側近「魔王様、ついに世界征服できました!!」魔王「マジで!?」(18)


側近「後は魔王様が人間の城に乗り込むだけです!」

魔王「そ、そうか! 遂に世界征服ができたんだな」ウルウル

側近「なにも泣かなくても…」

魔王「な、泣いてない! 感極まって泣いたりしてないからな!!」ゴシゴシ

側近「先々代の魔王様… お祖父様の代からの悲願でしたからね…」

魔王「それが達成されたのだ! 後は人間の王を討ち取るのみだな!!」

魔王「行くぞ、側近!!」ヒュン

側近「お、お待ちください、魔王様」アセアセ


ーーーー人間世界

ーー王城・玉座の間

魔王「フハハハハ! 初めまして、人間の王よ!!」シュバッ

魔王「私が魔族の王だ!! …………あれっ?」キョロキョロ

側近「……やっと追い付いた」ゼエゼエ

魔王「やっと来たか」

側近「やっと来たかじゃないですよ! 私と魔王様じゃ魔力の大きさが違いすぎるんですから、追いつくだけでも大変なんです!!」

魔王「ご、ごめんなさい…」シュン…

っ④④④④④


側近「まったく… 追いつくのがどんなに大変だったか…」ブツブツ…

魔王「あの~… 側近さん…」ビクビク

側近「えっ!? 何ですか?」

魔王「人間の王が見当たらないのですが…」キョロキョロ

側近「それです! その話をしようと思ったら魔王様が飛び出してしまったんです!!」

魔王「すみません…」シュン

側近「話を戻しますが、人間の王はもうこの城にはいません」

魔王「はっ?」

側近「この城を捨てて自分だけ逃げ出したようです」


魔王「な、なんだそれは!? それでも人間の王か!!?」

側近「…………」

魔王「せめて私に、自らの命と引き換えに自国の民の助命を願うのが王の努めであろうが!!」ガンッ!

側近「自分の身が一番大事ということなのでしょうね…」

魔王「最低な王だな!」

側近「…本当です」

魔王「なんか虚しくなるな… こんな奴を宿敵と思って戦ってきたなんて…」ショボン

側近「げ、元気出してください! 魔王様が勝ったんですから、
れから人間をどう支配していくかを考えましょう!」グッ!

魔王「えっ?」

側近「えっ?」


魔王「人間を…支配?」

側近「そうです。魔王様が勝ったのですから人間達を好きなようになさってよろしいのですよ?」

魔王「た、例えば…?」

側近「そ、そうですねー。 人間達を奴隷にするとか、一人残らず根絶やしにするとか…」

魔王「いやいやいや、そんな可哀想なことムリムリ」ブンブンブン

側近「か、可哀想!? 」

魔王「だって、人間も生きてるんだし…」

側近「それはそうなんですが、一応敵ですし…」

魔王「…う~ん」


側近「と、とりあえずここにある玉座に座ってみませんか?」

魔王「そうだな。 玉座に座って考えればいい考えも浮かぶかもな」ドスッ

側近「……どうですか?」

魔王「フカフカで結構気持ちいいぞ」ポフポフ

側近「フフッ、それは良かったです。 …それで、とりあえずこの間返り討ちにした勇者達の事なのですが」

魔王「ああ、あの娘達か。 …どうしようか?」

側近「今は魔王様が返り討ちにした時の傷を治療させてますが」

魔王「返り討ちって… 魔王城に来たときにはボロボロだったよ!?」

側近


側近「と、とりあえずここにある玉座に座ってみませんか?」

魔王「そうだな。人間の玉座に座ってみるのも悪くはないかな」ドスッ

側近「どうですか?」

魔王「フカフカで結構気持ちいいな」ポフポフ

側近「それで、とりあえずこの間


側近「だから軍団長達ではなく、魔王様に直接相手をしていただいたのでしたね」

魔王「そうだけど… まさか初級呪文一発で倒れるとは思わなかったし…」イジイジ

側近「治療にはもう少しかかりそうだとのことです」

魔王「そうか…」

~~

「………おやめください……姫様…」

「……離してください…」

「…いけません!」

~~

魔王「んっ? なんだ?」

側近「誰か入ってくるようですね。話は私がします」

はよ

つ④
待ってる待ってる


魔王「う、うむ」オロオロ

側近「……………」

魔王「ど、どんな人が来るのかな?」ソワソワ

側近


側近「少し落ち着いて下さい。 椅子の上でオロオロしない!」ビシッ!

魔王「はい!」

側近「魔王様は我々魔族の王です。人間なんて見下してやればいいのです!」

魔王「そうだな… ドンと構えるとしよう」フッ

側近「…もうすぐ誰か入ってくるようなので、その調子でお願いします」

魔王「うむ」


~~バン!!

?「し、失礼します!」

側近「誰ですか? 騒々しい。 魔王様の御前ですよ」

?「私は姫と申します。 この国の王女だった者です」ペコリ

魔王「……………」フンゾリカエリ

側近「…なるほど、貴女がこの国の王女ですか。 王と一緒に逃げ出したと思ってましたよ」ニコッ

姫「…父のことは、申し訳ありません」ウツムキ


側近「それで? なんのご用ですか?」ニコニコ

姫「お願いがあってまいりました。 この国の民の事です…」

側近「…それで?」

姫「この国の民はこれまでの圧政によって疲弊しきっております。 …勝手なお願いであることは重々承知しておりますが、税率をお下げください! お願いします!」ドゲサ

魔王「………!!」

側近「たしかに勝手なお願いですね」ニコッ


側近「それで、税率を下げて魔王様にどんなメリットがあるんです?」

魔王「…そ、側近さん?…… 税率を下げるのは構わn……」ヒソヒソ

側近「……しっ!!」

魔王「………!!」ビクッ!

側近「……お静かにお願いします…」ヒソヒソ

魔王「……はい…」シュン

姫「国民をお救いくださるのでしたら、私を好きにしていただいて構いません!」

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