ドキ☆漢だらけの攻城戦~ポロリもあるよミ☆(67)

傭兵「野郎ども、仕事の時間だ」

 眼前に広がるは堅牢たる城。
 典雅さなど微塵もなく、甲冑を着込んだ巨人が屈み込んでいる姿を思わせる。

 そしてその背には、弓兵。

 数合わせの急造兵などではなく、錬度の高い、生粋の弓兵だ。

 だからこそ面白い。


傭兵「戦う以外にゃ能のねぇ俺達だ! 主君も持たず戦場を食い荒らす害虫だ!」

傭兵達「「害虫だ!」」

傭兵「そんな俺達の矜持は何だぁ!?」

傭兵達「「貰った分の仕事は果たす!」」

傭兵「俺達はなんだ!?」

傭兵達「「害虫だ! 戦場で誰よりも強く汚い糞っ垂れだ!」」

傭兵「さぁ仕事の時間だ! 稼ぐぞ野郎ども!」

傭兵達「「うおおぉ!」」

傭兵「全軍突撃だ!進めぇ!」


 分厚い城門を十人掛かりの破城槌で破る。

傭兵「ハッハァ!どんなお堅い奴でもこんだけ立派なブツをぶちこられりゃたまらんみたいだな」

傭兵達「違いねぇや!」

 城内になだれ込むと貴族の坊ちゃんらしい隊長にそれなりの練度の兵があてがわれた部隊に遭遇する。


傭兵「おい小僧! 貴様に護るべき者はいるか?」


貴族「この国に生きる全ての民だ!」

傭兵「「ひゅ~ご立派だねぇ!」」


 俺達に気圧されず、凛とした返答。


傭兵「殺す覚悟!殺される覚悟があるなら相手をしてやろう!でなければ即刻道をあけろ!」

貴族「戦場にてそのような問答は必要ない! 我が剣によって察していただこう」


 言うじゃねぇか。


 手に持つ得物を強く握り直す。

 傭兵達は一騎打ちの邪魔にならぬよう固唾を呑んでその光景を見守る。


 一騎打ちとは、戦場において戦士達に許される唯一不可侵の神聖な行為だ。


貴族「うおぉお!」

 鋭い踏み込みからの切り上げの一閃。

 長く、重い、扱い辛い武器であるハルベルトをここまで扱うようになる為に費やした時間はけして短くは無いだろう。


傭兵「だが、それで倒せるのは二流までだな」

 長年の相棒である戦槌の柄を使い、ハルベルトの軌道を僅かにずらす。

貴族「なっ!?」

傭兵「隙だらけだぜ?」


 金属が金属を叩くいやな音が辺りに響いた。

期待

長年の愛棒…だと?


 傭兵の戦槌が貴族の甲冑の胸部を叩き割る。

 甲冑に施された装飾がポロリと地面に落ちる。


貴族「グハァ」

傭兵「お前さんみたいに小綺麗な技は無いがこれでもお前さんがそのハルベルトを鍛錬し始めた頃には俺は戦場に居た」

貴族「殺せ、見事な腕前だった。 闘いの道を歩む者として憧憬を抱くほどに」



傭兵「ガキを殺すのは趣味じゃねぇ」


傭兵「さぁ行くぞ野郎ども!」

傭兵「「おおぉ!」」

傭兵「殺る覚悟も殺られる覚悟もあるんだろうな!?」


傭兵「「おぉ!」」

さて、次はどんな漢がいいかな

リクか?なら…

落ち武者狩り専門の荒くれ戦士


 城から白煙があがっている。

 二百年もの間、堅守を誇っていたこの城も最後の時が近いのかもしれない。


 城下の背後、鬱蒼とした密林が広がるこの場所に居る一人の男。

戦士「俺、ここ通すな、言われてる」

 およそ人とは思えぬ巨躯。 樹を丸ごと切り出したかのような棍棒。

貴族「ひ、ひぃ……」


戦士「るぅあああっ!」

 風を引き千切るような轟音をたてた棍棒が、一薙ぎで従者を含む八人の武装した人間を挽き肉に変えた。


 戦士は、南方の蛮族で鬼子と忌み嫌われていた。


 齢七の頃には、熊を素手で殴り殺し、戦士として元服を果たす十四になると彼の周りには誰も居なくなった。


 強すぎる故の孤独。


 彼は故郷を捨て戦場を渡り歩いた。


 幾つもの戦場で幾千の骸を築き上げた戦士に敗北を教えたのは‘害虫’と忌み嫌われる悪名高い傭兵団。


 彼は孤独では無くなった。

 そして、彼は傭兵団として闘う事を選ぶ。


 傭兵に言付けられたのは、「ここを通らせるな」


 戦士は、それを忠実に実行する。


戦士「お前、ここ、通るつもり?」

少女「お願い、通して」

 小さな身体、小さなナイフ、それに見合わぬ覚悟を秘めた凛とした瞳。


戦士「ここ、通すな、言われた」


少女「お前たち、私がコイツを引き受けるから、早くお逃げ」

 少女の身なりからして貴族などではないだろう。 どこぞの貴族付きの侍女の娘かなにかと思われる。

 少女の背には更に小さな子ども達。

戦士「駄目、諦めろ」


 戦士は迷っていた。


戦士「俺、今から、ちょと寝る」

少女「へ?」

戦士「ぐー、ぐー」


 少女が通り抜けていく。


少女「感謝する」


戦士「頑張ってなーぐー、ぐー」


 戦士は、なぜか満足だった。


さて、次なる漢はどんな奴か……
↓↓

女好き(特に10代前半)の貴族崩れの戦士。

年齢は、だいたい30代後半くらいで敬語口調。武器はサーベル。


貴戦士「やれやれ、これは些か不味いんじゃないですかね」


 城下には既に幾つかの火の手が上がっていた。

 いくら民間人には手を出さないという条約を結んでいたとしても、これでは少なくない人数の犠牲者が出るのは目に見えている。


貴戦士「あまりスマートではないですね」


傭兵「第一部隊はこのまま街を北上、一気に大将首を狙うぞ」

傭兵達「「おぉっ!」」


傭兵「第二部隊は遊撃、第一部隊に敵兵が集まらないように敵戦力を攪乱しろ!」

傭兵「「おぉっ!」」

貴戦士「傭兵さん、民間の方に対しての配慮は?」


 傭兵の返事はわかりやすい物だった。

傭兵「好きにしな」


 貴戦士は彼のこの性格に好感が持てた。

 彼は無骨な戦士だが、無慈悲ではない。

 むしろ優しい部類であるとさえ感じるときすらある。

貴戦士「ありがたいですね」

 第一、第二部隊を背に、貴戦士は火の上がる居住区に向け走り出した。



少女「いや、来ないでっ」


 入り組んだ居住区の奧に、少女の悲鳴が響く。


 まだ、女性として成熟していない、あどけなさが残るその少女に迫るのは数人の中年男性。
 身なりからは、貴族であることが分かる。


貴族1「一度こういう事をしてみたかったんだ」

貴族2「どーせこの騒ぎだ、誰もきやしないさ」

 下卑た笑いを浮かべる男達は醜悪の一言では言い表せぬ程下衆だ。



貴族1「ふひひ、俺は口が良いなぁ」

貴族2「んじゃ俺はケツで」

貴戦士「ずいぶん魅力的な相談ですね、なら私はあの蕾のように膨らみかけの乳房を愛でたいです」


貴戦士「ですが、そこに愛がなければただの自慰行為に等しいですが」


 いつの間にか、貴族二人の間に立つ貴戦士。


貴族「誰かね?君は」


貴戦士「少女の味方さ」

 その言葉と同時に腰に差したサーベルを抜き放つ。

 鞘走る刃の勢いに任せ貴族を斬り付けると、貴戦士は吐き捨てるように言った。


貴戦士「貴族としての誇りも、紳士としての気概もない貴方方はまるで盛りのついた雄犬だ」
 貴戦士は着ていた外套を少女に投げ渡すと、もう一度サーベルを構え直す。

貴戦士「来なさい駄犬ども、去勢して差し上げますよ」


 闘いにすらなっていなかった。

 せめてもの抵抗にと護身用の剣を抜いた貴族だが、貴戦士の技量に為すすべもなく、数分の後、物言わぬ肉塊となる。

貴戦士「貴族としての地位は失った私ですが、貴族としての誇りを失った貴方達にはまず負けませんよ」

少女「あの…ありがとう」

 少女がお礼を言う。


貴戦士「いや、美しい蕾を汚い手で毟ろうとするような輩が許せなかっただけです」


貴戦士「ところで、貴方は可愛らしいですね。 あの下衆達があぁなるのも頷けると言うものです。 いかがです? この後食事でも」

少女「え?」


 傭兵曰わく、病気。

 彼もまた、少女に対しての感情は常人なら目を背けたくなる物であった。


 彼は元々爵位を持つ貴族であったが、その趣味が原因で傭兵暮らしに身を落としたのだ。

少女「あの、そういうのは、ちょっと……」

貴戦士「それは残念、ではお気をつけて」

 貴戦士は街に消えていく。

 まだ見ぬ少女を求めて。

さて、次なる漢はどんな漢に

>>24

己の拳(こぶし)だけで生きてきた拳闘士なんてどうかな?


 城下にある闘技場。

 日頃の盛況が嘘のように静まりかえっている。


拳闘士「む……」

 彼は嘆いていた。

 彼の世界の全てであるこの闘技場が閑散としていることに。


 闘いの熱狂がこの闘技場の外に溢れかえっていることに。


 彼は、人生がここから始まり、ここで終える事に誇りを感じていた。


 鍛え抜かれた肉体と業は、闘えぬ人間の代わりに闘う為だと信じていた。


 彼が猛獣を拳一つで叩き伏せると民衆は沸いた。

 闘えぬ者の日頃の鬱屈を晴らす為に拳を振るう事が喜びですらあった。


 今、闘えぬ者達が戦火に巻かれている。


拳闘士「闘いは、自らの意志で望むべき物」


拳闘士「行くか」


 拳闘士は、手甲をはめる。

 南方の国に住まう竜といわれる生き物を倒した際に使った物だ。


 闘技場を一瞥。

 深々と頭を下げ一言。


拳闘士「ありがとう」


 彼は街に消えていった。


敵兵「誰だてめえは?」

 拳闘士の眼前には敵国の兵士。

 そして、無残に転がる民衆の遺体。

 拳闘士は血が沸騰するような感覚を覚えた。

拳闘士「るぅあああっ!!」

 大地を蹴り、一瞬で間合いを詰める。

 堅く握られた拳を敵兵の顔面に叩き込む。

 吹き出る鮮血。

 その場に崩れ落ちる敵兵。

 遙か先に転がる敵兵の首。

 拳闘士は街に響き渡る雄叫びをあげる。


拳闘士「この街に攻め入る貴様等に告ぐ。 闘いをしたくば我の下に来い!! 強者はここにいるぞ!!!」

 闘技場で十年無敗。

 それは、魔物でさえも拳一つで叩き伏せる絶対王者の勇壮たる宣戦布告であった。


さて、次なる漢は如何様なる漢であろうか

>>29>>30

おお!拳闘士、熱いな!面白かった!
じゃあ……双剣使いなんてどうだろう?見た目、優男って感じで。



兵士「おい、そこの優男」


 城から程近い、富裕層が住む場所に彼は居た。

 柔らかな目尻と通ってはいるが主張しすぎない鼻筋。

 少しだけ癖のついた長い金髪は、見るからに優男といった風体だった。


双剣士「僕のこと?」


 彼は腰に差した日本の短剣に手をかけながら朗らかに微笑む。

兵士「この国はもうお終いだぜ? 俺たちの勝ちだ」


双剣士「あぁ、君達がお隣さんの野蛮人だね」

 彼は興味深いとでもいうように兵士を眺める。


兵士「随分と余裕な態度だな」
双剣士「だって、余裕だからね?」


みす

日本の双剣

一対の双剣


兵士「なめやがって、男娼館にでも売り飛ばしてやろうか?」


双剣士「それ以上喋らない方がいいよ?」

 音すら立たない抜刀。

 およそ戦闘用とは思えない華美な装飾の細剣を首に突きつけ、無骨で実用的な幅広の短剣を脇腹の甲冑の隙間に押し当てる。

兵士「糞餓鬼がぁ!」


 兵士は有らん限りの声で叫ぶ。


兵士「お前らコイツをやっちま」

双剣士「バイバイ」

 両の手の短剣に力を込める。
 兵士は噴水のように血を吹き出して、その場に崩れ落ちた。



兵士達「「あいつを殺せ!」」


 騒ぎを聞きつけた兵士達が続々と集まってくる。


 双剣士はうなじに焼け付くような興奮を覚える。


双剣士「いいね、燃える」


 剣を持つ手に力を込めて敵陣に駆け出す双剣士。


双剣士「父さん、父上、力を借りるよ」


 護り抜いてくれた実の父が遺した華美な細剣。

 闘い方を教えてくれた育ての父がくれた無骨な短剣。

 彼はそれを握りしめ闘う。

 どちらの父も望んでいた、‘強い人間’になる為に。

戦場に咲くは漢の死に花。

ただ、それだけではなく、戦場には凛と咲き誇る華もある。

漢だけでなく、漢女も戦場にはいるはず。

次なる漢、または漢女は如何なる者か?

>>35

漢女って書くと、オカマを想像してしまうなwww

すまんけど、隻腕か隻眼の戦士を見たいな。
武器は何でもおk。


 城から少し外れた居住区。

 そこに、鬼が出た。


 遊撃に向かった傭兵部隊相手に独り立ちはだかる護国の鬼神。

 先の大戦で片腕を失いながらも、身の丈をゆうに越える大剣を振るう国の英雄。


隻腕「どうした!!巷で有名な‘戦場の害虫’とは、老骨一人討てぬ腑抜けの集まりか?」

 年老いてなお、隻腕のその肉体は鋼のようでり、歴戦を経たその大剣は神錆びたかのような風格がある。


傭兵1「化け物が!」

 傭兵の一人が、隻腕の雰囲気に呑まれ突撃。


隻腕「ぬぅんッ!」

 傭兵1の上半身が宙を舞う。
 彼の前では甲冑が何の意味すらなさない。


 振るう刃で一人斬り、返す刃で二人斬る。

 それは、さながら刃の結界。

 刃が届く範囲に生命の存在を許さぬ暴風雨の如き剣風に為す術もなく物言わぬ肉塊と化す。



傭兵達「「てっ、撤退だ!!命が足りん」」


「ならば俺が食い止めよう」

 隻腕の前に立ちはだかるひとりの男。


>>38の姿があった。

身の丈程もある大剣を携(たずさ)えた、赤銅(しゃくどう)色の肌の男。

熱いバトルを期待。


 隻腕の前に立ちはだかったのは、傭兵団の中でもまだ若い、赤銅色の肌の男だった。



赤「さて、ご老体。 ここは俺の相手をしちゃくれないかね?」


 背には、隻腕の大剣にも劣らぬ巨大な剣。


 磨き抜かれた白銀の刃は、隻腕の大剣とは対照的でもある。


隻腕「若いな、貴殿のその向こう見ずとも言える勇気に免じ、一騎打ちを受けてたとう」

 隻腕は、大剣を赤銅の男に向けて宣言する。


赤「夢にまで見たぜ、大剣使いにこの人ぞありとまで謳われたアンタを斬り伏せるこの時をな」

 先に仕掛けたのは赤銅色の男だった。


 石畳に割れる程の力強い踏み込み。

 一足飛びに間合いに入ると赤銅色の男は隻腕の頭上に大剣を振り下ろす。


 隻腕は剣を構えさえせずに、首を僅かに逸らしてそれを回避。


 大剣が振り下ろされた石畳が割れ、辺りに破片が散らばる。

赤「やるねぇ」


 赤銅色の男は続けざまに大剣を斬り上げ、返す刃で隻腕の顎を狙う。


隻腕「ぬんっ!」

 隻腕は大剣を振り下ろし迎え撃つ。


 常人では目で追う事すらできぬ一閃。

 刃がぶつかり合う音が響きわたる。


隻腕「若いな、愚直でなんとも力強き剣筋だ」

赤「アンタに褒められるなんざ光栄だね」


 鍔競り合い、刃から軋むような嫌な音が響く。

隻腕「どれ、少し本気をたずぞ」

赤「は、なめやがって」

 隻腕は大剣を下段に構える。

隻腕「防げよ。 当たれば死ぬぞ?」

 次の瞬間だった。

 隻腕の腕が、そして大剣が、視界から消えた。

 赤銅の男の背筋に冷たい物が走る。

 首に焼け付くような感覚。

 迫る刃。

 回避は、間に合わなかった。


赤「この剣じゃなきゃ剣ごと真っ二つ、か。 恐ろしいねぇ」
隻腕「防ぐか、見所のある小僧だ」

 赤銅の男が感じた首の焼け付くような感覚の正体。
 それはは、隻腕の大剣が孕む殺気だった。

 彼が幾多の戦場で生きながらえたのもその感覚に素直に従っていたからだ。

隻腕「退くか? それとも死を選ぶか? どうする若き剣士よ」


 そして今、その感覚が最大級の警告を出していた。


 眼前に立つ隻腕、その先にある濃密な死の匂い。

 膝が震える事で、戦う事を拒否している。

 ――黙れ、俺を奴の前まで運べ。

 背筋に怖気が走る。

 ――邪魔するな、剣の動きが鈍るだろうが。

 心が猛る。

 ――さぁ、行くぞ。 往くぞ!


隻腕「名を、訊いておこうか」

赤「何の為だ?」

隻腕「墓標になんと刻むか悩むでな」

 赤銅の男は大剣を真っ直ぐに突き付け笑う。

赤「~剣聖隻腕を斬り伏せし者、此処に眠る~そう書いてくれるように頼むから気にするな」


隻腕「その気概やよし! 見事我が首討ってみよ!」


赤「るぁああああっっ!!」

 獅子吼を上げ突撃する赤銅の男。


 神錆びる歴戦の大剣。

 真新しい白銀の大剣。


 辺りに、三度目の金属音が鳴り響いた。


 漢には越えねばならぬ壁がある。

 漢なら越えられぬ壁でなければならぬ。

 歴戦の大剣と新たな世代の大剣。

 勝ち鬨を挙げたのは――。

 結末は貴方の胸の中に。


次なる漢は如何なる漢か。

漢とは強き者。

されど、弱くとも、護る者の為に必死で強く在ろうとするのも紛れもなく漢である。

そして、折れぬ誇りを持つ者は性別を問わずその生き様は‘漢’である。

さて次なる漢は>>47である。

一人で武器屋を切り盛りする子持ちの女店主


女店主「大丈夫、大丈夫だからね。 あんた達はアタシが何があったって護ってやるから」

息子「母ちゃん僕怖いよぉ」

娘「大丈夫よ!弱虫弟は私とママで護ってあげるから」


 城下の外れ。

 比較的貧困層が多く住むこの居住区で細々と営まれる武具屋。

 元は腕の良い職人が切り盛りしていたが、今はその娘が一人で続けていた。

 彼女がその細腕で武具屋を営む理由は二つ。

 一つは、幼い頃から今は亡き父に仕込まれた技術。 これを使う以外の生き方を知らないから。

 もう一つ。 それは、戦場暮らしの夫の力になる為に武具を造りたいからである。


 街は今や戦火に呑まれ、いつどんな人間が危害を加えてくるかもわからない。

 辺りは既に避難を終えていたが、女店主は逃げるわけには行かなかった。


 この店は、愛した夫が帰る場所であり、子供達を護る為にはこの場所の方が都合がよかったからだ。


 店には武器もある。

 使ったことは無いけど。


 入り口は鍵を閉めている。


 簡単に破れそうだけど。


 なんにせよ、だ。

女店主「絶対に護る」


 決意の時は案外早くに訪れた。

 敵国の兵が店に押し入ってきたのだ。


兵「若くはねえが、随分と美人な武器屋だな」

兵2「俺の槍を手入れして欲しいぜ、へっへ」

兵3「いやいや、やっぱり若くなきゃな、あの娘なんか最高じゃねえか」


娘「……ママ」

 怖い。

 だけど、必死に服を握る子供たちの為にも一歩だって引けない。

女店主「ここは武器屋だ、用がないなら帰っとくれよ」


兵士を前に、娘は怖くて震えている。

私だって怖い。

 だと言うのに。

息子「お母さんとお姉ちゃんを虐めないで!」

この幼い息子は、兵士の前に立ちはだかりその小さな手を広げた。

息子「大丈夫だよ、僕は男だから」

のんびり待つか

まったりしえん

忘れてました(´・ω・`


 弱虫だと思っていた息子は、もう一人前に男だったのか。



息子「指一本でもふれたら許さないからな」


兵士「このガキ」


 カウンターの影に隠していたソレに手を伸ばす。


兵士「あん?」

 大の男でも使うのに苦労する鍛冶用の大槌。


 よく手に馴染む商売道具。 生活するための必需品。

女店主「鉄みたいに叩かれたくなきゃとっとと出て行きやがれ」


兵士「あぁ?」


 大槌を持つ手に力を込める。

 鉄を打つ時のように力いっぱい兵士の眼前にソレを振り下ろす。


 地震のような揺れを起こし、床に陥没痕を作り出し、もう一度。


女店主「出てけ、次は当てる」



兵士「糞、しらけちまった」



 追い返せた。


 正直怖かった。

 ……けど。


娘「ママかっこいい!」


息子「良かったぁ」


 この四つの瞳が私を見つめている限り、世界一強い自分で居よう。


放置しててすいませんでした。


次なる漢は>>60なり。

いいよいいよー気にせずにいこうよー

初陣を迎えた若き王子に勝利を捧げんと自ら突撃の先陣を切る老将

いい設定だ


 寡黙にその歩みを進める兵士達。 その誰もが、屈強な体躯と鋭い視線で眼前に広がる戦場を見据えていた。

 身に纏う空気は、まるで抜き身の剣のように張り詰めている。

 そんな中、明らかに一人、高齢の兵士が混じっている。

 実戦的ではあるが、厳かな装飾の施された甲冑には大小数多くの傷が刻まれ、甲冑から覗く肢体には更に多くの傷痕が刻まれていた。

 彼は、前大戦の時から戦場を生き抜いて、いや、戦い抜いてきた叩き上げの将であった。

 老いて尚鋭く光る眼光。 眉間の深い皺は、彫刻のように微動だにしない。

 周りの兵が抜き身の剣だとすれば、彼の纏う空気は抜き放たれる時を静かに待つ名刀。

 極東の国に伝わる必殺の絶技。

 ‘居合い’を連想させらる。

来てた!支援!

まったり待つよ

のんびりとね

どうつなぐかな

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