渋谷凛「プロデューサーが笑った顔が見てみたい」 (25)

卯月「プロデューサーさんの?」

未央「何でまた急に?」

凛「だってさ、私達に笑顔笑顔言ってさ。自分なんかぶっきらぼうでいつも真顔じゃん」

未央「あー…そういえば…」

卯月「分かる気がするねえ」

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未央「でも別に悩まなくてもいいんじゃないの?本人に言えばいいじゃん」

凛「笑ってって?…うーん…」

卯月「どうしたの?」

凛「…」

凛想像中。

凛「プロデューサー」

武内P「はい。何でしょうか?」

凛「笑った顔、見せてよ」

武内P「…私の、ですか?」

凛「うん」

武内P「理由を、聞かせてもらえますか?」

凛「理由っていうか…何というか、プロデューサーが笑ったのって見た事ないから…」

武内P「…」

凛「別に、無理なら、無理なら良いんだけどさ」

武内P「……無理ですね。私は、そういうのが苦手ですので…」

凛「……みたいな事になりそうでさ」

卯月「やんわりと断られる、みたいな感じ?」

未央「んー…じゃあさ、ちょっと耳貸して!」

凛「?」





凛「!?」

事務所


未央「プーロデューサー♪」

武内P「おはようございます。本田さん」

未央「あ、うん…おはようございます」

武内P「どうか、されましたか?」

未央「ん?…んと、ねぇ…」

武内P「…?」







未央「そりゃ!後ろからコチョコチョー!!!」コチョコチョ

武内P「?」

未央「それそれ笑えー!!」コチョコチョ

武内P「…?」

未央「……ごめんなさい」

武内P「?…ええ」

未央「プロデューサーってさ、多分脳味噌のどっかが無いんじゃないかな」

凛「よっぽど恥ずかしかったんだね」

卯月「笑うって前置きした話がウケなかった時そんな感じだよね」

未央「傷抉らないでよ!これでも一生懸命だったんだから!」

卯月「でもくすぐりじゃ何ともないんだねえ」

凛「っていうかさ、プロデューサーって多分よっぽどの事がないと動じなさそうだよね」

未央「よっぽどって?」

凛「まあ、例えばほら、…」

卯月「例えば?」

凛「……地球崩壊?」

卯月「手頃なの思いつかなかったんだね」

凛「だって本当に表情変わらなさそうだもん。何か10tトラックが突っ込んできても普通に避けそうだし」

未央「…そういえばさ、私達プロデューサーの事名前以外知らないよね」

卯月「そういえばそうだね…」

凛「私達より卯月の方が付き合い長いから、何か知ってるんじゃないの?」

卯月「うーん…私は凛ちゃんが来るまでひたすらレッスンだけだったし、あんまりプロデューサーと長い会話って無かったなあ」

凛「私と卯月が公園で話した時も一人で遠くのベンチに座ってたもんね」

未央「気を使ってたんじゃないかな?」

凛「そうなんだろうけどさ、その時もあの表情で空を見つめてたから」

卯月「首元見たらONOFFのスイッチがあるんじゃないかって話してたね」

凛「ね」

未央「…以外と腹黒いんだねえ」

凛「…じゃあ、プロデューサーの事を知ってる人って……あ」

卯月「いるね」

未央「うん」

ちひろ「…プロデューサーさんの、笑顔?」

凛「うん」

未央「ちひろさん付き合い長そうだし、見た事ないかなーって!」

ちひろ「んー…笑顔、笑顔…ん~?」

卯月「どうかされたんですか?」

ちひろ「それがね、私も見た事が無いの」

未央「えっ!だってプロデューサーって色んなアイドルを見てきたんでしょ?」

卯月「もしかしたらそのアイドル達が成功したーって時に、こう、ニコッて」

ちひろ「いいえ。普段通りでしたよ?」

凛「というと?」

ちひろ「お疲れ様ですって」

凛「ああ…」

未央「何か想像できるね…」

卯月「じゃあ、こんな事したら笑うとかは…」

ちひろ「んー…これは別にプロデューサーさんに限った事じゃないと思うんだけどね」

卯月「?」

ちひろ「人って、自分の欲しい物とか、して欲しい事とかが貰えたりすると顔が綻んじゃったりすると思うのよ」

凛「…プロデューサーの」

卯月「して欲しい、事や」

未央「欲しい物…ねぇ」



凛「それって、何だろ」

未央「分かんないっす!」

卯月「同じくです」

ちひろ「あら?分からない?」

凛「だって本当に何考えてるか分からないんだもん」

ちひろ「…ふふっ」

凛「?」

ちひろ「あなた達シンデレラガールズは、誰に選ばれたんだっけ?」

凛「それは、プロデューサーだけど…」

未央「笑顔が良かったってね!」

卯月「あはは…全員だけどね」

ちひろ「なら、何考えてるかなんて簡単じゃないかしら?」

凛「ちひろさんはああ言ってたけど」

未央「いやー…大人の余裕ってやつですかねえ」

卯月「…プロデューサーさんが欲しい、物…」

凛「どうしたの卯月。ブツブツ言って」

卯月「…何となくだけど、分かった気がする!」

凛「!」

未央「おっ!?」

再び事務所


凛「入るよ、プロデューサー」

卯月「お邪魔します!」

未央「どーもー!」

武内P「渋谷さん、島村さん、おはようございます」

凛「おはよう」

卯月「おはようございます!」

未央「ね、プロデューサー。私達、ちょっと話があるんだけど」

武内P「話、ですか?」

卯月「はい!…あの、ですね…」

未央「う、うん…えーっと…」

武内P「?」

凛「プロデューサー」

武内P「はい、何でしょうか?」

凛「私達、絶対一番のアイドルになるから」

卯月「え、えっと、プロデューサーさんがくれたこのチャンスを、絶対にモノにしてみせます!」

未央「もう世界一有名になって、テレビにラジオに引っ張りだこで!そんなアイドルになってみせるからね!」

武内P「…」

凛「だからこれからも、よろしくね」


武内P「……………」

凛「………」

武内P「…ありがとうございます。今の言葉は、何よりも励みになります」

凛卯月未央「」ズッコケ

武内P「…?」

未央「そ、そっか!じゃ、じゃあ私達頑張るからね!」

卯月「私達、精一杯頑張ります!!」

武内P「はい。よろしくお願いします」

凛「…何これ?」

未央「めっちゃ恥ずかしい」

卯月「学園ドラマみたいなノリだったよね、完全に」

凛「プロデューサー、何か少し考えてたよね。あれで良かったのかな?」

卯月「どうなのかな…後は、結果次第って事…?」

未央「要するに私達抱負語っただけだよね」

凛「本当だね。今日は寝辛くなりそうだよ」

卯月「枕抱えてジタバタするんだね」

未央「奇遇だね、私もだよ」

武内P「…」

ちひろ「…入りますね、プロデューサーさん」

武内P「おはようございます」

ちひろ「私はもう挨拶交わしましたよ?」

武内P「あ…」

ちひろ「ふふっ…動揺してるんですね」

武内P「…」

ちひろ「プロデューサーさん、手を見せて下さい」

武内P「…」

ちひろ「…もう。我慢なんかしなくてもいいのに。…血が滲んでますよ?」

武内P「いえ、これは…」

ちひろ「プロデューサーさん。…今はまあ、良いですけどね?」

武内P「…」

ちひろ「あの子達が本当に、有名なアイドルになれたら、その時は」





ちひろ「我慢しないで、笑ってあげて下さいね?」

翌日

凛「プロデューサー、おはよう」

武内P「渋谷さん、おはようございます」

凛「プロデューサー、その手、どうかしたの?」

武内P「ああ…これは、ぶつけてしまいまして」

凛「そっか…プロデューサーも意外とドジなんだね」

武内P「…渋谷さん」

凛「?」

武内P「…いえ、すいません」

凛「………。…うん、分かったよ」

武内P「では、今日はレッスンをお願いします」

凛「ん」

卯月「え?」

未央「笑顔はもういいって?」

凛「うん。無理強いしたってしょうがないし」

未央「まあ、そう、だね…」

凛「何?」

未央「いや、何だか随分あっさり引き下がったなあ、と」

凛「…言葉じゃなくても、伝わる事はあるよ」

卯月「…?」

未央「んー?」

凛「でも私、プロデューサーの事一個だけ分かったよ」

未央「ほうほう…それは?」









凛「不器用、かな?」

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