桂馬「ぼくと天理とのエンディング」 (222)


※注意事項

このSSは神のみぞ知るセカイ本編完結後のifルート
↑の為過去篇までのネタバレ含む。
鮎川天理がメインヒロイン。
微キャラ崩壊あり。
>>1はSSを殆ど書いた事が無いので、出来る限り頑張りますが過度の期待はしないようお願いします。


以上がNGな方はブラウザバックを推奨します。


OKって方は、駄文ですが見てくれたら幸いです。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1421230945




『ぼくと天理とのエンディングはない。』










・桂木宅前
早朝


桂馬「…」ピコピコ

天理「…」プチプチ


桂馬・天理「あ」


天理「お、おはよう…桂馬くん」

桂馬「ん、ああ」

エルシィ「待ってくださいよ神にーさま~!」

桂馬「朝から五月蝿いぞバグ妹」

エルシィ「バグ魔の次はバグ妹!?酷いです神にーさま!」

桂馬「ふん、大体準備にモタモタしてるから悪いんだ。こう言うのはもっとテキパキやるのが妹キャラというものであってだな」クドクド

エルシィ「うぅ~」

天理「あはは…」

エルシィ「ん…?あ、天理さん!」

天理「エルシィさん、おはよう」

エルシィ「はい!おはよう御座います!ふぁ~昨日一昨日の出来事なのに、なんか久しぶりに会った気がしますね~!」

天理「エルシィさん達はあっちで頑張ってたもんね…無事に帰ってこれて良かったよ」

エルシィ「いえ!これも天理さん達や女神の方々のお陰ですよ!」

天理「そんな事は…」

桂馬「おい二人とも、立ち話してたら学校遅刻するぞ」ピコピコ

天理「あ、ごめんね!」スタスタ

エルシィ「わわ!置いてかないで下さい!」スタスタ

桂馬(全く朝から騒がしい奴だな。…気まずい状況にならずに済んだのは感謝してるが)

エルシィ「処で神にーさまは天理さんにちゃんとお礼言いましたか?」

桂馬「…ああ、まだ」

エルシィ「まだ言ってない!?あんまりですよ神にーさま!天理さんは10年も前から神にーさまの為に色々と!」

天理「い、いいよそんな…ただ私がしたかっただけだから」

『いいえ納得出来ませんね』パァア

ディアナ「大体なんですかさっきから、素っ気ない態度ばかりで。せめて第一に労いの言葉くらいは掛けてあげても」

桂馬「チッ、出たなお節介女神」ボソッ

ディアナ「は?」キッ

桂馬「……まぁいい」

エルシィ「良くありません!羽衣さえあれば、今頃お仕置きしてました!」

桂馬「おいお前キャラ変わってるぞ」

ディアナ「では私が代わりに、この腐った汚らわしい性悪男への粛清を」

桂馬「やらんでいい!て言うかどんどん酷くなってるな僕の扱い!」

ディアナ「当たり前です。天罰の一つでも当てないと割に合わない「ディアナやめて!」天理…」パァア

天理「ご、ごめんね桂馬くん…ディアナも悪気がある訳じゃ」

エルシィ「謝る必要なんて無いですよ!今回はどう考えても神にーさまが悪いと思います!」

桂馬「あーもう!外野がいちいち出しゃばるな!……言うタイミングが見付からなかっただけで、ちゃんと天理には感謝している」

ディアナ『そういう事は本人に向いて言うべきでは』

天理「ううんディアナ。桂馬くんにそう言って貰えただけで私は嬉しいから」

エルシィ「うぅ…天理さん本当にいい人です~…」

ディアナ『…まぁ、今回は天理に免じて不問にしましょう』

桂馬「うっ…」(これじゃ僕が悪者みたいじゃないか…いや流石に今のは僕が悪いが…)

天理「…えっと、私こっちだから行くね?」

エルシィ「あ、はい!行ってらっしゃいです!ほら神にーさまも!」グイグイ

桂馬「こら押すな!」

天理「ふふ」

桂馬「あー…その…なんだ。今日の放課後、時間があるなら迎えに行くから…校門で待ってろ」

天理「え?」

桂馬「ちゃんとしたお礼と、少し話しもしたいしな」

天理「い、いいよお礼なんて。私なんて本当に大した事はしてないんだし」

エルシィ「いいじゃないですか!この際にーさまに何かパァッと奢って貰って下さい!」

天理「ふぇ!?」

桂馬「お前が仕切るな!まぁ…お礼がしたいだけだ…謙遜とかはいらん!はい決定!以上!じゃあな!」スタスタスタ

天理「え、えぇ…」アタフタ

エルシィ「にーさまも素直じゃ無いなぁ。あ、それでは私もこっちですので!」

天理「う、うん。またね」
エルシィ「今度にーさまと三人で遊びに行きましょうねー!」手フリフリ

桂馬達と別れた通学路


天理「ふぅ…いきなりあんな事言われて、びっくりしちゃった」

ディアナ『良かったですね、桂木さんからお誘いがきて』

天理「ディアナ……うん。本当は凄い嬉しいんだけど…でもあの子に悪いよ」

ディアナ『あの子とは、小阪ちひろさんと言う女性の事でしょうか?』

天理「うん。折角の時間を私なんかの為に使うなんて…」

ディアナ『……』

天理「うぅ…気が重くなってきた」ハァ

ディアナ『(最近の天理は前にも増してネガティブに拍車が掛かってきたような…何とかしてあげたいのですが)』

天理「ハァ」

ディアナ『(……これは私では無く、彼にしか出来ない役割ですから)とにかく、今日の帰りくらい楽しみましょう!』

天理「…うーん…そう、だね。あまり気にしちゃ、逆に桂馬くんに失礼かな…」

ディアナ『その意気です!』

天理「ありがとうディアナ。…あ、遅刻ギリギリ…い、急がなきゃ!」

・舞島高校


歩美「おっはよーえりー!あと桂木」

エルシィ「おはようございます歩美さん!」

桂馬「僕はオマケか…まぁいい、リアル女子に設ける時間は無いからな」ピコピコ

歩美「あんたさー、またゲーム?そんなんじゃちひろに嫌われるよ?」

桂馬「は?何故ちひろが?」

歩美「え、だってあんた好きな人がって…」

桂馬「……!(しまった!告白の事をすっかり忘れていた!)」

エルシィ「えぇ!?にーさまちひろさんとお付き合いしてるんですかー!?」

桂馬「ちょっ!お前、声がでかいぞ!」


エッ、コサカサンガオタメガト?

イヤサスガニアリエナイワ


ザワザワ



桂馬「……(まずい)」

ちひろ「んな訳ないでしょーが」バンッ

桂馬「痛っ!鞄で殴る事は無いだろう!」

ちひろ「うっさい!オタメガが皆に誤解招く事言うからだろうに!」

歩美「え…じゃあ」

エルシィ「別に何も…?」

ちひろ「そ。なーんも無し。まぁ一応コクられたけど、蹴ってやったわ」

桂馬「……(更にまずい…)」

歩美「な、なーんだ。別に付き合ってないんだ」

ちひろ「まぁ哀れんで茶くらいはしてやったけどね。悔しいだろー?んー?」

桂馬「ぐぐぐ…っ(コイツ…喫茶店であれ程謝ったのに、舞校祭の事をまだ根にもってるのか…)」

ちひろ「ま、コイツの彼女は流石に骨が折れそうだし。これで貸し借りゼロっつー訳で」

エルシィ「えー、なぁんだ…にーさまとちひろさんとなら、応援しましたのに~…」ガックシ

ちひろ「おいおい」

歩美「…そうなんだ。桂木、まだフリーなんだ…?」ソワソワ

桂馬(…何故か歩美の視線がチラホラと…これは本気で対策を練らねば、僕の平和なギャルゲーライフが)

ちひろ「何だったら歩美がアタックしてみるんは?」

歩美「え!?」

桂馬(火に油を注ぐなぁぁああ!やっぱりちひろは駄目だ!完全に僕の思惑なんて無視していやがる!)

エルシィ「それいいです!私的には、かのんちゃんとにーさまが結ばれて、晴れて私はかのんちゃんの義妹なんて言うのもアリだと思いましたが」

桂馬(おい)

エルシィ「歩美さんが義姉なら私も嬉しいです!」

歩美「え、えぇー…///」

桂馬(こんのバグ妹ィイ!)

歩美「ま、またまた~。べべ別に私桂木の事なんか、ななな何とも思ってないんだからね!」

桂馬(そのあからさまなツンデレ発言は控えろよ!ツンデレが許されるのは2次元の中だけだ!)

ちひろ「ほほーう」ニヤニヤ

エルシィ「えー?」ニマニマ

歩美「うぅ…」

桂馬(まずいな…流石に歩美も困ってきている。仕方ない…助け船を渡してやるか)

桂馬「おい二人ともいい加減煽るのは」

「桂馬くん!」
「桂馬!」
「かか桂木しゃん!」
「け、桂馬くん!」

桂馬「!?」

他三人「え!?」


結「さっきの話し、本当かい!?」

月夜「本当なのですか!?桂馬!」

栞「は、はは、ハッキリしろぃ!(また噛んだー!)」

かのん「もしそうなら、まだ私達にもチャンスがあるって事だよね!?」


桂馬「ゆ、結…それにかのんに月夜に栞まで…」

月夜「どうなんです!?」

かのん「今の話しは!」



ガヤガヤ


「え、かのんちゃん!?」
「うそ、やっぱりオタメガとの関係って…」
「しかも他クラスの女子も居るぞ!」
「まさか、全員に良くない事吹き込んでるんじゃ」
「うわーサイテー」


桂馬(僕にどうしろと!?)

桂馬(まずい…本当に収拾つかなくなるぞ)

かのん「どうなのかな桂馬くん?」

結「是非聞かせてよ」

歩美「…私も聞きたいなー。この状況?」

桂馬「い、いや…まずは落ち着け…歩美、教室で飛び蹴りの構えは良くないと思うぞ?うん」

歩美「あ、よく飛び蹴りかまそうってわかったね」

桂馬「(本当にやろうとしてたのか!)…栞。栞は落ち着いているよな?こんな騒ぎに付き合う必要なんて…」

栞「いいからハッキリせんかい!」

桂馬「(駄目だコイツ完全に逝ってる)…かのん、今日は仕事は?」

かのん「オフだよ」ニッコリ

桂馬「そうか…(ポケットに手を入れたと言う事は、スタンガンのスタンバイは何時でも、か…)…よし、月夜!」

月夜「早く答えて欲しいのです」

桂馬「(聞いてくれさえしてくれん)…結、は…」

結「なんだい?」ニッコリ

桂馬「……いや、いい(退路は)」

エルシィ「」ジーッ

ちひろ「」ジトーッ

桂馬「(断たれたか)……わかった。答えてやる」

宿主五人「で?」

桂馬「…僕は……」















桂馬「…僕は今、天理と付き合っている!」


宿主五人+エルシィ・ちひろ「な、なにぃー!?」








児玉「ジュギョウ始めマース!ておいコラ桂木ィ!またお前か騒ぎの元凶はぁぁぁああ!」

休憩します。うーん、勢いで書いたけど、中々上手くいかない…。
キャラ口調も曖昧だし。

ちょっと書き溜めあるので再開します。


見てくれてる人が居て幸いです。神のみは天理が不憫だったので、皆魅力的ですが天理ルートを書きたくなって…。
なるべく期待に添えるよう頑張らせて頂きます。

・学校屋上
昼休み


桂馬「精神統一精神統一…と(よし、大分調子が戻ってきたな)」ピコピコ

桂馬「(朝の騒動はタイミングよく逃れた上、皆昼休みは個々の用事で追尾も免れた。めでたしめでたし……とはいかないか)」

エルシィ「それにしても、にーさまが天理さんとお付き合いしていたなんてびっくりです!」

桂馬「…約一名を除きだが…くっ」

エルシィ「朝の素っ気ない態度も、まさか照れ隠しだったなんて…全く気付きませんでしたよ~」

桂馬(コイツが馬鹿で良かった)












遡る事数時間前


エルシィ「え、にーさま…でも今朝は天理さんと」

桂馬「そ、それは…」

児玉「きゃーつらぎ妹ォ!席に座れぇぇえ!」

エルシィ「……ハッ!まさか今朝の態度は照れ隠しのそれ、ですか?」

桂馬(…マジで)

エルシィ「そうですかそうですか!やー私とした事が、気付きませんでしたよ~!もう、にーさまも水臭いですね!」

桂馬(助かった)

宿主五人「」ポカーン

児玉「てめぇ等も自分のクラス戻れぇえ!高坂!中川!席に着かないと単位落とすぞあぁん!?」

そして現在


桂馬「…いや、僕もつい素直に接してやれなくてな。決して隠すつもりでは無かったんだぞ?」

エルシィ「ハッ!と言う事は…将来天理さんは天理お姉様に…今から呼び慣れるよう練習をっ」

桂馬「き、気が早いだろうそれは(こっちの話しも聞いてない様子だな…しかし微塵も疑われ無いとなんだか怖いな)」

エルシィ「いいえ!気を抜いてはいけません!何時か来るその日の為に如何なる時も心構えをですね」

桂馬「(…コイツの事は一先ず置いておこう)すまん、そう言えば今日は天理が昼で授業が終わるらしいんだ。幸い午後は自習だから、僕が抜ける言い訳を頼めないか?」

エルシィ「!これが世に言う逢い引き、と言うやつですね!わかりました!桂木えり、何が何でもお二人のデートを死守してみせます!」

桂馬「あ、ああ…頼んだぞエルシィ」スタスタ

エルシィ「了解です!嗚呼、にーさまもとうとう現実と向き合う日が」





バタン





桂馬(よし、無事に切り抜けたぞ。後は…)スッ






宛先:鮎川天理
『頼む天理!緊急事態だ!昼にどうにか学校を抜け出して僕と逢ってくれ!場所はあかね丸の付近に居てくれるなら何処でも構わない!と言うか頼むお願いします!』





桂馬「……先手を打たないと、な」

・あかね丸甲板


天理(桂馬くんから急に呼び出しがきたから慌てて来たけど…何かあったのかな?)

ディアナ『何を考えているんですか桂木さんは…天理をサボりにさせるなんて』

天理「だ、大丈夫だよ…それに桂馬くん、困ってるみたいだったし…」

ディアナ『あんな唐変木は困らせておく位が丁度いいかと』

天理「もうディアナ…駄目だよそんな事言っちゃ」

ディアナ『まぁこれで、愛の告白でもしてくるのならまだ許せますけどね』

天理「そ、それは……どうだろうね…」












『天理、最後に確認しておく。』


『ぼくとお前とのエンディングはない。』










天理「……(そんな訳、無いよ。昔香織さんも言ってたじゃない…それに桂馬くんが私を好きになる訳なんて)」ハァ

ディアナ『天理…』





桂馬「天理!」

天理「!……け、桂馬…くん…」

桂馬「悪い…少し出るのに遅れた…待ったか?」

天理「」フルフル

桂馬「…なら良かった」

天理「あ、あの…大変な事があったって…」

桂馬「そ、そうなんだ…。……天理!」ガシッ

天理「ふぇ!?(か、肩!肩を掴まれっ!?)」

桂馬「僕と付き合ってくれ!」

天理「え……ぇえ!?」

ディアナ『ま、まさか本当に愛の!?』

桂馬「頼む!皆の前だけで構わない!僕と……僕と恋人のフリをして欲しい!」
天理「……へ?」

桂馬「訳は後で話す!はいかいいえかで答え」

ディアナ「いいえ、に決まってるでしょうがこのド変態鬼畜悪魔がぁァァァアア!」バッシーン!!

桂馬「ぐはぁ!」

天理『ちょ、ちょっとディアナ!』

ディアナ「何ですか、何なんですか!勝手に呼び出しておいて手紙まで書いた挙げ句に今のは!貴方天理を何だと思っているんですか!?理由は知りませんけどもう我慢なりません!」

桂馬「くっ…!(今のパンチは本気だなっ)…お前の言っている事はもっともだ…だが天理をどうこうしようなんて考えている訳じゃない…」

ディアナ「そういう問題ではありません!見損ないました、桂木さんがこれ程まで愚かだったと!」

桂馬「……」

天理『やめて、ディアナ』

ディアナ「二度と天理に近付かないで下さい。幾ら天理が想っているからとはいえ、これ以上は天理が不幸になります!」

桂馬「……(こうなる事は…少なからず予測していた。天理の気持ちも考慮しないのを前提で言ったんだ…当然だな)分かった…」

天理『!ダメ!』

ディアナ「なっ、天理!?」パァア

桂馬「(ヒロインの気持ちをまるで無視。最早攻略でも何でも無い…クソゲーの主人公そのものだ)…悪かった。話しは…」

天理「いいよ!」

桂馬「これで……え?」

天理「桂馬くん、事情があるんだよね?ちゃんと話してくれたら、協力するから…いいよ」

桂馬「天理、か…?…いいのか?こんな支離滅裂な願い…」

天理「うん。だからお願い…まずは話して?」

桂馬「…わかった」

ディアナ『……』

それから僕達はあかね丸を出て、近場の公園へと足を運び、僕は天理に事の経緯を話した。


天理「桂馬くん…頬、大丈夫?」

桂馬「ああ…大丈夫だ。殴られて当然の事を言ったんだ、気にするな」

ディアナ『一応自覚はあるんですね』

桂馬「……」

天理「えっと…大体理解したよ。でも私なんかで…いいの?」

桂馬「咄嗟に言ってしまったんだ…いいも何も無い(あの場に居なかったのが天理だったから…なんて、言ったら次こそディアナに葬られ兼ねない)」

天理「そ、そう…わかった…(選ばれたのは多分、私がその場に居なかったからだよね。わかるよ)」

桂馬「…こっちからお願いしておいて今更だが…本当に断ってもいいんだぞ?実際最低な行為を僕はしているんだし」

天理「断ったら、桂馬くんが困るよね?」

桂馬「それは構わない。土下座でも何でもする」

天理「…ううん、違うの。あのね、私さっきホッとしちゃったんだよ…小阪さんとの事。最低だよね…桂馬くんは本気で告白したのに…」

桂馬「それは…当たり前の事なんじゃないか?と言うより、何百倍も最低な事をしてる僕が、それを責める権利なんて毛頭無い」

天理「…それだけじゃないよ」

天理「さっき告白された時、気絶しそうなくらい嬉しかった…例え嘘の、でも。だからおあいこ、だよ」

桂馬「…正直、今の僕の事を僕は生まれて始めて軽蔑している。あんなの、僕らしく無かったな」

ディアナ『今更ですか?桂木さんが最低のすっとこどっこいなのは前からでしょう』

桂馬「」

天理「ち、違うよ!桂馬くんは凄いよ!どんな時も優しくて、胸を張ってて格好よくて…」

桂馬「やめろ。僕は優しくなんて無いし、実際皆を巻き込んだ張本人だぞ」

天理「それは桂馬くんが、未来につなぐ為にやった事だから…」

桂馬「…ちひろに酷い事を言った時も、過去で僕が攻略を諦めた時も…そうやって慰めてくれるんだな」

天理「こ、こんな時くらいしか…役に立たないから」

桂馬「……そんな事無い。とにかく…最後に確認しておく。本当にいいんだな?」

天理「…うん。その…嘘でも…その間は桂馬くんの一番傍に居られるから…これ以上の幸せなんて無いよ。だから私からも、お願いします。桂馬くんの恋人役をさせて下さい」

桂馬「天理…ああ、わかった。引き受けてくれてありがとう…」

天理「うん…私の方こそ…(まだ、もうちょっとだけ…夢見てていいよね)」

・帰宅路


天理「えっと…それで、実際どうすればいいのかな?…こ、恋人の…ふり」

桂馬「…デートとか」

天理「ふぇ!デート!?」

桂馬「恋人のイベントでは当たり前のような必須行動だぞ。出来れば周りの奴等にも見せびらかすくらい大っぴらの方が…」

天理「み、みみ見せびらかせ!?」

桂馬「…大っぴら過ぎるのは流石に抵抗があるな」

天理「そ、そうだね…」

桂馬「とりあえずは……手、繋がないか?」

天理「ふぇえ!?」

桂馬「も、もう下校時間だしな。誰が現れるかわからないし、なるべくそういった雰囲気を醸し出していた方が…」

天理「う…そうだね…。意味が無いよね……(ど、どうしよう。偽りとか分かってても、嬉しくて意識が飛んじゃいそうだよ~)」

桂馬「…じゃあ」ギュッ

天理「は、はい…」ギュッ






天理(どどどどうしよう!本当に繋いじゃった!)

桂馬(な、なにときめいてるんだ僕は!相手は天理だ!幼馴染み(仮)で一番僕を理解してくれる!……ん?何かおかしな事言ってないか?くそ、僕を惑わすのは常にリアル女子!)

天理(ふ、普通にしてなきゃだよね。うん、焦ったら違うって思われちゃうから…平常心)スゥ

桂馬「(あーもう!)…っ」ギュッ

天理(御免ね無理。何より何時も出てきそうなタイミングでディアナがずっと黙ってるから余計に)


二階堂「……何やってるんだ、お前ら」

桂馬・天理「!?」

桂馬(くっ、第一の難関って事か…寧ろラスボスの間違いだろう)

二階堂「?」

桂馬「二階堂…いや、ドクロウか。珍しいな、こんな場所で逢うなんて(何テンプレな会話しているんだ!他に上手い言葉はあっただろう!)」

二階堂「…用があって、少しな。それより、お兄ちゃん。天理と手を繋いでるように見えるのは気のせいか?」

桂馬「」

天理「き、気のせいじゃないかな!?ドーちゃん、疲れてるから幻覚見えちゃってるんだよ!」バッ

二階堂「そうか…随分無理がある言い訳ありがとう」

天理「」

桂馬(駄目だ、誤魔化しきれん)

二階堂「…事情は大体察するがな。一応聞いておくが…そういう関係か?」

天理「えっと…これは」

桂馬「そうだ」

天理「!?」

二階堂「……」

桂馬「紹介が先だったか?僕の恋人の天理だ。彼女の事は…説明不要だろ?」

二階堂「偽の、とかではなくて?」

天理「!(鋭い)」

桂馬「…(流石にドクロウを欺くのは無理があるか…だけど)違う。正真正銘、僕の恋人だ」

二階堂「…そうか」

桂馬「昨日付き合い始めたんだ。幼馴染みの天理なら、僕も気負う事なく付き合えるしな。…疑うか?」

二階堂「いや、別に。小阪と付き合ってるものだと思ったが…」

桂馬「それは断られたと言った筈だぞ」

二階堂「さぁな…何の事だか…」

天理「…ドーちゃん、本当…だよ?」

二階堂「天理がそう言うのなら、そういう事にしておくよ」

桂馬「…僕はさっきからそう言ってるだろう」

二階堂「理論を語った割には、宿主の一人と落ち着いたのに?」

桂馬「…やっぱり覚えてるじゃないか」

二階堂「自分勝手過ぎて忘れてたよ」

桂馬「おい…」

二階堂「…お兄ちゃんが悪いんだよ、ギクシャクばかり持ち込むから」ボソッ

桂馬「……ふん」ピコピコ

二階堂「彼女と一緒の時くらいゲームは止めろ」スッ

桂馬「ああ!返せ僕のゲーム!」

二階堂「嫌だ、べんべん。これは没収だ。…お前また私に没収されたゲーム増えるんじゃないか?」

桂馬「ぐぬっ…」

二階堂「…精々頑張りなよ。言っておくが、彼女を泣かせたりする真似したら…ゲームがどうなるかわかるな?」

桂馬「念のいった釘さしだな。……安心しろ、そんなつもりは端からない」

二階堂「なら構わん」

天理「ドーちゃん…もう行くの?」

二階堂「ああ。長話もなんだろう」

天理「…あの、心配してくれてありがとう」

二階堂「……まぁな」

桂馬「……学校」

二階堂「?」

桂馬「ゲーム没収するなら…学校来いよな。まだ辞表出してないみたいだしな」

二階堂「…考えておくよ」

桂馬「…それに、居ないと少し寂しいしな」ブツブツ

二階堂「……ありがと、お兄ちゃん」

天理「ドーちゃん、偶には逢おうね?」

二階堂「天理がいいなら…その内な。じゃあ行くよ」スタスタ




天理「……行っちゃったね、ドーちゃん」

桂馬「ふん、いきなり現れてゲームを没収するなんてどうかしてるな」←PFP二台目取り出し

天理「…やっと何時もの桂馬くんに戻ってくれた」

桂馬「?どういう意味だ…?」ピコピコ

天理「ゲーム。さっきまでしてなかったよ」

桂馬「……あ」

天理「えへへ、これもドーちゃんのお陰かな」

桂馬「…ふん」ピコピコ

天理「…何時もの桂馬くんが、一番好きだよ」ボソッ

桂馬「……僕も、そういう天理が―――だ」

天理「え…?」

桂馬「…」ピコピコ

天理(なんて言ったのかな…?)

それから




・桂木宅前


エルシィ「あ、にーさまと天理さん!」

桂馬「帰ってたのか…ただいま」

天理「ただいまエルシィさん」

エルシィ「はい!お帰りなさい!今日は部活が無かったので、真っ直ぐ帰ってきたんですよ!」

桂馬「ふーん」ピコピコ

エルシィ「うぇーん何ですかその無関心な返事はー!冷たいですぅー!」

天理「あはは……庭のお掃除、かな?毎日偉いね」

エルシィ「えっへん。おかーさま方にお役に立てるよう、出来る妹をやっています!」ドヤァ

桂馬「…出来る妹なら、いい加減テストで平均点取れるようにな」ピコピコ

エルシィ「にーさま嫌いです!」

桂馬「はいはい嫌いで結構」セーブット

エルシィ「うぇーん天理さーん!にーさまが意地悪ですぅー!」

天理「えぇと…よしよし」ナデナデ

エルシィ「…えへへ、天理さんに慰めて貰っちゃってます」

桂馬「身代わり早いな」

エルシィ「にーさまとは大違いです。やっぱり未来のお姉様は寛大なんですよねぇ~」

桂馬「ぶっ!?」

天理「ふぇ!?」

桂馬(くっ…盛大に吹き出しそうになったぞ。コイツ等の前では特に恋人らしい態度でいないといけないのを忘れていた)

エルシィ「そう言えば、まだ言ってませんでした!」












エルシィ「ご結婚、おめでとう御座います!」

桂馬「だから早いって言ってるだろう!天理が気絶しちゃったじゃないか!」












その後、僕は気絶した天理を起こしてお互い家に帰っていった。

今日はここまでです。

お見苦しいモノですが、完結までいけるように頑張りたいと思います!

短いですが更新再開します。時間が空かない…。

・鮎川宅天理の部屋



天理「」ボフッ

ディアナ『そんな格好で寝床に俯せては風邪を引きますよ?しかもお風呂から上がったばかりですし』

天理「…わかってるよ」

ディアナ『今日の事で頭が一杯なのはわかりますが、せめて髪を乾かしてから横に…』

天理「…そうする」モソッ

ディアナ『全く、それにしても桂木さんは困った人です』

天理「…あれからディアナ、一言も喋らなかったけど…何かあったの…?」

ディアナ『呆れているだけです。いきなり叩いた事には今更ながら申し訳ないと思いますが…』

天理「大丈夫、だよ。桂馬くんはちゃんとわかってるから。…理由はそれだけ?」ドライヤー中

ディアナ『……それに、これは天理と桂木さんの問題ですから…私はお二人の行く末を見守るのに徹しようと思います』

天理「ディアナ…」

ディアナ『ですから、私はこれ以上は口出ししません。何はどうあれ、天理が今幸せなら私としても好ましいですし』

天理「…うん。ありがとね?ディアナ」

ディアナ『えぇ。…今の天理、とても明るい顔してます』

天理「そ、そう…?///」

ディアナ『はい、とても明るく見えます』

天理「そう、かな…。…わ、私ね…本当は嬉しくて、どうしたらいいかわからないんだ…例え嘘でも、桂馬くんの恋人"役"をやらせて貰えるから…こんな欲張りなの、許されていいのかなって…」

ディアナ『天理…』

天理「形式上、だけど…今だけは、桂馬くん私を見てくれてるんだって…そう思うと、喜びも、緊張も、不安も、一気にきちゃうから…」

ディアナ『…でしたら、これを機に桂木さんを本当に落としてみては?』

天理「ふぇ!?」

ディアナ『もし叶ったなら、今後ずっと、桂木さんと一緒に居れますよ。これなら不安に思う事も無いのでは?』

天理「む、無理だよ…桂馬くんが振り向いてくれる訳なんて無いよ…」

ディアナ『やってみなくてはわかりません!先程だって、いい雰囲気で手を繋いでいましたし!』

天理「それは周りを気にしての事だし…」

ディアナ『とにかく、桂木さんのように言うなら、全力で攻略あるのみです!』

天理「は、話しを聞いて~…」

ディアナ『ふ、ふふ…覚悟していて下さい桂木さん。必ず天理を本当の恋人、そして未来の結婚相手であると認識させてみせます!』

天理「うぅ…」

ディアナ『私に掛かれば造作もないこと……何しろ、私は一度桂木さんに勝ってますから!』

天理「それは将棋の話しで…あの……」

ディアナ『…こ、細かい事は置いておきましょう。要は落とせばいいのです!』

天理「…だから、その…落とすって…」

ディアナ『必ずや桂木さんに、心から天理を愛してると言わせてみせます!』

天理「…無茶だけは、しないで下さい(駄目…私にはもう止められそうにないかも…)」









・桂木宅リビング


桂馬「…急に悪寒がしてきたぞ……」

中断です。中々進みませんが、明日にはまとめて更新出来たら…。

だめだエルシィ表記だと悪魔時代の見た目で再生されるwwww

今日は少し早く更新出来るかもしれないです。


>>42

「えり」だとちょっと分かりにくいかなぁと思いましてエルシィ表記のままですが、確かにエルシィだと前と変わってない感じしますね(笑)
変更した方がいいでしょうか…悩みます。

再開します!

エルシィの名前ですが、今後『えり』表記でいきたいと思います。桂馬達以外からの認識もありますし。

名前表記をエルシィ→えりに変更。


TV『かのん、100%♪太陽、レーボリューション♪虹の―――』

えり「ふあ~やっぱりかのんちゃんの歌はいつ聴いても素敵です~」キラキラ

麻里「こらえりちゃん!食事中はテレビ見ない!」

えり「あうぅ…ごめんなさいお母さま…」

桂馬「(…それにしても聞き慣れないな、その名前)…お、クリアだ」ピコピコ

麻里「テメーもゲームは止めろ!」バシッ

桂馬「ぐあ!」

麻里「次やったら飯片付けるからな」

桂馬「エルシ―――えりには注意だけなのに何故僕だけ…」

麻里「漢だろ?」

桂馬「男の子だ!」

えり「ま、まぁまぁ母さま、にーさまも悪気はありませんし…」

桂馬「そーだそーだ!」

麻里「…えりちゃん、甘やかすとこの兄貴は付け上がるんだよ」

えり「…ですね」

桂馬「うっ…さ、さぁて飯だ飯!母さんのご飯は何時も美味しいなぁ!」ガツガツ

麻里・えり(態とらしい)

えり「あ、そう言えばお母さまに朗報があるんですよ!」

麻里「え?なになにー?」

えり「えへへー、実はなんと!ついににーさまにも春が来たんです!」

麻里「桂馬に春?……ハッ!ま、まさか彼女が!?」

えり「そのとおーり!」

麻里「きゃー!マジ本当に!?」

桂馬(この会話は既に予測済みだ)

えり「本当です!しかも相手はなんと」

桂馬「天理だよ」

麻里「え!?」

えり「あぁー!にーさま先に言っちゃったぁ!私が言いたかったのに~…」

桂馬「いや普通は本人から言うのが筋だろう…」

麻里「ちょっとそんな事どうでもいいわ!それよりウソ、マジで!?」

桂馬「ああ」

麻里「あの奥手そうな天理ちゃんが!そ、そそそれで告白はどっちから!?」

えり「それ私も気になります!やはり天理さんからでしょうか?」

桂馬「僕からだよ。何て言うか…急に愛おしく思えて…あいつ以外なんて、もう考えられないんだよ」←態とらしく照れ顔

えり・麻里「きゃー!」

桂馬(うざい)

麻里「こりゃあ明日は赤飯だね!私鮎川さん家に電話してこなきゃ!」

桂馬「!!お、おい!流石に今からは急すぎるって!せめて明日に」

えり「急じゃ無いですよ~。さあ母さま!にーさまを私が取り押さえている内にお電話を!」ガシッ

桂馬「ちょっ!離せエル…えり!」ジタバタ

麻里「オーケーしっかり伝えてくるわ!『息子を宜しく』と!」バタン

桂馬「だからお前らは気が早過ぎるんだぁぁああ!」


麻里『あ、もしもし鮎川さん?いやーそれが家の馬鹿息子と天理ちゃんがですねー』


えり「これでにーさま達も晴れて公認の恋人さんですね☆」

桂馬(嗚呼…僕のギャルゲーライフが遠退いていく…よっきゅんに逢いたいよ)






・鮎川家


天理母「聞いたわ天理!明日は桂木さん家で赤飯よ!桂馬くんと末長く幸せにね!」

天理「ふぇえ!?(情報漏洩早いよぉ!)」

ディアナ『話したのは誰かは知りませんが…GJ』

・再び桂木宅


夕飯が終わり部屋に戻った桂馬。

桂馬「はぁ…漸く解放された」ストンッ

桂馬(あの後小一時間電話してた間、エルシィにずっと拘束されたまま。…羽衣無しで何処からあんな力出せるんだ?)

桂馬「とにかく!無事解放された今こそ、ギャルゲーやるぞ!」

桂馬(そして僕がこの部屋で最初に逢うヒロインは勿論)




四葉『けいまくーん』ボヘーン

桂馬「よっきゅゥゥんんんん!!」ボヘーン




桂馬(さてと、大分癒された感じでいざ積みゲーを!落とし神モード!!)




バターン!『聞いたわ天理!明日は赤飯よ!』

『ふぇえ!?』




桂馬(……親って、どうしてああも子をいじるのが得意なんだ)

桂馬「…あの様子だと天理も大変だな」スッ

桂馬(しかしそれとゲーム攻略は別問題!)

桂馬「今の僕なら、阿修羅さえ凌駕出来る!」カタカタカタカタカタッ、タッ

一方えりの部屋


えり「明日はにーさまと天理さんのお邪魔にならない為に先に登校します!やっぱり私、出来る妹です!」エッヘン












翌朝

・桂木宅前


桂馬(エルシィのやつ、今日は先に行ったのか?)

桂馬「ま、どうせ僕らに気を遣ってとか単純な理由だろうけどな…」ピコピコ

ディアナ「おはよう御座います、桂木さん」

桂馬「……だがな妹よ、厄介事は常に直ぐ傍なんだよ畜生」

ディアナ「何をブツブツ言っているのですか?挨拶くらい返しなさい」

桂馬「何でも無いよ!今日はいい朝だなおはよう!天理と登校したいから代わってくれないか!?」

ディアナ「いい心がけですが、明らかに挙動不審なのは何故です」

桂馬「うるさいうるさい!神さまなら僕の願い聞いてくれよ!」

ディアナ「いえその頼みは願ったり叶ったりですが…何か癪ですね」

桂馬「いい言葉を教えてやろう。人の恋路を邪魔する奴は、ギャルゲー定番で登場する親友Aに蹴られて地獄に落ちると」

ディアナ「馬に、では?…貴方が何を企んでいるかは知りませんし知りたくもありませんが」

桂馬「平和が一番だと思いまーす!」

ディアナ「野獣に平和は不釣り合いですね」

桂馬「…今日はやけに突っ掛かってくるな?」

ディアナ「貴方が訳の分からない言語を話すからです。日本人なら日本語を話してみては?」

桂馬「さっきかられっきとした日本語だろ!なんのコントだ!」

ディアナ「……処で桂木さん。まさか今日の放課後は一人で帰る…という事は、勿論無いですよね」ニコッ

桂馬「…な、何か問題でもあるのか?」

ディアナ「今日の放課後も勿論、天理とデートをしますよね?」

桂馬「」

ディアナ「付き合っているのだから、当然毎朝登校、そして下校デートをするのは当たり前。そのように私はウルカヌス姉様から教わりましたよ」

桂馬「…ウルカヌスの戯言だ」

ディアナ「今の発言、姉様に神罰でも与えて貰いますか?」

桂馬「…最初から放課後はデートのつもりだが?」

ディアナ「そうですか。それを聞いて安心しました」

桂馬(この悪魔め!)

ディアナ「では私は用件を伝えましたので、天理との時間をごゆっくりと」キィイン

天理「うぅ…ディアナ、昨日は私達に任せるって言ったのに…」

桂馬「…お前もホント大変だな」

天理「あ、あの…桂馬くんさえ良ければ…私は別に一人で帰っても…」

桂馬「そんな事したら、ディアナにバレるだろ?」

天理「あう…っ、……ディアナにはちゃんと言っておけば…」

桂馬「…いやいい。帰りも校門前まで迎えに行くから待ってろ」

天理「え…でも…」

桂馬「別に一緒が嫌という訳じゃ無いんだ。ただ昨日の事もあるし、極端に接触し過ぎると余計にややこしくなると思った」

天理「…お母さん、今日お赤飯食べる気凄かった…」

桂馬「まぁそれはまた上手い事やるよ。赤飯食べたかったし…」

天理「うっ…実は私も…」

桂馬「それに毎日の登下校はイベントの中でも鉄板中の鉄板。よって暫くはこれを繰り返そう」

天理「…何か、ごめんね」

桂馬「謝るなって(迷惑掛けてるのは僕の方、って認識は多分無いだろうな)…それに」

天理「?」

桂馬「ゲームはしてていいんだろ?デート中も」

天理「……うん!」ニッコリ

天理「あ、それからディアナがね…昨日の事謝ってたから…」

桂馬「昨日の?…叩かれた事は気にしてないぞ」

天理「なら良かった…えっと、それから…『お詫びもしました』、だって…何の事だろう?」

桂馬「…さぁな。僕はこっちだから、また放課後迎えに行く」ピコピコ

天理「あ…うん。気を付けてね?」

桂馬「ん」ピコピコ




ディアナ『…行きましたか。無愛想なのは変わりませんね』

天理「そう…?桂馬くんらしいよ」

ディアナ『ふふ、そんな彼が好きなのですね』

天理「…からかわないで///ただ何時も冷静でかっこいい……だけ、だから……///」

ディアナ『ご馳走様です』

天理「もうディアナ…!……それより、さっきも言ったお詫びって…?」

ディアナ『ああ、その事ですか。……実は』

・舞島校2-B


桂馬(さて……問題はここからだ。昨日は児玉のおかげで上手く乗り切ったが…今日は流石に逃げ切れないな)

桂馬「…覚悟はした。いざ、戦場に!」ガラガラ


えり「あ、にーさま!おはようございます!」

ちひろ「来たなゴキブリ男。おはよ」

桂馬「……せめて挨拶を先に言えよ。それより…えり、今日は先に出たんだな」

えり「ちひろさんとバンドの事でちょっと…黙って出てすみません」

ちひろ「こんなオタメガに謝るなってエリー、どうせ一緒に居てもゲームばっかなんだし(気を遣ったんかな?エリーよしよし)」

桂馬「ふん、黙れよモブ女(魂胆は丸見えだがな。…それより僕とちひろはすっかり前のまんまな対応になったし、少し安心した)」

京「おはよーちひろ、えり。桂木居たんだ?」

桂馬「おい」

えり「おはよう御座います!」

ちひろ「お、今日は遅いじゃんか京」

京「ちょっと夜更かししててねー」

ちひろ「どうせテストが近いから勉強だろー?この優等生めー」

えり「わ、私も見習ってお勉強を…」

京「や、やめてよその言い方…えりまでー」アワアワ

ちひろ「まぁそれはそうとさ……なぁ桂木、あの二人…どう思う?」指差し

桂馬「は?あの二人?」




歩美「」ドヨーン

かのん「」ドヨーン


桂馬「……なんだ、あれは…」

ちひろ「私が来たときからずーっと机にバッタリなのさ。昨日の帰りまではあそこまでじゃ無かったのに」

京「うわ、ホントだ…まるで魂が脱け殻みたい」

桂馬「…なんとなく要因は自覚してるが…(昨日まではあそこまでじゃ?)」

えり「にーさま、きっと二人ともショックを受けているんですよ」コソコソ

桂馬「いや、それにしては様子が変じゃないか?」コソコソ

えり「二人ともにーさまが好きなんですから、当然ですよ。せめてフォローくらいは…」

桂馬「…仕方ないな(流石に僕も気になるし)」

ちひろ「お、オタメガが動いた!」

京「ちゃんと元気付けるんだよー?」

桂馬「あーはいはい」




桂馬「……おい、歩美。昨日の件で話しが」

歩美「」ゲッソリ

桂馬(うわっ、本当に何かが抜けたみたいだな)

歩美「」ズーン

桂馬「…おいメリクリウス、歩美に代わって説明を求む」つPFPを鏡に

メリクリウス『zzZ』

桂馬「あ、駄目なパターンだこれ」

歩美「」ドヨーン

桂馬「…なんか、すまん。じゃあ」スタスタ

桂馬(くそっ、女神があれではまるで意味が分からん。残された者は…)

かのん「」ズーン

桂馬(…今日も仕事は無いのか、或いはあの状態だからか?とにかく…)

桂馬「かのん、おはよう」

かのん「」ヘンジガナイ。タダノシカバネノヨウダ

桂馬「」

かのん「」ズーン

桂馬「…で、どうしたら話しが出来る?」










アポロ『話し何も、妾とて今のかのんには何を言っても起きてくれんのじゃ』←筆箱の鏡からこっそり

桂馬「かのんだけでは無く、歩美もだぞ」指差し

アポロ『……あー、多分それもディアナのせいぞよ』

桂馬「…ディアナの?」

アポロ『念話じゃよ念話。最近漸くここまで力が戻ってきての、それで昨晩ディアナから話し掛けてきたんじゃ』

桂馬「……(まさか、今朝のお詫びとは…)」

アポロ『朝まで散々ノロケを聞かされてのう。無論かのんや宿主も恐らく眠ってた訳なんじゃが…』

桂馬「…話しは見えてきたが、眠っていたのなら関係無いんじゃないか?」

アポロ『…どうも、夢に反映したみたいなのじゃ。今朝起きて「桂馬くんが遠くに行っちゃう…」の繰り返し…そうとしか考えられんぞ』

桂馬(それもう念話と言うよりは暗示じゃないか!)

桂馬「…大体わかった」

アポロ『しかし、いくら嬉しいとは言え昨晩のディアナは少々様子が可笑しかったぞよ。まるで何か言い聞かせるようにじゃな』

桂馬「あ、ああ!あいつテンション上がって調子乗ったんじゃないか!?(マズイ!違和感に気付かれるぞ!)」

アポロ『まぁそれなら勘弁してほしいものじゃ。妾も徹夜が響いて…ふぁ~、すまん…限界ぞ……zzZ』

桂馬「……(お詫び、が何かはこれでハッキリしたな。大方今日僕がまた問い詰められるのを事前に防ごうとしたって処だろうが)」チラッ

かのん「」ズズーン

桂馬「……流石に気の毒になるぞ」

桂馬「……お、お大事に」スタスタ

かのん「……透明になりたい」ボソッ









桂馬(結局あれから、天文部に赴いたら月夜が干からびていた。あのウルカヌスでさえ沈黙させりとは……恐ろしいな。栞は欠席のようだ。後日お見舞いにでも行こう…家知らないが。A組の結は普段通りだったのが唯一の救いではある)



結『大丈夫、ちゃんと桂馬くんの愛人候補は予約済みだから!』ウィンク



桂馬(……普段通り?いや気にしたら負けだきっと)
桂馬「…その分今日もしっかり追求は逃れたが……これはお詫びと言うよりは単にディアナの暴走だろう」ハァ

一旦休憩します。
改行ミスが多いですね…気を付けねば。

再開です!荒ぶるディアナさんはもう暫く続きますがご勘弁を(笑)

・美里東高校


天理(ディアナが大変ご迷惑を…うぅ…これじゃあ足りないよね。桂馬くんにどんな顔で逢おう…)プチプチ

ディアナ『今日は一段と清々しい気分ですね、今なら最強の禁断奥義も出せてしまえそうな♪』

天理「うん…お願いだから出さないでね」

七香「おはよーさん、鮎川!」

天理「あ、榛原さん…おはよう」

七香「なぁなぁ見たで。昨日の夕方、あんた男と手ぇ繋いでたやろ?」

天理「ふぇ!///」ビクッ

七香「大人しそうにしといてやるなぁ鮎川も。彼氏やろ?なんや水臭いわー!紹介してくれてもええやろう!?」

天理「あ、う…最近…付き合ったばかり、だから…(恥ずかしい私の口からこんな…///)」

七香「何や結構かっこよかったやん!…何処かで見た覚えあるんだけど、うちの気のせいやろうか?」

天理「へ!?…さぁ(記憶は……)」

七香「ああ!別に鮎川の彼氏に気がある訳やないんやで!?うん!せや気のせいやな!」

天理「(…無いみたい)う、うん。あはは…」ホッ

七香「くぅー将棋だけやなく人生まで先を越さとるやん。羨ましいぃ!」グリグリ

天理「あ、はは…は…(何か生きた心地がしないです…私の平穏~)」グスッ

ディアナ「ふふん、そんなに羨ましがる事ではありませんよ」キィイン

天理『ふあ!?』

七香「お、なんやノロケかいな?」

ディアナ「ノロケなら沢山聞かせましょう。そう、あれは彼と再会した日の事。幼少の頃より好き合っていた私達は船の上で愛を誓い合い」

七香「幼馴染みやて!?そりゃーけったいな愛を感じるで!」

天理『ディアナ!?捏造だよ!?捏造よくないよ!?ねぇ!』

ディアナ「キスをして、育み合い、それから数々の困難を乗り越えて、愛の営みは常に欠かさず」

七香「愛の営み!?ず、随分先に進んだ恋愛しとるなぁ…」

天理『榛原さんは絶対意味を違えてるよぉ!』

ディアナ「それから今まで私達は―――!?ちょ、天理!?や、やめて下さい首は!」キィイン

七香「な、なんや急に!?落ち着きぃや鮎川!どないしたんや急に!」

天理「はぁ……はぁ……あ、あの!」

七香「は、はい!?」

天理「違うから……その、まだ…ごにょごにょ……だか、ら…///」

七香「え、えーと…?」

天理「だから…!違うからぁ…!」バタバタッ

七香「…走って行ってもうた…。自分からノロケて、恥ずかしがるて、なんや変な奴やな」

・女子トイレ


天理「うぅ…ディアナ酷いよ…どうしてあんな…」

ディアナ『勿論、桂木さんと天理の噂を広めるためですよ?』

天理「で、でもちょっとやり過ぎじゃないかな…?昨日もあの子達に朝まで…」

ディアナ『これで覆せない程の既成事実は確率されたも同然です』

天理「桂馬くんに迷惑が……」

ディアナ『まだそのような事を…それに公にしたら、桂木さんも次第に逃げられなくなります』

天理「え…?」

ディアナ『そしていずれ、彼は気付くのです。自分には天理だけだと…素晴らしい。完璧なシナリオ』

天理「そ、そんなの…ダメだよ!」

ディアナ『天理…?』

天理「その…そう言うのは……桂馬くんが決める事、だから…」

ディアナ『で、ですがそれでは何時まで経ってもあの桂木さんを落とすなど』

天理「お願い」

ディアナ『……』

天理「こんなやり方は、よくないよ…」

ディアナ『…すみません、私は少し調子に乗っていました』

天理「…ディアナが私の為を思ってくれるのは…嬉しいよ…」

ディアナ『…天理』

天理「でも、無理に手に入れた幸せは…私も桂馬くんも…」

ディアナ『…わかりました。以後気を付けます』

天理「…うん。わ、私も……ちゃんとするよう、頑張るから…」

ディアナ『天理はしっかりしてますよ』

天理「ううん…ディアナに心配掛けてばかりだから、こんな事させちゃってるんだし…」

ディアナ『それは私が勝手に…』

天理「だから…私も頑張る事に、しようかな…て…」

ディアナ『…天理なら、きっと大丈夫ですよ。天理の愛は、どんな人よりも強いものなんですから!』

天理「…ありがとう。ディアナ…」

ディアナ『いえ…今度こそ、私はお二人に全面的に任せる事にします。ですから頑張って下さい!天理!』

天理「…うん!」










天理(…って言ったけど、やっぱりちょっと不安だよ~!)

ディアナ(とは言ったものの、やはり少々不安ですね…もう少し、些細な後押しくらいはさせて貰いましょう…)

桂馬「」ピコピコ

えり「にーさま、ちゃんと皆にはフォローしたんですか?」

桂馬「まぁ一応な」

えり「その割りには、様子が変わってないように見えますが…」



歩美「」黙々昼食

かのん「」同上



桂馬「」

えり「…にーさま、実はあまりいい言葉を掛けてあげてないんじゃ…」

桂馬「う、うるさいぞ!後はお前が元気付けてやればいいだろ!今日は部活で、かのんもそっちに顔を出すって言うんだから!」

えり「それはそうですけど…」

桂馬「はい終了!ったく、どれだけ回収困難なフラグを撒き散らせて行くんだかあの女神は」

えり「?なんの事ですか?」

桂馬「何でも無い!…この分だと、ディアナのあれは続きそうだが…天理の方は大丈夫か…?」ピコピコ


長くないですが今日は以上です。

昨日は書けなかった…。

曖昧曖昧にちまちま書き溜めた分だけでも更新します!

・美里東校校門前


桂馬(何だかんだあって放課後になったが…)

天理「」チーン

桂馬「…天理が棒人形のように固まってた」

ディアナ『嗚呼、とうとう天理のキャパシティーを通り越したみたいです』

桂馬「どうするんだよこれ…立ったまま気絶とか聞いた事無いぞ」

ディアナ「仕方ありません。一時的に私が代役で活動しましょう」キィイン

桂馬「げっ」

ディアナ「…あからさまに嫌がるのはどうかと…」

桂馬「はぁ…まぁ仕方ないか」

ディアナ「そうです仕方ないのです。ですからくれぐれも"デート中にゲーム"なんてされないよう」ジトッ

桂馬「」

ディアナ(ニヤリ)

桂馬「…あーはいはい。わかったよ。じゃあ早速"ゲームが出来ない"放課後帰宅デート行くぞ」

ディアナ「随分強調しますね…」

桂馬「たくっ、とりあえずテンプレだがまた手でも繋いどきゃ、それらしく見えるか…」ギュッ

ディアナ「!?」カァア

桂馬「?」

ディアナ「さ、触らないで下さいこの狼!」ドコォ!!

桂馬「ぎゃあぁぁああ!」←壁に激突

ディアナ「女性の手を軽々しく握るなんて、なんて破廉恥な…!///」

桂馬「……僕が露骨に嫌がった訳、わかれよ」プスプス

桂馬(だからディアナは厄介なんだよ…ちょっと接触しただけで上がってしまうんだからな)血フキ

帰り道


桂馬(毎回毎回出てくる度に酷い目に合うな)

ディアナ「大体桂木さんは何時もそうです!天理を蔑ろにしておいて女の子と何時もイチャイチャと、恥を知りなさい!」

桂馬(しかもさっきから説教ばかりと。よくもまぁ言葉があれだけ出てくるな)

ディアナ「聞いているのですか!?」

桂馬「…なぁ、僕らこうして歩いてて恋人に見えるのかな?」

ディアナ「な!?」

桂馬「(ここは逆転の発想で黙らせてやる。何時までもお前のターンだと思うなよ)どう思う?」

ディアナ「な、ななナニをいきなり!知りませんそんな事!」

桂馬「そんな事じゃ無いだろ?大切な事じゃないか…お前(天理)と僕に」

ディアナ「わ、私と桂木さんに!?///」

桂馬「(わかりやすい奴め!)ああ…それにもっとそれらしい事しないと、恋人っぽく見えないかもしれないしな…」壁ドン

ディアナ「(ちち近いです近いです!)…それは…その…あう……///」

桂馬「(攻略完了!チョロいぜ女神様)例えば………こう」チュ

ディアナ「!///(キキキキスを!?)」プシュー

桂馬(…しまった。駆け魂狩りの癖でキスまでしてしまった)

天理「ん…んぅ!?///」キィイン

桂馬「(流石にやり過ぎて神罰は怖い)…すまん、つい…」

天理「け、桂馬くん!?」

桂馬「………え、天理…なのか…?」

天理「ディアナが急に意識飛んで…気付いたら…あ、あの、あの…キス…」

桂馬「」

天理「はう///」バタン

桂馬「て、天理ー!?」

それから


桂馬「なんで僕がこんな目に…」

天理「」プシュー

ディアナ『』ショウテン

桂馬(結局二人とも気を失って僕がおぶる羽目に…最近自業自得で損する事多くないか?)

桂馬「おい天理、いい加減目を覚ませ」

天理「あぅー…」ダラーン

桂馬「…ゲームシタイ」

ハクア「あれ…桂木?」

桂馬「…ハクア、か?久しぶりだな」

ハクア「ちょっと!帰ってきてるなら連絡くらいしてよ!私あれからお前と……あれ?あと一人…」

桂馬「(…そう言えば、エルシィの存在って地獄側はどうなってるんだ?学校や家では最初から僕の妹扱いになってたし)一人?エルシィの事か?」

ハクア「エルシィ?…誰よそれ」

桂馬「僕のバディーであり義妹だよ」

ハクア「はぁ?アンタの妹は桂木えりでしょ?何故か地獄の事知ってて色々協力してくれた……あれ?」

桂馬(やはり…記憶改竄か。このままだと矛盾で混乱を招きそうだな)

ハクア「えっと…ほ、ほら!私も何だかんだ仲良かった筈……なんだ、けど…」シュン

桂馬「悪い少しからかってみた」

ハクア「は、はぁ!?何よそれ!ややこしくなって困惑したじゃない!」

桂馬「だから悪かったって。そうだよ、えりは僕の妹で……お前の親友、だろう?」

ハクア「えっ…あ、うん…そう…親友よ、親友…」

桂馬「それでいい」

ハクア「…それよりお前、背中のそれはなに?」

桂馬「…見てわからないか?」

天理「」

ハクア「いや、わかるけど…どうしてそんな状態なのかって聞いてるのよ」

桂馬「いや、ちょっと訳があって…」

ハクア「……怪しい」ジトッ

桂馬「うっ…それより僕の家来ないか?偶にはエル――えりが逢いたがってそうだし」

ハクア「お前の?…まぁ別に暇だからいいけど…」

桂馬「さ、さぁ決まったならとっとと行くぞ!(よし、誤魔化せた!)」

ハクア「ちょっ、わかったから押さないでよ!それに本当に大丈夫なのこいつ!?」

天理「ぷゅぅ…」ヘナヘナ

桂馬「問題ない!僕ん家に運んで休ませるから!」

ハクア「変な事したりしたら承知しないわよ!」

桂馬「しねーよ!」

ハクア「私にもよ!」

桂馬「だからしないって!お前の身体は何度か見たが全く反応しなかったし安心しろ!」

ハクア「からだ…っ!?し、[ピーーー]ー!」

桂馬「ぎゃぁぁあああ!」本日二度目

・カフェ・グランパ


桂馬「ただいまー…って、誰も居ない。鍵掛かってたし出掛けたのか?」

ハクア「ここも久しぶりだなー…」

桂馬「とりあえず天理を座らせてと」

天理「」気絶中

ハクア「相変わらず女の子を蔓延らせてるのね」

桂馬「変な言い方はやめろ」

ハクア「ふん!大体この子が気絶したのだって、どうせお前絡みでしょ!」

桂馬「いやそれは」

ディアナ「私から説明しましょう」キィイン

ハクア「!?」

桂馬「ディアナか…起きたのか?」

ディアナ「はい。…そして桂木さん、先程はよくもやってくれましたね?」

桂馬「」

ハクア「ちょっとお前!もしかして女神の方?」

ディアナ「はい。お久しぶりですねハクアさん。今はこの薄汚い最低男を粛清するので話しは後で」

桂馬「ま、待てディアナ!話せばわかる!」

ディアナ「待ちません」

ハクア「ちょ、ちょっとどういう事!?いきなり粛清って言われてもわからないわよ!」グイッ←桂馬を抱き寄せ

桂馬「うわっ!」

ディアナ「むっ…貴女には関係がありません。これは私と天理と桂木さんの問題ですので」グイッ←桂馬を奪い取り

桂馬「ぼ、僕にさわるなお前ら!」

ハクア「そんな言い方するわけ!?どうせお前が短気に突っ掛かっただけとか、そんなでしょ!」グイッ

ディアナ「貴女に短気と言われたくありませんよ!大体桂木さんがあんな…あんな事を…///」

ハクア「なんで顔赤らめてんの!ちょっと桂木一体なにしたの!?」

桂馬「僕の話しを聞け!」

制裁終了後


桂馬「もうヤダこんな生活」ボロボロ

ディアナ「乙女の純情を弄んだ罪です」

ハクア「当然よ(まぁ桂木のこれは慣れたけど)」

桂馬「くそー!やい愚妹!お前が僕を売ったからだぞ!」ポカポカ

えり「えーんごめんないー!何か楽しかったんですもんー!」

ディアナ「人の所為にするのは良くないですよ」

桂馬「お前が言うなよ!」

ハクア「はぁ…何か相手するのも疲れちゃった。今日もう帰るわよ」

えり「へ?もう帰っちゃうんですかー!?」

ハクア「ちょっとこの後用があるのよ。それにあんまり遅いと雪枝が心配するし…」

えり「うぅ…残念ですが、仕方ありませんよね…」

ハクア「もう…別にまた今度一緒に遊んであげるわよ。そこの馬鹿もね」

えり「本当ですか!?わーいわーい!」

桂馬「いや僕はギャルゲーやるからパス」

ハクア「…ま、いいわ。それじゃ、とにかく元気そうで良かった。お前も」

ディアナ「いえ、貴女こそ変わりないようで何よりです」

えり「また、またですよ!絶対!」

ハクア「はいはい。また来るわ」キーバタン

桂馬「……良かったな。また遊べて」ピコピコ

えり「え?……はい!」

ディアナ「帰った途端またゲームですか…」

桂馬「これが僕の酸素なんだよ」ピコピコ

ディアナ「…はぁ、もういいです。天理も目が覚めたようですし、一度代わりましょう」キィイン

天理「ふぇ?あれ、いつの間に…」

桂馬「それより時間。今日家で飯食べるんだろ?一度家に帰らなくて大丈夫なのか?」ピコピコ

天理「あ…!いけない…そうだった…」

えり「今日はお母さま方が腕によりを掛けて作るみたいですよ!天理さん楽しみにしてて下さいね!」

天理「う、うん…楽しみに、してる…」

桂馬「赤飯に腕によりをって…。というかお前が作る訳じゃ無いんだから仕切るなよ」セーブット

えり「ぶーっ!にーさまがお料理させてくれないからじゃないですかー!」

桂馬「ふん」プイッ

天理「あはは……あ、じゃあ私行くね?」

桂馬「ああ」

えり「また後でー!」

天理「えっと…桂馬くん、今日はディアナの相手してくれてありがとう…きっと喜んでるよ…」

ディアナ『ちょっと天理!それではまるで私が桂木さんと逢いたがってるみたいじゃないですか!』

天理「わわっ…ディアナバタバタしないで…そ、それじゃあね!」スタスタ

ディアナ『違いますから私は別に――――』

桂馬「…何なんだよ全く」

えり「モテモテですねーにーさま」ニヤニヤ

桂馬「……知るか」

それから更に夜


麻里「もう家の桂馬ったら食事中までゲームで、ごめんなさいね鮎川さん」

天理母「いいのよ別にー。天理も相変わらず無愛想で全くねー」

桂馬「」聞き流し

天理「」黙々と食べてる

麻里「いえいえなんなー。結婚したらきっと天理ちゃん苦労しちゃうわよ」

天理母「やらやだ話しが早い!天理も、将来桂馬くんにちゃんと料理作ってあげれるよう練習しなきゃねー?」

桂馬(早く食べて逃げたい)

天理(早く食べて、部屋に籠りたい)

えり「大丈夫です!天理さんが立派なお嫁さんになるように私も協力しますので!」

麻里「まぁえりちゃん!もう義妹気分なのかしら?」

天理母「えりちゃんは本当にいい子ねー。これからも家の天理ともども更に宜しくね?」

えり「お任せください!」エッヘン

天理「ふぇぇ~…」

桂馬(そして意外だったのは、地獄の食材を使わないエルシィの料理は普通に美味かった事だ…)

桂馬「…サラダと唐翌揚げしか作ってないけど」

麻里「」ワイワイ

天理母「」ウフフ

えり「」キャッキャッ

桂馬「…あれ、これ結構後戻り出来ないんじゃないか?」ブツブツ

レス順間違えました!>>74>>75の間に>>79が入ります!

ディアナ「花も恥じらう乙女に…公の場で…キ、キ、キスなど…!///」

ハクア「やっぱ[ピーーー]ー!」バキッボカッ

桂馬「何でこうなる……」ボロボロ

ディアナ「元は貴方がいけないのでしょう!」ドカッ

桂馬「ぐはっ!…い、いい加減にしろよお前ら」

ディアナ「黙りなさい」

ハクア「このクズ」

桂馬「……」

えり「ただいまですにーさま!もう帰っていたんですね!」

桂馬「エルシィ!うぇーん助かったよ~怖かったよ~!」

えり「え!?ど、どうかしたんですかにーさま!?」

ハクア「またエルシィって…なんなの?えりに向かって」

えり「ハ、ハクア!?」

ハクア「?何よそんな驚いて。確かに久しぶりに逢うけど…」

えり「え…あ!そ、そうですね!お久しぶりです!(記憶が変わったのを忘れてました!)」

ハクア「変なえり。…それより兄貴借りていい?色々問い質したいんだけど」

桂馬「い、嫌だ!どうせ僕を痛め付ける気なんだろ!?」

ディアナ「安心して下さい。あと二発で許してあげますから」

桂馬「二発も!?た、助けてくれエルシィ!」

えり「もーにーさま、私はえりですよ!あ、それとはいハクア!ディアナさん!にーさまあげます!」

桂馬「酷い!」

ハクア「ありがとう」

ディアナ「では…」グイッ

えり「にーさま頑張って下さい!(うぅーまだこの見慣れた光景を見れるなんて…懐かしい感じで感動します!)」

桂馬「裏切りものぉーーーー!」

書き溜めは以上です!順番間違えてすみません…。
纏まった時間にまた更新します!

着々と天理に攻略されてるなwwww
あとハクア出てきてグッときた

再開します!誤字やら何やら色々酷いので気を付けねば…。

>>82

ハクアはどうしても出したかったので、少し無理矢理な設定になりました。恋愛云々無しに、エルシィ(えり)とは何時までも友達で居てほしい…。

麻里「早く孫の姿が見たいわ~」

天理母「あ、今私も同じ事思ったわ!」

桂馬「」

天理「っ!?ゲホッ、ゴホッ…~~~っ!も、もうお母さん…!」

天理母「あらやだ、もしかして照れてるの?」

天理「当たり前でしょ!」

麻里「天理ちゃん可愛い~!」

ディアナ『天理、親の願いを叶えてあげるのも子の勤めですよ』

天理(ディアナは黙ってて…!)

えり「にーさま、子供の名前は是非私に考えさせて下さいね!って痛い痛い!無言で頭グリグリするの止めてください~!」

桂馬「次馬鹿な事言ったら、部屋にある消防車全部捨てるからな」

えり「それは困ります!にーさまがゲームを無くす位同じで泣きます!」

桂馬「消防車の玩具とゲームを同じ価値にするな!」

麻里「おい桂馬!食事中に席を立つなんて行儀が悪いだろ!」

桂馬「この愚妹が可笑しな事言うから!」

麻里「いいから、す・わ・れ」

桂馬「……」着席

天理母「桂馬くんとえりちゃん、相変わらず仲がいいわね~!」

桂馬「誰がこんな…」

麻里「それより桂馬!まだ大事な事を天理ちゃんにして貰ってないでしょ?」

桂馬「は?」

麻里「あーんよ、あーん」

桂馬「ぶっ!」

天理「ッ!?」

天理母「そうよ天理!恋人ならあーんの一つもしてあげなきゃ!」

桂馬(こ、この母親どもは…!)

えり「天理さん!まずは唐翌揚げからいきましょう!」

天理「ふぇえ…」

天理母「ほら早く!」

桂馬「お、おい皆…流石に天理が困ってるだろ(天理にそんな度胸も無いだろうしな)」

天理「……(そ、そうだ…ディアナに頑張るって言ったんだから…や、やらなくちゃ…!)け、桂馬…くん…」箸で唐翌揚げ摘み

桂馬「!?」

天理「あ…あーん…///」

桂馬「なん……だと…」

麻里「お、ついにきたか!」

えり「ふゅーふゅー!」

天理母「微笑ましいわ~」

桂馬「……」

天理「あ、あう…あの……やっぱり、嫌…だよね…」

桂馬「…」パクッ

天理「ふぇ!?」

桂馬「」モグモグ

麻里(おお!)

天理母(キタコレ)

えり(あのにーさまが大人しく食べた!?)

桂馬「ん……美味いよ」ゴクップイッ

天理「え…あ……うん…(は、恥ずかしい…)」

桂馬(くそっ、やるじゃないか…現実)

ディアナ『おや…これは……かなりいい感じなのでは?』

麻里「写メ送信っと」

桂馬「やめろ」

天理母「早速パパに報告を…」

天理「」プシュー

えり(もう早く結婚しちゃえばいいのに)モグモグ



それから暫くは親達に冷やかされながらも夕飯を終えて、天理達が家に帰ったので僕は早々にマイルームへ逃走。時は既に深夜。



桂馬「ロードだ!」

桂馬「ロードロードロードロードロード!」

桂馬「コンティニュー!」

桂馬(落ち着け僕、相手は現実だぞ!ゲームの世界に逃げるんだ、早くいくんだ!)ハァハァ

桂馬「ジーク、ギャルゲー!ジーク、ギャルゲー!」

桂馬(ふっふっふ!憎きリアル連邦軍め!ギャルゲーはまだ10年は戦えるぞ!)

桂馬「今夜は徹夜だ!落とし神モード、発動!!」カタカタカタカタカタッ


えり「にーさまうるさいですぅ…私もう眠いですよ~」ウトウト

桂馬「ギャルゲー粒子、完全解放!ヒロインよ今飛び立て!セーブッ!!」

えり「……にーさまがついに壊れました」

桂馬「あはははは!」カタカタカタカタカタッ!

一方鮎川宅


天理「今日は…頑張ったな……もう限界」バッタリ

天理「」スースー

ディアナ「天理ったら、また布団にも入らずに」キィイン

ディアナ(まぁ今日は、大変でしたけど天理も頑張りましたし…)

ディアナ「…それにこのまま順当にいけば、桂木さんは天理の……」




ウルカヌス『おい、聞こえておるかディアナ』


ディアナ「!ね、姉様!?聞こえています!」

ウルカヌス『うむ。昨晩はよくもまぁ絶えずノロケを続けてくれたな』

ディアナ「そ、それは」

アポロ『まぁ良いではないかウル姉!』

ディアナ「ア、アポロ姉様まで…」

アポロ『あんなはしゃいだディアナは久々じゃ、一回位大目に見てやろうぞ!』

ウルカヌス『…我も別にもう気にしておらん』

ディアナ「うぅ…お恥ずかしい限りです…」

アポロ『それよりなんじゃ、一度舞島校の天文部部室まで来てはくれんかの?』

ディアナ「え…それは何故でしょう?悪魔の件、では無さそうですが…」

ウルカヌス『それは暫く問題なかろう。なに、来ればわかる事だ』

ディアナ「はぁ…」

ディアナ(とりあえず…行ってみましょうか)

ディアナ「わかりました。翼で飛んで行きます」

ウルカヌス『待っておるぞ…』

・天文部部室


ディアナ「ウルカヌス姉様、アポロ姉様?ディアナです。只今到着しましたが……」

「よし、引っ捕らえろ!」
「「「「おう!」」」」

ディアナ「!?(光の輪!拘束された!?)」

ウルカヌス「良く来たなディアナ…歓迎しよう」

ディアナ「……とてもおもてなしとは程遠い歓迎のようですが…」

マルス「抜け駆けをするのが悪いのだ」

アポロ「ちぃーっとばかり自由は奪わせてもらうぞよ!」

ミネルヴァ「わ、私は…止めた、んだけど…」

メリクリウス「zzZ」

ディアナ「メリクリウスとミネルヴァは……まぁいいです。マルス貴方まで…昨晩の件でしたら謝りましたよ?」

ウルカヌス「そうでは無い。いや、寧ろその件で事の不自然さに気付いたのも過言ではないが…」

ディアナ「…え?」

アポロ「妾達も今日考えておってのう。ムコ殿とディアナの宿主の娘が付き合ってる件じゃ」

ディアナ「そ、それは事実ですよ。それとも、私を拘束した目的は桂木さんですか?」

アポロ「いやー違うぞよ」

ウルカヌス「寧ろその事実が、怪しいから今しがた貴様を拘束したのだ。よいか、これは尋問だぞ?」

ディアナ「うっ…姉様方がなんと言おうと、事実は曲がりません」

マルス「ほーう。しかし最近、結は新たな特技を会得したのだけど…」

ディアナ「?」

マルス「本当は桂木相手にスキンシップの意味を込めて練習したと…」

ディアナ「さ、先程から一体何を言ってるのですかマルス?」

マルス「擽り地獄、はご存知ないかな?」

ディアナ「!?」

アポロ「よーし者共、かかれー!」

マルス「失礼するぞ!」

ディアナ「あ、あはははは!や、やめてぇ…!やめてくだしゃぃぃい!」

アポロ「うらうらぁ!吐く気にならんかー!?」コチョコチョコチョ

ディアナ「ひぃっ!ちょ…ま……!」ブルブル

マルス「此処ですか?此所が弱いのですか!?」アシノウラコチョコチョ

ディアナ「わ、わかりました!話します!ですからどうか!」

アポロ・マルス(チョロいぞ!)

ミネルヴァ「だ、大丈夫…?」

ディアナ「はぁ…はぁ…天理が起きたらどうするのですか…」

ウルカヌス「案ずるな。宿主が起きないように部屋に術はかけておる」

ディアナ「…此所へ呼ばれた時点でハメられたと気が付くべきでした」

アポロ「じゃあ早速話すぞよ!大体の検討はついておるのじゃが…」

ウルカヌス「アポロ以外は最初から怪しんでいたがな…」

アポロ「妾は巫女じゃ!そして馬鹿ぞよ!」

マルス「自分で言うのはどうかと思うぞ」

ディアナ「くぅ…」

それから今までの事を包み隠さず話したディアナ。



マルス「やはり桂木の策だったか」

ウルカヌス「おのれ桂木!どこまで我々を愚弄すれば気が済むか!つくづく最低だぞ!」

アポロ「妾は今更だと思うぞよー。かのんとて、承知で桂木桂馬に惚れとるんじゃからなぁ」

ミネルヴァ「し、栞も…」

ウルカヌス「うぬぬっ!しかし桂木の阿呆には神罰の一つでも当てねば気がすまぬ!」

アポロ「お、やはりウル姉は桂木争奪から降りるぞよ?」

ウルカヌス「そうは言っていない!それに月夜の想い人をどう決めるかは月夜次第だろう!」

ディアナ(すみません天理、桂木さん…私に力が無いばかり…いえ3対1では勝ち目なんてありませんよ…)

ミネルヴァ「じゃあ、まだチャンスは…!」

ウルカヌス「いや、その点はあまり見込めないと思うがな…」

アポロ「どうしてじゃ?」

ウルカヌス「ディアナよ、時にこの偽装恋人ごっこはどこまで広まっている?」

ディアナ「は、はい。まずは私達とその宿主、桂木さんの妹さんに、ハクアという悪魔とドクロウさん、天理の両親と桂木さんの母親という処でしょうか…ああ、それから天理のクラスメイトの榛原さんも」

ウルカヌス「」

アポロ「」

マルス「」

ミネルヴァ「」

メリクリウス「zzZ」

ディアナ「い、以上です。後は桂木さんの私が知らないお知り合いなどももしかすると…?」

ウルカヌス「ほぼ関係者全員ではないかー!!」

ディアナ「そ、そうなりますね」

アポロ「良くもまぁ、短期間でこれだけ広まるもんじゃなぁ…」

ディアナ「一応、桂木さんがそれらしく見せる為に色々してますから…」

ウルカヌス「それもう後戻り出来るのか?桂木のやつ、完全に策に溺れ自爆している気がするぞ」

マルス「まぁ本来、桂木は宿主を諦めさせるのが目的ではあったが…」

ディアナ「いえ、私としては是非桂木さんには策に溺れて頂きたいと…」

女神達「黙らっしゃい!」

ディアナ「!?」

マルス「大体、宿主をさしおいて自分が惚れてるのによくもまぁ」

アポロ「前にも言ったが一番不道徳は間違いなくディアナぞよ!」

ミネルヴァ「あう…あの、そこら辺に…」

ディアナ「ええ悪いですか!?大体これもそれも天理が引っ込み思案だから、私が桂木さんと多く接する機会があるのがいけないんです!あんなに親密になったら誰でも好きになってしまうでしょう!!」

ウルカヌス「ひ、開き直りか…」

アポロ「マジで大胆じゃなー…女神とて墜ちかねん大胆さじゃ」

ディアナ「い、今は私の事は関係ありません!これは天理と桂木さんの問題」

マルス「まぁ仮に姉上の宿主が桂木とくっついたら、自分もセットでついていけるからなー…なんだ、夜のお相手は交代制か?」

ディアナ「そ、そのような不潔な事考える訳無いでしょう!」

ウルカヌス「よさぬか!今はディアナの惚れた落ちたをどうこう言ってる場合では無いのは確かだ」

ディアナ「い、いじめですか?」

メリクリウス「でも実際…結構後戻り出来ないとこまで来てるし、確かに後は桂木達次第だろう」

アポロ「おおー!起きたかメリクリウス!」

マルス「確かに一理あるが…」

メリクリウス「宿主には話さない方がいいな」

ウルカヌス「そうだな…話しても余計に騒動が大きくなるだけだ」

ミネルヴァ「うん…栞には、黙っておく…」

ウルカヌス「しかしディアナよ、本当に大丈夫か?事と次第によっては、桂木とお前の宿主が納得しない結末になるかもしれないぞ」

ディアナ「…はい、それは天理もわかっています。私はただ、天理が幸せに辿り着くよう見守るだけです」

メリクリウス「ま、そういう事。それに歩美にも、まだチャンスあるかもしれんしな」

ミネルヴァ「栞も…!」

ウルカヌス「……ロクでもない事になったが、話しは以上だ。後は各自で考えよう。解散!」

ディアナ(なんとか公になるのは避けましたが…本当に大丈夫でしょうか…)


不安を抱えながらディアナ、それに女神達は宿主の寝床へと帰っていく。

・桂馬の部屋


桂馬「何故だ…どうしてこの僕が……」


『ごめんなさい、私桂馬くんとは別れる。やっぱり幼馴染み以上にはなりないんだよ…』破局END
『海外で本格的に陸上やるから留学するんだ…だから、バイバイ』離別END
『桂馬くん、私…やっぱりアイドルの方が大事!』仕事優先END
『わーははは!君にはやはり女装がお似合いだよ!』女装END
『最低なの!二股なんて!』『○○を悲しませたな!おのれぇ!貴様は望遠鏡に殴られて逝けー!』悲しみの向こうEND
『やっぱり本だけが私のすべて。貴方とはこれっきりよ』BOOKEND


桂馬「一つもエンディングに辿り着けない、だと!?」ガーン

えり「zzZ」

桂馬「大体なんだ!主人公がヒロインにやられるエンディングは!クソゲーも大概にしろ!」プンプン

桂馬(まずい…人生始まって以来のスランプだ…しかも何でヒロインがピンポイントなんだよ)

桂馬(…僕はただ、平和にゲームがしたいだけなのに…)

桂馬「…天理はゲーム許してくれたんだ。何を迷う必要がある!」

えり「zzZ」

桂馬「……」

桂馬(もう一体僕にどうしろって言うんだ…)

今日はここまでです!

桂馬が葛藤するシーンを入れたいばかりにギャルゲーをスランプにしてしまった…許して桂木さん。

乙!
楽しんでるよ
ただ細かいようだけどメリクリウスじゃなくてメルクリウスだな

>>97


本当だ!原作読んで確認しました!ご指摘ありがとう御座います!
以後メルクリウスに変換します。

メリクリウスでトラウマえぐられて再起不能になりかけてます
ダダ甘成分を補充してくださいお願いしますなんでもまいじま

とりあえず書き溜めを更新します!

>>99

ええ!?一体どのメリクリウスがトラウマを…。
ダダ甘は…もう暫くお待ちください(汗)

翌朝


桂馬「……」ピンポーン

「は、はい!今出ます…!」ガチャ

天理「どちらさ――け、桂馬くん!?」

桂馬「やあ、天理…おはよう…」ピコピコ

天理「ど、どうしたの…?凄い隈だけど…」

桂馬「はは…何でも無いさ…ちょっと1年(一晩)ばかりギャルゲー戦争をしてただけで…」ピコピコ

天理「せ、戦争…?」

桂馬「敗戦続きなんだ…」ピコピコ

『こうして桂馬は、今年も独りの冬を過ごす事になった』END

桂馬「」チーン

天理「」

桂馬「…学校、行こうか……あはは…学校学校~…」カチッ

天理「う、うん…」

桂馬「」フラフラ

天理「……」

天理(桂馬くんがゲームでこんな状態になるなんて、始めて見た…ディアナも今朝は珍しく寝坊、だし…。二人に何があったんだろう…?)

天理「あ、あの…桂馬くん…やっぱり今の状態、重荷なんじゃ…」

桂馬「な、何言ってるんだ…」

天理「その…無理に一緒に居なくても…」

桂馬「それは駄目だ!」

天理「!?」

桂馬「あ……すまない…。僕は大丈夫だから、これからも一緒に居てくれ…」

天理「え…///」

桂馬(あー本当に何を言ってるんだ…天理にこんな事言うなんて、僕も末だな)

天理(やっぱり様子がおかしいけど……何か、してあげられないかな…)

桂馬「」ピコピコ

天理「……」プチプチ

桂馬「」ピコピコ

天理「……」プチプチ

桂馬「…なぁ、天理」

天理「ひゃ、ひゃい!(か、噛んだ…)」

桂馬「人って、どうして簡単にエンディングに辿り着けないのかな…」ピコピコ

天理「え…?」

桂馬「どいつもこいつも、僕の筋書きを全く無視だ…最近多いんだよ、こういうクソゲー。まるでリアルと同じだ」

天理「……」

桂馬「折角、駆け魂狩りとか女神とか…色んな柵から解放されたのにな」

天理「えっと…多分、ゲームの話し…じゃ?」

桂馬「そう、ゲームなんだよ。事の顛末も、その先も全部、攻略の一部だ。…なのに現実は、何時も僕から自由を奪っていく…」

天理「……」

桂馬「もっとわかり易く言おう。ゲームさせろよもう…」ハァ

天理「…私は、ゲームしてる桂馬くん…好きだよ?」

桂馬「…天理?」

天理「(勇気を…出せ私…!)ん…///」チュ

桂馬「ん!?///」キスされ

天理「……これが、私の…気持ちです///」

桂馬「……っ」

天理「そ、それじゃ…私学校に…!///」

桂馬「……天理!」

天理「ふぇ!?」

桂馬「……お前の気持ちは、なんとなく解っていた。だから今、応えるぞ」















桂馬「僕と天理との未来は…ない」













天理「……え…?」

桂馬「僕とお前は…いずれ別々のルートをいく。だから……ごめん」

天理「…うん。私…学校…行くね!」スタスタッ!

桂馬「……」

曲がり角


天理「そんなの…そんなの、わかってた…事…だよ……」ポロッ

天理「…どんなに頑張ったって…桂馬くんは、私に…好きなんて…無いもん…」グスッ

天理「だって桂馬くんは……」






天理「誰も好きじゃ、無いから…」ポロポロッ









ディアナ『………』

・舞島校


歩美「おっはよーえりー!」タッ

えり「あ、おはよう御座います歩美さん!すっかり元気になったみたいで何よりです!」

歩美「あはは…落ち込んでるとか私らしくないしね!てか!別に落ち込んでなんか無いし!」

メルクリウス『良く言うよ。飢えた魚みたいな目してたのに…』

歩美(ちょっとメル!余計な事……あれ?アンタがこんな時間に起きてる?)

メルクリウス『……あ、ホントだ』

桂馬「」バンッ

えり「わわっと…!」

歩美「おっと…えり大丈夫!?こらー桂木!ぶつかったんだから謝りなさいよ!」

桂馬「すまん」ピコピコ

歩美「何よあの態度ー!やっぱ桂木って最低!」

えり(にーさま…?)

メルクリウス『…桂木、何かあったのか?』

歩美「ふん!どーせゲームのし過ぎでボケッとしてただけでしょ!」

えり「確かに昨晩は夜通しゲームしてましたが…」

ちひろ「お、えりに歩美じゃん。おはよーさん」

結「うーん…何か今日はやけに身体疲れてるな…」

えり「あ、おはよう御座います!ちひろさん!結さん!」

歩美「おはよ。結、あんた随分疲れてない?」

結「そうなんだよ。今朝起きたらマルスも眠そうにしてたし…」

歩美「何かあったんかなー?」

えり(…にーさま?)

にーさまはそれからも何処か上の空でした。授業中にゲームをしているのは相変わらずですが…何時もと様子が違う気がします。
あ、それから室長―――二階堂先生が職場復帰しました!それがなんか、用事が全部片付いたみたいでまた舞島校高等部の2年B組の担任になられたんですが…。

それと速報!なんとかのんちゃんが今年は紅白、ていう凄く有名な番組に出るそうです!私もちひろさんも、歩美さんやクラスの皆はその話題で大盛り上がりです!かのんちゃんも何だかんだ元気になったみたいで良かったです。

私は最近、ハクアと良く逢うようになりました。二度と戻らない関係だと思いましたから…今、すっごーく幸せです!これもにーさまのお陰ですね!

にーさまに頼まれて、月夜さん、栞さんの様子を見に行きました。二人とも何時の間にか仲良くなったみたいで、以前にも増して明るくなったみたいです!やっぱり友達は大事だなーって思います。良かったですね、栞さん!月夜さん!
……偶に結さんが、そんなお二人を冷やかしに来るのですが。所で結さんの言っていた百合?と言うのはなんでしょう…にーさまに聞こうにも、今日もにーさまは上の空です。

あ、それと一つの行事がありました。ハッピーハロウィン!……なんか楽しくありませんでした。

天理さんは……あれから夕食をご一緒したあの日以来逢ってません。正確には、にーさまと一緒に居ません。12月に入って何回か見掛けたのですが、一人でプチプチを潰してました。前髪も最初に逢った時みたいに伸びて目が隠れてました。折角可愛いのに、勿体ないなー。

……にーさま達、どうしたんでしょう?

・12月14日


えり「にーさま!今日も天理さんと一緒じゃないんですか!?」

桂馬「追い掛けてきたのか、えり?」

えり「最近態とにーさまと一緒に登校しないで後を見ていたのですが、天理さんと一緒の処を全く見ません!可笑しいですよ!」

桂馬「別に変じゃ無いだろ…最近天理は忙しいんだろ?」

えり「…なら、本人に直線聞きます。おはよう御座います天理さん♪」電柱の物陰に顔出し

天理「ふぇ!?」

桂馬「……」

えり「最近、にーさまと一緒のとこを余り見掛けませんから心配していたんですよ!」

天理「そ、そう…」オニギリ手に

えり「なので、今日は三人で一緒に登校しましょう!勿論いいですよね?にーさま!」

桂馬「…勝手にしろ」

天理「……」

えり「ありがとう御座います♪あ、そのおにぎり美味しそう!」

天理「えっと…朝ごはん、だよ…」

えり「一口頂いてもいいですか!?」キラキラ

天理「……うん…お腹空いてない、から…全部あげる…」

えり「わーいにーさま!天理さんのおにぎりですよ!羨ましいですかー?」

桂馬「別に」ピコピコ

えり「でもにーさまにはあげませーん!これは私が貰ったんですから!」

桂馬「…お前何がしたいんだよ」

えり「べつにー、最近妹を疎かにして恋人の天理さんに素っ気ない事なんて、全然気にしてませーん!」

桂馬「……」

天理「」アワアワ

えり「中身は鮭でした!美味しいですー!」

天理「お、美味しい?良かった…」

えり(んん?この反応、もしかしてこのおにぎり天理さんが…?)

桂馬「…お友達同士、仲良くやってろよ。僕は付き合いきれない」

えり「と、突き放して苛々させてからのゲンコロ!」おにぎりをにーさまの口に突っ込み

桂馬「んぶぅ!?」

天理「桂馬くん!?」

桂馬「ごくっ……何すんだこの元悪魔!危うく僕の顎が幻想よりも先にぶっ壊れるとこだったぞ!」

えり「美味しかったですか!?」ズイッ

桂馬「ぐわっ!な、何が……」

えり「美味しかったですかって!」グイグイ

桂馬「うわっ、やめろ馬鹿!急に突っ込まれたから味なんて良くわからなかったよ!…まぁ塩味が調度良くて、美味ではあったけど……」

えり「そうですかー♪」

天理「あ、あの…エルシィさん!」

えり「えるしぃ?はて誰かは知りませんが…はい、なんでしょう!」

天理「…え、と……ありがとう、えりーちゃん」

えり「えへへ、どう致しまして!」

桂馬「…何なんだよ。たく…」プンスカ

書き溜めは以上です!また後程来ます!

再開します!

・舞島校2-B


ちひろ「おーおはよエリー」

えり「おはよう御座いますちひろさん!」


「ねえねえ、今年はどうする?」
「あー私彼氏と回ろうと思うんだ」
「あんたいつの間に彼氏が!?」


えり「んー、何やら騒がしいようですけど、何かあったんですか?」

ちひろ「ああきっとクリスマスの事だよ。毎年舞校はクリスマスパーティーがあるのさ」

えり「パーティーですか!?ハッ、そう言えばもうすぐクリスマスなのをすっかり忘れてました!」

ちひろ「どうせアタシらは今年も女子で回るから楽しみ半減だけどさー」

京「もー、それじゃあ私達と回るのがつまらないみたいじゃん」

ちひろ「ち、違う違う!悪かったて京!」

京「どーだか」

歩美「」ガタッ

京「今年はえりーも居るし、どうせ歩美も……あれ、歩美?」

歩美「」スタスタ

えり「歩美さんどうしたんでしょう?」

ちひろ「何かオタメガの席に行くように見えるんだけど……」

歩美「桂木」

桂馬「ん、なんだ」ピコピコ

歩美「アンタ今年のクリパ、私と回りなさい」

桂馬「……は?」

一同「えぇー!?」

桂馬「嫌だ、べんべん」

歩美「どうせアンタ独りなんでしょ?なら私と回れっつーの!」

桂馬「…べ、別に…一人とは限らない」

歩美「ふーん…」

えり(あわわ!なんか知りませんが歩美さんとにーさまが変な雰囲気です!)

京「歩美ちょっと変じゃない?あんな顔怖くして…」

ちひろ「んー…」

桂馬「て、天理…天理が今年は家のクリパに来るから…一緒には回れない」

歩美「…あっそ。ならいいや」スタスタ

桂馬(…妙に去り際が早いな)

京「ど、どうしたのさ歩美?オタメガなんか誘って。それにアイツ確か彼女居たよね…」

歩美「別にー。単なる気まぐれ。つー訳で、今年もアンタ等と回るよ」

ちひろ「それは構わんけどさー…」

桂馬(…何か勘付いている様子だが、まさかな。この事実は僕と天理しか知らないし…)ピコピコ

桂馬「ああ、そう言えば最近一緒に帰ってないっけ…まぁ断れたからどうでもいいけど」ピコピコ

えり(にーさま…)

更に日が経ち12月20日の昼休み

・屋上


えり「もう我慢なりません!にーさまも天理さんも様子が変です!」

桂馬「うるさいな…ゲームしてるんだから静かにしろよ」ピコピコ

えり「いいえ!今日という今日ははっきりと聞かせて貰いますよ!」

桂馬「…別にいいだろ。お前には関係ない」ピコピコ

えり「良くないです!今から天理さんに逢いに行きますよ!」グイグイ

桂馬「おいこら引っ張るな!PFPが落ちる!」

えり「いっそ壊してでも逢いに行かせますぅう!」ギギギギ

桂馬「だぁー千切れる千切れる腕がー!」

「その必要はありません」

えり「ほえ?あ!天理さん!…じゃない?輪っかがあると言うことは、ディアナさん…?」

ディアナ「はい。お久しぶりです、エルシィさん。桂木さんも」

桂馬「……で、僕に何の用だ?天理をフッた事は…正直謝れないぞ」

えり「え!フッた!?どうしてですにーさま!」

桂馬「だからやかましい!説明は後だ!」

ディアナ「いえ、今日は別に責めに来たわけではありません。それと…説明は私からさせて貰います」

えり「え、ディアナさんから…?」

ディアナ「はい。宜しいですね?」ジッ

桂馬「…勝手にしろ」

えりに事の成り行きを説明中。


えり「えーっと…つまりにーさまと天理さんは皆を遠ざける為の偽の恋人で…それがなんだかんだ上手くいってない状況?」

ディアナ「概ねそんなところです」

桂馬「もう付き合わせる気は無いし、話しは終わりでいいだろ」

えり「にーさま…それって、天理さんに気を遣ってですか?」

桂馬「お前、さっきの話しをどう聞いたらそうなる?僕は天理を散々利用して捨てた男だぞ」

えり「でもそうとしか考えられません!利用するならもっと違うやり方だってある筈です!」

桂馬「……」

ディアナ「…はぁ、どうせ天理の気持ちに答えられずに、このまま恋人を演じるのが後ろめたくなって別れた。こんなところでしょう…」

桂馬「ふん、面白い筋書きだな。そんな低レベルの話し誰でも作れるぞ」

ディアナ「……全く、変なところで律儀なのですから…」

えり「確かに」

桂馬「おい、僕の話しを聞け…」

ディアナ「聞きません。それに今日は、そんな事を言う為に来たのではありませんから」

桂馬「は?」

ディアナ「聞けばこの学校には、近々クリスマスパーティーがあるそうですね」

桂馬「…それがどうした」

ディアナ「そのパーティー、天理と一緒に回ってください」

桂馬「はぁ!?」

ディアナ「散々協力したのです。それくらいのお願いは聞いてあげても宜しいのでは?」

桂馬「…天理がそう言ってるのか?」

ディアナ「まさか。引っ込み思案なあの子がそんな事、例え私相手でも言える訳はないでしょう」

桂馬「なら「でも」…」

ディアナ「本心ではきっと一緒に居たいと思っています。それは常に変わる事無く、それだけで満足してしまう子です」

桂馬「……」

ディアナ「ですからどうか――!?て、天理!?止めてくださいまだ」キィイン

天理「はぁ…はぁ…余計な事…しないで…!」

桂馬「天理か…?」

天理「ご、ごめんね…桂馬くん…迷惑ばかり掛けて……」

桂馬「いや、別に…」

天理「…か、帰ります…」スタスタ

えり「天理さん!」

桂馬「…おい、天理」

天理「え…?」

桂馬「24日、空いてるか…?」

天理「う、うん…今年は舞島校のクリスマスパーティーに合わせて、学校がお休みだから…」

桂馬「そっか。…じゃあクリパ、僕と回るぞ」

天理「へ!?」

桂馬「最初からそのつもりだったし、歩美にも今朝誘われてさ…」

天理「そ、それなら高坂さんと一緒に…」

桂馬「いや、それで要らぬ期待はさせたくない。勿論、他の奴等にも」

天理「……」

桂馬「それに事情を全部知ってる天理なら、その心配は無いしな」

天理「…そ、だね…」

えり「にーさま!そんな誘い方は無いじゃないですか!」

桂馬「…それに、少なからず……僕も天理と回りたい、から…な」フイッ

天理「え…!?」

桂馬「…少なくても、一緒に回りたいのは天理、お前だ。言っておくがこれは本音だぞ」

天理「あ…う、うん///」

桂馬「で、オーケーなのか?それとももう一緒は回りたくは」

天理「そんな事ない!…あ、う……い、一緒には嫌なんて…そんな事、思う筈…無いよ…」

桂馬「…なら」

天理「うん。…喜んで…一緒に回って、ください///」カァア

桂馬「…ああ」

えり(…取り越し苦労、だったのかな?とにかく良かったです!本当はホントの恋人さんで回れたら良かったのですが…)

天理「…そ、それじゃあ……学校戻るね…」

桂馬「ん、わかった」

ディアナ「桂木さん、天理の願いを聞いて下さりありがとう御座います」キィイン

桂馬「別に頼まれたから、て訳じゃない。僕がそうしたかったから、そうしただけだ」

ディアナ「…変わりましたね、貴方」

桂馬「どこが?」

ディアナ「いえ、やっぱり変わってません。変わらず変態の女好きの気色が悪い方です」

桂馬「おいこら」

えり「あ、あはは…」

ディアナ「…ですが優しい方です。だから私も貴方に……」ブツブツ

桂馬「?なんか言ったか…?」

ディアナ「い、いえ何も!///」

桂馬「…あー、それから…天理に明日からまた迎えに行くって言っておいてくれ」

ディアナ「え…また一緒に登校なさるのですか?」

桂馬「まぁ他の目もあるし…天理なら一緒に居て苦じゃ無いしな」

ディアナ「…そうですか」

桂馬「で、伝えてくれるのか?」

ディアナ「ふふ、もう伝わっていますよ。天理ったらそれは喜んで」

天理『ちょ、ちょっとディアナ…!///』

桂馬「…話しは以上だ」

ディアナ「では、私は天理を学校に送り届けます」バサァ

桂馬「……あ、昼休み…」

えり「ああー!まだお昼食べてませんでした!うぅ…オムそばパン~」

桂馬「急いで食えば間に合うだろ。まだ次の授業まで10分あるしな」

えり「は、はい!急げ~急げ~」バクバク

一先ず終わりです!また時間が空き次第更新します!

時間が出来たので更新します!先にまた合間に書き溜めたものから載せます。

翌朝


桂馬「おはよう」

天理「…!お、おはよう…桂馬くん…」

桂馬「じゃあ、行くか」

天理「う、うん…っ」

桂馬「」ピコピコ

天理「」プチプチ

桂馬「…また前髪切ったのか?」

天理「あ…うん!昨日の帰りにね。伸ばし過ぎちゃった…」

桂馬「そっか」

天理「……桂馬くんは…あれからどう?まだゲーム、調子悪い?」

桂馬「いや…昨日戻った。おかげて積みゲーが山盛りだぞ」ピコピコ

天理「うっ…ごめんね…」

桂馬「なんでお前が謝る必要がある」

天理「もしかして、私が原因かなって…」

桂馬「…原因があるとすれば、多分僕自身だな。それより天理こそ、いい加減怒っていいんだぞ?僕の身勝手で一緒に居ろって言ったり途端に避けたり、また一緒に居ろとか言ってるんだから」

天理「気にしてないよ…逢わなかった間は、寂しかったけど…桂馬くんは悪くないよ」

桂馬「…お前が気にしてないなら、いいけどな」

天理「うん…」

桂馬「…放課後も、一緒に帰るんだろ?迎えに行くよ…」

天理「え?…うんっ」

桂馬(…さて、僕もそろそろ逃げるのはやめだ)

・舞島校2-B


桂馬「歩美、23日の夜空いてるか?」

歩美「え……い、いきなり何よ!」

桂馬「空いてるなら、天文部に来てほしい。時間はおって連絡する」

歩美「は、はぁ!?ちょっと勝手に決めないでよ!」

桂馬「大事な話しがあるんだ!」ズイッ

歩美「!…考えておく」

桂馬「ありがとう。僕はA組に用があるから、また後でな」

歩美「……ふん!」フイッ



・2-A


桂馬「結、月夜、23日の夜空いてるか?」

結「珍しいなー君から逢いに来てくれるなんて。どうしたんだい急に?」

月夜「まず話しを聞くのですね」

桂馬「話しなら23日にする。今はイエスかノーで聞きたい…大事な話しがあるんだ」

結「んー九条さんもって事は、ひょっとして宿主全員にかい?」ヒソヒソ

桂馬「…察しが良くて助かるが、その通りだ」

月夜「…私は大丈夫なのですね」

結「僕も、いいよ。じっくり聞いてあげるよ」

桂馬「助かる。栞にも伝えたいから行くな?」


・図書館


栞(た、高いぃ~届かない~~)

桂馬「よっと…相変わらず背に合わない位置の本まで取ろうとするんだな」スッ

栞「はぅあ!?(か、桂木くん!?)」

桂馬「今度からはもう少し高めの土台を使え。無理して転んだら危ないからな」

栞(な、なんなのこの男!?いきなり現れてお節介を!…あ、でも私の為に言ってくれたのよね。ならそこはありがとうでしょ!私の阿呆!)

桂馬「(また頭で喋ってる感じだな…)栞、急なんだけど23日の夜は暇か?」

栞「に、にじゅうさん…?その日は確か何も…」

桂馬「よし、なら僕と逢ってくれ。栞や、女神の宿主に大事な話しがある」

栞「(宿主…って、九条さん達も?)良くわからないけど…大丈夫、かな?」

桂馬「ありがとう。場所や時間はまた連絡する」



・屋上


桂馬「これで学校側は全部だな…後は」



宛先:中川かのん
『23日の夜に話したい事がある。場所は舞島校の天文部部室だ。大丈夫な事だからどうしても来てほしい…頼む』



桂馬「ふぅ…僕が現実で此処まで労働するとはな…本当に世も末だ」

放課後


桂馬「よし…宿主は全員揃った。後は……」

ちひろ「で、話しってのは何なのさ」

桂馬「…此処では話さない。23日の夜、天文部部室で皆に話す」

ちひろ「たくなんなのさ。桂木の事情なら先月聞いたじゃん」

桂馬「それもあるけど…それと最初に言っとくが…お前にも全てを白状した訳じゃ無いぞ」

ちひろ「は?」ガツンッ

桂馬「いたっ!いきなり殴ること無いだろ!!」

ちひろ「やかましい!全部話すとか言ったくせにまだ隠し事があんのかー!」

桂馬「だから…全部話すとキリが無いからまとめて話すって言ってるだろ」

ちひろ「どうせまた全部は話さないオチなんだろ?アンタの性格上それしか思わないんだけど」

桂馬「いや、今回は話す。それでケジメをつけて…僕も前に進むつもりだ」

ちひろ「……」

桂馬「信じられないか?」

ちひろ「…はぁ、此処まで巻き込まれたんだ。もうどうにでもして欲しいくらいだし…いいよ」

桂馬「悪い…これが多分最後になるから…」

ちひろ「ん、リョーカイ。話す気になってくれてあんがと。じゃ、また学校でなー」スタスタ

桂馬「ああ」

桂馬(これで準備は整った…あとは)

桂馬「…天理を迎えに行くとするか」

そんなこんなで何時もの日常や舞校クリスマスパーティーの準備に励む(桂馬は殆どバックレ)中日が経ち、12月23日に。



・天文部部室


桂馬「皆、準備とか私用とか忙しい中わざわざ集まってくれて感謝する」

ちひろ「アンタはほぼ居なかったろーに」

桂馬「積みゲーが酷いんだから仕方無いだろ…それより」

歩美「話してくれんでしょ?色々と」

かのん「」ジッ

月夜「」ジッ

結「」ジッ

栞(このメンバーで集まるの、あの時以来だなぁ…)

桂馬「そうだな。女神の件については…皆には大体説明したよな。ちひろには僕から言ったし…この一ヶ月で女神からも聞いただろうと思う」

歩美「メルからは、女神が必要で力を引き出す為に、桂木が六股掛けてる事しか聞いてないよ」ジトッ

かのん「わ、私も…」

桂馬「う……そ、それで概ね合ってる。ちひろを攻略したのも同じ理由だ」

ちひろ「結局空振りだったけどねー。桂木も案外抜けてるよね」

桂馬「いや、殆どヒント無しで僕の手掛かりのみで捜したんだけど…まぁ、それは置いておく。問題はここからだ」

歩美「ま、まだあんの?」

月夜「女神の件はさっきの説明で理解したと言う事は…次は桂馬が突然過去に行った事ですか?」

桂馬「そうだ」

桂馬「天理に渡した手紙でどこまで把握したかは知らないが…一つだけ、お前達に謝っておく」

栞「あ、謝る?」

かのん「?」

桂馬「皆がこの事件に巻き込まれたのは、間違いなく僕の責任だ」

結「どういう事だい?」

桂馬「単刀直入に言う。皆の心にスキマを開け、駆け魂…悪魔ごと女神を皆の中に宿すよう手を下したのは僕って事だよ」

月夜「え!?」

歩美「…天理って娘が言ってたのって、その事か」

桂馬「未来に繋げる為とは言え、危険な目に合わせたのは違いない」

かのん「えっと…でもそれは桂馬くんが、世界を救う為にやった事で…」

桂馬「そんな大それた事じゃない。僕は自分の為に動いたからな」

ちひろ「どーせ、またゲームの為とか言うっしょ」

桂馬「…先読みするな」

栞「そ、それでも桂木くんは…やらなきゃいけなかっただろうから」

月夜「栞の言う通りなのですね。それを責める気はありません」

桂馬「栞、月夜…」

結「それは多分、此所に居る皆も同じなんじゃないかな?納得した上で、君を手助けしたんだし」

桂馬「…それなら、それで構わない」

歩美「本当に素直じゃないよねー桂木は」

ちひろ「だね。律儀に謝ったりする癖に」

桂馬「……それと、僕と天理が付き合っている件だが…あれは」

歩美「嘘なんでしょ」

桂馬「…知ってたのか?」

歩美「アンタの様子が変わった後、メルに聞いたのよ。えりーも知ってたみたいだし、ちひろにも言ったから」

桂馬(一気に広まったのかよ…)

月夜「私もルナに聞いたのですね」

かのん「私もアポロに…詳しくは昨日聞いたばかりだけど…」

栞「み、ミネルヴァから…(言葉足らず…)」

結「僕も言わずと知れたマルスからね」

桂馬「…で、その女神に吐いたのは…ディアナだな。たく、僕の計画も知らずに…どうせ姉妹に問い質されて白状したんだろ」

ちひろ「なーんか、これだと振り出しじゃない?」

桂馬「そんな事は無いだろ。少なくとも僕の方は、もう後戻り出来ない気持ちはある」

歩美「……」

かのん「……」

栞「……」

月夜「……」

結「……」

桂馬「因みに天理は全てを知っているからこの場には呼ばなかった…後は、皆には直接関わりの無い事だが…質問はあるか?」

歩美「…今のだけでいいよ。あんま一度に話されてもさ…」

ちひろ「私もいいわ…地獄とか天界とか、いまだに言われてもピンと来んし」

かのん「私も大丈夫」

結「右に同じく」

月夜「聞きたい事はありますが、それは後日聞きます。今、栞とこの学校についても調べてますしね」

栞「はぅ…!わ、私もありません」

桂馬「…よし。なら最後に言っておく。皆の気持ちは知った上でだ…」

一同「」ジッ

桂馬「僕は今、好きな人が居る。だから此所に居る誰かを受け入れる事は出来ない…」

歩美「…うん」

かのん「やっぱり、居るんだ…」

桂馬「これで話しは終わりだ。納得してくれとは、言えないけど…」

月夜「いえ、面と向かってちゃんと言ってくれたのです」

結「皆多分、納得してるよ。それと諦めるかは別問題だけどね!」

桂馬「お前はまた…」

栞「…薄々諦めてたから、スッキリした…かな?」

ちひろ「私は寧ろごめんだわ。フッたしフられたし…別に好きな人が居そうな予感もしたしさ」

桂馬「…そうか。だから僕も、前に進むことにする。僕のエンディングを迎えに行くよ」



そして少しの間話した後、それぞれ解散していった。

皆と別れた帰り道


ハクア「あれ、桂木?」

桂馬「…ハクアか?こんな夜にどうしたんだよ」

ハクア「えりにちょっと用がね。ほら、お前の学校明日クリスマスパーティーやるんでしょ?」

桂馬「ああ、そうだけど…」

ハクア「一緒に回ろうかなーって…アイツ私が居ないと寂しがりそうだし」

桂馬「随分と自意識過剰だな。…いや、アイツの事は強ち間違ってはないか」

ハクア「それになんて言うか…上手く言えないけど、一緒に居たいのよ。放っておけないってゆーか…」

桂馬「…ま、いいんじゃないか?多分喜ぶし」

ハクア「ふふ、なにそれ……ねぇ、歩きながら話さない?」

桂馬「行き先は一緒だし、別にいいけぞ」

ハクア「うん…」


再び歩き出す二人


ハクア「…あのさ、桂木!明日っておめでたい日じゃない?」

桂馬「…クリスチャンだから、正確には日本ではそうでも無いが」

ハクア「細かい事はどうでもいいの!」

桂馬「なんだそれ。滅茶苦茶だな…」

ハクア「…あのさ、私…桂木が好きなんだけど///」

桂馬「…え?」

ハクア「……っ///」

桂馬「ま、待て待て!僕はお前にフラグを建てた覚えは無いぞ!」

ハクア「う、うるさいわね!気付いたら好きになってたのよ文句ある!?」

桂馬「なんだ、それ…」

ハクア「いつ好きになったのかは…解らない。最初に取り逃がした駆け魂を拘留してくれた時に、もう意識はしてたかも…///」

桂馬「……」

ハクア「女神捜しで桂木と一緒だった時には、もう自覚するしか無いくらい好きになってたのよ…おかしいでしょ?悪魔が人間に恋するなんて」

桂馬「…そんな事は無いだろ。ゲームじゃそんな事は日常茶飯事だしな。それに僕の素晴らしさがあったからこそ」

ハクア「自惚れはいいから!たく…直ぐ調子に乗って。ま、惚れた弱みか…」

桂馬「…ハクア、あのさ…ごめ」

ハクア「返事はいい!わかってるから…桂木が私の事、そういう目で見てないのは…」

桂馬「……」

ハクア「言ったでしょ?惚れた弱みだって…ただ伝えておきたかっただけだから。お陰でスッキリしたし」

桂馬「…随分と一方的な理屈だな…」

ハクア「お前にだけは言われたくない」ガシッ

桂馬「いてっ………ハクア、ありがとう。僕を好きになってくれて」

ハクア「な、何よいきなり!?柄じゃないんだから…やめなさいよ」

桂馬「いや…お前の気持ちには気付かなかったけど…ちゃんと感謝している。僕を好きになってくれた皆にもな…」

ハクア「も、もう!調子狂うからこの話しは終わり!早くえりのとこ行こ!」

桂馬「お、おい!…また僕を置いてきぼりにしやがって」

ハクア「……ばーか」

そして来る12月24日の朝



桂馬(フラグは全て捌いた。彼女達の傷も出来る限り和らげたはず…本当はこんな雑なルートを辿るつもりは無かったが、今は時間が惜しい。あと残された選択肢は…)

えり「行ってきまーす!」

麻里「行ってらっしゃい。車に気を付けるのよー」

えり「はーい!にーさま、クリパ楽しみですね!」

桂馬「そうだな」ピコピコ

えり「もーまたゲームですか?今日は天理さんと回るんですから、ゲームも攻略もやめて下さいよ?」

桂馬「いいんだよ、天理はこの方が。それに今日は攻略なんかじゃない…」

えり「へ?えーと、にーさまが今やってるゲーム、恋愛系ですよね?」

桂馬「当たり前だろ。この一ヶ月でどれだけ積みゲーが増えたと思ってる。今は他のゲームをやっている暇なんか無い」

えり「じゃあやっぱり、攻略なのでは…?」

桂馬「…わからないならそれでいい」

えり「え~!何でですかぁ!教えて下さいよにーさま~!」

桂馬「精々無い頭で考えてろ」

えり「にーさまが前にも増して意地悪です…」

・舞校クリパ正門前


天理(あぅ…桂馬くんに言われて先に校門前に来たけど…やっぱり嘘でもデートは緊張するよ~っ)プチプチ

桂馬「待たせたな」ピコピコ

天理「はぅ!け、桂馬くん…あ、ぜぜ全然待ってないよ!」アワアワ

桂馬「そっか。まぁ待たないように時間指定したから当然か」

天理「う、うん…(落ち着かないのと、念の為に予定より30分も前から待ってたなんて言えない…)…それより、どうして校門で待ち合わせなの?」

桂馬「そっちの方がデートっぽいだろ。それとも、僕と一緒に来た方が良かったか?」

天理「滅相もありません!(寧ろ一緒の方が緊張して逃げたくなるよ…!)」

桂馬「何故敬語…まぁいいか。入り口に突っ立ってても意味ないし、早いとこ行くぞ」

天理「う、うん…」チラッ

桂馬「お、クリアしてた…」ピコピコ

天理(良かった…すっかり何時もの桂馬くんだ…)←嬉しい

桂馬「次のソフトは……」スッ

えり(…端から見て凄く違和感ある二人です、にーさま達)物陰から

ちひろ「おーいえりー、早く行くぞー?」

・舞島校校舎


桂馬「しかし、何処を見てもあんま変わり映えしない出し物ばかりだな…屋台も舞校祭のお古だし」

天理「そ、そう?でも一ヶ月ちょっとで直ぐ大きな催し物をやるなら、仕方ないんじゃ…」

桂馬「甘いな、天理」

天理「ふぇ?」

桂馬「こういう文化的行事で出し物をやる学校なら、寧ろもっと拘るべきなんだよ。無難かつ伊達な出店を求めただけの祭り、それが現実の限界だ。だがしかし!ゲームの世界では資本主義に偏らず、難関クイズアトラクションや豪華人形劇、脱出ゲームなどと現実ではあまり活用されなかったり実行難解なイベントも日常茶飯事のようにある!」

天理「う、うん…そうなのかな?」

桂馬「つまり!所詮現実なんてゲーム世界に比べたら精々演劇やライブを開くぐらいしか出来ない」


「おいなんか図書館凄いらしいぜ!」
「部屋全体を使ったサバイバルアクションだってよ!しかも舞台は《夜空の下の森》らしい!」
「天文部と合同で作ったんだって?スゲーどうやって大量の本や本棚退かしたんだ!?」


桂馬「……」

天理「す、凄いね…もしかしたら汐宮さんと九条さんの出し物かな?」

桂馬「ふ、ふふ…ナメるなよ現実…たかが女神の力を借りたくらいで所詮は現実…」

天理「あ、あわわ…」

桂馬「行くぞ天理!そのサバイバルアクションとやら、僕が還付なきまでに制覇してやる!」

天理「えぇぇー…」

それから暫くして



桂馬「くそ…あの骸骨軍隊…確実にウルカヌスの差し金だろ。動きが並みじゃなかった…」

天理「あはは…でもクリアしてる人も居るみたいだよ。ほら、あそこに記念写真が展示されてる」

桂馬「…明らかに場馴れしてる奴ばかりだな。うちにはサバゲー部なんて無かった筈だぞ」


「おいなんか校庭の方凄いらしいぜ!」
「陸上部主催の超大型アスレチックタワーだって!」
「しかも司会はあのかのんちゃんが実況も兼ねて盛り上げてくれてるって!」
「バッカお前、2-Aでやってる人形劇なんか半端なかったぞ!」
「あの五位堂結が体育館に完全再現した○○○って海賊物語をやってるらしいぜ!」
「人形がどう動かしてるかわからない位完全な仕組みで動いてるとか!」
「うお!言ってる傍からアスレチックの初ゴール者だって!名前が…ハクア?変わってるなー」
「つーか漸く初ゴールとかどんなけ難関なんだよ」


桂馬「」

天理「す、凄いねなんかもう…」

桂馬「ディアナ、メルクリウスの得意な術は?」

ディアナ『移動結界でしたが…』鏡から

桂馬「ふっふっふ…何でもかんでも女神の力を使う愚かな民衆にゲームのなんたるかを教えてやる」

天理「な、なんか桂馬くん怖いよ?」

桂馬「……と言いたいけど、これ以上時間を潰されるのはな。天理、ちょっと付き合ってくれないか?」

天理「?」

・3-A教室:手品ショー


「箱の中に居た人が……3、2、1…はい!」
「おお!別の箱に移動した!これ結構凄いな!」
「どうせ床に穴とかあるんだろー?」


天理「わあー凄い!で、でも桂馬くん…どうして此処に?」

桂馬「お前手品好きだろ。それで事前に押さえといた。それとも見るのは別だったか?」

天理「う、ううん!そんな事ないよ!桂馬くんが私の為に考えてくれただけで…嬉しいよ」

桂馬「なら良かった。気付いたら僕、天理の好きなものとか手品とプチプチ潰ししか知らないからな」

天理「…やっぱり桂馬くん、優しいね」

桂馬「そうか?」ピコピコ

天理「うん」


「おい、あれオタメガじゃね?」ヒソヒソ
「お、ホントだ。隣に居る娘ってまさか彼女?」
「バーカ彼女だったらゲームやってたら怒るだろ?オタメガに彼女なんて認めん認めん」ブツブツ


桂馬(聞こえてるんだが)

天理「あぅ…///(見えるのかな?恋人っぽく///)」

桂馬「全く、現実は馬鹿ばかりだな」

天理「……///」

天理(そういえばさっきからディアナが静かだけど…どうしたんだろ?)

その後も色々と回って空も暗くなってきた頃、二人は屋上に来ていた。


天理「はしゃぎ過ぎて疲れちゃったね…」

桂馬「僕はずっとゲームしてたからそんなに」ピコピコ

天理「でも、ゲームしてる間も私と話してくれてたよ?」

桂馬「ゲームしながら対人関係を結ぶなんて僕には朝飯前前だ。酸素が無いと逆に話しも出来ないしな」

天理「やっぱり桂馬くんは変わらないなぁ…」

桂馬「好きだ、天理」

天理「ふぇ!?」

桂馬「」ピコピコ

天理「(お、落ち着こう…聞き間違いだよ)すき焼き?」

桂馬「好きだ、天理」

天理「(うん、確かに聞こえた…)ど、どうしたの急に?周りに誰も居ないから今はフリしなくても」

桂馬「いや今の聞いたらわかれよ!告白だよ告白!」PFPブンブン

天理「え、え…え?」

桂馬「ふりじゃないし嘘でも無いからな!たく、天理といいちひろといい…屋上でコクると僕のテンポに沿わないジンクスでも存在してるのか?」

天理「ご、ごめん…」シュン

桂馬「別に謝る事じゃない。ていうかその言い回しだと断られたように感じるんだが…」

天理「ふぇ!?ち、違うよ!?今のは返事じゃなくて、あの…!」

桂馬「わかってる。しかも二度も失恋したら流石の僕も再起不能になるぞ」

天理「えっと…」

桂馬「……返事」

天理「え?」

桂馬「返事、聞かせろよ」

天理「うっ…い、言わなくても…わかってるんじゃないかな…?」

桂馬「解らん。現にそれでちひろに一度フラれてるし…それとも、返事はノーなのか?」

天理「ちち違うよ!恥ずかしくて言えないだけで私も好きだよ!」

桂馬「なんだ、言えるじゃないか」

天理「あ…うぅ…桂馬くんのばか///」

桂馬「…初めて天理に罵倒されたな」

天理「え…あ、ごめん!違うの…!」

桂馬「いや、いいよ。寧ろ天理は、もっと言いたい事や欲を出してもいいと思うくらいだけど…」

天理「そ、そんな事…」

桂馬「…まぁ言っても無駄だろうけど。それも引っ括めて…その、好きに…なった訳だしな…」

天理「はぅ…///」

桂馬「で、付き合ってくれるのか?」

天理「う…///」

桂馬「僕はハッキリしないのは嫌いだぞ。三秒までに返事が無いなら強制的にいいえと捉えて帰って一人落ち込んでやる」

天理「つ、付き合うよ!桂馬くん意地悪だよ…心の準備だってまだ…」

桂馬「それでも、好きなんだろ?」抱き寄せ

天理「ふぇ!?///」

桂馬「天理…」チュ

天理「ん!?///」

桂馬「……本気のキスは、これが初めてだ…///」

天理「……はぅ」キゼツ

桂馬「うわっ!天理!?」

ディアナ「全く桂木さんは…あのような大胆行為、天理が気絶するのは当たり前でしょう?いい加減学習して下さい」キィイン

桂馬「ディアナか…し、仕方無いだろ!?最高の舞台で最高のシチュエーション、そして最高のタイミングでのキス!基本だ!」

ディアナ「その割には随分雑な告白でしたが…まさか照れて」

桂馬「黙れよ女神様お願いします」

ディアナ「桂木さんの意外な一面を見れました」

桂馬「」

ディアナ「貴方の事ですから、聖夜に告白する為に、女神の宿主の娘に一斉に返事をしてケジメをつけた…違いますか?」

桂馬「女神どもは皆お喋りが過ぎないか?…まぁ大方それで間違っていない」

ディアナ「どうして貴方みたいな人が女性にこうも好意を寄せられるのか、不思議でなりませんね」

桂馬「…攻略の時の記憶があるのなら、それの影響なんだろ」

ディアナ「ふふ、まるで解っていませんね」

桂馬「は?」

ディアナ「少なくとも、天理や小阪さんに攻略は関係無い訳ですし、別に攻略が無くとも貴方を好きになっていましたよ、彼女達は」

桂馬「否定したり肯定したり…なんなんだ全く」

ディアナ「客観的には、ただの女好きの変態で気持ち悪い方ですが」

桂馬「おいいい加減にしろよ女神め」

ディアナ「さて、天理もめでたく桂木さんのものになった訳ですし」

桂馬「話しを進めるな」

ディアナ「好きです、桂木さん」

桂馬「」

ディアナ「天理ともども、これから宜しくお願いしますね?」

桂馬「おい」

ディアナ「い、言っておきますが、可愛がって貰うのは良いですけど…は、破廉恥で淫らな事はまだ許しませんよ!?」

桂馬「しねーよ!それより僕の話しを聞け!」

ディアナ「冗談ですよ」

桂馬「……現実なんてもう要らない現実なんてもう要らない現実なんてもう要らない現実なんて」

ディアナ「仕返しです。天理を二回も泣かせた」

桂馬「…やっぱり、泣いたのか?」

ディアナ「ええそれはもう…可哀想な天理…願わくば桂木さんには一度重い罰を与えたいと何度思ったか」

桂馬「…すまん」

ディアナ「ですから、お詫びも兼ねて天理と結婚して下さい」

桂馬「だから何度言わせる早いって!僕はまだ結婚出来る歳じゃない!」

ディアナ「冗談です」

桂馬「わかった、お前僕の事嫌いだな?実は相当根にもってやがるな?」

ディアナ「愛してますよ。根にはもってますが…」

桂馬「……まぁ安心しろ。天理の幸せは、僕が責任もって保証する…」

ディアナ「…今でも十分幸せですよ、天理は」

ディアナ「では…天理も目を覚ましたようですので、後はお二人に任せます」

桂馬「…ディアナ!」

ディアナ「はい?」

桂馬「いや…お前は散々僕を痛め付けたり…厄介事を持ち込んだりしたが…気持ちは嬉しかった。僕もお前の事は…その、嫌いじゃない…」

ディアナ「ふふ、ありがとう御座います。呉々も…天理の幸せを護ってあげて下さい」

桂馬「ああ、必ず」

ディアナ「あ、それと偶には私ともお話しを」

桂馬「あー!わかったから早く天理と変われ!お前の話しは終着点が見当たらない!」

ディアナ「桂木さんを散々虐められて満足しました。では…」キィイン

桂馬「…アイツ絶対悪魔より悪魔らしいぞ」

天理「うぅ…ディアナなに言ってるの…///」

桂馬「天理も大変だな」

天理「あ、桂馬くん!……えっと、改まるとなんか照れるね…///」

桂馬「…お前照れすぎなんだよ。僕まで照れ臭くなるだろ…///」

えり「天理さぁぁあん!」ガバァッ

天理「ふぇ!?」

えり「良かったですぅ!感動しました~!」エンダァア

天理「あぅ…ど、どうしてここに…」

桂馬「……まさか見てたのか?」

えり「にーさま!私とも約束です!天理さんを必ず幸せにして下さい!うわーん天理さ~~ん!」号泣

天理「え、えりちゃん落ち着いて…」アワアワ

桂馬「当人達より感動してどうするんだ…」

歩美「はいはい、バカップルの戯言なんか言わなくていいわよ」

桂馬「……なんか、もう…ツッコミに疲れた」

歩美「それより桂木、アンタ全然準備手伝ってくれなかったよね?」ニッコリ

桂馬「…知らん」プイッ

ちひろ「知らん事はないでしょー。一人ゲームしてリア充してた奴が」ガシッ

歩美「ホント見てて腹立だしいなー」ガシッ

桂馬「おい、何故両側から僕を押さえる」

ちひろ「明日私ら2Bペンシルズとかのんちゃんの合同ライブでさー」

歩美「今日の出し物でまだ準備とか終わってなくてねー」

えり「なので、にーさまにも手伝って貰います!」ガシッ

桂馬「おい、ちょっと待て僕は今天理と付き合ったばかりで、これから!ていうかえりお前身代わり早すぎだろ!」

かのん「勿論手伝ってくれるよね、桂馬くん♪」背後からスタンガン当て

桂馬「離せー!おいお前ら!こんな事してタダで済むと思うな!?」

歩美「はいはい」

ちひろ「御託はいらん」

かのん「勿論拒否権もありません♪」

えり「さーにーさま!行きましょう!」

桂馬「だからリアルはクソゲーなんだぁぁあ!」



チクショウハナセ!
ワッ、コラアバレルナ!


天理「あ、あはは…」

ウルカヌス「全く桂木は相変わらずだな」バサッ

マルス「あれでは以前と何も変わらんな。いや、桂木的には以前より酷くなったのか?」

ミネルヴァ「連れて行かれちゃった…」

天理「あ、皆…女神の皆さん、かな?」

マルス「おっと、結もあちらの手伝いだったな。姉様、私は行きます」

ウルカヌス「ああ」

ミネルヴァ「栞も…お手伝いするって…!」

天理「出し物の方は大丈夫なんですか?」

ウルカヌス「問題ない。この時間は閉めている」

天理「あ、もうこんな時間なんだ…」

ウルカヌス「ディアナの宿主よ、桂木とはあれで良かったのか?」

天理「え?」

ウルカヌス「漸く想い合えた傍からあれだ。もっと二人で居たかったろう?」

天理「うーん…桂馬くんは優しいから、何だかんだ皆のお願いは断れないんだよ、きっと…」

ウルカヌス「ふっ、お前達は本当に見る目がないな。あれはロクでもない」

天理「そ、そうかな…でも…そんな桂馬くんだから、皆好きになったんだよ」

ウルカヌス「それはお前の中の女神もか?」

天理「あはは…ディアナは触れないであげて」

ウルカヌス「ふん。で、結末がこれか。勝者は余裕だな」

天理「そ、そんな事は無いよ…」

ウルカヌス「しかし本当によいのか?こんな形で」

天理「十分だよ。だってこれが…」



天理「私と桂馬くんとのエンディング、だから」



ウルカヌス「ふっ、そうか…」

天理「うん」

ウルカヌス「どうやら月夜も、あちらの手伝いに行きたいようだ。お前はどうする?」

天理「私は……勿論、行くよ!」

ウルカヌス「では行こう」

天理「うん!」






歩美「ちょっと桂木ー、その機材こっちじゃないって!」

桂馬「くそ、なんでこんな事…」

えり「ハクア!手伝いに来てくれたの!?」

ハクア「勿論。明日のライブ、絶対見に来るわ」

ノーラ「あーなんで私まで…」

亮「まぁそう言わずにノーラさん」

雪枝「皆さんゴクルト持ってきましたで、飲んでいきなはれ」

かのん「ありがとう御座います!」

結「うわっ、これなんか力が湧いてくるよ!」

二階堂「お前ら、さっさと準備終わらせるぞ」

月夜「これは何処なのですか?」

栞「えーとえーと…っ!(あの柱下の斜め隣よ!って言いなさい栞!)」

ちひろ「ちょいと桂木ー、こっちもお願ーい」

桂馬「自分でやれー!おいえり、ハクア、ノーラ!サボってないで仕事しろ!早くゲームやらせろー!」

天理「あはは」

ディアナ『良かったですね、天理。貴方の理想のエンディングに辿り着けて…』

天理「…うん、こうして皆が居て、桂馬くんが傍に居てくれる。これ以上の幸せは無いよ」

ディアナ『そうですね。では、私達も皆さんのお手伝い頑張りましょう!』

天理「うん!」

桂馬「天理ー、早く来いよ!こっち大変なんだ」

天理「あ、今行くね!」

今日はここまでです!本当は今ので幕を引くつもりでしたが、もう少し続きますので、お見苦しいSSですが後少しお付き合い頂けたら幸いです!

乙!完結しそうでハラハラしてた

乙ー!
やはり天理は天使
ただ歩美とちひろとかのんと栞も同じぐらい好きだから心苦しい
あれ、多くね?

雪枝さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!wwwwwwwwwwwwwwww

今日はもしかしたら更新出来ないかもしれません…もし時間が空いたら書きに来ます!

>>146
もう駄文過ぎて個人的には完結させたいです(笑)
>>1の文才無さをどうにかしたい。

>>147
凄く解ります!てか宿主六人とハクアもエルシィもちひろも皆好きだから書いてて心痛む時あります。あれ?自分の方が多い…欲張り過ぎて駆け魂に取り憑かれそうだ…。

>>148
雪枝さんは個人的に好きなキャラなので出しました。ハクアのご飯作ってあげたり心配して面倒みてあげたり、あの人絶対いい人!
当時6巻を何度読み返したか…。

今日も時間が空かないので、また合間に書き溜めた分のみ更新します!

盛り上がったクリパ1日目も過ぎて、2日目の朝。



・桂木家前


麻里「むふふ~」

桂馬「」ピコピコ パクパク

天理「お、美味しい?桂馬くん」

桂馬「ん?ああ。味噌汁がいい出汁してるな…」

天理「良かった~…」

麻里「急に鮎川さんから電話で『朝は天理ちゃんをお願いね』って言われたから何事かなーって思ったけどー…なになに?朝ごはん作りに来てあげるなんて、すっかり新婚気分ー?」

天理「はぅ…その、桂馬くんに何かしてあげたくて……急になんて迷惑ですよね?ごめんなさい(本当はディアナとお母さんに行きなさいって唆されたなんて言えない…)」

麻里「なに言ってるのよー?私もう天理ちゃんは自分の娘のように思ってるんだから。それに私もこうして天理ちゃんの朝食に有り付けるんだから文句のもの字も無いわよ♪」ニコニコ

天理「ふぇ!?///あああのそのえと!///」

麻里「……それに引き替え…」

桂馬「美味い」ピコピコ パク、ゴクッ

麻里「おら桂馬!折角未来の嫁さんが朝飯作ってくれたのにゲームしながら食べんじゃねぇ!」

桂馬「僕にとってゲームは空気だ。空気が無いとご飯も食べられない」

麻里「シバくぞ」

桂馬「ふん」ピコピコ

天理「け、桂馬くんのお母さん!私全然気にしてないですから!その…ゲームしてる桂馬くんが好きですから…///」

麻里「あらーやだ!ノロケ?あと私の事はお義母さんでいいんだからねー?」

天理「あぅ…///」

桂馬「」ピコパク

朝食も終えた頃


天理「あの、本当に食器洗わなくて…?」

麻里「いいっていいって~、あんな美味しい朝食作って貰ったんだから洗い物くらい任せなさい!」

天理「すみません…」

麻里「それより道中気を付けるのよー?最近交通事故が多いのよね」

天理「は、はい…十分気を付けます」

桂馬「母さん、僕達早めに行きたいから」ピコピコ

麻里「はいはい、引き留めて悪かったわね。それじゃ、二人とも行ってらっしゃーい」バタン

桂馬「やっと解放されたな…」

天理「あの…本当にごめんね?桂馬くんだって、いきなり来たら迷惑だよね」

桂馬「どうせ天理の事だ。誰かに促されたんだろ」

天理「えっ…あ、あの…実はディアナやお母さんが…桂馬くんが困っちゃうって言ったんだけど…」

桂馬「…別に迷惑じゃないし、寧ろ嬉しかったよ。だから気にするな」

天理「え!?///あ、うん…///」

桂馬「……」スタスタ

天理「…///そ、そう言えばえりちゃんの姿見なかったけど…?」

桂馬「………あ」













・桂木家リビング


えり「先に起きて行っちゃうなんてにーさま酷いですー!」シクシク

・舞校正面の横断歩道前


桂馬「天理、あれまだ持ってるか?」

天理「あれ?」

桂馬「僕が10年前に渡した手紙」

天理「あ…。ご、ごめんね!実は手紙、気付かない間に潮風で飛ばされて…」

桂馬「?無いなら別に構わないぞ」

天理「…三枚目の、最後の手紙なら…あるよ」鞄から手紙差し出し

桂馬「ああ、実はその紙だけに用があったんだ」奪い取り

天理「え?」

桂馬「」ビリビリ、ポイッ

天理「あ…」

桂馬「僕は選択肢を間違えた…そんな過った産物を、残しておく訳にはいかないからな」

天理「…いいの?」

桂馬「いいも何も、今度こそ前に進むって決めたんだ。あれはもう必要ない」

天理「…そうだね」

えり「にーさまー!置いてくなんて酷いですよ!」追い掛けてきた

桂馬「うわっ!お前空気を読むって言葉知らないのか!?それに最近まであまり一緒に登校してなかっただろ!」

えり「ぶぅー!昨日までは我慢してたんです!私だってにーさまや天理さんと一緒に学校行きたいのにー!!」

桂馬「気は遣うのに欲には忠実だな…」

天理「えっと…」

えり「大体にーさまは冷たいです!やっと本当の妹になれたのに、放ったらかしで!昨日だって気付いたらいつの間にか先に帰ってて―――あれ?にーさま?」

桂馬「来ないなら置いてくぞー」ピコピコ

えり「えー!もうあんな向こうに!?うぇーん待って下さいにーさまー!」

天理「ま、待っててあげようよ桂馬くん…」桂馬に引っ張られ

桂馬「知るか」

えり「にーさまぁ~~~!」急ぎ急ぎ

・2-B メイド喫茶


ガラガラ

歩美「お帰りなさいませご主人様!……って、なんだ桂木達か」

桂馬「お勤めご苦労」

歩美「まさかとは思ったけど、本当に店を手伝わないなんて」

桂馬「僕はちゃんとくじで堂々勝ったからな」

天理(寧ろちゃんとくじしたんだ…桂馬くん)

歩美「あーそうですか。…でもえりーは違うよねー?女子は全体参加、だもんねー?」

えり「あ、あはははは」

歩美「遅刻は多目に見るから早く着替えんかーい!」

えり「す、すみませーん!」アワアワ

桂馬「適当な席に座ってるからな」

歩美「もう…。で、なにに致しましょうか?ご主人ァ…」

天理(ひ…っ!)

桂馬「その引き摺ったスマイルはやめろ…天理が怯えてるぞ」

天理「あ、あの…」

歩美「悪かったわね。引き摺った笑みしか出来なくて!…別に怯えさせる気は無かったのよ。ごめん」

天理「き、気にしてないよ…?私が臆病なだけだから…」

歩美「むぅ…そう言われると増々私が恐がらせてるみたいなんだけど?」

天理「ご、ごめんなさい……」

歩美「あーもう!冗談よ冗談!何でも真に受けて、真面目なんだから」

天理「そんな事は……ないのかな?」

歩美「あはは、なにその疑問系?」

天理(面白がられてる…)

桂馬「…それにしても、中々繁盛してるな」


ワイワイキャッキャッ


歩美「あー、そりゃあそうよ。何たってウチには最強の看板娘が居るからね」

桂馬「看板娘?」




「かのんちゃーん!烏龍茶おかわり!」

かのん「は、はーい!今行きます!」

「かのんちゃん、俺も烏龍茶!」
「かのんちゃんこっちにオレンジちょーだい!」
「スマイルくださーい」

かのん「わわわわっ!い、一辺に言われても~」

ちひろ「アンタらドリンクで何時まで居座る気さ!あとそこ!ウチはマックじゃないんだからスマイルなんかないわ!」

「ぶーぶー!」
「ひっこめー!」




桂馬「…あれ反則じゃないか?」

歩美「まぁでも、おかげでウチの売り上げが早くも万単位よ…」

天理(万単位…す、凄い)

桂馬(アイドル権限利用し放題だな…)

えり「紅茶をお持ちしましたー!てわぁー!」ガシャーン

桂馬「あちぃーー!」

天理「桂馬くん!?」

歩美「ちょっと桂木!?」

えり「すみませんすみませんすみませーん!」

桂馬「お前ホント何か僕に恨みでもあるのかー!」

えり「ふえーん!にーさまがついに切れたー!」

ちひろ「アンタ等は何やってるのさー!」

その後暫くして


桂馬「散々な目に合ったぞ…」

天理「……」

桂馬「まさか店を散らかした罰で結局片付けさせられるなんて…えりが勝手に転けただけなのに」

天理「で、でも迷惑掛けちゃったし…」

桂馬「迷惑掛けられたのは僕の方だー!」バタバタ

天理「えぇ…」困り

二階堂「何を騒いでいる貴様等」ガラガラ

天理「あ、ドーちゃん」

桂馬「やいドクロウ!あれお前の教え子だろ!あの騒がしい連中どうにかしろよ!」ウガー

二階堂「二階堂だ。此処ではな」チョップ

桂馬「いたっ!」

天理「あぅ…」イタイ

二階堂「それと騒がしいのはお前もだろう。ついでに問題児で査定するなら間違いなく桂木の方に赤旗が上がる」

桂馬「そんな旗はいらん!」

二階堂「…はぁ。もう前に取り上げたゲーム返すからいい加減静かにしてよお兄ちゃん」PFP渡し

桂馬「ゲームー!ゲームゲームゲーム!」

二階堂「…本当にこんなのが彼氏でいいのか?」

天理「ふぇ!?彼氏……桂馬くんが…///」

二階堂「お前に聞いた私が馬鹿だった」ハァ

桂馬「あの時ロード途中で取り上げられた恋姫☆学園!電源は落ちてるけど、事前にセーブしたから問題ない!僕なら20分で攻略出来る!」キリッ

二階堂「待て。ゲームを返すには条件がある。お前達にとあるクラスの出し物を調査してきて欲しい」

天理「調査…?」

桂馬「ふざけるな!僕は今から劉美玄を落とすので忙しいんだ!」

二階堂「嫌ならゲームはまた没収するだけだが?」

桂馬「くっ、汚いぞ」

二階堂「正統な交換条件だ。私が教師だともう忘れたか?」

桂馬「くそ、教師が何をしても許されると思うなよ。……まぁ今回は妥協してやる。で、何を調査すればいいんだ?」

二階堂「話しが早くて助かるぞ。さっきも言ったが、二人にはあるクラスの出し物を見てきて欲しい」

天理「えっと…出し物を見るだけ?」

二階堂「そうだ。単に客として行って、そこの内容を知らせてくれるだけで構わん。もし不当なモノなら取り締まる必要があるからな…」

桂馬「大体わかった。というか概念からして僕達にどうして欲しいか察しはつくからな」

二階堂「まぁ、あのクラス…いやあの二人が関わるなら特にお兄ちゃんの抑止力が重要になるしな」

桂馬「は?僕の?」

天理「(嫌な予感しかしない…)…あの、何処に行けばいいのかな?」

二階堂「2年A組、カジノ・バーだ」

天理(名前がもう絶対に違法性しか感じられないよ!?)

桂馬「あ、パスで」スタスタ

二階堂「拒否権、あると思ってる?」ガシッ

桂馬「…慎んで………受けさせて貰います」

そんなこんなで2-A


桂馬「ついに来てしまったが…」

バニーガール「いらっしゃいませー!」

ミニスカディーラー「二名様ですかー?」

桂馬(はいアウト!学生がなんて際どい格好してやがる!安易エロ否定!全く、これだからリアルは!)

天理「あわわわ…(あんな格好…!)」

スク水バニー娘「おにーちゃん達、お名前伺っても?」

桂馬(しかもこいつ、明らか合法ロリじゃないか!多種多用の属性で客層を分け狙っているのか…あっちに居るのはOL風にチャイナ風…やるな現実め…)ギリッ

天理「あ、鮎川天理です…」

桂馬「桂木桂馬だ(しかし何故名前を?)」

バニーガール「あ、貴方があの有名なオタメ――ごほん。桂木様…?」

桂馬「…おい今明らかにオタメガって」

バニーガール「はーい!只今、苗字に桂木、名前に桂馬がつく人は特別にVIPルームにご案内させてもらいまーす!」

サンタ風「二名様、五位堂VIPにご招待ー!」グイグイ

天理「へ!?」

桂馬「ちょっ、待ておい!今間違いなく不穏な単語を聞いたぞ!?」

バニーガール「いいから入れ!」カーテンに覆われた室内に二人を突き飛ばし

桂馬「うわ!」

天理「きゃっ!」

「ふふふ、漸く来たね」

結「待っていたよ桂馬くん!やっぱり鮎川さんと来たね!」

月夜「此処で逢ったら100年目ですね」

桂馬「…やっぱり結と月夜か。あと月夜、その言い回しは古い」

天理「五位堂さんと九条さん!?」

結「早速だけど二人には此処でゲームをして貰うよ」

月夜「美しい戦いをしましょう」

桂馬「帰る」

結「ちょ、ちょっと!来て早々帰るなんて!」

桂馬「やーかましぃい!第一なんで僕が二人のお遊びに付き合う前提で話しが進んでるんだよ!?」

月夜「け、桂馬が悪いのです。折角舞台を準備したのに中々来てくれないから……」

桂馬「ていうか二階堂に言われるまで来る気無かったけどな!」

結「げっ、二階堂先生!?あちゃー、もうカジノの事バレちゃったか」

桂馬「ならせめて店名隠せよ!おかげで僕ら巻き添えだぞ!」

天理「け、桂馬くん…落ち着いて…」

月夜「天理の言う通りなのですね。一先ず落ち着きましょう」

桂馬「落ち着いてられるかー!」

結「よし。なら僕達とゲームして、僕らが勝てば二階堂先生には上手く言っておいてくれるっていうのでどうかな?」

桂馬「勝手に景品を決めるなそしてゲームする前提で話しを進めるな!」

月夜「…逃げるのですか?まさか桂馬がゲームで」

桂馬「……なに?」

結「がっかりだよ…桂馬くんが得意のゲームで敵前逃亡なんて…」

桂馬「ふ、ふん。挑発には乗らないぞ?」

月夜「いえ、桂馬はきっと怖いのですね。私達に負けるのが」

桂馬「…なんだと?」

天理「け、桂馬くん挑発に乗っちゃ…」

結「本気を出してくれても良かったのになー」

月夜「それでも私達のコンビは打ち破れないのですね。この日の為に特訓を重ねた私達には」

桂馬「…今の言葉、後悔する事になるぞ?」

月夜「後悔するのは桂馬の方ですよ」

桂馬「ふ、いいだろう……かかってきなさい」ゴゴゴ

結「そうこなくちゃ!」

天理(なんだろう…前にもこんな事あったような…)

ディアナ『わ、私は知りませんよ?』

天理「……」

書き溜めは以上です。また合間に書き溜めながら時間空いたら書きます!

遅れましたすみません!今より更新します!

桂馬「それで、ゲームの内容はなんだ?」

結「それはね……」スッ

桂馬「…トランプ?」

結「そうさ!」

月夜「これで勝負するのですね、桂馬」

桂馬「なんだ最もメジャーだな。で、ポーカーでもやるのか?」

月夜「そんな美しくないゲームはしません」

桂馬「(美しくないって…まぁ確かにあれはイカサマが…)なら何だ?」

結「ババ抜きをやるんだよ桂馬くん」

桂馬「よりにもよってそれか…」

天理「ババ抜き…」

結「そう!これなら完全運任せだしルールも簡単で公平だからね!」

月夜「美しいのですね」

天理「た、確かに…」

桂馬(運任せ…?甘いな。相手の表情の変化や読む辺りは寧ろより心理的戦。要はババが最後僕の手に無ければいいんだ。相手を煽り冷静さを欠かす…)

結「異論が無いなら始めようか」

桂馬「いいだろう。神である僕は運さえ実力で手繰り寄せる事を思い知らせてやる」


トランプをシャッフル。各自に振り分けられたカードから最初に同種を除く。


桂馬(さて…僕の残り札は…?)

つJOKER

桂馬「おい!なんで一枚(JOKER)しか残らないんだよ!?おかしいだろ確率的に!」

結「えーそんな事ないよー?」ニコニコ

月夜「言い掛かりは見苦しいのですよ」ニコニコ

桂馬(コイツ等絶対わざとだろ!確か配ったのは結…しかしどうやって仕組んだ?)

桂馬「……そうだ。思えばコイツ等の中には…」

マルス『ニヤリ』

ウルカヌス『ニヤリ』

桂馬(女神だ!絶対に女神の力の仕業だ!)

天理「あう…(他の人の手持ちは一枚だけなのに私は二枚…絶対おかしいよ)」

結「あ、因みにこれはチーム戦だから、先に僕と九条さんが上がったらその時点で勝敗決定だよ」

桂馬「は?おいちょっと待て!」

月夜「敗者には罰ゲームで勝者の言う事を一回だけ何でも聞くのですね」

桂馬「何でもは駄目だろ!何でもは!(…以前誰かが同じ台詞を言ってたような…気のせいか?)」

月夜「それと手番はさっき(ひそかに)鉛筆を転がして決めた私が最初に時計回りで天理、結、桂馬の順になりました」

桂馬「」

天理「」

結「じゃあ、よからぬ事を始めようか!」

桂馬(無理ゲー過ぎる)












「そこまでだ!」シャアッ













桂馬「!?」

結「え!?」

月夜「な!?」

天理「ふぇ!?」


椿「このクラスの出し物は我らクリパ取締り委員会が押さえた!神妙にしろ!」
結「くっ…もう手回しが」

月夜「これまでなのですね…」

桂馬・天理(た、助かった…)ホッ

椿率いる役員の強襲により不正現場を取り押さえられA組全員が二階堂に説教を受け、首謀者の結と月夜は罰としてB組のメイド喫茶を手伝わされる。


桂馬「危なかった…」

天理「どうなるかと思ったね…」

桂馬「ふん。僕をここまで陥れるとは…やるじゃないか女神」

天理「でも、五位堂さんと九条さんにはちょっと悪い事……」


結『どうだい僕の執事服!似合ってる?』

歩美『ちょっと結!アンタもメイド服着なさい!』

結『えー』アハハ

ちひろ『お人形さんみたいだねー』

月夜『ほ、褒めても何も出ませんよ…///』

栞『わ、私までどうして……』

ハクア『それは私の台詞よ。客なのに…』

えり『こうなったら二人だけ仲間はずれには出来ませんから♪』

かのん『よーし、じゃあ皆!午後も張り切って行くよー!』


天理「…そうでもない、のかな?」

桂馬「楽しそうだな。天理も混ざってくるか?」

天理「え…。……私は…桂馬くんと一緒に居たい、かな…///」

桂馬「うっ…そ、そうか…(あの天理がはっきりとデレを!?言うようになったじゃないか…でも甘い!この程度でリアルにときめく程、僕は愚かでは無いぞ!)」ドキドキ

天理「……///」ギュ

桂馬(し、しかも手を握ってきたぞ!?)

天理「///」ギュ

桂馬「…どうしたんだよ天理、今日はやけに…なんか積極的だな」

天理「そ、そうかな…」

桂馬「…ま、まぁ別に…嫌じゃない、けどな///」ギュ

天理「…!(け、桂馬くんから握り返してくれた!)…良かった///」

二階堂「ゴホンッ!」

桂馬「うわっ!」

天理「ひっ!?」

二階堂「あー、なんだ…取り込み中のところ悪いんだが……」

桂馬「取り込んでない!断じて!」慌てて手を離し

天理「あ…。…そ、そうだよ別に私達何も///」

二階堂「……はぁ。さっき調査に行ってくれた礼をしに来ただけだ」

天理(何故溜め息!?)

桂馬「あれ、僕達が行く必要あったのか?」

二階堂「お前達が行かなきゃボロは出なかったよ。事前に盗聴して委員会を待機、そして不正発覚で即突撃。桂木相手だと本当見境無しだな奴等」

桂馬「不正って…実際わかるのか?」

二階堂「女神の力だろ?遠回しに脅したら青ざめて白状したぞ?」ボソッ

桂馬「おい(見境無いのはどっちだよ)」

二階堂「元々二人はお前目的でカジノ開いたようだしな。どうせ罰ゲームも"一日桂木貸し出し権"とかだろうしな」

桂馬「そこまで聞いてたのか…」

二階堂「何処まで本気かは知らんが」

桂馬(結はまず本気だったな)

天理(五位堂さんなら絶対本気になってそう)

二階堂「とにかく助かった。これは些やかな礼だ」チケット渡し

桂馬「…温泉旅行?」

天理「ふぇ!?」

二階堂「偶々商店街のくじで当てたやつだ。ペアチケットだから二人で行ってくれば良いよ」

天理(桂馬くんと二人で!?)カァア

桂馬「…年末か。こんなもの貰っていいのか?」

二階堂「最初からお前達に渡すつもりだったから気にするな。二人の関係の祝いも兼ねてかな…」

桂馬「…天理、お前此所に行きたいか?」

天理「え?…桂馬くんがいいなら…行きたい///」

桂馬「だそうだ。有難く貰っておくぞ」

二階堂「…本当に変わったね。前なら素直にお礼どころか突き返されてそうな物だけど」

桂馬「お前の中で僕はどんな非道キャラだ!…別に変わって無い。家族や周りに邪魔されずゆっくりゲームが出来る環境に感謝しただけだ」

二階堂「素直じゃないな」

天理「桂馬くんらしいけどね」ニコニコ

二階堂「(何故嬉しそうなんだ…寛大にも程があるぞ)…私はクラスに戻る。残りのクリパも楽しんでこい…」

天理「ありがとう、ドーちゃん」

桂馬「言われなくてもそのつもりだ」ピコピコ

二階堂(そして直ぐ様ゲームか…変わったのか変わらないのか本当にわからない奴だな)ガラガラッ

桂馬「用事も済んだことだし…これからどうする?」

天理「もうすぐお昼だから…あ、外に出て屋台で何か買う?」

桂馬「異論無し。じゃあ外行くか」ピコピコ

天理「うん」

ディアナ(微笑ましい光景です。……桂木さんがゲームをしていなければ)



こうして二人は校舎から出ていく。歩く最中に相変わらず桂馬と天理に対して小声でカップル疑惑を囁く人も居たが…。

・校舎前の屋台


純「あれ?おおーい君ー!」

桂馬「?僕の事…って、何だ長瀬――先生か」

純「今呼び捨てにしようとしたでしょ!?ダメだよ、仮にも一時は先生だったんだから」

桂馬(教育実習だけだったのにか…)

天理「えっと、桂馬くん…?」

桂馬「ああ、悪い天理。この人は前にこの学校に教育実習に来た長瀬先生だ」

純「初めまして!長瀬純です!」

天理「は、初めまして!鮎川天理です!」

純「宜しくねー。ってそれより!桂木くんもしかして彼女?」

桂馬「…そうですけど」

純「まさかもう別れちゃったの!?ほら前に紹介してくれた紫っぽい髪の子!」

天理「ふぇ?」

桂馬(……しまったー!長瀬純には女神捜しの時にカモフラージュでハクアを彼女にしていたのを忘れてた!くそ、ややこしい…)

純「ダメだよー?ちゃんと誠心誠意もって付き合わなきゃ。まだ月日も浅かったはず…」

桂馬「あ、ああ!あれは実は違うんですよ!実は「どういう事でしょう?」訳が……」

天理「貴方は確か、他に彼女は居なかったはず」キィイン

桂馬「(チッ!ディアナか!久しぶりの修羅場な予感が!)お、落ち着けディア―――天理!あれは」

ディアナ「問答無用、です!」パァン

桂馬「ぐはっ!」

ディアナ「貴方という人は!やはり女ならほいほい口説くような輩だったのですか!」

純「え!?何喧嘩!?」

桂馬(また収拾がつかない事態に!)

美生「ちょっと先生、庶民相手に何を騒いで?」

桂馬(青山美生!?くそ、何で今日は厄介な奴等が…だがチャンス。美生には記憶が無いから切り抜ける為のダシに!)

純「あ、ごめんね青山さん!今ちょっと問題が!」

美生「問題?…あら、お前……何処かで見たような覚えが…」

ディアナ「っ!桂木さん説明を!」

桂馬(美生ォ!それは今は地雷台詞だ!ほら見ろディアナが鬼のように怒り始めてるぞ!)

美生「おかしいわね…一体何処で…?」

純「ま、まさか青山さんにまで手を…」

ディアナ「どういう訳でしょうか?か・つ・ら・ぎ・さ・ん!!」ビキビキッ

桂馬「(かくなる上は!)……ふんっ!」モミュ←ディアナ(天理)の胸を鷲掴み

ディアナ「!?///」

美生「な!?///」

純「桂木くん!?///」

桂馬「(今だ!)じゃあそういう訳で!行くぞ天理!」スタコラ

ディアナ「ちょ、ちょっと待って下さい!」連れて行かれ

純「どういう訳!?」

美生「しょ、庶民風情が公衆の面前で破廉恥な!」

桂馬(相変わらず凄いぞギャルゲ技!しかし…長瀬に次逢った時の言い訳が増えたじゃないかっ!)

偶然屋台を開いていた純と美生から逃げて人気の無いシアターまで逃げてきた二人。


桂馬「此処までくれば…」ゼェ、ハァ

ディアナ「で、どういう事か説明してくれるのでしょうね?」ガシッ

桂馬「(アイツ等に輪を見られてないか不安だ)…説明も何も、女神捜しの一件でハクアの存在を色々利用して記憶の有無を探っただけだ」

ディアナ「それならそうと早く言いなさい!」

桂馬「あそこで言えるか!少しは空気を読め!」

ディアナ「桂木さんが早くも浮気をしたのかと思いました」

桂馬「……」

ディアナ「まぁそういう事でしたら、私からは何もありません」

桂馬(騒動の発端が何を)

天理「ご、ごめんね…ディアナも悪気は…」キィイン

桂馬「わかってる。アイツ人一倍天理を心配してるからな…」

天理「う、うん…」

桂馬「それより…昼を買い損ねたな…今出てもまたややこしくなりそうだ」

天理「あ!それなら…」ガサゴソ

桂馬「…どうした?バッグに手を入れて」

天理「あ、あの…実は来る前にお弁当二人分作ってきて」

桂馬「ちょっと待て、それあるなら別に昼を買いに行く必要は無かったんじゃ……」

天理「…は、恥ずかしくて言い出せなかったの///」

桂馬(僕のあの苦労は一体…)

桂馬「…はぁ。それより折角作ってきたのに無駄になるところだったじゃないか…」ゲンナリ

天理「うっ…でも…」

桂馬「(まさかディアナの奴…態と怒って僕らを人気避けた場所に……考え過ぎだな)…弁当」

天理「…え?」

桂馬「腹が減った。天理が作った弁当が食べたい」

天理「あ、うん…口に合えばいいけど…///」弁当を差し出し

桂馬「(…ある意味、あの騒動のおかげだな)大丈夫だろ、天理の料理の腕は一応把握済みだしな」

天理「そ、そうかな…」

桂馬「ん…じゃあ、いただきます」パカッ

桂馬(ご飯にハートマークのLOVEの文字…まさか現実で目にするとは)

天理(恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!///)

桂馬「…因みに言うなら、長瀬の言ってた事は…ホントに違うからな…」

天理「ふぇ!?」

桂馬「…ぼ、僕の彼女になったのは…天理が初めてだって事だ!」ガツガツ

天理「あ……うん///」

桂馬(嗚呼くそ、弁当美味いじゃないか!)ガツガツ

今日はここまでです!

一日遅れですが、更新します!

桂馬「御馳走様。まぁ…美味かったぞ」

天理「」ポケー

桂馬「…?なんだよあまり箸が進んで無いぞ」

天理「…揉まれた」ボソッ

桂馬「ぶっ!」

天理「ハッ!な、なんでも無いよ?」パクパク

桂馬(しまった…仮にもあのギャルゲ技を使ってしまったんだ…以前はノーラ相手だから忘れていたが、これは副作用…!)

天理「///」パクパク

桂馬「(ディアナも僕も熱くなってうっかりしてた…)天理…あれはあの場を切り抜ける為に…」

天理「ひゃい!?///」

桂馬(返って掘り返す羽目になってしまった)

天理「あ、あの…」

桂馬「天理!今日は良い天気だな!早く食べて外行こう外!」開き直り

天理「ごめんね…あまり大きくなくて…」シュン

桂馬(そっちかよ!ていうかその発言は売り場ゾーンが違うジャンルへ行く確実にヤバいルートだぞ!)

天理「あ、ちゃんとわかってるよ…?桂馬くんがあんな事した訳…」

桂馬「(出来ればそれだけ言って欲しかった…。あんな事言われたら返事しない訳にはいかないだろ!)…いや、良かったよ…天理の胸…///(……あ)」

天理「ふぇ!?///」

桂馬「あ、違っ!サイズの問題だ!僕には丁度いいというかとにかく気にするなでたな!」

天理「あぅ…」カァア

桂馬(ヤバいテンパって語源が滅茶苦茶だぞ…)

桂馬「(よしまずは話しを逸らそう)ど、どうだ天理!楽しんでるか!?」

天理「う、うん…楽しんでる、かな」

桂馬「そうか。なら良かった…」ホッ

天理「…ふふ」

桂馬「…?なんだよ急に笑って」

天理「ううん。ただ、桂馬くん今恥ずかしくて話題を逸らしたなぁって」

桂馬(よ、読まれただと!よりによってあの天理に!?)

天理「それか私が恥ずかしがるってわかってて気を遣ったんだよね?その…ありがとね?流石にあれは恥ずかしいのに変わりないから…どちらでも嬉しかったよ…///」

桂馬(…まさか見透かされるなんてな。若干お門違いだが、これを否定なんて出来ないぞ)

天理「あ、あの…!さっきの事もあったから……桂馬くんにまだ元気があるみたいで良かった…」

桂馬(もうあの頃と違うのか?…そうだな。きっと天理は"追い付いた"んだ…何もかも解っていて、きっと僕に追い付く事だけを見ていて…そんな天理に、僕が言える言葉は…)

天理「桂馬くん…?」

桂馬「天理!」両肩掴み

天理「へっ!?」

桂馬「僕の方こそ、済まなかった」

天理「え…?」

桂馬「全部お前の言う通りだ。今恥ずかしかったのも、困ったのも、僕が誰も好きじゃないとか元気が無いのも、全部言う通りだった…」

天理「桂馬くん?」

桂馬「その上で言う。やはり天理と僕は運命じゃない…そんな単語で引っ括めてしまうような易い関係じゃない」

天理「……」

桂馬「好きだ、天理」チュ

天理「!?///」

桂馬「…攻略とかもう無しだ。生半端な気持ちじゃ無い…将来結婚しよう」

天理「~~~っ」

桂馬「誓う。桂木桂馬は鮎川天理をずっと好きでいると…お前も」

天理「」カクッ

桂馬「…?」

天理「」プラーン

桂馬「てて天理!?」

ディアナ「どうやら気絶したみたいですね」キィイン

桂馬「……ディアナ?」

ディアナ「無理も無いでしょう。桂木さんにあのような誓いを告げられては」

桂馬「お、お前!聞いてたのか!?」

ディアナ「当然」

桂馬「」

ディアナ「桂木さん」

桂馬「…なんだよ」

ディアナ「どうか天理を、これからも永遠に宜しくお願いします」

桂馬「お前…」

ディアナ「先程は失礼しましたが…貴方の向ける天理への想いが偽り無いと確信しました。天理の頑張りが報われて…私は心底嬉しいのです。長年生きたどんな時よりも…」

桂馬「……」

ディアナ「正直私は不安でした。本当に貴方に天理を任せてよいのかと。それは貴方だからではありません…天理も桂木さんも、お互い無理をします。だから時々、二人がくっついて良いのかと思う事さえありました」

桂馬「…そうか」

ディアナ「ですが……天理の気持ちは変わりません。何せ貴方の一言で、気を失う程の嬉しさを感じられるのですから」

桂馬「…あの言葉に間違いなんて無いからな」

ディアナ「えぇ。それが解って天理は最高の幸福を感じたのでしょう…私は確信しました。嗚呼、この娘の愛は、天界に居た頃でも感じ得なかったくらい深いものだと…機関何て関係無く、この娘は貴方の事しか見えないと…」

桂馬「…重い愛は苦手だ。特にリアルでは……だけど、それが好きだと思えるようになったのも、きっと天理だからだろう」

ディアナ「…ありがとう御座います」

桂馬「何故礼を言う」

ディアナ「貴方の愛の重みを受け入れたからです。愛の重みを知れない者に、そのような言葉は出ません。貴方は…普段はどうしようも無い人に見えますが…一番誰かを大切にする気持ちを持ってるとも思えます」

桂馬「貶してるのか誉めてるのかどっちだよ…」

ディアナ「さぁ。ですが…だから天理は、貴方を好きになったのかもしれませんね…………私も」

桂馬「…たく、お前等はどうして僕なんかが良いんだ?いや、確かに僕は落とし神だから当然だけどな」

ディアナ「謙遜を知りなさい。…ただ、貴方だからでは?」

桂馬「……」

ディアナ「今なら言えます。貴方を好きになった事も、貴方と口付けを交わしたのも、全て誇りに思います…他の女性もきっとそう思いますよ」

桂馬「…何故そう思うんだ?」

ディアナ「女神の私が思った……いえ、貴方を好きになった人だから……ですね、きっと…」

桂馬「…確信の無いルートは嫌いだな」

ディアナ「また心に無い事を…ところで桂木さん、大切な事を聞きそびれました」

桂馬「なんだ?」

ディアナ「天理の胸を二度にも渡り揉んで、何をしようとしたんです?」

桂馬「」

ディアナ「まさか貴方は、これを機に天理に良くない行いを働こうと!」

桂馬「今の感動的な話題からなんでそうなる!」

ディアナ「駄目ですよ!天理はまだ未体験…どうせするならもっと場を弁えなさい!」

桂馬「ご最もだな!一流なギャルゲーマーとしてそこは賛同する!」

ディアナ「猥褻発言に賛同!?最低です!」

桂馬「よしディアナ、とりあえず落ち着け」

ディアナ「貴方こそ落ち着きなさい!冗談のつもりが本当に反発したじゃないですか汚らわしい!」

桂馬「戦争か!?僕と全面戦争がしたいのか!?」

ディアナ「いいでしょう…ならば戦争を」

桂馬「望むところだ」

ディアナ「………」

桂馬「……」

ディアナ「……」

桂馬「…落ち着いたか?」

ディアナ「ええ大分………お互いに」

桂馬「…そうだな」

ディアナ「……あの、桂木さん」

桂馬「なんだ?」

ディアナ「天理と、いつまでも一緒に居て下さいね」キィイン

桂馬「ああ、言われるまでもない」




桂馬「…ディアナ?」

天理「……あ、れ…?桂馬…くん…?」

桂馬「天理、か…?ディアナはどうした?」

天理「ふぇ?ディアナと話してたの?」

桂馬「ああ。お前が気絶している間に…」

天理「え?…そっか。私気絶して…………あ///」

桂馬「…僕に撤回の二文字は無いからな///」

天理「う、うん///」

桂馬「ていうか、ディアナも突然なんであんな事を……」

天理「ディアナと何話したの…?」

桂馬「…まぁ、色々と。主に僕を褒めて貶して褒めて煽った」

天理「よ、よくわからないよ…」

桂馬「事実を言ったまでだ。……ちょっと待て…。おい天理、ディアナに変われるか?」

天理「え?うん…ちょっと待って」目を綴じ
















天理「……あれ?」

桂馬「天理?」

天理「お、おかしいな…返事も、ディアナの声も聞こえない…」

桂馬「……」

天理「ちょ、調子悪いのかな…?」

桂馬「……」

天理「…桂馬くん?」

桂馬「…なんだよ、アイツ…ありきたり過ぎるだろ…それはクソゲーの中でも胸糞ルートだ!」クワッ

天理「!?」ビクッ

桂馬「…天理、多分ディアナは…もう居ない」

天理「……え?」

桂馬「……近くに居るなら、答えろよ…なぁ」


しかし、周りからは気配も何も無い。












それから僕らは、シアターを出て舞校クリパの舞台に戻った。教室に戻るも歩美達は普段通りに明るく接客をしていた。途中でウルカヌス等が現れたりで騒動が起きたが、何事も無かったように解決して過ごし時間は流れ、夜に迎える2Bペンシルズとかのんのライブが始まろうとしていた。
ちひろ、かのんは歌唱力を生かして、えりや歩美、京、結も更に向上した演奏を披露。友人の月夜や栞、ハクア、ノーラ、他の皆にドクロウ等教師。いつの間にか来ていた檜や灯、白鳥のじいさんとうらら、雪枝さん、あとおかっぱのセーラー服に白衣と変わった格好の奴まで居て、終始笑顔で盛り上がっていた。
そして………。













僕と天理はずっと無言だった。

・12月27日



ピピピピッ


カチッ

桂馬「…朝か」


ガチャッ


えり「おはよー御座いますにいさま!今日もいい天気ですよ!」

桂馬「ん…ああ。おはよ…いい天気だな」

えり「今日も元気よく……ってえぇ!?あのにいさまが、神にいさまが目覚ましをセットして起きた!?」

桂馬「…なんだこの言い草は」

えり「ただでさえにいさまがゲームもせずに正常に起きるなんて世界の人類が殲滅される程大袈裟な事態なのに!」

桂馬「言い過ぎだろ」

えり「ど、どうしよう!今日は雨!?槍!?ブラックホール接近注意!?」

桂馬「…はぁ。付き合いきれない」

えり「えー!そんな事言わずに何かツッコミをくださーい!」

桂馬「一人でやれ」

えり「……まだディアナさんとは、あれから逢えないんですか?」

桂馬「…お前には、天理が一応話したんだったな」

えり「ハクアも知ってます。今、新しい部下を駆り出して捜査をしているらしいです。…最重要任務扱いで…」

桂馬「それ職権乱用じゃないか…」

えり「それだけハクアも心配なんです!ディアナさんとは、なんだかんだあって凄く親しんだ仲のつもり、だと言ってました…」

桂馬「…そうか」

えり「他の女神さん達にも、詳細はうやむやに尋ねたんですが…やっぱり皆連絡が取れないだけで、わからないそうです…」

桂馬「…ふーん」

えり「にいさま素っ気ないです!ディアナさんが心配じゃないんですか!?」

桂馬「僕が心配してどうにかなる問題じゃ無いだろ。…アイツが勝手に」

えり「そういう問題じゃ無いと思います!」

桂馬「…なら、天理の心配でもしたらどうだ…」

えり「なっ!」

桂馬「アイツが一番堪えてると思う。どうせ元気付けるなら、アイツにしてやれよ」

えり「そうですか!言われなくても、今から天理さんに逢いに行くところでしたよ!にいさまの分からず屋ー!」バタンッ!

桂馬「……」

今日はここまでです!

放置してしまいすみません!時間が空かないのと、ネタに困っていて…今から再開します!

桂馬「…で、お前は何時までそうしているつもりなんだ?」













ディアナ『うっ…私だって好きでこんな状況を作ったのでは…』カガミノナカカラ

桂馬「全く…天理の力が強まって一時魂が分離した挙げ句、一日経ったら今度は天理の様子に臆して帰りにくくなって、結局一時僕に宿るなんて…」

ディアナ『私だって早く天理の中に帰りたいですよ!しかし時間が過ぎていく内に…』

桂馬「余計帰り難くなったと?」

ディアナ『はい…』

桂馬「…一体お前はどれだけ僕を頼りにすれば気が済むんだ」

ディアナ『か、桂木さんにだって非はありますよ!?貴方が天理の愛をあれほど増幅させるのですから』

桂馬「愛せって言ったり自重しろって言ったり自己中過ぎるだろ!」

ディアナ『…返す言葉も見当たりません』

桂馬「生憎えりも気付いていないのが唯一の救いだ…これからどうする?」

ディアナ『決まっています!天理の中に戻って謝罪して何事も無く今まで通りにですね!』

桂馬「なら早くそうしろよ」

ディアナ『それにはタイミングが……』

桂馬「…はぁ」ガクッ

桂馬「まどろっこしい!僕から天理に出向いて全部ぶちまけてやる!」

ディアナ『ちょ、ちょっと待って下さい桂木さん!晒すタイミングなどは私が決める事で!』

桂馬「そんな事言ってたらあっという間にお爺ちゃんになってそうだ!」

ディアナ『いえだからその前には必ず!』

えり「必ず?」

天理「何を言うのかな?」

桂馬「」

ディアナ『』

天理「ディアナ」

ディアナ『はい』

天理「とりあえず…話し合おうか?」

ディアナ『…はい』

桂馬「」

えり「にいさまは下で私と話しましょうか♪い・ろ・い・ろ・と!」

桂馬「……あい」

こうしてディアナは呆気なく天理の元へ帰った。


天理「…心配したよ?」

ディアナ『はい』

天理「事情はさっきの会話でこっそり聞いたけど」

ディアナ『いえ、あの!天理が寂しそうにしているので出向きにくく!』

天理「一日くらいなら、理由言ってくれたらちゃんと安心出来たのに…」

ディアナ『…すみません』

天理「でも、帰り難かったのは私にも原因があるんだよね…それに責めるつもりは無いよ?」

ディアナ『いえ!天理は悪くありません!悪いのは私と桂木さんで!』

天理「桂馬くんは悪くないよ?ディアナの事を気遣ってくれたんだし…」

ディアナ『うっ…重ね重ねすみませんでした…責任転嫁など、女神のする事ではありませんね…』

天理「とにかく、戻って来てくれたならよかったよ」

ディアナ『…許して、くれるんですか?』

天理「許すも何も、心配だけだよ本当に」

ディアナ『嗚呼、天理が天使の様に見えます』

天理「大袈裟だよ…」




その後迷惑を被ったハクアや他の姉妹にも謝罪し、こうして何とか無事に解決したとさ。




桂馬「おいちょっと待て!これって僕が損しただけじゃないか!?」

桂馬「それにしても…事件が旅行前に解決して良かったな」

ディアナ『おや、桂木さんも何だかんだで天理との旅行楽しみなんですか?』

桂馬「勘違いするな!ドクロウに折角貰ったチケットだし、別に浮かれてばかりでは…天理と行くのは…正直楽しみだが…」

ディアナ『何度も言っておきますけど、いかがわしい行為は許しませんよ?』

桂馬「…と言うかお前早く天理に変われよ」












こうして旅行当日は早々に訪れた。

12月29日当日



・新幹線内


桂馬「天理、お茶取ってくれないか?」ピコピコ

天理「うん」お茶渡し

桂馬「さんきゅ」

ディアナ『桂木さん…折角の旅行にゲームはどうかと…』

桂馬「二日前」

ディアナ『…何でもありません』シュッ

桂馬(よし!あの事件以来、ディアナは後ろめたさから主導権を完全に剥奪された!あの事は最早僕が安心してゲームに打ち込めるべく、神様が僕に与えてくれた布石とさえ思えるぞ!いや僕が神だ!)キリッ

天理「…桂馬くん、そのゲーム楽しい?」

桂馬「ん?ああ。コンプリート済みだが、素晴らしいギャルゲーは何度プレイしても飽きない」

天理「そっか…楽しいならよかった」ニコッ

桂馬「…ああ」

天理「ふふ」プチプチ

桂馬(笑顔でプチプチされると何か違和感が…)

桂馬(しかしこのギャルゲー…冴えないクラスメイトをギャルゲーのヒロインとするべく製作に励むのは共感だが、やっている事がまるでなってない!これでは主人公の行動に加藤が置き去りじゃないか!)

桂馬(…冴えない彼女か……改めて天理は…冴えないのか?可愛いのは認めるけど、今一主張制に欠けているし僅かに地味だ)

桂馬(待てよ。なら僕が天理の穴場を埋めるのは使命では?)

桂馬(決めた!僕はこの男のように、天理を誰もが羨む彼女にしてやる!)

桂馬(しかしどうする…天理は加藤とは違い別にステレス属性を持ち合わせていない…)

天理「…桂馬くん?」

桂馬(どちらかと言えば謙虚だ。あの謙虚さは物語の主役にさえなりかねない程のものだ)

天理「あ、あの…見詰められると流石に///」アワアワ

桂馬(欲が無いなら、作れば良い。大体僕の彼女なんだ!そこは誇って周りが羨む位甘え―――待て待て僕は何を言ってる!?)

天理「えっと///」

桂馬(相手は天理だぞ?それに僕がこんな邪にしかも現実に熱心になる必要は)

天理「……///」

桂馬(…やはり変わったのか?前ならこんな事思わなかったのに…いや悩んでいても無駄だ!落とし神の名に賭けて、こんなB級主人公に負けてはいられないだろ!)ガタッ

天理「ふぇ!?桂馬くんいきなり立ち上がってどうしたの…?」

桂馬「天理…トランプをしようか」

天理「え?」

桂馬「前に結達がしてたのと同じだ。負けたら勝者に絶対服従の命令を下す」

天理「えぇ!?」

桂馬(これなら天理の欲を晒け出せる…確実に!)

天理「ば、罰ゲームとかは無しでも…」

桂馬「駄目だ。ゲームやるからには真剣にやりたい。だから賭け事は絶対必要なんだ」

天理「ふぇえ…」

桂馬(ふっ、完璧だ。いくら天理でも、カップルなら絶対甘いお願いをする筈…そして誰もが羨む女の子に見えて…)←錯乱気味

天理「うぅ…(で、でも負ければ私に命令権が無い…それなら多少は…)」

桂馬「ゲーム内容は…二人ならポーカーでいいだろう。ルールは?」

天理「う、うん。知ってるよ…」

桂馬「よし、なら…」鞄からトランプ出し

桂馬(ふっ…待ってろ天理。僕がお前を完全無欠の嫁に育成してやる!方向性の違い?知らん!これは最早僕と人生の聖戦だ!絶対に負けてやる)

天理(負けますように)

桂馬「いざ…勝負!」





桂馬(勝ってしまった)

天理(負けた!)

桂馬「…なんでフルハウスに対して素引きでロイヤルストレートフラッシュなんだよ。詐欺だ」

天理「わ、私別にズルしてないよ!?」

桂馬「分かってるよ…くっ(これじゃあ計画が)」

天理(勝ったのに残念そうなのは何で?)

桂馬「…命令権か……。キスとか?」

天理「ふぇ!?///」

桂馬「……流石に新幹線の中でこれ以上は」

天理「それ以下でも十分だよぉ!///」

桂馬「それだと罰ゲームにならない!」

天理「うぅ…それ罰ゲームっていう名のご褒美な気が…///」カァア

桂馬「…やっぱりゲームは無しにしよう」

天理「う、うん…そうしようよ」

桂馬(くそっ…自分で言ってこの結果は屈辱的で計画破綻だ…)

天理(何で残念がってるの私の心ぉお!)

一先ず以上です!
殆ど書き溜めを投稿しただけになり申し訳ありません!時間が空き次第早めに更新します!

また遅れてしまいましたが今から更新します!

・下車付近


桂馬(色々失敗したが何はともあれ…)

桂馬「着いたぞ!」

天理「着いたね…」

ディアナ『時に桂木さん、宿舎は何処なのでしょうか?』

桂馬「ふ、問題無い。既にリサーチ済みだ」

ディアナ『なるほど』

桂馬「此処から2km離れた先にある」

天理「」

ディアナ『』

桂馬「…歩く訳じゃ無いぞ?ほらしっかりバス停も完備されている」

天理「今の時間が11時半で…次のバスは12時半って書かれてるのは気のせい…だよね?」

桂馬「なに!?」バッ

天理「ひゃん!(桂馬くんの手が少し鎖骨に///)」

桂馬「くそ、ド田舎に来たせいで時刻表を見誤ったか…まさか一時間に一回ペースとは」

天理(変な声出ちゃったけど……)

桂馬「丁度さっき出発したのか…これだから現実は。普通電車の到着時間に合わせるのが効率的に」ブツブツ

天理(気付いてないのが流石だよ…お陰で助かったけど///)

桂馬(肩を掴んで退けたつもりが、コート内に手が滑り思わず天理の肌に触ってしまった…おまけに変な声も聞こえて……くっ、邪気にまどわされるな!雑念退散!)

天理「で、でも桂馬くんが悪い訳じゃ無いし…」

桂馬「…いや、言い訳はしたけど完璧に僕の情報不足が招いたミスだ…天理には悪いけど、此処で待つしか無いか」

天理「待つのは別に気にしないよ?」

桂馬「そうか?悪いな…」

天理(二人っきりで居るのは悪くないし…寧ろ幸せだから///)

ディアナ(天理の気持ちが見透かせる…今でいうデレ度?が増しているのでしょうか…)









???「ふふ。まさかこんな場所で彼を見つけられるなんて…」











桂馬「バスが来るまでどうするか…」

天理「あ、ならしりとりでもする?」

桂馬「ああ…それもいいな(時間稼ぎにならないし、ハメは無しにするか)」

ディアナ(…?妙な視線を感じますが…)

一方その頃、とある物陰にて。


???「漸く発見しましたよ!」

???「なーんかのんびりしてるみたいだけど…私達が尾行する意味って本当にあったの?」

???「間違いがおきてからじゃ遅いですよ!」

???「そうよ!それよりも二人きりで旅行とか聞いてないし!」

???「あ、あのぅ…予定より約三名ほど人数が少ない気が…」ゴニョゴニョ

???「…結は実家に捕まったわよ。ちひろは誘い自体無視された」

???「月夜さんは連絡が取れないので仕方なく」

???「」

???「とにかくよ!来れなかった人の穴埋めも兼ねて二人の行動を更に警戒する必要がある!」

???「私達が食い止めてみせる…過ちを!」












ディアナ(増えた!?)

桂馬(何かさっきから視線ばかり感じる)ゾクッ

天理「えーっとねぇ…あ、"か"だからカルタ!」

桂馬「鷹」

天理「」

桂馬(このバレバレな気配……多分えり達だな。予測すると他に歩、かのん、ハクア辺りは確実か。ノーラと亮の線は薄い。この面子に付き合うのは後ちひろか結くらいか?栞や月夜は考えにくいし)

天理「もう三回目の"か"だよ…」

ディアナ『桂木さん、気付いてますか?』

桂馬(これ念話か?ああ、視線は気付いている)

ディアナ『犯人の目星は?』

天理「あ!カツラ!」

桂馬「(大体ついている)落下」

天理「」

ディアナ『そうですか…時に桂木さん、天理をハメてますよ?』

桂馬(は?)

天理「また"か"…か…か……解雇?」

桂馬「(そこは怪盗とか怪奇とか…高価とは絶対言えない)こ…故障?」

天理「(やった!)海!」

桂馬「未来」

天理「イカ」

桂馬「貝」

天理「椅子」

桂馬「図形」

天理「」グスン

桂馬「………すまん、癖でつい」

天理「」プルプル

桂馬(あ、可愛い)

ディアナ『おい』

それから暫く経ち


プップー!

天理「あ、バス来たよ!」

桂馬「て言うか音が既に田舎の古臭さを物語っている様なバスだな…見た目も」

天理「そうかな?私は割と好きだよ…」

桂馬「ふーん…兎に角乗るか。これ以上待ちたくないしな」

天理「あ、うん!わか…!きゃっ!」バンッ


サササッ

ドスッ


天理「!?」

桂馬(堂々としかも先に乗り込んだ!?あれで変装しているつもりか!?)


???「「「「……」」」」プイッ

???「」オロオロ


桂馬(見るからにえり、ハクア、歩、かのん、そして栞か…)


えり「」ツーン

ハクア「」シランプリ

歩「」プイッ

かのん「」ウツムキ

栞「」アワアワ


桂馬(つーか栞、お前明らかに場違いだぞ。天理は気付いてないのか?)


天理「ふぇ?」

桂馬「(……まさかの気付いてない、か)大丈夫か?」手差し出し

天理「う、うん…ありがとう」ギュ

桂馬「(まぁアイツ等が余計な事をしてきたら対策を練ればいいか)僕等も席に座るぞ」

天理「わ、わかった!」

バスに揺られ向かう事時間も流れ、目的地の旅館へ到着した桂馬達一向。


桂馬(普通に乗って普通に同じ旅館に入っていったぞアイツ等…)

天理「結構立派な旅館だね桂馬くん!やっぱり田舎も馬鹿に出来ないよ」

桂馬「ああ、そうだな(これは警戒を増す必要がありそうだな)」

天理「雪景色も綺麗だし…ドーちゃんに心から感謝だよ!」

桂馬「まだ来たばかりで気が早いぞ」

天理「そ、そうかな?それより早く旅館の中入ろう?お部屋も見たいよ」

桂馬「(まぁ今から考えても仕方無いか…今は天理との時間を有意義に使う事を最優先に)そうだな」スタスタ













???「ふふ」ニヤリ

・桂馬天理の泊まる部屋


桂馬(よし、部屋に着いたし早速天理を誰もが羨む彼女に育てる―――では無くて。どうする?無難なイベントはやはり温泉だが…)

天理「わぁー!やっぱりお部屋も綺麗!それに窓際からの景色も最高だよ?ほら、桂馬くんも!」

桂馬「ん?ああ…確かに雪景色がより様になっているな」

天理「うん!来て良かったなぁ…」

桂馬「(…今は天理が喜んでくれているし、進行が成り行きでも偶には悪くないか)そうだな。…どうする?早速温泉へ行くか?」

天理「ふぇ!?///」

桂馬「ん?」

天理「そ、そそ、それって…さっき旅館の人が言ってた家族または恋人専用の混浴露天風呂に…?///」

桂馬「は!?(……しまった!他の事を考えていて話しを聞き逃していたのか!まさかそんな場所が設けられているなんて!)ち、違う!普通のだ普通の!男女別々の清く正しい普通の温泉だ!」

天理「え……そ、そうだよね!私勝手に勘違いしちゃって…ごめんね///」

桂馬「い、いや///」

天理「///」

桂馬(……機会があったら…。夜更けとか人目が極端に減ったら…まぁ試しに行ってみるか)カァア

天理「そ、それじゃ…行こうか///」

桂馬「あ、ああ…」

・露天風呂男子湯


桂馬(ふぅ…生き返るな。…それにしても混浴か…以前なら全く興味も無かったけど、天理となら行ってみたいって思っている…今の僕は重症だな…)

桂馬「きっとこれも前世の記憶が関係して…いや、これは前にやったファンタジー系現代学園のギャルゲー設定だろう。寧ろ最近は司令官になって戦艦に例えた娘と恋愛するギャルゲーが流行りと聞いたが…しかしあれはパソコン専用だから僕の範囲外なんだよな」

桂馬(いや、こんな時にもギャルゲー脳が健在なだけまだ正常なのか?)

桂馬「……いい湯だな」













・一方女子風呂



天理「」

えり(来ました)←顔隠し

ハクア(連れてこられました)←顔隠し

歩(着いてきました)←顔隠し

かのん(同上)←顔隠し

栞(帰りたい…)←顔隠しながら涙


天理(何だか周りの人達が凄い怖い!)

ディアナ(いっそバラして顔を巻かれたタオルを外した方が不憫にはならないと思いますが…)

今日はここまでです!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月18日 (水) 16:16:57   ID: 7S5kOc0S

更新楽しみに待ってます

2 :  SS好きの774さん   2015年03月08日 (日) 00:37:16   ID: 0fEc1rdb

面白い!
続き待ってます

3 :  SS好きの774さん   2015年03月28日 (土) 14:29:39   ID: hc_8YCar

おお!神のみ小説がまだでてたなんて!pixivの奴しか見てなかった笑

4 :  SS好きの774さん   2015年04月04日 (土) 11:57:31   ID: 1oOChquT

続き待ってます

5 :  SS好きの774さん   2017年03月20日 (月) 17:59:33   ID: XQVvPh6A

続き待ってます!

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