【安価SS】京太郎「俯き今夜地を食う」【育成】 (136)


 何番煎じの京太郎主人公スレ
 この物語は須賀京太郎が力を渇望する物語

※京太郎が清澄からOh Good Bye Days

※恋愛 修羅場 欝 復讐 を含みます

※畜生の巣窟 好きなキャラが鬼畜になったら申し訳ない

※リョナ エロ グロは安価次第

※ルールとマナーを守って楽しくデュエル


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420811590


 凍てつく冬の空
 白い吐息を漏らしながら行き交う人々の横を歩き、俺はふと空を見上げた

 誰もいない部室
 俺はその部室に買出しした荷物を運ぶ為に急いでいる

 仲間はいた
 でも、みんな俺を置いて出かけてしまった

 俺は一人
 誰も帰って来ない場所へと急いだ

 日頃の疲れか、それとも手にした荷物の多さに気を取られたのか
 俺が横断歩道を渡った時、信号は見事な赤色で

 鋭い痛みと、ゆっくり回っていく視界
 その先で俺が見たのは信号よりも真っ赤な世界

 俺の身体から熱が引き
 道路は赤く染まっていく


 その日
 俺――須賀京太郎は死んだ



 気が付くと俺は自分のベッドの上に居た
 普段と変わらない、いつも通りの日常

 アレは夢だったのか?
 そう思おうとした俺の耳に、すすり泣くような声が聞こえた

 そっと部屋を出て、居間に出て行くと

 母さんが葬式用の格好で泣いていた
 父さんは俯いて何も言わずに椅子に座ってる

 机の上に置いてあるのはなんだろう?

 ああ、そっか
 俺の遺骨なんだ、アレ

 じゃあやっぱりさっきのは夢じゃない
 紛れもない現実

 俺が死んだという
 覆ることのない現実なんだ

 


 と、ここで俺はふと思った

 自分がとても落ち着いていることもそうだが
 どうしてこの場に俺は存在するのだろう?

 未練があるのか?
 それともやり残したことでもあるのか

 分からない
 
 そういえば、麻雀部のみんなはどうしてるんだ?
 まだ旅行から帰って来てないのは間違いない

 それなら、せめてみんなの顔を見てからあの世に行こう


 俺はそれからの間
 何日も何日も、家で待った

 クラスメイトが線香を上げに来てくれたり
 変な土産を持ってきたりもした

 泣いてる奴もいれば、何も言わずに帰る奴もいる

 でも

 でも


 その中に麻雀部のみんなは、一人もいなかった


 



 俺の死から一週間が経ち、とうとう俺は痺れを切らした
 もしかするとみんなに何かあったのかもしれない

 そう思うと、自分が死んだことよりもみんなのことが気にかかる
 俺に出来ることはないか

 いてもたってもいられず、俺は家を飛び出していた


 外は雪が降っている
 でも、俺はその冷たさを感じることはない

 漫画に出てくる幽霊のように
 フワフワと漂いながら、俺は部室を目指した


 そして――
 やっと部室の前に辿り付いた時

 俺はホッとしたような、妙に安心した気持ちになった

 だって、灯りは点いてるし
 中から話し声も聞こえる

 みんなは無事
 それが分かっただけで、俺は満足だった

 けど、せっかくだから一目見たい
 そんな気持ちが沸き上がってくる

 だから


 だから俺は扉を抜けた


 みんなを見て、吹っ切れようと


 ただ、それだけだったのに






久「うんうん。盛況で何よりねー。私が引退しても安心だわー」

和「はい。新入部員も沢山入りましたし」

まこ「これで人手が足りなくなることもないじゃろう」

咲「そうですね。でも、知らない人がいっぱいなのはちょっと」

優希「咲ちゃんは甘いじぇ! 新入りはこき使うのが常識!」


 アハハハハ!  ワイワイ!


京太郎「(……え?)」


 目を疑った
 みんな、楽しそうに麻雀を打ってる

 新入部員、恐らくは一年か二年であろう人達に囲まれて
 みんな――幸せそうに

京太郎「(なんだよ、それ)」


久「あらありがと。紅茶淹れてくれたのね」

まこ「気が利く子が入ってくれて助かるのぅ。前のはどうも」

和「同感ですね。やはり入部させるべきではありませんでしたよ」


京太郎「(は?)」

 頭をガツンと殴られたような気持ちだった
 あの染谷先輩が、和が

 俺の悪口を?


優希「当たり前だじぇ! あんな役立たず! いなくなってせいせいするじょ」

咲「わ、私も……ああいう人はちょっと苦手だったかな?」

和「咲さんのお気持ちは至極当然のものですよ。あんなスケベでデリカシーの無い人間なんて」

久「うんうん。気を付けないと、またああいうバカが入ってきちゃうわ」

 アハハハハハ クスクスクスクス

京太郎「(咲? 優希? お前たちも、なのか?)」

 俺の仲間が
 仲間だと思っていた連中が

 全く知らない奴らと笑い合ってる
 そしてその話のネタは

 俺の悪口

京太郎「は、あはは……」

 ガツンと頭を殴られたように
 俺の視界が真っ黒に染まる

 なんでだ?

 俺は
 俺は必死にみんなの力になろうと頑張っていたのに

 なのにコイツラは
 俺のことを心の内じゃそう思っていたってのかよ!!

 


京太郎「もう、いい」

 何もかもどうでもよかった
 仲間の裏切りも、俺自身の情けなさも

 みんなに陰で嫌われていた
 ただそれだけのことだ

京太郎「どうせ俺は死人なんだ」

 死人に口なし
 死んだ人間は何を言われようと言い返すことなんて出来はしない

京太郎「もう思い残すことはない」

 暗い世界の中で俺は立ち止まり
 何も無い空間を見下ろす

 この先はどこへ繋がっているのだろう?

 死んだ人間はどうやれば消滅できるのか

 分からない

 でも、そんな俺でも
 何もかもがどうでもよくなったこんな俺でも

 ただ一つだけ
 たった一つだけ願ったことがある

 それは

京太郎「強くなりたい。次に生まれ変わることがあれば、強くなって――アイツらに復讐するんだ」

 奥歯を噛み締め 
 手のひらをキツく握り、俺は胸の内に、魂に刻む

 奴らへの怒り、憎しみ、絶望
 それら全てを、次の輪廻に託す為に


京太郎「さようなら、みんな」


 次に会う時は



 敵同士だ








久「……みんな帰ったわね」

まこ「ああ。しかし全国終わって、新入部員が増えたもんじゃなぁ」

和「はい。最初は浮かれてましたが、あんなことがあっては」

優希「う、うぅ……ひっく」

咲「優希ちゃん、だめ、私も、釣られちゃう、よぉ」

久「我慢しなくていいのよ。思い切り泣きなさい」

まこ「くそっ! わしらがアイツを旅行に連れていっちょれば!」

久「私の責任よ。他校に遠慮して、須賀君を誘えなかった」

咲「うぁぁぁっ……京ちゃぁぁぁん!」

優希「犬ぅ……京太郎ぉ!」

和「それにしても、須賀君が亡くなった後に入ったあの新入部員は許せません!」

久「ああ、和や私に色目使ってきたあのアホね。須賀君と違って気も利かなくて、やる気も無い」

まこ「いかにもな不良じゃったし、京太郎がおらんくなって調子づいたんじゃろう」

和「あの人なんて言ったと思いますか!? 男が死んで、欲求不満なんだろうって言ったんですよ!!」
 
久「私も聞いたわよ。須賀君のお手つきだと思われてたのかしら?」

まこ「無理も無い話じゃ。思えば、わしらに変な虫が寄り付かんかったのは京太郎のおかげじゃったのか」

久「ええそうね。本当に、あの子はよくやってくれたわ」

和「……どうして、どうしていなくなったんですか」

まこ「和、やめぇ」

和「す、すみません」

まこ「わしらが全部悪い。だからこうしていつまでも、アイツに顔を合わせられずにおるんじゃろうが」

久「ええ。踏んぎりつけないといけないって、頭ではわかっているんだけど」

咲「も、もし行けば……京ちゃんが死んだって、認めないといけないから」

優希「違う! あいつは死んでない! 明日にはいつもみたいに!!」

和「ゆーき!」

優希「約束したんだじぇ! 帰ってきたら一緒にタコス買いに行くって!! だから!! だからぁぁぁ!!」

久「……あぁ、もうぅ」

まこ「京太郎がおらんだけで、わしらはもうガタガタじゃな」

咲「京ちゃん……」


 京ちゃんは今、天国にいますか?
 もし、私達のことを見てくれているのなら

 見守ってくれているのなら


 どうか、遠い場所からでも



 ずっと



 味方のままでいてね 




 Episode1  A New Days


 ドクン

 心臓の音

 ドクン

 俺の鼓動の音

 ドクンドクン

 どうして俺の心臓が動いてる?



 俺は死んだ
 あの凍りついた寒空の下で俺は死んだ筈

 ならこれはなんだ?


 肌に伝わる柔らかい感触
 暖かい熱を持ったこれは――布団?

 じゃあ俺は今、ベッドの中にいるのか?

京太郎「……あ、れ?」

 広がる視界
 辺り一面を染める朝日

 鳥のさえずりと、母さんが料理しながら鼻歌を歌うのが聞こえる

 いつもと変わらない日常

 今度こそ本当に
 いつもと同じ日常だ


京太郎「母さん!!」

ママ「あら京ちゃんおはよう」

京太郎「俺!! 生きてる!!?」

ママ「えっとぉ? 寝ぼけてるのかしら?」

京太郎「だって俺! 死んだ筈だろ!!」

ママ「え? 京ちゃん死んじゃったの?」

京太郎「……は?」

ママ「そう言いたいのはお母さんの方よ。ほら、早く顔洗ってきなさい」

京太郎「……」

 わけがわからない
 一体何があった?

 アレは全部夢?
 いや、違う

ママ「あ、そうそう。京ちゃん、さっき麻雀部の部長さんから電話があったわよ」

京太郎「部長から電話!?」

ママ「ええ。旅行に行ってる間に買い出ししてもらいたいものがあったんですって」

 買い出し? そういえば、俺が事故で死んだ時も、朝に部長から電話があった

京太郎「もしかして今日って12月2日!?」

ママ「そうだけど、まだ寝ぼけてるの?」


 やっぱりそうだ
 今日は俺が事故で死ぬ日

 つまり俺は戻ってきたのか?

 俺が死ぬ、その日の朝に

ママ「それでね、買い出しして欲しいものはね。あれ? メモをどこにやったかしら」

京太郎「冷蔵庫の下に落ちてるよ。あの時は一時間かけて探した」

ママ「え? あらホント! さっき落としたのかしら?」

京太郎「……」

 リストに目を通す
 やはり、あの日買出したものと寸分変わらない

京太郎「ハハハハ、こりゃいい」

ママ「何がいいの?」

京太郎「生まれ変わった気分だよ母さん」

 何がどうして、俺がこの瞬間生きているのかはわからない
 でも、一つだけ確かなことがある

 俺は覚えてるんだ

 アイツ等が言ったこと
 俺を今まで騙して仲間ごっこでこき使ってきたことも!!!!!

京太郎「クク……ハハハ」

 分かってりゃ簡単だ
 もう俺はアイツ等の仲間でもなんでもない

 あの時誓ったように
 もはや敵なんだ

 あの腐った女どもを叩き潰すことだけを考えられる

京太郎「飯は後で貰うよ母さん。ちょっと部屋で考えたいことがあるし」

ママ「あらそう? って、メモは持っていかないでいいの?」

京太郎「ああそれ? 捨てておいて」


 さぁ、どうやって復讐してやろうか

 




 復讐の方法はいくらでもある

 物理的な仕返し
 精神的な仕返し

 それら両方を合わせた仕返し

 例えば暴力は物理的なダメージだけでなく、恐怖という精神的ダメージも与える
 レイプなんかは物理的ダメージよりも精神的ダメージの方が強い
 
 大切なモノを壊すことは精神的ダメージだろうし
 
 絆や名声を壊すのも面白そうだ


京太郎「だが、問題がある」

 
 それは余りにも俺が無力だということ
 男である点から、暴力による物理的ダメージに走る事は容易だ

 けど、連中は今や長野の英雄
 俺が暴力なんて奮えば、結果は見えている

 同様に、汚い印象工作や嫌がらせをしようと
 連中にはまるで効果が無い可能性が高い

 そうなると、せっかく生き返った俺の人生が滅茶苦茶だ

京太郎「(じゃあ何が一番効果的だ?)」

 奴らをも凌ぐ名声や権力を得て
 さらには劣等感でもがき苦しませることの出来る方法

 それは一つしかない

京太郎「俺が麻雀で強くなる。そして、俺が本物の英雄になってやるよ」

 俺が麻雀で地位を築けば連中の鼻を明かせる
 お前らが今まで虐げてきた男は、お前らの誰よりも強いんだと

 そして、それだけじゃない
 麻雀を使い、アイツ等の人生を絶望に染めてやる

 それで俺の復讐はやっと花開くんだからな

京太郎「(けど俺の麻雀の実力は低い)」

 どうにかして強くなりたいが、連中を頼るわけにもいかない

 他校を頼るか
 それがいいな、運が避ければ使える駒が拾えるかもしれないし

京太郎「よし、いいぞ。どうせなら女も手に入れよう」

 例えば福路美穂子さん
 クク、あの人が俺の女になれば部長はどんな顔をするかなぁ?

 考えただけでもたまらねぇ



京太郎「そうと決まれば色々計画を練るか」

 その前に自分の実力を調べておく必要があるな
 敵を知る前にまずは己からって言うし

京太郎「ネトマで軽く実力を見よう」

 麻雀で基本となるのは三つの項目
 点をいかに高くするかの火力
 いかに振り込まずに逃げるかの守備
 そして素早く上がる為の速度

 この三つの基本の上に、幸運の要素が加わり
 最終的にはオカルトじみた力が全てを支配する


【須賀京太郎】

<火力>

<守備>

<速度>

<幸運>

<スキル>
・不明


京太郎「まだ俺にオカルトは無いだろうし」

 基本的な実力だけ測定しよう

京太郎「……」カチッ


火力 下1

守備 下2

速度 下3

 全て小数点一桁
 0は10扱い ゾロ目は20



【須賀京太郎】

<火力>(7/100)
<守備>(20/100)
<速度>(1/100)
<幸運>(0/100)
<スキル>
・不明

京太郎「まぁこんなものか」

 とても麻雀部に所属する人間の実力じゃないな
 これも全て、あの女達が俺に雑用を押し付けてきたからだ!!

京太郎「まともな練習をすれば俺だって! くそっ!!! くそがぁ!!」

 落ち着け
 今ここで暴れても何もいいことは無い

 それよりも自分が持っているものをうまく利用するべきだ

京太郎「女に取り入るには顔もよくしないとな」

 しかし自分の顔面偏差値がどの程度のものか分からない
 仕方ないから2chで聞いてみるか?

京太郎「俺の顔面偏差値いくらくらい……っと」カタカタ

 さて、どうなる?



 顔面偏差値 下2のコンマ2桁


※ 元がイケメンなのは重々承知しています
※ なので40を下回った場合は強制的に40になります
※ 0は100





100 神
90 伝説
80 魔人
70 超人
60 達人 
50 天才
40 優等生 
30 一般人
20 劣等生
10 雑魚
0 ゴミ


【須賀京太郎】
<顔面>(48/100)
<火力>(7/100)
<守備>(20/100)
<速度>(1/100)
<幸運>(0/100)
<スキル>
・不明

京太郎「なになに、48くらいだろJKか……」

 思っていたより低いかな

京太郎「顔はまぁまぁとでも思っておこう」

 これから伸ばしていけばいい
 そして女を手に入れるんだ

京太郎「自分の実力も大体把握した。さて問題は次だ」

 何も一つに縛る必要は無いが
 とにかくどこかの学校で麻雀を学ぼう
 
 正直、あのクソ女どものいる場所では練習したくないしな

京太郎「クク、どこにするか」


※ 現時点で京太郎は長野県の高校としか接点がありません
※ 行き先を増やすには知り合いを増やして行きましょう


京太郎「龍門渕か鶴賀、風越もあるな」

 最初の糧となるのは


 安価下3

1 鶴賀

2 龍門渕

3 風越



京太郎「龍門渕がいい。あそこは比較的まともな人がいる

 ハギヨシさん
 そういえばあの人だけは俺のことをまともに扱ってくれたな

京太郎「使えるな」

 俺は早速携帯を取り出してハギヨシさんに電話する
 内容は勿論、俺の練習についてだ

京太郎「もしもし?」

ハギヨシ「おや、須賀君。いかがなさいかしたか?」

京太郎「実は今、部員のみんなが旅行に出てまして暇なんです」

ハギヨシ「え? ご同行されていないのですか?」

京太郎「置いていかれましたよ、あはは」

ハギヨシ「また、ですか? なんてひどい……」

京太郎「いえいいんですよ。それより、せっかくだからみんながいない間に特訓しようかなって」

ハギヨシ「それは素晴らしい考えですね。そうだ、よろしければこちらへ来ませんか?」

京太郎「いいんですか?」

ハギヨシ「透華お嬢様には私から話しておきます。是非、いらしてください。いい練習になりますよ」

京太郎「ありがとうございます!」

ハギヨシ「それでは追って連絡しますね」

京太郎「はい。それでは」ピッ

 完璧だ
 まさか招待までしてくれるとは、流石ですねハギヨシさん

 俺の考えた通りに動いてくれる

京太郎「龍門渕透華。日本きってのお金持ちのご息女様」

 あの人を手中に収めることが出来れば
 俺の復讐はぐっと楽になるだろう

 権力と富、二つを手に入れたも同然なのだから

京太郎「問題はハギヨシさんの目をかいくぐっていかに堕とすかだな」

 計画を練ろう
 情け容赦の無い、完璧な計画を


京太郎「ふ、ふふ、あっははははは!」





<一日目>


京太郎「約束も済ませたし、今日は何をするかな」

 明日の為にビジュアルを磨くか?
 それとも龍門渕さんの為にプレゼントを買いに行くか

京太郎「……」

 龍門渕さんに気に入られるには麻雀の強さも必要そうだ
 けど、今更付け焼刃で鍛えたところでどうにかなる話でも無い

 ここはおとなしく、なんとか出来そうなところで足掻くとしよう


 安価下2

1 髪型をセットする

2 プレゼントを買う



京太郎「プレゼントなんていいか。金持ちが喜ぶものなんてわからないし」

 そうと決まればかっこいい髪型のセットでも調べるか
 少しはマシになるだろう

京太郎「元は悪くないんだ。ちょっと弄れば俺だって……」

 これで印象を良くしてなんとか取り入ろう
 相手はお金持ち

 こっちを見た目で判断する可能性もある
 

 安価下2

49以下の奇数 +1

49以下の偶数 +2

50以上の奇数 +3

50以上の偶数 +4

ゾロ目の奇数 +5

ゾロ目の偶数 +6

00 99     +10



【須賀京太郎】
<顔面>(50/100)
<火力>(7/100)
<守備>(20/100)
<速度>(1/100)
<幸運>(0/100)
<スキル>
・不明

京太郎「これでどうだ?」キラーン

 悪くないな
 強いて言うなら天才的な容姿の持ち主ってところだろう

京太郎「でもこれはあくまで元の実力だ」
 
 もっともっと、工夫すればいい感じになる
 頑張って顔面偏差値を上げていこう

京太郎「今日は疲れたし、明日に備えて寝よう」

 ブルル

京太郎「ん? メールか」

 このメールの差出人は……


 安価下5

※お好きな咲キャラの名前、誰でもいいです
※物語の鍵を握るキャラになる可能性大
 



京太郎「和からのメール?」

 アイツが俺にメールを寄越すなんて何事だ?
 それに今は旅行中
 
 俺にわざわざメールで伝えたいことって一体

京太郎「件名は……無しか」

 本文はどうだ?
 どうせ大したことじゃ――

京太郎「!?」

 なんだよこれ!?
 何が起きてるんだ!?

 
 安価下2

 コンマ49以下 絶望
 コンマ50以上 希望

 ゾロ目  ヤンデレという名の渇望


「私はアナタの味方です。それだけはどうか、忘れないでください」

京太郎「……なんのつもりだ?」

 このメールになんの意味がある?
 前の世界じゃこんなことは無かった

 つまり、これは俺が自殺する世界との相違ということになる

京太郎「(和が俺を気にするわけが無い。大方罰ゲームか何かか?」

 俺はこのメールを気にせず、そのまま削除した
 アイツからのメールなんていらない

 俺は怒り任せにケータイをベッドに放り投げると
 苛立ちを抑えるように部屋を飛び出した









咲「それでね、その時京ちゃんが私のこと」

優希「だぁぁ! もうそれ十回目だじぇ!」

咲「え? そうだった?」

久「もう、何回話すのよ」クスクス

和「……」カチカチ

まこ「ん? なんじゃ和、ケータイ弄って」

久「そうよー。せっかくの旅行なんだし、少しくらい自重しなさい」

和「すみません。大事なことなんです」

咲「大事なこと?」

優希「もしかして彼氏か!?」

和「前は……そう、でした」パタン

久「え? 嘘!? 本当に!?」

まこ「和に彼氏がいたじゃと?」

 ガラガラ!

憧「嘘っ!?」

穏乃「和に彼氏!?」

久「こらこら、ノックもせずにはいらないの」

咲「……?」




和「(須賀君……どうか、無事でいてください)」







 


 本日は以上です
 次の更新で龍門渕侵略編を行います


【須賀京太郎】
<顔面>(50/100)
<火力>(7/100)
<守備>(20/100)
<速度>(1/100)
<幸運>(0/100)
<スキル>
・不明




 龍門渕高校麻雀部
 理事長の孫娘である龍門渕透華さんが、天江衣さんの為に部員を締め出したという噂だ

 お陰で部員はレギュラーの五人だけ
 あの学校で麻雀を楽しみたいと思っていた人間は、淘汰されてしまったようだ

 権力にものを言わせ、弱者を追い出し
 我が物顔で部活三昧

 強いってのはいいもんだ
 権力 実力 なんだっていい

 弱者を虐げ、自分の思うままに行動する

 アイツ等と経緯は違えど根底は同じ
 反吐が出る

 強者の強者による強者の為の世界

 全部ぶっ壊してやる


 この俺が
  

 弱者であったこの俺がな


京太郎「お久しぶりですハギヨシさん」

ハギヨシ「お久しぶりですね。さぁ、どうぞ」


 せいぜい利用させてもらいますよ
 俺が力を得る為の礎としてね

 



京太郎「随分と豪華な部室ですね。うちとは大違いですよ」

ハギヨシ「左様ですか? 透華お嬢様が念入りに配置替えを行いましたので」

 なるほどね
 雑用をしてくれる執事はいるし、最高の環境も揃えられる

 龍門渕が強いわけだ
 決勝だって、天江さんがハナから本気になっていたら分からなかったらしいし

京太郎「(それはつまり、俺が育つにもいい環境ってわけだ)」

ハギヨシ「それでは須賀君。こちらへ」

 大きなソファに座り、卓を囲んでいる四人
 この人たちは確か龍門渕の四天王だったか

透華「あら? アナタがハギヨシの言っていた清澄の生徒ですの?」

一「うわー辛気臭くない?」

純「おいおい、そういうこと言うなよ」

智紀「私もそう思う」

京太郎「あはは、どうも。一年の須賀京太郎です」

 全員が美少女なのはいいが
 どうもやりづらいな

 なんとか距離感を詰めないと

透華「清澄のマネージャーだと思ってましたわ。まさか選手だったとは」

京太郎「県大会では結果を残せませんでしたし」

透華「どれくらい勝ち進みましたの?」

京太郎「初戦敗退です」

ハギヨシ「……」


 性格判定 

0~09 クズ
10~89 普通
90~99 聖人
ゾロ目 天使


透華 下1 
一 下2
純 下3
智紀 下4




透華「ショセンハイタイ?」

一「ぶふっ!?」

京太郎「……」

透華「ショセンハイタイとはなんですの?」

ハギヨシ「初戦で敗退することです、透華お嬢様」

透華「初戦で敗退? 仮にも清澄の生徒である貴方が?」

京太郎「ええ、不甲斐ながら」

一「あはははっ! なにそれ! 全然才能無いじゃん!」

純「おい笑うなって。失礼だろ」

智紀「可哀想」

透華「でも事実ですわ。県予選如きで初戦敗退とは……」

京太郎「そ、そうですよね」

透華「見たところ大した素質も無いようですし、早めに諦めた方が」

ハギヨシ「透華お嬢様。彼はまだ初心者なんです。決め付けるのはいかがなものかと」

透華「まぁ、ハギヨシがそこまで言うんでしたら」

一「ねぇねぇ! 役は覚えてる? 点数計算は出来るの?」

純「だからやめろって」

京太郎「……」

透華「ハァ、てっきり強い雀士が来るかと期待しましたのに」

一「だから言ったじゃん! 男の雀士なんて雑魚だよーって」

 



 別にこれくらいのことは覚悟の上だ
 大事なのはここからの巻き返し

 焦ることはない

 俺は生きている
 生きていればチャンスなんて腐るほど掴めるさ

京太郎「あの、でしたら早速打ちませんか?」

純「おっ、いいねぇ」

智紀「私も構わない」

透華「残り一人メンツが要りますわね」

一「ボクはパース」

透華「えっと、それじゃあ私が入りますわ」

京太郎「すみません」

透華「いえ、いいんですのよ。たまにはこういうのも」

 まったくもって強者の言葉だよな
 自分を省みることの出来ないヤツ

 せいぜい今のうちに調子づいておけ

 その余裕に満ちた表情を、いずれ崩してやる

透華「ではサイコロを」

京太郎「はい。じゃあ行きます」

 まずは様子見だ
 取り入る隙を見つける為に


 安価下3 火力 守備力 速度 上昇

49以下の奇数 +1 ビリ

49以下の偶数 +2 頑張ったビリ

50以上の奇数 +3 お情けでもらえた三位

50以上の偶数 +4 運で手に入れた三位

ゾロ目の奇数 +5 お情けで手に入れた二位

ゾロ目の偶数 +6 運で手に入れた二位

00 99     +10 運で手に入れた一位


 二位以上で女性陣の好感度上昇


 麻雀とは運のゲームだと誰かは言う
 事実そのとおりの部分もあると、俺は思ってる

 だが、その運を覆すだけの技術が存在することも俺は知っているし
 その技術すらも足元に及ばなくなるオカルトじみた力も分かる

京太郎「参ったな、やっぱり皆さん強いですね」

純「そりゃそうだ。年季が違うぜ」

透華「それにしても弱いですわね。私が初心者の頃はもっと打てましたわよ」

一「筋も読めないし、てんでダメじゃん」

智紀「でも紙一重で躱せてる。守備はそこそこ」

純「んーそうだな。振込も少ないし、いい感してるぜ」

京太郎「ありがとうございます」

透華「当然ですわ。こちらがどれだけ手を抜いてると思いますの?」

京太郎「す、すみません」

純「(透華の奴が暴走してんな。しょうがない、ここは……)」

 スッ

京太郎「あっ、それロンです!」

純「あちゃー、油断したなー」

ハギヨシ「やりましたね須賀君。三位ですよ」

智紀「おめでとう」

透華「は? 今のは完全に振り込みですわ!」

一「そうだよ! 純くんがそんなのに振り込むわけ!」

純「偶然だよ偶然。オレだってたまにはポカするさ」

京太郎「(井上さんが俺に気を使ってくれたのか)」

 井上さんと沢村さんに比べて、龍門渕さんは本当に嫌な人だ
 どうにかしたいけど、今の俺にはまだ無理だ

京太郎「……」

透華「初心者がお情けで貰った三位くらいで、調子に乗らないで欲しいですわね」

一「ボクだったらすぐに飛ばしてあげるけど?」

ハギヨシ「透華お嬢様!」

透華「……やけに肩を持ちますのね」

ハギヨシ「私の大切な友人ですから」

透華「!」

京太郎「ハギヨシさん……」

 



【須賀京太郎】
<顔面>(50/100)
<火力>(10/100)
<守備>(23/100)
<速度>(4/100)
<幸運>(0/100)
<スキル>
・不明

 ハギヨシさん
 この人はとてもいい人だ

 家族を除けば、俺がこの腐った世界の中で唯一信頼できる人かもしれない

 だからこそ、この人がくれたチャンスを活かす
 
京太郎「大丈夫ですよハギヨシさん」

ハギヨシ「え?」

京太郎「俺が弱いのは自覚してますし、これから強くなるつもりですから」

一「無理だと思うけど」

純「いちいち茶々入れるなよ」

京太郎「だから龍門渕さんも国広さんも、俺に苛立つことはあると思いますけど」ペコリン

透華「……」

京太郎「どうか、俺に力を貸してください。ほんの少しでいいので」

純「おいおい、ここまで言わせていいえとは言わないだろ?」

智紀「……」ジッ

透華「わ、分かりましたわ」プイッ

一「なんでボクが……」ブツブツ

 これで表立って俺を批判することは出来なくなっただろう
 あとはもう一つの計画

 あの人を引っ張り出す方向に持っていく

京太郎「それで、なんですけど。一ついいですか?」

純「なんだ?」

京太郎「せっかくここまで来たんですし、あの人にも挨拶したいなって」

透華「まさか、衣のことを言っていますの?」

京太郎「ええ。強い人からアドバイスももらいたいですし」

ハギヨシ「須賀君。それは少し」

一「馬鹿なの? 衣がアドバイスなんかするわけないじゃん」

純「いやまぁ、そうだよなぁ」

智紀「なぶり殺しにされる」

京太郎「ひどい言い様ですね。でも俺、天江さんと打ってみたいんです」

透華「!!」

京太郎「ダメ、ですかね?」

 俺は知っている
 天江さんの相手を捜す為に、わざわざここのメンバーを揃えて部活していることを
 
 なら、相手から直接指名があれば
 ノーとは言わないだろう

 例え相手がこんな雑魚の、俺でも


透華「……分かりましたわ」

京太郎「いいんですか?」

一「透華!」

透華「身の程を知らない人間に、お灸を据えるだけしてよ」

ハギヨシ「須賀君、悪いことはいいません。やめるべきです」

京太郎「別に俺は大丈夫ですよ。負けるのには慣れてますし」

純「そういう問題じゃなくてだな」

 俺の狙いは二つある
 一つは天江さんとの関係を作っておくこと

 そしてもう一つは、力の覚醒

京太郎「是非ともお願いします」

 咲は天江さんとの戦いの中で急激に成長した
 もし、俺の中に眠っている力があるとすれば

 天江さんと戦うことで力が目覚めるかもしれない

透華「ハギヨシ、衣をここへ」

ハギヨシ「しかし」

透華「いいから早く。衣の友達が増えると思えば、喜ばしいことですわ」

ハギヨシ「はい。かしこまりました」


京太郎「……」

 さて、天江衣
 アナタは真の強者ではあるが、内面はどうなんだ?

 その結果によっては、俺はアナタを――


ハギヨシ「お連れしました」

衣「……」


 性格判定  下3

0~09 クズ
10~89 普通
90~99 聖人
ゾロ目 天使
 



衣「なんだ? この男は?」

ハギヨシ「清澄の須賀京太郎君です」

衣「清澄の? サキの友か?」

京太郎「……ええ。そうです」

 友か
 そう思っていたよ、あの瞬間までは

衣「なぜ衣をここに?」

透華「彼が衣と打ちたいと言っていますのよ」

衣「!? 衣とか?」

京太郎「はい。是非とも手合わせを」

衣「……?? やめておけ、お前からは大した力を感じない」

一「ですよねー」

衣「そこいらの有象無象の下等生物では、衣に手傷すら与えられないぞ」

京太郎「分かってます。でも、俺は戦いたい」

 咲達とやる前に、化物の強さを知っておかないといけないしな

衣「……」

純「どうすんだ?」

衣「前言撤回だ。ただの下等生物では無いらしい」ズゴゴゴゴゴ

京太郎「っ!?」

 流石にこのオーラはビビるな

 強い

 それがこうもハッキリと分かるなんて

衣「卓に付け。勝負を挑んだことがどれだけ愚かだったか、その身に刻んでやろう」

京太郎「……上等」ザッ

 負けることは承知の上
 しかし、貰うものは貰うぞ!

京太郎「(見てろよ――)」

 俺は戦う
 強者に打ち勝つ為に、負けに行くんだ!


 安価下3 火力 守備力 速度 上昇

49以下の奇数 +1 ビリ

49以下の偶数 +2 頑張ったビリ

50以上の奇数 +3 お情けでもらえた三位

50以上の偶数 +4 運で手に入れた三位

ゾロ目の奇数 +5 お情けで手に入れた二位

ゾロ目の偶数 +6 運で手に入れた二位

00 99     +10 運で手に入れた一位


 二位以上で衣から認められる


 分かりきっていた結果だった
 それでも、俺はどこか期待していたんだと思う

 運で少しはどうにかなるかもしれない
 ほんのちょっとくらいは手傷を負わせられるかもしれない

 そんな淡い期待

 でも、事実は揺らがない 

衣「これが現実だ」

京太郎「……」

透華「当然の結末ですわ」

一「ダサッ」

純「おい! しっかりしろ! おい!」

京太郎「意識を失ってる」

ハギヨシ「そんな……」

衣「清澄の男よ。これで満足か?」

 成す術も無く、俺は敗けた
 ほんの数局

 聴牌どころかイーシャンテンにすら

衣「今宵は新月。最も弱い衣相手にこの程度」

透華「……辞めた方がいいですわよ」

一「才能無い奴が麻雀やってもねー」

純「そんな言い方ねぇだろ」

智紀「彼は頑張ってる」

京太郎「……」

 どうして俺は弱いんだ?

 なんで俺には才能が無いんだ?

 どうして

 なんで

京太郎「……」ドクン

 こんなところで終わるのか?
 こんなカタチで終わっていいのか?

 嫌だ

 アイツ等に俺は復讐するんだ

 俺を、俺の気持ちを、俺の死を裏切ったアイツ等に!!!

京太郎「俺は――」ドクンッ


 安価下3

00~89 そのまま失神
90~99 復活

ゾロ目 スキル覚醒





京太郎「……」

ハギヨシ「寝室を用意してきます」タタッ

 バタン

透華「……ゴミですわね。時間の無駄でしたわ」

純「おい! 透華!!」

一「さっさと片付けて欲しいねー」スタスタ

純「なんでそんな言い方!」

衣「……」

智紀「衣?」

衣「(今一瞬だけ、この男の中から溢れた憎悪……)」

智紀「どうかしたの?」

衣「いや、気のせいだ。有り得ない話だ」

智紀「有り得ない?」

衣「(この衣が、こんな男に恐怖を覚えるなど――)」

 ガチャッ

ハギヨシ「用意が出来ました。では私が運びます」

純「手伝うぜ!」

透華「全く、いい迷惑ですわ」

 



 もし
 この世界に生まれ落ちて

 生きる力も無く、戦う術も持たなければ
 
 それはきっと死んでいることと変わらない

 だから

 俺は力を求めた


京太郎「……知らない天井だ」

 
 
 きっと俺はもう

 死んでいるんだ

 雀士として 人として

 
 俺に、生きる価値が果たしてあるのだろうか?




 本日はここまでです

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