探してるの、私を轢いたヤツを。 (38)

※書く速度が亀なので不定期更新です。

※生暖かい目で見守ってください。

※実はメインで書いてるのが煮詰まってしまったので現実逃避に過去作のリメイクしてみました。

※見た事ある人は多分に無いかと、きっと…。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421426835

ガールズトークに花が咲き短大からの友人の綾奈の家を出たのは真夜中の2時半過ぎだ。

家路を急ぐあたしはショートカットが出来る峠道を通る事にした。

札幌市民なら誰でも知っている西区から南区へと抜ける小林峠と言う小さな峠道。

峠を下り始め、ぽつぽつとまばらに民家が見え始めた時だった。そこは峠下のバス回転場から1番最初のバス停だった。

片側1車線の道路沿いに張り付くように建ってる平屋の民家の前にバス停がありすぐ横は電柱が立っていて旧式のうす暗い街灯がバス停を照らしてた。

そこを通り過ぎた時に、白っぽい女性らしき人影が視界の端に入ってきた。

こんな時間にあんなとこに人がいるなんて彼氏とケンカして車を降ろされたのかな?

いずれにしても女の子が1人で立っていて良い時間と場所ではないので同性として見て見ぬフリは出来なかった。
あたしはバイクをUターンさせてそのバス停へと戻った。

バス停の前をゆっくりとバイクを走らせるとやはり白いワンピースを着た10代後半と思われる女の子がうつむきがち
に立っていたのでその女の子の横で停止してライトを消す。

ギアはニュートラルでエンジンはかけたままだ。その子がこちらに気付いた様子は無い。

「ねえ、ちょっと?」

全く反応が無い。聞こえてない訳は無い、こんな近くで話し掛けているんだから。

「ねえ、あなた!聞こえてないの?話し掛けているんだから返事位しなさいよ!」

ようやく気が付いたのか一瞬ビクッ!としたかと思うとおもむろにこちらを向く女の子。

「私のことが分かるの?」

「ハァ?何言ってるの?こんな時間にこんな場所であなたこそ何をしているの?」

「探し物」

「探し物?何を探しているの?」

「私を跳ねた車を探しているの。白い車。私ここで跳ねられたの」

「そ、それは大変だったわね。もう大丈夫なの?」

「うん、もう痛くは無いの。だって私・・・」

「私、死んじゃってるから」

あたしは声をかけた事を若干後悔していた。何をいってるのかしら?この子は。

もしかしたらこの子はヤバい薬物でもやっているんだろうか?ダメ!絶対!的な。
あ、分かった。今流行の中二病というヤツに違いない。

お、人がいた。
見ててくれてありがと!

つづき


「あのね、あなたもしかして中二病?」

「ちょ、中二病って・・・。失礼な!初対面の私のことを何だと思っているんですか?」

「ちょっと残念で可愛そうな中二病の女の子?」

「さっきの私の話聞いてませんでした?私、死んじゃってるんです!幽霊なんです!!」

あたしはおもむろに胸ポケットからマルボロを1本取り出し火を付ける。

「えっ?あ、あの・・・」

とまどいを隠せない感じの女の子をよそにあたしはタバコの煙を吐き出して言った。

「いい?この世に幽霊なんていないの!何とかって教授も言ってるでしょ!そんな現象は全てプラズマで説明
 出来るのよ!!寝言は寝て言ってちょうだい!」

「・・・。本物の幽霊と対面で会話してて全否定ですか?ある意味清々しいですね」

「だって幽霊って普通のイメージだと無口でうつむいて恨めしくしてる感じじゃない?少なくてもあなたみたいに
 アグレッシブな反応はしないと思うんだけど?」

「幽霊だって千差万別です!ひとくくりにしないで下さい。根暗なアメリカ人やお笑いが嫌いな大阪人だっている
 でしょう?それよりもあなたは私をディスる為にわざわざ来たんですか?」

「いやいや、こんな時間にこんなトコでどうしたんだろうと心配で様子を見に来たんだけどな。あたしって優しいから」

「優しいかどうかは別としてどうしたら幽霊だと信用してもらえます?あ、例えば」

そう言ってその子は体を半透明にしてみせた。あたしはその子の体を触ろうとして手を伸ばしてみたけど、自分の手が
半透明になった体に難なく入り込み空を切る。

スカッ!

「これで信用してもらえましたか?」フフンッ!

てか、そんな事でドヤ顔されてもなぁ。

「最近の3Dホログラムの性能も上がったわね。これなら騙される人間がいてもおかしくないわ。こんな簡単に論破
 される技術で幽霊を語るなんてまだまだ勉強不足よ!」

「はぁ、あくまで私を中二病患者にしたいんですね。科学の進歩は時に害悪ですね!」

「だって確かにそれっぽいけどね。しかもあんたちっとも幽霊っぽくないし。あ、もしかしてドッキリ?ドッキリなんでしょ?カメラどこ?何時放送なの?」

「分かりました。中二病の設定でも何でもいいので私の話を聞いて貰えませんか?」

「あ、そういえば自己紹介すらまだだったね。結衣って呼んでくれる?」

「えと、陽菜です。結衣さんにお話したいのは死後の世界です。幽霊を信じてもらう為に」

「うん、とりあえず茶化さないで話を聞くね。」

「ありがとうございます。まず、人って死んでしまうとあの世、つまり霊界ですね。そこからあなたは死んじゃったよ、って知らせてくれる人がやってきます。

臨死体験した人が天使を見たとか亡くなった親族の誰それが来たと言うのはほとんどはコレです。
 
で、まず最初に冥界の仕組みが分かるようにと連絡が取れるように”冥フォンと冥パット”が支給されます。
先月新型が出たので冥フォンはバージョン6です。」

「ちょっと待てい!」

「なんですか?」

「何そのパチ物感たっぷりな名称の通信機器と思われる類は?」

「りんごのジョブズさんがこちらにいますからね。たとえ冥界と言えど今は技術革新が進んでるんですよ。

冥パットで冥界ニュース23や冥界報道ステーションとかチェックしたり本日の冥界入りリストで知り合いがこちらに来たかをチェックしたり冥フォンで冥界の許可があれば現世の携帯ともメール出来ます。OK?」

「お、OK!」

「そして今後どうしたいかを冥界からの指示で選択します。具体的には」

1、そのまま天国に行く。

2、残した思いをスッキリさせて天国に行く。

3、この世にとどまる。
 
「この3つです。ちなみに自分が死ぬ原因となった人を呪い殺すとかは出来ません」

「へぇ~、恨みを晴らすとかで許可されていそうだけど?」2本目のタバコに火をつける。

「あの世もこの世も殺人は犯罪です。許可されませんよ。ただ、殺された人は特典として殺した相手の前に姿を現せて恨みを言う事のみが許されています。姿を見せるのも特別に

生前の普通の姿と殺人時の無残な姿と2通り選べます。この行為によって相手が心臓麻痺等で死亡してもそれは罪には問われません。私たち幽霊が出来るのはコレだけです」


「で?あたしは陽菜の何かを手伝えばいいの?」

「私が事故に遭ったのは1年前です。犯人探しを手伝ってもらえませんか?過去1年でこの峠であった死亡事故と加害者を知りたいんです。」

「あたしに調べて欲しいって事?何か良く分からないけどわかったわ!協力するよ!おねーさんにまかせなさい!!取り合えず連絡先の交換したいんだけどいい?」

そういって赤外線通信で幽霊?の陽菜のアドをゲットする。話に夢中で気が付かなかったがあたりは白々と夜が明けてきている。何だか急に眠くなってきた。

「念の為に伝えておきますが、メールのお返事は夜中しか返せません。私に会いに来て頂く場合は夜中の1:30から日の出の直前までの間でしたら同じこの場所でお会いできます。

それじゃぁ、お願いしました・・・・・・」

その後は何て言っていたのか分からない。一瞬寝落ちしてしまったみたいだ。

ハッとして気が付くと目の前には誰もいなかった。

夢?いや、違う様だ。

足元にはマルボロの吸殻。

静寂の中エンジンのアイドリング音だけが辺りに響いている。

携帯を見ると新しい連絡先が。

「haruna@meikai.zeweb.ne.jp 陽菜0903-xxx-OOOO」

夢じゃなかった。

とりあえずこんな感じで。
またあした。

すんません、ホラー要素無くて(汗)
ホンのちびっと話に入れて見るのでそれで勘弁して下さい。

も少ししたら投下します。

翌日あたしは友人の綾奈に電話をした。彼女は道警交通課勤務だからだ。

「綾奈、お願いがあるの。今夜ちょっと時間作れるかな?」

「結衣からお誘いって珍しいじゃん!良い男でも見つかった?」

「い、いや~、ちょっと訳ありでさ。会った時に詳しく話すよ」

「ん、分かった。じゃ、PM8:00にススキノの居酒屋鳳翔に現地集合で!」

「了解で~す!それじゃ、あとでね!」


PM8:00 居酒屋鳳翔 

「結衣、おっそーい!」

「い、いや綾奈さ、23の私たちがその真似しても痛いだけなんじゃない?」

「そういう居酒屋の名前なんだからちょっとノリでやってみたくなるじゃん!」

「…、綾奈が良いなら良いけどね。あ!おねーさーん!生2つおねがいしまーす!」

はーい、ただいま参りまーす!

「で?話ってのは何?」

「う、うん…、あのさ、幽霊っていると思う?」

「結衣さぁ、工学系理系女子にそれ聞く?」

「う~ん、そうなんだけどさぁ。昨日友達になっちゃってね」

「誰と?」

「幽霊の女の子、なんだけど」

「結衣、疲れてるの?何か嫌な事でもあったの?私達親友でしょ?相談に乗るから何でも言って!」

「だから、幽霊のお願い事を引き受けたの!」

「……、本気で言ってる?」

ハーイ、生2つお待ちどうさまでーす!こちらお通しになりまーす!

あ、お刺身盛り合わせをお願いします!

ハーイ、ありがとうございまーす!

「うん、冗談抜きで本気だよ」

「………」

「だから相談に乗ってほしいの」

「結衣がそう言うなら、きっと本当の事なんでしょ?あんたこんなつまんない冗談言う人間じゃないしね」

「信じてくれるの?」

「だって事実なんでしょ?」

「うん…」

「工学系理系女子って言っても数字で割り切れない物があるくらいは理解できるよ。とりあえず乾杯しよ!」

「あ、そうだね!じゃ、かんぱーい!」

コキュ、コキュ、プハー!

「あのね、結衣。ドイツのある数学者のお話っ知ってる?」

「数学者?」

「うん、第2次大戦が終わった時にその人は3歳だったんだって。お父さんは戦争で亡くなってお母さんとお婆ちゃんと3人で暮してたんだって」

「その子が小学生になったばかりの時に起こった出来事をその人は自分で出したの本の最後に書いてるんだけどね」

「その子の住んでいた村では春になるとお祭りがあって子どもたちはチョコレートのお菓子を買ってもらえるんだって」

「でも、その子の家は貧しくてチョコレートのお菓子は買ってもらえなくて子供心に買ってもらえる子が羨ましいと思っていたのね」

「その年のお祭りの時もよその子がお菓子を買ってもらているのを羨ましく見ていたら1人の男の人に声を掛けられたの」

「戦争が終わって3.4年しか経っていないから結構街中にはあちこちに復員してきたまま軍服を着ている人がいてそれは珍しくない
 光景だったの」

「金髪碧眼のその男の人はその子に話しかけたの」



男の人:やあ、うかない顔して歩いててどうしたんだい?

少年:今日はお祭りでみんなお菓子を買ってもらってるんだけど、ボクの家は貧乏だからお菓子を買ってもらえないんだ

男の人:なんだ、そんな事で落ち込んでいたのか。よし!私と一緒にお菓子を買いに行こう!

少年:ダメだよ、知らない人に物をもらったらいけないとお母さんに言われているもん。お母さんに怒られちゃうよ!

男の人:大丈夫!私はキミのお母さんもお婆ちゃんも良く知っているよ。だから大丈夫だよ。


「そう言ってその人は少年を連れて店に行き、沢山お菓子を買ってあげたんだって」

「その子の家の近くまで帰って来たらね」

男の人:これからキミの人生に色んな事が起きるだろうけど、諦めずに努力して頑張るんだ。そしてお母さんとお婆ちゃんを
    大事にするんだよ。男の子のキミが守ってあげるんだ!


「そう言って男の人は少年を抱きしめて、そこで別れたんだって」

「家に帰って大量のお菓子を持って帰ってきた少年を見てお母さんは怒ったの。こんなに大量のお菓子をどこから盗んできたんだって」

「少年は買って貰ったって言うんだけど、お母さんはこんな大変な時代にそんな事をしてくれる人なんかいない!どこから持ってきたか正直に言いなさい!と」

「少年は本当に買ってもらった、盗んだりは絶対にしていない!そう言って泣いてしまったの」

「そうしたらお婆ちゃんがね、怒鳴って叱るだけではなく、この子の話を聞いてみましょうよ」

お婆ちゃんがそう言ってくれたので、少年は今日あった出来事を話し始めたの。

金髪碧眼の男の人に話しかけられた事。お祭りの事を話してお菓子を買ってもらった事。その人はお母さんもお婆ちゃんも良く知っていると言っていた事。

背が高くて、左手に金の指輪をしていて手の甲には大きな痣があった事。

その人から、これから色んな事が起きるだろうけど、諦めずに努力して頑張るんだ。そしてお母さんとお婆ちゃんを大事にするんだよ。
男の子のキミが守ってあげるんだ!

そう言われたと。そこまで話をしたら、お母さんが声をあげて泣き出してお婆ちゃんも泣いていたんだって。

少年がびっくりしているとお婆ちゃんが、

「いいんだ、それはお前の物だよ。それはお前のお父さんが買ってくれた物なんだよ」

彼が3歳の時に戦死したはずの父と少年が話した男の人の特徴は全く同じだったと。

晩年、数学者になった彼は世の中には数式で割り切れない出来事や現象が本当にある。その一つは私が子供の頃に体験した事だ。と。
信じる信じないでは無く実際にある現象を受け止める事がこれからの時代必要だと。

「数学者でさえ、こんな体験をしているんだよ。だから結衣が幽霊と話をしたって事も珍しい事ではあるけど現実として受け止めることなんじゃない?」

「綾奈…、ありがと」

とりあえずこんな感じで。
本日は終了です。

結衣は昨夜体験した事を綾奈に話した。

「ふぅ~ん、今まで誰も目撃していないってことは結衣とは波長が合うのかな?」

「そこら辺は何とも分からないとしか言いようが無いんだけどね。それで、あの峠の事故のデータって調べられる?」

「それ自体は問題無いよ。ただ、車の方は捜査で当りを付けていたとしても個人情報の法令が有るから厳しいかなぁ」

「やっぱりそこまでは分からないんだね」

「結衣~、この綾奈さんを見縊ってもらっちゃ困るなぁ。厳しいとは言ったけど出来ないとは言ってないよ、あたし」

「え、調べてくれるの?」

「うん、ちょっと何日か時間くれる?先週なんだけどセクハラクソ上司に仕返しするのにそいつのPCの中身を全部ぶちまけてやったんだよね」

「まあ、お約束の様に反社会的な人から山吹色のお菓子をもらってぽっぽちゃんしてたり、部下の婦警を脅したメールとか出てきてさ」

「腐ってるね、あんたの職場も」

「ま、ノンフィクション小説にされてるくらいだしね。で、ソイツをクビ&塀の中に送りこむのには成功したんだけど、上司から今回はPCの中身に勝手に
 侵入してデータを抜いたのお咎めなしだけどシステムの無断介入を叱られちゃってね」

「え、じゃあやっぱりダメなの?」

「だから何日か時間ちょうだい。前回は不正を暴くのに表からワザと分かるように侵入したけど、それ以来セキュリティが厳しくなっちゃって」

「バレ無い様にプログラム組むのに時間が欲しいのよ」

「相変わらず正義の味方か悪党か分からない事やってんのね。流石○女子大の伝説のハッカーの名前は伊達じゃないわね」

「バレるような侵入の仕方をするのは素人、プロは侵入されたのも分からないようにするものよ」

「あんた就職場所間違ってるんじゃない?」

「今の警察には色んな人材が必要って事よ」

「ん、じゃあ時間かかっても良いからお願いね!」

「まかせなさーい!あ、でもタダじゃちょっと」

「この、ハ海山純米大吟醸酒・金剛心って頼んでいーい?1杯¥3000のヤツ」

「くっ、こんな頼み事をするからには仕方ない!あたしの奢りだ!飲め!」

「キャー、結衣愛してる!ごちそうさま!!」

「(陽菜から回収してやる!あ、でも幽霊ってお金持っているのかな?)」

生存報告~、
近日中に投下します。
すいません。

「ところでさ、結衣、その幽霊の女の子のアドレスって教えてくれる?」

「構わないけど、どうしたの?メールしても向こうからご招待されてないと繋がらないみたいよ?」

「うん、それは分かってる。ちょっと気なった事があってね」

「?」

「分かり易く言うと、『X-ファイル』みたいな物が警視庁ののデータベースにもあるのよ」

「で?」

「過去に何件か宛先不明なアドレスから犯人、もしくは被害者しか知らないような内容のメールが送られてきた事があるの。全部別々な事件なんだけどね」

「ふぅ~ん」

「どの携帯会社からでも無いけど、そんなメールの存在があるの。それこそ、あの世からのメールって噂もあるんだけど、そんな事は報告書に書けないから
 結局『X-ファイル』に綴られてお蔵入りするのよ」

「なるほどねぇ~、それで確実にあの世経由の陽菜からのメールもチェックしてみたいと言う訳ね?」

「そう言う事。ま、チェックと言っても表示されているドメイン調べる位しかできないけどねー」


< で?そのデータ集めてどうすんの?
< 無駄知識が集まると嬉しいのだ~!トリビアってヤツ?
< ヨッパライ?ヨッパライナノネ?ナニヲイウカ!モウイッケンイクゾ~!エエェ?

翌々日、AM1:00~、


「陽菜、金を出せ!」

「何言ってるの?」

「いいから黙って出せ」

「はい、これ」(つ 焼け焦げた10円玉3枚

「なにこれ?」(チャリン

「焼き銭だよ、知らないの?」

「それ位知ってるわよ!それじゃなくて諭吉は持ってないの?」

「……」

「な、何よ、その目は」

「あんたバカぁ?」

「なっ、ちょっ、失礼ね、いきなり!何その懐かしい罵り方は!」

「聞こえなかったらもう1回言ってあげる。あんたバカぁ?」

「バカって何よ!バカって!」

「幽霊が現世で使えるお金なんか持ってる訳無いでしょ!常識で考えてよ!」

「だぁって、綾奈から情報貰う代わりにお酒飲ませたらお会計が¥10,000以上も掛かったんだもん。必要経費って事で」

「だからあげたじゃない、現金。使えるよ、それ」

「この平成のご時世に¥30で何しろっていうの?しかも焼き銭は親族がお守り代わりに持つ物でしょ?使っちゃダメじゃない!」

「だって『金を出せ!』なんて言うから手持ちのお金を渡したんじゃない」

「持って無いとは思ったけどやっぱりか。くっ、貧乏幽霊め!」

「貧乏はどっちよ?まさか幽霊にお金出せなんていう人間がいるとは思わなかったわよ!」

「だぁってぇ~」

「お婆ちゃんが言ってた。幽霊なんかより怖いのは生きてる人間だって!実感しちゃったわ」

「くっ、幽霊にこんな事をいわれるとは」

「そんな事より、何か分かったから来てくれたんでしょ?」

「そ、そうなのよ!取りあえず進行状況を話すね」

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