男「これは腹筋スレだ………絶対に開くなよ……」(19)

  ∧,,∧
 ( `・ω・) ようこそID金的スレへ!
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 しー-J

ここはsageずに書き込み、出たIDの数字の秒数だけ金玉を握るという、
硬派なトレーニングスレです。

例1 ID:wwh7KM12 の場合 7×12=84 なので84秒握りましょう。
例2 ID:bicycle. の場合 数字がないので今日は休みましょう。


さあ、存分に悶絶するがよい。↓

ほう?

男「2089秒だと……」

男「いや、計算したらだいたい35分くらいだし余裕だな」

男「だが秒数か判定か……。これでは”掴んでいる”だけでいいのか”もみつづける”必要があるのかわからんぞ」

男「まあ指定してないし掴むだけでいいか」

コンコン

妹『お兄ちゃんいるー? 宿題でわからない所あるから教えてほしいな~』

男(アカン)

妹『いないのかなぁ……』

男「いるぞー! すぐ行くから部屋で待ってろー!」

妹『はーい』

男「まあ金玉握りながらでも勉強くらい教えられるよな」



男「入るぞー」

ガチャ

妹「うーん。やっぱりわかんないなぁ」

男「お、比例式か」

妹「予習なんだけど解き方がわかんなくて」

男「なるほどな」

チラ

男(あと30分か……)

妹「? どうかした? お兄ちゃん」

男「い、いやなんでもないぞ。そうだなたとえばこの問題だが」

妹「ふむふむ」




男「――――という訳で、内側同士と外側同士を掛けた値が等しくなればいいんだよ」

妹「内側と外側? どれ?」

男「これだよこれ」

妹「えーよくわかんないなぁ。ひとつだけ解いて見せてよー」

男(やべえ。右手で握ってるからペン持てない)

男(いや、左手が残ってるだろうが! 根性見せろ俺!)

男「わかった。1問だけだぞ?」

妹「あれ? お兄ちゃん右利きだよね?」

男「いや、まあ、そういう気分なんだよ」

男(……アカン、全然うまくかけねえ)

妹「お兄ちゃんこれじゃあ全然読めないよぉ」

男(どうする……!? 時間はまだ25分も残っていやがるぞ……!)


妹「ねえ、お兄ちゃん。右手使わないの?」

男「使わないというか、もう使ってるというか……」

妹「えーでもこれじゃあ全然分かんないよお」

男「いやでも」

妹「早く教えてよお」

男「……駄目なんだよ」

妹「え?」

男「もう駄目なんだよ……。俺はもう右手は使えないんだ。ただの腹筋スレだと思って開いたばかりに……」

妹「えええ!? 右手が使えない!? お兄ちゃん大丈夫なの!?」

男「大丈夫だ……役目さえ終わればまた使えるようになる」

男「だが、絶対に今は手放しちゃいけないんだよ。……それが、IDスレって奴なんだよ……」

妹「……? 何のことかわかんないけど大変そう……」

男「そうだな。確かに大変だ。……だが、ここで手放しちまったら俺はたぶん、一生後悔する」

男「だから握り続けるしかないんだよ……この、金玉を――――」

妹「お兄ちゃん……」



妹「……そんなに大事なことなら、私が代わりに握ってあげる!」

男「な、なんだって!?」

妹「私だってお兄ちゃんに勉強教えてほしいんだもん。でも、お兄ちゃんに大事なことを諦めてほしくないから!」

男「い、妹……」

男(それはアリなのか!? いや確か、”誰が”握るという指定はなかった。……そうか、そういう事だったんだな)

男「ありがとう、妹。俺のために、掴み続けてくれ。絶対に手放しちゃだめだぞ?」

妹「う、うん。わかった」

男「よし、じゃあ左手で頼む。右手が使えなきゃ妹が書けないからな」

妹「うん。……こんな感じでいいかな?」

ギュッ

男「痛――」

妹「だ、大丈夫お兄ちゃん! 強すぎちゃった!?」

男「いや、大丈夫だ。続けてくれ」



男(あと20分か……。もってくれよ、俺の金玉!)

カキカキ

男「……で、ここの5とこっちの18を掛けて、90だから……」

妹「うんうん」

ぐっ

男「はうっ!?」

妹「ごめんなさいお兄ちゃん! うまく加減できなくて……」

男「いや、大丈夫だ。それより続きを」

モミッ

男「はあんっ!」

妹「ごめんねお兄ちゃん……左手だから……手が震えて……」

モミッモミッ

男「アアアンッ!!」



男「いや……気にするな……続きだ……っ!!」

妹「お兄ちゃん……!」

モミッ

男「くっ……ここがっ……90だから、今度はこっちの5とXを掛けて5Xになって……」

妹「う、うん」

男「90=5Xを計算して……Xを求めるんだ……」

妹「そっか! そういう風に解くんだね!」

モミモミモミッ

男「うあああっああん!」

妹「わあっ! ご、ごめんねお兄ちゃん!」

男「だ、大丈夫だ、妹。ここから続きを解いてごらん」

妹「ええっとXを求めるには90割る5で……うう、片手だと紙がずれてうまく書けない……」

ぐぐぐっ

男「ぐああああああ!」



妹「お兄ちゃん!」

男「大丈夫だから……俺のことは気にせず解き続けるんだ……!!」

妹「う、うん」

妹「……はあ、握り続けたから、手が、痺れる……はあ……」

モミモミモミモミモミ

男「ぐぅっ……はあ、はあ、はあ」

妹「はあ、ああ! 書き間違えちゃった!」

男「俺が右手で紙を抑えるから、早く消すんだ!」

妹「う、うんわかった!」

ゴシゴシゴシ

グッグッグッ

男「あぁあっはあああああっアアアアアンっ」

妹「はあ、よし、消せた……はあ……」

男「よし、はあ、アアンッ……ラストスパートだ妹……はあっ」


カキカキ

妹「はあ、はあ、X=……」

モミモミモミモミモミ

男「あああああああああっわああああんはああああああああああ!!!」

妹「じゅう、はあ、……はち……!」

モミっ!

男「あああああああああああ!!!!!!!!」

ガクガクガクガクッ

ドピュッ!!

バタッ……

妹「お、お兄ちゃん!」

男「……はあ、はあ、倒れちまったのに……手を、離さないでくれてありがとう……」

妹「あたりまえだよ! 絶対離したりしない!」

男「問題は、理解できたか……?」

妹「グスッ……うん。ありがとう、お兄ちゃん、私のために……」


男「あと10分も残ってやがるのか……。畜生、俺の金玉は持たなかったどころか、まだ肥大してやがる」

妹「だ、大丈夫お兄ちゃん? 私なら大丈夫だよ? お兄ちゃんがいいって言うまでずっと握っててあげるから……!」

男「ありがとう……」

モミモミモミ

男「はあんっ!」

妹「ご、ごめんね。同じ体制だから手が震えて……」

モミモミモミモミモミ

男「はあああああ、あああああ、あああああああああああ!」

ガクガクガクッ

モミモミモミモミモミ

妹「おにいちゃああん!!!!」

モミモミモミモミモミ

男「あああああっあああああああああああああああ!!!」

ドピュッ!!!

こうして俺の悪夢の35分間は終わった。
だがこの悪夢の中で、俺は最善の力を出し切ったのだ。
2つの意味で出し切ったのだ。
後悔はしてない。

終わり

でも俺は後悔してます誰か殺してくれ
深夜のテンションで1時間もかけた結果がこれだよ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年03月08日 (火) 16:35:16   ID: BSaOpSwx

金玉スレww

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