前原圭一「梨花ちゃんの泣く前に」(35)

圭一(どうも、前原圭一です…)

圭一(今、俺は雛見沢分校の教室にいます…)

圭一(今は放課後で、何時もなら部活動をするんだけど今日は違うんだ…)

圭一(今日は…) チラッ

魅音 レナ 沙都子 梨花「……」

圭一(皆がうつむいている…、こんな状況なのは、部活動メンバーの一人である、梨花ちゃんが関係していた)

梨花(私は古手梨花、私は幾つもの惨劇を経験し、その度に巻き戻しては運命に抗う為戦ってきた…)

梨花(辛い時もあったけれど、圭一達の力を借りて私はこの前鷹野達東京を撃退し、運命を変えた)

梨花(……筈だった)

梨花(その日の夜、私は嬉しさのあまり、ワインを何時もよりも飲んでいたのよ…)プルプル

梨花(その結果急性アルコール中毒による死亡)

梨花(直ぐに巻き戻しをしたわ…、けれど酔っていたせいね
鷹野達東京が行動を起こす5日前に戻ってしまったのよ…)

梨花(……鷹野達の対処方法はもう大丈夫だから、どうでも良いのよ…)

梨花(今は、そんな事よりも重要な事があるのよ…!)

梨花(私以外の部活メンバーが前の世界の記憶を持っているかどうかよ…!!)チラッ



レナ 沙都子 魅音「!!」 フイッ



梨花(……やっぱり、記憶を持ってるようね、朝から様子がおかしかったもの…)

梨花(……ワインの飲み過ぎで死んだなんて口が裂けても言えないわね…、どう言い訳すればいいかしら…)

梨花(うーん……)

???「梨花」ボソッ

梨花(転んで死んだ事にしようかしら…)

???「梨花」 ボソッ

梨花「何よ…、うるさいわね…」 チラッ

梨花「なんだ…、いたのね羽入」 チッ

羽入「朝からずっといたのですよ!舌打ちは酷いのです~」 アウアウ

梨花「羽入、私は今忙しいのよ少し黙りなさい」

羽入「あうあう~、梨花…嘘は駄目なのですよ…」

梨花「…あんたは正直に言えって言うの?」

羽入「正直に言えば、圭一達なら許してもらえますよ…、私達は団結してあの惨劇を乗り越えた仲間なのですから…」

梨花「……」

羽入「梨花…」ウルウル

梨花「……仕方無いわね」ハァ…

羽入「梨花!」

梨花(多少の罰は受けるつもりよ…自業自得だもの…)

ガタッ

魅音 レナ 沙都子 圭一 「!」

梨花「皆にお話があるのです…」

レナ「何かな…?お話って…」

梨花「皆も気付いてる通り、今はあの戦いより5日前の世界なのです…!」

魅音「そぉ…みたいだね、でもさぁ…それって」

沙都子「梨花が…死んだから巻き戻したと言う事ですわよね…?」

梨花「実はですね…!」 プルプル

圭一「……」 スッ

ポン ナデナデ

梨花「圭一…?」

圭一「俺達はあの惨劇をのり越えて運命に抗う事が出来たんだ」

圭一「だから今回も…、俺達なら大丈夫、乗り越えられるはずだ!!」

梨花「圭一…」 ウルウル

圭一「梨花ちゃん、辛いとは思うけど、何があったか教えてもらえるかな…?」

梨花「……実は」 ギリッ



梨花「お酒の飲み過ぎで死んでしまったのですよ!!」


圭一「……へ?」

梨花「うぅ……」チラッ

5人「………クスッ」

梨花「……?」

5人「あはははっ」

魅音「なぁんだ、そんな事だったのか~」

レナ「ビックリしたよ~も~」

沙都子「梨花も人騒がせですわね~?」

梨花「???」

圭一「俺達はてっきり、新たな敵でもいたのかと思ってたんだよ
でも、良かったぜ~」

梨花「そうだったのですか…、ごめんなさいです…」ペコリ

魅音「もう、今回限りだよこんな事は~?」

梨花「はいなのです…」

四人だった

レナ「梨花ちゃん、こんな事があったから」
沙都子「お酒は禁止ですわよ?」

梨花「うっ…、分かったのです…」
――――――――――
魅音「じゃあ、梨花ちゃんの話も終わった事だし、これからどうしようか?」

沙都子「まだ放課後になったばかりですので、時間はありますわね…」

レナ「何しようかな?かな?」

圭一「……!」

魅音「うーん、ポーカーはこの前やったばかりだしねぇ~……、圭ちゃんは何か案ある?」

圭一「そうだな…、入江診療所に行くってのはどうだ?」 ニヤリ

5人「!」

魅音「気が早いねぇ~、圭ちゃん?」

圭一「そうか?こういう事は早めに済ませた方が良いかなって思ったんだけどな…」

レナ「そうだね…、何があるか分からないし早めに行動した方が良いかも」

沙都子「ですが、私達何も準備していませんことよ?丸腰では危ないのではなくて?」

圭一「それは俺の考えが正しければ大丈夫だ、皆俺を信じて付いてきてくれないか?」

魅音「何かありそうだね…、珍しく自信満々だし」

レナ「圭一君が大丈夫って言うなら大丈夫だよ!………多分」

魅音「ん~、やることもないし、今日は入江診療所に行ってみよう!!」

6人「おー!!(なのです)」

―外―
ワイワイ ワイワイ

圭一「そろそろ着くな、皆大丈夫か?」

沙都子「子供扱いしないで下さいまし、大丈夫ですのよ!」

圭一「ははっ、ごめんな」ニコッ

レナ「圭一君!皆~、診療所見えてきたよ~!」

魅音「おっ、じゃあ真面目にやらないとねぇ~」 キリッ
スタスタスタ

5人「!?」 圭一「フッ」ニヤリ

ファンファンファン

魅音「警察!?何でここに…!」

レナ「興宮からも来ているみたいだね…、どうしたんだろ…?」

???「おんやぁ…?皆さん遅かったですねぇ」

圭一「流石大石さん、仕事が早いぜ!!」 グッ

大石「んふっ、褒めても何も出ないですよ、前原さん」

梨花(何故ここに大石が…?圭一の反応からしているのが分かっていたのかしら…?)

圭一「皆驚いてるな~」 ニヤニヤ

魅音「そりゃそうだよ、圭ちゃん!来たら終わってるからさ…」

圭一「確証は無かったんだ、けど俺達以外の誰かが前の世界の記憶を持っているとしたら、すぐに行動を起こすと思ったんだ」

魅音「そう言うこと…、一種の賭けだね」

沙都子「一歩間違えば危なかったのではなくて?」

レナ「そうだよ、圭一君!!もしも東京の人達が記憶を持っていたら危なかったよぉ~」

圭一「うっ…その可能性は考えてなかったぜ…」

大石「まぁまぁ皆さん落ち着いて、被害も無かった事だし、良かったじゃないですか…」

圭一「そ、そうだ!結果的には良かったじゃないか、あっはっはっはっ」

沙都子「笑ってごまかそうとしていますわね…」ジトー
圭一「はっはっ――っと、そうだ、大石さん監督―じゃなかった、入江先生は今何処に?」

大石「入江さんなら―」

???「おや……君達も来たんですね…」

大石「おぉ、丁度良かった、今あなたの話をしていたんですよ、入江先生」

入江「私の…?何かしたかな…」ブツブツ

呼称は適当 うろ覚え

入江「うーん……、君達はこの騒ぎを聞きつけて来たのかい?」

圭一「いや、俺達は鷹野さんに会いに来たんです、警察は監督が呼んだんですか?」

入江「彼女に…?…そう言うことでしたか…」

圭一「監督…?」

入江「警察を呼んだのは私ではありません、彼女ですよ」

6人「!」

大石「正確には、彼女は出頭してきたんですよ、富竹さんの付き添いでね」

梨花「鷹野が…!?」

大石「彼女のお陰で、私達も動く事が出来ましてね、山狗の確保、取り調べも順調にいきましたよ」

梨花「あなた達も記憶を持っていたのね…」

入江「…私や大石さんはうっすらとですが、彼女ははっきりと覚えていたらしく、やり直すチャンスだと言って出頭されました」

梨花「そう…鷹野が…」

魅音「…と言う事は」

レナ「もう心配事は無くなったんだね…」

沙都子「意外と早く済みましたわね…拍子抜けですわ…」

入江「いえ…、沙都子ちゃん、事はまだ済んでいません」

沙都子「…?どういう事ですの?」

大石「山狗の移送途中に小此木を含めた山狗数人に逃げられましてねぇ、今追ってる所なんですよ…
捕まるのは時間の問題ですがね…」

魅音「あいつら…懲りないね…」

レナ「早く捕まると良いけど…」

圭一「案外、近くに潜んでたりしてるかもな~」

魅音「まっさか~」

ハハハ ワイワイ



ガサッ



全員「!」

羽入「梨花、聞こえましたか今の」 ボソッ

梨花「えぇ、空耳じゃなかったようね…」 ボソッ

羽入「誰か居るのですよ、恐らくは小此木達です」

梨花「どうしようもないわよ、下手に動いて勘づかれると厄介よ…」



圭一「あ~監督!」

魅音(圭ちゃん!?何を…?)

入江「何ですか、前原君?(彼も先程の物音は聞こえていたはずですが…)」

圭一「と、トイレ行きたいんだけど…借りて良いかな?」 ブルッ

入江「はぁ、それぐらいなら大丈夫ですが…」

圭一「ありがとう、監督!」 ダッ タッタッタッ



沙都子「も~、圭一さんもお子様ですわね~、一々言わなくてもいいですのに…」ハァ…

レナ「我慢してたんじゃないかな?かな?急いでたみたいだし…」

梨花「……」

羽入「梨花?難しい顔をしてどうしたのですか?」

梨花「何でも無いわ…」

羽入「あう…そうは見えないのですよ~」


――――――――
小此木「どうやら気付かれていないようだな…」

山狗「老いぼれの刑事に優男の入江、後はガキ達ですからね…、大方動物と勘違いでもしたんでしょう…」

小此木「ガキだからと言って甘く見るなよ?突入はまだ待て、俺が合図する」

山狗「了解!」

小此木(やつらは必ず隙を見せるはずだ…)ジー

山狗「…っ!?」

小此木(見逃す訳にはいかないな…)ジー

山狗「ンー…ンー…」 バタバタ

小此木「五月蝿いぞ!
お前……ら」 クルッ

???「ウッディ!!」 ブンッ ガッ

小此木「うおっ」 ガクッ

???「クソ…空振りか…」

小此木「お前…!いつの間に…」

???「私もいますよ~」
小此木「なん…だと!?」

パチッ バリバリバリ

小此木「があああっ!!」

――――――――――

――――ガアアアッ

沙都子「……?何か聞こえませんこと?」

レナ「カラスかな…?変な鳴き声だけど」


ガサガサ ガサッ

魅音「!」

羽入「皆、気を付けるのです!」

小此木「うおおおっ!!」

大石「まさか正面から来るとは…」

入江「何やら様子が変ですが…」

小此木「クソッ、古手梨花ぁー!」 タッタッタッ

入江「いけません!彼の狙いは古手さんです…!!」



小此木「うおおおおっ!!」 タッタッタッ

梨花「――!」

――――バキィッ
小此木「がはっ!?」バタッ

小此木「お、お前は――」
???「……今度も間に合った」

???「梨花ちゃん、君を助けに来た!!」 クルッ

梨花「赤坂!!」

小此木「クソッ…、うおおおおっ!!」 スクッ

赤坂「!?」

ドスッ

小此木「へっ…」 チラッ

赤坂「軽いな…、ふっ」 ブンッ
ドゴォ

小此木「――!?」 ガクッ バタッ

圭一「赤坂さん!」タッタッ

赤坂「やぁ、君達も無事かい?」

圭一「俺達はなんとか…、すみません俺達が取り逃がしたせいで…」

赤坂「大丈夫だよ…、それより他の山狗を片付けてくれてありがとう」 ニコッ

???「いえいえ~、これぐらい朝飯前ですよ~……あだっ」 パンッ

魅音「全く、調子に乗るんじゃないよ………詩音」

詩音「あたた…、お姉ぇ痛いよ…」

魅音「今回は上手く行ったけど、また捕まるかも知れなかったんだよ!」

詩音「うっ……ごめんなさい、悟史君に早く会いたくて…」

魅音「あんたねぇ…、はぁ…でも無事で良かった、詩音も梨花ちゃんも…」

詩音「お姉……」

圭一「……」
レナ「………圭一君?」

圭一「うあっ!?レナ、どうしたんだ…?」

レナ「圭一君はトイレに行ったんじゃなかったのかな?」

圭一「うっ…それは…」

レナ「何でバットを持って外にいるのかな?かな?」

圭一「……ごめん、診療所にあったバットを見つけた後、偶然詩音と会ったんだ」

圭一「それで、二人で山狗を片付けないかって話になって…」

レナ「……圭一君、私達は仲間だよ…?」

沙都子「行動を起こすなら事前に相談してくださいませ、分かりませんわよ?」

圭一「ごめん…」

レナ 沙都子「…圭一君(さん)守ってくれてありがとう!」

圭一「! おう!!」 グッ

梨花(圭一が行動しなかったら丸腰の私達は危なかったわね…、男達数人に敵うわけないもの…)

赤坂「すみません、大石さん遅くなりました…」ペコッ
大石「いやいや、グットタイミングですよ赤坂君、山狗の移送で興宮署に今から戻るが手伝ってもらえるかな?」

赤坂「はいっ!梨花ちゃん、また後で会いに来るよ!!」 ブンブン

梨花「待ってるのですよ~」 フリフリ

バンッ バンッ ファンファンファン

羽入(山狗達は大石達に連行されたのです~)

詩音「それじゃあ、山狗もいなくなった事ですし……ねぇ、監督?」

入江「な、なんでしょう、詩音さん」

詩音「私、悟史君に会いたいな~」 スッ

入江「スタンガンをしまってください!そんな事をしなくても会わせますから…」

詩音「ありがとうございます!沙都子も来る?」

沙都子「ん―、ねーねーいることですし、行きますわ!」



羽入「沙都子達は悟史に会いに行くみたいです…、梨花…私達はどうしますか?」

梨花「今日は帰るわ、色々と疲れたもの…
圭一達はどうするのですか~?」

圭一「俺も帰るぜ、今日は親父達が帰って来るらしいし」

レナ「私もお父さん、今日は早く帰ってくるらしいから帰ろうかな…」

魅音「おじさんもたまには早く家に帰ろうかな~」


羽入「皆も家に帰るのですね、また明日なのです~!」 フリフリ

レナ「魅ぃちゃん、梨花ちゃん、羽入ちゃん、圭一君もまた明日~!」フリフリ

魅音「皆~、まったね~!」

圭一「じゃあな~、また明日会おうぜ!」フリフリ



羽入「梨花、私達も帰りましょう!」

梨花「そんな大声出さなくても聞こえてるわよ…」

スタスタスタ

―――
――――
―――――

梨花「―――はっ!?」 ガバッ

梨花「今のは……夢?」

梨花「まさか……ね」

梨花「………羽入」

梨花「羽入?いないの?」キョロキョロ

梨花「羽入…?何処に行ったのよ…!」

梨花「羽入……」

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