海未「愛」 (184)

花陽「凛ちゃんの幸せは」の続きです

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昼休み

教室

キーンコーンカーン…

穂乃果「はーっ!お腹減ったーっ!さっ、パンだパン!」

ことり「穂乃果ちゃん、ほむまん持ってきた?」

穂乃果「おお!そうだったそうだった!ええっと…はい!ほら、海未ちゃんも!」

海未「ありがとうございます」

穂乃果「あ、そうだ、凛ちゃんにも持ってってあげなよ!穂乃果の分あげるから!」

海未「そんな、悪いですよ、私の半分を凛にあげますから」

穂乃果「いいの!穂乃果はもう飽きるぐらい食べてるし、家にいれば何個でも食べれるし」

海未「はあ…、では…お言葉に甘えて」

ことり「凛ちゃんもほむまん好きだもんね〜」

海未「食い意地では穂乃果にも負けず劣らずですよ」

ことり「ふむふむ、恋人は語る!」

海未「そんな…照れます…」

穂乃果「アツいぞ〜!海未ちゃん!」

海未「もう!からかわないでください!」

ことり「凛ちゃんとはどこまでいったの?」

海未「ことり!」

ことり「ひっ!ご、ごめんなさい…」

海未「もう…行ってきます」

穂乃果「はいはーい!」

ことり「また後でね!」

中庭

凛「おーい!海未ちゃん!こっちこっち!」

海未「はーい、今行きますよー」



凛「えへへ、毎日一緒にお弁当食べるのってやっぱり恋人っぽいね!」

海未「ええ、私もようやく慣れてきました」

凛「海未ちゃん最初はすっごく緊張してたもんね」

海未「それは…こんな人目のつくところで二人きりで昼食をとるなんて」

凛「凛はそれでも恥ずかしくなかったよ?」

海未「どうしてです?」

凛「海未ちゃんが隣にいる、それが、なんだろうな…誇り、っていうのかな?」

海未「えっ?」

凛「心強いっていうか…でもそれって緊張しない理由にはならないか」

海未「心強い、ですか」

凛「うん、海未ちゃんみたいな素敵な人と一緒だと、凛もなんか自信が持てるんだにゃ」

海未「そうですか…、嬉しいですね」

凛「さ!食べよ!」

海未「あ、そうだ、ほむまんを持ってきましたよ」

凛「ほんと!?やった!」

海未「はい、どうぞ」

凛「おいしそー!あむっ!」

おいしいね!海未ちゃん!

海未「ええ…え?」

凛「ん?どうしたにゃ?」

海未「ん?あ、いや、その、なんでもないですよ」

凛「?」

海未「ささ、食べましょう食べましょう」

凛「…そうだね」

放課後

屋上

海未「はい!とりあえずここまで!一旦休憩です」

穂乃果「はぁ疲れた〜」

ことり「穂乃果ちゃーん!」ダキッ

穂乃果「わぁっ、ことりちゃん、まだ汗拭いてないよ〜!」

キャッキャッ

海未「…」

凛「うーみーちゃん?」

海未「あ、凛」

凛「どうしたにゃ?」ギュッ

海未「こらこら、練習中ですよ?」

凛「いいの」ボフッ

海未「顔まで埋めて…もう」ギュッ

にこ「そこ、イチャイチャしない」

凛「穂乃果ちゃんたちもだよーっ」

にこ「あんたたちはなんか違うのよ」

海未「どういう意味です?」

にこ「その…キャッキャウフフじゃないのよ」

凛「きゃっきゃうふふじゃない?」

にこ「なんか…」

海未「なんか?」

にこ「とりあえず抱き合うのやめなさい」

凛「嫌にゃ」

にこ「なんでよ」

海未「凛」

凛「むー、しょうがないにゃあ…」

海未「練習が終わった後なら、いくらでも甘えていいですよ」

凛「よし、練習頑張るにゃ」

にこ「うまいわねー、あ、扱いやすいだけか」

凛「ちょっと!」

にこ「やっぱりこういう娘が好きなのね、海未」

海未「…」

にこ「…海未?」

海未「さ、練習を再開しますよ」

にこ「…?」

凛「がんばるぞー!」



海未「はい、今日はここまで」

穂乃果「つーかれたー!」

海未「穂乃果、最近動きが鈍いですよ?」

穂乃果「むっ?なんだとー?」

海未「なんです?」

穂乃果「にゃーっ!」ダキッ

海未「にゃー?」

穂乃果「海未ちゃん勘弁してよー」スリスリ

凛「あーっ!穂乃果ちゃんダメーっ!」

穂乃果「おおお?」

凛「海未ちゃんは凛の!」

海未「凛…穂乃果…」

ことり「海未ちゃんモテモテだ…ことりは…」

穂乃果「!」

穂乃果「ご、ごめ〜んことりちゃ〜ん!」バッ

凛「やっと空いたにゃー」

海未「まったく、穂乃果は…」

凛「甘えていーい?」

海未「ええ、寧ろ私から」ギュッ

凛「わわっ!う、海未ちゃん…///」

海未「凛…抱きしめているだけで、疲れを忘れられます」

真姫「ヤメナサイ」

海未「嫌です」

真姫「まったく…海未、貴女がここまで惚気るなんてね」

海未「りんー」ムギュー

凛「えへへ…///」

真姫「はぁ…程々にしなさいよ」

海未「わかってますよ」

凛「海未ちゃんいい匂いだにゃ」

海未「え?あ、汗かいてますよ?」

凛「それでもいい匂い…やっぱり海未ちゃんは、どんな時も素敵」

海未「もう…」

海未ちゃん、好き

海未「…?」

凛「どうしたにゃ?」

海未「…」

凛「いっつも言ってる言葉なのに、まだドキドキしてるの?」

海未「…ええ、そうかもしれません」

凛「なんか、不自然だよ?」

海未「すみません」

凛「あやまらないの!」

海未「はい…」

凛「もし何か悩んでるなら、凛に遠慮しないで」

海未「ありがとうございます」

凛「ほら、帰ろ!」

海未「凛」

凛「なあに?」

チュッ

凛「ふえっ!?」

海未「頬ですが…」

凛「あわわわわわわ///」

海未「こんなに可愛い恋人に好きなんて言われたら、誰だって何度でもドキドキしますよ」

凛「やめるにゃ〜///」



絵里「いつまでやってるのかしら…」

希「ラブラブすぎるやーん…」

にこ「抱き合うの本当やめて…」

真姫「こっちまで恥ずかしいわよ…」

帰り道

凛「突然キスするなんて反則だよ…」

海未「いいではないですか」

凛「あ、あのね…」

海未「なんでしょう」

凛「く…く……」

海未「く?」

凛「くち…には…いつしてくれるの?」

海未「へえっ!?」

凛「なんで海未ちゃんがそんなに驚くの!?」

海未「いや…口づけは…まだ早いです…///」

凛「ほっぺにはみんなの前で堂々としてきたくせに…」

海未「それとこれとは別です!」

凛「もう…中途半端にヘタレ」

海未「なっ!失敬な!」

凛「本当だもーん」

海未「もう…それなら…凛の方からしてくればいいではないですか」

凛「んー…それはダメかな」

海未「何故です?」

凛「凛は…お嫁さんがいい」

海未「お、お嫁さん…?」

凛「うん。海未ちゃんに、引っ張ってもらいたいの」

海未「私に、ですか」

凛「海未ちゃんに恋した時から、凛はそういう気持ちかな」

海未「…乙女、ですね」

凛「乙女だなんて…恥ずかしいよ…///」

海未「やはり私の目は間違っていませんでしたね」

凛「…///」

海未「では、ここで」

凛「あ、うん、じゃあ」

またね、海未ちゃん!

海未「!」

凛「?」

海未「あ、ああ…また明日、ですね」

凛「うん、また明日!」

海未「…」

海未「…誰?」

翌日



通学路

おはよ、海未ちゃん

海未「…!」クルッ

凛「にゃっ!」ピョコッ

海未「…おはようございます」

凛「じゃ、学校行こ!」

海未「ええ」

海未「…」

昼休み

中庭

凛「〜♪」モグモグ

海未「…」

凛「…海未ちゃん?」

海未「はい?」

凛「浮かない顔してるよ?」

海未「そう見えますか」

凛「うん…昨日も言ったけど悩んでるなら凛に遠慮しないで」

海未「…はい、なら…」

凛「うん?」

海未「凛、私の膝の上に」

凛「はーい」ポン

海未「…」ギュー

凛「わわっ…みんな見てるよ…?」

海未「構いません。凛への愛は、私の誇りです」

凛「そっか…」

ありがとう、海未ちゃん

海未「…?」

凛「…幸せだにゃー」

海未「そう、ですね」

海未「…」

凛「あ、時間ないや!早く食べないと」

海未「あ、は、はい、そうですね、食べましょう」

放課後

部室

海未「…まだ誰も来ていませんか」

海未「…」

ガラッ

海未「!」

花陽「あ、まだ海未ちゃんだけ?」

海未「はい…真姫と凛は?」

花陽「二人ともトイレ寄ってるだけだからすぐに来るよ」

海未「そうですか…あの…」

花陽「なに?」

海未「夜…相談に乗ってもらってもいいですか?」

花陽「…いいよ!でも、何?突然」

海未「いや…凛の…ことなんですけど…」

花陽「え…もしかして喧嘩でもした?」

海未「いえ…そういう訳ではないんですけども」

海未「なんだか…凛と話していると…」

凛「呼んだかにゃ?」ガラッ

海未「あ、凛、真姫」

真姫「まだあまり来ていないのね」

花陽「うん…あれ、海未ちゃん、穂乃果ちゃんとことりちゃんは?」

海未「あ…そういえば…放っておいて来てしまいました」

穂乃果「海未ちゃーん!先に行くなら言ってよ!」ガラッ

海未「すみません…」

真姫「珍しいわね」

海未「…」

花陽「…?」

穂乃果「じゃ、とりあえず屋上で三年生を待とっか!」

ことり「そうだね!行こ行こ!」

帰り道

凛「練習疲れたにゃ〜。海未ちゃん最近の練習厳しくないかにゃ?」

海未「そうですか?」

凛「凛、ヘトヘトだよ〜」

海未「まだもう少しレベルを上げようとも思っていたんですけれども…」

えーっ!海未ちゃん勘弁してよーっ!

海未「…!?」

凛「あれ?どうしたの立ち止まって」

海未「…」

凛「?」

海未「…」

凛「…」

海未「…なんでもないです」

凛「本当に?」

海未「はい、大丈夫です」

凛「…そう」

海未「すみません」

凛「…凛、何かした?」

海未「…!」

凛「もし、凛のせいで海未ちゃんが…」

海未「違いますっ!」

凛「はわっ!?」

海未「凛は!凛は…悪く…ありませんから…」

凛「う、うん…そっか、ありがとう」

海未「…」

凛「じゃあ、また明日だね」

海未「はい、では」

凛「…心配だよ…」



プルルル……

海未「あ…もしもし、花陽」

花陽「はいはーい、相談だよね」

海未「はい、すみません夜に」

花陽「うんうん、大丈夫。それで?」

海未「あの…」

海未「昨日あたりからなんですが…」

花陽「うんうん」

海未「凛といつものように会話をしていると」

海未「ふと、凛の言葉が、他の誰かの言葉に聞こえるんです」

花陽「…え?」

海未「その…そうとしか言えないんです」

花陽「他の誰かっていうのは…?」

海未「凛ではない、別の人が私に話しかけているような…」

花陽「ちょっと予想していなかった内容だな…」

海未「う…そうですか」

花陽「うーん…それは海未ちゃんにとって良いことなの悪いことなの?」

海未「…少なくとも良いことではないですね」

花陽「そっか…相談してくるぐらいだから当たり前か」

海未「この違和感というか…とにかく気味が悪くて」

花陽「…海未ちゃん」

海未「はい」

花陽「多分、花陽じゃ解決できそうにないよ」

海未「…そうですか」

花陽「それで、ひとつ提案があるんだけど」

海未「提案?」

花陽「先輩を頼ってみたら?」

海未「と、言いますと」

花陽「三年生に相談してみるのもいいんじゃないかな」

海未「なるほど…」

花陽「花陽も相談されるのは嬉しいけど、やっぱりここは頼れる先輩に言ってみるのもいいと思うけど」

海未「…でも」

花陽「でも?」

海未「やはり三年生は忙しいですし…」

花陽「そうだけど…しっかり者の海未ちゃんの相談ならのってくれるかもよ?」

海未「…わかりました」

花陽「なんか、逃げたみたいになっちゃったね」

海未「いえ、そんなことないです」

花陽「ごめんね、力になれなくて」

海未「そんな、大丈夫ですよ、花陽には今まで何度も助けられましたから」

花陽「そう言ってもらえると嬉しいよ」

海未「じゃあ、明日機会がありましたら、相談してみます」

花陽「うん、解決できるといいね」

海未「はい…」



海未「…」

海未「…三年生、ですか」



プルルル…

凛「あ…もしもし」

希「もしもし〜、どうしたん?」

凛「あのね、相談にのってもらいたいの」

希「お〜?珍しいやん」

凛「うん…」

希「何があったん?」

凛「…最近、海未ちゃんが…」

希「海未ちゃんが?」

凛「その…元気ないの…」

希「ストレートやね」

凛「なんて言えばいいのかな…凛とお話してる時、ときどき海未ちゃんが、何か思い出したように突然黙って…複雑そうな顔をするの」

希「…どういうことや」

凛「わからない…」

希「んー…黙るって、どんな感じ?」

凛「ええっと…あ…」

希「…?」

凛「凛が海未ちゃんに話しかけた時…」

希「え?」

凛「うーん…」

希「話しかけた時…?」

凛「うん、もっと言うと、凛が、海未ちゃんの名前を言った時かも」

希「むむむむむー」

凛「だから、もしかしたら凛に原因が…」

希「何か心当たりは無いん?」

凛「凛には無いかな」

希「凛ちゃんが海未ちゃんの名前を言った時、か」

凛「うん…」

希「…じゃあ、ウチが明日、海未ちゃんと、さりげなーく話してみるよ」

凛「えっ…?」

希「大丈夫、ハッキリとは言わんし、凛ちゃんの名前は出さないから」

凛「…わかった」

希「任せなさーい!」

凛「心配だから…」

希「…きっと聞き出してみせるで」

翌日

昼休み

海未「…」モグモグ

凛「…」モグモグ

海未「…」チラッ

凛「…」

海未「…凛?」

凛「なあに?」

海未「…」ジーッ

凛「…」

凛「…///」カアッ

凛「ね、ねえ…海未ちゃん…///」

海未「はい」ジーッ

凛「そ、そんなに見つめないで…///」

海未「えっ?あ、はっ、はい、すみません」

凛「…///」

海未「ま、真っ赤ですね…」

凛「…///」モジモジ

海未「…っ///」キュン

海未「…ずるいです」

凛「ずるい?」

海未「貴女の…仕草ひとつひとつが」

凛「そんなこと言われても…」

海未「…」

海未「…好きです」

チュッ

凛「…///」

海未「…クスッ」

凛「…ずるいのはそっちだよ…」

海未「…そうでしょうか?」

凛「そうだよ!」

海未「…」

…ずっと一緒だよ、海未ちゃん

海未「!」

凛「…やっぱり恥ずかしいな///」

海未「…」

凛「…?」

海未「…」

凛「…海未ちゃん…」

放課後

生徒会室

海未「…」

ガラッ

希「やっほー」

海未「あ…希…」

希「お仕事手伝いに来たで〜」

海未「ありがとうございます」



海未「あ、それはこっちに…」

希「はいはーい」

海未「すみません…穂乃果たちは課題で居残りを…」

希「かまへんかまへん!えりちだって今日は勉強してから行く〜なんて言ってたし」

海未「やはり三年生は忙しいんですね…」

希「でも、みんなとの時間が何よりも大事らしいで」

海未「絵里らしいですね」

希「海未ちゃんも、凛ちゃんと二人だけの時間、大事にするんよ?」

海未「!」

希「なんやその反応は」

海未「いや…」

希「もしかして何かあったん?」

海未「…」

希「ウチでよければ、聞くよ」

海未「…実は…凛のことで、聞いて欲しい話があるんです」

希「うん」

海未「…最近、凛からかけられる言葉が…」

希「!」

海未「他の…誰かの…声に…聞こえて…」

希「…」

海未「ずっと違和感が拭い去れないんです」

希「…どんな人の声に聞こえるん?」

海未「どんな人、ですか」

希「そう」

海未「…」

海未「どこかで聞いたことのあるような…」

希「…ほお」

海未「記憶のどこかにいる…」

希「…なるほどね」

海未「凛と二人だけでいるはずなのに…割り込まれるようで…」

希「…」

希「凛ちゃんの中に、自分の知ってる誰かを見た、ってことやんな」

海未「…!」

希「心当たりがあるとすれば…」

海未「…っ」

希「海未ちゃんにとって誰よりも大切だった人…」

海未「…」

希「…わかる?」

海未「…」

希「いや、わかってるんちゃう?」

海未「…っ…」

希「…はあ」

希「…じゃあウチがハッキリ言う」

海未「!」

希「穂乃果ちゃんやんな?」

海未「なっ…」

希「違うか?」

海未「…」

おいしいね!海未ちゃん!

海未ちゃん、好き

またね、海未ちゃん!

おはよ、海未ちゃん

ありがとう、海未ちゃん

えーっ!海未ちゃん勘弁してよーっ!



…ずっと一緒だよ、海未ちゃん

海未「…」

希「海未ちゃんは、凛ちゃんをどう見てるん?」

希「凛ちゃんのことが好きなん?」

希「それとも凛ちゃんの中の穂乃果ちゃんが好きなん?」

希「…凛ちゃんを穂乃果ちゃんの代わりに」

バンッ

希「っ!」

海未「それは…違います…」

海未「穂乃果たちが結ばれたことは…もう割り切っています…割り切っているつもりです…」

海未「だから…そんないい加減な気持ちで…凛を…愛しているわけでは…」

希「ご、ごめんな…」

海未「凛は…」

希「う…海未ちゃん…泣かせるつもりは無かったんや…」

海未「…」ツー…

海未「…なんで…どうして…」

希「…」

海未「いくら穂乃果が少し離れてしまったからって…そんなことは…」

希「う…」

絵里「お待たせ〜」ガラッ

希「!」

絵里「あれ…?海未…?」

希「あ、あの…」

絵里「泣いてるの…?」

海未「…」

絵里「…希?」

希「ち、違うんやえりち」

絵里「何があったか、聞かせてもらえる?」



絵里「…そう」

希「ウチが言い過ぎてしまったんや…」

海未「…」

絵里「でも、ストレートに言ってあげるのも、たまには必要かもしれないわ」

希「せやろか…」

絵里「海未も、少しは荷が降りたんじゃないかしら?」

海未「…」

絵里「…海未…」

海未「…私の…」

希「…」

海未「凛への愛は、偽物なのでしょうか」

絵里「…自分で確かめてみるのが一番早いと思うわ」

海未「確かめる…どうすれば?」

絵里「それは…ごめんなさい…言ってみたはいいものの…」

海未「そうですか…」

絵里「…とりあえず、仕事をすませて、練習に行きましょうか」

海未「…ですね、やりましょう」

希「大丈夫?」

海未「ええ、もう平気です」

希「無理せんでも…」

海未「大丈夫ですって」



絵里「よし、終わり!」

希「お疲れ様やん」

海未「ふう…では」

絵里「ええ、練習に行きましょうか」

海未「二人は先に行っててください」

希「え、なんや?」

海未「私は穂乃果たちの様子を見てから行きます」

絵里「ああ、それなら代わりに私が…」

海未「私が行きます」

絵里「…わかったわ、よろしくね、希、行きましょう」

希「あ、ああ、うん」

海未「では、また後で」

希「…」

教室

穂乃果「はあ〜っ!疲れた…」

ことり「ほら、もう少しなんだから、頑張ろ!」

穂乃果「まさかこんなに溜まってるなんてー!」

ことり「もう…」



海未「…」

海未「…穂乃果…」

ガラッ

海未「…」

穂乃果「明日のデート何食べようか!」

ことり「パフェ食べて〜マカロン買って〜」

海未「…」

穂乃果「うーん楽しみー!」

ことり「うん!」

穂乃果「よーし!残り頑張って、練習も頑張るぞー!」

ことり「頑張れ!穂乃果ちゃん!」

穂乃果「…ことりちゃん」

ことり「…穂乃果ちゃん」

海未「…!」

穂乃果「…んっ」

ことり「…ちゅっ」

穂乃果「…教室で、ちゅー///」

ことり「えへへ…///」

海未「…」

穂乃果「…あれ、海未ちゃん!?」

海未「…」

ことり「もしかして…」

海未「…まあ、見ました」

穂乃果「…ごめんね、今更だけど…」

海未「なぜ謝るんです?」

穂乃果「え?」

ことり「だ、だって…」

海未「貴女たちは、恋人同士なんですから」

穂乃果「…でも」

海未「でも?」

穂乃果「穂乃果たちは、海未ちゃんを…」

海未「…」

穂乃果「…ひとりにしちゃった…んだよ?」

ことり「…」

海未「…そう、でしょうか」

ことり「ことりたちは…」

海未「…」

ことり「海未ちゃんの気持ちを…」

海未「…」

ことり「気持ちを…」

海未「…」

海未「確かに、私には、穂乃果とは一生添い遂げる、ぐらいの気持ちがありました」

海未「でも、それは私が、私の中で、抱いた覚悟であり、表立って堂々と示すものでもありません」

海未「ですから、私がそう思っていても、穂乃果の方にその気持ちが無いならば、釣り合うものでは無いんです」

海未「それに、人の想いは、全てが届く訳ではありません。私の想いが空回りしてしまったのも、仕方が無いことです」

海未「でも…それを受け入れることは、私には難しすぎたのかもしれません」

海未「貴女方の恋の成就に、素直に喜べない自分がいたのは紛れもない事実です」

海未「穂乃果とは、何があっても一緒だと…そう思っていました」

海未「勿論、ことりと結ばれたからといって、特別離れ離れになる、というわけではありません」

海未「でも、貴女方との間に、見えない、しかも分厚い壁ができてしまったと感じました」

海未「私が穂乃果と結べなかった絆…それがことりとの間にだけ生まれた、それが、私にはやはり少し苦しい事実でした」

海未「でも…私がそれを受け入れることは、私にとっても、貴女方にとっても、必要なことでした」

海未「だから…私は…一歩引いて…」

海未「穂乃果への気持ちも…弱く…」

海未「したつもりだったのに…」

海未「私は…」

海未「想いを…」

海未「…」

穂乃果「…」スクッ

海未「…穂乃果?」

穂乃果「…」タッタッタッ

穂乃果「…」ギュッ

海未「…へっ?」

ことり「…!」

穂乃果「…ごめんね」

海未「だから…謝らないでください…」

穂乃果「いや、謝る」

海未「そんな…」

穂乃果「ごめんね」

ことり「ごめんなさい…」

海未「ダメです…穂乃果も…ことりも…誰も悪くないんです…誰も…」

穂乃果「そうかもしれないけど」

穂乃果「やっぱり、このことで海未ちゃんが傷ついて、穂乃果たちのために身を引いてくれた、それは、本当のこと」

穂乃果「穂乃果たちは、それを見て見ぬ振りして、今の幸せだけを見て、楽しそうに、いや、楽しく過ごしてた」

穂乃果「それは海未ちゃんに失礼だったし、もっと傷つけることになったんだね」

穂乃果「穂乃果たちも、海未ちゃんが凛ちゃんと結ばれて、それでみんな幸せだ、そう思ってた」

穂乃果「でも…海未ちゃんの穂乃果への気持ちが、無くなったわけではなかったんだね」

海未「それは…それに気づかないのは…無理はありません…普通はわかりませんし…」

穂乃果「ううん、わかるはず。穂乃果たち、どのくらい一緒に過ごしてきた?」

海未「あ…」

穂乃果「とっても小さい頃から、ずっと一緒だったでしょ?」

穂乃果「だから…気がつけなかったのは…穂乃果たちの考えが甘すぎたのかも」

穂乃果「ね、ことりちゃん」

ことり「…うん」

海未「ことり…」

ことり「ことりは…全部…自分勝手に…考えすぎてたかも」

海未「そんなことありません!」

ことり「あるもん!」

海未「っ…」

ことり「ことりは…海未ちゃんがどれだけ穂乃果ちゃんを想っていたかも本当はわかっていたし…」

ことり「でも、ことりも同じぐらい想ってた!」

ことり「だから…ことりは…自分で…一線を越えてみた」

ことり「もちろん海未ちゃんが傷つくことはわかってた」

ことり「でも…でも…ことりは…素直になりすぎたのかもしれない」

ことり「ことりは、海未ちゃんほど大人じゃないから」

ことり「そのせいで、やっぱり海未ちゃんは、今、とっても…辛い思いをして…」

海未「…もういいんです、ことり」

ことり「…」

海未「私の方こそ、凛という存在がありながら…穂乃果への気持ちを遂には断ち切れていませんでした」

海未「それは、罪深いことです」

海未「純粋な愛を貫き通している、貴女の方が、立派です」

ことり「そんな…それはことりの想いが届いたからであって…」

海未「果たしてそうでしょうか…」

海未「私は、割り切ることがどうも苦手なようで」

海未「穂乃果への気持ちも、どっちつかずだったのが、悪かったのかもしれません」

海未「でも、ことり、貴女は一つの道を選んだ」

海未「立派なことです」

海未「だから…貴女の、穂乃果への想いに…」

海未「…誇りを持ってください」

ことり「…海未ちゃんっ」

穂乃果「…」ギュッ

海未「だから…私は…」

穂乃果「…」

海未「私はっ…」

穂乃果「…」

穂乃果「ありがとう、海未ちゃん」

海未「…!」

穂乃果「…」

海未「…はい」

ことり「…ごめんなさい」

海未「もう…謝るのはやめてください」

ことり「ありがとう…」

海未「私は、何があっても、貴女方を見守り続けますから」

穂乃果「…海未ちゃんっ」

ことり「…」

海未「では…課題を終わらせて、早く、練習に来てくださいね?」

穂乃果「え!?」

海未「当たり前ではないですか」

穂乃果「えーっ!海未ちゃん勘弁してよーっ!」

海未「…クスッ」

ことり「すっかり忘れてた…」

海未「ことりまで…これじゃあ穂乃果を任せられませんよ?」

ことり「す、すいません…」

穂乃果「ううーっ…頑張ります…」

海未「まったく…世話の焼ける幼馴染たちですね」

穂乃果「あはは…」

海未「…では、私は先に練習の方へ顔を出しますので」

ことり「うん!後で行くね」

海未「はい、では…」

ガラッ バタン

海未「…」

海未「穂乃果への、想い…」

海未「…」ツー…

海未「…」ゴシゴシ

海未「…よし」

タッタッタッ…

屋上

ガチャッ

海未「お待たせしました」

希「!」

絵里「海未!少し遅かったわね」

海未「ええ、ちょっと、お話を」

希「お話…?」

海未「ええ」

凛「海未ちゃん、遅かったにゃ」

海未「あ、凛…すみません」

凛「あれ…なんか…目が…もしかして…」

海未「え!?あ、き、気のせいですよ!」ゴシゴシ

凛「…お願いだから…」

海未「…?」

凛「凛には隠さないで…」

海未「…わかりました、全て話しますよ」

凛「うん…」

海未「但し、条件付きです」

凛「条件?」

海未「ええ」

凛「どうすれば…」

海未「今晩、私と一夜を過ごしてください」

凛「にゃっ!?」

海未「これが条件です」

凛「い、一夜を過ごす…///」

海未「難しいことではないですよ」

凛「それは…一緒に泊まればいいってことかにゃ?」

海未「そうです」

凛「言い回しが卑怯だよ…」

海未「…クスッ」

凛「わかったにゃ…じゃあ、今晩は、海未ちゃんの家だね」

海未「ええ、待ってますよ」

凛「お泊まりってあの時以来かな」

海未「そうですね」

凛「…よーし、練習頑張っちゃうぞ」

海未「ええ!では、みなさんも、練習再開ですよ」



海未「はい、今日はここまでです!」

にこ「うー!疲れたぁー」

絵里「疲れた〜?」

にこ「なによ」

絵里「これぐらいで泣き言言ってちゃ、身体もたないわよ?」

にこ「う、うるさいわね!ぜーんぜん疲れてないわよ!ほら!にっこにっこ…」フラッ…

真姫「危なっ!」ガシッ

にこ「やっぱり疲れてます…」

花陽「無理はしないでね、にこちゃん…」

にこ「一年生たちに心配されるなんて私のプライドが…」

希「にこっち、こう見えて毎日一生懸命勉強してるんやで」

にこ「なっ!」

絵里「いい大学出た方が、アイドルになった時、恥ずかしくないわ、なんて言ってね」

にこ「ちょっと!あんまり言いふらさないでよ!」

真姫「…意外ね」

花陽「一生懸命勉強してるところなんて、想像つかないな…」

にこ「うう…」

真姫「まあ、いいことじゃない」

花陽「そうだよ!」

にこ「…そう言われると、悪い気しないけど…」

希「海未ちゃん…」

海未「はい?」

希「さっきは…その…」

海未「大丈夫ですよ」

希「だって…」

海未「貴女のおかげで、何がいけなかったのか、わかりました。それに…」

海未「あの後、私なりにケリをつけたつもりです」

希「ケリ…?」

海未「はい」

希「…らしくない言葉やね」

海未「まあ…そうでも言わないと、私も」

希「…で、今日は凛ちゃんと過ごすんやったな」

海未「ええ…凛本人を愛すること、まだそれができていない気がして」

希「…」

海未「正直、穂乃果との長い時間と比べれば、凛との時間なんてほんの僅かです」

海未「だから、一夜を共にしたぐらいで、どうにもならないであろうことはわかります」

海未「でも…」

希「…でも?」

海未「…言葉にできませんね」

希「…そう」

海未「とにかく…今は、凛と、凛だけの時間を過ごして…」

海未「気持ちを…」

希「…頑張ってな」

海未「ええ」

凛「海未ちゃん」ピョコッ

海未「凛…」

凛「…行こう?」

海未「…はい」

希「じゃあ、またな」

海未「ええ、では、また来週」

凛「バイバイ希ちゃん!」

希「おう!またね!凛ちゃん!」

希「…」

絵里「希…?」

希「あ…えりち…」

絵里「私も…今夜、希のところ、お邪魔させてもらってもいいかしら」

希「…んもう」

絵里「ダメ?」

希「もちろん、大歓迎やで」

絵里「…本当?」

希「うん、ウチもちょうど、えりちと二人だけで過ごしたいところやったん」

絵里「そう…」

希「今夜は寝かせないで?」

絵里「それはこっちの台詞よ」

希「じゃあ…待っとるよ」

絵里「ええ」

穂乃果「じゃ、穂乃果たちも帰ろっか」

ことり「そうだね」

穂乃果「あ…海未ちゃん!」

海未「はい?」クルッ

穂乃果「…」

穂乃果「またね、海未ちゃん!」

海未「…はい!」

凛「?」

海未「…さ、行きましょう」

凛「うん…」

海未「…どうしました?」

凛「嫉妬しちゃうな」

海未「え?」

凛「最近、凛が言うとなんだか黙りこんじゃうのに、穂乃果ちゃんには…」

海未「あっ、いや、その…」

凛「いいもん!」

海未「?」

凛「今日は…凛だけの海未ちゃんだから」

海未「…凛」

凛「えへへ…」



凛「よし、いってきまーす」

ガチャ

凛「…!」

海未「迎えに来ました」

凛「…びっくりだよ」

海未「嫌ですか?」

凛「嫌じゃ、ないけど…」

海未「…償いです」

凛「償い?」

海未「さあ、行きますよ」

凛「…あのね」

海未「どうしました?」

凛「手…繋いでも…いい?」

海未「…勿論、いいですよ」

ギュ

凛「…じゃあ、行こっか」

海未「ええ」

海未宅

凛「おじゃまします…」

海未「どうぞ」

凛「あ…お久しぶりです」

海未母「お久しぶりです!今夜来ると聞いて、ラーメンを買ってきましたよ」

凛「…ありがとうございます!」

海未の部屋

海未「さて…晩御飯まで時間がありますが…」

凛「教えてもらえる?」

海未「…まだです」

凛「どうして?」

海未「…それは…」

凛「やっぱり…言えないことなの?」

海未「…」

凛「海未ちゃん」

海未「…はい」

凛「ひざまくら、して?」

海未「えっ!?」

凛「ひ、ざ、ま、く、ら」

海未「い、いいですよ?」

凛「…」ゴロン

海未「…///」

凛「海未ちゃんの脚…」

海未「思った以上に…恥ずかしいですね…///」

凛「気持ちいいね」

海未「な、なにを言ってるんですか!///」

凛「ねえ海未ちゃん」

海未「…はい」

凛「凛ね、凛なりに考えてみた」

海未「…?」

凛「海未ちゃんと凛のこと」

海未「…!」

凛「凛は…海未ちゃんと結ばれて…」

凛「幸せだよ」

凛「海未ちゃんも、幸せだって言ってくれたでしょ?」

凛「だから…それでいいねって思ってた」

凛「でもね、よーくよーく考えてみたらね」

凛「凛が海未ちゃんと過ごした時間と」

凛「海未ちゃんが穂乃果ちゃんたちと過ごした時間」

凛「全然長さが違うよね」

凛「…凛は、それが少し不安だった」

凛「凛は本当に海未ちゃんにとって一番大事なものになれたのかなーって」

凛「…そうじゃないかもしれないっていう心配が、いっつも頭から離れなくてね」

凛「だから」

凛「最近の海未ちゃんを見てたら…」

凛「もしかしたら、凛の心配は」

凛「当たってたのかな、なんて」

凛「思ったりしたの」

凛「…ごめんね、そんなことないよね」

凛「考えすぎだったかな」

海未「…」

凛「海未ちゃん?」

海未「…」

凛「…にゃっ!?」

凛「う、海未ちゃん!」バッ

凛「ど、どうして…泣いてるの!?」

海未「…」ツー…

凛「あわあわわわわ…」

凛「ご、ごめんね!凛が変なこと言うから…」

海未「ごめんなさい…」

凛「な、なんで海未ちゃんが謝るの…?」

海未「ごめんなさい…」

凛「う…どうすれば…」

海未「うぐっ…ひぐっ…」

凛「泣かないで!ね!」

海未「…ごめんなさい、凛…」

凛「ど、どうして…」

海未「私は…私は…グスッ」

凛「〜っ!」

ギュッ

海未「!」

凛「…泣いてもいいから」

凛「泣きたいなら、凛の胸を借すから」

凛「泣きたいなら、凛の前でだけ…」

凛「気が済むまで泣いて」

海未「…グスッ」

海未「わああああああん!」

凛「…」ツー…



海未「すみませんでした」

凛「大丈夫だよ」

海未「…では、落ち着いたので」

海未「話します」

凛「待って」

海未「はい?」

凛「もう、いいの」

海未「えっ…」

凛「海未ちゃんの気持ちは、伝わったから」

海未「…そうですか」

凛「だから、ね」

海未「ありがとうございます」

凛「でも…これからは、凛には隠さないでね」

海未「はい」

ガチャ

海未母「ラーメン茹でましたよ!」

凛「!」

海未「…行きましょう」

凛「…うん」



海未母「はーい!お待たせしました!」

凛「わあ…美味しそう」

海未母「さあ、召し上がれ」

凛「いただきます…」ズルズル

凛「…美味しいです!」

海未母「本当?よかった〜!」

凛「えへへ…」

海未「…」

凛「ほら、海未ちゃんも食べよ!のびちゃうよ?」

海未「あ、ああ…そうですね」

海未「いただきます…」ズルズル

凛「…」ズルズル

凛「おいしいね、海未ちゃん!」

海未「!」

凛「…」ニコニコ

海未「…はい!」

海未母「…」ニコニコ

海未「…」

凛「〜♪」ズルズル

海未「…」ズルズル



凛「おいしかったにゃ〜!」

海未「ええ…」

凛「じゃあ…」

海未「…?」

凛「お風呂、入ろ!」

海未「…はい」



お風呂

海未「ふう…」

凛「週末のお風呂は、本当に気持ちいいね」

海未「ええ、心まで洗われるようで…」

凛「ねえ、海未ちゃん」

海未「なんでしょうか」

凛「髪、洗わせて」

海未「え…?」

凛「背中も流したいけど…今日は、髪も」

海未「…そうですか」

凛「ほら!」ザバッ

海未「では…お願いします」ザバッ…



凛「いつも思うけど、海未ちゃんの髪って、素敵」

海未「…照れます」

凛「長くて…綺麗で…」

海未「…///」

凛「見惚れちゃうよ」

海未「もう…///」

凛「背中も…綺麗だし」

海未「誉め殺しですか///」

凛「素敵、って言葉は、海未ちゃんにぴったりだって凛は思うよ?」

海未「…ありがとうございます///」

凛「じゃあ、流すよ?」シャーッ

海未「…」

海未「…幸せです」

凛「…凛も」



海未の部屋

海未「さて、お風呂も歯磨きも済ませましたし」

海未「寝る準備、ですね」

凛「じゃ、布団敷こっか」

海未「ええ」



海未「よいしょっ…ここです」

凛「はーい」ドサッ

海未「…一枚で一緒に寝るんですよね」

凛「もちろん!海未ちゃんとくっつけるもん」

海未「そうですか」

凛「せっかくお泊まりなんだから、一晩中甘えたい」

海未「…可愛いですね」

凛「…///」



海未「では、明かり、消しますよ」

凛「うん」

海未「…」パチッ

凛「海未ちゃん、早く」

海未「はい」モゾモゾ

凛「えへへ…」ギュッ

海未「凛…」ギュッ

凛「…あのね」

海未「…はい」

凛「凛…海未ちゃんの前でだけ…」

凛「女の子、に、なれる気がするんだ」

海未「…!」

凛「海未ちゃんと一緒だと…」

凛「いちばんかわいい凛を…見せられる…」

海未「…もう」ギューッ

凛「…///」

海未「そんなこと言われて、萌えない人はいませんよ」

凛「恥ずかしいな…///」

海未「…でも」

凛「でも?」

海未「私も、凛の前でだけ、弱いところを見せられるような気がします」

凛「…」

海未「私だって、誰かに甘えたい時があります」

海未「そういう時に…貴女は…そばにいてくれて」

海未「私を…満たしてくれる」

海未「そんな存在がいる、それだけで」

海未「これ以上ないぐらい、幸せなのかもしれませんね」

凛「…」

海未「貴女と出会えたこと、感謝しています」

凛「…ありがとう///」

海未「…クスッ」

凛「…///」

海未「凛?」

凛「なあに?」

海未「…愛してる」

凛「…!」

海未「…」

凛「…///」

海未「…」ギューッ

凛「…ばか///」

海未「ばかでもいいです」

凛「…///」

海未「…さ、寝ましょう」

凛「…」

凛「海未ちゃん、好き」

海未「…私も、です」

凛「…///」

海未「余計な心配をかけさせてしまったこと、許してください」

凛「それはもういいの…///」

海未「ありがとうございます」

凛「もう…ねよっ///」

海未「…はい」



海未「…やはり、凛を目の前にすると…」

海未「なかなか眠れませんね…」

凛「zzz…」

海未「…凛」

海未「私は…貴女を…貴女として…」

海未「愛せて…」

翌朝

海未「…ん…」

凛「…zzz」

海未「…六時、ですか」

凛「んう…」

海未「あ…」

凛「あれ…朝…?」

凛「おはよ、海未ちゃん」

海未「…おはようございます、もう少し寝ていてもいいんですよ?」

凛「ん…どうしようかにゃ…」

海未「凛が寝るなら、私も寝ますよ」

凛「じゃあ…ねる」

海未「…わかりました」

凛「…ねえ」

海未「…はい」

凛「…ずっと一緒だよ、海未ちゃん」

海未「…勿論です」



海未「…んっ…ちゅっ…」

一旦おしまい
最後のキスは…わかりますよね

実はお泊りの部分が違うのも考えてあるのでそれも貼ります

パンツは脱いだままでいいかも

海未「えっ…」

凛「海未ちゃんの気持ちは、伝わったから」

海未「…そうですか」

凛「でも、話さない代わりにしてほしいことがあるの」

海未「代わりに?」

凛「その…」

ガチャ

海未母「ラーメン茹でましたよ!」

凛「!」

海未「…話の続きは、晩御飯の後ですね」

凛「…うん」



海未母「はーい!お待たせしました!」

凛「わあ…美味しそう」

海未母「さあ、召し上がれ」

凛「いただきます…」ズルズル

凛「…美味しいです!」

海未母「本当?よかった〜!」

凛「えへへ…」

海未「…」

凛「ほら、海未ちゃんも食べよ!のびちゃうよ?」

海未「あ、ああ…そうですね」

海未「いただきます…」ズルズル

凛「…」ズルズル

凛「おいしいね、海未ちゃん!」

海未「!」

凛「…」ニコニコ

海未「…はい!」

海未母「…」ニコニコ

海未「…」

凛「〜♪」ズルズル

海未「…」ズルズル



凛「おいしかったにゃ〜!」

海未「ええ…」

海未「それで」

凛「?」

海未「話の…続きを…」

凛「あ…なんだったっけ」

海未「代わりにしてほしいこと、です」

凛「…そうだったね」

海未「私は一体何をすれば…」

凛「…やっぱりいいかな」

海未「えっ」

凛「恥ずかしいし…」

海未「それじゃダメです!」

凛「へっ!?」

海未「それじゃ私の気が済みません!」

凛「で、でも…」

海未「このままだと私だけが…」

凛「…わかったにゃ、でも…」

海未「でも?」

凛「寝る前にしてほしいの」

海未「先延ばし、ですね」

凛「できれば…」

海未「わかりました」

凛「お願いします…」

海未「では…お風呂に入りましょうか」

凛「はい…」

海未「…クスッ」

凛「…」モジモジ



お風呂

海未「ふう…」

凛「…」

海未「どうしたんです?黙りこんで」

凛「…どきどきする」

海未「どれだけ凄いことを私にさせるつもりなんですか?」

凛「それは…寝る前まで言えないもん」

海未「楽しみです」

凛「…」

海未「凛、お背中を流しますよ」

凛「えっ?」

海未「前は、私が流してもらったので」

凛「…」

海未「遠慮しなくてもいいんですよ」

凛「…お願いします」

海未「はい、喜んで」



海未「…」ゴシゴシ

海未「しかし…凛…細いですよね」

凛「そう…?」

海未「ええ…思わず守りたくなる…」

凛「…///」

海未「気持ちいいですか?」

凛「…幸せ」

海未「それはなにより」

凛「…うん///」



海未の部屋

海未「さて、お風呂も歯磨きも済ませましたし」

海未「寝る準備、ですね」

凛「…まずお布団を敷こう、ね」

海未「…そうですね、まずは」



海未「よいしょっ…ここです」

凛「はーい」ドサッ

海未「…一枚で一緒に寝るんですよね」

凛「もちろん!海未ちゃんとくっつけるもん」

海未「そうですか」

凛「せっかくお泊まりなんだから、一晩中甘えたい」

海未「…可愛いですね」

凛「…///」

海未「…さて」

凛「!」

海未「寝る前、ですし…」

海未「…してほしいこととは」

凛「…」

凛「あ、あの…」

海未「…」

凛「してほしいことは…」

凛「…キス」

海未「…それは、頬では、ないですよね」

凛「…」コクッ

海未「わかりました」

凛「…!」

海未「…」

凛「…///」ドキドキ

海未「…」ドン

凛「にゃっ!?」ドサッ

海未「…」

凛「えっえええっええっと…///」

凛「どうして押し倒すの…?///」

海未「…指を…絡ませてください…」

凛「え、あ、う、うん…///」キュッ

海未「…凛」

凛「はい…///」

海未「…愛してる」

凛「…今なん…んむっ」

海未「…」

凛「…〜///」

海未「…っ」

凛「…///」

海未「…ファーストキスです」

凛「り、凛も…///」

海未「…」

凛「ちょ、ちょっと強引すぎないかにゃ…?///」

海未「…してほしいと言ったのは貴女の方ですよ」

凛「そ、そうだけど…それに…愛してるって…言葉使いも…んむっ」

海未「…」

凛「〜///」

海未「…っ」

凛「///」

海未「お喋りな口は、こうです」

凛「もう…好きにして…///」

海未「…凛…愛してる」

凛「あああああ///」

海未「んっ…」

凛「んむっ」

海未「…」

凛「ん…///」

海未「…っはあっ」

凛「っはあっはあっ…あん…んん…もう…だめ…恥ずかしくて…胸が…熱くて…きゅんきゅんして…///」

海未「…凛」

凛「はあっ…はあっ…///」

海未「色っぽいですよ…」

凛「にゃあん…///」

海未「愛しくて…情熱が…溢れ出て…」

凛「にゃう…///」

海未「華奢な身体…柔らかい肌…甘い匂い…美しいその唇…」

海未「貴女で…いっぱいです」

凛「ふにゃ…///」

海未「余計な心配をかけさせてしまったこと、許してください」

凛「しょれは…もういいの…///」

海未「今は…今だけは…このまま…二人で…」

凛「…にゃん…///」トローン

海未「一緒に…んっ…はむっ…ちゅっ…」

凛「んん…んむっ…んちゅっ…///」



海未「…」

凛「zzz…」

海未「…強気になりすぎてしまいましたかね」

海未「…初めてなのに…見よう見まねで…濃厚な…///」

海未「思い出すと…///」

凛「zzz…」

海未「…凛」

凛「zzz…」

海未「…」

凛「…むにゃむにゃ…」

海未「!」

凛「…うむ…うん…」

凛「…海未ちゃん、好き」

海未「…」

海未「貴女は…本当に…」

海未「…」

チュッ

凛「にゃ…」

海未「…凛」

海未「私は…貴女を…貴女として…」

海未「愛せて…」

翌朝

海未「…ん…」

凛「…zzz」

海未「…六時、ですか」

凛「…んう…」

海未「あ…」

凛「あれ…朝…?」

凛「おはよ、海未ちゃん」

海未「…おはようございます、もう少し寝ていてもいいんですよ?」

凛「ん…どうしようかにゃ…」

海未「凛が寝るなら、私も寝ますよ」

凛「じゃあ…ねる」

海未「…わかりました」

凛「…ねえ」

海未「…はい」

凛「…ずっと一緒だよ、海未ちゃん」



海未「…勿論です」

今度こそおしまい
正直自分はこっちの方がハアハアするし好きです
でも…あっちの方が綺麗かな

うみりんフォーエバー

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