無能提督の日常【安価】 (62)



大淀「提督、起きてください。着きましたよ」

提督「ん……もう着いたの……?」

大淀「そうですよ。荷物を持って、早く出てください」

提督「りょーかい」

大淀「もう……なんでそんなに悠長にしていられるのでしょうか」

提督「焦ったって、あそこに戻れるわけじゃない」

大淀「……」

提督「戻る気もないけどね。何も無いし、ぼちぼちやっていくよ」

大淀「……健闘をお祈りします」

大淀「本日中に明石が戻らなければ相応の対応取らせて頂くとのことです」

提督「うん。あ、ここってなに泊地っていったっけ」

大淀「──泊地です。それでは」

提督「見送り、ありがとう」


聞いたこともない名前の泊地に着任すると決まってから今に至るまで、そう時間を必要としなかった。

ギリギリ提督として認められる能力を持つ、提督の中では限りなく無能に近い提督。

本営とってはかえって面倒な存在らしく、そういった輩は何が起こるかわからない泊地に充てられるのが妥当な結論であった。

横須賀だの呉だのといった有名な鎮守府に配属されるのは、本当に有能な奴かパイプがある奴だけ。

私はここで、どこまでやっていけるだろうか。

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提督「家まで遠いものだな」

家というのもおかしいが、住み込みで生活をするのだから家でいいだろう。

四六時中提督。寝ても覚めても。

気が狂いそうだが、こんな辺鄙なところではもう誰にも気を遣う必要もなく。

名実自分がトップであるのだから。

無能の烙印を押されても、こんな優越感に浸れるなんて素晴らしい。

提督「今日からお世話になりますー」

数少ない島の住民たちと挨拶を交わす。

今後、何かしらお世話になることもあるだろう。

いざというとき『アンタ誰?』では話にならない。挨拶は大事だ。

提督「あれが我が家となる物件か」

浜からそう遠くないところに立地する鎮守府。

鎮守府と呼ぶには仰々しい、まるでこれでは山荘だ。

海の近くにあるから海荘と呼ぶべきか、規模としてはその程度のものだ。

とある金持ちの別荘だよと言われたら何の違和感も抱かないくらいに小ぢんまりとしている。





──



明石「お待ちしておりました」

提督「遅くなってすまない」

提督「立ち話も難だろう、早速仕事を済ませて戻って欲しい」

明石「わかりました。それでは、どうされますか?」

どうされますか、という言葉で何となく思い出す。

まずは艦娘の建造から入らなければならないらしい。

そうしなければ、深海棲艦と戦うこともできなければ、本当に何もできない。

明石に案内されつつも、前日大淀が話したことの内容を思い出す。

・資材は貴重で、特に開発資材がなかなか手に入らない。

・艦娘の建造は主要海域を突破した褒美として、一回だけ建造ができる。

・他の艦娘は、深海棲艦の討伐でたまに流れ着く艦娘で充填するとのこと。

それも、各海域のボスマップと呼ばれる拠点を制圧した際に得られる艦娘のみらしい。

すると、主要海域一つにつき運が良くて四人といったところか。被りは無効だから厳しそうだ。

とりあえず、艦娘のことについて思い出した。黙って明石の後に続き、工廠を目指す。





──


小汚く、狭い屋敷を躊躇無く踏み歩くこと数分。

ずぶの素人である自分がどう言っていいものかわからないが、紛れも無くこれは工廠ではない。

物置か何かよくわからない、近づき難い雰囲気を漂わせる場所だった。

明石「ぱーっと建造しちゃいますね」

提督「こんなところでできるのか……?」

明石「基本的には、資材と道具、後は妖精さんの手を借りればどこでもできます」

妖精。文字通りの存在らしいが詳細は不明。何でもできるらしい。

ここにも何人か妖精が配属されているらしいが、艦娘の建造といいこの工廠といい謎だらけだ。

明石「ご存知かと思われますが、艦娘も大事な存在です」

それも大淀から聞いている。

艦娘も無限に存在しているわけではなく、提督が増えた今艦娘が希薄な存在となっているだとか。

私物化している提督や出撃させずに置物と化した艦娘は手当たり次第に本営に回収されているらしい。

そんな大事な艦娘が、この鎮守府に配属されるだなんてうまい話が転がっているわけもない。

明石「そしてその艦娘が一度でも戦死したとなれば、そこでは同じ艦娘は二度と配属されませんので」

明石「普通にしていれば、沈むことなんてありませんが……」

提督「大破進撃だろう? それをしたら死ぬ可能性があると」

明石「心に留めておいて下さい。それでは初期艦の建造に入りますが──」

提督「?」


明石「初期艦は、実は建造ではなく選択なのをご存知ですか?」

特別に教育を受け、新人提督を導くとされる初期艦が、ここにはいない。

艦娘のほうもどうやら、ここに充てられるのは新人らしい。

それもそうか。突然、未確認の深海棲艦にでも襲われ犬死にでもしたら。

笑い事ではないどころの話ではないだろう。

明石「せっかく建造ができるので、資材もぱーっと使っちゃって建造しちゃったらどうかなーって」

提督「いいのか、そんなこと?」

明石「どうせ同じ開発資材を使うなら、ってことです」

明石「それに、私個人としては貴方のことを応援しています」

提督「ありがと。どうしよっかな」

何で出来ているかわからない開発資材で、何が出来るかわからない。

世の中って意外と適当なんだなーと思った。

明石「もちろん、お望みとありましたら『普通の鎮守府』で配属される5人の中からランダムでという手もあります」

提督「駆逐艦は駆逐艦で、いいところはある。それは戦艦ないし空母、その他も同様で」

明石「ランニングコストは本営持ちですから。そう考えたら強力なほうが楽といえば楽です」

明石「建造等での資材の利用は各個人持ちですが……」

どうやら燃料等の艦娘の維持費は本営持ちらしい。

そうとなれば、明石の言う通りかもしれない。


提督「ぱーっと使うって言っても、そんなに資材があるのか?」

明石「資材置き場のほうを先に確認しておきました」

明石「現在の資材保有数は以下の通りですね」




以下のコンマ×分の資材があります。

また、装備改修は取り扱わないものとします。
その為、改修資材も存在しません。


燃料 >>+1 * 10

弾薬 >>+2 * 10

鋼材 >>+3 * 10

ボーキサイト >>+4 * 10

開発資材 >>+5 * 1/2


燃料→830
弾薬→830
鋼材→210
ボーキサイト→130
開発資材→12(11.5→12)



明石「以上です」

提督「鋼材とボーキサイトが心許ない感じがするな」

明石「そればかりは仕方ないです。あっただけましな方かと」

提督「そっか……で、建造なんだけど」

提督「やっぱり資材の量で出来る子って決まるよね?」

明石「偏りがあるというくらいですね」

提督「ちなみに資材ってどうやったら増える?」

明石「主要海域突破時に各資材5000ずつと、開発資材が20個増えます」

提督「しょっぺーなー」

明石「それくらい困窮しているんです」

明石「建造はどうされますか?」

提督「うーん……>>+2」



1、手持資材で建造する。
2、初期艦5人のうちから選ぶ(All30建造で最初に該当する艦娘を引いた子で開始。話の中ではAll30建造を一回分とします)


提督「最初の5人の誰かかなぁ」

明石「賢明ね。資材は大事に運用したほうがいいかもしれません」

明石「うまくいけば鎮守府海域を突破しただけで大和や武蔵が出来るかもしれません!」

提督「大和に武蔵……夢のまた夢だな」

明石「めげずに頑張ってください。一番の敵となり味方となるのは運ですから」

提督「ごもっともで……」

明石「それじゃ。ちょっと戸を閉めますね」シャッ

明石「……決して覗いてはいけませんよ?」…チラ

提督「わかったわかった。頼みます」

明石「ではでは……」シャッ


<おっおっ、きましたよー20分!

<ボオオオオオオオオオオオオッ!

<カーンカーン!

<ンゴゴゴゴゴwwwww

<カーンカーンカーンカーンカーン!


提督(すげー覗きたい)

明石「きたよー!20分! こりゃ間違いないです!」シャッ

妖精「間違いないです」フンス

提督「でもさっきも20分って」

明石「気のせいじゃないですか? とりあえず、待ちましょうか」

明石「確認だけでもして帰らないと、万が一を考えてです」

提督「どんな子なんだろうなー」





──


電「電です。どうかよろしくお願いいたします」ペコリ

明石「ほらね?」

妖精「電ちゃんハスハス」

提督(すげー可愛い)

提督「実は大淀と明石さん以外の子を見るのは初めてなんだが」

提督「この子が戦うのか……?」

電「なのです!」

どうしよう。この子一人で戦わせるなんて到底できないんだが。

深海棲艦ならいくつか、写真で見たことがあるから言える。

間違いなく食われるぞこれ……。

明石「とりあえず出撃させてみればわかるんじゃない?」

提督「いやいや、それで死なれたら……って、大破進撃以外じゃないのか」

明石「しなければ、ね」

提督「それじゃあ実力を見るというか、なんというか」

提督「正面海域にまずは出てもらえるか?」

電「はい、了解しました!」シュビッ

なんだろう、やっぱり不安だ。


提督「で、俺は指を咥えて待ってるしかないと」

明石「交戦が収まれば、一旦提督に回線が繋がるはずです」

明石「そこで状況を聞いて、進撃するかしないかの指図を出してください」

電『司令官さん。駆逐ロ級、一体と遭遇しました!』

電『これより戦闘に入るのです!』

明石のポケットに入っている無線機から、電の声が届く。

提督「だ、大丈夫? 悲鳴とかこれ聞こえない?」

明石「戦闘中は切ってますから……。通信が途絶えたままなら、何か起きたと考えてください」

明石「そもそも、まずそんなことはないので安心して下さい」

提督「心臓に悪いよ……」

寿命が縮んだかと思うくらい心配したけど、そんなことにならないなら何よりだ。

電『──聞こえますか、司令官さん』

提督「電! 無事なのか?」

電『はい。雷撃戦持ち込んで、倒したのです! 無傷です!』

明石「完全勝利とはすごいですね。恐らくですが戦い方を知らないはずです」

恐らくって、それ殺しにいってるようなもんじゃないか。

そんなんで本当に海に出してよかったのか?

電『このまま進撃しても問題ないのです。どうされますか?』

提督「問題ないんだな? なら進撃して欲しい」

電『了解なのです!』


明石「基本的に、出撃での戦闘はそんな流れですね」

艦を選択して、出撃させる。

戦闘ごとに状況の報告、そこから進撃か退却か指示を出すと。

見事拠点を制圧したら、一通りの作戦が完了。

そこで艦娘がいれば艦隊に加えられるし、無事完了したら建造が一回出来ると。

提督「なるほど。艦娘の装備については?」

明石「基本装備で賄ってください。基本はこれです」

明石「装備の開発も出来ますが、それは後でやるときに妖精さんに説明を聞いてください」

基本装備のままでいけるのだろうか。状況次第では開発もやむを得ないが、資材の都合上厳しいな。

なんとか海域を制圧した暁には開発用で別に資材を貰えないものだろうか。

うまく攻略が進めば、後で掛け合ってみよう。

明石「それと、艦娘の改造についてです」

明石「改装に必要な資材も本営で賄うので、錬度が達したら遠慮せずに改装して下さい」

提督「近代化改修というものについては?」

改造とは別に、艦娘本来の能力を発揮するための改装があったはずだ。

明石「そちらについては……近代化改修に回す資材の都合上、出来ないというのが正しいです」

いよいよ無理な気がしてきた。本当に倒す気あるのかこれ?

明石「ですが、別の方法でそれと同様の効果を得られる方法が最近発見されたそうです」

明石「機密ですので詳細はお話できませんが、とにかく艦娘と仲良くなって下さい」

言っちゃってるじゃん。いいの? いいんだろうな、うん。


電『司令官さん……』

提督「どうした、電!」

先程の元気いっぱいの声とは違う、何かを堪えるような電の声に不安がこみ上げる。

電『先程拠点に到達、軽巡ホ級一体及び、駆逐ロ級二体と交戦状態に入りました』

三対一だと!? 三人に勝てるわけないだろ!!

電『雷撃戦まで持ち込みましたが、状況は不利です……現在の状況です』




電(2) 4/15(中破)

ホ級 7/33(中破)
ロ級 22/22 
ロ級 22/22




電『夜戦に突入しても沈むことはないです!』

電『司令官さん、指示を下さい!』

明石「あら……さすがに分が悪いですね」

提督「これは……>>+1」



1、追撃せず
2、夜戦突入


提督「夜戦に突入してくれ……つらいけど、頼む!」

電『わかりました!』

電『電の本気を見るのです!』



結果

電(2) 4/15(中破)

ホ級 7/33(大破)←中破ではなく大破でした
ロ級 22/22 
ロ級 22/22


敗北(D)





──



電「電、ただいま戻りました……」

提督「無事でよかった……本当に……」

こんなボロボロになって帰ってきて……。

電「司令官さん、入渠してくるのです!」

提督「ああ、どうぞ……?」

入渠って、どこにいくんだ?


明石「このお屋敷のお風呂、綺麗だといいんですけどね」

ああ、そうだった。艦娘は風呂を始めとした休養で傷を癒すのだったか。

自分からさせておいてなのだが、あのような痛々しい姿はもう見たくないものだ。

完治するまでぜひゆっくり過ごして欲しい。

辺りを見やると、どこもかしこもすすだらけ。

後ろを向くと、歩いてきた足跡がくっきりと残っているのがわかる。

出撃より先にすることがあったんじゃないのかな?

提督「そうだよ、いきなり海に放り出すより掃除してまともに生活できるようにするのが先でしょ」

明石「私もそう思います。ですが、今出撃しなければわからないこともあったかと」

提督「……」

そうだ。このまま出撃しないで明石が帰っていたら、正面海域すら制圧できずに終わっていただろう。

三体。それも、いきなり軽巡洋艦の深海棲艦が出てきた。それも、取り巻きを二匹も連れて。

駆逐艦一人どころか二人でも厳しいものがありそうだ。

提督「どうすればいいんだ……くそ、もう建造はできない」

完全に詰んだ。もういっそ開き直って、電と一緒に逃避行に走るしかないのか?

明石「……まだ帰るまでに時間があります」

明石「私一人でなんとかしてきましょう」

提督「え? 明石さん戦えるの?」

明石「私だって立派な艦娘です! 工作艦です!」プリプリ

ちょっとムキになってるところが可愛い。

ドスドスと足音を立てて出て行ってしまったわけだが、果たしてこれは……。

燃料 830→800
弾薬 830→800
鋼材 210→180
ボーキサイト 130→100
開発資材 12→11
(電の建造分)


とりあえずですが、こんな感じで進めていきます。
細かく指定するとややこしいので、装備等は最初は初期のままで進めます。
陣形も、状況や相手に応じたものを自動で選ぼうと思います。
(編成によるのと、>>1の主観での選択になります)

出撃は実際にさせ、状況次第で進撃か退却かを選びます。
もし安価で聞くまでもなさそうなら、不沈を第一とした、海域突破優先での攻略でいきます。
要するに、出撃から帰投までキンクリで戦果の報告のみになります。

艦隊に加わる艦娘ランダムに近いです。
狙うのは建造でワンチャンあるかも、という程度ですが提督と絡ませていけたらと思います。

出撃中の()内の数字はレベルになります。
今後、海域突破が困難だと感じたらレベリングという選択肢を出す可能性があります。


最後に、電一人になりますが演習をやるかどうか安価で決めます。>>+1
演習も実際に今表示されている順に行って、レベルアップを図ります。

長々と申し訳ありません。何かありましたらぜひお願いします。
お付き合い有難うございました。





──



提督「明石から連絡こないけど、大丈夫なのかな」

このまま返事もなく、帰ってくることも無かったら更迭どころでは済まされないのだが。

せっかく可愛い子がやってきてくれたのに……。

電「司令官さん。どうしたのですか?」

提督「あ、あぁ……って」

先程までボロボロだったはずなのに、その姿は見る影もない。

先程海に出す前と同じ姿のまま、目の前に立っている。

電「まだ錬度が低いから、治りも早いのです」

錬度で治る速度も変わる、と……。

なんだろう、習ったはずなのに全然覚えてない。

寝てたり聞き流したりしてたせいか。そうに違いない。

そんなことしてなければ今頃バラ色の鎮守府生活を送っていたはずなのだから。

提督「とりあえず、明石さんが戻ってくるまでに出来ることでもしようか」

電「お風呂、ちょっと汚れていたのです……」

電「それと、先程の戦いでやっぱり錬度不足だなって思いました」

電「演習に行っても大丈夫でしょうか?」

演習。艦娘同士での模擬戦。

先程の明石の言う、戦い方を知らないというそれが少しでも解消されるかもしれない。

提督「いってらっしゃい」

一人で行かせるのはやはり変な気もするが、今は一人しかいないのだ。

どうこう言ってられないし、出来るだけ経験を積んでほしいのが本音。

頑張れ、電。これからよろしく頼むな……。



※電の錬度が上がりました。(2→10)

演習の相手の詳細は……必要ないでしょうか?(必要なら以後記入します)
すみません、これで一旦おしまいです。

乙 初期艦選択かコンマ判定かと思ったが一択だったのね 話は面白いけどそこは気になった所

>>35
わかりづらくてすみません
普通の鎮守府では好きな子選んでね、でしたがここでは5人の中から誰か1人を建造、でした
言葉足らずですみません。
電になったのは建造で5人の中から最初に引いた子ということで、決定しました。




──


電「ただいま戻ったのです!」

日も落ちてお月様が顔を出し始める頃に、電が帰ってきた。

なんでも五つの艦隊と演習をしたそうで、それがとても良い経験になったらしい。

電「演習っていうより手ほどきという感じなのでした。とても丁寧で、親切で……」

相手方に一方的にボコられて終わるのではないかという心配は杞憂に終わったらしい。

もしそうなっても、演習場で汚れを払って休憩してから戻るはずだから心配はいらなかったか。

本人の言うとおり教え方がうまかったのか、見違えるほど成長したように見える。

この調子で成長を続けて、ぜひ海域制圧といきたいものだ。

電「戦い方とか、立ち回りとか──まだ一人だから慌てなくていいよって」

電「頑張ってねって応援されたのです!」

心底嬉しそうに喋る電を見てると、なんだか和やかな気持ちになる。

それと同時に、こんなところに配属になってしまった電が可哀想な気がしなくもない。

そこは自分の采配次第だから、うまくやりくりして立派な鎮守府に出来ればいいのだが。

いかんせん、見た目がなぁ……。中身が充実していればいいか。

それすらも理想に終わりそうだが気にしないことにした。

ひとまずは、出て行った明石さんが戻ってくればほっとするのだが……。

提督「>>+1」



1、俺も一緒に頑張るから、よろしく頼むな。

2、明石が戻るまでは心配だな。

3、会って早々、小汚い場所でごめんな。


提督「俺も一緒に頑張るから、よろしく頼むな」

電「はい! こちらこそ、なのです!」

にっこりと、満面の笑みが咲いた。

生き生きと輝くその笑顔に心を奪われる。

純粋な、一切の穢れを持たない笑顔に見惚れてしまった。

その笑顔で、一つの決心が生まれたのを確かに感じる。

戦えない自分に出来ることは、本当に僅かなことだけ。

自分が艦娘に出来ることはなんだろうか。

どうしたら、力になれるだろうか。

自分なりに考えて、その都度答えを導き出して。

一揆奮闘を胸に、期待に応えたい。

この子を始めとした、今後仲間になる子の笑顔の為にも。




※電の好感度が上がりました。



明石「お楽しみ中のところごめんなさいね?」

電「お楽しみ?」

提督「……いつ戻ったの」

振り返ると、さっきまではいなかったはずの明石がニヤニヤと口元を歪めて笑っているではないか。

明石「つい今ですよ?」

明石「完・全・勝・利・です! ぶい!」

提督「ぶいって……凄いな」

明石「ふふん……これが工作艦明石の実力です」

明石「……錬度が高いというのもありますけど」

錬度の高さもと付け足すが、さながら工作艦であることのほうが秀でているような物言い。

この世界では、錬度より艦種が物をいうのだろう。

工作艦がどの立ち位置にいるかは知らないが、駆逐艦よりは力があるようだ。

明石「突破口は開きましたので、ぼちぼち私は帰りますね」

明石「こちら、敵の拠点で見つけた子です。ぜひ艦隊に加えてください」

もちろんだとも。戦力は多いに越したことはない。

提督「よろしく頼む。まだわからないことも多いが、協力してやっていこう」

天龍「アンタが提督か? ま、よろしく」


耳に残る、独特な声だと感じたのは一瞬のこと。

眼帯、軍刀(?)と、いかつい装備とは裏腹なプロポーションや耳の艤装で反応に困る。

そして、どうしても胸に目がいってしまう。いかんいかん。

提督「明石さん、ご苦労様。気をつけて帰ってな?」

明石「問題ないですよ、深海棲艦が寄り付くことはありませんから」

一度攻略した海域では、深海棲艦は出ないらしい。

ここまでの海路は既に他の提督によって攻略されているから、それなら安心して帰れるはずだ。

明石「では……。頑張ってくださいね?」

提督「ありがとな。明石のおかげで助かった」

明石「いえいえ。ご活躍、期待してますからね?」

ばいばいと手を振ってここを後にする明石の背中を見送る。

電「明石さん、とても頼りになるのですね」

提督「だな」

天龍「なぁ、ここのこと教えてくれよ?」

馴れ馴れしいというよりは懐っこい感じだろうか、この子ともすぐ仲良くなれそうな予感がする。

提督「まずはお前さんの名前を教えてもらってからな」

天龍「ん? オレの名は天龍。フフフ……怖いか?」

かわいい。電とは違った感じでかわいい。


おまけに自称は俺ときたもんだ。

なかなかに個性的な子が仲間になったものだ。

提督「天龍、というのか」

提督「天龍。ここのことを教えてくれと言ったが……」

天龍「なんだよ。歯切れわりぃな」

提督「まだ俺も着任したばっかりでよくわからん」

天龍「は?」

唖然とする天龍にどう声を掛けてあげたらいいものか、返事を待つ。

天龍「そ、そうだったのか?」

提督「そうだ。証拠に見てみろ、この薄汚れた室内を」

言われた通りにきょろきょろと首を振り確かめる。

天龍「マジできたねぇ……いつ掃除すんだよ」

提督「今日は暗いから明日な。飯くって、今日はもう寝よう」

提督「初日から雑な扱いですまないな」

天龍「気にしてねーよ。戦えるなら何でもいい」

電「電は……ふかふかのベッドで寝てみたいのです」

提督「あるといいんだけどなぁ……ふかふかのベッド」

最低限の生活用品や食材はあるはずだ。それも到着前に明石がやってくれているはずだから。

せっかくだからこの建物も掃除しておいて欲しかったが、窓際提督にはこれがお似合いということだろう。

明日から頑張らなければ。

今日はここまで。プロローグ的なものが終わりました。
今後は出撃、艦娘とコミュニケーション、演習といった行動安価から選んでもらいます。
艦娘については安価で募ろうか迷いましたが、出撃でドロップした子をヒロイン及び戦闘員とさせて頂きます。
万が一ボスマップでドロップが無かった場合、なしのまま進行します。
出撃はこちらで処理してしまうため臨場感等や不正があるのでは等思うところがあると思いますがご了承ください。
お付き合い有難うございました。

>艦娘については安価で募ろうか迷いましたが、出撃でドロップした子をヒロイン及び戦闘員とさせて頂きます。

これにあと建造を追加
主要海域一つ突破につき一回なので、多くても4、5回です(そんないかない





──


翌日。



天龍「なぁ」

提督「どうした?」

天龍「朝飯は誰が作るんだ?」

電「電は料理は……」

天龍「……」

提督「天龍は?」

天龍「いや……」

提督「……」

電「司令官さんはどうなのですか?」

提督「あんまりうまくないかもなぁ……」





・出撃
(新海域開放を目指して出撃します)

・演習
(現段階で表示されてる艦隊と演習を行い、レベリングを図ります)

・コミュ
(指定された仲間の艦娘と会話をします。1回の出撃につき2回まで。同じキャラの連続は不可能)


>>+1


提督「まずは演習だな」

天龍「おいおい、朝飯食ってからにしようぜ?」

提督「行ってる間に作ってあげるから」

電「司令官さん、お優しいのです」

提督「こっちはこっちで出来ることやっておくから、頼むな」

天龍「しょーがねぇなぁー? ほら、ちゃっちゃと行くぞ」

電「はい!」

提督「頑張ってなー」

提督(なるべく錬度を上げてから海に出さないと……)

提督(その辺も時間が解決してくれるか)

提督(始まったばかりだし、気長に、ゆっくり)




艦隊の編成をします。
旗艦を指定してください。(現状二人なので、随伴艦は自動で決まります)
>>+1


※天龍を旗艦に、演習を行いました!

天龍 1→9
電 10→12





天龍「すんげー面白かったぜ!」キラキラ

電「なのです!」キラキラ

提督「お疲れ様。結構錬度が上がったな」

天龍「あたりめーだろ? この天龍様だぜ?」

天龍「初めて夜戦ってやつを経験したぜ!」

電「電はいまいちだったのです……」

提督「そんなことないよ。急がなくていいからゆっくり頑張ろう」

電「はい……頑張ります」

天龍「んなことより飯はできてんのか?」

提督「卵があったから、目玉焼きを作ったよ」

電「!」

天龍「おい、飯は手を洗ってからだぞ」

電「はーい!」

全く進んでませんが今日はここで。
亀更新で申し訳ない。お付き合い有難うございました。




──



電「おいしかったのです」

天龍「初めて食ったぜ、目玉焼き」

提督(艦娘って、どういう経緯で今があるんだろう)

提督(電だって、生まれて?からまだ一日なわけだし)

提督(天龍も目玉焼きを初めて食ったって……)

提督(今の今まで食ったことなかったとか?)

提督(……)

電「司令官さん?」

提督「あ、あぁ。どうした?」

電「難しい顔をしてると思ったので……」

提督「なんでもないよ。それより、片付けたら一服しようか」




1、出撃

2、演習

3、コミュ


>>+1




──



まだ三人しかいないが、できる事からやっていこうということで

引き続きこの建物の掃除を始めた。

外から見ると小さく見えたが、中に入れば割と広さがあるように感じる。

手分けして掃除とはいったものの、未だに終わらない。

提督「少し疲れたし、休憩がてら誰かと何か話そうかな」

休憩したいというのもあるが、艦娘について色々知りたいということもある。

探っていいのかわからないが、生まれて間もないのになぜ喋れるのかとか。

なぜ知識が既に備わっているのか等、気になることはたくさんある。

提督「誰のところにいこうかな」



>>+1





──



天龍「なんだ? サボりか?」

提督「サボりじゃない、休憩だ」

話しかけるなり、いきなりサボりとは。

提督「ほら、天龍も一緒に休まないか?」

天龍「休んでる暇なんかねぇよ」

ぶっきらぼうな言葉遣いとは一見して意外と真面目というか、勤勉というか。

提督「結構長いことやってたから、って思ったんだけど余計なお世話だったか」

天龍「別にお節介なんかじゃないけどよ」

天龍「俺ってほら。世界水準軽く超えてるからなぁ……」

天龍「これくらいは屁でもねーっての」

世界水準を軽く超えてる? つまり自身の能力を高く買っているのだろうか。

だから、掃除くらいではへこたれないと。

提督「>>+1」



1、強いんだな

2、冗談はよしてくれ

3、無理はするなよ?

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