ピカチュウ「くそ…妖怪ウォッチめ…」 (85)

ピカチュウ「俺には魅力が分からん!あの不気味な猫畜生は何者なんだ!」

キバゴ「『ジバニャン』ですよ。地縛霊らしいです。猫の」

ピカチュウ「地縛霊!?随分と妙な設定なんだな」

キバゴ「特殊ですよね」

ピカチュウ「まあ、それはいい。問題は、『妖怪ウォッチ』の人気が天井知らずだということだ」

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ピカチュウ「ゲームの成功でここまでブームが巻き起こるとは…!」

キバゴ「ポケモンと同じですね」

ピカチュウ「そうだ。だが、ポケモンブームの頃はまだメディアが未発達で、これほど急速には広まらなかった」

ピカチュウ「奴らは既に映画も成功させている。ポケモンはもはや影に隠れてしまった…!」

キバゴ「うーん…でも、妖怪ウォッチのゲームは、メディアミックスを前提に企画されたらしいですし…」

ピカチュウ「なぜだ!ポケモンの人気がこんなに衰えるなんて!」

キバゴ「…」

ピカチュウ「なぜだあああああ!!!!」

キバゴ「いやー、衰えてはいないと思いますけど」

ピカチュウ「いや!衰えているのだ!アニメの視聴率が下がり、打ち切りになる!仕事が減る!ぬおおおおおおお!!」

キバゴ「そうですかね…」

ピカチュウ「俺はゲームもアニメも知らないが、そのジバニャンとやらは至る所で目にするぞ!」

ピカチュウ「電車にはイベントの告知、コンビニのCM、車のCM…」

キバゴ「CDも売れてますね。特に『ようかい第一体操』はよく耳にします」

ピカチュウ「そう!それと何だ?『ゲラゲラポー』とかいうのは!ふざけているとしか思えん!」

ピカチュウ「ポケモンがこれほどビジネスに関わったことは無い!」

キバゴ「え?」

ピカチュウ「金儲けしか考えていないんだよ!あいつらは!」

キバゴ「でも、新しいゲームは評判悪いですよ」

ピカチュウ「それで特に影響があったか?初代妖怪ウォッチは未だに高値だぞ」

ピカチュウ「それに、この前TSUTAYAに行ったんだ。中古のポケモンXがあったんだが、いくらだったと思う?」

キバゴ「…3000円ぐらいですか?」

ピカチュウ「ブー!1980円だ!!ジャパネット並みにお得だぞ!!」

キバゴ「でも、出荷数の違いも…」

ピカチュウ「そのTSUTAYAには、福袋があったんだ。『オメガルビーを含めてソフト3本』!お値段4980円!」

キバゴ「…」

ピカチュウ「余ってんだよ。売れてねえんだよ。でなきゃ福袋なんかに入れない」

ピカチュウ「ポケモンは停滞しているんだ。今やデザインは賛否が分かれるし、数が多すぎる」

キバゴ「それは…仕方の無いことです」

ピカチュウ「子どもたちからの支持が失われつつある。ポケモンは『過去の栄光』となってしまうのか…!」

ピカチュウ「思えば、ポケモンのゲームはおかしな方向に進んでしまった。『厳選』『6V』『めざパ』…いつの間にこんな言葉が!」

キバゴ「でも、どうしようもないでしょう」

ピカチュウ「まあな。しかしアニメについては対策を講じる」

キバゴ「え」

ピカチュウ「そう、アニメで改革を行うために、現シーズンの主要メンバーと作戦会議を行う」

キバゴ「XYのですか?」

ピカチュウ「ああ、お前は関係ないだろうが、ちょっと付き合ってくれ。もうすぐ来ると思う」

キバゴ「まあ、構いませんよ」

ピカチュウ「よし!」

そして…

ゲコガシラ「…」

ヒノヤコマ「…」

ピカチュウ「ここに集まってもらったのは他でもない。我らがアニメ、『ポケットモンスターXY』の先行きについて話し合う為だ」

ゲコガシラ「…」

ヒノヤコマ「いやあ、本当ですよお!最近はほんっとマンネリですよねえ!結局やることは昔と変わりませんし、キャラクターの魅力も…」

ピカチュウ「とにかく、人気の妖怪ウォッチに対抗する手立てが必要だ」

キバゴ「どうするんですか?」

ピカチュウ「そこで、俺の考えを話そう」

ピカチュウ「思うに、ポケモンは既に『古いアニメ』となってしまったのだ」

ゲコガシラ「もう十数年も続いているのだからな」

ピカチュウ「転換が求められている。ポケモンを時代に合うアニメにしなくてはならない」

ピカチュウ「そして手っ取り早い方法は、妖怪ウォッチの真似をすることだ」

キバゴ「ええ!?」

ヒノヤコマ「真似?うん!うん!いいですね!パクりましょうパクりましょう!そいでもって奴らをギャフンと言わせちゃいましょう!さすがピカさん、やっぱり考えることがちが…」

ピカチュウ「アニメとして妖怪ウォッチが売れている理由は、何もキャラクターの魅力だけでは無いだろう」

ゲコガシラ「うむ」

ピカチュウ「ポケモンと妖怪ウォッチを比べてみて、大きな違いがある。何だと思う?」

ヒノヤコマ「そりゃあ…もう、あれですよ!いやもう、本当にめっちゃ違ってますよねえ!決定的というかもう、本当に、ねえ!やっぱり妖怪ウォッチって…ねえ!本当に…」

ゲコガシラ「話すこと…だな」

ピカチュウ「そう。妖怪ウォッチではモンスターたちが喋りまくる。一方我々は」

ピカチュウ「ピッカ!ピカピカ!ピカチュ?ピィ…ピッカー!」

ヒノヤコマ「うおう!さすがっす!やっぱりピカさんの声は一味違いますねえ!」

ピカチュウ「この鳴き声が、視聴者を感情移入から遠ざけているのだ。まあ、そもそもポケモンに感情移入という発想は無いかもしれないが」

ゲコガシラ「ポケモンが喋るゲームがあったな。あれは斬新だった」

キバゴ「『ポケモン不思議のダンジョン』ですね」

ピカチュウ「そうだ。あのゲームはポケモンの新たな方向性を見せたと思う。人間を出さず、ポケモンを主役に物語を描いた」

キバゴ「なるほど」

ピカチュウ「一方、本家のストーリーはマンネリ気味だ。従来のポケモンは、『ジムを制覇してチャンピオンになる』というのが大筋だった」

ゲコガシラ「そうだな。サトシはリーグチャンピオンを目指して戦う。それを延々と続けてきた」

キバゴ「確かに、そろそろ飽きられるかも…」

ピカチュウ「まだまだ改善点が出てきそうだ。ここは…」

ピンポーン

ピカチュウ「くそ。誰だ、こんな時に…」

ピカチュウ「はーい」

ガチャ

リザードン「よっ!明けましておめでとさん!暇だから来ちゃったよ」カチカチ

ピカチュウ「…またお前か。本当に俺の家が好きなんだな」

リザードン「へっへっへ!お邪魔するよー!」カチカチ

ピカチュウ「ゲームをやりながら入るとは、失礼な奴だな」

リザードン「おろ!何だよ、いっぱい集まって。楽しそうじゃないの」

ヒノヤコマ「リリリリリザードン先輩!!」

リザードン「うん?誰?」

ヒノヤコマ「ヒノヤコマですっ!アニメに出てますっ!リリリリザードン先輩は!ほほ本当に憧れでっ!」

リザードン「うんうん、そうかそうか!」

ヒノヤコマ「あ!スマブラ出演、おめでとうございます!!やっぱ大人気なんですねえ!!!」

リザードン「うんうん、あんがと」

ヒノヤコマ「いやあ!やっぱりカッコイイっすね!もう…ひゃあ!すっごい筋肉っ!」

リザードン「うんうん」

ピカチュウ「ところで、何のゲームをやってるんだ?」

リザードン「へっへっへ!妖怪ウォッチだよ!」

ピカチュウ「え」

ヒノヤコマ「え」

キバゴ「え」

ゲコガシラ「…」

リザードン「よーうかーいウォッチッチ!」

ピカチュウ「どういうことだよ!…お前が妖怪ウォッチを…?」

リザードン「まあまあ!ちゃーんとポケモンもやったから!Xもオメガルビーもクリアしたよ」

ピカチュウ「しかし…」

ゲコガシラ「落ち着け。参考になるかも知れないぞ」

ピカチュウ「…そうだな。で、妖怪ウォッチのストーリーってどうなっているんだ?」

リザードン「うーん。妖怪ウォッチっていう道具を使って、妖怪と仲良くなる…って感じかな?」

ゲコガシラ「目新しさは無いな」

リザードン「ストーリーで売れた…って感じじゃないんだよねー」

キバゴ「じゃあ、どうして…?」

リザードン「うーん、どうだろう…」

ピカチュウ「おい、腕に巻いているそれは何だ?」

リザードン「あ、そうだ!これが『妖怪ウォッチ』だよ!」

キバゴ「え!これが!?」

リザードン「そう!こうやってコインと組み合わせて…。あ、このコインはゲームの特典で貰ったんだ!えへへ」

ピカチュウ「で、どうなるんだ?」

リザードン「うーん、特に…。ただ音が出るだけだよ」

ピカチュウ「別に面白くないじゃないか」

リザードン「面白さを求めちゃいけないよ。コレクションが一番の目的なんだから」

キバゴ「そういえば、妖怪メダルがオークションでは高値で取引される…と聞いたことがあります」

ピカチュウ「オークション?子どもがオークションを使うのか?」

ゲコガシラ「いや、保護者だろう」

リザードン「そうなんだよ!妖怪ウォッチは子どもだけでなく、その親たちにも積極的にグッズを宣伝しているんだ」

ピカチュウ「なるほど。…当時のポケモンと同じだな。関連商品が溢れていた」

リザードン「よく考えても、妖怪ウォッチってポケモンとあんまり変わらないんだよね」

ピカチュウ「変わらない?」

リザードン「魅力的なキャラデザ、主人公が少年という、子どもが感情移入しやすい設定…そして露骨なバージョン商法」

ピカチュウ「余計な事を言うな」

リザードン「何というか…、当時ポケモンにハマった人は、もう立派な大人になったんだ。ずーっとシリーズが続いているわけだから、同じようにポケモンも歳を取っちゃったんだよ」

リザードン「だから…妖怪ウォッチは新しい世代なんだよ。20年前と同じなんだと思う」

ピカチュウ「…」

キバゴ「止めようが無いんですかねえ…この流れは」

ゲコガシラ「とは言っても、ポケモンは広く海外でも受け入れられている。妖怪ウォッチが日本から飛び出すには、まだ時間が必要だろう」

リザードン「まあね」

ピカチュウ「ポケモン…妖怪ウォッチ…ブツブツ…」

ゲコガシラ「だが…互いに良いライバルになる選択もある…」

キバゴ「どういうことですか?」

ゲコガシラ「互いを売りつつ、競い合うのだ。『ポケモンVS妖怪ウォッチ』といったゲームを作るとか」

キバゴ「なるほど。あわよくばユーザーを共有すると」

リザードン「お、いいじゃん!」

ピカチュウ「…だとしても、それは最終手段だ」

ピカチュウ「我々が単独で生き残るのが第一。話は戻るが、アニメを中心に改革を行おう」

キバゴ「どうですかね…上手くいくのかな」

ゲコガシラ「ポケモンとしてのアイデンティティが失われてしまうのでは?」

リザードン「え、妖怪ウォッチをパクるの!?ひどいなー」

ピカチュウ「うるさいっ!!俺の影響力に不可能はない!!革命だ!!革命が成されるぞおおおおお!!」

キバゴ「こ、こわい…」

ヒノヤコマ「ピカチュウさんさすがッス!!どこまでもついて行きます!!」

ピカチュウ「黙れヤキトリ!!貴様はどっか行け!!」

ヒノヤコマ「ひえっ!」

ピカチュウ「閉会!!閉会じゃあああ!!」ドドドドド

ゲコガシラ「…すごい勢いで出て行ったな」

キバゴ「…」

リザードン「さーて、次はスマブラしようっと!」

『リザドーン!!』

リザードン「へっへっへ!」

……………


サトシ「ピカチュウ!十万ボルトだ!」

ピカチュウ「りょーかい!ビッリビリにしてやるピカ!!」

ズバババンバリバリ!

ソーナンス「そうはいかないナンスウウウウ!!!」

キイイイイイイイイン!

ピカチュウ「クソが!ミラーコートか!」

ドシュゥン!

ピカチュウ「ほげえええええ!!」

サトシ「大丈夫か!?」

ゲコガシラ「ピカチュウ!しっかり!!」

ピカチュウ「まだだ…まだ終わっていない!」

ソーナンス「諦めが悪いナンスねえ」

ピカチュウ「ふんぬ!!サンダーボム!!」

ボボボボボボボン!!

ソーナンス「ぐお!」

ピカチュウ「油断したな!アイアンテール!!」

ずんぬ!!!

ソーナンス「あふっ!」

ピカチュウ「チェインライトニング!!」

びしゅううううずずんずんずんどん!!

ソーナンス「この…鼠畜生があ!」

ピカチュウ「スタンナイフ!!」

つべしぬべし!!

ソーナンス「あががががが…」

ムサシ「…」

ピカチュウ「とどめだ!奥義、『ひゃくれつしっぽ』!!」

へべべべべりりんみじりんじりんじょぼぼすぼぼんぼぼんずんずんずずずしぴゃんぴゃん!!!

ソーナンス「オゴッ!」

ちゅどーーーーん!!!

ソーナンス「やな感じーーー!」

キラーン

コジロウ「…」

サトシ「やったぜ!ピカチュウ!」

ゲコガシラ「さすがだぜーーエ!ピカチュウ!」

ヒノヤコマ「…見事です」

ピカチュウ「…」

サトシ「ん?どうした?」

ピカチュウ「いやー、ひと勝負したらうんこがしたくなったピカ!」

みんな「「ズコーッ!」」


『ポケモン、ゲットだぜ!!』

ピカチュウ「良い子のみんな!CMの後は、ついにあの伝説のポケモンが登場するピカ!楽しみにするピカ!!」

ピカチュウ「お疲れさんでーーす!」

ヒノヤコマ「お疲れッス!お疲れッス!」

サトシ「…お疲れ」

セレナ「…」


『ピカチュウ様 控え室』

ピカチュウ「ようし、完璧だな!バトルは派手になり、ギャグもふんだんに取り入れた!ソーナンスと戦うことになるとは、視聴者も予想しなかっただろう!…まあ、人間のセリフを減らしすぎた気もするが…」

ピカチュウ「まあいい。せっかくポケモンが喋るんだから、次は俺のラブストーリーでも展開させるか!相手は…そうだなあ」

コンコン

ピカチュウ「うぇい?」

ガチャ

サトシ「…お疲れさま」

ピカチュウ「お前か。なあなあ、今日の俺の演技、どうだったよ?気合入りすぎたかなあ!」

サトシ「まあ、うん、いつも通り絶好調だったよ」

ピカチュウ「だろ?いやー、俺にしかできないからねえ、この役は」

サトシ「はあ」

ピカチュウ「最近はテキトーな演技で満足してる奴が多くてさあ!ほんと嫌になるわ!そういう馬鹿って大体『ずっとポケモンに出演したかったんです!』とか言いやがるんだよ。くだらんね。そんなことを考えているワケがない」

サトシ (やたらと機嫌が良いな…。こりゃ話が長くなるぞ…)

ピカチュウ「第一、目上のポケモンに対しての礼儀が成っていない!俺の目を見ずに挨拶しやがるし、こうして収録が終わった後にも、楽屋に訪ねてこない。俺が若かった頃には、先輩全員に挨拶してから帰らないと、後で殴られたもんだ。あ、もちろん目上の人間に対してもな」

サトシ「…」

ピカチュウ「それなのに、もう大御所とも言えるお前は楽屋に来てくれた。大したもんだねえ。…で、何しに来たんだ?」

サトシ「えーと、CMの撮影があるって聞いたから、どんなものか気になって」

ピカチュウ「車のCMなんだが、非常に簡単だ!『お正月はポンダの初売りへ!!』と俺が言うだけ、お前はポーズを決めればいい!」

サトシ「ポンダ…」

ピカチュウ「いや、『初売りへ行くピカ!!』の方がいいかな!?いやあ、楽しみだ!これからはCMで稼ぎまくるぞお!」

サトシ「くそ…どうしてこんなことに…」

…………………

サトシ「…という感じになる」

ピカチュウ「うーん、確かに酷いな」

サトシ「だろ?お前の計画が実現すると、どうしてもこうなるんだ」

ピカチュウ「なんか、異常に俺の性格が悪くなっていないか?」

サトシ「とにかく、お前たちは喋らないでくれ。路線を変えすぎだ」

ピカチュウ「じゃあ、どうすればいいんだよ」

サトシ「どうだろう、ストーリーを壮大にするのは」

ピカチュウ「壮大に?」

サトシ「例えば、そうだなあ…。まず、俺はロケット団の核爆弾による攻撃から逃れつつ、母親と一緒に野宿生活を送る少年なんだ」

ピカチュウ「ほう」

サトシ「しかし行き先でロケット団と出くわし、母を連れて行かれてしまう。独りぼっちになった俺が飢えで苦しんでいると、心優しい博士に助けられる」

ピカチュウ「オーキドだな」

サトシ「俺は博士から強力な戦闘用の動物であるポケモンを託される。俺はポケモンとともにロケット団に突撃し、母親を探し出す」

サトシ「しかし奴隷生活で心身共に衰弱した母親は、俺の目の前で死んでしまう。かくして、俺の復讐と、世界を救う旅が始まる…」

サトシ「…ってのはどうだ?」

ピカチュウ「暗すぎるぞ!子どもがそんなアニメをみたがるか!」

サトシ「じゃあ、純愛ものにしよう。俺は交通事故で記憶を失い、愛する女性のことを忘れてしまうんだ。しかしポケモンとの交流で、徐々に記憶が…」

ピカチュウ「あのなあ、どう考えても子ども向けじゃないだろ。それじゃ一昔前の韓国ドラマだ」

サトシ「まてよ…。そもそも、子どもをターゲットにするのがおかしいんじゃないか?」

ピカチュウ「なんだって?」

サトシ「そう…そうだ!アダルトだ!ポケモンをアダルトなものにするのだ!!」

ピカチュウ「おいおい…」

サトシ「脱がせよう!セレナもユリーカも脱がせよう!全員脱がせよう!!」

ピカチュウ「いや、さすがにアウトだろ!路線変更ってレベルじゃねーぞ!」

サトシ「ふん!どうせポケモンのファンは10代後半から20代なんだよ!どうだお前ら、見たくないのか?歴代ヒロインのエロシーンを!サーナイトのサーナイトを!見たくないのか!?」

ピカチュウ「落ち着け!」

サトシ「ポケモンでAVを撮ろう!全国のポケモナーが大喜びだ!ピカチュウ×エーフィで行こう!」

ピカチュウ「嫌だよ!俺AV男優なんかになりたくないよ!」

サトシ「ふは、ふはははははははははははははははは!!タイトルは『ポケモン セッX & Yクゥ』だ!ふははははは!」

ピカチュウ「分からなくなってきた…。ポケモンの魅力とは何だ?皆、何を目的にアニメを観る?何が楽しくてゲームをやる?…くそ、ポケモンとは…何なんだ…」

ピカチュウ「ポケモンとは…一体…何だ?」

トゲピー「おぬしは知っているはずだ。その答えを」

ピカチュウ「!」

トゲピー「本当は分かっているのであろう?ポケモンが、妖怪ウォッチのようなものに脅かされる存在などではないと」

ピカチュウ「…」

トゲピー「ポケモンというのは『人気のアニメやゲーム』といった型に入らない、はるかに高度な存在だ。そう、ポケモンは…文化だ」

トゲピー「ポケモンに触れたことのない若者は非常に少数だろう…。小学生であれ、大学生であれ、彼らの家のどこかしらに、ポケモンは必ず存在する。子供たちは、成長するに従って必ずポケモンというものを知る。紛れもない文化だ」

トゲピー「ポケモンは恐らく、メディアミックスを最も成功させただろう。堂々と書店で売っているものも、そうでないものも、数多くの漫画がある」

トゲピー「ネット上では数多くの画像、動画が作られ、公開されている。そしてその数は年々多くなっているだろう。誕生から20年が経つというのに!」

トゲピー「ポケモンほど多くの海を渡ったキャラクターは少ない。言わば日本のディズニーだ。日本というものを、改めて世界に発信した媒体だ」

トゲピー「そう…。ポケモンは文化と言うよりは、『文化を形作ったもの』だ。たとえアニメがマンネリでも、デザインがネタ切れでも、ポケモンは『ポケモンであるゆえに』絶対に廃れることはないのだ」

ピカチュウ「…まあ、分かっているさ。ただ…ちょっと不安になっちゃうんだ。あまりに妖怪ウォッチに勢いがあるからな」

サトシ「それで、俺はジョーイさんとヒカリとの板挟みになるんだ!でもジョーイさんとの逮捕プレイに夢中になって……聴いてるのか?」

ピカチュウ「そうか。やはりポケモンはポケモンであるべきなんだな」

トゲピー「さあ、アニメの収録が近いぞ」

ピカチュウ「よし!今日は気合いを入れるぞ!ピッカ!ピッピカチュウ!!」

トゲピー「その意気だ!チョッキプリイイイイイイイィィィィィ!!!!!!」

ピカチュウ「うお、すげえ」

サトシ「ちょ…ちょっと」

ピカチュウ「おいおい、遅れるなよ」

トゲピー「我らが行かねば、ポケモンは始まらぬからな!」

ガチャ

サトシ「…もう!!たまには違うことをやりたいよお!!そりゃあこの役が嫌いなワケじゃないけどさ!俺、もう27歳だぜ!?いくら背が伸びなかったとは言え、毎回特殊メイクに2時間だぞ!?まあ、俺が無理を言って出させてもらってるんだけどさ。でも…もう疲れたなあ。でも他に仕事貰えないからなー。『サトシのイメージが強い』とか言われるんだよなー。じゃあ、30まで頑張るかな…はあ…」

サトシ「まったく、ポケモンってのは恐ろしいものだな…。俺はこれから、何種類のポケモンを捕まえなきゃならないんだ…ブツブツ…」


このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年04月29日 (水) 07:23:04   ID: zlDvcVAu

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