【コンマ】キリランシェロ「なにそれ」アザリー「見てわかんない?スイッチ」 (103)

今日も休講となっているチャイルドマン教室で、ただ一人己の席に座り、
難しい顔で手の中にあるそれを弄んでいるアザリーを見かけたキリランシェロは、
思わずきいてしまった。

キリ「いや、それは見たら分かるけど。なんか意味があるもんなの、それ」

スイッチだけで独立しているそれは、おおよそ意味がないものに見て取れた。
だが、次のアザリーの言葉で、状況は一変した。

アザリー「天人の遺産よ」

キリ「え゙」

しまった、とキリランシェロは思った。
アザリーと未知の天人の遺産、最悪の組み合わせだ。そして、今までの様子からして
アザリーはそのスイッチの機能を完全に把握しているわけではなさそうだ。

つまり、どんな厄災がこれから起きるか、想像がつかない。アザリー当人にすら。

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とりあえず穏便にこの場を済ませよう。
そのためには、なるべく刺激しないように話を変えなければ。

キリ「へ、へぇ、そうなんだ。あ、そういえばこの間ハーティアがまた振られてさ」

アザリー「機能がよくわからないのよね。さっきからこのスイッチを連打してみてるんだけど、魔術文字は展開されても、何も起きないし」

キリ「連打したんだ……」

よくそんな恐ろしい真似ができるものだ。だが、何も起きていないということは、案外無害な道具なのだろうか。

アザリー「これを発掘したって発掘隊も、まずスイッチ押してみたらしいんだけど」

キリ「大丈夫かな、その隊……そんな迂闊なことで」

アザリー「特に何もなかったらしいし」

キリ「へぇ。じゃあ壊れてるんじゃない」

アザリー「あ、でも、発掘から帰還したら、長年いがみ合ってた隊長と副隊長が夕日をバックに肩を抱き合って語り合うようになってた、とか」

キリ「……」

アザリー「仲のいいおしどり夫婦だった隊員が、どろどろの離婚劇を繰り広げてるらしいって話があるのよね」

キリ「それって、その遺産のせいなの……?」

アザリー「それを確かめたくて連打してみたんだけど。ねえ、この教室に来るまでに」

アザリー「急にいがみ合いを初めて殴り合いに発展してるカップルとか見なかった?」

キリ「いや、見てないけど……」

なんにしろ、やはりもうそのスイッチを押させるのは止めたほうがいいだろう。
そう思ってキリランシェロは口を開きかけた時ーー

キリ「実験ならさ、やっぱり先生がいる時ーー」

教室の扉ががらっと開いて、何者かが入室してきた。

下2
チャイルドマン以外プレキャラのみ

人いないね
ここで人気がある作品でもないし
下1で

入ってきたのは。

コルゴン「お前たちだけか」

キリ「コルゴン」

同じチャイルドマン教室に所属しているコルゴンだった。
普段、放浪癖のある彼は、あまり塔にすらいないことが多いのだが、
珍しく今日はいたらしい。

キリ「うん。一人?」

コルゴン「ああ。コミクロンは気づいたらいなかった。まああいつはそういうことが多いからな」

それはコルゴンのほうが多いのではないか。
そう思ったが、キリランシェロはあえて指摘しなかった。

コルゴン「逆にいると思えば、よくわからん実験ばかりしている。奴には協調性というものがないのだろう」

キリ「……」

アザリー「コルゴン、ちょっといいかしら」

コルゴン「なんだ」

アザリーが、コルゴンを呼んだ。
珍しい、とキリランシェロは思った。
アザリーは、コルゴンとは積極的に関わるタイプではなかったからだ。

それなのに、アザリーが、コルゴンを呼んだ。

気になって、アザリーの顔を見るとーーどう見てもなにかを企んでいる顔だった。

キリ「来ちゃダメだ!コルゴンーー」

キリランシェロの忠告によって、コルゴンが足を止めるよりも早く。
アザリーがスイッチを押すのが見えた。
同時に、スイッチの下の方に圧縮されたように描かれていた魔術文字が、サークルとして展開される。

コルゴンの全身に、緊張が走るのは分かったが、間に合うわけもなく。
キリランシェロとコルゴンの体を通過した魔術文字の円の中に、二人は捕らわれた。


コルゴン→キリランシェロ

直下のコンマ以下

ちなゾロ目を出すと特定の行動をします

11→出た瞬間無視開始
22→出た瞬間決闘を申し込んでくる
33→ry)悪口を言い出す
44→ry)物理的に離れていく
55→ry)とりあえずついてくる
66→ry)積極的に一緒に行動したがる
77→ry)手を繋ぎたがる
88→ry)抱きついてくる
99→ry)求愛してくる
00→ry)キスしようとする

コルゴン「……なんだ」

キリ「……あれ?」

展開された魔術文字は、光を発したあと、一瞬でスイッチへと戻っていった。
だが、何も起きた様子はない。

コルゴン「なんでもないな。魔術文字が展開されるのは見えたが」

アザリー「なんで何も起きないのよ」

キリ「知らないよ、そんなの……でも止めてよ。ほんとに何かあったらどうすんのさ」

アザリー「そんときはそんときでしょ」

キリ「この人は……コルゴンも、大丈夫?」

コルゴン「問題ない。お前がやたらと深刻そうに叫ぶから、つい身構えたが、な」

コルゴン「まったく、いい迷惑だ」

キリ「あ、うん。ごめん」

なにやら普段よりも刺々しく、じろりとコルゴンに睨み付けられたため、つい謝ってしまった。
けど、これは果たして自分が悪いのか。現況は隣にいるアザリーなのに。

コルゴン「もういいか、アザリー。なら俺は行く」


行かせるorもう一度スイッチを押す

下1

問われたアザリーは、それに答えるでもなくふと右腕をあげた。
その手の中にスイッチがある。

キリ「ちょ」

アザリー「もう一回付き合ってもらうわ!」

言葉通り、アザリーは容赦なくスイッチを押した。
再び魔術文字が展開され、

下1
誰から誰にも書いてください
(例、コルゴン→アザリー

また下1のコンマで判定

コルゴン→アザリー 15

また何も起きずに魔術文字は消えていった。

アザリー「また何もなし、か。うーん、ほんとなんなのかしら、これ」

キリ「もうほんといい加減にしようよ……」

コルゴン「……」

アザリー「でもさー。気にならない?意味ありげに魔術文字は展開されてるし」

キリ「だから、何かあってからじゃ遅いんだって」

コルゴン「……」

アザリー「ねえ、コルゴン、あんたも何か気づいたこととか」

コルゴン「知るか」

吐き捨てるようにそう言うと、コルゴンはさっさと去っていった。
心なしか、不機嫌に見える様子で。

アザリー「……なにあれ」

キリ「なんか、すごく機嫌が悪そうだったけど……」

アザリー「んー、でもいつもあんなもんじゃない?コルゴンって」

キリ「コルゴンは愛想は悪いけど、あんな風に機嫌が悪いとこなんて、あんまり見たことないけど……」

放浪癖と、陰気な顔と、口が良くないため誤解されがちだが、彼は別段怒りっぽいわけでもないのだが。
今のは、最近ではかつてないくらい苛立っていたように見えた。

キリ「アザリーがわけわかんない実験に何度も付き合わせたからじゃないの」

アザリー「その程度で怒るなんて、心が狭いわねー」

キリ「……」

そんな感じでアザリーと適当に駄弁っていると、また人がやってきた。

下1チャイルドマン以外プレキャラ

レティシャ「ねえ、さっきそこでコルゴンとすれ違ったんだけど」

キリ「ティッシ」

レティシャ「なんか怒ってたように見えたわよ。あなたたち、なんかしたの?」

次に来たのはレティシャだった。
アザリーと同じく、チャイルドマン教室の年長組の一人であり、アザリーとは姉妹の関係になる。
キリランシェロにとっても、姉のような存在だ。

アザリー「さあ。いきなり出てっただけ」

キリ「……」

レティシャ「ほんとにぃ?キリランシェロ、ほんとなの?」

キリ「まあ、大したことはしてないけど……でも、いつもより変だったよ、コルゴン」

レティシャ「コルゴンはいつも変じゃない」

アザリー「ほんとよね。それにいつもいないし。変人と同じクラスだと、わたしらまで同じように見られんのよ」

変人、というか問題児としてなら、この二人はコルゴン以上に他の生徒たちに恐れられているが、
それを面と向かって言う勇気はキリランシェロにはなかった。

レティシャ「それで、あなたたちは何をしていたの」

アザリー「別に。ちょっとしゃべってただけ、だけよ。雑談って言うの?」

キリ「?」

アザリーの態度に、キリランシェロは疑問符が浮かんだ。
アザリーならば、嬉々としてスイッチを見せびらかしそうなものなのに。

アザリー「にやっ」

そのキリランシェロの視線に気づいたのか。アザリーはキリランシェロにだけ向けて笑うと、
レティシャには見えないように、またスイッチを押した。


下1
誰から誰にを書いてください
コンマ判定

一応好感度を変えていくつもりだったのだが
コルゴンだと分かりづらすぎた

アザリー→レティシャ 35


レティシャ「……何、今の」

キリ「はぁ、また何もなしか」

アザリー「ほんと、使えないわねー」

いい加減苛立っているのか、アザリーがぶつくさ文句を言い出した。
それでアザリーに聞いても無駄と判断したか、レティシャはキリランシェロに矛先を向けた。

レティシャ「ねえ、どういうことよ。キリランシェロ」

キリ「アザリーが持ってるスイッチが、天人の遺産らしいんだけど……」

レティシャ「それをわたしで試したってわけ?」

アザリー「ええ。ほら、ティッシって無駄に体が丈夫だし。ちょうどいいでしょ」

レティシャ「は?」

アザリー「ちょっとやそっと魔術食らっても、ゾンビみたいに倒れないって言ってんの」

レティシャ「……」

キリ「ちょ、ちょっと待って!なんでいきなり喧嘩越しなのさ!」

キリランシェロは止めようとしたが、既に空気がやばかった。
この様子だと、月に一度レベルの姉妹喧嘩に発展しそうに見える。

レティシャ
「この際体が丈夫だとかは置いておくとしても、相手に断りもなく危険な目に合う可能性をぶちこむほうがおかしいと思うけど」

アザリー「危険な目って言ってもティッシでしょ?中身ゴリラなんだから余裕じゃない」

レティシャ「あんたは!」

キリ(なんだ、なんだこれ!?確かにアザリーのしたことは問題としても、アザリー自身が普段よりも好戦的というか)

アザリーも大概好戦的だが、それにしても今のレティシャへの対応は
無駄に煽っているようにしか見えない。

キリ(アザリーが言ってた、発掘隊のことって、やっぱりあの遺産のせいなんじゃ……)

キリ(いきなり仲良くなったり、喧嘩したり。コルゴンもそれで説明がつくし、今のアザリーもそうだ)

キリ(つまり、これが遺産の効果だとして、これを止めるにはどうすれば)

キリ(もう一度あのスイッチを押すか?仲が良くなる場合もあるみたいだし)

キリ(いや、もっと悪くならないという保証はない)

キリ(先生に知らせるべきだけど、こんな肝心な時にあの人はいないんだから!)

アザリー「はぁーあ、どうせなら、相手をぐろげちょの汁まみれにする効果でもあったら笑えたのに」

レティシャ「やってみなさいよ、その場であんたの口の中にそのぐろげちょを押し込んでやる!」

アザリー「できるもんならしてみなさいよ!」

キリランシェロが悩んでいる間にも、喧嘩のボルテージはどんどん高まっていた。
もはや、自分に止められるものではなさそうだ。

キリ(こうなったら、速やかに避難するしかない……巻き込まれないように)

アザリー「ほんと、こんな大袈裟に魔術文字展開させる癖にさ」

キリランシェロがこっそりと、教室の扉に向かおうとした間に、口論の矛先はスイッチに戻ったようだ。
キリランシェロがちらりと見ると、アザリーがそう吐き捨てて、スイッチに再び指をかけるのが見えた。

キリ(ああもう!)

無情にも、アザリーはその指でスイッチを押し込めた。


下1
誰から誰に

レティシャ→キリランシェロ 36


スイッチが押されたことに気を取られ、キリランシェロは足を止めた。
今度はいったい何が起こるのか。いや、誰の感情が変化したのか。
その変化を、キリランシェはすぐに身を持って体感した。

レティシャ「ちょっと、どこに行くつもり。キリランシェロ」

キリ「え、いや、ちょっと……ほら」

レティシャ「あなたもちょっとアザリーの横に並びなさい。止められなかったキリランシェロも同罪よ」

キリ「ま、待ってよ!僕に面白がってるアザリーを止めるなんて無理だって!」

アザリー「そうよ。キリランシェロは見てただけでしょ。キリランシェロ、ティッシの言うことなんて聞かなくていいから」

キリ(く、できればこの場からまずなんとしてでも逃げたい、けど)

レティシャ「わたしの言うことが聞けないの!?」

キリ(ティッシだ……今度変化したのはティッシに違いない……しかも相手は僕だ)

アザリー「キリランシェロ、いいから」

レティシャ「キリランシェロ」

キリ(やばい、ただ叫ぶだけじゃなくなってきた……)

嵐の前の静けさか。次は拳や、下手をしたら光熱波が飛んでこないとも限らない。
そこへ、

「え」

いきなり開いた扉の前で固まる人物に、三人の視線が一斉に集まり、その赤毛の少年がきょとんとするのが見えた。
そして、次の瞬間には状況を察したのだろう。無言で扉を閉めようとしたが、

「なんで僕まで……」

ハーティアはあっさり捕まった。

アザリー「逃げるからでしょ」

レティシャ「逃げるってことはなんかやましいことがあるってことよ」

レティシャ「キリランシェロ、あなたもね」

キリ「いや、僕は」

アザリー「何があったか知らないけど、さっきのキリランシェロに対してはただの八つ当たりでしょ」

アザリー「なにやたら当たってんの?あの日?」

レティシャ「はあ?」

ハーティア「あの顔二つで睨まれたら、ドラゴンだって逃げ出すよ」ボソッ

ハーティアが呟いた言葉は、再び口論を始めた二人には聞こえなかたらしい。
その調子で、ハーティアはキリランシェロに問うてきた。

ハーティア「いったい、どういうことだよ。いや、まあ、あの二人がやばい寸前ってのは分かる」

キリ「それがさ……」

ハーティア「天人の遺産?」

キリ「うん。あのアザリーが持ってるやつ」

キリ「それで効果はたぶん、相手のことを好きとか嫌いとかを精神支配してるんだと思う」

ハーティア「それって、やばいんじゃないか。もし戻せなかったら、あの二人が顔を合わすたびにこうなるってことだろ」

キリ「一応、今変化してるのはアザリーのティッシに対しての感情と」

キリ「ティッシの僕に対しての感情。あとコルゴンもだけど」

ハーティア「コルゴンはしょっちゅういないし、今は置いとくとして」

ハーティア「あの二人はまずいな。なあ、もう一度押したら戻ったりしないのか」

キリ「わからない。そもそもアザリー自身、あの遺産の効果はよく分かってなかったみたいだし」

ハーティア「こんな時に先生がいればな……」

キリ「とりあえず、先生が戻ってくるまで、もう犠牲者が出ないように」

キリ「あの遺産をアザリーが触らないようにしておきたいんだけど」

ハーティア「よし、任せろ」

ハーティア「な、なあ、アザリー」

アザリー「なによ」

レティシャ「……」

二人の視線が、話しかけたハーティアへと注がれる。
確かに、これで逃げたくならない人間など、あまりいないだろう。

ハーティア「その遺産、効果ないんだろ」

アザリー「……」

ハーティア「ならさ、少し見てみたいんだけど。ほら、僕も天人の遺産ってのには興味が」

アザリー「ふーん」

キリ(バカ……)

バレバレすぎる。こんなあからさまに言えば、アザリーだって何か意図があると気づいただろう。

アザリー「この遺産の効果、ね。恐らく、個人から個人への、好感度を精神支配によって変化させる」

アザリー「ってところかしら」

キリ「気づいてたの!?」

アザリー「当たり前でしょ」

アザリー「でも、なかなか面白いわよね。好感度を変化させる。今のところマイナス方面にしか変化していないけど」

アザリー「規則性はないのかしら」

キリ「待って。アザリー自身の感情も変化してるって気づいてる?その遺産、絶対やばいって」

アザリー「そうね。でも、これを完全にコントロールできたら、すごいと思わない?」

レティシャ「アザリー!いい加減に」

アザリー「さあ、次はどう変化するか」


そう言って、アザリーはスイッチをまた押した。


下1
誰から誰に

キリランシェロ→アザリー 69


キリ「えっと」

次は誰が変化したのかと、キョロキョロと見回してみたが、先ほどまでのように
突然誰かが誰かに対して不快感を露にする様子はない。

キリ「……不発?」

アザリー「うーん、試しにキリランシェロからわたしに対してって念じてみたのに、上手くいかなかったのかしら」

キリ「僕から……」

ぞっとした。精神支配に対する訓練を受けているキリランシェロとはいえ、
天人の魔術文字レベルとなると、どうしようもないのは明白だ。

キリ「アザリー、いい加減にしてよ。そろそろ怒るよ」

アザリー「いいじゃない。それに、これをコントロールできるようになったら」

アザリー「今までの支配を解くこともできるかもしれないでしょ」

レティシャ「どう見たって遊んでるじゃない、あんた」

アザリー「そこはそれよ。あ、ちょっと近寄らないで」

アザリー「今ティッシに近づくと、自分でもどうしようもない感じでいらっと来るから」

レティシャ「ああそう、じゃあ好きにしたら」

もう付き合ってらんないとばかりに、レティシャが教室から出ようとしたが、

アザリー「好きにするわよ」

アザリーが言葉通り、好き勝手にスイッチを押した。


下1
誰から誰に

ハーティア→アザリー 27


ハーティア「うおおおお、最早我慢できん!この暴虐魔女が!」

スイッチの魔術文字が消失すると同時に、ハーティアが突如雄叫びとともに立ち上がった。
今度の犠牲者は明白すぎるほど明白だ。ハーティアである。

ハーティア「あんたなあ!いい加減自分がどれだけ迷惑かけてる存在なのかひでぶっ」

今までで一番激しい反応だったが、アザリーの拳でその闘志はあっという間に鎮火された。
腹を痛打され、ハーティアがくずおれた。
レティシャは、その様子に頭痛がするように頭に手をやると、はぁというため息だけを残して去っていった。

アザリー「さあて、次はどうしようかしら」

キリ「まだ続けるの……」

アザリー「当たり前でしょ」

キリ「今までだけでも、うちの教室は大分めちゃくちゃになったと思うけど……」

アザリー「そうねえ、そういえばまだうちの教室だけしか試してないわね」

キリ「……まさか他の教室にまで迷惑かける気?」

アザリー「じゃあ、残ってるうちのメンバーにする?」

キリ「どっちもやめたほうが……」

アザリー「とりあえず、そろそろ教室から移動しましょ」



誰に会いに行くか
下1

ジニア教室 キャロル・スターシア


ハーティア「は、ここは」

キリ「お、起きた」

ハーティア「……なんで僕は引きずられているんだ。気絶していたなら、なぜそのまま寝かせておいてくれなかった!」

キリ「アザリーの暴走に僕一人で立ち向かえなんて、無茶言うなよ」

ハーティア「で、ここは?」

再び問うハーティアに、視線で促す。ここは廊下の、ある教室の前だった。
アザリーが既に覗いている横から、その教室の中を見せてやる。

ハーティア「あ、あれは!キャロル!?なぜここにした!」

アザリー「うっさいわね。たまたま目についたからに決まってんでしょ!」

ハーティア「ほんとマジもんの悪魔かよあんたわば」

アザリー「だから黙ってろっての。気づかれたらどうすんのよ」

アザリーの一撃に、ハーティアが再度意識を手放した。
まあ、とりあえず死んではないだろうから放置する。
今度はキリランシェロがアザリーの隣からジニア教室の様子を伺った。
キャロルは、同じジニア教室の人間と喋っていた。

キリ「で、実際なんで彼女なわけ」

アザリー「目についたからってのもあるけど」

アザリー「こいつって、あの子とは破局したのよね」

キリ「うん。二週間でね」

アザリー「これを使ったら、もう一度愛が復活するんじゃないかしら。ああ、なんて優しいお姉さんなの、わたし」

アザリー「わたし、あの子ならハーティアとまた上手く行くと思うのよ。前は些細な勘違いからふられちゃったようだけど!」

キリ「あっそ……」

明らかに、楽しんでいる。むしろ自分の楽しみにしか目がないのだ、この人は。

アザリー「じゃ、ちょっとあの子だけ呼び出してくれる?」

キリ「はいはい……」

ここまで来たら、もうアザリーは止まらないだろう。
となれば、先生が帰ってくるまで、自分がアザリーについて最悪の事態だけは回避するように動くしかない。
とりあえず方針としては、アザリーをレティシャなどに近づけないことだ。

キリ「ごめん、あーちょっといいかな」

キャロル「あら。えっと、あなたは」

キリ「久しぶり、キャロル。その、ちょっと廊下まで来てくれないかな」

キャロル「……彼もいるの」

キリ「え、ああ。まあ」

ハーティアのことだろう。キリランシェロの顔を見てすぐ、キャロルは顔をしかめた。

キャロル「悪いけど、今さら何を言われたって」

キリ「いや、来てくれるだけでいいんだ。ハーティアは気絶してるから」

キャロル「え、気絶?」

キャロル「ハーティア!」

ハーティアが気絶したということを聞いて、彼女はすぐに廊下へと出てくれた。
そして倒れたハーティアに心配そうに駆け寄る。
その姿に、キリランシェロはひょっとしてひょっとするんじゃ……と思った。

アザリー「役者は揃ったわね」

まあ、これがなかったらの話だったが、とキリランシェロは付け足した。

キャロル「ハーティア……」

アザリー「じゃ、スイッチぽちっ」


下1
キャロルから誰かを書いてください

キャロル→ハーティア 01


がんっ。
廊下にゴミのように放置されたハーティアの、頭を膝枕しようとしていたキャロルが、突然立ち上がった。
おかげで一度持ち上げられたハーティアの頭は思いっきり床に叩きつけられた。

キャロル「……」

さっきまで心配そうにしていたキャロルの顔は、今やそれこそゴミくずを見ているかのようだった。

キャロル「屑が……」

キリ「えっと」

キャロル「もう、二度と、金輪際、そのゴミをわたしの前にさらさないでください」

とりつくしまもなく、それだけ言い捨てたキャロルは、自らの教室へと帰っていった。

アザリー「えーっと」

ハーティア「……はっ!うおおお、なんかやたらめったら後頭部がいたいいいいい」

アザリー「失敗、かしら?」

キリ「どう見ても失敗だよ……」


次は誰に会いに行く
下1

マリア教室 イールギット


アザリーの気の赴くままぶらぶらと塔の中を巡る最中、彼女と会ったのは、とある廊下だった。
アザリーと彼女。お互いがお互いを認識した途端、まず彼女に緊張が走るのが見てとれた。
具体的には、あからさまな戦闘体勢だ。
一方、アザリーはなんの警戒もしていない。顔に、めんどくさそうな表情を浮かべただけで。

「アザリー……」

忌々しげに、その彼女ーーイールギットが呟いた。

アザリー「なによ」

イールギット「あんた、キリランシェロ君を連れ回してなにしてんのよ」

アザリー「別に、あんたには関係ないでしょ。イールギット」

アザリー「それに同じ教室の生徒が廊下にいて、何が悪いっての」

イールギット「無理矢理連れ回してるんじゃないのかってことよ。ガキ大将のあんたが」

アザリー「んなわけないでしょ」

キリ(いや、ほとんど無理矢理なんだけど……)

そうは思ったが、口には出さなかった。
ハーティアなんかは、高速で頷きまくっているが。
そのハーティアの脳天にアザリー拳を落として再び昏倒させた。

アザリー「あ、ちょうどいいわ。次の実験台はあんた」

イールギット「は?実験?」

いぶかしむイールギットに答えることもなく、アザリーはスイッチを掲げて押した。


イールギットから誰か
下1

今パーティにいるキリランシェロ、ハーティア、アザリーから
選んでほしかった

コミクロンならいきなり登場させてもいいけど

よし、じゃあ再安価しよう

下1

イールギット→ハーティア 96


アザリーがスイッチを押し終え、効果が現れるであろう瞬間ーー

イールギット「あざりぃぃぃいいいいい」

イールギットの絶叫とともに、アザリーの真横を彼女の魔術が駆け抜けた!
ちょっとやそっとの魔術で傷がつかないようにできている塔の廊下は、少し煤けただけだったが。

アザリー「ふうん、なるほど。あんたはわたしに対してマイナスの効果が出たってわけね」

アザリー「ま、普段とそんな変わんないけど」

普段からそんなな方が問題あるだろうが、まあ確かに平常通りと言えば平常通りだ。

イールギット「あんたねえ……」

イールギットは今、完全に頭に血が昇っているようだ。アザリーの言葉に耳を貸す余裕もない。
またその目に宿る憎悪は黒く燃え、絞り出すように怨嗟を口にした。

イールギット「ハーティア君になにすんのよ!!」

アザリー「……は?」

予想外の言葉に呆けるアザリー。それを隙と取ったか、イールギットはアザリーへと突っ込んだ。
いったん脱力した体で、組み合うのは不利だと判断したらしく、アザリーがその場から飛び退くが、
イールギットは追撃をしようとはしなかった。
そのまま、倒れていたハーティアを抱き上げた。

イールギット「大丈夫!?ハーティア君!」

ハーティア「ん、んん?」

イールギット「気がついた!?」

ハーティア「え?えっと、イールギット……さん?」

イールギット「良かった……」

意識を取り戻したハーティアの顔の上で、はらはらと泣くイールギット。
それを、キリランシェロもアザリーも、そしてハーティアさえもぽかんと見るしかなかった。

アザリー「……つまり、そういうこと?」

キリ「うん、たぶん」

ハーティアに抱きつこうとしたり、ハーティアの顔を撫でたりしているイールギットをしばし眺め、
ようやっと理解が追い付いたらしいアザリーは呟いた。それに答える。

アザリー「へー、なるほどねえ」

次の瞬間、アザリーはものすごく嫌な予感しかしないような壮絶な笑みを浮かべ、二人へと近づいた。

イールギット「ちょっと、まだ何か彼にする気!?」

ハーティア「あ、アザリー……これもしかしなくてもあんたの」

アザリー「ハーティア……」

アザリーから離そうと力一杯ハーティアを抱き締めるイールギット。
それにより首が絞まり、息も絶え絶えとアザリーに問いかけるハーティア。
そのハーティアの腕にぽんと手を乗せて、アザリー。

アザリー「おめでとう、ハーティア。あなたにも春が来たわよ。わたしのおかげで」

ハーティア「やっぱあんたのせいかああああああ」

アザリー「そしてイールギット、わたしはあんたたちを応援するわ」

イールギット「え」

アザリー「ハーティアのこと、頼んだわね」

イールギット「ふ、ふん。あんたに言われるまでもないことよ」


ハーティアをパーティから外しますか?

ハーティア続行の場合は、イールギットがついてきます

ハーティアを外す場合、代わりにコミクロンが加入します

下1

アザリー「いやあいいことしたわねー」

キリ「いいこと……?」

確かにイールギットは美人の部類と言えるので、抱きつかれているハーティアはまんざらでも無さそうだったが
あれをいいことと言うのはどうだろうか。
結局は、天人の遺産による仮初めの感情に過ぎないものが。
しかし、アザリーは気にした様子もなく、意気揚々と言った。

アザリー「さあて、次は誰にしましょうか」

キリ「次ね……ん、あれ」

キリランシェロが窓の外に偶然目をやると、外を歩いている白衣を着た少年の姿が見えた。
見覚えがある。キリランシェロと同じクラスのーー

アザリー「光よ!」

コミクロンを、アザリーの魔術が撃ち止めた。
さらに、アザリーは重力制御の魔術を使い、窓から校庭へと下降する。
そのまま逃げてしまいたかったが、アザリーを放っておくほうが最終的な被害が大きくなるのは間違いないので
しぶしぶキリランシェロも校庭へと降りる。

アザリー「あーいたいた。やっぱ
コミクロンじゃない」

キリ「そんな確信もなくコミクロンに魔術を放ったわけ……?」

アザリー「え?あー、うん。でも全体的に白っぽかったし、たぶんコミクロンだろうなって」

キリ「やめなよ……ほんとにコミクロンだったから良かったけど、人違いだったら問題だよ」

コミクロン「人違いじゃなくても問題だろがおらあああ!!」

綺麗にできたクレーターの真ん中からむっくりと起き上がってコミクロン。

コミクロン「まったく、ほんとにこの俺じゃなかったら消し炭だぞ」

確かにぱんぱんと白衣の煤を落としているコミクロンの五体には、特に不都合はなさそうだ。
完全な不意打ちだったアザリーの魔術を、一応構成を展開して少しでも相殺したようである。
あとは、得意の治癒魔術によるものか。

コミクロン「で、なんのようだ」

キリ「あー、実はさ、アザリーが、その」

ちらっとアザリーを見る。
それだけで、コミクロンは色々察したらしい。

コミクロン「なるほど、悪いが俺は忙しい、天才には、一分一秒とて無駄にする時間はない」

コミクロン「この溢れんばかりの才能を世の凡才どものために使わねばならんからな、じゃ」

そう口走り、足早に去ろうとするコミクロンの白衣を、アザリーは猫でもひっ掴むようにむんずと握り止めた。

アザリー「で?」

コミクロン「……一緒に行きます」

コミクロン「なるほど、アザリーが、持っている天人の遺産で悪魔の実験をしているわけか」

キリ「うん……一応止めたんだけど、アザリーが聞くわけないしね」

コミ「くそ、なんて事態に巻き込まれたんだ。用務員のおじさんの言う通り、作品の完成を急がないで一緒にお茶していれば……」

キリ「コルゴンがコミクロンの姿が見えないって言ってたけど、またそんなことしてたわけか……」

アザリー「ん、あれは」

コミクロンに事情を説明しつつ歩いていると、前を行くアザリーが誰かを見つけたらしい。

キリ(穏便に済む人だといいけど……)


誰か
下1

マリア・フウォン教師


マリア「あら、あなたたち」

キリ「マリア……教師」

出会ったのは若い女の教師だ。そう、若い。
アザリーとも大して年の違わないその女は、塔でも最強の魔術士の一人として数えられている。
そして、アザリーの異名である、天魔の魔女ーーその名でかつて呼ばれていたと、
ついこの間知ったばかりだった。
それが理由でアザリーは、どうやらこのマリア教師に並々ならぬライバル心を抱いているらしいことも。

アザリー「こんにちは、マリア教師」

マリア「ええ、こんにちは」

笑い合って、とまではいかないものの、穏やかに挨拶を交わす二人。
その一方、アザリーの背に目をやると、その後ろ手でスイッチに指をかけているのが見えた。
慌てて止める。

キリ「ちょ、ちょっと待って!流石にマリア教師はまずいよ!相手は教師だよ!?」

マリア教師には聞こえぬようにアザリーの耳元に抗議するが、アザリーは聞く耳ないようでスルーされた。
その様子を、不思議そうに見ているマリア教師。
怪しまれないようにだろう、猫を被った声でアザリーが話しかける。

アザリー「そう言えばさっき、イールギットに会いました」

マリア「あら……そう。会った、だけかしら?あなたたちが顔を会わせると」

マリア「たいていわたしのところに苦情が来るんだけれど」

アザリー「ええ、会っただけですよ。それより知ってました、イールギットと、うちのハーティアが」

と、そこでスイッチが押された。


マリア教師→下1

マリア教師→コミクロン 40


マリア「そう……初めて知ったわ」

マリア「ハーティアって子は、たしかキリランシェロくんと同じ年代ね」

キリ「ええ」

コミ「だがハーティアだしな。数週間後には関係が跡形もなくなっていてもおかしくない」

キリ「まあ、そうだね」

マリア「……えっと」

マリア「……イールギットはてっきり、キリランシェロくんを気に入ってるんだとわたしは思ってたけれど」

キリ「そうですか。結構食べ物もらったりはしますけど、それだけですよ」

コミ「古来より、男は胃袋を掴めと言うだろう。そこで俺がこの間設計した人造人間二十七号『ガストリン君』はだな」

マリア「あ、わたし、そろそろ行かないと」

キリ「あ、はい」

とまあそんな感じで目立った変化はなかった。
しかし、それがアザリーには不服だったようで、

アザリー「ちっ、つまんないわね……」

それじゃあ、と今まさに去っていくマリア教師の背に向けて、もう一度スイッチを押した。


マリア教師→下1

マリア教師→キリランシェロ 75


ちらっと、マリア教師がこちらを見やる。足も止まっているようだ。
魔術の効果だろうか、と思いつつも会釈をしてみると、マリア教師がつつつっといった足取りで戻ってきた。

マリア「き、キリランシェロ君」

キリ「なんでしょうか」

マリア「さっきの食べ物の話だけど」

キリ「はい」

マリア「もし良かったら、わたしも貰い物のお菓子が余っているけど。あとで食べに来たら?」

キリ「え、はあ」

マリア「なんだったら、これからどうかしら。わたしの教師室にあるから」

アザリー「せっかくですけど、私たちはこれから用がありますから」

キリ「アザリー?」

マリア「……そう。では仕方ないわね」

アザリー「ええ、せっかくですけどね。ね、キリランシェロ」

キリ「あ、はい。すいません、マリア師」

マリア「いえ……でも、今度是非来てね、キリランシェロ君」

アザリー「良かったわね、キリランシェロ。誘ってもらえて」

アザリー「見た?さっきのくやしそうな顔!」

キリ「見たけど」

アザリー「きっとわたしのこと睨み付けてさ、特に最後、あんたの肩にわたしが手を置いたとこ!」

キリ「そうだったかな」

アザリー「そうだったのよ、絶対!あれは完全にあんたのこと狙ってたわ」

キリ「そうかな……」

アザリー「ええ、間違いないって。あ、あんた、勝手にマリア教師のとこ行ったらダメだから」

アザリー「あと、今度マリア教師見かけたら、わたしと一緒に歩くこと」

アザリー「そしたらまた面白そうな顔見れそうだし」

キリ(なんかもう、うわあって顔してるなあ……)

鼻息荒く、まあ勝ち誇っている顔、というものだろう。
キリランシェロが呆れていると、後ろからぽんと肩を叩かれた。

コミ「お前、そろそろ姉離れせんと一生を棒に振るぞ。あの姉のせいで」

キリ(なんとなくそれは分かってるんだけどね……)

キリ(僕が止めなきゃ誰がアザリーを止めるっていうのさ)


次の人
下1

ウオール教室、スエイン


彼が廊下を歩いていると、わいわい言いながら前方から歩いてくる一団があった。
三人組の男女。見覚えがある。
というより、牙の塔にいる魔術士ならば、ほとんどの者が彼らを見知っているだろう。
チャイルドマン教室の面々だ。
もし誰かに、自分もまた、あの中にいたかもしれないと言ったら、信じるだろうか。
そういう話もあったのだと。
考えても栓ないことだ。今や自分は、ウオール教室でもそれなりに名の知れた生徒だ。
牙の塔唯一の暗殺教室の生徒
で、暗殺者として嘱望されている。

などと考えていると、光の帯が突然広がるのが見えた。
あの三人組を中心に、自分もその内へと取り込まれる。
そしてーー


スエイン→下1

……誰得なんだこの人は

スエイン(後の愛らしいクリちゃん仮面二号)→キリランシェロ 51


何も起きず、彼らとすれ違う。
今のがなんだったのかもわからない。
魔術の構成が見えた気もしたが、彼には理解できないものだった。
気になって振り返ってみたが、彼らはスエインを気にすることもなく通り過ぎていく。
その中の一人の少年を注視する。
彼は、スエインと同じ師に学んだことがあったらしい。
だがその後、塔で最強の暗殺者と呼び声高い、あのチャイルドマンを師事した。
自分はそんな話もあったが、そのまま師の元で学んだ。
彼と自分、お互いが逆の道に進んでいたとしてもおかしくない。
妙な親近感を、何故か覚えた。


あとはもう、ティッシ再びとフォルテでいいかなプレ編

一通り校舎を回って、再びチャイルドマン教室に戻ってきた。
アザリーは飽きてきたのか、最後の方は本当に連打して困ったが、もうそろそろつまらないと遺産を手放しそうでもあった。

アザリー「まあでも、大分コントロールはできてきたわね」

キリ「ほんとに?」

アザリー「ええ、その証拠に、今回ってる間はわたしたちのほうからの好感度に変化がなかったでしょ」

キリ「そういえば」

アザリー「あとは好感度の変化が上がるか下がるかを操作できるようになればばっちりよ」

コミ「そう言って何度失敗したか。この女に記憶力というものはないのか」ボソッ

無理矢理付き合わされ、足取り重くのろのろついてきていたコミクロンは、聞こえないと思ったのだろう、小さくぼやいた。
キリランシェロに聞こえたということは、当然アザリーにも聞こえたということのわけだが。

アザリー「あら、今なんて言ったのかしら」

コミクロン「すんませんすんませんマジ調子に乗りましたああああああああ」

笑顔のまま振り向いたアザリーに素早く頭蓋を捕まれ、みしみしという音をさせたコミクロンが懇願する。

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