【ケモノ】ナイン・テイル【風俗】(128)

獣人世界の娼館にて起きる、9人の姫達による物語です。

酷評はお控えください。
気楽に読んでいただければそれで。

第一話『金と銅貨のワルツ』をお届けします。

登場ケモノは姫が熟女のキツネ。相手が柴犬の青年。
内容に一部、アナル描写を含みます。

【 1 】


 後悔が無いという訳ではない――否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 送迎の馬車(ブルーム)に揺られて街の遊郭へ向かおうとしているその最中でさえあっても、レェスの心はなお葛藤を続けていた。

 伸びた鼻頭(ノズル)と鋭角に立った大きな耳、そして茶の毛並みもふくよかに外へ丸まった大きな尾のレェスは、世間一般では犬狼型に分類される獣人である。
 今年の四月――晴れて成人し親元を離れた彼は、故郷より遠く離れた帝都の街中に居た。大概の若者達がそうであるように、田舎暮らしで華の時間を浪費してしまうことを惜しんだレェスは、「自分試し」などという説得力のかけらもない理由をつけて離郷を果たしたのだ。
 そんな世間知らずの田舎者にとって都会の風はそれなりに強く冷たいものではあったが、それでも日々そこで感じる未知の世界はレェスの愚かな独立心を励ましてやまなかった。自分は生涯をここで生き、そしてここで死ぬのだと、もはや使命感にも似た感動(かんちがい)を胸に抱いたほどである。
 しかしながらそんな生活も半年が過ぎると途端にその光(いろ)を失っていった。
 せわしない都会の時間(ながれ)にも慣れ、仕事も憶えてサボりの要領を得てくると、途端にレェスは脱力した。
 このままでいいのか? 結局は、ここでも自分はつまらない仕事に時間を浪費していくばかりなのではないのか? ――朝目覚めると、いつもそんなことを自問した。……しかしながらそれも「哲学」などといった鹿爪らしい命題ではなく、単に仕事をサボりたいが故に毎朝起き上る、自堕落で甘えた妄想ではあるのだが。

 とはいえしかし。それに気付けぬレェスにとってのそれは、今の自分を崩壊せしめぬほどに重要な問題であったのだ。
 しかしながら若者ゆえの浅はかで計る問題のこと、その解決策は実にあっさりと彼の中で紡ぎだされた。

『 そうだ、彼女を作ろう! 』

 要は寂しかった訳である。
 都会暮らしに慣れて余裕が出てくると、途端に独り身が沁みた。しかしながら、望郷や人恋しさを認めてしまうのは、少年のちっぽけなプライドが許さない。
 ゆえに遠回りに自分探しなどを考えさせては、その寂しさを紛らわせるパートナー探しを理想(ハードボイルド)の自分に認めさせたという訳であった。
 そう結論づくとにわかにレェスの生活は活気を取り戻す。
 まずは職場において、そんな運命の相手がいないかどうかを検討した。
 レェスの通うレンガ工場は街でも一番の規模を持つ老舗で、工場内には常に50人以上の人足がいた。
 しかしながらそこの働き手達は全てが男であり、しかもそのどれもが中高年の世代という有り様。唯一の若衆はレェスただ一人だけである。
 ならば事務職には? ――と考え、経理を始めとする事務所や営業もしらみつぶしに探してはみたが、どれも似たり寄ったり。そこにおける数少ない女達もまた、「とうの立った」おばちゃん達ばかりと、ロマンスの予感は微塵も感じられなかった。

 そうして危機感を募らせるうちに、最初は単なる『寂しがり(ホームシック)』であったはずの心の隙間は、次第に『強迫観念』へと変わっていった。
「このままでは自己が崩壊する」――若者特有の陳腐で無根拠な思い込みではあるのだがしかし、等の本人であるところのレェスにとっては重大な問題である。
 それを苦悶する生活に重いストレスを感じ始めた彼は、日に日に疲弊していった。
 毛並みは艶を無くし、耳と尾は常に垂れ、鼻は乾き視線も俯きがちとなった。そんな傍目からからも見て取れるレェスの疲弊ぶりを見かねて、彼の雇い主でもあるところの工場長がついにレェスへと声を掛ける。
 そこにて、初めてレェスは己の悩みを他人へと打ち明けたのであった。
 レェスの話を終始無言で聞いていた工場長ではあったが、その時々で笑いを堪えかねては何度も咳払いをした。他人のそんな青臭さがなんともこそばゆいのだ。
 そして全ての話を聞き終えるや、
『 レェス。お前さんは童貞かい? 』
 そんなことをレェスに問いただした。
 その質問に慌てふためき、はたまたどうにか無頼な自分を取り繕おうとしたもののそこは経験の差――緩急織り交ぜた工場長の話術に翻弄され、たちどころにレェスは『一八歳(こども)の自分』へと丸裸にされてしまった。

 そうなると素直なもので、レェスは率直に今の不安と問題解決の糸口を工場長に求めた。
 そんな折、彼から返された返事(こたえ)こそが―――
『 一度でいいから女でも抱いてみろ。もしかしたら考え方が変わるかもしれない 』
 そんな中身の有るような無いような、なんとも無責任な答えであった。
 正直その時のレェスも、そんな工場長の言葉に何一つ琴線を震わせられる事が無かったものだから、ただ「はぁ」と空返事を返しただけであったが――事件はそれから4日後に起きた。
 いつものように仕事を終えたレェスは件の工場長から呼び止められる。
 そして一枚のカードを手渡されたと思うと、
『 明日の休みにこの店へ行け。役所前に迎えの馬車が来ている筈だから、それの御者に声を掛ければあとは万事、向こうがよろしくやってくれる 』
 工場長はそう言って武骨な笑みを見せた。それこそは、とある娼館への招待状であった。
 代金は自分で工面するようにと言われた。金貨一枚分であるそうな。言うまでもなく大金である。
 しかしながら初めての風俗というシチュエーションに発奮してしまったレェスには、そんな金額の高低など気にはならなくなっていた。その時はただただ緊張し、そして胸ときめかせた。

 自室に帰ってからも、食事すら忘れて貰った名刺を眺めて過ごす。
 普段の生活において目にしたことすら無いほど奇麗に精製された紙面に繊維の屑などは一本として見当たらない。麦の穂のよう、かすかに金色を含んだ色合いのカードには、達筆の書体で『Nine・Tail(九尾娘)』と店名が印刷されており、さらにはその隣にレェスの名前が「様」を付けて書かれていた。
 なんどもそれを見つめ、さらには匂いなど嗅いだりしてはレェスは妄想を膨らませる。
 いったいこの場所で何をするものなのだろう?
 それこそ己の持つありとあらゆる知識を動員して淫靡な妄想にふけろうと考えるも――結局それらは何一つ実体を持たず、ただ行き場のない情動となって胸を焦がすばかりであった。
 そこにおいてようやくレェスは、自分が何も知らない「子供」であったことを自覚する。
 思えば女の子と接触を持ったことなどは、田舎に居た時からなかった。
 もし故郷において齢相応の相手に巡り合えていたのならば、自分はこんな都会に出ることもなかったのではないか、などと妄想する。
 平凡ではあるものの、つましく楽しい毎日を生涯の伴侶と送り、家業の酪農に精を出すのだ。……そんな妄想の中の自分に、レェスは思わぬ寂しさを感じて大きく鼻をすすった。
 傍から見れば「何を言うか」とツッコミたくもなる。況やまだ19の子供が、だ。
 そう思うのならばすぐにでも故郷に戻って家業でも婚活でも、好きにすれば良いのだろうがとかくこの年代の若者は、何かというと破滅的な方向にばかり未来を考えては悲観して、その主役であるところの自分に陶酔して過ごすものなのであろう。

 閑話休題。

 そうまで考えながら明日の日を待ち望む傍ら、とはいえ今回の初風俗を素直に受け入れられぬ想いもあった。
 それこそは今日のトラブルにいたる元凶ともなったその、ちっぽけな『プライド』に他ならない。
「これは……男のするべきことなんだろうか?」
 寂しいだ破滅だと散々のたまっておきながら、この期に及んでレェスは考え込んでしまった。
 風俗――すなわちは『女を金で買う』という行為を思い悩んでしまった訳である。
 些細な疑念であったはずのそれも、そう思い込むと途端に心の中を占める割合を大きくしていった。
 とはいえしかし、風俗にも行きたい――良心と本能、プライドとスケベ心との狭間でその夜、レェスは眠れぬまま煩悶し続けるのであった。
 そして翌日の夕刻、彼は約束の場所である役所前に―――居た。
 結局はスケベ心が勝った。とはいえしかし、それに心が傾いたのは本当に僅かな差異に他ならない。事実いまも、胸の内では葛藤が続いている。そんな今の状況はむしろ、寂しさに打ちひしがれていた時よりも激しく心を乱していた。
 斯様にして情緒不安定なレェスへと、
『 レェス様、でいらっしゃいますか? 』
 何者か声が掛けられた。高く透き通った、一聴だにしたならば少女のものかと思わん声音である。

 それに驚いて振り返ればそこには、テールコートの正装に身を包んだ赤毛猿と思しき獣人の少年が一人。年の頃は10代――否、レェスの腰元にようやく頭が届くといった様子の容姿からは、その年齢も一桁台と思わんばかりである。
しかしながら僅かに胸を張り背筋を正したその立ち居は、自然な振る舞いでありながらも慇懃で折り目正しく、年端もいかない少年ながらも彼の「芯の強さ」をレェスへと憶えさせた。
 とはいえその「強さ」もけっして腕力や、権力を背景にした脅しじみたものではない。
 いうなればそれは、この少年が持つ自己への誇りと自信に他ならないのだろう。
 口にはせずとも彼が、己の仕事に気高いプライドと固い意志とを以て挑んでいることがはっきりと見て取れた。まだ、この少年が何者か聞いてもいないにも拘わらずである。
 そんな歳不相応に落ち着いた雰囲気に包まれて、混乱の極みにあったレェスも沈静化する。
『 レェス様でいらっしゃいますか? 』
 そして再度の少年からの問いに、ようやく我に返ったレェスは大きく頷くのであった。
『 お待たせいたしました。私は、「Nine・Tail」からの使いの者で、クウと申します。本日はレェス様をお迎えにあがりました。どうぞこちらへ 』
 渡されたレェスの名刺を確認して一礼をすると、少年クウは泰然自若とした振る舞いで半身を開きレェスへと道をあける。そうして誘うよう右手を泳がせたその先には、黒塗りの馬車が一台停められているのだった。

 そんな馬車の壮観にレェスは思わず息を飲む。
 自分の身の丈ほどの車輪を四環搭載し、さらには楕円の円蓋を被せた粋な造りのそれは見るからに優雅で美しい。
 さらにはその中に誘われて、今度は息を止めた。
 赤を基調に向かい合うように設置されたソファは質素な造りながらも造作が実に細やかで、背もたれに施された刺繍ひとつをとっても細部まで実に手が込んでいた。さらにはその手触り、そしてはたまた硬すぎず柔らかすぎない座り心地からは相当にこれが高価なものだということを貧民のレェスにすら実感させる。
 それら自分の日常からは完全にかけ離れた、別世界の物に触れるということにレェスは躊躇いすら覚えずにはいられない。
 それらに比べて今日の自分はといえば、一張羅のジャケットにハンチング帽。シャツとパンツにはそれなりの物を身にまとっては来たが、それでも目の前の馬車やそれの御者たるクウのそれに比べれば、月とすっぽんほどに今の自分は滑稽に思えた。
 そうしてそれらに圧倒されるまま馬車の中に閉じ込められると、クウは外套(マント)を羽織り馬車を発進させる。

 かくして運命の車輪は動きだしてしまった。
 後悔が無いという訳ではない――否、レェスはこの後に及んでもなお悩んでいる。
 なぜなら自分は今、街の遊郭へと向かおうとしているのだから。

【 2 】


 目的地である娼館『Nine・Tail』は、遊郭街の外れにあった。
 入口に近い通りには原色を散りばめた派手な看板の、一目でそれと判る店が多かったのに比べ、件のNine・Tailがある一角は一見したならば高級住宅街かと見紛わんばかりに閑静で趣のある建物が並ぶ通りである。
 そしてその中の一つである、一際大きい洋館が今居る店であった。
 入店し待合室に通されたレェスは、緊張から味の判らぬ紅茶に舌を焼いていた。
 室内の壁面に備え付けられたソファーはコの字を描くようにして設置されており、その前には小型のテーブルが個別に何基も備え付けられていた。その上にはそれぞれ重厚なガラスの灰皿とライターとが置かれ、そんな自分の机そこにはさらに紅茶とおしぼりがある。
 とりあえずここで待つように指示されたレェスは、緊張から何度も部屋の中を見渡しては、ここに至るまでの経緯を思い出すのであった。
 娼館には到底見えない荘厳な屋敷に案内されるや、入店と同時に玄関ホールのロビーカウンターにて『入館料』と称した金銭の提示を要求された。それに対してレェスも虎の子の金貨一枚を支払うが、クウはそれを受け取ったかと思うと銀貨二枚をレェスへと返してくるのであった。
 料金は金貨一枚分と聞かされていたレェスだけに、これには大いに困惑した。そんなレェスの混乱を察しクウは、『その残りはお相手を務める給仕にお渡しください』と笑顔で諭してくれたのであった。

 どうやらこの手の店はまず店側に『入館料』を支払い、さらには相手となる娼婦に残りの金額を支払うという仕組みらしい。なんとも困惑する。
「早まったかなぁ……金貨一枚分は高いよなぁ」
 呟き、手の中で握りっぱなしであった銀貨二枚を見下ろす。この金とて、工場に勤め始めてから今日に至るまでに貯めたレェスの血肉のような銭である。それを手元に形の残らぬこのような遊行に使ってしまうことへレェスはなんとも強い抵抗を感じていた。
――これだけあったらコートが買えた……ブーツだって買えるし、飯だって好きなものが食える。
 そう考えだすとどんどん思考は所帯じみて、いつもの妄想も現実味を帯びてくる。
――チョコだって食える。肉だって食える。パンだって好きなだけ。フルーツだってそりゃあもう。大判コロッケもいい。いくらどぶ漬けか。さんま焼きだっていいぞ、そこに生ゆば刺しなどつけるか。岩のり250円も渋いな……。
 そうしてすっかり現実逃避をして自分の妄想(せかい)に入るレェスへと、
『お待たせいしました、レェス様。ご案内いたします』
「ッ!? こ、こっちもうな丼ください!」
『――はい?』
 案内係の存在に気付けずにいたレェスは、その突如の声に思わず両肩を跳ね上がらせた。
『いかがなさいましたか、レェス様?』
「え? あ……い、いや何でも。ははは」
 怪訝な案内役の表情に我へと返ったレェスは、つい自分の奇行を笑ってごまかす。同時に、その瞬間が訪れたことを瞬時に理解する。それゆえにさらに混乱する。

――ついに……ついに女の子と……!
 心臓は鼓楽器よろしくに、その音が喉から漏れているのではないかと心配するほど強く胸を叩いている。
 目の前を歩く案内役の背に、レェスはこれから会うであろう嬢を妄想した。
――猫型の華奢な子が来るんだろうか? それとも白兎の純情そうな子とか? いやいや、もしかしたらオイラと同じ犬の娘なんてことも……!
 様々な美少女達が案内役(エンコート)の背に浮かび上がっては消える。
 やがて目の前を行くその背が止まった。
『こちらからは御一人でどうか。――どうぞお楽しみくださいませ』
 体を開いてレェスの前へ道をあけると、案内役は深々と頭を垂れた。
 そんな目の前には巨大なカーテンが壁のように通路を塞いでいる。
 いったいこれからどう行動したらいいものだろうと困惑するレェスではあったが、目の前のカーテンそこにスリットが通っていることを発見した。
 どうやら二枚を重ね合わせてある造りらしい。それを前に一歩踏み出すと、レェスはその隙間へと体を進入させた。
 シルクのカーテンの質感それを鼻先に感じながらそこを潜り切ったその先には―――

.
【 3 】


 気怠さを憶えて覚醒すると――レェスは天井と思しきそこをぼやけた視線で見上げ、そしてため息をついた。
「……夢?」
 思わず呟いてしまう。
 貴族の住むような屋敷で絶世の美女の尻に挟みこまれて窒息した――記憶にある今までを振り返るのならば、夢と思えても不思議ではない。むしろそんな現実の方が、よっぽども夢物語じみているように思えた。
 故にそれらはすべて夢だったのではないかと考える。そう考えた方がつじつまも合うというものだ。
 そもそもこんな体験が現実であるという『証拠』はどこにも――
「あ。目、さめた?」
「ッ! ち、チトノさんッ?」
 その『証拠』が突如として視線に入ってきた事にレェスは両肩を跳ね上がらせる。
 そうして起き上り、見渡すそこはベッドの上――そして傍らには全裸のチトノ。全ては紛う方なき『現実』であったことが証明された。
 途端に自分が意識を失う瞬間のあの、生々しいやり取りもまた思い出して、
「わぁ、元気だね♡ 安心したー」
 レェスのペニスは再び高く堅く屹立して、天を向くのであった。

 しかしながら一方の本体(レェス)はというと、そんな自身の体の反応とは裏腹に未だ混乱から脱しきれていない。
「あ、あのさ……これからどうしたらいいの?」
 つい尋ねてしまう。とはいえしかし、レェスにとっては重要な問題だ。現状を把握したからと言って、童貞のレェスには今後自分がどのような行動を取ったらよいものか見当もつかないのだから。
 そしてそんなレェスの不安もまた知るからこそ、
「大丈夫だいじょーぶ。お姉さんに任せて寝てればいいのよ」
 片や百戦錬磨のチトノはそんなレェスを愛おしげに抱きしめるのであった。
「私がリードしてあげるから、レェス君は気楽にしてて。そのつど、やりたいことを思いついたら言ってよ。何でも応えてあげるから♡」
 言いながら見つめ、そしてレェスの体の上に乗り上げてくるチトノの瞳が妖しい光を宿す。言うまでもなく発情しているであろう彼女の様子を察した次の瞬間には、チトノの唇がレェスの口唇を塞いだ。
 口先を噛みあうようにし、侵入させた舌根を幾重にも絡ませ合いながら施されるチトノのキスに、次第にレェスの頭にも靄がかかってくる。
 ひとしきり互いの唾液を味わい、レェスも脱力して再びベッドの上に横たわると、いよいよ本格的なチトノの奉仕が始まった。

 舌先で強く押し付けるような刺激は、今までの口中で包みこむかのようだった柔らかい愛撫とは対極のものである。それでもしかし、そこへの箇所の責めは体内の奥底にあるレェスの前立腺を強く刺激してなんとも直接的な快感を与えるのであった。
 しばしそこらをこそぐよう上下に愛撫していた舌先は、やがてぬるぬると下降していく。そしてチトノの舌は、
「ッ? ひゃあ!」
 レェスの肛門の淵をなぞる。思わぬ箇所への愛撫にレェスもまた声を上げる。
「ち、チトノさんッ。そこ、お尻だよ?」
「知ってるわよー、なぁに今さら♪ さっきはレェス君だって、私のお尻をたくさん舐めてくれたじゃない」
 そう言われてレェスは何も返せなくなる。浅はかにも過去の自分の行動が今、自分を責めていた。
「もうさ、今夜は私達の間じゃ『汚い・恥ずかしい』は無しだよ。だから安心して♪」
 さらにはそう微笑まれてしまうともはや、レェスは一切の抵抗を封じられてしまうのだった。
 やがて呟くよう「お願いします」と伝えると、レェスは観念してベッドに倒れ込む。
 そんな彼をなんとも思惑のこもった笑顔で見届けると、
「たくさん気持ち良くしてあげるね」
 チトノもまた愛撫を開始するのであった。

 肛門の淵をなぞるように舌先は這っていく。時おり奥窄まったアナルの中心へと舌先が伸びると、そこに感じる暖かな感触にレェスは身を震わせる。やがてはそんな舌先も、次第に肛門そこを掘り穿つような強い愛撫へと移行していった。
「あ、はあぁ………」
 途端に熱がそこに感じられた。
 舌先の粘膜がぬるぬると肛門の中に侵入してくると、そこを中心にしてヌルリと、濡れたような暖かい感触が広がってレェスは強い快感を感じるのであった。
 しばしそうしてレェスのアナルそこを愛撫していたチトノが不意に口を離す。
「そろそろチンチンの方も気持ち良くしてあげるね」
 そう言ってレェスの両足の上に胸元を乗り上げたかと思うと、屹立する彼の陰茎それを豊満な両乳房で挟みこむのであった。
 見下ろす股間そこに乗り上げたチトノ――そんな自分の性器それが彼女の豊満な乳房二つによって埋もれている。
 ツンと上を向いた形の良い乳房が、今はレェスの体の上に押しつけられることで楕円にその形を歪ませていた。そんな彼女の巨乳ぶりを改めて再認するその眺めは圧巻するばかりである。
「ふふ、すごいでしょー♪ じゃ、始めてあげるね」
 見下ろすレェスの凝視に気付いて、上目づかいにウィンクを返してくるチトノにレェスは大きく胸が高鳴る。純粋に今の彼女を可愛いと思った。

 再度のことであった故か、二度目の覚醒においてレェスが取り乱すことは無かった。
 むしろ目覚める自分に「大丈夫?」と声を掛けてくれるチトノを確認して、レェスはひどく恐縮したほどである。
――そっかー……エッチしちゃったんだよなぁ。こんな綺麗な人と。
 改めてチトノを観察してレェスはそんな思いに耽る。
 行為前には何とも妖艶に見えていた彼女ではあるが、今こうして気分落ち着けて対峙するチトノには、どこか少女のような華やかさもまた感じられた。種族柄、細めがちの瞼にもしかし、その奥底に宿る瞳には黒の光彩が大きく煌めいて、まるで無垢な子供のそれを覗き込んでいるかのようだ。
 それを感じてしまうが故に、
「オレは……最低だ」
 冷静さを取り戻したレェスは、ただ己に嫌悪してしまうのであった。
「ん? どうしたの、レェス君? エッチのこと? 初めての割には良かったと思うよ」
「違うよ。違うんだ……オレが言ってるのは、女の子にあんな酷いことをしちゃったってこと。それと――」
「……それと?」
「それと……お金で、女の子を買っちゃったってこと」
 それを告白してきつく瞳を閉じるレェス。

 ここに来る前より思い悩んでいたことではあったが、いざ事が済んで冷静になるとそのことは、射精後の罪悪感もあって尚更に重くレェスの心に圧し掛かるのであった。
 そしてそんな告白を聞いて、鼻を鳴らすようため息をつくチトノ。
「ねぇ、レェス君」
 不意にその名を呼び、レェスの顔を上げさせると――
「でこぴんッ!」
「ッ!? うわたぁッ!!」
 親指で引き絞った人差し指の一撃を、チトノはそんなレェスへとお見舞いするのであった。
「レェス君。『お金で買う』ってこと以上にね、今の君の考え方の方が女の子を傷つけてるんだよ?」
「あつつつ……え?」
 涙目で見上げるそこには、思いもよらぬ真剣な面持ちのチトノ。
「レェス君は『お金の力で女の子を言いなりにさせてる』、ってことを悩んでるんでしょ? ――そうね。確かにその一面もあるわ。だけどね……」
「だ、だけど?」
「だけど、買ってもらう以上は私達だってこの仕事にプライドを持ってるんだよ?」
 言いながらチトノは、ずいとレェスに顔を寄せる。

「もう少し……! もう少しですよ、レェス様! しっかりなさってください!」
「ま、待って……腰に力が入らない……!」
 クウの小さな肩に担がれてはそこにすがるレェス。ナインテイルを出て馬車に乗り込むまでのレェスは、さながら生まれたての仔馬であった。
 そうして最後もクウに尻を押されて何とか馬車に乗り込むと、
「はぁー…………またね、チトノさん」
レェスの初体験は幕を閉じたのである。
 馬の嘶きと共に娼館を跡にするレェスの馬車――そんな彼を今しがたまで愛し合っていた寝室の窓から見送ると、
「……また来てね、レェス君。約束だよ」
 未練に胸を焦がしながらチトノは熱くため息を漏らすのであった。
 結局はあの後、さらに7発を加えて計10発を抜かれたレェスはすっかり足腰を立たなくされてしまった。
 そうまでして愛し合ったからこそチトノだからこそその別れが惜しくて仕方がない。
 先にレェスへと述べた、『プライドを持つ』ということは同時に、この行為を『仕事』ではなくしているということでもある。すなわちレェスと肌を合わせるということはチトノにとって、恋人との逢瀬となんら変わりは無いのである。

 故にそんな想いを寄せた客(レェス)がここを去ってしまうことに、チトノは仕事としては割り切れない想いに後ろ髪を引かれていつまでもレェスの乗る馬車を見送るのであった。
 と、そんな感傷にふけるチトノの寝室へと――
「あー! 店長ー! また、やったでしょー!」
 突如としてそこのドアが開かれたかと思うと、けたたましいまでのその声が響き渡る。
 それに引かれて背後を振り返れば、そこには兎の少女が一人。
 綿毛のように細く透き通った純白の毛並みの彼女は、チトノに比べるとずっと若いように思えた。
 そんな少女が、本来は端整であろう表情を怒りにしかめてこちらへと向かってくるのである。
 その接近に、
「あ……あはは、ルゥエ。こんばんわー♪」
 チトノも苦笑い気に取り繕って彼女・ルウエを迎え入れる。
 しかしそんな会釈で以て迎えられても、依然としてルウエの憤然とした表情は変わらない。
 その理由こそは………
「店長! またルゥエのお客さん取ったでしょー!!」
 その理由に他ならなかった。

「ご、ごめんね。『童貞君』が来るって聞いたら居ても立ってもいられなくなっちゃってさ」
「もー、何回目ーッ!? ルゥエ、先週から発情期入るってるだよ! もー! せっかくのチンコだったのにーッ!!」
 謝るチトノに憤慨やまない様子で叫ぶと、ルゥエは今しがたまで二人が愛し合っていたベッドに飛び込み、そこに残る愛の残滓を嗅ぎ取っては転がるように身悶える。
「まーまー。明日にはお得意さん来るんだから、その時に今日の分まで一緒に可愛がってもらいなさいな」
「だからって今日は今日で収まらないんだってばぁ! ……責任、とってもらいますよ?」
 ベッド上から見上げてくるルゥエの視線にチトノは寒気を感じて背を震わせる。
「えっとぉ……ふぁ~、今日はもう疲れて眠いなぁ。じゃ、おやすみー」
 そうしてベッドの脇を通り過ぎようとするチトノの尻尾を、
「そうはいくか! 今夜は店長にお相手してもらいますからねー♡」
「いッ――、きゃあ!」
 ルウエは両手でワシ掴むと、漁網のよう引きよせてチトノをベッドへと引きずりこむ。
「もー、勘弁してよー。今夜は本当におなかいっぱいなんだってばぁ」
「こっちはペコペコなんだから! じゃあ……最初はそのおなかに溜まったミルクから♡」
「ちょっとぉ――、あんッ♡♡♡」
 かくして同業の客を横取りしてしまった償いを身を以てさせられるチトノ……。彼女の夜はまだまだ長くなりそうなのであった。





【 おしまい 】
.



『金と銅貨のワルツ(http://wktk.vip2ch.com/vipper2857.jpg)』は終了となります。
これより#2となります『白き穢れは白銀の中に(http://wktk.vip2ch.com/vipper2858.jpg)』をお届けします。

本作には、女の子に対して過剰な暴力を振るうシーンが登場しますゆえ、苦手な方などはご注意ください。

.

読んで思った事書く

・文頭や台詞の前後のスペースいるの?意図があるなら、なぜそうしているのか教えて欲しい
・地の文と台詞の文の間を1行あけると読みやすくなる
・ダッシュ(―)の数が一定しない。また、句読点でも代用できる箇所が多いのではないか
・ルビ必要?
 >>4 光(いろ)、>>6 寂しがり(ホームシック) >>11 外套(マント) など
>>13の孤独のグルメネタを無理して挟む必要はあったのか?世界観が台無し
 遊郭の高級さと普段の生活のみじめさを演出するなら

-----
 そう考えだすとどんどん思考は所帯じみて、いつもの妄想も現実味を帯びてくる。
 いつも窓からこっそり覗き込むことしか出来ない中央通のレストラン。
 ふかふかのパン、肉汁のしたたる熱々のステーキ、野菜とベーコンのスープに黄金色のエール、これだけ頼んだって銀貨1枚。
-----

 のような表記でもいいのではないか?

>>63など、文の途中の ……。 ――。
 このような三点リーダーやダッシュの後ろに句点をもってくるのは──私個人の考えではあるが──やめたほうがいい。

・URL自動リンクの後ろに半角カッコが入っていて、エラー出る

>>77
ご指摘ありがとうございます。

まずはスペースの使い方やルビ・三転ダッシュやリーダーの使い方についてですが、それらは私の文章的な癖となります。
指摘された個所については今後修正していけるように努力していきますが、すぐには治せないと思います。
心苦しくは思いますが、こちらに関しましては読み手様で慣れていただけるよう申し上げる他ありません。
読みづらいとは存じますが、どうかそう云うものだと思い見守っていただければ幸いです。

また少し話が脱線してしまいますが、今回の小説は書き上げることを念頭に執筆させていただいております。
ゆえに思い悩んで筆が止まらぬよう自由に、自分の描きたい事・物を念頭に書いていますので、今後も読み手様には
不快に思われるような描写やネタ的なシーンが随所に散見されることと思います。
作家性とまで大層なことは言えませんが、そういった表現や先の文章の手法に関しましては「私」という書き手の
癖や性格と受け取っていただき、どうか読み流していただければと存じます。

いずれの問題もすぐには治せように無い問題ゆえ、どうか今後の努力をご期待頂ければ幸いです。


なお、貼られているURLに関しましてはお手数ですが手元でアドレスをコピーして直接アドレスバーに貼ることで
リンクすることが可能です。
手間であれば飛ばしていただいても何ら読書には差し支えは無いと思います。


また今回のお返事で不遜な印象を持たれたようでしたら、先にお詫び申し上げます。



#2・『白き穢れは白銀の中に』をお届けします。

登場ケモノは姫がウサギの少女。
内容に女性を殴る暴力や、リョナ・拷問といったグロテスクな描写を含みます。
苦手な方はご注意ください。

.

【 1 】

 掌を天に向け、手首から下を望む。
 そうして右腕を掲げ腋の下までを確認するとそれを反転させ、今度はそこからひじを折り腕の外を確認しながら手首を下ろす。
 一望する己の腕には新雪のごとき柔らかな白銀の毛並みが短く生え揃っている。それが光を反射(かえ)して波打つ眺めはさながら、夜明けの雪原を走る一陣の風の光景を連想させた。
 斯様な美しきその毛並み――しかしながら染み一つないそれを確認して、
「あーあ……元に、戻っちゃったぁ」
 白兎の少女であるルゥエは深く大きくため息をついた。
 これより二ヶ月と少し前、彼女が確認したそこには刃物による大きな傷跡があった。
 深く切り裂かれた皮膚と脂肪の断面その下からは筋肉の赤き鮮望が覗けるほどで、このルゥエの幼き容貌と相成ってはひどく痛々しいものであった。
 しかしながらそれは、ルゥエにとってこの上ない『幸せの形』であったのだ。
 当年をとって17歳となる彼女ではあるが、痩せた胸と更には隆起なく腹部と一体化したヒップラインの容姿(スタイル)は、一桁台の年齢の子供と変わらぬ未成熟な肉体を思わせた。
 斯様なまでに生育の遅れている原因の一つは、ルゥエが幼少期に受けた虐待に起因している。

 自身の出生についてなどはルゥエ本人ですら知らない。
 しかしながら思い出せる最も古い記憶の中で彼女は――自分の掌以上の大きさを持つペニスを握らされていた。
 思うにそれは自分の父親であったのだろう。
 その記憶が証明する通り、ルゥエは幼き頃より性的虐待を受けて育てられた。
 そしてその虐待は性的な玩弄に留まらず、拳や道具を使った肉体的な虐待にまで及んでいたのだ。
 幾度となく殴られては蹴られ、幼く弱い子供ゆえに死に掛けたことだって一度や二度ではない。しかも彼女の都合を考えぬそれはほぼ毎日のようルゥエに対して施されたのであった。
 幼さゆえに守るも戦うも叶わない肉体である。やがてそんな体は、彼女に出来うる唯一の防御反応を示していくようになった。
 それこそは、その苦痛の生活を快楽に変換してしまうというもの――逃げることの叶わない彼女の肉体は、むしろその環境を肯定的にとらえることで心と肉体の平穏を得ようと作用したのであった。
 すなわちそれは『発狂した』ということになるのであろう。

 しかしながら皮肉にもそれが、今日に至るまでのルゥエの正気を保たせてきた。その狂気ゆえにルゥエは社会性を維持し、そしてこれ以上に無い幸せの中で生きられるようになったのだ。
 以来その虐待から解放され、長じてからもなお彼女はそんな精神的障害を引きずることとなった。
 とはいえ、社会生活の中でのコミュニケーションは問題なく取れている。
 此処『ナイン・テイル(九尾娘)』へと移り、仲間の嬢達と生活を共にする日々にルゥエは人並みの幸せや充実感も十分に感じていた。
 しかしながらもっと根源的なこと――真に自分という存在を実感できる瞬間こそは、何者かの手によって虐待を受けているその瞬間なのだ。
 痛みに叫ぶ時、ルゥエは自分というものを実感していた。痛みに苦しむ時、ルゥエはこの上ない多幸感に満たされた。
 もはや、そのような生き物になってしまった自分を憐れみつつもしかし、それでもルゥエは幸福であったのだ。
 また種族ゆえか、はたまたこれもまた肉体の神秘による奇跡なのか、ルゥエは人一倍傷の回復も早かった。
 先に確認していた刃物による切り傷も一ヶ月あれば綺麗にふさがってしまうし、歯だって何度折られようともそのつど新しく生えてきては、ルゥエの端正な容貌(おもて)を歪ませることは無かった。

 それゆえか次第に、ルゥエの求めるそれは常軌を逸していった。
 最初は面白半分に彼女を痛めつけては楽しむ客も数名いたが、回を重ねるごとにエスカレートしていくルゥエからの要望にやがては恐怖し、はたまたある者はそこに己の異常性の深淵を見つめてしまっては気が狂(ふ)れてしまったりと――彼女が在籍して数年が経つ頃には、そんなルゥエの相手をしようとする客など居なくなっていた。
 しかしながらそれでもルゥエは幸せであった。
 ただ一人、例外の客が残ったからだ。
 その客はルゥエの求める虐待を与えてくれる人物だった。
 自分の求めるがままに痛みと与え、苦しみを施してくれるその客にやがてルゥエは強い愛すらをも感じるようになる。
 そして今日、その客が再びルゥエを指名した。
 それを受け、彼女は朝から己の手入れに余念がないのである。
 短毛の毛並みに何度もブラッシングを掛けては純白のそれをさらに白くそして艶やかに輝かせる。この毛並みが逆立ち荒れくれては血に染まる様を確認することが、ルゥエは何よりも好きだった。
 二か月前に彼が来た時には、頭からつま先の方向に沿い、体のあちこちをナイフによって切り刻まれた。

 肩から手首へ、腿からつま先へ、そして胸元からヘソへと腹も背も無く幾筋もナイフを走らされては、その純白の毛並みを鮮血とのストライプに変えられた。しかしながらその最中、己が斯様にして変えられていく様にルゥエは、これ以上に無い痛みと快感、そして何よりも美しさとを覚え興奮したものであった。
 大量の失血に伴って昏倒し、次に目覚めたのはそれから一週間後のことである。
 傷から来る燃えるような痛みの中にあっても、それを感じ続けられるルゥエの治療生活それは幸せなものであった。
 その強い痛みこそは、誰でもない彼からの強い愛と同義――それを一身に感じることのできる治療中の状態こそ、彼女が人生の中でもっとも幸福を抱きしめることのできる瞬間なのだから。
 それでもしかし柔弱な見た目に反したルゥエの強靭な生命力は、そんな傷など二ヶ月をかからずに回復させてしまう。
 一ヶ月後には自立で生活できるようになって、彼女は蜜月の終わりに深く絶望するのであった。
 しかし今日、また再びあの客が訪れようとしている。
 今より一週間前、彼からの予約が入ったことを知らされた時には不覚にも失禁したほどである。

 彼はもはやルゥエに残された世界でただ一人の男であった。今となっては、その存在なくしては今日の正気すら保てなくなるほどに、彼はルゥエの心の中の大部分を占めている。
 こんな自分に容赦なく痛みを与えてくれる存在、こんな自分と真剣に向き合ってくれる存在――それこそはこんな自分を世界で唯一、愛し理解してくれる存在であるのだ。
 だからルゥエは嬉しくなる。
「今日は、どんなことしてくれるのかな~? 痛いかな? 苦しいかな? それとも熱いかなぁ? んふふふふッ♪」
 彼と過ごすその瞬間を夢想することが、今の彼女の全てであった。
 両肘を抱き、自分自身を抱きしめるよう体を縮めるとルゥエは自室のベッドに転がっては今夜の妄想を独りして身悶える。
「オナニーも、体キズつけちゃうのも我慢するぞー♡ た~っぷりご主人様に可愛がってもらっちゃうんだから♡」
 独りごちて瞳を細めるルゥエの表情は、何処までも無垢で純真な少女のものであった。


.

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom