二宮飛鳥「アブソリュート」 (39)

18歳未満は見れねぇ……それがこのSSのrule……
官能なTextを大量にぶち込んである……
子供にはドラマは追えない……つまり、そういう事さ……

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鈍色のビルの屋上。吐息が白んでいる。マフラーを口まで覆い、外へ漏れようとする温度を無理やりに逃すまいとする。
五臓六腑まで打ち震えるような寒さの中、ボクは世界におけるちっぽけな点としてそこに存在していた。
靄がかり手の届きそうな所まで沈んだ冬の蒼穹は、世界を焦がさんとするかのような赫い黄昏に塗れ、淡い朱に様相を変えていた。
人のエゴを映す灰の森もその例にもれずに朱へ染まり、いくらか血が通ったかのように見える。


「……まだかな」


時刻を確認する。午後五時を過ぎたところだった。
彼是三十分もボクはここにいるのか。

腰を降ろしているコンクリートはまだ陽を吸いこみ切れずに凍りついたままなのか、いつもよりも硬く感じる。
そして陽の温度だけでは満足できないとでも言いたげに、貪欲にボクの体温も奪っていく。
少しだけ、さすがにそろそろ場所を変えようかとボクは逡巡した。
しかしボクはここに居たかった。居なければいけなかった。

ボクは待っていた。そこで、ボクの心を揺さぶる人を。
いや、掻き乱す人を。心を容赦無くバラバラにしてしまう人を。
待ち焦がれるというこの凍えを、利己的に乱暴に、燃えるような熱さで温めてくれる人を。

まだ、来ない。
今にも沈もうとしている斜陽をあても無く見つめていると、屋上の扉が開く音がした。
ボクは視線をすぐさまそちらに向けた。



「すまない。遅くなった」


待ち人は苦笑いを浮かべながらボクに近づいてくる。
ボクは何とか相好を崩さずに、冷静に、遅くなった彼に声をかける。


「随分遅かったじゃないか。人を待たせる大人というのは、いささか頂けないよ」


立ち上がり、彼のもとへと歩みを進める。足が自然と早くなった。


「悪かったな。というより、部屋で待っていれば良かったのに」


首を掻きながら尤もらしい事を彼は言う。
ボクは彼の前の前に立ち、その言葉に首を横に振る。


「良いんだ。ここに居たかったのさ、ここに……」

「……寒いからか?」


呆れたように溜息をついて彼が言う。


「そう、寒いからね」


ボクたちは受け答えになっていそうで、端から見れば全く会話になっていない言葉を交わす。
そんなやり取りに、思わず口の端にむず痒い嬉しさが浮かぶ。

彼は理解っている。ボクがどうしたかったのかを。
凍えを知らなければ、温もりを求める事も出来ないと。
彼は理解っている。ボクにそれを教えてくれた張本人でもあるのだから、当然かも知れないけれど。


「じゃあ行こうか。日が沈む。早くしないともっと寒くなるからな」


彼は屋上から去ろうと促す。
けれど、ボクは動かなかった。


「どうした。早く行こう」


まだ行けない。確認する事があるんだ。
こんな場所で待っていたんだ。絶対に、確かめなきゃいけない。


「……今日は」


彼は穏やかな目をしながら、不思議そうに小首を傾げている。
わかっている癖に。昼間にだってそれとなく言ってあるんだから。


「大丈夫だって、言っただろう? だから……」


そこまで言ってボクは彼を直視する事が出来なくなった。
今までされた事、した事がフラッシュバックする。髄の奥が、仄かな熱を発して始めた。

意地の悪い、優しい笑顔を浮かべながら彼は中腰になってボクと目の高さを合わせる。
何も喋らずにじっと見つめてくる。ボクは目を合わせられず、乾いた地面に視線を向ける。
ボクの奥底を見透かすような落ち着かない視線。
こうやって待たされるのはじれったくて、苦しい。彼はこうして困っているボクの反応を見るのが好きなんだ。
とんだサディストだ。


「わかってる」


柔らかい声色でようやく彼が喋ってくれた。
たったその一言で、焦らされて苦しくなった心がふっと歓喜の色に沸き立つ。


「行こう」


彼は手を差し出した。
手を繋いで行くなんて、はしゃいだ恋人みたいな事をするのはボクの柄じゃない。断じてない。
本当にそんな浮かれた事、ボクがしたいと思ってるんだろうか。

そんな風に思いながらもボクはあっさりと彼の手をとっていた。
思うだけ思っても、実際は単なる思考内だけの抵抗に過ぎなかった。本当は、彼に触れたかった。
ただ素直に手をとると、普通の、ただの浮かれた女だと思われてしまいそうだから、誤魔化すように思考しただけ。
抑えきれない喜びが胸の堰を破りどくどくと脈打って、体に満ちていく。
手を握りしめられただけで、凍えて色褪せたボクの脈は一瞬にして色を取り戻してしまった。


「飛鳥、手冷たいな」


彼はボクの手を引きながら気持ちの良い笑いを浮かべている。
その笑顔が少し眩しく感じて、ボクはマフラーに顎を埋めて表情を隠した。

そりゃそうさ。冷たいに決まってる。
キミの為に冷たくしたんだ。
そうは言わずに、彼の手に導かれてボクも歩みを進めていく。

それでもまだ寒いんだ。だから、もっと温もりが欲しい。
肌が爛れる程の熱が、欲しいんだ。



――



「んんっ……」


口内へ滑り込まされた舌がボクの粘膜を舐め上げる。
丹念に、丁寧に、唾液を刷り込むかのように、ボクの舌よりも厚く力強い彼の舌が蠢く。
冷たいボクの手と、温もりを感じる彼の手を繋ぐ――いや、繋ぐというよりも押さえ込まれていると言った方が正しい。
磔にされた何処かの預言者のように、ボクは彼にねじ伏せられていた。

仄暗い室内。ベッドの上。波打つシーツ。彼の押さえる力。体重。匂い。体温。
そういったものに、爛れたボクは浸っていた。
一週間ぶりの情事。体も燻っていた。


「……飛鳥」


粘膜が離れていく。舌が、離れていく彼を追いかけるように伸びてしまう。
それを見たのか、息を整えようとしていた彼が息継ぎも中途半端にもう一度唇を重ねてきた。

体裁なんて繕わずに獣のように貪り合う。
舌の裏、前の歯茎、ボクの弱い所を斜交いに合わせ、彼は執拗に責め立てる。
ボクもそれに負けまいと蠢く舌に纏わりつかせるように舌を這わせる。

キス、口付け、接吻、ヴェーゼ――この行為の名前達。どれもこれも美しい響き。
砂糖菓子のように甘く、そして互いの高温に晒されているせいで脆くも溶けて行きそうな、この行為にピッタリの名前。
ずっと味わっていたい。彼を手繰り寄せ隙間を無くす為に、手に籠る力が自然に強くなる。

何分ぐらいこうしていただろう。わからない。一分? いや、多分それは最低ラインだろう。
それよりも恐らく、長くしていたに違いなかった。
冷え切ったボクの体が熱情に汗ばんでしまう程の間。
それだけの時間が流れて、ようやくボクたちは唇を離して上がりきった呼吸を整え始めた。



「飛鳥……」


もう一度、彼がボクの名前を呼ぶ。何だか耳がこそばゆい。
まだ息があがっていたボクは声を出せず、返事をする代わりに彼の手を握りしめた。
それに気付いて、彼は微笑みを返してくれた。


「もう少し、こうしてようか」


彼がボクの状態を見て、苦笑いをしながらそう言ってくれる。


「うん……そうだね。そうしてくれると、ありがたいよ」


落ち着く為の時間。余韻を楽しむ為の時間。
激しい時もあるけれど、時にこうして緩やかに。
相反する二つ。その二つの波を彼から与えられる。
ボクは水面に漂う小さな船のようにその波に晒され、享受する。
今は凪。静寂を、口の中にある彼の残滓を味わう。
飲みこんだり、目を閉じて含んだままにしてみたり。味わえるうちに味わわないと。
今に激しい波が来る。ボクは自分を保てるのか全くわからないのだから。


ボクの息が整ったのを見て、彼が顔を近づけてきた。
口元にまた彼の唇が触れそうな所まで来る。もう一度するのか。別に、構わないよ。

しかし、彼の唇はボクのに触れずにそのまま下へ――喉元へ行ってしまった。
そして彼は頸動脈の上を、横の首筋を舐め上げたり、時折口付けをしながら愛撫していく。
全く、キミは期待させておいてそっちに行くのか。悪くはないけれど、本当に意地が悪いんだ。

彼はボクの服を捲り上げて、尚も責めを下へ下へと及ばせて行く。
脇の下をくすぐるみたいに触ったり、臍に舌を尖らせて入れてきたり、腹筋の上を指の腹でなぞったり。
性器には触れずに彼はボクの体を弄ぶ。
性器には触れられていないのに、ボクは息を震わせて彼の愛撫に反応していた。

何とも情けない。彼が触ればボクは感じずにはいられない。
陽が昇れば沈むような必然の流れ。
仕方が無い。彼にはボクの弱い所を全て知られているんだ。
ボクはマリオネットのように、彼の指遣いを受け入れるしかない。
そして体を跳ねらせるしか無いんだ。


「くっ……はっ……」


愛撫によって体幹が明確な熱を発し始めたのを見計らったのか、彼が鎖骨を甘噛みして来た。
本当に少しの力で、絶妙に噛まれる。薄皮の向こうにある骨をしゃぶられているような感じだ。
体に否応なく微弱な電流が走る。むず痒く体の芯にまで響くその痺れに、思わず息の中に声が混じる。

何度か甘噛みされ、骨を噛まれるという事への不安を覚え始めた所で彼が顔を離して手を握って来た。
そしてまた口付けをされる。そこまで深いものではない。舌が幾度か絡まり合うだけの短いもの。
それでも、ボクの中にあった不安を霧散させるには十分過ぎる程の行為だった。



「ちょっと目が蕩けてきてるよ」


悪戯な優しい笑みを浮かべ、ボクの髪を撫でながら彼が言う。
確かに意識が少し朦朧としてきている。誰のせいだと思っているのやら。


「キミのせい、だろう?」


少し反論をしてみる。
言ってみたが、彼は「そうだね」と軽く流してしまう。
微塵も悪いとは思っていないようだった。
未だに髪を撫でながら優しい眼差しでボクを見つめている。
けれどその事に嫌悪感なんて微塵も感じない。
あぁ、本当に。ボクはただの女になってしまったみたいだ。

一しきり頭を撫でた後、彼の手がボクの胸に伸びる。
そして掌で包むようにしてから、円を描くようにじんわりと揉んでくる。
ゆっくり、ゆっくりと、先程と同じような軽いキスをしながら。

ボクの胸はさして大きいものではない。
事務所にはm越えをしているような子だっているというのに、彼はボクくらいのが一番好みだとのたまう。
その証拠とでも言わんばかりに、彼は念入りにボクの胸を慈しむみたいに愛撫をする。

それが、とても落ち着く。
じりじりと体を駆け巡る電流は流れない。ぼうっと、浮つくような気持ち良さ。
そして言いようの無い、何か、喜びを感じる。
もっとして欲しいとさえ思う。もっと触れて欲しい。その温かく大きな手で。


「飛鳥、服どうする」


胸を触り続けながら彼が問う。


「寒いから、着たまました方が良いって事かい?」


彼の言いたい事はすぐにわかる。
この部屋はちゃんと暖房がついてるのに、彼は律義に聞くんだ。


「あぁ。でも、皺になるしな」

「好きにすると良いよ」


キミがそうしたいならどちらだって構わない。


「……脱がせるから、腕、上げてくれ」

「ふふっ、わかったよ」


服に皺やその他色々なものを作ってはいけないという事が勝ったのか、ボクの体を見たいという欲が勝ったのか。
どちらだろうね。こんな体が好きだと言う奇特な人間だ。もしかしたら後者かも知れない。
どうせ、両方なんだろう。それも悪くない。

ボクは彼の指示通りに動き、服を脱ぎ去る。
体を隠す事。知恵の具現と言っても良い。林檎を食べて恥を知ったイヴとアダム。彼らも局所を隠すという知恵を得た。
その行為に敢えて反する事。本能の行動。動物のように、恥も外聞も無い行動を今からするという事に他ならない。
彼と、ボクで。繰り返され過ぎたありきたりなアダムとイヴになる。その為に、ボクは生まれたままの姿になる。



「全部、脱いだよ」

「あぁ」


彼はじっと、ボクの体を見つめる。熱を持った視線がボクの肌を焼く。
体の奥底にまでその熱は伝わってくる。


「何度も見てるだろう? そんなに良いのかい、ボクの体は」

「あぁ、良いさ。何度見たって飛鳥の体は綺麗だ。どんなものより」


歯が浮くような褒め方。言っている方が恥ずかしいんじゃないかと勘ぐってしまう程。


「本当に変わってるよ。こんな小さな体に……あぁ、そういう趣味だったね」


歯の浮く言葉への当てつけみたいに彼の痛い所をついてみる。
彼はバツが悪そうに視線を逸らして頭を掻く。子供じゃあるまいし、わかりやすい誤魔化し方だ。


「……ほら。ボクが服を脱いだんだ。だから……」


先に進む為に、彼にも服を脱ぐように促す。
彼は頷き、ボクと同様一糸纏わぬ姿になる。

女のボクよりも遥かに体格の良い体。
彼の体をこうして見るのは気に入っている。
これからその肌と触れ合うんだ。ぶっきらぼうで温かい彼と。
温もり、匂い、硬い感触。触れる前に彼の全てを想起し、期待する。


「ふふっ、良いね。じゃあ先に、温めてくれるかな」


両手を彼の方へ差し出し、招く。


「あぁ」


誘いに乗って彼がボクの体を抱きしめる。
そして思う。期待通りの温かさだと。


「どうした?」


期待通り過ぎて思わず笑ってしまい、彼が不思議そうな声を出す。


「いいや、何でもないよ。あ、お腹に当てているものに呆れた訳じゃないから、そこは安心しても良いさ」


彼は密着させようとして、自分の性器をボクのお腹に押し当てていた。
彼は「あっ」と声を上げて腰を引く。


「どうして離れるんだい。別に、嫌じゃないさ」


嫌じゃない。むしろ、離れる方が――。


「そ、そうか」


彼がまた体を密着させてくる。当然、ボクの下腹部に熱い物が当たる。
うん、生理現象だからこうなるのは仕方が無い事だ。
笑う事でも蔑む事でも無い。
ボクの体を見てこうなったんだ。何も、咎めるような事は無い。
うん、そうさ。ボクで、こうなったんだ。


しばらく黙って抱き合っていると、彼は何も言わずに頭を撫で始めた。
彼はこういうボディランゲージみたいな事が好きみたいだ。
ボクたちはこういう事をする際に、あまり好きだなんて言葉は言わない。
ボクは言わないようにしているし、彼も感極まっている時にしか発しない。
だから代用するみたいに、彼はこうやって仕草でボクを慈しむ。
悪くない。ボクは彼の無言の言葉に身を委ねる。

五分程経って、ボクたちは互いを解放した。
ボクから手を離した。
お腹に当たる熱に、飢えを覚え始めていた。


「飛鳥、また横になって」


彼の言う通りにボクはまた横になる。
それから彼がボクの女性器へと顔を近づける。
息がかかる程の距離まで顔が接近する。
何度も見られているとは言え、やはり慣れない。
生娘だな。自分の事ながらそう思ってしまう。

彼の指が陰唇に触れ、そして両側に開く。
粘膜が、女の秘部が彼の視線に晒される。
先程よりも強い羞恥の熱がボクを襲う。
この羞恥も嫌いじゃない。興奮のスパイスになるって事は何度も痛感している。

彼の舌が中へ埋まった。吸われたり、掻きまわされたりする。
そして下品な水音がボクの鼓膜を擽る。足に妙な力みが入ってしまう。

下腹部を上に軽く押され、女の陰核を露わにされる。
そこをまた舌で横に弾くみたいに舐められる。
体に走る、今まで与えられていた燻るような感覚とは一線を画す明確な快感。
体が緩い弧を作り、彼の口戯を求めるように腰が浮いてしまう。
息も快楽に搾られるようにか細く、湿りを含んだものに変わっていく。

悶える体を押さえつける為に彼の頭を両手で掴む。
その時彼と目が合った。本当に嬉しそうに目を細めて彼はボクの顔を見る。
ボクが感じているのがそんなに嬉しいんだろうか。
気持ちはわからなくは無いけど、そんなに幸せそうな目をしなくたって良いじゃないか。
ボクだってそんな目はしないさ。

一しきり舐めた後、彼は満足そうに息をついてから指を挿入して来た。



「もう指ならすんなり入るようになったね」


何の抵抗なく、ボクの女性器は彼の指を受け入れた。
ぽっかりと空いてしまった穴を彼の指が押し進んでいる。
彼の指が曲がり、上側にあるもう一つの弱点を的確に刺激してくる。
また体が微弱に跳ねる。


「ここもちゃんと気持ち良くなれるようになったね」


ボクを自分の好みにする事が出来て嬉しいのか、彼はまた満足そうに微笑む。
彼も男なんだ。女を自分の色に染め上げるのが好きなんだろう。
そうして、ボクがその対象にされた。本来ならまだ自意識の形成だってままならないような年端もいかないボクが。

どうなんだろう。もっと他にも居たんじゃないか。そう思う。
ボクみたいに擦れた子供より純粋で何も疑わないような子。染め上げ易い子なんて他にいくらでも。
それに、女の体というにはボクの体はまだ足りない。
若くてボクより体つきの良い子なんて、それこそ――。

そんな事を考えていると、ふとボクの頬に何かが触れた。
彼の手だった。


「な、何だい?」


唐突な出来事に思わず尋ねてしまう。


「え? あ、いや……何か、不安そうな目してたから」


ボクは呆気にとられる。そんなボクを、彼は心配そうな目をして優しく撫で続ける。



「……全く」


わかってる。
若い女を自分のものにしたいだけの、女の肢体が欲しいだけの、そんな人間じゃない事はわかってる。
そんなの彼の本質じゃない。
でも時々こういう事を思う。勘ぐる。

そう思っても、途端に彼はこうやってボクの事を見透かすみたいな事をする。
悔しいじゃないか、そんなの。
思ってた事が馬鹿らしくなるじゃないか。


「不安なんて無いさ。いや、感じる暇も無い、と言った方が良いかな」


お返しに、彼の頬にボクも手を伸ばす。
少し髭のざらついた感触がする。案外、これも心地良い。


「そ、そうか?」


わかっていない、という表情で彼は返事をする。
わかっていないと思ってるだけさ。本当はわかってるんだ、キミも。
まだまだそういう所は鈍いみたいだね。

そんな会話をして少し落ち着いてから彼の指戯が本格的になっていった。
ゆっくりと押し上げてきたり、強弱をつけてかき混ぜられたり。
ボクは思考する事を忘れて襲いかかって来る快楽に身震いをさせる。
体が思うように動かない。足が勝手に悶えて、手がシーツを握りしめて離さない。
そんな体のせいで、彼の責めが終わる頃にはシーツが丸めた紙屑のようにぐしゃぐしゃになってしまっていた。


「指、こんなになっちゃったよ」


薄暗い中で彼が誇らしげにボクの露に塗れた中指を見せつけて来る。
そしてボクの口元に近づけてくる。ボクは何も言わずにその指を咥える。
愛液に塗れていない人差し指まで咥えて、ボクは彼の指を綺麗にする。
ごつごつとした間接。そこに舌の先を這わせて円を描くみたいに舐める。
中腹にある固めの肉のついた部分。唾液で沢山濡らして舌の表面で味わう。

彼の匂い。ボクの匂い。それらが綯交ぜになってボクの舌を虜にする。
間接、特にこの部分が良い。がさつで大きい男の指。それを一番感じられる。
それに彼もここが弱いみたいだ。ボクがそこを重点的に舐めると彼の呼吸が落ちつかないものになっていくのがわかる。
こういう落ち着かない表情の彼も悪くない。


「もう良いぞ」


もう少し味わおうと思っていたのだけれど、彼はボクから指を取りあげてしまった。
引き抜かれた後もまだ口の中に彼の味が残っていた。
その味を胸にしまい込むように、大事に飲みこんだ。

彼はボクに覆いかぶさって、隆起したものをボクの秘所へと宛がった。


「キミのも、しなくて良いのかい?」


まだボクは彼に何もしていない。
ボクばかりが享受して彼に何も与えられていない。


「いや、いい」

「……本当にしなくて良いのかい?」

「あぁ。というか、一週間ぶりで……早く飛鳥の中に入れたくて、それどころじゃないんだ」


そう言って切なげに彼は下唇を噛み締める。
確かに、彼のものは前戯なんて必要無いくらいのものに見えた。


「……じゃあ、しょうがないね」


そうだ、しょうがない。彼がボクを欲しいと言っている。
ならあげよう。こんな苦しそうな彼を放っておける訳はない。

喜びは二倍、辛さは半分。二人でいればそうなれる。
何もわかっていない人がそんな風に騒ぐ。そんな歯がゆい、ちゃちなレベルじゃないんだ、ボクたちは。
彼が辛いと思うのなら、それはボクにそのまま返ってくる。いや何倍にもなって返って来る事さえある。喜びもまた同じだ。
自分を映す鏡のように彼は其処にいる。
ボクが傷つけば鏡の中も傷つく。鏡の中のボクが傷ついているように見えれば、それはボクも傷ついているという事。
同一に見てしまう。違う個体なのに。だから、ボクたちは繋がらなきゃならない。一つにならなきゃいけない。
苦しみも喜びも、元あるべき場所に埋める為に。

右手を、飢えて苦しむ彼の頬に伸ばして、ボクが彼を誘う。


「良いよ……繋がろう」


ボクの言葉に彼が応える。
腰を押し進めて、ボクと彼の溝を、ボクに足りないものを彼が埋めていく。
充足感。胸を締め付けていた飢餓感が和らいでいく。
でもこれも一瞬のもの。どうせすぐ足りなく感じる。



「飛鳥っ……」


彼が腰を動かし始める。
強弱をつけて、めいっぱいにボクの弱点を擦り上げて来る。
意図しない声が漏れ、眉間に力が入る。

まだゆっくりと、彼の雄がボクの中を出入りしている。
抜かれる時の飢えた快楽。挿し入れられる時の満たされる感覚。
静かな動きで、彼はその二つを徹底的にボクに教え込ませようとする。
快楽を煽ってもっと感じるようにさせて、ボクを滅茶苦茶にする為に。

次第に打ちつけられる速度が早く、力強いものへと変わっていく。
いつの間にか膝の上に体を乗せられて、腰を掴まれて乱暴に、もはや犯されているような状態になってしまう。
我を忘れてボクを求める彼を見て、自分は生殖行為をされているのだと実感させられる。
その実感が胸に爛れた興奮を呼び起こす。

外側から彼の雄がボクを乱し、内側からボクのどうしようもない女の本能が歓喜を上げる。
ボクは身を預けていた枕を掴んで耐える。快楽の波に投げ飛ばされてしまわないように。


「飛鳥……そろそろ、出そうだ」


ボクの確立された意識の限界が近づいてきた頃に彼もそう訴えて来た。


「良いよ……ボクも、もうそろそろ、だから……」


ボクは妊娠の危険なんて忘れて――むしろその時はそれすら興奮の材料として――彼を求めた。
彼のものなら全て受け止めたって構わない。そういう理性。
番いの男の子種を受け止めたい。そういう本能。
その二つに身を委ねる。そして思う。まだ足りない。
足りない。足りないんだ。気持ちいいのに、彼が中にいるのに。どうして足りないんだ。
かつえたる至福。二律背反のそんな感情がボクに巻き起こる。

順調に理性が壊れて来ている。もうどうにかなりそうだ。
悪態さえ付きたくなる。こんな邪魔な体、どうしてあるんだとすら思うようになる。
視界すら意味を持たなくなってきた。
部屋の景色も、彼の汗ばんだ体も目に見えているのに見えていない。


そこまで来るともう限界だった。
ボクは彼よりも先に気をやってしまった。
思考が白み、体が強張って反射的にのけ反る。そのせいで角度がついて、激しく突き入れらる彼のものが弱い所に響いて絶頂の波が長く続いてしまう。
それにボクはまた身を震わせる。

ボクが気をやってから数秒経って、彼も体を震わせた。
腰を深く押しつけたまま息を忙しなく吐いて、身を斬られたように苦しげな表情をしている。
あまり物理的に出されたという感覚は無いけれど、この表情を見ればすぐにわかる。
理解って実感する。彼も絶頂してくれたのだと。その実感だけが嬉々としてボクの胸を駆け巡る。


「ふふっ、また容赦なく中に出したみたいだね」


少し落ち着いた所で冗談で彼を責める。


「飛鳥の中に出したかったから……」


息も切れ切れに、本当に重要そうな事を言うかのように。
彼はボクの目を真っ直ぐに見て言った。
ボクはそれ以上何も言わなかった。
喋ったり何かするよりも、その言葉を反芻していたかったから。

一応薬はあるけれど、本当に容赦が無い。
まぁ、別に良いけれど。ボクも今更ゴムをつけるのには戻れそうに無いからね。


「飛鳥、体動かすぞ」


息が落ちついた所で彼が繋がったままボクの体を抱きかかてベッドから離れ、壁にボクの背中を押し付けた。
片足を抱えられて、もう片方の足が不安定に地面に着く。彼のおかげで何とかその体勢を維持出来ているような状態だった。


「もう、するのかい?」

「あぁ」

「一回出したのに大丈夫なのかい?」

「一週間ぶりだろ。そんなすぐに萎えたりしないよ」


確かに彼の肉槍は硬いままボクの中にあり続けていた。
それも少し嬉しく感じる。
まだ求められている。強くそう思える。


「……じゃあ、もっと……キミを求めても良いんだね」

「あぁ」


先程の猛々しい性交とは裏腹の、柔らかい返事。
うん。そうやって言ってくれると思っていたよ。
ボクは彼に口付けをする。彼もそれに応えてくれる。
ボクはペルソナを掲げる事すら忘れてきている。
まぁ、今はそんな事どうでもいい事か。


……


ボクの中が蹂躙されている。
体の自由を奪われたまま根元まで深く挿されて、掻き混ぜるみたいに雄が動いている。
ボクが彼のものにされていく。そう思う。でももっと速く、もっと乱暴にして欲しい。そうも思う。待ち焦がれる。
訪れる最高の快楽を受け入れる為に、ボクの心がじりじりとしたその快楽に耐える。
もう少しだ、もう少しで。

根元まで刺さっていた肉棒が引き抜かれた。来る。
限界まで引く抜かれて後一歩で抜けるという所で、下から上へ強く奥まで貫かれる。


「くう……」


嬌声が溢れる。ポルチオと呼ばれる場所が彼の雄に叩かれて快感のハミングを体中に響かせる。
そして、今度は乱暴に引き抜かれる。膣内が荒らされながら持って行かれてしまうような感覚が下半身に走る。
それを何度も何度も彼は続ける。まるでボクの肉体の味を確かめるみたいに。

どんどん速くなっていく。十分に味わった膣内を、今度は自分の匂いを刷り込ませるみたいに彼が雄々しく腰を唸らせる。
奥も弱い部分も彼の雄に手玉に取られて、ボクは突かれて引き抜かれる度にわななくしかない。
爪先立ちになった不安定な足に力が入って、その感覚にも妙な興奮を覚えてしまう。

そんな事に気を取られて、また気をやってしまった。
脚を取られ、股ぐらを強引に開かされて、何度も何度も貫かれてボクは絶頂を迎えてしまった。
何だろう。もう虐げられていると思えるような事があれば、それだけで興奮を募らせてしまえるみたいだ。
自分の事ながら浅ましい。彼の色にここまで浸っていたなんて。
そんな風に心の中で自嘲的に笑って、また心臓が小さく跳ねた。

またベッドに体を戻された。しかし、今度は犬みたいに四つん這いにさせられている。
上半身は突っ伏して、あられもなく尻だけを彼の方に突き出している。
顔が羞恥に火照る。そう、これは本来屈辱的な体勢だ。



「綺麗な尻だな」


心なしか威圧的な言葉を発しながら、彼がボクの臀部に手を添えた。
そして大事にしてある自分のコレクションを満足げに手にとって弄るみたいに、彼はボクの尻をいやらしく撫で回す。
その手つきに、ボクの体は今まさに媚薬の類でも塗りたくられているかのようにか細く震えてしまう。

ゾクゾクする。この屈辱的な体勢。
悔しいと思う。恥ずかしいと思う。でもその爛れた感情が溶けた鉄のように体をどろどろと流れるのが堪らない。
どうしてそう思うのか。本来対称にあるような感情が同時に存在するのか。
ボクは知っている。負の情という原点から悦というものが生まれる事を。
そのせいだ。そのせいで、ボクはこんなにも劣情を催してしまっているんだ。


「あっ、はっ……」


突如尻を鷲掴みにされ、そのまま肉棒がボクの中へと侵入して来た。
満たされていく感覚に下半身に力みが入る。

そして抽送が始まる。今度は最初から荒々しい腰遣いだった。
ボクの薄い尻と太腿に彼の肉体が当たって、時折空気の弾けるような音がする。
その浅ましい音にも興奮を覚えてしまう。
もうボクは快楽の虜囚になってしまったようだ。腰を取られたまま強く突き入れられる度に快楽が面白いように募っていく。

砕けたボクの理性が殆ど溶かされてしまった所でパン、と部屋に乾いた音が響いた。ボクの尻を彼が平手で打ったのだ。
微弱な痛みと女芯に響く衝撃が体を駆ける。



「あっ、うっ、んんっ」


叩かれる度に、肉棒をつき入れられる度に、体から空気が押し出されるかのように声が出る。
はしたない、甲高い女の声。それを押し殺す事も出来ず、確かな悦の響きを含んで声は部屋にこだまする。
何度も何度も叩かれる。その度に芯が、女の性がボクを浅ましく乱す。
胸が苦しかった。叫ばないと、胸に飽和していく感情を発しないと、声をあげないとどうにかなってしまいそうだった。


「イク時は、いつでもいきなさい。何度も叩かれて、犯されて、はしたなくイクんだ」


彼がボクに覆いかぶさりながら耳元でそう囁く。
低くて妖しいその声に、ボクの内にある炎が最高潮に燃え盛る。
いつの間にか自分から腰をくねらせて、彼の突きいれるものが弱い部分に当たるようにしていた。


「俺も、出すぞ……飛鳥の中に、出してやる」


彼の抽送も最高潮に荒れる。彼のものはもうボクの中に完全に溶けてしまっているのに、ボクを求めてのた打ち回っている。
そう、ボクを孕ませようとしている。その事に本能が有無を言わさずに歓喜を上げる。
理性は機能していない。機能していたら、ボクはこんな風にあられもない声をあげてはいない。


「飛鳥っ、好きだ、飛鳥!」


彼の慟哭にも似た叫びがボクの心にまで響く。必死な声。切羽詰まって、今にも死ぬんじゃないかと思うような声。
虐げられた先に、感情の境地の時にだけ聞こえる彼の声。

それを聞いてまた実感する。また出される。生殖される。
声が逸る。また虐げられた体勢のまま飛んでしまう。
意識がボクのものとも彼のものともわからなくなっていく。喉の奥がひりつく。
苦しさで死ぬんじゃないかと思う。喜びで狂ってしまうんじゃないかと思う。
なんて最高に苦しくて、気持ちいい行為なんだ。

燃え盛るような結合の果てにボクと彼はほぼ同時に達した。
ボクの体の中も頭の中も、彼で真っ白に染め上げられる。
そこからは少し、意識が飛んでいた。
覚えているのは、ボクを殺せるような喜びがあったという事だけだった。


……



二人で布団にくるまって、互いに火照った体を摺り寄せながらベッドに向かい合って横になっている。
彼のものは緊張が無くなってしまって、もうボクの中にはいない。
その事に欠乏感を覚える。
でも、その代わりと言わんばかりに頭は撫でていてくれた。
時折ボク自身の髪じゃないエクステにまで指を滑らせて、髪で遊んだりしている。
ボクは何も言わずにそれを受け入れる。
そうしていると、部屋に存在するの温かい空気の水位が上がって満ちてしまっているような、そんな感じがする。
悪くない。


「えっと……痛くなかったか?」


心臓の鼓動が正常に戻りかけてきた所で素っ頓狂な質問を彼がする。


「痛くなかったかって? 何度もボクを叩いていた人間がそれを言うのかい?」

「え、あ、いや……まぁ……」


そういう意味じゃないというのはわかってはいたけれど、している最中はずっとやられっぱなしだったからかつい意地悪く聞いてしまった。


「ふふっ……ごめん。そういう意味じゃないのはわかってるよ」


不安そうにしていた彼がボクの言葉に安堵して大きく息をついた。


「痛くないよ。心も体も、何もかもが満たされているさ」


ボクがそう言うと、彼は満足そうに目を細める。
ボクの幸福が彼の幸福。そうやって目で言っていた。


ふと思う。
ボクは今喜びを感じてはいるけれど、本来嫌いであるはずの束縛や支配を彼から受けた後に、どうしてこうも嬉しいと思えるのだろうか、と。
束縛されるのは嫌いだ。束縛には抵抗したくなる。だけど抵抗なんてものは自然とやるものじゃないし、それ故に枷になる。
でも、彼に支配されていると思うような事をされても全く嫌とは感じない。むしろ、良いとさえ思ってしまう。
いや、彼がボクにしている事は本当は支配や束縛とは違うのかも知れない。
何という言葉にすれば、ボクと彼の関係は正しく表せるのか。
共依存? 相互利益の為の共生? 言葉を探すれどどれも当てはまらない。
単純に――愛?

鼻で笑ってしまった。愛が馬鹿らしんじゃない。
ただ、自分でこんな簡単過ぎる結論を出した事に、笑ってしまった。


「どうした?」


彼が不思議そうな顔をしてボクを見つめていた。


「あぁ、いや、何でもないよ。少し考え事をしていただけさ」

「そうか……」


彼が難しそうに、何か言いたげな表情をした。


「どうしたんだい?」

「え? あぁ……その……飛鳥に、好きって言葉言われた事無いなって、思って」


思わず、目を見開いてしまった。



「いや、してる最中とか、普段とか……あ、普段はそりゃ俺もあまり言ってないからわかるけど……。
 その、聞いた事無いなって」


返答に困ってしまう。何と言ったら良いんだろう。
ボクでさえ、この問題はまだ不明瞭なんだ。


「……好き、か」

「あぁ」

「……そんな短い言葉で、ボクの思ってる事が表せる訳無いじゃないか」


早口で呟くようにボクは言った。
彼の表情は固まっていた。


「キミも、ボクといて時々思う時があるだろう? 何でコイツはこんな難しい喋り方をするんだって」


そう聞いて、彼は遠慮がちに「あぁ」と返事をする。
普段のボクたちはそれなりに理解し合えているのだから、否定してくれても良いものだけどね。


「難しい言葉を操って、いい気になっている訳じゃないのさ。
 ただ、ボクが言いたい事を、伝えなければならないと思う事を、それに見合う言葉にしているだけさ」

「見合う言葉?」

「そう。ボクは逆に、言葉に振り回されているのさ」

「振り回される……」


小首を傾げて彼は思考していた。ちょっとまだ理解は出来ていなさそうだった。
でも、彼の事だからどうせそのうち気付くだろう。そう思ってボクは言葉を続けた。


「そして、ボクは未だにキミに対する自分の気持ちを伝える言葉を持っていないんだ。
 だから、好きという言葉だけで終わらせたくないから……言わないんだよ」



そこまで言って、ボクは気付く。
ボクの気持ちが好きという言葉にすら当てはめれない程、不明瞭なものだとしたら。
言葉の海を彷徨っても得られない感情なのだとしたら。
愛という不明瞭な言葉が、正しく合致するんじゃないか、と。

そんな事が? いや、そうなのかも知れない。
物事は時に、思ったよりも非常に簡単な場合もある。
あれこれと難しく考えても駄目な場合、見方が誤っている可能性もある。
見方が違ったのか、ボクは。


「……そうか。じゃあ、しばらくは聞けないな。お前の本当の気持ち」


彼の声で、ボクは現に戻される。
彼はわかったような顔をして、ボクを優しく見つめていた。


「……本当にわかっているのかい?」


ボクは尋ねる。


「わかんないな」


呆れる程のだらしない笑顔で彼はそう言ってのける。


「わからないさ。だから、わかるようになるまで、お前の傍にいるかな」


気取った感じで彼が言う。
ボクは呆気に取られる。その後に心地よい、呆れた笑いが出て来る。


「わかったら、何処かへ行ってしまうのかい?」

「それは無いと思うけどな。もしかしたら……一生本当には理解できないかも知れないし」

「じゃあ、ボクの傍に一生いるしかない訳だ」

「そうだな。それで、良いんじゃないか」


満足に彼は笑う。
気障な台詞ばかりだ。歯が浮くよ。
ボクよりもキミの方が余程ロマンチストだ。痛い奴、その領域にまで来ている。
そうさ、わからない未来が真正面から良いと言える人間なんて、このご時世稀有なものさ。

ボクとのわからない未来を望んでいる。
未来は不明瞭。愛と同じだ。
彼がボクに望む未来は、愛と同じなのだろうか。
本当に? それもわからない。
なら、観測し続けるしかない。
彼はボクの観測者。逆も、また然りなのだから。


いつか、キミの見るセカイが何色なのか、わかるまで。
キミの傍で熱を感じていよう。
孤独という押し寄せる絶対零度の寒さにさえ、キミとなら或いは――。

短いがこれで終わりなのさ……
二宮飛鳥……Coolなアイドルである彼女の魅力の一端でも表現出来ていれば幸いだ……
端々に滲み出るproducerへの熱い好意……それをカードでも是非確かめてくれ……
何? Rも無い? 冗談じゃねぇ……
持っていないアイドルはドリンクで手に入れる……それが俺達のGET REWARDS……

ラグーン語疲れる
誤字脱字、ざっと見て確認はしてますがあったらすみません
ご精読有難うございました

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