魔法使い「その少女を買おう」 (55)

魔法使いと少女の物語です。
初SSですが、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1420208250

ーーとある市場

ワイワイガヤガヤ

魔法使い「さて、今日の夕食はどうしようか」

オニーサンヤスクシトクヨー

魔法使い「おっ、これはいい食材だ」

マイドアリー

ーー路地裏

魔法使い「夕食の献立を考えていたらこんなところまで来てしまった」

魔法使い「早く帰ら......」ドン

少女「はぁ......っはぁ......っ」

魔法使い(ぼろぼろの服に紋様が刻まれた腕輪......奴隷の子か)

少女「た......たすけ......」

奴隷商人「見つけたぞっ!」

少女「ひっ」

奴隷商人「おい、いくぞっ」

少女「い.....いや......っ」

少女は魔法使いの服を必死に掴んでいる。

魔法使い「待て」

奴隷商人「あぁ? てめぇ、俺の商売に口出しする気か?」

魔法使い「いや......」





魔法使い「その少女を買おう」





奴隷商人「けっ、こっちとしても役立たずを在庫処分ができて清々したところだ」

ーー

魔法使い(......というわけで衝動的に少女を買ってしまったわけだが)

少女「......」ビクビク

魔法使い(とりあえず雑談でもして安心させるか)

魔法使い「あのさ、君の名前はなんていうの?」

少女「えっ......」

少女は意外そうに魔法使いの顔を見上げる。

魔法使い「名前がなきゃ呼びようがないだろ?」

少女「......少女、です」

魔法使い「少女か......いい名前だ」

魔法使い「私は魔法使い。よろしくね、少女」

ーー魔法使いの館

魔法使い「これが君の新しい家だよ」

少女「大きい......」

魔法使い「買い手がつかず売れ残っていた屋敷を地主から買い取ったんだ」

少女(売れ残り......私みたい......)

少女(私は常に売れ残りだった)

少女(料理もできない、掃除もできない.....そんな召使いはいらない、と毎回返品された)

少女(この人も私を返品するのかな......)

少女(あの、悪魔のような奴隷商人に)

魔法使い「さぁ、上がって上がって」

少女「お、お邪魔し......いたっ」ドンッ

?「申し訳ございませんが、靴を脱いでお上がりください」

少女「えっ......(どこからか声がする)」

魔法使い「あっ、驚かせちゃったかな」

魔法使い「この家土足厳禁なんだけど、どうにも土足で上がろうとする人が多いから魔法で警告するようにしてあるんだ」

少女「ドソクゲンキン......?」

魔法使い「んー、元々いた国での文化で、靴を脱いで室内に上がる、というものがあるんだ」

魔法使い「本当はこの国の文化にならうべきなんだろうけど、家の中で靴をはくというのはどうにも性に合わなくてね」

魔法使い「それでこの家では土足厳禁ということにしているんだ」

少女 クツヌギヌギ

魔法使い(可愛い......)

今日はとりあえずここまでにしておきます。

魔法使い性別は

予想以上に見てくれている人が多くてうれしいです。

>>8
男性ですね。
実はそう分かる描写が昨日の投稿にあったりします(探してみると面白いかも知れないです)。

では、書けたところまで投稿していきます。

魔法使い「さて、少女の部屋はどこにしようか......」

少女「部屋なんて......いりません」

魔法使い(そういえば、奴隷は馬小屋や店先といった、人が生活するのには向かない環境で寝起きすると聞いたことがある)

魔法使い(モノに部屋なんておこがましい、そういうことなのだろうけど......)

魔法使い「君は人間だ。そして人間にはちゃんとした生活をする権利がある」

魔法使い「だから君がなんと言おうと、どこかの部屋で暮らしてもらうよ」

少女「!」

魔法使い「んー......、よし、あそこの部屋にしよう」

魔法使い「ついてきて、少女」

ーー部屋

魔法使い「ここは本来なら貴族の使用人が住む部屋になる予定だったらしい」

そこは質素ではあるが、家具はひと通りそろった部屋だった。

魔法使い「貴族のご令嬢の部屋、とも思ったが、あそこは無駄に豪華すぎるし、この部屋ぐらいが暮らしやすいかなって思ったんだけど、どうだろ?」

少女「うれしい......」

魔法使い「そういってもらえたならよか......ゴホッ」

魔法使い「ほこりっぽいな」

魔法使い「よし、とりあえずこの部屋の掃除お願いしていいかな?」

少女「はい......」

魔法使い「下の研究室にいるから終わったら呼んでね」

少女(ここで失敗したらまたあそこに戻される......)

少女(それだけは嫌だ)

ーー研究室

魔法使い(これまで仕事をするということでしか存在価値を見出されなかったわけだから、とりあえず仕事を与えてみたけど......)

魔法使い(かといってこのままでは上下関係は解消されないし......)

キャーー

魔法使い「!」

ーー少女の部屋

魔法使い「どうしたっ!?」

魔法使いが少女の部屋に駆けつけると、そこにはバケツの水を盛大にひっくり返した少女がいた。

魔法使い(この子掃除苦手なのかな)

少女「ひっ......」

少女(連れ戻される......)ガクガク

魔法使い「一緒にやればよかったね。服濡れてない?」

少女「えっと......」

少女の服は派手に濡れていた。

魔法使い「そこのタンスの中に使用人用の服が入っていたと思うから、それ持ってお風呂入ってくるといいよ」

魔法使い「ここの掃除はその間に私がやっておく」

少女「え......でも、そんな......」

魔法使い「いいからいいから」

ーー浴室

少女(ご主人様に言われてお風呂に入ったけど......)ゴシゴシ

少女(あの人はこんな私になんであそこまで優しくしてくれるんだろ......)ザバン

少女(今まで買われたところでは、馬小屋で身体を洗うことがほとんどだった......)シャー

少女(家の人達からはモノとして扱われ、日頃の鬱憤のはけ口にされる......)チャポン

少女(返品されれば、あの奴隷商人に調教される......)

少女(私はそんな生活から逃れたかった......)

ーー少女の部屋

魔法使い(さっきの服ってこの家買ったときに付いてきたものなわけだけど......)ゴシゴシ

魔法使い(なぜあんなものまで家に付属されていたのか未だに謎だ......)ギュー

魔法使い(まぁ、そのおかげであの子の着替えはなんとかなったのだけど)ゴトゴト

魔法使い「......」

魔法使い(あの子はおそらく人の優しさというものを知らない)サッサッ

魔法使い(だからこそ、私が精一杯優しくしてあげなくては)

ガタッ

少女「お風呂......ありがとうございました......」

魔法使い「ゆっくりでき......っ!」

少女は使用人用の服......もといメイド服を着ていた。

魔法使い(幼い顔立ちにメイド服......これは......いい......っ!)

少女(なにか身の危険を感じる......)ビクッ

魔法使い(おっと、落ち着け落ち着け)

魔法使い「湯加減はどうだったかな?」

少女「温かかったです......」

少女の顔が少しほころんだ。

魔法使い「それならよかった。ここの掃除あらかた終わったよ」

少女「あ......ありがとうございます......」

少女の部屋はピカピカになっていた。

カッコーカッコー

魔法使い「もうお昼の時間か」

少女「お食事......作ります......」

魔法使い「それじゃ、お願いするね」

少女(これ以上失敗はできない......)

魔法使い「......とは言ったものの、どうにも不安だ」

魔法使い「なんかあの子ドジっ子っぽいからなぁ......」

パリンッ

魔法使い「あぁ、言わんこっちゃない」

ーー台所

少女「あ......あ......」

少女の目の前には粉々になった皿が落ちていた。

魔法使い「だ、大丈夫かっ」

少女「その......あの......」

少女(またあそこに戻される......)ガクガク

少女は顔面蒼白になっていた。

魔法使い「大丈夫。そんなことで君を嫌いになったりしないよ」ギュッ

少女「!」

魔法使い「君をモノ扱いする人はここにはいない。だから安心していいんだよ」

少女「う......うぅ......っ!」

魔法使い「よしよし」ナデナデ

少女はひとしきり泣いたようだった。

魔法使い「さて、後始末は私がやっておくから、少女はそこのテーブルに座ってるといいよ」

少女「はい」

魔法使い「さて......」

魔法使いは上着の中からカードを取り出すと、それを宙に投げた。

魔法使い「ーー発動せよ」

カードが一瞬にして燃えると、少女の目の前のテーブルに皿が現れた。

魔法使い(ちょっとカッコつけすぎたかな)

少女の目の前に現れた皿は、さっき少女が落としたはずのものだった。

魔法使い「自動的に瀬戸物を修理する......そんな魔法なんだ」

魔法使い(実のところ、転移魔法も使ったのだけれどね)

少女「ご主人様すごいです」

魔法使い「そういってもらえるとうれしいね。ただ......」

少女「?」

魔法使い「私のことは名前で呼んでもらえるとうれしいかな」

少女「......はい、魔法使いさん」

魔法使いは料理を盛り付けると席についた。

魔法使い「それじゃ、いただきます」

少女「いただきます」

魔法使い(結局私が全部作ったわけだけど......)

魔法使い(気に入ってくれるかな......)ドキドキ

魔法使い(って何もドキドキする要素なくないか......?)ドキドキ

少女「おいしいです」ニッコリ

魔法使い(っしゃ!)

魔法使いは心の中でガッツポーズをしていた。

少女「......あの、早く食べないと冷めちゃいますよ?」

魔法使い「あ、そ、そうだね」

魔法使い「ごちそうさまでした」

少女「ごちそうさまでした」

魔法使い「それじゃ食器洗うね」

少女「あ......、お願いします」

魔法使い「♪」

少女(楽しそうだなぁ)

魔法使い(少女に美味しいって言われた♪)

魔法使い「さて、それじゃ、私は研究室にこもるけど......少女はどうする?」

少女「んー......(どうしよ)」

魔法使い「私の研究見てみる?」

少女「いいんですか?」

魔法使い「いいよいいよ」

ーー研究室

少女 キョロキョロ

本棚や黒板がある、広めの部屋だった。

少女「それはなんですか?」

魔法使い「これはね、魔法式コンピュータっていうものなんだ」

魔法使い「いろんな処理ができる箱だよ」

少女「......?」

魔法使い「実際に動かしてみた方がイメージしやすいかな」

魔法使いがボタンを押すと、真っ黒だった部分になにかが浮かび上がった。

魔法使い「この画面を見ながら、キーボードやマウスで操作していくんだ」

少女「キーボ.....マウス......?」

魔法使い「これがキーボードで文字を打ち込むもの」

魔法使いはボタンがたくさん付いた板を指した。

魔法使い「そして、これがマウスで画面の中のこいつを動かすものなんだ」

魔法使いは丸っこい物体を指すと、それを動かしてみせた。

少女「画面の中のくさび形のものが動いてる......」

魔法使い「私はこれを使って、マジックカードの研究をしているんだ」

少女「......?」

少女(マジックカードって、大きな紙に魔法陣を描いて、それを縮小させたものを板に焼き付けて作るって聞いたことがある)

少女(でも、この道具でどうやって魔法陣を描くんだろ......?)

魔法使いは椅子に座るとマウスを操作した。

すると、画面が変わり、びっしりと文字が出てきた。

魔法使い「ここには魔法の手順が書いてあるんだ」

少女は画面を覗きこむが、いまいちよくわからない。

少女「英語......?」

魔法使い「少女、英語わかるのか」

少女「少しだけ、だけど」

少女「でも、なんか変.......」

少女(単語は英語だけど文章になっていない)

魔法使い「これは英語をベースにした特殊な記法を用いているからね、無理もない」

少女「特殊な記法......」

魔法使い「さて、これを印刷してっと」

魔法使いがキーボードをいくつか同時に押すと、画面の中の絵が少し後ろに移動し、そして画面の上の方に移動すると、画面上部から紙が出てきた。

魔法使い「ここに印刷されているのは、さっき画面に映っていた魔法の手順」

少女「ほんとだ......さっきのと同じ」

魔法使い「そうしたら、魔法陣を暖炉の中に敷いてっと」

魔法使いは机の横においてある巻紙の一つを取ると、それを広げ、暖炉の中に敷いた。

魔法使い「あとは、さっきの紙と白紙のカードを置いて、呪文を唱える」

魔法使い「ーー汝、我が文書を自然の理に組み込め」

魔法陣が光りだす。

魔法使い「ーー発動!」

魔法使いの言葉と同時に、暖炉の中が勢い良く燃えた。

魔法使い「さてさて出来上がりのほどは......」

魔法使いは火が消えた暖炉の中に手を入れる。

少女「そ、その中は.....っ!」

少女は止めようとしたが、魔法使いはすでに何かを取り出していた。

魔法使い「大丈夫。あの火って実は全然熱くないんだ」

魔法使いが手に持っているそれはさっきのカードであった。

さっきまで白紙だったカードには魔法陣が焼き付けられていた。

魔法使い「これがさっきの手順を魔法陣にしたもの」

魔法使い「そしてこれを発動させると......」シュッ

魔法使いは窓の外に向かってカードを投げた。

魔法使い「ーー発動せよ」

すると、何もなかった庭に一面の花が咲き誇った。

少女「わぁ~」

少女「さっきの文字の羅列がこんな綺麗な魔法だったなんて......」

魔法使い「これが私の魔法、だよ」

とりあえずここまでということで。

乙!

すごい和むなぁ〜、完全に親と娘のそれだわw

>>33
たしかに父娘みたいですよねw

では、更新していきます。

ーー

『ほう、その歳でここまでの資格を持っているとは......』

?『そんな、私なんてまだまだですよ』

『これなら割とすぐに戦力になるかもしれん』

?『そう言っていただけると光栄です』

ーー魔法使いの寝室

魔法使い「......ん?」

魔法使い(頭が痛い)

少女「大丈夫、ですか?」

魔法使い「あれ、なぜ寝てるんだ?」

少女「魔法を使った直後に魔法使いさんが倒れたので、寝室まで運んできたんです」

魔法使い(言われてみると、何かにぶつかったような痛みが体中にある)

魔法使い(少女ががんばって運んでくれたんだな)

魔法使い「魔力の使いすぎが祟ったかな......」

少女「無理しちゃだめですよ」ナデナデ

魔法使い(少女が頭をなでてくれている......)ニヘラ

少女「おかゆ、作ってきますね」

魔法使い「はは.......、助かるよ」

魔法使い(しかし昔のことを思い出してしまうとは......)

魔法使い(もう未練なんかないはずなのに)

魔法使い「......」

魔法使い(まてよ......)

魔法使い(今さっき少女はなんと言った?)

少女『おかゆ、作ってきますね』

魔法使い(おかゆ......料理......作る......)

魔法使い(やばい、またさっきみたいなことに......!)

魔法使い「行かなくちゃ......!」ズルズル

ーー台所

少女(私は不器用だから自分で作ると失敗してしまう)

少女(でも、自分で作らないのであれば......)

少女はカードを宙に投げた。

少女「ーー発動せよ」

ーー

魔法使い(遠いな......)ハァハァ

魔法使い(しかし、あの子が怪我なんてしたら......)ズルズル

魔法使い(よし、ドアだ......)

ーー台所

魔法使い「少女......そんなことしなくてもだい......えっ?」

少女「魔法使いさん、わざわざ這ってこなくてもちゃんと迎えに行きましたよ」

おかゆ ホクホク

魔法使い(美味しそうなおかゆがテーブルにある、だと......)

少女「さぁ、食べましょ?」

少女は魔法使いに肩を貸して、椅子まで連れて行った。

少女「いただきます」

魔法使い「......いただきます」

魔法使い(これは果たして食べて大丈夫なのだろうか......)

魔法使い(いや、少女ががんばって作ってくれたものだ、食べねば)

魔法使い パクリ

少女「......ど、どうですか?」

魔法使い「......」

少女 ゴクリ

魔法使い「......」ウルウル

少女「えっ......あの.......」

魔法使い「うまいっ。よくがんばったなぁぁぁ」ギュー

少女「く、苦しい.......」

魔法使い「あ、ごめん」

少女「魔法使いさんに喜んでもらえてなによりです」ニッコリ

魔法使い「しかし......、これ一体どうやって作ったんだ?」

少女「それがその.......」

ーー研究室

少女『とりあえず魔法使いさんを寝かしてきたけど......、魔法使いさんを治すカードとかないかな......』

少女『ん? これは......』

少女は床に散らばった紙の束を見つけた。

少女(これ、さっき魔法使いさんが書いていたのと同じ魔法の手順だ)

少女『(一番上にはこう書いてある)おかゆ自動生成カード.......』

少女『これを使えばおかゆができる、のかな』

少女(カードを作ってみよう)

少女『(たしかこの魔法陣だったはず)よいしょっ』

少女(ここに白紙のカードと紙束を置いて......)

少女『ーー汝、我が文書を自然の理に組み込め』

少女『ーー発動!』

少女『......あれ?』

少女(火が消えたのに文書が残ってる.......)

少女(カードも白紙のままだし......)

少女(とりあえず紙束を取り出してみよう)

少女が紙束を取り出すと、そこには赤い文字で何かが書き足されていた。

少女『エラー:到達不能コード』

少女(到達不能......辿りつけない......?)

少女(赤い文字の近くに書かれているのは......『if』という文字と数式)

少女(もし、この数式が成り立つなら......ということなのかな)

少女(その後にカッコで囲まれた箇所がある......ここに書いてある手順を行うのかな......?)

少女(とすると、到達不能というのはここまで来れない......、つまり数式が成り立たないってこと?)

少女(数式の中に混じっている妙に長い名前の変数......これが出てくる箇所は......)

少女(えーっと、この計算だと......たしかにこの数式は成り立たない)

少女(そして、手順の横に書いてあるメモ書き(?)の条件を満たすとなると......)

少女(『if』の後の数式を書き換えればいいのかな)

少女 カキカキ

少女『よし、もう一度......』

少女『ーー汝、我が文書を自然の理に組み込め』

少女『ーー発動!』

少女(今度はちゃんとカードだけが出てきた)

ーー台所

少女「......そしてそのカードを使って作ったんです......」

少女「ごめんなさい......」

魔法使い「どうして謝るんだい?」

少女「魔法使いさんの紙束を勝手に書き換えて、その上カードまで......」ウルウル

魔法使い「ははっ、大丈夫、気にしてないから」

魔法使い「それより、すごいね。バグを潰せるなんて......」

少女「バグ......?」

魔法使い「バグっていうのは、カードが誤作動する原因のことを言うんだ」

魔法使い「そして、その原因を修正することをバグを潰す、という」

魔法使い(もっとも、普通の魔法使いはそんな言葉使わないけどね)

少女「へぇ~」

魔法使い「素人にはそうそうできないことなんだ」

魔法使い「でも少女、君はそれをやってのけた」

魔法使い「ひょっとして、知識階級の生まれだったりする?」

少女「そうですね.....」

少女「私はこの国きっての数学者の父と魔法学者の母の元に生まれました」

少女「そして、父からは数学を、母からは魔法学を学びました」

少女「しかし、あるとき、父が株式市場を不正に操作したという疑いがかかりました」

少女「父がそんなことをするはずがない......私達の一族はそう主張しましたが、この国の社交界では見向きもされませんでした」

少女「父は労働者階級から知識階級まで上り詰め、その上、由緒ある血筋の母と結婚したため、社交界からは成り上がり者と呼ばれていたのです」

少女「その後、父と母は王宮での地位を剥奪され、財産を国にとられてしまった私達はがんばって働きましたが、それでも生きてゆくことができず......」

魔法使い「娘を奴隷として売ることで生きるためのお金を得た......」

少女「というわけです」

魔法使い「ご両親の行方は......?」

少女「仕事を得るために様々な土地を転々としていましたから、今どこにいるかはわかりません」

魔法使い「そうか......」

魔法使い「今はこんなことしかできないけど......」ギュッ

魔法使い(いつか、君をご両親の元に帰す)

とりあえずここまで、ということで。

このSSは割と専門的な内容が出てくるので、わかりにくい箇所もあるかと思います。
その場合、捕捉していきたいと思いますので、レスを飛ばしてもらえると助かります。

>>1です。
テスト期間が終わったら更新していきたいと思います。

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