南光太郎vs仮面ライダーキバ (303)

仮面ライダーBLACKRX×仮面ライダーキバのクロスssです。

物語の舞台はキバTVシリーズ47話の間になります。

過去のシリーズもあるのでよければこちらもご覧下さい。

南光太郎vs真・仮面ライダー
南光太郎vs真・仮面ライダー - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407240535/)

南光太郎vs仮面ライダーZO
南光太郎vs仮面ライダーZO - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1411005429/)

南光太郎vs仮面ライダーJ
南光太郎vs仮面ライダーJ - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414665254/)

南光太郎vs仮面ライダー電王

南光太郎vs仮面ライダー電王 【修正版】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1420296031/)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420305369




キバットバットⅢ世「音痴、それは音に対して感覚が鈍い事である。
音楽をこよなく愛する者は音痴を極端に嫌う。
だが極希に、その音痴を凌駕して人々から名曲だと慕われる歌も存在する。」



タツロット「一体何の話ですか…?」



<1986年12月某日>


「お前は俺のブラッディーローズに込めた祈りを聞いたんじゃないのか?」


「その音楽は…どうやったら聞こえるの…?」


「甘えるな!それは自分で考えろ…」


それは1986年12月某日、父が息子に残した最期の言葉だった。

だが少年は父親が遺したその言葉の意味を理解できずに父親と死別してしまった…

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~キャッスルドラン(城内)~


((ドックン!)) ((ドックン!))


ラモン「これ…繭…だよね?」


力「コレハ…イキテルノカ…?」


次狼「わからん…だが…厄介な事になったな…」


ここはキャッスルドランと呼ばれるドラゴンの内部。

その内部の住人である次狼、ラモン、力の三人は、

キャッスルドランの内部に突如出現した繭を前にどうしたものかと頭を悩ませていた。

(ナレーション:政宗一成)



ラモン「これって21年前にビショップが言ってたヤツだよね…
それが今になってこのキャッスルドランでようやく目覚めたって事なのかな?」


力「メンドウダ!クッチマオウ!」


次狼「いや、これは俺たちではどうにもならん。
どうやら21年前に起きた出来事の意味がようやくわかった気がする…」


次狼たちが語る21年前とは…?そしてこの繭の中で生きている者の正体は…?

これから一体何が起ころうというのだろうか!?

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~紅家~


渡「深央さん、父さん…」


キバットバットⅢ世「おい渡…元気出せよ!今日はお前の誕生日じゃねえか!」


タツロット「そうですよ!それに今はお正月、
びゅんびゅーん!テンションフォルテッシモですよ~♪」


渡「ハァ…」


キバットバットⅢ世「ダメだ…落ち込んだままだ…」


タツロット「結局過去へ行っても何も変わりませんでしたね…」


ここは紅渡が住む父親から譲り受けた紅家。

渡はこの数日前、キャッスルドランの内部にある時の扉を開けて22年前へと飛んだ。

その理由は慕っていた鈴木深央の死を乗り越えるため、

そして父である紅音也と邂逅するためであったのだが、結局はこの有様…

しかも問題はそれだけではなかった。

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅢ世「やっぱり…昨日の事を気にしてんのか?」


渡「…」


タツロット「気にする事じゃないと思いますよ?」


実は昨日の事である。

過去から帰ってきたばかりの渡は3WAというモンスターハンター組織に命を狙われた。

その際、渡は『化物め!』『お前は人間じゃない!』と罵られていた…

(ナレーション:政宗一成)



((ブロロロロッ!))


???「ここが…紅家…この家に紅渡がいるのか…」


渡が家の中で悩んでいる頃、バイクに乗ったある男がこの家の前を訪れていた。

果たしてこの男の正体は…?

(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


??「ハァ…ハァ…!」


??「急いで!あいつらが追ってくるわ!」


1988年の1月某日、一人の妊婦が幼い少年と共に何かから必死に逃げていた。

だが妊婦はその身重な身体で満足に逃げる事など不可能であった。

その間に追っ手が迫りつつあった!

そしてとうとう追い詰められてしまう…

その追っ手の正体は!?

(ナレーション:政宗一成)



ゼブラファンガイア「もう逃げられないぞ!」


アントライオンファンガイア「我らファンガイアの裏切り者!あなたはここで死ぬのだ!」


??「死ぬのは怖くはないわ!けど…その前に…この子を…子供を産ませて欲しいの!」


ゼブラファンガイア「お腹の子供を産みたいだと…?ふざけた事を!
その腹の中にいる子供も殺せと命令を受けている!
いや…むしろ…我々の本当の目的はあなたの命よりもそのお腹の中にいる子供だがな!」


??「そんな…」


アントライオンファンガイア「死ね!」


女性と子供を襲ったのはファンガイアと名乗る者たちであった!

そしてファンガイアたちの刃がこの母子に襲いかかろうとした!?

だが…!

(ナレーション:政宗一成)



((ブォォォォン!))


光太郎「待てゴルゴム!それ以上の卑劣な真似は許さん!」


ゼブラファンガイア「貴様…いきなり現れて何のつもりだ?」


アントライオンファンガイア「大体ゴルゴムとは何だ!?」


なんとこの母子のピンチを救ったのは我らがヒーロー南光太郎だ!

状況を察した光太郎は怪人たちから母子を救うため、すぐに戦闘態勢に入った!

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「変…んん…身!」


BLACK「仮面ライダーBLACK!」


ゼブラファンガイア「仮面ライダーだと…?」


アントライオンファンガイア「そうか!お前が今巷で噂になっている仮面ライダーか!?」


BLACK「ゴルゴムの怪人め!覚悟しろ!トォッ!!」


本来なら容易い任務であったはずだが…

仮面ライダーBLACKの出現は予想しておらず二体の怪人はライダーの力の前に翻弄する。

そして…!

(ナレーション:政宗一成)



BLACK「ライダ―――ッ!パ―――ンチ!」


ゼブラファンガイア「ギャァァァッ!?」


BLACK「ライダ―――ッ!キ―――ック!」


アントライオンファンガイア「グワァァァァ!?」


仮面ライダーの必殺技により倒された怪人たち。

変身を解いた光太郎は先程襲われていた母子を介抱する事に…

(ナレーション:政宗一成)



真夜「助けてくれてありがとう。私は真夜、それと息子の大牙よ。」


大牙「さっきは助けてくれてありがとう…」


光太郎「もう安全ですよ。それにしても大きなお腹ですね。
失礼ですけどひょっとしてもう出産間近なんじゃ?急いで病院に行きましょう!」


真夜「病院はダメ!このお腹の子は普通の子じゃないから…」


光太郎「普通の子じゃない…?一体どういう事なんですか?」


真夜「それは…」


自分のお腹を擦り体内にいるであろう我が子の身を案じる真夜。

この母子は一体…?

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

2009年と1988年の二つの時代が交差します。



<1988年1月某日>


~喫茶店キャピトラ~


大牙「お兄ちゃん…ここは?」


光太郎「ここは喫茶店キャピトラ、僕の行きつけの店だよ。
今日は休日で誰もいないからゆっくり寛いでください。
ところで…真夜さん、そろそろ事情を聞きたいんですけど…?」


真夜「厚意は感謝するわ。けどこれ以上深入りすればあなたの身が危険よ…」


光太郎「安心してください。さっきの戦いを見た通り僕も普通の人間じゃない。
それにさっきの怪人たちが他にもいるみたいだし僕でよければ力になりますよ!」


喫茶キャピトラに真夜と大牙を匿う光太郎。

光太郎はさっそく真夜に、何故先程の怪人に襲われたのか理由を尋ねるのだが…

(ナレーション:政宗一成)



真夜「フフ、あなた人間なのに変わった人なのね。まるであの人みたい…」


光太郎「あの人…?」


真夜「私が愛した人の事よ。
けど彼は死んでしまった。2年前のファンガイアのキングとの戦いの所為で…」


光太郎「ファンガイア…?」


[ファンガイア]


それは人間社会に紛れて、

人間の生命エネルギーであるライフエナジーを糧とする者たちの事である。

普段は人間と同じ姿であるため見分けがつかないため、

その多くがごく普通に人間社会に溶け込んで生活している。

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「ファンガイア…そんなヤツらが潜んでいたとは…
つまりさっきあなたを襲ったのはそのファンガイアというヤツらなんですね!
けど何故ヤツらはあなたたちを襲ったんですか?」


真夜「それは私がかつてファンガイアの頂点に立つチェックメイトフォーの一人であるクイーンだから…」


光太郎「なんだって!?」


大牙「…」


真夜「警戒しなくていいわ。私にはもうクイーンとしての力は2年前に失われたの…」


光太郎「2年前…?」


真夜「2年前、私はチェックメイトフォーのクイーンでありながら一人の人間を愛してしまった。
その男の名は紅音也、彼もまたファンガイアである私を愛してくれた。
けどファンガイアのキングは私と音也の愛を許さなかった…
キングは私からクイーンとしての力を奪い音也を殺そうとした!
それから死闘の末、音也はキングを倒した。でもその代償は大きかった…」


光太郎「なるほど、その音也という人はその時の戦いが原因で亡くなったんですね。
じゃあ…まさか…そのお腹の子供の父親は…?」


真夜「そうよ、このお腹には…私と…それに音也の息子である渡…紅渡がいるの…」


2年前、紅音也はキングとの戦いに勝利した。

だがその代償は高く、彼はその後死んでしまった…

しかし音也と真夜の子供はこうして今まさに生まれようとしているのであった!

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~喫茶カフェ・マル・ダムール~


健吾「なんやて!渡が!?」


恵「そうなのよ!
本部から3WAという私たち青空の会と同じくファンガイアを相手にしている連中がこの前、
渡くんを狙ったという報告を受けたの。」


健吾「なんでや!渡はキバなんやで!人間のために戦っとるやんけ!?」


恵「そういうわけにもいかないのよ…
キバを快く思わない人たちだっているわ。
それに嶋さんがあんな事になったから歯止めになってくれる人が誰もいないのよ…」


健吾「そうや!師匠は?名護さんはこの件に関して何か言っとらんのかい?」


恵「知らないわよあんなヤツ…
今は嶋さんの後釜に座る事で頭がいっぱいなんじゃないの?」


ここは喫茶カフェ・マル・ダムール。

青空の会のメンバーである麻生恵が渡の近況を健吾に説明していた。

どうやら今の渡の立場は思ったよりも複雑であった…

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~紅家~


((ドンドンッ!))


名護「新年明けましておめでとう!渡くん!私だよ!
キミの師匠であるバウンディハンターの名護啓介が新年の挨拶に来たよ!
さぁ、私と一緒に初詣へ行こうじゃないか!!」


キバットバットⅢ世「おい渡!お友達(?)が来てくれたぞ!出迎えてあげろよ!」


渡「あの人…友達じゃないし…」


名護「キミが落ち込んでいる事は恵から聞いている!
しかし、戦士に落ち込んでいる暇は無い!
どれ、ここは私が励ましのエールを贈ってあげようじゃないか!!」


タツロット「おや、あの人何かやってくれるみたいですよ?」


渡「…」


新年の挨拶と称してやってきたのは渡の師匠的存在(?)である名護啓介であった。

だが玄関が堅く閉められているので家の中に入る事ができず、

性懲りもなく何度も玄関の扉をノックしていた。

(ナレーション:政宗一成)



名護「渡くんへの励ましの名護エール!いざ!!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!
頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!頑張れ!」


キバットバットⅢ世「うぜぇぇぇぇ!?
何あいつ!嫌がらせしに来たわけ?けどまあ…ほら渡!
お友達(?)が応援してくれてるぞ!お前も応えてあげろって!」


渡「僕…頑張ったけど…結局深央さんと父さんは死んじゃったし…」


タツロット「鬱病の人に頑張れって言うのは却って逆効果になるからやめた方がいいそうですよ!」


キバットバットⅢ世「帰れぇぇぇっ!マジ帰れ!300円上げるからマジ帰って!?」


名護「おかしい、これだけ呼びかけているのだからそろそろ出てきてもいいはずなのだが?」


名護の呼びかけにも応じない渡。

そんな時だった!

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

キバットはちょっと気が抜くと銀魂の銀さんになってしまいます…



((ガチャッ!))


キバットバットⅢ世「ドアが開いた!誰か入ってくるぞ!?」


渡「そんな…名護さんは玄関にまだいるし…一体誰が…?」


???「驚かせてすまない。
玄関は閉じているからこうして忍び込んで家の中に入るしかなくてね。
ところでキミが紅渡くんだね?」


渡「そうですけど…あなたは誰なんですか?」


突然現れた一人の男。

それは先程、この紅家にバイクで訪れた男であった!

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「俺の名は南光太郎、今までずっとキミの事を探していたんだ。」


渡「僕の事を…?けど何で…?」


光太郎「渡くん、キミは今日21歳の誕生日だね。
俺は21年前、キミが生まれた時に立ち会っていたんだ。」


渡「立ち会っていた?一体どういう事なんですか!?」


光太郎「悪いが時間がない。
説明するよりもまずは確認したい事がある。まぁ…ちょっとした腕試しかな?」


渡「腕試し…?」


光太郎「行くぞ!変…んん…身!」


((カッ!))


渡の部屋に突如現れた南光太郎!そして光太郎は部屋の中で変身を行った!

(ナレーション:政宗一成)




((ガッシャァァァァン!))



渡「うわぁぁぁぁぁ!?」


名護「渡くん!窓から飛び出てどうしたんだ?
そうか、私の必死の説得で窓から飛び出してくれたんだね!」


キバットバットⅢ世「そうじゃねえ!
変な男がいきなり変身して渡を襲ってきたんだよ!あいつ…どういうつもりだ!?」


渡「あなた…一体…何なんですか!?」


RX「俺は太陽の子、仮面ライダーBLACK!RX!さぁ、キミもキバに変身して俺と戦え!」


渡「キバの事まで知っているなんて…こうなったら…キバット!」


キバットバットⅢ世「オゥッ!キバっていくぜ!行くぞ渡!ガブッ!!」


渡「変身ッ!」


キバ「ハァッ!」


名護「キバ…それにRX…太陽の子だと?一体どうなっている!?」


RXの突然の襲撃に渡もキバに変身!対峙する両者、RXとキバの戦いが始まる!!

(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


~ゴルゴム神殿~


ビショップ「お初にお目にかかる、私はビショップ。
ファンガイアを束ねるチェックメイトフォーの一人でございます。」


糸矢「それと私は部下の糸矢と申します!チューリッヒヒヒ!」


ダロム「ファンガイア…噂には聞いていたがこの目で見るのは初めてだ。」


バラオム「ファンガイアといえば人間のライフエナジーを啜って生きている連中…」


ビシュム「そのファンガイアが我らに一体何の用でしょうか?」


ここは暗黒結社ゴルゴムの本拠地、ゴルゴム神殿。

この場所にチェックメイトフォーのビショップが部下の糸矢僚と共にやってきていた。

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ「私が今日このゴルゴム神殿に訪れたのは我が王の意思でもあるのです!」


ダロム「ファンガイアの王の意志だと…?」


ビシュム「ですが確かファンガイアの王は2年前に人間に倒されたはずでは?」


バラオム「フンッ、人間如きに倒されるとは…ファンガイアとやらの底が知れているな!」


ビシュム「ちがう!王は倒されたのではない!
我が王は深い眠りにつかれているのだ。時が来れば必ずその眠りから目覚めるはず!」


ダロム「それで貴様は一体何をしにこの場に訪れたのだ?」


バラオム「まさか今のくだらぬ言い訳をほざきに来たのではあるまいな!」


ビショップ「私があなた方を訪れた理由はこれです!糸矢、あれを持ってきなさい!」


糸矢「ハイハイ、ただいま~♪うんせ!うんせ!」


それからビショップは三神官たちの前にある柩を持ち出してきた。

柩とは本来死者を納棺するモノ、何故このようなモノがあるのだろうか?

(ナレーション:政宗一成)



バラオム「この柩は一体何だ?」


ビショップ「これからあなた方にお話する事は、
身内の恥を晒さなければいけない大変お恥ずかしい話なのですが…
我々は同胞である一人の女をなんとしても処刑しなければなりません!
そこでその女の処刑のために深い眠りに入っておられる王は私にこう告げたのです!
『この死者を使いあの女を殺せ!』と…」


糸矢「まあ本当の理由は他人には言えませんからなぁ…ガーリッククク!」


ビシュム「女…?一体誰の事なのですか?」


ビショップ「それは言えません。
ですがあなた方ゴルゴムの改造手術で、
この男を改造人間に仕立て上げてその女を始末する処刑人として送り込みたいのです!」


ダロム「何故その死者を蘇らせてまで女を処刑したがるのか理由がわからんな?」


バラオム「それに我らとて死人を簡単に生き返らせる事はできんぞ!」


ビショップ「その心配には及びません。
実はあなた方に我らファンガイアの生体サンプルを提供したいと思いましてね!」


ビシュム「ファンガイアの生体サンプル…?そんなモノがどこにあるというのですか?」


糸矢「そうですよビショップさま?私たちが持ってきたモノはこの柩だけじゃ…?」


ビショップ「ファンガイアの生体サンプルは…お前だ!糸矢!!」


((ドバッ!))


糸矢「うぎゃぁっ!?」


ビショップは突然理由もなく糸矢を傷つけた!

(ナレーション:政宗一成)



糸矢「ビショップさま…一体…何故…?」


ビショップ「愚か者め、私がお前の行動に気づいていないと思っていたのか?
我らファンガイアは掟により人間を愛する事を禁じている。
お前はその掟を破り人間と婚姻を結ぼうとした。よって処刑したまでだ!」


糸矢「おのれ…だが俺はこの程度じゃ…死なない…!」


((バタッ!))


ダロム「倒れたか。どうやらこの男が貴様の言っていた生体サンプルというわけだな。」


ビショップ「ファンガイアは生命力が強いのでこの程度では死なないでしょう。
この男を煮るなり焼くなりどう扱おうがあなた方の自由だ。存分に使いなさい。」


非情にも糸矢を生体サンプルだと冷たく言い放つビショップ。

だが三神官たちの返答は…

(ナレーション:政宗一成)



バラオム「断る!我らゴルゴムは貴様らの内輪揉めに構っている暇はない!」


ビシュム「バラオムの言う通りです。我々には他にやらねばならない事があります!」


ビショップ「世紀王ブラックサン…いえ…今は仮面ライダーBLACKでしたか。
あなた方の最優先事項はその者の抹殺でしたね。」


ダロム「貴様…何故その事を!?」


ビショップ「我らファンガイアを甘く見ないで頂きたい。
あなた方の事情はこちらも把握している。
ちなみにですが我々が処刑する女を匿っているのが仮面ライダーBLACKなのですよ!」


バラオム「なんという事だ…南光太郎が既にこの件に関わっていたのか!?」


ダロム「よかろうビショップよ。
南光太郎が関わっているとなれば我らゴルゴムは貴様の申し出を快く受けよう。
貴様が寄越したこの柩の死者を改造手術させその女を抹殺させる!
それと同時に我らは仮面ライダーを倒しキングストーンを取り戻す!!」


ビショップ「これでお互いの利害が一致しましたね。
それではこの柩の男の改造手術が終わったら呼んでください。」


裏切り者の女を柩の死者を使いなんとしても処刑したいビショップ!

仮面ライダー抹殺を目論むゴルゴム!

両者の利害が一致しここに同盟が結ばれた!

それから三神官たちは先程ビショップに倒された糸矢と、

この死者の入った柩を改造手術を行う準備を始めようとしていた。

(ナレーション:政宗一成)



バラオム「まったく…面倒な事になったものだ。」


ダロム「しかしわからんな。何故あのビショップとやらはその女の処刑に躍起になるのだ?」


ビシュム「実は私が密かに仕入れた情報によると、
処刑される女とはファンガイアの…それもチェックメイトフォーのクイーンだとか…」


ダロム「なんだと?
チェックメイトフォーのクイーンといえばキングの妻ではないか!
つまりファンガイアのキングは自分の女房を殺すというのか!?」


バラオム「何故そのような事になったのだ?」


ビシュム「恐らく先ほどのこの糸矢とビショップのやり取りが正しければ…
ファンガイアは掟により人間を愛する事を禁じられている。
それは即ちクイーンが人間の男を愛してしまったから処刑せざるをえなかったからでは…」


バラオム「つまりこういう事か?
ファンガイアのキングは人間の男に女房を寝取られて、
そしてその腹いせにこの死者を使って自分の女房を殺そうと…?
くだらん!そのような痴話騒動に我らゴルゴムが巻き込まれてしまうとは!?
なんともいい迷惑な話だ…」


ダロム「そう言うな。どこもお家事情は複雑なモノよ…我らとて他人の事は言えん。
ブラックサンがゴルゴムを脱走してシャドームーンも未だに生命維持装置の中…
だがこのファンガイアの力は大いに利用させてもらう!
キングストーンを取り戻すにはまさに絶好の機会よ!フハハハハハ!!」


そして柩に入っている死者の改造手術を開始する三神官たち。

一体どれほど恐ろしい怪人が誕生するのだろうか!?

そして同じ頃、奥の部屋で待つビショップに一人の男が現れた。

その男は…

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

どこの悪の組織もお家事情は複雑です



ビルゲニア「フフフ、あなたがビショップ殿ですな。
私は剣聖ビルゲニア、私も三神官と同じくゴルゴムの幹部でございます!」


ビショップ「私に一体何の用が…?」


ビルゲニア「先程のお話は全て聞かせて頂きました。
確かに我らゴルゴムの改造手術なら死者を蘇らせファンガイアに仕立て上げるのも可能…
ですがそれだけで仮面ライダーを倒せるとはどうにも思えませんなぁ。」


ビショップ「何が言いたいのですか?」


ビルゲニア「実は聞いた話なのですが、
ファンガイアの王は特別な力を持った鎧をお持ちだとか…
よろしければその鎧を私めに…」


ビショップ「貸せと…?」


ビルゲニア「その代わりあなた方が血眼になって処刑したい女と、
同胞のファンガイアを倒した憎き仮面ライダーは私が必ずや始末してみせますぞ!」


ビショップ「…考えさせてもらう…」


ビルゲニア「よい返事を期待していますぞ。フフフ…!」


不敵な笑みを浮かべて姿を消すビルゲニア。残ったビショップは小さな籠を取り出した。

その籠にはなにやら一匹の小さなモノが眠っていた…

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~紅家~


キバ「ハァッ!」


RX「どうした?キバの力はそんなモノか!それでは俺は倒せないぞ!」


キバットバットⅢ世「あいつ…強いぜ!キバがここまで押されるなんて!?」


タツロット「これはちょっとピンチですねぇ~!」


名護「これは一騎打ち!
いくら渡くんの師匠とはいえこの私がおいそれと手を出すわけにはいかん!」


紅家の庭で一騎打ちを繰り広げるRXとキバ!

戦いはRXが有利な状況だ!

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅢ世「こういう時はフォームチェンジだ!ガルルセイバー!」


キバガルルF「ガァゥゥッ!」


RX「フォームチェンジしたか…ならばこちらも!」


バイオライダー「俺は怒りの王子、RX!バイオライダー!」


キバガルルF「ガルル・ハウリングスラッシュ!」


バイオライダー「隙だらけだ!バイオブレード!」


((ドバッ!))


キバガルルF「ぐはっ!?」


フォームチェンジでキバガルルFで斬りかかるが逆にバイオライダーの斬撃で倒れるキバ。

だが戦いはまだまだこれからだ!

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅢ世「まだまだこれから!バッシャーマグナム!」


キババッシャーF「ハァァ!バッシャー・アクアトルネード!」


ロボライダー「俺は悲しみの王子、RX!ロボライダー!ボルティックシューター!」


((ドシュゥゥゥッ!))


キババッシャーF「うわっ!?」


キバットバットⅢ世「ならこれだ!ドッガハンマー!」


キバドッガF「ヌゥゥッ!ドッガ・サンダースラップ!」


ロボライダー「この程度のパワー!ロボライダーで粉砕してみせる!ロボパンチ!!」


((ゴォォォンッ!))


キバドッガF「うぐっ!?」


キバットバットⅢ世「なんてヤツだ!強過ぎるぜ!?」


名護「キバの力が尽く通じないとは…」


圧倒的な戦闘力を見せつけるRX、さすがのキバも防戦一方であった。

(ナレーション:政宗一成)



タツロット「どうやら出番のようですね!びゅんびゅーん!テンション、フォルテッシモ!」


キバットバットⅢ世「タッちゃん!よし、エンペラーFだ!」


キバエンペラーF「ハァッ!ザンバットソード!」


RX「エンペラーFか。だが…!」


キバットバットⅢ世「ウェイクアップ!」


キバエンペラーF「行くぞ!ファイナルザンバット斬!!」


キバエンペラーFの必殺技、ファイナルザンバット斬で斬りかかろうとする!

(ナレーション:政宗一成)



RX「トゥァッ!」


((ブァァァッ!))


キバエンペラーF「なっ…!?」


キバットバットⅢ世「これは…消えた!?」


名護「ちがう!そうではない!
ファイナルザンバット斬が決まる瞬間に、
RXは自らの身体を液体化してその攻撃をかわしたのだ!?」


キバエンペラーF「そんな!?」


RX「確かに強力な技だった!
だが…それだけに避けられた時の隙が大きい!喰らえ!RXキ―――ック!!」


((ドガァァァッ!))


キバエンペラーF「うわぁぁぁっ!?」


RXキックをまともに喰らうキバ。

それと同時に変身も解けてしまった…!?

(ナレーション:政宗一成)



渡「うぅ…ダメだ…」


キバットバットⅢ世「渡!しっかりしろ!?」


名護「なんという力だ!その力もさる事ながら戦い方も完璧だ。
恐らくあの男は私と同じく数々の修羅場をくぐり抜けた歴戦の戦士なのだろう!」


RX「終わりだな。」


タツロット「あわわ!あの男…渡さんに止めを刺す気ですよ!?」


名護「このままでは渡くんが危ない!しかしあの男は一体何者なのだ…?
太陽の子と名乗っていたが…ハッ…待てよ!
イクサは太陽!太陽はこの私こと名護啓介!まさか…あの男の正体は!?」


倒れた渡…

そんな渡の前にRXが立ちはだかる!危うし!?

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「大丈夫か?」


渡「あれ…?僕を倒すんじゃないんですか?」


光太郎「そんな事をしに来たわけじゃないよ。
ただキミの力を試させてもらったんだ。
これから起こる戦いの前にどうしても確かめたかったからね。」


キバットバットⅢ世「戦いだって…?」


名護「なるほど!そういう事だったのか!さすがは私の息子だな!」


光太郎「え…?」


名護「キミは太陽の子!つまり太陽であるこの私の息子だ!
さぁ、息子よ。存分に父に甘えてくれがいい!!」


光太郎「何を言ってるんだ…この男は…?」


渡「すいません…この人の言う事はあまり気にしないでください…」


RXが仕掛けてきた戦いは単なる模擬戦であった。

だがそれはこれから起こる想像を絶する戦いの始まりでしかなかった…!

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

名護さんは平常運転です



<1988年1月某日>


~ゴルゴム神殿~


ダロム「待たせたな。これが頼まれていたモノだ。受け取るがいい!」


ビショップ「これは…卵…?私は怪人を所望したはずですが?」


バラオム「貴様…我々を便利屋か何かと勘違いしているのか!」


ビシュム「強靭な怪人がそう簡単に作れたら我ら三神官とて苦労などしません!」


ダロム「確かにこの死者の改造手術は完了した。
だがこの者はゴルゴムの改造人間としてだけでなく、
ファンガイアの力を併せ持つ新たな存在に生まれ変わるためには時が必要なのだ!」


ビショップ「時…?」


ダロム「そうだ。あと20年以上待たねばこの者は目覚めぬであろう…
20年以上時が経った時、その卵は孵化してそこから繭が出てくる。
そしてその繭から貴様が求めた処刑人が生まれるであろう!」


ビショップ「20年ですか…なるほど…フフフ…ハハハハハ!!」


ビシュム「この男…笑っているのですか?」


バラオム「まさか気が狂ったのか…?」


この死者への改造手術は確かに完了した。

だがこの者が目覚めるには20年以上の歳月が必要だと告げられたビショップ…

しかしビショップは悔しがるどころか不気味な笑い声を上げていた!

(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


~喫茶店キャピトラ~


太牙「アハハ、光太郎お兄ちゃんこっち!こっち!」


光太郎「ハハハ、コラ待てよ!太牙くん!」


真夜「フフ、珍しいわね。太牙が他の人に懐くなんて…うっ!?」


その頃、喫茶店キャピトラで太牙と遊ぶ光太郎。

だが、真夜の身体に突如異変が起きた!

(ナレーション:政宗一成)



真夜「うぅ…これは…大変だわ…」


光太郎「真夜さんどうしたんですか!?」


真夜「たぶんだけどそろそろ…」


太牙「お母さん、大丈夫?」


真夜「お腹の子が生まれそうだわ…」


光太郎「なんだって!?」


陣痛だ。どうやらお腹の子がまもなく生まれようとしているのだ!

(ナレーション:政宗一成)



真夜「あぁ…どうしたら…ビショップは間違いなくこの機会を狙ってくるわ…」


光太郎「大丈夫、僕があなたたちを守ってみせる!」


真夜「光太郎さん、あなたはファンガイアの恐ろしさを理解していない…
ファンガイアは掟に厳しいの。裏切り者の私とお腹の子をなんとしても処刑する気よ!」


光太郎「真夜さんとお腹の子…?
その言い方だと太牙くんは処刑されないみたいに聞こえるんですけど?」


真夜「太牙が処刑される事はありえない。
太牙は私と…それにファンガイアのキングの息子。
むしろヤツらは大牙をファンガイアの新たなる王として迎え入れたいのよ。」


光太郎「ファンガイアの新たなる王…この子が…!?」


太牙「え?」


幼い太牙を見つめる光太郎…

光太郎はこんなあどけない子供が、

いずれ人類の脅威となる存在になるのかと思わず疑いの目を向けてしまった。

(ナレーション:政宗一成)



真夜「私はお腹の子を出産する前に大牙を逃がそうと思うの。
太牙、お前は今日から一人で強く生きていくのよ。」


大牙「そんな…お母さん…」


光太郎「待ってください!太牙くんはまだ幼い。こんな幼い子を一人にするなんて!?」


真夜「いいえ、今しかないのよ。
ファンガイアは間違いなく総力を上げて私を殺そうとする。そして太牙も奪おうと…
今の私にこの子を守る力は無いわ。だから今の内に逃がすしかないの!」


光太郎「真夜さん…」


真夜の言う事は間違ってはいなかった。

戦いになれば光太郎も真夜とお腹の子を守るので精一杯で、

太牙までは守りきれないだろうと予想していた。

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「太牙くんを逃がすとしてもどうする気です?
太牙くんを匿ってくれるような協力者はいるんですか?」


真夜「そんなの…いないわ…以前は私に忠誠を誓うファンガイアも居たけど…
私が裏切り者として追われる身となってからはみんな掌を返すように拒んだ。
唯一私の理解者であったキバットバットⅡ世も最近じゃ姿を見せないし…」


光太郎「それなら…音也さんの方はどうですか?」


真夜「音也の…?」


光太郎「そうです。
お腹の子の父親である音也さんの知り合いに頼めば太牙くんを匿ってくれるかもしれませんよ!」


真夜「音也の知り合い…そういえば一人だけ心当たりがいるわ!」


こうして真夜は光太郎の助言によりかつての音也の知人に連絡を取った。

その人物とは…

(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


~喫茶カフェ・マル・ダムール~


光太郎「着いたぞ。
ここが喫茶カフェ・マル・ダムール、真夜さんが言っていた待ち合わせの場所か。」


太牙「僕…嫌だよぉ…お母さんと離れたくない…」


光太郎「大丈夫だよ、またすぐに会えるさ!」


太牙「本当に…?」


光太郎「あぁ、この件が無事に片付いたらすぐにね!
僕が絶対にお母さんと生まれてくるキミの弟に会わせてあげるよ。
それまでほんの少し我慢してくれ!わかったね?」


太牙「うん、わかった!」


光太郎「そうか、わかってくれたか!ありがとう太牙くん!
それにしても…そろそろ待ち合わせの時間だが相手はいつになったら現れるんだろうか?」


喫茶カフェ・マル・ダムールにやって来た光太郎と太牙。

彼らがこの喫茶店を訪れた目的は真夜が連絡を取ったある人物と待ち合わせをするためであった。

するとそこへ一人の女が光太郎に話しかけてきた…

(ナレーション:政宗一成)



??「なぁ、ひょっとしてアンタがクイーンの言っていた待ち合わせ相手の南光太郎か?」


光太郎「そうですが…あなたは一体…?」


ゆり「私の名は麻生ゆり、素晴らしき青空の会のメンバーだ。」


光太郎「麻生ゆり…?素晴らしき青空の会…!?」


光太郎の待ち合わせの相手が店に現れた。

その相手は麻生ゆり、かつて紅音也と一緒にファンガイアと戦った女戦士だ。

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「……というわけで真夜さんはもうすぐ出産間近で僕が彼女の代理人なんです!
それで暫くの間、この太牙くんを預かってほしいんですけど…」


ゆり「アンタとクイーンの事情は理解できたよ。
まったく…あの女は…私から音也を奪っておきながらよくもヌケヌケとこんな頼み事を…」


光太郎「あの…何か言いましたか…?」


ゆり「いや、こっちの話だ。
それよりも…そのクイーンの息子を預かるって話だったな。悪いが私には無理だ…」


光太郎「え…!それは何故ですか!?」


ゆり「それは…私にも今生まれたばかりの子供がいて…
恵という女の子でな…それに今は結婚していて子供を預かるのはちょっと…
その太牙という子はファンガイアの子供なんだろ?」


光太郎「それは…」


太牙「?」


太牙を警戒するゆり。その気持ちは光太郎にも十分理解できた。

いくら子供とはいえ太牙はファンガイアだ。

もしも太牙が何かの拍子で力に目覚めればゆりの子供に危害が出るはず。

それをわかっていながら預かろうとする母親はまずいないだろう…

(ナレーション:政宗一成)



ゆり「だから私じゃなく他にこの子を預かってくれる人を紹介するよ。嶋さん、出てきてください!」


光太郎「嶋さん…?」


嶋「初めまして南光太郎くん。
私の名は嶋護。ゆりくんの所属する素晴らしき青空の会のリーダーを務める者だ。」


ゆり「嶋さんは私の信頼できる人だ。
この人にその坊やを託したいと思っているんだけど…」


店の奥から現れたのは素晴らしき青空の会のリーダーである嶋護であった。

ゆりは太牙を嶋に預けたいと光太郎に申し出るのだが光太郎の返答は…

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「悪いが断る。
確かにこちらからの勝手な頼み事なのはわかっている…
だが俺は真夜さんの信頼できる人だと聞いてやって来た。
それなのに他の人に頼むのでは…これでは話がちがう!」


嶋「キミが警戒する気持ちもわかる。だが今は我々を信じてほしいとしか言えない。
それにこんな事を外部の人間である我々に相談しなければならないという事は、
キミやクイーンはかなり追い込まれている状況なんだろう。
そちらには手段を選んでいる余裕はないと思うのだが?」


光太郎「それは…」


ゆり「お願いだ、私たちを信じてくれ!」


光太郎「しかし…」


光太郎はどうするか悩んでいた。確かに今は切羽詰まった状況だ。

こうして真夜から離れている間にファンガイアたちがいつ襲ってくるかわからない…

だがここで見ず知らずの人間に太牙を託せばどうなる事か…

最悪の場合、何かの生体実験に太牙が利用されるのかもしれないと危惧しているからだ!

(ナレーション:政宗一成)



嶋「光太郎くん、今回私がここに来た理由だが…
私はこの太牙くんがファンガイアと人間の架け橋になってくれるという可能性があるのではと思っているんだ!」


光太郎「人間とファンガイアの架け橋…?」


ゆり「嶋さん、それは一体どういう事ですか?」


嶋「人間とファンガイア、古より両者が戦うようになってから気の遠くなる年月が経った。
今のままではいずれどちらかが滅ぶまでこの戦いは終わらないだろう。
だが、もしもこの戦いに終止符を打てる者がいるとすれば…
それは人間とファンガイアの両者を理解できる者でないといけない!」


光太郎「そのために太牙くんを…だが…」


嶋「それにこの子はファンガイアの王の息子だ。
その子供が敵対組織である青空の会のリーダーである私の手元にいるなど、
まさにファンガイアたちにとっては盲点だと思うが?」


嶋の理想を聞き光太郎は迷った。

本当にこの男に預けて良いのだろうかと?

確かに二つの種族が共存できるのならそれは素晴らしい事だ。

だがそのためにこの幼い少年が利用されるのは、それが本当に正しい事なのだろうか…?

(ナレーション:政宗一成)



太牙「僕…この人についてくよ…」


光太郎「太牙くん…本当にいいのか!?
今からでもお母さんのところに戻って僕がキミとお母さんを守る事だって…」


太牙「大丈夫だよ!僕、生まれてくる赤ちゃんとお母さんのために我慢する!」


嶋「よく言ってくれた。さぁ、行こう!」


光太郎「わかりました。太牙くんをあなたに預けます。
けど約束してください!この子を絶対に粗末には扱わないでください!」


嶋「……約束しよう。私も出来れば手荒な真似はしたくはないからね。」


こうして嶋は太牙を連れて行った。

だがこの時、光太郎は大きな過ちを犯した。

この選択が幼い太牙の運命を大きく左右するとは誰が予想できたであろうか…

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

本編では語られなかった嶋さんと太牙のエピソードです。

まあssなので本気になさらないでください。



<2009年1月某日>


~キャッスルドラン(城内)~


次狼「うぅ…」


ラモン「痛い…」


力「マケタ…」


タツロット「あの後、光太郎さんに言われて僕たちはキャッスルドランへやって来たんですけど…」


キバットバットⅢ世「一体どうしたってんだこりゃ…?」


渡「次狼さんたちが大怪我を!?」


名護「この三人がボロ負けとは…ここで何があったのだ!?」


キャッスルドランの城内へやってきた渡たち。

だがそこで彼らが目にしたのは傷つき倒れた次狼たちアームズモンスターの姿だった!?

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「これは…まさか…」


次狼「お前は…確か南光太郎…21年前に渡の母を守っていた男だな…」


光太郎「次狼、これはひょっとして…?」


次狼「そうだ…ヤツが目覚めた…目覚めたヤツは手当たり次第暴れて…」


ラモン「その後…あいつはキャッスルドランの時の扉に入ったんだよ!」


力「アイツハ…カコヘイッタ!」


光太郎「俺とした事が…一足遅かったのか!?」


どうやら21年前に面識のある光太郎とアームズモンスターたち。

だが渡たちにはそのやり取りの意味が一切わからずにいた。

(ナレーション:政宗一成)



名護「一体何がなんだかさっぱりだ!息子よ、父にわかるように説明しなさい!」


渡「そうですよ、21年前に何があったんですか!?」


光太郎「わかった、今こそ俺が来た理由を話そう。
21年前の今日、渡くんが生まれたこの日にファンガイアのチェックメイトフォーである、
ビショップという男が真夜さんを襲おうとした。
その目的はファンガイアの裏切り者である真夜さん、
それと当時お腹に宿っていた渡くんの抹殺が目的だったのだ!」


キバットバットⅢ世「なんだって!?」


タツロット「けど渡さんは今こうして無事じゃないですか?」


光太郎「それは…渡くん!
キミがこれからこの時の扉をくぐり抜けて過去の世界へ行き、
お母さんを…真夜さんを助けたからだ!」


渡「えぇっ!?」


光太郎が渡を尋ねに来た理由が告げられた。

だが渡は…

(ナレーション:政宗一成)



名護「なるほど、そういう事だったのか!
それでは渡くん、すぐに過去の世界に行ってお母さんの危機を救うんだ!」


渡「けどそれじゃあ…僕が生まれてしまう…」


光太郎「渡くん…?」


渡「僕は生まれてくるべきじゃなかった!
僕さえ生まれてこなければ深央さんは死なずにすんだ!
それにファンガイアと人間のハーフなんてお互いにとって厄介な存在も現れずに…」


キバットバットⅢ世「やめろ渡!そんな事を言うな!?」


過去の真夜を助けに行く事を拒む渡。それには理由があった。

渡はある戦いで深央を誤って攻撃してしまいその所為で彼女は死んでしまった。

それだけでなく、自らの出生についても…

もしも自分がどちらかの種族であればこうは悩まなかったろう。

それこそが渡が母を助けに行く事を拒む理由であった。

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「やはり自分の出生について悩んでいたか。
先程の戦いでも気づいたがキバがあんなにあっさり負けたのはその悩みの所為だな。
渡くん、キミの言いたい事はわかった。
キミのお母さんも将来キミがファンガイアと人間のハーフである事を、
苦痛に感じる日が来るのではと心配していた。」


渡「母さんが…それなら何で…僕を生んだんだ!?」


光太郎「その答えは過去にある。
今こそキミは自分が生まれた本当の意味を知るべきなんだ!
さぁ、過去へ…真夜さんと自分自身を助けに行くんだ!」


((ガシャンッ!))


渡「うわぁぁぁぁぁ!?」


キバットバットⅢ世「俺たちまでぇぇぇぇ!?」


タツロット「テンションフォルテッシモォォォォッ!?」


名護「時の扉が開いて渡くんが吸い込まれるように無理やり入っていった…」


光太郎「これでいい。あとは…」


こうして過去へ飛んだ渡。

果たして1988年で一体何が起ころうとしているのか!?

(ナレーション:政宗一成)



名護「それにしても父はひとつ疑問があるのだが息子よ。
何故お前も一緒に行かなかったのだ?
それだけの力があれば渡くんではなくお前が行けば…」


光太郎「過去には既に当時の俺がいる。
もし遭遇すればタイムパラドックスが起こるかもしれない。
それに俺にはまだやるべき事が残っている!」


名護「やるべき事…それは一体何だ?」


次狼「待て!誰か来るぞ!?」


その時であった。

このキャッスルドランに一人の訪問者がやってきた。

本来このキャッスルドランの城内に入る事は、

キバの鎧の継承者である紅渡とアームズモンスターたち以外は、通常なら不可能なはずなのだが…?

そしてその訪問者が姿を見せる。

それは左手に黒い革手袋をした一人の青年であった。

光太郎はその青年に見覚えがあった!

(ナレーション:政宗一成)



太牙「久しぶりだな…南光太郎…」


光太郎「あぁ、久しぶりだね…大牙くん…」


名護「お前は…ファンガイアの現キング!」


次狼「何故太牙がここに!?」


太牙「勿論渡を始末するためだ!
渡がこの時の扉に入り過去の世界に向かったのは知っている。俺はヤツを追う!!」


時の扉を開けようとする太牙!

だが…

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「悪いが渡くんの邪魔はさせない!」


太牙「王の邪魔立てをする気か…?」


光太郎「大牙くん、あれからキミの身に何があったのか人伝で聞いている。キミは…」


太牙「そうだ!俺はアンタと別れた後、嶋さんに育てられた!
だが…あの人はいつも俺の事をまるで化物を見るような目で見ていた!
それが俺には耐えられなかった…
その後、俺は嶋さんの元を離れてファンガイアの王として覚醒した!!」


名護「そしてつい先日、この男は嶋さんを…!」


太牙「そうだ!俺は嶋さんを殺した!!」


光太郎「なんだって!?」


太牙「嶋さんは俺を人間とファンガイアの架け橋にすると言った!
だがそんなのは夢物語だったんだ!今の俺は人類の敵!
そして俺はファンガイアの王として裏切り者である紅渡を粛清するんだ!!」


光太郎「…わかったよ太牙くん。
キミが人類の敵となったのなら俺はキミと戦わねばならない!」


太牙「行くぞ、南光太郎!来いサガーク!」


「「変……身!!」」


そして光太郎と太牙は同時に変身した。城内に現れる二人の畏敬の戦士。

一人は光太郎の変身する仮面ライダーBLACKRX。

そしてもう一人は太牙がヘビ型人工モンスターサガークを用いて変身する戦士。

それはキバの鎧が作られる以前に開発されたサガの鎧!

その名も…

(ナレーション:政宗一成)



サガ「仮面ライダーサガ!」


RX「サガ、いや…太牙くん!どうしても戦う気か!?」


サガ「問答無用!渡を庇うのなら…アンタも俺の敵だ!」


RX「いいだろう、気の済むまで戦ってやる!行くぞ!!」


「「ハァァァァッ!」」


((ガキィィンッ!))


名護「二人の戦いが始まった!?」


次狼「なんという力だ!見ているこっちまで危ない!」


こうして名護たちが見守る中、RXとサガの戦いが始まった!

先程の模擬戦とはちがう、命を懸けた真剣勝負!

勝敗はどちらの手に!?

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

これから過去と未来がどんどん交差していきます



<2008年1月某日>


~3WA本部~


「うわぁぁぁぁ!?」


「助けてぇぇぇ!?」


「お願いだ!殺さないで!?」


ここは素晴らしき青空の会の協同組織である3WA本部。

だがここは今まさに殺戮の場と化していた!

何故こんな事になってしまったのか…?

それは一体のファンガイアがこの施設にいる人間たちを襲っていたからだ!

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ「これでこの組織の人間どもは全て片付けた。しかし…」


ビショップ「おのれ…太牙め!よくもあのような仕打ちを!?」


ビショップ「許さん!」


襲っていたのは現代のビショップであった。

だが何故ビショップはこれほどまでに太牙に敵意を露にしているのか?

それは渡が誤って殺したと思われていた深央が実はこのビショップが止めを刺したからだ。

その事実を知った太牙は怒りに任せてビショップを殺そうとした!

そんな酷い仕打ちを受けたビショップは太牙に反旗を翻す事を決意する。

その手始めとしてかつてのキングであるバットファンガイアを蘇らせようと、

こうして3WAの施設を襲い、人間たちのライフエナジーを集めている最中であった。

(ナレーション:政宗一成)



糸矢「チューリッヒヒヒ!荒れてますなぁ!ビショップさま!」


ビショップ「お前は…糸矢!
だがお前はクイーンであった鈴木深央によって始末されたはずでは…!?」


糸矢「確かに!私は鈴木深央に殺された!ですがお忘れですか?
我々ファンガイアはライフエナジーさえ無事なら蘇生する事が可能だという事をね!!」


ビショップ「だがお前は生前の意思を持っている。
確かに我々ファンガイアの蘇生は可能ではある…
しかし生前の意志を持つ完全な蘇生には通常のライフエナジーの5倍は必要とされる!
そんなライフエナジーを一体誰がお前などに分け与えたというのだ!?」


ビショップのもっともな疑問。

そんな時、糸矢の背後から何かが現れようとしていた!

(ナレーション:政宗一成)



レイキバット「行こうか、華麗に激しく!」


ビショップ「こいつは…レイキバット!?」


糸矢「フフフ、私は蘇らせてもらうために新たな王に忠誠を誓った!
その王がこう告げたのだ。紅渡と登太牙を抹殺せよとな!!」


ビショップ「新たな王だと…ぐわぁぁぁぁぁ!?」


突然現れたレイキバットに襲われるビショップ。

糸矢を蘇らせた新たな王とは一体何者なのだろうか!?

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

映画の要素も足されます



<1988年1月某日>


~喫茶店キャピトラ~


真夜「うぅ…そろそろ子供が生まれるわ…それにしても太牙は大丈夫だったのかしら?」


真夜「あの子はファンガイアの王の子。そんな子が人間の世界で生きていく。
もしかしたら私はあの子にとてつもない十字架を背負わせたのかも…」


真夜「それにこのお腹にいる渡も…
渡はファンガイアと人間のハーフ。
将来この子は人間とファンガイアの両者から敵視されるわ。
その時、私はこの子を導く事が出来るのだろうか…?」


喫茶店キャピトラでたった一人、光太郎の帰りを待ちながら出産間近な真夜。

だが彼女は自分よりも子供たちの将来を案じていた。

渡と太牙、二人の子供たちの未来に希望はあるのかと…

その時だった!?

(ナレーション:政宗一成)





「「ガァァァァァッ!!」」




真夜「この叫び声は…まさか!?」


外から聞こえる獣の叫び声!

急いで喫茶店キャピトラの玄関を開けて確かめてみるとなんとそこにいたのは!?

(ナレーション:政宗一成)



キャッスルドラン「グウゥゥッ!」


ビショップ「久しぶりですねクイーン。まさかこんな場所に隠れていたとは驚きました。」


真夜「ビショップ…まさかキャッスルドランを連れてくるなんて…」


ダロム「我らゴルゴムの三神官もいるぞ!」


ビシュム「どうやら南光太郎はいないようですが…」


バラオム「構わん!クイーンを人質にしてヤツを誘き出せばいいのだ!」


真夜「それにゴルゴムの三神官まで…!?」


ビショップ「あなたは既に包囲されている。無駄な抵抗はやめて大人しく処刑されなさい!」


キャッスルドラン「ガァァァッ!」


真夜に襲いかかるキャッスルドラン!このままでは真夜が危ない!?

(ナレーション:政宗一成)




((ブォォォォッ!))



BLACK「行けロードセクター!アタックシールド!スパークリングアタックだ!!」


((ドガァァァンッ!))


キャッスルドラン「グギャァァァッ!?」


ダロム「おのれ!仮面ライダーか!?」


BLACK「真夜さん、大丈夫か!間に合ってよかった!」


ゆり「久しぶりだなクイーン。」


真夜「仮面ライダー、それに麻生ゆり、あなたまで来てくれるなんて…」


ロードセクターに乗って真夜のピンチに駆けつけたのは仮面ライダーBLACK!

それに同乗してきた麻生ゆりであった!

(ナレーション:政宗一成)



BLACK「母親とまだ生まれてもいない子供の命を奪おうとするとは…ゴルゴム許さん!」


ダロム「黙れライダー!」


バラオム「今日こそお前の最後の日だ!」


ビシュム「お前を倒すために我々はファンガイアと手を組んだのです!」


ビショップ「さぁ、現れよ!キャッスルドランに幽閉されし者たちよ!」


ゆり「そんな…お前たちは!?」


ビショップの命令を受けてキャッスルドランから三体の怪人が現れる!

それはかつてゆりが共に戦った仲間たちであった!

(ナレーション:政宗一成)



ガルル「ガゥゥッ!」


バッシャー「フンフン♪」


ドッガ「グゥゥッ!」


ゆり「次狼!ラモン!力!三人ともかつて私と戦った仲間たちだ!?」


ビショップ「その通り、彼らはファンガイアではない他種族の者たち!
かつて我らが王に封印され何故だか知らないがキャッスルドランに住み着いていたので、
せっかくだから催眠術をかけてこの者たちを戦わせようと思いましてね!」


BLACK「クッ…!自らの手を汚す気はないと…この卑怯者め!?」


仮面ライダーに襲いかかろうとする三体のアームズモンスターたち!

だがそれだけではない!

キャッスルドランの体内から何か…強大な力を持った者が現れようとしていた!?

(ナレーション:政宗一成)




(( ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ! ! ))



BLACK「何だ…この気配は!?」


ダロム「これは…もしや…」


バラオム「だがそんな…ありえんぞ!」


ビシュム「そうです!あの者が目覚めるにはまだ時が足りていません!?」


真夜「時?一体何の話を…?」


ビショップ「フフフ、三神官の方々にはお伝えしていませんでしたな。
このキャッスルドランには時の扉という、
過去と未来を行き来する事ができるゲートが存在するのです!
たとえ今の時代に誕生できなくても21年後の未来では誕生する事ができる!
そう、私は先ほどあなた方ゴルゴムが改造手術で生み出したあの卵を!
このキャッスルドランの城内の奥深くに埋め込んだ!
そして21年後の未来、ヤツは目覚めて時の扉を抜けてこの時代にやってきたのだ!!」


そしてキャッスルドランの口の中からある者が出てきた!

それこそ21年後の未来でキャッスルドランの城内にあった繭から生まれ出てきた者だ!

(ナレーション:政宗一成)



ゴルゴムファンガイア『ウォォッ!オレハゴルゴムファンガイア!』


BLACK「ゴルゴムファンガイアだと…!?」


ダロム「どうだ仮面ライダー!
これぞ我らゴルゴムとファンガイアの合体怪人、ゴルゴムファンガイアだ!!」


バラオム「いくら貴様とてこいつを倒す事はできまい!」


ビシュム「大人しくキングストーンを渡すのなら許してあげますが、ホホホ!」


BLACK「ふざけるな!僕は絶対にお前たちには負けない!
たとえ僕の命が尽き果てようとも真夜さんとお腹の子供は絶対に守ってみせる!!」


ビショップ「フンッ、殺れ!」


ビショップから下されたライダー抹殺命令を受けてゴルゴムファンガイアと、

アームズモンスターたちが一斉に襲いかかってきた!

この戦い、一体どうなるのか!?

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~キャッスルドラン(城内)~


RX「リボルケイン!」


サガ「ジャコーダーロッド!」


((ガキィィィンッ!))


名護「二人の戦士たちの鍔迫り合いが火花を散らしている!」


次狼「これでは迂闊に加勢する事もできん…」


ラモン「この戦い見守るしかないね!」


力「ウン!」


さて、過去の世界でゴルゴムファンガイアが出現した頃…

このキャッスルドランの城内ではRXとサガが互いの必殺武器で火花散らしていた!

勝負は互角!まさに一進一退の攻防戦!!

(ナレーション:政宗一成)



RX「強いな太牙くん!」


サガ「当然だ。俺はファンガイアのキングだぞ!」


RX「ファンガイアのキングだと…?
何故そこまでファンガイアのキングに拘る!キミには他に何もないのか!?」


サガ「そうだ…俺には他に何も無い!
本来なら王の息子である俺にのみ継承されるはずだったザンバットソードも…
それに深央も…母も…この城も…すべて渡に取られた!
今の俺にはファンガイアのキングとしての地位以外何も無いんだ!!」


RX「その孤独がキミの強さの源だと…?」


サガ「そうだ!この孤独こそが俺の強さの源だ!!」


ジャコーダー「ウェイクアップ…」


サガ「喰らえ!スネーキングデスブレイク!!」


RX「このっ…!」


((ドスッ!))


サガの必殺技、スネーキングデスブレイクがRXの右腕に突き刺さった!

そしてサガは大きくジャンプして、そのままRXを宙吊りにしようとする!

(ナレーション:政宗一成)



RX「そんなものは…強さではない!ハァッ!」


サガ「クッ…スネーキングデスブレイクの拘束を破っただと!?」


RX「聞くんだ!キミはこの21年間孤独に苛まれていた!
今のキミは王の威厳を保ちたいわけでも、
ましてやファンガイアとしての誇りを守りたいわけでもない!
ただ、誰かに愛されたいだけなんだ!!」


サガ「貴様…知った風な事を…言うなぁぁぁぁぁっ!?」


次狼「サガがもう一度スネーキングデスブレイクを発動させようとしている!」


名護「いけない息子よ!さすがにその技を二度も喰らうのはまずいぞ!?」


名護の言う通り、サガは再度スネーキングデスブレイクを発動しようとしていた!

だがRXは…

(ナレーション:政宗一成)



RX「この俺に二度も同じ技は通用しない!トゥァッ!!」


サガ「何ィッ!?」


名護「息子が空高くジャンプした!」


次狼「これは…!?」


RX「ローリングリボルクラッシュ!!」


((ズバァッ!))


サガ「うわぁぁぁぁぁっ!?」


名護「やった!息子の勝利だ!」


太牙「おのれ…」


一瞬の出来事であった。

RXがサガの技を発動させる0.1秒の隙をつき、ジャンプ!

そして空中からローリングリボルクラッシュを叩き込んだのだ!!

こうしてRXの必殺技を喰らい倒れた太牙。

敗れた太牙は地面に伏して止めを刺されるのを覚悟するのだが…

(ナレーション:政宗一成)



太牙「覚悟は出来ている…殺せ!」


光太郎「いや、そんな気は毛頭ない。太牙くん、キミの目は悲しみに満ちている。
だがそこにどこか優しさも含んでいる。今のキミに必要なのはその優しさを知る事だ。
さぁ、太牙くん!キミも過去の世界へ行くんだ!!」


((ガシャンッ!))


太牙「なっ…うわぁぁぁぁ!?」


名護「現キングまで過去に行ったぞ!息子よ、一体どういうつもりだ!?」


光太郎「…」


渡だけでなく太牙まで過去へと向かわせた光太郎。

光太郎には一体どんな思惑があるというのだろうか…?

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

サガのスネーキングデスブレイクの発動は間違いなく0.1秒以上掛かっていると思いますが

まあそこはRXだからと納得してください



<1988年1月某日>


~採掘場~


ゴルゴムファンガイア「ハァァァッ!」


ガルル「ガァァッ!」


バッシャー「ハハ♪」


ドッガ「フンッ!」


BLACK「ぐわぁぁぁぁ!?」


ゆり「そんな…仮面ライダーが…次狼やめろ!」


ダロム「ククク、弱いな。弱すぎる!」


バラオム「21年の歳月を掛けて生まれたゴルゴムファンガイア!その力はまさに最強!!」


ビシュム「仮面ライダー!これでお前も終わりです!」


1988年では場所が採掘場に変わり、ゴルゴムファンガイアたちが仮面ライダーに総攻撃を仕掛けていた!

そして出産間近の真夜にもビショップの魔の手が押し寄せてきたではないか!

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ「唯一の味方である仮面ライダーBLACKがあのザマ。
クイーン、あなたの運命も最早これまでのようですね。」


真夜「たとえ私が死のうとも…お腹の子…渡だけは守ってみせるわ!」


ビショップ「渡…?まだ生まれてもいない子供が男の子だとよくわかりますね?」


真夜「そういえばあなたには話していなかったわね。
以前、私はこのお腹の子である渡に一度だけ会っているのよ。
今回あなたが使ったキャッスルドランの時の扉から未来の渡が来てくれたの…」


ビショップ「時の扉…まさか!?」


真夜の言葉に思わずキャッスルドランへ視線を逸らすビショップ。

その時であった!

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅢ世「ブロンブースター!!」


((ブォォォォッ!))


ガルル、バッシャ、ドッガ「「「ぐわぁぁぁぁっ!?」」」


キバ「間に合った…のかな…?」


キバットバットⅢ世「どうやらそのようだぜ渡!」


BLACK「今度は…一体誰が来たんだ…?」


ゆり「あれはひょっとして…」


真夜「渡!私の息子の渡だわ!?」


ビショップ「それでは…未来のキバ!」


ダロム「おのれ…よくも邪魔をしおって!」


バラオム「許さんぞ!」


ブロンブースターに乗りガルルたちを彈いて、

仮面ライダーのピンチを救ったのは未来からやってきたキバであった!

(ナレーション:政宗一成)



ゆり「未来のキバ…音也の息子が助けに来てくれたのか!」


キバットバットⅢ世「よっしゃぁっ!キバって行くぜ!なぁ渡!あれ…渡…?」


キバ「…」


BLACK「キバは一体どうしたんだ!全然戦おうとしないぞ?」


真夜「渡!どうしたの!戦わないとあなたが危ないのよ!?」


ビショップ「よくわからんが好都合、ゴルゴムファンガイア!まずは未来のキバを倒せ!」


ゴルゴムファンガイア「ガァァッ!」


渡「うわぁっ!?」


ゴルゴムファンガイアの攻撃を受けて変身が解除された渡。

最早これまでかと思ったその時!?

(ナレーション:政宗一成)



ゴルゴムファンガイア「オマエ…ワタル…ワタルナノカ?」


渡「何だ…?このファンガイア…僕の事を知っている…?」


キバットバットⅢ世「そんな…ありえねえよ!
渡は未来からやってきた人間なんだぞ。その渡を母ちゃんたち以外知っているはずが…」


ゴルゴムファンガイア「ナンダ、オレノコトヲワスレタノカ?オレダヨ…」


((シュゥゥゥッ!))


ゆり「あのファンガイアの変化が解かれるぞ!」


ダロム「どういう事だ…我らの改造手術は完璧だったはずなのに?」


ビシュム「どうやらあの未来のキバの正体を見て過去の記憶が戻ったようですね。」


ビショップ「ほぅ、だがこれは面白い。お前たちとくと絶望を味わうがいい!」


そしてゴルゴムファンガイアの変化が解けた。

その正体はなんとあの男であった!?

(ナレーション:政宗一成)



音也「よぅ、渡。」


渡「そんな…あなたは…父さん…?」


ゆり「こんなの…嘘よ!だって音也はもう既に死んで…」


ビショップ「その通り、紅音也は既に2年前に死んでいる。
だがこの私とゴルゴムが紅音也をファンガイアとして蘇らせたのだ!
これこそ我らがファンガイアのキングの壮大なる復讐劇!
全てはクイーン、あなたが愛する紅音也によって殺されるためにね!!」


ダロム「今のこの男は我々の操り人形!」


バラオム「クイーン、お前を殺すための殺人マシンでしかないのだ!」


真夜「そんな…酷い…死者である音也を…こんなの冒涜だわ!」


BLACK「ゴルゴムめ…なんという非情な!?」


なんと恐ろしき復讐劇であろうか!

三神官とビショップは紅音也をファンガイアとして蘇らせた。

全てはかつて愛した真夜を音也自身の手で葬るために…

愛する者によって殺される。

これが地獄の底で憎しみに燃えるファンガイアのキングの復讐劇なのだ!

(ナレーション:政宗一成)



音也「渡…悪いな…ハァッ!」


渡「うわぁっ!?」


真夜「そんな…音也が渡を攻撃するなんて!」


ゆり「酷い…実の親子同士で戦わせる気か…!?」


ビショップ「その通り、実の父子の殺し合い!
これこそ我らがファンガイアの掟を破りし者たちの哀れな末路に相応しい!!」


BLACK「この…そうはさせるか!」


血を分けた実の親子同士で戦う渡と音也!

その戦いを阻止しようと駆け寄るライダーだが…

(ナレーション:政宗一成)



ビルゲニア「邪魔はさせんぞ、仮面ライダー!」


BLACK「お前は…剣聖ビルゲニア!?」


ビルゲニア「ビショップ殿、今こそ先程の約束を果たしてもらいますぞ!」


ビショップ「いいでしょう。紅音也は未来のキバと戦うようですし…
その代わりなんとしても仮面ライダーに邪魔をされないようにしてください。」


((ガシャンッ!))


ゆり「ビショップが妙な鳥籠から何かを出したぞ!」


真夜「あれは…まさか!」


ビショップが取り出した鳥籠から出てきたのは小さな鳥、いやコウモリであった!

そのコウモリに真夜は見覚えがあった!

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅡ世「ありがたく思え、絶滅タイムだ!」


真夜「あなたはキバットバットⅡ世!けど何でビショップの味方を…!?」


ビショップ「まったく察しの悪い人だ。
私がキャッスルドランで現れた際に既に気づくべきだったのに…
まあ簡単に説明しましょう。
彼もそこにいるアームズモンスター同様、私が催眠術で操っているのですよ!」


キバットバットⅡ世「ガブッ!」


ビルゲニア「変身!」


((ブァァァァッ!))


BLACK「ビルゲニアが変身だと…!?」


キバットバットⅡ世がビルゲニアに魔皇力を注入してさらなる姿に変身!

それはキバットバットⅡ世が所有し、

代々ファンガイアの王にのみ受け継がれるという闇のキバの鎧を纏った姿であった!

(ナレーション:政宗一成)



ダークキバ「これがファンガイアの王が持つとされる闇のキバ…
凄い…まるで身体の奥から力が湧き出るようだ!
このダークキバ!これなら仮面ライダー、貴様に勝てるぞ!!」


BLACK「ビルゲニアが仮面ライダーに変身だと…そんなバカな!?」


ダークキバ「ククク、俺は最強の力を手に入れた!この力を使い、今こそお前を倒す!!」


キバットバットⅡ世「ウェイクアップ・1!」


ダークキバ「喰らえ!ダークネスヘルクラッシュ!!」


BLACK「うわぁぁぁぁっ!?」


ビルゲニアの変身するダークキバの攻撃を受ける仮面ライダーBLACK!

紅渡は実の父親の音也と戦い真夜は出産間近…

この戦い、一体どうなってしまうのか!?

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

ビルゲニアがダークキバに変身とかありえないだろとか思われますが…

まあssだし操られてるのでそれで納得してください



真夜「うぅ…もう限界…生まれる…」


ゆり「おい、しっかりしろ!母親のアンタが弱音を吐いてどうするんだ!?」


一方、出産間近な真夜を支えようとするゆり。

だがそんな二人の前に三神官の一人であるビシュムが現れた!

(ナレーション:政宗一成)



ビシュム「ごきげんよう、クイーン。いえ、元クイーンと呼ぶべきかしら?」


真夜「三神官の一人、ビシュム…私の命を奪う気なの?」


ビシュム「いいえ、こんな手伝い戦のために自らの手を汚す気など私にはありませんわ。
用があるのはそちらの、麻生ゆり。あなたです。」


ゆり「私だと…?」


ビシュム「あなた、クイーンに嫉妬していますね?」


ゆり「なっ…バカな事を言うな!何故私が嫉妬なんか!?」


ビシュム「あなたの事を一目見てわかりました。
麻生ゆり、あなたは今尚クイーンに嫉妬している。その理由は死んだ紅音也にある。
何故ならクイーンが紅音也の前に現れなければ紅音也は死なず…
そしてあなたが音也と一緒になれたはずだった!そうではないのですか?」


ゆり「あ…あぁ…」


真夜「ゆり…?」


ビシュムの言葉にゆりは動揺を隠せなかった。

その通りなのだ!

真夜さえ現れなければ音也と添い遂げたのは自分であったはず…

そう思った時、ゆりの心に激しい憎しみが湧き出した!

そしてゆりは懐からイクサナックルを取り出し真夜を殺害しようと動き出す!

(ナレーション:政宗一成)



ゆり「お前さえ…お前さえ…いなければ!」


ビシュム「ホホホ、男を寝取られた悔しさが彼女に殺意を抱かせるとは!
クイーン、まったくあなたも罪深い女ですね。その罪はあなたの死で贖えるのです!!」


真夜「そんな…」


渡「母さんが危ない!けど!?」


音也「ほらほら、どうした渡?お前の相手はこの俺だぞ!」


渡「父さんやめて!母さんが大変なんだよ!?」


真夜のピンチを救いたい渡。

だが音也がそれを許そうとはしなかった…!

(ナレーション:政宗一成)



渡「やめてよ父さん!このままじゃ母さんが!?」


音也「いいじゃないか、お前はそのためにこの時代へやってきたんだろう?」


渡「そうだ…僕は自分が生まれないために…でもそのために母さんが死ぬ事はないよ!」


音也「おいおい…お前の頭はお花畑かよ?
たとえお前だけが死んだとしてお前を失った真夜がその後も生きていけると思うか?」


渡「え…?」


音也「お前を生みたくないのなら真夜はもっと早くにお前を降ろしている。
だが真夜はお前をもうじき生もうとしている。しかもこんな危険を冒してまでだぞ!
その意味がお前にわかるか?」


渡「それは…まさか…」


音也「そうだ!真夜はお前に生まれてきてほしいと願ったんだ!
お前が死ぬって事はだ、それは真夜も死ぬと…そういう事になるんだよ!!」


渡「そんな…」


音也の言葉を聞き渡はショックを受けた。

本来なら自分一人が死ねればいいだけなのに、

そのために母親である真夜まで死ななければならないとは…

それは渡の望む事ではなかった。

(ナレーション:政宗一成)



渡「嫌だ!僕は母さんに死んでほしくはない!」


音也「だがお前は死を望んでいる!それでは真夜はいずれお前のあとを追って死ぬぞ!」


渡「じゃあ…どうしたら…どうしたらいいんだよ!?」


音也「それこそ甘えるな!自分で考えろ!!」


渡「あぁ…そんな…深央さん…母さん…どうして大切な人ばかりいなくなるんだ!?」


渡は最愛の人ばかり死んでいくこの状況を嘆いた。

一体どうすればいいのだろうかと…?

するとその時…!

(ナレーション:政宗一成)



ゆり「殺してやる…」


真夜「私はどうなってもいい…でもお腹の子だけは殺させはしないわ!」


渡「母さん…お腹にいる僕を守ろうとしている。
今の母さんはファンガイアとしての力を失っている。それなのに身を呈して僕を…
それなのに…僕は…僕は…母さんに力がないのなら…僕が…僕が戦えばいいんだ!
父さん!そこを退いて!!」


音也「なにぃっ!?」


((ドガッ!))


渡の拳が音也の顔面に命中した!

初めての息子の鉄拳を受けて横たわる音也。

そして渡はすぐさま真夜の元へ駆けつけようとするのだが…

(ナレーション:政宗一成)



渡「ゆりさん!やめて!」


ゆり「うるさい!この女さえいなければ…私と…恵は…」


真夜「恵…?」


ゆり「うわぁぁぁぁ!」


イクサナックルで真夜を攻撃しようとするゆり!だが…!?

(ナレーション:政宗一成)



((ガシッ!))


音也「よせ、俺のために争うな!」


ゆり「音也!?」


真夜「あなた…ゴルゴムに操られていたはずじゃ…?」


ダロム「そうだ!我らゴルゴムに改造手術された者に自由な意思などあるはずが…!?」


音也「黙れ、このテルテル坊主の化物どもが!
この紅音也さまを簡単に操れると思うなよ!なぁ、そうだろ渡?」


渡「父さん…一体どういう事なの?」


音也「ちょっと悪の怪人のフリをしていただけだ。全ては渡、お前が俺を倒すためにな!」


渡「そんな!?」


なんという事であろうか!

音也は正気こそあるが渡に自分を倒せと告げる。一体何故なのか!?

(ナレーション:政宗一成)



音也「情けない話だが…ちょっときつくてな…
このままファンガイアになったままお前や真夜、それに…ゆりに手を出したくはないんだ。
頼む渡…お前の手で俺を倒せ…!」


渡「父さん…」


音也「だが…俺もタダで負ける気はない!最初で最後の父と息子の親子ゲンカだ!
ゆり、それを借りるぜ!」


ゆり「あぁ…イクサナックルが!?」


音也「さぁ、行くぞ渡。お前も変身しろ!」


渡「わかったよ…父さん…キバット!!」


キバットバットⅢ世「あいよ!ガブッ!」


((レ・ディ・ー))


渡、音也「「変身!!」」


キバ「ハァッ!」


((フィ・ス・ト・オ・ン))


プロトイクサ「フゥッ、化物よりやっぱりこの格好の方が俺には似合うな!」


キバ「行くよ、父さん。」


プロトイクサ「あぁ、渡。お前が俺の魂を鎮めるんだ!」


紅親子の変身する仮面ライダー。

紅渡の変身する仮面ライダーキバ。

それに紅音也の変身する21年後のイクサの前身であるプロトイクサ。

憎しみや怒りではなく…親子の…互いを愛するが故の戦いが始まった!

(ナレーション:政宗一成)



キバ「一気に決着をつける!キバット!」


キバットバットⅢ世「ウェイクアップ!」


プロトイクサ「こっちも一気に畳み掛けてやる!」


((イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ))


キバ「ダークネスムーンブレイク!!」


プロトイクサ「ブロウクン・ファング!!」


((バシィィィッ!))


キバのライダーキックことダークネスムーンブレイク!

プロトイクサのイクサナックルで繰り出す必殺技ブロウクン・ファング!

両者の必殺技が空中で激しく激突した!!

(ナレーション:政宗一成)



プロトイクサ「どうした?お前の力はこんなものか!」


キバ「くっ…このままじゃ…負ける…!?」


プロトイクサ「こんな力じゃまた大切な人を失くしてしまうぞ!
そしてお前はたった一人、生き残って女々しく惨めに生きていくつもりか!?」


キバ「嫌だ…僕はもう失いたくない!大切な人を…今度こそ自分の手で守ってみせる!!」


キバ「ハァァァァァッ!!」


キバットバットⅢ世「よっしゃぁっ!ダークネスムーンブレイク…フルパワーだ!!」


キバ「「オォォォォォォォッ!ハアッ!!」」


プロトイクサ「…」


そして激しい激突の末、勝ったのは…キバのダークネスムーンブレイクだ!

(ナレーション:政宗一成)



音也「うぅ…よくやったな渡…」


渡「ちがう…父さんは最後わざと手加減したんだ…だから僕は勝てた…
そんな事より…ようやくまた会えたのに…こんな別れ方って…酷い…あんまりだよ!?」


音也「そんな事…気にすんな渡…
それよりも…今の力があればお前は…どんな敵にも…それに愛する人を守る事ができる…
そしていいか…約束してくれ…もう二度と自暴自棄になるな…
この世にはお前に幸せになってほしい人がいる…少なくても俺と真夜はそう願っている…」


渡「父さん…」


ゆり「あぁ…そんな…すまない音也…私がこんな敵の口車に乗らなければ…」


真夜「音也…渡…」


傷つき倒れる紅音也。

その音也に最後まで寄り添う渡、それに真夜とゆりが…

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

渡が精神的に成長しました



((ドクンッ!))


ゴルゴムファンガイア「グァァァァァッ!?」


渡「父さんがゴルゴムファンガイアに変化した!?」


ゆり「そんな…どうして…?」


ダロム「フンッ、いつまでも人間の意志を保っていられると思うなよ!」


バラオム「この男は大した事に精神力のみで意志を保っていた。」


ビシュム「ですがそれもここまで。
既に限界を超えていた紅音也が再びゴルゴムファンガイアの姿に変貌したのですよ!」


ビショップ「やはり絶望とはこうでなくてはならない。
一度は甘い希望を与え、そしてその希望を根刮ぎ摘み取り最後に大いなる絶望を与える!
これこそ裏切り者たちの末路に相応しい!!」


音也が身も心もファンガイアと化していく様を楽しそうに見物するビショップと三神官。

その光景に怒りを露にする渡!

だがそれだけではない!?

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「うわぁぁぁぁ!?」


真夜「光太郎さん!」


ダークキバ「フハハハハ!情けないぞ南光太郎!変身が解けているではないか!」


光太郎「うぅ…ビルゲニア…いや…ダークキバの力が凄まじい…これでは…」


キャッスルドラン「「ガァァッ!」」


真夜「そんな…キャッスルドランが!」


ガルル「ガゥゥッ!」


ゆり「それに…次狼たちまで復活したわ!」


ダロム「退屈な茶番はこれで終わりだ!」


ダークキバ「ククク、最早これまで!」


ビショップ「全員仲良く地獄へ行きなさい!」


悪の怪人たちに取り囲まれる光太郎、渡、それに真夜とゆり!

彼らはこのピンチを一体どうやって切り抜けるのか!?

(ナレーション:政宗一成)



真夜「そうだわ!渡、これを使いなさい!」


光太郎「それは…バイオリン?」


渡「このバイオリンはもしかして…この時代のブラッディーローズ!?」


真夜「このブラッディーローズでみんなを正気に戻すのよ!
渡、音楽に愛された音也の息子であるあなたならそれが出来るはずよ!!」


真夜が取り出したのはこの時代のブラッディーローズ。

音也の死後、一度も使われずにいたブラッディーローズであったが…

21年後の渡に手渡され再び曲が奏でられた!

(ナレーション:政宗一成)



((♪♫♬)) ((♬♫♪)) ((♪♫♬))  


ゴルゴムファンガイア「グゥゥッ…」


ガルル「ウゥ…」


キャッスルドラン「ガウゥ…」


ゆり「やった!渡の演奏でみんな正気に戻りつつあるぞ!」


ビショップ「下らない小細工ですね。」


ダロム「その通りだ、我らの改造手術による洗脳がこの程度の演奏で元に戻るものか!」


ビシュム「ゴルゴムファンガイア、今度は逆にお前が演奏を奏でなさい!」


ゴルゴムファンガイア「アァァァァ♪」


ゆり「ゴルゴムファンガイアが曲を奏でたぞ!けどこの曲は…」


真夜「なんて美しい曲なの…心が…支配されそうよ…」


渡「そんな…母さん!」


光太郎「いけない二人とも!これは罠だ!正気に戻って!?」


ダロム「ククク!無駄だ!」


バラオム「紅音也は元天才バイオリニスト!
その紅音也を改造手術したゴルゴムファンガイアの奏でる演奏の前では…」


ビシュム「未来のキバ!お前の演奏など足元にも及びませんわ!」


ゴルゴムファンガイアの演奏はこの場にいる者たちの心を魅了させていた。

次第に虜となっていく真夜とゆり…

一体どうすれば!?

(ナレーション:政宗一成)



ゴルゴムファンガイア「アァァァ…♪」


渡「ダメだ!僕の演奏じゃ父さんには勝てない!?」


光太郎「一体どうすれば…?」


ビショップ「フフフ、惨めなものだな。自分が愛した音楽によって愛する者を失うとはな。
もしこの音楽に適うものがあるとすればそれは紅音也以上の音を奏でられる事だが…」


光太郎「紅音也以上の音楽…?そうだ!まだひとつだけ方法があるぞ!!」


ダロム「南光太郎め!一体何をする気だ!?」


渡「光太郎さん、どうするんですか…?」


光太郎「音楽は楽器で奏でるだけじゃない!
歌だ!僕の歌と渡くんの演奏でこの悪しき音楽を振り払うんだ!!」


渡「そうか、光太郎さんの歌と僕の演奏を合わせれば…行きますよ光太郎さん!」


キバットバットⅢ世「こんなんで大丈夫なのかよおい…?」


タツロット「今から不安ですね…」


光太郎「行くぞ、曲名は『仮面ライダーBLACK』だ!」


そして再び曲を奏でる渡、それに歌い出す光太郎!

ゴルゴムファンガイアの前でその歌は通用するのだろうか!?

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

TVの前…じゃなくてPCの前の小さな…じゃなくて大きな友達も大きな声で歌うんだ!



光太郎「時を超えろ!空を駆けろ!この星のため!」


キバットバットⅢ世「ちょっと待てよ…この歌…!?」


光太郎「キミは見たか!愛が~真っ赤に燃えるのを~!」


タツロット「メチャクチャ音痴じゃないですか!?」


光太郎「暗い闇の底で危険な罠が待つ!」


ダロム「フハハハハ!バカなヤツめ!」


ダークキバ「お前がやっている事は我々の前で下手糞な歌を披露しているに過ぎんぞ!」


ビショップ「こんな音痴な歌でゴルゴムファンガイアの奏でる演奏を超えられるわけが…」


光太郎「信じる奴が正義!真実の王者!」


バラオム「南光太郎!お前がやっている事はその音痴ぶりを衆人の前で晒してるだけよ!」


ビシュム「まったくとんだ恥晒しですわ!」


渡「くっ…やっぱりダメなのか…?」


光太郎「諦めるな渡くん!最後まで演奏を続けるんだ!!」


悪の怪人からボロクソに貶される光太郎の歌…

だが…この歌を真に聴く者たちの感想はちがった!

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「夢を見続ける事が、俺のファンタジー!」


ゆり「確かに…お世辞にも上手とは言えない…正直歌はカラオケ以下だ…」


光太郎「生きる事が好きさ!蒼く!浮かぶ!小宇宙!!」


真夜「けど何故かしら…芸術性の欠片もないけど…熱い魂を感じる歌だわ!」


光太郎「時を超えろ!空を駆けろ!この星のため!」


ガルル「うぅ…この歌が俺たちに正気を戻してくれる!」


バッシャー「音痴だけど魂を揺さぶらせる歌だね!」


ドッガー「ウオオオオ!」


タツロット「オォッ!この時代のガルルさんたちが正気に戻りましたよ!」


光太郎「熱く燃やせ!涙流せ!明日という日に!」


キャッスルドラン「「ガァァァッ!」」


キバットバットⅡ世「ハッ…私は今まで何をしていたのだ…?」


キバットバットⅢ世「やったぜ!父ちゃんとキャッスルドランも正気に戻った!」


光太郎「仮面ライダーBLACK!仮面ライダーBLACK!!」


真夜、ゆり「「かめ~ん!ら~いだ~!ブラーック♪」」


キバットバットⅢ世「渡の母ちゃんたち…いつの間にか仲良く合唱してるよ…」


ガルル、バッシャー、ドッガ「「「かめ~ん!ら~いだ~!ブラーック♪」」」


タツロット「ガルルさんたちも仲良く合唱してますよ!」


キバットバットⅡ世、キャッスルドラン「「かめ~ん!ら~いだ~!ブラーック♪」」


キバットバットⅢ世「おまけに父ちゃんとキャッスルドランまで!どうなってんの!?」


あの名曲『仮面ライダーBLACK』を熱唱する光太郎。

それをブラッディーローズで奏でる渡。

光太郎と渡の正義の音楽が悪しき音楽で操られていた者たちを開放したのだ!!

(ナレーション:政宗一成)



渡「よかった、みんな元に戻った!」


光太郎「やったな渡くん!」


渡「今わかった。人とファンガイアの奏でる音楽、これが二つの種族の共存なんだ!」


キバットバットⅢ世「たぶんちがうと思うぜ…」


タツロット「魂は揺さぶられましたけど音痴ですから…」


ダロム「フンッ!安心するのはまだ早いぞ!」


ビショップ「ゴルゴムファンガイアはまだ健在だ!いや、むしろ…」


ダークキバ「今の歌を聞いて…ヤツめ、妙な事になっているぞ!」


ゴルゴムファンガイア「「グガァァァァッ!!」」


光太郎の歌と渡の演奏でビショップに操られていた者たちは正気を取り戻した!

だが音楽を人一倍愛する紅音也はそうはいかなかった…

何故か今の歌を聴いて巨大に、そして凶暴化してしまった!?

(ナレーション:政宗一成)



ゴルゴムファンガイア凶暴態「「ガァァァァッ!」」


渡「父さんがより凶暴化してしまった!」


光太郎「バカな…一体何故!?」


ダロム「フハハハハ!あんな音痴な歌を聴いたのだ!当然であろう!」


ビショップ「音楽を愛する紅音也の心があの音痴な歌を許せなかったのです!」


キバットバットⅢ世「渡!こうなりゃ倒すっきゃねえぞ!」


渡「けど…それじゃあ…」


光太郎「このままではゴルゴムファンガイアは真夜さんやゆりさん、
それにこれから生まれてくるキミにまで危害を加えてしまうだろう。
音也さんにそんな事をさせてはいけない!
渡くん、僕とキミが音也さんを止めるんだ!!」


渡「そうだ…父さんだって愛する人を傷つけたくはないはずだ!
僕が父さんを止めなきゃ…それに母さんを守らなきゃいけないんだ!!」


暴走する巨大なゴルゴムファンガイア凶暴態!

だがそんな巨大な怪物を前に、二人の仮面ライダーが立ち向かう!!

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅢ世「ガブッ!」


タツロット「変身~!」


渡「変身!!」


キバエンペラーF「ハァッ!!」


光太郎「変…んん…身!!」


BLACK「「仮面ライダーBLACK!!」」


ダロム「おのれ…ライダーどもが変身しおったわ!」


ビショップ「変身したところで無駄だ!
このゴルゴムファンガイア凶暴態に適うはずがあるまい!」


ダークキバ「仮面ライダー!お前たちはこのビルゲニアが倒す!」


BLACK「黙れゴルゴム!それにファンガイアめ!お前たちは絶対に許さん!!」


キバエンペラーF「僕たちは必ず勝つ!
そして父さんをファンガイアの呪縛から解き放つんだ!!」


キバットバットⅢ世「ウェイクアップ!運命の鎖を解き放て!」


変身する仮面ライダーBLACK&仮面ライダーキバエンペラーF!

二大仮面ライダーの反撃が始まった!!

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

光太郎の歌のおかげでみんな元に戻ったぞ!反撃開始だ!



???『愚かなヤツらめ、下らぬ戦いをやっておるわ…』


糸矢「ハハッ!その通りでございますな、我が王よ!
ゴルゴムの神殿前で捨てられていたところをあなたさまに拾って頂き感謝しております!
いずれ時が来れば私はファンガイアを裏切り、
必ずやあなたさまの配下としてお仕えいたしますぞ!チューリッヒヒヒ!!」


???『うむ、ところであそこにいるのは未来のキバか…』


???『未来においてヤツは我々にとって邪魔な存在…』


???『そういえばヤツは時の扉からやってきたと言っていたな。』


???『フフフ、よい事を思いついたぞ。
21年後にヤツをこの世界に誘い…そして…フハハハハハ!!』


仮面ライダーたちの反撃が開始された頃、この戦いを影で伺って者がいた。

しかしその者は何やら薄気味悪い笑みを浮かべると人知れず何処かへと去って行った。

果たして何が目的なのだろうか?

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~キャッスルドラン(城内)~


名護「それでは彼らを過去に送ったのは…」


光太郎「そうだ、渡くんと太牙くん。
真夜さんの子供である二人の兄弟を導くための試練だったんだ!
俺はあの兄弟を過去に導くためにやってきた。その試練もどうやら大詰めのようだ。」


次狼「俺たちもこうして協力しているわけだが。」


ラモン「あの時はビショップの洗脳で僕たち操られていただけなんだけどね…」


力「ケドコウタロウノオンチデタスカッタ!」


光太郎「あの頃は俺も若かったな…よくもみんなの前であんな歌を…」


その頃、2009年では名護は今回の件について光太郎から詳しい事情を聞いていた。

全ては渡と太牙の二人の兄弟に課せられた試練であった事に納得する名護。

だが…その時!?

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ「フフフ、そういう事だったのか…
これで渡と太牙、あの忌まわしい二人は仲良く過去へ行ったのだな!」


名護「貴様はチェックメイトフォーのビショップ!」


糸矢「それに糸矢です!ガーリッククク!」


光太郎「ビショップに糸矢…ファンガイアがどうしてここに!?」


次狼「チェックメイトフォーといえどキャッスルドランには簡単に入れるはずが…」


ラモン「みんな見て!」


力「コイツラノハイゴニナニカイル!?」


ラモンと力が感じ取った糸矢たちの背後にいる存在!

それはなんと…かつてキバに封じられたあの者であった!?

(ナレーション:政宗一成)



アークキバット『フハハハハ!久しぶりだなぁ!』


名護「こいつはアークキバット!確か以前キバに封印されたはずだ!?」


アークキバット『そうだ!俺はかつてキバとの戦いに敗れて月に封じられた!
だが封じられていた事により俺の憎しみによる力は増大していった!
そして俺は…以前憑依していた杉村隆の肉体を捨てキバの封印を解いた!!』


光太郎「なんという事だ…お前の目的はキバを倒す事か!?
だがこの俺がいる限り、お前を過去の世界には行かせはしないぞ!!」


アークキバット「過去の世界だと…?愚かな、何故そんな場所に行く必要がある?」


次狼「まさか…こいつ…!」


糸矢「チューリッヒヒヒ!新しき我が王はこう考えておられるのだ!
この時の扉を壊して紅渡と登太牙を過去の世界に閉じ込めようとな!!」


光太郎「そうか…お前たち漁夫の利を狙っていたのか!なんて汚いヤツらだ!?」


糸矢の口から語られたアークキバットたちの恐るべき企み!

それは時の扉を破壊して渡と太牙の二人を過去の世界に閉じ込めようというものだった!

もしそんな事になれば二人は過去の世界に閉じ込められるばかりではない。

長時間過去の世界に留まれば、

時の歪みにより渡と太牙は過去の世界においてその存在を消失してしまうのだ!?

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「そうはさせん…くっ…」


名護「息子よ、その右腕の傷はどうした!?」


ラモン「これは重傷だよ…」


次狼「そうか…さっきの太牙の攻撃を喰らって…」


力「イタソウ…」


アークキバット「ククク!サガとの戦いで傷を負ったか!今こそ勝機だ!!」


レイキバット「行こうか、華麗に激しく!」


糸矢、ビショップ「「変身!」」


アーク「我が名は仮面ライダーアーク!!」


レイ「そして仮面ライダーレイ!!」


光太郎「アークにレイ…悪の仮面ライダーたちか…
いかん…今の俺ではこの二人のライダーを相手にするには厳しすぎる…!」


なんと糸矢がかつてレジェンドルガを率いた仮面ライダーアークに!

それにビショップが3WAの開発した仮面ライダーレイに変身してしまった!

以前、キバを苦戦させた悪の仮面ライダーたちの出現に…

手傷を負った光太郎はどうするのだろうか!?

(ナレーション:政宗一成)



名護「どうやら私の出番のようだ。」


光太郎「名護くん…?」


名護「過去の世界では紅兄弟が時の試練に立ち向かっている。
この現代にキバはいない。だが渡くんは必ず帰ってくる!
ならばこの私、名護啓介と息子の光太郎、
同じく家族である私たちが、渡くんが無事に帰ってくるまで時の扉を守らねばならない!
そうだな、息子よ!!」


光太郎「まあ…そうだが…」


名護「行くぞ息子よ!我ら太陽の親子の力を今こそ合わせる時だ!!」


光太郎「いや…親子って…今日会ったばかりの赤の他人なんだけど…」


((レ・ディ・ー))


名護「変身!」


光太郎「変…んん…身!」


((フィ・ス・ト・オ・ン))


イクサ「その命、神に返しなさい!」


RX「俺は太陽の子、仮面ライダーBLACK!RX!!
渡くんたちが帰ってくるまでこの時の扉は俺たちが守ってみせる!!」


変身する仮面ライダーBLACKRX、それに仮面ライダーイクサ!

そして仮面ライダーたちはキャッスルドランを出てそれぞれの相手と戦う事に!

現代と過去、二つの時代でそれぞれの運命を懸けた戦いが始まった!!

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

戦いもクライマックスですが名護さんは一切ブレません



<1988年1月某日>


~採掘場~


タツロット「ガルルフィ~バ~!」


キバエンペラーF「ハァッ!エンペラーハウリングスラッシュ!」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「ガァッ!」


タツロット「バッシャーフィ~バ~!」


キバエンペラーF「次はこれだ!エンペラーアクアトルネード!」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「ヌ゛ゥッ!」


タツロット「ドッガフィ~バ~!」


キバエンペラーF「最後は…エンペラーサンダースラップ!」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「グゥゥゥッ!?」


キバットバットⅢ世「フィーバー技の三連発!これでどうだ!」


キバエンペラーF「いや、まだダメだ!でも勝負はこれからだ!ザンバットソード!!」


仮面ライダーキバエンペラーFvsゴルゴムファンガイアの戦い。

キバエンペラーFはアームズモンスターたちのフィーバー技を、

ゴルゴムファンガイアに叩きつけた!

先ほどまでの戦いとは打って変わって猛攻の連続!

今のキバは大切な者を守るためなら相手が誰であろうと容赦しなかった!

(ナレーション:政宗一成)



ダークキバ「ハァッ!」


BLACK「くっ…!」


ダークキバ「ククク、貴様の歌なんぞ聞いたところで俺には関係ない!
闇のキバの鎧はこのビルゲニアが支配している。
キバットバットⅡ世が催眠術から目覚めようと俺の支配下にある以上、無意味なのだ!」


BLACK「おのれ…ビルゲニア!なんとかしてヤツの攻撃を止めなければ…!」


一方こちらは仮面ライダーBLACKvsダークキバの戦い。

キバットバットⅡ世に掛けられていた催眠術が解かれたが闇のキバの鎧は依然として、

ビルゲニアの支配下にあった!

そんな時、キバットバットⅡ世にある変化が…!

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅡ世「おのれ…よくもこの私を操ってくれたな!許さん!」


ダークキバ「このコウモリめ、自我を取り戻したか。
だが丁度いい。仮面ライダーに一撃で止めを刺せる必殺技を出せ!これは命令だ!」


キバットバットⅡ世「いいだろう。ならばこの技を使え。ウェイクアップ・3!」


ダークキバ「オォッ!身体に力がみなぎる!これなら凄まじい必殺技が繰り出せるぞ!」


BLACK「まずい…これは間違いなく闇のキバの鎧の最強の必殺技だ!
こんな技を受けたら今度こそ僕は…!?」


ダークキバ「喰らえ、仮面ライダー!キングスワールドエンド!!」


ついに放たれるダークキバの必殺技、キングスワールドエンド!

だが…ビルゲニアは気づいてはいなかった。

実はキバットバットⅡ世がこの技を敢えて使ったのは罠であった事を…!

(ナレーション:政宗一成)



((ゴォォォォッ!))


ダークキバ「ギャァァァァッ!?
な…何だこれは!身体が…まるで焼けるように熱いィィィィィッ!?」


キバットバットⅡ世「罠にハマったな、この技はただの必殺技ではない。
かつて初代キングがレジェンドルガ族を全滅させるために一度だけ使った自爆技なのだ!」


ダークキバ「自爆技とは…おのれ…コウモリめ!
よくもこのビルゲニアを騙したな!貴様…許さんぞ!?」


キバットバットⅡ世「バカめ、そんな事を言っている暇があるのか?」


ダークキバ「それはどういう意味だ!?」


ようやく自分が罠にハマった事に気づいたビルゲニア!

だが既に時、遅しであった!

(ナレーション:政宗一成)



BLACK「今がチャンスだ!ライダ―――ッ!パ―――ンチ!!」


ダークキバ「ぐはっ!?」


BLACK「止めだ!ライダ―――ッ!キ―――ック!!」


ダークキバ「ぐわぁぁぁぁぁ!?」


ビルゲニア「おのれ…仮面ライダー…ここは一旦引かねば…
だがお前もそのダメージを負った身体でどこまで戦えるかな?ではさらばだ!」


BLACK「ビルゲニアめ…去ったか…だがヤツの言う通り…僕はダメージを負い過ぎた…」


キバットバットⅡ世「仮面ライダー、今回は礼を言うぞ。この借りはいずれ必ず返そう。」


BLACK「ありがとうキバットバットⅡ世。
だが今は真夜さんのところに付いていてあげてくれ。彼女はまもなく出産間近だ。」


仮面ライダーのライダーパンチ、ライダーキックの必殺技で、

ダークキバの変身が解除されて退散するビルゲニア。

だがビルゲニアの言う通りまだ戦いは終わっていない。

未だにゴルゴムファンガイア凶暴態と戦闘中のキバエンペラーF!

それにビショップと三神官が真夜の命を狙っていた!

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

ダークキバとの戦いは真っ向勝負じゃちょっと勝ち目ないので…



<1988年1月某日>


~キャッスルドラン(城内)~


真夜「ハァ…ハァ…もうダメ…」


ゆり「しっかりしろ!アンタは母親だろ!」


真夜「麻生ゆり…?」


ゆり「それとさっきはすまなかったな…
音也の事はアンタの所為じゃないってわかってたのにあんな敵の口車に乗って。
けど今はもう大丈夫だ!アンタとお腹にいる音也の子は私が守る!安心して産んでくれ!」


真夜「ゆり…ありがとう…」


ここはキャッスルドランの城内。

真夜とゆりは戦いの最中、この城に逃げ込み真夜の出産準備を行っていた。

だが…

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ「クイーン、私の事をすっかり忘れていたようですね!
まったくゴルゴムもあれだけ大口を叩いてあの様とは情けない…
こうなれば私の手であなたとお腹の子供を仕留めてみせる!」


真夜「そんな…ビショップが…」


ゆり「黙れ!まだ私がいる!変身!」


プロトイクサ「ハァァァァッ!」


音也が使っていたプロトイクサに変身し、たった一人でビショップに立ち向かうゆり。

しかしチェックメイトフォーを相手にゆり一人が適うはずもなかった…

(ナレーション:政宗一成)



スワローテイルファンガイア「人間風情が…甘く見るな!」


プロトイクサ「きゃぁぁぁぁっ!?」


真夜「ゆり!」


スワローテイルファンガイア「愚かな…
人間如きがファンガイアを相手にまともに戦えるはずもなかろう。
最早これまでだ。覚悟なさいクイーン!
あなたとお腹の子は所詮望まれぬ命、最早誰も助けてはくれませんよ。」


ゆり「うぅ…ダメだ…身体が動かない…
プロトイクサの反動が激しくて…これ以上はもう…すまない真夜…」


ビショップが変化したスワローテイルファンガイアの攻撃で重傷を負ったゆり…

最早これまでか…と思ったその時であった!

(ナレーション:政宗一成)



((ガシャンッ!))


真夜「これは…キャッスルドランの時の扉が開いたわ!」


ゆり「まさか…また未来から誰かがやってきたのか…?」


スワローテイルファンガイア「誰が来ようと関係ない!クイーンさえ始末してしまえばよいのだ!」


急ぎクイーンを手に掛けようとするスワローテイルファンガイア!

だがしかし…!

(ナレーション:政宗一成)



太牙「させるか!」


スワローテイルファンガイア「お前は何者だ!?」


真夜「あなたは…もしかして…未来の太牙?」


太牙「確かに母さんはファンガイアの裏切り者!
だがお前のような下賎な輩に命を奪わせるわけにはいかない!!」


スワローテイルファンガイア「この私を下賎な輩と罵るとは!
許してはおきませんね。どこの誰だか知らないがクイーンと一緒に始末する!!」


時の扉から現れたのは未来の光太郎によって過去の世界に送り込まれた太牙であった!

太牙の出現でスワローテイルファンガイアの標的は真夜から太牙へと変わった。

そしてスワローテイルファンガイアの魔の手が太牙に襲かかろうとする!

危うし太牙!?

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅡ世「真夜の息子よ、この私がお前に一時的に力を貸そう!ガブッ!」


真夜「キバットバットⅡ世!正気に戻ったのね!」


太牙「変身!」


ダークキバ「闇の牙の鎧、遂にこの俺が手にしたぞ!」


キバットバットⅡ世「ウェイクアップ・2!」


ダークキバ「キングスバーストエンド!!」


スワローテイルファンガイア「ギャァァァァァッ!?」


駆けつけたキバットバットⅡ世に力を与えられ太牙はダークキバに変身!

そしてダークキバの必殺キックである、

キングスバーストエンドがスワローテイルファンガイアに命中!

スワローテイルファンガイアはその場に倒れこんでしまう…

(ナレーション:政宗一成)



太牙「これで過去のビショップは倒した。さて、渡はどこにいるんだ…?」


ゆり「おいお前!丁度いい!
私に代わってクイーンの…いや…真夜の子を取り上げてくれ!」


太牙「お…俺が…?だが何故俺なんだ!?自分でやればいいだろ!!」


ゆり「私はこの通り傷を負って満足に動けない。だから…頼む…!」


真夜「お願い…太牙…渡を取り上げて…」


太牙「けど…俺は渡を倒すために…」


ゆり「その渡が生まれるかどうかの瀬戸際なんだよ!
お前…これからお兄ちゃんになるんだぞ!しっかりしろ!?」


真夜「太牙…あなたしかいないの…お願い…」


太牙「うぅ…こうなれば仕方がない…」


こうして太牙は動けないゆりに変わり真夜のお産を手伝う事に…

果たして渡は無事に産まれるのであろうか?

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

太牙は人生初のお産の取り上げに挑戦します



<2009年1月某日>


~採掘場~


RX「トゥァッ!リボルケイン!」


アーク「フンッ!アークトライデント!」


イクサ「イクサカリバー!」


レイ「ギガンティック・クロー!」


一方、現代でも戦いが繰り広げられていた!

仮面ライダーBLACKRXvs仮面ライダーアーク。

それに仮面ライダーイクサvs仮面ライダーレイの戦い!

互いの武器が火花を散らす一進一退の戦い!

この一見互角かと思われていた戦いにある変化が起きた。

それはRXにあった!

(ナレーション:政宗一成)



RX「うぅ…やはり右腕が満足に動かない…」


アーク「この俺を相手に右腕を庇いながら戦うとは愚かな!八つ裂きにしてやる!!」


イクサ「息子が危ない!?」


レイ「おっと、お前の相手はこっちだ!ブリザードミスト!」


イクサ「しまった…凍りついて動きが取れない…!?
おのれ…お前など相手にしている場合ではない!ならばこっちも!」


((ラ・イ・ジ・ン・グ))


イクサが口部のマスカーレギュレーターからイクサライザーを取り外し起動。

そしてライジングの電子音と共に強化フォームへと姿を変える!

(ナレーション:政宗一成)



ライジングイクサ「イクサ、爆現!」


レイ「ライジングイクサか…だがまだだ!」


ライジングイクサ「ファイナルライジングブラスト!」


レイ「ブリザードクロー・エクスキュージョン!」


((ガキィィィンッ!))


ライジングイクサとレイの必殺技が激しく激突!

そして勝ったのは!?

(ナレーション:政宗一成)



レイ「ぐわぁぁぁぁぁ!?
な…何故だ…こっちはチェックメイトフォーのビショップの力を取り入れたんだぞ!
それなのに何故…俺が負けたんだ…?」


ライジングイクサ「強くなったのはお前だけではない!
この俺も紅音也により遊び心を覚えて更なる強さを手に入れたのだ!!」


レイ「そ…そんな…」


((ドォォォォンッ!))


ライジングイクサの必殺技で倒されるレイ。

戦いはライジングイクサの圧勝であった!

(ナレーション:政宗一成)



RX「イクサが勝ったか…だが…」


アーク「RX!その傷では満足に戦えないはず!
このアークトライデントでお前の全身を引き裂いてやる!」


ライジングイクサ「RXが…息子よ!?」


あのアークを相手に右腕を庇いながら戦うRXでは歯が立たなかった。

そしてそれは過去の世界でも…

(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


~採掘場~


キバエンペラーF「ハァッ!ファイナルザンバット斬!!」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「グガァァァッ!」


ダロム「キバとゴルゴムファンガイアが激突しておる。」


ビシュム「キバが加勢できない今こそ好機です!
先ほどのダークキバとの戦いで仮面ライダーは弱っています!」


バラオム「仮面ライダー!積年の恨み、今こそ晴らしてやる!」


BLACK「うぅ…ゴルゴムの三神官め…」


キバエンペラーFとゴルゴムファンガイアの戦いが行われている最中、

ゴルゴムの三神官がその隙をついて仮面ライダーの命を奪おうとしていた!?

まさに絶体絶命のピンチかと思ったまさにその時!

思わぬ援軍が駆けつけた!!

(ナレーション:政宗一成)



ガルル「仮面ライダーBLACK!俺たちはお前のおかげで正気に戻れた!!」


バッシャー「今こそ僕たちの力を!」


ドッガ「オマエニカシテヤル!」


BLACK「ガルル、バッシャー、ドッガ…みんな…」


キバエンペラーF「よし、キバット!」


キバットバットⅢ世「よっしゃー!今日は特別だ!
ガルルセイバー!バッシャーマグナム!ドッガハンマー!
みんな、仮面ライダーBLACKに力を与えてくれ!!」


なんとガルルたち三体のアームズモンスターが、

キバットバットⅢ世のフエッスルに応じて仮面ライダーBLACKの全身に装甲を纏わせた!

胸部がドッガ、右腕がバッシャー、左腕がガルル、の力を身につけたその驚くべき姿は…!

(ナレーション:政宗一成)



BLACKドガバキF「完成、仮面ライダーBLACKドガバキフォームだ!!」


ダロム「バカな…こんな事があり得るのか!?」


キバットバットⅢ世「へっ!今回だけの特別版だ!さぁ、やっちまえ!!」


BLACKドガバキF「あぁ、遠慮なくやらせてもらおう!
喰らえ!ガルル・ハウリングスラッシュ!バッシャー・アクアトルネード!!」


「「「ギャァァァァァッ!?」」」


ダロム「おのれ…仮面ライダーがこのような力を持つとは予想外だ…」


ビシュム「最早これまで…我らは引きましょう…」


バラオム「うむ、所詮は手伝い戦…
女房に逃げられた情けないファンガイアのキングの頼み事などこれ以上聞いてられるか!
あとはファンガイアどもで勝手にやっていろ!?」


新たなる力、仮面ライダーBLACKドガバキFの力の前に思わず退散するゴルゴムの三神官たち。

そしてそれは現在でも…!

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~採掘場~


ライジングイクサ「息子よ、諦めるな!この父がお前に力を授けてやろう!」


RX「イクサ…?だがどうやって…?」


ガルル「よし、俺たちも行くぞ!」


バッシャー「うん、21年前と同じく仮面ライダーに力を貸してあげよう!」


ドッガ「フガー!」


ライジングイクサ「彼らの力をこのフェイクフエッスルで召喚させる!
行け!ガルルセイバー!バッシャーマグナム!ドッガハンマー!」


そして2009年でもライジングイクサのフェイクフエッスルによって、

RXの全身にガルルたちアームズモンスターの装甲が装着された!

その姿は…!

(ナレーション:政宗一成)



RXドガバキF「仮面ライダーBLACKRXドガバキフォーム!!」


アーク「そんなバカな…こんな事はあり得ない…一体…何故!?」


ライジングイクサ「これぞ私と息子の太陽の親子の力だ!
我が息子光太郎よ!今こそヤツに我ら親子の真の力を見せてやるのだ!!」


RXドガバキF「太陽の親子か…そうかもしれないな!
太陽の力と、それにガルルたちアームズモンスターの力を得た今の俺は無敵だ!
アーク!お前の野望も最早これまで!喰らえ、ドッガ・サンダースラップ!!」


アーク「ぐはぁぁぁぁぁ!?」


RXドガバキFのドッガ・サンダースラップがアークに命中!

勝利は目前だぞ!

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

BLACKドガバキFはこのssオリジナルの強化フォームです

絶対に本気になさらないでください



<1988年1月某日>


~キャッスルドラン(城内)~


真夜「あぁ…頭が出てくるわ…渡の頭が…」


ゆり「そうだ…そのままゆっくり…優しく…取り上げるんだ。」


キバットバットⅡ世「うむ、私も的確なアドバイスをしよう。
これはキバット族にも代々伝わる出産時の呼吸法、ひっひっふーだ。」


太牙「ひっひっふー!ひっひっふー!」


ゆり、キバットバットⅡ世「「お前がやるんかい!?」」


太牙「す…すまない…お産なんか初めてだから気が動転してるんだ…
俺はファンガイアの王…こんなお産くらいで怖気づいたりしてはいけないんだ!
え~と…次はどうしたらいいんだ…?ここにあるお湯を一気に飲み干せばいいのか…?」


ゆり「バカッ!それは生まれた赤ちゃんを洗う産湯だぞ!?
本当に男ってお産の時は頼りにならないな!
私の時だって…本当はあいつに居てほしかったのに…」


真夜「あいつ…?」


現代、過去のそれぞれの時代で戦いが終盤に向けて一気に加速した頃であった。

真夜のお腹の子供の出産も佳境を迎えていた。

生まれてくる渡を取り上げようとする太牙、その時であった!

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ「おのれ…クイーン…その子供は絶対に産ませはしないぞ!」


真夜「ビショップ…あなたまだ諦めていなかったの!?」


ゆり「クソッ!私はさっきの負傷で満足に動けないし…」


太牙「ダメだ…俺も…渡がもうすぐ生まれようとしている大事な時だ…
今この手を離してビショップと一戦を交える事はできない…!?」


ビショップ「フフフ、どうやら運命は私に味方したようだ。
クイーン、今こそあなたたちの最期だ!
ファンガイアの掟を破りし母と子、二人仲良くあの世へ行け!!」


太牙「やめろ―――ッ!母さんに手を出すな!?」


ビショップの強靭の刃が真夜に襲いかかった!

そんな母を自らの身体を呈して守ろうとする太牙。

一体どうなってしまうのか!?

(ナレーション:政宗一成)



((ズバッ!))


真夜「うぅ…太牙…大丈夫…?」


太牙「あぁ…そんな…母さん…母さんの右目が…!?」


ゆり「そんな…真夜が…」


キバットバットⅡ世「未来からやってきた太牙をビショップの攻撃から守ったのか!?」


ビショップ「フンッ、無駄な事を…待て?
あなたが動けるという事は…まさかお腹にいた赤ん坊は…!?」


真夜「えぇ…太牙の手元をよく見なさい…ちゃんと生まれたわ…
私と音也の息子…それに太牙の弟である…紅渡がね…」


太牙「渡…あぁ…渡が…生まれた!母さん…渡が生まれたよ!?」


「「おぎゃぁぁぁぁっ!」」


それはまさに母の愛が成した奇跡であった!

太牙の腕の中で産声を上げる赤ん坊の渡。

真夜はビショップの攻撃を受ける直前に既に渡を出産していた。

そのおかげで身を呈して太牙を助ける事ができたのだ!

(ナレーション:政宗一成)



太牙「けど…何故だ…何故母さんは俺を助けたんだ!?」


真夜「バカね…自分の子供を助けるのに理由なんていらないわ…
あぁ…太牙…渡を取り上げてくれてありがとう…
きっとあなたも未来で何かつらい事があってこの世界にきたのでしょう…?」


太牙「そうだ…けどもういい…母さんはこうして俺を助けてくれた!」


真夜「太牙…ごめんなさい…
あなたの安全を考えて人間たちに預けたのに嫌な思いをさせてしまって…
この21年間…一人でよく頑張ったわね…えらいわ…」


太牙「うぅ…母さん…俺の方こそ…ごめん…ごめんよ…」


右目を失った真夜を前に泣きじゃくる太牙。

だが…

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ「未来からきた小僧め!
何者かは知らんがクイーンと赤ん坊の前にまずはお前を始末してやる!」


太牙「黙れ…母さんを傷つけた貴様を絶対に許さん…!」


ビショップ「ひっ!その手の紋章は…まさかあなたは未来のキング!?」


太牙「貴様に王の判決を言い渡す。死だ…!!」


((ゴォォォォォッ!))


ビショップ「ひぃぃぃっ!お…お許しを…ギャァァァァァァッ!!??」


真夜の右目を傷つけられた怒りに駆られた太牙。

その怒りで左手にある革手袋を外してファンガイアのキングとしての真の力を発揮する!

太牙の真の力の前に成す術なく吹っ飛ばされるビショップ…

こうしてゴルゴム、ファンガイアの両陣営は真夜から手を引いた。

そして太牙の腕の中には何も知らずに眠る赤ん坊の渡の姿があった。

(ナレーション:政宗一成)

とりあえずここまで

現代で真夜が右目に眼帯をしていた理由になります

けどssなので本気になさらず



<1988年1月某日>


~採掘場~


ゴルゴムファンガイア凶暴態「「ガァァァァッ!?」」


キバエンペラーF「父さんが…苦しんでいる…?」


BLACKドガバキF「そうか…
いくら音也さんが時を経てゴルゴムファンガイアに改造されたとはいえ、
その行いが禁忌であった事に変わりはない。
恐らくゴルゴムファンガイアの肉体は、今まさに限界に達しようとしているんだ!」


キバエンペラーF「そんな…父さん!?」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「「グガァァァァッ!?」」


仮面ライダーの推測は正しかった。

ゴルゴムファンガイアの肉体はあまりの強化に既に限界に達しようとしていた。

だがそれだけではない…

ゴルゴムファンガイアから明らかに異常な高熱が発せられているではないか!?

(ナレーション:政宗一成)



BLACKドガバキF「ヤツは肉体が限界に達した事で暴走状態に陥ったんだ!」


キバエンペラーF「このままじゃ父さんは…お願いだよ!正気に戻って!?」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「「ガァァァァァッ!!」」


((ドゴォォォォンッ!))


実の息子である渡の呼びかけにも応じようとしないゴルゴムファンガイア…

それどころかゴルゴムファンガイアはその暴走した状態で強力なエネルギー波を、

仮面ライダーたちに撃ち込んでしまう!?

そして現代でも…

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~採掘場~


アーク「まだだ…俺は…この程度では負けん…!」


RXドガバキF「アークめ、まだ戦う気か?」


ライジングイクサ「むっ!ヤツの前に私が倒したレイの身体が近付いてくるぞ!
ヤツは一体何をする気なんだ!?」


レイ「アーク…一体何をなさるおつもりなのですか…?」


アーク「それはな…こうするのだ!」


((ドスッ!))


驚くべき事がRXたちの目の前で行われた!

なんとアークが忠実なる部下であるレイを自らの拳で貫いてしまったのだ!?

(ナレーション:政宗一成)



ビショップ(こ…これは…どうして…?)


糸矢(チューリッヒヒヒ!ビショップさま…痛いですかぁ?)


ビショップ(糸矢…?私は…今まで何を…!?)


糸矢(あなたさまは今までレイキバットに操られていたんですよ!
全てはこの俺による復讐なんだよ!
21年前、アンタはこの俺を生体サンプルとしてゴルゴムに売り飛ばした!
あの時の苦しみ…それに恨みを今でも忘れちゃいませんよ!
さぁ、21年前に俺が味わった苦痛をじっくりと味わってくださいねぇ♪)


ビショップ(おのれぇ…うわぁぁぁぁぁ!?)


RX「ヤツは一体何をしているんだ?」


ライジングイクサ「息子よ、あれを見ろ!
アークはレイの肉体を吸収して更なる力を得ようとしているんだ!?」


まさに因果応報とはこの事であろう!

21年前、ゴルゴムに生体サンプルとして献上された糸矢は…

当時の恨みを、この新たに仕える王であるアークの力を持って晴らした!

苦しみ悶えるビショップ…だがそれだけではない。

アークがレイの全身を吸収した事によりある変化が起こりつつあった!?

(ナレーション:政宗一成)



レジェンドレイアーク「「ハハハハハ!見よ、この姿を!
我が真の姿であるレジェンドアークに仮面ライダーレイの力を取り込んだ!
これぞレジェンドレイアーク、この姿こそ俺の更なる強化された肉体だ!!」」


RXドガバキF「レジェンドレイアークだと…?」


ライジングイクサ「なんという力だ…
まだ一戦も交わっていないのにこちらが圧倒されそうな勢いを感じる!?」


レジェンドレイアーク「「この姿になったが最後、お前たちはここで死ね…!」」


レジェンドレイアーク「「ウルティマデッドエンド!!」」


RXドガバキF「この技の威力は…!?」


ライジングイクサ「いけない…こんな技を喰らえば…」


((ドゴォォォォォッ!))


「「うわぁぁぁぁぁぁ!?」」


レジェンドレイアークが放った、必殺技ウルティマデッドエンドで辺りは大爆発を起こす!

(ナレーション:政宗一成)



過去、現代と二つの時代で行われている戦い。

仮面ライダーたちは自らの運命に立ち向かおうと奮戦している。

だが、それを阻もうとする者たちにより彼らは苦戦する…

最早これまでなのか…と誰もが思った…だが…!


その時!不思議な事が起こった!!


(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


~採掘場~



ゴルゴムファンガイア凶暴態「「ガァァァァッ!」」



1988年の採掘場では勝利を確信したゴルゴムファンガイア凶暴態が雄叫びを上げていた!

そんな時…!

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅢ世「キャッスルドラァァァァン!!」


キャッスルドラン「ガァァァァッ!」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「!?」


タツロット「フッフッフ!こっちにはまだキャッスルドランがいるんですよ!」


シュードラン「グガァァァッ!」


キバットバットⅢ世「ついでにシューちゃんも来てくれたか!
よっしゃ!キバッていくぜ!ウェイクアップ!!」


キャッスルドラン「「ギャォォォォォォッ!!」」


ゴルゴムファンガイアが放ったエネルギー波の爆炎から出てきたのはキャッスルドランであった!

そしてキャッスルドランはシュードランと合体して強力なエネルギー光弾を放った!!

そのエネルギー光弾には二つの人影が…

(ナレーション:政宗一成)



キバエンペラーF「マシンキバー!」


BLACKドガバキF「バトルホッパー!」


キバットバットⅢ世「行け!ニ大マシンの必殺アタックだぜ!!」


BLACKドガバキF&キバエンペラーF「「マシンスクランブル!!」」


ゴルゴムファンガイア凶暴態「グギャギャァァァ!?」


キャッスルドランの力を得たマシンキバーとバトルホッパーによる必殺アタックが決まる!

この攻撃に大ダメージを受けるゴルゴムファンガイア…

だが攻撃はまだ終わらない!

仮面ライダーたちはバイクから飛び降りて空高くジャンプした!

そしてそれは2009年でも…

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~採掘場~


キャッスルドラン「グゥゥゥッ!」


レジェンドレイアーク「「おのれ…キャッスルドランが身を呈してライダーたちを守ったのか!」」


ライジングイクサ「助かった…だが…」


RX「何故キャッスルドランが俺たちを助けてくれたんだ?」


同じく現代でもキャッスルドランがRXたちのピンチを救っていた!

だがキャッスルドランは本来キバの鎧を持つ者にしか忠誠を示さないはずなのだが…?

(ナレーション:政宗一成)



キバットバットⅡ世「南光太郎、21年前の借りを返しに来たぞ!」


RXドガバキF「キミは…キバットバットⅡ世!そうか、キミが駆けつけてくれたんだな!」


ライジングイクサ「なるほど、彼がキャッスルドランを制御してくれたから我々は助かったのか!」


キバットバットⅡ世「うむ、それに彼女も一緒だ。
さぁ、こんな戦いは早く終わらせるぞ。ウェイクアップ!」


ライジングイクサ「よし、私もパワードイクサを召喚だ!」


((パ・ワ・ー・ド・イ・ク・サ・ー))


駆けつけたキバットバットⅡ世の制御により動かされるキャッスルドラン!

そしてライジングイクサの召喚するパワードイクサと合体!

より強力となった攻撃でレジェンドレイアークを圧倒していった!!

(ナレーション:政宗一成)



レジェンドレイアーク「「グゥゥ…このままでは…!?」」


RXドガバキF「よし、今がチャンスだ!」


ライジングイクサ「息子よ、パワードイクサのアームに飛び乗れ!」


パワードイクサのパワードアーム・ザウルクラッシャーに、

アクロバッターとイクサリオンに乗り込んだライダーたちが飛び移った!

そしてキャッスルドランの力を受けてニ大マシンをパワードアームで投擲した!!

(ナレーション:政宗一成)



((ブォォォォッ!))


レジェンドレイアーク「バイクが突っ込んでくるだと!?」


RXドガバキF「行くぞ!レジェンドレイアーク!!」


ライジングイクサ「ニ大マシンの力を受けてみよ!!」


RXドガバキF&ライジングイクサ「「アクロバットイクサバーン!!」」


レジェンドレイアーク「ぐはぁぁぁぁぁ!?」


この時代でも仮面ライダーのマシンによる必殺タックルを喰らうレジェンドレイアーク…

だがこれで終わりではない。

攻撃が決まったと同時にライダーたちはすぐにマシンから飛び降りて空高くジャンプする!

(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


~採掘場~


キバエンペラーF飛翔態「クェェェェッ!」


BLACK「キバが巨大なコウモリに変化した!?」


キバットバットⅢ世「これがキバの飛翔態だぜ!」


タツロット「行きますよ!ウェイクアップフィーバー!!」


仮面ライダーBLACKを抱えて空中を舞い上がる仮面ライダーキバエンペラーF飛翔態。

そして二人は力を合わせて必殺技を繰り出す!!

(ナレーション:政宗一成)



BLACK「行くぞ、ゴルゴムファンガイア!」


キバエンペラーF「父さん…今楽にしてあげるからね…!」



BLACK&キバエンペラーF「「エンペラームーン!ライダ―――ッ!キ―――ック!!」」



ゴルゴムファンガイア凶暴態「ウギャァァァァァ!?」


仮面ライダーBLACKと仮面ライダーキバエンペラーFの合体技である、

エンペラームーンライダーキックを喰らい爆散するゴルゴムファンガイア。

そして現代でも…

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~採掘場~


RXドガバキF「リボルケイン!」


ライジングイクサ「イクサカリバー!」


RXドガバキF「喰らえ!レジェンドレイアーク!!」


ライジングイクサ「これが私たち太陽の親子の力だ!!」



RXドガバキF&ライジングイクサ「「リボルジャッジメント!!」」



レジェンドレイアーク「「ギャァァァァァァッ!!??」」


この現代においてもRXとライジングイクサの合体技リボルジャッジメントにより、

レジェンドレイアークは爆散。

こうして過去、現代に現れた二つの時代の敵は全て倒された…

(ナレーション:政宗一成)



<1988年1月某日>


~採掘場~


渡「父さん!父さん大丈夫なの!?」


音也「うぅ…いや…ダメっぽいな…どうやら俺はここまでのようだ…」


光太郎「ゴルゴムファンガイアを倒した事で音也さんは人間としての姿を取り戻せた。
だがそれは同時に彼の命が尽きる事を意味しているんだ。」


キバットバットⅢ世「チクショウ!せっかくまた会えたってのによぉ…」


タツロット「待ってください!渡さんの身体も消えかかっていますよ!?」


戦いが終わりゴルゴムファンガイアの姿から元に戻った音也を介抱する渡。

だがそれと同時に渡の身体も消えかかっていた。

これはどういう事なのだろうか?

(ナレーション:政宗一成)



太牙「それはこの世界のお前が生まれたからだ。
同じ人間がひとつの時代に存在する事など本来は許されない事だからな。」


渡「兄さん…!けどどうしたの?やけにやつれているように見えるけど?」


太牙「気にするな、人生で初めての赤ん坊の取り上げをやっただけだからな…」


光太郎「そうか、キミは未来の太牙くんか。あれからこんなに立派になるとは…」


成長した太牙を見つめる光太郎。

そんな息子たちの姿を見て音也は…

(ナレーション:政宗一成)



音也「二人とも、その顔を見るとどうやら吹っ切れたようだな。」


渡「吹っ切れた…?そうだね、父さんの言う通りだ。
僕は深央さんの死を自分の所為だと思っていつまでも引きずっていた。」


太牙「俺も同じだ。
本来ならファンガイアとして育てられるはずが、
運命の悪戯によって人間の手により育てられた事を悩んでいた。」


渡「けど…深央さんは僕が悩み続ける事を望んではいない。
母さんが妊娠した身体で僕を守ってくれた姿を見て思ったよ。
大切なものを守るためならどんな事があろうと守り抜く力がある事を…!
僕も大切なもののために戦う。それを深央さんは望んでいるはずだ!」


太牙「大切なものを守る力か。
俺もさっきこの世界で生まれたばかりの渡を取り上げた際に、
母さんが身を呈して俺を守ってくれた。
その時、ビショップにこれまで以上の怒りを感じて放った力…
あれこそが大切なものを守るための力なんだな。」


光太郎「そうだ、二人とも。
大切なものを守る力とはどんな強大な敵にも立ち向かえる強い心だ!
キミたちはこの世界でその事を学んだんだ!!」


渡と太牙。

二人の兄弟はこの過去の世界での試練に打ち勝った!

だがそれと同時に、

命が尽きかけている音也と同様にこの世界からその存在が消えようとしていた…

(ナレーション:政宗一成)



音也「どうやら今度こそ本当にお別れだな。」


渡「父さん…せっかく会えたのに助けられなくてごめん…」


音也「大丈夫だ、今度はお前の息子になって生まれ変わってやる!
俺は天才紅音也さまだぞ。転生くらいお手のものだ!!」


太牙「紅音也…アンタには思うところがあるが…」


音也「真夜の息子は俺の息子、つまりお前もまた俺の子だ!
お前にはつらい思いをさせたかもしれんが…お前も人生をもっと楽しめ!
悩むだけじゃ何も始まらんぞ?」


光太郎「音也さん、あなたとはあまり話せなかったが…」


音也「妖怪真っ黒音痴。俺が生まれ変わるまでその音痴を直しておけよ!」


光太郎「妖怪真っ黒音痴?誰の事だろうか?」


キバットバットⅢ世「いや、間違いなくアンタの事だから!」


タツロット「さぁ、みなさん。お別れの時間ですよ!」


光太郎「みんな、さようなら。」


そして渡たちはまるで最初からいなかったかのように消え去った。

それに音也の身体もシャンデリアの破片が崩れるかのごとく消滅した。

その場には光太郎ただ一人が残った…

(ナレーション:政宗一成)



ゆり「終わったな…」


真夜「そうね、渡たちは元の時代に帰り音也もあの世へ旅立った。
今度こそ本当に終わったのよ…」


ゆり「それじゃあ…私はもう行くよ…
あぁ…それとアンタの坊や…太牙を預かってあげられなくてすまないな。
いつかあの子にすまなかったと謝っておいてくれ。」


真夜「えぇ、わかっているわ。
私の方こそ無理なお願いをしてごめんなさい。」


ゆりと真夜、二人にも奇妙な女同士の友情が芽生えていた。

そして別れ際、真夜はどうしてもゆりに気になっている事があった。

(ナレーション:政宗一成)



真夜「ねぇ、あなたの娘の恵の父親ってもしかして…」


ゆり「…気づいてたのか…?」


真夜「えぇ、なんとなくだけど…」


ゆり「本当は誰にも言わないで私が墓の下まで持っていく秘密なんだけどな…
でもアンタにだけは教えておくよ。そうさ、恵の父親は音也だよ。」


真夜「やっぱり…」


ゆり「音也と別れた後に妊娠していた事に気づいたんだ。
その頃にはもうあいつは死んでたし…まったく散々だったよ。
今回のアンタ以上に大変な出産だったからな!」


真夜「お互い大変な人を好きになったものね。」


ゆり「そうだな、じゃあな真夜。その子をちゃんと育てろよ。」


こうして麻生ゆりは傷だらけの身体を引きずりながら去った。

余談だが彼女は今回の戦いによる負傷が原因となり…

数年後、幼い恵を残して他界する事になる。

それからゆりと入れ替わりで光太郎が真夜の元へ駆けつけるのだが…

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「真夜さん、これで全部終わったんですね。」


真夜「そうね、未来から来た渡と太牙…それにあなたのおかげで渡が生まれたわ。」


光太郎「これが渡くんか。よかった、元気な男の子だ!
それじゃあ太牙くんを迎えに行ってきますね。
きっとあの子も生まれたばかりの渡くんに早く会いたいはずですから!」


真夜「いいえ、太牙を迎えには行かなくていいわ。」


光太郎「え…?」


生まれたばかりの渡を見て喜ぶ光太郎。

光太郎はさっそく太牙を迎えに行こうとする。

だが真夜は…

(ナレーション:政宗一成)



キャッスルドラン「ガァァァァッ!」


光太郎「うわっ!キャッスルドランが動き出した!?」


真夜「南光太郎、今まで色々とありがとう。けどこれでお別れよ。」


光太郎「何故だ真夜さん!太牙くんを迎えに行かないんですか!?」


真夜「そうよ、太牙とはもう会えない。ファンガイアは滅びたわけではないわ。
ファンガイアは今もどこかで人間社会に潜んでいる。
それにビショップもまだ生きていて私の命を諦めてはいない…
私は子供たちを守らなければならない。
そのためには私たち親子はこのまま離れていた方が安全なのよ。」


光太郎「そんな…あなたたち親子を襲うファンガイアなんて僕が倒せば!」


真夜「無理よ、あなたもゴルゴムとの戦いがあるわ。
今のあなたにゴルゴムだけじゃなくファンガイアまで相手にする余裕はないはずよ…」


真夜の言う通りであった。

事実、ゴルゴムはこれより数ヵ月後に世紀王シャドームーンを蘇らせる事に成功。

宿敵シャドームーンの復活によりゴルゴムとの戦いはますます激しさを増す事になり、

そんな状況下でファンガイアを相手に戦うのは不可能であった…

(ナレーション:政宗一成)



真夜「でも…最後にお願いがあるの…」


光太郎「お願い…一体何ですか…?」


真夜「将来…渡と太牙は自分の出生について悩む時がきっと来るわ。
その時、あなたにあの子たちをこの時代に導いてほしいの。お願いできるかしら…?」


光太郎「あぁ、任せてください。
それが今回この件に関わった僕の義務なら21年後、
必ず渡くんと太牙くんの二人を探し出してこの時代に導いてみせます!」


真夜「ありがとう…南光太郎…仮面ライダーBLACK…」


こうして真夜はキャッスルドランに乗り込み何処かへと去って行った。

それから数年後、

成長した渡は真夜によって、キバットバットⅢ世と共に紅家に預けられた。

全ては彼が戦士として成長して、やがてキバとして襲い来るファンガイアを倒すために!

それから21年の歳月が流れた…

(ナレーション:政宗一成)



<2009年1月某日>


~キャッスルドラン(城内)~


渡「元の時代に帰ってこれたんだね?」


太牙「どうやらそのようだな。」


光太郎「二人ともお帰り!」


名護「よくぞ戻ってきた、私はキミたちが帰ってくると最初から信じていたよ。」


キバットバットⅡ世「ところでお前たちに会わせたい者がいる。」


光太郎「さぁ、出てきてください。」


時の試練を終えて現在に戻ってきた渡と太牙。

そんな二人の前に光太郎は奥の部屋から一人の女性を連れてきた。

黒い服に右目に眼帯をした青白い肌をしたみずぼらしいが美しい女性。

その女性は…

(ナレーション:政宗一成)



真夜「二人とも、よく帰ってきたわね。」


渡「母さん!」


光太郎「キバットバットⅡ世が彼女をこの場所に連れてきてくれたんだよ!」


キバットバットⅡ世「ここまで真夜を連れてくるのは中々大変だったが。ありがたく思え!」


太牙「母さん…そうか…光太郎さん…アンタは…」


光太郎「あぁ、21年前に幼いキミと約束したからね。
俺がキミたち親子を必ず会わせてみせると、だがこんなに遅くなってしまってすまない…」


そう、光太郎は21年前に幼い太牙と交わした約束。

自分が必ず太牙に弟の渡と母である真夜に再会させてみせると…

その約束が21年後の今日、こうして叶えられたのだ!

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「キミたち二人は過去の世界で大切なものを守る強い心を得た。
もう兄弟で争う必要は…」


太牙「いや、そういうわけにはいかない!」


真夜「太牙…?」


太牙「確かに深央が死んだのはビショップの陰謀であったからだ。
しかし…それでも俺はまだ渡を許す気にはなれない!それだけは男として譲れないんだ!」


渡「兄さん…」


愛する深央の死に未だに納得ができない太牙。

そんな太牙に渡は…

(ナレーション:政宗一成)



渡「兄さん、深央さんが最後に庇ったのは兄さんだ。彼女もまた兄さんの事を…」


太牙「わかっている…だが今となっては彼女の真意を知る事は叶わない…」


真夜「太牙、あなたにとって深央さんが大切な存在である事は痛いほどわかるわ。
けどその所為であなたたち兄弟が争うのなら…
もう私はあなたたちを止める気はないわ。それはあなたたちの問題だから。」


太牙「母さん…」


真夜「けどこれだけは言わせてほしいの。
今回、あなたがいなければ渡はこの世に生まれてこなかった。
それどころか私だって生きてはいられなかったわ…
太牙、あなたは本当に心の優しい子よ。どうかその優しさを失わないで…!」


光太郎「俺からも言わせてくれ。
当時…俺にもっと力があればキミたち親子をファンガイアたちから守れたはずなのに…
太牙くん、キミにはつらい思いをさせてしまってすまなかったな。」


渡「兄さんが僕を取り上げてくれなかったら僕は生まれなかった…
今、僕がここにいられるのは兄さんのおかげなんだ!だから兄さん…!」


太牙「よせ…今更生き方を変えるなんて…もう無理なんだ…」


そう言い残して太牙はキャッスルドランから立ち去った。

だが別れ際、渡は太牙の横顔に微かに涙が溢れていたのを見逃さなかった…

(ナレーション:政宗一成)



真夜「太牙は行ってしまったわ…
けど私にはわかる。あの子は嶋さんを殺してなんかいないわ。」


光太郎「そうだ、太牙くんも今はまだ迷っているだけなんだ。
俺と信彦と違っていつか渡くんとわかり合える日がくるのかもしれない。」


名護「だが今の彼に人間とファンガイアの架け橋になるのは酷な話だ。」


真夜「そうね、それに今の太牙はビショップたちからその命を狙われているわ。
やはり人間とファンガイアが共存するのは無理なのかしら…」


かつて嶋が理想を掲げた人間とファンガイアの共存。

だがその役目を担うはずであった太牙は去ってしまった…

所詮は単なる理想…夢物語なのであろうか?

(ナレーション:政宗一成)



渡「そんな事はないよ母さん。」


真夜「渡…?」


渡「僕が…兄さんに代わって人間とファンガイアの架け橋になる!
そうする事が父さんや母さん…
それに深央さんに起こった悲劇を繰り返さないためになるんだ!!」


光太郎「そうか、渡くんは人間とファンガイアのハーフだ。
かつて嶋さんがこう言っていた。
『人間とファンガイアの戦いに終止符を打てるのは両者を理解できる者でないといけない』と。
それは渡くんの事だったんだな!」


名護「なるほど、さすがは私の弟子だ。
つまりこれまで渡くんを鍛えてきた師匠であるこの私が偉大だという事だな!!」


新たな決意を固める渡。

その瞳には最早、何の迷いもなかった。

そして光太郎は最後に渡にこう告げた。

(ナレーション:政宗一成)



光太郎「渡くん、これからキミの歩むのは茨の道だ。
もしかしたら理解してくれる者はほんのひと握りの者たちしかいないのかもしれない…
だが決して挫けたりしないでくれ!
キミが諦めない限り、その理想は必ず果たせるはずだ!!」


渡「はい、過去の世界で光太郎さんとの音楽を演奏した時に感じました。
あの音楽みたく人とファンガイアは歩み寄る事ができると確信しました。
そしてやっとわかりました。父さんが言っていた言葉の意味が…
全てはひとつなんだ…僕が奏でる音楽でみんなの想いがひとつになる事…
それこそが父さんがブラッディーローズに込めた想いなんだ!」


真夜「そうね、音也はそういう人だったわ…」


こうして光太郎が導いた渡と太牙の二人の兄弟の試練は終わった。

試練を乗り越えた二人が何を成すのかはまだわからない。

だが光太郎は確信していた。

時の試練を乗り越えたこの親子が幸せの未来を掴む事を…

(ナレーション:政宗一成)

~終~



【エピローグ】


~キャッスルドラン(マスターハウス)~


キバットバットⅢ世「なぁ…渡…?本当にこれでいいのか?」


タツロット「そうですよ、他にも方法はあるはずですよ!」


渡「いいんだ、もう決めた事だから。」


ここはキャッスルドランの内部にある天守閣のマスターハウス。

通称、『王の間』と呼ばれるこの部屋にはファンガイアのキングのみが座る事を許された玉座がある。

今この部屋に次狼、ラモン、力の三人が渡を待ち続けていた。

それから渡がこの王の間へとやってくる。

渡はかつてファンガイアのキングの衣服を身につけて王の玉座に座った。

そして宣言する!

(ナレーション:政宗一成)



渡「ここに宣言する!今から僕が新しいキングだ!!」


ラモン「お兄ちゃんが…?」


力「キング…!」


次狼「一体どういうつもりだ渡…?」


渡(これでいい。
全ては兄さんを救うため、そして人間とファンガイアが共に生きていくために…
僕がキングと名乗り兄さんをビショップたちから守るんだ!)


こうして誰にも真意を悟られる事なくファンガイアの王を宣言する渡。

全ては兄である太牙を守るため、

そして自らが人間とファンガイアの架け橋となるためであった…

そして同じ頃…!

(ナレーション:政宗一成)



~協会~


ビショップ「おのれ…糸矢め…ヤツの所為で散々な目に合わされた…
だがそれ以上の収穫は得られた。
レジェンドルガの王であるアークのライフエナジー。
これがあれば我らが真の王が復活するための良い糧となるであろう。
だが…まだだ…まだ足りない!」


ビショップ「蘇りし我が同胞たちよ!
真のキング復活のため、更なるライフエナジーを集めるのだ!!」


ライオンファンガイア「ガァァァッ!」


そしてビショップのアジトである協会では…

ビショップはかつてチェックメイトフォーの一人であったルークこと、

ライオンファンガイアを先頭に蘇った再生ファンガイア軍団が真のキング復活のために、

人間たちのライフエナジー狩りを命じていた。

(ナレーション:政宗一成)



~湖~



バットファンガイア「「ウゥゥゥッ!」」



そしてここは湖。

かつて1986年に紅渡、音也の父子がファンガイアのキングと戦った場所だ。

その地にて倒されたはずのバットファンガイアが復活を待ち望み雄叫びを上げていた!

(ナレーション:政宗一成)



こうして仮面ライダーキバの物語は終盤へ向けて一気に加速する。

兄である太牙を守るためにファンガイアのキングを名乗る渡。

実の弟である渡を倒そうとする太牙。

それに真のキング復活のために暗躍するビショップ。

そして長い眠りから目覚めつつあるバットファンガイア。

それぞれの思惑を秘めた人間とファンガイアの戦い…

この結末は仮面ライダーキバ48話へと続く!

(ナレーション:政宗一成)


南光太郎vs仮面ライダーキバ 【完】

これでこのssは終わりです。

キバの要素を余す事なく使ったはずです。
真夜の右目の傷は渡が紅家に預けた時にはまだなかったはずだろとか
恵の父親は再婚相手の呉服屋だろとかツッコまれるかと思いますが…
まあssでという事で納得していただければ幸いです。

ちなみに今回無駄にギャグ要素が多かったのですがこれは何故かというと…
ギャグやら特撮要素を排除してこのssを読むと、
浮気した妻へ復讐するために元夫が部下に命じて復讐するとかドロドロした話になるからです…
そんな昼ドラみたいなss書けねーよと!
なのでそんなイメージを誤魔化すために今までのシリーズよりもギャグ満載に…
そのために名護さんが見事なまでにギャグキャラになってくれました!
やはり名護さんは最高です!!

そういえば今更ですがカフェ・マル・ダムールのマスターを出せなかったのが心残りかなと…

次回作やるとすればディケイド…はRX出てきたので…
南光太郎vs仮面ライダーWをやりないなと
それではまた書き溜めたら始めたいと思います
その時はまたよろしく

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