真姫「西木野☆星空シアター!」凛「二本立てにゃ!」 (941)

真姫「このスレはSSスレ『真姫「西木野☆星空クリニック」凛「リターンズ!」(真姫「西木野☆星空クリニック」凛「リターンズ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414853362/))』内で書いていた…」

真姫「『もしライブ! ~もしもμ'sのみんながUTX学院生だったら~』というSSの続きと…」

凛「『凛・真姫「西木野☆星空クリニックにようこそ!」(凛・真姫「西木野☆星空クリニックにようこそ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1388/13887/1388761108.html))』と!」

凛「『穂乃果「音ノ木坂情報局ON AIR!!」(穂乃果「音ノ木坂情報局ON AIR!!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/news4ssnip/kako/1391/13919/1391956401.html))』内での安価SS」

凛「『うろ覚えラブライブ!』の2期をやっていくSSスレだよ!」

真姫「続きモノだからこのスレが初見な人は狼狽えるかもしれないけど、初見でもわかりやすいように頑張る予定よ」

凛「そして凛たちはなんなのかっていうと…」

真姫「その二つのSSをモニターで鑑賞している、という設定の進行役といったところかしら」

凛「それぞれのSSの説明とかをしていったりもするよ!」

真姫「で、この二つのSSにはそれぞれ西木野☆星空クリニックの設定も少し含まれてたりするから」

凛「凛たちの説明もこのあとにかるーくやっていくね!」

真姫「それじゃまずは、もしライブ!のすでにやっている部分をもう一度お届けするわね」

凛「その前に軽く解説も入るにゃ」

真姫「それでは…、西木野☆星空シアター!」

凛「開幕にゃ!」




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420381422

真姫「じゃあ今からやっていくもしライブ!に関してなんだけど」

凛「まず凛たちの説明からしたほうがわかりやすいかな?」

真姫「簡単に言えば私が西木野☆星空クリニックって診療所のドクター、凛がナースをやっていて…」

真姫「病気や体調不良で悩むμ'sのみんなに治療薬と偽って変なクスリを渡して様子を見る、っていう安価SSをやっていたの」

凛「その後、なんやかんやで西木野☆星空クリニックは空を飛び、時空を超えれるようになって…」

凛「今度は別の世界のμ'sにはるか上空からヤバいクスリをブチ込んで様子を眺めるコーナーになったんだよね」

真姫「えぇ。その際西木野☆星空クリニックは西木野☆星空スターゲイザーと改名したわ」

凛「詳しく知りたい人は上記の西木野☆星空クリニックと音ノ木坂情報局ON AIR!!を読んでみてね!」

真姫「結構長いけどね」

凛「そして今回のもしライブ!なんだけど…」

凛「不慮の事故で時空の跳躍中に西木野☆星空スターゲイザーから転落してしまった真姫ちゃん…」

凛「時空の波を超えたどり着いたのは数あるパラレルワールドの中の一つ…、ぱっと見何の変哲もない、普通の世界だったんだけど…」

真姫「ただ一つ、決定的に違っていたのは…そこは音ノ木坂学院が数年前に既に廃校となっていた世界だった、ってこと」

真姫「私の気まぐれから、この世界の私が通っていたUTX学院に潜り込み、そこで出会うμ'sになるはずだった面々」

真姫「彼女たちはUTX学院での学生生活を通して、大きく変わっていた…」

真姫「驚愕と波乱のUTXで、ひとりの少女の涙に心動かされた私が取った決断とは…!?」

凛「とまぁ、簡単にあらすじを語るとこんな感じだにゃ」

真姫「ところどころにクリニックの設定が入ってたりするけど大体はアニメな私たちと同じだと思ってくれて構わないわ」

凛「とりあえず今から80レスほどは全部そのもしライブ!で埋まるから見てってくれると助かるにゃ」

真姫「じゃ、そんなわけで、もしライブ! ~もしもμ'sのみんながUTX学院生だったら~」

凛「はじまりはじまりにゃ!」

西木野☆星空スターゲイザー内


真姫「今日もこの時間がやってきたわね!」

凛「じゃ、早速平行世界に行って誰かに薬を投与するにゃ!」

凛「フフフ…、実は今回はみんながあっと驚くようなパラレルワールドを考えてきたんだにゃ…」

真姫「へぇ?どんな世界?」

凛「えっとね、真姫ちゃんのあそこに…」

凛「おっと!これ以上は着いてからのお楽しみだにゃ!」

真姫「嫌な予感しかしないけどどうせそれは別世界の私であってこの私じゃないからオールオッケーね!」

凛「よっしゃー!目的の世界へ向けてー…」

真姫「西木野☆星空スターゲイザー、発進よ!!」



ワープ中 時空の狭間


真姫「う、うぅっ…、なんか今日揺れ激しくないかしら…」

凛「うーん、なかなか激しい条件の世界を選んじゃったから航路が安定しないのかなー?」

真姫「うぷっ…、やば、吐きそう」

凛「え、あ、ちょっと!ここで吐かないでよ!?」

真姫「わかってる…、うぶっ…、やばっ…」

真姫「ご、ごめ…私トイレ…」

凛「あぁ…、行ってらっしゃい…」


タッタカター


凛「ふぅ、危うくお茶の間に見せられない文章を垂れ流すところだったにゃ」

凛「まー今から行く世界も到底地上波じゃ流せないようなー…って、あれ…」

凛「何か重要なことを忘れてるような気がするにゃ…、なんだったっけ…」



真姫「うー、トイレトイレ…上から漏れそうだわ…」

ガチャッ

真姫「…」

真姫「トイレが、ない…」

真姫「どころか…、個室自体がないんだけど…」

真姫「そして私は急いでいたので何もない空間に足を踏み入れ」

真姫「そのまま時空の狭間にダイブする5秒前」

真姫「というか今その真っ最中ぅぅぅぅっぅぅぅぅっぅぅぅううううわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

ヒュオォォォッ…



凛「あ!トイレぶっ壊れちゃったから部屋ごと分離させたんだった!」

凛「ま、真姫ちゃんなら言わなくても気づくよねーアハハハハ」




真姫「誰か、助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」ヒュオォォォッ…

真姫「ひょわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」



真姫(時空の狭間の中で、永遠とも一瞬とも思える時間を漂った末に)

真姫(私はとある世界にはじき出された)



ドサァッ


真姫「い、いたたた…」

真姫「っは!こ、ここは…?」

真姫「…神田明神だわ」

真姫「ということは…、音ノ木坂の近く、かしら」

真姫「…って、またドジ踏んじゃったわ…。まさかスターゲイザーから落ちるなんて…」

真姫「いつ凛が気づいて助けに来てくれるかもわからないし…」

真姫「とりあえずここは行動あるのみね!」


真姫「そうね…、まずすべきは…」

真姫「味方が欲しいわ」

真姫「きっと事情を話せば驚かれるでしょうけど、いつぞやの希や凛のときみたくすんなり受け入れてくれるかもしれないし」

真姫「今の時刻は…、おそらく夕方ごろかしら」

真姫「だったらみんなは音ノ木坂の屋上にいるはずね」

真姫「どんな世界かは知らないけど、それほど異常な世界でもないみたいだし」

真姫「まずはμ'sのみんなと会って話し合いたいわ」



真姫(どんな世界かは知らないけど、それほど異常な世界でもない)

真姫(この時の私はそんなこと言っちゃってるけど)

真姫(でも、結論から言えば、その世界は…)

真姫(まったくもって、異常な世界ではなかった)

真姫(ゴボウでしばきあいもしないし、先輩が都市伝説になることもなく、二人で一人な探偵が変身することもない)

真姫(至って普通の世界で)

真姫(そして、その中で唯一、決定的に違っていたのは)



音ノ木坂学院前


真姫「…嘘、でしょ」


真姫「私たちの、学校が…」



真姫「…ない」




真姫(音ノ木坂学院は、既に廃校になっていた、ということだった)

音ノ木坂学院『跡地』前


真姫「い、いや…」

真姫「まだ学校があるなら理解できるんだけど…」

真姫「影も形もないじゃない…」

真姫「おっきな空き地があるだけの、何もない…場所」

真姫「…」

真姫「ま、そんな世界もあるわよね。全然普通普通」

真姫「今まで行った世界に比べれば屁でもないくらい普通だわ」

真姫「…普通なのはいいんだけど」

真姫「じゃあ、μ'sはどこ…?」



真姫(むしろ、μ'sというスクールアイドルが存在しているかも微妙)

真姫(というかこの時代に私たちは高校生なの?)

真姫(もしかしたら私たちが学生をやっていた時代より数年後という可能性だってあるし)

真姫(近くのコンビニによって新聞で日付を確認してみることにした)

真姫(どこかの主人公がタイムスリップしたライトノベルでも新聞は日付だけは嘘つかないって言ってたし)



真姫「…ふんふん、年数は私たちの世界と変わらないみたい」

真姫「ただ今はどうやら…9月のようね」

真姫「うぅ、確かにさっきから少し暑いと思ってたのよね。どこかに服を脱ぎ捨てたいくらい」



真姫(でも、そんなことはできない。私にだって乙女として必要最低限くらいの恥じらいは残ってるんだし)

真姫(…というわけで)




西木野邸前


真姫「…どうやら私の家は残っていてくれたみたいね。こっちもなくなってたらどうしようかと思った」

真姫「じゃ、おじゃましまーす…」ガチャリ



真姫(所持していた鍵で私は家の中へと侵入…もとい堂々と入った)

真姫(こういうのって不法侵入になるのかしらね)

西木野邸内


真姫(私の家の中は静かだった)

真姫(まぁ当然と言えば当然だけど)

真姫(パパとママは病院にいて遅くまで帰って来れないし。帰ってこない日もある)

真姫(私は多分まだどこかの学校にいるはずで、故に今この家には誰もいないのだから)



真姫「まずは落ち着ける場所でゆっくり対策を考えないと…」

真姫「さてと、久しぶりの我が家だわー。ずっとクリニックで寝泊まりしてたから」

真姫「自分の部屋の有様すら覚えてな」ガチャッ


真姫「えっ」


真姫「えっ」



真姫(静かな私の部屋の中には)

真姫(私がいた)

真姫(だらしない皺だらけのシャツ一枚で、せっかくの美貌が台無しになるほどのクマを目の下に生やして)

真姫(高級そうなヘッドホンをして、PCの前でファーストパーソンシューティング…FPSに勤しんでいた)

真姫(あと私の部屋はこんな生ゴミだらけじゃなかった)



真姫「え、あ…、あぇ?だ、誰…?」

真姫「えっと、えっとー…」



真姫(視界に映るものの分析を終えて目の前の状況を解決するのに頭を使う)

真姫(まず第一に厄介なのはこのままじゃどっちの私が喋ってるのかわかりづらい。あいにく名前欄に☆シールを貼る余裕もないし)

真姫(そして次に面倒なのは…、あっちの私にこの状況を理解されること)

真姫(いきなり同じ顔の人間が部屋に入ってきたらパニックを起こすかもしれない…)

真姫(ここは…)



真姫「くらいなさいっ!星空凛特製…」

真姫「一瞬で夢心地になれる催眠スプレー!」プシュッ

真姫「えぁっ…、ふぉぇ…ぇ…」

真姫「くかー…」

真姫「よ、よし…。私は寝たわね。とりあえず危機は去ったわ…」

真姫「…ふぅ、無駄な汗をかいてしまった」



真姫(流石に9月に白衣+音ノ木坂の制服(冬服)は暑すぎる)

真姫(私服に着替えようとクローゼットに手をかけ、開いた私の目に飛び込んできたもの)

真姫(それは…)




真姫「…え」

クローゼットを開けた私の目に飛び込んできたもの、それは…



新品同様で。



しかしどうしようもなく埃をかぶった。




UTX学院の制服だった。








もしライブ! ~もしもμ'sのみんながUTX学院生だったら~


この世界の真姫「くかー…、すぴー…」


真姫「…なるほどね」



真姫(ここまでの情報を整理してみる)

真姫(この世界は既に音ノ木坂学院が廃校になった世界)

真姫(だから私は音ノ木坂ではなく、UTX高校に入学した、ってわけね)

真姫(でもこの時間にこの姿でゲームをしている…)

真姫(そして制服の夏服、冬服どちらにも使われた形跡が少なく、埃をかぶっていることから鑑みるに…)



真姫「この世界の私は、不登校児…ってことかしら」

真姫「…はぁ、不名誉なことね」

真姫「でも、自分で言うことじゃないけど私の家の家庭環境は複雑だから、何がきっかけで引きこもりになったとしてもおかしくはない、のかな」

真姫「…」



真姫(これは、困った)

真姫(つまり今の私にはおそらく…、外界とのつながりがほとんどない)

真姫(私を知っている人は多分、パパとママくらい)

真姫(これじゃ…、味方を得られない…)

真姫(凛の助けを待つしか道はない、ってこと…かしらね)



真姫「…はぁ。面倒なことしてくれるわね、この私も」

真姫「さて、どうするか…」

真姫「…」

真姫「…UTX、ね」

真姫「実は結構興味があったり…」



真姫(…別に私がUTXに入学したいとか、そういうわけではないんだけど)

真姫(μ'sがラブライブを制覇するまで、最強のスクールアイドルだったA-RISE)

真姫(彼女たちの学園生活が少し気になるのは事実だった)

真姫(あとあの無駄にだだっ広い校舎。一度探検してみたかったりもする)



真姫「…」チラッ

この世界の真姫「くかー…、すぴー…」

真姫「…どうせあの制服、使わないんだったら」

真姫「使わせてもらっても、いいわよね…?」

翌朝


西木野邸 真姫の部屋



この世界の真姫「ん、ん…あれ、私…」

この世界の真姫「…あっ!ね、寝てた…!?」

この世界の真姫「しまったー!深夜にフレと約束してたのにぃ…。すっぽかしちゃったわ…」




UTX学院前


真姫「…よし」



真姫(あの部屋のクローゼットの中の、UTX学院の制服がかけてあったハンガーには、今は音ノ木坂の制服がかけてある)

真姫(今の私は、何処からどう見てもUTX学院生…!)

真姫(さぁ、いざ馳せ参じるわよ!)



UTX学院内 改札前


真姫「…」



女学生A「」ピッ

女学生B「」ピッ



真姫(なんかスマホみたいなのかざして中に入ってる)

真姫(当然私はそんなの持ってない)

真姫(試しに自分のスマホをかざすとどうなるかやってみた)



ビーッ!!


真姫「はわぁっ!!ご、ごめんなさいっ!!」ダッ


真姫(このままじゃ中に入れず終わっちゃうんですけど!?)

真姫(どどど、どうしよう…。一旦部屋に帰って取ってこようかしら…)

真姫(でもこの世界の私はきっともう目が覚めてるし…、また催眠スプレーをぶちまけるのも…)



「ね、キミ!…どうしたん?」



真姫「え、あ!いや…その、えっと…」

真姫(急に背後から声をかけられてキョドる私。慌てて振り向くと、そこにいたのは…)


真姫「の、希…!?」

希「ん?うちのこと、知ってるん?」

真姫「あ、その…」


真姫(希までUTX学院生に…!まぁ、予想はついた事だけど…)

真姫(でもいきなり知った顔に会えたのは幸運…)

真姫(…いえ、そうでもないかも。だって今の私は、UTX学院生の皮をかぶった不審者…)

真姫(もし私が制服だけ盗んで侵入しようとしている他校生(?)と知れたらどうなるか…!)


真姫「え、えーっと…」

真姫(なんて答えようかしら…。怪しまれないように、怪しまれないように…!!)

希「…ん?…あ!!キミ…!」

真姫「ッ!」

真姫(も、もしかして…、バレた…!?)

希「キミ…」

真姫「…っ」ゴクリッ


希「…西木野、真姫ちゃん?」


真姫「えっ…」

希「一年生の、西木野さんよね?春先から来てなかった」

真姫「あ、え…、そ、そうだけど…」

希「だよね!?わ、わー…!学校、来てくれたんや!嬉しいなぁ!」

真姫「え、え…、そ、その…えっと、どういうこと…?」

希「ん?あぁ、急にそんなん言われたらびっくりするよね。なんで不登校だったの知ってるの、とか…」

真姫「えぇ…」

希「うちね、問題のある子のことはずっと目をつけてるんよ。何とかしてそれを解決してあげたいから」

希「なにせうちは、この学校の生徒会長サマやからね!」

真姫「えぇっ!!?希が生徒会長!?」

真姫(い、意外…。あの希が、まさかの生徒会のトップ…!補佐ならわかるけどまさか生徒会長だなんて…)

希「なによ、不服ー?…って、そういえばなんでうちの名前…?」

真姫「あー、その、えっと…」

真姫(…でも、これはチャンスだわ。これで私が在校生であることの証明ができた。あとは…)

真姫「えっと、その…それは置いておいて」

真姫「私、久しぶりに学校に来て、この学校のことほとんど覚えてなくて…」

真姫「だからその…、みんながピッピッってやってるあれも無くしちゃって…、どうしようかなって考えてたんです…」

希「あー、電子生徒手帳、無くしちゃったんか。だから困ってたんやね」

真姫(電子生徒手帳…!?あれ生徒手帳だったの…?どこのダンガンなんとかよ…)

希「そういうことならうちにお任せ!こういう時のための貸し生徒手帳があるんよ!」デデンッ

希「はい、これ貸したげる!帰る前までに新しい生徒手帳の発行を済ませて、返してね?」

真姫「お、おぉ…!ありがとう…ございます」

希「どういたしまして!他にも困ってることがあったらうちになんでも聞きに来てな!」

希「だってうちは、泣く子も黙る生徒会長サマやねんもん!」

UTX学院 食堂


真姫「…」ピッ ピッ


真姫(希の言う電子生徒手帳…、ほとんどスマートフォンと変わらない性能を持ってた)

真姫(こんなのを生徒全員に配るなんて…さすがの財力ね)

真姫(それもそうか。何せUTXは勉学だけじゃなく、学科に芸能科なんてのを作ってアイドルを育成し、それを全力でバックアップするくらいだもの)

真姫(生徒の才能を開花させるためにお金に糸目はつけないってことね)


真姫「…とまあ、こんなものかしら」

真姫「なるほどね、大体わかった」


真姫(このUTX学院がどんなものであるのか)

真姫(それはこの電子生徒手帳の中に事細かに記されてあった)

真姫(まず先程も言ったように、このUTXにはA-RISEも選択している芸能科って学科があるけれど…)

真姫(それだけじゃなくって、他にもいろいろな学科があるのね…)

真姫(デザイン学科、演劇学科、芸術学科…)

真姫(様々な芸に繋がる学科が用意されていて、生徒はその中から自身にあった学科を選択するわけね…)

真姫(そしてその学科の中もまた、細かく分類されている)

真姫(芸能科であれば、モデル専攻、歌手専攻、ダンサー専攻などなど…)

真姫(そして驚くことにその中には)

真姫(アイドル専攻というものはなかった)

真姫(スクールアイドルA-RISEは、芸能科の専攻の中から選ばれた珠玉の三人)

真姫(芸能科を選択する少女の憧れであり目標…、それがスクールアイドル)


真姫「…最強と呼ばれる所以がわかるわ」

真姫「私たちのような寄せ集めじゃない、数多くのアイドル候補生をふるいにかけたうちのたった数粒のダイヤモンド」

真姫「それがA-RISEだったのね…」

真姫「大変な世界に生きているのね、彼女たちも…」

真姫(それをポッっと出の私たちが追い抜いちゃうんだから、人生って残酷よね)

真姫(…きっと、ラブライブ予選敗退した彼女たちは、泣きたいほど悔しかったんでしょうね)

真姫「そして、今私も大変な世界に生きている」


真姫「…クラスがどこかわからない」

真姫「大体広すぎるのよこの学校ー!」

真姫「一年生だけでも何クラスあるのってハナシ!」

真姫「希は頼ってくれてもいいって言ったけど、肝心の彼女がどこにいるのかすらわからないし…」

真姫「はぁ、油断して希から離れるんじゃなかった…」

真姫「誰か私のクラスを知ってる人は…いるわけないわよね。不登校児だし」

真姫「あー、どうしよう…ん?」

真姫「あ、あれはっ!」



ダダダダッ…!!


「…ん?あ、足音…?」


真姫「かーよちーんっ!!」ダキィッ

花陽「ひ、ひぃぃぃっ!!い、いきなりなにぃぃぃっ!?」


真姫(つい花陽を見つけたことで反射的にダッシュして抱きついてしまったわ)

真姫(凛みたいな真似して…、恥ずかし真姫ちゃん)

真姫(しかし花陽までUTX…。これはいよいよμ's全員がUTXに入学している説が濃厚ね…)


花陽「あ、あなた…誰ぇ?」

真姫「あ、えっと…、ごめんなさい。私は…」


女学生C「ちょっと!いきなり小泉さんに抱きつくなんてどういうつもり!?」

女学生D「ズルい…じゃなくて!親衛隊でもないのに小泉さんに近づかないでもらえるかしら!」


真姫「…は?し、親衛隊…?」


女学生E「あなた知らないの!?小泉花陽親衛隊を!」

女学生F「我が芸能科歌手専攻一の癒しキャラこと花陽ちゃんをお守りする小泉花陽のためだけの親衛隊なのよ!」

女学生G「あなたなんかが気安く話しかけていいお方じゃないのよ!」


真姫「花陽が、歌手…!?それに、守られてるって…」

真姫(確かに守りたくなるキャラクターをしているのは理解できるけど…そんなファンクラブチックなものまで作られるほどの人気とは…)

真姫「ん?でも、あれ…?」

真姫(そんな親衛隊に真っ先に入りそうな凛がいない…?もしかして凛はUTXじゃない?)


花陽「み、みんな…。いいの、いいから…」


親衛隊ズ「「花陽様は私たちがお守りいたします!」」



真姫「…挙句には『花陽様』ね…」

真姫「…ごめんなさい。急に抱きついてしまって。次からは気をつけるわ」


花陽「あ…」

花陽「…」

UTX学院 職員室


真姫(自分のクラスがわからなかったらやっぱりここに来るべきよね)



先生「西木野、西木野、と…。春先から休学してたんだってな?」

真姫「えぇ、まぁ…」

先生「うん、学校に来てくれただけでも嬉しいよ。もう休まないように頑張れよ!」

真姫「あ、ありがとうございます。頑張ります」

先生「で、西木野の教室は…、E組だな。担任の先生がもうそろそろ教室へ行く頃だから、一緒について行きなさい」



担任「西木野さん、ここがあなたの教室よ」

真姫「は、はぁ」

担任「しばらくはクラスの空気に馴染めないかもしれないけど、西木野さんならすぐにみんなとも仲良くなれるわ。応援してる」

真姫「…ありがとうございます」

真姫(つまり…、面倒は起こすな、ってことかしらね)



1年E組


担任「みなさん、おはようございます」

担任「西木野さんの席はそこの空いている机よ」

真姫(後ろの席か…。目立たなくて済むわね)



ざわ…


「西木野さんって確か…、ねぇ」 「うん、アレのせいで…」


                              ざわ…


真姫「…」

真姫(早速噂されてるわね…。こういうのあんまり慣れないわ)

真姫(私には教室の角にひっそり収まってるのが一番似合ってるわ)

授業中…


先生「…でここがこれでこうがこれのそれがそうで接点tは出なくて…」


真姫(見たところこのクラスには知った顔をいないわね…。花陽も凛も…)

真姫(花陽はいいとして凛…。あの子はこの学校にはいない可能性もありえるわね)

真姫(バカだし)


先生「じゃあこの問題は…西木野、お前」

真姫「3xです」

先生「お、おう…正解だ」


真姫(…この程度の問題、私にとっては楽勝だけどね)

真姫(私天才だから仕方ないけど!)




昼 食堂


真姫「…天才でも友達はそうそう作れないのよね」

真姫(休み時間の間でも私に話しかけてくれる人は皆無だったし)

真姫(どうやらこの世界の私は何かしら問題を起こしたか何かで不登校になったらしいって雰囲気もわかったし…)

真姫(どこまでも面倒を押し付けてくれるわね…この世界の私…)

真姫「とにかく、お昼ご飯は一人で食べるほかないみたいね」

真姫「…考えてみると、久しぶりな気がするわ」



真姫「もぐもぐ…」

真姫(お、美味しい…!!UTXの学食めっちゃ美味しい!!)

真姫(おのれUTX…!!毎日こんなカツ丼を食べていると思うと妬ましいわ…!)

真姫「次は親子丼でも頼もうかしら…、っと。いけないいけない…」

真姫「このままじゃ希みたいな体型に…っは!殺気…!?」

真姫「…なんだ、気のせいか。びっくりさせるわね」

真姫「さてと、お腹もいっぱいだしどこで暇を潰そうかし…」

真姫「…ん?あっ…!あの後ろ姿…!!」



海未「…もぐもぐ」

ことり「でねー…。それから…」

海未「なるほど、そうだったのですか…もぐもぐ…」




真姫(海未とことり!)

真姫(二人で向き合って一緒にご飯を食べているわ)

真姫(やっぱりあの二人も入学していたのね、UTXに…)



海未「はぁ、それではやはり…もぐもぐ…」

ことり「もー海未ちゃん?食べながらしゃべるのはめっ!ですよ?」

海未「うぶっ…む。すみません、気をつけます」



真姫(海未がことりに行儀のことを注意されている…!?)

真姫(滅茶苦茶珍しいものを見てしまったわ。あの厳格な海未が…)

真姫(…そういえば)

真姫(あの二人はいるのに、穂乃果がいない…)

真姫(今日はたまたま一緒じゃないのか、それともやっぱり…)

真姫(…まぁ、穂乃果も筋金入りのおバカさんだし、ありえるわね)

真姫(それとなく話しかけたいけど…、さっきの花陽みたいなこともあったし、ここは放っておきましょうか)

真姫(それに、学校の探索もしたかったところだし。まず音楽室があるか探してみようかしら)

スタスタ…





ことり「最近、気が抜けてるんじゃない?やっぱり…」

海未「…彼女がいないから、かもしれませんね」

ことり「…海未ちゃん。もうやめよ、その話は」

海未「…はい」

6限目 音楽室


真姫(6限は芸能科歌手専攻の人たちを対象とした授業のようね)

真姫(専攻により別の授業、別のクラスに分けられる、という形みたい)

真姫(時間割を見るに1週間にこういった形の授業は結構あるようね…。週一ってわけじゃないんだ)

真姫(ていうか私歌手専攻だったのね…。ということは…)



親衛隊A「ちょっと、聞いたわよ?さっき小泉さんに抱きついたっていうあなた…」

親衛隊B「春先から今日までずっと引きこもってたんですってね!」

親衛隊C「そんな人が小泉さんにちょっかいをかけるなんて許せませんわ…!」



真姫「…」

真姫(あの子達と、そして…)



花陽「も、もーみんな…。気にしてないから、平気だってば…」



真姫(花陽もいるみたいね)

真姫(あの不意に抱きついてしまった出来事のせいで私のことは親衛隊全体に広まっているようね…)

真姫(下手なことはするものじゃないわね…。あまり目立ちたくなかったのに…)



親衛隊ズ「「じー…」」


花陽「はわわぁ…」



真姫(めっちゃガン付けられてるし…こわこわ)

真姫(花陽も言うならもっとはっきり言いなさいよね…。下手に口出ししたら逆効果じゃない…)

真姫(…や、でもそれは酷な話かしら。だってこの花陽は…μ'sじゃない)

真姫(人前で大きな声を出せる勇気は、持っていないのかしらね)

授業中…


先生「えー、確か西木野さんは今日まで休学なさっていたとか」

真姫「はい。すみません…」

先生「勇気を出して学校に来てくれたのは喜ばしいことですが…」

先生「まず、あなたがこの授業についていけるかどうかを測らせてもらいます」

先生「この曲を歌ってみてください。みんなの前で」

先生「正しい音程で歌えていなかった場合、今日は居残りで補習ということになります」

真姫「はぁ…」



親衛隊A「あの子、困ってる困ってる」

親衛隊B「長い間引きこもってた子に人前で歌を歌わせるなんて…先生も人が悪いわね」

親衛隊C「下手な歌で恥をかくといいですわ」



真姫(陰口めちゃくちゃ聞こえてるんですけど…)

真姫(ったく、私を誰だと思っているのかしらね)

真姫(日本一のスクールアイドルμ'sの中でも最も歌の上手な西木野真姫ちゃんよ?)

真姫(日本の高校生で私以上に歌える女子なんているはずもないわ)


真姫「…といってもね」


真姫(かえって本気を出しても目立つだけ…。下手すればあの親衛隊員に目をつけられる口実にもなりかねないし)

真姫(ここは…)



真姫「あ~お~げば~とうとし~わが~しの~おん~…」




先生「…はい、ありがとうございます」

先生「及第点といったところですね。久しぶりに人前で歌ったでしょうに、なかなか声が出ていてよろしい」

先生「あとは音程をもう少し正していけば上手になれると思います」

真姫「はい、ありがとうございます」



親衛隊A「ふーん、なかなかやるじゃない」

親衛隊C「でもあの子の歌…、クスクス…。とっても下手でしたわね」

親衛隊B「もー、言ってあげないでよー。まぁ、ビブラートも何もあったもんじゃなかったけど…、低音も出てなかったし」

親衛隊A「アンタが一番言ってんじゃん!アハハハ!」



真姫「…」イラッ

真姫(ぶん殴りたいあいつら…!私が本気を出せばあんたらの数倍、いや数億倍はうまいっての!)

真姫(…っと、いけないいけない。気を鎮めないと…。目立つことはしない、しない、っと…)



花陽「…」

花陽「…西木野さん、かぁ」

授業中


先生「…えー、それでは小泉さん、ここを…」

花陽「はい」



花陽「らー、らららー…」



親衛隊ズ「「きゃー…!相変わらず透き通るようないい歌声…!」」




真姫「ふぅん…」

真姫(確かに、始めて歌を聞いた時よりもずっと声が出てる…)

真姫(それにとっても…、上手ね)

真姫(アイドルでもない花陽がここまで歌が上手だなんて…少し意外)

真姫(やっぱり歌手専攻なだけあって、一学期で相当歌の練習もしたんでしょうね)



親衛隊員D「やっぱり、花陽ちゃんが最もA-RISEに近いと思うなぁ…!」

親衛隊員E「もったいないよね、あんなに歌上手なのに…」



真姫「ん?」

真姫(気になる言葉が聞こえたわね…。A-RISEっていう言葉も、この学校に来て初めて他の生徒から耳にしたけど…)

真姫(それより、『もったいない』って…どういうことかしら)

真姫(もしかしたら花陽にも私の知らない事情があるのかもしれない…)

「きりーつ、れーい…」

「「ありがとうございました!」」


放課後

1年E組 教室内


真姫「ふぅ…」

真姫(やっと一日の授業が終わった…。新鮮なことが多すぎてかなり一日が長く感じたわ…)

真姫「さてと、じゃあ帰ってクリニックの準備…」

真姫「…じゃなかった」

真姫(今は別世界でUTX学院生だったわ…。忘れてた)

真姫(この世界には、私の知っている凛がいない、のよね…)

真姫(そう思うと心細くなってきたかも…。凛、早く迎えに来てよ…)

真姫「…このモヤモヤした気持ちと、さっきの音楽室でのイライラを解消するためには…」

真姫「…思いっきり歌うしかないわね」

真姫「そうと決まれば…!」



音楽室


真姫「…誰かいますかー?」ガチャッ

真姫「よし、誰もいないわね。ここなら本気で歌える…!」

真姫「ピアノもあることだし、ここは久しぶりに弾き語りでもしてみようかしら」


真姫「よいしょっ、っと…」

真姫「ピアノの調子は…」ポロロロンッ…

真姫「うん、綺麗な音。さすがUTX、いいピアノ使ってるじゃない」

真姫「じゃー…そうね。イライラしてる感情をぶつけるためにもここは激しい曲がいいかしら…」

真姫「…これにしましょう。μ'sのいないこの世界にはぴったりかも」

真姫「…LOVELESS WORLD」



~♪


真姫「さーよならーのキースしてー、かなーしみのーくーにへー…」

真姫「ラブレスワァァァァァァァァァァァァァッ!!!!」


真姫「…ふぅ。思いっきり叫んでやったわ。気持ちよかっ…」



パチパチパチ…



真姫「ヴぇええええっ!!?は、拍手…!?誰…?聞いてたの…?」


「…歌、上手ね。聞き惚れちゃった」


真姫「あ、あなた…」

真姫(…絵里)

絵里「…1年生?見ない顔ね」

絵里「今日、転校してきた…とか?でもそんな話聞いてないけど」


真姫「あ、えっと…私不登校で…。今日久しぶりに学校に出てきたの…です」


絵里「あぁ…、そうだったの。道理で」

絵里「じゃあ一つ忠告するけど…」

絵里「…あなた、音楽室の使用許可、とった?」

真姫「え、使用許可…?」

絵里「授業に使用する教室を空き時間に利用するためには生徒会の許可が必要なのよ」

絵里「知らなかった?」

真姫「…はい」

絵里「でしょうね。…生徒手帳にも明記されてるんだけどな」

真姫「すみません…」

絵里「別にいいわよ、私に謝らなくても。先生や生徒会の人たちに見つからなくて良かったわね」


真姫(…え?)


真姫「あ、あの…絵里…じゃなかった、あなたは…生徒会役員じゃないん、ですか?」

絵里「私が?生徒会?」

絵里「ふふ…、面白いこと言うわね。私が生徒会に入ったことなんてないわよ」

真姫「あ…、そ、そうだったんだ…」

真姫(希が生徒会長だから、もしかしたら絵里は副生徒会長なのかも、って思ってたけど…)

真姫(カンが外れたわね…。じゃあ絵里は何をやってるのかしら…)

絵里「ん…?あっ、あなた…!」

真姫「っ!?は、はい…?」

絵里「…いえ、何でもないわ」

真姫「はぁ…」

絵里「それじゃ、またね。今度は許可を取るか…誰にも見つからないようにしなさいよ?」

真姫「あ、はい…。ありがとうございます」


絵里「…さよなら。真姫」


真姫「うん、さよなら…」

真姫「…って、え?なんで私の名前…」


真姫「って、もういないし…」

真姫(見ない顔、って言っておきながら私の名前を知っていた…?)

真姫(この世界の絵里…、今までで一番よくわからないわね…)

音楽室前


真姫「…はぁ、時間潰すつもりだったのに」

真姫「あの家に帰ればまたこの世界の私と鉢合わせになるし…、どこ行こうかな…」

真姫「とりあえず、一旦学校からはもう出ようかしらね…」



タッタッタッ…


「はぁっ…、はぁっ…」

「…ねぇ!今、歌ってたの…」



真姫「あ…、あなた…」


花陽「西木野さん…、やっぱり…」


真姫「聞こえてたの?さっきの…」

花陽「う、うん…。一人で屋上にいたから」

花陽「そこの音楽室ね、廊下側の防音は完璧なんだけど、外からだと微妙に音漏れしてるんだ」

花陽「だから、聞こえてたの」

真姫「そ、そうだったのね…。恥ずかし」

花陽「そんなことないよ!」

真姫「…っ!?び、びっくりした…」

真姫(急に大きな声出すから…。っていうかそんな大きな声出せたんだ花陽)

花陽「すっごい上手だった!私よりずっとずっと上手!」

真姫「そ、そんなこと…」

花陽「やっぱり音楽の時間はホンキじゃなかったんだよね!?なんとなく気づいてたの!」

花陽「すごいなぁ西木野さん!羨ましい!!ねぇ、A-RISEに入るつもりなの!?それとも…」

真姫「あの…、花陽…!お、落ち着いて…」

花陽「あっ…。ご、ごめんなさい…。私興奮するとつい…」

真姫「え、えぇ…」

花陽「…あっ!そうだ、言いたいことがあるの!」

真姫「言いたいこと?」

花陽「あの、ね…その…」

花陽「…今日の朝、抱きつかれた時はすごくビックリしたんだけど…」

花陽「私、ああいうことされたことなかったから、すごく新鮮で…胸がドキドキして…」

花陽「その、だから…西木野、さん…!」

真姫「は、はい…」

真姫(これは、もしや…)


花陽「わ、私っ…!!」

花陽「西木野さんのこと、す…好きっ…!!」

真姫「っ!!?ちょっ…!」

真姫(まさかのいきなり告白ゥッ!?)

花陽「…あっ!え、えっと…!」

花陽「違うの!!ごめんなさい、そうじゃなくて…そういう好きじゃなくて…」

花陽「…と、友達になって欲しいって、思ったの」

真姫「友達…?」

花陽「うん、私…気軽に話せる友達がまだ、いなくて…」

真姫「え、でもあなた、親衛隊がいるじゃない」

花陽「あの子達は…違うの。私じゃなくて…きっと私の歌声と、キャラクター性が好きなだけなの」

花陽「私、普段は声も小さくて引っ込み思案だから、よく守りたくなる、母性をくすぐるって言われてて…」

花陽「最初はクラスの子が打ち解けるためにおふざけで始めたことのはずだったのに、それがいつしかホンキになって行っちゃって…」

花陽「そばにいてくれるのは嬉しいんだけど、誰も私と心から向き合ってくれる子はいなくて」

花陽「いつもみんなが作り上げた、私の偶像を見てるだけ、って感じがして…」

花陽「でも、そんなこと言えなくて…ずっと心から話せる友達が欲しくて…」

花陽「西木野さんなら、なってくれるかもって…そう思ったんだ」

真姫「花陽…」

花陽「ダメ、かな…?お友達…」

真姫「…ふふ」

真姫「もちろん、ダメじゃないに決まってるでしょ」

花陽「…!じ、じゃあ…」

真姫「でも一つ、条件があるわ」

花陽「条件…?も、もしかしてパシリになれ、とか…?」

真姫「ノンノン、そういうのじゃなくて」

真姫「私のことは、名前で呼んで」

花陽「えっ…」

真姫「西木野さん、なんて他人行儀な呼び方、好きじゃないのよ」

真姫「友達なら、下の名前で呼び合うものでしょう?…花陽」

花陽「あっ…。…う、うんっ!」

花陽「真姫ちゃんっ!」

真姫(こうしてこの世界にも一人、仲間が増えた)

真姫(奇しくも、私が音ノ木坂に入って初めて出来た友達と同じ)

真姫(これも、運命なのかもね。…花陽)



花陽「ふふふっ…。真姫ちゃんっ」

真姫「な、なによー…。そんなにくっつかれると歩きにくいじゃない」

花陽「ごめんね、でもなんだか嬉しくって!ふふ、友達かぁ…」

真姫「あっ…」

真姫(…そっか、さっきの話を聞く限りじゃ、幼馴染の凛はこの学校にはいない、みたいね)

真姫(でなければ花陽に友達がいない、なんてありえないし…)

花陽「…ん?どうしたの?何か私の顔についてるのかな」

真姫「あっ…違っ…」

真姫(どうやら無意識のうちに花陽の顔を見つめていたみたいだわ)

花陽「えぇっ!?ち、血が付いてるの!?どこどこ!?」

真姫「あー、そうじゃなくてっ…!えーっと、そう、花陽はどうしてUTXに入ったのか聞こうって考えてたの!」

花陽「え…?」

真姫「ほ、ほら…。花陽は引っ込み思案じゃない?…そう、私には見えるのよね」

花陽「あ、うん。確かに引っ込み思案だよ。えへへ、恥ずかしい…」

真姫「なのにこの学校になんで入ったのかな、って。それに、芸能科の歌手専攻だなんて」

真姫「明らかに人前で歌わされること確実な学科を選択するなんて、花陽らしくないな、って思って」

花陽「あ、そうかもね…」

真姫「もしかして、誰かに誘われた、とか?」

花陽「うぅん!そんなことないよ!この学校には自分の意志で入ったの」

真姫「へぇ…意外ね」

花陽「私ね、昔から歌、っていうか、アイドルが好きで…」

花陽「だからUTX学院が家の近くに出来た時は、これだ!って思って…」

花陽「本当はお母さんも通ってた、音ノ木坂学院ってところに通う予定だったんだけど…花陽が小学生の頃に廃校になっちゃって」

花陽「UTXは学費も結構したけど、お父さんとお母さんに入学させてもらえるように頼み込んで、なんとか入学できた、ってかんじかな」

真姫「ふぅん…。そうだったのね。アイドルが好きだから、か…」

真姫(確かにアイドル好きなら、花陽がUTXに通うのも頷けるかもね)

花陽「…だから、今のこの状況は…あまりよくないの、かな」

真姫「…え?」

花陽「私、A-RISEに憧れて、私もこの学校に入ったらA-RISEの一員になろうって、そう頑張ってたんだけど…」

花陽「今は、もう…やめちゃったの。アイドル目指すの…」

真姫「えっ…、どうして?」

花陽「それは…」

『UTX高校へようこそー!!』



真姫「…っ!?な、なに…?」

花陽「あっ、A-RISEのPVが流れる頃なの。この時間」

真姫「アライズ…」

花陽「真姫ちゃんはA-RISE、知ってるかな?芸能科の3年生の人たちで結成されたスクールアイドルで…」

真姫「し、知ってるけど…。学内でも流れるのね、あれ。学校の前のモニターだけかと思ってた」

花陽「よかったら見に行こう!A-RISEの凄さがわかると思うの!」

真姫「う、うん…」



UTX学院 学内モニター前


ガヤガヤ…


真姫「うわ…、すごい人だかり…」

花陽「そっか、今日学内限定で新PVの発表があるんだっけ…」

真姫「それでこんなに…」

花陽「いち早くA-RISEのPVが見れるっていうのも、学院生だけの特権だからね!」

花陽「そのためにこの学校に入ったって人も少なくないかも?」

真姫「へ、へぇ…。そうなんだ」

花陽「あっ!始まったよ!静かにして」

真姫「う、うん…」


~♪


真姫「あ、これ…」

真姫(第二回ラブライブの時の予選に使った曲…)

真姫(確か曲名は…Shocking Partyだったっけ)

真姫(あのキレキレのダンスには圧倒されたわね…。一瞬心奪われそうになったわ)

真姫(でもこの時期にこれが流れるってことは…この世界では第二回ラブライブは行われていない…?)

真姫(…そっか、あれはμ'sがランキング外になったのをA-RISEが気にかけて開催されたいわば…)

真姫(μ'sのための大会だったわけだから、この世界では行われていない、ってわけね…)

真姫(でもPVのクオリティとしては全く遜色ない…。うぅん、むしろ出来が増してるかも)

真姫(それにしても、前見たときよりステージが少し広い…?)



「キャーッ!!来たーっ!!」



真姫「えっ…?何が…?」

真姫(突然の声援に辺りを見回す。人だかりの彼女たちは画面に夢中だった)

真姫(それに倣ってモニターに目を戻した時、私が見たもの)

真姫(それは、予想だにしていなかったもので)



真姫「ん、なぁっ…!!!?」

真姫(あ、A-RISEに…)

真姫(バックダンサーが付いてる…!?)



「きゃーっ!!きゃーっ!!」



真姫(…いや、ただバックダンサーが付いてるだけなら、こんなに驚きはしないわよ)

真姫(でも、でもでもでもっ…!!)

真姫(こんなの、こんな、ことって…!!)




「きゃーっ!!」


「穂乃果さまーっ!!」 「凛ちゃーんっ!!」 「にこにーっ!!」





真姫(モニターに映る、A-RISEのバックダンサーの3人)

真姫(それはまさしく、私の知っている顔で)

真姫(それは、紛れもなく)

真姫(高坂穂乃果と、星空凛と、矢澤にこ)

真姫(μ'sの3人が、A-RISEと共に、モニターの中で踊っている)

真姫(こんなの、冗談以外のなんだって言うのよ…)



花陽「…凛、ちゃん」


真姫「…」


花陽「…あっ!す、すごいでしょ?ね?A-RISE、カッコイイよね!」

花陽「それにね、あのバックダンサーの人たち!あの人たちは次期A-RISE候補の3人で…」

花陽「…真姫ちゃん?」



真姫(花陽の言葉はほとんど耳を通らず)

真姫(私はそのモニターを、呆けたように見入るしか、出来なかった)

テク、テク、テク…


花陽「あれが新PVかー…。すごいかっこよかったなぁ…」

花陽「ね?よかったよね?」

真姫「え、あ、あぁ…」


真姫(あの映像を見させられてから数分して、花陽と一緒に学校から出ようとしている途中にやっと意識が戻ってきた)

真姫(いろいろ気になることはあるけど、…一番気になったことを花陽に訪ねてみましょう)


真姫「花陽、質問いい?」

花陽「ん?なにかな、A-RISEのこと?」

真姫「えっと、そうじゃなくて…バックダンサーの方」

真姫「…あの、やざ…ツインテの先輩、って…、3年生じゃないの?次期A-RISE候補って言われてたけど…」

花陽「え?にこにー?…あ、にこにーっていうのは愛称で、本名は矢澤にこ先輩って言うんだけど…」

花陽「あの人は2年生だよ?」

真姫「えっ…、に、2年生…!?それ、確かなの!?」

花陽「うん、そのはずだよ…?」


真姫(どういうこと…!?この世界ではにこちゃんは生まれるのがみんなより1年遅かった、ってこと…?)

真姫(それともまさか、初期の希現象の逆が起きて2年に設定が変更されたとか!?)


花陽「…あっ、そういえば噂で聞いたことある」

花陽「矢澤先輩は一度UTXに入るために浪人したんだって噂。だから今2年生なのかな」

真姫「えっ、浪人…高校入るために…!?」

花陽「う、噂ってだけだよ?でも真姫ちゃんが矢澤先輩をそう勘違いしてるならもしかしたらその噂関係なのかなって」


真姫(…なるほど、高校浪人とは信じがたいけど…どうやらその噂、本当みたいね)

真姫(UTXに入るためににこちゃんは1年浪人して、だから今2年生…それなら計算が合うわね)


花陽「えっと、聞きたいことってそれだけ?」

真姫「…」

真姫「えぇ、それだけ」


真姫(凛のことも、とても気になったけど)

真姫(でもこれは、気軽に聞ける話じゃないってどこかで察して、そのまま質問タイムは終了となった)

UTX学院 改札前


真姫「あ」


花陽「ん?どうしたの?真姫ちゃん」

真姫「ご、ゴメン!やっぱり先帰ってて!やらなきゃいけないこと思い出した!」

花陽「?…いいけど。じゃあまた明日ね!」

真姫「うん、また明日!」


真姫(…って、明日も来れるかわかんないんだけど)

真姫(それより、今は電子生徒手帳のこと!)

真姫(再発行するの、忘れてた!)

真姫(希に帰るまでに、って言われてたのに…)

真姫(…でも再発行ってどこでするのかしら)

真姫「…」

真姫「…困ったらいつでも頼れって、言ってたしね」



生徒会室


ガララッ


希「はい。…あ、西木野さんやん!」


真姫「こ、こんにちは」

希「どしたん?あ、入り入り!お茶でもどう?」

真姫「ありがと…。それより聞きたいことがあって」

希「ん?なになに?」



オフィス


希「…で、これに記入ね」

真姫「っと、こう…ね。はい」

希「うん、これで申請は完了や!」


希「じゃあ…はいこれ!西木野さんの新しい電子生徒手帳!もう無くしたらあかんよ?」

真姫「え、こんなに早く再発行できるの…?数日かかるとかじゃ…」

希「そんなかかったら学校入れへんやん!生徒のデータさえ入力すればすぐにできるよ」

希「その代わり、どこかに行っちゃった前の生徒手帳のデータは自動的に削除されるんやけどね」

真姫「へ、へー…。そうなのね…」

真姫(この世界の私、なんかごめん。どうせ使ってないんだからいいでしょ)

真姫「ありがとう、忙しいのにこんなことまで付き合わせちゃって」

希「ん?うぅん、ええんよ。うちもそろそろ帰るつもりやったし!」

真姫「そう。じゃあ私これで…」

希「…待った!」

真姫「え…?な、なに…?」

希「にょにょにょにょにょ…はぁっ!」

真姫「わぁ…なによ」

希「真姫ちゃん、なんか悩んでるでしょ?」

真姫「そ、そりゃ人間生きてれば悩みの一つや二つあるって…」

真姫「なに?エセ占い師の真似?真似が二つかぶってるけど」

希「いやいや、うちスピリチュアルやからね。真姫ちゃんの考えてること、少しわかるんよ」

希「ついさっき…、心臓の飛び出るくらい驚くことがあったでしょ?」

真姫「えっ…!?」

希「おや、図星かな?」

真姫「な、なんでわかるのよ…」

希「んー、スピリチュアルやからかな」

真姫「真面目に答えて!」

希「じゃあ真面目に答えると…匂いやね」

真姫「はぁ?」

希「真姫ちゃんの匂いが変わってる。…汗の匂いかな」

希「緊張というか、驚いたときに発せられる汗の匂いが仄かに漂って…数分は経ってる感じ」

真姫「あ、アンタ何者よ…?」

希「ふふふ…、生徒会長はここまで出来て一人前なんよ?」

真姫(…そんな生徒会長この世界に一人しかいないっての)

希「で、もう一つ…。真姫ちゃん、帰るところなくて悩んでるんやない?」

真姫「それも、汗…?」

希「これはまぁ…表情でね」

真姫「…すごいわね。当たり。…ちょっと家に帰れない事情があって、どうしようかなって悩んでたのよ」

希「ふぅん…」

真姫「な、なによ…。まだ何かあるの?嘘じゃないわよ?」

希「嘘やなんて言ってないよ。…ふむふむ、家に帰れない、か」

希「だったら…」



希「今夜、うちに泊まらない?」

真姫「ハァ!?」

希の家


真姫「ほわぁ…」


希「ふふ、気にせんであがって?うち一人暮らしやから、どんなに騒いでもお隣さんからしか文句は来ないよ?」

真姫「え、あぁ…じゃあ遠慮なく…」


真姫(希のお家か…。一度行ったことはあったけど)

真姫(こっちの希の家もあまり変わらないわね…)

真姫(っと、今はそれより…)


真姫「…ねぇ、ところで」

真姫「どうして私を家に招待してくれる気になったの?」

真姫「生徒会長サマが家に帰らない不良生徒を匿っていいのかしら?」

希「せやねー。上級生に敬語を使わない悪い子をわざわざ家にあげる生徒会長もそうそうおらんよね」

真姫「…あ、ご、ごめんなさい。つい癖で…。気に障ってたのなら気をつけます…」

希「あはは。なんや意外と素直やん。別に気にしてへんよ?」

希「真姫ちゃんの接したいように接してくれたらええんやよ」

真姫「あ、そうなの。…というか、あなたもいつの間にか西木野さんから真姫ちゃんに…」

希「いいやんいいやん。同じ屋根の下で暮らす仲になったんやし、気にしないで」

希「で、なんやったっけ?あ、どうして家にあげるか、ってことやったっけ?」

希「別に、深い意味はないよ。家に帰れなくて困ってる子がいたから、助けてあげた」

希「それだけ、やん」

真姫「…そう」

希「あ、あと一人暮らししてると人の温もりが恋しくなってくるっていうのもあるね」

希「誰かをお泊りさせるのなんか久しぶりでめっちゃワクワクしてるわ~。うふふ」

真姫「そういうの、あんまりしないの?友達とかで…」

希「ん~、そこまで深い付き合いの友達はいないからねぇ。そういう機会には恵まれなくて」

真姫「好かれそうな性格してるのに…ホントにホント?」

希「…」

希「どう、やろうね。こう見えてもうち結構人見知りなんよ?」

真姫「あ、そう…」

真姫(この世界の絵里もちゃんとUTXに入学してるのに…)

真姫(希と絵里にも、何かのっぴきならない事情があるのかしらね…)

真姫(はぁ、ややこしいわね…。こんな世界に入り込むんじゃなかったと今更後悔してきたわ)

真姫「…」

真姫(後悔してても始まらない、か)

真姫(…希のおかげで腰の落ち着けるところも確保できたし、今は状況の整理をしましょう)



希の部屋


真姫(まずは、あのA-RISEのバックダンサー…)

真姫(私たちの世界では存在しなかったバックダンサーがいることもびっくりだけど、それ以上に…)

真姫(それがμ'sの3人…穂乃果、凛、にこちゃんのバカ3人組だなんて)

真姫(…でも、今になって考えてみてみれば、さして衝撃的でもないのかも…)

真姫(穂乃果やにこちゃんなら、アイドルになりたい…、A-RISEの一員に加わりたい、って思うのも、UTXに通っていればありうるでしょうし)

真姫(だけど問題は…、言ってしまえば、この世界の『異常』は…)

真姫(…親衛隊が作られるほどの花陽に、凛が関わっていないこと)

真姫(そして、今日の昼…食堂で海未とことりが昼食を食べていた時に、穂乃果の姿がなかったこと…)

真姫(この世界のμ'sのみんながUTXに入学したことで、それまで付き合いのあったもの同士に、亀裂が生じている…のかしら)

真姫(それに、あの花陽が…、アイドルに誰よりも憧れる花陽が)

真姫(アイドルになるために入ったUTXで、アイドルを諦めた、って言っていたのも気になる)

真姫(…はぁ。て言うか、なんで私がこの世界の人間関係に頭をひねらなくちゃならないのよ…)

真姫(どうせこの世界の私は休学中。明日にはいなくなっても誰も不審がらない)

真姫(あとは凛が私を探し出して迎えに来てくれるまで、どこかで身を潜めていればいいだけの話なのに)

真姫(気まぐれに行ってみたUTXでまさかこんなことになっているとはね…)


真姫「…厄介なことに首を突っ込んだものだわ」

真姫「やっぱり、バックレようかしら」

希「…ん?今なんて?」

真姫「わっ!の、希…!いたの?」

希「うん。ノックもしたけど返事なかったから、勝手に入ったよ?」

真姫「あぁ…そうだったの。ごめんなさい」

希「と、そうそう。ご飯できたよ。一緒に食べよ?」

真姫「…いいの?貴重な食費を私に割いて」

希「誰もタダでなんて言ってないやん?」

真姫「…いくらよ」

希「あはは!冗談冗談!お金はいらんよ!」

希「真姫ちゃんとの楽しい食卓を提供してもらえれば、うちにとってはそれが一番の報酬やよ」

食卓


希「いただきまーす」

真姫「…いただきます」


真姫「…もぐもぐ」

真姫(美味しい。UTXの食堂ほどではないけど、素朴に純朴な味…)

真姫(いわば、おふくろの味っていうのかしら。どこか懐かしくなるような味ね)

希「…どう?お口にあうかな?」

真姫「えぇ、とても美味しいわ。こんなものを頂いちゃって、少し申し訳ない気分よ」

希「うふふ。そう言ってくれると嬉しいわ」


真姫(それから十数分、会話も交えつつ晩ご飯を食べ続ける二人)

真姫(話題も尽きてきたので、気になったことを希に訪ねてみることにした)


真姫「もぐもぐ…、そういえば、A-RISEの事なんだけど…」

希「A-RISE?」

真姫「えぇ、その…私が入学した直後にはバックダンサーなんていなかったと思うんだけど、あれっていつから?」

希「あー、あれね…。あれはー…」

希「…真姫ちゃんは、A-RISEってどうやって構成されてるか知ってる?」

真姫「うぇ?い、いきなりね…。え、えっと…」

真姫(といっても…他校のアイドルのことなんてそんなに詳しくないから知らないし…)

真姫「…芸能科でアイドル志望の3年生の人が集まってできてる、って聞いているけど」

希「うん。そのとおり」

希「芸能科には専攻がいくつかあるけど…大きく分けると次の三つに分類されるんよね」

希「歌手専攻、モデル専攻、ダンサー専攻」

希「A-RISEは基本的にその三つの専攻の中のアイドルを志望する子のうち、トップの子を専攻ごとに選出して結成される」

希「ただその基点に達するまでの道のりも激しい…。ただでさえ忙しい学業をしつつ、アイドル志望の子達には7限目以降が追加されるんよ」

希「すなわち、アイドル専攻の授業が、ね」

希「それは志望すれば追加の学費も必要なく、誰でも受けられる授業だけど…それだけに厳しい」

希「やる気のないもの、サボろうとするもの、そういう子がいれば即刻二度と授業は受けられんくなる」

希「アイドルの見込みがない、と判断されたものもすぐに落とされる」

希「学業に支障がある、と思われても、それでおしまい」

希「すごい狭い門をくぐり抜けて、A-RISEは作られてるんよ」

真姫「なっ…」

真姫(…スクールアイドルを学校が全力でバックアップしてるとは聞いていたけど…)

真姫(専用の授業が存在して、しかもそんなに競争率が激しいなんて…)

真姫(でもそう考えると、あのバックダンサーの3人は、それを乗り越えたってこと…?)

真姫(普段からサボり癖のある凛が…?それにあの幼児体型のにこちゃんまで…)


希「そんで、こっからはバックダンサーの話やねんけど」

希「今まではA-RISEのメンバーは1年ごとに交代して行ってたんよ。専攻ごとのトップ、そのうちの3年生が基本的にA-RISEとして選ばれる」

希「せやけどそれじゃ、スクールアイドルとして表舞台で活躍できるのは1年の間だけ」

希「せっかくキツイ門をくぐり抜けた優秀な生徒なのに、それはもったいない。…って、提唱した子がいてね」

希「結果、A-RISE自体は増えなかったけど…その代わり、A-RISEとともに舞台で活躍するバックダンサーとして、メンバーは増えることになった」

真姫「それが、あの3人…」

希「そう。そしてその選出基準は2年次以下で専攻ごとの成績が最も優秀な子が選ばれる」

希「次代のA-RISE…、その最有力候補が、あの3人なんよ」

真姫「…っ!」



真姫(つまり、あの3人は厳しい授業を乗り越えただけじゃなく…)

真姫(その中でトップに位置する3人…!)

真姫(し、しかもそれじゃあ凛は…)



真姫「あの、ショートカットの子って…1年生なんでしょ?なのに…」

希「…うん。有名よね、星空凛ちゃん」

希「UTX始まって以来の…化物や、ってよく言われてる」

真姫「う、嘘…」

希「入学当初は身体が硬かったりダンスの基礎ができてなかったりと、むしろ成績は下の方やったらしいけど…」

希「一度基礎を覚えれば、成長は早かった。圧倒的な速度でダンスを学び、今じゃA-RISEに最も近いダンサーって言われてる」

希「だから特例として、凛ちゃんだけは来年、A-RISEに加入することが許されてる、ってわけやね」

真姫「…それは、ダンサー専攻の2年生は悔しいでしょうね。まぁ彼女、ダンスだけは誰にも負けないだろうし…」

希「…うぅん、ダンスだけやない」

真姫「え…?」

希「専攻ごとのトップって言っても、その専攻ごとのことしかしないわけじゃないから」

希「アイドルになるにあたっては、芸能科の全ての専攻の能力を兼ね備えている必要があるんよ」

希「歌手のような歌唱力。モデルのように自分を美しくみせる能力。ダンサーのように巧みに踊る能力」

希「そのための、アイドル専攻の授業ってわけ。むしろダンサー専攻の人たちは歌と自分を美しくみせる術を重点的に教えてるみたいやね」

希「だからバックダンサーの子たちは、その専攻だけじゃない。全ての能力を兼ね備えた、最強の3人やねんよ」

真姫「…」

真姫(もはや、声も出ない)

真姫(私の知っているあの3人が、それを乗り越えられるとは、到底思えなかった)

真姫(彼女たちは、そう思えるほど努力し、勝ち上がり…そして、あのバックダンサーという立ち位置を得ている)

真姫(…だからこそ、なのだろうか)

真姫(彼女らが、私の知らない3人になってしまっているからこそ)

真姫(普通じゃ生まれるはずのない亀裂が、生じてしまっている、ということ、なんだろうか…)

希の部屋


希「布団しかないけど、いいかな?」

真姫「いいわよ、別に。雑魚寝は慣れてるし」

希「ふぅん…?意外やね、真姫ちゃんお金持ちそうやからベッドでしか寝てないんかと思った」


真姫(胸のモヤモヤを抱えたまま、夜となった)

真姫(UTXの驚きのアイドル育成方針…。確かにこれなら、A-RISEは最強のスクールアイドル足り得るだろう)

真姫(想像以上に、そのふるいの目は小さく険しいものだったけれど)

真姫(…場所さえ違っていれば、スクールアイドルとして才能を開花していた子も弾かれた中にいたかも知れない)

真姫(小さな芽は食いつぶす…、それよりもっと大きな才能を芽生えさせるための糧として)

真姫(私がUTXの方法から得た感想は、そうした残酷なものだった)


希「それじゃ、電気消すね」

真姫「…うん」


パチッ


真姫「…」

真姫(真っ暗の中、考える)

真姫(…UTX学院は、私が足を踏み入れていい場所じゃなかったんじゃないかって)

真姫(あそこは戦場だ)

真姫(日々アイドルを目指す者たちが、互いの才能を踏み台に上へと駆け登る、凄まじいバトルフィールド)

真姫(蹴られた者は二度と立ち上がれず、散っていく…。まさに、死者のように)

真姫(UTX学院生、アイドル志望の少女たちは、そんなことを毎日毎日、繰り返して…アイドルを目指している)

真姫(たった3人しか掴めない、A-RISEという…生存の道を)

真姫(日常が、戦争…か)

真姫「…」

希「…真姫ちゃん、何か、考えてるでしょ」

真姫「…まだ起きてたんだ。よく、わかるのね」

希「うち、スピリチュアルやからね。…誰が何考えてるか、って結構わかるの」

希「だから、言うけどね」

希「…きっと、UTXにも、真姫ちゃんの居場所はあるよ」

希「むしろ、真姫ちゃんにしかできないことがあると思うんよ」

真姫「…私にしか、できないこと」

希「うん。…だから明日も、学校、行こうね」

希「引きこもりからは…おさらば、や…。…くぅ、…すぅ」

真姫「…」

真姫(生徒会長の責務から、引きこもりの私をこれからも学校に行かせるために説得する)

真姫(どうやらそれが…、希が私をここに呼んだ、本当の目的だったみたいね)

真姫「…はぁ」

真姫(正直、もう行きたくなかったけど…。あなたのせいで、明日も行かなきゃいけなくなっちゃったじゃない…)

真姫「…恨むわよ、希…」

翌朝


希「真ー姫ーちゃんっ」


真姫「…んん…、なによ、もう…」

希「真姫ちゃーん?朝やよー?」

真姫「うるっさいわねぇ…。今日は朝練はナシのはずでしょ…」

希「朝練?…よくわからへんけど、起きぃよ?」ユッサユッサ

真姫「んぁぁ…、鬱陶しい…!」

真姫「なんだっていうのよ!!」ガバッ

希「あ、起きた。おはよ、真姫ちゃん」

真姫「…へぁ?なんで希がここに…?」

希「なんで、って。ここうちの家やし」

真姫「え…?」

真姫「…あ」


真姫(そうだった。昨日は希の家にお泊りしちゃったんだっけ…)

真姫(スターゲイザーから落っこちて別の世界に来て…)

真姫(この世界の私のUTXの制服を盗んだはいいものの、帰る家もなかったからって…)

真姫(…てことは)


真姫「私…、学校行かなきゃいけないの…?」

希「うん。うちは真姫ちゃんが学校に来てくれるととっても嬉しいよ」

真姫「あー…」

真姫(希は私を、この世界の不登校だった私だと思っている)

真姫(だから学校へ行かせて引きこもりを解消させようと思っているのだけど)

真姫(…私が学校へ行きたくない理由はそうじゃないのよね)

真姫「…わかったわ。学校、行くから」

希「ホント?よかったよかった!その調子やよ?」

真姫「…うん」


真姫(私が学校へ行きたくない理由)

真姫(それはもちろん、私がUTX学院生じゃないから)

真姫(昨日お遊びで一日だけUTXの中を冒険する気が、生徒会長サマに捕まって再度学校へ行くことになるなんて)

真姫(…だけど、学院生じゃないって理由以外にも、行きたくない理由はある)

真姫(芸能科全体から感じられるピリピリした空気…。音ノ木坂にはなかったあの感覚…)

真姫(私は、アレが嫌だった)

真姫(着替えを済ませて出ていこうとすると、希がトーストを差し出してきた)

真姫(朝食、だそう)


希「ホントはもっとちゃんとした朝食を取らないと元気出ないんやけどねー」

希「どこかの誰かさんがずっとオネムやったせいで朝ごはん作る時間なかったしー」

真姫「わ、悪かったわよ…。最近夜ふかしに慣れてたから朝起きられなくて」


真姫(私の朝食も大体トースト1枚だからこれでも全然構わないんだけど)

真姫(だけど…やっぱり学校へ行くのは億劫だった)

真姫(本来なら、あの学校に私の居場所なんてない)

真姫(…希のいう、私にしかできないこと…。そんなもの、あるわけがない)

真姫(私はこの世界の真姫じゃないんだから)

真姫(今から希だけでも事情を話して本来の真姫の引きこもりを矯正してもらおうかしら…)

真姫(いや、ムリよね…。そんな話しても信じてもらえるとも思えないし…)

真姫(だから今は仕方なく、希の言うとおりUTXに向かうしか私に出来ることはなかった)


真姫「…まぁ、この世界でも友達はできたし」

真姫「花陽に会いにいくって目的だけでも、学校へいく価値はあるのかしら、ね…」

希「…ん?なんか言った?」

真姫「別に。独り言よ」

希「んー、そう?」

真姫「それより…、どうして今日はそんなに急いでるのよ」

真姫「まだ出ていくには余裕があるんじゃない?」


真姫(時計の針は7:30を指していて、さほど早すぎるわけでもないが、ここからUTXまで近い希にしてはそこそこに早い時間に出かけようとしている)

真姫(もう少しゆっくりして、朝食を作ってもいいと思うんだけど)


希「んー…、いっつもはそうやねんけどね。今日は…大事な朝礼があるから」

真姫「朝礼?そんなのあるのね。…大事な、ってどういうこと?なんの朝礼?」

希「うん、それはね…」



希「今日からうちが、生徒会長じゃなくなる朝礼やよ」

UTX学院 講堂


真姫(今日から生徒会長じゃなくなる朝礼)

真姫(つまり今日は、新生徒会長就任のための朝礼というところかしら)

真姫(希とは別れ、私は多くの名も知らぬクラスメイトと共に講堂の椅子に腰掛けていた)

真姫(…確かに、音ノ木坂でもちょうど今日くらい、新生徒会長の就任の挨拶があった、わね)

真姫(あの時はセリフもグダグダでひどい挨拶だったけど…)

真姫(UTXでは誰が生徒会長に就任するのかしら)

真姫(集団の中の孤独な私は、そんなことを一人ずっと考えていた)

真姫(花陽がいてくれたら話し相手もいたんでしょうけどね…。クラス違うから仕方ない)

真姫(ただ時間が過ぎるのを待っていると朝礼が始まった。全校生徒の挨拶やら校長先生の長い話やらが終わったあと…)

真姫(ついに新生徒会長がお目見えになるそうだ)



『…それでは、前生徒会長、東條希さん。新生徒会長について何か一言』


希「うん。えー、うち…私は、この学校の生徒会長として、時に厳しく、でもそれ以上に優しく、生徒のみんなを見守ってきたつもりです」

希「次の生徒会長にも、そういった包容の精神を持って励んで頂きたいですね」


『はい。ありがとうございました』

『それでは新生徒会長。壇上へ』



真姫(そして、舞台奥から登場する新、生徒会長)

真姫(毅然とした態度で舞台の上に立ち、真っ直ぐな背をそそり立たせ、冷たく張るような声で)

真姫(自分の名を、口にした)



「たった今ご紹介にあずかりました」

「新生徒会長の」


「高坂、穂乃果です」

真姫「…やっぱり、か」

真姫(この世界でも変わらず、穂乃果は生徒会長だった)

真姫(聞くところによると、穂乃果のお母さんが音ノ木坂の元生徒会長だったそう)

真姫(だから彼女も、生徒会長にふさわしい血筋?みたいなものを受け継いでいるのかな、って思った)

真姫(久しぶりに穂乃果の声を聞いたような気がして、とても懐かしい気持ちで彼女の挨拶を聞いていたんだけど)

真姫(…だけど、その穂乃果は)

真姫(私の知っている穂乃果とは、どこか違っていた)



穂乃果「私は、ルールこそが第一だと考えます」

穂乃果「規律規範を守ってこそ、質実剛健とした精神が鍛えられるのです」

穂乃果「故に、生徒の皆さんには、健全かつ堅実な学園生活を送る上で」

穂乃果「常にUTXのルールが自らの身体を縛っている、と考えていただきたい」

穂乃果「息苦しいかもしれません、逃げ出したくなるかもしれない」

穂乃果「しかし、それに耐えそれに従ってこそ、社会の規範の基礎が学生のうちに身に付くのです」

穂乃果「この学院から社会に羽ばたくものが、一人たりとも人生の落伍者であってはならない」

穂乃果「私はこのUTX学院に誇りを持っているから、だから学名に一抹の汚れをも残したくありません」

穂乃果「あなた方は誇り高きUTX学院生という勲章をその胸に掲げている」

穂乃果「そのことを毎時毎分毎秒意識し、自分は選ばれた強き人間であると自覚してください」

穂乃果「最後になりますが皆さん」

穂乃果「完全で完璧な学園生活が、あなた方の人生に彩りを齎さんことを」



真姫「え…」

真姫(…だ、誰?)

真姫(私の知ってる穂乃果は、あんな難しい言葉は使わなかった)

真姫(音ノ木坂での挨拶とは打って変わって、流れる水のような滑らかでキリッっとした挨拶)

真姫(そして…冷たい氷のような、感情を感じさせない喋り口調)

真姫(絵里よりも毅然に、海未よりも厳しいその態度は…)

真姫(あれは本当に、私の知っている高坂穂乃果、なのだろうか)

真姫(あの顔で、あの声で、何処からどう見ても、高坂穂乃果その人であることに、間違いはないのに)

真姫(彼女が喋り終え、朝礼が終わるその時が来ても、私はまだ信じられずにいたのだった)

廊下


真姫(どこか夢心地で…あまり良くない意味での夢心地で)

真姫(足元が覚束無いまま、教室へ戻っている途中)


真姫「…悪い夢でも、見ているようだわ」

真姫「いえ、実際夢のような世界なんだけど…でも、これって…」

真姫「…はぁ」

真姫「ん?あっ…」


真姫(またもや、知った顔に出くわした)

真姫(昨日の私なら、花陽に出会ったあとからの私だったら、そんなことはしなかっただろうけど)

真姫(先ほどの、別人のような穂乃果を見てしまって、どこか混乱に近い状態になっていた私は)

真姫(つい話しかけてしまった)

真姫(大親友であるところの…星空凛に)


真姫「り、凛っ…」


凛「…はいっ?」


真姫「え、あっ…えーっと…。あの、私同じ学年の西木野真姫って言うんだけど…」

凛「西木野、さん?…が、凛になんのようかな?」

真姫「あー…っと、そうね…」

凛「…もしかして、凛のファンかな?凛のダンスに惚れちゃったカンジ?」

真姫「あ…、え、えぇ!そうなのよ!すごいダンスだなぁ、って昨日のPV見て驚いちゃって!」

真姫「あなた一年生なのにA-RISEの後ろで踊れるなんてカッコイイわよね!私…」



凛「あー…、もういいよ。そんなの聞き飽きてるし」

凛「ていうか、ジャマなんだけど。どいてくれない?」



真姫「えっ…」

凛「あのさ、もしかして、凛にお近づきになりたいって子?」

凛「だとしたらゴメンね。凛は自分と同じレベルの子としか付き合わないの」

凛「君、アイドル志望の子じゃないでしょ?そんな意識低い子と話してたら凛がバカになっちゃうじゃん」

凛「だから凛に近づきたかったらせめてアイドル専攻の授業でトップクラスを取ってもらわないとさぁ」

凛「あ、でも君…、よく見るとすっごいかわいい顔してるね!これは点数高いかも?」

凛「凛のパシリくらいになら、お願いしてくれたらしてあげないこともないよー?アハハハハ!!」

真姫「…」



真姫(そう言い残し去っていく背中を)

真姫(知っているはずの、知らない誰かの背中を)

真姫(滅茶苦茶ムカつく事言われてるはずなのに、私は)

真姫(ただ呆然と見送ることしか出来なかった)

1年E組 

授業中


真姫「…」

真姫「…なにこれ、意味わかんない…」



真姫(教壇で話す教師の声なんて私の耳には全く届かず)

真姫(私は頭を抱えて机に突っ伏していた)

真姫(誰よ…、あいつら誰なのよ…?)

真姫(今まで会ったこの世界のμ'sのメンバー)

真姫(その中で穂乃果と凛…あの二人だけ…)

真姫(…明らかに性格が変わっていた)

真姫(穂乃果は冷たく厳しい性格に…凛は他人を見下し友人を選ぶようなクズに…)

真姫(海未も、ことりに窘められるような性格に多少は変化していたみたいだったけど、この二人とは性質が全く違う…)

真姫(穂乃果はこの1年半で…凛に至っては半年も経たずに…)

真姫(屈託ない明るい性格から、がらんと歪んでしまった)

真姫(一体何が…UTXでの生活で一体何が彼女たちをあそこまで変えてしまったのか…)


真姫「…どうして、どうして私が…」

真姫「なんでこんなことで悩まないといけないのよ…」


真姫(私はこの世界に無関係の人間なはずなのに)

真姫(希に、半ば強制的にこの世界の歯車に組み込まれてしまった)

真姫(誰とも接点を作らず、ただ遊びのつもりで入ったUTX学院で)

真姫(私はその学院生の一人となってしまったのだ)

真姫(その時点で私は、この世界の住人)

真姫(故に、私の世界との乖離を苦痛に感じてしまう)

真姫(あの穂乃果が、あの凛が)

真姫(私はあんな二人を…見たくなかった)

真姫(この世界で、ただただ私の凛の迎えが来るのを待っていたら、こんな気持ちにならなくて済んだのに)

真姫(私はなんで今、こんな気持ちになっているのだろう。なんでここにいるのだろう)

真姫(なんで、悩まなきゃいけないんだろう…)

真姫(わからない、わからない…)



教師「えー…じゃあここを…西木野」

真姫「…わかりません」

教師「即答…!?」



真姫(今の私には、何もわからなかった)

昼休み

食堂


真姫(ぼーっとして授業を受けていたら、いつの間にか昼休みになってた)

真姫(私は今お昼ご飯を食べるために食堂に立っているけど…)

真姫(昨日と同じ状況のはずなのに、なぜか昨日より、寂しさが増して感じた)

真姫(無性に、誰かと一緒にご飯が食べたかったけど)

真姫(そういえば私は、花陽が何組であるかすら、まだ聞いていなかった)

真姫「…一人で食べるしかない、か」



真姫「もぐ…」


真姫(美味しい…はず、なのに)

真姫(何を食べているのか、さっぱりわからなかった)

真姫(箸が異様に重く感じて、親子丼のご飯を掴むだけでも大変に重労働だった)


真姫「…はぁ」

真姫「この世界の問題であることはわかるのだけど」

真姫「あの穂乃果が…、あの凛が…ねぇ」


真姫(どちらも、私の人生に大きく影響を与えてくれた人物であるがゆえに)

真姫(たとえ別世界であれどもあんなに性格が捻じ曲がった彼女らを目の当たりにしたのは、相当にショックだった)

真姫(そしてそうなると…)


真姫「あの子達はどちらもA-RISEのバックダンサー…性格の歪みの原因がそこにあるのだとしたら」

真姫「…あのにこちゃんも…」


真姫(にこちゃんも…性格が変わっているのだろうか)

真姫(皮肉屋で猫かぶりでバカなにこちゃんが、一体どうなっているのかなんて想像もつかなかったけど)

真姫(想像したらそれだけで凹んじゃいそうだから、やめておいた)


真姫「…はぁ」


真姫(今日何度目かもわからないため息をついたところで)

真姫(私に声をかける人物が現れた)



「…ねぇ?ここの席、空いてるかな?座らせてもらっていい?」



真姫「…え?あぁ…空いてると思う…あぁっ!!」


「は、はいっ!?な、何?」


真姫「こ…」

真姫「…ことり」



ことり「え…?私のこと、知ってるの…?」

真姫「あ、え、えーっと…!」


真姫(いきなりことりから私に話しかけてくるものだからつい名前を口走ってしまった)

真姫(でも見知らぬはずの少女が自分の名前を知ってたら気持ちわるいわよねぇ…)

真姫(なんて弁明しようかしら)


真姫「あのー…、そ、そう!」

真姫「あなたいっつも青い髪の人とご飯食べてるじゃない?」

真姫「あなたたちがとっても綺麗だから、いつも気になってたのよ!そ、それで…」

真姫「その青い髪の人…?確か海未ちゃん?ってあなたが呼んでる人が、ことり、ってあなたを呼んでたからそれで…」


真姫(我ながら苦しい言い訳だと思うけど。かなりハッタリも入っているし)

真姫(けれど当のことりはさほど気にも留めず)


ことり「へー、そうなんだ…。変な子だね、あなた」


真姫(『変な子』と私にレッテルを押し付けて、そのまま私の前の席で鶏天丼を貪り始めた)


真姫「あ、あー…」

ことり「…もぐもぐ」


真姫(めっちゃ気まずい)


ことり「…ごくんっ。…あ、ごめんね?一人でご飯食べてたなら邪魔しちゃって」

ことり「この時間混んでて座るところなかったから。少しだけだから、我慢してくれる?」

真姫「あ、うぅん…。気にしてないから…」

真姫(…あっちから話しかけてきてくれた。これはチャンス!)

真姫「ところで…今日はあの…海未、って人は?いないの?」

ことり「もぐもぐ…ごくんっ。…ん?あなた、あー…えっと」

真姫「真姫よ。西木野真姫」

ことり「真姫ちゃんは、海未ちゃんの方が気になっちゃう子?」

真姫「あ、いや…、どっちが、じゃなくって…いっつも二人なのに今日は一人なのはなんでかな、って」


真姫(いつも二人かどうかは完全に私のハッタリだ。一回しか目撃してないんだし)

真姫(でもこのふたりなら…大概二人っきりな気がする。…穂乃果が、あんな調子だったし)


ことり「うん、今日は海未ちゃんが忙しくて…なんでも今日中に専攻の授業で使う脚本を仕上げる必要があるとか」

真姫「あ、そうだったのね…。だから今日は一人…」

真姫「…ん?」

真姫「き、脚本…!?」

真姫(専攻の授業で、使う脚本…?芸能科の授業に脚本を使う授業なんて、あるの…?)

真姫(いえ、それともまさか…私が思い込んでるだけで、海未は…)


ことり「あ、海未ちゃん、演劇学科の脚本家専攻なの」

真姫「…っ!?」

真姫「え…、脚本家っ…!?げ、芸能科じゃないの…?」

ことり「どうして?芸能科以外を選択している人なんていっぱいいるでしょ?」

真姫「え、えっと…それは」

ことり「私だってデザイン学科の服飾デザイン専攻だし…」

真姫「えっ…!あ、そ、そうなのね…」


真姫(それに関しては納得だった。ことりは元々そっちを目指していたわけだし…)

真姫(だけど海未が…演劇で脚本家、だなんて…)


ことり「海未ちゃん、そんなに芸能科っぽいかなぁ…?あ、でも…」

ことり「海未ちゃんの家ね、日舞の家元だから…、昔から踊りは大の得意らしいし」

真姫「あ、あぁ…そうだったのね。だからダンスやってる人っぽいって印象があって芸能科だと思い込んじゃったのかしら」

真姫(これも苦しい言い訳ね…)

ことり「ふぅん…そう見えるんだぁ…。私にはよくわかんないけど」

ことり「あ!でもね?海未ちゃんすごいんだよー。本当はねー…」

ことり「演劇学科の演劇舞踊ってマイナーな専攻だったんだけど、2年次で習うようなところは全部マスターしちゃってるっていうから…」

ことり「今同時にもう一つの専攻…脚本家の専攻の授業も受けてるんだよ?すごくない?」

真姫「そ、それは本当にすごいわね…」

真姫(演劇舞踊…確かに聞きなれないワードね…。幼い頃から日舞を学んできたらしい海未にとっては学校でのカリキュラムは既に通り過ぎちゃったところなのかしら)

ことり「…っと。あはは、ちょっと喋りすぎちゃったかなぁ?ごめんね?身の上話を延々と…」

真姫「あ、うぅん…。全然気にしてないから…。むしろ仲良くなれたら嬉しいな、って思って…」

真姫「私、友達少ないし…」

ことり「…そうなの?」

真姫「え、えぇ…」

ことり「じゃあ!今日から私たち、友達になろう?」

真姫「へ…?」

ことり「友達になりたい!って思ってそうな子がいたら、すぐに声をかけて誘ってあげる!って、私の友達が…」

ことり「あ…」

真姫「…え?」

ことり「…うぅん!なんでもない!真姫ちゃん、だったよね?携帯電話持ってる?メアド交換しよ!」

真姫「え、あぁ…」



真姫(携帯を取り出し、ことりとメールアドレスの交換をする)

真姫(二人目の友達がまさかのことりとはね…)

真姫(…でも、このことりのアグレッシブな感じ…。私の世界のことりとは少し違う…)

真姫(私の知っている穂乃果に近いような、そんな…)

真姫(だけどそんなに変わらない…むしろ彼女はいい方向に性格が変わっているかも)

真姫(それを知れただけで、さっきまで暗澹としていた気持ちが少し楽になれた)



真姫「…ありがとう、ことり」

ことり「ん?あ、どういたしまして!えへへ…よくわかんないけどー」

真姫「あっ…」

ことり「ん?」



真姫(彼女たちが、穂乃果と一緒にご飯を食べていない理由)

真姫(友達になったついでに、それも聞いておこうかしら)

真姫(もしかしたら…ただ穂乃果とは学科が違うから、芸能科のアイドル専攻が忙しいからってだけの理由で)

真姫(共に昼食をとっていないだけ、かもしれない)

真姫(今ここにいないだけで、彼女たちの関係が破綻したと考えるのは早計だ)

真姫(壇上ではあんな口調だったけど、もしかしたら素の穂乃果は…)



真姫「えっと、あなたたちと…」

ことり「…あっ!もうこんな時間!早くご飯食べないと次の授業に間に合わなくなっちゃうよぉ!」

真姫「えっ…」

ことり「次体育なの!着替えの時間が必要だから、早く教室戻らないと!…もぐもぐっ!!」

ことり「もぐもぐもぐっ…ごくんっ!ごちそうさま!」

ことり「あ、真姫ちゃんのトレイも一緒に片付けておくね!じゃ!」ドヒューンッ

真姫「あっ…」

真姫「…忙しい人ね」



真姫(そういうところもまとめて、穂乃果らしくなってる気がする)

真姫(だけど彼女に穂乃果のことを聞けなかったのは…)



真姫「…いえ、逆に良かったのかも」



真姫(もし穂乃果が完全に変わっていた、なんて今の私が聞いたら)

真姫(ちょっと元気になりかけてる私の心が、押しつぶされるかも)

真姫(それを知るのは、もう少し後でもいい)

真姫(今の私には、希望が必要だった)



真姫「私も、そろそろ食べ終えないとね」



真姫(重かった箸は、ちょっとは軽くなったように感じられた)

真姫(冷え切った親子丼も、まぁまぁ美味しかった)

6限目前休み時間 音楽室


真姫(今日も歌手専攻の授業があるみたいね…)

真姫(花陽と会える数少ないタイミングではあるから嬉しいんだけど…)



親衛隊ズ「「花陽様~!」」

花陽「ひゃぁぁ~…!」



真姫(相変わらず親衛隊が花陽を取り囲んで話ができない)

真姫(…まぁでも)



親衛隊J「花陽ちゃん!こ、今度一緒に秋葉原駅前に新しく出来たカフェ行かない!?」

親衛隊K「キャー!言っちゃった!ねーねー小泉さん?いいでしょ?」

花陽「え、えっとぉ…」

親衛隊L「私たち花陽様とカフェに行きたいの!あそこのケーキ、美味しいのよ!」

花陽「ホント…?あはっ、じゃあ…いいよ」

親衛隊ズ「「「やったぁ!!」」」



真姫(花陽が言ってたより、ずっといい子達じゃない)

真姫(友達がいないなんて嘘ばっかりね)

真姫(あー、でも彼女引っ込み思案だから…、そういう意味では私みたいな押さないタイプの友人は欲しかったのかもね)

真姫(なんであれ、花陽自身は変わってなくて良かったわ)


真姫「…」

真姫「…だけど」



(花陽「…凛、ちゃん」)



真姫(昨日モニターに向かって囁いたあの名前…)

真姫(そして凛の変わりよう…。花陽の『アイドルを目指すのをやめた』って発言…)

真姫(まだ私の知らない、UTXの黒い部分が残されてる…。心労は絶えてくれないようね)


真姫「って、私に何ができるって言うのよ…」


真姫(…そう。考えても私に花陽や凛のことなんてどうしようもないのに)

真姫(こんなに悩んで、私はどうしたいのかな…)

真姫(…やめやめっ!悩みはお肌に悪影響しかないのよ!)

真姫(今はただ目立たず、凛が迎えに来るまで平穏な日々を過ごせばいいだけの話)

真姫(ただ、それだけ)

6限目 音楽室

授業中



花陽「らー、らーらー、ららら~…」



真姫「…ふぅん」

真姫(この歌声を聴いていると…、親衛隊ができるのもあながちおふざけだけじゃないって思えるかも)

真姫(心安らぐ歌声…。なんだか眠ってしまいそうなほど…)

真姫「…うにゃぁ」コクッ… コクッ…


女生徒A「に、西木野さーん、船漕いでるー…!」ツンツンッ


真姫「…っは!あ、危ない危ない…」

女生徒A「寝てた?」

真姫「い、逝きそうになってたわ。ありがとう…」

女生徒A「どういたしまして。…音楽のセンセー居眠りにうるさいから、気をつけてね?」

真姫「以後気をつけるわ。ご忠告痛み入るわね」

女生徒A「でも、小泉さんの歌声聴いてると眠くなっちゃうってのはなんかわかるなー…。なんていうか…ゆりかごで揺られてる気分になるよね」

真姫「えぇ…、そうね」


真姫(あれほどの歌のセンスは私の世界の花陽も持ってなかった…。それだけUTXの教育は素晴らしいものなのかしら)


女生徒A「それだけに、惜しいよね…。絶対彼女ならA-RISE目指せると思うのに…」

真姫「え?惜しい…?」


真姫(そういえば前ももったいないって言われてたけど…)


女生徒A「あ、そっか。西木野さんは知らないんだっけ。小泉さんのあのこと」

真姫「あのこと…?」

女生徒A「…小泉さん、もうA-RISEになれない、ってこと」

真姫「えっ…」

女生徒A「アイドル専攻の授業から、逃げ出しちゃったんだって。だからもう二度とA-RISEになるための授業は受けられないの」

真姫「逃げ出した…?」


真姫(前、花陽はアイドルを目指すのはやめた、って言ってた)

真姫(でも逃げ出す、って…よっぽどのことがあったのかしら…)


女生徒A「あっ…あんまり話してると先生に目つけられるや。もう、寝ちゃダメだよ?」

真姫「う、うん。ありがとうね」


真姫(誰よりもアイドルが好きな花陽が、アイドルを目指すのをやめるきっかけになるほどのことって…)

真姫(アイドル専攻…どうやらここにUTXの闇がありそうね)

キーンコーンカーンコーン…


真姫「ふぅ…、今日も長い授業が終わったわね」

真姫「大きな声で全力で歌えないのはちょっとストレスだから…花陽誘ってカラオケでも行こうかしら」

真姫「まだ授業終わったばっかりだし、花陽もまだ音楽室に…あれ」

真姫「もういない…。先に教室に戻ったのかしら?」

真姫「仕方ないわ。放課後に誘ってみましょう」



廊下


真姫「ふんふんふ~ん…。カラオケねー…、久しぶりな気がするわ」

真姫「歌って言ったら基本屋上で歌ってたし」

真姫「こうやって個室で誰かと一緒に歌うのとか何週間ぶり…」



「…から…、…しは…!」

「…って!へい…ってば…」



真姫「…ん?声…?」

真姫「あっちの階段奥のほうね…。だけどこの声って…」

真姫「花陽…?」

階段奥


真姫(こんな早く音楽室出て、こんなところで誰と話し…)

真姫「…あ」



親衛隊A「…だからさー、きっと小泉さんならイケるって!」

親衛隊B「もったいないよー!その歌声なら、ゼッタイA-RISE目指せるよっ!」

親衛隊C「埋もれさせるには惜しい才能だと思いますわ」


花陽「あ、あぅ…」



真姫(あれは…、私の陰口叩きまくってた親衛隊の3人…)

真姫(A-RISE…、の話?でも、花陽はもうA-RISEを目指すためのアイドル専攻は受けられないはずじゃ…)



花陽「も、もう…いいから…。私、アイドルは…」

親衛隊A「一度逃げ出したのは知ってるけどさー…、小泉さんなら許されると思うんだよねー」

親衛隊C「私の友達の知り合いの子も、一回ドロップアウトしても謝ればまた授業受けさせてもらえたって聞きましたわ」

親衛隊B「だってさ、ね?小泉さんも許してもらおうよ。で、もっかいイチからA-RISEのために…」


真姫(あぁ…、花陽にアイドル専攻を受けさせようと説得してるってこと、なのかな)

真姫(だけどわざわざどうしてこんな人気のないところで、花陽囲んで…)



花陽「…も、もうっ…やめてっ!!」



真姫「…っ!?」

花陽「私ぃっ…!!もう、あそこには戻りたくないのっ…」

花陽「だから、ほっといてよ…。イヤ、なのに…ゼッタイに、嫌…」


真姫(な、涙目で震えてる…!?そんなにアイドル専攻の授業が嫌いなの…!?)

真姫(い、一体何があったっていうのよ…!?)



花陽「もう、何度も言ってるのに…、どうして分かってくれないの…!」



真姫「えっ…」

真姫(…何度も?)



親衛隊A「…」

親衛隊A「…アハ、でもさぁ…」

親衛隊B「うんうん、勿体無いって…クスクス…」

親衛隊C「絶対に戻るべき、ですわ…ウフフ」



真姫「…ッ!あ、あいつらっ…!!」



真姫(よく見てなかったけど、あいつらの顔…!)

真姫(笑ってる…!ただの笑顔じゃない…、弱者をいたぶるときの顔…!)

真姫(あの3人…、花陽がアイドル専攻の授業に戻りたくないってこと知ってて…)

真姫(それなのに、気弱な花陽に、善意のフリして戻るよう説得して…からかってる)

真姫(何が、親衛隊よ…!いじめのターゲットにするための隠れ蓑じゃない…!!)


真姫「このっ…!今すぐ止めないと…」

真姫「っ…」




真姫(…でも、ここで私が出ていけば)

真姫(今まで目立たなかったように歌も全力で歌わないよう猫かぶってたのに)

真姫(あんなやつらと敵対したら、一気に目立ってしまう)

真姫(平穏に暮らそうと計画してたのに、歯車が狂ってしまう)

真姫(どうしよう、ここで…見て見ぬふりすれば、私の静穏な日々はこれからも…)



真姫(なんて考えは)

真姫(全く浮かばず)

真姫(気づけば私は)

真姫(花陽の前に割り込み、腹からの大声で、叫んでいた)



真姫「私の友達にぃっ…何してんのよおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!」

花陽「ま、真姫…ちゃん?」



真姫(砂煙が舞うほどのスライディングを決めて)

真姫(世界新狙えるほどの加速で短距離走して)

真姫(スーパーモデルもびっくりなほど堂々とした、人差し指を前に突き出したポーズで)

真姫(私は、私の友達を守るために、平穏を捨てた)



真姫「あんたたちぃっ…!何、やってんの」


親衛隊A「なっ…、何よ、アンタ…」

親衛隊B「私たちは小泉さんのために…」

親衛隊C「そうですわ!親衛隊でもないあなたにとやかく言われる筋合いは…」


真姫「黙りなさいぃっ!!」


親衛隊ズ「」ビクッ


真姫「花陽のために…?彼女はこんなに震えて、目に涙も溜めてるのよ!?」

真姫「嫌だって言っている子を無理やり誘って、泣かせるのがアナタたちの親切のつもりなのかしら!?」

真姫「だとすれば…とんだ迷惑!いらないおせっかい!余計なお世話ってやつよ!!」


親衛隊B「なん、ですってぇ…!!」

親衛隊A「アンタねぇ…!言わせておけば言いたい放題…!!」

親衛隊C「ナマイキ、ですわ…!」


真姫「…花陽、行きましょう。こんなやつらに構う必要なんてない」

花陽「えっ…、あっ…、でも…」

真姫「こいつらはね、あなたの親衛隊って名目であなたをいじめてた、最低のクズどもよ」

真姫「こんなやつらと付き合ってたら、花陽が汚れちゃうわ」

花陽「真姫ちゃっ…」


親衛隊C「アナタ…!!」

親衛隊A「うちらを怒らせたらどうなるか…!」

親衛隊B「…チッ。行こ。シラケちゃったよ」




花陽「真姫ちゃん…」

真姫「…はぁ。あーあ…、何やってるのかしらね、私…」

真姫「ホント、バカみたい…。明日が休日で助かったわ…。来週からどんな目に遭うか知れたものじゃないけど」

花陽「…」

真姫「…でも、あなたが泣きそうだったんだもの。そんなの…、駆けつけるしかないじゃない」

真姫「友達、なんだから」

花陽「…っ!」

真姫「ホームルームが始まるわ。…放課後、音楽室の前で待ってて」

花陽「う、うん…」

放課後

音楽室前


花陽「…」


真姫「…花陽。待った?」


花陽「あ、真姫ちゃん…」

真姫「さ、入りましょう。こんなところで立ち話もアレだし」

花陽「え、でも、許可は…?」

真姫「いいのいいの。別にピアノ使うわけじゃないし。それに」

真姫「いけないことしてるっていう秘密の共有も、友達には必要なものなのよ」

花陽「そ、そうなのかなぁ…」



音楽室


真姫「よいしょっ…っと、やっぱり私はピアノの椅子が落ち着くわね」

花陽「あ、あの…」

真姫「ん?花陽も座っていいのよ?」

花陽「うんっ…、だけどその前に…!」

花陽「ありがとう、真姫ちゃんっ…!!」

花陽「私っ…、怖くて怖くて…、自分で逃げ出すこともできなくて…」

花陽「あの3人は…、時々ああやって無理やり私を呼び出して…」

花陽「才能が勿体無いとか…歌が上手だから認められるって言われて…アイドル専攻の授業を受けさせようと…」

花陽「でも私…もう行きたくなかった…、二度と、あそこには…。でも、言っても分かってくれなくて、ずっと言われてて…」

花陽「だけど、真姫ちゃんが前に出てきて、私を守ってくれたとき…すごく嬉しくて、びっくりして…でも、ホッとして…」

花陽「でもそのせいでもしかしたら真姫ちゃんにヘンなこと起こっちゃったらご、ゴメンナサイって言いたくて…えーっと…」

真姫「あーもうっ!言いたいことはわかるけど…まとまってなさすぎ!無理に喋ろうとしなくてもいいのよ」

花陽「あ…、うん…。でも、やっぱりもう一回、これだけは言わせて」

花陽「…ありがとう」

真姫「どういたしまして。当然のことをしたまでだとは思ってるけど」

花陽「ふふっ…。真姫ちゃんって、カッコイイね」

真姫「そう?…ふふ、まぁ、そうかもね」

花陽「うふふっ…」

真姫「えと、それでね。わざわざ花陽をこんなところまで連れ出したのは理由があって」

花陽「理由?なに?」

真姫「うん。聞きたいことが…あるの。あなたにとっては辛いことかもしれないんだけど」

花陽「辛いこと…?あ、でもっ…!真姫ちゃんのためなら私、なんでも答えるよ!」

真姫「ありがと。じゃあ、遠慮なく聞かせてもらうけど…」

真姫「…花陽、あなたはどうして…そこまでアイドル専攻の授業を拒むの?」

花陽「…!」

真姫「一度、逃げ出した、とも聞いたわ」

真姫「…もしかしたら、アイドル専攻の授業が、あなたがアイドルを目指すのをやめた理由なのかもしれないって思って」

花陽「うん…、そう、だよ」

真姫「…やっぱり、ね。そんなに…イヤなもの、なの…?アイドル専攻の授業…」

花陽「少なくとも…私にとっては…最悪だった」

花陽「あんなの…私の憧れるアイドルじゃ、ないよ…」

真姫「…じゃあ、聞かせて。アイドル専攻の授業って、どんなのなのか」

真姫「思い出したくもないのかもしれないけど」

花陽「…大丈夫。言うよ…。全部、包み隠さず…」



花陽「私はね、アイドルに…というか、A-RISEに憧れて、この学校に入ったの」

花陽「私もA-RISEみたく…うぅん、A-RISEになりたいって思って」

花陽「でね、A-RISEになるためにはアイドル専攻を通常の授業とは別に取らないといけないって言われて…」

花陽「取っても必ずA-RISEになれるわけじゃない、とか、普通の授業よりしんどいもの、っていうのはわかってた」

花陽「でも、私が想像してるより…その授業は過酷なものだった」

花陽「授業での成績がトップだと認められた人以外は、居残りで追加の練習」

花陽「2番や3番の人でも1時間は残らされるけど…、ダメな人は、夜になっても、身体がボロボロになるまで、喉がカラカラになるまで練習させられる」

花陽「途中で根を上げたり、休憩したりするだけで、即刻授業から追い出されて、もう受けられなくなるの」

花陽「トップだって喜んで、練習を怠っても…それ以下の人はそれ以上に努力してすぐに抜かされる…」

花陽「でね…トップが一度でも誰かに抜かされると、その日はその人以外のみんなが帰らされるまで、ずっとその人も練習させられるようになるの」

花陽「一度トップに上がれば…、もう二度と落ちることは許されない。落ちれば地獄が待っている…って」

花陽「だけどね…それだけなら、まだ私耐えられた…。アイドルになるため、って考えれば、こんなの全然平気って…そう、思って、努力したんだ」

花陽「でもね…、私以外のみんなは違った…。自分がトップになるためにした行動は自分を磨くことじゃなくて…、他人の邪魔をすることだった」

花陽「心の負担になるようなことしたり、されたり、言ったり、言われたり…。アイドル専攻の子たちはみんな、敵同士なの…」

花陽「いつも一緒に練習していた子がいたんだけどね…、その子、一度歌でトップになったら…」

花陽「それまで話してた他の子たちから無視されて、嫌がらせ受けて…次の日トップから落ちて、ずっと練習させられて…」

花陽「もうその次の日から、アイドルなんて嫌い、って…それまで大好きだったアイドルグッズ、全部、捨てちゃったんだって…」

花陽「…私、そんな風に、なりたくなかった…。大好きなアイドルを、嫌いになってしまうのが怖くて…」

花陽「だから…逃げ出したんだ」

真姫「…っ」


真姫(花陽から聞いた、UTXのアイドル専攻の授業は)

真姫(想像していた以上に壮絶で…、凄まじいものだった)

真姫(だけど、これなら…)

真姫(穂乃果も、凛も、このアイドル専攻を生き抜き、トップに君臨しているのだとしたら)

真姫(性格が一変するのも頷ける)

真姫(常に周囲から命…アイドル生命を狙われている状態で、頂点に立ち続けるなんて、並の精神じゃやっていけるわけがない)

真姫(完璧で有り続けるために、穂乃果は心を凍らし、凛は自分より上なんて存在しないと思うことで、心の平衡を保ってきていたのね)

真姫(…でも、そんなの)

真姫(そんな、在り方…って)



花陽「…私、私ね…」

花陽「アイドル、って…もっと、楽しいものだって思ってたの…」

花陽「きらびやかな衣装を着て、光り輝くステージの上で、みんなに笑顔を届ける、夢に溢れたお仕事だって…」

花陽「そんなアイドルは、きっと練習も、全部全部、夢に溢れてるんだって…そう、思ってた…」

花陽「でも、でもでも…でもね…」

花陽「この学校に…私の夢見たアイドルは…なかった」

花陽「練習に笑顔なんてなくて、いっつも誰かに狙われてるって…危機感と恐怖だけ…」

花陽「やっぱり…、これって、花陽が間違ってるのか、なぁ…?」

花陽「みんなに笑顔を届けるアイドルになるには…」

花陽「みんなを楽しませるアイドルになるには…」

花陽「自分が楽しんじゃ、ダメ、なのかなぁ…?」

花陽「私が夢見たアイドルは…」

花陽「どこにも、いない、のかなぁ…?」




真姫(そうやって、私を見つめつつ)

真姫(今にも壊れてしまいそうな笑顔で)

真姫(とめどなく涙を流し続ける花陽を目の前にして私は)

真姫(ただひたすらに、考えていた)

真姫(そして、ただひたすらに、頭の中で否定した)

真姫(そんなことはない!そんなはずはない!!)

真姫(私のっ…!)

真姫(私が知っている…最高のアイドルってやつは!)

真姫(みんなが楽しくて…みんなが笑顔になれる…!!)

真姫(あなたの夢見た通りの、何一つ間違っていないアイドルなんだ!!って)

真姫(…けれど、私にはそれを伝える術がない)

真姫(この溢れ出る気持ちを、目で見て、耳で聴き、肌で感じた情景を花陽に伝えることは)

真姫(今いかなる技術を使っても、伝えられそうになかった)

真姫(だとするならば私は)

真姫(私は今、何をするべきか)

真姫(私は今、何をしたいのか)

真姫(私のやりたいこと)

真姫(そんなのもう、決まりきっている)



真姫「…ねぇ、花陽」


花陽「ぐずっ…、ん?な、なにかな…真姫ちゃん。まだ聞きたいこと…」


真姫「スクールアイドルって…、A-RISEだけじゃないって知ってるよね?」

花陽「ん?うん、そうだね…。東京にもいくつかあるし…有名なところだと福岡のDreamっていう…」

真姫「そのスクールアイドルたちはね」

真姫「A-RISEよりずっとずっと、恵まれない環境でやっているの」

真姫「全部自分たちで作って、自分たちの考えた練習をしているらしいのよ」

花陽「うん、それで…?」

真姫「つまりね」

真姫「スクールアイドルなんてものは、学校からのバックアップなんて必要ないってこと」

真姫「1から、自分たちだけでなせるものなのよ」

花陽「…真姫、ちゃん…。もしか、して…」

真姫「花陽」



(希「むしろ、真姫ちゃんにしかできないことがあると思うんよ」)



真姫(あなたの言うとおりだった、希)

真姫(これは私にしかできないこと)

真姫(この世界の人間じゃない私にしか、成し得ないことよ)



真姫「なければ、作ればいいのよ」

真姫「貴女の夢見た、貴女のスクールアイドル」

真姫「私は、それをやってのけた人を知ってる」

真姫「だからっ…」



真姫(私は…!)



真姫「新しいスクールアイドルを、このUTXで作りましょう」

真姫「A-RISEを…、いえ、UTXの闇…その元凶を倒し、この学院に笑顔を取り戻すために」







もしライブ! 第一話

おわり

真姫「てなわけでもしライブ!第一話の再放送をお届けしたわ」

凛「ところどころ誤字修正だったり入ってるけど気にしない」

真姫「BD版の作画修正みたいなものよ!例えば第一部だったところを第一話に変えたりだとかね」

凛「あと名前欄のところ、常にもしライブ!って入ってたけどあれはね」

凛「違う話で否応なしに二分されちゃうから、後からまとめて同じ話だけ読みたい人のために検索しやすくするために付けようと思ってたものだよ」

真姫「ただ最初の数レス忘れちゃってたから今後1から読み直す人は要注意ね」

真姫「うろライブ!の方にも付ける予定だから、もし忘れて進行してたら教えていただけると助かるわ」

凛「さてと…、予定ではこれの終わりからうろ覚えラブライブ!通称うろライブ!をやってく予定だったんだよね」

真姫「最初もしライブ!を2話分やろうと思ってたけど思いのほか長くて疲れちゃったから一旦ここで切るわ」

凛「で、うろライブは?」

真姫「…疲れたから明日ね」

凛「おいおい」

真姫「もう少し早い時間からやっておけばまだ余裕あったんだけど、流石にこの時間は人も少ないでしょうし終わる頃には日も明けちゃいそうだからね…」

真姫「今後の予定としては明日、というか今日の夕刻から夜にかけてのいつかにうろライブ!2期第一話をお送りして…」

真姫「明後日のすこし早い時間にもしライブ!2話再放送を流した後、うろライブ!2期第二話をやる予定よ」

凛「ただしうろライブ!は2分割になる可能性もあるのでこの予定通りにはならないかもね」

真姫「結局は予定は未定なの。その場の気分でポイポイ変えて行くから信用しないように」

凛「んじゃ、今日はここいらでお開きかにゃ?」

真姫「そうね。今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に開幕するのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!」」




真姫「…というのが終わりの挨拶ね」

凛「これを言ったらそれ以降の更新は一旦ないものと思ってくれて構わないにゃ」

真姫「ちなみに『次に~』はその時々で変更されるわ。今は全く思いつかないからテキトーにね」

凛「それじゃ、これがホントにお別れにゃ。ばいばーい」

にこにーのやつはむしろ初作品にして最高傑作と思ってるくらいだよ うまいことまとめられたから
今は引き伸ばししかできねぇ それはそれとしてうろライブ!2期ついにやっていくます
よければ初見の方でもテキトーお付き合いください

真姫「よし、じゃあ今日は予定通りうろ覚えラブライブ!2期をやっていくわよ」

凛「その前にうろ覚えラブライブ!ってなにさ、って思ってる人に説明を!」

真姫「うろ覚えラブライブ!縮めてうろライブ!とは、上記の西木野☆星空クリニックのスレからはじまり音ノ木坂情報局ON AIR!!をも侵食して完結した安価SSよ」

真姫「昨日も説明したとおりクリニックはお薬を飲ませて反応を見るってコーナーだったんだけど、その際人死にが出るなどして取り返しがつかないことが起こったとき…」

真姫「この私の西木野イリュージョンというなんでもなかったことにできる必殺技ですべてを無に返してきたの」

凛「うろライブ!はそれを応用して、まだμ'sが結成していなかった春先、つまりアニメラブライブ!1期第一話に戻って…」

凛「こっそりとμ'sのみんなに物覚えが悪くなるお薬を服用させ、そのまま13話までやったらどうなっちゃうか、っていうのを凛たちで観察しようってお話だったんだよね?」

真姫「えぇ。しかもただ物覚えが悪くなるだけじゃなくって、1話ごとに指定の3人がそれまで覚えてたことすらすっかり忘れてしまうというオマケつき!」

凛「もはやうろ覚えなんてレベルじゃないよね、若年性健忘症だよね」

真姫「それじゃあ略称がじゃけライブでなんかダサいじゃない。うろライブの方がなんとなくカワイイわよ。どことなくバッドエンド臭も漂うし」

凛「ブッチー展開はお断りにゃ。…で、SS内でその都度みんなのセリフを安価するから、素っ頓狂な安価だとさらにみんなの頭がおかしくみえちゃうよ!」

真姫「何でもないような安価が今後の設定に深く関わったり、逆にほとんど触れられずスルーされる場合もあるけどそこは展開上仕方ないからそういうものだと思ってね」

凛「そして今回はついに第2期!穂乃果ちゃんが生徒会長に就任するところから始まるにゃ!」

真姫「設定はほとんどアニメラブライブ!と変わらないわ。それと、うろライブ!1期であったような忘却の設定もほとんど受け継がないことにするわね」

真姫「ただしひとつだけ…。うろライブ!内で使用していたμ'sに変わるユニット名だけは引き継がせてもらうわ」

凛「そ、それって…『アネックス1号』、だよね…?完全別モノから引っ張ってきた名前なんですが…」

真姫「いいのよ。ある意味で個性だわ」

凛「真姫ちゃんがいいならそれでいいけど…」

真姫「そういうことだから、みんな理解した?」

凛「ちなみに既にストーリーは完結してて凛たちはその録画した映像を見ているって体だよ」

真姫「今回は画面内に干渉することなく終わりたいわね」

凛「…まだ何も決まってないからね。どうなりますことやら…」

真姫「じゃ、うろ覚えラブライブ!2期!」

凛「はじまりはじまりにゃー!」

国立音ノ木坂学院


講堂




理事長「…音ノ木坂学院は、入学希望者が予想を上回る結果となったため来年度も生徒を募集することになりました」

理事長「3年生は残りの学園生活を、悔いのないよう過ごし、実りのある毎日を送っていってもらえたらと思います」

理事長「そして1年生、2年生は、これから入学してくる後輩たちのお手本となるよう、気持ちを新たに前進していってください」


フミコ『理事長、ありがとうございました』

ヒデコ『続きまして、生徒会長挨拶。…生徒会長、よろしくお願いします』


絵里「…」

絵里「…」スクッ



どよっ…



にこ「え、絵里…」

希「えりち…」



絵里「…」パチパチパチパチ…


にこ「絵里!なにやってんのよ!いきなり立ち上がってそんなんやってたら恥ずかしいじゃない!」

希「なんなん?目立ちたいん?そんなに自分だけ目立ちたいん?」


絵里「…黙ってて」パチパチパチパチ…




希「…っは!そうや、えりちは前生徒会長やん…」

にこ「え!?そ、そうだったの…?知らなかったわ…」




パチパチパチパチ…



「…」スタスタ…




海未「…」ゴクリッ

ことり「…」ゴクリッ




「…」スタスタ…

「…」ピシッ




穂乃果「みなさん、こんにちわ!」


キャー!! ワー!!


穂乃果「この度、新生徒会長となりました!!」

穂乃果「スクールアイドルでお馴染み…」

穂乃果「わたくしっ…!」マイクガシィッ


穂乃果「ハァッ!!」ビュンッ!!



ヒュゥゥゥゥッ!!



絵里「えっ」


スコォォンンッ!!


絵里「ぶべらぁぁっ!!!?」


希「えりちぃっ!!?」

にこ「マイクが顔面にジャストヒットしたわ!なんて制球力!」

希「そして跳ね返ったマイクは…」



穂乃果「よっ」パシィッ

穂乃果「こ、…」

穂乃果「…あー」

穂乃果「なんだったっけ」


海未「高坂!!」

ことり「穂乃果ちゃんです!!!」

~♪


穂乃果「なんと私が~生徒会長に~…」

穂乃果「ふふふんふふふんふっふっふ~ん…」

穂乃果「たらららら~るるるるる~らんらんらららんら~ら~…」


ヒ・フ・ミ「「「これまではー!!」」」


穂乃果「あっ、大変でー!大統領になりかけたー、あぁ~!!」


ヒ・フ・ミ「「「なりかけてないっ!!」」」



海未「えっと…、みんなと出会い~!」

ことり「アネックス1号と出会い~…語呂悪いね」


穂乃果「私たちはココアで酔ってきた~…!」



μ's「であ「あいにむ「かいき「うも」もうたう」うよ」たうよ~!!」


ヒデコ「バラバラすぎでしょ…」




穂乃果「少しずつ世界がまわあぁぁぁぁぁぁぁぁりぃぃぃいいいだぁぁぁすぅぅぅぅぅぅぅ」

穂乃果「うぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!!!」



穂乃果「はぁぁいっ!!」





穂乃果「…オッケーだった?」

海未「完全にNGです」

ことり「これでリテイク53回目だよ…」

生徒会室


穂乃果「だぁぁぁぁぁぁぁ疲れたぁぁぁぁぁぁもぉぉぉぉぉぉん」


ことり「穂乃果ちゃん、お疲れ様♪」

海未「結局あれから数十回取り直してやっと165回目で成功でしたからね…」



第一話「もう一度?うろライブ!」



穂乃果「ミュージカル風の撮影ってライブとは全然違うんだねぇ…」

穂乃果「…ライブってなんの話だっけ?」

ことり「あれでしょ?股に入れる…」

海未「おそらくそれは違うものです。…それより!」

海未「肝心の生徒会長挨拶ですよ!せっかく昨日…何かしてた記憶があるのに!」

穂乃果「3人で挨拶文考えたんだよねー…なのに…」




~回想~



穂乃果「えー、皆さんこんにちは…」

海未「ほら、アレですよアレ。最初はまず…」

ことり「その前に自己紹介だよぉ!」

穂乃果「んーっと…、あ!クッキーって美味しいですよね!昨日この挨拶決めるときに食べてて…」



~回想終わり~




ことり「…結局好きなクッキーの味を話して終わっちゃったね」

海未「これが総理大臣就任の挨拶だったら日本中が暴徒と化しますよ…」

穂乃果「せっかく練習したのに…したよね?」

ことり「聞かれても…」

海未「とにかく!今日はコレを全て処理して帰ってください!」ドサッ

穂乃果「げぇっ…!こ、これは何…。なにを処理しろと言うの!?」

海未「決まっています!>>70です!」

未視聴のAV

海未「決まっています!未視聴のAVです!」

穂乃果「え、えーぶい…!つまり…!!」

ことり「遊戯王ARC-Vのことだね!」

海未「そうです!一番の見所である黒咲隼vs紫雲院素良の決着を見ていないのは許せま…」

海未「…ではなくて!ほ、穂乃果に目覚めてもらうためのレズモノの大人のDVDです!」

ことり「そういうのイケナイと思うなぁ…」

穂乃果「そうだよ!」

ことり「…やっぱり穂乃果ちゃんにはカラダで分からせてあげないと」

穂乃果「そうだ…え?」

海未「それいいですねそうしましょう」ガバッ

穂乃果「ちょぉっ!!?!ヘルプ!ヘルプミィィィッ!!!」


ガチャッ

絵里「ほ、穂乃果の助けを求める声ッ!?」

希「え、えりち…数カットほど出番が早い…」


ことり「…っち、邪魔者が入ったか…」

海未「あ、あら前生徒会長こと絢瀬絵里さんではないですかぁアハハなんでしょうもうここはあなたのいるべきところでは」

穂乃果「絵里ちゃん助けて!海未ちゃんが穂乃果のこといじめる!」


絵里「あ、あなたたち…。生徒会室はまぐわうところではないのよ?」

希「お盛んなのもほどほどにね?」

海未「わ、わかってますとも…。今穂乃果に生徒会長のなんたるかを問うていたところで…」

海未「そう!この生徒なんとか書に目を通して!あとはこの書類やらあっちのアレやらの…」

海未「頑張ってください」

絵里「…説明は最後までやりなさいよ」

ことり「それで、絵里ちゃんは何しに来たの?」

絵里「特に用事はないけど、どうしてるかなぁって。自分が推薦した手前もあるし、心配で」

絵里「…その心配が結構的中してるけどね…」

希「明日からまた、むっちりダンスレッスンもあるしね」

希「カードによれば、…え、何このカード…怖…」

絵里「自分のでしょそれ…」

希「…まぁそんなわけやから、二人共ちゃんとフォローしたげてね?」

ことり「気にかけてくれてありがと。…いいところだったのに」

絵里「何か今黒いところが…。じゃ、困ったことがあったらいつでも言ってね。なんでも手伝うから」

穂乃果「ん?今なんでもって…」

絵里「ごめん今のナシ」

屋上


にこ「…」


花陽「…っ!」

凛「…っ!」


にこ「いい…?特訓の成果を見せてあげるわ…!」クルッ


にこ「…すぅっ」


にこ「っんにっこにっこにー!!あなたのハートににこにこにー!!」

にこ「笑顔届ける矢澤にこにこー!」

にこ「あっ、>>75>>75>>75ー!にこにーは、みんなの>>76!!」

すばら

バディファイト界にさく1輪の花

にこ「あっ、すばらすばらすばらー!にこにーは、みんなのバディファイト界に咲く一輪の花!」


真姫「…キモイ」

にこ「ちょぉっと!!なによキモイって!キモチワルイならまだわかるけど!いやわかんないけど!」

にこ「昨日一生懸命考えたんだからー!色んなアニメ見て!麻雀モノとかカードゲームモノとか!!」

真姫「カワイイ」

にこ「えっ今なんて」

凛「ていうか4人でこんなことして意味があるの?」

にこ「あんたたちなんにもわかってないわねぇ…」

にこ「これからはにこたち一年生が頑張らなきゃいけないのよ!?」

花陽「…にこちゃんは三年生だったと思うんだけど」

真姫「えっ、そうなの?」

凛「えっ」



サンキャクカシャカシャッ


にこ「いい?私はあんたたちだけじゃどう頑張ればいいかわからないだろうと思って手助けに来たの!」

にこ「同級生として!」

花陽「だからにこちゃん三年生だって!」

真姫「…そのビデオは?」

にこ「何言ってるの!ネットにアップするために決まってるでしょ!」

にこ「今やスクールアイドルもグローバル!ワールドワイドにアピールしていくジェネレーションなのよ!」

にこ「インザライブノットオンリー、エブリデイレッスンプロモーションネクストアピール!イェア!」

花陽「…何語?」

凛「多分英語だと思うよ…。喋ってる意味はわかんないけど」

真姫「そこまで深く考えていたのね…。さすがだわ」

凛「マジかよ」

にこ「ぐふふ…、こうやって1年生を甲斐甲斐しく見ているところをアピールすれば、それを見た…セリフ忘れた」

にこ「まあいいや適当に何か言ってたらそれっぽく聞こえるでしょ。すきやきすきやきたまごやき甘いほうがおいしい」

凛「全部聞こえてるにゃぁ…」

にこ「げっ…、に、にこっ!」


ヴィィィィ… ヴィィィ…


真姫「なんのバイブ音?」

花陽「えっ…ば、バレた…?」

凛「かよちんの携帯鳴ってるよ」

花陽「あ、そっちか…。うん、なになに…?」ポチポチ

真姫「…何と勘違いしたのかしら」

花陽「…えっ!!?ちょっ、え、えぇっ…!!?えぇぇぇぇぇっ!!!!?」

凛「高架下?」

真姫「どうかした、ね」

花陽「嘘…!…>>79

お尻のほうのがおちたなんて

花陽「嘘…!…お尻のほうのが落ちたなんて…」

花陽「最近使いすぎで緩くなってたからだ…。どこに落としたのかな…?」

凛「どしたのかよちん?」

花陽「あっ!も、もしかしてあの時…!?」

花陽「部室で例のアレについて調べてたときに座り心地が悪いからって一度外しちゃったあの時!?」

ダダッ!!


真姫「えっ…、あ、ちょっ…」

にこ「どこ行くのよー!?」



部室


花陽「はぁっ!はぁっ!!どこっ!どこにあるのー!!結構値段したのに!」

花陽「アレが他の誰かに見つかっちゃったらた、大変なことにぃぃぃっっ!!」


にこ「…突然どうしちゃったの?」

真姫「あの子時折キャラ変わるわよね。大下さん」

凛「あれは小泉さんです」


花陽「夢っ!?夢なら夢って夢なき夢はユメノトビラ!?!?ひゃわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

真姫「一体なにを探してるのよぉっ?」

花陽「え、えっと…ちょっとくぼみのある棒状の…」

凛「あ、もしかしてこれ?今日の昼ごろにかよちんが落とした…」ヌルリッ

花陽「それだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!り、凛ちゃんそれ…何かわかる…?」

凛「濃厚なかよちんの匂いがしたから時々くんくんしてただけで特になんにもしてないよ」

花陽「ちょ、ちょっと恥ずかしいけどセーフ!よ、よかったぁぁぁ~…」

にこ「ところで、さっき来たメールなんだったのよ。忘れ物とは関係ないんでしょ?」

花陽「あ、そうでした!立った時の衝撃で全く文面見てなくて…」

花陽「えぇっ!!?」

真姫「なぁっ…!」

にこ「これっ…」

凛「んにゃ?んー…よくわかんないけど驚こう!ほわぁっ!」

ダダダダッ



生徒会室


にこ「穂乃果っ!」ガチャッ


ヒデコ「あ、矢澤先輩」

にこ「穂乃果は!?」

ヒデコ「>>83の方が捗るからそっちで仕事するって…」

東京タワー

ヒデコ「東京タワーの方が捗るからそっちで仕事するって…」

にこ「東京タワーね!わかった!」ヒュンッ

ヒデコ「あっ…。多分いつもの戯言だと思うんだけど…」

花陽「え、えっと…なんて読むの?ちょ、ちょくる…?」

凛「かよちん、あれははかどるって読むんだよ。むしろ進捗の捗の読み方の方がわかる人少ないと思うよ」

真姫「なんで日常会話で相手の話してる言葉の漢字がわからなくなるのよ…」

ヒデコ「あ!あなたたち!矢澤先輩は行っちゃったけど…多分穂乃果は教室にいると思う」

真姫「あ、ありがとう…ございます。さ、行くわよ二人共!」

ドヒューン


ヒデコ「…本当に大丈夫なの?うちのスクールアイドル…」



2年の教室


凛「穂乃果ちゃんいますー?」


フミコ「あ、凛ちゃん」

凛「穂乃果ちゃんいる?」

フミコ「どうしても身体動かしたいって屋上…」

ドヒューン


フミコ「はやっ…」



屋上


真姫「穂乃果!?」

ミカ「あ、真姫ちゃん」

真姫「穂乃果見なかった!?」

ミカ「お腹がすいたから何か食べっ…」

ドヒューン


ミカ「てくるって…もういないし」



白アルパカ「もしゃもしゃ…」


真姫「ど、どうしてここに来るのよ?!」

花陽「ほ、穂乃果ちゃん見なかった!?」

白アルパカ「知らんなぁ」


ヴィィィ…

花陽「はっ!またバイブ…!?じゃなかった、携帯が…」ポチポチ

花陽「えっ…えぇぇぇぇっ!!!?!」

凛「今度はなに!?」

花陽「…穂乃果ちゃん、ホントに東京タワーにいた、って…にこちゃんからメール…」

真姫「早い、わね…」

中庭


穂乃果「いやー、東京タワー新名物のスペシャルランチパックが食べたくってどうしてもー」

穂乃果「今日もパンがうまいっ!」


にこ「はぁっ、はぁっ…。お、屋上で運動した足でそのまま東京タワーにいった、だとか…」

にこ「どんだけ体力バカなのよ…ハァハァ…」

凛「探したんだよー?…どうして探してたのかは知らないけど」

穂乃果「ほぇ?」


ウデガシィッ


にこ「穂乃果っ…!もう一度、あるわよ…!」

花陽「もうひとたび…!」

真姫「もう一度…!」


穂乃果「もう一度…?」



部室


海未「もう一度!?」

ことり「もう一度…?」

希「もう一度っ!?」

絵里「>>87!?」

酪農

希「もう一度っ!?」

絵里「酪農!?」

花陽「そう!今回は牛さんのお乳ではなくて音ノ木坂で飼育しているアルパカさんのお乳を使ったアルパカ乳でトローリチーズを…」

花陽「ってちがーうっ!!」

絵里「なんだ、違うのね。ラなんとかって聞こえたからてっきり酪農かと」

海未「どうしてそこで酪農が出てくるのですか…」

絵里「だって実家が酪農家だし」

ことり「そうだったの!?」

絵里「ごめん適当」

花陽「それよりっ!!酪農はどうでもよくて、ラブライブですよラブライブっ!!」

花陽「A-RISEの勝利に終わったラブライブ!それの第二回大会が行なわれることが早くも決定したのです!」

花陽「今回は前回を上回る大会規模で会場の広さも数倍、ネット配信の他LVも計画されてます!」

絵里「すごいわね」

花陽「すごいってもんじゃないわボケェ」

絵里「えっ」

花陽「そしてここからがとっても重要…」

絵里「今私二つ下から罵倒されなかった?」

希「気のせい気のせい」

花陽「大会規模が大きい今度のラブライブはランキング形式ではなく予選が行われ各地で以下略!」

真姫「重要なのに略すのね…」

海未「つまり1期でなんの説明もなかったあの謎ランキングはすっぱり撤廃ということですね」

花陽「そのとおり!」

花陽「これはまさにアイドルしたかつうえ!」

凛「下克上って言いたいみたいです」

花陽「ランキング下位のものでもネットのパフォーマンス次第で本戦に出場できるんです!」

にこ「それって私たちでも>>91があるってことよね!?」

世界征服の可能性

にこ「それって私たちでも世界征服の可能性があるってことよね!?」

花陽「そうなんです!ラブライブの名目でネットに洗脳電波ソングを流せば…!」

凛「世のオタクどもはみんな凛たちに傅くってこと!?すごいにゃー!」

海未「下僕を増やす又とないチャンスですね!」

絵里「え…?自然に話が進んでるけどこれっていいの…?」

真姫「やらない手はないわね!」

にこ「そう来なくっちゃ!ちゅぱちゅぱ」

真姫「や、やだぁっ…こんなところで…///そういうのは二人きりの時だけって…」

絵里「反論は聞いてもらえそうにないから激流に身を任せ同化しましょう」

ことり「よぉし!じゃあラブライブ出場目指して…」

絵里「でも、待って…!」

ことり「ほぇ?」

絵里「…」

絵里「ラブライブって何…?」



数分後…


海未「なるほど、ラブライブってそういうものだったんですね…」

凛「今納得したにゃー」

真姫「私たちアイドルとかやってたんだ…」

にこ「というかにこって3年生だったのね…」

ことり「そこからかぁ…」

絵里「そう!思い出した!ち、地区予選ってことは私たち…」

絵里「あら…アラなんとかとぶつかるってことじゃない…!?」

花陽「あ、アラ…」

花陽「粗炊き…!終わりました…!」

にこ「だめだぁ…!」

ことり「アラウンドビューモニターに勝たなきゃいけないなんて!」

希「それはいくらなんでも…」

真姫「ムリヨ…」

花陽「うぅっ…」

海未「もう面倒なのでツッコミ入れませんからね」

凛「もういっそのこと全員で>>93しよう!」

色仕掛け

凛「いっそのこと全員で大会委員の人たちに色仕掛けしよう!」

希「それをやってR-18な展開になっていった薄い本をうちは今まで何冊も見てきた…」

海未「読んでるんですかそんなの…」

凛「大丈夫!海未ちゃんみたいなタイラーな胸でもそれなりの需要はあるから!」

海未「どの体がそんなことほざけるんですかこのまな板が」

凛「違うよ!海未ちゃんの体は無責任なほどのエロスを醸し出してるという意味で…」

海未「実に分かりづらいです。確かにA-RI…粗挽きウインナーとぶつかるのは苦しいですが」

真姫「わざわざ言い直さなくても…」

海未「だからと言って諦めるのは早いと思います!…やってみたかったので」

絵里「千早の言うとおりだわ」

海未「海未です」

絵里「海未の言うとおりね。やる前から諦めていたら何も始められない」

真姫「それはそうね」

にこ「変な仮面をつけたやつに拉致されてキチガイじみた殺され方をする…」

真姫「それはSAWね」

凛「凛あのバニラアイス大好きー!」

真姫「それは爽ね」

希「13世紀ごろからアジア圏で活動した海賊…」

真姫「それ倭寇ね」

絵里「あなたたち物覚えは悪い割にそういうことは詳しいのね…。っと」

絵里「エントリーするのは自由なんだし、出場してみてもいいんじゃないかしら」

海未「そう…、そう…。何かないでしょうか…」

絵里「おい聞け。海未も何か掛けようとしない」

海未「き、聞いてましたよ…。今年の忘年会の出し物の話でしょう?」

絵里「無視しましょう。花陽、いいわよね?」

花陽「はい!そうですよね!大変だけどやってみよう!」

絵里「じゃあ決まりね。ん…?」



穂乃果「ずずず…ぷはー…」



絵里「穂乃果…?」


穂乃果「>>96


「えっ…」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


ことり「穂乃果ちゃん…!?」

海未「今、なんと…!」

ダメよ~ダメダメ

真姫「途中だけど今日はここまでにしましょう」

凛「やっぱり予定通りに行きそうもないね…」

真姫「1期1話の時はそこそこスキップもしてたから一晩で終わらせられたけどやはりフルでやるとなるとかかるわね」

真姫「ボケも増える分文章量も増えるし」

凛「そこだよ!物覚えが悪くなるようなお薬飲んだだけじゃ説明つかないようなボケが多すぎだよね…」

真姫「物覚えが悪くなることをボケるって言うでしょ。何もおかしくないわ」

凛「…まぁ、こういうスタンスでこれからもやっていくにゃ…。よろしくオナシャス」

真姫「そういえば最初に言ってなかったけれど毎回一話分終了時点で忘却安価というのを行うわ」

凛「覚えていたこともすっかり忘れちゃう悪魔の安価だにゃ…。これをやって廃人になってしまった凛もいたね…」

真姫「物語の最後ならそれでもいいのだけど序盤であまりぶっ飛んだのが来られると困るからそこらへんは個人の良心でお願いするわ」

凛「ちなみに忘れる3人はその場の気分やランダムで決まったりするよ」

真姫「次回はうろライブ!1話の続きからね」

凛「じゃあ今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「次に上映されるのはあなたの街の映画館かもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!」」

寝てて遅れた 再開します

穂乃果「ダメよ~ダメダメ」


「えっ…」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


ことり「穂乃果ちゃん…!?」

海未「今、なんと…!」


穂乃果「ダメよ~ダメダメ」


絵里「穂乃果…、それ…!」

絵里「…とっても面白いギャグね!」

希「独特な発音がなんかこう…ツボに入るね!」

凛「いつの間にそんなギャグを!?ズルいにゃ~!」

花陽「もう一回お願いします!」


穂乃果「ダメよ~ダメダメ」


ことり「あははははは!!穂乃果ちゃん変な声~!」

海未「確かにこれは…、クスクス…、こ、今年の忘年会の出し物は決まったようなものですね!」

真姫「な、なんか穂乃果だけズルいわ!私たちも練習しましょう!」

にこ「だ、ダメよ~ダメダメ!こう?」

希「お、にこっちうまいんちゃう?」


一同「あはははははは!!」



穂乃果「意図が伝わってないようだから真面目に言うけどラブライブには出場しなくていいと思います」

一同「えっ」



ラブライブ!(アイキャッチ)

にこ「ほぉぉのぉぉぁかあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

穂乃果「はわわわわ!」


ズルズル ガタガタ ズサァッ


海未「穂乃果!自分の顔が見えますか!?」

穂乃果「いたた…じ、自分の顔なんて鏡でも使わないと見れるわけ…はっ!!み、見えてる?!これは一体…」

ことり「鏡だよ」

海未「では鏡の中の自分はなんと言っていますか!?」

穂乃果「>>106

穂乃果が一番可愛い

穂乃果「穂乃果が一番可愛いって言ってる」

海未「な、なんですって…!」

海未「その通りです!穂乃果は正気のようですね!!」

真姫「こらこら…」

絵里「確かに穂乃果は一番可愛らしいと思うけど…、穂乃果さっき…」

希「ラブライブ出ないって…」

にこ「ありえないんだけど!」

穂乃果「それがありえるかも」

にこ「うちの妹がぴょんぴょんしてるのは関係ないでしょ!」

花陽「なんの話…?」

にこ「ラブライブよラブライブ!あんた真っ先に出ようって言いそうなもんじゃない!」

穂乃果「らぶらいぶ…?」

ことり「また説明から始めなきゃいけないのかなぁ…」

穂乃果「あ、あぁラブライブでしょ!?知ってる知ってる…」

絵里「すこし怪しいけど…」

穂乃果「ほ、ホントだって!大会のやつだよね…?」

にこ「そうよ!普通出たいって思うでしょ!?」

海未「何故出なくていいと思うんです?」

穂乃果「私は…、歌って踊って、みんなが幸せならそれで…」

にこ「穂乃果っ!!まさか穂乃果がそんなこと言うなんて…!」

ことり「ラブライブがネットで全国配信されれば最高に目立てるんだよ!?」

凛「そんな自己満足だけで済ませるなんて穂乃果ちゃんらしくないよ!!」

花陽「普段なら出場できなくても大会ぶっ壊すつもりで全裸で乱入しそうなものなのに…」

真姫「あなたたち穂乃果をなんだと思ってるのよ…」

穂乃果「あはははは…、うぅ…」


グゥゥゥゥ~…


穂乃果「…ん?あ、そうだ!」

一同「ん?」

穂乃果「明日からまた>>108になるし、今日は>>110していかない?」

廃校

旅行

焼肉

穂乃果「明日からまた廃校になるし、今日は焼肉していかない?」

絵里「はぁ?何を言って…」

希「焼肉!?ねぇ穂乃果ちゃん今焼肉って言った!?焼肉って言った!?」

希「よっしゃいこか!うちちょうど焼肉が食べたい思っててん!」

穂乃果「そう?よかった!」

にこ「穂乃果、明日から廃校になるって…」

花陽「まさか私たちの活動が全てパァに!?」

穂乃果「いいからいいから!今は何も考えずに肉を貪ろうよ!」

ことり「ほ、穂乃果ちゃん…」

海未「…またいつもの妄言でしょうか。困ったものですね…」



焼肉店


ジュゥゥ~…


希「ハラミ焼けてるよ!あ、網焦げてきたから交換してもらって!」


花陽「んふ~…、焼肉のタレだけでご飯2杯はいけるよぉ~…もぐもぐ…」

絵里「ねぇ、このブヨブヨしてるのって何…?」

凛「えー!絵里ちゃんホルモン知らないの~!?」

絵里「こ、こういうところあまり来なくて…」

穂乃果「食べてみればわかるよ!」

絵里「う、うん…。もぐもぐ…、っ!は、ハラショー!!」

穂乃果「まだまだ!ミノにアカセン、ハチノスやハツにセンマイも召し上がれ!」ヒョイヒョイッ

絵里「わ、わわぁぁぁもがぁぁぁっ…!!い、息が…」

凛「もぐもぐっ…!幸せだにゃー!」

にこ「ねぇ…、こんなところで遊んでていいわけ?」

花陽「あひははらはんふれっふんやるんらひ、はまにはひぃんやない?」

凛「かよちんご飯食べてからしゃべらないと行儀悪いにゃー」

真姫「リーダーがそうしたいって言ってるんだから、しょうがなってコラァッ!!それ私が育ててたカルビ!!」

凛「えー、いいじゃん真姫ちゃんにはこっちのあげる」

真姫「コゲてんじゃないのよぉっ!!!」

にこ「…フン」

希「…」

穂乃果「うん?どうしたの、希ちゃん?」

希「ん?…なんでも」

穂乃果「はい、希ちゃん。肩ロース」

希「うん、ありがと」

穂乃果「…」

穂乃果「…あっ、あれ…」

穂乃果(A-RISEのポスター…、こんなところにまであるんだ…)

穂乃果(…ラブライブ、か)


穂乃果「…」



その夜…


絵里『穂乃果もいろいろ考えて…ゲフッ、出なくていいって言ったんじゃないかしら』

亜里沙「お姉ちゃん、息臭い…」

絵里「ごめんなさい。…亜里沙、ホルモンっていうのは魔性の食べ物よ。今度焼肉行ったときはお姉ちゃんに全部回しなさい」

亜里沙「は?」


海未『…いろいろ?あの穂乃果が?』


ことり『いつも通り何も考えてないだけじゃない?』


絵里『幼馴染なのにひどくない?あなたたち…』


にこ『でも、いつもの穂乃果なら何も考えずに出場する、って言いそうなものだけど…らしくないわね』

真姫「にこちゃんも、ねぇっ…。んっ…、もう、こんな時に、電話、だなんてぇっ…」

にこ「んふっ…、真姫ちゃん…。その程度じゃにこは…、んきゅぅっ…!!」


海未『二人で何やってるんですか』


花陽『でも、このままじゃ本当にラブライブに出ないってことも…』


凛『それは寂しいなぁ…』


希『にこっちはどうしたいん?』


にこ『…私は』

にこ『もちろん>>113!』

野球がしたいわ

にこ『…私は』

にこ『もちろん野球がしたいわ!』


絵里『そうよね…っえぇぇぇぇぇぇぇっ!!!?』

亜里沙「お姉ちゃん夜中に大声はダメだよ」


にこ『野球をしよう。チーム名はトラブルバスターズよ!』

真姫「もう何言ってるかくちゃくちゃわからないわね」


海未『人数はちょうど9人ですが…』


ことり『でもそんないきなり野球って言われてもルール知らないし…』


海未『確かに…』


希『野球する前提で話進んじゃってるけど、にこっち。もう一回聞くよ?』

希『何がしたいん?』


にこ『え?そうね…バンドチームを結成』


希『今のアネックス1号はみんなで練習して歌を披露する場もある』

希『穂乃果ちゃんはそれで十分ってことやろうか…』


にこ『あれ、にこの話は?ねぇバンドチームを結成しましょう!チーム名はトラブルバスターズ…』




穂乃果の部屋


穂乃果「…」ボー


ガタッ


雪穂「お姉ちゃん!」

穂乃果「…ゆ」

雪穂「雪穂だって!」

穂乃果「そう雪穂!マイシスター!どうしたの?」

雪穂「ふふ、見たよー。またラブライブやるんだって?」

穂乃果「…ラブ、ライブ」

雪穂「あっ…、ラブライブっていうのはー…」

穂乃果「あ、いや、わかってるよ。…うん、あるんだよね」

雪穂「もちろんエントリーするんでしょ?」

穂乃果「…」

雪穂「…えっ」

雪穂(もしかしてお姉ちゃん…>>116!?)

ドタキャン

雪穂(もしかしてお姉ちゃん…エントリーをドタキャンして良くない方向に会場を盛り上げようとしている…!?)

雪穂(確かにそれだと一時はメチャクチャ盛り上がるかもしれないけどアネックス1号の名は地に落ちるよ…!!)

雪穂(そんな無謀なことしようとしてるんだったら私が止めないと…)

雪穂「お姉ちゃん!炎上マーケティングは身を滅ぼすよ!」

穂乃果「えんじょ…なんの話?」

雪穂「え、違うの…?目立ちたがりなお姉ちゃんだからてっきり…」

穂乃果「…あー、実はね、ラブライブ…出場しないでおこうかなって」

雪穂「ふーん、そっかー…って、出ないのぉっ!!?」

穂乃果「えへ、ごめん…」

雪穂「ちょっ…、お姉ちゃんらしくないよ…。誰よりも目立ちたいがモットーなんでしょ?」

雪穂「亜里沙もすっごい楽しみにしてたよー?お姉ちゃんの破天荒なパフォーマンス」

穂乃果「…そんなのしてたっけ」

雪穂「してるしてる。…それにさ。今度のラブライブの開催日、知ってる?」

穂乃果「…忘れた」

雪穂「でしょうね。聞いてたとしても忘れてるよね。…来年の3月」

雪穂「うまくいけば私と亜里沙は音の木坂の新入生」

雪穂「…でも、私たちが入学するってことは」

穂乃果「あっ…」

雪穂「もう、わかるでしょ?」

穂乃果「…つまり」

穂乃果「>>118ってことだね…」

死へのカウントダウン

穂乃果「つまり…死へのカウントダウンってことだね…」

雪穂「違うよ!それじゃ私たちが入学するのが死ぬほど嫌みたいじゃん!」

穂乃果「穂乃果の余命が3月までってつもりで言ったんだけど…」

雪穂「えっ…そ、そうなの…?」

穂乃果「…多分違うと思う」

雪穂「…。もうお姉ちゃんに付き合うの疲れてきたよ…」

雪穂「そうじゃなくて…。卒業、しちゃうでしょ。3年生の人たち」

穂乃果「…うん、そうだよね」

雪穂「そう、だよ」



翌日

音の木坂学院 ロッカー前


絵里「…」ロッカーガチャッ

絵里「ロッカーに特攻…これがホントのトッコーロッカ…ブフッ、なんつって…」

希「…」

絵里「おわぁっ!!の、希…。いたのね。気付かなかったわ。どしたの?」

希「…」

絵里「希…?なによ暗い顔して…。そんなに私のギャグがつまらなかった?ほら、行きましょ」スタスタ…

希「本当に、出なくていいと思う?」

絵里「…何の話?」

希「とぼける振りは、やめて」

絵里「…」



廊下


穂乃果「よいしょっ、よいしょっ…。書類運びとか委員長の仕事じゃないよぉ…」

穂乃果「ん?」



「へー、またラブライブあるんだね!」「うん!アネックス1号応援しなくちゃ!」



穂乃果「…あ」

穂乃果「…」


カツカツ

にこ「穂乃果っ!!」


穂乃果「っ!!」ビクッ

穂乃果「どうしたの?」


にこ「…勝負よ!」

にこ「>>121で!」

太鼓の達人

放課後 ゲーセン


にこ「いい!?これから二人で同じ曲を叩いて得点の高い方が勝ちよ!」

穂乃果「なんで太鼓の達人…?」



ことり「穂乃果ちゃんをやる気にさせたいみたいだけど…」

海未「やり方を著しく間違えているとしか思えません…」



穂乃果「また今度にしようよ。今日から…アレだよアレ」

にこ「ダンスレッスンよ!…じゃなくって!!ラブライブよ!」

にこ「私は出たいの!だからここで勝負よ!」

にこ「私が勝ったらラブライブに出る!穂乃果が勝ったら出ない!」

にこ「むぅっ…!!」

穂乃果「…っ、わかった。ダンレボだね」

にこ「太鼓の達人って言ってるでしょうが!」


にこ「いい?難易度はむずかしいで…行くわよ!」

穂乃果「えっ…、こんな曲やったことないよ」

にこ「知らないわよ!さぁやるわよ!」ドンッ


「さぁ、始まるドン~!」


にこ(…今日のためにおこづかい全部はたいて血豆が出来るほど練習した超マイナー曲…!)

にこ「これなら勝てるっ…!」ドンドンカッカッ

穂乃果「に、にこちゃんやりこんでるでしょっ!ずるいよっ!!」ドンドンカッカッ

にこ「フンッ!悔しかったら追いついてみなさい!カカドンドンッ

穂乃果「…っ!ふっ!」カカドンドンッ

にこ「えっ、ちょっ…!穂乃果上手い…!?」

穂乃果「っ!やぁぁっ!!」ドドドンッ



(今度のラブライブの開催日、知ってる?)

(私たちが入学するってことは)

(もう、わかるでしょ?)



にこ「…あれ、ここの譜面ってこんなのだっけ?」カッドカッ…

にこ「え、あっ…違っ…!あぁずれた!こうじゃなくてぇっ…」

にこ「痛っ…!ち、血豆が破れたぁっ…!」

カランッ…


穂乃果「あ、にこちゃんっ!」

にこ「指、痛ぁ…」

穂乃果「にこちゃん、だいじょうぶ…?」

にこ「へ…>>123…」

平気な訳無いじゃない!

にこ「へ…平気なわけないじゃない!」

穂乃果「え、意外と重症…?」

にこ「にこの貴重な100円がぁっ!まだ1曲できたのに!」

穂乃果「あぁ、そっち…」

穂乃果「先に自分だけ練習するからバチが当たったんだよ。太鼓だけに」

にこ「…うるさいわね。ちょっと面白いじゃない…」

にこ「いいのよ、ズルでもなんでも!ラブライブに出られれば…」

穂乃果「にこちゃん…」


ザー…


穂乃果「あ、外雨降ってる…。だから何って話なんですけど屋内だし」



神田明神


絵里「…そうよ、3月になったら…」

海未「なぜわざわざ雨の当たりそうな場所に移動したのですか…」

絵里「そのほうが雰囲気出るからよ。…続き。3月になったら私たち二人は卒業…」

にこ「私忘れられてるわよね」

絵里「三人は卒業…。こうしてみんなと一緒にいられるのは後…後…」

希「半年ね。それに、スクールアイドルでいられるのは在学中だけ」

穂乃果「そんな…」

絵里「大学行ったらカレッジアイドルになっちゃうからね」

希「冗談挟むのやめよね」

絵里「はい。…べ、別にすぐ卒業しちゃうわけじゃないわ。でも、ラブライブに出られるのは今回がラストチャンス」

希「これを逃したら、もう…」

絵里「ホントは、ずっと続けたいと思う。実際卒業してからもプロを目指して続ける人もいる」

絵里「れも、この九人れラブライブにれられるのは今回しかにゃいのよ」

希「久しぶりの長ゼリフでえりちの舌の回転がにぶちんになってる…」

穂乃果「…やっぱり、みんな」

花陽「わたしたちもそう」

凛「あのバニラアイス…」

真姫「今はそういうのナシ」

花陽「たとえ予選で落ちちゃったとしても、9人で頑張ったそくせきを残したい!」

凛「にゃ?そくせき…?カップラーメンのこと?」

真姫「足跡ね。…あ、私たち二人もやってみるべきだと思ってるわ」


穂乃果「みんな…」

穂乃果「ことりちゃんは?」

ことり「私は、穂乃果ちゃんの>>126なら!」

お嫁さんになれる

ことり「私は、穂乃果ちゃんのお嫁さんになれるなら!どこへでも!」

穂乃果「えっ、お、お嫁さん…」

ことり「いっぱい尽くしちゃうよ?穂乃果ちゃんのために」

穂乃果「そ、それはちょっと…」

海未「では私は穂乃果の旦那様になれるのでしたら」

穂乃果「海未ちゃんまで!?私の身が持たないよ!」

海未「…ふふ。それくらい、穂乃果のアシストをしていきます、と言っているのですよ」

穂乃果「えっ…」

海未「お嫁さんのように穂乃果のやりたいことを存分にやらせてあげたい」

海未「旦那様のように穂乃果が疲れたならば支えてあげたい」

海未「ですよね?」

ことり「えっ…。あー…、う、うんっ!」

海未「どうやら違ったようです」

海未「…が、みんなに迷惑をかけてしまうのではと思っている穂乃果の心配も、私たちがいれば無用です」

穂乃果「えっ…」

海未「そうなんでしょう?ラブライブに夢中になって、周りが見えなくなって…」

海未「生徒会長として、学校のみんなに迷惑をかけるようなことがあってはいけない、と」

穂乃果「…っふ。全部、バレバレだね」

穂乃果「私こんなだから、忘れごとばかりで迷惑かけて…それなのに生徒会長も任されちゃって」

穂乃果「こんな穂乃果に務まるのかなって不安で押しつぶされそうだった。始めた頃はすぐに忘れられたはずの不安」

穂乃果「でも、…やっぱり私ダメみたい!だってすごく目立ちたいって体ウズウズしちゃうんだもん!」

穂乃果「だからできるだけ、前よりしっかりしようって努力はしてるけど…それでも迷惑かけることは多いと思う」

穂乃果「だけどやっぱりやっぱり!!本当はものすごく出たい!目立ちたいよっ!!」

一同「…」



穂乃果「…?みんな、どうしたの…?」

海未「穂乃果、忘れたのですか?」

穂乃果「え…?」



「だってー可能性感じたんだーそうだーススメー…」



穂乃果「何その歌…?」

ことり「ホントに忘れてるよ…」

海未「想定内ですっ!!さぁ、一緒に歌いますよ!私たちに続いて!!」



「後悔したくない目の前に~…」



穂乃果「…あ!」

穂乃果「僕らの道があるー!!」



「やろう!」「やろう!!」



穂乃果「野郎!?何穂乃果ケンカ売られてる!?穂乃果は女の子だよ野郎じゃないよ!」

海未「いちいちめんどくさいボケをかまさないでください」

穂乃果「何はともあれ…よーしっ!!ラブライブ、出ようっ!!」

穂乃果「うー!!」ダダダダッ!!


海未「ほ、穂乃果っ!?」

ことり「雨に濡れちゃうよー?」


穂乃果「…!」

穂乃果「…っすぅ」

穂乃果「はぁぁぁぁぁぁ…っ!!!」


穂乃果「>>130(命令形)ーーーーー!!」

脱げえええええええええええええ

穂乃果「脱げええええええええええええええええええええええええええええ!!!!」


「脱げええええええええええええええええええええええええ…」

「脱げええええええええええええええええ…」

「脱げええええええええええ…」



一同「…」ポカーン…


ビュオォォォォォォォウッ!!!


絵里「な、何っ…!?急に風が強くっ…」

花陽「ひゃァァァっ!!!?」


バサァァァッ!!


海未「せ、制服がぁっ…!」

凛「制服とスカートが風に飛ばされちゃったにゃぁぁっ!!!?」

にこ「嘘…!?」



穂乃果「…あはっ!本当に脱げた!」

穂乃果「人間その気になればなんだってできるよ!!」

穂乃果「ラブライブに出るだけじゃもったいない!」

穂乃果「この9人で出られる最高の結果…!」ユビビシッ

穂乃果「…優勝を目指そう!!」


海未「優勝!?…と、ところで穂乃果」

凛「そこまで行っちゃうのぉっ!?…穂乃果ちゃんも」

にこ「大きく出たわね!?…穂乃果のそれも」

希「穂乃果ちゃんだけブラとパンツもすっとばされてるよ」


穂乃果「ラブライブの、あの大きな会場で精一杯歌って!」

穂乃果「私たち、一番になろう!」


真姫「HONOKA!(服着て)」

ことり「穂乃果ちゃん!(そのままだと捕まる)」

絵里「穂乃果!(目の保養だわ)」


穂乃果「よぉぉぉぉしっ!!」

穂乃果「いっくよーーーーーーっ!!!!!」ダダダダッ!!



海未「…結局全裸で走り去ってしまいましたね」

ことり「出場する前に補導されて停学にならなければいいけど…」




うろライブ! 第一話

おわり

真姫「…激動と波乱の予感の第一話だったわね」

凛「全裸オチって」

真姫「いいのよ!JKの全裸はイノセンス!人類の宝だから!」

凛「真姫ちゃんが許しても法は赦さないと思うにゃぁ」

真姫「さてと…まず一つ言っておくわ」

真姫「…うろライブ!1期の設定は受け継がないって言ったけどやっぱり受け継いでるわ」

凛「どっちやねん」

真姫「ボケさせようとするとどうしても個性が必要になるのよ!」

真姫「簡単に説明すると、ただ物覚えが悪い他に個人によってボケ方に個性があるのよね」

真姫「海未は長セリフアレルギー、花陽は漢字読めない、絵里は噛む、みたいなね」

凛「あと穂乃果ちゃんのアイドルをやる動機の根底に『目立ちたい』があるのもうろライブ!1期からだね」

真姫「さらに今回雪穂は前回で散々物覚えが悪い穂乃果に付き合わされたせいですこし慣れが入ってるわ」

凛「甲斐甲斐しい妹さんで羨ましい限りですね」

真姫「大したことじゃないけど一応言っておくわね」

凛「じゃあ次は…ついに忘却安価だね!」

真姫「ここで忘却安価について説明!…を凛が」

凛「凛かよ。…えっと、忘却安価っていうのは次の話以降に、指定した人がさっぱり忘れちゃうものを安価するの!」

凛「今までは忘れてもうろ覚えってことですぐに思い出せたけど、忘却の場合ほとんど最後まで忘れたまんま!一部例外はあるけどね」

凛「忘れるものは自由!日頃使っているものの存在を忘れるだとか、他人の存在を忘れるだとか、何かの仕方を忘れるだとか!」

凛「また、○○を忘れて、代わりに××を~~だと思い込む、的な安価もオッケーだにゃ!」

凛「ただし『忘れる』ってことが前提にあるからそれにそぐわない安価の場合は再安価だからね!」

真姫「それじゃ次回忘れる3人を決めましょう。次回はやっぱり…」

凛「作詞作曲衣装の三人!つまり海未ちゃん、真姫ちゃん、ことりちゃんだにゃ!」

真姫「いきなり私か…。この三人が致命的なことを忘れたら曲ができない可能性も…」

凛「多分大丈夫にゃ!じゃ、安価しておやすみ!」

真姫「今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に幕開けるのはあなたの街でかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」



海未が忘れること >>134

真姫が忘れること >>135

ことりが忘れること >>136




真姫「…どうでもいいけど『くちゃくちゃわからない』は凛に言わせたかったわね」

凛「ヘ?なんで?」

真姫「…別に」

忘れるということ

日本語

礼儀

しょっぱなからエラい安価が来たな… なんとか屁理屈付けて使いやすくしなければ
今日はもしライブ!2話です

真姫「もしライブ!2話ね」

凛「もうもしライブ!についての説明はほとんどしつくしてるから凛たちが話すことないのでは」

真姫「それを言われると辛いところがあるわね。確かにうろライブ!と違って忘却安価の振り返りとかする必要ないから喋ることないわ」

凛「じゃあもうとっとと本編進めちゃうにゃ」

真姫「じゃ、もしライブ!2話」

凛「スタートにゃ!」

前回のもしライブ!(CV西木野真姫)


西木野☆星空スターゲイザーに乗って別の世界へとワープしている途中、不慮の事故により時空の狭間へと身をダイブさせちゃった私!

時と空間の中を流されたどり着いた世界、そこは音ノ木坂学院が既に廃校になってしまった世界だったの!



真姫「じゃあ、μ'sはどこ…?」



そしてその世界では、μ'sのみんなはUTX高校へと通っていた!

私の世界とは微妙に変わってしまったμ'sのみんなと遭遇しつつ、さらに私は衝撃の事実を知る!

なんとこの世界のA-RISEにはバックダンサーが存在し、しかもそれが穂乃果、凛、そしてにこちゃんだったということ!



真姫(こんなの、冗談以外のなんだって言うのよ…)



A-RISEという、アイドルを目指すもの達にとっての頂点を目指す中で、次第に荒れ果てていく少女たちの心。

それは穂乃果たちも例外じゃなくって…。

そしてアイドルの在り方の理想と現実の違いに涙する花陽に私が投げかけてしまった言葉…!



真姫「新しいスクールアイドルを、このUTXで作りましょう」

真姫「A-RISEを…、いえ、UTXの闇…その元凶を倒し、この学院に笑顔を取り戻すために」



って!勢いで言っちゃったはいいものの…。

本当にできるの?新しいスクールアイドルを、UTXで、なんて…。

あーもうっ!こうなったら仕方ないわ!やるしかないでしょっ!





真姫「…これをアバン中にいうのは相当早口になりそうね…」

翌朝

神田明神


真姫「…」

真姫「…」

真姫「…あー」

真姫「遅いっ!!いつになったらくるのよーっ!!」



~回想~



音楽室


花陽「新しい、スクールアイドル…!?」

真姫「えぇ」

花陽「それって…えと、つまり…A-RISEじゃない、別のスクールアイドルってこと…!?」

真姫「そうよ。別に、一つの学校につき一つしかスクールアイドルを作っちゃいけないなんて決まりはないでしょ?」

真姫「花陽がA-RISEの在り方に幻滅しちゃったなら、それとは違う、希望に満ち溢れたアイドルだって、あっていいはず」

真姫「それを、私たちで結成しよう、ってことよ」

花陽「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!?!?!?!」

真姫「…無理にとは言わないわ。判断はあなたに任せる」

真姫「よく考えて、自分の納得する答えを出してくれて構わないわ」

花陽「う、うぅ…」

真姫「そーれーに。私たちで勝手にやるスクールアイドルだからね」

真姫「A-RISEのように厳しい練習や争いなんかも起こらない平和で楽しいアイドルになれるはずよ」

花陽「ほ、ホント?」

真姫「ただし、限界ギリギリまで練習はしないと、A-RISEに打ち勝つなんてできないわよ」

真姫「やることはしっかりやる。それも忘れないで?」

花陽「う、うぎゅっ…。そう、だよね…。うぅん…」

真姫「…」

真姫「…悩んでるなら、一度体験してみるのはどう?」

花陽「体験?」

真姫「私の考えるアイドルの練習を一度やってみる。それから本当にやるか、考える」

真姫「今ここで決めるのが難しいなら、そうした方が花陽のためでもあると思うの」

花陽「体験、かぁ…。…うん」

花陽「それなら、一度やってみたい、かも。やってみてもいいかな?」

真姫「もちろんよ。じゃあ、早速明日の朝、場所は神田明神で。正確な時間は追って知らせるわ」

真姫「遅刻は、厳禁だからね」

花陽「う…、うんっ!」



~回想おわり~

真姫「…って、言っておいたはずなのに」

真姫「もう30分も遅刻してるじゃなーいっ!バカ…」



「ま、真姫ちゃーんっ…!」



真姫「あ、花陽の声…。もう花陽!遅刻はダメだって…げっ」


花陽「ご、ごめんなさい…!でも緊張して、全然寝られなくて…」


真姫「それはいいけど…、その荷物はなに?」

花陽「え?これ?えっと…、練習のために使ういろんな器具とか…あとは教本がたっぷり…」

真姫「そんなのいらないわよ!」

花陽「ふぇぇぇっ!!?そ、そうなの!?でもアイドル専攻の授業では色んな練習の仕方を教本で…」

真姫「あなたはそのアイドル専攻のやり方が嫌になって逃げ出したんでしょ!どうして今更それに従おうとするのよ!」

花陽「あ、そっか…。えっと、じゃあ何するの?」

真姫「簡単なことよ。今あなたが登ってきた階段、これをひたすらに往復するの!」

花陽「えっ…。そ、そんなことでいいの…?」

真姫「いいのよ。まずは基礎的な体力を身につけることからアイドルというものは始まるの!さぁ、動きやすい服装に着替えたら早速やってみるわよ!」

花陽「うん…」

真姫「返事が小さい!もっと元気よく!アイドルだったら笑顔で!」

花陽「う、うんっ!!」




階段ダッシュ中…




花陽「はぁっ…、はぁっ…!」

真姫「ふっ、ふっ…!さぁ花陽!ラスト5往復!」

花陽「もう、ダメぇ…。足が動かないよぉ…」

真姫「何弱音吐いてるのよ!こんなの初歩の初歩!体力作りには欠かせないことなんだから!」

花陽「でもぉ…」

真姫「でもじゃない!アイドル専攻だったら今のであなた失格なのよ!見捨てられないだけよしと思って、さぁ、立って!ゆっくりでもいいから!」

花陽「う、うんっ…」



花陽「ひぃっ…、ひぃっ…!!」

真姫「いける!いけるわよ花陽!あと数歩!あと数歩歩けばオッケーだから!」

花陽「ふひぃぃっ…、はひぃぃぃぃっ…」

真姫「ファイトーっ!!ラブリーかよちーんっ!!レッツゴー!!」

花陽「ごひゅっ…、くひゅぅぅっ…」

花陽「つ、ついた…。やっと…終わり…。ふへぇぇ…」バタリッ

真姫「あぁっ…。倒れちゃったわ…」

真姫「…思ってたより運動不足みたいね。いつもの花陽と同じ運動量じゃこの子にはちょっと辛いのかも…」

真姫「っと、その前に、水を取りに行きましょう」

花陽「ごくっ…、ごくっ…、ごくっ…」

花陽「ぷはぁっ!はぁっ…、し、死ぬかと思ったよ…」

真姫「でもアイドル専攻の授業はもっと辛いんでしょう?これくらい…」

花陽「う、うん…。でもあっちはこんなに体力をすり減らせることはしなかったなぁ」

花陽「どちらかといえば、精神的に来るような…そんな練習ばっかりしてた」

真姫「精神的に、ねぇ…」

真姫(アイドルといえば体力が資本なのに…なんのつもりでそんな練習を…)


「ふーん…、朝からいなくなってたと思ったら…」


真姫「っ!」ビクッ

希「こんなこと、してたんやねぇ…。真姫ちゃんっ」

真姫「の、希っ!!驚かせないでよっ!う、後ろからいきなり…」

希「えへへー。どっきり大成功!」

花陽「って、生徒会長!?どうしてここに…!」

希「うふふー。元、生徒会長な。いやね、うちここでバイトしてるんよ」

真姫「あぁ…」

真姫(そういえばそうだったわね…。この世界の希も神田明神で巫女さんをやってるのね…)

花陽「え、でも…。学生のバイトは校則で禁じられてるはずじゃ…」

希「だから、こっそり。ね?誰かに言うたら怖い目にあうよ~?」

花陽「ひぃっ!?」

真姫「生徒の規範となるべき生徒会長が校則破ってどうするのよ…。それじゃ今の生徒会長に叱られちゃうんじゃない?」

希「あー…。そうかもね。でもうち…、あの子のこと…好きやないから」

真姫「えっ…」

希「…あぁ!ごめんごめん。正確には…、あの子の考え方が好きじゃない、かな」

希「ルールでガチガチに縛る、なんて…、うちには認められへん考え方やから」

希「逆に言えば向こうも、うちのこと嫌ってると思う。うぅん、絶対に嫌ってるやろうね」

希「生徒会長解任の際も、結構キツい言葉かけられたし…」

真姫「…」

花陽「東條先輩…」

希「でも…、でもうちが生徒会長になったのは…、みんなを…」

真姫「みんなを…?」

希「…っわ!あ、あかんあかん。なんか暗い空気作っちゃったね!まーうちのことはいいやん!」

希「それより真姫ちゃん…。それっ!わしわし!!」

真姫「ひゃんっ!!?い、いきなり何っ!!?」

花陽「ひゃぁぁっ!真姫ちゃんが破廉恥に巻き込まれてるっ!」

真姫「あなたも言い回しが古いわね…」

希「ふんふん…、やっぱり」

真姫「な、何がやっぱりなのよ…。いいからその手を離しなさいよっ」

希「うん。…真姫ちゃん、何かスポーツやってた?」

真姫「え…?」

花陽「真姫ちゃんがスポーツ…?イメージないなぁ…」

希「うちもそんなイメージやねんけど…。筋肉のつき方が普通の子とは全然違うなぁ、って思って」

希「全身にしっかりした筋肉が張ってる。華奢に見えるけどこれは何かスポーツやってる子の身体や」

花陽「確かに、真姫ちゃんさっきの階段ダッシュでも全然疲れてなかったし…」

希「真姫ちゃん、本当に引きこもり?」

真姫「あ…、え、えっと…」


真姫(な、なんでさっきの触診でそこまでわかるのよ…!?一瞬しか触られてないはずなのに…)

真姫(でも…、どう説明しようかしら…。まさかアイドルやってました、なんて言えるわけもないし…)

真姫(引きこもりでもやってそうなスポーツで誤魔化す?でも引きこもりがスポーツやってるとか意味わかんないし…)

真姫(この世界の私でもやってそうなスポーツ、スポーツ…)

真姫(あっ!)


真姫「じ、実はね…」

真姫「学校を休んでいる間、サバゲーに興じていたのよ!」

花陽「さばげー…?鯖を使った遊び…?」

真姫「違うわ!サバイバルゲーム、略してサバゲーよ!」

真姫「木々の生い茂ったフィールドを縦横無尽に駆け回り、銃器で敵を撃つスポーツのこと!」

花陽「銃で人を撃つの!?それって殺人…」

真姫「もちろん、競技用の銃で、よ。弾丸を使ったりはしないわ」

真姫「重い銃器を持ったまま歩きづらい道を神経張り巡らせつつ闘うスポーツだからね。それで体力も自然と身に付いたってわけ!」

花陽「へぇ…」

真姫(この世界の私がFPSに興じていた、ってことで咄嗟に思いついた嘘だけど…。これで納得させられるかしら)

希「ふーん、そうやってんね。なるほど、それなら体力があるのも頷けるね」

真姫「で、でしょー?」

希「それにしても、思ってたよりアクティブな子やってんね真姫ちゃん…。意外やわ」

花陽「うん…。真姫ちゃんが銃撃ってるところなんて想像つかないよ」

真姫「ひ、人は誰しも想像し得ない部分を持っているものよ!」

希「…せやね。あ、じゃあうちはそろそろバイトに戻らんと…」

希「迷惑にならん程度になら、ここの階段や向こうの空いてるところなら使ってもらって構わないって神主さんが言ってたよ」

真姫「そう。良かったわ」

希「神主さん女子高生に弱いからねー。ほな、練習頑張ってなー」

花陽「あ、ありがとうございますっ!」

花陽「生徒会長さん…あ、元だったっけ。優しそうな人だったねー」

真姫「そうね。とても優しいわ。昨日も家に泊めてくれたし」

花陽「えっ!?ま、真姫ちゃんあの人の家に泊まってるの!?」

真姫「う、うん。ちょっと事情があって…」

花陽「じ、じゃああの人のパジャマ姿とかも見てるってことだよね!?え、そ、そんな…!」

真姫「何よ…。そのくらい別にいいでしょ?」

花陽「は、破廉恥すぎるよっ!年頃の女子が同じ部屋で衣食を共にするなんてぇぇぇ…!」

真姫「花陽…?」

花陽「う、うぶっ…!鼻血出そう…」

真姫(…この世界の花陽、かなりウブみたいね…。しかも女子同士で、って…)

真姫「今は、そんなことどうでもいいでしょう!さ、十分に休んだんだから、練習再開するわよ!」

花陽「えぇっ!ま、まだやるの…?もうクタクタ…」

真姫「次はリズム感の練習!手拍子に合わせてステップを踏み続けるだけよ!」

真姫「これならさっきより体力を使う必要もないでしょ?」

花陽「あ…、そうかも」

真姫「ただしっ!一つ条件があるわ」

花陽「条件?」

真姫「笑顔を崩しちゃダメ。アイドルっていうのはステージの上では常に笑顔だからね」

真姫「笑いながら、ずーっとステップ。できる?」

花陽「う、うんっ!さっきよりは楽そう!やってみるね!」

真姫「うん、その意気よ!さ、始めるわよ!」

真姫「ワンツースリーフォー…」パンパンッ


花陽「は、はは…」

真姫「足遅れてきてるっ!」

花陽「ひぇっ…!こ、こうっ…?」

真姫「次は笑顔忘れてる!笑って!」

花陽「ひやぁっ…!!に、にっこり!」

真姫「リズム忘れない!」

花陽「ふ、ふぇっ…!?あだっ!」


ズテーンッ


花陽「いたたた…!足引っ掛けちゃった…」

真姫「全然ダメ。なってないわ」

花陽「ご、ごめんなさい…。意外と難しいんだね…」

真姫「そうよ。簡単そうに見えて難しいものなの。笑顔を崩さないっていうのは」

花陽「うぅ…。やっぱり花陽じゃ無理なのかなぁ…」

真姫「何言ってるのよ。こんなこと、スクールアイドルなら誰だってやってるし、誰だって最初は出来なかったの」

真姫「諦めずに練習したからやれたことなのよ。あなたも、なりたいんでしょう?スクールアイドルに」

花陽「う、うん…」

真姫「だったら続ける!継続こそが力になるの!さぁ、立って!」

花陽「…わ、わかったよ」

真姫「今日は土曜日なんだし、夕方まで続けるわよ!」

花陽「えぇっ!?お、お昼までとかじゃなくて…?」

真姫「当然!休日は毎週このくらいやらないと!」

花陽「う、うぅぅぅ…じゃあ明日も…?」

真姫「もちろんよ!」

花陽「ううぇえええ…」

真姫「…アイドルになりたいんじゃないの?あなたのアイドルへの気持ちはその程度なの?」

花陽「ち、違う、よ…。なりたいけど…」

花陽「…うぅん。が、頑張る…」

真姫「そう、その調子!続き、行くわよ!ワンツースリーフォー…」パンパン…

夕方


花陽「はぁっ…、もう、ダメ…」バタリッ


真姫「…うん、もういいでしょ。お疲れ様、花陽」

花陽「はぁっ…、はぁっ…。疲れたぁ…」

真姫「音程の取り方は文句なしに上手いから…あとはやっぱり体力ね」

真姫「明日も体力作りを重点的に頑張りましょう!」

花陽「ゔっ…!そっかぁ…。明日も、かぁ…」

真姫「そう。ここでめげてちゃ本物のスクールアイドルなんか、どれだけ手を伸ばしたってたどり着けないわ」

花陽「…」

真姫「毎日の継続が大事。忘れないでね」

花陽「…うん」

真姫「じゃ、明日も今日と同じ時間に同じ場所で。それじゃ、また明日」

花陽「ま、また明日…」




真姫(これで花陽がやる気になってくれるといいんだけど…)

真姫(でも反応を見る限りだと…あまりよろしくないのかしら)

真姫(練習量の多さにかなり消耗しちゃってる。やっぱりもう少し抑え目の方が…)

真姫(…いえ。それは彼女に対する甘やかしでしかない)

真姫(まだμ'sが名前すらなかった頃でも、穂乃果たちはそのくらいやっていたのだから)

真姫(A-RISEに負けないくらい強いスクールアイドルになるには、こんなところで躓いてちゃいけない)

真姫(楽しいアイドルを目指しながら、現実は誤魔化しちゃダメ)

真姫(そうよ。穂乃果たちだってこうしてやってきたんだもの。花陽にだってできるはず)

真姫(私も、穂乃果のように…)

希の家


ガチャッ


真姫「ただいま」


希「んー。おかえりー。ご飯作ってるからもう少し待っててなー」

真姫「うん、ありがとう。って、私いつまでも居候してていいのかしら…」

希「気にせんでいいんよー。うちも一人より二人の方が賑やかで楽しいし」

真姫「そういうなら…。じゃあ遠慮なく、くつろがせてもらうわね」

希「自分のお家やと思ってくつろいでなー」



寝室


真姫「ふぅ…」

真姫「…そういえば、私希の家にいる、のよね…」

真姫「あの時はこうして部屋に一人、なんてそうそうなかったけど…」

真姫「なんか、花陽のせいで少し意識しちゃうじゃない…」

真姫「…」ゴクリッ

真姫「希の枕って…希の匂いがするのかしら…」

真姫「ち、ちょっとだけ…ちょっとだけ…!」

真姫「…くんかくんか」

真姫「…すー、はーっ…」


希「いい匂いする?」


真姫「うん仄かにシャンプーの香りがうっわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」

希「なにその幽霊見たみたいな反応。心外やわー」

真姫「の、のぞっ…い、いつから…!」

希「真姫ちゃんが枕に顔近づけてるところくらい」

真姫「嗅いでるとこ全部見られてんじゃないのよ!え、えっと…!これは、違うの!私が変態とかそういうんじゃなくて!」

希「んー?別にいいんと違う?うちもよく嗅いでるし」

真姫「えっ」

希「真姫ちゃんの」

真姫「マジ?」

希「うん。汗の匂いとか気にして…」

真姫「…うわぁ」

希「なんで引かれてんのかな。同じことしただけやのに」

真姫「いや、だって汗って…。なんか変態っぽくない?」

希「汗の匂いや発汗量でストレスの有無とかが判断できるからやってるんよ。別にセクシャルな意味はないから」

真姫「あ…そうなの。っていうかそんなのわかるんだ…」

希「色々勉強したからねー…っと。あ、ご飯できたよ。おいで」

真姫「あ、うん。…まぁ、何はともあれなかなか恥ずかしいところを目撃されてしまったのには変わりないのよね…」

食卓


真姫「いただきまーす」

希「いただきます」


真姫「もぐもぐ…、そういえば希、神田明神でバイトしてるみたいだけど」

希「ん?うん、それが?」

真姫「…ごくん。UTX生に見つかるとヤバイんじゃないの?特に生徒会の面々とか…」

希「せやねー。ま、言うても早朝だけのバイトやし。そうそう誰かに見つかることもないよ」

真姫「あー、まぁ、そうね。いつからやってるの?」

希「えーっと…、2年生の秋頃…かな?」

真姫「それってちょうど生徒会長に任命された頃じゃないの…?」

希「せやね。自分から立候補したんよ」

真姫「それなのにいきなり校則破ってバイトって…。どんな神経してんのよ…」

希「んー、まぁ一種の反抗みたいなもんかな?学校に対する?」

真姫「えらく健全な不良ね…」

希「それより、真姫ちゃんの方も…面白そうなことやってるやん?」

真姫「あぁ…、あれ?」

希「そ。アイドルの練習なんでしょ?」

真姫「な、なんで知ってるのよ」

希「真姫ちゃん通る声してるから。境内の方にもよぉ届いてたよ?小泉さんへの激励の声」

真姫「そ、そうなんだ…。って、どうして花陽の苗字まで…」

希「そらうち生徒会長やもの!」

真姫「便利ね、その文句…」

希「でもまぁ…小泉さんも大変やね。いきなり階段ダッシュやなんて」

真姫「そう?アイドルを目指すなら当然だと思うわ」

希「アイドルを目指すなら、か…」

希「…でもね、真姫ちゃん」

真姫「ん?」


希「きっと小泉さんは、今のままやと真姫ちゃんについてこれなくなると思う」

希「アイドルを、諦めてしまうと思う」


真姫「えっ…?」

真姫「ど、どうしてよ…。どうしてそんなこと希にわかるのよ」

希「それは、真姫ちゃんのやり方が少し乱暴やから、かな」

真姫「乱暴な訳ないわ!これで正しいはずよ!」

希「なにを根拠に?」

真姫「それはっ…!その…」

真姫「…こんな感じで成功した知人を、知ってるからよ」

希「そっか…。ならその子はとても強い子、なんやろうね」

真姫「え…」

希「考えてみて、真姫ちゃん」

希「小泉さんは練習してる時、楽しそうやった?」

真姫「それは…」

希「きっと、辛そうやったんと違うかな」

真姫「…それはそうでしょう。練習なんて辛いものよ」

希「そう。辛いものや」

希「普通ならみんな、そこで折れてしまう。辛いことは誰しもやりたくないから」

希「なら、どうして、どうして真姫ちゃんの知人の子は、それで成功出来たんやろう?」

希「辛いことをどうして続けられたか、考えたことある?」

真姫「えっ…。その、それは…」


真姫(穂乃果たちが、練習を続けられた理由…?)

真姫(厳しい海未と、優しいことりがいた、から…?)

真姫(…それもそうかもしれないけど)

真姫(でも本当にそれだけ?…確かにそれは『続けられる理由』にはなるかもしれない)

真姫(だけど自分から『続ける理由』には、ならない…)

真姫(穂乃果が、自らの意思で練習を続けようとしたのは…それは…)


希「それは、目標があったから」

真姫「…あ」

希「しないといけない目標。成し遂げなければならない、はっきりとした指標」

希「それがあれば、どんな辛いことだって人は乗り越えて行ける」

真姫「で、でもっ…!花陽にだってスクールアイドルになるって目標が…」

希「それは目標じゃなくて、夢やよ」

希「まだふわふわして、掴めるかどうかも分かっていない、曖昧なもの」

希「夢だけでも、頑張れる人はいる。でも…頑張れない人だっているんよ」

希「今の小泉さんは、一度夢に破れて、夢を信じられずにいる。そんな子が、もう一度夢にすがって努力をしようとする」

希「それは、酷な話なんじゃ、ないかな」

真姫「…っ!」

希「夢、みたいな遠く果てしないものを求めて走り続けられるほど強い人はひと握りだけ」

希「普通はその度々で目標を見つけて、一休みしながら夢に向かって、ゆっくりと走っていくものよ」

真姫「…だったら、私はどうすれば」

希「それは、真姫ちゃんが考えること。うちにはどうしようもできないこと、やからね」

真姫「…」

シャワールーム


真姫「…」シャー…


真姫(穂乃果たちには、廃校を阻止する、って大きな目標があった)

真姫(そのために、アイドルという手段を用いて、学校を盛り上げようとしたんだ)

真姫(でも、今回は違う)

真姫(何かを成し遂げるためにアイドルになるんじゃなくて…、ただアイドルになるために、頑張ろうとしている…)

真姫(まだ影も形もない、私の言葉だけでしかない、架空のスクールアイドルになるために)

真姫(…考えてみれば、私の世界の花陽も、最初は弱い子だった)

真姫(彼女がμ'sに入れたのは、凛と、私と、そして穂乃果たちからもらった勇気があったから)

真姫(今、花陽の背中を押してあげられるのは、私一人の手、だけ)

真姫(これじゃ、全然足りない…。私の世界の花陽より心に深い傷を負った花陽に、勇気を与えるには、全然…)

真姫(だとすれば…)



寝室


希「それじゃ、電気消すね」

真姫「…うん」


パチッ



真姫(…どうすればいい)

真姫(ただ穂乃果の後をなぞるだけじゃ、花陽に勇気を与えることはできない)

真姫(私は、穂乃果以上のことをしないといけない)

真姫(笑えるくらい無謀で、無茶なミッション)

真姫(あの穂乃果を、私にとって大きな壁の一つである穂乃果を、越える)

真姫(でも、だからこそ)


真姫「…ふふ」

真姫「燃えるじゃない…!」


真姫(今は何も思いつかないけど、でもこんなこと…、そうそう体験できない)

真姫(穂乃果以上の無茶を、この私がやる)

真姫(μ'sのみんなが聞いたら、全力で止めそうなこと、だからこそ)

真姫(さぁ考えなさい、西木野真姫。花陽に勇気を、目標を、そしてもっと大きな、はっきりした夢を与える方法を)

真姫(あなたが今まで勉強してきたのはテストでいい点を取るためじゃない!)

真姫(こういう時に頭をひねり続けるため、なのよ!!)

真姫(考え、考え、考え続け)

真姫(外が明るくなり、小鳥の囀る声が聞こえ始めたころ)

真姫(ようやく私は)



真姫「…これ、よっ…!!」

早朝

神田明神


真姫「…」


花陽「あ、真姫ちゃん…。ごめんなさい、また遅れちゃって…」

真姫「…」

花陽「お、怒ってる…?怒ってるよね…。二度も遅刻するなんて…」

花陽「でも昨日疲れちゃって…、帰ったらすぐ寝ちゃって起きたらこの時間だったから晩ご飯も食べてなくて…」

花陽「あぁ!でも言い訳なんてダメだよね本気でスクールアイドル目指すんならそのくらいの気合入れないと話にならないんだよね…」

真姫「…」

花陽「…真姫ちゃん?」

真姫「…」

真姫「…ぐぅ」

花陽「立ったまま寝てる!?」



真姫「…ごめんなさい、ちょっと訳あって今日寝られなかったの…」

花陽「あ、あんなに練習した後なのに寝てないの…?疲労は大丈夫…?」

真姫「平気。さっきのでだいぶ良くなったわ」

花陽「立ちながら寝るので体調って回復するものなのかな…」

花陽「あ、そうだ…。今日も練習なんだよね…。まずは昨日みたいに階段の往復から?」

真姫「それなんだけど…」

真姫「今日は練習はパス!」

花陽「えっ!?」

真姫「嫌なの?」

花陽「そうじゃなくて…、真姫ちゃん昨日はあんなに練習しないと、って言ってたのに」

花陽「もしかしてやっぱり真姫ちゃんも疲れててぶっ続けで練習は勘弁して欲しい、とか…?」

真姫「そんなことはないわ!ライブ本番数日前なんか追い込みでこれ以上に…」

花陽「え?」

真姫「…なんでもない。とにかく!今日は神田明神で練習はナシ!その代わり…」

花陽「その代わり…?」




花陽「え、えぇぇぇぇっ!!!?」

花陽「な、な、な…!」

花陽「なんでアキバに来てるのぉ~~~!!!?」

秋葉原


花陽「え、えっと…」

真姫「さ、花陽。アキバ観光と行きましょう」

花陽「観光…!?んー…っと…」

花陽「もしかして、ここでトレーニング…!?この溢れかえる人ごみの中を駆け抜けて体力をつける的な…」

真姫「違うわよ…。観光、って言ってるでしょ」

真姫「今日は練習はおやすみ。だから代わりに盛大に秋葉原をエンジョイしましょ」

花陽「い、いいの…?」

真姫「いいの。アイドルには休暇も必要よ」

花陽「はぁ…。でも私…秋葉原は結構通ってるから、今更観光って言われても…」

真姫「そう?ふふ、いいじゃない。きっと花陽もあんまり経験したことないと思うけど」

真姫「友達と二人で、秋葉原なんて」

花陽「あっ…」

真姫「私は秋葉原のこと、あんまり詳しくないから」

真姫「花陽が案内してくれると嬉しいな」

花陽「う、うんっ!す、する!するね!!」

真姫「よかった。乗り気になってくれたみたいね。今日は花陽のどんなマニアックな話にでもついていくわよ」

花陽「ホント!?じ、じゃあね、私ずっと二人で行きたかったところがあってぇ…!」

真姫「うんうん…」



真姫(昨日徹夜で考えた、花陽に勇気と目標を与える作戦)

真姫(うまくいけばいいけど…)



花陽「でそれからそれから~…、あそこでしょ、それにあのお店も~…!むふふふふふふふ…!!」

真姫「あぁ…」



真姫(…私の体力も持ってくれるとありがたいんだけどね)

花陽「まずはねぇ~…、ここ!」

真姫「えっ…」


「「おかえりなさいませ、お嬢様!」」


真姫「ここって…」

花陽「メイドカフェだよ!」

真姫「うん、知ってる…」

真姫(ことりがバイトしてたところじゃない…)

真姫「えっと…、花陽はこういうところに来てみたかったの…?」

花陽「うんうんっ!一人じゃ怖くて行けなかったの!真姫ちゃんと一緒なら少しは安心かなって!!」

真姫(どうしよう、早くも予定と少しズレが)

真姫「…まぁいいわ。花陽のしたいようにしましょ」

花陽「うんっ!」



メイドカフェ店内


真姫「う…」

花陽「うー、どんな感じなのかな?楽しみ~…!」

真姫「…そ、そうね」

花陽「あれ…?真姫ちゃん、ひょっとして…」

真姫「ナ、ナニヨ」

花陽「緊張してる?」

真姫「ぐぅっ…!」


真姫(そういえば知り合いの一人もいないここに来たのは初めてだわ…)

真姫(全く知らない人に…メイド特有のアレやコレやをやられると考えると小っ恥ずかしいものがあるわね…)


真姫「し、してないし!平気よ!」

花陽「へぇ~…、真姫ちゃんでも緊張することってあるんだね」

真姫「あるわ!私をなんだと…、って!だから緊張なんてしてないと…」

花陽「あ、メイドさん来た!ほらほら、大声出してると他のお客さんの迷惑になっちゃうよ?」

真姫「おのれ…」



メイドカフェ店員「それではごゆっくりとお楽しみくださいませ」


真姫「…意外とあっさりだったわね」

花陽「ここのメイドさんはあざとくないって有名だからね。ただメイドさんの格好をしてるだけのカフェに近いかな」

真姫(そういえばことりの時もそんな感じだった気がする)

真姫「…緊張して損したわ」

花陽「ほーら、気にしてないで一緒に食べよ?」

真姫「はいはい…」

真姫「へぇ…、いろいろなアニメや企画とのコラボメニューなんていうのもあるのね…」ペラペラ

花陽「そうそう!有名なお店だから、そういうところとのタイアップも豊富なんだ!」

真姫「ふむふむ…。来たことはあったけど、こういう細かいところまでは気にかけたことなかったわね…」

花陽「え?真姫ちゃん、ここ来たことあるの?」

真姫「あっ…!そ、そうなの。実はね。…サバゲー仲間と一緒に、一度だけ」

花陽「へー!サバゲーやってる人でもこういうところきたりするんだね!今度一緒に話し合いたいなぁ…」

真姫「…えぇ、機会があればね」

花陽「うん!あ、それとね…」

花陽「今日ここに来たのは、一人じゃ来れなかったっていうのもあるんだけど…」

花陽「なんとメイドさんのライブまで見れちゃうんだよ!」

真姫「あぁ…、カラオケ的な?」

花陽「そう!うふふ…、メイドさんのライブ、すごく楽しみ~!」

真姫「そうね…」


真姫(まさかここでもことりが出てくるってことはないと思うけど…UTXはバイト禁止らしいし)


花陽「あ!始まったよ!メイドさんのライブ!」

真姫「どんな人がやってるのかしらね」



謎のメイド「みなさ~ん!!今日は当店にお越しいただき、ありがとうございま~す!」

謎のメイド「さぁて、お楽しみのところ申し訳ありませんが、少々お時間をいただきます!」

謎のメイド「今日も謎のメイドこと、私のワンマンライブが開催されま~す!いえいっ!」

謎のメイド「さぁさぁみなさん!いつものやつ、行きますよ~!せーのっ…」

謎のメイド「みんなのハート、撃ち抜くぞ!」


客ども「「ラブアローシュート!!」」


謎のメイド「ありがとー!ではまず一曲目は~…」



花陽「わぁ…、ちゃんとコールアンドレスポンスまであるんだね。すごいな~…」

真姫「あ、あがぁ…」

花陽「あの人、私たちと同年代くらいかな?誰なんだろう…サングラスしてて素顔はわかんないけど…」

真姫「が、ぉがぁ…」

花陽「…真姫ちゃん?口あんぐりして、どうしたの…?」




真姫(う、海未ィィィッ!!?)

謎のメイド「ヒーメヒメ!!ヒメ!!スキスキダイスキ!ヒメ!!ヒメ!!キラキラリン☆大きくなあれ魔法かけても~…」



真姫(どうして…、どうして海未がメイドカフェに…!?)

真姫(クハッ…、ビックリしてアゴが外れちまったっショ…)

真姫(とか言ってる場合じゃないわ…ていうかバイト禁止はどうなったのよもうUTX生で二人目よバイトしてる生徒…!)

真姫(それより…、あのかなりの引っ込み思案な海未が、まさか自分から人前で歌う、なんて…!しかもコールまでつけて…)

真姫(メイドカフェでバイトしてるのも驚きだけど、そっちのほうが驚天動地だわ…)

真姫(この世界に来て一番のびっくりかも…。バックダンサーズ超えたわ…)

真姫(ことりにたしなめられるほどのドジっ娘だったり、脚本専攻だったり…)

真姫(思いのほか海未も、かなり変わっちゃってるみたいね…)

真姫(何はともあれ、ここはとりあえず…)

真姫(こっそり写メっておきましょう。サイレントで)ポチッ


花陽「はわぁぁぁ~…!ひ、ヒメ!ヒメ!」

真姫「ふふ、楽しそうね。花陽」

花陽「うんっ!わ、私こういうの…大好き!みんなで歌って、ダンスして、盛り上がって…」

花陽「それで、明日からまた頑張ろうって気持ちになれる…」

花陽「これが私の大好きなアイドルなの!」

真姫「そう…」

花陽「な、なんて…。あの人はアイドルじゃないけどね…」

花陽「メイドかぁ…。アリかも…?あ、でもバイトはダメなんだっけ…はぁ…」

真姫「…」



謎のメイド「今日はみんなも盛り上がって、私も楽しかったでーす!それでは、また来週、この時間も~…?せーのっ…」

謎のメイド「みんなのハート、撃ち抜くぞ?」



花陽・真姫「「ラブアローシュートっ!」」



謎のメイド「はいっ!ありがとうございます!!では私は厨房の方へ戻りますので、これで~…」

街道


花陽「うふふふ…、楽しかったぁ~…!」

真姫「私も楽しかったわ」

真姫(海未のあんな姿を見られて)

花陽「真姫ちゃんも?よかったぁ…。退屈じゃないかってちょっと心配だったんだー」

真姫「そんなことないわ。ホントよ?」

花陽「うんっ!ありがと!じゃあ…次はどこ行こうか?」

真姫「花陽の好きなところ。今日は花陽が全部エスコートして。私のことはいいから」

花陽「えっ…、それでいいの?」

真姫「いいのよ。どのみち私秋葉原のことほとんど知らないんだし」

花陽「うーん…、真姫ちゃんがそれでいいなら!じゃあ次に行きたかったのはねぇ…えへへへへ…」

真姫「その緩んだ顔はどうにかしなさいよ…」



とらのあな


真姫「なんで!?」

花陽「にゅふふふふ…!このサークルの新刊が欲しかったの…!」

真姫「ゆ、百合本…」

花陽「…っは!ち、違うの!この人の絵が好きってだけで!あのね、花陽も絵を描くから、それの参考にってだけで!」

花陽「べべべ、別に花陽がそ、そういう百合とかそんなのが好きってわけじゃなくてね!?大体百合なんて破廉恥だよ破廉恥すぎるよ!」

花陽「女の子同士がすきすきだったりちゅーしちゃったり…そんなのよくないこと!だから本当はこの本もダメなんだけど仕方ないの!」

花陽「だって絵がすきだから!好きになっちゃった絵を描く人が偶然百合好きだったってだけで花陽はそういうことに対して一切興味は」

真姫「はいはい…、わかったから…。慌てると一人称自分の名前になるっていうこともよーくね」

花陽「…!そ、そうなの…!?」

真姫「気づいてなかったんだ…。まぁ、私はいいから、好きな本があったら好きなだけ買っちゃいなさい。待ってるわ」

花陽「う、うんっ!ごめんね、こんなの本当は一人でするべきだと思うんだけど最近全然行けてなくて…」

真姫「いいから早くしろっ」

花陽「はい」


真姫「…この世界の花陽は百合好きか…。…趣味が合うわね」


「ほぉわぁっ…!この筋肉の描き方…!たまらないわね…!」

「これも要チェック…!カゴへ直行だわ…!んふふふ…、久々に大漁大漁…!」


真姫「…ん?ゆるふわ系のおねーさんがhshsしている…。しかもそこ…R-18の棚だし…」

真姫「…見なかったことにしましょう。世界は広いのね(遠い目)」

真姫「ここは…」

花陽「うん、ここはねー…」



スクールアイドルショップ前


花陽「ちょっと前にオープンした、スクールアイドル専門のショップなの!」

真姫「うん…。知ってるわ」

花陽「えっ…、やっぱり知ってるんだ。真姫ちゃんなんでも知ってるんだね~」

真姫「なんでもは知らないわ、知ってることだけよ」

真姫(花陽の行動範囲は私の世界の彼女とほとんど変わってないし、花陽が行きたいところに行ったことあるのは必然よね)

花陽「ひょっとして…、前々から思ってたけど、真姫ちゃん結構アイドルに詳しい?」

真姫「えっ…」

花陽「スクールアイドルの練習方法とか知ってたし、自分でスクールアイドルを立ち上げようっていうくらいだから…」

花陽「真姫ちゃんは隠れアイドルファンなのかな、って!」

真姫「あー…、どうかしら。花陽ほど詳しいわけじゃないけど…ま、多少はね」

花陽「へぇぇぇ~…。でも少しはわかる、ってことだよね!?だったら嬉しいなぁ…」

花陽「今までアイドルのこと一緒に語れる友達はいなかったから」

真姫「親衛隊の子達は?あの子達はアイドルのこと好きじゃないの?」

花陽「うーん…。そう、だね…。もちろん大人気のアイドルなら知ってるくらいではあるんだけど…」

花陽「スクールアイドルだったり、少しコアなアイドルグループの話をすると、わからないって言われちゃうなぁ」

真姫「ふーん、意外ね…。A-RISEを抱えるUTXの生徒なら少なからずスクールアイドルに興味があるものだと思ってたけど」

花陽「それは…、もちろん、A-RISEはUTX生全員の憧れであり誇りではあるとは思うけど、必ずしもスクールアイドルに興味がある子ばっかりってわけでもないよ」

花陽「特に歌手専攻の子たちはそう。私たちのクラスじゃ、アイドルの曲は軽いもの、って考えが定着してるかな」

真姫「あー…。確かに、そうかもね」

真姫(私自身、そういうふうに考えていた時期もあったし。歌に本気な子はアイドルにはあまり関心がないのかも)

花陽「…だから!こうやって二人でアイドルショップに来るのは初めてなの!一人なら何度もあったけど!」

花陽「さぁ真姫ちゃん!きっと真姫ちゃんの知らないようなアイドルもいっぱいいるよ!私がオススメしてあげるねぇぇっ!!」グイグイ

真姫「わ、わかったから…、引っ張らないでよーっ!」

スクールアイドルショップ店内


花陽「はわわぁぁぁぁぁぁ~~~…!!」

真姫「こ、これは…」


真姫(前来たときより豪華になってる…)

真姫(μ'sってアイドルグループが存在しないにも関わらず、スクールアイドル文化が以前よりも発展している、ってことよね…)

真姫(確かにA-RISEのダンスパフォーマンスのクオリティは私の世界よりもアップしていた…)

真姫(μ'sの一部がA-RISEに加わったことでただでさえ人気の高いA-RISEがさらに強力なものになって…)

真姫(μ'sという対立分子のいない、一強の存在として栄えたことで、結果的にスクールアイドル全体の人気も上がった、ってこと…、なのかしら)

真姫(…自分で言ってて訳わかんなくなってきたけど、でも何かしら理由がないと私の世界と差がつくことはないでしょうし…)

真姫(となると、この世界のA-RISEはやっぱり想像以上の強敵になってくる、ってわけね…)


花陽「…真姫ちゃーんっ!何コナンくんみたいな顔して考えてるの?」

真姫「えっ…、そんな顔してた?」

花陽「後編のCM前の何か思いつきそうな時の顔っぽかったよ!もー、せっかく来たんだから、今はアイドルグッズに集中だよ!」

真姫「そ、そうね…」

花陽「まず最初はねー…」



花陽「ふぉぉぉぉぉっ!や、やっぱりA-RISEのグッズ、だよねぇ~~…!!」

真姫「うわ…!これ全部…?」

花陽「うんっ!ここからあっちの棚まで、ぜーんぶA-RISEのグッズなんだよ!」

真姫「へぇ…。これってA-RISEは知ってるの?」

花陽「うん。最初は非公式で、同人作品として売ってたって話だけど…」

花陽「ここのお店が有名になってきたあたりでUTX学院が直接公式のグッズを取り扱うように提携を交わしたんだって」

花陽「だからここに売ってるのは全部公式のA-RISEのグッズなの!他のメディアじゃ一切見せないようなA-RISEの表情も見れるんだよーっ!」

花陽「ほらこれ!このDVDはね、A-RISEの三人の水着グラビアの様子を映した、世界でここしか取り扱ってない一枚なんだよ!」

花陽「特典映像に水着でのライブもついてくるし…、ここに来たら絶対にゲットしておきたいグッズの一つだね!」

真姫「へ、へぇ…」

花陽「あとこれ!見て見てこれーっ!!実際にライブの時に使った衣装!こんなのまで飾ってあって…」

花陽「それに、こっち!先着300名限定のチケットに付いてくる特典のメッセージボイスCD!な、なんと恋の告白シチュエーションなセリフも収録されてるとか…!」

花陽「しかも3種類あって、それぞれに一人分のボイスしか入ってなくて、それに直筆のサインまで入ってるからかなりのプレミア価格で手が出せなくて…」

花陽「んーと、で、こっちは初心者にオススメ!A-RISEのピンバッヂにA-RISEのうちわ、A-RISEがデザインした専用のサイリウムまで…」

花陽「あれ、真姫ちゃん?真姫ちゃん、どこいったのー?」



真姫「…花陽には悪いけど、このまま付き合い続けたらこっちの頭がパンクしてしまうわ…」

真姫「彼女の興奮の熱が冷めるまで、ちょっと離れたところにいましょう…」

真姫「ふーん…、こうして見ると、結構な数のスクールアイドルのグッズを取り揃えてるのね…」

真姫「見たことないところのグッズまで…。これは同人作品なんでしょうけど」

真姫(そしてその中に…μ'sがいない、っていうのは、少し新鮮で…少し寂しい光景でもあるわね)

真姫「あっ…。これ…」

真姫「A-RISEのバックダンサーズのグッズ…。これもちゃんとあるのね…」

真姫「当たり前と言えば当たり前、か…。なんせ彼女達は次世代のA-RISEでもあるんだもの」

真姫「注目されない訳ないわよね…」


真姫(それにしても…。こうしてダンスしているところの表情だけ見れば…)

真姫(…すごく楽しそう。心の底から笑っているような、笑顔)

真姫(でもそれは違う。凛も、穂乃果も…、本当の意味では笑えていない…)

真姫(辛く厳しい試練を耐え培った、お客さんを喜ばせるための偽りの笑顔なんだ)

真姫(それは、アイドルとしては正しいのかもしれない、けど…。でも…)


真姫「…」

真姫(その笑顔に夢を見た少女たちを、裏切る行為とも、言える…)

真姫(夢なき夢を与える、罪深き笑み…)

真姫(アイドルに憧れ続け、そして今トップアイドルの一端を掴んでいる彼女…)

真姫(このブロマイドに写るにこちゃんも、そんな誰かを傷つける笑顔に…)



「あ、あった…!これを探してたのよねー…」



真姫「…ん?」

真姫(どこかで聞いたことのある声がした、ような…)

真姫(その声は、私の目の前で、棚の下の方のグッズを漁るためにしゃがんでいる…)

真姫(サングラスをかけて、厚いダッフルコートを羽織った…ちんちくりんな少女から発せられていた)



謎のグラサン少女「先週は持ち合わせが無くて買えなかったけど、まだ残っててくれてありがとー…!」

謎のグラサン少女「えっと、じゃあ次は熊本のOTEMO-YANと大阪のTiger-Tのグッズを…」


真姫「にこちゃん?」

謎のグラサン少女「…え」

真姫「矢澤…にこちゃん、よね…?」

謎のグラサン少女「…」

謎のグラサン少女「…ちょっとアンタ!こっちに来なさい!!」グイグイ

真姫「えっ、えぇっ…!?な、何…!?また引っ張られるの私!?」

ショップ裏


にこ「はぁぁ…」


真姫「えっと…、こんなところまで連れて来てなにを…」

にこ「…別に、なにをするつもりでもないんだけどね」

にこ「なんでバレちゃったのかなぁ…。結構な変装しているつもりだったんだけど」

真姫(その変装がワンパターンすぎて逆にわかりやすかったわ)

にこ「あ、えーっと…、ごめんね。こんなところに引っ張ってきちゃって」

にこ「いきなり声をかけられたから、少し驚いちゃって…」

にこ「前にね、変装ナシで歩いてたら大騒ぎになっちゃったことがあったから…」

にこ「念の為に誰もいないところまで連れて来ちゃったってわけ」

真姫「あ、あぁ…。そうなのね」

真姫(やっぱりそこそこに人気なのね)

にこ「あなたもにこを知ってる、ってことは…A-RISEのファン?」

真姫「え、私…?うーん、私は…」

真姫(…どちらかといえば)

真姫「あなたたち、バックダンサーの方が好きよ。特に、にこちゃんが」

にこ「えっ…!?」

真姫(私の世界では仲間だし)

にこ「に、にこたちの、ファンっ…!?それ、ホント…!?」

真姫「えっ…、う、うん。A-RISEはそんなに興味ない、かしら…」

にこ「A-RISEに興味ない…!?のに、にこのファン…!!!!!!?!?」

にこ「う、う、うぅぅ…!!」

真姫「えっ…。ど、どうしたのよ…」

にこ「嬉しいいいぃぃぃぃぃぃっ!!!つまり…私たちだけの固定ファンが、ついに実在したってわけなのよねぇぇっ!!」

真姫「い、今まではそんなことなかったの…?」

にこ「当たり前よっ!みんなA-RISEから知りました、とか、A-RISEの次に応援してます、とか、何か言えばA-RISEが一緒についてきてた…!」

にこ「それでも嬉しかったけど、私たちの方が好きって言ってくれたのはあなたが初めて!いわば私たちのファン第一号と言っても過言じゃないわ!」

にこ「ありがと!ありがとっ!!あなた、名前は?名前はなんていうの?」

真姫「私…?西木野、真姫…」

にこ「真姫…真姫ちゃんね!見ててよね真姫ちゃん!にこ、絶対に来年のA-RISEになってみせるから!」

にこ「真姫ちゃんがにこのファンでいてくれたこと、絶対に後悔させないから!」

真姫「ど、どうも…」


真姫(にこちゃん…。相変わらず熱いわね…)

真姫(でもこれも…、お客さんに合わせるための営業トーク、なのかしら…?)

にこ「う、うぅっ…!ヤバ、涙出そう…」

にこ「…い、いけない!ファンの子の前では常に笑顔!それがアイドル、だものね!」

にこ「そうだわ真姫ちゃん!ここなら誰もいないし…今ならなんだってしてあげられるわよ!」

にこ「サインがいい?それともにっこにっこにーかしら?あ、ダンスの振りの指導だってできちゃうわよ!」

真姫「あ、ありがとう…。じゃあ、えっと…楽譜を入れるファイルのここにサイン、お願いできる…?」

にこ「お安い御用だわ!真姫ちゃん、よね?えっと…えぬあいしーおー…」ササッ


真姫(でも…私にはこの笑顔、ホンキに見える…)

真姫(いつもの…、本当にいつものにこちゃん)

真姫(バカみたいに喜んで、バカみたいに張り切ってる…私のよく知っているにこちゃんにそっくり)

真姫(そんな『バカ』が接頭語につくくらい直情的で、そして、それでいて…)

真姫(アイドルに対しての姿勢は曲げない、不屈の信念を持つ、彼女そのもの…)

真姫(…もしかしたら、彼女は…)


にこ「真姫、ちゃん、へ…っと。はい、これでいいかしら?あ、名前書かないほうがよかった?そのほうが後で売れる…なんて」

真姫「…」

にこ「あっ、じ、冗談よ!もし仮ににこが売れても、サインは売ったらダメだから!ヤフオクに流れてたら泣くわよ!?」

真姫「…ねぇ」

にこ「ん?なに?」

真姫「…にこちゃんは…、どうしてアイドルになろう、って思っているの?」

にこ「えっ…?」

真姫「きっかけ、じゃなくて…、友達から聞いたんだけど、アイドルになるための練習って、とっても辛いって…」

真姫「それなのに…にこちゃんは辛い練習を経験して、それでもまだアイドルを目指している理由が、知りたいな、って思ったの」

にこ「…アイドルを目指す理由、か…。面白いこと、聞くのね」

真姫「こ、答えづらかったら別に…」

にこ「やりたいから」

真姫「え…」

にこ「ずっとやりたかった。子供の頃からの、今も変わらないただ一つの夢」

にこ「どれだけ練習が辛くても、どれだけ他の人に憎まれても、その夢は裏切れない」

にこ「アイドルをやりたいっていう、その夢のためだけで、にこは頑張れるの」

にこ「何があっても、笑顔と夢は忘れない、って決めてるから」

真姫「…」

にこ「えっと、これでいいかしら?いきなりだったからちゃんとした答えになってるかはわかんないけど…」

真姫「…えぇ、大丈夫。ありがとう…答えてくれて」



真姫(ある意味では最も聞きたくて、最も聞きたくなかった答えを、聞かせてくれて…)

スクールアイドルショップ店内


真姫「…」


花陽「あっ!真姫ちゃん!もー、どこ行ってたの?探したんだよ?」

真姫「あ、花陽…。ごめんなさい、少し外の空気を、ね?」

花陽「そう?でも何か言ってくれても良かったのに…」

真姫「ご、ごめんなさい…」

真姫「…あ」


謎のグラサン少女「…」チラッ

謎のグラサン少女「…にこっ」ボソッ


真姫「…」コクリ



(にこ「じゃあとりあえずここまでにして…私はまた店内に戻るから」)

(にこ「にこと鉢合わせても知らないふり、してよね?それじゃ!」)



真姫(にこちゃんは、何も変わっていなかった)

真姫(果てしない戦禍に巻き込まれながらも、自分の在り方を、夢を決して忘れなかった)


(希「夢、みたいな遠く果てしないものを求めて走り続けられるほど強い人はひと握りだけ」)


真姫(夢を目指し努力するひと握りの強い人間…、それがにこちゃん)

真姫(それゆえに彼女は)

真姫(A-RISEを越える上において、凛より、穂乃果より、A-RISEのメンバーの誰よりも、私たちを阻む大きな壁となるだろう)

真姫(また、いつか無茶をするハメになりそうで、少し憂鬱)

真姫(だけど…それ以上に、彼女が変わってなかったことが嬉しかった)

真姫(そして今は、いつか迫り来る脅威のことを考えるよりも…)



花陽「…ん?今誰かと挨拶してた?知り合い?」

真姫「いえ、なんでもない。それより花陽」

真姫「勝手にどこか行っちゃってたお詫びに、いっぱいオススメのスクールアイドル、教えてよね」

花陽「あっ…!う、うんっ!!わかった!嫌って言ってもやめないくらい、たっくさんオススメしちゃうね!」



真姫(目の前の彼女に、決意してもらうしかない)

真姫(自分の夢見たアイドルになるための、決意を)

コスプレショップ


花陽「ここはね!アニメやゲームキャラのコスプレを扱っている他にも…」

花陽「全国津々浦々のアイドルの衣装のレプリカも置いてあるんだよ!」

花陽「しかもしかも、それを着て記念撮影だって出来ちゃうの!」

真姫「へー…、スゴいのね。こんな店あったんだ…」

花陽「はわわぁぁ…、いいなぁ…。私もこんな服、着てみたいなぁ…」

真姫「着せてもらえるんでしょ?好きに選べばいいじゃない」

花陽「うん、そうするね。真姫ちゃんはどれがいい?」

真姫「え、なんで私に聞くの…?花陽が着るんだから花陽の好みで…」

花陽「真姫ちゃんも着るんだよ?」

真姫「えええぇぇぇぇっ!!?わ、私も…?」

花陽「うんうんっ!真姫ちゃんならなんでも似合うと思うなぁ!」

真姫「べ、別にいいけど…。心の準備ができないとこういうのって少し抵抗あるっていうか…」

真姫(テンション高まってない時に屋外で衣装に着替えるのはまだ慣れてないわ…)

花陽「私も一緒だから!ほら!これとか…、このちょっと前のA-RISEの衣装もいいんじゃない?」

真姫「…はぁ。仕方ないわね」



店員「はーい、それじゃあ笑ってー!何か好きなポーズがあればご自由に!」



花陽「す、好きなポーズ…!こう!」

真姫「違うわ花陽!腰が甘い!もっと伸ばす!」

花陽「こ、こう…!?」

真姫「いいわ、その調子!準備オッケーです!」


店員「はいそれじゃ撮りますねー…。はい、チーズ…」


パシャッ




花陽「うふふふー…」

真姫「さっきから自分の写真見つめすぎ。ちょっと気持ちわるいわよ」

花陽「だってー…、真姫ちゃんと一緒にアイドルの衣装…!嬉しいんだもん…」

真姫「…そう」

花陽「真姫ちゃんのポーズへの執着というか…厳しさには驚いちゃったけどね」

花陽「ああいうのこだわっちゃうタイプ?」

真姫「そ、それはもちろん…そうよ!いつなんどきでも自分を美しく見せることを忘れてはいけないわ!」

花陽「意識高いんだねぇ」

CDショップ


花陽「ここはねー、昔のアイドルのCDもたくさん売っててー…」

花陽「あっ、このグループとか懐かしいなぁ…。小学生のころよく聴いてたの」

真姫「へぇ…、昔のアイドルのことについては本当に知らないから、こういうのは逆に新鮮ね」

花陽「CDを借りて視聴もできるの。聴いてみてよ!真姫ちゃん絶対に気にいると思う!」

真姫「そうなんだ。じゃあ…聴いてみようかしら」



~♪


真姫「ふんふん…。あー、昔の曲って感じ、するわね」

花陽「なんとなく曲調で年代ってわかっちゃうよねー」

真姫「でもこの感じ…、嫌いじゃないわね」

真姫「こうやって聴いてると、どことなく思い出される過去の思い出…」

真姫「音楽ってこうやって時代を感じさせてくれる、一種のアルバムのようなもの、よね」

花陽「そうだねぇ…。人生を歩んでいれば誰だってその中に自ずと音楽が入ってくる」

花陽「CMソングだったり、街のスピーカーから流れる音だったり…」

花陽「その曲は自分の中の思い出と結ばれて、心の中に保存されて…」

花陽「ずっとずっと未来、ふと何かの拍子にその曲を聴くとその時の情景がぱっと頭の中に蘇る」

花陽「それまではほとんど覚えてなかったことなのに、ちょっと前の出来事かのように一瞬で、鮮明に」

花陽「ふふ、そう考えると不思議だよね、音楽って」

真姫「えぇ。そして…素晴らしいものだと思うわ」

花陽「…うん。きっとこうして、真姫ちゃんと一緒にこの曲を聴いたこの思い出も」

花陽「心の中のアルバムに保存されて、ずっと遠くの未来にまた、開かれるのかな」

真姫「…かも、しれないわね」

真姫(それからも私と花陽は、いろいろなお店へ行った)

真姫(花陽のマニアックな知識が炸裂して、私が少しついていけないところもあったけど)

真姫(それでも、花陽がアイドルを好きだって気持ちは、余すところなく伝わってきた)

真姫(そうして気がつけば、もう日も沈み始めて)

真姫(秋葉原も赤く染まってきた)



街道


花陽「はぁぁ~~~…!今日は楽しかったぁぁ…!」

真姫「そう?ふふ、良かったわ」

花陽「真姫ちゃん、付き合ってくれてありがとう!こんなに楽しい一日は久しぶりだったよ…」

真姫「身体の疲れはすっかり取れちゃった?それとも…また疲れちゃったかしら」

花陽「あぅっ…、そ、そっか…。明日からまた練習、なんだよね…」

真姫「まぁ、そうなるわね」

花陽「…が、頑張ります」

真姫「…」

花陽「じ、じゃあ今日はもう日も暮れてきちゃったことだし、そろそろ帰って…」

真姫「まだよ」

花陽「え?」

真姫「最後に一つ、私が行きたかったところがあるの」

真姫「そこに行きましょう」

花陽「いいけど…どこへ?」

真姫「すぐそこよ」

花陽「ここ、って…」

真姫「うん、思ったより綺麗ね」


真姫(私たちが最後に訪れた場所)

真姫(そこは、名も知らぬビルの屋上)

真姫(夕日に染まる秋葉原が見渡せる場所)

真姫(私も適当な目星を付けて選んだところだったから、どんな風景を見られるかは今までわからなかったけど)

真姫(想像以上に絶景ね)



花陽「…で、こんなところに連れてきて、真姫ちゃんは何がしたいの?」

真姫「うん、まぁ…お話」

花陽「話…?」


真姫(…まぁ、景色なんてどうでもいい)

真姫(彼女と『こういう話』をするなら…)

真姫(きっと夕日の屋上が相応しい)

真姫(ただそう思っただけだから)



真姫「ねぇ、花陽」

花陽「ん…?」

真姫「今日、楽しかった?」

花陽「え…、うん。さっきも言ったでしょ?とっても楽しかったって」

真姫「えぇ、そうよね。花陽はアイドルに関すること、たくさん出来て楽しかったでしょう」

真姫「私も、とても楽しかったわ。花陽の喜びがたくさん伝わってきて」

花陽「うん…?」

真姫「…でも花陽は」

真姫「アイドルには、なりたくない、のよね…?」

花陽「えぇっ…!?」

花陽「ど、どど…どうしてそうなるの!?私…やりたいよ!すごく、アイドル!」

真姫「だけど…、練習嫌そうだったじゃない」

花陽「う、そんなこと…」

真姫「…そんなこと、ない?いえ、そんなことないことないわ」

真姫「花陽は練習を嫌がっているはず。だって疲れるから。厳しいから」

花陽「き、厳しいってことは、ないよ…。真姫ちゃん、花陽が疲れた時にはきちんと休ませてくれるし…」

花陽「でも…」

真姫「でも?でも、何?」

花陽「…っ!え、えと…」

真姫「きっと続きはこう。でも、真姫ちゃんの言うとおり練習しても、アイドルになれるかなんて分からない」

真姫「アイドル専攻より不確かで、先の見えない曖昧な道」

真姫「花陽はそう、思っているんでしょう?」

花陽「…え、う…」

真姫「答えて。イエスか、ノーかで」

花陽「…うん」

真姫「…ありがとう。私もね、昨日気づいたの」

真姫「私一人ができると思っていても仕方がない。ちゃんとあなたにも、アイドルができるって思ってもらわないと意味がない」

真姫「そして私には…そう思わせるだけの、ただ引っ張っていけるだけの力も、度胸もないわ」

花陽「…」

真姫「だから、今日こうして練習やめて、秋葉原に二人で遊びに来たのは」

真姫「あなたに分かってもらいたかった。花陽はアイドルになれる、ってこと」

真姫「あなたの夢見る、アイドルになれるってこと」

花陽「…」

真姫「うん、そもそもアイドルになるなんて簡単なこと」

真姫「勝手に歌って踊って、曲作って歌詞作って衣装作って、ネットにアップすればスクールアイドルを名乗れる」

真姫「…けど、花陽がなりたいのは、違うのよね」

真姫「確固とした意志を持った、輝かしいアイドル」

真姫「あなたが憧れ、夢見て、なりたいと思ったのは…そんなアイドルだったんでしょう?」

花陽「…っ」

真姫(この世界の花陽が憧れたA-RISEには、『頂点を目指す』という意志が)

真姫(私の世界の花陽が憧れたμ'sには、『廃校を阻止する』という意志が)

真姫(それぞれ根幹を成していた。それが”強さ”だった)

真姫(けれど…私の作ろうとしているアイドルにはそれがない。設立してないんだから、あるはずもない)

真姫(一応私にはA-RISEを越える、って目標はあるけど…花陽にはまだそれが実感できない。意志として持つことができない)

真姫(ならば花陽の意思を、彼女の想いを主軸に、アイドルという存在を作り上げる)

真姫(一日過ごして確信した。花陽には、A-RISEにもμ'sにも負けない、確固たる意志があること)

真姫(まだ彼女はそれを自覚していないけど…だったら)

真姫(私が気づかせてあげる。彼女の意志、目標、夢…、そして勇気を!)



真姫「花陽、今日一日秋葉原を過ごして、どう感じた?」

花陽「どう、って…」

真姫「あの街には、あなたの夢見たアイドルで満ち溢れていたかしら?」

花陽「私の夢見た、アイドル…」

花陽「舞台上で楽しそうに歌う、夢に満ちたアイドル…」

花陽「…」

花陽「…うん。いっぱい、いっぱい私の夢見たアイドルが、ここにはあるよ」

花陽「メイドカフェの歌うメイドさんも、ショップで見た色んなアイドルの映像も…」

花陽「一緒に撮ったアイドルのコスプレも、昔のアイドルのCDも…」

花陽「どれも私が夢見る、最高のアイドルだよ!」

真姫「…あなたはそれに憧れ、UTXに入り、アイドルを目指した」

真姫「けれどそこに、あなたの目指したアイドルは、…なかった」

真姫「血の滲むような練習と、憎み合い、争い合うアイドル候補生たち」

真姫「全てが輝かしい夢で作られていると考えていた花陽にとっては、その光景はまさに悪夢だった」

真姫「夢のようなアイドルは外側だけ作られたハリボテ、中身はドロドロの世界」

真姫「あなたはそんな現実を突きつけられて、夢を否定されて…一度は絶望に塗れた」

花陽「…でも、真姫ちゃんは」

真姫「私は、あなたの夢見たアイドルを知っている。全てが夢にあふれた、素晴らしいアイドルを」

花陽「だけどっ!…わかんないよ。花陽には」

花陽「本当に、それがあるのかどうか、なんて…。真姫ちゃんの言葉だけじゃ…」

花陽「信じられないの…。信じようとしても、心のどこかで疑ってしまう」

花陽「一度は信じた夢に、裏切られた、から…」

真姫「私だって、見せてあげたい。でも…今はできない」

真姫「だから…信じて欲しいの」

花陽「でもっ…!」

真姫「私じゃなくていい!…出会ってからたった数日の、他人のことなんて、そう信じられるものじゃないわ」

真姫「だけど…、何年も一緒に連れ添ってきた、自分の夢は、もう一度信じてあげて」

花陽「私の…、夢?」

真姫「あなただって想い続けて来たはずでしょう?輝かしいアイドル」

真姫「それをたった一度、否定されただけで諦めないで」

真姫「誰が否定しようと、自分だけは信じ続けて」

花陽「私…が…」

真姫「それにね、あなたの夢は…決してあなただけのものじゃない」

真姫「この広がる秋葉原の景色。この中にもきっと…あなたと同じ、夢見る女の子がたくさんいる」

真姫「そして、あなたと同じように現実を突きつけられて、絶望していく子だって、いる」

花陽「あ…」

花陽「…私の、友達みたいに…」

真姫「そんな彼女たちに教えてあげるのよ!」

真姫「あなたたちの夢は、偽物なんかじゃないんだって!」

真姫「あなたが私の言葉を信じられなかったように、存在しなければ誰だって何も信じることはできない」

真姫「じゃあ、だったら!私たちが彼女たちの夢の拠り所になるのよ!」

真姫「あなたたちの夢見た、すべてが輝かしいアイドルはここにあるんだって!もう、誰も二度と絶望しないように!」

真姫「私たちが、世界に知らしめるの!」

花陽「そんな、こと…」

真姫「できないかもしれない。…でも!ずっとそれを想い続けるの」

真姫「もう無理かもしれない、って思っても、それを成し遂げるって、絶対やらなくちゃって」

真姫「そう思えばできないことなんて、何一つないの」

真姫「あなたの信じた夢を、みんなの信じた夢を」

真姫「…あなたが、私たちが叶える。それが…」

花陽「真姫ちゃんの作る、アイドル…」

真姫「えぇ」

花陽「もう誰も…アイドルの現実に傷つくことのないような、そんなアイドル…」

花陽「それ、なら…私…」

真姫(…目標は、出来た)

真姫(もう誰も、夢と現実のギャップに苦しまないような)

真姫(誰もが望んだ、理想のアイドルを目指すという、目標)

真姫(けれど彼女にはまだ、そこにたどり着こうと思う意志が、足りない)

真姫(だから、それを私が…示す)

真姫(あなたが何よりも大切に思っているもの、それは――)



真姫「…まだわかんないけどね。理想論よ」

花陽「うん、そう…だね」

真姫「だけど、考えてみて」

真姫「そんな楽しそうにアイドルやっている私たちには、きっとみんなが注目するはずよ」

真姫「心の底から楽しそうに歌い、踊るアイドル」

真姫「人気もうなぎのぼりで、いつかA-RISEを追い抜かそうとするかも」

花陽「さ、流石にそこまでは…」

真姫「…仮に、そうなったとしたら、もう無視はできないわよね」

花陽「…無視?」

真姫「否が応にも、あなたに反応せざるを得ない」

花陽「え…」

真姫「そして、もし私たちがA-RISEを超えれば」

花陽「もし、かして…」

真姫「彼女は、戻ってくるかも知れない」

花陽「真姫ちゃん、なんでっ…!!」




真姫(花陽が何よりも大切に思っているもの)

真姫(それは、友達)

真姫(彼女はこうして友達を、休日をともに過ごせる友人を欲していた)

真姫(私は知っている。彼女には…そんな友人がいたことを)

真姫(いたはずだった、ということを)

真姫(覚えている。あのバックダンサーズを最初に見たとき)

真姫(私は茫然自失ながら、彼女の発した言葉を、聞き逃さなかった)



(花陽「…凛、ちゃん」)



真姫「A-RISEよりも強くなる」

真姫「そうすれば、星空凛を…、取り戻せるわ」

花陽「…っ!!!!」

花陽「どう、して…!」



「ねぇ、凛ちゃん」

「どしたのかよちん?」

「一緒に…UTX高校に入らない?」



「やった!やったよかよちん!お父さんとお母さんからオッケーもらったよ!」

「ホント!?やったぁ!これで同じ学校に通えるね!」

「うんうんっ!離れ離れにならなくていいんだね!」



「入学おめでとう!制服すごく似合ってるよーっ!」

「えへへ、かよちんもっ!あ、かよちん?どこの専攻に入るかってもう決めた?凛はダンサーだにゃ!」

「うん!私は歌が好きだから、歌手専攻かな。…凛ちゃんとは別々のクラスになっちゃうね」

「大丈夫だよ!それ以外はずっと一緒だよ!」



「ねぇねぇ、かよちんなら行けるよー。ほら、凛も付いてってあげるからさ」

「や、やっぱりいざとなったら緊張してきたよ…。もうちょっと待って…」

「かよちん可愛いんだから楽勝だにゃー!ほーら、勇気出して!」



「…ねぇ、凛ちゃん。私…」

「かよちんかよちーんっ!今日ね、またアイドル専攻で褒められちゃった!」

「え…」

「凛にはダンスの才能あるんだって!UTXでナンバー1かも、なんて言われちゃったよーえへへー…」

「そう、なんだ…」

「このまま一緒に、A-RISE入れるように頑張ろー!おー!」

「…」




「…かよちん。アイドル専攻、逃げ出しちゃったんだって?」

「う、うん…。とっても、辛くて…」

「よく、ないよ。先生に謝ったの?かよちんもうアイドル専攻できなくなっちゃうよ」

「まだ、だけど…。ねぇ、凛ちゃん…、お願い、一緒に…」

「…凛は、先生や先輩の心象悪くしたくないから。ゴメン、かよちんだけで行ってきて」

「ぁ…」



(結局、行けなかった)

(また怒鳴られるのが怖くて、それを想像しただけで震えが止まらなくて)

(私は、アイドル専攻から、本当の意味で逃げ出して)

(それから…)




「あ、おはよう、凛ちゃん…」

「…」

「ねぇ、凛ちゃ…」

「…」

「凛ちゃんっ…!!」

「うるさいなぁっ!!」

「…っ!!」

「もう…近寄らないでよ」

「アイドルから逃げ出した…弱虫の癖に」

「ぅ、え…?」

「凛は…あなたみたいな弱虫じゃない」

「絶対に、A-RISEになるって決めたの」

「…もう関わらないで。あなたみたいな人と関わると、弱くなるって」

「先輩が言ってたから」


「あ、あぁ…」


「じゃあね、さよなら」

「小泉さん」




「ああああああぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」






花陽「凛、ちゃんっ…!!」

真姫「…A-RISEのやり方じゃ、一番になれないってわかれば」

真姫「星空凛は、きっとあなたのもとへ戻ってくる」

真姫「幼馴染なんでしょう?あの子とは」

花陽「…なんで、真姫ちゃんが…?」

真姫「ど、どうでもいいじゃない、そんなこと」

真姫「大切なのは、あの子の心を取り戻すこと」

真姫「あなたが秘めてる最も強い意志は、それのはず」

真姫「でしょう?」

花陽「凛、ちゃんを…、取り、戻す…」

花陽「アイドルで、A-RISEを越えれば…、凛ちゃんは…」

花陽「凛ちゃんはもう一度、花陽と友達になってくれるの、かなぁ…?」

真姫「…分からない。確証はないけど、でも」

真姫「このまま何もしなければ、凛との関係は途切れたまま」

真姫「二度と、仲直りなんてできやしない」

真姫「だったら彼女と同じ場所に立って」

真姫「今の凛の心を支えているものを粉々にへし折るしかない」

真姫「あの高慢な性格を治すには、それくらいしなきゃダメよ」

花陽「…今の凛ちゃんを…、倒す」

花陽「昔の凛ちゃんを、取り戻すため…に…!」

花陽「…だったら」

花陽「だったら私、やるっ…!!」

花陽「アイドルやって、みんなを笑顔にして、みんなに夢を与えて、それで…!」

花陽「凛ちゃんともう一度、友達になるっ!!」

花陽「それで、次こそ…」

花陽「次こそ一緒に、アイドルがしたいのっ!!」

花陽「それが、私のっ…!」


真姫(花陽の、意志…!)

真姫(UTXの闇に染まった、凛を助け出す)

真姫(これが花陽と、そして…私の作るアイドルの、確固たる意志の一つとなる…!)


真姫「…決意は決まったみたいね」

花陽「うん…!私…、頑張るから!」

真姫「えぇ。それで、凛ともう一度友達になったら…」

真姫「今度は凛と二人で、秋葉原に遊びに行きましょう」

真姫「きっとそのほうが何倍も楽しいわよ」

花陽「…うぅん。違うよ」

真姫「え?」

花陽「遊びに行くなら…、3人で。真姫ちゃんも、一緒、だよ」

花陽「そのほうが、何百倍も楽しいから」

真姫「…そうね」


真姫「じゃあ、最後に花陽。背中、こっち向けて」

花陽「え?背中…こう?」

真姫「えいっ」ペタンッ

花陽「な、何…?今なにしたの?」

真姫「私の勇気をあげたの。片手分だけ、ね」

花陽「うん…?」

真姫「もう片手分は、きっと花陽が必要とした時にもらえるわ」

花陽「そうなの?」

真姫「えぇ。おまじない、みたいなものよ」

花陽「…そっか。ありがと、真姫ちゃん。勇気、くれて」

真姫「どういたしまして。じゃ、帰るわよ。もう真っ暗」

花陽「わ、ホントだ…。あ、でも街の灯りが綺麗だね」

真姫「そうね…。今度は3人で、ここの景色を見ましょう」

花陽「…うんっ!」



真姫(そうして私たちは秋葉原を後にした)

真姫(花陽が決意してくれたことで、ついに誕生した、私の作る新しいスクールアイドル)

真姫(最初は勢いで考えたことが、実現してしまうなんてね)

真姫(でも私には、UTXの闇を取り払うという意志が)

真姫(アイドルの闇に涙する少女を、これ以上増やしたくないって意志がある)

真姫(まだまだ乗り越えるべき壁は多いけど…でも)

真姫(まずはただ、今この瞬間を喜びましょう)

真姫(居場所なんかないって思ってた世界で、私にもできることがあるんだってわかったんだから)








もしライブ! 第二話

おわり

凛「そんなわけでもしライブ!第2話をお送りしたにゃ」

真姫「第2話だけで35レスほども使用したのよね…。そして成果が花陽一人を仲間にしただけという」

凛「他にも海未ちゃんの秘密やにこちゃんの性格とかいろいろわかったでしょ!そういうとこの積み重ねで物語はできていくもんだよ!」

真姫「凛が言うんならそうなんでしょう。さて次回からはついに再放送じゃなくなってしまうわ」

真姫「もちろん書き溜めなんて一切してないから」

凛「今回だけでも相当修正箇所多かったのにそれでも未だに書き溜めはしないんだね…」

真姫「区切りつけつつやらないと持つ気がしないらしいわ」

真姫「…で、ペースだけど今日や前回みたく、一晩で1話分書ききるのはまず不可能だと思うから」

真姫「大体一晩に10レスほどと考えて一話の完結に40レス使うとなると4日分かかるわね」

凛「進行度のスローリィ具合がヤバいね」

真姫「ただうろライブ!が2日で1話なのに対してもしライブ!が4日で1話で、書ききってから交代制だとバランス悪くなるから…」

真姫「うろライブ!2日やって1話完結、その後もしライブ!2日やって1話半分、ってローテーションでやるつもりよ」

凛「やっぱり予定なのでこの通りに行かないことも多々あるにゃ」

真姫「目安として考えてもらえればいいわ。もしに関してはこの先の展開全く考えてないみたいだしストーリー捻出するのにも時間かかりそうだしね」

凛「じゃあ次回はうろライブ!2期第2話だね!」

真姫「いきなりとんでもない安価が来たわね…。ふふ、望むところよ!」

凛「別に凛たちはモニター見てるだけで何にもしない設定なんだけどね」

真姫「じゃあ、今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に時空の狭間を漂うのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!」」

ちょいと遅れた
よーしやってくぞー

真姫「今日はうろライブ!の2話ね」

凛「始める前に前回の忘却安価のおさらいから行こうかにゃ」

真姫「…いきなりとんでもないのが来ちゃったわね、今回は…」

凛「えーっと、確か海未ちゃんが…」

真姫「忘れることを忘れる、だったわね」

凛「こ、これは…!1期8話にて希ちゃんが発症した忘却!効果は確かうろ覚えがなくなる他に未来のことも思い出すというチート…」

真姫「…だったんだけど。でも今回は違うわ」

凛「え」

真姫「今回は字面は同じでも効果は違うの。自分が忘れるということを忘れるのではなく…」

真姫「自分も含めたμ's全員が、忘れっぽいという事実を忘れる、ということなのよ!」

凛「どどど、どういうことにゃ」

真姫「つまり、今までの経験から海未はμ'sの忘れ事に対して慣れが発生してたけど…」

真姫「それらを忘れてこれからは新鮮な反応が見れるってこと!」

凛「そ、そうだったの!?」

真姫「…正直なことを言えば前回と同じ効果をこの序盤で海未にやっちゃうと面白みがなくなっちゃいそうだったから…」

真姫「主語が指定されてないところで自由な解釈をさせてもらったわ」

凛「いわゆる逃げだね。悪いことしてないけどなんかゴメン」

真姫「そして私が…ワオ。日本語を忘れちゃったわ。アメージングね」

凛「これは今まででトップクラスのヤバい忘却なのでは…」

真姫「へ、平気平気。ちょっとくらいなら英語使えるし」

凛「英語使えても理解できる人がいなければ意味がないのでは…」

真姫「…そうだったわね。まぁ、いいのよ。忘れてもまた学習していけば問題ないわ」

凛「帰国子女以上に過酷な学習が待ってそうだね…」

真姫「そしてことりは礼儀を忘れる、ね。喋りがヤンキーっぽくなるって指定も入ってたけど…」

凛「あんまり口調が変わりすぎるとボイスの脳内再生が難しくなっちゃうから派手に取り入れることは出来ないにゃ」

真姫「まぁ時々にマイルドヤンキーっぽくなれば大丈夫でしょ多分。この判断も個人的理由だけど許していただきたいわね」

凛「そんなこんなで長くなっちゃったけど、うろライブ!2話!!」

真姫「スタートよ!」

前回のラブライブ!


絵里「ここは本編のこの部分を一回だけ聞いてから暗唱するコーナーになりました」

絵里「じゃあ行くわよ…」

絵里「穂乃果が生徒会長になって…、そう秋頃にね。結構頑張ってる私たち」

絵里「そんな中ラブライブがもう一回行われるという噂が!」

絵里「(花陽の声真似)ラブライブです!(穂乃果の声真似)出なくていいんじゃないかなぁ」

絵里「なんか消極的な穂乃果だけどこれが私たち3年生が出られる最後のラブライブだと気づいて火が付いた!」

絵里「(穂乃果の声真似)よーし、やるぞー!」

絵里「こうしてμ'sは9人になった!(ヤケクソ)」


(見返しタイム)


絵里「…うわぁ全然違う…。花陽喋ってないし…」

絵里「でも思ってたより合ってて満足よ!」エリチーン

屋上


一同「えーっ!!!!?!?!?」

にこ「どういうことぉぉぉぉっっ!!!!!?!?!?」


花陽「大変です…!」

花陽「…真姫ちゃんが喋れなくなっちゃいましたぁ!!」


にこ「そ、それって本当なの?真姫ちゃん…」

真姫「ア、I can't understand what you say…」

穂乃果「なんて?」

絵里「えーっと多分…。あなたたちの言ってることがわからない、って感じ?」

凛「喋るだけじゃなくって言ってることもわからなくなっちゃったの…?」

希「これはつまり…、真姫ちゃんは日本語を忘れてもたん違うかな…」

にこ「日本語を忘れる…!?こ、ここに来てなんてとんでもない疾患が…」


海未「に、日本語を忘れる…だなんて…。ありえないでしょう、常識的に考えて」

海未「そんな悪ふざけなんてらしくありませんよ、真姫。さっさと日本語を喋ってください」


真姫「umm…」

海未「真姫、悪ふざけも度を越すと取り返しのつかないことになりますよ?」

絵里「ち、ちょっと海未…。きっと真姫はホントに日本語を忘れちゃったのよ、だから…」

海未「いやいや!昨日まで真姫は日本語しゃべりまくりだったじゃないですか!それが今日忘れるなんて…」

海未「そんなのあるわけ無いでしょう」

穂乃果「な、なんか海未ちゃんもおかしくない…?ねぇ、真姫ちゃんだけじゃなくて、穂乃果も時々ド忘れしてたじゃん、あんな感じで…」

海未「…してましたか?」

にこ「こ、これは…」

希「まさか、ここにまで魔の手が…」

花陽「予想以上に大変なことに…!もうこれ以上何か起こったら手の付けようが…」

ことり「あーかったりーマジかったりーちゅんこういう話題すっげーどうでもいいからとっとと練習しようぜーちゅんちゅん」

一同「!?」

絵里「これは一度相互の理解が必要ね…。話し合いましょう、海未、ことり」



海未「…なんと、私やみんながド忘れ常習犯だったなんて…!」

ことり「礼儀って何…?マブダチよりも大事なものなの?」

絵里「…えー、取り返しがつくか否かはわからないけど説明は済んだから仕切り直しと行きましょう」

穂乃果「どこから?」

絵里「じゃあみんなで驚くところからね」

穂乃果「オッケー!行くよみんな!せーのっ…」

よく考えたらμ'sじゃなくてアネックス1号だったんだぜ
まぁ本編じゃないところからセーフセーフ

屋上


一同「えーっ!!!!?!?!?」

にこ「どういうことぉぉぉぉっっ!!!!!?!?!?」


花陽「大変です…!」

花陽「ラブライブの予選で発表できる曲は今までで未発表のものに限られるそうです…!」


ことり「そういうのは無視しちゃえばいいと思うなぁどうせクソオヤジどもの決め事だし」

穂乃果「ってことは、つまり今までの曲を使っちゃえってこと?」

海未「ことりの言うことを鵜呑みにしないでください」

にこ「な、なんで急に!?…あ、花陽に対してね」

花陽「参加希望チームが…えー…、んーっと…」

花陽「忘れましたぁっ!!」

海未「手に持ってるスマートフォンはなんなんですか!?それに書いてあることではないんですか!?なのに忘れるってどういうことですかぁっ!?」

希「なんかツッコミが新鮮でいいね」

絵里「…でもまぁ、理由はいいとして発表は1ヶ月後…。これから1ヶ月でなんとかしないとラブライブに出られないってことよ」

にこ「こーなったらば仕方ないわ!こんなこともあろうかと私がこの前作詞したにこにーにこちゃんという詩に曲を付けてー…」

希「え、なにそれ!めっちゃ興味ある!!見せて見せて!どこに書いてんの!?どんな歌詞!?誰が歌うん!?」

にこ「めっちゃ食いついてきた?!」

穂乃果「そんな題名聞くからにしてクソな曲はダメ!…でも、一体どうすれば…」

海未「どうすれば…」

絵里・希「「どうすればいいの?」」

穂乃果「たってー可能性…」

ことり「そんなガキの茶番どうでもいいよ…。いい加減鬱陶しいしボコってもいいかな?」

海未「うっ…。ことりがすごく怖いです…」

絵里「真面目にしないといつ拳が飛んでくるかわからないわ…。普通に答えましょう」

絵里「作るしかないわ!」

穂乃果「な、なにを!?」

海未「だからさっきから言ってるでしょう!…なんでしたっけ」

花陽「な、なんだったっけ…?ねぇ凛ちゃ…」

凛「ごめん凛今真姫ちゃんに日本語教えるのに忙しいからパス」

真姫「コ、コレハリンゴデスカ?」

凛「あそうそう、その調子だにゃ」

絵里「…真姫。あのことだけどいいわよね?」

真姫「what!?…エ、ア、ハイ…」

絵里「よし!真姫からも了承が取れたし、行けるわ!」

海未「意思疎通の取れない人物から酷くないですか」

絵里「ハァッ!!エリチカのかっこいいポーズ!!そして…っ!」ビシッ

絵里「がっちゅくよぉっ!!!」

希「盛大に噛んだね」

うろ覚えラブライブ! Forgotten Idol Project


第二話「なんか山へ行ってあーだこーだする話」




どこかの駅のホーム(おそらくJR山北駅)


ことり「わぁ~!!寂れた村ー!木しかなーい!」

希「く、空気が澄んでるね…、よね?」

凛「やっぱり真姫ちゃんすごいにゃー!こんなところにも別荘があるなんてー!」

花陽「歌も上手いし、完璧だよね!」

真姫「ソレハダイコンデス!ハクサイジャナイデス!」

にこ「…日本語さえ達者ならね…」

真姫「ナニヨー!」

にこ「なんでにこの言ってることだけには的確に反応するのよ!?…っは!ま、まさか真姫ちゃん…!」

にこ「にこの、ことが…!す、す…」

真姫「スラマッパギー!」

にこ「何語!?」

絵里「ま、まぁまぁ…。このままここにても話がこじれるだけだし、早く別荘に移動しましょう」

絵里「今回は本当に>>199がないんだから」

絵里「今回は本当に金がないんだから」

凛「もし何か不慮の事故があって別荘に止まれなくなったなんてなったら野宿になっちゃうよ!」

絵里「カプセルホテルに宿泊するお金すら持っていないからね」

にこ「わ、わかってるわよ…。さ、とっとと行きましょ…」


ドッサァッゴォォォンッ…!!


海未「…ふぅ」

ことり「海未公、その荷物は…?」

海未「何か?」

絵里「ちょっと、多くない…?置いたときドッサゴォンって音がしたけど…」

海未「海ですから」

希「山やよ」

海未「えっ…!?!そうだったんですか!?水着持ってきてしまいました…」

海未「どうして教えてくれなかったんですか!」

花陽「自分が忘れてるのにすら気づいてないよ…」

海未「し、しかし平気です!サバイバル用品もこれでもかと積んできました!」

海未「むしろみんなこそ軽装過ぎませんか!?これから雪山だというのに…」

希「普通の山やよ」

海未「なっ…!?そうだったんですか…!?雪かきやアイスピックを持ってきてしまいました…」

海未「どうして教えてくれなかったんですか!」

絵里「その荷物の量は詰め込み中に記憶が曖昧になった結果なのね…」

海未「いいんです!サバイバルグッズも大量に持ってきていますから!さぁ行きましょう!崖が呼んでいますよー!あはははは!!」

希「山やって」

絵里「…もしかして海未が一番重症…?」

にこ「夏の合宿以上に大変なことにならなきゃいいけど」

絵里「え、夏に合宿なんてあったっけ…?」

にこ「あんたも大変ね…」

にこ(でも今なら…)

にこ(日本語がわからない真姫ちゃんに面と向かってヘンなこと言っても理解されない…!)

にこ(これは大チャンスね!)

真姫「エト…バ、バスガデルデー!」

にこ「ねぇ真姫ちゃん…」

真姫「な、ナニヨ?」

にこ「>>202

真姫「ナッ…!」

真姫「>>203!」

アラビア語もイケるクチなの?

サスガニケッコンハハヤイデス

にこ(さっきのスラマッパギって言葉…、聞き覚えあると思ったらアラビア語ね!)

にこ(真姫ちゃんはアラビア語も話せるのかしら…?)

にこ「アラビア語もイケるクチなの?」


ナレーター『既にヘンなこと言おうなどという目的も忘れているにこにーであった』


真姫「ナッ…!?」

真姫(今のはスロバキア語の告白っぽく聞こえたわ!?まさかにこちゃんがスロバキア語を話せたなんて…)

真姫(世界30ヶ国語以上を駆使する真姫ちゃんには及ばないけどさすが上級生…、その程度はお茶の子さいさいってことなのね…)

真姫(でもみんなから理解されないからってこんなところでダイタンに告白だなんて…!)

真姫(うぅ…、その度胸に応えて私も告白したい…!でも日本語で告白言葉ってなんていうのかしら…)

真姫(…っは!そうだわ!昨日日本語の練習のために見た邦画でそんなシチュエーションがあったわね…!)

真姫(高校教師が教え子に告白したシーンでその子は確か…)

真姫「サ、サスガニケッコンハハヤイデス!」

真姫(こんなこと言ってた気がするわ)


にこ「け、けっこ…!?」

にこ(…アラビア語なのかしら?でも確かに聞こえたわ…)

にこ(さすがに結婚は早い…。つまりスピード結婚のこと!?)

にこ(まさか真姫ちゃんはにことのスピード婚を望んでいる!?)

にこ(だからこの合宿でいわば…アレやコレをやってほしいってことなのね!?そうなのね!?)

にこ「わかったわ真姫ちゃん!にこ頑張る!」

真姫「お、オウ…」

真姫(…満面の笑みだわにこちゃん。告白が通じたのかしら)

希「なんかアンジャッシュ時空を感じるわー」



スタスタ…


凛「…あれ?」

ことり「どうかした猫公?」

凛「何か、足りてない気がしないかにゃ?」

ことり「忘れ物?」

凛「んー、そんな気もするけど…まぁ、忘れてるなら大したことないよね!えへへ…」



穂乃果「…くかー…」

穂乃果「くかー…」

穂乃果「…ん?あれ、ここは…」

穂乃果「…まいっか、くかー…」

西木野家別荘前


一同「ひゃー…」

絵里「相変わらずすごいわねー…。あれ、なんで相変わらずとか言っちゃったの私初めてなはずなのに…」

にこ「だから夏にも合宿が…」

真姫「ココ!ワタシ、イエ!オオキイ!スゴイ!!」

凛「おぉー!真姫ちゃん上達したにゃー!」

花陽「歩きながら日本語の本熟読してたからねー…。さすが勉強家だー」

凛「…でも相変わらず何か足りてない気がするにゃ」



電車内


穂乃果「くかー…」

穂乃果「くかー…」

西木野家別荘内


海未「ピアノがありますね」

ことり「金持ちの家でよく見るくるくる回るアレもあるよ」

海未「そして暖炉も」

海未「…こんな珍しいものを見つけた時にいつもはしゃいでる誰かがいたような」

ことり「私もなんか…モヤモヤする…」

凛「わーすごいにゃー!暖炉初めて見たにゃー!!」

海未「そうでした、凛でしたね」

ことり「スッキリしたよ」

凛「ここに火付けていい?」

真姫「ヒ…?ア!ヒ、ダメダメ!!」

凛「えー!」

真姫「マダサムイナイ!アンド、フユマエヨゴス、サンタサンコナイ!バイマイダディ」

凛「さ、サンタさん…?バイマイダディ…?」

ことり「…キモッ」

海未「ことりはそんなひどいこと言う人だったんですか!?幻滅です!」

ことり「だってサンタとか…ハッ」

真姫「ココ、エントツ、キレイキレイ。エブリイヤー…、えー…、サンタメッチャクンネン」

凛「関西弁混じってるにゃ…」

真姫「ダンロ、ナカ、ミロ。サンタズメッセージ!ふふっ」

凛「ほぇー…」

にこ「ぷぷ…!ま、真姫ちゃんがサンタ信じてるなんて!!あはははは!!」

絵里「ちょっ…!にこ!!それはダメよ!」

花陽「それを言うのは重罪だよ!」

凛「そうにゃ!真姫ちゃんの人生を左右する一言になるにゃ!!」

にこ「だってあの真姫が……!…いえ、すこし待って…。冷静になって一度考えてみて」

にこ「…あの真姫ちゃんがサンタを信じてるなんておかしいわ。一種のあざとさすら感じる…。普通じゃない」

絵里「っ!た、確かに…」

にこ「もしかして真姫ちゃんはサンタを別のものと勘違いしてるんじゃないかしら!日本語の齟齬ってやつよ!」

希「じ、じゃあ真姫ちゃんはなにとサンタを勘違いしてるって言うん…?」

にこ「それは…冬になったら暖炉からやってくるものといえば…」

にこ「>>209ね!」

泥棒

にこ「泥棒ね!」

花陽「ど、泥棒…?確かに来るかもしれないけど…」

海未「わざわざ煙突を綺麗にして待ちかねるようなものですかね…」

にこ「金持ちの考えることはよくわかんないからね。もしかしたら金品を奪われることに快感を覚える変態なのかも」

希「にこっちがいくら貧乏やからってお金持ちがそこまで狂ってるわけやないんよ」

にこ「だ、誰が貧乏よ!あとはほら!自分から泥棒を誘っておいて煙突から出てきたところを一網打尽にするんじゃない?」

凛「それならあるかも!じゃあ真姫ちゃんのお父さんは正義の味方だったんだね!」

ことり「ポリ公ってこと?なんだクソかぁ」

花陽「礼儀を忘れているというかただただ口が悪いよことりちゃん…」

にこ「あなたのパパは立派なのね真姫ちゃん!感動したわ!」

真姫「…?わ、ワカレバエエンヨ」






絵里「さぁ、まずは基礎練習からよ!点呼始め!」

希「1!」

にこ「2!」

凛「3!」

花陽「4!」

絵里「…誰か足りなくない?」

凛「凛もそんな気がするにゃ…」

花陽「実は私も…」

希「うちも…」

「うーん…」


にこ「バカね!今真姫ちゃんが海未とことりを部屋に案内してるところでしょ!足りなくて当然よ!」

絵里「あぁ!」

凛「そうだったにゃ!」

花陽「納得!」

希「それやん!」




電車内


『終点~、終点~…』


車掌「…お客さん、お客さん」

穂乃果「…ほえ?」

車掌「終点ですよ。起きて」

穂乃果「終点…?穂乃果アイテムありランダムの方が好きだなぁ…」



どこかの駅のホーム


穂乃果「…どこここ」

別荘内


真姫「エト…、ワタシタチ、キョク、ツクル…?いえー!」

海未「なんなんですかそのテンション」

ことり「多分ボディランゲージじゃない?」

真姫「アゥ…」

ことり「言葉が通じてるかわかんないから不安みたい。私でもちょっと可哀想になってきたよ…」

海未「こちらもちゃんと反応してあげましょう。…いえー!」

ことり「いえー!」

真姫「オー!ウミ、ヘヤコッチ!」


真姫「ウミココデ…サシミ、マトメテ!」

海未「さ、刺身を!?包丁はどこでしょうか…」

ことり「多分作詞って言いたいんじゃないかな」

真姫「ホンダナ…、チジョトカ、シヌホントカ、ヨウイシテル」

海未「痴女!?死ぬ本!?なんて危険な部屋に入れるんですか!?」

ことり「…早く次の部屋案内して」


真姫「コトリ、コッチ。イチョウノキッテ」

ことり「銀杏の切手…?」

真姫「パッションアンドミッシング、ヒットトウルイアルク(訳:ファッションの本もミシンも、一通りあるから)」

ことり「ヒットしても盗塁したら走らないとアウト取られちゃうよ…」

真姫「ワタシ、シタノピァーノ、トコロ。キョク、カンガエル」

真姫「ナニカ、アッタラ、キテネ」

ことり「う、うん。…イエス!」



海未「…」カキカキ…

海未「うーん…」


ことり「…でも、なんか」

ことり(>>214


海未(>>215

無性に誰かしばきたい

お饅頭が食べたい

ことり(無性に誰かをしばきたい)


海未(お饅頭が食べたいです)



別荘内1階


真姫「…」

真姫(…日本語アレで通じていたのかしら)

真姫(っと、今はそれより作曲ね!私が作詞担当じゃなくてよかったわ)






凛「ん、くぁーっ…!気持ちいいねー!」

希「やっぱり山はスピリ…スピリットエヴォリューション全開や!」

花陽「ハイブリッド体に進化するのかな…?」

絵里「こうも穏やかだと眠っちゃいそうよね」

凛「流石に練習中に寝る人はいないにゃー!」

希「寝てる間にみんな知らんとこ言ってたらびっくりやもんね!」

絵里「もう…、そんな薄情じゃないわよ?」

にこ「わかってるわよそんな。冗談に決まってるでしょ。ね?」

希「せやねー…」




どこか


穂乃果「…電車代で財布すっからかんだよ…」

穂乃果「折り返しの電車に乗るわけにもいかないし…」

穂乃果「仕方ない。線路を辿って歩いていけばいつか帰れる!」


穂乃果(この時の穂乃果はわざわざ降りないで反対車線の電車に乗り換えればいいってことに気づいてなかった)

穂乃果(でも本当はそれはやっちゃいけないことなんだよ!)

穂乃果(いくら困っててもルールは守らないとね!穂乃果との約束だよ!)

別荘内


凛「へっくちゅっ!!」

にこ「ぶえっくしょいっ!!」


絵里「…あの、なんで二人共びしょ濡れなの?」


にこ「わかんない…。何かしてたら川に落っこちたのよね…」

凛「記憶があいまいみーだにゃ…。あびゃー」

希「あ、暖炉火付いてるね。これで泥棒避けバッチシ!」

にこ「少しは心配してよ!」

絵里「静かにしないと、上で海未たちが作業してるわよ」

にこ「あ、そっか…」


ガチャッ


花陽「お茶持ってきたよー。はい、にこちゃん」

にこ「ありがと…」

花陽「凛ちゃんもどうぞ」

凛「かよちんのおちゃー…」

花陽「あとは上の二人…あれ?真姫ちゃんは…?ピアノのところにいないね」

絵里「さぁ?」

花陽「うーん、どこいったのかなぁ」


2階


花陽「うわぁ、静か。集中してるのかぁ」


コンコン

花陽「海未ちゃーん…」ガチャッ

花陽「あれ…?いない…」


花陽「はっ…!置き手紙…!?」

花陽(そこに書かれていた文字は…!?)




  >>220ください…

                 海末

おうどん



  おうどんください…

                 海末



花陽「おうどん、ください…うみまつ…」

花陽「ってうみまつっ!?うみまつって誰!?」

花陽「まさか海未ちゃんの部屋に謎のオジサンうみまつさんが侵入して海未ちゃんをさらって行った…!?」

花陽「このおうどんくださいはその犯行声明文…!?そ、そっか…!」

花陽「『おう、こんな男に大事な仲間をさらわれるなんてどんくさいダサいやつらだな…!』の略で…」

花陽「『おうどんください…』なのかぁ!!!」


ガチャッ


花陽「大変だよことりちゃん!海未ちゃんだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?!?!?!」

花陽「ことりちゃんの部屋の額縁にカタカナ四文字で謎のメッセージが!?」

花陽「その4文字とは…!」


>>224-227(カタカナ一文字ずつ)

花陽「ボサノバ…!?」

花陽「ことりちゃんは陽気な音楽に飢えていた…!?」

花陽「あっ!よく見るとカーテンを結って縄梯子を作ってる…!」

花陽「窓の外には…」




後に彼女はこう語る…。


花陽(15)「あの光景を見たとき…ねェ…」

花陽(15)「いやァ…夢かと思いましたよ」

花陽(15)「なにせ…」



ことり「じゃんじゃかじゃんじゃかじゃんじゃかじゃーん!!」バシィッズバシィッ

海未「お饅頭をっ…!おうどんをくださいっ…!!」

真姫「イヤァァァァァァァァァァァァァァァッ!!ヘルプミィィィィィィィィィィィッ!!!」



一人はギターをかき鳴らしながら器用に真姫ちゃんの頭をしばいていて、

もう一人は異様な形相でヨダレをたれながしながらお饅頭とうどんを欲しているんですもの。




花陽(15)「あれは…当分忘れられそうにありませんよ。えぇ…」

花陽(15)「まァ…見た瞬間に気を失っちゃったンですけどねェ…へへへ」

花陽(15)「え?一瞬にしてはやけに長いこと見ているように感じる?スクールアイドルなんだからそれはない?」

花陽(15)「口を慎みたまえ。ウソは言ってません。数瞬を詳しく語っているだけです」




ラブライブ!(アイキャッチ)

真姫「遅くなっちゃったけどCMまたいだから今日はここまでよ」

凛「始まるのも遅ければバカみたいにいろいろ詰め込んだせいで時間食っちゃったにゃ…」

真姫「リスのところカットしてこれだからね」

凛「最後ボスケテが来るかと思ったらまさかのボサノバだよ」

真姫「ボサノバをどう表現していいか迷ったわ。…結果エラいことになってるけど」

凛「ちなみに海未ちゃんの名前を海末と書いてるのはアニメでも同じなんだよ!」

真姫「気になる人はラブライブ!2期二話アニメ放映版をチェックよ!」

凛「じゃあ今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「次に電車の中に置いていかれるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!」」

続きやっていくぞオラァ

別荘内1階


一同「スランプっ!?」


ことうみまき「…」ションボリ


絵里「つまり大富豪やババ抜き…」

希「それトランプ」

凛「ぺったんぺったん貼り付ける…」

希「それスタンプ」

花陽「火をつけて明るい…」

希「それランプ」

にこ「…ぐ」

希「なんも言わんのかい」

にこ「い、今までよりも強いプレッシャーがかかっちゃってるのね!?そうなのね!?」

希「話ずらしおった」

海未「はい…、気にしないようにはしているのですが」

ことり「うまくいかなくて予選敗退になっちゃったらどうしようって思うと」

花陽「その結果があの状態になるの…?恐ろしい…」

真姫「コワイ…コワカタ…ぐすん」

凛「おーよしよし怖かったねー」

海未「申し訳ありません…。どうしてもお饅頭とおうどんが欲しくて…」

ことり「ボサノバを弾き語りながらしばきたくなって…」

花陽「…でも確かに、三人に任せきりって言うのは良くないかも」

絵里「そうね…。責任も大きくなるから負担もかかるだろうし」

希「じゃあみんなで>>235出し合って>>237しながら曲を作っていけばいいんじゃない?」

アイデア

メタルギアソリッド3最高難易度ノーキルノーアラートクリア

希「じゃあみんなでアイデア出し合ってメタルギアソリッド3最高難易度ノーキルノーアラートクリアしながら曲を作っていけばいいんじゃない?」

にこ「そうね、せっかく9人揃ってるんだしみんなでアイデア出しつつMGS3SNAKE EATERのヨーロピアンエクストリームでBIG BOSS狙いながら…」

にこ「ってなんでやねーん!!」

絵里「図ったかのようなノリツッコミね」

にこ「大体MGS3って…PS2もないのにどうやってやるのよ!」

希「ふふ!ちゃんとHDエディションVita版を持ってきてるんよ!これならMGS2も遊べてとってもお得!」

にこ「まぁ!一つのソフトで2つのゲームが遊べるのね!」

希「今ならbest版も発売中!DL版なら単品からの購入もできるんよ!」

にこ「今すぐお店へ急げ!」

絵里「宣伝乙。…って、待って…。今までのにこのセリフで引っかかるところが…」

絵里「…9人…?っは!そうだわ!」

にこ「しょうがないわねー!私としてはやっぱりにこにーにこちゃんに曲をつけて…」

希「そんなん言ってたらいつまでたっても決まらないよ?…で、えりち。何言おうとしたん?」

絵里「…今ので忘れちゃったわ。…あ!そうだわ!」






絵里「それじゃあ3班に分かれましょう」

絵里「ことりを中心に衣装を決める班と…」

絵里「海未を中心に作詞する班」

絵里「そして真姫を中心に作曲する班」

海未「…8人しかいないのですが割り切れませんよ」

絵里「一つは仕方ないわ。二人でやってもらいましょう」

絵里「じゃあくじ引きで班を決めるわよ。引いていって」


絵里「えー、くじ引きの結果」

絵里「ことりの班には>>239(一人or二人)」

絵里「海未の班には>>240(上に被らず上が一人場合二人、上が二人の場合一人or二人)」

絵里「真姫はその余り、になるわね」



(当然のように穂乃果はいないので入れないでね)

絵里

にこ

ことりに絵里
海未ににこ&ぱなよで行きます

絵里「じゃあことり班には私」

絵里「海未班ににこと花陽」

絵里「真姫班は凛と希に決定ね」

花陽「な、なんだかすごく新鮮な組み合わせだね…」

海未「…花陽とにこですか…。ついてこれるでしょうか」

花陽「へ?何に…?」

にこ(…今日の夜に真姫ちゃんとアレやコレをやる予定だったのにこれじゃあ計画が狂うわ)

にこ(夜になったらユニット抜け出してやるんだから…)

ことり「じゃ、頑張ろうね♪絵里公」

絵里「エリコーって…」

凛「よし!真姫ちゃん、凛と一緒に頑張るにゃー!」

希「うちらと居れば日本語もすぐに覚えられるはずやよ!」

真姫「ワ、ワカッタニャー。ウチヤルンヨー」

海未「あそこに真姫がいると間違った日本語を覚えてしまいそうで怖いです」

絵里「よし、じゃあユニット作戦で曲作り、頑張るわよ!」

一同「「おー!!」」

真姫「オー…」



一方その頃穂乃果

どこかの町


穂乃果「歩くの疲れたぁ…」

穂乃果「でも所持金100円しかないからバスにも乗れないよ…」

穂乃果「喉渇いたなぁ…。…あ!あれは…」

穂乃果「チェリオの自動販売機!全品100円のやつだ!ラッキー!」チャリーン

穂乃果「ごくごく…、ぷはーっ!蘇るー!このわざとらしいメロン味!」

穂乃果「よーし!もう少し頑張ろー!おー!」



真姫チーム

別荘前


凛「じゃあ凛たちはここでテント張って真姫ちゃんの作曲を手伝うにゃ」

希「うわー、凛ちゃんテント張ってるん?やらしーなー」

凛「は?」

真姫「テントハッテル…。ヤラシイ…?ドーユーイミ?」

希「ん?えっとねー」

希「テント張ってるって言うんは>>244って意味で、やらしいは>>245って意味やねんよ」

くぱぁ

[ピーーー]

46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/10/25(火) 11:23:41.71 ID:gR4ipsJh0
101 名前: ( ´∀`)ノ7777さん 投稿日: 04/02/27 21:13 ID:P/GMKPjD

羽田空港で所持金200円 どうしよう・・だれか助けてください

109 名前: ( ´∀`)ノ7777さん [] 投稿日: 04/02/27 22:21 ID:Lcms1L1u
>>106
友達に銀行に金振り込んでもらったら?UFJなら振込みも24時間できるんじゃなかったっけ?

間違ってたらごめんね。

111 名前: ( ´∀`)ノ7777さん 投稿日: 04/02/27 22:29 ID:P/GMKPjD
>>109
空港の銀行って21時までしかやってないんだよお

しかも東京でてきたばかりでつ
喉がかわいたよお

116 名前: ( ´∀`)ノ7777さん 投稿日: 04/02/27 22:54 ID:P/GMKPjD
残り80円・・

もうだめぼお

117 名前: ( ´∀`)ノ7777さん 投稿日: 04/02/27 22:57 ID:CLIJPtah
>>116
ジュース飲んでんじゃネーヨはげ!!


貼れと言われた気がした
後悔はしている

希「テント張ってるって言うんはくぱぁって意味で、やらしいは[ピーーー]って意味やねんよ」

真姫「…?」

凛「どっちとも日本語だから通じてないにゃ」

希「おっと。…テントハッテルイズクパァ。ヤラシイイズ[ピーーー]」

真姫「アー…。オッケー」

凛「今のでわかったの!?何も変わってなかったよ!?」

真姫「凛、ウルサイ。ヤラシイ」

凛「ひどい!」

希「じゃあうちらは料理でも作っとこか。真姫ちゃんが少しでも進めるように」

真姫「リョウリ…?ア、クッキング!オー!希、テントハッテル!」

凛「真姫ちゃんはくぱぁを一体どういう理解の仕方したんだにゃ…」

希「照れるわー」

凛「照れんな」



ことりチーム

河原前 テント内


ことり「…」カキカキ

ことり「…はぁぁぁ」


絵里「どう?進捗はあった?」


ことり「あ、絵里公。うーん…、なんだろう。落ち着かないよ」

ことり「…何か大事なものを忘れているような気がして」

絵里「そう?なら息抜きに外の空気も吸ってみたらどうかしら。気分が落ち着くかも」

ことり「そうだね」



ことり「すぅーっ…、はぁー…」

ことり「うーん、気持ちいいねー」

絵里「そうね…。あ、そうだわ。これなんかどうかしら」

ことり「これって?」

絵里「さっき森の中で摘んできたの。お花。きれいだなって思って」

絵里「同じ花なのに一つ一つ色が違って…」

ことり「絵里公の感想とか求めてないんだけど。花とか見ればわかるし。なんて名前の花なの?」

絵里「あ…ごめんなさい。…名前?」

絵里(…知らないんだけど。でも博識って感じのキャラで通ってるしここで正直に白状するのも)

絵里(テキトーにホラ吹いちゃえ)

絵里「この花は>>249って名前で花言葉は>>251なのよ」

はげいとう

いつまでも恨みます

絵里「この花の名前はハゲイトウっていうの。面白いでしょ?」

ことり「ハゲイトウ…?ふざけてるの?」

絵里「ふ、ふざけてないわよ!本当にあるの!ハゲの伊藤さんは関係ないんだから!」

絵里(この花がそうだとは限らないけど)

絵里「そして花言葉はいつまでも恨みます、なのよ。やー、なんて悲哀に満ち満ちているのかしら」

ことり「その花言葉知っててよく摘んできたね。デリカシーや情緒の欠片もないんだぁ」

絵里「…」

ことり「あとハゲイトウはこんな白くないし花言葉は不老不死や情愛だよボケ舐めんな」

絵里「」

ことり「でもこれは参考になりそうだから褒めてあげるね。よく出来ました」

絵里「ありがとうございますっ!!恩に着ます!!」



海未チーム




にこ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」


海未「にこ!絶対にこの腕を離してはいけません!!死にますよ!!脳症撒き散らかして死にますよ!!」

にこ「やだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!今日はこんなのばっかりだわぁぁぁぁぁぁっ!!!」

花陽「ファイトが足りないよにこちゃんっ!!」グイグイ


にこ「ひぐっ、ひぐっ…。もうお嫁にいけない…」


花陽「山に雲がかかってきたね。もう山頂まで行くのは無理みたい」

海未「そんな…。ここまで来たのに…」

にこ「ひどいわ!にこはこんなところ来とうなかった!」

海未「仕方ありません。今日はここで明け方まで天候を待って翌日アタックをかけましょう」

海未「山頂アタックです!!」

にこ「まだ行くのぉぉぉぉぉっ!!?!?!?」

海未「当然です。何しにここに来たと思っているんですか!」

にこ「>>253に来たはずにゃあああああああああああ!!」

CM取りに

にこ「CMを取りに来たはずにゃあああああああああああ!!」

海未「えっ!?」

にこ「まさか忘れてたんじゃないでしょうね!?」

海未「そ、そんなわけ無いでしょう!私が忘れるなどと…」

花陽「え?そうだったっけ?」

にこ「そうよ!ここで素敵なキャッチコピーのCMを取りに…」

花陽「そう言われればそうだった気もしなくもないかな…」

海未「しかしカメラは下に置いてきてしまいました…。仕方ないですね。下山しましょう」

花陽「え、ここまで来たのに降りていいの?」

海未「何言ってるんですか。我々は登山しに来たのではないんですからいいに決まってるでしょう」

花陽「自分から登り始めたのになにを言ってるの」

にこ「…CMなんて取る予定だったかしら」



一方その頃穂乃果は…


どこか


穂乃果「はぁー…、はぁー…。ダメだぁ…。もう糖分切れだよ…」

穂乃果「せめて水…。大量に水が飲みたい…」

穂乃果「でもここら辺何もないし…。水道さえあれば…」

穂乃果「…くんくん。…あれ?」

穂乃果「あっちから水の匂いがする…。それと甘い香りも…」

穂乃果「じゅるっ…。山奥だけど、最後の体力を振り絞って…ぐぬぬぬ…」ノッサノッサ






パチパチ…(焚き火)


凛「希ちゃ…」

希「ごめん待って今ジ・エンド戦やから」

真姫「希…」

希「あー!真姫ちゃんが声出すから逃げたやん!…うちテントん中戻るわ」ソソクサ

凛「そのゲームに音声認識機能はついてないと思うよ…」

真姫「…ハァ。ア、凛。…スコシ、イイ?」

凛「なになに?どうしたの?」

真姫「…ゴホン。エート…」

真姫「今度は発音も勉強してみたの。…どう?」

凛「うおー!真姫ちゃんすごい!完璧にゃ!スゴイスゴイ!」

真姫「スゴイ?…ヘヘ、ウレシイ」

真姫「…モット、ベンキョウシテ、メイワク、カケナイヨウニ、シナイト…」

凛「え?…真姫ちゃん、今迷惑って言った…?」

真姫「へ?」

凛「真姫ちゃん。真姫ちゃんが日本語喋られなくなっても、みんな迷惑だなんて思ってないよ」

凛「大変だったり、フォローし合うのはそりゃ必要だけど。でもその分みんなの絆が深くなるの」

凛「だから、今の真姫ちゃんが迷惑かけてるなんて思わないで。真姫ちゃんはいつもの真姫ちゃんみたく、ちょっとワガママでいてくれればいいんだよ」

真姫「凛…」

真姫「…ナガイ。ワカラナイ」

凛「…いいこと言ってたのに全然通じてないにゃ」

凛「あーもういいよ!やっぱり言葉を抜いて繋がるにはこれしかないにゃ!」モサッ

真姫「な、ナニ?」

凛「焼き芋だにゃ!焼き芋」

真姫「ヤキイモ?」

凛「食べたことない?はい」

真姫「わっ…、つっ!ホットホット!!ふー、ふー…」

真姫「…」ポキッ

真姫「ハイ」

凛「にゃ?」

真姫「凛ノブン」

凛「あ、ありがとにゃす。もぐもぐ…」

真姫「あむっ…。んー!ヤミー!」

凛「おいしいにゃー!」



希「ん?なになに…」

希「あっ!焼き芋食べてるやん!!ずっこ!!」

凛「うわっ!ち、ちゃんと希ちゃんの分もあるよー!」

希「はよよこすんやー!」

凛「にゃぁぁぁっ!!焚き火の近くで暴れるとあぶな…わぁぁぁぁぁ!!髪の毛ちょっと燃えたあぁぁぁ!!」



真姫「…ふふっ」




一方その頃穂乃果


山道



穂乃果「はぁ…、はぁ…。もう少し…」

穂乃果「お水…。お水…」

穂乃果「…あ、灯りが…。声も聞こえる…」

穂乃果「あと、ちょっとぉ…」ノッサノッサ

ことりチーム

お風呂


ことり「はぁー…。こんなところにお風呂があったなんて…」

絵里「気持ちいいわねぇ…」

ことり「…あー、どうしよう」

絵里「ん?何が?」

ことり「衣装のデザイン…、まだ出来てない…」

絵里「あー…。どうかしら」

絵里「でもきっとうまくいくわ。だって私たち…」

ことり「気休めとかいらないんで」

絵里「…はい」    ノッサノッサ…

ことり「…何かビシッってくるものさえあれば…」

絵里「…ん?何か聞こえない…?」

ことり「何かって?」

絵里「…わからないけど、今足を引きずるような音が…」


ダダダダッ…


絵里「…は、走り出した!?こっちに近づいて来るわ!?」




「みずぅぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」


ドバッシャァァァァァァンッ!!




ことり「きゃぁぁぁっ!!?!?!?」

絵里「ななな、なにぃぃぃぃぃっ!!?!?!不審者!?」


「はぁはぁ…。ごくごく…、って熱っ!これお湯じゃん!!」


ことり「その声…、も、もしかして…」

絵里「穂乃果っ!?」


穂乃果「…あ!ことりちゃん!絵里ちゃん!!ひどいよっ!!電車に置いてくなんて!!」


絵里「どうやってここまで…」

穂乃果「終点駅から歩いてきたんだよ…。あぁ、疲れたぁ…」

穂乃果「あ、これお風呂?はぁ…気持ちいい…」

ことり「穂乃果ちゃん公待って!座っちゃダメ!」

穂乃果「へ?」

絵里「ど、どうしたのよことり…」

ことり「この山道を登ってくる際に頭に付着した花…。よれよれで肩までずり落ちちゃった服…」

ことり「これだよっ!!!」

海未チーム


草むら



にこ「星が綺麗ねー」

花陽「そうだねー…」

にこ(…こう川の字で寝られると流石に抜け出せないわ…)

にこ(ごめん真姫ちゃん…スピード結婚は無理みたい…)

海未「二人は星座とか詳しいんですか?」

花陽「え?星座かぁ…。うぅん、全然。お米座とかあるのかな?」

にこ「あ、にこ知ってる!アレガ、デネブ、アルタイル、ベガの大四角形よね!!あの星!」

海未「…デネブアルタイルベガは三角形です。そして夏です。星座でもないです」

にこ「なっ…。く、詳しいのね」

海未「私もそれほど詳しいわけではありませんが…。しかし星空を眺めているといい詩が浮かんできそうです…」

海未(この満点の夜空…。ふむふむ…情緒たっぷりでインスピレーション湧いてきました…)

海未(今なら行けます…!)

にこ「あ、詩といえばちなみににこにーにこちゃんはねー」

花陽「ふんふん、どんなの?」

にこ「にこにーにこにこぴっぴろぴー。かわいいにこちゃん超ぷりちー」

にこ「愛してるって2525回言ってくれないとにこにービームで成敗しちゃうぞ!…って詩なの。どう?」

花陽「ドブネズミでも食わないような生ゴミをさらに50年ほど腐敗させたものにドブ川の水を練りこんでミキサーにかけたようなクソみたいな詩だね。いいと思う」

にこ「…」

海未(情緒も何もあったものじゃないです)

海未「…あっ」


~♪


海未(ピアノの音…。これは…)



別荘内


真姫「…」

真姫(今の私も、迷惑じゃない…。いつもの私でいい、か…)

真姫(言ってることはさっぱりわかんなかったけど、通じたわよ。…凛)



別荘前


海未「あ…」

ことり「あ」

海未「…行きましょうか」

ことり「うん」

翌朝


ことりチーム

テント


絵里「むにゃむにゃ…、ん…、あれ?誰もいない…」

絵里「…っは!また穂乃果が行方不明!?」



穂乃果「…むにゃむにゃ…」

穂乃果「んっ…、ほわー…。うぅ…、あれ、ここは…」

穂乃果「なんか頭に柔らかいものを感じる~…」

希「穂乃果ちゃ…、重…」

穂乃果「…まいっか。寝よ…。くかー…」

希「助け…」

凛「ふ、二人共起きるにゃー!真姫ちゃんがいない!」


花陽「り、凛ちゃんっ!大変!海未ちゃんが…」

凛「そっちも!?」

絵里「こっちはことりもいなくなってたわ…」

にこ「まさか…」

希「…3人で集団心中やなんて…」

穂乃果「えーっ!?穂乃果の知らないうちにそんな大変なことに!?」

希「いやそんな兆候はなかったけど…」

にこ「というか穂乃果、いたっけ?」

穂乃果「昨日の夜来たんだよ!死ぬかと思ったよ!」

花陽「ま、まぁまぁ…。今はそれより3人を探そう?」

別荘内


ドアガチャッ


一同「…あ」



海未「くかー…」

ことり「ふみゅぅ…」

真姫「…すぅ」



にこ「…まったく、しょうがないわね」

希「ふふ、ゆっくり寝かせといてあげよっか」

絵里「そうね。でも起きたらすぐ練習よ。…みっちりね」

凛「わぁ…。曲できてるにゃー…」

穂乃果「衣装のデザインも!」

花陽「歌詞も…あれ?」

花陽「…これCMのキャッチコピー集だよ…」

絵里「…海未だけは今起こしましょう」



海未「ぬおぉぉぉぉぉっ!!!作詞なんて聞いてませんよぉぉぉぉっ!」カキカキ

凛「ここには作詞に来たはずにゃあ…」


海未「出来ました…」チーン

希「魂抜けてるよー」

真姫「…ふわぁぁぁ…。オハヨー…」

ことり「おはよー」

絵里「あ、二人共起きたわね!じゃあみっちり練習と行くわよ!」

海未「…寝させて…ください…。ぐふぅ…」



海未「うぇー…」

海未の霊魂『ワンツースリーフォーファイシッセブエイッ!!まだまだ行けますよ!!』

穂乃果「うわー…。海未ちゃんの魂は元気だね…」

にこ「早く戻してあげないとホントに現世から離れていっちゃうわよ…」

絵里(それから電車で帰った私たち…)


数日後…


「うわー、ライブだぁ…!」「行かないとねー…」


海未「ふふ…」

ことり「…うんっ!」



屋上


海未「ワンツースリーフォーファイシッセブエイッ!ワンツースリーフォーファイシッセブエイッ…」



にこ「ふふっ、この間の合宿からみんなの士気も向上したみたいで練習に身が入るわね」

真姫「ソウネ。私モソウ思ウワ」

にこ「おっ!真姫ちゃん日本語上手になってる!」

花陽「戻ってきてからすごく勉強したんだよね!」

真姫「モウ聞ク分ニハパーペキヨ!」

花陽「時々日本語おかしいところもあるけどね…」

にこ「でもこれで大体は解決したわね!よーしっ、それじゃ…」

にこ「…あれ?でも何か…足りなくない?」

花陽「え?そうかな…?」

真姫「にこチャン。リストバンド、ナイ」

にこ「あ!ホントだわ…。きっとリスか何かに持ってかれちゃったのね…。やられた…」

花陽「あ、海未ちゃんが呼んでるよ!点呼だって!」


海未「それでは番号はじめ!1!」

ことり「2!」 真姫「3!」 凛「4!」 花陽「5!」 にこ「6!」 絵里「7!」 希「8!」

海未「9!…はい、揃っていますね!では今日はここまで!解散です!」






一方その頃…


穂乃果「…どこここ」

穂乃果「すいません、ここどこですか…」

「what?Oh,pretty girl!!What your name?」

穂乃果「わかめ?わかめのお味噌汁なら好きですけど…」

穂乃果「ふぇーん!!何言ってるかわかんないよーっ!!もう電車の中で寝るのは懲り懲りだー!」





うろライブ! 第二話

おわり

真姫「というわけでうろライブ!二話をお送りしたわ」

凛「日本語を使えないネタは難しいにゃ…」

真姫「あと必然的に全員を喋らせる必要があるからね。そこも難しかったわ。脚本家って大変ね」

凛「どうして映像を見ているだけの凛たちがこんな感想を持つのか意味がわかんないよ」

真姫「まぁ細かいことはいいじゃない。さて、今回のことは忘れて次回の忘却安価に移るわよ!」

凛「次回といえば…A-RISEだね!」

真姫「今回も3話でライブ…。しかもA-RISEも含めれば一話の中でライブを2回もやっちゃうなんて…」

真姫「アニメーション業界では3話に衝撃的なものを持ってくる的なセオリーでもあるのかしらね」

凛「そこらへんでつかみを良くするとヒットしやすいんじゃないかにゃ?」

真姫「じゃあ次回は掴みのよい感じの話になるといいわね」

凛「ってかさ、忘却安価誰にするか決めようよ早く」

真姫「って言っても…次回は特に誰が目立つってそんななかった気がするのよね…」

凛「あっ!じゃあA-RISEの綺羅さんが出てきた時にUTXに走っていった3人でどうかな?」

真姫「綺羅ツバサに連れられた穂乃果と…、それとにこちゃんと花陽ね。じゃあそうしましょう」

真姫「その3人への忘却を考えてね。…あと一度使った忘却はなるべくナシで」

凛「もう日本語忘れるなんて二度とゴメンにゃ…」

真姫「それじゃ今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に綺羅ツバサさんに腕を引っ張られるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」




穂乃果が忘れること >>265

にこが忘れること >>266

花陽が忘れること >>267

帰る場所

皆寝てるな
連続で安価取るのはおもしろくないし
安価は下

A-RISE

深夜におはようございます私です 二日ぶりににゃっぱらぱー
間開けて申し訳ないけどもしライブ!の話練ってたとかじゃなくてリアル事情とやる気の問題なので
つまるところ最序盤の展開しか考えてないけどそれもいつものことなので今回もノリで乗り切る
それじゃ始めていきまっしょい

真姫「…さっきまで寝てたわ」

凛「こたつは暖かくて眠たくなっちゃうよねー」

真姫「流石に3日開けるのはよろしくないと思って今日更新する予定だったのにこんな時間に…」

凛「へーきへーき。もしライブ!ならやる気さえあればいつだってできるよ!あとは勇気で補えばいいんだにゃ!」

真姫「そうね。最後に勝利するのは勇気あるものだものね」

凛「てなわけで今回からもしライブ!第3話をお送りするよ」

真姫「もしライブ!には前回の振り返りが最初につくからやっぱりここの部分いらないんじゃないかしら」

凛「でもなかったらなかったでなんかメリハリ?つかないからこうやって無駄なこと食っちゃべってるんだよ」

真姫「まっ、なんて非生産的なんざんしょ。じゃあとっとと始めるわよ!」

凛「もしライブ!第3話!スタートにゃー」

前回のもしライブ!(CV小泉花陽)デン


別のクラスで同じ歌手先行の不思議な子、西木野真姫ちゃん。

彼女の前で私の気持ちを伝えたら、なんと…!



花陽「新しい、スクールアイドル…!?」

真姫「えぇ」

真姫「それを、私たちで結成しよう、ってことよ」

花陽「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!!?!?!?!」



スクールアイドルに誘われちゃった!

いきなりの誘いは嬉しかったけど、まだ心の準備が出来てない私には決断する勇気がなくて…。

お試しで真姫ちゃん指導のもと、スクールアイドルの練習をやってみたんだけど…。



花陽「う、うぅぅぅ…じゃあ明日も…?」

真姫「もちろんよ!」

花陽「ううぇえええ…」



スクールアイドルになるための具体的な目標。

私が練習に必死になれないのはそれが足りないと見抜いた元生徒会長の東條先輩は真姫ちゃんに進言する。

必死に考え抜いたすえたどり着いた解決策、それは二人で秋葉原に行くことだった!



真姫「あなたたちの夢見た、すべてが輝かしいアイドルはここにあるんだって!もう、誰も二度と絶望しないように!」

真姫「私たちが、世界に知らしめるの!」



みんなの夢見たスクールアイドル、それが現実にあるものだって示す…。それが私の目標となった。

そして、そこまでたどり着けたなら、きっと凛ちゃんも…。

凛ちゃんも戻ってきてくれるよね?







花陽「え、えと…行きます!べ、別のクラスで同じかしゅしぇんこdrftgyふんじm…」

真姫「やっぱり噛んじゃうわよね」

翌日 月曜日

UTX学院 ロッカー前


真姫「…」

真姫「…っよし」

真姫「はぁぁぁっ!!」

ガチャリッ

真姫「…」

真姫「…とりあえず、何もナシ、か…。ふぅ…」


真姫(先週末に花陽親衛隊の3人を敵に回しちゃったからロッカーに虫でも入ってないかと不安だったけど…)

真姫(どうやらそれは回避できたようでなによりだわ。…まだいじめがないと決まったわけじゃないけれどね)




1年E組


ガチャッ

真姫「…っようございまーす…」

真姫(目立たないように小声で挨拶しながら空気のように席に着く)

真姫(…つもりだったのに)


真姫「げっ…!」


花陽「あっ!真姫ちゃーんっ!!おはよー!」


真姫「んなっ…!!」

真姫(何故か花陽が私の席に座ってる!何してんのよあの子!)


花陽「おっはよー!」

真姫「お、おはよ…」

真姫(うぅ…、周りの視線が痛い…。あなた1年生ではそこそこ有名人だって自覚しなさいよ…)

真姫(『あの子、小泉さんだよね…』『西木野さん知り合いなのかな…』みたいな声に耐え切れずいたたまれなくなって私たちは一旦廊下に逃げ出した)



廊下


花陽「…どうしたの?いきなり廊下に連れ出したりなんかして…」

真姫「あなたねぇ…。はぁ…」

真姫「…どうして私の教室が分かったの?」

花陽「ん?あー、それはね」

花陽「ひたすら別の教室の人に訪ねて回ったの!西木野さんってこの教室ですか?って」

花陽「そしたらE組が真姫ちゃんの教室だって分かって、ついでに席も教えてくれたしまだ来てないみたいだから座って待ってようかなって」

真姫「私の席に座る必要はないでしょ…。教室の外で待っててくれたらいいのに…」

真姫(おかげでまた少し目立ってしまった…。この子は時々引っ込み思案なのかそうじゃないのかわからなくなるわね)

真姫「…それで?わざわざ私の教室まで来てなにを伝えたかったの?」

花陽「え…?別に伝えたいこととかは特に…」

真姫「え」

花陽「こうやって朝から真姫ちゃんとお話したかったの。アイドルの話できる友人は貴重でね…えへへ」

花陽「ほら!昨日真姫ちゃんと一緒に買ったお揃いのストラップ!ケータイにつけてきたの!」

真姫「あ、あぁ…そうなのね」

花陽「それでねぇ…ほら!二人でアイドル衣装で撮った写真!財布に貼ってあるんだぁ…」

花陽「むふふ…もうこれ一生の宝物にするね…。でへへへへ…」

真姫(…よっぽど気兼ねなくアイドルの話ができる友人が欲しかったらしい)

真姫(中学生までの彼女にとってそれは星空凛であったわけだから、今のこの子にとっては私が凛の代わりみたいなもの…)

真姫(そりゃここまでデレデレになるのもわからなくはないけどね…)

真姫「…ちょっと恥ずかしいわね…。凛と二人でいるときの花陽ってこんな感じなんだ…」

花陽「ふぇ?何か言った?」

真姫「なんでもない。それより、花陽。ちゃんとスクールアイドルになる決心は固まったのよね?」

花陽「あっ…。…うん。私、やってみたい。どんな結果になるかはわからないけど、でも私の夢見たスクールアイドルが本当に出来るなら…」

花陽「アイドルに絶望しちゃったUTXの人たちだけじゃなくて、日本中のみんなに知ってもらいたいの!」

花陽「あなたの夢見たアイドルは、嘘じゃないんだよって!」

真姫「…えぇ。そのとおりよ」

花陽「だから私…、頑張る!少しくらいしんどくてもめげないから!そ、それに…」

花陽「今なら真姫ちゃんもいるし…ふふ…」

真姫(花陽、あなたのその表情は恋する乙女しかしちゃダメなやつよ。ちょっと怖いからやめて)

真姫(…とは言えず)

真姫「え、えぇ…。一人より二人よね!団結してやっていきましょう!」

花陽「うんっ!ふぁいおー!」

真姫「お、おー…」


キーンコーンカーンコーン…


花陽「あ、チャイム鳴っちゃった。じゃあ私クラス戻るね」

真姫「あっ、その前に…。二人きりで話すためにこうしてわざわざ会うのも非効率だし…」

真姫「トークアプリのIDを交換しておきましょう。これでいつでも会話できるわ」

花陽「あ、そだね!…でも私はこうして二人きりで話すのも…」

真姫「…何か?」

花陽「うぅん!はいこれ私のID…」


真姫「はい、完了っと」

花陽「そろそろ戻らないとホームルーム始まっちゃうよぉ…」

真姫「そうね、それじゃぁ…」


真姫(その時だった)


ゾクゥッ…!!


真姫「…っ!!!?」

真姫(背後から怖気が…!)

真姫(少し気を許したら一瞬で心臓を突かれそうな、そんな冷たさ…!!)

真姫(瞬間的に私は、花陽を庇うように振り向いた)


真姫「…っ!!」バッ

花陽「きゃっ!!な、何…?真姫ちゃ…」


真姫(そこに立っていたのは…)



穂乃果「…」


真姫「ぁ…」

真姫(穂乃果…)


穂乃果「…えっと」

穂乃果「ごめんなさい。声をかけようとは思ったけど、そこまで驚かれると正直ビックリ…」


真姫(今のは、穂乃果…?)

真姫(先ほど感じた冷たさは今はなりを潜めて、何も感じなかった)

真姫「あ…、ご、ごめんなさいこちらこそ…」

穂乃果「あ、うぅん!いいの。急に話しかけようとした私が悪いから」

穂乃果「もうチャイムなってるから教室戻らないとダメだよーってね」

真姫「あ、あぁ…。そうね…。ありがとうござ…」

花陽「きゃぁあぁぁぁっ!!!」

真姫「っい!?!」

真姫(今度は一体何!?)


花陽「ほ、ほ…」

花陽「穂乃果さまぁっ!!!高坂穂乃果さんですよね!!現生徒会長の!!」


穂乃果「え、あ…。うん…」

花陽「そして今はA-RISEバックダンサーのセンター!時期A-RISE候補No.1!!」

花陽「こ、こんな一年生の教室の前でお会いできるなんて光栄ですっ!!握手してください!!」

穂乃果「…もうチャイム鳴ってるって言ってるよね?」

花陽「あ…。そ、そうでした…。非常識ですよね…。ごめんなさい…」

穂乃果「あは…。なんて、いいよ握手ぐらい。これからもよろしくね?」サッ

花陽「…っ!あ、ありがとうございますっ!!」ギュッ


真姫(…ルールを厳しく守る…。彼女の生徒会長演説ではそんなことを言っていたけれど…)

真姫(こうしてファンの子にはちゃんと応えてあげるのね…。いいのかしら)

花陽「真姫ちゃんもしてもらいなよ!握手!面と向かって話せる機会なんてそうそうないんだよ!」

真姫「え、あ、あぁ…。そうなんだ…。じゃあお願いします…」

穂乃果「ふふ、はい、よろしくね」ギュッ

真姫(彼女の手は暖かく、両手で私の手を包み込むように握手してくれた)

真姫(…もしかしたら彼女も、生徒会長のときはあんなでも、本質はそれほど変わってないのかも…)

穂乃果「…あなた、真姫ちゃん、って言うんだね」

真姫「え…」

穂乃果「そっちの子がそう言ってたでしょ?」

真姫「あ、あぁ…。はい、そうです…。私は西木野真姫。彼女は小泉花陽」

花陽「あっ、花陽といいますっ!これからもファンでいたいと思ってます!」

穂乃果「花陽ちゃん、と…真姫ちゃんね。うん、これからもA-RISE共々、応援よろしくね」

穂乃果「それじゃ、私はこれで」スタスタ

花陽「はいっ!ありがとうございますっ!!」

花陽「…あはぁー…。まさか穂乃果さまに会えるなんて…」

真姫「同じ学校の上級生なんだから簡単に会えるものじゃないの?」

花陽「そ、そんなことないよ!バックダンサーの人たちにもファンはいっぱいいるんだもん!」

花陽「そんな人たちが一斉に会いに行くとパニックになるでしょ!だから原則こっちから会いにいくのは禁止されてるんだ」

真姫「そうなのね…」

花陽「もちろん顔見知りの人がアイドル関係なく話したり、生徒会の件を伝えたりは自由だけど、私たち1年生にはそんな接点はないから…」

花陽「あぁやって話しかけてもらえるのはすごく珍しいんだよ!むふふ…レアな体験しちゃったなぁ…。もう手洗わない…!」

真姫「それは汚いからやめなさい。…それにしても、学内でも自由に会うこと禁止、なんてね…」

真姫(やっぱり、A-RISEやその周りに対する憧れ、それに関しては徹底して管理をしている)

真姫(自由に会えるより、ああして偶然話しかけられたりする方が希少性が高くて嬉しくなるものだし)

真姫(近くにいながらも、会えないアイドル、ね…)

花陽「むふふふふ~…」

真姫「…それより花陽。もうとっくにホームルーム始まってるんじゃない?」

花陽「えっ…あぁっ!!ホントだ…!!真姫ちゃんも急いだほうがいいよ!じゃあね!」タッタッタッ…

真姫「はいはい…」





2年教室前 手洗い場


ジャー…


穂乃果「…」ゴシゴシ…

穂乃果「…ふぅ」フキフキ…

穂乃果「…このハンカチ、お気に入りだったんだけどな」


ゴミバコポイッ


穂乃果「汚れちゃったから、もういらないや」

穂乃果「…」

穂乃果「西木野真姫ちゃん、か」

穂乃果「…あの子、少し目障り、かな」

昼休み 食堂


真姫「…」モグモグ

真姫(今日も私は独り寂しく親子丼をつつく)

真姫(お昼休みは花陽は親衛隊に囲まれて私の元へは来られないらしい…)

真姫(今のうちにトークアプリに今日の予定を書き込んでおきましょうか…)

真姫「…」モグモグスマスマ


「ここ、空いてる?」


真姫「…え、あ、どうぞ…あ!」


ことり「ふふ、こんにちは」

真姫「ことり…」

ことり「いつもここで食べてるの?」

真姫「えーっと…、そうね。大体このあたりの席かしら」

ことり「一人で?」

真姫「…友達が少なくて」

ことり「ふぅん…、そうなんだ。言ってくれたら一緒に食べてあげるのに」

真姫「べ、別に…一人でお昼ご飯食べることに抵抗はないからいいわよ」

真姫(寂しいとは思っているけど)

ことり「そっかー、私はちょっと抵抗あるかなー」

真姫「人それぞれでしょ」

ことり「そうね。で、今日は私一人じゃないんだよー」

真姫「えっ…」

ことり「もう少しで来るかも…」


海未「…ことり?いつもの場所ではないんですか?」


ことり「あ!海未ちゃん!」

海未「…誰ですか、その方は…」

ことり「紹介するね。一年生の西木野真姫ちゃん。で、真姫ちゃんは知ってるよね?海未ちゃんです」

真姫「え、えぇ…。どうも、初めまして…」

海未「…なんで知ってるんですか。お互い初対面のはずですよね?」

真姫「ま、まぁ…そうだけど」

ことり「私たちのこといっつも見てたんだってー。変だよねー」

真姫(変とか言われると傷つく…)

海未「はぁ…。…ん?あなた…、やはりどこかで会ったこと…」

真姫「えっ…?…あっ」

真姫(…そうだ!海未はあのメイドカフェでバイトをしていたんだっけ…)

真姫(ま、マズ…!思い出しただけで、わ、笑いが…!!)

真姫「ぶっ…ふひゅっ…!!」

海未「…なんで笑ってるんですかこの子」

ことり「ね、変な子でしょー?」

真姫(こうして、私の世界でも奇妙な三人で、共にお昼ご飯を食べることとなった)


真姫「…」モグモグ

ことり「それでねー…」

海未「…もぐもぐ、なるほどぉ…。もぐもぐ…」

ことり「こら!食べ物お口に含みながらしゃべるのダメ!」

海未「…おっと、そうでした。失礼しました…」

真姫「…」モグモグ


真姫(ことりが海未を叱ってる…。食事のマナーに関して…)

真姫(前も見たけどこれは…、何度見ても慣れそうにないわね)


海未「…そ、そんなに見つめないでください。上品でないのは承知してます…」

真姫「えっ、あー…。見つめてたつもりじゃないんだけど」

ことり「ふふ、海未ちゃんこれでも甘えんぼさんだから。こうして注意してあげないとね」

海未「こ、ことりっ!そんなこと言わないでください!!」

真姫「へぇ…。意外ね。もっとしっかりした人だと思ってたわ」

海未「…お恥ずかしい限りです」

ことり「うーん、前まではしっかりした子だったんだけど…。あの日以来ね…」

真姫「あの日…?」

海未「…ことり、その事は」

ことり「あっ…。うん、ごめんね。海未ちゃん…」

真姫「…」

真姫(…やっぱり、この二人にも並々ならぬ事情が見え隠れしている)

真姫(かなり気にはなるけど…、あまり突っ込まないほうがいいかしら。少なくとも、今は)

真姫「…えっと、話変わるけど…。二人は部活とか、してないの?」

海未「…下級生ですよね?」

真姫「あ、ごめんなさい…」

ことり「いいの!お友達なんだから付き合いはフランクに行こう!フランクフルト~」ツンツン

海未「いつ友達に…。って、ほっぺたつんつんするのはやめてください」

海未「っと、部活ですか。私は弓道部に所属しています」

真姫「この学校に弓道部なんてあったんだ…」

海未「えぇ。UTXの室内弓道場は設備も万全ですよ。あなたもどうですか?弓道部」

真姫「わ、私は遠慮しておくわ…。放課後は忙しいし」

海未「…そうですか、残念です」

真姫「ことりは?」

ことり「ん?私もー…放課後は忙しくて。帰宅部、ってわけでもないんだけど」

真姫「…へぇ」

海未「なぜいきなり部活を?西木野さんは無所属なのですか?」

真姫「真姫でいいわ。うん、部活はやってないんだけど…趣味に近いことを少し、放課後にね」

海未「ではどこに入るか決めかねているというわけでもなく…。どうして部活を聞く必要があったのですか」

真姫「い、いいじゃない。話のネタがなかったからよ」

真姫(本当は明確な理由があるのだけど、それを言うわけにもいかない)

ことり「海未ちゃん、察してあげて。真姫ちゃんはコミュ障なんだよ」

真姫「怒るわよ」

ことり「えへへ、冗談だよー」

海未「コミュ障ってなんですか…」

真姫「その冗談が通じてないんだけど」

ことり「コズミックミュータント障子の略だよ」

海未「…意味がわかりません」

真姫「私もわけわかんないわ…」

ことり「渾身のボケなのに…」



真姫(あとは実りのないアホな会話をしつつ親子丼を平らげて)

真姫(やることもなく食堂で3人で駄弁って、無為に時間を消費し、やがて5時間目の始まりを告げるチャイムが鳴った)



海未「それでは、またいずれ」

真姫「えぇ。バイバイ」

ことり「えへへ、友達が増えてよかったね。海未ちゃん」

海未「…はい。そうですね」



真姫(これで、この世界での3人目の友達ができた)

真姫(それが海未だっていうのは、少し可笑しくて、でもとても嬉しかった)

放課後

1年E組


真姫(今日は歌手専攻の授業もあったけど、トークアプリで花陽には授業中私に絡まないように言っておいた)

真姫(花陽は少し不服そうだったけど、これ以上揉め事は起こしたくないし、目立つこともはばかられたし)

真姫(結果あの3人も特に私に何か仕掛けてくるわけでもなく、私はひたすら空気に徹した)

真姫(平穏無事に授業は終了。ついに放課後がやってきた…)

真姫「…さてと、行きますか」

真姫(今日は練習するだけじゃない。もっと大事なことがあるのだから)

真姫(さぁ、花陽との待ち合わせ場所へ行きましょう)



音楽室前


花陽「あ、真姫ちゃん」

真姫「ごめんなさい、待ったかしら」

花陽「うぅん、私も今来たとこ。それで…今日はどうするの?」

真姫「ケータイに予定を送っておいたでしょ。見てないの?」

花陽「み、見たけど…。ホントにやるの…?」

真姫「もちろんよ。これがないと始まらないわ」

真姫「勧誘よ!」


真姫(当たり前ながら、私たち二人ではできることが少なすぎる)

真姫(アイドル活動だけなら二人でもできるけど、歌う歌も着る服もないアイドルというのは寂しすぎるでしょう)

真姫(私の世界の歌をそのまま流用すれば作詞に関しては大丈夫かもしれない、けど…)

真姫(それは根本的な解決にならない。なにより、この世界のアイドルとしての歌でなければ、意味がないのだから)

真姫(だから、作詞係と衣装係を勧誘しに行く。アイドルを一緒にやってもらおうとまでは考えてない)

真姫(もちろん、本人らが良ければ、それ以上のことはないんだけど)

真姫(とりあえずまずは、作詞家から勧誘しに行きましょう)

真姫(都合のいいことに、彼女のいる場所はわかりきっているのだし)



真姫「さ、行くわよ!」

花陽「う、うぅ…。いいのかなぁ…?」

室内弓道場


海未「…」キリキリキリキリ…

海未「…ふっ」シュッ


パシッ


海未「…ふぅ」



弓道部の先輩「…園田さん。いいかしら」

海未「はい、なんでしょう」

弓道部の先輩「お客さんが来てるわよ?」

海未「お客さん…?」



海未「あなたは…」

真姫「久しぶりね」

海未「さっき会ったばかりじゃないですか…。彼女は?」

花陽「ふ、ふぇぇ…」

真姫「…この子は私の同級生の花陽。人見知りなのよ」

海未「花陽…。あぁ、小泉花陽さん」

真姫「知ってるの?」

海未「えぇ。芸能科歌手専攻の方でしょう?結構有名ですよ」

花陽「あ、ありがとうございます…」

真姫「演劇学科の人にまで名前が知れ渡ってるなんて、あなた想像以上に有名人なのね…」

海未「いえ、私の場合は…。…それより、なんでしょうか。用事があってわざわざ呼び出したのでしょう?」

真姫「あぁ、そうなのよ。ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど」




海未「あ、アイドルっ!!?!?」

真姫「し、シーッ!あんまり大きな声出さないでよ…」

海未「いや…大きな声も出ますよ流石に…。まさか、A-RISEがいるこの学院でスクールアイドルを別に始めるなどと…」

花陽「わ、私もそう思います…」

海未「ですが確かに…、盲点ではありました。A-RISE以外にスクールアイドルをしてはならないという決まりはありませんものね」

真姫「でしょう?ナイスアイデアだと思うわ」

海未「…それで、それを私に伝えてどうするのですか?」

真姫「…私たちのアイドルが歌う曲の作詞をお願いしたいんだけど」

海未「嫌です」

花陽「回答早っ!」

真姫「ど、どうしてよ」

海未「そっくりそのままお返しします!どうして私に頼むのですか!?」

海未「作詞なんて誰でも出来るでしょう!それをなぜ今日出会ったばかりの私に!?」

真姫「あなた、演劇学科で脚本家専攻なんでしょう?キャッチーなフレーズには慣れ親しんでるから…」

海未「それだけの理由で!?り、理解できません…」

花陽「ま、真姫ちゃん…。やっぱりやめようよ…。ほぼ初対面の人なんでしょ…?」

真姫「いえ、私たちには海未が必要なの!海未でなきゃダメなのよ!」


真姫(少なくとも、私たちの世界のアイドル、μ'sと同等かそれ以上の能力を持とうとするなら、海未の作詞能力は必須だ)

真姫(彼女はμ'sの曲の中核を担う存在なのだから。彼女以外を勧誘して同じ結果を出せるとは限らない)

真姫(もしかしたら海未以外でも行けるかもしれないけど…、私はそこまで無謀な挑戦は出来ない)

真姫(短期間で結果を出すなら、転がってる金の卵を拾えばいいのよ!)


真姫「ね、海未ちゃん…、お願ぁい!!」

海未「猫撫で声でお願いされても気持ち悪いだけです」

真姫(くっ、ことり戦法が通じないなんて…。何がいけないの…!?)

海未「どんな頼まれ方をしたところで結果は変わりません。早々にお引き取りください」

花陽「ま、真姫ちゃん…、こう言ってるんだから、帰った方がいいよ…!」

真姫「…わ、私は諦めないわ。仕方ないわね…。こうなったら最終手段に出るしかないわ」

海未「最終手段…?」

花陽「なにそれ…」

真姫「…これだけはあまり使いたくなかったんだけど」

真姫「んんっ…」


真姫「あなたのハート、撃ち抜くぞ?」ボソッ

海未「ラブアローシュートっ!ばぁんっ!!」












花陽「…えっ」

海未「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!やってしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

真姫(一瞬全ての世界が凍りついたように感じたわ)

真姫(すごいわね、ある意味)


海未「なっ、な、なな…!なぜっ…!!」

花陽「え、あ…、も、もしかして…!!?」

真姫「ふふふ…、ヒーメヒメ?」

海未「ほわわぁぁっ!!!!!」

花陽「う、嘘っ!?この人が…!?」

真姫「…えぇ、そうよ。あのメイドカフェの…」

海未「ストップ!ストーップッ!!!その話はもう少しあっちの方で…!」



海未「ど、どど…どうしてそのことを…!!」

真姫「昨日、行ったのよ。あなたのバイト先。私たち二人でね」

花陽「歌上手でした!すごいですね!」

海未「やめっ…、やめてください!!うわっ、顔熱っ…」

真姫「どうする?このこと…学校に報告してもいいのよ?」

海未「…っ!!?ま、まさか最終手段って…」

花陽「き、脅迫…」

海未「卑怯なっ!」

真姫「頑固なあなたを動かすにはこれしか方法はないわ!卑怯だろうと知ったこっちゃないのよ!」

花陽「…流石に少し引くよ」

海未「ぐ…!…っふは!ですがいくら学校に言ったところで、証拠がなくては…」

真姫「証拠ならあるわ。ほら」サッ

海未「えっ…」

真姫「あなたが歌っている写真よ。サングラスかけてはいるけど見る人が見ればすぐわかるでしょう?」

海未「あ、あの店は撮影禁止ですよっ!!?」

真姫「あ、そのセリフはバイトを認めたということになるわね。ちゃんと録音させてもらったわ」

海未「ぬあぁぁっ!!?!?!」

真姫「さぁ、あなたが作詞に協力してくれればこの場でこの写真とmp3は消去してあげるわ」

海未「ぐ、ぐ、ぐぬぬぬ…!」

花陽「どこかのアメフト部主将さんみたいな手口だね…」

海未「悪魔です…」

真姫「何とでも呼ぶがいいわ。私には消えない名前があるから」

真姫「さ、どうするの!?」

海未「…くっ、いいでしょう。協力しましょう」

真姫「やった!」

花陽「よ、よかったね…」

海未「はぁ…。いつかバイトのしわ寄せが来るとは覚悟してましたが、まさかこんな…」

海未「…すみません。所用ができましたので早退させて頂きます」

弓道部の先輩「いいよ」



海未「早く!早く消してください!!」

真姫「わ、わかったわよ…。はい、これでいいでしょ?」

海未「…確かに。ふぅ…。焦らせないでください」

真姫(希のPCにバックアップを保存しているのは秘密)

花陽「あの…、本当に嫌だったら、その…」

海未「優しいんですね。いえ、大丈夫です。作詞程度でしたら全然」

海未「そもそも脅されるようなことをしている私が悪いのですから、何も文句は言えませんよ」

花陽「そ、そうですか…。それなら…」

真姫「そうよ。海未が全部悪いんだから私たちが気に病む必要なんてないわ」

海未「しかしあなたは許しません。いつか復讐してみせます」

真姫「…おぉ怖。ま、それはさておき次は…」

花陽「まだやるの!?」

真姫「もちろんよ。衣装係がいなかったら私たちドンキで買った安物の服着て踊るハメになるわよ?」

花陽「そ、それはちょっと…学芸会じゃないんだし…」

真姫「でしょう?だから…」


海未「もしかして…ことりを勧誘するつもりですか?」


真姫「…ん?そのつもりだけど」

海未「…」

真姫「何か、問題でもあるの?」

海未「…ことりは、無理です。絶対に協力してくれないでしょう」

花陽「え…?」

真姫「ど、どうしてよ。ことりはあなたほど強情ではないでしょう?お願いしたらきっと…」

海未「そういう問題ではありません!」

真姫「え…」

海未「どうしても、ダメな理由があるのです」

花陽「どうしても、ダメな理由…?」

真姫「それって…?」

海未「彼女は…」




海未「彼女は、A-RISEの服飾を担当しているのですから」

真姫「というわけで今日はここまでね」

凛「思いのほか筆が進んだにゃ」

真姫「おそらく次回で終わることはないと思うけど…でも話の区切り的に次回で終われる気もするような」

凛「仮に次の更新でもしライブ!3話が終わるようなことがあればそれまでとは少しペースが変わっちゃうけど気にしないでね!」

真姫「次回に終わろうが終わるまいが次次回の更新はうろライブ!第3話になるわ。よろしーく」

凛「いつかもしライブ!だけになる日も絶対来るね…」

真姫「そのときはひたすらもしライブ!だけやるかまた別のものも挟んでいけばいいだけのことよ」

凛「そだね。それと、こんな時間まで見てくれた人には感謝だにゃー!」

真姫「じゃあ今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に弱みを握られるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

なんかオリジナルでそういうの決められてからだと恥ずかしくなっちゃうね
それはそれとして展開が全く思いつかないけどこのままだと一生進まなさそうなんで
とりあえず自分を追い込むために始めます またもや深夜スタートですまんねホント

ガチャッ


「…ッツースリーフォーファイシッセブンエイッ…」



ことり「お邪魔しまーす…」

ことり「あ、練習中…。座って待っとこ…」チョコン



「…じゃ、一旦休憩とするわね」

「各自水分補給を済ませて…、あとツバサと英玲奈はグッズ用の写真撮影がこの後あるわ。すぐ着替えること」

「あんじゅは記者の取材ね。ダンサーは適度な休憩ののちにA-RISEが戻るまで自主練習をお願い」



凛「…ごくっ、…ごくっ」

にこ「はぁ、はぁ…!つ、疲れた…!」

凛「あは、矢澤センパーイ、この程度で根を上げてちゃまた下位落ちじゃないですかー?」

にこ「…っ、ッハ。全っ然、楽勝よ…、この程度…!」

凛「へー。どこまで続くんですかねー、その強気。ぷぷぷ…」



穂乃果「んぐっ…、ふぅ…」

ことり「あ、穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…どうしたの。何か用?」

ことり「えっと…、今度の衣装のために採寸、しようかなって…」

ことり「ほら、成長期だし、身体のサイズ変わってるかもしれないから」

穂乃果「わかった。早めにお願いね」

ことり「…うん」


ことり「…はい、おしまい」

穂乃果「ありがとう。ちょうどいい休憩になったよ。さてと…」

穂乃果「凛ちゃん、にこちゃん。自主連、再開しよう」

ことり「あ、凛ちゃんとにこちゃんの分も…」

穂乃果「…ごめん、これ以上休憩してられないから」

穂乃果「次の休憩に入るまで南さんはそこで座って待ってて」

ことり「…わかった。待ってるね」

穂乃果「よし!はじめよう!」




ことり「…」スワリッ

ことり「南、さん、か…」

室内弓道場前


真姫「…ことりが、A-RISEの…?」

海未「正確に言えば、A-RISE候補生…、つまりバックダンサーズの衣装を主に担当していますね」

海未「彼女一人で、というわけではありませんが、かと言って別のスクールアイドルを担当していることりが…」

海未「他のスクールアイドルまで担当できるとは思えません。立場的な意味でも」

真姫「立場…。やっぱり、A-RISEはそういうところ厳しいの?」

海未「そう、ですね…。いわゆる、専属ということになりますから」

海未「A-RISE候補生を指導する先輩はとても厳しい方だと聞いているので、それを補佐することりが別のことにかまけてると知れば…」

海未「彼女はことりを許さないでしょうね」

花陽「そ、それって…、担当を下ろされちゃう、ってこと…ですか?」

海未「おそらくそうなります。それに…彼女は自らA-RISE候補生の服飾に立候補した一人ですから」

海未「別のアイドルの担当を兼任するとなると、批難も大きいでしょうね。その先輩がいなくとも、辞めざるを得なくなるかと」

真姫「…やっぱり、この学校はピリピリしてるわね…。そういうところ」

花陽「だけど…、例えば野球部の人が部活休んで他の野球クラブに出席してた、ってなったら怒られちゃうと思うし…」

花陽「普通と言えば、普通なのかな…」

真姫「…」

花陽「や、やっぱり他の人を見つけたほうがいいと思うよ、真姫ちゃん」

花陽「わざわざ…A-RISEを担当してる人を引き抜くなんて、無茶だよ…」

真姫「…ぐっ」

海未「服飾デザイン専攻の生徒はたくさんいます。なんならことりに頼んで誰か紹介してもらいましょう」

海未「それなら文句は…」

真姫「…ダメよ!」

海未「えっ…」

真姫「私は…、私はどうしてもことりがいいの…!」

真姫「とりあえず一回…、一回交渉だけでもさせてもらえないかしら!」

海未「そんな無茶な…」

花陽「どうしてそこまで…?その…ことりさんって人、そんなに大事なの…?」

真姫「…えぇ、すごく大事」

海未「ですが…」

真姫「どうしてもダメ、って本人から言われれば、すっぱり諦めるわ」

真姫「本人の口から、返事を貰いたいの。お願い」

海未「…」

海未「…分かりました。そこまで真剣な目で頼まれては断れません」

真姫「…恩に着るわ」

多目的ホール前


海未「二人はここで待っていてください。ことりを呼んできます」

真姫「私たちは入っちゃダメなの?」

花陽「中でA-RISEやアイドル専攻の人たちが練習してるときは、普通の人は入っちゃダメな決まりなの」

花陽「ここに入れるのは中にいる人に用事がある人か、A-RISEや候補生を担当しているスタッフの人だけなの」

海未「そして今ことりがこの中にいるそうなので、私はその中にいることりに用事がある人、というわけで、中に入れるのです」

真姫「私も用事があるじゃない」

海未「基本的に複数人で入ることは許されていないのです。それに、あなたはまだことりと知り合って日が浅い」

海未「繋がりが薄い人も立ち入りは許可できないそうです」

真姫「なにそれ…」

花陽「あんまり訪問を許しちゃうとファンの人がいっぱい入ってきちゃうかも知れないから、ってことだと思う」

真姫「…やっぱり、厳しいのね。プロのアイドルみたい」

海未「そういうわけなので、少々待っていてください」

真姫「わかったわ。早めにお願いね」



花陽「うぅ…。なんだかドキドキするよ…。どうしてA-RISEの服飾の人なんか…」

真姫「どうしても必要なの。成功するためにはね」

花陽「真姫ちゃんアイドル活動にギリギリすぎる綱渡りしすぎだと思うよ…」

花陽「それに、私あんまりここには近づきたくないんだけどなぁ…」

真姫「なんで…、あ、そっか…。あなたはここから逃げ出したんだったわね」

花陽「うん。だから…」



「…んもー、なによそれぇ…」

「あれ?あなたたち、そこで何してるの?」



花陽「…っ!!」ビクッ

花陽「ごごご!ごめんなさい!!私逃げ出したとかそんなんじゃ!!」

真姫「あ、慌てすぎ…。落ち着いて花陽。別にそういうこといいに来たわけじゃないと思うし…」

真姫「…ん?って、あ!あなた…!!」

真姫「優木、あんじゅ…?」

花陽「えっ!?」

あんじゅ「あ、どうもー。優木あんじゅでーす。ウフ☆」

あんじゅ「って、そうじゃなくって!あなたたち、一般生徒でしょ?そこは立入禁止よ?」

花陽「はわっ、ご、ごめんなさい…!あの、私たち…」

真姫「私たち、友人に友人を呼んできてもらうのを待ってるんです。話したいことがあって」

あんじゅ「話したいこと?」

真姫「服飾担当の人が来ているって聞いたんですけど」

あんじゅ「あー、アイドル専攻の子にじゃないのね。それならいいんじゃない?」

あんじゅ「そんなところでスタンバってるから、出待ちの子かと思っちゃったわ。もう少し離れたところにいた方がいいかもね?」

花陽「は、はい…。あ、それより!な、なんで優木あんじゅ…じゃなかった、優木先輩がこんなところに…?」

真姫「今、中で練習中のはずじゃ…」

あんじゅ「聞いてよー、それがね?なんか雑誌の取材で練習中断したんだけど…」

あんじゅ「まだ到着してないって言うのよ?ホント、スクールアイドルだからって舐めてるわよね」

あんじゅ「スケジュールずらされるの嫌だったから、来てもお断りしておいてって言って戻ってきちゃった」

花陽「ほへぇ…」

真姫「…じゃあ今私たちとこうやって立ち話してるのもダメなんじゃ」

あんじゅ「んー?でもぉ…、取材する時間分スケジュール空いちゃったし、それまでは私の自由だから」

あんじゅ「ちょっとくらい練習サボってても大丈夫かなーって」

花陽「えっ…!練習サボってたら怒られるんじゃないんですか!?」

あんじゅ「そりゃ、バレたら怒られるでしょうけど。バレなきゃいいのよ、バレなきゃ」

真姫「意外ね…。A-RISEはそういうところ厳しいのかと思ってたわ」

あんじゅ「んふ。私は例外かもね。基本、つかれることはホントはしたくないし」

あんじゅ「こうやって見知らぬ後輩ちゃんと会話するのもリラックスのうちだしねー」

花陽「あ、ありがとうございます…!わ、わぁ…、スゴイ貴重な体験…」

あんじゅ「最近はファンとのふれあいすらろくに許してもらえないのよー?ひどいと思わない?」

あんじゅ「去年まではこんなにガチガチじゃなかったんだけどね」

真姫「そう、なの…?」

あんじゅ「…えぇ。和気あいあい、ってほどではないけど、前はもう少し緩かったの」

あんじゅ「今年に入ってから人気は向上したけど…、少し空気が重くなったのは感じるわね」

真姫「へぇ…」

あんじゅ「これは多分…、彼女が原因なのかしら…」

花陽「彼女?」

あんじゅ「ん?…あー、えっとね、彼女っていうのは…」

ガチャッ


海未「お待たせしました、連れてき…おや?」

ことり「あ、優木さん」


あんじゅ「あは、南ことりちゃんだ。何この子たち、あなたのお友達?」

ことり「え、あ…、はい」

あんじゅ「羨ましいなぁ、私も一年生のお友達欲しいー…っと」

あんじゅ「そろそろ戻らないと怒られちゃうかも。それじゃね、また会いましょ」

花陽「あ、ありがとうございました!」

真姫「あっ…」

真姫(…彼女って結局誰よ…)

海未「優木あんじゅと話を…?これはまた珍しい…」

花陽「は、はい、偶然話しかけていただいて…!いやぁ、穂乃果さまに続いてあんじゅとも話せるなんて今日は奇跡だよぉっ…!!」

ことり「え…?」

海未「穂乃果と?」

真姫「あっ…。そ、そう。偶然、ホームルーム前に」

海未「…そうですか」

ことり「あっ、それで…、私に話って?」

海未「あぁそうでした!あ、えっと…、無理な話になるとは思うのですが…」

真姫「…この近くで話すのもアレね。少し離れたところに行きましょう」





ことり「…ふ、二人でスクールアイドルを…?」

真姫「別に二人に限定しているわけじゃないわ。もちろんメンバーはどんどん募集中よ。ことりもよかったらどう?」

花陽「ま、真姫ちゃん…、流石に無理だよ…」

ことり「それで、海未ちゃんはそのアイドルの曲の作詞を…?」

海未「え、えぇ…。例のメイドの件で、脅されてしまいまして」

ことり「…あぁ」

真姫「脅したなんて人聞きが悪いわ!」

花陽「純然たる脅迫だったと思うなぁ」

ことり「…そして、私を衣装係に…」

海未「その…、ことり」

ことり「…うーん」

花陽「やっぱり…、ダメ、ですよね?」

ことり「うぅーん…」

真姫「ことり、お願い…!」

ことり「うぅぅぅ~~~~~ん…」

展開を考えていたら寝てた申し訳ない
キレが悪いので次回ももしライブ!かも 今日はこのまま寝ます ほなな

5thライブのチケットが届いたのでローソンでもらったチケットケースに入れようと思ったら見つからずにやっと見つけたと思ったらサイズ違って入らなくてがっくりしてて遅くなりました
ちなみに200レベルだったんだけどこれっていい方なんですかね まぁ多分肉眼で見えるはず
じゃあやってくよ

ことり「うぅぅぅぅぅぅ~~~~~~~…ん…」

真姫「いつまで唸ってるのよ!早く決めなさい!」

ことり「んー、とね…。協力してあげたいのは山々なんだけど…」

ことり「でも…、でもなぁ…」

花陽「や、やっぱり嫌ですか…?」

ことり「嫌ってわけじゃないの…。でも…、でも…」

ことり「…うぅん、少し、考えさせて」

真姫「少しってどれくらい!?」

ことり「具体的には決められない…」

真姫「…じゃあ、いつまで」

ことり「こ、今週末までには…」

真姫「わかったわ。今週末までにはお願い」

真姫「お邪魔して悪かったわ。…よろしくね」

ことり「…うん」




真姫「…どうかしらね」

花陽「ことりさん?うーん、すごく悩んでたね…」

真姫「即お断りより全然いいわ。あとは彼女が決めてくれれば…」

海未「…確かに、彼女は迷ってはいますが…うぅん、どうなんでしょう」

真姫「なによ。まだことりはやめておいたほうがいいって言うの?本人だって満更でもない感じだったじゃない」

真姫「もう少し揺さぶってあげればきっとすぐ陥落してくれるわ…!ドゥフフフ…」

花陽「真姫ちゃん…、もう悪役の顔だよそれ…」

海未「…しかし、それでは…」

海未「うーん…」

花陽「あれ…、今度は海未さんが唸っちゃった…」

真姫「どうしたのよ。まるで海未はことりが私たちの衣装を担当するのが嫌みたいじゃない」

海未「…そうかも、しれません…」

花陽「えっ…ど、どうして…?」

海未「事情を話せば長くなりますが…、それでもよければ」

真姫「…聞かせて」

音楽室


真姫「入って」

花陽「もう真姫ちゃんのお家みたいになってるね…」

海未「ここは申請がなければ使ってはいけないはずでは…」

真姫「立ち話するだけよ。うるさくしたりピアノかき鳴らしたりするわけじゃないんだし、いいじゃない」

真姫「よいしょっと」スワリッ

花陽「立ち話といいつつ座ってるし…。あ、私も座ろ」スワリッ

真姫「…それで?あなたがことりを衣装係にさせたくない事情って、なんなの」

海未「…」

海未「現在A-RISEのバックダンサーである高坂穂乃果、知っていますよね」

花陽「う、うん…。今日の朝話した、ってさっき言いましたよね」

海未「彼女は、元々私と、そしてことりの幼馴染でした」

海未「まだ年端も行かぬ幼い頃に出会い、それから小学校、中学校と、3人が離れ離れになることはありませんでした」

花陽「へぇ…、仲良しなんですね…」

真姫「…そして、予定調和のように3人は同じ高校へと通うこととなったわけだけど、それから?」

海未「UTXに入り、3人はそれぞれ別の道を歩み始めました。…といっても、単なる学科の違いなのですが」

海未「私は演劇学科を、ことりはデザイン学科を、穂乃果は芸能科を選択し、各々が違う教科を学びました」

海未「ただそれだけのことです。それ以外の時間は共に過ごし、クラスが別々でも休み時間ごとに遊びに行ったりしました」

海未「ただ、それだけ、のはずが…学科が違う、ただそれだけのことで…、私たちは結果的に、バラバラになってしまったのです」

花陽「え、バラバラ…?」

海未「私は、去年の冬頃から、穂乃果と…」

海未「…一度も話したことがありません」

花陽「えっ…!?」

真姫「…っ」

海未「口論で、喧嘩別れをしてしまったのです」

海未「それ以来、穂乃果からは顔を見合わせても見ないふりをされ…私は…」

海未「…うぅっ…!うぐぅっ…!!」

花陽「え、えぇっ!!?ど、どうしたんですか?何か…」

海未「…いえ、平気です。すみません」

海未「話の続きをしましょう。…私と穂乃果が喧嘩別れをしたとき、ことりは仲裁に入ってくれました」

海未「穂乃果の怒りの矛先がことりに向かうこともしばしばありました。それでもことりは穂乃果を宥めるのを止めることはありませんでした」

海未「その頃から、ことりと穂乃果の仲も、…私ほどではないにせよ、相当険悪なものになってしまいました」

海未「次第に穂乃果との会話も少なくなり、このままではいけない、と思った、それから」

海未「…ことりは自ら、A-RISE候補生の服飾を申し出たのです」

海未「失ってしまいそうだった、穂乃果とのつながりを無くさないために」

真姫「…」

海未「私が、ことりを衣装係にするのが嫌な訳は」

海未「…私と穂乃果の喧嘩に巻き込んでしまった挙句、失いそうになっている穂乃果とのつながりを…」

海未「もうこれ以上、ことりには失って欲しくないから、なのです」

海未「別のアイドルの衣装を担当するとなれば、きっとことりはA-RISEの服飾からは外されてしまうでしょう」

海未「そうなれば、…おそらくもう二度と、穂乃果と会話することは叶わなくなってしまう」

海未「幼い頃から築き上げてきた絆が、完全に途切れてしまう」

海未「それだけは…、避けたかったのです。ことりのためだけではなく、私自身のためにも」

真姫「…なるほどね」

花陽「海未さんやことりさんも、大切な友達と決別しちゃったんですね…」

花陽「だったらその気持ち、わかります。私も、そうだから…」

花陽「もし少しでも凛ちゃんと繋がってれば、そのつながりを完全に消すようなことは…あんまりしたくないと思うから」

真姫「つながり、ね…」


真姫(完全に分かれてしまった、花陽や海未とは違い)

真姫(ことりは、まだ大切な人と、繋がっている状態だった)

真姫(今のそのつながりが、どれほどのものかは私には分からない)

真姫(…けれど、それを断ち切る選択を迫るのは…)

真姫(私にも、残酷に思えた)

真姫(たとえどれだけ細い糸で結ばれていたのだとしても、その可能性を潰すことの辛さは)

真姫(それを信じていたいという思いを摘むことの辛さは、痛いほど理解できた)

真姫(…理解できてしまった)

真姫「…」

海未「わかって、いただけましたか」

海未「ことりを、穂乃果の元から離れさせたくないんです」

海未「…お願いします。こればかりは」

花陽「…真姫ちゃん」

花陽「やっぱり、別の人にお願いしよう」

真姫「…」

花陽「真姫ちゃんっ!」

真姫「…まだ、よ」

海未「なっ…」

花陽「なんで!今のでわからなかったの!?」

花陽「穂乃果さんはことりさんの大切な人、なんだよ…!?その仲を引き裂こうとしてるのに…」

真姫「ことりは…っ!ことりは迷っていた!」

真姫「本当に穂乃果との仲を…、今の状態を良しと思うなら、即決してもいいはずよ!」

花陽「あっ…そ、そっか…」

真姫「…けれど、ことりは…。それをしなかった。決断を先延ばしにしたのよ」

海未「それは…」

真姫「つまりことりは…、完全に今のままでいいとは、思っていないはず」

真姫「葛藤しているのよ。自分がどうするべきなのかを」

真姫「…でも」


真姫(辛さを理解できてしまったゆえに)

真姫(ことりが葛藤に苦しんでいるのだろうということも想像できてしまう)

真姫(今の状態でいるか、それとも…、つながりを断ち切る選択をするか)

真姫(彼女にとっては、おそらくどちらも捨てがたいもの、なのかもしれない)

真姫(…だとするなら)


真姫「…」

花陽「ま、真姫ちゃん…。どうするの?これから」

真姫「私は…」

真姫「…まだことりを諦めたわけじゃない」

海未「そう、ですか…」

花陽「って、ことは…、さっき言ってたみたいに、何か説得するの?」

真姫「いえ。違うわ」

真姫「こればかりは、私にはどうすることもできない」

真姫「彼女のこれからを決定づける選択を揺さぶるような真似はしたくない」

真姫「…だから、今週末」

真姫「彼女の決めた選択に従おうと思うの」

真姫「今度こそ本当にダメなら、私は諦めるわ」

海未「ことりがどちらを選ぶのか…それに委ねるというのですか」

真姫「えぇ、それでいいでしょう?」

真姫「これなら、あなたが口を出す権利もないわ。彼女自身の選択なんだから」

海未「…分かりました。私もそれに従います」

海未「結果、穂乃果との絆が潰えてしまっても…文句は言えないでしょう」

海未「もうすでに、風前の灯火以下の状態なのですしね」

花陽「…うぅ、聞いてるだけで辛いね…」

真姫「今になっては、選択を突きつけたのも少し後悔してきちゃったけど」

真姫「でも私にも譲れないものがあるから。それにはことりが必要なの」

真姫「彼女に可能性を提示するくらいは、やっても許されるはずよ」

海未「…それでもいいですが、彼女の心労も理解してあげてくださいね」

真姫「わかってる…つもりよ」

海未「…」

真姫「…」

花陽「…な」

花陽「なんか重い空気になっちゃったね…」

真姫「…そうね。んんっ…!」

真姫「よしっ!とりあえず今はことりのことは置いておいて…私たちは私たちの出来ることをしましょう!」

真姫「さぁ花陽!練習と行くわよ!」

花陽「えっ!もう結構な時間だよ!?今から!?」

真姫「そう今から!少しでも体力をつけるために階段アタックよ!」

花陽「お、おぉ…」

海未「それで、私はどうすればいいのですか?帰ってもいいんですか?」

真姫「ふふ…、そうはいかないわ!もう私たちの曲を考えているのだから!」

真姫「海未には花陽が階段アタックでひーこら言ってる隣で私と一緒に曲のことで話し合ってもらうんだからね!」

海未「わ、分かりました…。はぁ…、今になって思えばなんてことを引き受けてしまったのでしょう」

真姫「ふふふ…、バイトをバラされるより数倍いいでしょう?文句言わない」

真姫「じゃ、いつもどおり神田明神へレッツゴー!」

多目的ホール内


「それでは今日の練習は終わり。A-RISEは早く帰って十分な休憩を取ること」

「それと、…矢澤さん。今日は息切れが多かったわね?」


にこ「…っ。そ、そんなこと…」


「普通ならそうかもしれないけど、あなたは時期A-RISE候補であり、多くの衆目に晒されるバックダンサーでもあるのよ」

「多少の乱れも許されないわ。今日は居残りで持久力をつけるための特訓ね」


にこ「う、うぐっ…!!」

凛「あはははー!やっぱり怒られてる怒られてるー!」

にこ「へ、なによ…!このくらいへっちゃらよ…!!やってやるわ…!」

凛「ふふーん、そう?ま、がんばってねー。じゃ、凛はこれでー」


ことり「あ、凛ちゃん待って。まだ凛ちゃんだけ採寸終わってないから、それだけ」

凛「あ、南先輩いたんですか。採寸?前と変わってないと思うからダイジョーブにゃー!」

ことり「えっ…」

凛「それより早くおうち帰りたーい!じゃねっ!」タッタカター

ことり「あ…、行っちゃった…」


穂乃果「凛ちゃんはワガママだなぁ…。ごめんね、迷惑かけちゃって」


ことり「…ううん。いいの。穂乃果ちゃんもにこちゃんも、前とそんなに変わってなかったから、多分凛ちゃんも平気、かな」

穂乃果「そう。じゃ、私帰るね」

ことり「あっ!待っ…」

穂乃果「…ん?どうかした?」

ことり「え、えっと…」

穂乃果「どうしたの?早く言ってよ」

ことり「その…」

ことり「…私も、一緒に帰っていいかな?」

UTX学院改札前


ことり(少し無謀かも、と思えた私の提案は)

ことり(驚く程あっさりと、了承を得てしまいました)


ことり「…なんか、ドキドキしてる」


ことり(こうして二人で下校するのは、何日ぶりかな?)

ことり(あの日以来…、海未ちゃんと穂乃果ちゃんがケンカしちゃった日から?)

ことり(…うぅん、多分、もっともっと前から)

ことり(なぜなら、私が思い出せる下校風景は)

ことり(いつも3人で帰っていたものばかりだったからです)


ことり「…3人で」


ことり(あの頃は当然だと思ってたことが)

ことり(今じゃとても貴重なものになってしまいました)

ことり(でも、人生ってそんなもの?)

ことり(いつまでも変わらないものなんてない、いつかはみんな、別々の道を歩むものなのかな)

ことり(だとしたら、この胸の中で疼いている)

ことり(あの頃を取り戻したいと思う気持ちは、少し贅沢なものなんでしょうか)


ことり「…まだかな、穂乃果ちゃん」


ことり(穂乃果ちゃんは生徒会長だから、アイドルのことばかりじゃいられない)

ことり(少し生徒会に寄ってからになるけど、それでもいい?と言われました)

ことり(だから私は、こうやって学校玄関の前で穂乃果ちゃんを待っているわけです)

ことり(そんなことを頭の中の自分に説明していたら…)



ことり「あ…、ほ、穂乃果ちゃんっ」


穂乃果「…待っててくれたんだ」

テクテク…


穂乃果「ゴメン、少し生徒会の仕事を片付けてて」

ことり「うぅん、お仕事だもんね。仕方ないよ」

穂乃果「ありがと…」


テクテク…


ことり「…大変でしょ?生徒会長とアイドルなんて」

穂乃果「うぅん、平気。私のやりたいことだから」

穂乃果「甘えたことは、言ってられないよ」

ことり「…そっか」


テクテク…


ことり(もっと喋りながら、楽しく帰りたいのに)

ことり(あのころ出来ていたことが、今は何故か出来ませんでした)

ことり(何かを口に出そうと思っても、穂乃果ちゃんの方を向いたら)

ことり(どうしてもそれが口に出せなくて)

ことり(いつも笑ってた穂乃果ちゃんは、今は全然笑ってくれません)

ことり(穂乃果ちゃんが笑うのは、ダンスを踊っている時と、ファンの子と喋るときだけ)

ことり(それ以外はずっと、どこか遠くを見据えている目をして、口はずっとまっすぐで)

ことり(もしかしたら、穂乃果ちゃんは…)


ことり「…ね、穂乃果ちゃん」

穂乃果「何?」

ことり「穂乃果ちゃんは…、こうして私と一緒にいて、楽しい?」

穂乃果「…なんで?」

ことり「えっ…、いや、その…」

穂乃果「…そういう変なこと聞いてこなければ、まだ楽しかったかな」

ことり「…ごめん、なさい」

穂乃果「謝るなら、言わなければいいのに」

ことり「…」

穂乃果「なんて、ごめん。言いすぎかな」

穂乃果「ホントはね、楽しいよ。すごく」

ことり「えっ…」

穂乃果「あれからずっと、一人で帰ってたから」

穂乃果「またこうしてことりちゃんと並んで帰れるのは、なんだか懐かしくて、楽しい」

ことり「…っ!」

ことり(その時、私は)


穂乃果「…どうしたの?ことりちゃん」

ことり「う、うぅん…。なんでも、ないの…」


ことり(その時、私は)

ことり(私と帰るのが、楽しいと穂乃果ちゃんに言われるより)

ことり(もう一度私のことを、南さんじゃなくて、ことりちゃんと呼んでくれたことに)

ことり(これ以上なく、救われた感じがして)

ことり(同時に、自分がとても嫌になってしまって)

ことり(それだけで、幸福感を感じている自分が)

ことり(当たり前以下で、満足してしまいそうな自分が)

ことり(今を受け入れて、前に進もうとしない自分が)

ことり(嫌で、嫌で、堪らなくて)

ことり(私は前に進むために、一緒に帰ろうって、言ったはずなのに)

ことり(穂乃果ちゃんにとって、私は存在しているのだ、と感じただけで)

ことり(『存在しない誰か』と比べて、とても嬉しくなってしまって)

ことり(そんな自分に、痛いビンタを与えたくなって)

ことり(その結果、立ち止まってしまって)

ことり(穂乃果ちゃんに心配されてしまった、私なのでした)


ことり「えへ…、わ、私もこうやって穂乃果ちゃんと一緒に帰るの、楽しいよ」

穂乃果「そっか。よかった」

ことり「うん。あ、穂むら、寄って帰っていいかな?」

穂乃果「いいよ。きっとお母さんも喜ぶと思う」

ことり「うん。…うん」



ことり(一瞬、何かを提案しかけて)

ことり(それがどんなものか、自分で理解する暇もないほどに、その提案をなかったことにして)

ことり(そんな自分も、大嫌いだった)

ことり(こうして穂乃果ちゃんと一緒にいられる今が、最高にいいものだって決めつけて)

ことり(変えようと思っても変えられない、そんな私)

ことり(あぁ、私はどうしたらいいのでしょう)

ことり(また立ち止まって、今度は後ろを振り返る)

ことり(今私たちが出てきた、UTX学院。結構歩いたと思ったのに、まだ大きく見える)

ことり(1年と、ちょっと前の春。あの時も、これと同じ景色をみて)

ことり(なのに、今では何もかもが違ってしまった)

ことり(だったら私は、あぁ、どうすればいいの?)

ことり(そんな風に、悲劇のヒロインを気取る私)

ことり(虫酸が走るほど、嫌いだった)

真姫「というわけでもしライブ!第3話、半分を過ぎたところで今日はここまでね」

凛「今日で終わるとか言ってなかったっけ?」

真姫「終わるかもねとは言ったけど終わるとは言ってないわ。むしろ全然終わらないわ」

凛「おいおい」

真姫「今回は海未の話かと思わせておいて実はことりメインのお話なのよね」

凛「話考えている間に急遽決まったとかそんなんじゃないよ。マジで」

真姫「詩的表現?というか、ちょっと臭いセリフも最後の方ちょくちょく挟んじゃったけど」

真姫「こういうの実際言えたら気持ちいいでしょうね」

凛「だったら私は、あぁ、どうすればいいの?とか?」

凛「キモいだけだと思うよ」

真姫「うっさいわね。似合わないのは重々承知よ!」

真姫「ま、そんなわけでイロモノなシリアスをぶち込んじゃったわけだけど、どうかしらね」

凛「途中にこういうのがいいって言ってくれた人もいたね」

真姫「うん、そうよ、そんな感じ!実にわかってくれてるわね!」

真姫「こういう救いのない空気が実にたまらないのよね」

凛「病的だにゃ…」

真姫「でも大丈夫!それを払拭するほどのハッピーを提供するのが西木野☆星空シアターなのだから!どこぞのうろなんとかとは違うわ!」

凛「うろライブ!は一切関係ないよ」

真姫「だからこういうのがあまりお好みでない人も我慢して読み続けてくれればいずれハッピー展開が訪れるから期待して待っててね」

凛「あとどうでもいいけどどうやら4話の話を思いついてしまったので早く書きたくてウズウズしてるらしいにゃ」

真姫「まだこれからの展開すら曖昧なのに気が早いことね」

凛「じゃあそんなこんなで西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「次に一緒に下校するのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

とあるスマホゲでちょうちょ集めしてたら遅くなりました
十数分後にうろライブ!始めるけど人いるかな なんとかなると信じよう

真姫「もうこんな時間だけど仕方ないわね。始めましょう」

凛「そんでもって前回の忘却安価の振り返り!なんだったっけ」

真姫「確か…穂乃果とにこちゃんと花陽が忘れるんだったわね」

凛「で穂乃果ちゃんの忘却は…帰る場所…」

真姫「これはつまり穂むらの存在を忘れちゃう、ってことなのかしら」

凛「穂乃果ちゃん野宿っすか…?」

真姫「そしてにこちゃんは…はは、A-RISEですって」

凛「にこちゃんにとっては青春の全てを捧げてきたようなものなのにそれを忘れちゃうとか泣けるね…」

真姫「この安価を取った殿方か姫方はド畜生ね」

凛「そして最後かよちん。ろ、ロボ子の存在…?誰ロボ子って…」

真姫「…おそらく、統堂英玲奈のことを指しているのでしょう」

凛「え、なんで統堂さん…?」

真姫「それ以上は聞いちゃダメ!いくら中の人が棒読みすぎてロボットっぽいからって!」

凛「あぁ…。そうですか」

真姫「それにしても棒読みとか…笑えるわよね。実況スレやニコニコでセリフの度に半角にされちゃってるのよ?ぷぷ」

凛「真姫ちゃんもよくやられてる奴じゃんそれ」

真姫「私は時々だからイイノヨ!!それじゃ、うろライブ!第3話!始めていくわよ!」

凛「スタートにゃー」

前回のラブライブ!デン


ことり「というわけで本編のここを一回聞いただけで暗唱するコーナ~。今日は私だね」

ことり「長いから正直全然自信ないよ…。うぅん、でも頑張るっ!行くよ!」

ことり「ラブライブに出場するために頑張る私たち!でも、えー…、曲作りはすごいプレッシャーで!」

ことり「はぁ~(ため息)」

ことり「だからみんなで協力して…、サポートをしようってことになりました!」

ことり「それから…、(にこの声真似)いつだってどんな時だって、曲はみんなのもの」

ことり「(穂乃果の声真似)これがあーであーやって云々」

ことり「(希の声真似)スピリチュアルやね」

ことり「そんなこんなで曲が完成!心機一転頑張るぞ!(ヤケクソ)」


(見返しタイム)


ことり「…正直ムリだと思ってました。最初から全く違う…」

ことり「うん、ていうか前回にこちゃんも穂乃果ちゃんも希ちゃんもこんなこと言ってなかったし」

ことり「だから全然問題ないよね!」チュンチューン

屋上


穂乃果「ほえ~…、これがノートPC…」

花陽「え、そこから?」

絵里「それより…、これがラブライブ専用のサイトなのね」

穂乃果「お、これは?」

花陽「それはスクリーンだよ」

穂乃果「そ、そうじゃなくて…、ここに映ってるやつね」

花陽「あ、これは予選が行われる各地のステージだよ」

花陽「今回の予選は…えー、忘れた」

穂乃果「花陽ちゃんいつもいいところで忘れちゃうよね」

絵里「確かルールブックでは…、予選に参加するチームが多いから会場以外で歌ってもいい、みたいなことを書いてたわね」

穂乃果「なるほどぉー…。ルールブックなんてものがあったんだ…」

花陽「さっきも言ってたよねそれ…。で、もし自分たちで場所を決めたら…忘れた」

花陽「とにかく!ネットで配信されるらしいです!」

穂乃果「全国…、すごいや!」

絵里「誰も全国なんて言ってないわよ…」

穂乃果「あれ?台本だと確か…」

花陽「だ、ダメダメ!違うよ!?これは台本じゃないよ!?台本なんてないよ!?」

穂乃果「そ、そうだよねー…。あはは…」





どこか


ドリンクノコオリカランッ…

ノートPCパタンッ


「…」ニヤッ

「始まる」




うろ覚えラブライブ! Forgotten Idol Project


第三話「アダルトコンテンツは含みません」



部室


海未「…最初に言っておきます」

海未「このあとのセリフ滅茶苦茶長いので言いたくありません飛ばします」

ことり「説明セリフ飛ばしちゃったら状況が理解できないよ…」

希「端折って説明すればいいんやない?」

海未「し、仕方ないですね…」

海未「つまり、各グループの>>354は5分で、エントリーしたグループは>>355を披露して、お客さんが>>356して順位が決まります」

ライブ

一発芸

万歳三唱

海未「各グループのライブは5分で…」

絵里「ふむふむ、ライブの持ち時間が5分ってことね?」

真姫「モチジカン?お餅をつくノ?」

凛「そういう餅じゃなくて…」

海未「そしてエントリーしたグループは一発芸を披露します」

花陽「そういう大会でしたっけ?!」

にこ「…一発芸ね…。腕がなるわ…」

花陽「え、乗り気!?」

穂乃果「一発ゲイ…って書くとホモホモしいよね」

花陽「さりげなく変なこと言わないで」

海未「お客さんが万歳三唱して順位が決まります」

ことり「…選挙か何か?」

希「声の大きさとかで決まるんかな…」

海未「これで分かりましたか?」

絵里「おおよそ間違ってるでおろうことはわかったけど…、この中の誰も大会の仕組みを理解してないからね」

絵里「本番どうなるかに賭けましょう」

希「それまでは理解せずに進めるんやね…」

絵里「そして上位4組が決勝に進めるのも忘れずに。これだけは覚えてたわ」

真姫「4組…。狭きマンね…」

希「マンやなくて門な。ちょっとやらしいから」

花陽「しかも…、東京はすっごい激戦区…!それに…」

穂乃果「オムライス…」

にこ「そう、パラパラのチキンライスとふんわり卵のとろけるハーモニー…って違う!」

にこ「アレよアレ!えー…、なんだったかしら」

穂乃果「ミュータントガールズ?」

にこ「なんでアンタがちょっとマイナーどころのスクールアイドルを知ってるのよ…!じゃなくてー…」

凛「A-RISEでしょ。怖いにゃー」

にこ「いや違うくて!」

凛「え?A-RISEだよね?綺羅ツバサとか、優木あんじゅとかの…」

花陽「そだよ!すでに人気は全国区の最強スクールアイドルといえばA-RISEだよ!」

にこ「え?そ、そうだったかしら…?あ、アライズなんて名前のアイドル、いたっけ…?」

にこ「にこが覚えてる最強のスクールアイドルは…」

にこ「>>358>>359って名前のグループだったはずなんだけど…」

Love

765

にこ「Love&765って名前のグループだったはずなんだけど…」

海未「なんですかそれは…」

にこ「意味はよくわかんないけど、多分一年中愛を届ける、みたいな名前じゃない?」

絵里「にこ、一年は365日よ」

にこ「えっ!?そ、そうなの!?じゃあ765って何…」

花陽「そ、そういう名前のプロダクションがあるっていうのは聞いたことあるなぁ…」

ことり「それじゃプロじゃんいくら詳しくないからって舐めんなオラァ」

凛「どっちにしろ、にこちゃんはA-RISEを覚えてないってこと?ほら!このポスターだよ!」

にこ「お、おぉ…!なんだかすごいオーラを感じるわ…!なるほどこれが…」

海未「また、忘れた…というやつですか?にわかには信じ難いですが…」

にこ「わ、忘れちゃったものはしょうがないじゃない!いいのよ!私今からこのA-RISEってとこのファンになるから!」

絵里「それは構わないけど…、私たちはこのA-RISEとラブライブ予選の枠を競い合うのよ?」

花陽「いえ、もう4組のうちひとつは決まったも同然です!」

にこ「えぇっ!!?ってことはにこたち、あと3つの枠に入らないといけないの!?」

凛「そ、そういうことだけど…。にこちゃんが驚いたせいで凛が驚くタイミング逃しちゃったじゃん…」

穂乃果「でも!プロアクティブに考えよう!」

ことり「美肌となんの関係が…」

真姫「ポジティブってイイタイノネ」

穂乃果「まだ3組も進めるんだよ!人数換算で行けば120人…」

穂乃果「9人しかいない私たちが枠に入るのなんて楽勝だよ!」

希「3組って別にクラスの事ちゃうから。ひと組40人って決まってるわけじゃないから」

穂乃果「えっ!?そうなの!?!?じゃあ無理だわ…」

絵里「ポジティブはどこいったのよ…」

海未「穂乃果が3×40の暗算が事の方が驚きでした。少し漏らしました」

穂乃果「あ、でもでも!今回のライブは会場以外でも歌うことが認められてるんだよね!?」

穂乃果「だったら、>>363をステージにしない?」

アルパカ小屋

穂乃果「アルパカ小屋をステージにしよう!緊張せずに自分たちらしいライブが出来ると思う!」

希「いやや…、なんか臭そう…」

ことり「いい!すごくいい!賛成!決定!!今すぐ撮影しよう!!!!」

絵里「ことりのテンションがおかしなところに行ってしまっている…」

ことり「あ、アルパカさんをバックにダンス…!燃える!!」

にこ「甘いわね!」

ことり「ハァ?ピーすぞ」

にこ「えっ…怖…」

花陽「わ、私も少し惜しいですけど、にこちゃんの言う通りだと思います!」



中庭


花陽「中継の配信は一回勝負!やり直しは効かないの!」

花陽「失敗すればそれがそのまま全世界に晒されて…!」

穂乃果「うわぁっ…」

ことり「ということはもしアルパカさんと何らかアクシデントで獣姦するようなことになれば…」

ことり「人間としてサイテーな映像が全国に配信される…!でゅふふふふふ…燃える!!」

穂乃果「アルパカ小屋は絶対にやめよう」

にこ「それに!画面の中で目立たないといけないから目新しさも必要になるのよ!」

穂乃果「目新しさ…」

ことり「十分にあると思うよ?」

穂乃果「それは絶対にナシ」

凛「じゃあ奇抜な歌とか?衣装とか?」

希「うふ、例えば>>367>>368とか…?」

アルパカの毛皮

腰巻き

希「アルパカの毛皮の腰巻きとか…?」

ことり「っ!!?!!?!??!」

海未「アリですね。今すぐ毛皮を刈りましょう。狩りましょう」

ことり「だ、だめぇぇぇぇぇぇぇぇぇアルパカさんモフモフとっちゃダメぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

希「そして腰巻き一丁、っていうのもアリと違う…?」

海未「っ!!?!!?!??!」

海未「そ、それっ…、そそそ、それはっ…!!?!」

海未「無理ですっ!!」ブシュゥゥゥッ!!

花陽「う、海未ちゃんの鼻から鮮血が!」

穂乃果「こうなるのも久々だね!」

凛「以前になったことあったの…?」

希「えりちの腰巻き一丁姿、見てみたいなぁ…」

絵里「ムリムリムリムリムリムリムリムリ」クビブンブン

穂乃果「おぉ!セクシャルハラスメンツ!」

ことり「セクシーダイナマイト…じゃなくて普通にそれで正解だね」

海未「無理です…」ブシュゥゥゥゥ…

にこ「いつまでたれながしてんのよ!?」

絵里「やらないわよ私は!?ほぼ全裸じゃない!!」

海未「…ほぼ、全裸…」



~妄想~


海未「うふふ♪みんなの○○○、撃ち抜くぞ!」

海未「どぴゅっ!」


~妄想終わり~



海未「おうっ」バタリ

穂乃果「海未ちゃんが死んだ!」

ことり「この人でなし!」

にこ「わ、私もやらないからね…」

凛「またまたー、部長には誰もお願いしてな痛ァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

にこ「右足の小指を踏み抜くわよ!」

凛「お、おごぉぉぉ…!もう、踏み抜いてるにゃぁぁぁぁ…」

花陽「…ていうか、そんなことしたら大会の規約に触れて一発アウトだよ…」

穂乃果「え、そうなんだ…。見たかったなぁ…」  海未「ぬ、ぬれぬれ…」

真姫「ていうか、こんなところで話してるより、やることがアルジャーノン?」

穂乃果「へ?花束?」  海未「剃毛もしなければぁ…」

絵里「なんでそんなことはわかるのよ…」


希「この風景傍から見てるとカオスすぎやね」

放送室


穂乃果「おぉ、ここが以前立てこもり事件のあった…」

放送部員「いや、そんな事件はないですけど…えと、お昼の放送のことですよね?」

穂乃果「あ、そうそう」

真姫「カノジョ、放送部員ナノ」

穂乃果「いや名前欄見ればわかるし」

絵里「メタいメタい」

真姫「こうやって実際マイクに向かって校内のみんなにアピールすれば…」

穂乃果「ほうほう!手をついて中腰になって先が膨らんでいる棒状のものに口を近づけて口内をアピールするんだね!」

絵里「どうしたらそんな発想が出てくるのよ!?!?!」

真姫「エト…、チョットナニイッテルカワカンナイ。こ、こうすれば応援してもらえるし、中継されるときの練習にもナルデショ?」

穂乃果「真姫ちゃんナイスアイデア!そして絵里ちゃんより日本語上手!」

絵里「穂乃果に言われたくもないわ…。学校なら、失敗しても迷惑はかからないし、外に漏れる心配もないわね」

穂乃果「え、外に漏れる…、うわぁいっぱい出されたんですね…」

絵里「絶対言うと思った」

真姫「イミワカンナイ」

ことり「雑魚どもに応援してもらえたら多少は心強いね!」

海未「ひ、ひどすぎませんか流石に…。まぁ、それ自体はすごくいいとは思いますが…」


りんぱな「「ほわぁぁぁぁ…!!」」


穂乃果「ん?」

絵里「どうしたの?」

凛「真姫ちゃんがオナクラの子と仲良くなるなんて…」

穂乃果「オナ…!?」

花陽「びっくり…」

穂乃果「クリ…!?」

絵里「もう黙れ」

真姫「べ、別に…!ただ>>373で、少し話しただけよ!」

ラブホ

真姫「べ、別に…!ただラブホで、少し話しただけよ!」

穂乃果「ラブホ…、えっラブホ!?」

絵里「ま、まさか真姫がそんな…ダメよハレンチな!」

真姫「えっ…ラブホ…、え?」


凛(…ドゥフフフ!日頃から真姫ちゃんに…)

凛(『日直で一緒になったことを若者言葉でラブホって言うんだよ!』って吹き込んだ甲斐があったにゃ…!!)

凛(それでは混乱する会話を引き続きお楽しみください)


真姫「な、ナニヨ…!ラブホじゃダメなの!?」

ことり「いやぁ、だって…」

花陽「真姫ちゃん、意外と行動派なんだね…。すこし憧れちゃう…」

真姫「は、花陽とだって一回ラブホで…」

花陽「えぇぇっ!!?!?!」

穂乃果「そうなの!?花陽ちゃんもなの!?」

花陽「いやいやいや!行ってない行ってない!!」

放送部員「わ、私も記憶にないんだけど…西木野さん…?」

真姫「え、ラブホだったじゃない…。忘れたの?」

海未「その方がラブホだったのですか…?」

真姫「私とカノジョがラブホなの!」

放送部員「へっ…?!」

ことり「なんだかえっちぃ表現!!燃える!!」

絵里「今日あなたそれしか言ってないわね…」

穂乃果「オナクラは!?オナクラは行ったの!?」

真姫「いや、元々私とカノジョはオナクラだし…」

穂乃果「えー!前からオナクラで働いてるんだ!!?」

絵里「そこは普通に同じクラスの略でしょうが!ややこしくしない!!」

花陽「も、もしかしたら真姫ちゃん、日本語を誤解してるんじゃないかなぁ…」

絵里「その線が濃厚ね…。あ、あのね真姫。ラブホっていうのは…ゴニョゴニョ」

真姫「えっ!!?!ウ、ウソ…!そういう意味だったノ…?ハズカシ…」

真姫「でも私、凛からラブホは日直で一緒になったって意味って…」

凛「げっ…!ま、真姫ちゃん…!そこまで言わなくても…」

絵里「凛~~…!!」

凛「ご、ごめんなさーいっ!!」



「あはははははははは…」

真姫「そんなこんなで和気あいあいな雰囲気のここで中断ね」

凛「下ネタしか続いてないよ…」

真姫「遅くから始めた上にネタを詰め込みすぎたせいで動画時間的に6分半しか進んでないわ」

凛「いつもはAパート全部やって終わるのにね」

真姫「このままだと2回に収まらないから、明日早めにするか3回に分けるかのどちらかになるわね」

凛「しかしここから先はネタ詰め込み放題の学院内放送なのであった」

真姫「どうなるかは神のみぞ知るってことよ。じゃ、今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次にアルパカの毛皮の腰巻き一丁で踊るのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

早めに始めるとかなかったすまんね
SSAのことでそわそわしてたらこんな時間ですぜやってきます

忘却安価のことならまとめてないんで今は遡って探してくだしあ
その時々に忘れたりしてるものはこっちでは把握してない 大抵すぐ思い出してるよ

理事長室


理事長「…」カキカキ


『あー…』


理事長「…ん?」


穂乃果『みなさん、こんにちわ!』


理事長「あら」


穂乃果『んちゅっ…、こ、こうかな…。ぺろっ…』


理事長「…ん?な、なんの音…?」




放送室


穂乃果「こういう竿のところをまず念入りに…ぺろぺろ…」

にこ「なにやってんのよ!!」

凛「あれはストップものにゃ!」

穂乃果「おぉごめん!真面目にやるから許して!!」

穂乃果「えーっとぉぉ~…」

穂乃果(ハッ…!な、なにを言えばいいんだっけ…!?)

穂乃果(えー、こういう場合まずすることと言えば…)

穂乃果(>>388かな…?)

一発芸

穂乃果(そうだ、一発芸を校内中にお見舞いしてあげれば…)

穂乃果(つかみもバッチシ!できっとみんなからも応援してもらえるはず…!)

穂乃果(よし…!とっておきのネタをかますぞぉぉぉっ!)


穂乃果「えー、じゃあ一発芸します」

絵里「なんでっ!?」

穂乃果「探偵歌劇ミルキィホームズTDに出てくる天城茉莉音ちゃんの声真似しまーす」

穂乃果「私のエレメントが!エレメントが消えちゃった!」

ことり「似てる!」

にこ「いやそりゃ似てるでしょうけど…誰がわかんのよ深夜アニメなんて!」

穂乃果「えー次はー…、声優の新田…」

絵里「こっらぁぁぁぁっ!!!!!!!やめなさああああぁぁぁぁぁいっ!!」

穂乃果「ひゃああっ!絵里ちゃんっ!!」

絵里「ハァ…、ハァ…。す、すかさず放送委員の子が電源オフってくれてからいいものの…」

絵里「あんな放送事故必須な一発芸なんか披露してたらますますアネックス1号が変人集団だと思われるでしょ!」

穂乃果「…もうすでに思われてると思うけど」

絵里「これ以上悪化しないためにもよ!…ったく、まず始まったら挨拶、それから自己紹介!」

穂乃果「あ、そっかー。自己紹介ねー…」

絵里「わかったらもう一回!」

穂乃果「う、うん…」


穂乃果「えー…、先ほどは音声に乱れが生じてしまい申し訳ありませんでしたー」

穂乃果「改めて!みなさんこんにちわ!わたくし、生徒会長の…じゃなかった」

穂乃果「アネックス1号のリーダーをやってます!小町小k…」

穂乃果「…高坂穂乃果です!」

希「今なにを言おうとしたんやろうね…」

穂乃果「実は、私たちまた…」

穂乃果「>>391

でかい事をやらかします!

穂乃果「でかい事をやらかします!」

穂乃果「え?でかい事って何かって?」

穂乃果「それはですね~…」

穂乃果「あーどうしよっかなー!言っちゃおうかなぁ、言わないでおこうかなぁ…」

穂乃果「知りたい?知りたいですか?」

穂乃果「あーもう、そこまで知りたいなら教えてあげちゃう~!」

穂乃果「じ・つ・は…」

穂乃果「なんとなんとなんとー…!」

穂乃果「私たち…」

穂乃果「でけでけでけでけでけでけでけ…」

穂乃果「デデンッ!!」

穂乃果「発表はCMのあとすぐ!」

にこ「早く言えっ!!」スパシーンッ!!

穂乃果「あぶふぅっ!!」

穂乃果「…ライブやります」

穂乃果「で!今度こそラブライブに出場して、優勝を目指します!」

穂乃果「みんなの財力が私たちには必要なんです!」

希「大会実行委員を買収するようお願いしている…!?」

穂乃果「お金がない人も大丈夫!ライブはそんなにお金取りません!」

ことり「む、無償でやってるんだけど…」

穂乃果「応援よろしくお願いします!高坂…えー…、さちこでした!」

絵里「穂乃果よ!自分の名前すら忘れてんじゃないの!」

穂乃果「ふぅ、パーペキだね」

凛「今の放送聞いて応援しようって気になった人が何人いることやら…」

穂乃果「えー、そして!他のメンバーも紹介…あれ…」

海未「む、無理です…あんな、い、一発ギャグなんて…!」

花陽「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない」


海未「えー…、園田海未役をやっています…、園田海未と申します…」

穂乃果「あー!それ私のネタのパクリだよー!」

海未「え、一発芸をやったつもりは…。声真似でもありませんし…」

穂乃果「違う違う!音ノ木坂情報局のレス番637で同じことを…」

海未「は?」


にこ「なんでこの3人にしたの…?」

絵里「一番緊張しそうで練習が必要な二人と…、あとは穂乃果がどうしてもって」

にこ「あのクソ目立ちたがり屋め…」

花陽「あの、アネックス1号のメンバーの小泉花陽でふ…」

花陽「あの、好きなごはんは食べ物です…、ぉヵヵぉぃしぃぉ…ぉヶッぁっぃぉゅゃゎ」


真姫「はぁ…、ボリュームあげて」

放送部員「う、うん…」


花陽「ぇ、ぇと…、ら、ライブ…ライブビューイング組でも一緒に盛り上がりましょう…!」

花陽「じゃなかった…、えー…」


凛「おーい、声もっと出してーこーえー」コソコソ

希「あとおっぱいも」ボソッ


花陽「わかっ…、え、おっぱ…!?」

穂乃果「おっけー!」グッ

穂乃果「どりゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」ハナヨノフクガバァッ

花陽「えっ…ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!?!?!!?」

穂乃果「こうか!こう揉みしだけばええんか!!」モニュモニュッ

花陽「ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!??!!?!?」


希「ええよっ!!大きな声出てる!その調子で宣伝や!」


花陽「せんでっ…!?み、みなさああああああああんっ!!」

花陽「ライブ来てくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁいいぃぃぃっ!!!」

花陽「あっ、あ、あぁぁぁ…、らめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ…!!」

花陽「ひゃんんんんんんんんんんんんんっ!!!!!!」ビクンビクンッ

穂乃果「よっしゃあぁぁぁぁっ!!そんなこんなでアネックス1号をよろしくぅぅっ!!!」


キーーーーーン…


穂乃果「あれ…?」


一同「耳痛い…!」

にこ「…なんでアンタだけ平然としてられるのよ…」

希「耳栓してた」


真姫「なにやってんのヨ…!!」

放送部員「えへ、でもアネックス1号らしくてよかったんじゃない?」

海未「本気で言ってらっしゃるのでしたら精神科の受診をおすすめします…」

花陽「ぜ、全校生に私の嬌声を聞かれてしまったぁぁぁぁぁ…」

ことり「…ちょっと羨ましい」

穂乃果「あはははは…」

屋上


にこ「うぅ…、まだ耳がキーンってする…」

真姫「あれが悪い例だからネ。本番でやったら一番ダメなヤツ」

穂乃果「うん!もうむやみに大声出さない!」

真姫「…ライブじゃ出さないとイミナイんだってバ…」

希「前途多難にも程があるね…」

絵里「希が言えたことじゃ…。はぁ…、と、とりあえずあとは場所よね」

花陽「カメラで…忘れた」

海未「4文字しか言えてませんよ…」

絵里「んまぁ…、なんとなく言いたいことはわかるわ。私Nikon製のものがいいと思うの」

海未「絶対わかってないですよね。花陽は場所の話を…」

にこ「え?呼んだ?」

海未「にこではなくてニコン…」

ことり「Nikonよりやっぱり安定のCanonだと思うの!」

希「いやいや、PENTAXも馬鹿にできんよ?」

海未「あー!カメラの話なんてどうでもいいでしょう!今は…」


数十分後


海未「…あえてSONYというのもありかもしれませんね」

穂乃果「あー、なるほど…。でもパナソニックが…」

花陽「…ところでもう下校時間だよ」

穂乃果「あ、もうそんな?じゃあ帰ろっか」



UTX学院前


希「なんの気無しにUTX前まで来ちゃったね…」

絵里「でも敵地を視察するにはいいんじゃないかしら」

にこ「あ、あれがA-RISE…!?かっちょええ…」

花陽「あれ…?なんか違和感…?」


『ついに新曲ができました!』

『今度の曲は今までで一番盛り上がる曲だと思います』

『是非聞いてくださいね!』


ことり「…目障りだね」

海未「穂乃果を取られそうな気配を感じます…!」

穂乃果「…そいえば私たちなんか大事な話してたような…」


テクテク…

「…高坂さん?」


穂乃果「えっ…!?」 海未「なっ…!」 ことり「あなた…!」

穂乃果「>>396!」 海未「>>397」 ことり「>>398…」

私の婚約者!

この泥棒鳥!

ホノカチャァン…

穂乃果「私の婚約者!」 海未「この泥棒鳥!」 ことり「ホノカチャァン…」

ツバサ「えっ…、あぁ…?」

穂乃果「そのツヤツヤしたおでこに惹かれました!結婚して!」

ツバサ「え、えっと…」

海未「あなたには絶対穂乃果は渡しません!なぜならすでに穂乃果の血液には私の…おっとこれは秘密でした」

ツバサ「あの…」

ことり「ホノカチャン…、ドウシテソンナコトイウノカナ?アタマオカシイノカナ?」

ことり「イッカイカチワッテコトリガチュンチュンシテアゲヨウカナ?」

ツバサ「な、なんか危ないっ…!!」

ツバサ「逃げましょうっ!」ギュッ ダッ

穂乃果「ひゃぁっ!?こ、これは白馬の王子様的展開!?」

海未「逃がすかっ!」

ことり「トラエル…!」

ツバサ「ひぃぃぃぃぃっ!!」ダダダダッ



凛「うーん、それにしてもA-RISEの良さはいまいちわかんないにゃー…」

花陽「あれぇ…?あんな長髪ロングの人A-RISEにいたっけ…?」

花陽「ん?」



ツバサ「ちょっと…、本気出すわよっ…!!」ダキッ

穂乃果「ほわわっ!お姫様抱っことは大胆!」




花陽「」

凛「かよちんどした?」

花陽「っ!!」ダダッ


花陽「今のは絶対…!!」ダダダッ

にこ「A-RISEの真ん中の子よね!?」ダダダッ



UTX学院内


ツバサ「…はぁ、はぁ…。あ、あなた…、いつもこんな目に…?」

穂乃果「うーん、どうかなぁ…。昨日のことは振り返らない人間だからちょっと」

ツバサ「そ、そう…。えっと、初めまして」

穂乃果「うん、初めまして…」

穂乃果「いつまでお姫様抱っこを?」

ツバサ「…うふ♪」



ラブライブ!(アイキャッチ)

UTX学院内


ダダッ…


にこ「あ、A-RISE…!?」


ツバサ「ようこそ、UTX高校へ」


にこ「…なんで穂乃果を抱っこしてるの…!?」


穂乃果「さぁ…。私にもさっぱり…」


花陽「あ、あの…よろしければ…」

花陽「>>403を…!」

一狩りしませんか?

花陽「私と一狩りしませんか!?」

にこ「あっ!ズルい!私も!にこのガンランスが火を噴くわよ!」

穂乃果「あ、穂乃果もやりたい。何の話か知らないけど」

ツバサ「…ごめんなさい。私フリウォ派だから」

ツバサ「代わりにサインならしてあげる。Vitaに」

花陽「3DSしか持ってません…!」

にこ「人が悪いわよ!」

穂乃果「というか、どうしてこんなことを…?」

ツバサ「それは前から知ってるからよ。アネックス1号のみなさん」



UTX学院 ゲストルーム的なところ


ツバサ「ゆっくりくつろいで。ここはこの学校のカフェスペースになってるから、遠慮なく」


海未「は、はぁ…。あの、もう結構な時間だというのになかなか生徒が残っていらっしゃる…」

ことり「どれだけおうち帰りたくないのやら…」

穂乃果「おうちってなんだっけ…」

花陽「あ、あの…!さっきはうるさくてすいません…」

あんじゅ「いいのよ。気にしないで」

絵里「えっと…、素敵な学校ですね」

真姫「シロウトにしかみえなーい」

絵里「おいやめろ」

にこ「うわぁ…、近くで見るとやっぱオーラあるわぁ…」

あんじゅ「ふふふ、楽しそうな人たちね。あなたたちもスクールアイドルなんでしょ?しかも同じ地区!」

ツバサ「一度、挨拶したいと思っていたの。高坂穂乃果さん♪」

穂乃果「え?」

ツバサ「下で見かけたとき、すぐあなただとわかったわ」

ツバサ「映像で見るより本物の方が、はるかに魅力的ね…」

英玲奈「ヒトヲヒキツケルミリョク…」

ツバサ「ところで高坂さん。ラインやってる?」

英玲奈「おい私が喋ってるんだから…」

あんじゅ「英玲奈何度やってもうまくしゃべれないもーん。いつもは流暢に喋れるのにこんな時だけー」

英玲奈「わ、悪かったな…」

穂乃果「えと、ラインは…」

ツバサ「私ね!実はずっと注目していたの!あなたたちのこと!ひいては高坂さんのこと!」

一同「えっ…」

穂乃果「えっ…」

海未「は?」 ことり「あぁん?」

ツバサ「高坂さん。あなたがその気なら本当に…結婚してもいいと思ってる」

ツバサ「どうかしら?」

穂乃果「え…」

海未「>>405」 ことり「>>406

ほのかが欲しいなら私を倒してからにしなさい

罠発動ゴッドバードアタック

海未「穂乃果が欲しいなら私を倒してからにしなさい」

ことり「罠発動ゴッドバードアタック。私をリリースして海未公と羽公を破壊します」

海未「ぐふぅっ!!!な、なんてことを…!」

ことり「私が死のうとも穂乃果ちゃんだけは渡さない…!!シナバモロトモォ…!」

海未「まだです、まだぁ…!!私はここで倒れるわけには…!」

あんじゅ「ノリがいいのねあなたたち」

英玲奈「仲良しなんだな」

海未「だ、誰が…」

ことり「海未公のことなんて全然好きじゃないんだからね!」

穂乃果「あのところで、結婚っていうのは…」

ツバサ「了承してくれた?」

穂乃果「あの…、せめて18になってからで…」

ツバサ「私18よ!」

穂乃果「…私が」

あんじゅ「…あのね。実はこの前からツバサちゃんの様子がおかしくて」

英玲奈「高坂さんの写真や映像を見るたびにうっとりしているんだ…」

ツバサ「ね、高坂さん…。お願ぁい…」

穂乃果「えぇ…。うぅん、好きになったヒトがこっちのことも好きだと燃えないんだよねぇ…」

絵里「面倒臭い性格してるのね」

あんじゅ「ホントは前のラブライブで一番のライバルになるんじゃないかって予想してたところから始まったんだけど…」

英玲奈「いつの間にか変な疾患を発病してしまっていてね…。キミたちのことも、色々とこちらで調べていたんだが…」

ツバサ「いいの!高坂さん以外居れば他になにもいらない!」

あんじゅ「こんな有様なのよ…。ごめんなさい。幻滅しちゃった?矢澤にこさん」

にこ「へぇっ…!?ど、どうして私の名前…」

英玲奈「彼女、私たちが活動し始めた頃からお花をくれたんだ。ありがとう」

にこ「えっ…、ど、どういたまして…」

にこ(そうだったんだ…。どれだけ私A-RISEにお熱だったのよ…!なんかもったいない!)

花陽「顔覚えられてるファンなのに忘れちゃってるんだよね…。悲しい…」

英玲奈「あと、小泉花陽。あなたも…」

花陽「ハイっっ!?!え、あ、えっと…どちら様…?」

英玲奈「…A-RISEの統堂ですけど」

花陽「統堂…え、A-RISEの人!?ホントに!?」

凛「か、かよちんまさか…」

花陽「…知らない」

英玲奈「えっ…!?」

希「ごめんなさいうちらも結構重大な疾患を持ってて」

絵里「一過性のものだったりそうでないものもあるけど気にしないでくだちゃ…あ、ください」

英玲奈「…は、はぁ」

あんじゅ「んー、この人たちホントにあのアネックス1号?」

英玲奈「リアルだとこんなのなんだな…」

ツバサ「ハァハァ…。高坂さんカワユス…!」

真姫「アホみたいに間延びしちゃったから今日はここまでね」

凛「あの、気になる点が…」

真姫「はい星空さん」

凛「綺羅ツバサになにかしました?」

真姫「もちろん」

凛「え」

真姫「ふふふ…、ただアネックス1号のみんなにクスリを服用させるだけじゃつまらないじゃない?」

真姫「どうせだからA-RISEの綺羅ツバサにも変なクスリを飲ませてやったわ!」

真姫「リターンズであなたが作った『究極の惚れ薬』、穂乃果バージョンをね!」

凛「なっ…!知ってたの!?凛が真姫ちゃんに飲ませたこと!」

真姫「もちろんよ。って言っても気づいたのはあの後のことだけど」

真姫「なんか面白そうだから再利用できないかと探してたらいい実験台がいるじゃないの」

真姫「あの真面目そうなツラの綺羅ツバサもこれで立派なほのキチね!」

凛「ま、まぁ…。A-RISEがマトモ過ぎるとアネックス1号ラブライブで勝てなくなっちゃうかもだからやむなしといえばアレだけど…」

真姫「ふふふ…、これで穂乃果を取り巻く恋慕の渦はさらに複雑なものとなったわね…」

真姫「最後に穂乃果を手にするのは果たして誰なのか!?」

凛「そういうSSじゃないんですけどねこれ」

真姫「本音は普通のままじゃ面白くないから即興で入れてみただけよ」

凛「そんな事情も垣間見えたところで今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「次にお姫様抱っこされるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

最近はこんな時間スタートが当たり前になってしまった
まーでもこのあとライブシーン二つ挟むし時間的にはすぐ終わるはず
さて誰が来てくれるかな

あんじゅ「他の子たちも色々調べておいたんだけどー…、言う?」

絵里「あ、いや別に…。でもなぜそこまで…」

ツバサ「これだけのメンバーが揃っているチームはそうはいない」

ツバサ「だから注目もしていたし、応援もしていた」

穂乃果「…」

ツバサ「そしてなにより…」

穂乃果「ん…?」

ツバサ「…嫁にしたいと思ってる。高坂さんを」

海未「はい出ましたそういうの来ると思ってましたーいいですからそんなの」

ことり「面白いと思ってる?きょうびツバほのとか流行んねぇんだよカス」

ツバサ「ごめんなさい」

英玲奈「ツバサが平謝りだ」

あんじゅ「怖いもんねー…」

ツバサ「で、でもっ…!スクールアイドルとしては負けたくないとも思っているわ!…あなたたち二人ともね」

海未「幼馴染特権を持つ私とことりに勝とうなどとは片腹痛いですが、しかしスクールアイドルの実力としてはあなた方は全国一位で…」

あんじゅ「それはもう過去のこと」

英玲奈「ワタシタチハタダジュンスイニ、イマコノトキ、イチバンオキャクサンヲヨロコバセルソンザイデアリタイ」

英玲奈「タダ、ソレダケ」

一同「…」

一同(どうしてこの人真面目セリフになるとこうも棒読みになるんだろう)


穂乃果「…」


ツバサ「…アネックス1号のみなさん、お互い頑張りましょう。そして、私たちは負けません」

ツバサ「…」チラッ

ツバサ「あなたたちにもね。何度でも言うわ。あなたたちにも」


海未「…ッ!」

ことり「こいつ…」


ツバサ「…」スタスタ…


穂乃果「あのっ!」


ツバサ「ん…?」


穂乃果「…A-RISEのみなさん」

穂乃果「>>417

絶対負けへんからな!

穂乃果「…A-RISEのみなさん」

穂乃果「絶対負けへんからな!」

ツバサ「なんで関西弁」

穂乃果「今日はあんがとな!」

ツバサ「ふふっ、でもそんな方言が安定しない高坂さんも可愛いわね」

英玲奈「多分ツバサにとっては彼女が何しようと可愛いんだろうな」

穂乃果「そ、そんなぁ~…。照れちゃいます…でへへ」

ツバサ「ねぇ、もし歌う場所が決まっていないなら、うちの学校でライブやらない?」

一同「えっ!?」

ツバサ「屋上にライブステージを作る予定なの。もしよかったらぜひ」

ツバサ「一日考えてみて」

穂乃果「…っ!や、やりませう!」

一同「えぇっ!!?」

あんじゅ「…今度は古語?」

ツバサ「かわいい」




2週間後


『さぁいよいよ本日、ラブライブ予選が行われます!』


UTX学院 屋上


穂乃果「おぉぉぉっ!すごぉいっ!!」

希「うちらの学校とは大違いやね」

穂乃果「え?ここ私たちの学校じゃなかったの…?」

希「…そうやったかもしれない」


控え室


凛「おー!かわいいにゃー!」

にこ「当たり前でしょ!今日が勝負なんだk…」

凛「鏡に映った凛!」

にこ「…そうね」

花陽「すでにたくさんの人が見てくれてるみたいだよ!」

凛「鏡に映った凛を?」

にこ「あんたどんだけ自分のこと好きなのよ…」

絵里「みんな、なにも心配ないわ」

絵里「とにかく>>419しましょう」

アライズを無視

絵里「とにかくA-RISEを無視しましょう」

ことり「そうだね!もう戦いは始まってるんだから!」

海未「話しかけられてもひたすら無視して精神的ダメージを与えてあげましょう」

絵里「えぇ、これぞA-RISE対策よ…!あ、凛、タイが曲がっていてよ」クイクイ

凛「ネクタイなんてしてないけど…。お魚の鯛もそんな好きじゃないにゃ」

絵里「一緒にライブをやるって決めてから、二週間集中してガン無視の練習ができた」

絵里「私は正解だったと思う!」

花陽「絵里ちゃんかわいい顔してド畜生だね」

真姫「ドチクショー」

絵里「黙れ」


スタスタ…


一同(…来たっ…!!)


ツバサ「こんにちは」


シーン…


ツバサ「…」

ツバサ「…こんにちは」


凛「にこちゃんの髪型もう少しこうした方がいいと思うにゃー」

にこ「そう?私はこのくらいでいいと思うわ」

絵里「あー、緊張するわねー」

真姫「私はトマトが好きです、私はトマトが好きです」

花陽「おにぎり食べたいなぁ」

海未「今日もことりは決まってますね」

ことり「海未ちゃんこそー」


ツバサ「こーんにーちはー!!」

ツバサ「…」

ツバサ「…なにこれイジメ?」

英玲奈「多分そうだろう」

あんじゅ「いいんじゃない?付き合ってあげましょうよ」


スタスタ…


希「あ、A-RI…」

希(いや、確かここはガン無視を決め込む作戦やったね!無視無視…)

穂乃果「あ、こんにちはー」

希「ってちょっ…」

ツバサ「ありがとう高坂さんっ!!」

穂乃果「…ほぇ?」

絵里「ほ、穂乃果!作戦を忘れたの!?」

穂乃果「作戦…?あっ!A-RISEを無視するってやつ!?忘れてた…」

ツバサ「そんなひどい作戦を立てていたの!?」

英玲奈「誘ったのが嫌になってきた」

あんじゅ「んー、可愛くなかったらぶん殴ってるところね」

ツバサ「でも高坂さんは私を無視しなかったわ!あなたと同じ場所でライブが出来て嬉しいわ!!」

穂乃果「ぴ、ぴゅー…。聞こえんなぁ~」

海未「聞こえないふりが下手!」

ツバサ「予選突破を目指して互いに高めあえるライブにしましょう!」ギュッ!!

穂乃果「ひゃぁっ…!は、ハグだなんて大胆…!っは!無視無視…」

穂乃果「あー、なんか身体に体温を感じるけど気のせいだよねー」

ことり「穂乃果ちゃん!そこはもう払い除けていいんだよ!いつまでもクソ羽公と絡み合ってなくていいから!!」

絵里「結局はA-RISEのペースになってしまったわ…」

希「作戦なんて立ててもしょうがないことはわかりきってたけどね」



穂むら


亜里沙「はぁ~…、ドキドキする…。ねぇ、お姉ちゃん達大丈夫かな…?」

雪穂「…大丈夫じゃないかもしれない」

亜里沙「だよねぇ…。心配だよ…」

雪穂「でも、どれだけお姉ちゃん達の脳みそがアレでも…」

雪穂「…練習した量なら、誰にも負けないはずだよ!」

亜里沙「…うんっ!!」



屋上 ライブ会場


♪ Shocking Party



海未「う、うぐぐ…!めっちゃカッコイイです…!悔しい…!!」

ことり「さっきまではあんな腑抜けだった羽公がライブ中は果てしなく輝いて見えちゃうよ…」

海未「こ、こうなれば私たちは目立たずに彼女らの妨害をしましょう」

ことり「め、目立たずに妨害…?いいけど、どうするつもり…?」

海未「私とことりで>>423をすれば彼女らの集中を乱すことができるはずです…!!」

穂乃香とちゅっちゅ

海未「私とことりで穂乃果とちゅっちゅすれば少なからずあの綺羅ツバサの集中は乱せるはず…!」

ことり「ナイスアイデア!」

海未「というわけで穂乃果!お願いします!」

穂乃果「…」

海未「ほ、穂乃果…?」

ことり「どうしたのー?ちゅっちゅしようよー」

穂乃果「…静かにして」

穂乃果「今、私A-RISEのライブを見てるから…」

海未「…ど、どうしたことでしょう…。いつもはあれほど能天気な穂乃果が…」

ことり「すごい集中してる…!」

穂乃果「…」

海未「…いえ、ですがつまりこれは今なら穂乃果にちゅっちゅし放題ということではないしょうか」

ことり「言えてる」

海未「というわけで、い、いただきます…!」

ことり「ちゅ、ちゅんちゅん…!!」

穂乃果「…鬱陶しい」

海未「んちゅー…」 ことり「んちゅー…」

穂乃果「穂乃果別のところで見るからあとは二人でどうぞ」スタスタ…

海未「んちゅー…」 ことり「んちゅー…」


ブチュゥゥゥゥゥゥ…


海未「ハッ…!?」

ことり「おうっ…!!!?」

海未「い、今触れ合ったのは…!」

ことり「…う、海未ちゃんの唇…!?」

海未「私たち…、まさか…」

ことり「…チュー、しちゃった…?」

海未「…ことり」

ことり「…海未ちゃん」


ことうみ「「おヴぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇええぇぇぇぇえぇぇぇぇ…!!!」」



A-RISE ライブ終了


穂乃果「ほあぁ…」パチパチ…

凛「直に見るライブ…」

花陽「全然ちが…あれ、なにこの床に流れてる液状のもの…。酸っぱい匂いする…」

ことり「気にしないで」 海未「ください」

花陽「や、やっぱり私たち…A-RISEのライブには敵わないのかなぁ…」

一同「…」


穂乃果「そんなこと>>428!!!」

あらへんよ

穂乃果「そんなことあらへんよ!」

花陽「なんで関西弁」

希「もしかしてうちのキャラ奪いに来てる?」

穂乃果「A-RISEのライブがすごいんは当たり前や!」

穂乃果「せっかくのチャンスを無駄にせぇへんよう、うちらも続くで!」

絵里「関西弁でなければとてもいいことを言っている…!!」

希「つまりうちが何か言ってもそんなに響いてないってことですか」

穂乃果「ほら!いつものやつ!やるよ!」

凛「いつもの…?」

真姫「何するの?」

穂乃果「ほらアレだよアレ!ライブの前には必ずやるやつ!」

花陽「お、思い出せない…」

にこ「ライブ、よくよく考えればすごい久しぶりだものね…」

穂乃果「あーもうっ!だからアレだって!」

穂乃果「手を>>430の形にしてみんなで一斉に>>432するやつ!!」

ピース

\(`д´)ゝ

穂乃果「手をピースの形にしてみんなで一斉に\(`д´)ゝするやつ!!」

ことり「ピースの形で…」

海未「\(`д´)ゝするのですか」

穂乃果「そう!\(`д´)ゝするの!」

凛「ピースの形っていわゆる手のひらに笑顔のマーク書いて合わせると見えるってやつ!?」

希「見えるんだけど見えないもの…!スピリチュアルやね!」

穂乃果「うーんそれでもいいけどペンとか無いから今回は人差し指と中指だけ立ててあとは折り曲げるやつで行こう!」

絵里「そして…\(`д´)ゝすると」

にこ「って!\(`д´)ゝってつまりどうするのよ!?」

穂乃果「だから\(`д´)ゝってポーズを決めればいいんだよ!」

花陽「そんなのやってたっけ…?」

真姫「記憶にないわね…」

凛「\(>ω<)ゝじゃダメかにゃ?」

穂乃果「いいよ」

凛「あ、いいんだ…」

穂乃果「みんなも個性出していこう!よーし、それじゃあ…」

穂乃果「せーのっ!」


穂乃果「\(`д´)ゝ」 海未「\(´∀`)ゝ」 ことり「\(・8・)ゝ」 真姫「\从廿_廿从ゝ」 凛「\(>ω<)ゝ」

花陽「\(゜д゜)ゝ」 にこ「\(^q^)ゝ」 希「\(´・ω・`)ゝ」 絵里「\(KKE)ゝ」



ヒデコ「穂乃果ー!手伝いに…」

フミコ「…なにやってんの…?」

ミカ「た、楽しそうなのは伝わって来るね…」


穂乃果「やべっ…見られちゃった恥ずかしい…」

絵里「見られたら恥ずかしいようなことさせられていたの!?」

穂乃果「気を取り直して、さぁ、行こうっ!」

絵里「ふにおちない」




♪ ユメノトビラ

音ノ木坂生ズ「わー…」パチパチパチ…


穂乃果「はぁ、はぁ…」

穂乃果「アリガトウ、ミンナ」

海未「なぜここに来てカタコトに…」

ことり「統堂って人を挑発してるんだよきっと」



パチパチパチ…



ツバサ「…」

ツバサ「…ふふっ」


英玲奈「…ところでツバサ、さっきからなんか臭う…」

あんじゅ「ど、ドブみたいな臭いしない…?」

ツバサ「…実はさっき高坂さんに抱きついた時に臭いが移っちゃって…」

あんじゅ「え、高坂さん臭いの?」

ツバサ「ヤバかったわ」

英玲奈「すこし移っただけでそんなに臭かったら相当だろうな」

ツバサ「でもこんな臭いの高坂さんも好き」

あんじゅ「…もう手遅れね」




穂むら


雪穂「ねー、ところでさー…」

雪穂「二週間くらい前からお姉ちゃん帰ってきてないんだよねー…」

亜里沙「え、そ、そうなの…!?」

雪穂「うん…。でもライブの映像にはお姉ちゃん映ってたよねー…」

雪穂「誰かの家に泊まってないのであれば2週間ほどお風呂に入ってないことになるんじゃ…」

亜里沙「は、ハラショー…」






うろ覚えラブライブ! 第三話

おわり

真姫「というわけでうろライブ!第三話だったわ」

凛「一期のときはライブシーンにようつべの動画を持ってきてたけど…」

真姫「調べてないけどほとんど削除されちゃってそうだから簡略化してみました」

凛「そして最後の最後に帰る場所を忘れる忘却を回収したね」

真姫「3話は全く家に帰る描写が無いからこうするしかなかったのよ!」

凛「二週間お風呂入ってない人の臭い…想像しただけで気が遠くなっちゃいそうだね」

真姫「そんなくっさい穂乃果でも誰かに嫌われることなくみんなと接しているのよ。さすがリーダーの器ね」

凛「周りは大変そうだけどね…」

真姫「ちなみに今回のサブタイトル『アダルトコンテンツは含まれません』は」

真姫「ユメノトビラの曲名が判明したときにググるとSMサイトが結果に出てきたからそれが元ネタよ」

凛「誰がわかるのそんなネタ…」

真姫「さて、今回の話はここらへんにしておいて、次回の忘却安価の対象を決めるわよ」

凛「次回のお話は…にこちゃんがあーだこーだするやつだよね!」

真姫「そうね。じゃあにこちゃんは決まりとして…」

凛「ていうかにこちゃんニ連続じゃん…。大変だね…」

真姫「二連続、と考えると第五話は凛がなんとかかんとかする話だから、ここで凛をチョイスすると酷ね」

凛「そ、そうだよ!凛は再来週の主役だしね!」

真姫「だから、凛以外のまだ選ばれてない二人…、希と絵里にしましょう」

凛「何故か偶然にも3年生三人になっちゃったにゃ…」

真姫「来週はハチャメチャできそうで楽しみね!」

凛「そんじゃ今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「次に体臭で周りに迷惑かけるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」




にこが忘れること >>440

絵里が忘れること >>441

希が忘れること >>442

帰る家を忘れる

ハラショー

記憶の思い出し方

もしライブ!3話の続き考えてたらその先の話ばっか思い付いて困る
ちょっと時間的余裕無くて数日間書けなかったんですけど明日、というか今日にはやれるかもしれない
し、できないかもしれない いつものように未定ですが期待せずに待っていただけるとありがたいです ほなな

待たせたな
まだ時間に余裕あるわけじゃないからほんの少しだけ更新します
話もあんまり思いついてないけどそのへんはどうぞよろしく



希の家


ガチャッ

真姫「ただいまー」


希「んー、おかえり。今日も遅くまでご苦労さま」

真姫「いえいえ、このくらいどうってことないわ」

真姫「でももうお腹ペコペコ。今日のご飯なに?」

希「んとね、今日は…」

希「…って、真姫ちゃんも同居生活にえらく慣れてきたね」

真姫「もう一週間近くになるからね…。そろそろ申し訳ない気持ちも薄れてきてしまったわ」

希「うふ。なんならこのまま卒業までここ使ってくれてもいいんよ?」

真姫「いやそれは…」

真姫(…流石にあと2年半もこの世界に居着くわけにはいかないし)

希「なんて、冗談やよ」

真姫「そりゃ、何年もここにいられたら希も迷惑でしょ?」

希「んー、いるだけなら、うちはいつでも大歓迎なんやけどー…」

希「でもちゃんと、いつかは家に戻らないと、ね」

真姫「…」

希「あ、今すぐ、ってわけじゃなくてもいいから、落ち着いたら…」

真姫「わ、わかってるわよ。いつかね、いつか」


真姫(希は私が家族といざこざがあったか何かで家に帰れないと思い込んでるみたいだから…)

真姫(それの早期解決も望んでるんでしょうけど、実際はそういうわけでもないし…)

真姫(余りにも希の家に居着きすぎれば逆にそれの心配もされかねないわね…)

真姫(…早めに解決方法を見つけないと)


希「さて、そんな話は置いといて、ご飯にしよか」

真姫「そ、そうね。…って今日のご飯は?」

希「それは出てからのお楽しみ~♪」

食卓


希「いただきまーす!」

真姫「…」

希「どしたん真姫ちゃん。いただきますしないと」

真姫「き、今日も…肉なのね」

希「若い時はスタミナつけるためにいーっぱいお肉食べておいたほうがいいんよ?」

真姫「それは…わからないことはないんだけど」

真姫「こう毎日続くと飽きちゃうというか…」

真姫(この家に居候してから晩ご飯にお肉を欠かしたことは一度もなかった)

希「んー、そう?真姫ちゃんがそういうんならまた別のもの考えるわ」

真姫「ゔっ…、なんか、ワガママ言ってるみたいでごめんなさい…」

希「んふー、そういうところでちゃんと謝ってくれるから真姫ちゃん可愛いなぁ」

希「最初に会った時と比べたら大分変わったんと違う?」

真姫「最初…?そ、そうだったかしら」

希「せやよ。真姫ちゃん自身は気づいてないんかもしれないけど」

希「人は変わりたいと思えば知らず知らずに変わっていくもの」

希「きっと真姫ちゃんも変わりたいって思ったから、学校に来たんでしょ?」

真姫「…そ、そうかもね」

希「ん、そうよ。じゃ、冷める前にご飯はよ食べよか」

真姫「わかった。…いただきます」


真姫「…」モグモグ

真姫(人は変わりたいと思えば知らず知らずのうちに変わっていくもの…か)

真姫(多分ことりも、変わりたいって思ってるはず…。だから私に勧誘された時、唸るほど迷ってた)

真姫(けど、あと一歩が踏み出せない。それは、後戻りできない闇の中の一歩)

真姫(この先に道があるのか、それともただ底のない奈落なのかは…私にすらわからない)

真姫(だから…私にはどうしようも…)


希「ちょっと、真姫ちゃーん?」

真姫「…っ!?ぶふっ…、ごほっ!な、なによいきなり!」

希「さっきからずっと呼んでたよ。なに難しい顔して考え事してるん?」

希「ご飯は明るく楽しーく食べるものでしょ!悩み事があるなら元生徒会長さまのうちに相談せい!」

真姫「べ、別にそんな…、…そうね」

真姫「あまり詳しく言うことはしたくないけど、ちょっとくらいなら…」

希「お?なになに?」

真姫「私と花陽がアイドルしてる、って知ってるわよね?」

希「うん。今日もそれで帰ってくるの遅くなったんやよね」

真姫「えぇ。それで今日は…勧誘をしてたのよ。メンバーの」

希「ふーん。二人だけでやるんやないんね」

真姫「まぁ、最悪アイドルは二人でもできるでしょうけど、他にも色々あるじゃない。作詞とか」

真姫「で、一人はその…私の華麗な交渉術でぜひ仲間に入れて欲しいと言ってきてくれたんだけど」

希「ふむふむ」

真姫「もうひとり誘いたい人がいて…、でもその子には色々と事情があって、本当にこのまま誘っていいものか悩んでたの」

真姫「このまま無理やり誘えば、大切な友達と引き離しちゃうことになるし…」

真姫「けど彼女は私たちにとっても欠かせない存在で…」

真姫「それに彼女自身も悩んでたみたいだから、私はどうすることが正解なのかな、って…」

希「ふーむ…なるほどなぁ」

希「…真姫ちゃんは、今現在は、どうしようと思ってるん?」

真姫「わ、私は…彼女の判断に全て任せるつもりで…」

希「ならそれでいいんじゃない?」

真姫「えっ?い、いや…それもなんだか無責任じゃない?」

希「かもね。でもいいんよ。きっかけなんて無責任でちょうどいい」

希「いつどこからくるかわからない、ひょんなことが、人生を変えるきっかけになるかもしれんのやし」

希「うちもその子の判断に任せるのが、彼女のためにも一番いい方法やと思うよ」

真姫「そう、なのかな…」

希「人は変わりたいと思えば知らず知らずに変わっていく」

希「真姫ちゃんがきっかけを与えて、その子が変わりたいと思ったなら、そのうち見つかるはずよ。答えがね」

真姫「…そうかも、ね」



ことりの部屋


ことり「…」モグモグ

ことり「穂むらのお饅頭はやっぱり美味しいなぁ…。近頃食べてなかったから懐かしいよ」

ことり「うっ…、でもこんな夜中にお饅頭食べたら太っちゃう…?あ、明日海未ちゃんにもおすそ分けしよ…」


ピリリリ…

ことり「ん?あ、そんな話をしてたら…」ピッ

ことり「はい、もしもし?」

海未『あ、夜分遅くに失礼します。ことりですか?』

ことり「もー、私の携帯にかけてるんだから私に決まってるでしょ」

海未『あっ、そ、そうでした…。すみません』

ことり「…海未ちゃん、やっぱりまだ…」

海未『わ、私のことは良いのです!ことりのおかげで、一時とは比べ物にならないほど良くなりましたし…』

海未『私がああして…、下級生と話せるようになれたのも、ことりのおかげです』

ことり「そ、それは海未ちゃん自身の力だよー。えっと、それで今日も…穂乃果ちゃんのこと?」

海未『…はい。どんな様子でしたか?何か気にかけていたことは?』

ことり「うん、えっとね…」


ことり(いつも、夜中のこの時間には海未ちゃんからの電話が入る)

ことり(話す内容は決まって、穂乃果ちゃんのこと)

ことり(海未ちゃんはもう、穂乃果ちゃんと口も効いてもらえないから、私を通じて穂乃果ちゃんの様子を聞く)

ことり(私も穂乃果ちゃんと会えない日だってあるけど、会えた日には決まって長電話)

ことり(穂乃果ちゃんの言ったこと全部、一挙手一投足…ってほどじゃないけど、大体のことを海未ちゃんに伝える)

ことり(おかげで海未ちゃんは芸能科でもないのにアイドル専攻のことに少し詳しくなっちゃって、多分花陽ちゃんのことも知ってたんじゃないかな)

ことり(私も、そんな海未ちゃんに嫌な顔一つせず、今日の穂乃果ちゃんのことを話すんだけど…)


ことり「で、アイドル専攻が終わって、それで…」

ことり「…」

海未「…ことり?どうしたんですか急に止まって。それから、放課後は?」

ことり「…うん。それからは…」

ことり「そこで別れて、一人で帰ったよ」


ことり(海未ちゃんと自分を比べて、優越感に浸ってしまった下校道)

ことり(醜い自分を隠すために、海未ちゃんに嘘をつきました)

ことり(海未ちゃんに対して申し訳ないと思ったから?もしくは、嫌な私を海未ちゃんに見せたくなかったから?)

ことり(それとも…)

ことり(このままずっと、海未ちゃんの知らない穂乃果ちゃんを、独占したかったから?)

ことり(それ以上考えるのが怖くなって、矢継ぎ早に海未ちゃんとの電話を切りました)


ことり「…何やってるんだろう」

ことり(もう寝よう。それで、残ったお饅頭は…)

ことり「…明日、食べよう」

翌日 朝

二年教室前


真姫「あ、おはよ」

花陽「おはようございますっ」

海未「…」

海未「…どうしてここにいるのですか」

真姫「曲のことで話したいことがあって、来ちゃった」

海未「放課後ではダメなんですか…」

真姫「別にダメってわけじゃないけど、ほら、話すならナルハヤがいいでしょ」

花陽「えーっと…、私はただの付き添いです」

海未「分かりました…。朝礼までそれほど時間があるわけでもないので、ここで話しましょう」



海未「確か真姫の言うには、甘い感じのラブソング、とのことでしたが…」

真姫「うん。作詞できた?」

花陽「プロのメイドさんなら簡単ですよね!?」

海未「…あまりここで大声で話すのはちょっと…」

花陽「あ、ご、ごめんなさい…」

海未「昨日貰った曲を聞いて軽く詩を書いてみました。なにぶん作詞なんて初めてなのでこれでいいのかはわかりませんが…」サッ

真姫「うん、仕事が早くて助かるわ。んーと…ふむふむ…」

花陽「お、おぉおぉ…!これを海未さんが…!?」

海未「お、可笑しいでしょうか…。自分でも正直少し…」

真姫「…いえ!とてもいいと思う!」

海未「ほ、本当ですか!?」

花陽「はいっ!そのっ…、恋する女の子って感じがビシビシ伝わってきます!」

花陽「この…、好きな人を待つ気持ち、というか…、気になるあの人はどんなことを考えてるんだろうか、って言う年頃の乙女!?みたいな!」

花陽「海未さんすごいですっ!その海未さんを連れてきた真姫ちゃんもすごい!」

海未「べ、ベタ褒めですね…。ありがとうございます…」

花陽「もしかして海未さん…恋をしている!?」

海未「えっ!?こ、恋ですか…?いえ、特に覚えは…」

真姫「んじゃあ何を想って書いたの?この詩」

海未「えっ…、あ、そ、そうですね…。その…」

海未「友人のことを想って…」

花陽「あ、じゃあその人のことが?!」

海未「ど、同性ですよ!?」

花陽「さらに破廉恥に!?」

真姫「…ややこしいわ」

海未「好きとか、そういうことではなく…」

海未「いや、今でも好きなのですが、異性に向けるような恋愛感情ではなく…」

海未「しかしこの恋人を想う気持ちというのは私のこの想いと似たようなところがあるのではと思って…」

真姫「あーわかったわかったから。あなたもそっち方面だったら収集がつかないわ」

海未「そっち方面って…『も』、とは…?」

真姫「…なんでもない」

花陽「ん?」

真姫「ふむ、あなたの友人を想う気持ちを歌詞に乗せた、と…」

海未「し、少々大げさにアレンジして、ですよ?」

真姫「その友人って…高坂穂乃果?」

海未「…っ。そ、そうです…」

花陽「やっぱり海未さん、穂乃果さんのこと大切なんですね」

海未「あの、拡大解釈はやめてくださいよ。決してやましい気持ちは…」

真姫「わかってるって。うん、でも…」

真姫「歌詞全体としてはいいと思うんだけど、所々から少しヤンデレっぽさが漂ってくるのよね…」

海未「や、ヤンデレ…!?とは一体…」

真姫「ストーカーみたいなものよ。執着が激しすぎるというか…」

花陽「はっ、たしかに…。言われて見れば略奪愛っぽい…!?」

海未「そ、そうですか!?全然意識してませんでした…」

真姫「その点はどう釈明する?」

海未「いや、べ、別にそんなつもりないですし…」

海未「ですがそうだと言うならば改善します…」

真姫「うん。お願いね。それから追加で注文なんだけど~…」



キーンコーンカーンコーン…

キリーツ、レーイ、チャクセーキ


海未「…ふぅ」

海未(厄介なことを引き受けてしまったものです、つくづく)

海未(まさか作詞で私の心理状況を読み取られるなんて…真姫は心理学者かなにかでしょうか)

海未(しかし…、正直に話すわけにもいきません。久しぶりにできた友人に…)

海未(あんな、ことを…)

眠いのですまないが今日はここまで
この調子で行くとニ分割程度じゃ済まないけど勘弁してね ほなな

たった6レスの更新でここまでレスもらえると嬉しいのと同時にプレッシャーがヤバい
もう少しでちょっとは余裕が出来そうなので更新も早まると思われます
そして今日更新しないと明日から数日絶対に書けないので(理由はわかるだろう)、なんとか今日書いていきます
大丈夫 やっとこさ展開思いついたから! っじゃ、書きだめはしてないからゆっくりやっていきますお

授業中

2年教室


ことり「…」カキカキ


ことり(UTX学院は勉強する内容も普通に難しいから、ちゃんとノートを取らないと大変)

ことり(少しでもウトウトしちゃうと、すぐについていけなくなっちゃいます)

ことり(だから私は、こうして真面目に黒板の文字を書き写して…)

ことり(いっつも居眠りしちゃうお友達に、テストの数日前に貸してあげるために…)


ことり「…」


ことり(いえ、もうそんなお友達はいません)

ことり(海未ちゃんはあの時以来、少しボーッとするようになってしまいましたが、勉強に励む姿勢は変わってないし)

ことり(そして…)

ことり(…うぅん、もう、言うまでもないのかも)

ことり(穂乃果ちゃんは、とても優秀になった)

ことり(勉強だって私を追い抜いて、学院みんなの憧れの的にもなって)

ことり(当然、居眠りなんかしない、理想の生徒会長に)

ことり(でもそれは…、今まで16年、一緒に歩み続けた人生で)

ことり(私の知らない穂乃果ちゃんなんです)

ことり(いつから?いつからでしょう)

ことり(私の知ってる穂乃果ちゃんが、私の知らない穂乃果ちゃんになってしまったのは)

ことり(具体的にいつかは、すぐには思い出せません、…だから)

ことり(あの日から振り返ろう。きっと私たちの運命が決定づけられてしまった、あの日)

ことり(穂乃果ちゃんと海未ちゃんと、入る高校を模索していた中学3年生の春…)





2年とちょっと前

穂むら 穂乃果の部屋



ことり「それじゃー…、これとかどう?」

穂乃果「えー、遠くない?穂乃果歩いて通える場所がいいー!」

海未「でしたらこれはどうでしょうか。自転車通学にはなりますが…」

穂乃果「うぅん…、共学かぁ…。ちょっと怖いなー」

ことり「もー、じゃあどこがいいの?」

穂乃果「…んーと、ほら、こことかいいんじゃない?UTX学院!」

ことり「ここぉ?って確か…」

海未「相当なお嬢様校で、偏差値もなかなかだと記憶していますが…、穂乃果の学力では難しいのでは?」

穂乃果「ちょっ…、ひどくない!?大丈夫だよ!なんだか面白そうな学校だし!ここにしよ!ね?いいでしょ?」

海未「…穂乃果にそう言われては断れませんね。しかし、学力が追いつかなければ意味がないのですよ?」

穂乃果「わかってるって!よーし、UTX学院入学目指して、がんばろー!」

ことり(たくさんの高校のパンフレットの中の一つ)

ことり(入るのを決めた理由は、近かったから)

ことり(最初は、ただそれだけの理由で、穂乃果ちゃんも学力が及ばなかったらすぐに別の高校に入学するつもりだったと思う)

ことり(けれど…)



穂乃果「ほらっ、どう!?見てみてすごいでしょ!!」

ことり「穂乃果ちゃんが模試でB判定…!」

海未「奇跡としか言いようがありません…!!」

穂乃果「努力の結果だよ!へへっ、これならもうUTX学院間違いなしだよね?」

海未「しかし、まだB判定ですよ!確信に至るには早すぎます!」

ことり「だけど、これで私たちが落ちちゃったらシャレにならないよね…」

海未「うっ…、たしかに…」

穂乃果「あはは!大丈夫だよ!だってこれまでもずっと一緒だったんだし!」

穂乃果「きっとこれからも、ずーっとずっと一緒に決まってる!だから二人共…うぅん、三人みんな、ぜーったいに合格するよ!」

海未「…えぇ、そうですね」

ことり「そのためにも、受験勉強頑張らないとね!」

穂乃果「うんっ!!」



ことり(穂乃果ちゃんの努力の甲斐もあり、成績はグングンと伸びて)

ことり(UTX学院入学も、夢じゃなくなってきちゃいました)

ことり(その頃の私たちは、それが素直に嬉しくて、そして穂乃果ちゃんに負けないように、私たちも努力しました)

ことり(これまでも一緒だったから、これからもずっと一緒)

ことり(その言葉を、私たちはその頃、信じて疑わなかったんです)

ことり(穢れを知らない無垢な小鳥のように、受け入れていたのです)

ことり(変わらないことなんて、この世界にはあるはずもないのに)

ことり(そして、ついにやってきた合格発表の日)

ことり(この一年の努力は…、三人とも、報われました)



穂乃果「やった、やったやったやったぁぁぁぁっ!!」

海未「うぅっ…、良かったですね!本当にっ…、うぅぅっ…!!」

ことり「夢じゃないよね!?あははぁぁぁんっ…!やってきてよかったよぉぉぉぉっ…!!」

穂乃果「合格できたんだっ…!あの大きな建物が、春から私たちの通う学校になるんだーっ!!」



ことり(三人でお祝いもして、記念撮影もして)

ことり(落ち着いたら、入学してからどの学科にするか、何日も何日も悩みましたよね)

ことり(一緒の学科もいいですけど、やっぱりそれぞれの道を選ぶ時期も来たんじゃないですか)

ことり(うぅん。私は同じ学科がいい。私は芸能科なんて嫌ですよ。海未ちゃんも歌おうよ。嫌です!)

ことり(揉めに揉めて、結局最後は、みんなバラバラの学科、専攻に通うことになっちゃったね)

ことり(でもそれで離れ離れになるなんてことは考えませんでした。クラスが離れてても、学科が違っていても)

ことり(歩けば1分もかからない場所にずっといられる)

ことり(限りなく近くに、ずっといられる)

ことり(それは私たちにとって、最上の幸せでした)



ことり(そしてやってきた、入学の季節)

ことり(おろしたての真っ白な制服に身を包み、私たちはUTXの講堂に座っていました)

ことり(先生方のながーいありがたいお話を聞き流して、余りにも大勢に入学者にびっくりして)

ことり(クラスが多すぎて、私たちは3人それぞれ、バラバラのクラスに振り分けられました)

ことり(残念だね、って帰り際に話をしつつ、舞い散る桜を背に、三人並んで下校したっけ)

ことり(あの日も、後ろを振り返ったんだった)

ことり(雄大にそびえ立つ、私たちの学院)

ことり(きっと今までにない夢が、溢れてるって)

ことり(…信じていたのに)

ことり(でも、でもね?最初から…そうじゃなかったんだよ?)

ことり(少なくとも一年生の一学期は、いつもと同じ、同じ日々しかなかった)

ことり(それどころか、三人それぞれが違う経験をするなんて、それまでそうそうなかったから)

ことり(海未ちゃんの演劇学科ではこんなことをやった、私のデザイン学科ではこういうことを)

ことり(穂乃果ちゃんの芸能科は、こんなことまでやっちゃうんだよ!)

ことり(毎日毎日、飽きることなく3人で語り合い、笑い合い)

ことり(満たされすぎて、怖いくらい)

ことり(中間テストでは穂乃果ちゃんが泣きついてきて、海未ちゃんが『受験が終わればすぐこれですか…』って呆れたりして)

ことり(私はそれを心の底から楽しんで、ちょっと離れたところで半笑い)

ことり(海未ちゃんが弓道部に入ったのを二人で見学して、穂乃果ちゃんが楽しそうだからって体験入部)

ことり(でも経験者じゃない人はすぐに弓持たせてくれないから、って、すぐやめちゃったり)

ことり(帰りはみんなで穂むらに寄って、新作のお饅頭を食べたり、恋愛映画をみて涙したり)

ことり(休日はおしゃれな街へショッピングをしたり、ちょっとオタクなお店にも寄ってみたり)

ことり(書ききれないくらい、思い出せないくらい、なんでもない日々は、何でもないように続き)

ことり(気がつけば、秋が来て)

ことり(そして…、ついに出会ってしまったの)

ことり(変わらない日から、変わる日へのスタート地点)

ことり(アイドル、ってものに)

1年前

UTX学院 1年教室


海未「穂乃果が…!?」

ことり「す、スクールアイドル…!?」

穂乃果「うん!どうかな、って…」

海未「ど、どど、どうしていきなり…?」

穂乃果「いきなりじゃないよ!芸能科にはもともとアイドル専攻っていうのがあって…あ!私のやってる歌手専攻とは別なんだけど…」

穂乃果「春からずーっと気になってたんだけど、結構キツいって聞いてたから決心もつかなくて…」

穂乃果「でもね!なんと…、今参加すると、うまくいけば来年の春にはスクールアイドルと一緒に活動できるかもしれないんだって!」

ことり「スクールアイドルって…、A-RISE?」

海未「あぁ、あの…。えっと、参加は自由なのですか?」

穂乃果「うん、みたい。ただ落第基準が相当厳しいみたいなんだけど…」

穂乃果「でもね、これってチャンスだと思わない!?今まではUTXのスクールアイドルは基本的に3年生3人しか枠がなかったんだけど…」

穂乃果「来年からは2年生以下の3人も枠が増えるんだよ!今までの倍だよ倍!」

ことり「へぇ…、制度が変わるってこと?」

穂乃果「うん!聞くところによるとね、2年の先輩がやってる…、アイドルなんとか部?ってところが学校に提案したみたいで…」

穂乃果「頑張ってるアイドルの卵を1年で使い切るのはもったいない!っていう理由から、A-RISEと共にパフォーマンス出来る枠が追加されたみたいなの!」

海未「それはA-RISEと同じように…、学校側で大大にアピールされるんですか?」

穂乃果「もっちろん!だから、これはもう狙うっきゃないよ!」

海未「それは確かにチャンスではありますね…」

ことり「すごいよ!それ!」

穂乃果「あ、でも…」

ことり「ん?どうしたの?なにか問題でも?」

穂乃果「…アイドル専攻の授業は通常の授業の後にあって…、一緒に帰れなくなっちゃうかも…」

穂乃果「それに休み時間にも練習が挟まるかも知れないから、二人とお昼一緒に食べられなくなる可能性だって…」

海未「何言ってるんですか!その程度で諦めるつもりなんですか?」

ことり「今までいーっぱい、一緒に過ごしてきたじゃない。ちょっとくらい離れてても、全然平気だよ」

穂乃果「そ、そう?平気かなぁ…?」

海未「我々のことは心配いりません。穂乃果がやりたいと本気で思っているなら…」

ことり「私たちは背中押してあげるだけ!でしょ?」

穂乃果「う、海未ちゃんっ…!ことりちゃんっ…!!」

穂乃果「私は最高の友達を持ったぁぁぁぁ!!幸せものだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!うえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

海未「ちょ、穂乃果…」

ことり「みんな見てるよ…。恥ずかしい…」

ことり(ちょっとくらい離れてても全然平気)

ことり(穂乃果ちゃんがやりたいなら、私たちは背中を押すだけ)

ことり(今考えれば、こんなの)

ことり(全部ゼンブ、嘘っぱちだったんです)

ことり(でも私たちをつなぐ絆はいとも容易く幻想を魅せてしまって)

ことり(そのとき、そのときにさえ止めていたら)

ことり(今私は、こんな思いをせずに済んだのかもしれない)

ことり(それから、私たちは、穂乃果ちゃんは…)



先生「…南、おい南。寝てるのか?」


ことり「…あっ。は、はいっ!えと、な、なんですか…?」

先生「さっき言ったところ、答えてみろ」

ことり「え、えっと…」



穂乃果「ことりちゃん、135ページの5行目だよ」



ことり「…」

ことり「…すみません、聞いてませんでした」

先生「ちゃんと授業は集中しろー。すぐ置いてかれるぞー。じゃあ後ろの…」




ことり(私の隣に、穂乃果ちゃんはいない)

ことり(回想は妄想を呼んで、幻聴も引き起こした)

ことり(…授業は真面目に聞こう)

ことり(思い返すのにも、疲れてきちゃったところだし)

お昼


花陽「ま、真姫ちゃーーーーーーーーー…」

親衛隊ズ「「「「花陽ちゃん花陽ちゃん花陽ちゃん花陽ちゃん花陽ちゃん花陽ちゃん花陽ちゃん」」」」」


真姫「花陽ーーーー…」

真姫「…一人でご飯食べてこよ」

真姫「花陽も大人気ね…。困ったものだわ」



食堂


真姫「ううぇっ…、ここにも人だかりが…。なんでこんな…」

真姫「…あっ」


ツバサ「…ふぅっ」

英玲奈「…」

あんじゅ「お腹すいたー」


真姫(A-RISEの3人…!が食堂に…)

真姫(直接話しかけるのはルール違反だから野次馬が大量に押し寄せてるってわけなのね…)

真姫(それにしてもこの量…、学校の先輩を囲む生徒の数としては異常よね…)

真姫(それだけ学内でも徹底してる…、近くにいながらにして会うことのできない、A-RISEへの憧れ…)

真姫(…恐怖すら感じるわね)


あんじゅ「…あ」

あんじゅ「あーっ!真姫ちゃんだー!」


真姫「…えっ」


あんじゅ「あははっ!昨日ぶりねー!元気してるー?」

真姫「あの、ちょっ…!」



野次馬ズ「「「ギロッ」」」



真姫(周りの視線が剣のように突き刺さる)

真姫(優木あんじゅ…、あなたは死刑執行人か何か?)


真姫「ご、ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」ダダダッ


あんじゅ「…あ。行っちゃった」

英玲奈「…誰?今の」

ツバサ「知り合い?」

あんじゅ「昨日知り合った子ー。可愛いわよねー」

英玲奈「あまり人前で人を呼ぶものじゃない」

あんじゅ「ごめんなさーい」

???


ガチャッ


希「…」

希「ここに来るのも、久しぶり、やね」

希「なーんにもない…。前はたっくさん、あったのになあ」

希「変わりたいと思えば、知らず知らずに変わっていく、か…」

希「…うちらは、どれだけ変わりたい、って思ってしまったんやろう」

希「今、どれだけ変わってしまったんやろう」

希「何もかもが、変わっちゃったね」


希「…ねぇ、えりち?」


希「…ふぅ」

希「さーてと、それじゃあ…」

希「もしかしたら近々使うかもしれんし、掃除と備品を…あ」

希「そーいえばあれ…、生徒会に置きっぱなしやったっけ…」

希「忘れてた…。うーん…、どうしよ」

希「…誰かに見られるのも恥ずかしいし、明日の朝、こっそり取りに行けばいっか」

まだ書きたかったけどこれ以上書くとキリのいいところがあと一時間くらい来ないのでここまで
5thライブ行ってきます 二日目200レベル真正面のどこかで赤い服着て赤い携帯に真姫ちゃん垂らしてる人がいたら多分僕です
もしライブ!のほうはあと2回くらいかかりそう もし日中暇で仕方なかったりしたら携帯で更新したりしなかったり多分しない
それじゃあまた来週も見てくださいね ジャンケンポン ほなななななな

物販暇だから地味に更新しようかな
携帯からだからいつも勝手が違うけれどご了承くだしあ

放課後


ことり「…」カタカタ…


ことり(昨日採寸した穂乃果ちゃんたちの衣装を作るため)

ことり(デザイン専攻のA-RISE候補生担当のみんなでミシンを動かしてます)

ことり(とは言え、私は他のみんなと特別仲がいい訳ではないので会話もなく)

ことり(無言でミシンをかき鳴らしていると自然と別のことを考えてしまって)

ことり(授業中の回想の続きを半ば無意識に始めていました)

ことり(えっと、どこまで思い出したんだっけ)

ことり(そう、ちょうど穂乃果ちゃんがアイドル専攻に参加したところまでだったっけ)

ことり(あのあと、私たちは…)




一年前

ことりの部屋


プルルル… ガチャッ

穂乃果『はい、もしもし。ことりちゃん?』

ことり「あ、もしもーし」

穂乃果『どうしたのー?こんな時間に』

ことり「うん、ほら…最近一緒に帰ってないじゃない?休み時間も忙しいみたいだし」

ことり「どうしてるのかな、って思って」

穂乃果『どうしてるって…別にいつも通りだよ』

穂乃果『アイドル専攻は大変だけど楽しいし…この前も優しい先輩に誉められちゃった』

穂乃果『このまま行けば次のA-RISEにも選ばれるかもね、だって!すごくない!?』

ことり「そうなの?すごいなぁ…!穂乃果ちゃん優秀だね」

穂乃果『でしょ?いつかあの大きなスクリーンで歌って踊っちゃうよー?期待しててよね!』

ことり「うん、期待して待ってる」

穂乃果『うんっ!じゃあ、明日も早いから、おやすみ!』

ことり「あっ…。…うん、おやすみ」


ピッ ツー…


ことり「…もう少し話したかったんだけどなぁ」

ことり(それからも穂乃果ちゃんはアイドル専攻に精力的になって)

ことり(そして熱心に取り組むにつれて私と海未ちゃんとの会話も少なくなってきて)

ことり(それに比例して夜の電話の頻度も上がっていました)

ことり(後から海未ちゃんから聞くと、海未ちゃんも頻繁に穂乃果ちゃんに電話をかけていたらしいです)

ことり(心配しないでいい、なんて偉そうに言っておいて、いざとなると二人とも寂しくて仕方なかったから)

ことり(きっとそれが穂乃果ちゃんには重荷になってしまったんでしょう)

ことり(真剣な彼女に、その時の私たちのお節介は)

ことり(酷く邪魔に思えて仕方なかった)

ことり(だから、あんなことになっても仕方なかった、のかな…)



UTX学院 食堂


海未「…」

ことり「…やっぱり、海未ちゃんも?」

海未「はい、まさか…」

海未「穂乃果から着信拒否されるとは…」

ことり「ちょっと、私たちかまってちゃん過ぎたのかもね」

海未「かもしれないですね…。ショックですが穂乃果には迷惑だったんでしょうね」

ことり「これからはちゃんと遠くから応援してあげよ?休み時間に会えれば少し話す程度にね」

海未「そう、ですね…」



ことり(自らの行いを反省して、それからは積極的に穂乃果ちゃんに連絡することはなくなりました)

ことり(いつかは穂乃果ちゃんも許してくれて、冬休みとかになればまた和気藹々と話し合えるようになるって)

ことり(その時は、そう信じてました)

ことり(けれどその日以降、穂乃果ちゃんと私たちは次第に喋る機会も少なくなっていき)

ことり(廊下ですれ違って声をかけても無視をされるようになりました)

ことり(穂乃果ちゃん、すねてるのかなって)

ことり(最初はそんな風に、どこか軽く考えてて)

ことり(いつかは元通りに、また仲良しになれるって)

ことり(だって、今までもそうだったんだから)

ことり(でも、何日経っても、何週間経っても穂乃果ちゃんは一向に喋ってくれませんでした)

ことり(そして、とある冬の日)

ことり(業を煮やした海未ちゃんがついに、穂乃果ちゃんに詰め寄りました)



UTX学院前


穂乃果「…」スタスタ


海未「待ってください穂乃果!」

穂乃果「…」ピタッ

穂乃果「…」…スタスタ

海未「待ってというのが聞こえないのですか!」ガシィッ

穂乃果「…なんなの、この腕。離してよ、痛いから」

海未「えぇ、話してあげます。この腕をつかむ理由を」

穂乃果「何、意味わかんないこと言ってるの?」


ことり「はぁっ…、はぁっ…!う、海未ちゃんっ」タッタッ…

ことり「やっぱり、もう少し考えてからっ…!話を聞くのはそれからでもぉっ…」


海未「どうして私やことりを無視するんですかっ!私たちが何か気に障ることをしたのですか!?」

穂乃果「…」

海未「…以前、夜中に毎日電話を掛けたのは謝ります。もう二度としないと誓います。現に今は一切していないでしょう!?」

海未「ですから、お願いです!無視をするのならせめて理由を教えてください!」

海未「私たちに至らぬ点があるのなら、改善しますからっ!」

穂乃果「…」

海未「穂乃果ぁっ!!」

穂乃果「…わざわざ、律儀にアイドル専攻の授業が終わるまで待ってたのに免じて、答えてあげる」

穂乃果「前、ことりちゃんと海未ちゃんがこぞって電話をかけてきたとき」

穂乃果「とても、鬱陶しかったんだ。アイドル活動にも支障が出かねないし」

穂乃果「だから相談したの、先輩に」

穂乃果「そしたら、こう言ってくれた」




「そんな人たちとは縁を切っちゃいなさい。あなたの発展を阻害しているから」

穂乃果「あなたたちと付き合っていると、私はトップを取れないらしいの」

穂乃果「だから私、あなたたちと縁を切ることにした」

海未「…」

海未「…ぇ?」

穂乃果「これが理由だよ。もういいでしょ?腕、離して…よっ!」グイッ

海未「あっ…!」

穂乃果「バイバイ。もう話しかけてこないでね」

海未「…」



ことり(その時、私も、海未ちゃんも)

ことり(あまりのことで声すら出ませんでした)

ことり(今まで、15,6年間、ともに人生を過ごしてきて)

ことり(そして、その絆を捨てる理由が…先輩にそうしろと言われたから、だなんて)

ことり(あまりにも突拍子すぎて、あまりにも理不尽すぎて)

ことり(それでも何とか、海未ちゃんは声にならない声で穂乃果ちゃんの腕を掴もうともがきました)



海未「ま、待ってっ…!!どういうことですかっ…!」

穂乃果「どういうことも何も、そのままだよ」

穂乃果「邪魔なの。あなたが」

海未「邪魔、って…!な、なぜ…!?なぜ知り合って長くもない先輩に、そういわれたからと言って…」

穂乃果「別に先輩に言われたからじゃないよ。私もそうするべきと思ったから」

穂乃果「夜中は身体を休める時間なのに、電話で無駄な体力を消耗させてくるような人とは、別れるべきだって」

穂乃果「私は、トップをとるために必死なんだから」

海未「トップって…、おかしいですよっ!どうして友達を捨ててまで、そんなものに執着するんですか…っ!?」

穂乃果「そんなもの…?…ふざけないでっ!!」バシィッ

海未「きゃぁっ!!?」

穂乃果「私は…、私はスクールアイドルでトップを獲らなきゃいけないの…!それ以外は何の意味もない…、屑同然なの…!」

穂乃果「誰よりも上へ登って、頂点を獲って…輝かしいステージに立つのが、私の夢なのっ!!」

穂乃果「それを、そんなもの呼ばわり…!?あなたに何がわかるの!?」

穂乃果「アイドルのことなんて、何も知らないくせにっ!!!」

海未「…ッ!!」

穂乃果「…お願いだから、消えてよ。もう、話したくもない」

穂乃果「さようなら。…園田さん。南さん」

ことり(次こそ、海未ちゃんはその場から一歩も動けなくなってしまいました)

ことり(ショックが強すぎて、現実が理解できなかったそうです)

ことり(なんで、こうなったのか…それは未だに、私もわかりません)

ことり(でも、そんな事実をいっぺんに背負うことになってしまった荷は、海未ちゃんには少し重すぎて)



海未の部屋


ことり「…海未ちゃん、入るよ?」ガタッ…


海未「…」

ことり「これ、今日の課題と…、来週から冬休みに入るって内容のプリント」

海未「…りがと…、ざいま…す」

ことり「…海未、ちゃん。その首…また、やっちゃったの…?」

海未「首…?なんの、こと、ですか…?」

ことり「切り傷が、あるじゃない。とても痛々しい…」

海未「あぁ、これ…です、か…?いいんです、これは…」

海未「私の喉が正常であるがゆえに…、穂乃果を傷つけてしまったのですか、ら…」

海未「無くなってしまえと、自らにば、罰を…与え、たまでで、す…は、はは…」

海未「ねぇ、穂乃果は許っ、してくれま…したか?こんな、私を見て…」

ことり「…海未ちゃん、穂乃果ちゃんは…」

海未「う…、うぐっ、うぐぁぁぁぁぁぁぁっ!!!うるさいぃぃっ!!いないいないいないぃぃぃっ!!」

海未「私を認めてくれない穂乃果なんていないっ!!あぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」

海未「出て行ってぇっ!!喋らないでよぉぉっ!!うるさい、あぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」

ことり「…」

ことり「…わかった、ごめんね。お邪魔して」



ことり(海未ちゃんは、心に深い深い傷を負ってしまいました)

ことり(完治にはそれこそ、3学期を丸々費やしました)

ことり(本来なら出席日数の関係上、海未ちゃんはもう一度一年生をやり直す羽目になるのですが)

ことり(海未ちゃんが専攻していた演劇舞踊は既に修了できるほどの技量があると判断されたため、事情も含め進級が許されたのです)

ことり(あの頃と比べると、なかったかのように海未ちゃんは明るくなりましたが、後遺症?なのかなんなのかはわからないけど…)

ことり(以前の海未ちゃんと比べて、行儀やマナーが少し、悪くなってしまいました。そして、私に少し、甘えん坊であるところも増えたのかな)

ことり(でも、その程度で済んで、本当に良かった。もし私が…穂乃果ちゃんと海未ちゃんを繋ぎ止めていなければ…)

ことり(…そっか、そのこともあったっけ)

ことり(3学期に入り、私は学校が終わると海未ちゃんの治療のためにいつもお見舞いに行ってました)

ことり(信頼のおける友人として、海未ちゃんのカウンセリング?に付き合っていたのですが)

ことり(極度の妄想や自傷行為は、改善するどころか日に日に酷くなっていって)

ことり(このままだと、海未ちゃんは…死んでしまうかもしれなかったそうです)

ことり(これじゃあいけないって、どうにかしなきゃって思ったときに)

ことり(あの張り紙を見つけたの)



ことり「来年度、A-RISE候補生サポーター募集…?」



ことり(A-RISE候補生、というよりも、今でいうところのA-RISEのバックダンサー)

ことり(つまり穂乃果ちゃんたちのサポートをしてくれる生徒を募る、という内容の張り紙でした)

ことり(そしてその中に、衣装の作成、という文字が)

ことり(これだ、と。私はそれを見た瞬間に、応募の手続きをしに走りました)

ことり(友人としては、もはや見放されてしまった私でも)

ことり(サポーターの一人としてなら、接してもらえるかも)

ことり(もし無視されても、穂乃果ちゃんの動向を公的に見ることができるだけでも大きい)

ことり(穂乃果ちゃんが何をしていたか…、それを逐一海未ちゃんに報告することで、彼女の様態が少しでも改善するかもしれないのなら)

ことり(簡単な審査の下、私はA-RISE候補生サポーターとして選ばれることとなったのです)

ことり(3学期間は居残りでA-RISEやアイドル専攻の人たちの見学や衣装作成の基礎を学ばされました)

ことり(その際に穂乃果ちゃんに会うこともありました。話すことも、少しは)

ことり(そうやって少しずつ少しずつ穂乃果ちゃんの情報を集めて、海未ちゃんに話してはまた情報を集めて)

ことり(それを繰り返していくうち、海未ちゃんもやっと、現実に戻ってくることができました)

ことり(自らを取り戻した海未ちゃんは、真っ先に私に抱き着いて、赤ん坊のようにわんわん泣きました)

ことり(私もそれを受け入れて…って、これは思い出すと恥ずかしいや。パスパス)

ことり(こうして海未ちゃんの心の治療はほとんど完了しましたが、だからと言って…穂乃果ちゃんとの薄い絆を手放すことは、できませんでした)

ことり(そもそも来年度のサポーターの募集だったのに進級してからやめる、では示しがつかないしね)

ことり(けれど、今は)

ことり(今はその繋がりが、しがらみとなってしまって)

ことり(今のままじゃダメだって、変わらないといけないんだって思っていても)

ことり(今を享受してしまう。海未ちゃんは繋がっていなくて、私と穂乃果ちゃんが繋がっているこの状況に優越感と満足を覚えてしまう)

ことり(こんな醜い感情、消したい。でも、消したくない。この快楽に溺れていたいと感じる)

ことり(…やっぱり私、ダメな人間だ。穂乃果ちゃんに嫌われても仕方がない、海未ちゃんに失礼なくらいの…)

ことり「…あっ」ガタンッ


ことり(回想に夢中になっていたせいか、ミシンの針はしつけをした場所から見当違いのところに外れ)

ことり(大きく縫い直すことになってしまいました)


ことり「…す、すみません。えと、ハサミは…」


ことり(でもやっぱり、私はどうするべきなのか、考えても考えても、一向に答えは出ません)

ことり(私はあの日からずっと、変わらないように、そう考えてここまで来ました)

ことり(これ以上、絶望的な状況にならないように慎重に、変えないように歩んできました)

ことり(けれど、変わりたい。今のままの自分は嫌…。海未ちゃんを無意識に虐げているような私に、吐き気がします)

ことり(でも、どう変わればいいの?どうすれば私は…)

ことり(結局、堂々巡り。これじゃあ、いくら考えても答えが出てこないに決まってます)

ことり(そしていつも最後には、保留という、楽な逃げ道を選んでしまっている)

ことり(だから今日も、穂乃果ちゃんと一緒に下校する。もちろん、海未ちゃんには、ないしょ)




放課後

下校道


穂乃果「…」スタスタ

ことり「…」スタスタ


ことり(ほとんど無言で帰る下校道。まるで厳格な旦那様に付き従うメイドさん?それとも…)

ことり(…はぁ。やめよう。また、いやらしい考えが脳裏をよぎりましたから)


ことり「ね、穂乃果ちゃん…」

穂乃果「…なに?ことりちゃん」

ことり「…うぅん。なんでもない。疲れてるもんね。あまり話したくないでしょ?」

穂乃果「うん。気を使わせてごめん」

ことり「…平気だよ」


ことり(だって私は、ことりちゃん、と穂乃果ちゃんに呼ばれたかった、それだけだから)

ことり(さすがにそんな本音は明かせないけど)

ことり(でもこうして穂乃果ちゃんといるうちにどんどん、引き寄せられている自分がいるのです)

ことり(変わる、より、変わらない、を選ぼうとする私に、気づいてしまうんです)



海未の部屋


海未「えぇとですね、だからそこは…」

真姫『そうじゃなくって…、えーっと…』

海未「いえ、ですからこれがこうなると乙女の複雑な心境というものが浮き彫りに…」

真姫『複雑すぎてストーカーにしか見えないって言ってんの!ドン引きされるわよこんな歌詞じゃ!』

海未「お、おかしいですね…。改良しているはずなのにどんどん深みにはまっていく…」

真姫『これはもはや性格の問題なのかしら…。…あっちの海未はこんなのじゃないはずなのに』

海未「…はい?何か言いましたか?」

真姫『な、なんでもないから。けどさすがにこれはこのままじゃ使えない。明日もまた、話し合うわよ』

海未「はぁ…。わかりました…。難しいのですね、作詞というものは」

真姫『大丈夫。海未ならすぐマスターするわ。私を信じなさい』

海未「脅迫されている人にそういわれても全く信頼できませんが…、ひとまずは信じておきましょう」

海未「それでは、今日はこれで」

真姫『えぇ。また明日ね』

ピッ


海未「…作詞、ですか。どうしてなかなか、奥が深い」

海未「ふふ…、今日もまた遅くまで起きる必要がありそうですね」

海未「…おや?今私、笑った?」

海未「意外と、楽しんでいるということでしょうか。…不思議なものですね。半ば強制的にやらされていることのはずなんですが」

海未「まぁ、いいでしょう。それならそれで、驚くほどのものを提出して、真姫に目に物を見せるだけのこと、です」

海未「…」バサッ カキカキ…

海未「…そういえば、何かを忘れているような気が」

海未「いえ、今は作詞に集中しましょう。えっと…じゃあここはこういう表現なんて…」カキカキ…




ことりの部屋


ことり「もぐもぐ…」

ことり「…海未ちゃん、電話遅いなぁ。いつもならとっくに穂乃果ちゃんのこと、聞きに来るはずなのに」

ことり「もう寝ちゃったのかなぁ…もぐもぐ…、うぷっ…」

ことり「う、うぅ…。ちょっとお饅頭多く買いすぎちゃったかも…、一人じゃ食べきれないよぉ…」

ことり(でも、海未ちゃんや真姫ちゃんたちに渡したら、海未ちゃんに私が穂むらに行ったってバレちゃうし…)

ことり(そうなると、穂乃果ちゃんと下校してたって事実も知られるかもしれないから…)

ことり(そうだ、生徒会関係の人なら穂乃果ちゃんに憧れてると思うし、素直に受け取ってくれるかも)

ことり「…明日の朝、生徒会の人におすそ分けしよう。…げぷっ」

翌日 朝

UTX学院 生徒会室前


ことり(今日は早めに来て、生徒会にお饅頭のおすそ分けをしに来ました)

ことり(この時間なら穂乃果ちゃんはアイドルのほうで朝練してるはずだから、生徒会室にはいないだろうし)

ことり(自分のお店で買っていってもらったものを、他の人に食べきれなかったと譲っているのを見るのは、あまり気分のいいものじゃないかな、って配慮してのものでした)

ことり(問題はこの時間に生徒会役員がいるのかどうかだけど…、ま、でも一人くらいいるでしょ!)


ガララッ…


ことり「失礼しまぁす…。お饅頭の…」


希「ほよっ!?」


ことり「あ、あれ…?」

ことり(ぜ、前生徒会長の…東條先輩?だったっけ…?)

ことり(どうして生徒会を引退したはずの東條先輩がここに…)


希「え、えっと君は…?どちら様?」

ことり「あ、私は…その、穂乃果ちゃ…生徒会長の友人の南ことり、って言います」

希「南…、あぁ!園田海未さんの件の子?」

ことり「えっ…!?海未ちゃんのこと、知ってるんですか…?」

希「うん、まぁね!問題のある子のことは一通り覚えてるんよ!あ、今は『あった子』かな」

ことり「は、はぁ…」

希「それで今日は…、おや?その手に持ってる袋…、くんくん、甘い香りがするね」

ことり「あ、わかります?これ、お饅頭をおすそ分け…」

希「お饅頭!?ちょうだい!」

ことり「えっ…」

希「うちお饅頭好きなんよ!もしかして穂むらの!?うっわー!大好物やん!」

希「いいでしょ?どうせおすそ分けなんやし、うちに全部頂戴!」

ことり「え、い、いいですけど…はい」ススッ

希「んー!ありがと!」

ことり(…変な人だなぁ。真姫ちゃんに負けず劣らず)

ことり「えと、それじゃあ私これで…」

希「おっとちょいまち」

ことり「…な、なんでですか?私もう用事は済んで…」

希「南さん。あなた…悩み事があるでしょ?それも、相当深刻な」

ことり「んなっ…!?ど、どうしてわかるんですか…!?」

希「…それはうちが、泣く子も黙る、元生徒会長サマ、だからかな」

というわけで体休めなきゃいけないのにインスピレーション湧いたせいでネカフェから書いてしまいました
相変わらず胃の絞まるような話ですまんな ハッピー?展開のための準備期間だから我慢してください
それじゃ今日も現地の人もLVの人も盛り上がってこうぜ ほななおやすみ

5thライブお疲れ様でした 最後泣いたよ最高だったね
ラブライブ!はいつまでも続いて欲しいコンテンツではあるけどもそうそう供給も追いつかないのでここは二次創作で満足しようぜ
てなわけで続きだ おそらくあと1,2回でもしライブ!3話も終わるはず めっちゃ長いことやってる感あるけど じゃ行きます

希「ほらー、なんか悩みがあるんやったら気にせずうちに相談していいんよ?」

ことり「え、えぇ…。いきなりそんなこと言われてもぉ…」

ことり(ほぼ初対面の上級生に相談事は少し気が引けるし…)

ことり「…結構です。これは、自分で決めないといけないことだから」

ことり「誰かに選択を委ねるようなことはしたくないんです」

希「んー…、うちは、あーしろ、こうすればいい、って言うつもりはないよ?」

ことり「え…?」

希「相談してくれれば、南さんとは違う目線で物事を見ることが出来るかも知れないから」

希「視点が変われば選択の幅も増えるかも。これならどうかな?」

ことり「…」

希「自分で決めないと、って言ってたけど、本当に一人で決めるのは勇気がいることやと思うんよ」

希「…ね?うちの胸を借りると思って、気軽に相談してみいひん?」

ことり「…わかりました。その、少しだけなら」

希「うふ、おっけー。頼ってくれてありがと。じゃ、ここにいつまでもおるのもなんやし…」




食堂


希「むふー、美味しそう…!いただきまー…はむっ!んんー!うまうまー!」

ことり「…」

希「この餡子の舌触りが滑らかでさっぱりとした甘みもあって…、たまらんっ!」

希「…っと、ごめんごめん。ついお饅頭に夢中に…。で、どんなことに悩んでるん?」

ことり「え、えっと…」


ことり(相談してみるとは決めてみたものの、どう説明していいのか悩みます)

ことり(真姫ちゃんからアイドルに誘われた、って正直に言うと、色々と説明がややこしそうだし…)


ことり「私、今A-RISE候補生の服飾の仕事を担当してまして…」

ことり「だけど、えぇと…、友人からその、また別のことにも誘われて、そうすると服飾の仕事を抜ける羽目になりそうなんです」

ことり「それで、どっちを選ぼうか、とても迷ってて…」

希「ふぅん…。単純に、自分の好きな方を選ぶんじゃダメなの?…ダメなんやろうね、その調子やと」

ことり「…はい」

希「その理由は言える?」

ことり「私、このままA-RISE候補生の服飾を続けるのも、ちょっと良くないって思ってて…」

ことり「だからこの機会に服飾を辞めて、別の道を探ろう、自分を変えてみよう、って思ったりもしてるんです」

ことり「…けど、今のまま、変わらずにいることも…捨てがたいんです。居心地がいい、っていうのかな…」

ことり「でもそれは同時に、私の親友にないものを得て優越感に浸っている感じがして、とても嫌で…」

ことり「だけど変わってしまえば…、今充足しているものを捨ててしまうことになって…」

ことり「…どちらを選んでも何かを捨てることになってしまって、それで悩んでるんです」

希「…ほうほう」

昨日の時点ではそこそこまとまってたのになんか頭回らないんで一旦中断しますすいません
こたつは人の考える脳を鈍らせると再認識したよ ネカフェが一番書きやすかった
少し休憩したら書き溜めるので明日投下します 待っててくれた人は申し訳ないもう少し待ってください

希「うぅんー、難しいねー」

ことり「…やっぱり、そうですよね」

希「南さんは、変わりたい、って思ってるんよね?」

ことり「え、あ…、はい。今の自分は、とても嫌だから」

ことり「けど変わるための一歩を踏み出すのが、その…怖くて」

希「…そう。変わりたい、か…」

希「そういえばね、昨日も…うちの同居人に似たようなこと聞かれてんよ」

ことり「同居人?え、誰かと同棲してるんですか…?」

希「うふ。まぁね。ラブラブなんよー」

ことり「…!」

希「なんて冗談やけど。ちょっとした事情で家に帰れない子を匿ってるだけよ」

ことり「そ、そうなんですか…」

希「うふふ、でも可愛いいい子なんよー。で、その子もちょうど君みたいな子を知ってる、って言ってた」

希「どうしてもグループに誘いたい子がいるんだけど、事情があって誘うかどうかを悩んでる、やったけね」

ことり「え、すごい…。私と本当に似てる…」

希「その時、うちは『きっかけを与えて、その子が変わりたいと思ったなら答えがそのうち見つかる』って言ったんやけど…」

希「…意外と、そうはいかないんかもね。南さん見てると、そう思ったんよ」

ことり「私を?」

希「うん。簡単に言うけど、『変わる』ってすごい難しいことやと思う」

希「ただ何か行動を起こすだけじゃ本当に変われるかなんて分からないし、今足りてるものすらなくなってしまうかもしれないんやしね」

ことり「…はい」

希「進む方向、目指す方向が何か分からずに変わる、っていうのは…、勇気がいることやものね」

希「うちも昔…、似たようなことがあったからよくわかるわ」

ことり「東條先輩も?」

希「ん。変わりたい、変わりたいってずっと思ってた挙句に…」

希「うちの思ってた方向とは全然別のところに、変わってしまった話」

希「ただ闇雲に変化を求めるだけじゃ、それが本当に正しいものか、判断を見失ってしまう」

希「おかげでうちは…、かけがえのないものを失っちゃったから」

ことり「…っ。かけがえのない、もの…」

希「南さんも、もし変わりたい、と思う先に、かけがえのないものを失う未来があるなら」

希「安易に道を選んじゃダメやと思うんよ」

ことり「…じゃあ」

ことり「じゃあやっぱり…、このまま…」

ことり「…変わり続けない方が、いいってことですか」

希「違う違う!」

ことり「えっ…」

希「南さん、よーく考えて」

希「『変わらない』っていうのは、停滞じゃないんよ」

希「それも立派な選択。南さんは今、『変わる』と『変わらない』の分かれ道に立たされてる」

希「うちはこの分かれ道を選ぶのを、慎重にならないとダメ、って言ったの」

ことり「『変わらない』も、選択…」

希「そう。もうひとつの道があるなら、それは分かれ道。まっすぐ進むことは一つの道を捨てること」

希「今まで歩いてきた道にも、気づかないくらいたーくさんの道があったはずよ」

ことり「だ、だったら…。立ち止まることって、できないんですか…?」

ことり「私が立ち止まってると思ってることは、…無意識に一つの道を選んでる、ってこと?」

希「せやよ。だって時間は進み続けるものだから」

希「うちがご飯を食べるか食べないか迷ってて、何日も迷い続けたら死んじゃうのと同じ」

希「必然的に食べないを選んじゃってるから、ってことやね」

ことり「早く選ばないと、後戻りができなくなっちゃう…?」

希「そういうこと。何にでも言えることやけどね」

ことり「…」

希「慎重に、けれども立ち止れる時間はない。一度選べば、引き返せない」

希「人生の選択っていうのは、だからこそ恐ろしいものがあるよね」

ことり「…でも、無理だよ…。そんなの…」

ことり「短い時間で、どちらかを選ぶなんて…」

希「うん。だけど…それも違うよ」

ことり「…え?」

希「どちらか、じゃない」

希「南さんには、もう一つ道があるでしょう?」

ことり「もう一つの…道?」


希「今まで歩んできた道、その中で選んだ道、選ばなかった道」

希「後ろを振り返れば、自分の歩いてきた軌跡が広がっている」

希「辿り直すことはできないけど、でもそれは自分の歩み続ける道の大きなヒントになる」

希「もう一度、一から考えてみて。ことりちゃん」

希「今自分が選択しようとしているのは、『何から変わる』道なのか『何から変わらない』道なのか」

希「そうすれば、今とは違う風景も見えてくるかも知れんよ?」



ことり「今とは違う、風景…」

希「…うちに言えるのはここまで。あとは…、ことりちゃん次第かな」

希「じゃ、うちはこれで。お饅頭ありがとね」スタスタ…

ことり「あっ…」

ことり「…お饅頭、結局全部食べちゃった。いつの間にかことりちゃん呼びになってるし…」

授業中

二年教室


ことり「…」


(希「もう一度、一から考えてみて。ことりちゃん」)

(希「今自分が選択しようとしているのは、『何から変わる』道なのか『何から変わらない』道なのか」)

(希「そうすれば、今とは違う風景も見えてくるかも知れんよ?」)


ことり(一から考える…。私が何から変わりたいのか、何から変わりたくないのか)

ことり(変わりたいのは、自分)

ことり(穂乃果ちゃんと一緒に居れることに満足している自分、海未ちゃんにはないものを持っている優越感に浸る自分)

ことり(そんなことを考えてしまう醜い私を、変えたい)

ことり(穂乃果ちゃんとのしがらみをゼロにして、別の道を歩みたい)

ことり(変わりたくないのは、今)

ことり(穂乃果ちゃんと居れるこの状況から、抜け出したくない)

ことり(ずっとずっと前から変わらないよう、守ってきた細い、薄い絆が…)

ことり(やっと、名前を呼んでもらえるくらいには戻ってきたこの絆を、捨てたくない…!)



ことり「…はぁ」



ことり(やっぱり、思い返しても)

ことり(どちらも捨て難いほどの価値があるように思えます)

ことり(新しい風景なんて、私には見えてこないよ…)

ことり(…それとも、私の考え方がダメなのかな)

ことり(一から…。それってどれくらいの一?)

ことり(それこそ、本当に最初の最初なのだとしたら…)

ことり(私たち3人が出会ったあの公園のところから?)

ことり(でも、それももう曖昧かも)

ことり(3人で一緒に遊んで、ただ楽しかった)

ことり(そういう記憶が、うっすらと残っているだけ)

ことり(なにも考えずに、夕暮れを見ながら遊んだ記憶が…)


ことり「…ふふ」


ことり(曖昧な記憶だったはずなのに、その頃の楽しさがすぐ目の前に迫ってきたかのように)

ことり(私は微笑んでしまいました)

ことり(そして、その時)

ことり(気づいたのです。見えてしまったんです)

ことり(今まで見えなかった、分かれ道の風景)

ことり(『変わりたくない』道は、『今』だけじゃない、ってことに)

ことり「あっ…!」


ことり(ずっとずっと守ってきた、変わらない今)

ことり(でもそれは…既に変わってしまった後の絆)

ことり(求めるなら、もっと前)

ことり(そう、こんな小さな頃から変わらなかった『今』を)

ことり(去年の秋頃までずっと続いていた『今』を)

ことり(どうして私は求めようとしなかったのでしょう)

ことり(必死の思いで紡いできた、今にも消えそうな弱々しい絆よりも)

ことり(それまで当たり前のように存在していた、煌々しいまでに輝いていた、3人の絆を)

ことり(私は、自然と選択肢から外していたということに)

ことり(今の今まで、気づきませんでした)



ことり「…だけど、それは」



ことり(だけどそれは)

ことり(きっと変わるより、何倍も何倍も大変なことだと思います)

ことり(あの頃を、取り戻したい)

ことり(幾度も胸を揺らし、そして感じなかったことにした渇望)

ことり(今までそうしてきたのは、それができるならどれだけいいかと)

ことり(挑戦する勇気もなく、諦めてきたから)

ことり(きっと奇跡でも起きなければ、あの頃を取り戻すことなど不可能だと思っていたから)

ことり(…いえ、今でもそうでしょう)

ことり(既に変わってしまったものを、変わって欲しくないなんて)

ことり(やっぱり、馬鹿げてる、よね)



ことり「…」


ことり(一度は見えた、新しい景色)

ことり(けどそれは…、理想郷に過ぎないものでした)

ことり(どこまで手を伸ばしても掴めない景色なら、いっそ見えない方がよかったかもしれない)

ことり(…また、考え直しかなぁ)

放課後

二年教室


ことり「えと、今日は…」


ことり(今日は衣装の作成はお休みです。だから放課後はまるまる空いちゃうんだけど…)

ことり(だけどアイドル専攻はあるし、穂乃果ちゃんが終わるのを待つのも…)


ことり「…なにもないのに待ってたら、逆に気持ち悪がられるよね」

ことり「いいや。一人で帰ろっと…よいしょっ…」ガサッ

ことり「…あれ?」


ことり(持ってきたお饅頭の空き箱を持って帰ろうとした時に感じた違和感)

ことり(ちょっとだけ…重い?)


ことり「空のはずなのに…、何か入ってるのかな…?」パカッ

ことり「あれ?これって…写真?」


ことり(小さな写真立てが、空い箱の中に入ってました)

ことり(誰のだろう…?そう思って見たその写真には…)


ことり「あ!東條先輩!」


ことり(あの東條先輩が、同級生数名と一緒に写っていました)

ことり(そしてその後ろには何故か…A-RISEも)

ことり(しかもこれって、先代のA-RISE?先代のA-RISEと今のA-RISEと一緒に東條先輩が写ってるって…)

ことり(あの人、一体どういう…?生徒会長だから、なのかな…?)


ことり「で、でもこれ…。多分大切なものだよね…?いつ紛れ込んじゃったんだろう…」

ことり「お饅頭を食べてる時に箱に入れちゃってそのまま?うっかりさんだなぁ…」

ことり(うっかり具合ではうちの海未ちゃんに遅れを取らないかもしれません)

ことり「ってそれは言いすぎかな…。でもちゃんと返さないと…」

ことり(とりあえず今日の放課後は、東條先輩に写真を返すので埋まりそうです)

ことり(急いで3年生の教室に来たはいいものの)

ことり(どこが東條先輩の教室かわからない!)

ことり(下校したり部活に行ったりする人も多くて人ごみでめちゃくちゃで…)

ことり(いろんな人に聞きまわって教室を見つけた時にはもう東條先輩はいなくて)

ことり(どこか行き先に心当たりはないかと教室にいた人に訪ねて帰ってきた答えが…)



下校道


ことり「…神田明神?」

ことり「どうしてそんなところに…。まぁ、近いからいいんだけど」


ことり(もしここまで行っていなかったらもうどうしようもありません)

ことり(普通に家に帰るつもりが、ここに至るまでで結構なスペクタクルに…)


ことり「…海未ちゃんならどうなっていたことか」


ことり(今日の私みたく、人を探すのに奔走なんてしてたら…)

ことり(もし今の海未ちゃんなら…、泣いているかもしれません)

ことり(心の病気から回復したとは言え、今でも他人とまともに話すことができない後遺症は少し続いてるし)

ことり(それに、私と話していても滅多に笑ってくれなくなりました)

ことり(変なボケとかたまーにかましたりするのに…)

ことり(…バイトはある意味で振り切ってるみたいだけど)



ことり「…っと。着いた着いた。ここで何やってるのかなぁ…?」

ことり「って、あれ…。あれって…」



花陽「はぁっ…!はぁっ…!!ひぃぃ…」スッタッタッタッ…



ことり「あ、花陽ちゃん。階段を往復してる…」

ことり「あ!もしかして…。アイドルの練習ってここでやってるの…!?」

ことり「そっかそっか…。公式な部活じゃないから部室とかもないし…」

ことり「大変なんだなー。ふふ、そういえば一度は見学に来てもいいよね。どんなところかも見ておきたいし…」

ことり(花陽ちゃんが階段を駆け上っていったところをバレないように死角からついていき、すぐに物陰に隠れました)

ことり(ここで真姫ちゃんと花陽ちゃんが練習…、あ、あそこ…。海未ちゃんもいるんだ)

ことり(ふふ、海未ちゃんが作詞だなんて…。ちゃんとできてるのかなー?)

ことり(好奇心と、ちょっとの嗜虐心で覗いた真姫ちゃんと海未ちゃんの会話)

ことり(でも、そこにいたのは…)

海未「…!」

真姫「うん、うんうん…!いいじゃない!」

海未「ほ、本当ですか!?」

真姫「えぇ、最高!これならかなり可愛い感じのラブソングになると思う!やったわね!」

海未「はいっ!やりましたっ!!やりましたよっ!!」

花陽「ふえぇえぇっ!!?ご、ごめんなさい今疲れて…」

海未「知りませんっ!あははは!あなたたちの歌う曲ができましたっ!やっとです!」ブンブンッ

花陽「ひゃぁぁっ…!!そんなに振り回さないでぇぇぇぇぇぇぇ…」

海未「だっていきなり任されて苦労したんですよっ!?でもようやく完成っ…!」

海未「なんだか…満たされたって感じがします!!こんな気持ち、久々です…!!」

真姫「ふふ、ならよかった。あなたを選んで正解だったわ」

海未「ありがとうございますっ!ふふふ…、よかった…」ギューッ

花陽「だ、抱きしめないでぇぇぇぇ…、ぐるじぃぃぃぃぃぃぃ…」




ことり(信じられないものを目にした気分でした)

ことり(…海未ちゃんが笑っている)

ことり(数日前に知り合った人と一緒に、笑ってる…!?)

ことり(あの、海未ちゃんがっ…!?)

ことり(正直私は、海未ちゃんは作詞をするにしてもメールとかでやり取りするものだと思ってたから)

ことり(今そこに、花陽ちゃんが練習している隣にいることにも少し驚いたんだけど)

ことり(でもまさか…一時は何度も自殺までしようとした海未ちゃんが)

ことり(あぁやって、笑えるように、なったなん、てっ…!!)


ことり「…っ!!」


ことり(声が出そうになったのを手で抑え我慢しました。でも…)

ことり(目から溢れ出る涙は止められそうにありませんでした)

ことり(よかったね、よかったねって、心の中でずっと海未ちゃんの頭を撫でてるつもりで祝福して)

ことり(自分のことのように嬉しくなって、神社の端で丸まって、声を殺して泣き続けました)

ことり(あの頃の海未ちゃんに、また会えたようで…)


ことり「…あの、頃…?」


ことり(そう、あの頃)

ことり(小さな子供の時から、去年の秋までの、海未ちゃんに)

ことり(もう二度と、戻ることのできないと思っていた過去からの海未ちゃんに、もう一度)

ことり(会うことが、できた)

ことり(起こらないと諦めていた奇跡が、今、ここで)

ことり(起きていたんです)

ことり(小さかった頃の海未ちゃんは臆病で)

ことり(何かあるとすぐ、泣きべそをかいていましたね)

ことり(そんな時、手を伸ばしてあげたのが、穂乃果ちゃんでした)

ことり(私は隣で心配そうに見てただけだったけど、海未ちゃんはそれだけですぐに笑顔になれたんだったよね)

ことり(穂乃果ちゃんに聞いたことがあったっけ)

ことり(どうして海未ちゃんを誘ってあげたの?って)

ことり(寂しそうにしてたから見かねて、とか、そういう答えが帰ってくるのかなって思ってたら)



穂乃果「理由なんてないよ!友達になりたいって思ったからなったの!」

穂乃果「それで、その子も友達になりたい!って思ってそうだったから、すぐに友達になれると思ったの!」



ことり(そうだよね。友達になるのに、理由なんていらないよね)

ことり(友達になりたいから、友達になるの)

ことり(いままでずーっとずっと、それを変わらずに続けてきたんじゃない)

ことり(何が、難しいことがあるのかな)

ことり(奇跡なんて、必要ないんだよね)

ことり(だったら―)




神田明神


希「おー、みんなやってるー?」


真姫「希っ!珍しいわね」

希「んふー、せやろー?今日は久々に美味しいもの食べたから上機嫌でねー」

希「みんなにも味わってもらおうと!はいこれ!」

花陽「わぁぁ…!お饅頭ですか!?」

希「うん、これ美味しいんよ!食べてみて!!」

海未「穂むらのお饅頭…」

希「あ、海未ちゃんは確か穂乃果ちゃんの知り合い、やったんやったっけ…?」

海未「…そ、そうですね。友達、でした」

海未「だけど、久々です。…はむっ…」

海未「…うん、美味しい。美味しいです…」

希「それはよかった…ん?あれって…」スタスタ…

希「…うちの写真?なんでこんなところに落ちて…」

真姫「んー?どうしたのー?希の分、食べちゃうわよー?」

希「あぁぁぁっ!!あかんっ!!食べたら突き落とすからねっ!」

花陽「…こ、怖いです」

翌日

放課後

多目的室



「…じゃあ今日の練習はこれでおしまい。各自家に帰ってしっかりと休憩を取るように」


穂乃果「…はぁ、…んぐっ…、ごく、ごく…。ぷはぁっ…」

凛「お疲れ様でしたー、高坂せんぱーい」タッタカター

穂乃果「ん、お疲れ様…。凛ちゃんは元気だね」

凛「この程度どってことないにゃー!じゃ、さよならー」

にこ「…元気ね、あいつ」

穂乃果「そうだね…ん?」



ことり「…あ、終わった?」


穂乃果「ことりちゃん…。今日は早いね、衣装作り」

ことり「ん?あー…、まぁね」

ことり「それでー…終わったなら、一緒に帰ろ?」



ロッカー前


穂乃果「…よっと」ガチャッ

ことり「靴、履けた?」

穂乃果「うん、じゃあ、帰ろうか」

ことり「…うん」



スタスタ…


穂乃果「…」

ことり「ね、穂乃果ちゃん?」

穂乃果「何?」

ことり「どうして私のこと…、もう一度、ことりちゃん、って呼んでくれるようになったの?」

ことり「友達、だから?」

穂乃果「…そうだよ?」

ことり「そっか。じゃあどうして…もう一度友達になってくれたの?」

穂乃果「そんなの、簡単だよ」

穂乃果「先輩が、サポートメンバーのみんなは大切にしなさい、って言ってたから」

穂乃果「だからことりちゃんは、大切な友達なんだ」

ことり「…そっか」

ことり「そう、だよね」

穂乃果「…うん」

UTX学院 玄関


スタスタ…


穂乃果「…あれ」

ことり「…」



花陽「えっ…!?!」

海未「なっ…」


真姫「…穂乃果」



穂乃果「真姫ちゃん、花陽ちゃん。…それに、園田さん」


海未「穂乃、果…」


穂乃果「もしかして…出待ち?ダメだよ、規則違反。私がA-RISE候補生と言えどもそういう行為は…」

真姫「違うわ」

穂乃果「…え?」


真姫「呼ばれて待ってたのよ。そこの…ことりにね」


穂乃果「…ことりちゃんに?」

真姫「えぇ、この時間、この場所で待っててって」

穂乃果「それ、本当?どうして出待ちを助長するような…」

ことり「穂乃果ちゃん」



ことり「私、A-RISEの衣装やめる」

ことり「それで、この子たちが他のスクールアイドルやるから」

ことり「そっちの衣装を担当することに、決めたの」

穂乃果「…っ!」



花陽「え、えぇぇっ!!?ど、どどど…」

海未「どうしてっ!!?」



穂乃果「スクール、アイドル…?」


ことり「うん。やるんだって。真姫ちゃんと花陽ちゃんが」

ことり「それで、海未ちゃんは作詞を担当してるの」

ことり「真姫ちゃんから衣装やらない?って言われたから、衣装やることにしたの」

ことり「それが伝えたかった」


穂乃果「…」


ことり「もう、これで穂乃果ちゃんとは何の関係もなくなっちゃったね」

ことり「だってもう私、サポートメンバーじゃないから」

ことり「辞表も提出してきました」

ことり「これで…もう友達じゃなくなっちゃった」


海未「な、なぜですかことりっ!!どうして穂乃果と分かれるような決断を…っ!!」

真姫「変わるのを、選択したってこと…?」


ことり「…うぅん。違う」

ことり「私は…変わりたくない」

ことり「変わりたくないからこそ、私は今のままじゃダメなんだって思った」

ことり「私が変えたくなかった今は、もう変わってしまった今だったから」

ことり「私が本当に変えたくなかったのは」

ことり「あの日、夕焼けが見える公園で三人一緒に遊んだ光景」

ことり「あの頃からずっと続いてた日々」

ことり「それをもう一度やり直すために」

ことり「今度は…私から海未ちゃんと友達になるんだ」


海未「っ!こ、ことり…!」


ことり「今のまま続けても、戻ってこないなら」

ことり「もう一度スタート地点からやり直すの」

ことり「遠すぎて手が届かないと諦めていた『今』を、もう一度…手に入れるために」

穂乃果「…」


ことり「それでね。私…」

ことり「…真姫ちゃん!」

真姫「うぇっ!?な、なによ…」



ことり「…スクールアイドルも、一緒にやってみていい、かな?」



真姫「え、えぇっ!!?」

海未「ことりも、スクールアイドルを…!?」

花陽「やるんですかっ!!?」

ことり「うん。…ダメ?」

真姫「い、いや…、いいわよ。むしろ大歓迎、だけど…」


穂乃果「…」


ことり「これで、同じだね」

ことり「全てが変わってしまった、穂乃果ちゃんがアイドルになった日」

ことり「変わらない日から、変わる日へのスタート地点」

ことり「私は今、そこに立ったの」

ことり「最初からやり直すなら、私もここに立たないと」

ことり「一年、周回遅れだけど」

ことり「絶対に追いついてみせるから」

ことり「絶対に、追い越してやるから」

ことり「覚悟しててよね、穂乃果ちゃん」


穂乃果「…そう」

穂乃果「つまり、『南さん』は…敵だってことだね」


ことり「そう、だよ」


穂乃果「なら、いいよ。それで」

ことり「それでね、穂乃果ちゃ…」

穂乃果「さよなら」


スタスタ…



穂乃果「…」スタスタ…

海未「…っ」




ことり「…」

ことり「…また、友達になりたい、って思ったときは」

ことり「友達になりたい、って思ってくれたときは」

ことり「もう一回、友達になろうね」

花陽「あ、高坂せんぱ…」

真姫「…今はやめなさい」



ことり「…」

海未「こ、ことり…」

真姫「よかったの?本当に」

真姫「…まだ一日、あったじゃない。週末まで」

ことり「うぅん。いいの」

ことり「だって…見ちゃったから」

海未「なにを、ですか…?」

ことり「…海未ちゃんが、笑ってるとこ…」

ことり「それ、見ちゃったら…、いままで、海未ちゃんのこと、笑ってた自分が…」

ことり「恥ずかしくてどうしようもなくって…、だから、だから…!!」

ことり「ごめんねぇぇっ…!!海未ちゃんっ!!海未ちゃぁぁぁんっ!!!うぎゅぅうっっ!!!うわぁああぁぁぁぁぁぁぁんっ!!!!」

海未「こ、ことりっ!!?どうしたんですか!?わ、笑ってたって何を…」

ことり「嘘付いてたのっ!!私っ、馬鹿だからぁぁっ!!!海未ちゃんに黙ってぇぇぇぇぇぇぇ…!!」

ことり「友達なのに、なのにぃぃぃぃぃ…!!うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁあぁぁぁぁぁあ……!!!!」

海未「ぁ…」

海未「ふふ、仕方ないですね、ことりは…。甘えん坊、なんですから…」

海未「いいんですよ。ことり…。こうやって、そばにいてくれるだけで」

海未「私は、誰よりも救われるのですから…」ギュッ

ことり「海未ぢゃあぁぁぁぁぁぁぁ…!!!うあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁ…!!!ごべんねぇぇぇぇぇ…!!ごめんんん…!!」

海未「もう…、可愛い顔がぐちゃぐちゃですよ…?ぐずっ…、ホント、バカなんですから…」

海未「穂乃果に負けず劣らず、大バカです…。うぅっ…ずずっ…!」




花陽「…よかったね、真姫ちゃん。ことり先輩、心のわだかまりが取れたみたいで」

真姫「えぇ。やっぱり希の言ってたとおりね」

真姫「きっかけを与えれば…なんとかなるのよ」


真姫(…でも、ことりが穂乃果の前で宣戦布告してくれたおかげで)

真姫(いままでひそひそとやってたスクールアイドルの活動がついに彼女たちにも知れ渡ってしまった)

真姫(本格的に始まってしまったわね)

真姫(A-RISEとの戦いが…)





もしライブ! 第三話

おわり

真姫「やっと終わったもしライブ!第三話…だったけど」

凛「な、長かった…!リアルタイムだと20日かけちゃったよ!?」

真姫「一話に20日って…途中にうろライブ!入れたのを含めても結構な時間…」

凛「レスは250くらい消費したし…。いや読んでくれてる人のレスもあったけどね?」

真姫「今回は時間に余裕がなかったのもアレだけど展開を思いつくのに非常に苦労したわ」

凛「最後の方、特に昨日今日は脳みそが破裂するかと思ったらしいにゃ」

真姫「レス間隔が長かったのはサボってたからじゃないのよ?ひたすら考えに考えてアレだからね?」

凛「最後の最後は前々から考えてたからすんなり行けたけどそこに繋げるまでが大変だったねー」

真姫「でもその展開も花陽の時と多少かぶってるからどうなのかなって思ったりもして」

凛「かよちんとことりちゃんの境遇大分似てるからねー…」

真姫「一応導かれての決意、と自ら別れの決意、で差別化はしたつもりよ」

凛「んまー読んでくれてる人が面白いと思ってくれれば差別化なんてどうでもいいんだよ!」

真姫「…良くないと思いますけど」

凛「長々と喋っても余韻が薄れちゃうでしょ!あ、5thライブは凛の中の人が可愛かったらしいね!凛もSSAで歌いたいにゃー!」

真姫「学生の私たちがあんな大きな舞台で歌えるわけ無いでしょ。ちなみに私の中の人はフォトンブラッドを身に纏ってたらしいわね」

凛「というわけで今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「次に小さな地球(ほし)の話をするのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

にゃにゃーん もうそろそろ12時行くけどはじめるよー
ひっさしぶりの安価だぜー どうなるかなー

待ってましたよ……!

真姫「今日はうろ覚えラブライブ!第4話をお送りするわよ」

凛「4話といえば…にこちゃん!」

真姫「そうね、まさかあのにこちゃんがあんなことに…」

凛「え!?そんな話だったっけ!?」

真姫「アポトキシン4869を飲んじゃったのよね」

凛「違う!小さいにこちゃんだと思ったのは妹だったの!」

真姫「細かいストーリーはおいおいうろライブ!でわかるでしょ。じゃあ今回の忘却の振り返りを…」

凛「まずにこちゃんが忘れちゃうことは…帰る家を忘れる、って」

凛「これ前回の穂乃果ちゃんとかぶってるよ!ナシナシ!」

真姫「でも再安価するのも面倒だから、穂乃果は帰る家があることすらも忘れてたけどにこちゃんは家の場所がわからなくなるってことにしておきましょう」

凛「安価的に考えて本来なら全く逆なはずなんだけど…まぁいいや次」

真姫「絵里が忘れるのは…えー…、ハラショーね」

凛「やばい…、絵里ちゃんがただの無個性ロシアクォーターになっちゃう…」

真姫「絵里もそんなにハラショーを積極的に使うわけじゃないから周りがハラショーを忘れたことに気づくことすらないんじゃないかしら」

凛「どう扱われるかが見ものだね。で、希ちゃんが…」

真姫「記憶の思い出し方…これは…」

凛「一度忘れちゃったらもうそのまま…!?え、エグい…」

真姫「ストーリーの進行に支障が生まれそうな安価ばっかりとってくれるわね全く…!!」

凛「真姫ちゃんがキレてる…!」

真姫「…まぁ、なんとかなるでしょう」

凛「なるかなぁ…」

真姫「じゃあうろライブ!第4話!」

凛「スタートにゃー!」

前回のラブライブ!デン


凛「前回のラブライブ!暗唱コーナー!今回は凛だよ!いっくよー…」

凛「えー…、なんだっけ…。予選に出場することになった私たちアネックス一号!」

凛「でもラブライブ前大会優勝者のA-RISEのツバサさんが出てきて!」

凛「(ツバサの声真似)こんにちは(キリッ」

凛「なんやかんやでUTX学院でライブ映像を撮ることになって…なって…」

凛「(花陽の声真似)やっぱり私たち、A-RISEには…」

凛「(ことりの声真似)かなわない…」

凛「(穂乃果の声真似)そんなことない!やればできるよ!!」

凛「結局やったら出来た!やったねみんな!(ヤケクソ)」


(見返しタイム)



凛「笑えるくらい全然違うね!」

凛「かなわないとそんなことないくらいしか合ってないって逆にドン引きだよ」

凛「今度から二回まで見返していいことにしよう!」ニャンニャンニャーン

部室


花陽「い、いよいよです…」


穂乃果「え、何が…?」

ことり「緊張するね…」

穂乃果「だから何が?」

海未「尾張増高…?尾張増高…?」

穂乃果「誰?彼氏?」

絵里「まだよ」

海未「誰か答えてください!」

真姫「鼻に指突っ込んで何言ってるのヨ…」

にこ「そそそそそそそそそそそそそうよっよよよよよよっよよよよよよよびよよびよせぴよぴよ」

希「そうやね…、カードのよると…」

穂乃果「いやだから何の話!?」

花陽「ラブライブ予備予選通過の話です!」

穂乃果「あぁ…」

花陽「あ!来ました!!」

にこ「よよよよよよよよよよよよ」イチゴギューニューブシュアアアアア

花陽「さ、最終予選進出…これアイウエオ順なんですけど、1チーム目は…」

花陽「A-RISE…」

花陽「2チーム目は…」

穂乃果「あれ?ちょっとまって」

穂乃果「アイウエオ順で最初A-RISEならもう敗退決まってない?」

花陽「EAST HEART…」

穂乃果「ねぇ聞いてる?」

花陽「3チーム目は…ミ、」

一同「ミ!?」

花陽「MIDNIGHT CAT…」

一同「はぁぁぁぁ…」

穂乃果「どうしてミに反応するの?!」

花陽「4チーム目は…みゅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~…」

穂乃果「いやもう終わってるから…」

一同「みゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ~~…」

花陽「みゅぅぅぅぅぅぅぅたんとがーるず…」

穂乃果「せやろな」

ことり「アホらし、帰ろ」

海未「せやな」

凛「せやせや」

絵里「せやろか?」

真姫「せやで」

希「っていう夢を見たんよ」

一同「「「お前の夢なんかーいっ!!」」」



うろ覚えラブライブ! Forgotten Idol Project


第四話「『アイドル』を、嘗めんなよ」



部室


花陽「それにしても、生々しい夢だよね…」

穂乃果「え?何の話?」

ことり「本当に…」

希「おぉ、そんなところも夢の状況と一緒!」

にこ「あばばばばばばばばばばばばばばばば」

希「にこっち夢の時より壊れてるね」

海未「麻木和博…?白石昌平…?」

希「いやもうホント誰…」

穂乃果「そうだにこちゃん!それ一気飲みして!」

にこ「なんで!?」

穂乃果「驚愕したにこちゃんの鼻からいちご牛乳が吹き出る光景が見たい」

にこ「そ、そう…?なら仕方ないわね」ゴクゴク

絵里「そこで了承するんだ…」

花陽「来ました!!」

にこ「っ!!!!」ブシュアアアアアアアア

穂乃果「うわぁすげぇ」

花陽「最終予選進出…これアイウエオ順なんですけど、1チーム目は…」

花陽「アネックス1号…」

花陽「あ、通りました」

穂乃果「やったぁ」



海未「遠藤雅史…、財津原蔵王丸…」

海未「あれ…?みんながいない…」


校内放送『お知らせします。たった今、我が校のスクールアイドルアネックス1号が、ラブライブの予選に合格したという連絡が入りました。繰り返します…』


海未「へぇ…。我が校からそんな…すごいですね。あれ?私なんでここにいるんでしたっけ…?」



にこ「…」

放課後

屋上


絵里「最終予選は12月、そこでラブライブに出場できる一チームが決定するわ」

希「次を勝てば、念願のアイスソードやね…」

海未「いつの間にロマサガの話に…。ラブライブですよ」

希「ラブ…、ライブ?」

海未「…すみません。本気で意味がわからないといった顔はやめてください」

希「え、えぇと…なんやったっけそれ…」

ことり「えっとね、希ちゃん。ラブライブっていうのは…」

花陽「こ、こんな調子でA-RISEに勝たなくちゃいけないなんて…」

穂乃果「今は考えても仕方ないよ!とにかくガンバ…なんだっけ」

海未「そこまで言ってセリフを忘れるのですか…」

海未「…とにかく、これまで以上の成果を残すために、来週からの>>569のスタートを1時間早くしたいと思います」

海未「この他に日曜日には>>571をします」

練習

ムエタイの試合

海未「来週からの練習のスタートを1時間早くしたいと思います」

凛「え、それって放課後の練習ってこと!?6時間目突き抜けるんじゃ…」

海未「サボってください」

凛「い、いいの…?」

海未「この他に日曜日にはムエタイの試合をします」

花陽「なんで!?」

海未「ムエタイは両手、両肘、両脚、両膝の8箇所を用いて戦う高度な格闘スポーツです!」

海未「それにより体幹が鍛えられあー説明が面倒くさい」

ことり「せめてもっともらしく理由つけてよ…」

絵里「練習は嘘はつかない。けど闇雲にやればいいというわけじゃない」

絵里「しちゅのたかいれんちゅうをいかにちゅーちゅーちて…クソがぁっ!!!」

希「久々にボロがでたね」

穂乃果「よくわかんないけど…みんな行くよ!アネックス一号、ミュー…」

ことり「待って!」

ことり「何か、忘れてない…?」

希「えっと…、ラブなんとかってやつ?」

真姫「それは流石に希だけでしょ」

穂乃果「私たちが忘れることなんて日常茶飯事じゃーん。問題ないって」

凛「いやいやいや…、日常茶飯事だからって何か忘れていいわけじゃないと思うにゃ…」

花陽「で、でも確かに何か足りてない気がします…!」

絵里「…私も、大切な何かが抜けてると思うの…」

ことり「多分…>>574をし忘れてるんじゃないかな?」

花陽「いえ、真姫ちゃんが>>575を付け忘れてます!」

絵里「そうだわ!>>576がないのよ!」

凛「全部違う気がするにゃあ…」

まかもう退治

キャラ属性

にこ

ことり「多分…まかもう退治をし忘れてるんじゃないかな?」

海未「なんですかまかもうって…」

絵里「あぁ、シベリアに住んでる人たち?」

希「それエスキモーやん。あれでしょ?トレーナーでモコモコしてあったかいやつ」

海未「それは裏起毛です…。アレですよね?第二次世界大戦後に日本を占領した連合国軍の最高司令官…」

花陽「私は真姫ちゃんがキャラ属性を付け忘れてると思います!」

海未「無視しないで」

真姫「き、キャラぞくせー?またわからない日本語…」

花陽「真姫ちゃんは最近ツンデレが薄いよ!もっとツンツンしてデレデレしないと!」

真姫「つんつん…?はい、つんつん」ツンツン

凛「にょぉぉ…、真姫ちゃんの爪とんがっててほっぺた痛い…」

花陽「そういうツンツンじゃないよ!もっととんがって…」

真姫「とんがる…。はぁっ!」ピピピンッ

凛「おお!力を入れたら真姫ちゃんの毛先がピンピンに!」

穂乃果「しょごい!なにそれ!!?」

花陽「すごいけどそうじゃなくて…、あとデレデレもしないと!」

真姫「花陽、大好き。チューしましょう」

花陽「おうっ」バタッ

凛「かよちんが死んだ!」

穂乃果「この人でなし!」

真姫「デレデレしてって言われたからしたのに…」

絵里「そ、それより…にこがないのよ!」

希「にこがない…?ハッ!そうか!」

希「笑顔が足りないってえりちは言ってるんやね!」

海未「なるほど!それは言えてますね!みんな、もっと笑いましょう!」

一同「あははははははははははははははは…」

ことり「なんだか笑うと元気が出てきたねー」

穂乃果「そうだねー…、なんていうかまほうつかいはじめたくなったっていうか…」

凛「女子道歩みたくなったっていうか…」

絵里「トラブルをバスターしたくなったっていうか…」

真姫「輝夜の城で踊ってねばねばして夏色えがおで1,2Jumpしたくなったわよね」


一同「…あ!にこちゃん!!」




校門


にこ「…」スタスタ…


穂乃果「にこちゃーんっ!!どこ行くのー!?」


にこ「…げっ」

穂乃果「どうしたのー?>>560始まってるよ!」

穂乃果「餅つき大会始まってるよー?」

にこ「えっ、どこで…って!?どこでもちつきやってるか知らないけどどうしてそれで私の気を引けると思ったのよ!」

穂乃果「にこちゃんお餅好きじゃん!」

にこ「さも当然のように事実を歪曲しないでくれる!?正月に一、二個食べる程度よ!」

絵里「どうしたのよにこ…。あなた…」

絵里「…今日はツッコミが冴えてるわね」

にこ「アネックス一号のツッコミ担当だからね!って…そんなことどうでもいいでしょ!」

にこ「今日はちょっと用事があるのよ…。それより、最終予選近いんだから、気合入れて練習しなさいよ!?ドゥーユーアンダスタンン!!?」タッタカター

穂乃果「ラジャッ!…アレ?行っちゃった…」




はなまるストア前


にこ「…」チラッ チラッ

にこ「…」ノソノソ…



コソッ

凛「お店に入っちゃったよ?」

真姫「なんで後付けるノ?」

穂乃果「だって怪しいんだもん!」

穂乃果「まさか、ここで>>582してるとか…?」

海未「いえいえ、>>583している可能性も…」

ことり「にこ公のことだから多分裏の方でねっとり>>584してるんじゃないかな」

万引きGメン

温泉浣腸

ねとり

穂乃果「まさか、ここで万引きGメンしてるとか…?」


~妄想~


不審者「…」ササッ

にこ「こら!そこの怪しい奴!今懐にしまったものを出しなさい!」

不審者「ぐっ…、見られていたか…!…っ!?瑠璃!なぜ瑠璃がここに!?自力で脱出を?!」

にこ「何意味わかんないこと言ってるのよ!?ほら商品返せ!」

不審者「くっ…、商品は…必ず奪い返す!」

にこ「何再犯宣言してるのよ!警察突き出すわよ!!」


~妄想終わり~


凛「なさすぎだにゃー…」

海未「むしろ不審者に捕まって…温泉浣腸されてそうですよね」

一同「…?」

花陽「温泉…浣腸…?」

真姫「なにそれ、一見健康に良さそうね。温泉のお湯を使って腸洗浄するの?」

ことり「あ、ちょっと気持ちよさそうかも」

海未「え、えっと…。すみません、そういうことではなくて」

穂乃果「じゃあ温泉浣腸って何ー?」

海未「…え、えっと…」

海未「その…お、お尻の…」

凛「声が小さくて聞こえないにゃー」

海未「お前ケツの中でションベンしろってことです」

穂乃果「まさかのストレート!?」

ことり「私はにこ公は裏の方でねっとりねとりをしてるんだと思うなぁ」

花陽「ねとり…!?つまりNTR!?にこちゃんとラブラブの略称!」

凛「それだとNTLにゃ…。というか誰の何を寝とってるの…。しかもスーパーで…」

穂乃果「まさかラブラブ夫婦の間に入って強制NTRプレイ!?なんて高度な…」

海未「いえ、あるいはお嫁さんの方を…」

真姫「もしかしたら小さい子供を狙ってる可能性だって…」

ことり「ごめん語感で言ってみただけで深い意味はないの…」

真姫「あ、でも…。普通に買い物してるだけみたいよ」

穂乃果「なーんだ、ただの夕飯のお買い物かー…。ツマンネ」

凛「勝手に盛り上がってただけなのにひどい言いようだにゃ」

海未「でも…でしょうか?」

ことり「略し方にバリエ入れてきたね海未ちゃん」

花陽「ラブライブ出場が決まって気合の入れどきだっていうのにわざわざってことは…よほど大切な人が来ているとか?!」

真姫「どうしても手料理を食べさせたい相手がいる、とか…!?」

ことり「まさか…!」

凛「にこちゃんが…!」

穂乃果「>>588!?」

既に家庭を持ってる

穂乃果「既に家庭を持っている!?」

真姫「妻帯者!?」

ことり「それ旦那さんに使う方!」

凛「いや、にこちゃんならあるいは…」

海未「にこと誰かが…レズップルということですか!?」

穂乃果「なにそれレーズンとプルーンが入ってて美味しそう」

花陽「そういう話はしてません!カップルどころか夫婦…この場合は婦婦!」

花陽「いくら百合好きのにこちゃんでもそれはアイドルとして一番ダメなパティーンです!」

真姫「妻帯者と裂いた医者って似てるわよね」

海未「いきなり何の話ですか…」

凛「μ'sメンバー矢澤にこ、練習を早退して足繁く通うマンションとは!」

凛「いつもより気合が入った化粧!滅多に見せない勝負服!その下には誰も知らない大人な下着が!」

凛「艶かしく揺れる唇!熱く火照った躰と躰!交じ合わせた先に滴る甘い蜜…!!」

花陽「すごいエロい!」


にこ「…じー」


一同「…あ」


にこ「…」ソロソロ…

にこ「…ふっ!!」ダッ!!


一同「逃げた!!」



にこ「なんで付いてきてんのよ!?しかもなんかヤバい会話が聞こえたし…」

にこ「ここは裏口から…!」ササッ


穂乃果「あ、あれ…?」

凛「消えたにゃ…」



にこ「ふっ、ここからなら…げっ!」


絵里「さすがにこ。裏口から回るとはねぇ」


にこ「ひっ…!」

希「わしっ!」ガシッ

にこ「ひょえぇぇっ!!」

希「さ、おとなしく訳を聞かせてー?」

にこ「しょわっ!」ヌルッ

希「あ!逃げた!」



にこ「はぁっ、はぁっ…、こ、こういうただ走るシーンはボケづらいのよ!くっそ…」

昌平橋東橋詰広場


穂乃果「結局逃げられちゃったかぁ…」

凛「なんだか途中で貧乳をバカにされた気がするにゃ」

希「気のせい気のせい」

海未「しかし、あそこまで必死なのは何故なのでしょう」

真姫「にこちゃん、意地っ張りでほとんど相談とかしないから」

凛「真姫ちゃんに言われたくな痛ァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」

真姫「うるさい!左足の小指を踏み抜くわよ!」

凛「お、おごぉぉぉ…!!もう、踏み抜いてるにゃぁぁぁぁぁ…。これで両足の小指がやられちゃったよ…」

穂乃果「Yeah、言ってみようか…」

海未「いきなりノリに乗れと…?Yeah!」

ことり「一応言うんだ…」

穂乃果「家に押しかけでもしないと話してくれそうにないしなぁ」

海未「まさかのこちらは放置ですか。興奮しますね」

絵里「でもにこの家とか私たちも知らないわよ?」

希「え、うち知ってるよ?」

絵里「ホント?なら…」

希「うっそーwwwwwwwww」

絵里「…初めて希を殴りたいと思った」


花陽「あーーー!!!!」


凛「ど、どうしたの!?」

花陽「あれっ…!」


穂乃果「向こうから歩いてくるあれは…」

穂乃果「>>593!?」

雪穂!

穂乃果「雪穂!」

雪穂「あっれ、お姉ちゃん?なにやってんのこんなとこで」

穂乃果「えへへー、ちょっとねー」

雪穂「あ、姉がいつもお世話になってます」

絵里「いえいえこちらこそ…」

花陽「いや、妹さんとの偶然のエンカウントはいいんですけど…」

花陽「ほら!もっと気になる人がいるでしょう!?」

雪穂「今日のデザートお姉ちゃんの好きないちごババロアだよー。早く帰ってきてねー」

穂乃果「やったぁ!!今すぐ帰る!!」

絵里「ちょっとぉぉ!!ほら!!そこ!にこが来てる!」

穂乃果「えっ!?にこちゃん!?」


にこ?「…」スタスタ…


穂乃果「あ!ホントだ!いちごババロア気にしてる場合じゃないよ!」

海未「でも、ちょっと小さくないですか…?」

真姫「かわいい」

凛「そんなことないよー、にこちゃんは三年生の割に小さ…」


にこ?「…」スタスタ…


凛「…」


スタスタ…


凛「…」

花陽「凛ちゃんが何故か止まってる!?」

真姫「あまりの小ささにびっくりして止まっちゃったのね」

ことり「早くしないとチビにこ公が行っちゃうよ!?」

海未「もし!そこの人!」


にこ?「はい?何か…?」

にこ?「あ、もしかしてあなた方…、アネックス一号の皆さんではありませんか?」


絵里「え?知ってるの?」

にこ?「はい。お姉さまがいつもお世話になっております。妹の…」

こころ「矢澤こころです!」

海未「こころちゃん!?」

絵里「こころちゃん言うな!」

海未「わわっ!すみませーんっ!…って、なんでですかー」ビシッ

花陽「…なにこのやりとり…」




ラブライブ!(アイキャッチ)

真姫「てなわけで、今日はここまでね」

凛「うぅ…、途中で凛がμ'sって言っちゃってるにゃぁ…」

真姫「本編見ながらやるとセリフに持ってかれちゃったりするのよね」

凛「基本的にミスだからスルーしてね!」

真姫「いつか完全に本編見ずに書く回があっても面白いかもね」

凛「完全にうろ覚え…!むしろ正しいあり方かも!」

真姫「じゃあ今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に体が縮んでしまっているのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

では再開

駐車場


希「にこっちに妹がいたなんて…」

真姫「しかも礼儀正しい」

凛「まるで正反対にゃー」

穂乃果「あの、こころちゃ…」

絵里「こころちゃん言うな!」

穂乃果「…なんで?」

絵里「ごめんなさい。声帯が疼くのよ何故か」

穂乃果「そ、そう…。でさ、こころちゃ…」

絵里「こころちゃん言うな!」

穂乃果「…こころさん。私たちどうしてこんなところに隠れなきゃ…」

こころ「静かに!誰もいませんね…?」

ことり「さっきから結構うるさかったような…」

こころ「そっちはどうです?」

海未「…はい?私ですか?」

こころ「言ったじゃないですか!誰かいないか見てくださいと!」

海未「は?そんなこと言われましたっけ…」

穂乃果「ごめんね、私たちずっとこんなんだからごめんね」

こころ「もう…!相手はプロだというのに…!」

穂乃果「風呂?」

こころ「…大丈夫みたいですね。合図したらみなさん一斉にダッシュです!」

穂乃果「なんで?」

こころ「決まってるじゃないですか!行きますよ…!!」ダダッ

穂乃果「あ、行っちゃった…。行くよみんな!」

花陽「え?どこに?」

凛「真姫ちゃん、新しい日本語を教えるにゃー。りぴーとあふたみー、カキタレ」

真姫「か、カキタレ…?オイスターソースのことかしら?」

希「にこっちに妹がいたなんてなぁ…」

海未「今週は花陽ボイスの妖精も出てきましたね」

ことり「えっと、何の話…?こころちゃんと関係あるの?」

絵里「こころちゃん言うな!」

穂乃果「誰も聞いてねぇ」

マンション内


一同「はぁ…!はぁっ…!」


こころ「なんという体たらく!誰かに見つかったらどうするつもりだったんですか!」

海未「い、一体何なんですか…。はぁ…」

花陽「もしかしてにこちゃん…、不審者に狙われている…!?」

凛「はっ!温泉浣腸!?」

海未「それは恐ろしい…!すぐさまビデオを用意せねば!」

こころ「お、温泉…?」

ことり「ごめんなさい聞かなかったことにして」

こころ「と、ともかく!お姉さまが狙われてるのはマスコミに決まっているじゃないですか!」

一同「えっ?」

こころ「パパラッチですよ!特に…」

穂乃果「ぱぱ、らっち…?って何?」

絵里「響き的に…父親を拉致されることかしら?」

希「ということはにこっちのお父さんは攫われて…!」

凛「他国で首を」 真姫「それはアウト」

こころ「あの、聞いてください」

穂乃果「はい。なんですか」

こころ「あなた方バックダンサーの方々は顔も知られているので危険です!来られる時は先にご連絡を!」

絵里「ばっく…」

希「だんさー…?」

真姫「むしろそれは穂乃果や凛やにこちゃんでしょう?」

穂乃果「なんで私や凛ちゃんやにこちゃん限定…?」

こころ「スーパーアイドル矢澤にこのバックダンサーアネックス一号!」

一同「はぁっ!!?」

こころ「いつも聞いてます!今、お姉さまから指導を受けてアイドルを目指しておられるのですよね!」

絵里「…なるほど」

海未「状況がさっぱりわかりませんね」

真姫「途中わからない日本語がちらほらあったわ」

希「にこっちに妹がいたなんてなぁ…」

凛「ちょっとぉ!?みんなボケすぎだよ!」

絵里「そうよ!今の説明聞いてわからなかったの!?」

絵里「つまり今私たちが取るべき行動は…」

絵里「>>605>>606>>607ことでしょう!」

矢澤

理事長

カブトムシ

絵里「矢澤に理事長をカブトムシことでしょう!」

一同「は?」

絵里「一刻も早く矢澤に理事長をカブトムシしないと世界がヤバい!」

絵里「さぁ!虫取り網を調達しに吉野家へ行くわよ!」

希「えりちが壊れた…」

海未「あまりの状況にぶっ飛んでしまったのですね」

絵里「脊髄反射的にWi-Fi接続がリミッター解除されてボンバヘッ!」

凛「アネックス一号一番の常識人だったはずなのに…こうなったら見る影もないにゃ」

花陽「つ、つまりにこちゃんは…ゴニョゴニョ」

こころ「頑張ってくださいね!ダメはダメなりに8人集まればなんとか…」

穂乃果「え?でもそれって…ゴニョゴニョ」

凛「いやだから…ゴニョゴニョ」

希「おお、っていうことは…ゴニョゴニョ」

こころ「あの…聞いてます?」

ことり「ごめんね、今情報を整理するのに手一杯で…」

海未「えーっと、つまりー…」

絵里「人類は既にホモ・ハビリスの時点で夫婦という概念を確立し、群衆という点においては…」

花陽「絵里ちゃんが白目むいて変なこと言ってる!」

こころ「やれやれ…。これではアイドルデビューなんて夢のまた夢ですね…」

こころ「もっとお姉さまを見習って、にっこにっこにー!ですよ!」

絵里「…っは!そのムカつくフレーズでわたしは しょうきに もどった!」

こころ「はい皆さんご一緒に!にっこにっこにー…」

絵里「ねぇ、こころちゃん?」

絵里「こころちゃん言うな!」

こころ「なんで一人で突っ込まれているんですか…?怖いです…」

絵里「ごめん…。あのね、携帯を…」


ピリリリリ…


こころ「あ、お姉さまから電話がかかってきました」

絵里「ナイスタイミング」


ピッ


にこ『…あ、もしもし?ねぇ、こころ、私の家ってどこだったっけ…?ド忘れしちゃって…』

絵里「…」

にこ『こころ?聞いてる?』

絵里「>>611

おはミルキィ

絵里「おはミルキィ」

にこ『あ、おはミルキィ…って、何故こころがそのワードを知っているの…!?』

にこ『まさか、その声…!こころじゃない…!?』

にこ『その声は…!』

絵里「ふふふ…、ようやく気づいたようね…!」

絵里「私はIQ13000000000000000000000000000の超天才、明智…!」

にこ『あ、やっぱこころじゃん。じゃあ問題ないよね』

にこ『家の場所がわからないから黄色いハンカチでも垂らしておいて。それじゃ』ピッ

絵里「…」

こころ「お、お姉さまなんて仰ってました?」

絵里「幸せに暮らしなさい、って」

こころ「は?」




にこの家


穂乃果「ほぉ…、ここがにこちゃんの家…」

海未「意外と広いですね…」

こころ「あ、弟の虎太郎です」

こたろう「あ、バックダンサー…」

ことり「あ?誰がバックダンサーだオラ」

こたろう「こわ…」

こころ「お姉さまは、普段は事務所が用意したウォーターフロントのマンションを使っているのですが、夜だけここに帰ってきます」オチャカンパカッ

真姫「ウォーターフロントってどこよ?」

花陽「そもそもうぉーたーふろんとってなに…?」

穂乃果「うぉーたー…ふろ…つまり水風呂ってことだよ!」

一同「あぁ~…」

こころ「海辺のマンションってことです!もちろん場所は秘密ですけどね!マスコミに嗅ぎつけられると困るので!」オチャッパパサパサ

花陽「どうしてこんなに信じちゃってるんだろう…」

海未「アネックス一号の写真や動画を見れば…あとはわかりますね?」

絵里「言いたいことの理解を聞く側に一任しない」

ことり「ねぇジャリガキ。お姉ちゃんが歌ってるとことか見たことある?」

こたろう「あれー…」

ことり「ん?あ、アネックス一号のポスターだ」

凛「地味に人様の子をひどい言い方してるよ…」

真姫「ちょっと待って…。なんかおかしい」

穂乃果「うぇっ…?あっ!」

穂乃果「>>615の部分が>>617させられてる!」

ローターを入れ

Rewrite

前の部分ないと考えづらそうなので再安価 すまんね

穂乃果「>>619の部分が>>621させられてる!」

えぐれ

穂乃果「胸の部分がえぐられている!」

凛「えぇっ!!?」

海未「なんてひどいことを…!」

希「…って、どの辺が?」

穂乃果「ほらここ!私の胸!」

穂乃果「うわぁ…、ひどいよにこちゃん…」

絵里「穂乃果、それは穂乃果の胸がえぐられてるんじゃなくて…」

花陽「穂乃果ちゃんの顔写真をにこちゃんの顔の上から貼ってるだけだよ…」

穂乃果「あー…、通りで。よかったー、私こんな胸になったら自殺ものだったよHAHAHA」

凛「地味にダメージを受けている凛であった」

海未「まぁ…、にこほどではないのでよしとしましょう…」



にこの部屋


穂乃果「ここ、にこちゃんの部屋?」

ことり「ピンクピンクしててキモいね」

絵里「部屋のポスター全部にこの顔に貼り直されてる…」

凛「写真も!」

絵里「わざわざご苦労なことを…」

ことり「キモいね」


ガチャッ

「ちょっとこころー!!黄色いハンカチ垂らしてって言ったのに垂らしてないじゃない!おかげで何度他所様の家に…」


海未「…おや?」

真姫「あ」


にこ「げっ…あ、あんたたち…!」


穂乃果「あ、にこちゃん」


こころ「お姉さま!お帰りなさい!バックダンサーの方々がお姉さまにお話があると!」


にこ「そ、そう…」


海未「申し訳ありません。すぐに済みますのでよろしいでしょうか」ニコッ


にこ「え、えっとー…こころ!悪いけど私今日仕事で…探偵のアレのアフレコ行かないといけないから!じゃ!」ダダッ

海未「逃げた!」



にこ「はっ、はっ、はっ…!なんで追いかけてくんのよー!」


海未「あなたが探偵のアレのアフレコなら私たちもそうでしょうが!」

絵里「でしょうが!」

穂乃果「私も!」

希「モブでもいいから仕事を!」

???「…」


エレベーターチーン



にこ「ひょぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉっ…!!」


???「あ!おねーちゃん!!」

にこ「あ!ここす!」

ここす?「ここすじゃなくてここあ!」ギュッ

にこ「ご、ごめん…」

ここあ「どしたのー?そんなに急いで?」

にこ「ち、ちょっとね…」


凛「分裂した!?」

海未「目くらましのつもりですか!?」

花陽「妹だと思うよ…」


にこ「…う、そのまま勘違いしてくれたらよかったのに…はぁ」



にこの家 応接間


にこ「大変申し訳ありません、私、矢澤にこ、嘘をついておりました…」

絵里「ちゃんと頭を上げて説明しなさい」

にこ「うっ…」ヒョイッ

絵里「頭が高いわぁぁっ!!」ズゴシィィッ!!

にこ「げぶふぅっ!!」

凛「ちょっとひどすぎないかにゃー」

にこ「痛い…足どけて…」

絵里「机とちゅっちゅしたまま話しなさい」

にこ「や、やだなー…絵里、声が怖いわよー…。アイドルは笑顔が大切でしょ?」

にこ「ほらみんなもご一緒にー!にっこにっこ」

海未「はぁっ!!」ズゴォォッ!!

希「オラァッ!!」ズバシィィッ!!

にこ「にぎゅぃぃぃぃっ!!!!!」

花陽「にこちゃんの小さな頭に三つのかかとが…」

にこ「助けて…、マジで死ぬ…」

希「ふざけてたらこれ以上の喰らわすよ?」

にこ「…はい」



穂乃果「出張?」

穂乃果「…ってなんだっけ」

海未「確か…仕事のため>>625することだったと思います」

遠出

海未「確か…仕事のために遠出することだったと思います」

穂乃果「へー…」

一同「…」

一同「…」

海未「…なんですかこの微妙な間は」

絵里「いや、まぁ間違ったことは言ってないからそのまま次を待ってただけだけど?」

にこ「私はまだなにか続くのかと思って待ってたのよ!」

穂乃果「あ、遠出って宇宙とか!?」

凛「無理やりボケる必要はないよ」

穂乃果「…」ションボリ

にこ「…それで2週間ほど、妹たちの面倒を見なくちゃ行けなくなったの」

絵里「それで温泉浣腸を…」

にこ「は?」

海未「もう温泉浣腸は忘れてください」

穂乃果「もー、ちゃんと言ってくれればいいのに」

海未「それよりどうして私たちがバックダンサーということになっているんですか!」

絵里「そうね、むしろ問題はそっちよ」

にこ「それは…」

一同「それは!?」

にこ「に…」

にこ「に>>627

ほんごわりません

にこ「に…」

にこ「ニホンゴワカリマセン」

一同「…っ!」


にこ(し、しまった…!咄嗟に逃げるためにこんなこと言っちゃったけど…)

にこ(はぐらかすとまた怒られてかかとが飛んでくる…!!)


絵里「た…」

絵里「大変!真姫に続いてにこまで日本語を忘れちゃったの…!?」

真姫「にこちゃんは私より頭良くないから日本語の再勉強大変よ…!?」

花陽「色々と支障が出ちゃう!!」


にこ(あ、アレ…?騙せてる…?いつも皆忘れっぽいから対応早くて逆に有効だったのかしら)

にこ(で、でもこれはチャンス…!顔差し替えをはぐらかせるかも!)

穂乃果「どどどどうしよう!にこちゃんが日本語わからなくなっちゃったら…」

ことり「もう、アイドルできなくなっちゃうよね…」

にこ「え?」

海未「真姫は勉強家で頭も良いので再び身に付くのも早かったですが…」

希「普段の勉強もできないにこっちとなると…」

にこ「え?」

凛「ここは、悲しいけどにこちゃんにはアネックス一号を引退してもらうしかないよね…」

絵里「そうね、仕方ないわ。にこには悪いけどこれからは8人で…」

にこ「す、ストップストーップ!!大丈夫よ!もう思い出したから日本語!ね?ね?」

海未「えぇ、そうですね」

海未「でしたら、早く訳を話していただけますよね?」

にこ「…え」

絵里「バレバレなのよ…。演技が下手くそすぎて」

希「少し乗ってあげたらこれやもんね」

海未「…さて、それでは…話してもらう前に…」

にこ「ひ、ひぃっ…!」


ズゴゴッ!!



にこ「…もひょかりゃひょ」

ことり「元から?」

にこ「しょ。ひえれはもとかりゃしょういうことになってりゅにょ」

花陽「顔グッチャグチャで何言ってるかさっぱり…」

希「うちのわしわしで顔の形を整形して…」ワシワシ

にこ「おぶっ」ブリュンッ

にこ「別に、私の家で私がどう言おうが勝手でしょ」

穂乃果「戻った途端強気になった!」

にこ「…お願い。今日は帰って。…帰ってくださいお願いしますもう痛いの嫌」

穂乃果「にこちゃん…」

帰り道


凛「はぁ…」

真姫「困ったものねー」

ことり「でも…、元か…元彼ってどういうことなんだろう?」

穂乃果「え?にこちゃん元彼がいるの?」

真姫「えっ!?にこちゃんカキタレがいたって!?」

凛「早速真姫ちゃんが新しい日本語を使ってる!」

花陽「そんな話してたっけ…?た、確か…バック…」

海未「バックが好きだったのですか…。見た目によらずなかなか…」

絵里「バッグが好き…?ブランドものに興味があるのかしら」

希「ブランド…、エルメスやグッチとか?」

凛「やぐっち…?矢口!?つまりにこちゃんは元彼に矢口なところを見られて破局!?」

真姫「ということはカキタレはもうひとりいる!?」

穂乃果「カキタレといえば…最近オイスターソースにハマってるんだよねー」

ことり「美味しいよねー。牡蠣の風味が効いてて」

花陽「そうなの?あ、だったら帰りにスーパーで私も買って帰ろうかな」

海未「スーパーで思い出しましたが…、この間スーパーで米を買った後に別の店で違う米を見つけて…」

海未「私そっちのブランドの方が好きだったので誰か買った方の米買い取ってくれませんか」

絵里「い、いきなり何の話を…」

希「…っは!?スーパー…?買い取る…?そ、そうや!」

希「にこっちは元からスーパーアイドルやったんよ!あの家では!」

海未「どういうことです…?」

希「…どういうことやろ。なんか偶然そんなワードが…」

穂乃果「今のところにこちゃんは彼氏持ちなのに浮気してた経験のあるブランドもののバッグが好きなクソビッチってことになってるんだけど…」

花陽「え…、にこちゃんってそうだったんだ…。ドン引くなぁ…」

希「…まぁ、なんやかんやでにこっちはあの家ではずっとスーパーアイドルのままやってんよ。多分」

海未「確かに、ありそうな話ですね。…よくわかんないですけど」

真姫「もう、にこちゃんどんだけプライド高いのよ」

凛「真姫ちゃんと同痛ァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

真姫「茶化すんじゃないの!両足の小指踏み抜くわよ!」

凛「おごぉぉぉ…!!もはや治療は不可能な状態だにゃ…!」

花陽「でも、プライド高いだけなのかな…」

花陽「アイドルにすごい憧れてたんじゃないかな。本当にアイドルで居たかったんだよ」

花陽「私も…忘れた」

真姫「…いいところで忘れるの勘弁してよ」

絵里「一年の時…私見たことがある」

絵里「その頃、私生徒会があったし、アイドルには興味なかったから全然なにも覚えてないわ」

希「なにも覚えてないのになんで口挟んだん…」

凛「ここらへんの事情を知りたい人は凛がパッケージのBD3巻を購入してね!超可愛い凛のソロ曲、くるりんMiracleもついてるよ!」

ことり「宣伝乙」

絵里「あの時、話しかけていれば…」

希「なんも覚えてないのによく言えたね」

絵里「…」


一同「…」


穂乃果「あ!そうだ!!」





にこの家


こたろう「くかー…」

こころ&ここあ「「すぅ…」」


にこ「…ふふ」


こたろう「ばっくだんさぁぁ…」


にこ「…」

にこ「…」

にこ「…」

にこ「…すごいいい感じの演出なのに映像がないから締まらない」

にこ「口で状況説明しようかしら」

にこ「今にこは…面倒だからいいや。寝よ」



翌日

放課後 校門


にこ「…」スタスタ



穂乃果「にーこちゃんっ」

にこ「あ、れ、練習なら出られないって…げっ!」


こころ「お姉さま!」 ここあ「おねーちゃん!」 こたろう「がっこー…」


にこ「ちょっ…、なんで連れてきてんのよ!?」

穂乃果「だって>>631

瑠璃と引き換えの人質にするから

穂乃果「だって瑠璃と引き換えの人質にするから」

にこ「へ…?」

穂乃果「瑠璃は今も融合次元の連中に捕まってるんだよ!黒咲さんがかわいそう!!」

穂乃果「だからこの子達を引き換えにアカデミアから…」

海未「すみません昨日見たアニメに感化されているようです」

ことり「穂乃果ちゃーん、私たちがいるのはスタンダードだからあっちには行けないんだよー」

穂乃果「あ、ライズファルコン」

ことり「誰がライズファルコンだオラァ」

にこ「…えっと、つまりどういう…?」

こころ「お姉さまのステージを見に来たのです!」

にこ「ステージ…?」

穂乃果「ステーキ…?食べたい!」

ここあ「このおねーちゃん頭大丈夫?」

海未「…小学生からも心配される穂乃果…。養ってあげたいです」

ことり「せめてブレイズファルコンだよね」



屋上前扉


にこ「こ、これって…」


絵里「どう?にこにぴったりの衣装を私と希で考えてみたの!ドヤァ」

にこ「確かに可愛いけどそのドヤ顔がめっちゃ腹立つ…」

希「やっぱりにこっちかわいい」

にこ「えっ」

希「おっと失礼。にこっちには可愛い衣装が似合うねって言いたかったんよ。スーパーアイドルにこちゃん」

にこ「希…。のぞにこの可能性が見えちゃったじゃない…///」

絵里「何よ、妬けるわね。…今、扉の向こうには、あなた一人だけのライブを心待ちにしている最高のファンがいるわ!」

にこ「絵里…」

絵里「さ、皆待ってるわよ!最高のファンに最高のファンサービスを!」

にこ「…普通のこと言ってるはずなのに何故か不安すぎる…」



屋上


こころ「ここが、お姉さまのステージ?」

ここあ「誰もいなーい…」

こたろう「おくじょー…」


にこ「…」スタスタ…


矢澤姉弟「「「あ…」」」


にこ「こころ、ここあ、こたろう…。歌う前に話があるの」

矢澤姉弟「え?」

にこ「実はね…>>633は、今日で>>634なの!」

Rewrite

ロリっ子趣味

にこ「Rewriteは、今日で徳井なの!」


矢澤姉弟「…?」


にこ「つまりRewriteっていうギャルゲーのコンシューマ版に新ヒロインとして追加されるキャラの中の人が徳井青空っていう…」

にこ「その情報が今日発表されたのよ!さすがアニメ版リトバスで笹瀬川佐々美を演じたコネがあるわね!」


矢澤姉弟「…」

こころ「お姉さままで狂ってしまわれた…!?」

ここあ「いや、おねーちゃんはもともと結構おかしかったけどね」

こたろう「俺たちはまだ生きることを諦めちゃいないんだ!! 」

こころ&ここあ「えっ」

こたろう「…」


にこ(緊張してガセ情報を口走ってしまった…)

にこ「そ、それと!今日からはここにいるアネックス一号のメンバーとアイドルをやっていくことになったの!」

こころ「でも、みなさんはアイドルを目指している…」

こたろう「バックダンサー…」

ここあ「頭もすっ飛んでるし」

にこ「…そう思ってた。けど違ったの!」

にこ「これからはもっと…もっと…えーっと」

絵里(違う自分に変わっていきたい)ボソッ

にこ「違う自分に変わっていきたい!この9人でいられる時が…一番…なんだっけ…」

希(一番輝けるの。ひとりでいるときよりもずっと)

にこ「一番輝けるの!ひとりでいるときよりも、ずっと、ずっと…」

にこ「今の私の夢は、宇宙アイドル・ランキング1位にこちゃんとして!」

にこ「宇宙ナンバーワン火星探査チームアネックス1号と一緒に!」

にこ「より輝いていくこと!」

にこ(これが言いたかった)

にこ「それが、一番大切な夢…。私のやりたいことなの!」


こころ「お姉さま…」


にこ「だから、これが私が一人で歌う、最後の曲…」

にこ「にっこにっこ~~~~…、にーーーー!!!!」

~2時間後~


カー… カー…



にこ「えー、続きましてー…輝夜の城で踊りたい、ソロバージョンを…」



こたろう「くかー…」

ここあ「もう、皆帰っちゃったよぉ…むにゅぅ…すやすや…」

こころ「お、お姉さまが歌ってるのに…、寝られな…ガクッ」



にこ「わたしは♪あかい♪ばらのひめよ~♪」




うろライブ!第四話

おわり

真姫「今日も長いことやっちゃったけど、うろライブ!第四話をお届けしたわ」

凛「安価を長いことやってなかったせいかうまいこと使えなくなっちゃってる気がするにゃ…」

真姫「もともとうろライブ!はその場の安価は一発ネタに使うのが主だったんだけどね」

凛「あと絵里ちゃんのハラショーを忘れるも使えなかったし希ちゃんの記憶の思い出し方も一度使ったきりだにゃ…」

真姫「…そのへんはもうなんかやめて。絵里は将来的に使えるといいわね。希は…」

真姫「…どうしようかしら」

凛「むしろ最近はなにかを忘れるってこともなくただボケてることが多いよね…」

真姫「人が言わないでおこうとしたことをあなた…」

凛「…まぁでも反省したところで仕方ないにゃ。次回頑張ればいいんだようん」

真姫「いや反省はするべきだと思うけど…私たちがしても仕方ないのは確かね」

真姫「じゃあ次回の忘却安価対象を決めましょう」

凛「一年生3人!決定!」

真姫「えっ」

凛「だって来週はどう考えてもそんな感じでしょ?凛を中心に真姫ちゃんかよちんが目立つ回だと思うにゃ!」

真姫「いわば前期4話と似たポジションかしら」

凛「そだね!背中を押すシーンもあるし!てなわけで凛と真姫ちゃんとかよちんに決定!」

真姫「でもまぁ…、扱いきれる忘却であるかは保証しないわ」

凛「最初から諦めちゃダメだよ!頑張ろう!」

真姫「じゃあそんなこんなで今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次にスランプに苦しめられるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」



凛の忘れること >>639

真姫の忘れること >>640

花陽の忘れること >>641

過去の自分についての記憶

星空という名字を忘れて、自分の名字を遠坂だと思い込む

羞恥心

凛「狙った安価を取れなかったからといって勝手に変えるのは取っちゃった人に失礼だと思うから、それはできないにゃー。ごめんね」

真姫「別にいいじゃない。凛の星空という苗字を忘れる代わりに、自分の苗字を遠坂だと思い込む…。なにも問題はないわ」

凛「いや、問題はありそうだけど…」

真姫「それに単純に遠坂凛になるより遠坂真姫になる方が面白いし」

凛「そっちが本音だよね」

「○○を忘れて代わりに~~と思い込む」という安価はもともとオッケーなんでそれは問題ないです
忘れることから続いてるのに関しては知ら管

今更だけど636の安価間違ってるな… すまん634
あとRewriteはやったことないんでルートとかは知らないです
もしライブ!第四話は明日やります とりあえず安価間違いに気づいたことを言いたかった ほなな

じゃあ明日になったのでそろそろ始めますか

真姫「じゃあもしライブ!4話をお届けするわ」

凛「4話…っていうかもしライブ!は何話まで続けるつもりなの?」

真姫「構想では7,8話くらいまでは考えてるからそこからオチ付けようとするならば10~12かしらね」

凛「最終回はいつになるんでしょうね」

真姫「今回の第4話は前回のようにちょっと悲しいお話じゃなくて、ハートウォーミングなお話になる予定よ!」

凛「気が変わらない限りはね」

真姫「十二分にあり得るからあらかじめ覚悟していただけると助かるわ」

凛「それじゃ、もしライブ!第4話!スタートにゃー」

前回のもしライブ!(CV南ことり)デン


スクールアイドルの活動のため、私と海未ちゃんに目を付けた真姫ちゃん!

作詞係として海未ちゃんを勧誘しに行くんだけど…。



海未「嫌です」

花陽「回答早っ!」



当然断られちゃったけど真姫ちゃんは諦めない!

海未ちゃんの秘密のバイトをダシに脅しをかけて強引に引き抜いちゃった!

その流れで今度は衣装係として私を勧誘しに行こうとする真姫ちゃん。けれど…。



海未「どうしても、ダメな理由があるのです」

海未「彼女は、A-RISEの服飾を担当しているのですから」



けれど理由はそれだけじゃなくて、穂乃果ちゃんと私…、そして海未ちゃんとの薄い絆を無くさないためでもあった。

けど私は海未ちゃんが持っていない、穂乃果ちゃんとの直接のつながりを持ってることに優越感を抱いてて…。

真姫ちゃんの勧誘をきっかけに、変わりたいと感じ始める私。そして…。



ことり「一年、周回遅れだけど」

ことり「絶対に追いついてみせるから」

ことり「絶対に、追い越してやるから」

ことり「覚悟しててよね、穂乃果ちゃん」



変わらない日々をやり直すために変わることを選択した私。

スクールアイドルっていう穂乃果ちゃんと同じ目線に立った今なら…。

いつか、たどり着けるって信じてる。








ことり「…本編が長いから前回の振り返りも長くなっちゃうよねー。あはは…」

金曜日 放課後

音楽室



真姫「皆、揃ってるわね?」


花陽「うん!」

海未「え、えぇ…」

ことり「はーい」


真姫「海未の働きにより、ついに我がスクールアイドルにも曲が完成したわ!」

真姫「これからは基礎体力作りもしつつ、歌の練習にも力を入れていきたいと思っているの!」

真姫「もともと歌手専攻の私や花陽はともかく、デザイン学科のことりも歌うなら激しい特訓が必要よ!」

真姫「だからこの音楽室を貸し切って放課後はここで歌の練習をしようと思うの!神田明神じゃ近所迷惑だし」

真姫「…で、なんだけど」

真姫「音楽室ってどうやって借りればいいか教えてくれない?」


海未「…」

花陽「し、知らなかったの…?」

真姫「うん…」

真姫(私こういう主体性のあること元いた世界じゃほとんどしてこなかったし)

ことり「え、えっとねー、真姫ちゃん…。非常に言いづらい事なんだけど…」

海未「こういった特別教室は部活動に所属していなければ借りることはできません」

真姫「えっ…!」

海未「そうでなければ不良生徒のたまり場になってしまうかもしれませんからね」

ことり「今のこの状況がそれに当てはまってそうな…」

真姫「じ、じゃあ別の教室は?屋上とか!」

海未「部活に所属していなくても貸し切れる教室はないことはないですが…」

海未「そういったところは特定のサークルに人気なので、毎日借りることは不可能かと」

ことり「屋上も入れないことはないけど…、みんなで使えるような広いところは普段は立ち入り禁止だねー」

真姫「だったら私たちで新しい部活を!」

花陽「新しい部の設立には最低5人必要なんだよね…」

真姫「…」

海未「生徒手帳にも書いてあるでしょう。読んだんですか?」

真姫「…読んでないわ。無駄に長くて」

ことり「それにー…。新しい部を申請するためには生徒会の許可が必要だから…」

ことり「必然的に穂乃果ちゃんと対面することになっちゃうかも…?」

真姫「それは…、キツいわね…」


真姫(部活の設立の問題…。ここもμ'sと同じね…)

真姫(また壁が立ちふさがってしまった…。どうしようかしら)

海未「仮にもうひとり連れてきて5人にしたとしても、部活動の内容はどうするのですか?」

海未「スクールアイドル活動をする、など今のA-RISEの体制の中で許可されるとは思いません」

真姫「…そうね。今のところ、禁止されてないから勝手にやっている行為であって…」

真姫「公的なところを通しちゃったらどんなこと言われるかわかったものじゃないしね…」

花陽「今はまだ、学校で練習するのはやめておいたほうがいい、ってことかな…?」

ことり「そうだね。ライブの開催に明確な期限があるわけじゃないし、発声練習ならカラオケとかでもできるし」

真姫「どうしてもダメなら学外の施設を借りることも視野に入れましょう。じゃ、今日は改めて神田明神で体力作りと行くわよ」

真姫「そしてことりとは衣装の打ち合わせもするわよ!いずれ来たるUTXでのライブに向けてね!」

ことり「はーい」

海未「すみません。そろそろ部活動の方にも顔を出したいのですが…」

真姫「あー…そうね。作詞も終わったことだしそれはオッケー」

海未「分かりました。それでは失礼します」スタスタ…

花陽「あ…、行っちゃった」

ことり「それじゃ、私たちは神田明神へ行こっか」

真姫「えぇ」



神田明神


真姫「…さぁこれでラスト!頑張って!」


花陽「はぁっ…、はぁっ…!」タッタッタッ…

ことり「ふぅっ…!ふぅっ…!!」タッタッタッ…


真姫「はい、お疲れ様。二人共よく頑張ったわね」ドリンクサッ

ことり「あ、ありがと…。ごくごくっ…。ぷはーっ…」

ことり「あの、真姫ちゃんは走らなくても平気なの?」

花陽「…ふひぃ…。ま、真姫ちゃんは…、こう見えてもすごい体力あって…全然平気みたいですぅ…」

真姫「今日はことりの初練習だから監修してるだけで、いつもはちゃんと走ってるのよ?」

花陽「それにしても…、こ、ことりさんは今日が初めての練習なのに…、ど、どうしてスクールアイドルの先輩である私と…互角…」

ことり「んー?なんでだろね?」

真姫「一週間フルに練習してやっとこの練習量にも耐えられるようになったのにすんなりことりにこなされちゃったわね」

花陽「わ、私って…運動音痴なのかなぁ…?」

ピリリリリ…

ことり「ん?メールだ…」

ことり「あ、真姫ちゃん宛だって」

真姫「私に?あぁ、そういえばメールアドレス交換してなかったわね」

花陽「なんて書いてるの?」

真姫「えっと、なになに…『明日明後日も所用によりお休みします。と真姫に伝えてください』」

真姫「所用?部活動かしら」

花陽「違うよ真姫ちゃん。きっと…」

ことり「メイドさん♪」

真姫「…あぁ。土曜もなんだ」

ことり「基本的に毎週土日はバイトだねー」

真姫「まぁ、それなら仕方ないわ。今は作詞係は必要ないし」

真姫「できれば振り付けを考えるためにいてくれると助かるんだけどね」

真姫(…だけど、いずれは海未にも…加入してもらわないとね)

真姫「それじゃ、今日はこれで解散!明日の朝、またこの場所で集合よ!」

花陽「うんっ…!」

ことり「はーい」





希の家 食後


希「ふー…、忙しい一週間が終わって、明日はついに休日やねー」

真姫「って言っても、私もあなたも練習やバイトがあるでしょう」

希「まー、そーなんやけど…いいやん。細かいことは」

希「はぁー…」

真姫「…なんか希、気が抜けてない?」

希「んー、かもねー。なんか昔のこと思い出して、しんみりしちゃってー」

真姫「昔…って、いつごろのことよ?」

希「あー…、去年ー?あの頃はー…ふひー…」

真姫(…去年の希。私が完全に知らない頃の希)

真姫(普段の言動から言って…きっと希にも複雑な過去があるのでしょうね)

ごめん最初の一文は


ことり「ん?海未ちゃんからメールだ…」


にしておいてください 脳内で

真姫「ねぇ、ところで…」

希「ふに?」

真姫「…希は、スクールアイドルになる気ない?」

真姫「生徒会長もやめたんだし、暇でしょ?よかったら…」

希「うちが、スクールアイドルかぁ…。うーん…、せやねー…」

希「悪くない、かも…」

真姫「お、本当?」

希「んまー…でもなぁ…。大変そうかなぁ…」

真姫「ちょ、どっちなのよ」

希「どっちかなぁ…」

真姫(ダメだ。完全にだらけてるわ)

真姫「…その気になったら、いつでも歓迎するわ。希ならね」

希「んふー…、わかたー…」

真姫「…先お風呂入るわよ」

希「おけけー」



翌日 朝

神田明神


花陽「おはよう真姫ちゃん!!おはようございますことりさん!」

ことり「ことりちゃんでいいよー」

花陽「じゃあ…こ、ことりちゃん!!今日は負けません!」

真姫「どうしたのよ、えらく張り切っちゃって」

花陽「昨日はアイドルの先輩ながら互角の戦いを許しちゃったけど…」

花陽「私にだって負けられないことがあるから!衣装係も兼ねてることりちゃんに体力で負けられないよ!」

ことり「おぉー!花陽ちゃん張り切ってる!これはうかうかしてられないなぁ」

真姫「その意気よ花陽!ことりに目にもの見せてあげなさい!」

花陽「うん!絶対にことりちゃんには負けない!」



夕方


花陽「ぜー…!はーっ…!!」

ことり「ふう…。疲れたー」

真姫「…ことりはまだまだ余裕ね」

花陽「な、なんでなのぉ…?」

ことり「一時期ほぼ毎日海未ちゃんの家に行ってたからかな?」

真姫「その時の精神状態も含めてメンタルの面で強いのかもね」

花陽「うぅぅ…、これじゃ私、いいとこなしだよぉ…」

真姫「う、歌は上手いじゃない」

花陽「…それも真姫ちゃんには負けちゃうんだよねー。ふみゅぅ…」

真姫「ところで、質問なんだけど。ことり」

ことり「ごくごくっ…、んぷっ。ん?何かな」

真姫「どうして海未はその…メイドのバイトなんてやってるの?」

花陽「あ!それ私も知りたかったんです!」

ことり「あー…」

真姫「あんなメイドの格好をして人前で歌ったりするところでバイト、だなんて」

真姫「もしかしたら海未って、アイドルをやりたかったりするの?」

ことり「…え、えと…うーん…」

花陽「…ん?どうして言い淀んでるんですか?」

ことり「いや、その…うぅーん…言っていいのかなぁ…」

ことり「…いいや!言っちゃおう!きっと真姫ちゃんや花陽ちゃんなら大丈夫だよ…!」

真姫「はい?」

ことり「じ、実はね…。海未ちゃんからは言わないで、って言われてるんだけど」

ことり「昔海未ちゃんは…心の病、つまり…鬱病にかかってたことがあったの」

花陽「う、鬱病…!?あの、海未さんが!?」

真姫「それは、穂乃果と喧嘩したせいで?」

ことり「うん。一時期は自殺しちゃいそうな勢いの、酷いやつ」

花陽「うっ…!それは、悲惨ですね…」

真姫「でも、外面からはそんな過去を持ってる印象はないわね」

ことり「そうだね。大分よくなったと思う。きっと…真姫ちゃんと花陽ちゃんのおかげだよ」

真姫「そう?それなら海未を誘って良かったと思えるわ」

ことり「あ、でも海未ちゃんにはこれ、言わないでね?人に知られるのすごく気にしてるみたいだから」

花陽「は、はい…!分かりました、肝に銘じます!」

ことり「それで、今年の春頃には鬱病は一通り収まって安定してたんだけど」

ことり「穂乃果ちゃんと別れる前に言われた『アイドルのことなんて何も知らないくせに』って言葉がずっと胸に引っかかってたらしくて」

ことり「…もし自分がアイドルのことをもっと理解していたら、こんなことにはならなかったんじゃないか、って後悔してたみたいなの」

真姫「…そうだったの」

ことり「だから海未ちゃんは、どうにかして今からでもアイドルのことを理解して、穂乃果ちゃんの気持ちを少しでも共有したい、って考えて…」

ことり「何か、アイドルに近いことはできないか、って私と一緒に探した結果、あのメイドカフェでのバイトにたどり着いたんだ」

ことり「週に一度、お客さんの前で歌を披露するメイドのアルバイトにね」

真姫「…なるほどね。そんな理由があったんだ」

花陽「でも…だったらやっぱり、海未さんはスクールアイドルをやるべきだと思います!」

ことり「なんで?」

花陽「だって…穂乃果さんの気持ちを分かりたくてアイドルのようなバイトを始めたんですよね?」

花陽「ならスクールアイドルならそのまま、穂乃果さんとやってることは同じじゃないですか!」

真姫「まぁ…、確かに」

花陽「そっちの方がきっと穂乃果さんの気持ちをより理解できると思うんです!」

ことり「あー…、かもね」

花陽「それに…、歌を歌ってる時の海未さんはとても輝いてました…!」

花陽「あのメイドさんの姿は、間違いなく私の憧れのアイドルの姿そのものなの!」

花陽「海未さんはスクールアイドルに向いてると思うの!だから…」

真姫「わ、わかったわよ…。そんなに迫って来ても困るから」

真姫「…私も、そう思う。海未はスクールアイドルをするべきだわ」

花陽「だ、だよねっ!?ことりちゃんはどう思いますか?」

ことり「んー…」

ことり「…いいんじゃないかな。そのほうがより海未ちゃんのためになるのかも」

花陽「ですよね!」

真姫「満場一致ね。次の目標が決まったわ」

真姫「園田海未を全力でスクールアイドルに勧誘する。そのためにはまず…」

ことり「明日、ちょうど海未ちゃんはお店で歌を披露するから…」

花陽「その時に訪問しましょう!もう一度見たかったんです!」

真姫「よし決まり。何事も早いほうがいいしね。明日は秋葉原駅に11時集合ね」

花陽「うぅぅ…!まさか二週連続で秋葉原にお友達と一緒に遊びに行けるなんてぇぇ…!夢みたい…!!」

ことり「私も初めてなのー。楽しみだなぁ…」

真姫(そういえば先週交わした『今度は三人で』が既に達成されようとしている…いいのかしら)



翌日

秋葉原駅前


ことり「んーっと…あ!いたいた!おはよー!」

真姫「あ、ことり。おはよ」

花陽「おはようございます!今日もい、いいいい、いい天気ですね!!」

真姫「…緊張しすぎ。先週と変わらないでしょ」

花陽「だ、だって今度はせ、先輩と一緒にアキバなんて…!私の夢見たオタクライフそのものだよ…!!」

ことり「んー、だったらもう少し早く来て別のところ巡ってからでも良かったかな?」

花陽「ひゃわわーっ!!それをなんで早く言ってくれないんですかー!朝からでも空いているお店は網羅してるんです!あー…もったいないぃぃ…」

真姫「ま、また遊びに来ればいいでしょ。今日は海未をスクールアイドルに勧誘するのが目的なんだから」

花陽「そ、そうだね!来週も!再来週も来ようね!!」

ことり「あはは…、花陽ちゃんてこんなのなんだね…」

真姫「…早く慣れてね」

メイドカフェ前


ことり「あー、ここここ。久しぶりだなー」

真姫「そういえば、海未はどれくらいバイトを?」

ことり「今年の春からだから…もう半年位かな?」

ことり「わたしは最初に数回行った程度だから、もう長いこと見てないなぁ」

花陽「す、すごいんですよ!コールアンドレスポンスまで付いてて!」

ことり「へー…。もっと見に行けば良かったかなぁ…。本人から聞いた程度だったよ」

真姫「…まぁ、普段の海未を知ってるなら多少心の準備が必要だと思うわ」

ことり「そ、そうなんだ…。わかった、どんなのが来ても驚かないよ…!」

花陽「それじゃ、入りましょう!」ガチャッ



メイドカフェ店内


「おかえりなさいませ、お嬢様方」


花陽「ほわわぁぁ…!綺麗だなぁ…」

メイド「3名様ですね?お席にご案内いたします」

真姫「ここには海未は…いないみたいね」

ことり「普段は厨房の方でお皿洗いしてるって言ってたよ。見えるところに来るのはライブの時だけなんだって」

真姫「よくそれでメイドとして務まるわね…。普段の業務だけだったら男性店員でも可じゃない」

花陽「でも海未さんのライブにはコアなファンも多くて…ほら!日曜日の朝だというのに…」

ことり「わぁ…、人がたくさん…。これみんな海未ちゃんを見に来てる人たち?」

花陽「ライブのスタートは12時からなので、開店直後のこの時間から席を確保しておかないと店内に入れないなんてこともあるらしいです…!」

真姫「改めて聞くとすごい人気ね…。確かにそれなら集客効果も馬鹿にならないし、いいの…かな?」



花陽「ささ、席に着いたよ!何頼もっか!」

ことり「んー、そうだなぁ…。この日替わりケーキってのが気になるなぁ」

真姫「…って、私たち今日は海未を勧誘に来たんだって…」

花陽「でもライブ始まる前に話しかけるのは良くないと思うの!」

真姫「…まぁ、そうね」

花陽「ほらほら!真姫ちゃんも何か注文しよ!それでねー…、一緒にあーんし合うの!むふふふ…」

真姫「え、えぇ…。そうね…」

ことり「ふふふ…、仲睦まじくて羨ましいな」

真姫(あなたは花陽の百合趣味を知らないからそんなこと言えるのよ…)


※この世界の花陽は百合属性持ちです(2話参照)


真姫(…まぁ百合趣味だけなら、私もなんだけど…)


※ドクター西木野も百合趣味(アブノーマル)です(前スレ参照)

メイド「お待たせしました。こちら日替わりケーキとアッサムティーです」

ことり「あ、はーい。私でーす」

メイド「そして、こちらがきまぐれスコーンとエスプレッソです」

真姫「あ、私ね」

メイド「そして、こちらが…」

メイド「…チャンピオンカツカレー、ライス大盛りです」

花陽「は、はい!私ですっ!」

ドサッ



メイド「…ごゆっくり、お楽しみください」


ことり「うわぁ…。すごいの来たね」

真姫「注文したときはまさかと思ったけど…」

ことり「しかもごはんは別皿って…」

真姫「店員若干引いてたわよ」

花陽「いいの!都内じゃここくらいしか食べられるところないんだって!いっぱい食べなきゃ損だよ!」

真姫「私カレーをあーんさせられるの…?いや、いいけどね…」

花陽「んふふ…!お米もいいの使ってるなぁ…。さすがだよぉ…」

ことり「花陽ちゃん、ご飯を前にしてうっとりしてる…。ちょっと怖い…」

真姫「周囲の客もこっち見てるし…。恥ずかしい…」

花陽「さ!いただきますしよ!いただきます!!」

真姫「いただきます…」

ことり「いただきまーす。…あむ、もにゅもにゅ…んー!美味しい!あまーい!!」

真姫「ことりのそれはフルーツケーキかしら?美味しそうね。スコーンは…かぷ、もぐもぐ…うん、なかなか」

ことり「いいなー、私もちょっと頂戴?」

真姫「えぇ、どうぞ。その代わりことりのもね?」

ことり「オッケーでぇーす。はい、どうぞ?」

花陽「…う、羨ましい…!私も!私も真姫ちゃん!!」

真姫「いや、今ケーキ食べてるところだから…」

花陽「はい!カレーだよ!」ズボッ

真姫「ふむぐっ!!?うむぶっ…」

真姫(ケーキの甘味とカレーの辛味が口の中で混ざり合って…)

真姫「もぐもぐ…悪くないわね。むしろいい…?」

ことり「うそぉ…」

真姫「ケーキカレー…。今度作ってみようかしら」

ことり「…想像したくないなあ」

十数分後…


花陽「もぐもぐ…ごくんっ。ごちそうさまでしたぁ!」

花陽「ほわー…、おいしかった!」

真姫「まさかほぼ全部一人で食べきるとはね…」

ことり「意外と花陽ちゃん大食漢?」

花陽「お、男の人じゃないですよ!?言うなら…大飯食らい?」

真姫「それもどうかと…」



真姫(それからお冷を貰ったり、お茶の追加注文をしたり…)

真姫(12時になるまで時間を潰して…)

真姫(そしてついに、その時間に…)



ざわ…    ざわ…


花陽「…っ!店内の空気が変わった…!来るよ真姫ちゃん!」

真姫「えぇ、わかってる…!今回もかなりの覚悟が必要ね…!」

ことり「え、そこまで?」

花陽「あ!来たよ!」



謎のメイド「あー…ごほん」

謎のメイド「さぁさぁ皆さんご注目!本日は当店にお越しいただき誠にありがとうございます!」

謎のメイド「ケーキをつまむ手はお止めいただいて、少々お時間をいただきます!」

謎のメイド「今日も謎のメイドこと、私のワンマンライブが開催されるのです!ひゃーふー!」

謎のメイド「いやいやいや!あ、そんなそんな!拍手だなんてもったいない!もっと!もっとください!」

謎のメイド「あ、それではー…?フフフ、皆さんお待ちかねのー?」

謎のメイド「そうですね!いつものアレ、行っちゃいましょう!」

謎のメイド「みんなのハート、撃ち抜くぞ!」


客ども+まきぱな「「ラブアローシュート!!」」


謎のメイド「いえぇーい!ありがとー!それでは早速一曲目ー!アウトブレイクカンパニーからオープニング曲で…」



花陽「ねー?すごいでしょ、ことりちゃ…」

ことり「…」ガクガクガク…

花陽「こ、ことりちゃん…?」

ことり「はわ、はわわわわわわ…」ガクガクガク…

ことり「あれが…う、海未ちゃん…?え、ホント…?」ガクガクガク…

真姫「…紛れもない事実よ。受け入れなさい」

ことり「は、は、はははは…」ガクガクガク…

ことり「ほにょぇぇぇ~…」ガクッ

花陽「あまりのことにことりちゃんが気絶しちゃった!?」

真姫「…覚悟してこれならしてなかったときどうなってたのかしら」

真姫「というわけで今日はここまで」

凛「投稿間隔がいつもより早かったのはちょっと書きだめしてたからだよ」

真姫「もうほぼ使い切っちゃったから次回はこうはいかないかもね」

凛「それじゃ、今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「次にチャンピオンカツカレーご飯大盛りを注文するのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

再開します 眠いから寝落ちするかも

謎のメイド「だんだん芽生えた~最初のおも~い、わからないーことーはー日々のページめくりーものーがたりをっ♪」



真姫「…もう大丈夫?」

ことり「うん…ありがと…」

花陽「そんなに衝撃なの…?」

ことり「衝撃的すぎたよ…。私ね?海未ちゃんが笑ってるところ見ただけでも泣いたんだよ!?」

ことり「こんなのもし何も聞かされずに見ちゃったらもう…大事故だね」

真姫「それは良かったわね…」

ことり「最初はすごくたどたどしく初々しかったのに…どうしてこうなった」

花陽「十数回もやってると吹っ切れちゃうんでしょうね…」

ことり「けど…」

ことり「海未ちゃん、すごく楽しそう…」

花陽「ですよね…。心から楽しそう歌ってて、惚れ惚れしちゃうなぁ…」

真姫「えぇ、それには私も感心。だけど…」

花陽「ん?何か問題があるの?」

真姫「…いえ、よしましょう。今は海未の歌に集中しましょう」

ことり「そうね。海未ちゃん、こういうこともできるようになったんだ…。すごいなあ…」



謎のメイド「はーい、ではそろそろお時間の方が来てしまいましたので、ここまでとさせて頂きます!」

謎のメイド「最後に恒例の~…、来週のこの時間もー…、せーのっ」

謎のメイド「みんなのハート、撃ち抜くぞ?」


「「ラブアローシュート!!」」



ことり「わー…、海未ちゃんのライブが終わった途端がらーんとしちゃった…」

真姫「一番人の多いお昼時に来るお客さんが前倒しで来てたから、その反動ってことかしら?」

花陽「今なら海未さんを訪ねても大丈夫かな?」

ことり「むしろお皿洗いはお客さんが帰った今が一番忙しそうだけど…」

花陽「あ、そっか…」

真姫「いいじゃない。すぐ終わらせたいし。話し合うならお客さんの少ない時間の方が都合がいいし」

ことり「いいのかなぁ…」

真姫「いいのいいの。さ、厨房に突撃よ!」

11.

真姫「あのー…、すみませーん」

メイド「はい?なんでしょう」

真姫「私、当店でバイトをしてる園田海未さんの友人なんですけど、今園田さんっていますか?」

メイド「はい、少々お待ちください」


花陽「意外と及び腰…」

ことり「礼儀正しいって言ってあげようよ」


真姫「…素直に来るかしら」


海未「…友人?いったい誰が…」

海未「げっ」


真姫「あ!来た!」

ことり「海未ちゃーん、バイト中ごめんねー」

花陽「すぐ済むので!」


海未「ど、どうしてあなたたち…!ちょっ…、まっ…」

海未「ふひぃっ!!?」ツルッ


真姫「わぁっ!!?」

花陽「ひゃっ!?」

ことり「ひょえっ…!」


ドッテーンッ




メイドカフェ店内 テーブル


海未「うぅ…、いたたた…」

真姫「慌てすぎ。何もないところで転ぶなんて花陽以上にドジね」

花陽「え、私そんなドジっ子だと思われてたの…?」

海未「お皿を運んでいる最中でなくて良かったです…」

ことり「海未ちゃん、バイト中だったけど大丈夫?都合悪いなら終わってからまた来るよ」

海未「いえ、ちょうど休憩時間なのでそれは平気です。しかし…」

海未「何故大勢で私のバイト先に…。遊びに来たんですか?」

真姫「いいえ!今日は大事な用事があってきたのよ!単刀直入に問うわ…」

真姫「あなたもスクールアイドルをやってみな」

海未「お断りします」

花陽「返答早っ!」

上の「11.」は関係ないんで見なかったことにしてください

真姫「な、なんでよ…」

海未「嫌に決まっているでしょう!スクールアイドルなんて!」

ことり「でも海未ちゃん、さっきは気持ちよさそうに歌ってたじゃない!」

海未「なっ…!み、見てたのですか…、ことりまで…」

ことり「あれだけ堂々と歌えるんだからきっとアイドルとしても輝けるよ!」

海未「そ、それでも…、嫌なものは嫌なんです!絶対に!」

真姫「…もしかして、やりたくない理由があるの?」

花陽「あっ…、そっか…」

花陽「…ことりちゃんにも穂乃果さんと別れたくないって事情があったもんね…。それなら無理に誘っても仕方ないし…」

海未「…えぇ。やりたくない理由、あります」

ことり「理由、って…?」

海未「それは…」

花陽「それは…?」


海未「…決まってます!恥ずかしいからです!!」


花陽「…へ?」

海未「スクールアイドルをやるということは、穂乃果たちやA-RISEのような格好をするんですよね!?」

海未「あんな露出の多い衣装を来て人前で踊るなんて…、想像しただけで卒倒します!」

ことり「ち、ちょっと!?海未ちゃんはこのバイトをやってアイドルの気持ちを理解したんじゃないの!?」

海未「た、確かに始める理由はそうでしたが…」

海未「…やはり私には、アイドルは無理です…」

真姫「どうして?さっきの歌ってる姿はアイドル然としたものだったわよ」

花陽「そうです!あれこそまさに私の理想!アイドルオブアイドルですっ!!やらないなんてもったいない!!」

海未「…あれは」

海未「違うのです。あれは…、私ではありません」

花陽「はい?」

ことり「え!?あれ海未ちゃんじゃなかったの!?じゃあ別の誰か…?」

海未「そうではないのです。ああして皆の前で歌っている私は、私であって私でない…いわば仮面なんです」

真姫「仮面…」

海未「最初、私は穂乃果を…、アイドルを理解しようとしてこのバイトを始めました」

海未「しかしいざお客様の目の前で歌おうとすると…、緊張して声が出ないんです…」

海未「顔も真っ赤で、恥ずかしくなって…こんな姿を誰かに見られているなんて思うと、死んでしまいそうになりました」

海未「けれどバイトの契約上、お客様の前で歌うのは必須事項…、どうにかできないかと店長さんが提示してくれた案が、サングラスでした」

ことり「歌ってるときにつけてるやつ?」

海未「はい。これをつけて歌えばいいんじゃないかと。身分がバレるのを防ぐこともできますし」

海未「サングラスをかけた程度でこの緊張がどうにかできるとは、自分でも思えなかったのですが…」

海未「いざかけてお客様の前に立ってみると、意外と落ち着いて歌うことができました」

海未「サングラスをかけることで自分ではない、別の誰かを演じて、歌うことができるようになったのです」

真姫「…演じる。まさに、演劇学科の海未だからこその技ね」

海未「次第に髪型もアレンジを加え、話し方も普段は使わないような風に変えて…」

海未「園田海未ではない『謎のメイド』を名乗り、その仮面を被って歌を披露するようになりました」

花陽「そのミステリー性が受けて今ではアキバの隠し名所的イベントになってるんですよね…!」

海未「…けれど!アイドルとなれば話は別です。私はサングラスを捨て、『園田海未』として活動しなければなりません」

海未「それは…、きっと私には不可能です…。『謎のメイド』という鎧を捨てて、お客様の視線というナイフにさらされては…」

海未「私の脆いメンタルは、早々に砕け散ってしまうでしょう…。きっと」

花陽「そんな…」

真姫「だ、大丈夫よ!意外とやってみたら行けるってことも…!」

ことり「海未ちゃん…」

海未「確かにやってみたら出来た、ってこともあるかもしれません」

海未「ですがやってみよう、とまで思えません!やりたくないんですから!!」

真姫「う…」

海未「とにかく恥ずかしいんです!あんな足の見えるような衣装で踊るなんて…考えられません!却下です!」

花陽「でもでも…!メイド服もアイドルの衣装みたいなものじゃないですか!あんまり変わりませんって!」

海未「どこがですか!メイド服は由緒正しい英国のお召し物です!露出も少ないですし比較しようもありません!」

花陽「ぐぬぬ…」

真姫「さっきはあんなに楽しそうに歌ってたじゃない!ホントはやりたいんでしょう!?」

海未「あれはお仕事の一環ですから!それに何度も言っていますがアイドルをするとなると素顔を晒す必要があるでしょう!」

真姫「だったら海未だけサングラスつきでアイドルを!衣装も露出も少ないものに!」

海未「っ…!い、いえ!ダメです!」

真姫「なんでよ!条件としては最大限に譲歩してるじゃない!!」

海未「いくらそれでもやはり…恥ずかしいものは恥ずかしいんです!」

真姫「少しくらい恥ずかしい方がやってて気持ちいいのよ!」

ことり「そ、そうなの…?」

真姫「あ、いやまぁ…個人差もあるけど」

花陽「あの…真姫ちゃん…。そろそろお客さんも増えてきてるんだけど…」

真姫「え」

海未「…これ以上大声で話されては他のご主人様方にも迷惑です。私の休憩時間も残り少ないですし、今日はお引取りを」スクッ

真姫「ちょ、待ってよ!」

海未「お引取りを!!」

真姫「…わかったわよ」

秋葉原


花陽「…ダメだったかぁ」

ことり「残念だね…」

真姫「…まぁ、なんとなくわかってたけど」

ことり「え?どうして?あんなに必死に勧誘してたのに」

真姫「海未はまだ、アイドルの気持ちを理解することはできてないわ」

真姫「彼女が歌ってるの見ると、わかるもの」

花陽「えぇっ!?そうかな…。すごく楽しそうに歌ってるのに」

真姫「そうね。彼女自身はとても楽しそう」

真姫「けどそれは、彼女だけの中で終わっている楽しさなのよ」

ことり「…?どういう意味?」

真姫「これは、私のすごく尊敬してる人のセリフなんだけど」

真姫「アイドルっていうのは、楽しむものじゃない。誰かを楽しませるものなんだ、って」

真姫「海未自体は楽しんでて、その姿を見ているこちらも微笑ましくなるけど、でもそれはあくまでメイドカフェ店員の枠だからこそ」

真姫「アイドルともなれば、自分が楽しむだけじゃいけない。お客さんをどれだけ楽しませるか」

真姫「それが一番、大切なことになってくるから」

花陽「ほぇぇぇ…。ま、真姫ちゃんがすごいいいこと言ってる…」

真姫「この程度、素人でも見抜けて当然でしょ?だって海未は…」

真姫「お客さんである私たちが、ライブを見に来ていることすらも気付かなかったのよ?」

ことり「あ…」

真姫「それは観客の顔を見ていない証拠。どんな人が見に来ていて、どんな顔をしているかを見ていないから、誰が来ているかすらわからない」

真姫「だから、海未のバイトの目的が、アイドルの気持ちを理解するため、ってことなのだとしたら…」

真姫「それは全くの徒労に終わってるわね。…きっと穂乃果が見ても、同じ気持ちになると思う」

ことり「海未、ちゃん…」

花陽「で、でも真姫ちゃん、海未さんのこと勧誘してたじゃない。それって海未さんにアイドルの素質があるから、なんでしょ?」

真姫「そうね、それは間違いないわ。あの海未なら…」


真姫(この世界の海未は、『アイドル性』だけなら、私の世界の海未よりも遥か上にいる)

真姫(それに、真にアイドルの気持ちを理解するならやっぱり、スクールアイドルをやるしかない)

真姫「でも、無理やりスクールアイドルをやらせても、海未にアイドルの気持ちを理解させることはできないわ」

真姫「肝心なのは、海未自身にスクールアイドルをやりたい、と思わせること。そのためには…」

花陽「そのためには…?」

真姫「…それはこれから考えるわ」

ことり「そっか…。うーん…、海未ちゃんもアイドル、いいと思うんだけどなぁ…」

真姫「私たちがいくらそう思っても本人が嫌がってるんだもの。どうしようもないわ」

ことり「やりたいと思わせるかぁ…。結構難易度高そうだね…」

真姫「そうね…」

花陽「じ、じゃあ今日は真姫ちゃん!前みたいにアキバを探索して答えを探そうよ!ね?ね?」

真姫「…それって今から練習するのが嫌だからでしょ?」

花陽「うぐっ…。そ、そんなこと…あるけど。ちょっとだけ」

真姫「はいはい。大丈夫よ。私も今日は3人でアキバ散策する予定だったし」

花陽「ホント!?やったぁぁぁっ!!!」

ことり「花陽ちゃん喜び過ぎー…」

真姫「ことりにも、アイドルの良さがわかるようなスポット、教えてあげなさいよ?」

花陽「うん!」



真姫(それから夕方まで、私たちは花陽の案内のもと、秋葉原を練り歩いた)

真姫(行ったことある場所から初めて見る場所まで…)

真姫(いつもの練習より何倍も早く時間が過ぎるのを感じた)

真姫(そして、夕方…)



ことり「はわぁー…、今日は楽しかったぁ…」

花陽「本当ですか!?よかったです!」

真姫「えぇ、まさか秋葉原にあんなところがあったなんてね。…今度凛を連れて行ってあげましょ」

花陽「え?凛ちゃんがなんて…?」

真姫「あぁ…、ごめんごめん。こっちの話」

ことり「でも名残惜しいけど…、もう時間…だね」

花陽「そうですねー。また来ましょうね!絶対!」

ことり「うんっ!」

真姫「もちろんよ。今度は…4人以上だと尚良しね」

帰り道


花陽「あ、それじゃ私、こっちだから…」

ことり「あ、花陽ちゃんここでお別れ?」

花陽「はい。では、また明日!学校で会いましょうね!真姫ちゃんも!」

真姫「えぇ、バイバイ」

花陽「ばいばーい!」



ことり「うふふふ…、花陽ちゃんってアイドルのことになるとあんな感じになるんだね」

真姫「私も初めて知ったときはビックリだったわ。あれも花陽のいいところなんだけどね」

ことり「うんうん。パワフルな花陽ちゃんもかわいいなぁー」

ことり「ほらー。この写真の花陽ちゃん、可愛いよねー。あ、これも!」

真姫「い、いつの間にこんなに写真を…あ、私も撮られてる…」

ことり「それにこれは…海未ちゃんの写真!」

真姫「あ、撮影禁止なのに…」

ことり「門外不出なら問題ないのです!えへへー」

真姫「…まぁ、私が言えたことではないしね」

ことり「うーん…、でもねー…」

真姫「ん?」

ことり「海未ちゃんがアイドルやりたくない、っていうのも、私わかる気がするの」

真姫「どうして?」

ことり「ほら、私海未ちゃんの去年の荒れようを知ってるからわかるんだけど…」

ことり「きっと少しでも心にプレッシャーがかかると、鬱だった頃の自分を思い出して怖くなっちゃうんだよ」

ことり「また、あんな風になってしまわないかって」

ことり「…あの頃の海未ちゃんは、見ていてとても痛ましかったから」

ことり「今のメイドカフェでのライブも、言ってたとおり自分じゃない、って暗示をかけてるから出来てることなんだよね…」

ことり「そう考えたら、海未ちゃんにも、ただ恥ずかしい、ってだけじゃない…やりたくない相応の理由があるのかな、って思って」

真姫「あの頃が怖いから、か…。でも、そうなるとやっぱり、海未には是非ともスクールアイドルをやってもらいたいわね」

真姫「いつまでも心にしこりを残しておくのは、精神上良くないことよ。ドクターの私が言うんだから間違いないわ」

ことり「ドクター?真姫ちゃんってお医者さんなの?」

真姫「あ゙っ…。い、医者志望なの。親が医者だから」

ことり「ふーん、そっか。でも、そだね…。私も一緒に海未ちゃんとスクールアイドル、やってみたいよ」

ことり「それが私の目標の…『あの頃をやり直す』ための一歩になるから」

真姫「…ことりの決意も、堅いのね」

ことり「ふふ、もちろんでぇーす。あ、じゃあ私こっちだから」

真姫「そう。また明日。風邪ひかないでね?」

ことり「うーん、だいじょぶー。また明日ねーばいばーい」

真姫「ん、バイバイ」

希の家


ガチャッ


真姫「ただいまー」


希「おかえりー…。ご飯できてるよー」

真姫「あぁ、ありがとう。いつもいつも悪いわね」

希「んふー。それは言わないお約束やんっ」

真姫「した覚えはないけど」

希「そういう流れもお約束ー。ささ、冷めないうちに召し上がれー」



真姫「…もぐもぐ」

希「んー」

真姫「…希」

希「なにー?」

真姫「見られてると食べにくいのだけど」

希「いうてうち辛抱できずに食べちゃったからねー。真姫ちゃんの顔見るくらいしかすることなくて」

希「んふんふー…」

真姫(今日の希もなんか…変ね)

真姫「あの、ところで…実は今日…」

希「んー?なぁにかなぁー?お悩み事ー?」

真姫「…」

真姫「…やっぱいい」

希「えぇーん?言うてーなー。元生徒会長サマやよー?なんでも知ってるんよー」

真姫(絡み方がウザイ)

真姫「…平気よ。また困ったことがあったらその時お願い」

希「おっけー。期待しとくねー」

真姫「え、えぇ」

一方その頃

ことりの部屋


ことり「ふふ…今日は楽しかったなあ…」ケータイポチポチ

ことり「海未ちゃんがスクールアイドルやる気にさえなってくれたら、最高の一日だったのに!」

ことり「でも、そうだよねー…。ただでさえ引っ込み思案な海未ちゃんだもんね…。それこそ、穂乃果ちゃんのため、とかでなければ…」

ことり「やるわけないよねー…。うぅん…」

ことり「…ま、一人で考え込んでも仕方ないか。今は今日の楽しかったことを振り返ってみよーっと」ポチポチ

ことり「ふふふ…、ここでの花陽ちゃんのテンションの上がり具合と言ったら…ぷぷ、思い出しただけでも笑いが…」

ことり「でも、アキバも何回か行ったことあったけど、意外と知らないところ、多かったなぁ…」

ことり「最初は変なお店、って思った場所も、案外入ってみると普通に楽しかったり…」

ことり「今までアキバのそういうお店って知識がないと楽しめないと思ってたけど、そうでもないのかぁ…」

ことり「やっぱり何事も、体験してみないとわからないもの、なんだよねー…」

ことり「…ん?」

ことり「…」

ことり「あ!!」



ことり「こ、これだーっ!!これだよっ!!」

ことり「ふ、ふふふふふふふ…!思いついちゃいました…!」


ことり「海未ちゃんに、スクールアイドルをやりたい、って思わせる方法…!」

ことり「これならきっと…行ける!覚悟しててよね…、海未ちゃーん…!ぬふふふふ…」

真姫「じゃあ、今日はこれくらいね」

凛「前回ほど暗い?感じはないけど、違う意味で不穏な空気が漂ってますにゃぁ…」

真姫「さて、いったいこれからどうなりますことやら?」

凛「なんだか昔のアニメみたいな引きだね」

真姫「そして次回はうろライブ!5話をお届けするわ」

凛「もしライブ!からしたらめっちゃ長いアイキャッチだにゃ…」

真姫「そんなわけで、今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に大豚Wを食べるのはあなたかもね?」

真姫「なんで次郎…」 凛「なんとなくにゃ。せーのっ」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

お久しブリーフ うろライブ!やっていきます
ひと恋

真姫「今回はうろライブ!第5話をお届けするわね」

凛「5話と言えばー…?そう、凛ちゃんだよー!」

真姫「正真正銘の凛が主人公のお話よね。全く腹が立つわ」

凛「へっへーん、嫉妬したって事実は捻じ曲がらないにゃー」

真姫「でも単純にそうはいかないのがうろライブ!の恐ろしいところよね」

凛「そう、なにせ今回の忘却安価で凛は…」

凛「過去の自分についての記憶を失っちゃうんだよ!?なんてこったい!」

真姫「まぁ、全て忘れたわけじゃなくてよかったじゃない。うん」

凛「よく無いよ…。どうなっちゃうんだろう凛…」

真姫「2期に入って取り返しのつかないタイプの安価が多くなってきたわね。こちらも取り扱いに苦労するわ」

真姫「そして私の忘却なんだけど…、えっと、なんだっけ?星空という苗字を忘れて、自分を遠坂だと思い込む?」

凛「明らかに凛を狙った忘却が真姫ちゃんに降り注いだにゃ」

真姫「ま、これはなんとかなるでしょう。時折宝石でも投げておけば」

凛「もったいな…。そしてかよちんは…羞恥心を忘れちゃうんだよね…」

真姫「つるの剛士や上地雄輔のアイドルユニットを忘れちゃうなんて悲劇ね」

凛「それじゃねぇよ!乙女の恥じらいのことに決まってるでしょ!」

真姫「知ってた。あの花陽から恥じらいをなくす…。もはやそれは花陽じゃない気がしてきた」

凛「今回の忘却もハードだにゃー。上手く話に盛り込めるといいけど!」

真姫「前回以前のあまり使えなかった安価も含めて行けるといいわね!」

凛「それじゃ、うろライブ!第5話!」

真姫「スタートよ!」

前回のラブライブ!デン


希「よーし、今度は二回聞いてバッチシや!完璧に暗唱してみせる!」

希「ごほんっ…、いくよー…」

希「見事ラブライブの予選に勝利した私たち!練習にも気合が入るけど何故かにこっちだけ早退、尾行してみると…」

希「矢澤こころです!おねーちゃーん!バックダンサー…」

希「えー…、えーっと…、そこには悲しい過去が!」

希「(にこの声真似)この9人でいられるときが、お姉ちゃんは一番輝けるの!ひとりでいるときよりも、ずっと、ずっと…」

希「にこっちの心の扉が開き…、えー…、アネックス1号は9人で…うん、せやね!(ヤケクソ)」


(見返しタイム)


希「今回は惜しかったね!」

希「しかしこれ傍から見てる人は何か楽しいんかな…」

希「気にせえへんけどね!」スピリチュアルー

穂乃果「海だ!海だ!海だーーーーーーー!!!」

海未「もう!そんなに名前を叫ばれると海水に浸かってもないのに濡れてしまいます…」

ことり「キモッ」

穂乃果「違うよ!海未ちゃんの名前を叫んだんじゃなくて、海っ!!」

海未「やはり私ではないんですか…?」

穂乃果「だから海未ちゃんじゃなくて海!」

海未「うみ…、は私ですが」

穂乃果「だからねー…」

ことり「アホな会話は置いておいて、綺麗だねー…。この川」

穂乃果「海だってば!」

ことり「海…?」

穂乃果「そこから!?」

海未「さすが夏の鹿児島は青さが違いますね!」

穂乃果「秋の沖縄だよっ!」

海未「秋の沖縄と安芸の宮島って似てますよね」

ことり「クソどうでもいい~」

穂乃果「似てないしね!それより、せーので入ろう!せーので!」

海未「せーので挿入れる…!?」

穂乃果「もうダメだこの人!」

ことり「穂乃果ちゃんがツッコミって珍しいね」

穂乃果「もう行くよ!腕掴んで!」ガシッ

穂乃果「せーのっ!!」



ビッシャーンッ

屋内プール


凛「っぷっはー!真姫ちゃんとかよちんもおいでよー!」

真姫「穂乃果たちが修学旅行だからって、対抗することないんじゃない?」

花陽「そうだよ、もう冬だし…」

真姫「秋なんだけど…」

凛「細かいことは置いといてー…!よいしょっ…」プールカラアガリッ

凛「せーのっ…」

真姫「ちょっ、押すのナシ!」サッ

花陽「きゃっ!落とさないでよっ!」サッ

凛「へっ…?」スカッ

真姫「あ…、急に避けたから勢い余って凛が…」


ツルンッ

ゴキーンッ!!


凛「…」

真姫「…」

花陽「り、凛ちゃんが…」

凛「…」ブクブク…

真姫「プールサイドで頭を打って泡吹いてるわね」

真姫「…短い付き合いだったけど楽しかったわ。さようなら」

花陽「まだ死んでないよ!!!…たぶん」

凛「ふ、ふぇぇぇ~…」ブクブク…



うろ覚えラブライブ! Forgotten Idol Project


第五話「新しいお話」



部室


凛「う、うぅ…」

真姫「あ!凛が目を覚ましたわ!」

花陽「凛ちゃん、大丈夫!?気分は平気?」

凛「あ、真姫ちゃん…。かよちん…。あれ、私なんで…」

真姫「よかった…。意識の混濁はなさそうね」

花陽「うぅ…!凛ちゃんが無事で良かったぁ…」

凛「…凛、ちゃん…?誰…?」

花陽「えっ…?」

真姫「も、もしかして…。ねぇ!あなた、自分の名前言える!?」

凛「え、私は…>>701(苗字)>>703(名前)…だよ?」

スターリースカイ

>>696
ちょっと寒くないかにゃー?

(≧ω≦)

凛「私は…スターリースカイ(≧ω≦)…だよ?」

花陽「もはやどこが苗字でどこが名前かすらわからない…!ていうか何人…!」

真姫「どういう発音したらその顔文字が現れるのよ…!」

凛「え、か、かよちん、真姫ちゃん…どうしたの?私何か変なこと…」

凛「あ、あれ…?そういえば、なんで私、真姫ちゃんとかよちんと友達なんだっけ…?」

凛「あれあれ…!?私…、今までどうやって生きてきたんだっけ…!?」

真姫「やっぱり、凛、あなた…!過去の記憶を無くしている…!」

花陽「さっきの衝撃で!?」

凛「わ、私…、凛っていうの…!?スターリースカイ(≧ω≦)じゃなくて!?」

真姫「そうよ!そのスター…なんとかみたいなヘンテコな名前じゃなくて、あなたの本名は…」

真姫「…えー…っと?えっと…」

花陽「真姫ちゃん…?どうしたのかな…?早く凛ちゃんの名前言ったげて…?」

真姫「…何、凛だったっけ?」

花陽「真姫ちゃん凛ちゃんの苗字ワスレチャッタノォ!?星空だよ星空!!」

真姫「星空!?なにそのヘンテコな苗字!?」

凛「結局ヘンテコ扱いされてるにゃ!?」

花陽「ま、真姫ちゃんまで頭イっちゃってる…。じ、自分の名前は言えるよね…?」

真姫「も、もちろんよ!」

花陽「はぁ…よかった」

真姫「遠坂真姫よ!」

花陽「よくないぃぃぃぃぃぃ!!!!西木野でしょ!!西木野真姫!!」

真姫「え…?に、にしきの…?私は遠坂だけど…」

凛「私も真姫ちゃんは西木野真姫ちゃんだったと記憶してるんだけど…」

真姫「な、なんですって…!?私は遠坂家の末裔ではなかったのね…!道理で魔術がいつまでたっても身につかないわけだわ…!」

花陽「これは…、また恒例の頭おかしくなっちゃう現象が二人立て続けに起こっちゃったんだ…」

花陽「ど、どうしよう…。うーん…、あ!そうだ!更なるパニックを二人に与えたら戻るんじゃないかな!」

花陽「よし、それなら…二人共!こっちむいて!」

真姫・凛「「ん?」」


花陽「はぁっ!!」スパーンッ!!


真姫「なぁっ!!?」

凛「か、かよちんがいきなりシャツを引き裂きブラのホックまで弾き飛ばして…!」

真姫「おっぱいを露出した!?」

花陽「どう?ビックリした?」

真姫「ビックリってモンじゃないわよ!早くしまって!!」

花陽「で、でも凛ちゃんが自分のこと思い出した感じしないし…」

花陽「よし!今度は下も…」

凛「す、ストップストップ!!やめるにゃーーーーーーーーーー!!!!」

部室


真姫「花陽があんな大胆なことするなんて…」

花陽「ご、ごめんなさい…。そうだよね、部室でおっぱい出すなんて普通じゃないよね…」

凛「それ以前に人に見せつけようとする発想がおかしいよ…」

真姫「で…、どうする?凛…」

花陽「凛ちゃん、自分がスクールアイドルだってことも忘れちゃってるんだよね…?」

凛「そ、そうだったの!?かよちんと真姫ちゃんがアネックス1号なのは覚えてるけど…まさか凛もだなんて!」

真姫「こ、これじゃあ…今までやってきたことが水の泡よ?」

花陽「どどど、どうしようか…。みんなにも相談したほうが…」

真姫「そうね…。誰かに相談して…」


ガチャッ


にこ「…ん?あんたたちもういたのね。部活の時間にはまだ早いのに」

真姫「あ、にこちゃん…」

花陽「あのね、凛ちゃんが…」

にこ「あー!外雨降ってるじゃない!!はぁぁぁ…、また室内…」

にこ「ジメジメして嫌よねー…」

真姫「あー、そうね…」

花陽「たまには外で練習したいよねー…」

凛「だにゃー…」

にこ「…で、凛が何?」

花陽「えっ?」

にこ「え、じゃないわよ。凛ちゃんがー、で止まってたじゃない」

花陽「あ、そっか、えっと…」

花陽「…なんだっけ?」

真姫「なんだったっけ…」

凛「さっぱりわかんないにゃー」

にこ「あそ、じゃあ大したことじゃないんじゃない?」

花陽「そうかもね」

真姫「…そうかしら?」

にこ「それにしても…今日もこの4人なのね。気が滅入るわ」

凛「4人…、4人で何するの?」

にこ「はぁ?決まってるでしょ!練習よ、練習!」

凛「練習…って、>>709の練習かにゃ?」

けん玉

凛「練習って…、けん玉の練習かにゃ?」

にこ「そうそうこうやって狙った穴に玉をえいっ!ってコラッ!」

真姫「…キモチワルイ」

にこ「うるさい!慣れないノリツッコミは謝るけど!凛!ふざけるんじゃないの!」

凛「…」

にこ「…凛?聞いてる?」

凛「…あ!私か!き、聞いてるよ!?ハイスピードロイドでしょ!?」

花陽「なんの話…?」

にこ「というか、あんた以外に誰がいるって言うのよ…。アイドルの練習よ!アイドル!」

凛「なんで私がアイドルの練習なんか…」

にこ「はぁ?今更何言って…」

花陽「…っは!そうだ思い出した!今は二年生は修学旅行で絵里ちゃんと希ちゃんはその間生徒会のフォロー…」

花陽「じゃなくて!今の凛ちゃんは…」


ガチャッ


絵里「あ、皆揃ってる」

希「頑張ってるー?」


花陽「…」

にこ「今の凛は?」

花陽「…忘れた」

絵里「えっと…、私来ちゃマズかった?」

真姫「いや、私もよくわかんなくて…。絵里たちは今日も生徒会?」

絵里「まぁね。…あれ、私部室に何しに来たんだっけ…」

希「3人が戻ってきたらえっとー…、ま、なんやかんやえりちも張り切ってるんや!」

凛「へー、絵里ちゃんたちも大変だねー…」

絵里「大変…って、大変なのは凛もでしょ?例のイベントは穂乃果たちが帰ってきた…一昨日だっけ?」

希「どうやって日を遡るつもりなんよ…。次の日。それまでにフォーメーションやら何やらをあーだこーだせんとね!」

にこ「あんた曖昧ね…」

凛「…れいのいべんと…?え、えと…それ私も?」

絵里「当たり前でしょう…?あなたもアネックス1号なんだから」

凛「何、するんだっけ…?」

希「えっと、凛ちゃん…?流石にそれは覚えとこうよ」

凛「えっ…!あ、も、もちろん覚えてるにゃー!えっとー、えっとねー…」

凛「>>712の会場で、>>714して欲しいって言われたんだよねー!」

全国高校生野球拳選手権

ドリフト走行

凛「全国高校生野球拳選手権の会場で、ドリフト走行して欲しいって言われたんだよねー!」

希「んんー…、惜しい」

絵里「惜しくない!何もかすってないわよ!」

にこ「ぜ、全国高校生野球拳選手権ですって…!?それは女子高生も出るっていうことかしら…!」

にこ「それは是非見ないといけないわね!どこでやってるの!?」

花陽「にこちゃん、もうそれは百合好きってより女好きの領域だよ」

真姫「そこにドリフト走行って…バイクか車で?酷い大惨事になりそうね…」

希「並み居る半裸の高校生をバッタバッタとドリフトでなぎ倒しながら進み続ける…」

絵里「それを私たち9人でやるってどんなスプラッタムービーよ…。B級どころじゃないわね」

凛「や、やっぱり違った…?」

真姫「当たり前。本来はファッションショーで歌ってほしい、って言われたのよ」

花陽「モデルさんたちと同じステージってことで、着太りしちゃうなぁ、って考えてたんだよね…」

にこ「…気後れね」

凛「かよちんのそれは着太りじゃなくてそのままの痛ァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!」

花陽「左足の薬指を踏み抜くよ?」

凛「お、おごぉぉ…!もはや恒例行事にゃ…!」

真姫「…ま、花陽もだけど…にこちゃんも、ね」

にこ「な、にこがなによ!あ、もしかしてかわいいって言いたいの!?もー、真姫ちゃんわかってるー!」

真姫「あなたは全然わかってないけどね」

絵里「まぁ、なんとかなるでしょ。じゃあね。…あれ、何しに来たんだっけ」

希「穂乃果ちゃんたちは野生のチンコ探しで夢中になってライブのことなんてすっかり忘れてるやろうから、にこっちたちがしっかりしといてね?」

バタンッ


にこ「…野生のチンコってなに…」

花陽「言葉の響きだけでヤバいね…。それに夢中って…」

真姫「R-18ね…」

凛「あーあ、大分かぁ…」

花陽「沖縄だよ」

凛「今頃穂乃果ちゃんたち、お楽しみだろうなぁ…」

にこ「その言い方だと…、それこそ野生のチンコに夢中な感じが…」



沖縄


穂乃果「海未ちゃっ…、んっ…!こっちのも…太くて…いいよぉぉ…!」

穂乃果「(海未の声真似)あぁ、穂乃果…!私の穂乃果が汚されてゆくっ…!それもまた快感っ…!」

穂乃果「…って!なんで雨なの!これじゃあ野生のチンコをナンパできないじゃん!」

ことり「台風直撃するかもだって…」

穂乃果「台風じゃなくて子宮直撃したかったのに…」

海未「…さっきから破廉恥過ぎます。聞いてるだけで濡れてくるのでやめてください」

ことり「人のこと言えないよ…」

海未「諦めて穂乃果は私たちと>>717しましょう」

トイズドライブ

海未「諦めて穂乃果は私たちとトイズドライブしましょう」

穂乃果「なにそれ…、ポケモンの技?」

海未「フレアドライブは関係ありません。ブシモから配信されている新感覚タップバトルRPGです」

海未「『探偵』と『怪盗』がしのぎを削る大探偵時代を舞台に、歌の力で戦うという私たちにピッタリなゲームアプリなんですよ!」

穂乃果「…なんかクソゲー臭するなぁ。パス」

海未「ひどい!!そんな穂乃果なんて歌えなくなってしまうがいいです!!」

穂乃果「それは冗談でもいっちゃいけないよ」

海未「…ごめんなさい」

ことり「うん…。私たち、ってそれもう私もやること前提なのがおかしいよね」

海未「うぅーん、面白いんですけどねぇ…。ぽちぽち」

海未「いっけー!サイコイキネシスですー!」

穂乃果「…アホな海未ちゃんは放っておいて、こうなったら…!」

穂乃果「台風が逸れるように>>720するしかない!」

遊戯王

穂乃果「台風が逸れるように遊戯王するしかない!」

海未「結局室内での遊戯に落ち着くのですね」

穂乃果「違うよ!ただ遊んで時が過ぎるのを待つだけじゃない!」

穂乃果「真に卓越した決闘者は決闘のエネルギーで台風すら弾き飛ばすという…!」

穂乃果「だから決闘するの!さぁことりちゃん!行くよ!」

ことり「うんっ!」

海未「今度はノリノリですねことり…」

ことり「ふっふっふ…、こんなこともあろうかと今日のためにデッキを組んできたのです…!」

穂乃果「私も!絶対に負けないんだから!」

ことり「正々堂々と決闘しようね!」

穂乃果「もちろんだよ!」

ことり「よぉし、私の【バベル】が火を噴くぞー」

穂乃果「なんの!私の【巻き戻しマイクラ】に勝てるかな!?」

海未「なんでどちらもジャッジキル狙いなんですか…」

海未「ちなみにジャッジキルとは相手の不正を誘発させることで決闘の展開関係なく相手を負かせるという反則ギリギリのデッキのことです」

海未「【バベル】はスリーブを多重にしたりデッキ枚数を増やすことでデッキの積み方を不安定にし、相手にカットを要求してその相手がデッキを崩したらジャッジを呼んで勝利するデッキで」

海未「【巻き戻しマイクラ】はフェイズ移行宣言をしていないプレイヤーに対し《マインドクラッシュ》を発動して…説明面倒なのでググってください」

ことり「…誰に説明してるのかな」

穂乃果「いっくぞー!デュエッ…」ピリリリ…

穂乃果「あ、絵里ちゃんから電話だ…。もしもし」ピッ

絵里『あ、穂乃果?どう、楽しんでる?』

穂乃果「今から遊戯王するとこだったんだけど」

絵里『ゆ、遊戯王…?あ、それより、今週末のイベントなんだけどね、ちょっと相談があって』

穂乃果「イベン…あぁっ!!そうだ、それだよ!!」

絵里『そうそう、ファッションショーの…』

穂乃果「スクフェスのイベントでLP使うの忘れてた!!」

絵里『えっ』

穂乃果「ありがとう思い出させてくれて!それじゃ!」ポピッ




絵里「…」

希「穂乃果ちゃんなんて?」

絵里「…穂乃果は自分を二枚取りする気らしいわ」

希「は?」

絵里「どうやら話が通じる状況じゃないみたいだし、…私たちで決めちゃっていいかな」

希「ええんちゃう?」

今日はここまで ちんたらやってたせいであまり進まなかったです
今回は3分割するかも なるべくしないよう頑張る ほなな

ほな続きやよー 今日で終わらそう

1年教室


凛「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえぇぇぇええぇぇぇぇぇぇぇえぇえええぇぇぇぇ!!!!?!!?!?!!?!」

凛「わ、私がリーダーぁぁっ!!!?」


絵里「そう、暫定でもリーダーを決めておいたほうが纏まるだろうし、練習にも力が入るだろうと思って」

絵里「もちろん、穂乃果たちが修学旅行から帰ってくるまでよ?」

凛「で、でも私…」

希「穂乃果ちゃんはあっぱらぱーで相談できんかってんけど、うちとえりちで選んだ結果なんよ。ふたりはどう?」

真姫「うぅん…、いいんじゃない?」

真姫(何か忘れてるような気がするけど)

花陽「私も凛ちゃんがいいと思う!」

花陽(大事なこと忘れてるような感じあるけど)

凛「ちょ、ちょっと二人共…!私はほら…、記憶…」

絵里「気後れなんかする必要ないわ。今後のアネックス1号のことを考えれば、1年生がやったほうがいいと思うし」

凛「だったら真姫ちゃんがやったらいいにゃ!」

真姫「えっ」

凛「歌も上手いし!リーダーっぽいし、真姫ちゃんで決まり!」

真姫「わ、私が…、リーダー…?」

絵里「凛…」

花陽「みんな凛ちゃんがいい、って言ってるんだよ!?」

凛「で、でも私はぁ…!」

絵里「そういうことだからあとはよろしく!」ダッ

凛「えっ!?ど、どこ行くのー!?」

絵里「探し物!さっき部室に取りに行くはずだったのに忘れてて!」タッタッタッ…

希「ほな、頼んだよ凛ちゃん」スタスタ



凛「う、うぅ…、リーダー…。無理だよぉ…」

花陽「なんで?嫌なの?」

凛「嫌とかそういうんじゃなくて!私…」

凛「自分の過去の記憶がないんだよ!?アイドルのリーダーなんてできないよ!」

花陽「あ」

真姫「あ」

凛「忘れてたのぉぉっ!?」

にこ「ちょっ…、どういうことよ過去の記憶がないって…」

真姫「あ、にこちゃんいたんだ」

にこ「いるわ!それより、詳しく話して!」

花陽「実はこれこれこういうことがありまして」

にこ「な、なんてこと…。プールで転けて記憶喪失だなんて…」

凛「お恥ずかしい限りですにゃ」

真姫「確かにアイドルをやってた記憶もない凛がリーダーっていうのは…」

花陽「荷が重い、のかな…」

凛「でしょー!?無理だよぉ…」

真姫「うーん、、、だったらやっぱり私がリーダーを…」

にこ「…それもいいけど、凛。本心はどうなの?」

凛「へ?」

にこ「もし記憶を失ってなかったらリーダー、やりたい?」

凛「リーダーをやりたいか、どうか…?」

にこ「そう。今は責任感から辞退したがってるみたいだけど、凛自身の気持ちはどうなのかなって」

凛「私は…」

凛「>>734

リーダーになるぐらいならアイドルやめるにゃ

あ、ホントだー…やっちゃったぜ

凛「リーダーになるぐらいならアイドルやめるにゃ」

花陽「やりたくないんだ…」

にこ「ふむぅ…。それなら仕方ないわね」

にこ「じゃあ私やるわ!リーダー!!」

花陽「えぇぇっ!!?」

にこ「そもそも私がアイドル研究部部長なんだから、リーダーであってしかるべきよね!」

凛「おぉ、確かに!」

真姫「待って!でもやっぱりここは1年生で将来もある私がやるべきだと思うの!」

真姫「1年生の中でもいっちばんリーダーっぽさもあるしね!」

凛「うーん、それもそうかも…」

花陽「そ、それなら私だって…!1年生かつアイドルにも詳しい私がやるべきだと思う!」

にこ「なっ…!いつもは引っ込み思案な花陽が今日はグイグイくるわね…!」

にこ「でも譲れない!私がやる!」

真姫「いえ、私が!」

花陽「うぅん、私!」

凛「あ、じゃあ私も…」

にこまきぱな「どうぞどうぞ」

凛「こらー!!」


絵里「…ふぅ、ただいま。…あれ?まだいたんだ。そろそろ雨も止んだことだし、練習行きなさいよ」

希「結局リーダーは決まったん?」

真姫「凛になったわ」

凛「えぇぇぇぇっ!!?!?」



屋上


凛「えーっとー…、じゃあ練習始めたいと思いまーす」

花陽「り、凛ちゃんもっとやる気…」

凛「だってやりたくないんだもーん…。アイドルもそんなやる気ないし…」

にこ「ちょっとー!いくら記憶がないからってやる気出してもらわないと困るのよ!イベントは今週末なんだからね!!」

凛「ぐぬぬぬ…」

真姫「リーダーって言ってもただの進行役だから。簡単よ簡単」

凛「うー…。わかったよぉ…」

凛「じゃあまず最初にー…」

凛(…アイドルって最初に何やるんだろう…。それすらもわかんないにゃ)

凛「>>740から初めていきますわ!」

健康的な生活

凛「健康的な生活から始めていきますわ!皆さん、今日はもうお眠りになって!」

にこ「なによその喋り方…」

花陽「って、それより健康的な生活から始めるって何!?」

真姫「私たちは不健康とでも言いたいのかしら…?」

にこ「もう寝ろってアンタが練習したくないだけでしょうが!!」

凛「うぇーん!違うよーっ!…それもあるっちゃあるけど」

凛「アイドルが何やるかとか私知らないもん…」

花陽「えーっ!!?そ、そこから…!?」

真姫「自分で経験してきたことも忘れちゃってるからね…。やっぱり荷が重い?」

にこ「でもこのまま放っておいても凛が再起不能のままよ…。それだけはなんとしても防がなきゃ」

にこ「いいわ凛。そのままリーダーを続けなさい。間違っているところは随時直していくから!」

凛「えーっ!!もうやだよーっ!」

にこ「自分で考えて行動したほうが後々物覚えが良くなるでしょ!」

凛「な、なるほど…」

花陽「あ、ちなみに、まずはストレッチから始めるのがいつもの流れだね」

凛「す、ストレッチから…。おっけー!覚えたよ!」

凛「じゃあストレッチを始めるにゃー!!」

真姫「ふざけてる場合じゃないんだけど…」


(ストレッチ中)


花陽「…緊張してる?」グイグイ

凛「緊張なんてものじゃないよ…。なんでやったこともないアイドルのリーダーやらされなきゃならないのぉ…」


凛「わん、つー、すりー、ふぉー…」パンパン

真姫「凛、ずれてきてるわよ!」

凛「え、え、えー…!!無理だよー!!」パンパパン


凛「ほ、ほっほ…えいっ!」

花陽「凛ちゃんすごいっ!すぐにダンスマスターしちゃった!」

凛「えへへー。これくらいなら楽勝だにゃー」

真姫「うん、これなら本番も大丈夫そうね。で、私はここから後ろに下がるべきだと…」

にこ「いやいやここは前でしょ!ステージが広いんだから云々」

真姫「だからこそ後ろに下がって云々」

にこ「絶対前!」

真姫「後ろ!」

花陽「私は上!!」

にこ「まさかの三択目!?上ってワイヤーでも付ける気!?」

真姫「そうだ!凛はどう思う!?」

にこ「素人同然でもリーダーだし、決めなさい!」

凛「え、えぇっ!?私にそんな重要なこと…」

凛「だ、だだだ…だったらぁー…>>743!!」

下!

凛「下!!」

にこ「四択目!?下って昇降機使うの!?」

花陽「それじゃ退場しちゃってるよ…」

凛「素人にパフォーマンス案求めるのが間違ってるわ!!」

真姫「下…。意外と斬新でアリかも…」

凛「マジで?」

にこ「ないわよ!!」

凛「じゃあどうしろっていうのさ…」

花陽「今日帰ったら私とみっちりお勉強しよ?手とり足とり教えてあげるから、ね?」

にこ「手とり足とり…!エロい…」ジュルッ

凛「か、かよちぃん…」

凛「…勉強とかめんどくさい!」

花陽「そんなの許されないから!凛ちゃんひとり抜けるだけでアネックス1号は大打撃なんだよ?!わかってんの!?」

花陽「みんなの足を引っ張るようなことがあったらそらあもうボッコボコやぞおるぁぁぁっ!!」

凛「ご、ごめんなさい…」

花陽「わかればいいの」

真姫「久々に花陽の裏人格が…」




帰り道


凛「はぁー…、疲れるにゃー。やっぱり私にリーダーは無理だよー…」

花陽「そんなことないよー。アイドルのことさえわかればバッチリだと思うなー」

真姫「まだ初日だしね」

凛「そんなこと言ってー、二人共自分がリーダーになりたくないから私に押し付けたんでしょ!」

花陽「えっ…!」ギクッ

真姫「何言ってるの!本当に向いてると思ったから、凛を推薦したの!ね?花陽」

花陽「そ、そそそそうだよ!わた、私凛ちゃんがうん私そんなんじゃないからね!リーダーやりたくないとか違うから!」

真姫「あ、あなた…」

凛「やっぱりやりたくなかったんじゃん!!かよちんのバカー!」

凛「はぁぁぁ…。厄介事押し付けられただけじゃん結局…」

真姫「わ、私は本心よ!私より、凛のほうがみんなをまとめることができるって信じて…」

凛「今の私じゃ、無理だよ…。昔のことなんも覚えてないんだよ…?」

真姫「いつか思い出せるって!だから…」

凛「どうせ穂乃果ちゃんたちが帰ってくるまででしょ!?だったら私がやる必要なんてないよ!!」

真姫「あなたねぇっ!!私がどんな気持ちで…、…っ!」

花陽「凛ちゃん…」

凛「…かよちんの家で勉強はするよ。でも、こんな私なんかがリーダーなんか…、そもそも、アイドルだって…」

凛「ありえないったらありえないんだもんっ!!」ダダッ

花陽「凛ちゃんっ!!」

真姫「…凛」

真姫「…花陽、あとはお願い。なんとか説得してあげて」

花陽「うん、わかった。最大限やってみるね…バイバイ」スタスタ


真姫「…」

真姫「私だって…」



ラブライブ!(アイキャッチ)



所変わって沖縄


海未「…次こそ」

海未「次こそ勝ちます!!」


ことり「じゃあ私は手札からシャドールフュージョン発動なにか」パチパチ

海未「うぐっ…、何も…」

ことり「デッキの超電磁タートルとドラゴン墓地に送ってネフィリムSSなにか」パチパチ

海未「いえ、何も…」

ことり「墓地に送られたドラゴン効果伏せ破壊なにか」パチパチ

海未「うぐっ…、ミラフォが…」

ことり「墓地のドラゴン除外ワイバースターSS手札のリザードNSエクシーズカステルカステル効果ガンガリディアバウンス」パチパチ

ことり「ダイレクトダイレクトアザッシター」パチパチ

海未「…負けました」

ことり「ガッチャ!楽しいデュエルだったよ!いえーい!」

穂乃果「ガチすぎて引くわ…」

海未「どうして負けるのですっ…!」

ことり「もうそのデッキじゃ勝ち目ないから寝たほうがいいんじゃないかなぁ?ププ…」

海未「」ブチッ

海未「まだまだぁぁぁぁぁっ!!!!この【メタルリフレクトガンガリディア】で勝利を掴むまでは…!」


コンコン


穂乃果「…ん?」


先生「あぁ…、ちょっといい?って何持ち込んでんだお前ら」

ことり「げっ…先公…」

海未「口が悪いですことり…。どうかされましたか?」

翌日

部室


凛「アイドルって最高だね」

真姫「えっ…」

凛「私目覚めちゃったの!これからもリーダーやる!そしてラブライブで頂点を目指すにゃ!」

凛「あ、昨日の振り付けの件だけどねー、あそこはやっぱり前に出てからぁ~…」

真姫「…は、花陽…?どうして凛がこんなことに…」

花陽「えへへ、昨日付きっきりで勉強したら凛ちゃんわかってくれたみたい」

真姫「勉強ってどんな風に…」

花陽「簡単だよ?椅子に手足固定して目を閉じられないような器具を装着して延々とアイドルのDVDをながし続けながら耳元でアイドルソング流して…」

真姫「ワオ、クロックワークオレンジ。むしろ逆効果な気がするわ」

にこ「でもこうなっちゃったわけでしょ…?」

凛「でねー、にこちゃんはもーっとお客さんにアピールしてー…」

にこ「ま、いいんじゃない…?」

真姫「…そうね」


ガチャッ


絵里「…ところがそうもいかないみたい」

希「えっ…!?何が起こるん…!?」

にこ「いきなり入ってきて漫才始める気…?」

絵里「違う!希には説明したでしょうが!」

希「え、そうやったっけ…?覚えてない…」

絵里「…まぁいいわ。一から説明するけど…」



凛「えーっ!!?帰ってこれない!?」


絵里「そうなの、飛行機が欠航になるみたいで…」

花陽「飛行機が結構になる…?つまり飛行機アレルギー的なことになるってこと!?船で帰ろう!」

絵里「そういうけっこうじゃなくて…」

希「雨の日でも決行になるんやったら帰って来れるん違うん?」

絵里「だからそうじゃなくって…、とりあえず3人は帰ってこれないのよ!」

花陽「じゃあファッションショーのイベントは…!?」

絵里「残念だけど…>>752しかないわね」

テロ起こして誤魔化す

絵里「残念だけどテロを起こして誤魔化すしかないわね」

希「お!ドリフト走行で見に来てくれたお客さんをバッタバッタとなぎ倒す?」

にこ「なんて最低な解決方法よそれ?!」

絵里「そ、そんなことするわけ無いでしょ。ひと思いに爆弾か何かで…」

真姫「それの方がヤバいわよ…。何も誤魔化せる気がしないし…」

絵里「じゃあどうしろって言うのよ!?あぁん!?」

にこ「なんでキレてんのよ…」

凛「だったら仕方ない!6人で歌おう!」

花陽「えっ…、そ、そうなっちゃうのかなぁ…」

凛「やるしかないよ!アイドルはどんなときも最高のパフォーマンスをするんだから!にゃんにゃんっ!」

にこ「お、おう…。私もちょうどそんなこと言おうと思ってたのよ…」

希「にこっちのキャラ奪われちゃったね」

絵里「…仕方ないわね。それで、センターなんだけど…」

凛「にゃ?」


凛「にゃぁぁ…!」

花陽「はわわぁぁ…!」

真姫「おぉ…」


絵里「ファッションショーだから、センターで歌う人はこの衣装で、って指定が来たのよ」

花陽「綺麗…!ス・マ・タ…!」

にこ「いやそこはス・テ・キ、でしょ…。スマタって…」

希「女の子の憧れって感じやね。まるでウェディングドレス」

凛「これを着て、歌う…!?私が…!?」

にこ「穂乃果がいないとなると、リーダーの凛が着るしかないでしょ」

真姫「…ま、でも日頃から女の子っぽい衣装着ない凛だから抵抗はあるかもだけど、そこは…」



凛「かっ…、可愛いぃぃぃっ!!!」



真姫「…えっ」

凛「最高だにゃぁっ!!これ、私が着ていいの!?」

希「もちろん」

凛「やるやる!うっわー…、キラキラしてて、可愛い~…!」

真姫「あの、ちょっと…」

花陽「あれ、凛ちゃん可愛い服ってあんまり好きじゃないんじゃ…」

凛「へ?そうなの?私過去の記憶がないからそういうの覚えてないにゃ」

花陽「あ!そっか…」

絵里「え、過去の記憶がない?」

希「どういうことなん?」

凛「え!?あ、違うの!えっとー…」

凛(今更昔の自分を覚えてないとかバレちゃったらこれ着せてもらえないかもしれない…!ここは誤魔化すにゃ!)

凛「>>757ってことだにゃ!」

卍解

凛「卍解ってことだにゃ!」

希「は?卍解…?」

凛「私の斬魄刀の卍解である『架故梠殕呀啼(カコノキオクガナイ)』のことだよ!」

絵里「なっ…!凛、あなた死神だったの…!?」

にこ「なん…ですって…!?」

凛「そう、かつてこの地に降りた死神との不慮の事故により私は死神代行となったの…」

凛「時には尸魂界まで行ってヒロインを救い出したりしてたけどそれはまた別のおはなし…」

凛「ちなみに始解の名前は『呀啼』で改号は『哭き叫べ』だよ」

絵里「なるほどね…。納得したわ」

絵里「…凛は自分設定を考えちゃう痛いコだったってことが」

希「若干引くわ」

凛「うぎゅっ…」

凛(ちょっと傷ついたけど可愛い衣装を着るには仕方ないにゃ!)

花陽「ち、違うよ!凛ちゃんはそんな痛いコじゃない!今のは仕方なく吐いちゃった嘘なの!」

凛「えっ」

花陽「私…、凛ちゃんが痛いコ扱いされてるのが耐えられないからもう、言っちゃうね…。実は…」

凛「ちょーいっ!!だめだめだめーっ!!」

花陽「えぇっ!?だって凛ちゃんそんなキモい設定考えるような性格じゃないじゃない!それなのに絵里ちゃんたちから虐げられるなんて…」

花陽「私そんなの許せないから、だからっ…!」

凛「私が大丈夫なんだってばー!!だから言っちゃ…」

にこ「実は凛はプールサイドに頭をぶつけた衝撃で昔の自分のことを忘れているってことをなんで言っちゃダメなのよ」

凛「あっ…」

絵里「そうだったの!?」

凛「ばかぁぁぁぁぁっ!!!」

希「な、なんやて…!?にこっちに妹が…!?」

真姫「それ前回やった」



屋上


絵里「…まさかそんなことが、ね」

凛「黙っててごめんなさい…」

希「いいんよ。でも、そうなると凛ちゃんにいつもみたいなパフォーマンスを求めるのは難しいかな?」

真姫「…そうかもね。今回のセンターはやめておいたほうがいいかも」

凛「え゙っ…!い、いやいや!いけるって!!」

花陽「うん。ダンスは昨日見る限りだと遜色ないと思う」

にこ「でも、アイドルに必要な技術はダンスだけじゃないわよ?それを全部忘れてる凛にそれが努まる?」

凛「わ、私頑張るからっ!まだ時間あるし、それまでにかよちんにも手伝ってもらって全部覚える!」

真姫「それだと花陽の負担が増えるでしょ。昨日はリーダーも嫌がってたんだし、素直に諦めてもいいじゃない」

凛「昨日と今日の私は別なの!今はあの服が着たいんだって!」

花陽「…私なら大丈夫だよ、真姫ちゃん。凛ちゃんがやりたい、っていうならやらせてあげてもいいんじゃないかな?」

真姫「は、花陽…」

凛「かよちんに負担かけてばっかじゃないもん!ちゃんとリーダーもやる!」

凛「過去の自分を忘れちゃった分、ちゃんと勉強もしてみんなに負けないくらいパフォーマンスも追いつく!」

凛「センターだって臆面なくやるもんっ!だから…っ!」

真姫「臆面ないの使い方は間違ってる気がするけど…。でも凛、今回は本番まで時間も短いし、…ね?」

凛「やーだぁぁっ!!可愛い服着る着るキルラキル!」

にこ「人衣一体!」

花陽「いや乗らなくていいから…」

希「でも実際、衣装は穂乃果ちゃんに合わせて作ってあるから、凛ちゃんだと手直しが必要なんよね」

凛「えぇっ!」

真姫「ほら、言ってるじゃない。手間かけさせちゃうと悪いわよ」

花陽「ま、真姫ちゃん…もしかして…」

希「この中で穂乃果ちゃんに近いとなると…」

真姫「そうそう、穂乃果に近いとなると…」

希「…花陽ちゃん?」

真姫「ズコーッ!」

花陽「わ、私っ!?」

凛「か、かよちぃん…。お願ぁい…、譲って…」

真姫「…穂乃果とバストサイズ一緒なのに…」

花陽「う、うぅん…その…」

凛「凛、どうしてもあの可愛いお嫁さん衣装が着たいのっ!だからっ…!!!」

絵里「…凛がここまでお願いしてるんだから、いいんじゃない?元々そのつもりだったし。やっぱり、凛、やる?」

凛「やるやるっ!!わーいっ!やったにゃー!!かよちんもいいでしょ?」

花陽「あ…えっと…」

凛「ん?どしたの?さっきは私のやることなら応援してくれるって言ってたのに…」

花陽「あ、うん…。い、いい、よね?皆も」

にこ「凛がやる気になってくれるんなら、私は文句ないわよ」

真姫「私は…」

真姫「…えぇ。そこまで言うならいいんじゃないかしら。その代わり、ちゃんと真面目にやりなさいよ?」

凛「わかってるっ!」

花陽「いいん、だよね…?本当に…」

凛「いいに決まってるって!ささ、採寸しに行くにゃー!」

絵里「…決まりみたいね」

花陽「あ、うん…」

今日はここまでにゃー 途中間空いたのは寝てたんじゃなくて持っていきたい方向があってそれを考えてたからだよ
ちなみに途中の斬魄刀の名前には全て口の文字が含まれてるという無駄な凝りっぷり
それじゃあ次回をお楽しみに CROS欲しいけど金がない ほなな

それじゃあやっていくんだぜ
多分すぐ終わる と思う まぁそんなすぐでもないけど

沖縄


穂乃果「…テンキー?ノートパソコンには付いてないなぁ…」

絵里『テンキーじゃなくて天気…』

穂乃果「あぁ、相変わらずだよ。…で、なんの話だったっけ?」

絵里『今週末のイベントの話でしょ』

穂乃果「あ、そっか。大丈夫そう?」

絵里『うん。あ、言ってなかったけどセンターは凛で行くことにしたの』

穂乃果「凛ちゃん?…そっか」

絵里『ん?どうかした?』

穂乃果「うぅん、頑張ってね」ピッ

穂乃果「…」

ことり「ん…?」



部室


凛「ほわわぁぁ~~~…!!」

凛「私綺麗~~~!!」

にこ「熱い自画自賛ね」

凛「だけどこんな可愛い服着たら誰だって言いたくなるよー!ね?かよちんもそう思うでしょ?」

花陽「う、うん…。凛ちゃんすっごい可愛いよ。本番、頑張ってね、応援してる」

凛「任せるにゃー!」

にこ「って、花陽も歌うのよ」

花陽「あ、そっか…、えへへ」

希「軽い手直しで済んでよかったね」

絵里「まだもう少し胸の所絞ったほうがいいかも。さ、あとはやっておくからみんなは練習行って」

真姫「わかったわ。さ、行きましょ」

凛「みんなー!頑張ってねー!!」

にこ「昨日まではやる気の欠片もなかったくせに、急に元気ね」

凛「私はいつも元気にゃー!覚えてないけどー!」

真姫「まぁ、間違ってはないわね」

絵里「こら、動いたら調節しづらいでしょ。よいしょっ…」

希「んー、こんな感じかな?」

絵里「うん、もう少しじゃない…?」



真姫「…」


凛「…ん?えへへ!いいでしょー」


真姫「べっ、別に…」ガラガラ…



花陽「真姫ちゃん…」

その夜

真姫の部屋


真姫「…」

真姫「言えるわけ、ないよね…。あんなに楽しそうな凛見ちゃったら」

真姫「でも、ウェディングドレス、かぁ…」

真姫「…羨ましいな」



凛の部屋


凛「ふふふ、可愛いお洋服~…」

凛「テンションもうなぎ登りで小躍りしちゃうにゃーっ!るんるるんるるーん」トテテテッ

ガッ

凛「にゃっ!?べ、ベットに足がっ…ひゃぁぁんっ!!!」


ズッテーンッ!! ゴチーンッ


凛「ごひゃぁっ!!」

凛「い、いたたたた…。頭打っちゃった…」

凛「…あれれ?」

花陽の部屋


花陽「…それで、結局凛ちゃんが」

穂乃果『そっかー。ごめんね、急に電話して。気になっちゃって』

花陽「うぅん。私も話したかったから」

穂乃果『それで、どうするつもり?』

花陽「うん、よくわからなくて…。きっと気づいてるの、私だけだと思うから」

花陽「でも凛ちゃんも、喜んでるみたいだし…。無理に言ったら可哀想かなって…」

穂乃果『そっか…』

花陽「穂乃果ちゃんだったら、どうする?」

穂乃果『え、あ、ごめん聞いてなかった』

花陽「…おい」

穂乃果『…まぁでも、それは花陽ちゃんが決めること、だよ』

花陽「え?」

穂乃果『そう言ってれば大抵はデキる先輩っぽく聞こえるから』

花陽「聞いた私がバカでしたさよなら」ピッ

花陽「はぁ…。どうすればいいんだろう…」


ピリリリ… ピリリリ…


花陽「あれ、また電話…」

花陽「今度は…凛ちゃんから?」

ファッションショー会場


キャーカワイイネー ワーワー


花陽「すごいね…」

真姫「さすがモデルね…」

にこ「そ、そうね…」

凛「にゃー…」


希「凛ちゃん、そろそろ準備せんと」

凛「あ!うん!」



一方その頃絵里


スカウト「気が向いたらでいいから連絡して」

絵里「モデル…!?私が…」

絵里「…モデルって妹にモテますか?」

スカウト「はぁ?」



楽屋


凛「じゃあみんな!着替えて最後にもう一度、踊りを合わせるにゃ!」

一同「うん!」


花陽「凛ちゃんの衣装そっちね!」

凛「わかってるにゃー!」

花陽「…で、真姫ちゃんがそっち!」

真姫「はいはい」


真姫「…」シャッ

真姫「…え?」


真姫「なんで私の所に、ドレス…?」


真姫「花陽、間違って…」

真姫「え」



花陽「間違ってないよ」

凛「真姫ちゃんがそれを着るんだよっ!」

真姫「な、何言ってるのよ!?センターは凛で決まってたじゃない!?それで練習もしてきたし…」

絵里「大丈夫よ。ちゃんと今朝、みんなで合わせてきたから。真姫がセンターで歌うように」

真姫「そ、そんな…。冗談でしょ?」

にこ「冗談で言ってると思う?」

希「ふふっ」

真姫「で、でも…。あんなに凛が楽しみにしてたじゃない…」

花陽「真姫ちゃんっ。私ね、真姫ちゃんがどんな子か、春からずっと一緒にいたからわかるの」

花陽「自分のやりたいことから、遠慮して一歩引いちゃう子だって」

真姫「な、誰がっ…」

凛「真姫ちゃんは優しいから、凛がやりたいっていうことに反対はしづらかったんだよね?」

凛「ホントは誰よりも、お姫様に憧れてるくせに」

真姫「凛…。そ、そんなこと…」

花陽・凛「「そんなことあるっ!」」

花陽「だって真姫ちゃんは目立ちたがりで!」

凛「でも意地っ張りで!」

花陽「それでも最高に可愛くて!」

凛「凛も抱きしめたいくらい可愛いって思ってるもんっ!」

真姫「ふ、二人とも…」

花陽「見てみてよ、あの衣装」

真姫「…」

花陽「一番似合うよ、真姫ちゃんが」

凛「ね?」


トンッ


真姫「あっ…」

真姫「…」ゴクリッ

舞台


「…」


ライトパッ


真姫「…」


ウワーカワイー


真姫「は、初めまして…。音ノ木坂学院スクールアイドル、アネックス1号です…」


キャワウィー!!


真姫「か、可愛い?ふふんっ、でっしょー?」



絵里「ハラショー…」

凛「可愛いよー…」



真姫「でも、ありがとう。あの、本来はメンバーは9人だったんだけど、今日は都合により6人で歌わせてもらうわね」

真姫「でも…」


真姫「残り3人の思いも込めて歌います…!」

真姫「それじゃあ!」

真姫「一番可愛い私たちを!」

真姫「いえ、一番可愛い私を、見ていってください!!」



http://i.imgur.com/1ZN34Lz.jpg

後日

屋上


花陽「真姫ちゃん、喜んでくれたみたいでよかったー」

真姫「ん、ま、まぁね…。着たかったのは確かだし」

真姫「…でもどうして急に?凛はあんなに楽しみにしてたじゃない」

花陽「じ、実は…」


バタンッ

凛「じゃじゃーんっ!どうどう?」


真姫「り、凛っ!?どうしたのその練習着…」

凛「えへへー。凛、やっぱり可愛いのに目覚めちゃった的なー?真姫ちゃんがあんなに可愛いと対抗意識燃やしちゃうにゃー!」

真姫「対抗…?って、そういえばあなた、自分のこと『凛』って…」

真姫「まさか、記憶が!?」

花陽「うん…。本番前日に部屋で転んで頭打ったら…ね」

凛「すっかり可愛い衣装着るのが恥ずかしくなっちゃってー、焦ってかよちんに電話かけたんだよねー」

花陽「それで、真姫ちゃんも着たがってるから真姫ちゃんに着せてあげようってことになって…」

真姫「そ、それってつまり…!自分が着たくないからって押し付けたってことぉ!?」

凛「そうとも言うね」

真姫「このっ…!」

真姫「バカァァーーーーーーッ!!友情を感じた私がアホみたいじゃないっ!!」

花陽「わ、私はちゃんと着たがってるってわかってたから…」

凛「うーん、でもあの衣装も惜しかったにゃー。今になって後悔してきた」

真姫「う、うるさいっ!そんなに着たかったら…」

真姫「現在好評発売中のラブライブ!2期のBD3巻を購入すればいいわっ!」

凛「宣伝乙にゃ」




うろライブ! 第五話

おわり

真姫「ふふ、第五話、どうだったかしら?」

凛「ま、まさか…!凛が主役のお話という事実が捻じ曲げられただと…!?」

真姫「何が起こるかわからないのがうろライブ!だと、そう言ったでしょう?」

凛「あれが伏線だったとは…」

真姫「というわけで今回のお話のコンセプトは『花陽と凛はドレス着てるのに私だけ着てないなんて不公平だわ!』よ」

凛「今回は安価によるギャグよりそのコンセプトを重視したストーリーメインだったからギャグは少なめだったね」

真姫「特に最後は安価一切なしで進めちゃったからね。その分次回はメチャクチャしかできなさそうだし、バランス取れるでしょう」

凛「ちなみに途中挟まったアナログ絵は…」

真姫「ドレスを着ている私を画像として残したかったからね。画用紙に色鉛筆だから雑なのは許して」

凛「誰かリメイクしてくれてもいいんだよ」

真姫「じゃあそろそろ次回の忘却を決めましょう!もう3つのうち1つ有効活用できればいいやくらいに考えておくわ!」

凛「正直でよろ…しくはないけど、ハマるかどうかは決めてからでないとわからないからね…」

真姫「で、その3人は誰にするかというやつなんだけど…」

凛「次回は本当に誰もピックアップされてないから決めようがないにゃ」

真姫「というわけで困ったときのコンマ以下ルーレットにするわ」

真姫「ただ二つ同時はめんどくさいから今回はかぶっちゃったらその次の数字の人ってことで」

凛「じゃ、そのくらいかにゃー?」

真姫「今回の西木野☆星空シアターはここまで!」

凛「次に主役に仕立て上げられるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」



安価先のコンマ以下一桁が

1 穂乃果
2 海未
3 ことり
4 真姫
5 凛
6 花陽
7 にこ
8 絵里
9 希
0 全員


一人目の忘れること >>777

二人目の忘れること >>778

三人目の忘れること >>779

忘れるということを忘れる

断るということ

かよちんもともと漢字読めないキャラだったのに更に忘れちゃう…
あとごめんだけど忘れるということは過去にも出てる上に海未ちゃんで被ってるから再安価な

一人目の忘れること >>782

絵里を忘れる

うわぁぁぁホントだぁぁぁ
設定はこっちでも覚えきれてないのでこんなミスをやらかしたりします
ちゃんとまとめて戒めにせねば…

お久しぶりです。ここ数日旅行に行ってて書けませんでした。
希に忘れることを忘れる安価を取りたいとの旨ですが、下でも言われてるように同じ内容じゃつまらない、
とまでは言いませんが、なるべく一期一会というか、同じ道をたどるよりいろんな方向性を求めていきたいのでナシでお願いします。
そして設定まとめが欲しいと言われていたので自分でも曖昧な設定を軽くまとめてみたよ。
忘却の7割くらいはうまいこと活かせてない気がするけど、…うん、申し訳ない。技量のなさが生んだ結果です。
忘却の中には物語中で思い出したものや再び習得したものも含まれます。


うろライブ!キャラ設定的なもの


穂乃果

一番ポンコツにされた子。基本的にボケで大体のことを忘れている。
アイドルをやる理由は目立ちたいからが8割。でもやれば出来る子なんです。
忘却:帰る場所 絵里


海未

長台詞を言おうとするとやる気をなくす。よくあるほのキチな海未ちゃんでもある。
脱力系ツッコミが売り。
忘却:忘れるということ 


ことり

ボケともツッコミともつかない微妙な立ち位置。正直扱いに困る。強いて言えば暴言キャラ。
安価で口調を変えられることが何故か多いがことりから口調を奪われるとキツイ、まじ☆勘弁。
忘却:礼儀を忘れてヤンキーっぽい口調になる


花陽

漢字読めないキャラ。説明セリフが多いこともあるのでそういうのはよく忘れる。
アイドルのことになるとべらんめぇになったりもするんだよ。
忘却:ロボ子の存在 羞恥心 漢字




みんなをdisる。そして反撃されて痛い目を見る。
アホ成分はマシマシだけどこの中ではそこそこに常識人な気がする。
忘却:過去の自分についての記憶


真姫

1期では強烈な妹キャラだったけど2期は特にそんなこともない。
書いてる人の趣味により度々目立つポジションになるかも。
忘却:日本語 星空という名字を忘れて、自分の名字を遠坂だと思い込む


にこ

百合厨。最近はもはや女好きな領域。
ツッコミ的立ち位置のはずがツッコミ量は少ない。
忘却:A-RISE 帰る家 断ること


絵里

メインツッコミ。一番の常識人だけど時々壊れる。あと真面目なセリフは噛む。
重度のシスコン。きっと亜里沙が絡んできたらえりちの素敵な姿が見られるはず。
忘却:ハラショー




前作のキーパーソンだったけど今のところそうでもない。
1期で積み上げたアホ成分が少ないせいでいまいち振り切れないこれまた扱いに困るキャラになってしまった。
忘却:記憶の思い出し方

あとこれ


綺羅ツバサ

惚れ薬のせいで穂乃果スキスキになってる。
それ以外は普通。


統堂英玲奈

真面目なこと言う時はカタコトになる。
それ以外は普通。


優木あんじゅ

普通。



これくらいかな
じゃ、こんな時間だけどほんの少しだけもしライブ!を書いていきます 多分1時間ほど
間空いたけど振り返りとかするつもりはないので前回を思い出せな

い方は遡って読んでくださいね

コピペミス

翌日 月曜日 放課後

音楽室



ことり「皆、揃ってるわね?」


真姫「…誰の真似?」

ことり「あら真姫。これはあなたの真似よ。オホホホホ」

花陽「に、似て…ないっ!」

ことり「えー、ひどい」

真姫「純然たる感想だと思うわ」

ことり「でもでも、だってほら、ちょうどこの状況、先週の金曜日と同じだよね?」

花陽「あー…、確かに」

真姫「海未がいないことを除けばね」

ことり「んふふー、もうこの音楽室が部室みたいになっちゃってるねー」

花陽「いつまでもここを使うわけにはいかないんですけどね…」

真姫「で?わざわざことりが私たちを集めてまで話したかったことって何よ?」

ことり「ふふふふふ…、それはね?」


ことり「海未ちゃんをスクールアイドルに勧誘する方法だよっ!」


花陽「お、おぉぉっ!!?ことりさん、思いついたんですか!?」

ことり「うん、昨日寝る前に」

真姫「へぇ…、意外とあっさり思いつくのね」

ことり「昨日の秋葉原巡りが私にアイデアを与えてくれたの!」

真姫「それで、どんなアイデア?」

ことり「海未ちゃんにアイドルをやらせるためにはまず、海未ちゃん自身にアイドルをやりたい、って思わせることが大事って真姫ちゃん言ってたよね?」

ことり「そして昨日私は秋葉原の今まで見たことのなかった面を、実際見ることによって知ることができて、興味を持つこともできた」

ことり「だから、海未ちゃんにも見せてあげるの!」

ことり「本物のスクールアイドルを、間近で!そうすれば海未ちゃんも興味を持ってくれるはず!」

花陽「そ、それってつまり…?」

ことり「つまり…」



ことり「あのメイドカフェを、私たちの初めてのライブの舞台にしようってこと!」

花陽「えぇぇっ!あ、あのメイドカフェで…!?」

ことり「ダメかな?」

ことり「海未ちゃん、アイドルの真似事はしてても真面目にスクールアイドルのライブを見たことはほとんどないだろうし…」

ことり「A-RISEのPVは見てるだろうけど、あれだけ上の存在から何かを学べ、って言われても難しいかも知れないし…」

ことり「じゃあ私たちが海未ちゃんの目の前で歌って踊って、スクールアイドルって本当はこういうものなんだよ、って示してあげれば…」

ことり「昨日の私みたいに、アイドルに対する興味が湧いてくるかもしれない、って思ったんだ」

花陽「な、なるほどぉ…。確かに一理あるかもです」

花陽「でも、あそこは…歌うくらいのスペースしかないですし、ダンスをするとなると…」

ことり「あー…、そっかー…。お店の中でやるのは難しいかも?」

ことり「じゃあダメかなぁ…」

真姫「…いえ、アリかも」

ことり「ホント!?」

花陽「えぇっ!でも真姫ちゃん、広いとは言えないお店でアイドルをするのはお店側にも迷惑じゃ…」

花陽「あ、それとも店外でゲリラライブ、って形にするのかな?それなら踊るスペースも…」

真姫「うぅん、そうじゃない」

真姫「海未に見せつけるなら…、全く同条件のほうがわかりやすいわ」

真姫「本物と偽物の違いをはっきりさせつつ、アイドルの楽しさを理解させるためにはね」

花陽「に、ニセモノ…。海未さんのアレをそう表現しちゃうんだ…」

ことり「だけど肝心のお店の広さの問題はどうするの?バタバタ踊って埃を立てるのはいけないよね」

真姫「それなら問題ないわ。今回の曲は激しい曲じゃない」

真姫「小さく可愛らしい振り付けなら店の広さは関係ないし、間奏や歌ってる最中にお客さんに近づいたりすればアイドルらしさも表現できるでしょ?」

花陽「なるほど…。海未さんに足りていない、お客さんへの感心、だね」

真姫「そう。見る人を喜ばせる、アイドルの本質とも呼べる部分だわ」

ことり「あ、じゃあ大丈夫かな?私の案、いい感じ?」

真姫「えぇ、いい感じよ!あとはお店から許可が出れば、の話だけど」

ことり「わ、私交渉してみるね!」

真姫「お願い、あとは…」

花陽「…」

真姫「…花陽?」

花陽「えっ?な、何かな…」

真姫「いえ、ボーっとしてたから。もしかしてまだ、不安なことある?」

花陽「え、あっ…、うぅん。なんでもない」

花陽「いざライブをするのかぁ…、って思うと緊張しちゃっただけ。うん、いつかしないといけないんだもんね」

花陽「わ、私も頑張るよ!海未さんにアイドルの素晴らしさ、伝えなきゃ!」

真姫「えぇ、その調子よ!さぁ、じゃあそうね…」



花陽「…」

花陽「…でも、なにか…足りないような…」

真姫「そうね、ついに歌の練習が必要になってくるというわけよ」

ことり「そうだね!」

花陽「う、うんっ…!」

真姫「…」

真姫「どうする?」

ことぱな「「えっ」」

真姫「歌う場所…、このままじゃ借りられないんでしょ?部活じゃないと」

花陽「あー…、そうだね。音楽室は…」

ことり「じゃあ他のところとなるとー…」

真姫「…めぼしいところは皆他の人たちが使っていたわ。時々空いてることもあるけど、毎日練習する私達にとっては…」

ことり「意味がない、よね…」

花陽「でも新しい部活をするとなると…」

真姫「人が足りない、でしょ?…はぁ」

ことり「そっかー…。その問題もあるん、だよねー…」

花陽「やっぱり、学外で練習する?公園とか…」

真姫「そこは公民館とかでないと、近所の迷惑になるわ」

ことり「でも、そういうところって毎日借りようとすると…」

真姫「…お金がかかるわね」

花陽「わたしたち、そんなに持ってないよぉ…」

ことり「私も…」

真姫「私も、今はね…」

花陽「う、うーーーーーん…意外と難しい問題?」

ことり「部活に入ってさえいれば音楽室は借りられるのに…」

真姫「部活、ね…」


真姫「どこか既存の部活に入ることができれば…」


ことり「…」

花陽「既存の部活?」

真姫「えぇ、それなら5人いなくても平気でしょ?入部するわけだし」

ことり「…ん?」

花陽「でも…、それってつまり部で借りる、ってことでしょ?例えば吹奏楽部に入部したとして…」

花陽「吹奏楽部名義で音楽室借りて、本来の吹奏楽部はホールで、私たちだけ音楽室、っていうのは…無理なんじゃないかな?」

真姫「あー…、確かに」

花陽「それに私たちのやることってアイドル、だよね?その活動に適した部活でないと意味ないんじゃないかな…」

花陽「私たちだけアイドルやります!っていうのも、部活動やってるとは言えないし」

真姫「そうね…。正論すぎるわ」

真姫「はぁ…。アイドル関係の部があれば話は簡単なんだけど…」

花陽「あはは、アイドル関係の部なんてそう都合いい話が…」



ことり「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」

まきぱな「「!?」」

真姫「ど、どうしたのよ…」

花陽「いきなり大きな声だして…、先生に見つかっちゃいますよ!?」


ことり「あ、あるよっ!!あるんだよっ!」


真姫「…何が?」

花陽「何があるんですか?」



ことり「アイドル関係の部がっ!」



まきぱな「「えぇっ!!?」」

真姫「それ、本当なの!?」

花陽「アイドル関係の部…!?あるんですか!?」

ことり「うん!…たぶん!」

真姫「た、たぶん…?」

花陽「随分とあいまいですね…」

ことり「だ、だって…聞いたのは穂乃果ちゃんの口からだけだし…」

ことり「UTXの数ある部活を全部把握しているわけじゃないから、今も残ってるかは知らないけど…」

ことり「確か昔、穂乃果ちゃんが言うには…」



(穂乃果「うん!聞くところによるとね、2年の先輩がやってる…、アイドルなんとか部?ってところが学校に提案したみたいで…」)



ことり「スクールアイドルを運営するところに直接進言しに行った部活…だったっけ?」

ことり「かつてのA-RISEの制度を改変して、今のバックダンサーも育てる制度にした…」

花陽「そ、そんな部が…?初めて知りました…」

真姫「それ、私も聞いたことある。そんな部活があるとまでは聞いてなかったけど」

真姫「花陽はこういうこと目ざとそうだけど、知らなかったのね」

花陽「うん、UTXでアイドルといえばA-RISEとアイドル専攻、ってイメージだったから。それ以外は露とも…」

花陽「でもその、アイドル…なんとか部?なら、お願いすれば入部させてくれるかも!アイドル活動も、部活動として認定されそうだし!」

真姫「そうね。早速…」

ことり「あ、でも…」

真姫「うん?まだ何か?」

ことり「…その部活のこと、最近は全く何も聞かないから残ってるかどうか…」

ことり「もしかしたら廃部になってる可能性だって…」

花陽「えぇぇぇぇ…、そんなぁ…」

真姫「せっかく見つけたのにそれは困るわね…。でも、行ってみないとわからないわ」

ことり「…そだね。期待せずに、行ってみよう」

真姫(正式な部にはそれぞれ、部室が用意される)

真姫(部員の数や大会等の成果などにより部室の大きさは多種多様だけど、ない、ってことはないみたい)

真姫(電子生徒手帳に記載されている部の紹介ページから、私たちはそのアイドルなんとか部を探した)

真姫(メジャーな部活からマイナーにも程がある部活まで、大小さまざまな部活たちをくぐり抜け)

真姫(やっと見つけた、『アイドル』が名前に冠してある部活)

真姫(その名は…『アイドル応援部』)

真姫(紹介ページに載ってある部室のある場所の情報を得て、私たちはついにそこへたどり着いた)

真姫(はず、なんだけど…)



アイドル応援部前


真姫「こ、これが…」

花陽「部室…?」

ことり「ちっさ」

真姫「い、言っちゃダメよ…。敷地的には女子トイレと何ら変わりないけど!」

花陽「真姫ちゃんもひどいこと言ってる!」

ことり「だってこれ…、隣の教室と教室の間に偶然出来ちゃったスペースを部室にしてみましたって感じだよ!?」

真姫「言い得て妙だわ」

ことり「それに…、部名の表札も寂れてるし…。長らく使ってないよ、これ」

花陽「うぅ…、ホントです…」

ことり「多分、何か理由があって廃部になってないだけの誰もいない部だと思う」

ことり「入部にはその部の部長の許可が必要だから、もうやる気もないその人に言ったところで…」

花陽「入部できない、ってこと…!?」

ことり「…多分ね。試してみないことにはわからないけど、でも…」

真姫「可能性は薄い、か…」

ことり「とにかく、部長さんを探そ。職員室に聞きに行けば誰が部長か、わかると思う」

花陽「そうですね!なんとかして説得して…」

真姫「あ、その前に…、部室の中がどんな風になってるか見てみてもいい?」

ことり「え、無理だと思うけど…。使ってない部室は鍵がかかって…」


ガチャッ


ことり「…え?」

真姫「空いてる…?」

ことり「施錠のし忘れかな…?」

真姫「いいわ。とりあえず中に…」

ギィィィ…


木の軋む音と共に扉を開き。



中を覗き込んだ私たち。



そこにあったのは。



殺風景な小さな部屋の中に、デスクがひとつ。



その上には写真立てが置いてあり。



そしてそのデスクに座る人影が、一人。



それはみんなのよく知る人で。



そして、私のよく知る人でもあって。



でも、どうしてそこにいるか、わからない人でもあった。



ハテナが頭にいくつも浮かんでしょうがない、そんな私たちを見かねて彼女は。



ゆっくりと、口を開き、こう言った。









希「アイドル応援部へようこそ」

希「部長の、東條希、やよ」

今日はここまで
次回をお楽しみに! ほなな

正直ここが4話で一番ピークだよ
じゃ、続き行きますか

多目的ホール


「ワンツースリーフォー…」パンパン…


穂乃果「はぁっ…、ふっ…!」


「はい、じゃあここでひとまず休憩ね。水分補給を忘れずに」

「それと…、穂乃果。少しいい?」


穂乃果「…なんですか?」


「何か嫌なことでもあったのかしら?」

「先週末から笑顔が減っていっているわ」


穂乃果「嫌な、こと…?」

穂乃果「…」



(ことり「私、A-RISEの衣装やめる」)

(ことり「これで…もう友達じゃなくなっちゃった」)



穂乃果「…別に」

穂乃果「何もありませんよ」


「私に嘘を言うつもり?毎日練習を見ているんだから多少の変化くらいすぐわかるのよ」

「不機嫌な理由があるはずよ。言いなさい」


穂乃果「…本当に、なんでもないんですけど」

穂乃果「あ、でもあれかな。なんでも一年生が自主的にスクールアイドルを始めるって聞いたから」

穂乃果「それで苛立ってたのかも」


「自主的に、スクールアイドルを…?」

「それ、誰が?」


穂乃果「確か…、西木野さん?西木野…、真姫、って名前だったと思います」



「っ…!西木野、真姫…!」

「へぇ…、そう…。そう、なんだ…」


穂乃果「…?知ってるんですか?」


「まぁ、ね。ありがとう、面白いことを聞けたわ」

「今度、実際に会って確かめてみたいわね。…フフフ」

アイドル応援部


真姫「なっ…!」


真姫(念のためと思ってドアを開けたアイドル応援部の部室)

真姫(そこになぜか、私の知っている彼女が…)

真姫(泣く子も黙る元生徒会長サマがふんぞり返っていた)


真姫「の、希っ…」

花陽「生徒会長!?あ、元…」

ことり「東條先輩…っ!?」


希「ん、正解。うちは希で元生徒会長で東條先輩やよ」


真姫「そ、そんなのわかってるわよ!聞きたいのは…」

真姫「どうしてあなたがここにいるのかってこと!」

真姫「まさか、さっき言ってたこと…マジなの…?」


希「そう、マジ。うちは東條希、元生徒会長でありながら…」

希「アイドル応援部初代部長でもあった。どう?びっくりした?」


真姫(びっくりなんてものじゃない)

真姫(この世界に来てから私は驚かされっぱなしよ)

真姫(何がどうまかり間違ったら、希がアイドル応援部とかいう部に入部するというのか)

真姫(しかも、部長、だなんて…)


花陽「…ん?今、初代って…。ということは…」

ことり「もしかして東條先輩が立ち上げたんですか?このアイドル応援部…」

真姫「ハァッ!?え、嘘っ…!?」


希「まぁ、そういうことになるかな?若気の至りってやつよ」


真姫「」

花陽「ま、真姫ちゃんが驚きすぎて白目むいてる…」

ことり「ていうか真姫ちゃん東條先輩と知り合いだったんだ…」

希「はいこれ。粗茶になります」ストッ

花陽「あ、ありがとうございます」

ことり「おかまいなくー」

真姫「…」ブスッ


真姫(私たちが部室に訪問したということで、立てかけてあったテーブルをパイプ椅子を並べて、客人として扱われることとなった)

真姫(部長自らお茶を出してくれたわ。まぁ、部長しかこの部室に部員がいないんだから当たり前だけど)


真姫「…」ズズッ…

真姫「…ぬるい」


希「でー…。どこから説明して欲しい?」

真姫「最初からよっ!当たり前でしょ!」

ことり「真姫ちゃん、先輩なのにあたりが強いね…」

花陽「なんでも物怖じせずに突っかかれるのが真姫ちゃんのいいところなんですよ、…おそらく」

希「最初からか…。つまり18年前…」

真姫「生まれたときからはいいわっ!あなたがこの学校に入って、この部活を立ち上げた経緯!」

真姫「その説明をお願いしたいの!」

希「もー、始めっからそう言ってくれればいいのにー」

希「せやねー…、じゃあなんでうちがこの部を作ろうかと思ったか、から行こかな」

希「うちはもともと、親の仕事の都合で中学生くらいまでは各地の学校を転々としてたんよ」

希「それで仲のいい固定の友人が少なくて、趣味の合う子を見つけるのも一苦労やった」

希「高校からは東京に一人暮らしすることになって、もう転校することもなくなったから」

希「何か、共通の趣味を持つ友人が欲しいな、ってなんとなく漠然と考えてはいたんよ」

希「そしたらね、うちは見てもたんよ」

希「それまで興味のなかった、スクールアイドル。先々代のA-RISE」

希「UTXに入学して初めて、間近で彼女らを見たとき、うちに電流が走った」

希「その瞬間に、うちが青春を賭けるべきものはこれや!って思った」

希「でもうちは芸能科じゃなかったし、アイドルも自分でやりたい、とまでは考えてなかった」

希「だけど、何らかの形で彼女たちを応援したい!アイドル活動をするお手伝いがやりたい!」

希「そんな考えの子はうちのクラスだけでもたっくさんいて…、その子の友達にもいっぱいいて」

希「だったら…、そんなにいっぱいいるんやったら、できるんじゃないかって思って」

希「たくさんの友人が欲しかったうちは、人伝いにその子達を集めて結成しようって呼びかけた」

希「このUTX学院の誇るスクールアイドルグループ、A-RISEを応援する部活…」

希「そう、アイドル応援部を作ろうって!」

希「それが、この部活ができた顛末なのだ!デデンッ」

真姫「いや顛末って…結局人は集まったの?」

希「もちろん!上級生も巻き込んで、結構な数が集まったよ!」

希「ただ話題性だけで集まったようなものやし、一気に部員がたくさんいてもまとまらないな、って思って」

希「最初はうちと初めに話を持ちかけた数人、それと…初期に集まった子達を含めた何人かで部を立ち上げたんよ」

希「で、部を立ち上げるためには部長を決めないと、ってなって、最初に言い出したうちが部長に任命されたってわけ」

希「まぁ、普通に盛り上がるより面倒なことが多かったから、部長を押し付けられた、って言うんが正しいかもね」

花陽「あー…、なるほど」

希「部長ってこともあって、部を設立してからスクールアイドルの運営に交渉するのはもっぱらうちの役目」

希「スクールアイドルのお手伝い、何かできませんか!?って詰め寄ってんよ」

希「そしたら向こうは、自主的にやってくれるならこれほど嬉しいことはない、みたいなことを言ってすんなり任せてくれて」

希「それまでは運営側で用意してた舞台の設置とか色々をうちらアイドル応援部に任せてくれることになったんよね」

ことり「へー…、意外と大事なことやってたんですね」

希「せやよー?一番勢いのあるときなんか、A-RISE候補生の体調管理やら筋肉の状態までも把握するようになっていって…」

希「うちもそのためにいっぱいいっぱい勉強したんよ。そのおかげで、今じゃ汗の臭いで心理状況を把握できるようにまでなれたわ」

ことり「そんなこともできるんですか!?」

希「うん。意外と出来るものやよ?カウンセリングも得意やし」

真姫「あっ…!そういえば前もそんなことを言っていたわね…!てっきり冗談だと思ってたら…」

希「ふふ、真姫ちゃんの汗の臭いも度々嗅がせてもらってたしねー。どんな心境か手に取るようにわかったわー」

希「ま、それは置いておいて…。それから徐々に人を増やして、裏方として活躍もするようになって…」

希「スクールアイドル運営にも関われるほど評価されたこともあってね」

花陽「はわぁぁ…!そんなすごい部活だったんですか…!」

真姫「…で、そのすごい部活がどうして」

真姫「こんな小さな部室に収まっているかの理由は、教えてもらってもいいのかしら?」

花陽「…あ。そ、そっか…!」

真姫「まさか、全盛期もこんな部室だったわけじゃないんでしょう?」

希「うん…。そうやね」

希「いいよ。教えたげる。って言っても、これは色々と複雑な理由も入り混じってるから説明がややこしいんやけど…」

希「まぁ、一言で説明するならこうかな」


希「喧嘩別れ、やね」


ことぱな「「…っ!」」

真姫「…あなたも、なのね」

希「アイドル応援部はあまり表立って評価されるような部活ではなかったけど」

希「運営からは確かに信頼の厚い部でもあった」

希「そんでね。うちはA-RISE候補生の子たちの面倒を見ていくにつれて胸にある思いを抱くようになった」

希「この子たちはこんなに頑張ってるのに、その大半が誰にも見られることなく終わっていく」

希「数少ない『A-RISE』って称号を手にした子も、活躍するのはわずか1年の間のみ」

希「それじゃ、もったいないって」

真姫「ま、まさかっ…!あなたの言っていた、『運営に新案を提唱した生徒』って…!」

希「そう。うちや」

希「アイドル応援部を設立して約1年、運営との信頼も厚いうちだからこそできた提案」

希「最初は、A-RISEのメンバーを増やそう、みたいなことやってんけど」

希「すったもんだあって、今のバックダンサー制度に落ち着いたんよ」

真姫「そう、だったのね…」


真姫(最初に希の家に泊めてもらったあの夜)

真姫(彼女からA-RISEにバックダンサーがついている経緯を教えてもらってはいたけど…)

真姫(確かにあの時、関わってないにしては詳しすぎる、とは思ってた…)

真姫(なんてこと、関わってないどころじゃない。希はかつて、A-RISE運営の中枢にいたんだから)

真姫(A-RISEがそうなった顛末に詳しいのも当たり前だったってことね…)


希「そんで、そこまでならこじれることのない、普通のお話よ」

希「問題はここから」

希「バックダンサー育成に関して、運営はうちらに全権を一任した」

希「好きなようにやってもらっていい。ただし、評価はさせてもらう、って条件で」

希「バックダンサーの本格的な始動は来年の五月、それまでにA-RISEにも負けないほどの実力のある候補生を育てろ、って言われた」

希「最初は応援部一丸となって、一つの育成方法で頑張ろう、ってことになってたんやけど」

希「失敗は許されない初めてのゼロからのスタート。評価されなければうちらの努力も水の泡」

希「そんな状況でひとつの道しか作らないのは危険だってことになって」

希「いくつかの育成方法に別れて、候補生を何人かのグループに分けて、それぞれの育成法を試していった」

希「うちもそんな中のひとつだったけど」

希「でも…、うちの方法は評価されなかった」

希「評価されたのはたった一つ」

希「今の、候補生の育て方だけやってんよ」

ことり「今の方法って…」

花陽「つ、つまり…、私も体験した、あの方法、ですよね…?」

真姫「…才能を食いつぶし、さらに才能あるものの糧とする」

真姫「そんな、残酷なやり方」

希「…ふふ、真姫ちゃんもそんな感想持っててんね」

希「うちも、そうだった」

希「誰が評価されても恨みっこなしで、って、そう言って始めた方法だったけど」

希「うちはそのやり方だけは許せなかった」

希「どうして…、どうしてアイドルを育てるために、誰かが涙を流す必要があるのか」

希「好きだったものを、大嫌いと言わせてしまうくらい、人を変えてしまうそのやり方に」

希「どうしてもうちは、納得できなかった」

希「だから言い寄った、詰め寄った。いくら評価されてても、それはやめてと」

希「そしたら、その育成法を用いた、うちのかつての友達はこう言い放った」

希「『素人同然の人ゴミから短時間で輝くものを見つけるには、こうするしかないでしょう?』」

希「『全部を対等に育てるのなんか、労力の無駄』」

希「『他の栄養を吸えば、それだけ才能は大きく花開く。強い花であればあるほど』」

希「『ならそのために、その他大勢の才能を犠牲にすることの、なにがいけないの?』ってね」

真姫「…っ!」

希「…うちね。その子のこと…、そんな子やって思ってなかったから」

希「最初は唖然として、何も言えなくて」

希「その次に、そんなことを言われたことのショックが大きすぎて、泣いてしまって」

希「最後に…、怒りを全て、平手に込めて。思いっきりその子をビンタした」

希「叩かれた方は、冷たい目でうちを一瞥して、それっきり。何も言わずに去っていった」

希「それから、かな…。アイドル応援部が瓦解し始めたのは」

希「その子以外の方法は軒並み評価されず、残ったのは数少ない強い才能を特化して育てるその方法だけ」

希「今はA-RISE候補生の練習の全権を、彼女一人が任されている」

希「今やアイドル応援部にあった信頼は、全部その子に」

希「アイドル応援部に所属してなくても、彼女の一声さえあればA-RISEに関わることができた。むしろアイドル応援部に入ってない方がしがらみが少ない」

希「そういう経緯で、応援部からはどんどん人が減っていった。最後に残ったのは、この小さな部室と…うち、だけ」

希「これが、アイドル応援部栄枯盛衰の物語。その全て、かな」

希「…何か質問は?」

ことまきぱな「「「…」」」

希「ない?」


真姫(彼女の話した、この部の始まりから終わりは)

真姫(私たちが想像していたよりも壮絶で)

真姫(呆気に取られた私は、しばらく考えることすらできなかった)

真姫(ようやくして、花陽が口を開いた)

花陽「…すごい、話、ですね」

希「ふふ、せやね。ここ2年が、うちの人生の中で一番濃厚やったかも」

希「そりゃまぁ、嫌なこともあればいいこともあって、今となればなかなかの思い出だったよ」

花陽「あの…、その、練習が評価された人、って…、今A-RISE候補生を取り仕切ってる人、なんですよね…」

希「うん、せやね。厳しかったでしょ?」

花陽「はい、とても…。怖くて、逃げ出しちゃいました…」

ことり「あぁ…、あの人かぁ…。確かにとても綺麗な人だったけど、不良なのかな、って驚いちゃった」

真姫「不良?そうなの?」

ことり「うん、だって…」

ことり「髪の毛、びっくりするくらい金色に染めてたから」

真姫「金髪?」

ことり「あの金色は長年染めてるんだろうなぁ、って感心しちゃったよ。印象に残ってる」

花陽「あ、そうですね。私もそれはびっくりしました。でもあれって…」

希「あれは自毛やよ」

ことり「えっ!?そうなんですか!?」

希「うん、彼女…、クォーターやから」


真姫「…っ!?」


花陽「へー…、クォーター…」

真姫「待って!く、クォーターって…」

ことり「金髪って劣性遺伝だから遺伝しづらいはずなのにすごいなー」

真姫「そんなことどうでもいいのよっ!!金髪、クォーターってま、まさか…」

希「あぁ、真姫ちゃんは会ったことあるんだよね。確か…」

真姫「ねぇ!名前…!その人の名前、教えなさいよっ!」

希「…?真姫ちゃんも知ってると思うんやけど」

希「その子の名前は…」



希「絢瀬絵里、やよ」

真姫(この世界で最初に出会った頃から、どんな人か謎だった彼女)

真姫(これまで素性の欠片もわからなかった、μ's最後の一人)

真姫(絢瀬絵里…、エリーチカが、まさか)

真姫(花陽と共に打倒しようと誓った、UTXの闇)

真姫(元凶、そのものだったなんて…)


真姫「う、嘘…!」

希「嘘違うよ。前までは名前で呼び合うくらい仲が良かった…、親友って言える子やってんけど」

希「でも、プロ意識が強すぎたんかな。幼少期からバレエで一線級の世界に居続けたみたいやったし」

希「勝てないことの悔しさを知ってる子やったから…、どんなことをしても信頼を勝ち取りたかったんやと思う」

希「結果的に一年間でA-RISEと同程度の実力を持つバックダンサーを発掘したのは、彼女の力でもあったし…」

希「…それでもうちは、認めたくないけどね」

真姫「…」


真姫(…絵里が、元凶)

真姫(その事実は受け入れがたいほどショックなものだったけど、冷静に考えればそうおかしくないものなのかもしれない)

真姫(かつて私たちμ'sの前に立ちはだかった生徒会長の絵里。彼女も…、冷徹な考えを持っていたのだから)

真姫(穂乃果と交じり合うことでその考えは穏やかになり、今では立派なムードメーカーだけど)

真姫(もし、あんな考え方の絵里が…、誰よりも評価されたのなら)

真姫(今のA-RISEの在り方がこうなっているのも、納得できる気がする)


真姫「…絵里を、私たちが…」

真姫「倒す…か」

真姫「…」ゴクリッ

希「んー、他に質問ある子はいるかなー?」

ことり「あ、えっと…はい!」

希「はいことりちゃん!」

ことり「あの、東條先輩…」

希「希ちゃんでええんよー」

ことり「希ちゃん先輩は、どうして生徒会長に?アイドル応援部も兼ねて忙しかったんじゃ…」

希「んー、ふふ…、新しい生徒会長を決める頃には、うちはもう忙しくなくなってたっていうか…」

希「…早々と、切り捨てられた組やったのよね」

希「んで、えりち…、絢瀬さんが傷つけたアイドル専攻の子、彼女たちを、元気づけてあげたい、って気持ちもあって」

希「それまでついでくらいに所属してた生徒会で、会長に自ら立候補したんよ」

希「会長になれば、問題児…って言い方もどうかと思うから、心のケガで学校に来てない子とかの情報もすぐに手に入るし」

希「絢瀬さんのアフターケア、っていうと、なんか癪に障るけど。そうやって元アイドル専攻の子達を、今の真姫ちゃんみたく家に泊めて慰めたり、なんかね」

ことり「なるほどー…。大変、なんですねー…」

希「はい。じゃあもうないかな?質問はー…」

真姫「…じゃあ、最後に一つだけ」

希「ん、真姫ちゃん」

真姫「どうして、ここにいたのよ」

希「…どういうことかな?うちは部長やねんから、いてもおかしくないと思うけど」

真姫「今の話を聞く限りだと、もうこのアイドル応援部ですることなんてほとんどないんでしょう」

真姫「もう長いこと使ってない形跡だって、外からも確認できる」

真姫「普段からここに通うことなんて、なかったはずよ。ずっと生徒会にも行ってたんでしょうし」

真姫「なのにどうして、わざわざここに居たのかって聞いているの。まるで私たちを待っていたかのように」

花陽「そ、そういえばそうだよね…。ことりちゃんはここを見て、多分使ってないって判断してたんだし…」

真姫「どうしてかしら?希」

希「…それを待ってたんよ」

真姫「えっ…」

希「それを聞かれるんを待ってたのだ!やっと言えるから!」

真姫「な、何を…!?」

希「何故この時間、この部室にうちが居たかって!?そう、それは!」

希「そのとおり!うちは知ってたからよ!君たちがここに来るのを!」

希「なぜならっ!」


ビュオォォオォォォッ!!!



ことり「ひゃぁっ!!?何この風っ!?」

花陽「急に窓が開いてっ…!?」

真姫「こ、これはっ…!」




希「カードがうちに、そう告げるんやっ!!!」

バサァァァァッ!!


ことり「風でカードがはためいてる…!?」



ヒュオッ パシィンッ!!


真姫「痛っ!!?な、何よこれ…!」

ことり「真姫ちゃんの顔にカードが張り付いた!?」

花陽「これって…、お星様?」


希「崩壊の後の再生を告げる星のアルカナ。『希望』を意味するそれは…」

希「うちの、そして君たちの希望を指し示しているのだ!」

希「真姫ちゃんも言ってたやん?困ったことがあったらお願いって!」

希「今がその時よ!はっ!」ヒュヒュヒュッ


パシッ パシッ パシッ


真姫「これって…」

花陽「この紙は…」

ことり「もしかして…」


希「この部への入部希望書!アイドル応援部は君たちを歓迎します!」


花陽「入部希望書…!?ってことは!」

ことり「私たち、今日からアイドル応援部…!?」

真姫「つまり…、音楽室が借りられる…!歌の練習ができるようになるってことよ!」


希「そういうこと!」

希「さぁ…、ここからが真の始まりやよ!」

そろそろ集中力がヤバいんで寝ます
でも長々喋ってほとんど話進んでねぇ!会話を楽しんでもらえれば幸い ほなな

一日開けてこんばんわ こんなにレスもらえると嬉しいね
そんなに言うほど面白いかなって見返したらやっぱり面白いわこれ(自惚れ)
じゃあ集中力の続く限りやっていきましょう

希「あ、入部希望書って言っちゃったけど正しくは入部届な」

花陽「は、はぁ…」

真姫「それはどっちでもいいけど、これに記入すれば入部できるんでしょう?」

真姫「なら早速音楽室を…」

希「あー…。それがね」

希「入部届には生徒会長が目を通す必要があるから、たぶん受理されるのは明日になるかなぁ…」

ことり「えっ」

真姫「ち、ちょっと!?それじゃあ今日は音楽室は借りられないってこと!?」

希「まぁ、せやね」

真姫「期待させておいてこれなのね…」

花陽「まぁまぁ…。明日には借りられるようになるんですよね?」

希「うん、もちろんや。うちに任せとき!」

ことり「じゃあ今日も…」

真姫「神田明神で体力作りになるわね」

花陽「ゔっ…。ま、またかぁ…。そろそろ歌いたいよぉ…」

真姫「ダンスの練習も大事よ。それじゃ今日は私たちここにいる必要はないってこと?」

希「うん、せやね。入部届に記入して預けてくれれば、あとはうちが生徒会に提出しとくね」

希「あんまり生徒会長とは顔合わせたくないでしょ?」

ことり「そんな、ことは…ないです」

希「あーごめんごめん。でもまぁうちがまとめて持っていったほうが効率がいいし」

真姫「そうね。そうさせてもらうわ。…ことりもいいでしょ?」

ことり「…うん」



花陽「はい、書けました!」

希「ん、これで3人分ね。確かに預かりました」

真姫「頼んだわよ。じゃ、私たちは行きましょ」

ことり「そだね」


ガチャッ ギィィィ…


真姫「それじゃ希」

希「ん?」

真姫「…明日もまた、この部室でね」

希「…うん、また明日」


バタンッ


希「…」

希「…実に、1年ちょっと振りの、新入部員か」

希「ふふ、なんか、変な気分やね…」

生徒会室


コンコン


生徒会役員「はい、どうぞ」


ガチャッ


生徒会役員「…あっ」

希「や、久しぶり。元気やった?」

生徒会役員「…今日はどうされました?既に引退したはずの会ちょ…先輩が生徒会室になんて」

希「んー、ちょっと顔を見に…っていうのは冗談で」

希「はいこれ」スッ

生徒会役員「…これは」

希「アイドル応援部への入部届。お願いね?」

生徒会役員「懐かしい名前ですね…。こんな時期に新入部員ですか?」

希「まぁね。いきなりでうちも休まる暇がないわー」

生徒会役員「その割には…ふふ、嬉しそうですね」

希「お、そう見える?なら…、そうなんやろうね」

生徒会役員「えぇ。…あれ?」

生徒会役員「これ…、3枚は記入されてますが…1枚だけ白紙ですよ?」

希「ん?あ、いけないいけない」

希「これは…まだ早い、かな」サッ

生徒会役員「早い?それはどういう…」

希「んふっ、内緒♪」

希「じゃ、穂乃果ちゃんによろしくね?あの子あんまりうちのこと好いてへんと思うから、やんわり言っておいて」

生徒会役員「はぁ…。わかりました」

希「じゃね。次いつ会えるかわからんけど」

生徒会役員「はい、いつでもお待ちしてます」


ガチャッ バタンッ



希「ま、これであとは…」

希「…ん?」

希「おや、おや…」


スタスタ…

穂乃果「…東條、さん?」


希「まさか、こんな時間に会える、なんてね…」

穂乃果「…なんで、東條さんが生徒会室から?」

穂乃果「生徒会長はお辞めになったはずですよね?」

希「うちは部長でもあるからね。新入部員の入部届を出しに来たんよ」

希「それより穂乃果ちゃんこそ、どうして生徒会に?アイドル専攻はええん?」

穂乃果「…ずっと生徒会をサボるわけにもいきませんから」

穂乃果「生徒会の業務が終わってから、居残りで練習しようかと」

希「へぇ…」

穂乃果「…もう、一緒に帰る人もいないし」

希「ん?なんて?」

穂乃果「いえ、なんでもありません。それより…」

穂乃果「あなたが部長って…アイドル応援部ですか?今更新入部員…」

希「んふ、いいでしょ?」

穂乃果「…なにが?はぁ…、別にいいですけど」

希「あ、それと…、えりちは元気でやってる?」

穂乃果「絢瀬さん…?あぁ、元気ですよ…。今日も一人脱落者を生み出しそうです」

希「…それはまた、絶好調なことで…」

穂乃果「私には関係ないことなんで、構いませんが。…と、そろそろそこ、どいてもらえません?」

穂乃果「いられると、邪魔なんで」

希「あぁ、ゴメンゴメン。邪魔者はどっか行くわー。ほな~」スタスタ…

穂乃果「…」


穂乃果「…、あと」

希「…ん?」

穂乃果「絢瀬さんのことですけど」

希「うん、なにかな」

穂乃果「…なんだか、楽しそうでしたよ。色々と」

穂乃果「それだけ、です」

希「…そう、ありがと」


スタスタ…


穂乃果「…」

穂乃果「…ハッ、何言ってんだろ、私…」


ガチャッ バタンッ

神田明神


真姫「さてと、練習の前に…」

真姫「ついに海未を勧誘するための準備は整ったわ!そして、私たちのデビューの時もね!」

花陽「つ、ついに満を持してデビュー…!?」

ことり「いつか来るとは思ってたけど、ドキドキだよぉ…!!」

真姫「ま、まだ歌の練習もできてないし、先の話ではあるけど」

真姫「とりあえずまずは…舞台をセッティングしたいところね」

花陽「セッティング?」

真姫「ほら、海未に私たちのライブを見せるのならメイドカフェの許可が必要でしょ?」

真姫「いつになるかはわからないけど、ちゃんと許可が出るか確認くらいはしておかないと」

花陽「あー…、そうだね。これでダメです、って言われたら初めから考えなおしだしね」

真姫(まぁ、海未を歌わせてるし一度ライブをやったことがあるから許可が下りるであろうことはわかってるんだけど)

ことり「そっか…!その可能性もあるのか!う、不安になってきた…」

真姫「そう思うなら、自分で確認して。はい、これ電話番号」

ことり「え、いきなり…!?」

真姫「何事も早めのほうが都合がいいわ。さ、早く」

ことり「えっと…、ちなみに歌う曜日はー…」

花陽「海未さんのライブと被らないように土曜日のほうがいいかな?」

真姫「…いえ、そこは逆でしょう」

花陽「逆?」

真姫「サプライズとして海未のライブを乗っ取る方向で行きましょう」

花陽「な、何それっ!」

ことり「面白そう!」

真姫「海未がいつもの調子ではいはーい、って入ってきたら、ちょっと待ったー!って風に乱入するのよ」

真姫「当然海未は困惑してあたふた、その間に舞台から降ろして私たちが見事なライブを披露するって魂胆よ!」

ことり「いいよ!それすごく燃える!萌える!」

花陽「い、いいのかなぁ…」

真姫「メイドカフェの許可さえあればいいの。というわけで、私たちのライブは日曜日、正午」

真姫「ちょうど海未のライブを乗っ取るように始めるわよ!…お客さんも海未のおかげでたくさんいるだろうし」

花陽「それズルくない…?」

真姫「いいのよ!オーディエンスは多い方がいいんだから!」

ことり「流石にお客さんが一人もいないライブは寂しいしねー」

真姫「…そ、そうね。うん」

ことり「ん?」

真姫「じゃ、電話で許可をお願いね、ことり」

ことり「了解しましたぞ!びしっ!」

花陽「頑張ってください!どきどき…」

ことり「えーっと…、ぴぽぱ…」

ことり「ごくりっ…」


プルルルル… プルルルル…

ガチャッ

ことり「…あ、もしもし、えっと、私南ことりと言いまして…」

ことり「そちらで働いています、園田海未さんのお友達なんですけど、…はい、はいそうです…」


真姫「…大丈夫かしら。こっちまで緊張してきたわ」

花陽「心臓が飛び出そう…!」


ことり「…はい、えっとそれで…、実は私、スクールアイドルをこれからやる予定でして…、はい、スクールアイドルです。A-RISEのような」

ことり「はい、あ、いえまだなんですけど…。これからなんです。それで、最初のライブにそちらのメイドカフェを使わせていただきたいな、って考えておりまして」

ことり「いかがでしょうか?えっと…あー…、はい、はい…。あ、わかりました」

ことり「今店長さんに替わってるところ…!ふひー…!汗が…」


真姫「花陽!」

花陽「うんっ!汗ふきふき!」


ことり「あ、ありがと…、…あっ!はいもしもし…、あ、はい、はい…南ことりです!あーあはは、ありがとうございます」

ことり「…はい、…え、あ!本当ですか!いいんですか!?やったぁ…!」

真姫「…どうやら大丈夫みたいね」

花陽「よ、よかったぁー…!」

ことり「それはいつでも大丈夫ですか?…あー、はい、…あ、そうですか。日にもよるけど、大体大丈夫だって」

真姫「じゃあ、いつかの日曜に、海未のライブと同じ時間にって言って」

ことり「おっけ。…あの、じゃあ日程なんですけど、まだ具体的にいつとは言えないんですが…」

ことり「海未ちゃんがそちらでライブをやっているじゃないですか、その時間と同じ、ってできませんか?」

ことり「海未ちゃんのライブを乗っ取る感じで!…はい、あ、はいっ!大丈夫です!あ、いいんですか!?」

花陽「やった!完璧だよ!」

ことり「うんっ!…はい?え、あ…はい。えっと…」

ことり「えぇっ!?」

真姫「…!何…?」

ことり「えと、それは…、はい、はい…。そ、そう、なんですか…?はぁ…」

ことり「あの、じゃあすみません…。少し相談させてください。…はい、はい、ありがとうございます。それでは」ピッ

花陽「と、途中驚いてたところありましたけど…大丈夫なんですよね?歌える、んだよね?」

真姫「何があったの?」

ことり「うん、歌わせてもらえるはもらえる、んだけど…実は…」



ことり「…海未ちゃん、来週でバイト辞めちゃう、んだって…」

真姫「えっ…!」

花陽「メイドのバイトを、ですか…!?それとも謎のメイドを!?」

ことり「メイドさん自体を、だね。前から決まってたみたい」

ことり「来週、っていうか今週末。それが9月最後のバイトだから、キリがいいところで終わらせるつもりだったんだって」

真姫「理由は…?」

花陽「謎のメイドのライブは人気だったのに!?そんな急に…」

ことり「そこまでは聞いてないけど…。たぶん海未ちゃんのことだから…疲れてきたんじゃないかな」

ことり「穂乃果ちゃんの気持ちを理解するために始めたバイトではあったけど、結局アイドルにかける情熱までは理解できなかったみたいだし」

花陽「でもそれだと…、海未さんのライブを乗っ取るには…」

真姫「チャンスは今週末だけ、ってことになるわね」

花陽「あと、6日!?」

ことり「それまでにダンスと歌と…あと衣装を?…無理だよね」

花陽「そ、そうなるとメイドカフェでのライブは断念したほうがいい、ってこと、かな…」

ことり「でもそうすると、海未ちゃんをどこかに連れてくることになっちゃうよね」

ことり「…サプライズのほうが面白そうなのに」

花陽「いやそれは…、うーん、でも…そうなるとまた場所の問題が…」

真姫「…」

真姫「…いえ、やりましょう」

花陽「…え?」

真姫「やってやろうじゃない!今週末!」

真姫「それまでに完璧にこなして、完璧なライブを海未に見せつけてやるのよ!サプライズで!」

花陽「えぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!?!?!」

ことり「こ、今週末って…、もう6日しかないんだよ?歌の練習ができるのは5日だけ…」

ことり「そこにダンスの練習と衣装作りを含めれば…」

真姫「それなら心配ないわ!衣装なら既にあるじゃない!」

ことり「す、既にって…?」

花陽「あっ!もしかしてメイドさん?」

真姫「えぇ、その通り!メイドカフェで歌うんだもの!メイドの衣装が一番ぴったりよ!」

ことり「なるほど、それなら…!あ、でもダンスは?」

真姫「これは元からカフェ内で大きく動けるわけじゃないから、一部のパートだけを決めておいて…」

真姫「あとは完全にアドリブにすればなんとかなるはず…!」

ことり「あ、アドリブ…っ!?そんなので大丈夫なの!?」

花陽「アリですっ!実際のライブでもダンスにアドリブパートが用意されている曲もあったりしますし…」

花陽「今回ならお客さんと触れ合える位置でもあります!それを利用すればダンスの未熟さをカバー出来るかもしれません…!!」

ことり「お客さんとの触れ合いを振り付けの一部にする、ってこと?」

真姫「そう。海未が辞めてからじゃ、ライブを見せる口実を作るのが面倒になるし…」

真姫「何より、サプライズだから面白んだもの!」

ことり「うんっ!それには同意!」

花陽「二人共サプライズ好きすぎじゃないかな…」

真姫「だってサプライズっていうのは、誰かを喜ばせるためにやることなのよ!」

真姫「まさに、アイドル!私たちの最初のライブにふさわしい演出じゃない!」

花陽「誰かを喜ばせるため…」

ことり「その誰かはお客さんでもあり、そして、海未ちゃんでもある…」

真姫「バイトを辞めるっていうなら都合がいいわ!なにせ、来週から休日練習に参加してもらえるんだし!」

真姫「海未への退職祝いとして、最っ高のライブを贈ってあげましょう!」

花陽「そ、そう聞くとなんだかワクワクしてきたかも…!」

ことり「よしっ!やろう!!できるよっ!だって…」

ことり「…やろうと思えば、やれないことはないんだからっ!」

真姫「決まりね。期日は今週末…。それまでに…」

真姫「海未…、『謎のメイド』を軽く超えちゃうようなライブ、完成させるのよ!」

ことぱな「「うんっ!!」」

真姫「はいっ!」ササッ

ことり「…なにこれ?」

花陽「ピース?」

真姫「こういうときは、番号を叫ぶのよ。お決まりなの」

ことり「へぇー、そうなんだ…。じゃあ、はい!」ササッ

花陽「私も!」ササッ

真姫「じゃ、行くわよ。んんっ…」

真姫「…誰から言う?」

ことり「最初に始めたの真姫ちゃんなんだから、真姫ちゃんからでしょ?」

真姫「えっ…!私から…?」

花陽「今更何言ってるの。真姫ちゃんがリーダーなんだし、当たり前じゃない」

真姫「え、私リーダーだったの!?」

ことり「クスッ。気づかないでやってたの?今まで」

花陽「真姫ちゃんほどリーダーが似合う子はいないよー。ね?」

ことり「ねー」

真姫「私がリーダーって…。私が…」


真姫(今更、ホント今更自覚した、私が集団を引っ張っているって感覚)

真姫(こんな私が、リーダー)

真姫(誇っていいのか、照れるべきか悩むけど)

真姫(でもふたりは…花陽とことりは、私を信じてくれた)

真姫(信じて、運命を私に預けてくれた)

真姫(だったら私が揺るいでどうする)

真姫(柄じゃないのはわかってるけど、でも、今、この世界だけなら)

真姫(私は、誰よりも輝く存在であるべきなのよ)

真姫(A-RISEを超え、頂点を目指すために)

真姫(UTXを覆う闇を払い、真のアイドルとは何かを示すために)

真姫(スクールアイドルによる、革命を起こすためにっ…!!)


真姫「…よぉしっ!」

花陽「行こう真姫ちゃんっ!」 ことり「やる気、見せようっ!」

真姫「えぇっ!行くわよっ!」


真姫「1!!」

花陽「2!!」

ことり「3!!」


真姫(やってやる、やってみせる)

真姫(誰でもない、この私が)

真姫(みんなを、頂へ導くのよ)





「…クスッ」

今日はここまで 次回…もしくは次々回に終われるといいな
そしてそろそろ名付けなくてはならない、この世界のスクールアイドルの名前が思いつかない
いや考えはしたけどこれでいいのかすごく不安です 結果ダサくても罵るのは心の内に秘めてくだしあ
じゃ、次回をお楽しみに ほなな

暴言はやめてください荒れてしまいます| ^o^ | 長々と荒らされたりとかでなければ別に気にしないです
ラ!板もいいけど多分遅筆な方なのですぐに流れそう 今でも10レス(実質8レス)書いたら15レス帰ってくるのはむしろ多いくらいなのでこれ以上増えると逆に困っちゃうぜ
感想多いのはとても嬉しいけれどね どれだけレス来ても困らない短編とかやるときに利用するかもしれません 見かけたらよろしくね
じゃ、今日中に4話(まだ4話)を終わらせるつもりで行くます グループ名期待しないでねー

翌日 火曜日


真姫(私たちに与えられた猶予は5日間)

真姫(それまでに歌と踊りを完璧にこなす…!そのためには歌って踊れる場所を確保することが何よりも重要…!)

真姫(このUTXの音楽室なら十分に踊れるスペースはある…、でもまずは…)



放課後

アイドル応援部



バダンッ!!


真姫「希っ!」

花陽「希さんっ!!」

ことり「希ちゃん先輩!!」


希「ん、おや。3人揃って慌てて、どないしたん?そんな勢いよくドア開けたら壊れてまうよ」


真姫「に、入部…、入部許可は出た!?」

ことり「穂乃果ちゃんのことだから、もしかしてと思って…」

花陽「突っぱねられたなんて、ないですよね…!?」


希「あっ…、そ、それが…」


まきぱなこと「「「…っ」」」ゴクリッ


希「実は…、残念なことに…」


まきぱなこと「「「!!」」」ドキッ




希「3人とも入部決定や!これで部室が狭くなるね!」



まきぱなこと「「「っ!!」」」


「やっ…ったああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!」


真姫「こ、これでついに念願のっ…!」

花陽「歌が歌えるんだねぇぇぇぇぇぇ…!」

ことり「じゃあ今すぐ許可を…!」


希「それならもううちがもらっておいたよ。毎日放課後の音楽室の使用許可♪」


真姫「希っ!あなたって人はどこまで最高なの!?マーヴェラス!」

真姫「おっしゃあ早速行くわよぉぉっ!着いてきなさいっ!」ダダッ

花陽「わぁっ!!?待ってよぉっ!!」 ことり「すごいハイテンション…」タッタッタッ…



希「んふ、賑やかやなぁ」

音楽室


真姫「もうどれだけここではしゃいでも文句は言われないわっ!ヒャッフゥ!」

花陽「ま、真姫ちゃんそろそろ落ち着いて…」

ことり「邪魔な机は後ろに下げてー…。っと、これで大丈夫かな?」

真姫「そうね。それじゃ、ついに始めるわよ…!歌のレッスン!」

真姫「まずは発声練習!あーあーあーあーあー!」

花陽「あーあーあーあーあー…」

ことり「は、花陽ちゃんすごくいい声!!そんな声出せるんだ…」

花陽「え、えへへ…。これだけならことりちゃんにも負けないよっ」

真姫「はい、ことりも!」

ことり「うんっ…!あーあーあーあーあー…」

真姫「うん、なかなか。もっとお腹から出せるようにね!」

ことり「了解であります!花陽ちゃん、いっぱいコツとか、教えてね?」

花陽「任せてくださいっ!」

真姫「それじゃあ次はロングトーン!すぅぅっ…あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

ことり「うっさ」

真姫「そういうものよ!さぁご一緒に!」


「「「あーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」」」




真姫(大声出せるのが嬉しすぎて、初日は半分遊んでるみたいになっちゃったけど)

真姫(笑い合って、はしゃぎあって、楽しく練習するのが、私と、そして花陽が夢見ているアイドルの姿なんだもの)

真姫(これこそが私の知ってるスクールアイドルなんだもの)

真姫(最初は見せることのできなかった、私の世界)

真姫(これで少しは、花陽にも見せてあげられたかな?)




真姫「…っと、今日のレッスンはここまで!」

花陽「え?もう終わり…?」

ことり「あ、ホントだ!もうこんな時間…」

真姫「あっという間でしょ?さ、着替えて帰るわよ」

花陽「うんっ!」

ことり「歌うのって楽しいねー…」

真姫「今日は初日だから軽めにしたけど、明日からはダンスも一緒にやっていくんだからね!」

花陽「生半可な覚悟じゃバテちゃうねっ!がんばろ!」

ことり「うんっ!がんばるっ!!」

真姫(家についてからも携帯で二人と振り付けについて夜遅くまで語り合った)



希の家


真姫「そうねー…、ここは簡単な振り付けでいいんじゃないかしら」

ことり『でもここって盛り上がるから、もーっとインパクトのあるダンスがいいと思う!』

花陽『あえてここをアドリブにして、次のパートを…』

希「うちはここでジャンプしたらいいと思うわー」

真姫「なんで会話に入ってきてんのよ?!」

希「ん?あかんかった?」

真姫「いや、悪くはないけど…今のアドバイス適当でしょ?」

希「んふー、まぁね」

花陽『あ、でも希さんってA-RISEに関わってるなら振り付けにも詳しいんですよね?』

希「あー、うちそこまで関わってはないわ。基本裏方で舞台の設置とかやってたから」

ことり『なんだー…、残念です』

希「他に困ったことがあったらいつでも頼ってくれていいからね?」

真姫「ありがと。遠慮なく頼らせてもらうわね」

花陽『ちなみに真姫ちゃんは今希さんのパジャマを着てるんですか…!?』

真姫「何聞いてんのよ!?」

希「せやよー。うちのお下がりでめちゃんこ可愛いやつー」

花陽『ぶはぁっ!!』

真姫「いや言わなくていいから!そして花陽はなんのダメージを受けたの!?」

ことり『…もう夜なんだから大声は控えようよ』


真姫(それからも話し合いは続き、12時過ぎた頃にまた明日ってなったけど)

真姫(その日は興奮しすぎて寝られなかったわ)

真姫(おかげで…)



翌日 水曜日

1年E組 授業中


真姫「くかー…、すぴー…」

女生徒「に、西木野さーん…」

真姫「…っは!?なんだ夢ね…、くかー…」

女生徒「いや、現実だよ!?」



真姫(私らしからぬ不真面目さを見せてしまったわ)

真姫(…後から聞いたら、花陽も同じことしちゃってたみたい)

真姫(ちゃんと自分の健康管理もしなくちゃね。…誰かの二の舞はゴメンだし)

放課後

2年廊下


穂乃果「くしゅんっ!」

生徒会役員「…会長?風邪ですか?」

穂乃果「…そんなことないと思うけど。あ、それより目を通しておく書類とかはない?」

生徒会役員「はい、今月の各部の予算案が…」

穂乃果「…」

穂乃果「…あ」



海未「それでは、私は部へ。ことりも頑張ってくださいね」

ことり「うんっ!海未ちゃんもファイトっ!」

海未「はい」スタスタ…



穂乃果「…」

生徒会役員「…会長?聞いてますか?」

穂乃果「…聞いてる。ありがとう、帰りまでに考えておく。それじゃ、私、アイドル専攻があるから。あとはよろしくね」スタスタ…

生徒会役員「はい、頑張ってください」





弓道部


海未「…」グググ…

海未「ふっ!」ヒュッ

パシッ


弓道部員A「わー、園田さんさすがー。ど真ん中だよー」

弓道部員B「集中力が違うよねー…。弓を引く以外何も考えてないんだろうなー…」


海未「…」グググ…

海未(ことり、楽しそうでしたね。なんでもついに歌のレッスンができるようになったとか)

海未(今までできていなかったことに驚きでしたが、まぁことりが楽しければ私はそれで…)

海未(そういえば今週の日曜日でついに長きの付き合いだったメイドのバイトともお別れになってしまいますね)

海未(楽しくなかったといえば嘘になりますが、やっと解放される、と思うと気が楽でもあります)

海未(惜しむらくは、今まで見に来てくれたお客様をがっかりさせてしまうことでしょうか)

海未(しかしいずれ別れが来るのは世の摂理です。ならばせめて最高のもてなしを以てお別れということに…)

海未「ふっ!」ヒュッ

パシッ


ワーマタメイチュウー!! スゴーイ!!


海未「ふぅ…」

真姫(こんなに急ピッチな歌とダンスの特訓は、私も今まで体験したことなかったから)

真姫(未経験な二人がついてこられるか少し不安だったけれど)

真姫(でもそれは杞憂に終わったみたい)

真姫(ここまで一度も弱音を吐かず、私についてきてくれた)

真姫(きっとそれは、二人に目指したい確固とした目標があるからこそ)

真姫(そして、その目標にたどり着くための足掛かり。それこそ、海未へのサプライズライブ)

真姫(彼女に夢を、喜びを、憧れを与えられるライブを、私たちは目指して…!)

真姫(そしてついに、ライブ前日…!!)



土曜日

神田明神


真姫「…はぁっ、はぁっ…!それじゃ、ラスト…っ!行くわよっ…!」

花陽「かはぁっ…、ふひぃっ…」

ことり「花陽、ちゃ…大丈夫…?」

花陽「平気、です…!やれますっ…!」

真姫「1、2、3…ハイッ!」



真姫「…っはぁっ!よしっ!」

花陽「完ペキ…ぃっ!」

ことり「ふはー…、疲れたぁぁぁぁ…」

真姫「ふぅー…、今日は…、これでおしまい。少し早いけど、明日に備えて今日は体をゆっくり休めるのよ?」

花陽「ごくっ…、ごくっ…。ぷはーっ…。うん、わかってる。でもそれは真姫ちゃんもね?」

ことり「私たちの面倒見てくれて、人一倍疲れてると思うから。ぐっすり寝るんだよ?」

真姫「わかってるわよ。じゃ、解散ね。集合は明日の…」

花陽「あ!そうだ、その件なんだけど…」

真姫「ん?」

ことり「あそっか。真姫ちゃんに言うの忘れてた。あのね、明日は私たち、早くメイドカフェの方へ行って…」

花陽「色々と舞台のチェックと仕込みとかか、先に済ませておこうと思うの」

真姫「え、じゃあ私も行くわよ?」

ことり「真姫ちゃんはいいよ!今まで私たちに付きっきりで疲れてるだろうし、ここは私たちに任せて?」

花陽「いっつも真姫ちゃんに頼りっきりだったから、こういうところくらいは私たちにやらせてほしいなって」

真姫「花陽…、ことり…」

真姫「…わかったわ。明日は二人に任せる。私は重役出勤させてもらうわね」

花陽「うんっ!でも遅刻はダメだからね?」

真姫「縁起でもないこと言わないの。わかってるわよ」

「あぁ、私。えぇ…、えぇ、そう。うん…」



「手はずは整っているわね?」



「うん、それでいいの」



「じゃ、当日はそれで、えぇ、よろしくね」ピッ



「…」



「…ふふふ」



「なんでも、そう上手くいくと思ったら」



「大間違い、なんだから…。ふふふふふふ…」



「あははははははは!」

日曜日 朝

希の家



ユッサユッサ


希「まーきーちゃーんっ!」

真姫「うぅん…。なによぉぉ…」

希「あーさーやーよー!!おきー!!」

真姫「もうあと5時間…」

希「それやとライブおわってまうやろーっ!起きなさいーー!!」

真姫「んん…、ライブ…?ライ…、っは!!」

真姫「今日はライブだった!!」

希「…大丈夫なん?」


真姫「もぐもぐ…」

希「そんなにはよ食べたらお腹壊してまうよー?」

真姫「平気…。もぐもぐ…、それより、起こしてくれてありが…もぐもぐ…」

希「喋りながら食べるのやめーよ。…まったく、うちがおらんかったらどうなってたことか」

真姫「…ごくんっ。…想像しただけで怖気がするわ」

希「ま、でもそれなら大丈夫そやねー。ささ、はよ着替えて。二人が待ってるよ?」

真姫「わかってるわ」



ガチャッ

真姫「それじゃ、行ってくるわね。希は来ないの?」

希「んー、じゃあギリギリに行くわ。立ち見客でね」

真姫「そう。でも余裕持っていかないと入れすらしないかもよ?」

希「あははー、じゃあそうするー」

真姫「じゃね」

希「あ、あと真姫ちゃん」

真姫「…ん?」

希「…気をつけてね」

真姫「?…えぇ、大丈夫よ。怪我はしないようにするわね」


バタンッ


希「…」

希「…大丈夫、かな」

秋葉原駅


真姫「…遅延ってどういうことよ。ヤバいわね…。急がないと間に合わないかも」

真姫「いや、間に合わないってことはないけど…、海未と鉢合わせしちゃったりなんかしたら…」

真姫「少し急ぎ足で行きましょう」スタスタ…



秋葉原 街中


真姫「…」スタスタ


??「あのー…、すみません、少しいいですかー?」


真姫「…は?な、何…」

??「えっとー、道が知りたいんですけどー」

真姫「道、って…ごめんなさい!今急いで…」

??「すぐ済むんで、お願いしますー」

真姫「あぁっ…もう!なんなのよっ!!邪魔しないで…」

バッ!!


??「ふっ!」ダダッ


真姫「えっ…!ちょっ…!!」

真姫(バッグを盗られた!?)

真姫(そ、それには携帯とか財布が…っ!)

真姫「ま、待ちなさいっ!!ドロボーッ!!!」


真姫(泥棒は裏路地へ逃げ込んだ。ここなら人目が少ない…)

真姫(くっ…、叫びながら追っても誰も捕まえてくれる人はいない…!)

真姫(しかも相手は逃走用のルートを用意してる…!入念な犯行だわ…!)



裏路地


真姫「はぁっ…!はぁっ…!!なんなのよ…!」

真姫「…くっそ、もう時間が…」

真姫「悔しいけど、バッグは諦めてもうメイドカフェへ向かいましょう。二人も待って…」


「残念だけど、それは無理ね」


真姫「えっ…むぐっ!!?!ふぐっ…、もがぁっ…!!」

真姫(ヤバ…!これ、危険な薬品…!?嗅がされ…っ!)

真姫(そう、いうのは…私の仕事なの、にっ…)


「おやすみ、真姫…」


真姫(こ、の…声…)

真姫(まさ、か…。そんな…)

真姫「…」

メイドカフェ 控え室


花陽「どうどう?可愛いかなぁ…」

ことり「うんー!ばっちりだよ花陽ちゃんっ!すごいプリティ!」

花陽「ふひひ…。なんだか照れちゃうね」

ことり「私はどう?似合ってる?」

花陽「そりゃもう激似合いですよ!カリスマメイドって言っても違和感ないかも!」

ことり「わー!言い過ぎだよー!私なんかがカリスマメイドなんてー、えへへー」

花陽「そ、それにしてもー…、ドキドキするね。もう、し、心臓、飛び出るかと思うくらい」

ことり「確かに…。海未ちゃんはこんな気持ちで歌ってたのかなぁ…」

花陽「私たちは海未さんにバレないように、ってミッションも含まれてるから、それ以上ですよ…!」

ことり「そっか…!海未ちゃん、間違ってこっちの部屋に入ってこないかなぁ…」

花陽「店長さんが注意しておく、とは言ってましたけど…。でも万が一ってこともあるし…」

ことり「あ、変装用に仮面持ってきたよ。はい、これ」

花陽「え、用意がいいですね…。これは…?」

ことり「えっとねー、チェスがモデルの子供向け特撮のヒーローでー、パワーアップ形態がなぜか野球にシフトチェンジしちゃった…」

花陽「いや詳しい説明はいいです…。こ、こうかな…?」カパッ

ことり「うん似合う似合う!そんなになっても花陽ちゃんはかわいいねー」

花陽「似合ってもあんまり嬉しくないなぁ…」

ことり「…それにしても」

ことり「真姫ちゃん、遅いね」

花陽「あ、そういえば…。まだ寝てるとか…!?」

ことり「いや流石にそれは…希ちゃん先輩が起こしてくれてるでしょ」

花陽「あー、ですよね。でもそれじゃ何をしてるのかな…?」

ことり「ちょっと電話してみようかな…」ピポパッ


プルルルル… プルルルル…


ことり「…繋がらないね」

花陽「な、何してるのぉ…!?真姫ちゃん…」




裏路地


プルルルル… プルルルル…


真姫「ぐっ…!離してっ…!離しなさいっ!!」

??「ごめんね。先輩の命令だから」

真姫「くっ…!」


「あら、お友達から電話かかってきてるわよ?」

「なんて返事する?それとも放置かしら」


真姫「…ふざけたこと、やってくれるじゃない…!!」

真姫「絢瀬、絵里ィッ…!!」

絵里「…」


真姫「なんのつもり…!集団で囲って、私を拉致して…!」

真姫「私は用事があるのよっ!!とっとと離して!」


絵里「嫌よ。だってわざわざ捕まえたんだもの」

絵里「それを解放するなんて、穴を掘ってそれを埋める作業並に虚しいじゃない」


真姫「冗談のつもりっ…!?何も面白くないわよ!!」

真姫(…まさか、こんなところで絵里に捕まる、なんて…!)

真姫(全く予想してなかった…!!こんなことをしてくるだなんて…)

真姫(どこまで墜ちたのよ、あなたはっ…!!)

真姫「こんなことして、後でどうなるかわかってるの…!?」

真姫「警察にチクるわよ!退学間違いなしね!」

絵里「警察ゥ…?アハハハ!何言ってるのかしら。誰が退学するというの?」

真姫「だ、誰って…!あなたに決まってるでしょ!婦女暴行よこれは!」

絵里「私が?お生憎様だけど、今頃私は学校の可愛い後輩とショッピングを楽しんでいるの」

絵里「それを証言してくれる友人だってたくさんいるわ。ほら、あなたの周りに」

真姫「…っ!!」


真姫(こいつら…!いくつか見知った顔もいる…。歌手専攻で同じクラスの子だわ…)

真姫(…つまり、この子たちは…アイドル専攻…?)

真姫(なるほど…、絵里の都合のいい下僕、といったところかしら…)

真姫(なにせアイドル専攻のA-RISE候補生の全権を握るのは絵里…。どうとでも好きなようにできる…!)


真姫「…この、下衆がっ…!」

絵里「ひどい言われようね。まぁ、否定はしないわ」

絵里「でもあなたを痛めつけるつもりはないの。それは本当よ、信じて」

真姫「じゃあなんのために、こんなところに連れてきたって言うのよ…!?」

絵里「んふ、それはね…」



絵里「いますぐ、アイドル活動をやめなさい」

まだまだ書く気力はあるけど今日はここまでにしよう 終わらせるにはもう1回分くらい必要だわゴメン
相変わらずまとめようと思ってもまとまらねぇ まぁドキドキハラハラしてくれればいいやん
なるべく書きだめして次回には必ず終わらせる! …おそらく
性懲りもなくヒヤッっとする要素ブチ込むけどこんなSSでも笑顔になってくれると冥利に尽きます ほなな

書きだめなんてなかった 僕のSSだと毎回誰かしらが外道になるけど責めないであげてください
今日はもう次に回したくないので今回で4話(まだ4話)を終わらせる宣言しておきます 実行されるかは定かではない
じゃ、続きをお楽しみくだし

メイドカフェ 控え室


花陽「どどどどうしよう…!?真姫ちゃん、連絡つかない…!!」

ことり「希ちゃん先輩にも電話しても、出かけたっきりだって…!」

花陽「もう海未さん来ちゃってるし…!こ、このままだと…」

ことり「…中止に、なっちゃう…」

花陽「えぇぇぇぇぇぇっ!!!だ、ダメだよそんなの…!」

花陽「海未さんをメイドカフェで勧誘する、最後のチャンスなのに…」

ことり「でも真姫ちゃんがいないと…!!」

花陽「…う、うぅぅ…」

ことり「…私、店長に相談してくる」

花陽「は、はい…」



裏路地


絵里「いますぐ、アイドル活動をやめなさい」


真姫「…なんですって?」

絵里「アイドルをやめて、って言ったの」

真姫「なんで、かしら」

真姫「あなたが…私がアイドルをやってることを知ってるのも気になるけど…、まぁ十中八九穂乃果からでしょうけど」

真姫「何故あなたがそれをやめさせたがるの?…理由を教えて」

絵里「目障りだからよ」

絵里「あなたたちにUTXでスクールアイドルをやる資格はないわ」

真姫「意味がわかんないんだけど。スクールアイドルなら他にも有名な子がたくさんいるでしょ!どうして私たちは…」

絵里「それはあなたがUTX学院生だから」

真姫「はぁ?」

絵里「私はね…。A-RISEを愛しているの。これ以上なく強いスクールアイドルに仕立てあげたいのよ」

絵里「環境も、人材も、全てが一流のトップアイドル。それが私の理想とするA-RISEなのよ」

絵里「そのA-RISEの周りに…、うるさいハエが飛び回っていたら、世間の人々はどう思うかしら?」

絵里「『A-RISEは完璧なのに、同じUTX学院にみっともないスクールアイドルがいる。これじゃA-RISEも劣って見える』」

絵里「そう思われるかもしれないじゃない」

真姫「なっ…!!そんなの、勝手な憶測じゃない!!なんの根拠もないわ!!」

絵里「なんの根拠もない勝手な憶測でも構わないわ。ほんの少しでも可能性があるなら、私はそれを潰さなきゃいけない…」

絵里「…私の思い描く夢に泥を塗られるかもしれないのならね」

真姫「…っ!!そんな、自分勝手な…!」

真姫「あなたはそんな考えだから…、今まで何人ものアイドルの卵を…、傷つけてきたのね…!」

真姫「最っ低…!!」

絵里「どうやら、受け入れてはくれないようね」

真姫「当たり前…」

ビリィッ!!


真姫「…っ!!?」

真姫「グギィッ…!」

真姫(今の衝撃は、何っ…!!?)

真姫「かはっ…!」

絵里「ありがとう、バッチリよ」

学院生A「はい、任せてください」

真姫「い、今のは…、一体…!」

絵里「ふふ、なんてことはないわ」

絵里「どこでも売ってる…普通のスタンガン」

絵里「ちょーっと出力を高めにしているだけの、ね」

真姫「んなっ…!」

絵里「痛めつけるつもりはないけど、でも痺れさせるくらいならいいでしょう?」

絵里「平気、傷は残さないわ」

絵里「やりすぎると、麻痺が残るかもしれないけどね」

真姫「っ!」

絵里「それは嫌でしょう?ね、お願い真姫」

絵里「…アイドル、やめてくれる?」

真姫「…」

真姫「ふざけないで…っ!誰がっ…」

ビリィッ!!


真姫「ぎぃっ!!ぐ、がっ…!!」

絵里「強情なのね…。しかも気が強い。あの頃とは大違い」

真姫「はぁっ…、はぁっ…」

真姫(あの頃…?)

絵里「でも今のあなたはとても輝いて見える。今なら…、あなたを私のA-RISE候補生に入れてあげてもいいわ」

絵里「もちろん他の二人はダメだけど…、ね?真姫…。これならいいでしょう?」

絵里「あなたがどうしても表舞台に立ちたいっていうなら、専用の枠を用意してあげてもいい」

絵里「それくらい私はあなたのことを買っているのよ、こんなところで無駄にしたくないの」

絵里「アイドルなら私の下で好きなだけさせてあげる。だからお願い、私のところへ来て」

絵里「弱い人間と付き合ってあなたまで弱くなる必要はないのよ。私はあなたが欲しいの」

絵里「ね…、今のスクールアイドルは解散して」

真姫「…はぁ、…はぁ」

真姫「バカ、め…」

絵里「…なんて?」

真姫「バカめと言ってやったのよ…。ハッ…、通信越しじゃないのが惜しいけど…」

ビリィッ!!


真姫「ひ、ぎぃぃxっ!!!い、だぁっ…!!」

絵里「…意地っ張りなのね。でもその強気がどこまで続くかしら?」

絵里「自分から私のものになりたい、って言うまで…、可愛がってあげる」

メイドカフェ 控え室


ガチャッ

ことり「…」


花陽「あ、ことりちゃん…」

ことり「店長に言ってきた。もしもの時はライブを中止する、って…」

花陽「そっか…」

ことり「真姫ちゃんから連絡、きた?」

花陽「…」フルフル…

ことり「…そう」

ことり「今日まで、頑張ってきたのにね…」

花陽「うん…」

ことり「…私、やっぱり…」

ことり「ここで真姫ちゃんを待つより、探しに行ったほうがいいと思う」

花陽「えっ…」

ことり「もし大きな事故に巻き込まれてたたら大変だし…」

ことり「どうせ中止になるなら、早く行ったほうがいいよ!」

花陽「…」

ことり「行こう!花陽ちゃんっ!」

花陽「…」

路地裏


ビリビリィッ!!

真姫「ぐぎぃぃぃっ!!!!が、は…っ!」

絵里「もー…、真姫ぃ?何度言わせれば気が済むのよ…」

絵里「それとも待遇が不満?今すぐA-RISEに入りたいの?」

絵里「あー…、ちょっと迷うけどそれでもいいわ!だから…、みすぼらしいスクールアイドルは解散してよ」

絵里「UTXに、A-RISEに汚点は残したくないの。あなたも掃き溜めに捨て置くには惜しい人材だから」

絵里「さ、返事は?」

真姫「…ば、バーカ」

絵里「…はぁ」


ビリリリッ!!


真姫「ぎぐがぁっ!!」

絵里「…やめて。今は真姫に喋らせてあげて」

学院生A「はい」

真姫「はぁ…、はぁ…」

絵里「ねぇ、何がいけないの?あなたの口から言って」

絵里「あなたには最高のもてなしを用意してあげているのよ?それの対価にスクールアイドルを辞めてって言っているだけなのに」

絵里「どうしてそれでも…、痛みに耐えてまで頑なに応じようとは思わないの?」

真姫「はぁ…、はぁ…!…ッハ!」

真姫「あなたには、わからないでしょうね…。人の痛みを理解しようとしない、あなたには…」

真姫「私だって…、正直こんなところで…、こんな世界でスクールアイドルなんて、馬鹿げてるって思ってる…」

真姫「…穂乃果も、凛も、にこちゃんもいない…。絵里は今まであった人間の中で一番の下衆に成り果てて…」

真姫「普通だったらとっくに投げ出して、ひたすらSOS信号を出し続けてるわよ…」

真姫「…でもね、私は見ちゃったのよ…」

真姫「夕日の音楽室で、花陽が…、花陽が、泣いてるのを…!」

真姫「自分の追い求める夢なんて、どこにも無いのかな、って…、悲痛な笑みを浮かべながら…!!」

真姫「そんなの見ちゃったら…、無視できるわけない、でしょう…!」

真姫「私はねぇ…!見せてあげたいのよ…!!私の見てきた景色を…、この世界の花陽にも、もう一度…っ!!」

真姫「だからあなたがどんなに私を優遇しようが、関係ないっ…!!」

真姫「私がアイドルできなくなるより、花陽がっ…、花陽がアイドルを続けられるほうが、何億倍も大事だからっ!!」

真姫「お門違いなのよっ!!私に甘言かけるのは!」

真姫「そんな考え方で人の上に立とうなんてお笑い種ねっ!あなたこそ深夜までアイドルの練習でもしてればいいんじゃないのっ!!?」

真姫「今よりよっぽどちゃんとした精神が身につくわよっ…!」

学院生A「このっ…!言わせておけば…」

絵里「…やめなさい」

学院生「あっ…、ご、ごめんなさい」

絵里「真姫…、思っていたより」

絵里「ずっとずっと、立派になっていたのね…」

真姫「…なにそれ、褒め言葉のつもり…?」

絵里「いえ、本心よ」

絵里「…強い人間なのね、あなたは」

絵里「私よりも誰よりも、強い心をもっているわ」

真姫「…っは、急に褒められると、照れるじゃない」

真姫「でもね…。私なんて、たいしたことないわよ」

真姫「私の知ってるスクールアイドルには、私よりもっと強い人たちがいた…」

真姫「何も知らない、何もないゼロの状態から、頂点まで勝ち上がった少女がいた…!」

絵里「…へぇ。会ってみたいものね、そんな強い人がいるなら」

真姫「それにっ…!」

真姫「…あなたが弱いと称した、二人」

真姫「花陽と、ことりも…」

真姫「あなたが思っているほど、弱くはないわよ」




メイドカフェ 控え室


花陽「…うぅん」

花陽「行かない。…行けないよ」

ことり「えっ…!」

花陽「やっぱり、中止はできない」

花陽「真姫ちゃんが来ないなら、二人でやろう」

ことり「は、花陽ちゃんっ…!!?」

花陽「私たちがここから離れても、できることはないよ」

花陽「だったら、今私たちができる最良は何?」

ことり「…っ」

花陽「きっと今を逃せば、海未さんにアイドルの楽しさを伝える機会は当分来なくなっちゃう」

花陽「そうなったら、真姫ちゃんが今まで必死でやってきたことが、台無しになる」

花陽「それは私、絶対に嫌だから」

花陽「もし真姫ちゃんが来られなくても、私は成し遂げたいの」

花陽「真姫ちゃんが海未さんに…、そして、海未さんを見に来てくれているお客さん全てに、伝えたかった気持ちを」

ことり「花陽、ちゃん…」

花陽「だからことりちゃん、酷いって思うかもしれないけど」

花陽「私はやるよ。やりたいから…、真姫ちゃんがいなくても、今、アイドルを」

花陽「やらせて欲しいの。お願い」

ことり「…」

ことり「…うん。私も…、やりたい」

ことり「私…、海未ちゃんが笑ってるところ、もっと近くで見たいから」

ことり「だから、アイドルを始めたんだもん。あの頃をやり直すために」

ことり「そうだよね…。今しかないなら…、今やるしかないんだよね…」

花陽「はいっ!それにっ…!!」

裏路地


絵里「あの二人が、ね」

絵里「…ふふ、私の目にはそう見えないんだけど、あなたにはそうなんでしょうね…」

絵里「貸して」パシッ

学院生A「えっ…、あ、はい…」

絵里「はぁ…。少し、遅かったみたいね」

真姫「…何がよ」

絵里「あなたをもう少し早く、勧誘しておけば良かったかのかもしれない」

絵里「それこそ…、あの音楽室で出会ったときとかに、ね」

絵里「でもその時は、私あなたのこと忘れてたから。ギリギリまでね…」

絵里「…最近、忘れっぽくて仕方がなくて、興味ないことはすぐに忘れちゃうのよ」

真姫「何言ってるの、あなた…」

絵里「だからきっと、あなたのこともすぐに忘れられると思う」

真姫「…っ!ま、さか…!」

絵里「もう少しあなたが未熟なら、私のものになってくれるかもしれなかったんだけど」

絵里「でも遅すぎた。あなたは熟してしまっている。私に染まってはくれない」

絵里「…なら、もういらないわ」ビジジジッ…!!

真姫「っ!」

絵里「出力最大…。多分死ぬことはないと思うけど…、後遺症は残るかもね」

絵里「一生人前に出られないような顔になるかも…」

真姫「く、ぅっ…!!」

絵里「さよならっ…」

絵里「…真姫ぃぃっ!!!」ブンッ!!



ヒュッ!!


絵里「っ!?」


バキィィッ!!


絵里「ぐあぁぁっ!!」ズサァァッ…!!

学院生共「「先輩っ!!?」」





花陽「はいっ!それにっ…!!」

ことり「それに?」


花陽「私たちには、頼れる先輩もいますからっ!」





真姫「…あっ!!」


希「…どうやら、間一髪で間に合ったみたいやね」

学院生A「貴様っ!先輩によくもっ…!」

希「ふっ!!」ゲシィッ!!

学院生A「ぐあっ!」

希「真姫ちゃんっ!せいっ!」ズバッ!!

真姫「あっ…!縛っていたロープが切れた!」

学院生B「くっ…!このぉっ!!」

真姫「…っは!不意を突かれなきゃあなたたち程度っ…!」

真姫「どうとでもなるのよぉっ!!」ドガァァッ!!

学院生B「ぐごぇっ!」

真姫「さぁ、かかってきなさい!全員地獄に送ってやるわ!!」クイクイ


学院生共「…くっ」


真姫「…ありがとう希。助かったわ」

希「ことりちゃんが連絡くれてね。うちの嗅覚とスピリチュアルパワーでなんとか見つけられたわ」

真姫「恐ろしいわね…、あなたの鼻…」

希「まったく、うちがおらんかったらどうなってたことか」

真姫「想像しただけで怖気がするわ。…さて、ここからは」

希「うちらの逆襲やよっ…!」


学院生共「ぜ、全員でかかればっ…!!」


絵里「…ストップ」

学院生共「せ、先輩っ…」

絵里「希には勝てないわ。あなたたち全員でかかっても」

学院生共「っ!?」

真姫「えっ…」

絵里「…だから降参。今日のところは引き上げるわ」

希「…えりち。このこと学校にチクったら、どうなるか…」

絵里「それはちょっと怖いけど…、でも平気よ」

絵里「私、信頼されてるから。あなたと違って…、ね?」

希「…っ!いちいち、癇に障ること言うね、えりち…」

絵里「まだそう呼んでくれてありがとう、希。さ、みんな、帰りましょう」

絵里「…はい、真姫。あなたのバッグ。盗んじゃってごめんなさいね」

真姫「えぇ…」ガシッ

絵里「今日はおとなしく、帰るわ。…でも私まだ諦めたわけじゃないから」

絵里「どんな手を使ってでも…」

真姫「…どんな手を使ってくれてもいいけど」

真姫「もし、花陽やことりに手を出したりなんかしたら…」


真姫「…私、あなたのこと殺すから」


絵里「…えぇ、肝に銘じておくわ」

絵里たち「…」スタスタ…



真姫「…」

真姫「…っはぁー…!あ、危なかったー…!」

希「ホント、危機一髪みたいやったね」

真姫「ヤバかったわよマジで…。アイドルできなくなるところだった…」

真姫「そういえば絵里が希には全員かかっても勝てない、って言ってたけど…、あなたそんなに強いの?」

希「ん?んー…、まぁね。色々勉強した、って言ったやん?」

希「その中の色々にもまー色々ありまして…」

真姫「…なるべく歯向かうのはやめておくわ」

希「それが真姫ちゃんのためやねー…っと」

希「それより…、もうライブ、始まってるよ?急がんでいいん?」

真姫「えっ!!?もうそんな時間!?」

真姫「マズッ…!花陽たち大丈夫かな…。行きましょう!」

希「うんっ!うちも行く!」





絵里「…」

学院生A「せ、先輩…。あっさり引き下がってよかったんですか…」

絵里「…えぇ、今はね」

絵里「ふふ…、でも、あの時の…真姫の顔…」


(真姫「…私、あなたのこと殺すから」)


絵里(…本当に、殺されるかと、思った)

絵里(この私が、本気でビビるなんて…)

絵里「…いくらなんでも、変わりすぎじゃない?あの子…」

学院生A「はい?」

絵里「いえ、なんでもない」

絵里「…ま、でも…直接彼女たちに危害を加えることはできなくても…」

絵里「やり方はいくらでもあるわ」

絵里「私のA-RISEを頂点に導くためには、どんな小さな障害をも取り除かなければいけない」

絵里「それだけは、絶対にやり遂げないといけないのよ」

時は少し巻き戻り

メイドカフェ店内


花陽「つ、ついに海未さんのライブ開始まであと3分ほど…!」

ことり「真姫ちゃん結局来れなかったね…」

花陽「はいぃ…!でも、やらなきゃ…!!」

ことり「う、うんっ…!!それはわかってるよ…!」

花陽「ポジションやダンスは先ほどおさらいしたように、急な話なので混乱するかもしれませんが…」

ことり「うん、バッチリ…、とまでいかないけど、ちょっとアレンジ加えただけだもん…!行けるよ…!」

花陽「では、始まるまで…!!」

ことり「海未ちゃんにバレないように、待機…!」



舞台裏


海未「…今日で、このメイド服と、サングラスともお別れですか」

海未「今までありがとうございました。不甲斐ない私を引っ張ってきてくれて」

海未「笑えなかった私に仮初の笑顔を与えてくださったのは、あなたたちのおかげですよ」

海未「最後まで、私に力を貸してください」


スチャッ…


謎のメイド「…」

謎のメイド「あーあー…、んんっ」

謎のメイド「よしっ」

謎のメイド「それでは…、行きますっ…!!」



メイドカフェ 特設舞台


謎のメイド「はいはーいっ!!皆さんこんにちはー!はいっ?」


「「こーんにーちはー!」」


謎のメイド「おおー!急なフリにもちゃんと反応してくれるなんてここのご主人様は訓練されてますねー、なんてー」


アハハハハ…


謎のメイド「というわけで、今日も今日とてこの謎のメイドこと私のライブが…」




「「ちょっと待ったーーーーっ!!!!!!」」




謎のメイド「…っ!!?な、何っ…!?」

花陽「そのライブーっ!」

ことり「待ってもらおうかっ!!ででんっ!!」


謎のメイド「ことりっ!!?それに…、小泉さん…!?」


メイドA「はいはい、じゃあ謎のメイドさんには少しご退場頂いて…」

メイドB「はい、マイクは私にね」

謎のメイド「ど、どういうことですかこれは…?聞いてませんよ…」

メイドA「言ってないからねー」

謎のメイド「は、はぁ…」



ざわ…  ざわ…


花陽「え、えと…、突然のことで驚いている人も多いかもしれませんが…」

ことり「これはイベントの一環なのです!ちゃんと店長にも許可とってるんで、心配ご無用ですよー」


オォー…


花陽「あ、あの…、あの…、ゎ、私、たち…は…」

ことり「頑張って、花陽ちゃん!」

花陽「う、うん…。私たちは、す、スクールアイドル、なんです…」

花陽「き、今日が、そのっ…、そのデビューライブとなりますっ!」

ことり「海未ちゃ…、謎のメイドちゃんのライブをお楽しみに来てくれた方には申し訳ないですー。あ、でも大丈夫!」

花陽「このあと、ちゃんと謎のメイドさんのライブがありますからっ!!」


オォーッ!!


ことり「…あは、すごい盛り上がり。これじゃ私たち前座みたいだね」

花陽「…っ」ゴクリッ

花陽「でも、それじゃダメなんです…。海未さんを、圧倒的に超えないと」

花陽「でないと…!」

ことり「うん、わかってるよ。さ、準備準備」

花陽「うんっ…!」



謎のメイド「ライブ…。そうだったんですか。わざわざここで…」

謎のメイド「では、私は一度裏で待機しておいたほうがいいですか?」


ことり「ダメっ!謎のメイドちゃんはここにいて!」


謎のメイド「えっ…、では、袖の方で待機を…」

花陽「違うんですっ!!」

謎のメイド「はい…?」

花陽「謎のメイドさんには…、謎のメイドさんには…!」

花陽「客席で、見てもらいたいんですっ!!!」


謎のメイド「え、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!?」

~回想~


音楽室


真姫「お疲れ様。だんだん物になってきたじゃない」

ことり「…ふぅー、これならうまくいきそうだねー」

花陽「…」

真姫「…花陽?どうしたの?」

ことり「もしかして、練習の成果に不満?もう少し練習してから帰る?」

花陽「あ、うぅん…、そうじゃないんです…」

花陽「練習は、真姫ちゃんのおかげもあってとてもうまく言ってるとは思ってるんですけど…」

花陽「でも、本当にこれでいいのかなぁ、って」

花陽「私たちがライブを成功させたところで、海未さんは本当にアイドルをやりたい、って思ってくれるのかな、って思って」

真姫「…どういうこと?」

花陽「だって…、もしかしたら、海未さんにまた疎外感というか…、それこそ、私たちが海未さんよりずっとずっと上手にライブができたとしたら…」

花陽「海未さん、今まで自分がやってきたことはなんだったのか、って落ち込んだりしないかな、って」

ことり「あっ…」

花陽「あ、いや…、まだあの海未さんを超えられるかわかってないんですけど…」

真姫「何よ、そんなこと」

ことり「…うぅん、でも確かに、今の海未ちゃんメンタル弱いからなぁ」

ことり「ポジティブに受け取ってくれない可能性も考慮に入れる必要があるのかも…」

花陽「で、ですよね…!不確定な要素ではありますけど…」

真姫「だーかーら!そんなの心配する必要ないわよ!」

花陽「えっ…」

ことり「で、でも…、海未ちゃんの心の脆さは…」

真姫「そんなの関係ない!だって、そんなの不確定な要素でもなんでもないんだから」

花陽「え…?」

真姫「いい?花陽。例えばの話」

真姫「あなたがA-RISEの練習風景を見たとします。私たちよりずっと練習量は多いの。あなたはどう思う?」

花陽「え…?うーん、す、すごいなー…って思うのかな」

真姫「じゃあ、ことりが練習してたら?そうね、あなたの練習量より多めにやってるとしたら」

花陽「えっ」

ことり「私?」

花陽「うぅーん…、そーだなぁ…えっと…」

真姫「これに関しては前言ってたじゃない。『アイドルの先輩だから負けてられない』って」

花陽「あ!そっか。そういうことだよね…。ことりちゃんに負けないように、って思って私も練習量多くしたんだった」

ことり「で、それが?」

真姫「今の質問の状況は、ほとんど一緒でしょ?どっちも自分より練習量が多い。でも感じ方は違った」

真姫「じゃあなんで感じ方が違ったんだと思う?」

花陽「えっ…、し、質問の意味がよく…」

真姫「…はぁ。いいわ。教えたげる」

真姫「それはね、対象が身近であるかどうか」

真姫「あなたにとってA-RISEは憧れる存在。だから、自分より練習量が多くて当たり前、すごいな、くらいしか感じない」

真姫「でもことりは自分と同じスクールアイドル。年齢は一個上でも経験は自分のほうが早いし、負けたくないって思う」

真姫「今回の海未も、これと同じよ」

ことり「ど、どういうこと…?」

真姫「もし海未が、『自分のやってきた事って一体…』って思うのだとしたら、それは身近な存在であるから」

真姫「彼女が一人の、…みんなから愛されるアイドルであるがゆえに、目線を私たちスクールアイドルと自分を同等の存在としておいてしまうの」

真姫「だから今回のライブ、海未には一つ下の目線から見てもらうようにしましょう。引き下げるのよ」

真姫「彼女をアイドルでも何でもない…、一人の観客として」

ことり「え、えぇっ!!?」

花陽「仮にもアイドルな海未さんを…、観客に引き下げるのォ!?それっていいの…?」

真姫「だからこそいいんじゃない!彼女は今まで観客としてライブを味わってこなかった。だからアイドルの良さがわからなかったのよ!」

ことり「あっ…!そっか!!」

花陽「え…?」

真姫「海未は最初からやり方を間違ってたの。花陽、あなたが一番よく知ってるでしょ。アイドルを大好きなあなたが」

真姫「あなたがアイドルになりたい、って憧れたとき、あなたはどこにいた?」

花陽「…あっ!!」

花陽「そうか…、そうだよ!」

花陽「眺めてたんだ…!遠い遠い場所にいるアイドルを…!」

花陽「そして、こうも思ったんだ…!」

花陽「私も、そこに立ちたい、って…!!!」



~回想おわり~

花陽「謎のメイドさん、あなたはそこで、私たちを見守っていてください」

花陽「そして、思ったこと、感じたこと…、私たちのライブが終わった後で、存分に口に出してください」

ことり「これからお見せするのは、ひとつの魔法」

ことり「恥ずかしさなんか吹っ飛ばして、ワクワクした心を生み出しちゃう、不思議なマジック」

ことり「きっと目が釘付けになって、まばたきすらできなくなっちゃうかも!」


謎のメイド「魔法…」


花陽「そ、それじゃっ…、歌いますっ!」

ことり「時間がなくて、一曲しか用意できませんでしたがー…、3分半、夢のような時間をお届けします!」

花陽「き、聞いてください…!曲は…!!」



(真姫「曲名?あぁ、海未が名づけてくれたものがあるわ」)

(真姫「可愛らしい歌詞なのに簡素なタイトルで、私は少し物足りないんだけど…」)

(真姫「うん、曲名はね…」)

(真姫「『告白日和』、だって」)



花陽「こっ…」

花陽「告白日和、ですっ!!」




ことぱな「「すぅっ…」」





「  ねぇ、ひとつだけ聞いていい? 私のこと…  」

謎のメイド「…」



「  会えるかも今日は 心が騒いで  」

「  スキップしたくなった ときめきに踊る瞬間  」



海未(急にライブが始まって、驚いて最初は曲どころではなかったのですが)

海未(二人が歌い始めた瞬間、一瞬で周りの空気が変わったように感じられました)



「  私のことなど たぶん気にしてないの  」

「  だけど…ここにいるんだよ 私はここよ  」



海未(少し騒がしかった他のお客様方はすぐに静まり、しかしながらも穏やかな熱狂に包まれたように)

海未(まるでテーマパークに放り込まれたかのような興奮を、肌で感じました)

海未(…違う、まるで…違う)



「  自信が揺れ動く 嫌われてないかな?  」

「  勢いでとにかく挨拶だ!  」



海未(私のときとは、全く違いました)

海未(みんながみんな、同じ方向をむいて、誰もしゃべることなく、夢中になって)

海未(集まった有象無象の方々が、統率の取れた軍隊のように、同じものに対して一つに纏まっている)

海未(これぞまさしく…魔法)



「  やっと晴れたね ぱーっと晴れたね そして元気になるね  」

「  おはようの代わりに背中を叩いて 「さあ、行くよ!」  」



海未(店内を所狭しと動き回る、メイド服のことりと、小泉さん)

海未(それは小さな箱庭に降り立った妖精のようで)

海未(見るもの全てを幸福な気持ちにさせてくれる、天使のような存在で)

海未(しかし、なぜでしょう。私は、おそらく私だけは)

海未(ただ、それだけに収まってくれないのは)



「  やっと晴れたら ぱーっと晴れたら きっと元気なえがお  」



海未(今私は…、私のこの足は…)

海未(猛烈に、動き出したいと呻いている…!!)

海未(私の心は…!)

海未(熱烈に、歌いたいと願っている…!!)



「  なんだか 今の この気持ちが切なくなったよ  」

ガチャッ


真姫「ライブはっ…!!」

希「…始まってるようやね」

真姫「…やっぱり間に合わなかったか…」

希「でも見て、真姫ちゃん」

真姫「…ん?」

希「結構、うまくいってるみたいやよ?」

真姫「…そうね。ちょっと悔しいけど…、いいじゃない。二人共」





「  どんな ふうに 感じてるの全部見せてよ  」


ことぱな「…ふぅ」



「…っ」

「オオォォォォォォォォォォォォッ!!!!!」


パチパチパチパチパチパチパチパチ!!


謎のメイド「ぉぉ…」パチパチ…




ことり「ひゃっ!…あ、ありがとうございますー!」

花陽「ありがとうございますっ!ありがとうございますっ!!」

花陽「え、えっと…、聞いていただいたのは告白日和、という歌で…」


観客「えっ?『告白日和、です』じゃないの?」


花陽「えっ…、えっ!?いやそれは私が…」

ことり「はいー!『告白日和、です!』って曲でしたー!!」

花陽「えぇっ!!?いいの!?」

ことり「いいのいいの。告白日和、より可愛らしいよ。花陽ちゃんらしさも出てて」

花陽「勝手に曲名変えちゃったんだけど…」

ことり「…で、その『告白日和、です!』なんですけどー…、実は!この謎のメイドさんが作詞してくれたんですよねー!」


オォーッ!!


謎のメイド「えっ…、あ、ど、どうも…」


ことり「それで、今日は私たち、ただライブをやるためにここに来たんじゃないんです」

花陽「謎のメイドさんを、私たちのスクールアイドルに勧誘したくて、ライブをしたんだよね」


謎のメイド「なっ…!そ、そんな理由で…!!?」

ことり「どうだった、謎のメイドさん?」

謎のメイド「え、あ、あの…、その…」

花陽「ささ、舞台へどーぞ!!」

謎のメイド「え、えぇぇっ!!!」


謎のメイド「えっと…、あの…」

ことり「えへへ、いつもより緊張してる?」


海未(な、何故でしょう、いつもと同じはずの舞台からの景色が…)

海未(これほどまでに変わって見えるのは…!)


ことり「お集まりの皆さん、少し聞いてください」

ことり「実はこの謎のメイドちゃん、ここではこんなはっちゃけてるけど」

ことり「…実は、今年の春まで、心を病んでいたんです」

謎のメイド「…なっ!!?こ、ことり、何故今それをっ…!!」

花陽「ことりちゃんっ!?私も聞いてな…」

ことり「大切なお友達と喧嘩して、それまでの自分を否定されて」

ことり「心の殻に閉じこもってしまった時期も、あったんです」

ことり「でも今ではこんなに明るく振舞っている謎のメイドちゃん」

ことり「あの頃を知っている私は、今でも夢のように思えます」

ことり「こんなに大勢の人に愛されて、笑顔を振舞っているなんて」

ことり「ホント…、よかったね。うm…、謎のメイドちゃん」

謎のメイド「…もうほぼ漏らしてるじゃないですか、名前」

ことり「でも!その謎のメイドちゃんが今日でバイトをやめちゃうんです!!」


エェェェーッ!!


ことり「嫌だよね!?そうだよね!でも仕方ないの!期日だから!」

ことり「私だって残念で仕方ないよっ…、舞台の上で笑う、謎のメイドちゃんを見られなくなるのは」

ことり「ねぇ、謎のメイドちゃん。それで、本当にいいの?」

ことり「今終わって、満足だって言える?」

謎のメイド「…」

ことり「…これ、マイク」

ことり「次は…、あなたの番だよ」

花陽「ことり、ちゃん…」

謎のメイド「…」

謎のメイド「えー…、その…」

謎のメイド「…その」


ガンバレー!! 


謎のメイド「…はい、頑張ります」

謎のメイド「…んんっ!」

謎のメイド「えっと…、私は今まで、この舞台の上で歌ってきました」

謎のメイド「それは、かつての友人に言われた一言を理解するために、始めたことでした」

謎のメイド「しかしそれは…、ついぞ、叶うことはありませんでした」

謎のメイド「確かにこうして歌うことは楽しいんです!皆さんに自分すら知らない自分を見せることが!」

謎のメイド「でもそれはきっと…、彼女の考えるアイドルとは、別のものなのでしょう」

謎のメイド「ことりの言うとおり、私はずっと演じて歌ってきました。謎のメイド、という別の自分を」

謎のメイド「それを楽しいと思うのはおそらく…演劇の部類なのだと思います」

謎のメイド「今までアイドルというものを理解せず、この場に立ち続けてしまったことを…、深くお詫びしたいと思います」

謎のメイド「そして今日私は…、このバイトを辞職します。本当は言わずに、このまま別れの雰囲気を出すことなく去りたかったのですが…」

謎のメイド「しかし、そうもいかなくなってしまいましたね」

謎のメイド「…この、メイド服と、サングラスも…、今日限りです」

謎のメイド「…」


謎のメイド「…ですが」


謎のメイド「私は…、私はっ…!!」

謎のメイド「私はまだ、満足していませんっ!」

謎のメイド「なぜなら、今日、ついさっきここで!!」

謎のメイド「私はっ!!」


ヒュンッ!!


花陽「さ、サングラスを!」 ことり「取った!!」



海未「アイドルに、なりたいと…思ってしまったからですっ!!」

海未「二人がこの店内で踊るその姿に…嫉妬してしまったから!」

海未「私もこうなりたいと!こうでありたいと!!」

海未「ですから私は…、メイドをやめますっ!!」

海未「そして、これからはっ!!」


海未「謎のメイドではなく、園田海未として!」

海未「あ、アイドルをっ…!」

海未「スクールアイドルを目指していきたいと思いますっ!!」

海未「応援、よろしくお願いしまぁぁぁぁぁぁすっ!!!!!」

オオォォォォォォオオォォォォォォォォォォォッ!!!


花陽「海未さんっ…!」

ことり「海未ちゃんっ!!」


海未「ことり、小泉さん…。ありがとうございます」

海未「…これが、これが…アイドル、なんですね」

海未「今まで私が見ていた景色より、何倍も、何十倍も輝いて見えます」

海未「自分をさらけ出す勇気をくれたこと」

海未「心より、感謝します」


花陽「は、はいぃっ!!私も、海未さんが入ってくれて…、入ってくれて嬉しいですっ!!」

ことり「これからはずっと隣で…、海未ちゃんの笑った顔が見れるんだよね?」

海未「…もちろんですよ、ことり」

ことり「うぅぅぅぅっ…、やったぁぁぁぁぁぁぁぁあああっ!!!!海未ちゃぁぁぁぁぁぁあああんっ!!」ギュッ!!

海未「ふふっ…、ありがとう、ことり…。本当に、ありがとう…」


海未(そして、今まで…、今まで私に勇気をくれた、あなたたちにも)

海未(もう、あなたたちがいなくても、私は歌えます)

海未(さようなら、そして…心から、ありがとうございました)

海未(メイド服と、サングラス)



花陽「じ、じゃあ海未さんのラストライブ!始めていこっ!!」

ことり「そだね!初めての素顔のライブだよ!今日見に来れた人は激レアだね!」

海未「撮影は禁止ですよっ!それではー…」




観客「あ!その前に…」

観客「そのスクールアイドル、って、なんて名前なんですか?」



ぱなことうみ「え…」

海未「…なんて名前なんですか?」

ことり「私知らないけど…、花陽ちゃんは?」

花陽「え、えっと…!まだ、決まってない…」

ことうみ「えぇぇっ!!!?」




真姫「シーキュート!!」



全員「えっ…?」



真姫「私たちのスクールアイドルの名前!大文字のCに、小文字でcute!!」

真姫「間に☆で、C☆cuteよ!」

翌日

アイドル応援部 


花陽「はぁぁぁぁ…!昨日は緊張したなぁ…!」

ことり「うんうん!でも最高のデビューライブになったと思う!」

海未「は、初めての素顔でしたが…、結構いいものですね…!」

ことぱな「「でしょー!?」」


真姫「…これで、四人ね」

希「せやね。ふふ、最後の入部届も、やっと白紙じゃなくなった」

希「園田海未さん。ちゃんと受理されたよ」

海未「はい。今日からお世話になります!」

ことり「これで4人のスクールアイドルかぁ…!もう人数的にはA-RISE超えちゃったね」

花陽「あはは…、ですね。あ、そういえばスクールアイドルの名前…C☆cuteだっけ…?」

花陽「なんでそんな名前を付けたの?」

希「あ、それうちも気になってた。急に叫びだすからびっくりやよ」

海未「何か理由があるのですか?」

ことり「ちょっと既存のアイドルとかぶってるし」

真姫「そ、それは仕方ないでしょ。ちゃんとした理由はあるのよ」

真姫「みんな、歌の女神は知ってる?」

花陽「歌の女神…?」

希「ギリシャ神話のミューズのこと?」

真姫「そう。その中の5人」

真姫「私はこのUTXに降り立った天の御使い、天文を司るウラニアの頭文字、Uを」

真姫「花陽は、綺麗な声を持っている、名前が美声を意味するカリオペの頭文字、Cを」

真姫「ことりは、その可愛らしい容姿から、名前が愛らしい女を意味するエラトーの頭文字、E」

真姫「海未は、演劇舞踊をやってるみたいだから、舞踊を司るテルプシコラの頭文字、Tを」

真姫「そして部長の希は、このUTXのアイドルの歴史を知る人物、ってことで、歴史を司るクレイオの頭文字、Cを」

真姫「それらを並び替えて、部長の希はちょっと大きく大文字で、私たちはまだ小さい存在だから、ってことで小文字」

真姫「そして…間に希望の星を入れて、『C☆cute』よ。どう?なかなかイカすでしょ」

希「うちはまきまきちゃんと愉快な仲間たちとかのほうがいいと思う」

真姫「ふざけんな」

花陽「私は好きだな、シーキュート…。可愛いと思う!」

真姫「えぇ、そうよね、それが普通の反応!まだアイドルでもないのに入れてあげたんだから感謝しなさいよね!希」

希「ぶー」

海未「それ、私が入る前から考えていたんですよね…。もう私が入る事確定じゃないですか」

真姫「もちろん。確信してたわ」

海未「…はぁ、舐められてますね」

ことり「それだけ海未ちゃんを信頼してた、ってことだよ。ね?」

海未「そういうことに、しておきます」

真姫「それじゃ、新生スクールアイドル『C☆cute』!ついにスタートのときとしてっ…!」

真姫「さぁ!5人でピース!」ササッ

花陽「うんっ!」 ことり「はいっ!!」

海未「…なんですかこれは」

希「そういうお約束、みたいやよ?はい、海未ちゃんも」サッ

海未「ち、ちょっと気恥ずかしいですが…、わかりました」ササッ

花陽「あっ!こうして5人でピースすると…」

ことり「お星様!」

真姫「うわ、マジだわ…」

海未「気づいてなかったんですか…」

希「ちょっと抜けてるところも真姫ちゃんらしい!さ、行くよ!」

真姫「えぇ!」


真姫「1!」 花陽「2!」 ことり「3!」 海未「4!」 希「5!」


真姫「C☆cute、ミュージック…!」


「「「「「スタート!!」」」」」




もしライブ 第四話

おわり

真姫「というわけで第四話。うん、長いわね」

凛「書きたいこと多すぎで間に合わないにゃ…」

真姫「おかげで海未が入隊?したところが少しあっさり気味になってしまった気がするわ」

凛「やっぱり2分割するべきだったかもねー」

真姫「そして新生スクールアイドル、私たち4人?もしくは5人のユニットの名前!」

凛「『C☆cute』?℃-uteと名前駄々かぶりだよ」

真姫「うるさい!必死で考えたのよこっちは!℃-uteさえ存在しなければ最高のネーミングだと自画自賛の極みよバカ!」

凛「ググるとすでにほぼ同じ名前を使用している人もいるにゃ」

真姫「…」

凛「ドンマイ」

真姫「な、何を言われようとこの名前は変えるつもりはないからね!」

凛「はいはい。…皆もこの5人を指すときは使ってくれてもいいんだよ!」

真姫「誰もわからないと思うけどね」

凛「そしてついに絵里ちゃんが黒幕ということが明らかに。半分バレてた気がするけど」

真姫「ホント、絵里はいい役どころを貰えないわね…」

凛「どれだけ絵里ちゃんが悪い子に見えても叩くのは御法度だからね!あ、あと凛も」

真姫「暴言を吐いていいのは私だけよ」

凛「それもどうかと思うよ」

真姫「でー…、次回以降なんだけど」

凛「もうレス数的にうろライブ!はできそうにないにゃ」

真姫「ま、半分だけやってもいいんだけど…」

凛「というわけで、まだ未定だけど…仮面アイドルMuseシリーズ、そのVシネに当たる話をやるかも!という話」

真姫「たぶん全部書き溜めてから投下することになるわ」

凛「数日かけても、『無理かな』って思ったらこのスレは捨てて次のスレに移る予定だよ」

真姫「じゃ、連絡事項はこれくらいね。数日ほど間は空くでしょうけど待っていただけると助かるわ」

凛「それじゃ、今日の西木野☆星空シアターはここまで!」

真姫「C☆cute6人目のメンバーになるのはあなたかもね?」

真姫・凛「「まじ☆えんじぇー!!」」

勢いでVシネやりますといったものの書きたいストーリーがなんも浮かんでこねぇんでやっぱやめます
期待してくれた人はゴメン ちなみにアクセルでもエターナルでもない完全オリジナルなお話をやるつもりだったよ
将来的にやれるといいね で、今日はもうこのスレはおしまいにして次スレ立ててうろライブ!第六話をやっていくつもりだよ
数十分後に新スレを立てるのでテキトーに安価とってってくれると助かります それじゃ

立てました

凛「西木野☆星空シアター!2本目!」真姫「お楽しみはこれからよ!」
凛「西木野☆星空シアター!2本目!」真姫「お楽しみはこれからよ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1424960858/)

スレタイ考えるのに10分くらいかかりました
結局パクリに落ち着いた じゃ、続きは次スレで ほなな

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年02月14日 (土) 09:37:12   ID: em5EvmW0

作者はYPだったのかw

2 :  SS好きの774さん   2015年02月23日 (月) 03:28:14   ID: FmHLo7lW

この人の作品全部好きだ。
安価にもかかわらず話まとめるのがうまくて、うるおぼえ一期では泣いてしまった。
期待してます!

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