晶「初詣に行きたい？」

伊緒奈「うん」

晶「そーか」

伊緒奈「一緒に行こ？」

晶「い・や・だ」

伊緒奈「……断固拒否？」

晶「一人で行け」

伊緒奈「えー……」

伊緒奈「だって昨日結局除夜の鐘聞けなかったし……」

晶「それはてめーが結局起きなかったからじゃねーか！そのままぐーすか寝やがって！私何度も起こしたんだからな？！」

晶「その上当たり前のように泊まりやがって！」

晶「とにかく！私はお前とはいかねーぞ！」

伊緒奈「……ケチ」ﾌﾞｰ

晶「……」

伊緒奈「……」

晶「……」

伊緒奈「……」

晶「……」ﾁﾗ

伊緒奈「……」ｼﾞｰ

晶「……」ﾌｲ

伊緒奈「……」ｳﾙｳﾙ

晶「……」ｲﾗｲﾗ

伊緒奈「どうしても、ダメ……？」

晶「…………」

晶「……………………………………………………」

※因みに能登伊緒奈さんです

晶「……ちっ！わーったよ行ってやる！」

伊緒奈「やった」ｶﾞｯﾂﾎﾟｰｽﾞ

晶「でも勘違いすんなよ？！お前と行きたい訳じゃねーんだからな！？私が行きたいから行くんだ！」

伊緒奈「何だ結局晶もいくんじゃない」

晶「お前と一緒が嫌なんだよ……」

伊緒奈「そう？」

晶「あぁ……」

～神社までの道～

ﾋｭｳ～

晶「さみー……」ｶﾞﾁｶﾞﾁ

伊緒奈「冬だからね……」ﾌﾞﾙﾘ

晶「……そーいやお前初詣行ったことあんのかよ？」

伊緒奈「失礼ね。あるに決まってるじゃない」

晶「そりゃ意外だ」

伊緒奈「私はそこまで世間知らずじゃない」

晶「本当かよ……」

伊緒奈「……私そこまで世間知らずに見える？」

晶「世間知らずのボンボンのバカ娘にしか見えねぇ」

伊緒奈「そこまで……？」

晶「そう見られたくなかったらもう少しシャキシャキしろや……」

伊緒奈「うん……気を付ける」

晶「はっ。どーだかな」

伊緒奈「……」

晶「……」

伊緒奈「……あっ」

子供＜ｷｬｯｷｬｯ

子供＜ﾜｲﾜｲ

晶「……ちっ、近所のガキ共か」

晶「見つかったら不味い、早く行くぞ」

伊緒奈「何で？ただの子供じゃない」

晶「見つかったらお年玉よこせって追いかけ回してくんだよ。行くぞ」ｽﾀｽﾀ

伊緒奈「あ、待ってー」ﾄｺﾄｺ

～神社～

ｶﾞﾔｶﾞﾔﾋﾄｺﾞﾐ

晶「……人多いな」

伊緒奈「多いね」

晶「この糞寒い中よくやるな本当……普段は神様なんて信じてねーくせに都合のいいときだけ神を信じてあやかりに来るんだからよ」

伊緒奈「それは私達も同じじゃない？」

晶「……まぁいぃ。とっとと並んでととっとと拝んで帰るぞ」

伊緒奈「うん」

晶「……」

伊緒奈「……ズラーッて擬音をつけたくなるほど並んでるね」

晶「私も初めてくるけど本当沢山並んでんな。覚悟はしたけどよ」

晶「割りとデカイ神社し長い時間並ぶぞ？お前も覚悟しとけよ」

伊緒奈「並んでから言う？それ」

晶「嫌になったら帰ってやってもいいぞ。私は後で一人で行くから」

伊緒奈「……馬鹿にしないで」ﾑｽ

晶「……」

伊緒奈「……」

晶「……」

伊緒奈「……」

晶「……」ﾁﾗ

伊緒奈「……」ﾎﾞｰ

晶「……」

伊緒奈「……」ﾎﾞｰ

晶(こいつ立ったまま寝やしねーだろうな……)

伊緒奈「流石にそこまでしないよ……」

晶「そーかよ……」

伊緒奈「……」

晶「……」

晶「何で私の考えてることがわかった」ﾊﾞｯ

伊緒奈「そういう目をしてた」

晶「どんな目だよ……」

伊緒奈「あ、少し進んだ」

晶「お、本当だ。でも先はなげーな、まだ…… 」

伊緒奈「……」

晶「……」

伊緒奈「そういえばさ」

晶「あん？」

伊緒奈「晶は初夢見た？」

晶「初夢？」

伊緒奈「うん、私は見たよ。富士と鷹が出てきた」

晶「茄子は出てこなかったのか。ざまぁみろ」ｹﾗｹﾗ

伊緒奈「そういう晶はどうなの？」

晶「私？私はなぁ……」ﾎﾜﾝﾎﾜﾝ

～晶の夢～

晶『……ウリス！』

『えっ？』

晶『なぜウリスがここに！自力で脱出を？！』

茄子(無言の腹パン)

晶『ぐっ……！』

茄子『彼女はウリスではない……』

晶『ウ、ウリス……』

晶「……」

晶「……私の夢には茄子が出てきた……」(遠い目)

伊緒奈「あ、じゃあ私の夢と合わせて一富士二鷹三茄子だね」

晶「そーだな……はは」

伊緒奈「あ、また少しだけ進んだ」

晶「……はぁ」

伊緒奈「まだ先頭が見えないね」

～数時間後～

伊緒奈「うーん……砂」

晶「ナス」

伊緒奈「ス……ス、ス、ス……スイカ」

晶「カス」

伊緒奈「うー「ス」ばかり……」

伊緒奈「ス、ス、ス……スルメ」

晶「メス」

伊緒奈「……晶ずるい」

晶「ずるくねーよ立派な作戦だ」

晶「大体これでも手加減したんだぞ？「ス」なんて簡単だろーが」

伊緒奈「かれこれ五十回近く「ス」だよ……？」

伊緒奈「うーん……ス、ス、数字」

晶「ジーンズ」

伊緒奈「……ズ……結局「ス」ス、ス、ス……」

伊緒奈「うーん……」

晶「……」

伊緒奈「……頭痛」

晶「ウリス！」

伊緒奈「……またー……崇高」

晶「ウリス！……あ」

伊緒奈「あ……二回同じ言葉を言ったから晶の負けー」

晶「しまったつい……」

伊緒奈「これも作戦です」ﾌﾝｽ

晶「ぜってーたまたまだ……」

伊緒奈「尻取りしてるあいだに結構進んだね」

晶「お、本当だ。もう次だ」

ｶﾞﾗﾝｶﾗﾝ

ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

モブ＜ﾅﾝﾃｵﾈｶﾞｲｼﾀｰ?

晶「よし、私たちの番だ」

伊緒奈「その前にちょっと待って」

晶「なんだよ」

伊緒奈「あの鈴をならすのは私にやらせて」

晶「……鳴らしてーのか？」

伊緒奈「……」ｺｸ

晶(こいつのこんな深刻な表情初めてみた……)

晶(やっぱこいつも初詣行ったことねーんじゃねぇのか？)

晶「……好きにしろ」

伊緒奈「やった」ﾊﾟｱ

晶「でもまず賽銭いれてからだ」←五円玉

伊緒奈「うん」←一万円札

晶「ちょい待て」

伊緒奈「？」

晶「そんなにいれて良いのかよ」

伊緒奈「なんで？」

晶「いいか？神様なんて本当は金なんか使わねーんだよ。だからいくら賽銭を払おうとおんなじことだ」

伊緒奈「へー……。なるほど」

伊緒奈「……でも小銭持ってないしいいや」

晶「……ちっ。ほらよ」←五円玉を手渡す

伊緒奈「……いいの？」

晶「なんの躊躇いもなく万札いれるの見るとなんかこっちが惨めになるんだよ……おらとっとと入れろ」ﾁｬﾘﾝ

伊緒奈「そう？なら遠慮なく……」ﾁｬﾘﾝ

晶「ほら、さっさと鳴らせよ」

伊緒奈「うん……いくよ」ｷﾘ

ｶﾞﾗﾝｶﾗﾝ、ｶﾞﾗﾝｶﾗﾝ

晶「……」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

伊緒奈「……」ﾊﾟﾝﾊﾟﾝ

晶「……」

晶(ウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリス…………)

晶(ウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリスウリス…………)

伊緒奈「よし、行こう？」

晶(ウリスウリスウリスウリスウリス……)

伊緒奈「……晶？」

晶「……よし。行くぞ」

伊緒奈「？……うん」

晶「……」

～鳥居の前～

晶「……ん？」

伊緒奈「あ、雪だ……」

晶「どーりで寒いと思った……おい、走るぞ」

伊緒奈「……」ｶﾞｻｺﾞｿ

晶「……何してんだよ？」

伊緒奈「折り畳み傘～」ﾊﾟﾝﾊﾟｶﾊﾟｰﾝ

晶「……用意がいいんだな」

伊緒奈「そう？」

晶「私は先に帰るからな。お前もそのまま帰れ」

伊緒奈「あ、待って」

晶「なんだよ、雪が激しくなる前に私は帰りたいんだよ……」

伊緒奈「傘、一緒に入ろ？」

晶「断る！」

伊緒奈「そんな強く断らなくても」

晶「お前と相合い傘するくらいなら凍死する！」

伊緒奈「え、晶は私のことそういう風に見てたの……？」ポッ

晶「バ！バカちげーよンな訳ねえだろうが！」ﾎﾞﾝ

晶「いいよわかった！そこまでいうなら入ってやる！その代わり私に歩幅合わせろよ？！」

伊緒奈「……ふふ」

晶「笑うんじゃねぇ！」

～帰り道～

伊緒奈「……」

晶(肩が触れあうほど近い……)

晶(こんだけ詰めねえと雪が掛かるけどよ……)

伊緒奈「ねぇ晶」

晶「あん？」

伊緒奈「そう言えば私まだ言ってなかったよね？新年の挨拶」

伊緒奈「だから今から言うね？」

晶「……」

伊緒奈「明けましておめでとう」

晶「……おう」

伊緒奈「ほら晶も」

晶「？」

伊緒奈「新年の挨拶」

晶「……あけおめ」

伊緒奈「……それだけ？略さないでよー」

晶「お前なんてあけおめだけで十分だ」

伊緒奈「ふふ……」

晶「何で笑うんだよ……」

晶(やっぱこいつ嫌いだ……)

伊緒奈「今年は良い年になるかな……」

ここまで。このスレは残して時々短編を投下しようと思ってる

投下します

晶「正月太り」

～某スタジオ～

晶「こんにちは～！皆さん明けましておめでとうございます！」

カメラマン「あ、晶。明けましておめでとう」

モブモデル「明けましておめでとうございます！」

晶「はーい！今年もアキラッキー全開でーす！」

カメラマン「……」

晶「？どうしました？晶の顔に何かついてます？」

カメラマン「晶……ちょっと太った？」

晶「」

晶「……」←鏡見てる

晶「……」ﾌﾆｭ

晶(言われてみれば確かに肉がついてる気が……)

晶(……そういや正月の間ずっとこたつでミカン食ったりおせち食ったり餅食ったり)

晶(食ってばっかじゃねーか)

晶(太ってモデルとしての価値がなくなったら……)

晶(いや、それよりもウリスに嫌われて……！)

晶「ウリスが戻ってきたときにモチモチした姿を晒すわけにはいかねえ……！」

晶「私は痩せる！ダイエットするぞ！」

～楽屋～

晶「……」

伊緒奈「お腹減った……」ﾊﾟｶ

伊緒奈「いただきまーす」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

晶「……」ﾌﾟｲ

伊緒奈「……あれ？晶はご飯食べないの？」

晶「いらねーよ」

伊緒奈「そうなの？でもまだ撮影あるし、何か食べとかないと大変だよ？」

晶「うるせー食べようが食べなかろうが私の勝手じゃねーか！」

伊緒奈「そんな怒らなくても……」

晶「ふん」

晶(……ヤバイ)

晶(早速腹が減ってきた……)

晶(育ち盛りに昼飯を抜くのはやっぱキツイ)

晶(てか……)ﾁﾗ

伊緒奈「♪」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

晶(横でうまそうな弁当食いやがって)

晶(にしてもよく食うな……その癖全然太んねえとか)

晶(むかつく)

晶(てか……食った分の栄養はどこに行くんだいったいよ)

伊緒奈「うん、美味しい」ﾊﾞｲｰﾝ

晶(……)ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

晶(くそっ！余計な所にばっか肉がつきやがってええええええええええ！)

晶(……色々考えてたら益々腹減ってきた)

晶(何も考えるな、無心でいろ私)

晶(……)

晶(……)

～漂ってくる弁当のいい匂い～

晶(無心なんてできるか！)ｽｯ

伊緒奈「あれ晶、どこに？」

晶「うるせーどこに行こうが私の勝手だ！」ﾊﾞﾀﾝ

伊緒奈「……やっぱお腹すいてるのかな」

～午後～

晶(き、きつい……)

晶(昼間何も食ってねえ上に撮影はキツすぎる……)

カメラマン「いいねー晶。可愛いよ！」ﾊﾟｼｬ

晶「は、はい……」

晶(ヤバい……目が霞んできた)

晶(いや駄目だ、堪えろ私。痩せるために……！)

晶「お、お疲れさまでした～……」

晶(やべー目が霞んでる)

晶(さっさと帰ろう。夕飯も抜いて……朝飯は食う……)

晶(今日はもう速攻で寝る……)ﾌﾗﾌﾗ

伊緒奈「……晶」

晶「あん？」

伊緒奈「大丈夫？フラフラしてるよ？」

伊緒奈「よかったら家まで送っていくけど……」

晶「うるせーてめえの助けなんかいらねぇよ……」ﾖﾛ

伊緒奈「でも本当に大丈夫？やっぱりお昼抜いたのが不味かったんじゃ」

晶「うるせぇ……てめえに何が解る……ダイエットしてるやつの気持ちがよぉ……」

伊緒奈「ダイエット……？何で？」

晶「何でって……当たり前だろ痩せるためだ」

伊緒奈「でも晶太ってないよ？」

晶「……え？」ﾌﾗﾌﾗ

晶「」ﾊﾞﾀﾝ

伊緒奈「あ、晶？！」

晶「……ん…………？」ﾊﾟﾁ

伊緒奈「あ、晶！よかった気がついた」

晶「ここは……」

伊緒奈「晶の家だよ。晶、倒れちゃったんだよ？」

伊緒奈「お昼ご飯ちゃんと食べないからこうなるんだよ？」

晶「……なぁ」

伊緒奈「？」

晶「……私が太ってないって本当か？」

伊緒奈「当たり前じゃない。全然太ってなんかないよ」

晶「……そうか」ﾊﾟﾀﾝ

伊緒奈「でもこんな無理なダイエットしちゃ駄目だよ？解った？」

晶「あぁ……」

伊緒奈「と、いうわけで」

晶「？」

伊緒奈「ほら、今食べよ？」

出来立てのご飯＜ﾎｶﾎｶ

晶「……」ｺﾞｸ

伊緒奈「大丈夫だよ、ちゃんと栄養のバランスは考えて作ったから」

晶「え……つくったって」

伊緒奈「晶が眠ってる間にキッチンを借りさせて貰って私が作ったの。美味しそうでしょ？」

晶「……」

晶(悔しいがうまそうだ……)

晶「……仕方ねーな食ってやるよ」

伊緒奈「うん。……はい、あーん」

晶「……は？」

伊緒奈「晶は倒れたんだから、私が食べさせてあげる」

晶「いや、そんなことしなくても自分で食えるっつーの！」

伊緒奈「ダメ。あーん」

晶「ぐぐぐ……」

晶(悔しい、でも食べたい)

晶「あ、あーん……」//

晶「……」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

伊緒奈「どう？」

晶(旨い……)

晶「……ふ、ふん。まぁまぁだな。もっと寄越せ」

伊緒奈「うん……♪」