男「バイクうるせぇ」(119)

ビオオオオオォン

男「チッ」

男(ったく、毎日毎日うるせーんだよks)

男(大体なんだあの音)

男(屁こきながら走ってるようなもんじゃねえか)

男(俺だって男だし、車、バイクの良さは分かる)

男(バイクは風を切れて気持ちいいし、車はなんとも言えないドライブの楽しさがある)

男(それに、ハーレーだとかポルシェだとかの外車にあこがれる)

男(あの腹の底と胸骨に響く重低音、最高だとおもう)

男(でも、だ)

男「なんで原付風情がプロォーンだのビォォンだの音ならしてんだっ!!」ドンッ

ドンドン!
ウルセーゾ!!

男「ごめんなさいっ!!」ドンッ

ウルセーッテンダロバカ!!

男「…」

男(なんで元々音が出ない物をなんで音が出るようにするんだ?)

男(その神経が分からん)

男(例えるならストラディバリウスに憧れたけど、金がないからオモチャのバイオリンを買い、無理やり音を鳴らしているようなもんじゃないか)

男(そんなのただの雑音だし、公害だ)

男(ハーレーに憧れるなら、ポルシェに憧れるなら、それに見合った収入になるまで頑張り続けろよ)

男(「今はまはまだ原付だけど、いつか絶対ハーレーに乗るに値する男になってやる」)

男「そうやって努力しろよっ!」ドンッ

ドンドン!
ウルセーゾカス!!

男「うるせぇえ!」バァン

シーン…

男「…」

男(待てよ…元々ハーレーに憧れて音を出してるとは限らんわけだ)

男(だとしたら、なんの為に…?)

男(…あれか、あのほら、アレだ)

男(自分の存在を誇示する為にゴリラが胸を叩くのと同じなのか)

男(なるほど、そうだとすれば合点がいく)

男(そんな知能の低い奴が高収入になれるわけもなく、目立つ事もない)

男(だから、服装や髪形だけ派手に繕って、安い原付を弄くってドヤ顔してるわけだ)

男(さすがdqn、ゴリラ並の知能www)

男(そうかそうか、なるほどなるほど…)

ピーンポーン

男「??」

男「はーい」ガチャ

友「てめーうるせぇんだよ!」バシッ

男「いってぇっ!」

友「てめぇ1人でなに騒いでんだ」

男「うるせぇ、俺は今、dqnの心理を解明したんだよ!」

友「ほぅ、聞かせろよ」

男「おう、とりあえず上がってけ」

友「あぁ」

友「なんか飲み物持ってこようか?」

男「あー、すまん」

友「いいっていいって、どうせ隣の部屋だし」

男「つまみでもだしとくわ」

友「おっけ」


友「さて、じゃあお前の話を聞こうか」

男「おう、dqnってさ、うるせぇバイク乗るだろ?」

男「そこで考えたんだけど…(ry」

友「なるほど、確かに一理あるな」

男「だろ?」ドヤァ

友「特に反論も思い浮かばんし、正論なんじゃないか?」

男「だろだろ?」ドヤァ

友「たまにはマトモな意見言えるじゃん」

男「たまにって…」

友「まあ、今日は飲もうぜ」

男「そだな、codでもやるか?」

友「よし、負けねぇ」

男「いや、ゾンビやろうや…」

友「それもいいな」

翌日

男(ふぅー…仕事疲れたなぁ)

男(シャワー…朝でいいや、寝よう)

男「…」パタッ

男「…」ウトウト


ビィィィィイイン
ビンビビンビビンビンビィイン

男「チッ…」

男(目が覚めちまったぞクソ)

男「…」ムスッ

男「…」ウツラウツラ

ミャンミャミャミャンミャンミャァン
ミイィィイイイン

男「だぁぁあっクソ!!」

ドンドン
ダイジョーブカー?

男「あぁ!すまんな!」

ナンカアッタライエヨー

男「ありがとう!」

男「…」

男「クソ…」

また翌日

~職場~

男「ふぁあ…」

男(寝不足だなぁ…)

男(クソバイクのせいだ…)

男「…能無しゴリラの癖に」

dqn「おー?どうした男ぉ?」

男(うげ)

dqn「なんか元気ねぇやねぇの?」

男「そんなコト無いっすよ」

dqn「いやいやいやいやいや」

dqn「まー、なんかあったら先輩の俺っちに任せろよ」

男「あ、ハイ」

dqn「んじゃな」

男「…チッ」

男(誰がてめぇなんか頼るかよks)

男(大体、何が先輩だよ)

男(先輩だとか言いながら俺より売り上げ低いじゃねえかバカ)

男「いつまでも先輩面してんじゃねえよ」ボソッ

友「おう、男」

男「おぉ、友」

友「今休憩か?」

男「あぁ、さっきカード切ったばっかだ」

友「なら、飯行かね?」

男「いいね、善吉にしようぜ」

友「よし、それなら急ごう」

男「おう」

和食亭 善吉

友「ふぁぁあ…」

男「どうした、いつも元気なのに」

友「ちょっと寝不足でな」

男「お前もか…」

友「てことは…」

男「あぁ、あのバイクだろ?」

友「そうなんだよ…」

友「夜中にクソうるせぇ…」

男「俺もおなじだ、あいつのせいで眠れない」

友「まじ腹立つわ」

男「本当だよ」

男「どうにかならんもんかね」

友「本当だよ…」

オイババァ!

ドラチャン!

カネオイトケッテイッタダロ!!

ドラチャン!イマオキャクサンイルカラ…

ウルセェ!!カネダセヨ!!

男「…なんだあいつ」

友「しらねえのか」

友「ここの女将さんの息子でな、ドラ夫ってんだ」

男「へー…この時間に家にいるって事は…」

友「そう、ニートだな」

男「クソ、なんであの柔和な女将さんからあんなのが産まれるかねぇ?」

友「母子家庭らしいから…ほら」

男「あー…手が回らなかったのか」

友「全く、親の金をなんだとおもってるんだか…」

男「何も言えないってのが悲しいな…」

友「あぁ、俺たちには勇気ってもんが無いらしい」

男「口だけだよなぁ…」

友「そうだな…」

職場

男(あの後、ドラ夫が原付で出かけるのを見た)

男(やっぱり、ああいう底辺はうるせぇバイク乗ってんだな)

男(バイクの金だって女将さんのだろ…腹が立つ)

dqn「おい男!」

男「はい」

dqn「この資料やっとけっていったよなぁ?!」

男「?」

男「やりましたけど」

dqn「嘘つくんじゃねえ!どこにもねぇじゃねえか!」

男「はい?先輩の机に付箋付けて置いときましたけど」

dqn「だ!か!ら!それがないっての!」

男「そんなバカな」

男「ちょっと机失礼しますね」

男(うわ…相変わらずきたねぇ…)

男(隣の根暗君の机まで入ってるじゃん)

男「えーと、確かここに….」

dqn「どこにもねえんだっていってんだろ!」

男「あ、ほらここに」ヒョイ

dqn「…」

男「ありましたけど」

dqn「わ、わかりにきぃトコに置くてめぇが悪いんだろカス!」

男「…」

男(いつか殺してやろうか)

dqn「ったく使えねぇな」

男「はい、すいませんでした」

dqn「次から気をつけろよ!」

男「はい」

自宅

男「くっそぉぉおおお!」

男(なにが、わかりにくいとこに置く俺が悪いだ!)

男(一番上にあっただろうが!)

男(あの資料だって、てめーの仕事だろう!)

男(なにが使えねぇだよ!使えねーのはてめぇだっつの!)

男「ぁぁぁあああああああああああっ」

男(社長の息子だかなんだか知らんが、とっとと死ね!)

男(この害悪最悪死に損ないウスラボケの能無しゴリラのクソッタレ脛かじり虫め!)

男「ぁぁああああああああああああああ!!!!っ」

ドンドン!
オイドウシタ!

男「…あぁ、なんでもねえ」

ナライインダガ

男「すまん」

男「…」

男(風呂入って寝るか…)

男(ふぅ…)

男「今日は疲れた…」

男「…」

男「…」ウトウト

ビィイイイイィィン

男「チッ!」

男「クソッタレめ…」イライラ

男「…」

男「…」ウツラウツラ

ミォオオオオンミオンミンミンミォン

男「うるせぇ!」バァン

ドンドン!
オイオトコ!

男「すまん…」

翌日
職場

男(クソ…寝みぃ)

男(クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソ)

男「バイクなんて滅んでしまえ」ボソッ

友「男!」

男「あぁ…」

男「昨日は起こして悪かったな…」

友「いや、バイクで起きてたからお前のせいじゃない」

男「そうか…」

友「お前の方こそ大丈夫か?最近ミスがおおいが」

男「おう…」

男「…」

友「どうした?」

男「あのバイクのせいなんだ…」

友「…あぁ」

男「あいつさえいなけりゃ…」

友「でも、どうしようもないだろ…」

男「…」

友「今日はおれんちで少し考えてみるか」

男「あぁ、ありがとう」

自宅

男「おつまみは…これでいいか」

ピーンポーン
ガチャ

友「あいあい」

男「おう」

友「まあ、上がってけよ」

男「すまないな…」

男「ふあぁ…」

友「眠そうだな」

男「あぁ、眠くて仕方ない」

友「少し、防音について調べたんだが…」

男「おお、何かあったか?」

友「えーと、二重ガラスってのが一番有効あるらしいんだけど…」

男「え、それって…」

友「そう、ここのアパート標準装備なんだよな…」

男「まじかよ…」

友「厚めのカーテンをつけるってのもあった」

男「なるほど…」

友「今度の休みに買いに行くか」

男「だな、ありがとうな友」

友「いいっていいって!」

友「さ、一応解決策は見つかった事だし」

男「飲みますか!」

友「うぇーい!」

~数時間後~

友「あーww酔った」

男「うぉえぇ…」

友「馬鹿かお前www」

友「だいたいな、酒に醤油入れるって頭おかしいだろwwwww」

男「しお…塩気が…うぉぇぇ」

友「ひゃひゃひゃwww」

ビォォオイイイイイイイイイイイイン

友「…来たな」

ィィイイィン
ヴヴヴヴヴ…

友「止まった?」

男「みたいだな…っぉぇ」

ミィィイイン!ミィイィイイイン!

友「空ぶかしなんかしやがって…」ギリッ

友「ちょっとぶっ飛ばしてくる」

男「ま、まてよ…ゔぇ」

友「大丈夫だって!今の俺ならゴジラも倒せるwww」

男「お、おい!」

バタン

男「クソ…追いかけなきゃ…」ウプッ

男(馬鹿なことするんじゃなかった…)

男「クソ…」ガクッ

男(酔いすぎだし…気持ち悪くて立てねぇ…)

ーー!~~~!!

男(なんか言い争ってる…)

~?
ーーーー!

男(クソ…)

男(立たなきゃ…)

ーー!
ー!

ガッゴッ!

男「!!!」

男「ちく…しょうが!」ヨロヨロ

男「友…」

ミィィイイイイイイイン

男(バイクが行った…てことは!!)

アパート前

男「友!!」

友「ぅ…」

男「うっ…」

男(足が…逆に曲がって…)

友「男…か?」

男「そうだ!今救急車よんでやるからな!」

友「すまない…すまない…」ゼヒューゼヒュー

男「もしもし!はい!怪我人が!えぇ!」

男「アパートで…oo通りの…はい!そこです!」

男「急いでください!」

ツーツーッ

友「うぅ…」ヒューヒュー

男「大丈夫だぞ友!もうすぐ救急車来るからな!」

友「すまない…ゴフッ」ヒューッ

男「わかった、大丈夫だから、もう喋るなよ」

友「…」ヒューヒュー

男(この音…肺がなんかなってる…)

男(クソ…急いでくれ…)

ピーポーピーポーピーポー

男「!!」

数日後

男(結局友は入院)

男(右足と胸骨の骨折…)

男(折れた破片が肺に突き刺さってたってな)

男(医者の話だと…折れただけで刺さることは稀にしかなく、折れたあと、何らかの荷重をかけられた可能性があるらしい)

男(友の意識が戻らないからなんとも言えんが…)

男(恐らく、バイク野郎は友を骨折させた後、バイクで踏んだに違いない)

男(服に…タイヤの汚れ付いてたしな)

男(警察も動いてるが…)

男(俺は…)

男「….」

男(見舞いにでも行くか)

男(漫画でも買っていってやろう)

古本屋

男「えーと…」

男(だめだ、あいつの趣味がわからん…)

男(…怨み屋本舗?)

男(前にドラマやってたような…)

男「これにするか」

アリーッシタァ

男(さてと…)

男(病院病院)

ビィイイイイイイイイイン

男「…チッ」

男(クソ、何だあの格好)

男(あれでかっこ良いつもりかよ)

男(あいつみたいなやつが…友を…)

男(クソッ)

病室

友「…」スゥスゥ

男(特に異常はないな)

男(起きない可能性は0%って医者も言ってたし…)

男(漫画読みながら少し待つか)

男「…」ペラッ

男「…」ペラッ

男「…」ペラッ

男「…」ペラ…

男「!!」

数時間後
ホームセンター


男(ワイヤー…)

男(あったあった…えーと、太さは…)

男(そうだな…これくらいあれば…)

男(後は…よく見るあの金具…)

男(あ 、以外とそばにあんのね)

男「よし…」

アリガトーゴザイマシター

男「今夜…」

男(仇とってやるからな…)

自宅

男(この金具を…こうつけて…)

男(完成かな)

男(後は万一の事を考えてアルコールで指紋拭いて…)

男(ぜってー友と同じ目に合わしてやる…)

男(待ってろよ…クソゴリラ野郎め)



男(電柱の柱に…)

男(いつもこっちから来るから…反対側につけて…)

男(間違い起こさないように…最初は弛ませて、あいつが来たらここに結んでピンと張ればいいな)

男(張る時用に長さ調整して…)

男(おし、これなら…)

男(早く来いよクソ野郎…)

ビィィィイン

男「!!」グイッ

男(さて…復讐だ!)

ビイイィィィィイイン

ガッ

ウィィォォオオン

ガシャシャシャシャシャ

男「」

フルフェイスライダー「ぅ…」

男「」

男「!」ハッ

男(わ、ワイヤー回収して逃げなきゃ!)

男「…」ワタワタ

男「…」チラッ

フルフェイスライダー「…」ピクッ…

男(て、天罰だよな!)タタタタタ…

フルフェイスライダー「…」ガクッ

翌朝
ファンファンファンファンファン

男「なんだ…?」

ピーンポーン

男「はーい…」

ガチャ

男「はい?」

警察「あのー警察の者ですけども」

男「は、はい!」ビクゥッ

警察「あ、そんなに緊張なさらないで下さい」

男「はい…」

警察「えーと、手短に言いますと、ここの前の道で死体が見つかりました」

男「えっ…」

男(あいつ…しんだのか…)

警察「どうもバイク事故らしいんですが、なんせそのバイクもぐっちゃぐちゃで…」

警察「警察としては、事故の原因が知りたいわけですよ」

男「はぁ…」

警察「なにかご存知無いですかね?」

男(ま、まずい…俺…人殺し?)

男(ばれたら…刑務所…賠償金…人生詰むじゃん…)

男(やばいやばいやばい)

警察「あ、他の方にも聞いて来たんですが、最近うるさい原付が猛スピードで通って行くという話を聞きまして」

男「あ、はい」

警察「だとすると…スリップ事故かなぁ…」

男「…」ドキドキ

警察「あ、長々とすいません、ありがとうございました」

男「い、いえ」

パタン

男(えらいことになった)

男(人殺し?俺が?俺は…少し怪我させようと…痛い目にあわせようとしただけなのに…)

男(俺のせいなのか…?)

男(いや…あいつが法定速度を守ってれば…あんな事にはならなかったんだ)

男(そうだ、結局のところあいつが悪いんだよ)

男(そうだよ、そうに違いないって)

男(当然の天罰だね)

男(よし、あのうるさい奴死んだし)

男(今晩はゆっくり眠れそうだ)

男(しばらくすれば友も退院するだろ)

男(祝いに焼肉でもいくかなぁ)

男(いやー、"良い事"したなぁ)

男「~♪」

翌朝
男「~♪」

男(やっぱりよく眠れたなぁ)

男「目覚めは最高!いざ出陣ー」


職場

男「ふふふーん」テキパキテキパキ

男(やっぱ調子いいなぁ)

dqn「おい、男」

男(うげぇぇ)

男「はい」

dqn「今日の残業手伝えよ」

男「…はい?」

dqn「だーかーらー」

dqn「今日、俺の仕事が終わりそうにないから残業手伝えっての」

男「…」

男(ぜぇぇえええったい、やだね!)

男(でも、社長の息子だしなぁ…)

男(首が…危ういか…?)

dqn「おい、聞いてんのかよ」

男「あぁ、はい」

男「わかりました、俺もうすぐ片付くんで、終わり次第そっちに移ります」

dqn「さーすが男!良い後輩を持ったなぁ」

男(糞喰らえ)



男(やっと終わった…)

男(どんだけ書類溜め込んでんだよ、バカじゃねぇの?)

男(いや、疑ったら悪いな)

男(あいつはバカでクソだ)

dqn「おせぇっつの役立たず!」

男(はぁぁぁあ?!!)

dqn「くっそぉ…集会間に合うかな」

男「集会…?」

dqn「族のだよ!このノロマ!死ね!」スタスタ

男(…族ってあれか、珍走団か)

男(あのうるせぇやつ)

男(…天罰…)ニヤァ

ミィィンイミイイイイイイイ

ブォフンブォォルンンンゥゥウ

ミィイイイイイイイイィィィ

フィーーーーーーーーン

男「…」コソコソ

男(うわぁ…うるせぇなあ…)

男(dqnの後を付けたらこんなとこ来ちゃったよ…)

男(うわっ…特服()www)

男(いやぁ…こんな奴らには"天罰"が必要ですなぁ)

男(まずは下調べだな…)

数時間後

男(ふむ…)

男(分かったのは、明日のコースと終了時間、集合場所…)

男(コースは大通りばかり…ワイヤートラップでは無理があるかなぁ…)

男(うーん…)

男(なんとかして…奴らに天罰を与える方法…)

男(足がつかないようにもしないと…)

男(例えば…全員爆発で吹っ飛ばすとか?)

男(いや、目立ちすぎるし俺まで危険だ…)

男(集まる場所は…船着場か…)

男(…探索してみよう)

船着場

ザパーン…

男「ふぅ…」

男(なんか…いいなここ)

男(遠くに見えるただの街灯が、イルミネーションみたいだ)

男(…)

男(あいつらが集まるとしたらこの開けたとこだよな)

男(だとしたら、コンテナや倉庫の関係で出入り口は2箇所に絞られる)

男(いっぽうの

男(いっぽうの出入り口は直接陸からの繋がりだが…)

男(もう一方は細い直線上の道で、ウネウネうねった後、暗い田んぼのあぜ道に出る…)

男(…あぜ道か)

男(ふふ…)

男(とりあえず…同じホムセンじゃマズイな)

男(そうだ、隣町に業務用のホムセンあったっけ)

男(そこなら怪しまれないか)

男(次の休みに行こうかな…それまでに音源探さなきゃ)

男(…)

男「…ふふ」

休みの日


男「んー」

男(さすがデカイ)

男(しかし、大量に買うとなるといくら業務目的を装うとしても無理があるか)

男(な領収書貰えばいっかな)

男(あとは…)

男(スピーカー)

男(パトランプ)

男(お決まりのワイヤー)

男(と、金具)

男(うーん)

男(あとはあとは…)

男(…こんくらいでいっか)

男「すいません、お願いします」

店員「はーい」

男「領収書お願いしたいんですけど…」

店員「はい、ご名義は…?」

男「あ、こっちで書くんで大丈夫です」

店員「はい、わかりました」

男「ありがとうございました」

店員「はい、またお越し下さいませ」

男(よしよし)

男(あとは…みんな大好き工作タイムだな)


自宅

男(えーと?音源をこうして…電気は…後ろから延長して…)

男(おお、流石親父のお下がりセルシオ)

男(ずいぶんそれっぽくなったな)

男(黒いしな)

男(あとは…ワイヤーか…)

男(前回のはどうしよ)

男(短いしなぁ…)

男(まあ、何かに使えるか)

数分後

男(ワイヤーできた)

男(あとは…)

男(待つだけ…)

男「…っ!」ゾクゾクッ

男(早く"天罰"くらわせてぇなぁ…)

数日後、会社

男(ついに今日だな…)

男(何と言うか…もにょもにょするな)

男(むずむずする…の方が近いか)

男(どうせやることやっちゃったし…)

男(今日の計画のおさらいでも…)

dqn「おい男ぉ」

男「…なんスか」

dqn「これやっといて」ドサ

男「…」

dqn「じゃ」

男「おい」

dqn「あぁ?」

男「いい加減にしろよ」

dqn「お前誰に向かって…!」

男「めてーだよ、グズ」

dqn「あんだとぉ?!」

男「仕事の一つも片付けらんねーグズだろ」

dqn「

dqn「てめぇ…」

男「お前みたいなクズなんかの為にこんなめんどくせぇ書類なんかやらねぇ」

男「持って帰れクズ」バサッ

dqn「…ぶっ殺す」

男「やってみろ、どうせ族の先輩だとかに頼むんだろ?一人じゃ何もできないからな」

dqn「…っ」ギリッ

男「部長!俺今日もう終わったから帰っていいですか?」

部長「お、おぅ…」

男「じゃ、そういうわけだから」

男「あばよクズの絞りカス」スタスタ

クスクス
クスクス

dqn「…」ギリッ

男(ふぉぉぉお!スッキリしたぁぁぁあ!)

男(やべえな、アレだ、突然超能力に目覚めた主人公気分だ)

男(ふふふふふふ…)

男(さて、少し早いけど準備に取り掛かるか)

男(一網打尽にしてやんよ)

あぜ道

男(流石というかなんというか)

男(ジブリみたいなレベルで何もないな)

男(その分木とかあるから良いんですけどね)

男「準備開始」

男(うーん、ピンと張るのはまだ危険かなぁ…)

男(やっぱ一人だと手際が悪いな)

男(…しかし、孤高のヒーローってのもいいな)

男(影に隠れて悪を討つ)

男(俺かっけえええぇええええ)

男(…あ…事故らせた後のワイヤーどうしよ)

男(うーん…)

男(ワイヤーの元に隠れといて、速攻で回収するしかないか)

男(なら、生き残りに顔ばれしないようにしないと)

男(ふふふ)

近くの100均

男(…あ、あったあった)

男(このプラスチックのでいいや)

男(ヒーローマスクだな!)

男(ゾクゾクする…)

作戦開始時間

男(まずは奴らが集まるのを待つ…)


ブォンブォーン

ヴヴゥヴヴゥ!

ミャンミャンミャミャン

ミィーーーーーン


男(うるせー!)

男(みてろクズども)



ーーー!

ーーー!

男(全員集まったみたいだな)

男(ここを…わざわざ二つ隣の県から偽名で借りたトラックで…)

男(塞ぐ!)

ピピーピピー
バックします
ピピーピピー
バックします

男(おーし、ついでにナンバー外してあるしな)

男(工具あってよかったわ)

男(えーと、次は…)

男(ワイヤー張りに行かないとな)

あぜ道

男(急げ急げ急げ急げ)

男(よしよしよし、ラストラスト)

男(いくらなんでも…息切れる…)ゼェゼェ

男(んで…待機…してる…車に…)

男(乗る…)ゼェハァゼェハァ

ガチャッバタン

男(ふぃーーー…)

男(後は待機か…)

男(…先に発電機の電源いれとくか)

ゥウウン…

男(よし、早く来いっ)

ミィンミィンミィンイ!
ブブブブフオオオン
ウイィィィイン

男(おっし、来たな…)

男(最後の奴が飛び出てから…)

男(今だ!)

男(エンジン&スイッチオーーン!)

ファンファンファンファンファン

男(うわうるせっ)

男(警察ってよく鳴らしながら運転するな)

男(全力で追うぜ!)

ブロロロロロロロ

ブゥーーーーン

ファンファンファンファンファン

男(お、速度出して逃げてくな)


男(そろそろ先頭が…)

キキキキキキキィィィ

ガシャーン

ギャギャギギギギギ

男(執行完了)

男(全部潰れたな)

男(よし、回収だ)

ガチャバタン

男(回収回収♪)

ゥゥ…

イテェイテェヨォ…

ハッ…ハッ…

ウァァ…

男(っ!)ゾクゾクゾクッ

男(気分最高!)

男(さて帰ろ)


ブゥゥウン…

2日後

部長「えー、皆さんにお知らせがあります…」

部長「この部署に配属されていたdqn君ですが」

部長「先日、事故に会い、今朝死亡が確認されました」

部長「ですので、えー、黙祷を、したいと思います」

部長「では、黙祷」

男(…くくくくく)

男(楽しすぎるぜ…ニュースでは大騒ぎだ)

男(【暴走する若者!破滅へと続くあぜ道】)

男(最高すぎるぜ!)

男(しかも、これを期に世間は珍走団の撲滅に走ってやがる)

男(やっぱり、俺のやったことは正しかったんだな)

男(くくく、正義…俺は正義のヒーローだ!)

男(ふふふ…)

男(正義…正義のヒーロー…)

男(スパイダーマンとか、スーパーマンとかよりも、俺はバットマンに近いな)

男(てことは…やっぱりマスクとか衣装とか…)

男(そうそう、この間買ったマスクに彩色を施して…)

男(むふふふふ)

数日後

男「それじゃぁ!退院をお祝いして!」

友「あい!」

男「かんぱーい!」

友「ありがトゥーー!!」

カチャーン

男「おし!少し飲んだら焼肉いくべ!」

友「わりぃなぁ」

男「なーに、親友の退院だもの」

男「たいしたことねーって」

友「ありがとうなぁ」

友「しかし、天罰ってのもあるもんだなぁ」

男「いきなりなんの話だ?」

友「ほら、俺を轢いたバイク野郎よ」

男「ま、当然の報いだろ」

友「いやー、病院で聞いた時はビックリしたわ」

男「俺もだよ」

友「それと…しってたか?」

男「え?なにを?」

友「俺を轢いた奴な、ドラ夫らしいんだ」

男「…え?」

友「女将さんが病院にきてくれてな」

友「必死に謝るもんだから…」

男「まじかよ…ドラ夫死んだってことだろ…?」

男「お、女将さん大丈夫だったのか?」

友「それがなぁ…女将さんは喜んでた」

男「は?」

友「穀潰しが居なくなって清々したとか」

男「わぉ…」

男「ちょっと…女将さん怖いな」

友「まあ、色々されてたみたいだから…」

男「実の息子なのにな…」

友「ま、クズはクズってことだな」

友「葬式もしないとサ」

男「女将さん…ワイルドすぎるぜ」

友「俺もちょっと引いたわ」

男「怖いなぁ…」

友「あ、缶空だ」フリフリ

男「あ、まじか」

男「んじゃ、行くか」

友「うーす、ごちになりまーす」

男「いつ奢るなんて言った?」

友「なん…だと…?」

男「冗談冗談!任せなさいって」

友「なんなんだよ、お前…」

男「れっつごー!」

焼肉屋

友「カルビ!」

男「バーカ!最初はタンだ」

友「ホルモン!」

男「…」

友「あ、サンチュ2人前と、豆もやし!」

男「遠慮ねぇな!」

完食後…

男「…」

友「いやぁ、ごちそうさま!」

男「…一応聞くけど退院したてだよな?」

友「おう」

男「何でそんなに入るんだよ…」

男「えぇ?カルビ2人前にタン3人前、ホルモン1人前に小ライス2」

男「締めに冷麺とテールスープ?」

友「誰だそんなに食ったやつ」

男「てめぇだよ!」

友「いやぁーはは!ほんとごちそーさまですぅ!」

男「…いいんだけどさ?」

男「この量は一体どこに入ってくんだ…?」

友「さぁ?」

友「あ、ちょっとトイレいってくるわ」

男「ああ」

スタスタスタ

男(元気そうで何よりだ)

男(仇を取った甲斐もあるってもんだな)

男(…このこと…友にだけならはなしても…)

男「…」

男(いや、ヒーローは誰にも頼らない)

男「俺一人で…」

数十分後

友「おー、遅くなったな」

男「なんだ、ウンコか」

友「そうだぞ」

友「食ったもん全部出たわ」

男「…」

友「あ、すいませーん冷麺ひとつ!」

男「…」ハァ

焼肉後

友「いやぁー食った食った」

男「…」

友「いやもうごちそーさまですぅ」

男「あのあと…」

友「ん?」

男「冷麺2杯…テールスープ1杯…」

男「ビビンバ一人前に、ラーメンだと…」

友「あっはははは」

男「俺は…3万…3万持ってきてたんだ…」

友「足りて良かったぁ」

男「…」シクシク

男(どこに1人でこんだけ食べる奴が居るんだ…)

男(あ…ここに居るのか…)

友「ははは、すまんかったな」

男「まあいいや」ケロリ

友「あ、そういえば…」

男「ん?」

友「俺が入院してる間にdqnが死んだって本当か?」

男「ああ、本当だよ」

男「通夜やら葬儀やらで大変だったぜ」

友「あー、社長の息子だかなんだからしかったからな」

男「そーそー、全員強制参加だべ」

友「まあ、死人に言ったらアレだがめんどくせぇな」

男「3次会までほぼ強制だったから」

友「うわめんどくせ」

男「まあその分職場がスッキリしたんだけどな」

友「はは、それいっちゃだめだろ」

男「事実、あいつ邪魔でしかなかったし」

友「しかも死因が珍走団のバイク事故だろ?」

男「まじ会社の恥さらしだわ」

男&友「ははははは」

友「ま、自業自得だな」

男「ざまーみろってか」

友「あ、そうそう」

男「次はなんだ」

友「ほら、女将さん」

男「善吉の?」

友「そうそう」

男「どうしたんだ?」

友「ドラ夫が居なくなってから、何事も上手く行くようになったらしくてな」

友「今度、大手ショッピングモールの中に店舗構えさせてもらえるようになったらしい」

男「おお!すげぇ!あのちっさい善吉が?!」

友「味は一級品だからな」

友「病院にきて報告してくれたよ、本当嬉しそうだった」

男「よかったなぁ女将さん」

友「噂によれば彼氏もできたとか…」

男「おお!春も来たか!」

友「とにかく良いことづくしらしい」

男「そうかそうかぁ…」

友「お、じゃあ善吉いくか?」

男「てめー…まだ食うつもりかよ」

友「冗談冗談」

男「まあ、今日はこのまま帰ろうや」

友「とかいいつつ家につきそうな勢いだな」

男「歩きってもなかなか早いな」

友「なー、なんか学生時代思い出すわ」

男「あー、よく一緒に帰ったっけか」

友「くだらねぇ話しながらさ」

男「石ころ蹴ったりしてな」

友「家も隣同士だったし」

男「今もな」

友「ああ」

男「…懐かしい」

友「本当だよ」

男「今度さ…」

友「ん?」

男「同窓会でもやるか」

友「いいねぇ、楽しそうだ」

友「そうと決まれば日程決めるぞ」

男「はええなおい」

友「思い立ったが吉日ってな」

男「じゃ、その辺任せちゃおうかな」

友「任せなさい」

男「よろしこ」

男「じゃ、今日は」

友「おう、解散だな」

男「また明日な、おやすみ」

友「おう、おやすみ」

友「同窓会、楽しみにしとけよ」

男「わかった」

友「じゃな」

男「じゃね~」

バタン

男「ふぅ」

男(同窓会…ね)

男(どんな奴がいたかなぁ…)

男(皆なにしてんだろう)

男(…楽しみだ)

男「ふいー…」

男(風呂上りの牛乳ってなんでこんなにうまいのかね)グビグビ

男(…あー…幸せだなぁ)

男(友達と飯食って、あったかい風呂入って、牛乳のんで)

男(小さいけど、幸せだ)

男「…うるさい脳みそゴリラを居なくなったしな」

ピローン

男(メールか)

パカッ

差出人:友
件名:クラス会
本文
やっほー!皆さんお元気ですか?
この度、小学校のクラス会を、執り行うことに決定しました!
日時は皆の都合で追って決定いたしますので、都合の良い日を教えてください
ではでは、おまちしてまーす

男「…」

男「俺はいいよな…?」

男(んー…)

男(明日も仕事だし、寝ようかな)

男(……)

男「zzz…」

翌日

友「男ー」

男「うん?」

友「同窓会決まったぞー」

男「はやっ」

友「皆返信早くてさぁ」

男「さすがというかなんというか」

友「とりあえず日程は、次の日曜日」

友「午後5時から善吉な」

男「あそこにしたのか」

友「女将さんに相談したら快諾してくれたよ」

男「流石女将さん」

友「てなわけだからよろしく」

男「おう…所でメンツは?」

友「6年生の時の皆だ」

男「全員?!」

友「そう、全員」

男「…まあ、俺らの小学校は少人数だったからな」

友「2クラス編成の総勢50人だったからなぁ」

男「ま、それでも楽しみだ」

友「そうか、お前は中学違ったからな」

男「おう、みんなどうなってるか楽しみだ」

友「あんまり変わってねーと思うけど…」

男「それも一興」

男「なんにせよ楽しみにしとく」

友「そうだな、じゃ、俺仕事戻るわ」

男「おう、頑張れよー」

帰宅

男「ふぁ…」

男(最近仕事の調子いいなぁ)

男(定時に上がれるし、他もスムーズに行くようになった)

男(…やっぱあのクソが居なくなったからだよな)

男(職場の雰囲気も良くなったし)

男(やっぱ良いことしたなぁ)

ピローン

すいません
やっぱりこれ以上書き続けるのは無理です

見てくださってる方がいらっしゃるかわかりませんが、今後の展開にする予定だったあらすじだけ書かせて頂きます

この後、同窓会が開かれ男は旧友と再開し、和やかに時間は流れます
しかし、dqn化していた旧友の犯罪自慢が始まり周りはドン引き、空気は最悪

解散することになり、その旧友がうるさい原付に乗っていることを知った男は、天誅を下します
流石に3度目ともなると慣れはじめ、スムーズに執行する男

しかし、旧友の死を知った友は疑問を持ちはじめます

「なぜ、自分の周りで交通死亡事故が多発するのか」

その疑問を解消すべく、男に相談する友
男は、思わぬ展開に動揺を隠しきれず、友に悟られます
友は男に警告をすると、暫く交際を断ちます

友にばれた動揺と不安でおかしくなった男は、手当り次第に正義の名の下、天誅を下します

いつしか警察も本気で動きだし、大きくなる事態
男はさらに自己陶酔を繰り返し、おかしくなっていきます

そんな中、正義の執行計画を立てる男
ターゲットは友でした

綿密な計画の元執行された正義は、なんの狂いもなく、友の命を奪います

しかし、親友であった友の亡骸を確認し
我に返る男
しかし事態は手遅れ
死体を抱え額然としている所を警察に見つかります

取り調べ室に送られた男は
ただただ「正義のため…」と繰り返すだけでした

と言う流れです
完結させると言っておきながら完結できず本当に申し訳ありません
次からは、書き溜めを用意します…

申し訳ありませんでした

本当にごめんなさい

そして、ありがとうございます

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