春雨(なんか怪しいし…何されるかわからない……)

P「名刺だけでも……受け取ってもらえないでしょうか…」スッ

春雨「は、はあ…………あっ…」

P「どうか、しましたか…?」

春雨「い、いえ……なんでも……」

春雨(司令官と同じ苗字だ………それに…)チラッ

P「………?」

春雨(雰囲気は違うけど……顔も少し司令官に似てる……)

P「……どうでしょうか…」

春雨「き、気持ちはありがたいんですが………私、艦娘なんです……」

P「………艦娘……ですか…」

春雨「…はい」

春雨(やっぱりそういう反応になるよね………別に慣れてるからいいけど……)

P「……実は私の兄も、軍人だったんです………」

春雨「え……?」

P「とある鎮守府の提督だったようで……まあ戦死してしまいましたが…」

春雨「あ、あのっ!」

P「……?」

春雨「あ……ご、ごめんなさい………その……もしかしてあなたのお兄さんの名前は……ですか?」

P「…そうですが」

春雨「っ!」パァァ

春雨「わ、私…あなたのお兄さんの部下だったんです!」

P「………それは奇遇ですね…」

春雨「あ……す、すみません………勝手に盛り上がってしまって……」

P「いえ……私も兄がお世話になっていた艦娘さんに出会えて光栄です…」

春雨「そ、そんな!お世話なんて…!」

P「………取り敢えず……事務所に顔だけでも出していきませんか?ここで立ち話も何なので……」

春雨「……は、はい…」

―――
――


P「……戻りました」

ちひろ「おかえりなさいプロデューサーさん……あら?」

春雨「こ、こんにちわ……」

ちひろ「あらあら~随分可愛い子連れてきましたね~……プロデューサーさんこういう子がタイプ何ですか?」

P「……別にそういうわけでは…」

ちひろ「こんにちわ!私この事務所の事務員の千川ちひろです!あなたのお名前は……?」

春雨「ひゃっ!えっと……私は……春雨っていいます……」

ちひろ「はるさめ……ちゃん?随分美味しそうな名前なんですね……あれ?でもどっかで聞いたことあるような……」

P「千川さん……あまりいじめないであげてください…」

ちひろ「別にいじめてませんよ!ちょっとスキンシップをとってただけじゃないですかー!ねえ春雨ちゃん?」

春雨「あ……は、はい………」

P「……お茶です」

春雨「ど、どうも……」

ちひろ「それより彼女の春雨ちゃんって名前ですけどどこかで聞いたこと無いですか?」

P「あ……彼女は艦娘らしいです…」

ちひろ「艦娘……?」

春雨「…っ!」ビクッ

ちひろ「プロデューサーさんったらまた艦娘ちゃんをスカウトしたんですか!?」

P「……そのようです」

春雨「へ?また…?」

ちひろ「あ……実はこの事務所にはもう一人アイドルがいるんだけど…その子も艦娘なのよ~」

P「…………」

春雨「お、お名前教えてもらってよろしいですか!?」

ちひろ「>>+2ちゃんよ、今はちょっといないけど」

ちひろ「秋月ちゃんよ、今はちょっと出かけちゃってるけど」

春雨「秋月ちゃん!?」

ちひろ「あら、お知り合いだった?」

春雨「あ、あの……武内さん………もしかして秋月ちゃんも…」

P「………はい、私の兄の下で働いていたそうです……」

春雨「わぁぁ……秋月ちゃん……元気にやってたんだ……」パァァ

ちひろ(これはいけそうですね…)ヒソヒソ

P(……………)

ちひろ「じゃあ本題に入るけど、春雨ちゃん………アイドルやってみない?」

春雨「…………それは無理です…」

ちひろ「えぇぇぇぇ!?」

春雨「私……人前に立つのとか特異じゃないですし………それに…ダンスとかも……」

ちひろ「そ、そんなのやってくうちに上達するって!ねえプロデューサーさん?」

P「…嫌がってるのに……無理に誘うことはできません……」

ちひろ「プロデューサーさんまで……」

春雨「せ、折角お誘いしてもらったのに申し訳ございません…」ペコ

P「こちらこそ………突然すみませんでした……」

P「…………」スッ

春雨「あっ…」


――
―――



提督『うーん………』スッ

春雨『なにかお悩みですか…?』コト

提督『あ、ありがとう………わかっちゃう?』

春雨『はい……だって司令官、困ったり悩んだりするとすぐ手を首に当てるんですもん……』

提督『そ、そうなのか……気づかなかった……』



―――
――

春雨「司令官……」

ちひろ「どうかしましたか?」

春雨「あっ………いえ!なんでも…ないです…」

ちひろ「今日はごめんなさいね……わざわざ来ていただいて………取り敢えず外まで送るから……」

春雨「…………」




――
―――




提督『春雨は可愛いなぁ…生まれ変わったらきっとアイドルだな!』

春雨『~っ!/// か、からかわないでくださいよぉ……////』

提督『アハハハ』






春雨『司令官!司令官!』ポロポロ

提督『……何泣いてるんだよ………可愛い顔が台無しだろ…』

春雨『司令官……うぅぅ……やだぁ……』ポロポロ

提督『春雨……1つ約束してくれないか…?』

春雨『ぐすっ……え?』

提督『お前の笑顔は、人を幸せに出来る………だからこの先辛い、悲しいことがあっても……笑っていて欲しいんだ……』

春雨『し、司令…官………ぐすっ…』

提督『おねがいだ…………はる……さめ………』




―――
――

春雨「……………」

ちひろ「………春雨ちゃん?もしかして具合悪い?」

春雨「あ、あの!」

ちひろ「わっ…!」

春雨「あの……その………」モジモジ

春雨「さ、さっきはあんな事……言ってしまったんですけど……わ、私……アイドル………やってみたいです……やらせてください!」

ちひろ「ぷ、プロデューサーさん…!」

P「……はい…」

ちひろ「それじゃ改めて……よろしくおねがいします、春雨ちゃん」

春雨「はい!」

ちひろ「そうと決まれば私も色々とやることが……プロデューサーさん、あとはよろしくおねがいしますね」

ガチャ

P「それではわたくしからも……改めてよろしくお願いいたします…」ペコ

春雨「は、はい…!こちらこそ…よろしくお願いします………ええっと…」

P「……プロデューサーとでもお呼びください…」

春雨「はい、プロデューサー!」

P「……………」

春雨「あ、あの……1つ聞いてもいいですか?」

P「……はい」

春雨「どうして………私を………スカウトしたんですか……?」

P「……………」

P「笑顔です」

春雨「笑顔…?」

P「……はい、笑顔です」

コンコン

春雨「ひっ…!」ビクッ

提督「……どうぞ」

ガチャ

秋月「おはようございます、プロデューサー!」

提督「……おはようございます」

春雨「あ……あ………」

秋月「今日は何のレッスンを………あ…」

春雨「秋月ちゃん!」ダキッ

秋月「は、春雨!?どうしてここに…」

春雨「秋月ちゃん……秋月ちゃん……」スリスリ

秋月「……ふふ、相変わらずですね………元気そうで良かったです」ナデナデ

春雨「ひっく…ひっく……ぐすっ……秋月ちゃん……うぅぅ」

秋月「もう……泣かないでください…」

秋月「プロデューサー……これは、そのやはり」チラ

P「はい、今日から春雨さんも一緒に活動することになりました…」

秋月「そうですか……でもよかったです…新しい仲間が春雨で」

春雨「私も!」

秋月「そうだ……村雨さんのどうですか…?」

春雨「っ!……お、お姉ちゃんは……その…」

秋月「………まだ良くなってないみたいですね……ごめんなさい、変なこと聞いて…」

春雨「う、ううん……そんなこと…」フルフル

春雨「それに私決めたの……村雨お姉ちゃんは私が守るって…」

秋月「春雨……」

秋月「私かあったら私にも頼ってくださいね……手伝いますから」ニコ

春雨「ありがとう…秋月ちゃん……」

P「……お話のところ申し訳ありません」ヌッ

春雨「ひゃいっ!」ビクッ

秋月「あ……す、すいません話し込んでしまって…」

P「いえ……実はわたくしこの後用事ができてしまいまして………秋月さんはこのまま自主練と言う形でお願いします…」

秋月「分かりました!」

P「春雨さんは……明日から練習に加わる形でお願いします………今日は送りますので…」

春雨「は、はい……分かりました…」

秋月「それじゃ春雨、また明日会いましょう」

春雨「う、うん!じゃあね、秋月ちゃん」

―――
――


春雨「すみません……わざわざ車で送ってもらっちゃって…」

P「……いえいえ……ここでよろしかったですか?」

春雨「はい、用事があるので…」

P「……お待ちしましょうか?そのあと家にも送りますが……」

春雨「だ、大丈夫です!家はここから近いのでっ!……それに用事あるんですよね?」

P「分かりました……では、明日事務所でお待ちしております…」

春雨「はい!」

ガララ

春雨「お姉ちゃん?起きてる?」

村雨「…………」ニコニコ

春雨「よかった起きてて~今日は顔色もいいね!……実はね、私アイドルになる事になったんだ!」

村雨「…………」ニコニコ

春雨「同じ事務所に秋月ちゃんもいたんだよ!凄いでしょ!偶然ってあるものなんだね~」

村雨「…………」ニコニコ

春雨「それにね…なんとプロデューサーさんが司令官の弟さんだったんだよ!」

村雨「…………」ニコニコ

春雨「おっきくて顔も司令官にそっくりなんだよ~……まあ少し怖いんだけどね…あはは」

村雨「…………」ニコニコ

春雨「あはは……はは………うぅぅ………お姉ちゃん…」

村雨「…………」ニコニコ

そう……あれは、お姉ちゃん達…私以外の白露型全員で出撃した…
ちょうどその頃私は輸送任務をしてた日の話…


――
―――

ザザァ

ドォン ドン

時雨「ふぅ……なんとか倒せたね…」

白露「今回も私が一番だったね!」

五月雨「あはは…」

夕立「夕立疲れたっぽい~」

村雨「それじゃあ帰投しましょうか」

涼風「ま、まって!………なにか聞こえる……」

時雨「っ!あ、あれは……」

五月雨「戦艦です!そ、それもたくさん……」

白露「マズイ!撤退!」

涼風「だ、だめだ!こっちにも回り込まれて……」

村雨「司令官!司令官!……駄目だわ……無線が…」

夕立「こうなったら戦うしかないっぽい…」

白露「そうみたいね…」

時雨「五月雨、涼風!魚雷発射管は?」

五月雨「大丈夫です!」

涼風「がってんだ!」

時雨「じゃあ雷撃をよろしく!残りみんなは敵をひきつけて!」

村雨「了解」

夕立「ぽい!」

ドン ドンドン バシャァ

五月雨「わたし達は回り込みましょう!」

涼風「おう!」

五月雨「敵艦見ユ……もう少し……よしっ!」

五月雨「てーっ!」バンッ

涼風「うりゃー!」バンッ

バァン

涼風「当たったか!?」

五月雨「きゃあっ!」

涼風「っち……気付かれたか……とっととずらかるぞ!」

五月雨「う、うん!」

涼風「あれ…?」プスプス

涼風(機関部故障…?まさかこんな時に!?)

涼風「えい!動け!うごけよ!」ガンガン

五月雨「す、涼風ちゃん!何してるの…!早く離脱しないと……」

ドォン

五月雨「え……?」

五月雨「う、うそ………そんな………」

ズドドド

時雨「くっ……やっぱり多いね…」

夕立「このままじゃラチあかないっぽい~」ドドド

ヒュー ドォン

白露「あぁああああ!!」

村雨「し、白露ちゃん!?」

白露「うわぁああ!!助けて!助けてぇ!!」ゴォォォ

夕立「し、白露ちゃん…!」バッ

村雨「だ、だめ!陣形を崩したら……」

パァン

村雨「あ………」

ドォン ドォォン

時雨「くっ…!」カチッ

時雨「え………そ、そんな……くそ!」カチッ カチッ

村雨「時雨ちゃん……私もみたい…」

時雨「そ、そんな!まだなにか手がっ…!」

村雨「ごめんなさい…」

村雨「私じゃみんな連れて帰れなかった……」

時雨「っ!なんで謝るのさ!」

村雨「時雨ちゃん……」

時雨「僕たちはベストを尽くしたじゃないか!村雨の指揮だって完璧だった!」

時雨「だから……そんなこと言わないで…」

村雨「時雨ちゃ……

ドォォォォン

村雨「くっ……しぐ…………え?」

時雨「……………」

村雨「あ……あ………う、うそ……」ガタガタ

村雨「うわぁぁあああぁああああああああああああああああああああああぁあああああ」

村雨「ああああああ……あああぁぁ……」

深海棲艦「……………」チャキ

ドォン

深海棲艦「っ!」

長門「………帰還が遅いから来てみたら……この……」プルプル

陸奥「村雨ちゃん!……よかった……まだ息はあるわ…」

加賀「許しません……」


村雨「あ……あ………あはは…」クテ


―――
――

春雨(あの日から村雨お姉ちゃんは喋らなくなった…)

春雨「お姉ちゃん……」

村雨「……………」ニコニコ

春雨「私、がんばるから!アイドルになって……お姉ちゃんの本当の笑顔を取り戻すから!」

村雨「……………」ニコニコ

春雨「まっててね……」ギュ

村雨「……………」ニコニコ

春雨「………じゃあね、お姉ちゃん…」

ガララ

村雨「……………」

村雨「…………はるさめ……ちゃん…」

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