カヲル「リリンはなぜ、肉体の歓びにあんなにも弱いんだろう」(36)

ネルフ。休憩室―――

アスカ「なんの話よ、ナルシスホモ」

カヲル「単なる疑問さ。精神の歓喜以上に、肉体の歓喜を優先するリリン。僕には分からないよ」

アスカ「バッカじゃないの。自分は高尚とでも言いたいわけ?」

アスカ「言っとくけど、あんた以外にとっても大事なのは心、精神よ。そりゃ、そうでない人もいるけど」

カヲル「……少なくとも君にとっては、身体より想いの方が重要だと?」

アスカ「アッタリマエじゃない」

カヲル「へえ。なら、試してみてもいいかい?」

アスカ「……なんかやらしいコト考えてんじゃないでしょうね」

カヲル「ちょっとした試行だよ」

カヲル「例えば、まず僕が君にキスをする」

アスカ「はぁぁ!?」

カヲル「―――なるべく、肉体を悦ばせるつもりで。それを……そうだな、3回繰り返そう」

アスカ「こらホモ、ちょっと待ちなさい」

カヲル「で、4回目。4回目の時、拒めれば君の主張を認めてそこで終わり」

カヲル「拒めなかったら、次は……もっと深いキスをするとかね」

アスカ「……つまり、止められなかったら4回ごとにさらに踏み込んでくるってわけ?」

カヲル「そういう事になるね」

アスカ「はっ! あんた、頭おかしいとは思ってたけど、いよいよ本格的に壊れてきたんじゃないの」

カヲル「試してみないのかい?」

アスカ「みるわけないでしょーがっっっ!!!」

アスカ「なんでこの私が、そんな下らないことであんたにキスされなきゃなんないのよ」

カヲル「キスは例え話さ。他のことでもいい」

アスカ「ふんっ。ま、仮に触れさせてやるとして、変態ホモ男に許してやるのはせいぜい手の甲までね」

カヲル「……なら、それで構わないよ」

アスカ「へ?」

カヲル「手だけお借りするよ」スッ

アスカ「ちょっと、気安く―――」

カヲル「……」チュッ

アスカ「ひぁ!?」ビクン

カヲル「リリンの紳士が、レディーの手の甲に口づけをするのを見たことがある。その真似さ」

アスカ(な、に? 今の……)

アスカ「は……離しなさいよこの痴漢男っ。びっくりしておかしな声出ちゃったじゃな―――」

カヲル「2回目」スッ

アスカ「やっ」

チュッ

アスカ「はうっン!」ビク!

カヲル「また声が漏れたね」

アスカ「き……汚くて……キモチ、悪くて。それだけよ」

アスカ(そうよ。それで間違いないんだから! なのに)

アスカ(なんで……熱いの? こいつに触れられたとこが、熱くなって、ズキズキして……)

カヲル「3回目。僕がこうして膝をつくと、芝居がかって、さっきまでよりは『それらしく』なるかな」

カヲル「さあ、お姫様。手を」スッ

アスカ「あ……」

アスカ(やだ。なんかホントに、お姫様と、王子様……みたい。こいつやっぱり、顔だけはめちゃくちゃいいから……)

チュゥ

アスカ「ン、ぅ」ピク

チュゥゥ

アスカ「あっあ~……♡」ヘナヘナ…

カヲル「アスカ……君までへたり込んだら格好がつかないよ」

アスカ「ハァ、ハッ、う、うっさい、痴漢ホモ……」

カヲル「憎まれ口を利くことはできるんだね。なら、拒むこともできるのかも知れない」

カヲル「さあ、次で4回目だよ。ここで逃れれば終わりにすることができる」

アスカ「……!」

カヲル「……」スッ

アスカ「……やめろ、ぉ……」

チュッ

アスカ「ふぁ、ぁ♡」フルフル

カヲル「……」

アスカ「ハァ、ハァ、なんで……止めたじゃない……ハァ」

カヲル「あれじゃまるでうわ言だ。君は、自ら手を引くことができたのに動かそうとしなかった」

アスカ「ぅ……っ」

カヲル「まあ、気にすることはないさ。これからいくらでも、僕を拒む機会はあるんだから」

カヲル「一度でいいんだ。一度でも君の精神の強靭さを示すことができたなら、僕は、さっきの言葉を取り消すと約束するよ」

アスカ「は……あんたって本気で、ナルシストだったわけね。自信、過じょ―――」

カヲル「……」レロッ

アスカ「きゃふ、ン……っ」

カヲル「先に進めよう、アスカ。今のが新しい一回目」

カヲル「今度は、君の指を愛してあげる」

アスカ「あ……!?」ドキッ

アスカ「ナルホモ痴漢が……愛とか言うな……!」ドキドキ

レロッ

アスカ「ひぅん!」

チュプ…チュッ、レロォ…

アスカ「あ、ンぁ……! ハァ、ハァ、あぁ、ん」ビクッ、ビクッ

アスカ(熱い。熱い。熱くてぐらぐらする……)

アスカ(ああ……私の指ぃ、渚の唾液で、濡れちゃってる……濡れてる……)

アスカ(き、汚いって、嫌だって思わないと)

カヲル「……」チュゥ

アスカ(指が、蕩けそうなんて。思ったら―――)

カヲル「また次で4回目。あっという間だ」

アスカ「ハァ、ハァ、ハァ、ぅぅぅ」

カヲル「……」

ペロッ

アスカ「んクぅ」ビクンッ

レロ、チュパ、レロ…

アスカ「はひ♡ ハァ、ぁ、ぁン♡」

…カリッ

アスカ「あぁっン!」

アスカ(え!? 嘘、嘘……!)

アスカ(イヤっ、私、イっちゃ―――!?)

アスカ「んぅ~~~~~………♡♡」ビクビクッ

カヲル「―――まるで抗えていないね。ここまでは」

アスカ「……ハッ、ハッ……はぁぁ……♡」ポー

カヲル「先は長いけど、進むほどに僕は君を侵食していく。肉体に与えられる快楽も増していくことになるよ。大丈夫かい?」

アスカ(……ぁ! そ、そうだったわ。しっかりしないと。こんな奴に、もっと凄いことされちゃったら)

アスカ(そうよ。もし渚に思いっきり、身体中好きに……されちゃったら……!)

アスカ「……っ」ブルッ

アスカ(!? なっなんで溢れてきちゃうのよぉ)

カヲル「もっとも、まだ右手にしか触れていないから、とも言えるかも知れないね」

カヲル「踏み込まれればそれだけ、君の抵抗感も増大するだろうから」

アスカ「……分かってるじゃない。そうよ……っ、そうなんだから!」

アスカ「手ぐらいまでなら、あんたに特別に……触れさせてやってもいいかなって思って、だからっ」

カヲル「ありがとう。なら、その厚意に甘えてより踏み込むより、左手にさっきと同じ行為をしようか」スッ

アスカ「う……」

カヲル「アスカ。この手も済んだら、君の他の部分にも触れていく」

カヲル「つまり、それ以上を拒むつもりなら、この数回のうちに意思を示すべきだ」

アスカ「そうね……言われなくたって、そうしてやるわ」

カヲル「……」チュッ

アスカ「あ、くぅ……ん!」

シンジ「―――アスカ、カヲル君。お待たせ」

レイ「……」

カヲル「もういいのかい?」

シンジ「うん。僕らも、もう上がっていいって」

アスカ「そ。ならさっさと帰りましょ。さっさと!!」

シンジ「なんだよアスカ。なに怒ってんの?」

アスカ「怒ってないわよ! あんたらがトロかったからイライラしてるだけ」

シンジ「やっぱり怒ってるじゃないか……しょうがないだろ、シンクロしながらのメンテナンスじゃ、僕らだけ先に帰るとかできないんだし」

アスカ「はいはい。いいから、早くカバン取って来なさい」

シンジ「うん」タタッ

アスカ「……」

カヲル「今日は、両手だけで時間切れになってしまったね」ボソッ

アスカ「……」

カヲル「この試行の続きは、また今度の機会に」

アスカ「……っ」

レイ「?」

葛城家―――

シンジ「アスカぁ、もうお風呂できてるよ」

アスカ「んー……」

シンジ「アスカ?」

アスカ「……入ってくる」

シンジ(急に怒ったり、元気なかったり、なんなんだろ。今日のアスカ)

ペンペン「クェ」

ザー

アスカ「……」


アスカ『ハァ、ハァ、ハァ……ぁぁ、ぁ♡』

カヲル『左手も4回。結局、止めることができなかったね。アスカ』

アスカ『う、ぅぅ……』

カヲル『これで、この両手はもう僕のモノだ』

アスカ『……な……っ、なによ……それ。ハァ、勝手に、何言って……』


アスカ「……」

ドゴン!

アスカ「くそ……ぉ!」

アスカ「調子に乗って……! あいつ!」

アスカ「なにがっ、『僕の』よ……!」


カヲル『……』チュッ


アスカ「ぅ……く、ぅ」

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