兵士「昇進出来ねえ...」(148)

兵士「どうして?」

モブ兵「だってお前上の人間に気に入られてねえだろ?」

兵士「何でよ?」

モブ兵「お前が気に入られない理由なんて片手で数え切れんほどある
だろうが...まぁ極めつけは、入隊初日に騎士団長の足踏んだからだろうな」

兵士「めちゃくちゃ謝ったのになぁ...」

モブ兵「騎士団長は許しただろうが...師団の上の人間が騎士団長に遠慮
してんだろうよ」

兵士「下っ端ってのはつらいねえ...これが社会に出るって事か...」

モブ兵「いやぁ...それは関係ねえと思うがな」

兵士「じゃぁなんだよ...


「貴様らぁ!演習中だぞ!私語は慎め!」

「「はい!」」

モブ兵(バーカ)

兵士(何だこの野郎!)

ーーー
ーーーー

上官「おめえら国王陛下が御観覧されてる時に私語とは勇気あんなぁおい」

兵士「すいませんでした」

モブ兵「だってこいつが」

兵士「んな?!この...!」

上官「バカどもが...まぁ良い、貴様らに仕事をやろう」

兵士「仕事...ですか?」

上官「おぅ誰にでもできる仕事だ...まぁ大した事じゃねえけどよ...」

兵士「その内容は...」

上官「国境警備だ」

兵士「国境警備...ですか?」

上官「おうよ、ただ突っ立てるだけだからな...お前でも出来るぞ?」

兵士「ですが...自分は二等兵ですし、自分だけ赴任するというのは...」

上官「お前は何年兵隊やってんだ...お前は昇進出来ないだけで一応
古参兵だからな?わかってんのか?」

兵士「はぁ...」

上官「それに、お前が行くとこはちょいとヤバいとこだからな...任期まで
いたら昇進できるかもしれんぞ?」

兵士「マジですか...」

モブ兵「俺はどこ行くんですか?」

上官「お前は演習中に私語をしてたからな、罰として城中の便所掃除だ」

ーー
ーーー

国境付近...

兵士「まさか...魔界に近い所とか...夢にも思わなかった...悪い意味で」

兵士「誰かいんのかな...流石に俺だけじゃないよな...?ん?」

『魔族に襲われたら攻撃より先に連絡を取るべし!!
 攻撃は二の次で!』

兵士「...」

 † † †

『名もなき兵士、ここに眠る』

兵士「マジかよ...」

詰所...

ガチャ ギーイ...

兵士「誰かいないかー?」

.... 

兵士「誰もいない...後から来るのか...?そう言うことにしとこう...」

兵士「剣砥いどこ...」

兵士「おかしいと思ったんだよなぁ...こんなうまい話なんてあるわけねえ
っつうの...誰からも厄介がられてんだ...良い思いなんて出来る訳ねえんだよなぁ...」

兵士「クソ上官共が...評価ばかり気にしやがって...騎士団長も許してくれてた
じゃねえかよ~...」

兵士「だいたいよぉ何年も前の話だぞ?団長も忘れてるっつうのボケ」

兵士「はぁ...」

?「お前さっきからブツブツうるさいぞ」

兵士「ヘア!?誰だ!」


エルフ「お前が誰だよ...まぁいいや...私はエルフっていうんだ、これから
よろしこ」

兵士「はぁ...?何でエルフなんかがこんなところに...?っていうかこれから?」

エルフ「いちいち説明しなきゃダメか?まぁいいや私以外にも来ると思うから
みんなが集まったら話すわとりあえず...そのベッドから降りて?」

兵士「はぁ?」

エルフ「はぁ?じゃない、ここでは私の方が偉いの、わかる?お前ホントに
兵隊?」

兵士「わっ...分かったよ...降りるよ...」

エルフ「聞き分けが良いな、じゃ、私は寝るから...zzzz

兵士(何なんだよこのアマ...)

?「うーっす...ってなんだ?お前」

兵士「また客かよ...あんたこそ誰なんだよ」

竜騎士「おう!俺は竜騎士!分けあってこんな僻地まで飛ばされたんだ!
で?お前は?」

兵士「俺か?俺はしがない一兵卒だよ...位で言ったら一番下の二等兵だ」

竜騎士「お前も問題おこしたのか?」

兵士「問題~?この俺が?そんなへまするわけないだろ、まぁ前に騎士団長の
足を踏んだくらいかな...」

竜騎士「それだけでか?おかしいな...」

兵士「それと演習中にお喋りしたくらいかな」

竜騎士「しょっぺえなお前...」

兵士「...お前は何でここに飛ばされたんだよ」

竜騎士「いや~...なんつぅの?俺って威厳とか皆無じゃん?」

兵士「おう」

竜騎士「即答かよ...まぁそれで結果部下にも舐められるわけですよ」

兵士「分かるわかる」

竜騎士「それでさぁ...ちょいと成績が良いからってんで俺にちょっかいかけた
若造がいてよ~...ちょいと教育したら...そいつ王子様の甥っ子でよ...」

兵士「いよいよ俺が飛ばされた理由がわからなくなってきたぞ」

竜騎士「それで王子様が畏れ多くも俺に左遷命令を下したわけだ」

兵士「お前アホだな」

竜騎士「てってめえ!俺は一応上官クラスなんだぞ!」

兵士「なら手出したらヤバいってわかんだろ普通」

竜騎士「うるせぇ!...って、この可愛い娘ちゃんは誰なんだ?」

兵士「エルフって言ってたぞ、それからは知らん」

竜騎士「そ、そうか...」

兵士「なんだぁ?この女に気でもあるのか?やめとけ、こいつ相当性格
悪いぞ」

竜騎士「そんなんじゃねえよ...何かこの子俺の姉に似てるなって思ってよ...」

兵士「ありえねえだろ...第一この女、エルフの一族だって言ってたんだ種から
ちがうだろ」

竜騎士「そうだけどよ...」

エルフ「ン...ふぁぁぁ...おう他の人間も来たのか」

竜騎士「おう、竜騎士ってんだこれからよろしく」

エルフ「ん、よろしこ...ん?他の人間はまだ来ねえのか?」

兵士「他にも来るんか?これ以上は遠慮したいとこなんだが...」

エルフ「お前に拒否権はないんだよ」

兵士「ヘイヘイサイですかっと...で?」

エルフ「なんだよ...?」

兵士「お前は何でここに飛ばされたんで?」

エルフ「なんだ?お前なんかに言わないとダメなのか?」

兵士「いや、理由聞いて笑ってやろうと思ったっだけだ」

エルフ「お前みたいにくっそしょうもない理由で来たわけじゃねえんだよ...
出来れば話したくない」

兵士「おう、そうかならいい」

エルフ「あぁ、そうしてくれ」

兵士「その様子じゃぁお前も大した理由じゃなさそうだしな」

エルフ「は?今なんつった...?」

竜騎士「おい...もうその辺で...」

エルフ「おまえだって大した理由じゃねぇくせに!」

兵士「なんだ話聞いてたのか、性格もさることながら寝つきも悪いんだな」

エルフ「なんだと...!」

竜騎士「やめろって!何で来たばっかなのに喧嘩してんだよ...!」

エルフ「私こいつ嫌いだわ...」

兵士「ほうそりゃ奇遇だ、俺はお前もお前の種族も昔っから大嫌いだからな
気が合うな」

エルフ「っこの...!」

ガチャ...

?「あのー...国境の詰所って...」

兵士「おうここらしいぞ、お前もか?」

近衛兵「はっはい!僕近衛兵です...あ、はい...」

兵士(こいつの体細せぇな...ん?うちの国って女も近衛兵になれるんか...?)

近衛兵「...あ、あの~?」

兵士「あ、あぁ...すまんな」

近衛兵「いっ...いえ...」

竜騎士「最近は女も近衛兵になれるんだな...」

近衛兵「へ...?あ、あの...僕、男なんですけど...でもこんな顔だから
女の子に見えちゃいますよね...」

兵士「お前男なのか?!」

竜騎士「あ...これは失礼なことを言ったな...すまん」

エルフ「おい一兵卒、話は終わってないぞ!」

兵士「俺は終わったぞ」

エルフ「この野郎!」

竜騎士「おいやめろみっともない!」

近衛兵「え...あの大丈夫ですか?僕何かしちゃいましたか...?」

エルフ「い...いや、君は関係ないよ、大丈夫だ」

兵士「そうだ、こいつが勝手に吹っかけてきただけでな」

エルフ「まだ言うかこいつ...!」

近衛兵「あっ!あの!」

エルフ「ああ?!」

近衛兵「あ...あの何が原因かわかりませんけど...喧嘩は良くないです!」

エルフ「だっ...だけどこいつが...」

兵士「そうだぞ、さっきからネチネチと...」

近衛兵「君も!」

兵士「はっ、はい!」

近衛兵「男の子なんだから女の子には優しくしないと...ね?」

兵士「しっ...しかし...」

近衛兵「しかしじゃない!喧嘩はダメ...約束して?」  キラキラ

兵士「は!承知しました!」

近衛兵「もう...」

竜騎士(カリスマ性っつーか...すげぇなこいつ)

エルフ「分かった...この話は終わりだ...」

兵士「そうしましょう」

竜騎士「よし...ツー訳で飯にしよう!仕事は明日からだ!」

兵士「じゃぁ誰が飯作るか...俺は無理だぞ」

竜騎士「俺もダメだ」

エルフ「私も少ししか...」

近衛兵「じゃ...じゃあご飯は僕が作るよ...こう見えて結構得意なんだ!」フンッス

兵士「いや、見たまんま家庭的だよ、美味いシチュー作りそう、いい嫁になるよ」

近衛兵「お嫁さんじゃなくてお婿さんだと思うんだけどな...」 シュン...

兵士「い、いやそうじゃないな、女にモテそうだぞ?うん、カッコいいぞ
料理が出来るって...」 アセアセ

近衛兵「カッコいい?...初めて言われたよ...嬉しいな...///」

エルフ「じゃぁ私も少し手伝うか...」

兵士「変なキノコ入れんなよ」

エルフ「な?!」


そして...


兵士「このビーフシチューうめぇな..ここまでとは.ビックリしたぞ」

竜騎士「ホントにうめぇ...何だこれ...」

近衛兵「エヘヘ...嬉しいな...」

エルフ「私も一応作ったんだからな、私にもなんか言えよ」

兵士「お前もこの位作れるように近衛兵のトコで嫁入り修行でもしろ」

エルフ「んな?!こいつ...!」

近衛兵「喧嘩はダメだよ!」

兵士「いやーすいませぇん...」

エルフ「ったく...」


兵士「いやー食った食った...」

エルフ「ご馳走様っと...さて、これからどうするよ?」

竜騎士「どうするって?」

エルフ「いや、私ここでする任務の事何も聞かされてないからこれからどうするかわかんない
んだけど...」

近衛兵「僕も聞かされてないなぁ...」

兵士「何するってここの国境の警備じゃねえのか?」

竜騎士「はぁ?俺はここに来る奴は皆俺と長期偵察するって聞かされたぞ?」

兵士「ん~...考えてもわかんねえし今日は休もうや、俺疲れた」

近衛兵「え...でも兵士はここで国境警備するんでしょ?」

兵士「おう」

近衛兵「じゃぁお仕事した方が...」

エルフ「それもそうだ」

兵士「するっつたって...俺一人だし...なぁ?」

竜騎士「お前は見張ってろ、最近魔界と俺らの国との関係わかってんだろ?」

兵士「マジかよ...」

エルフ「お前の仕事だろ?じゃぁ頑張ってこいよ~、詰所出て
左側に何か小さい小屋あったからそこで見張ると思う」

兵士「へいへい...めんどくせぇなぁ...」

ガチャ

「さて俺はどこで寝るか...」

「お前は風呂場で寝てろ、近衛兵は私と一緒だな」

「ふぇ?!」

バタン...

兵士「これも下っ端のお仕事ですか...」

ここで登場する人の紹介だゾ 思いつきで建てたからまだキャラの設定が
いまいち定まってないけど許して

兵士 一応主役 職業 歩兵 

入隊してから2年近くも経つ、戦争も体験して活躍したけどまだ二等兵、上官たちからは気に入られてない
おそらく演習中の態度と騎士団長の足踏んだから昇進できない

エルフ  職業 魔族?

男気あふれる女の子 10代後半
魔族も人間界で就職出来るようになったのでエルフの親衛隊に入隊
そこで何かあったから飛ばされた

竜騎士 職業 竜騎士

この中では一番年が上 王子の甥っ子を殴りつけのでここに飛ばされた


近衛兵 職業 近衛兵

その容姿から女の子に間違われる、剣技は近衛兵の中でも一番上
飛ばされた理由はまだ考え中

思いつきで建てて、思いつきで書いてるしもともとない文章力だからガバガバ
ですけど許してください!何でもしますから!

投稿はまちまちだから何日もあける可能性があります、すいません

ここのマナーはあまり知らないのでなんかあったらバンバンつっこんで下さい

あとこれからは

兵士=兵

エルフ=エル

竜騎士=竜

近衛兵=近衛

でいってみます

名前?コテ?はこれで行ってみたいと思います

何かよくわからないんでこのままでいきます

ホー... ホー...

兵士「おう、こりゃ冷えるな...」

兵士「たぶんここだと思うんだが...これって小屋っつーよりもトーチカじゃねえ
のか?」
ザリッ...

兵士「埃まみれで...相当使われてないみたいだな...」

兵士「椅子くらいはちゃんと使えるだろ...ヨイショット...うん中々良い座り心地で」

兵士「はぁ~...特別手当くらい出してくれねえと割に合わんぞこの仕事...」

しばらくして...

兵「ホー冷えるなぁ...温かい物でも飲みてえが...交代出来る奴がいねえってのは
辛いねえ...」

エル「よう」

兵「うお!...エルフか...ビックリさせんなよ」

エル「はぁ...お前ずっと一人でぼやいてたのか?」

兵「俺しか居ないんだから仕方ないだろ...ぼやきたくもなるわこんな仕事...で?どうした?」

エル「寝れねえんだよ...竜騎士の奴のイビキがうるさくて」

兵「そりゃ大変な事で」

エル「しかし以外だな」

兵「なにが?」

エル「お前みたいな奴は大抵サボってたんだが...お前はちがうのな」

兵「たりめえだろ?何年下っ端やってきたと思ってんだ、そこいらの一兵卒よりも
気合入ってんだよ俺は」

エル「何威張ってんだよ...」

兵「良いからお前、早く中に戻っとけ、今夜は冷えるぞ」

エル「ほぉ~お前みたいな奴でも気遣いは出来るんだな」

兵「うるせえボケ」

エル「まぁ良い...ほれ」

兵「ん?なんだこれ」

エル「水筒、温かい飲み物入れてきてやったぞ」

兵「へぇ、お前みたいなじゃじゃ馬にも女子力ってのはあるんだな」

エル「女子力?最近の言葉はあまりわかんねえんだ」

兵「そうかい、何でもねえよ...じゃまた明日」

エル「おう」

トリップは名前欄(以下名無しが~)
って所に半角の#の後ろに適当な文字数字を適当に入れたものだよー
ちな↑は#トリップ

名前欄が◆だとトリップで◇ってなってるのはただ打ち込んだだけってすぐわかるー

>>40 もうよくわかんないんでこのままでいきます

兵士「たっく、黙ってりゃ少しは可愛げがあるっつうのに...」
ゴクッ

兵士「何が温かいだ...冷たいじゃねえか...」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

翌朝

近衛「兵士?」

兵「おう、近衛兵か...」

近衛「眠そうだね...」

兵「当たり前だろ...それよりどうした?」

近衛「朝ごはん持ってきたよ?一緒に食べよ?」

兵「近衛兵はあいつらと部屋で食えば良いじゃねえか、俺はここで食うから」

近衛「二人とも起きる気配ないし...エルフちゃんと竜騎士のイビキがうるさくて..」

兵(エルフもうるさいんかい)

兵「そうか...まぁここで食いたいんなら食おうぜ...料理冷めちまう」

近衛「うん!」


兵「ところで近衛兵は何でここに飛ばされたんだ?」

近衛「うん...隊長にケガさせちゃって...」

兵「ケガ?訓練中にか?」

近衛「いや、勤務が終わってから隊長の部屋に呼びだされてさ、そこでいろいろと...」

兵「へぇ...もしかして犯されそうになったとか?」

近衛「...」

兵「冗談だよ、流石の隊長もそこまでバカじゃねえだろ...そうだよな?」

近衛「...部屋、戻るね」

兵「おっ、おい...」

近衛「兵士ってさ...デリカシーないよね?」

兵「へ?」

近衛「もういい...じゃ」

兵「おっ...おう」

兵「んー、やっちまったか俺?」

兵「はあ...よくわからんが後で謝っとこ...」

兵「しっか美味いな...冷めてるけど」

竜「おう、おはよ」

兵「おう起きたか、じゃあ変わってくれ」

竜「いやだ寒い」

兵「じゃぁ何しに来たんだよ...」

竜「何か近衛兵の奴、すっげー落ち込んでてよ~...居づらかったからここに来た」

兵「ヘエ...それは大変で」

竜「...なにかしたのか?」

兵「何も?俺はずっとここにいたから何が何だか...」

竜「そっそうか...」 

竜(なんか怪しいなこいつ...)

兵「で?もういいか?俺は仕事中なんだよ」

竜「おう、時間とって悪かったな...じゃ」



「兵士!今すぐここにこい!2秒以内にだ!」


竜「...呼んでるぞ?」

兵「兵士は先ほど魔王に殺されたって伝えてくれ」

竜「良いから行け...ホントに殺されちまうぞ?」

兵「へいへい...遺書にはなんて書けばいいのか...」

竜「竜騎士様に全財産を相続させるって書いとけ」

兵「お前に渡すくらいなら近衛兵に渡すわ、っていうかもう絶対近衛兵に渡すわ」


「さっさと来いオラア!」


兵「じゃ、そういう事で...」

竜「...」

そして...

エル「...」イライライラ...

近衛「...」モジモジ...

兵「...」ガタガタガタ...

エル「何で呼び出し食らったか...わかるよな?」

兵「さ、さあ何の事だか...」

エル「いいだろう、近衛兵...話してもいいか?」

近衛「うん...」

エル「まあ先に何でお前を呼び出すに至ったか、そこを離さないとな?」

兵「そうですね...」

ーーーー
ーーー

先ほど...


エル「フアー...よく寝た...ん?」

近衛「...」

エル「おい、近衛兵よ大丈夫か?」

近衛「うっ...うん何でもないよ...」

エル「どうした~?兵士に掘られそうになったのか?」

近衛「いや...そういうわけじゃないけど...ちょっと兵士にキツく言っちゃったかなって...」

エル「なにかあったのか?お姉さんに話してごらん、ん?」

近衛「それが...」

ーーー
ーーーー




兵「お前は俺をなんだと思ってるんだ」

エル「デリカシーのない腐れ外道」

兵「...」

近衛「ごめん兵士...僕がここに来た理由も言わないまま勝手に怒っちゃって...」

兵「まぁ...これに関しては俺が悪いしな...流石にデリカシー云々言われたら何も
言えねえよ」

エル「お前それでも謝ってんのか、許さねえぞこの野郎」

兵「え...でも近衛兵もそうおっしゃてますし...」

エル「私が許さねえっつてんだハゲ」

兵(このアマ...)

兵「ど、どうすれば...許して貰えますか...?」

エル「近衛兵?どうする?」

近衛「え?!...ぼ、僕はもういいけど...」

兵「だから...

エル「近衛兵はそれでいいのか?そうしたら一生舐められ続けることになるぞ?」

兵「いやそれはない...」

近衛「ん~...じゃぁなんでもいう事聞くって言うのは?」

兵「え?こいつらのか?嫌だよこんな奴らの為になんでもするとか俺のア○ルが死んじゃうわ」

近衛「ア、ア○ル?何それ?」

兵「何でもないです」

エル「じゃぁそれで決まりだな...さて、何してくれようか...」

兵「え...決まりなの?」

エル「そうだな~...じゃあまずは床の掃除と...あとここにいる人間全員分の洗濯な、あもちろん私のもな」

兵(くそ...お前は魔物だからって言おうとしたのに)

兵「でも自分は仕事が...」

エル「え?そんなの関係ないでしょ、どうせ魔物なんかすぐには来ないさ」

エル「お前は何させる?」

近衛「じゃぁ...僕もそれで...」

兵「え~...近衛兵の下着洗うのは良いけど竜騎士とエルフの洗うとか
何かくさそう...」

エル「お前が飛ばされた理由がわかったよ、お前かなり性格悪いわ」

兵「うるせぇ!はぁ、じゃぁ始めますかね...」

近衛「何か手伝おうか...?」

兵(こいつ天使じゃねえの?)

兵「いや...近衛兵はくつろいどけ...俺の仕事だし」

エル「そうそう、近衛兵はくつろいどけ、今のうちに休んだ方が良いぞ~」

兵(こいつ絶対許さねえ...)

ガッシュガッシュガッシュ...

兵「...」

竜「何してんだお前」

兵「ここにいる人間の全員分の服を洗濯してんの」

竜「お前が進んでやるとはな...」

兵「好きでやってんじゃねえよダボ」

竜「じゃあエルフの命令か?」

兵「おう、それと近衛兵の頼みだよ...」

竜「お前やっぱ何かしたんだろ?言わなくても良いが...」

兵「聞かないでもらえると助かります」

竜「まぁ頑張れよ~」

兵「おう」

竜「...おい」

兵「なんだ?」

竜「何で俺の下着ゴミ箱にあんだよ」

兵「さぁ...」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

兵「はぁ~...疲れた...」

竜「お疲れさん、飯美味かったぜ」

兵「その美味い飯って言うのは、俺食ってない気がするんだが」

竜「確かにお前の分の飯はあったんだがなぁ、エルフとどこかの誰かが
食っちまったみたいだ」

兵「そうかい、ちょっとエルフとどこかの誰かさんとやらを呼んできてくれ」

竜「エルフは寝た、どこかの誰かさんはこれから寝るそうだ」

兵「お前頭おかしいんじゃねえか?」

竜「そりゃどうも、じゃあ俺戻るわ」

兵「おう、二度と顔見せんなよ」

竜「この狭いトーチカに居れば見なくて済むぜ、じゃあな」


兵「飯くらい残してくれても良いじゃねえかよ...おぉ寒い」

兵「帰りてえなぁ~...こんな所来るんじゃなかった...」

次の朝...

兵「...」ゲッソリ

近衛「...大丈夫?」

兵「完徹もここまで来るともう逆に楽しくなってきた」

近衛「え?!ホントに大丈夫?!休んだ方が良いよ...」

兵「休めるわけねえだろ...いつ魔界からお客さんが来るかも分かんねえのにさ...あんな腐れ外道
共に殺される位なら完徹を選ぶね」

近衛「...兵士はさ」

兵「ん?」

近衛「兵士は何で魔族とかをそこまで忌み嫌うのかな...?」

兵「つまり何が言いたいの?」

近衛「何て言うか...兵士って遅れてるって言い方はあれだけど...時代の流れに逆らって
生きてる感じがするんだ...」

兵「そんなアウトロー気取りに見える?」

近衛「そうじゃなくて...魔族の人たちもさ、僕たちと仲良くしようとしてるでしょ?だから僕たちも
魔族と仲良く生きていけるんじゃないかなって思ってさ...ほらエルフちゃんもお城で仕事してるし...
ん~...何て言えばいいのかな...兵士ってさ、何か子供みたい...」

兵「子供ね~...」

近衛「あッ...ごめん...」

兵「つまり、手と手を取り合ってみんな仲良くしよう...て言いたい訳ですね?」

近衛「そ...そういう訳じゃないけど...」

兵「まぁ俺も好きで魔族を嫌いになった訳じゃないよ?一応嫌いになったきっかけはあるから」

近衛「理由...どうしてなの?」

兵「悪いけど、今のところ話す気はない、すまんね」

近衛「じゃぁ...いつか話してくれるかな...?」

兵「気が向いたらな...」

近衛「そっか...じゃぁご飯作って来るね?」

兵「竜騎士に持ってこさせないでね」

近衛「はいはい...」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

『あんな大軍が来たってのによく生き残れたな...』

『ご両親亡くなっちゃったのね~...こんな小さいうちに可哀そうに...』

『隣り村の教会にでも預けるか』

『だな、俺には育てられねえや』

『シスターさんなら何とかしてくれるさ』

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

兵「シスター元気にしてっかな~、今思えばめっちゃ可愛かったな~」

兵「胸柔らかかったなぁ...」

兵「もっと揉んどきゃよかったな~」

竜「えっ...」

兵「おっ!ビビったぁ...なんだこの野郎」

竜「いや...近衛兵が飯出来たから呼んで来いって...お邪魔だったか?」

兵「う、うるせえ行くぞ」

竜「独り言の癖は...直しといた方が良いぞ」

兵「そうします...」
ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

エル「遅いぞ」

兵「お前とは違って俺は仕事してんだよ」

竜「良いからさっさと食え野郎ども」

近衛「そうだよ、早く食べないと冷めちゃうよ?」

兵「ところでよ、ここに通信機とかって無いのか?」

エル「通信機?」

竜「いや、ここでは見てないぞ」

近衛「どうかしたの?」

兵「いや...無いんならいい...」

兵(魔族どもが来たらどうするってんだよ...)

近衛「兵士はいつまでここに居るの?」

兵「そうだな~...上の命令がないとここから離れられねえな、来ねえかなー伝令兵とか」

エル「来たって家に帰してくれる訳じゃねぇだろ」

兵「いや別に戻りたいわけじゃねぇんだよ、こっからオサラバしたいんだ」

竜「まぁそうだよなぁ…こんな訳の分からんとこに飛ばされて…迎えなんて来るのかね?」

近衛「僕はみんなといるの楽しいよ?」

兵「俺も近衛兵とずっと居たいよ」

近衛「えっ…///そんな事言われても…///」

エル「飯食ってここに来た時と同じ位キモさが復活したな」

兵「うるせぇよ…はぁ、じゃあ飯も食ったし仕事に戻りますよ俺は」

近衛「あっ…」

兵「ん?どうかしたか?」

近衛「兵士…ちょっとでも休まないと…体壊すよ?」

兵「休むっつたって代わりがいないからなぁ…まぁある程度は仮眠とってるし大丈夫だろ」

近衛「ダメ!兵士凄くやつれてるもん…だから休んだ方が良いよ!」

兵(最初と言ってること変わってんじゃねぇか、可愛いからいいけど)

エル「確かになぁ…ちょいと働き過ぎなんじゃないか?」

兵「え~…じゃあ自分、休んでも良いっすか?」

竜「そうしとけ、なんかあったら起こすよ」

兵「ありがとナス!じゃあ俺は寝るよ」



兵「Zzz...」

竜「こいつもう寝たのか」

近衛「ふふっ...ずっとお仕事してたからね...」

竜「一番帰りたがってるのにな、よくやるよこいつは」

エル「はぁ~...それにしても...私達はここに何しにきたんだろうな」

竜「あぁ...ここに来てから、一切の連絡も貰ってないからな...偵察っつても何の情報も
無いし」

近衛「僕もよく分からないうちに来たからなぁ...兵士だけ働いてるからなんか情けないなぁ...」

エル「近衛兵は飯作ってるから一応は働いてるだろ」


コンコン

竜「ん?」

エル「どうぞ~」

モブ兵「すいませーん...」

竜「その恰好は...兵士と同じ格好だな、どうかしたのか?」

モブ兵「兵士に渡すもんがあって来たんですが...今大丈夫ですかね?」

エル「兵士なら奥の部屋で寝てるよ、それで渡すものって?」

モブ兵「はぁ、これなんですが...」

竜「通信機か?」

モブ兵「はい、ここの詰所って色々と手が回ってないらしくて、色々と備品が来てない
んですよ」

エル「随分と凄いとこなんだなここは」

モブ兵「そうなんですよね~ここめっちゃ重要な拠点なんですがねぇ」

エル(そういう訳じゃないんだが...)



モブ兵「ところで...兵士は元気にやってますか?」

近衛「うん、元気そうだよ...っちょっと仕事しすぎだけどね」

モブ兵「そうですか...アイツみんなに心配掛けるだけ掛けやがってここに連れてかれましたからねぇ...
元気そうなら良かったですよ」

エル「何なら起こしてこようか?」

モブ兵「いや起こしちゃ悪いんんで、それではそろそろお暇します」

竜「おう、気を付けて帰れよ」

モブ兵「はい、それでは」

バタン

エル「あいつ友達いたんだな」

近衛「兵士に失礼だよ...」

竜「通信機が届いたって事は、ここに人間がいるってことは認知されてんだな」

エル「そうでないと困るよ」

兵「ん"~…よく寝た…ん?どうした?」

竜「おう、さっきお前の同僚が通信機持って来てくれたぞ」

エル「お前友達いたんだな」

兵「知り合い位はおるわダボ」

竜「はいはい…これが通信機だ」

兵「おう、ありがと…重いなこれ」

近衛「この型の通信機初めてみた…新型の通信機かなぁ?」

兵「そうか?この型の通信機は昔っからあるぞ?使い捨てみたいなもんだが」

エル「使い捨て?一回しか使えないのか?」

兵「そういう訳じゃないが、何つうか配線が弱くてよ、ずっとは使えないんだ」

エル「それ大丈夫なのか…?」

兵「最前線にデカい通信機なんか持ってける訳ないだろ?まぁなんつうかこの通信機は我が国の挺身部隊が使う奴だよ」

竜「挺身部隊…それってお前…」

兵「通信機が最初から無い時点で気づくべ、ここに連れて来られたのは兵士からしたら見捨てられたも同然なんだよ」

近衛「じゃあ僕達は…」

兵「最も死に近い場所へ左遷させられたんだよ俺たちは、それも悪意のある左遷だ」

エル「…」

兵「でも分からねぇのが何故お前ら三人がここに飛ばされたか、なんだよ」

エル「問題起こしたから…だろ?」

兵「そうだけど、お前らは軍隊の中でも取り分け位が高い」

竜「だから恨みを持った奴が飛ばしたんじゃ…」

兵「ウチの国王はかなり臆病者だ、移動命令も国王が判断を下す、俺みたいな下級兵は飛ばされても問題はないが…」

兵「対空戦闘の要でもある竜騎士、エリートを集めた近衛兵、国交の良し悪しにも関わるエルフの親衛隊…」

兵「お前らは俺ら一兵卒とは違って代りになる人間はいないからな、だが貴重な戦力を
易々と手放す程上官共もバカじゃねえと思うが...」

エル「...わっかんね、、寝るわ...」

近衛「お皿...洗ってくるね...」

竜「...」

兵「じゃぁ俺は仕事に戻るかな...」

バタン...


兵「わかんねぇなぁ...」

近衛「まだ考えてたんだ?」

兵「お、近衛兵か...どうした?」

近衛「暇だから来ちゃった...ダメだったかな?」

兵「いや、むしろウェルカム」

近衛「ふふっ...ありがと、この椅子借りていい?」

兵「どうぞどうぞ」

近衛「兵士はこの任務が終わったらどうするの?」

兵「そうだな~...同期と飯食いに行く...ぐらいしかないな」

近衛「一緒にご飯食べる友達いるんだね、良いな...僕もそうゆう友達が居たらな~...」

兵「じゃぁ終わったらさっき言った同期の奴と飯でも食い行くか?アイツ美味い飯屋知ってるんだ」

近衛「ホント?じゃあ約束ね?」 ッス...

兵「ん?」

近衛「指切り!ほらっ」

兵「お、おう...」(あぁ~たまらねえぜ)

近衛「でも..。帰れるかな...」

兵「帰れるじゃない、帰るんだよ絶対に、こんなくそみたいな所で死んでたまるかよ」

近衛「...うん」

兵「近衛兵は帰れたら何すんだ?」

近衛「僕は...そうだな~...幼馴染が帰ってこいって言ってたから休暇貰って
実家に顔だそうかな...」

兵「そうか...」

エル「おーい、飯作るぞー...何してんだ?辛気臭い顔して」

兵「いや...何でもねぇよ飯食おうぜ、腹減っちまった」

エル「仕事はどうした...」

兵「休憩します」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

竜「サボって良いのかよ」

兵「お前が言うな」

エル「はいはい、食器並べろ」

兵「へいへい、ほらよ」

竜「一番ぼろいの渡すな」

兵「物資が不足しているんだ我慢しろ」

竜「んの野郎...」

近衛「はい、竜騎士」

竜「おうあんがと...ところでまだ食料は大丈夫なのか?」

エル「ちょっとヤバいかもな...そろそろ底をつきそうな感じだ」

兵「そろそろ補給部隊的なのが来るんじゃねえの?」

竜「補給部隊どころか人っ子一人来ないぞ、まぁさっき来たが」

近衛「あの人に聞けばよかったね」

兵「まぁいざとなったら逃走でもしましょうや」

エル「職務怠慢は軍法会議ものだぞ」

兵「そんなの気にしたこと無いくせに」

エル「うるせえ、さっさと食え」

兵「しかし飯が食えないってのは死活問題だぞ」

竜「まぁ俺らがどうにか出来る問題でもないしな...気長に補給を待つしかないだろ」

エル「まぁそういうこったな...」

兵「考えても仕方無いから俺は寝る」

竜「おいおい...」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

兵「暇だなー、何か来ねえかなぁ...」

兵「まぁ魔物が来たら困るんだけどなぁ」

エル「なにブツブツ言ってんだ」

兵「おう、エルフか」

エル「暇そうだなおい」

兵「お互い様だろ?」

エル「んなこたぁねえよ?私だって晩飯のレシピ考えてんだから」

兵「ほぉ~考えてんのは近衛兵だけじゃなかったんだな」

エル「当たり前だろ...まぁ作ってんのは近衛兵だけどな」

兵「あっそうですか...」

兵「はぁ~暇だな」

エル「なにテンション下がってんだよ」

兵「なんででしょうかねぇ...あ...?」

エル「ん?どうした?」



『ウウー...』

兵「...魔物か?」

エル「...いや、人間だ」

兵「何で人間が魔界から来るんだよ?」

エル「知るかよ」


「ウ...おっお前らは...兵士か...?」

兵「お...おう何だお前は?」

「貴様俺に向かって何て口聞いてんだ...」

エル(こいつ騎士ってやつだ)

兵(何で騎士が?)

男騎士「おい、もう中に...入ってもいいか?」

兵「おうまぁ入れや」

男騎士「邪魔するぞ...ってなんでお前が偉そうなんだ」

兵「俺はずっとここを守ってきたんだぞ?つまりそういう事だ」

エル「んなことは良いから、なんで魔界から来たんだ?」

男騎士「ああ...そのことだが...

ブウウウウウウン...

兵「次はなんだ」

エル「この魔法は...」

男騎士「なんだもう来たのか...」

兵「おいどういう事だなんだこの展開は」

男騎士「すまないが話は城に帰ってからだ」

兵「帰ってからって俺は帰れなインですが...」

親衛隊長「...ふぅ...この魔法は疲れるなぁ」

男騎士「おう、早かったな」

親衛隊長「この魔法疲れるんだからさぁ...止めてくんないかなぁ?」

男騎士「俺に文句言うな、上の命令だろうが」

親衛隊長「あたしだって仕事があるんだからさ...こういうのは他の人に...」

男騎士「しゃぁねえだろ?お前の魔法と俺は相性がいいんだよ」

エル「あの...」

親衛隊長「あら?エルフちゃん!元気だった?」

エル「何で隊長が...」

親衛隊長「お仕事でねぇ?この男をここから拾いに来たんだぁ、エルフちゃんは
どう?なにか困ってない?」

エル「困りごとだらけですが...」

兵(話についていけんぞ)

親衛隊長「あら~それは困ったわ...」

兵「あのー...

親衛隊長「でもこの任務も明日で終わりっ!」

エル「え?」

兵(聞けやおい)

親衛隊長「あの子ももう許したから...そろそろ頃合いかなって思って」

エル「あいつ...許して...くれたのか...」

兵「あの~...すいません」

男騎士「どうした?」

兵「話についていけないんですが...」

親衛隊長「あら?この人は?」

男騎士「ここの番兵じゃね?」

兵「まぁ間違ってはないけど...一から説明してくれると幸いなんだが」

親衛隊長「えー...エルフちゃん、話していいの?」

エル「それはちょっと...」

兵「おい...頼むよ話についていけないってどんだけ辛いかわかるだろ...」

男騎士(こいつ必死すぎんだろ)

エル「...分かった」

兵「ありがとう...ありがとう...」

親衛隊長(何かこいつキモい)

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

男騎士「手短に頼むよ、俺早く帰りたいんだから」

親衛隊長「エルフちゃん?話したくなかったら話さなくても良いからね?」


竜(なんだこいつらは) ヒソヒソ...

近衛(王国騎士団の人とエルフ親衛隊の隊長だよ) ヒソヒソ...

兵「...」

竜(なんで兵士はげっそりしてんだ?)

近衛(さぁ...?)

エル「じゃぁ...私がここに飛ばされた理由を話します」

兵「...」 ゴクリ...

竜(あのエルフが緊張してる...よっぽど話づらいことなんだろうな)

エル「ここにくる一か月前の事なんだけど...」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

親衛隊長「エルフちゃ~ん!ちょっとぉ!」

エルフ「はっ!どうかしましたか?」

親衛隊長「私の仕事する部屋を掃除しといて欲しいんだけど~...ダメかな?」

エルフ「はぁ...?私も暇じゃないんですけど...仕事もありますし...」

親衛隊長「大丈夫!エルフちゃん一人じゃないから!ねぇお願いー頼まれてた
お仕事片づけるの忘れてたの~騎士団長に怒られちゃうの~」

エルフ「はぁ...分かりました...」

親衛隊長「ありがとー!それじゃあね~」 タタタッ

エルフ「はぁ~まったく...」

エルフ「一人じゃないって言ってたけど...誰が来るんだ?」 ガチャ

?「お!遅いぞ!」

エルフ「あんたか...ダークエルフ....」

ダーク「?どうした~?嫌そうな顔して~!」

エルフ「いやじゃないけどさぁ...ちゃんと片付けれんのか?」

ダーク「大丈夫だって!」

エルフ「自分の部屋も片付けられないような奴が大丈夫って...まぁ邪魔しないでくれよ」

ダーク「え?!私も手伝うよ~!」

エルフ「いいからじっとしてろ!」

ダーク「はいはい...」 シュン

エルフ「ったく...じゃあ床の雑巾がけなら出来るだろ」

ダーク「はーい!じゃぁ雑巾絞って来るね!」


エルフ「ふぅ...まずは散乱してる書類でも片すかな...」

エルフ「どうやったらここまで汚く出来るんだ?」 ブツブツ

ダーク「エルフちゃーん!」

エルフ「ん?どうした」

ダーク「床濡らしちゃった~!」

そして...

エルフ「はぁ...大体片付いたかな...」

ダーク「エルフちゃん?この書類って捨ててもいいのかな~?」

エルフ「床にばら撒いてる程度なら捨ててもいいだろ、たぶん」

ダーク「んー...やっぱ残しといた方が...」

エルフ「良いからいいから...捨てとけそんなもの」 バッ

ダーク「あっ...まぁ良いか...」

エルフ「よし...掃除終了っと」

ダーク「ご飯食べに行こうよ~」

エルフ「またあの居酒屋か?」

ダーク「今度は違うところだよ!」

ーーー
ーーーー

次の日...

親衛隊長「アレー...おかしいなー」 ガサゴソ

エルフ「花瓶の水かえてきました...何探してるんですか?」

親衛隊長「今度の会議に必要な書類が無いんだよねー...どこしまったんだっけ」

エルフ「引出の中とかは無いんですか?」

親衛隊長「ないんだよね~...もしかして昨日の片付けで...」

エルフ「え...?」

親衛隊長「床に散らばっていた書類はどうしたの?」

エルフ「えぇっと...その...」

親衛隊長「まさか...貴方...捨てちゃった?」

エルフ(ヤバいな...何て言い訳しようか)

エルフ「いやぁ...床掃除はダークエルフに任してたんで...」

親衛隊長「まさかあの子...エルフは下がってて...」

エルフ「はい」

エルフ(あれ?これかなりやばい?)

ーーー
ーー

エルフ「んで、嘘がバレテここに飛ばされたわけです...」

兵士(クッソしょうもねぇ...)

近衛「そ、そうなんだ...」

竜「それは...なんとも...」

兵士(二人とも引いてんじゃねえか...)

兵士「まっ...まぁ良かったじゃねえか、仲直りできそうで」

近衛「そ、そうだね!」

エルフ「みんな...」

男騎士(なんだこの空気)

親衛隊長「じゃぁエルフちゃん、明日迎えを寄越すから帰る準備しといてね?」

エルフ「はい!」

男騎士「じゃぁ君もがんばれよ」

兵士「はぁ...頑張ります」

男騎士「じゃぁまた会えたら」

兵士「そうっすね...」

「置いていっちゃうよ~」

男騎士「あ!待ておい!」

ブウウウウウン...


近衛「行っちゃったね」

竜「つうかあいつ何しに魔界に行ってたんだ?」

兵士「肝心なこと言わずにトンズラしやがって」

エルフ「さぁて帰る準備でも」

兵士「まぁ待てや」

エルフ「ん?どうした?」

兵士「お前俺よりもしょうもねぇなおい」

竜「なんか...拍子抜けだったな」

エルフ「なっ...なんだよ!仕方ねえだろ?!私にもプライドがあるんだ!」

兵士「いや...もういいよ、うん」

近衛「も、元の隊に戻れて良かったね!」

竜「まぁ...元気でやれよ」

よくわかんねぇでやってたもんで...不快にさせたらすんません

エルフ「なんだよ...」

兵士「じゃぁ俺は仕事に戻りますね」

近衛「ご、ご飯作らなくっちゃ...」

竜騎士「俺は寝る」

エルフ「...」

兵士「いいなぁ俺も帰りてぇよ...」

バタン

エルフ「はぁ~...」

竜騎士(何だこの空気は...)

竜騎士「まぁ...所詮は他人だしよ?離れたらもう関わることはねぇんだし...」

エルフ「いや...これに関しては何か申し訳なく感じる」

近衛「兵士は誰よりも帰りたがってたからねー...寂しいんじゃない?」

竜騎士「そうだなー、謝っとけエルフよ」

エルフ「そうしとくか...」

ーーー

兵士「あーあ...」

エルフ「よ、よう」

兵士「おう、荷造りは終わったのか?」

エルフ「大体は...」

兵士「そうか」

エルフ(この空気は耐えられんぞ...)

エルフ(つうか良く考えたら私謝る必要ないだろ...)

兵士「良かったな」

エルフ「え?」

兵士「無事何事も無く帰れて良かったなって言ってんだ」

エルフ「あ、あぁ...何か仕事もせずに帰るのは忍びないけど...」

兵士「別に仕事する必要もないだろ、何の指令も聞いてねぇんだ何しろってんだ」

エルフ「ん...そうだよな...」

兵士「すまんな」

エルフ「なにがだ?」

兵士「数々の無礼な発言を詫びてんだよ」

エルフ「詫びてるようには見えないけど...」

兵士「心からは詫びてないもん」

エルフ「何だそりゃ...」

兵士「帰ったらさぁ...俺の同期にこれ渡してくんねぇか?」

エルフ「え?」

兵士「この手紙渡して欲しいんだ...ついに渡せなかったんだけどさ、モブ兵に渡せば
良いから...城であったら...頼めるか?」

エルフ「あぁ...良いけど...なんだこれは?」

兵士「渡せば分かると思うよ」

エルフ「ふーん...」

兵士「もう戻って寝ろ...明日は早いだろ?」

エルフ「早いかわかんねぇけど...まぁ眠いし寝るか」

兵士「そうしとけ」

エルフ「じゃ、また明日」

兵士「おう」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

男騎士「いやー疲れたなぁー」

親衛隊長「疲れるのは私の方よ...明日もこの力を使って遠くまで行かなくちゃ
いけないんだから」

男騎士「お前は魔力があるんだから良いじゃねえかよ」

親衛隊長「そういう問題じゃぁないでしょ...まぁいいわ私寝る」

男騎士「おうまた明日な~」

男騎士(今回の捨て駒はあの兵士かな...かわいそうに)

男騎士(無事任期を終えられたら良いが...)

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

兵士 ヘエックシュン!...ズズッ

兵士「初夏っても朝方は冷えるなぁ...」

兵士「俺の迎えはいつ来るんだろうなぁ..無事.帰ったら酒たっくさん飲んでやるぞ~...ヘエックッシュン!」

近衛「兵士~?起きてる?」

兵士「仕事してんだから起きてるに決まってるだろ?飯か?」

近衛「ううん別の話...エルフちゃん帰っちゃうね」

兵士「炊事の仕事が増えるな」

近衛「そういう訳じゃないけど...兵士は寂しくない?」

兵士「寂しい?うーんそこまで寂しくはねぇな」

近衛「そうかな...部隊違うからこのままずっとあえなかったら...何か僕は寂しいなぁ...」

兵士「...聞いた話なんだがな」

近衛「え?」

兵士「歩哨任務についていた部隊がいてさ、他の部隊と合同で任務についてた
んだけど...ある兵隊は初対面の奴と組まされてたんだ」

兵士「最初は緊張してたが...同郷の人間と知ると任務そっちのけで実家の
話をしてたんだ、それから日がたつにつれ仲良くなっていって...ついには戦友と
呼べる仲になった」

兵士「んでさ、任務が終わり元の部隊に帰還する前に帰ったら実家の近くにある
居酒屋で飲もうなって約束したんだ」

兵士「部隊に戻った後も手紙やら休日にあったりしたんだ、部隊内からもこいつホモなんじゃねえか
って噂が流れるくらい仲良くなってな」

兵士「そうして数ヶ月後奴の部隊が全滅したって話を聞いたんだ、奴も戦死してた...戦場で仲良く
なったら情が沸くもんでなぁ...」

近衛「...」

兵士「あ、あぁ俺の話じゃねぇからな?」

兵士「それからだな...あまり他の部隊の人間と面識を持とうとしなかったのは」

兵士「今考えるとガキっぽい話だが...やっぱ仲良くなったらそれだけ辛い事もあるんだなぁ~...」

近衛「そっか...でも僕は多分...兵士のことはいつまでたっても忘れられないと思うな...」

兵士「俺の話聞いてた?」

近衛「えへへ...でも兵士僕と約束したでしょ?任務が終わったら一緒に飲みに行くって」

兵士「あぁ、忘れてねぇよ俺が言い出したんだ」

近衛「...約束だよ?」

兵士「な、何だよ?分かってるっての」

近衛「えへへ...何か兵士約束破りそうで...」

兵士「んまッ、失礼な!俺は嘘付いたことなんか一度も無いぞ?...無いよな?」

近衛「さぁ...?」

竜騎士「お~い、エルフの迎えがきたぜ」



近衛「あ、お見送りしなきゃ...兵士も行こ?」

兵士「俺は見張りがあります故」

近衛「んもっ~!!良いから行くよ!!」

兵士「あ、襟引っ張らないで...

竜騎士「お~い、エルフの迎えがきたぜ」



近衛「あ、お見送りしなきゃ...兵士も行こ?」

兵士「俺は見張りがあります故」

近衛「んもっ~!!良いから行くよ!!」

兵士「あ、襟引っ張らないで...


親衛隊長「エルフちゃん?何かみんなに言う事はもう無い?」

エルフ「はい...あたしから言える事はもう...」

竜騎士「達者でな」

近衛「お城でもまたお話しようね!」

兵士「...」

エルフ「...あぁ、じゃぁまたな」

兵士「手紙、頼んだぜ」

エルフ「あぁ...」

キイイイイイイイインンン...

シュイン!!!


兵士「...仕事に戻るわ」

竜騎士「...なぁ、もう良いんじゃねぇか?」

近衛「...」

兵士「何が?」

竜騎士「だってさぁ...お前だけ働いて...しかも何の為にやってんのかも分からねぇ
のに...」

兵士「...目的はある、魔物の軍勢が押し寄せてきたら俺が通信機で総司令部に連絡する...
それが仕事だ」

兵士「それに今更いやって言っても始まんねぇからな、ココに来た以上は与えれた
任務を遂行させなけりゃ俺の評価ガタ落ちになっちゃう」

竜騎士「...」

兵士「さてと、俺はお仕事に戻りますかね...」

兵士「そうだな、エルフの奴に許しが出たってなら、お前らもそろそろ帰還出来るかもな」

竜騎士「絶対可笑しいんだよなぁ...」

兵士「まだ言ってんのか、やる事無いなら寝てろ」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

男騎士「あの二人はなぜあんな危険地帯に飛ばされたんだ?」

親衛隊長「よく分かんない、けど...上の人間に歯向かう様な事でもしたんじゃ無い?」

男騎士「あいつらが何か問題を起こしたとは思えんがなぁ...」

親衛隊長「そんなの個人の意見に過ぎないわよ、まぁ、ちょっと私も気になって
周りの人に聞いてみたんだけど...どうも上司の方にも問題はあった見たいね」

男騎士「へぇ~...そりゃなんとも...」

親衛隊長「ま、私には知った事じゃないわ、別の部隊の話だし」

男騎士「あの兵士って奴は...?」

親衛隊長「...情報が少なすぎるのよ...ずっと下級兵やってる、剣の腕前は騎士以上って噂もあるけど...
ホントの事かは分からないわ、聞けた情報はそれだけよ」

男騎士「ほーん...」

親衛隊長「それはそうとエルフちゃん見てない?帰ってからずっと姿見てない
のよ」

男騎士「さぁ?」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

エルフ「失礼する」

「お?エルフの部隊が何の用事で?」

エルフ「モブ兵という者を探しているんだが...」

「おぉ、モブか、お~い!!モブ!!エルフの姉ちゃんがお前よんでっぞ!」

モブ兵「はぁ?何で...あ、どうも...」

エルフ「兵士から手紙を預かってな...お前に渡してくれって」

モブ兵「兵士から...?」

ビリッ

=============================

いきなり手紙なんか寄越して悪かったな、この手紙が渡ったって事は
エルフの奴仕事してくれたんだな。すまん話が脱線しちまった本題に入る
ぞ。おそらく俺はこの国境警備で最期の仕事になると思う、思えば
お前らには迷惑ばかり掛けたよな、まぁ謝らないけど。
それといっちゃなんだが、お前が前に欲しがってた秘蔵のアダルト本、俺のベッドの下の物入れに
入ってるから持って行ってくれ。

あともう二個ほど我が侭を聞いてくれ。俺が死んだら結構な金額の保険金
と死亡した時の手当てがガッポリ入ってくる、それを前に話した俺を養って
くれたシスターに全額渡して欲しいんだ、ネコババするなよ。
最後は、近衛兵ってキャワイイ子が居るんだけどさ、その子と飲み屋でお前らと
酒飲むって約束したんだが果せそうに無いからお前らで一緒に行きつけの
飲み屋に連れてってあげて欲しい、こんな我が侭言って悪い。

                               みんなのアイドル 兵士より

=============================

モブ兵「何がアイドルだ!!」

エルフ「え?切れるトコそこか?」

モブ兵「はぁ...しゃあねえか...わがまま聞いてやるよ」

エルフ「...じゃぁ渡すもんは渡したから...」

モブ兵「ありがとうございます...はぁあのバカ野郎が...」

ーーー
ーーーー

ーーーー
ーーー

ギャー!!ギャー!! バサッバサッ

兵士「また怪鳥かいな...」

兵士「なんか空気悪くなってきやがったなぁ...」

竜騎士「よーう、生きてるか?」

兵士「おう、何しに来た?」

竜騎士「まぁ俺も一応仕事で来てる訳だからな、どこに居ても不思議じゃない」

兵士「なら最初ッから働けよ」

竜騎士「...近衛の奴お前のこと心配してたぞ?お前一人で仕事抱え込みやがって
って怒ってました」

兵士「近衛兵がそんな汚い言葉話すわけねぇだろ!」

竜騎士「ま、まぁそうだけど心配してたのは本当だ。近衛兵とちょっと話でも
して来いや、俺見張ってっから」

兵士「いやイイよ...俺何話せばいいか分かんないし...」

竜騎士「近衛の話だけでも聞いてやれ、これからの事もあんだろ?」

兵士「なに今だけ仕事してんだよ...まぁ...あんがと、行って見るわ」

竜騎士「おう」



兵士「近衛、今大丈夫か?」

近衛「あ、兵士...!きてくれたんだ...」

兵士「あぁ、俺は近衛兵のためなら例え火の中...いや流石に熱いか...」

近衛「もう...ふふっ」

兵士「で、何か俺に言いたい事でもあるのか?竜騎士が近衛兵のトコ行けって
言ってたもんで」

近衛「あぁ...そうだな~...何言おうとしたんだっけ...えへへ、言いたい事一杯あって
何言おうか忘れちゃった...」

兵士「まずは俺に告白だろ?」

近衛「ちっ、違うよぉ!!///何言ってるのさ!!///」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2022年11月27日 (日) 10:11:13   ID: S:WM34UY

続きが見たかった...

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom